JP2021100322A - 充放電装置、充放電システム、充放電制御方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】車載蓄電池の劣化を抑制できる充放電装置、充放電システム、充放電制御方法、及びコンピュータプログラムを提供する。【解決手段】車両に設けられた蓄電池と接続する車載電力線とのコネクタを有し、前記蓄電池に対する充放電を制御する充放電装置であって、前記蓄電池の所定期間における充放電電力量若しくは充放電回数、又は前記蓄電池の電池総容量を記憶する記憶部と、前記充放電電力量若しくは充放電回数、又は電池総容量の低下割合に基づいて、前記所定期間での充放電を制限するか否かを判断する判断部と、前記判断部によって充放電を制限すると判断した場合、充放電を制限する制御部とを備える。【選択図】図5
Description
本発明は、車両に備えられる蓄電池と接続される充放電装置、充放電システム、充放電制御方法、及びコンピュータプログラムに関する。
電気自動車に備えられている蓄電池の電池容量は例えば5〜100kWhと比較的大容量である。これらの車両に蓄えられた電力を電気自動車の駆動以外に、例えば家庭等へ供給可能とするV2H(Vehicle to Home )、家庭に限らない建物への供給を可能とするV2B(Vehicle to Building )、電力網への供給を可能とするV2G(Vehicle to Grid )を含むV2Xを実現する技術が提案されている。災害発生によって停電状態となったとしても、移動が可能な電気自動車に蓄えられた電力を供給して生活を維持したり、工場の稼働を維持したりすることが期待できる。V2Xを実現する場合、EMS(Energy Management System)からの制御を受けて計画的に充放電できることが望ましい。
電気自動車に備えられている車載蓄電池への充電は、車載蓄電池と商用電源若しくは発電設備との間の充放電を制御する充放電装置によって実行される。V2Xを実現する場合、充放電装置は、EMS又は上位制御部からの指示に基づいて充放電を制御する。
電気自動車に備えられている蓄電池の主たる目的は、電気自動車の駆動の動力源である。電解液を用いる蓄電池は、充放電によって劣化する。電気自動車の駆動に用いる蓄電池は、満充電容量が、新品時の満充電容量に対して例えば70%に低下した場合には交換すべきであるとされる。V2Xを実現する場合、車載蓄電池は、駆動の動力源としてのみ使用されるケースよりも劣化を助長する可能性がある。
特許文献1には、蓄電池の劣化を抑制するために、蓄電池の充放電サイクル数、内部抵抗値、温度等に基づいて充電電圧値を低充電電圧値に変更する制御を実行する蓄電システムが開示されている。特許文献1には、車両蓄電池の充放電を制御する車両制御装置に、この蓄電システムの制御を適用できることが記載されている。
特許文献1に開示されているように、車両に搭載されている制御装置にて、劣化を防止するために、充電上限値及び放電下限値を設定して使用を制限する制御が行なわれている場合がある。しかしながら、全車両についてこのような劣化防止策が行なわれているわけでなく、また、車種及び自動車メーカによって制御の詳細が異なる。EMS又は上位制御部からの指示に応じて、商用電源又は発電設備と、車載蓄電池との間の充放電を制御する充放電装置は、多種多様な電気自動車に対し適切に充放電を実行できることが求められる。
本発明は、車載制御装置における劣化防止策の有無にかかわらず、駆動の電力源であることが第1の目的である車載蓄電池を、自動車メーカの保証範囲外とならないように劣化を抑制できる充放電装置、充放電システム、充放電制御方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
本開示の一実施形態の充放電装置は、車両に設けられた蓄電池と接続する車載電力線とのコネクタを有し、前記蓄電池に対する充放電を制御する充放電装置であって、前記蓄電池の所定期間における充放電電力量若しくは充放電回数、又は前記蓄電池の電池総容量を記憶する記憶部と、前記充放電電力量若しくは充放電回数、又は電池総容量の低下割合に基づいて、前記所定期間での充放電を制限するか否かを判断する判断部と、前記判断部によって充放電を制限すると判断した場合、充放電を制限する制御部とを備える。
本開示の一実施形態の充放電制御方法は、車両に設けられた蓄電池と接続する車載電力線とのコネクタを有した充放電装置が、前記蓄電池に対する充放電を制御する充放電制御方法であって、前記充放電装置が、前記蓄電池の所定期間における充放電電力量若しくは充放電回数、又は前記蓄電池の電池総容量を記憶し、前記充放電電力量若しくは充放電回数、又は前記蓄電池の電池総容量の低下割合に基づいて、前記所定期間での充放電を制限するか否かを判断し、充放電を制限すると判断した場合に充放電を制限する。
本開示の一実施形態のコンピュータプログラムは、車両に設けられた蓄電池と接続する車載電力線とのコネクタを有し、前記蓄電池に対する充放電を制御する充放電装置に搭載されたコンピュータに、前記蓄電池の所定期間における充放電電力量若しくは充放電回数、又は前記蓄電池の電池総容量を記憶し、前記充放電電力量若しくは充放電回数、又は前記蓄電池の電池総容量の低下割合に基づいて、前記所定期間での充放電を制限するか否かを判断し、充放電を制限すると判断した場合に充放電を制限する処理を実行させる。
本開示の一実施形態では、車両に設けられた蓄電池の劣化を助長するような充放電が行なわれないようにする抑制制御を、直接的に車両の蓄電池の充放電を制御する充放電装置が実現する。車載制御装置で同様の抑制制御が行なわれるか否かによらない。上位制御部から、据え置き型の蓄電装置と同様に頻繁な充放電の指示を受けた場合に、この指示から車両の蓄電池を保護することが可能である。
充放電の制限は例えば、放電を不可とした上で、充電は通常とするか充電の出力を低出力とすることである。制限はその他、充放電回数を制限することである。制限はその他、充放電電力量の上限までの充放電は許可するがそれ以上の放電を不可とすることである。制限はその他、放電は不可とするが、停電時の自立運転は可とすることである。
本開示の一実施形態の充放電装置は、充放電が制限されることをユーザ、及び/又は、上位制御装置へ向けて通知する通知部を更に備える。
充放電を制限する制御が行なわれる場合には、通知部によって通知がされるので、ユーザ又は上位制御部はこれを認識することができる。
本開示の一実施形態の充放電装置は、光又は音を出力する出力部を備え、前記通知部は、前記出力部から文字、画像、点灯、点滅又は音を出力することによってユーザへ向けて通知する。
本開示の一実施形態では、車載蓄電池の充放電が抑制されることが文字又は画像によってユーザに知らされる。ユーザは、文字、画像、点灯、点滅又は音で容易に充放電の制限を認識することができる。車両側で充放電の抑制が実施されたことで充放電が制限された場合も、充放電装置の出力部から出力されてもよい。
本開示の一実施形態の充放電装置では、前記判断部は、所定期間における前記蓄電池の充放電電力量と、車両の保証距離及び保証期間に基づいて算出される所定期間あたりの充放電可能な電力量との比較によって判断する。
本開示の一実施形態では、電気自動車である車両の保証距離及び保証期間内での劣化を維持するように、充放電を制限するか否かを判断する。
本開示の一実施形態の充放電装置では、前記判断部は、前記蓄電池の電池総容量の低下割合と、車両の保証期間、及び、保証範囲の電池総容量に基づいて算出される所定期間あたりの電池総容量の低下割合との比較によって判断する。
本開示の一実施形態では、電気自動車である車両の保証期間及び保証範囲の電池総容量を維持するように、充放電を制限するか否かを判断する。
本開示の一実施形態の充放電装置では、充放電可能な電力量は、前記蓄電池の充電上限と放電下限との差分の2倍として算出される量である。
本開示の一実施形態では、車両において充電上限から放電下限まで放電し、放電下限から充電上限まで充電するために必要な電力量の分だけ、充放電が可能とされる。
本開示の一実施形態の充放電システムは、車両に設けられた蓄電池と接続する車載電力線とのコネクタを有し、前記蓄電池に対する充放電を制御する充放電装置を複数含み、複数の車両の蓄電池に対する充放電を制御する充放電システムであって、複数の前記充放電装置は夫々、識別情報によって識別された車両の蓄電池に対し、所定期間における充放電電力量若しくは充放電回数、又は前記蓄電池の電池総容量を記憶する記憶部と、前記蓄電池の前記充放電電力量若しくは充放電回数、又は電池総容量の低下割合に基づいて、前記所定期間での充放電を制限するか否かを判断する判断部と、前記判断部によって充放電を制限すると判断した場合、充放電を制限する制御部とを備える。
本開示の一実施形態では、複数の充放電装置は夫々、車両を識別してその車両の蓄電池の充放電電力量、充放電回数、又は電池総容量を記憶し、車両毎に充放電の履歴から充放電を実行できるか否かを判断する。充放電装置が車両を識別するから、車両は、複数の充放電装置から充放電を受けたとしても、電気自動車である車両の保証距離及び保証期間内での劣化を維持できる。
本開示によれば、車載制御装置における劣化防止策の有無にかかわらず、駆動の電力源であることが第1の目的である車載蓄電池を、自動車メーカの保証範囲外とならないように劣化を抑制することができる。
本開示をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の充放電装置1の概要図である。充放電装置1は、電力系統Eから提供される電力を用いて電気自動車である車両Vの車載蓄電装置を充電するために設置されている。充放電装置1は、住宅内の負荷21、及び、住宅に設けられた発電装置23と分電盤28を介し電力線PLによって接続されている。充放電装置1は、発電装置23からの余剰電力で車両Vを充電したり、車両Vから住宅内の負荷21へ放電したりできる。
図1は、実施の形態1の充放電装置1の概要図である。充放電装置1は、電力系統Eから提供される電力を用いて電気自動車である車両Vの車載蓄電装置を充電するために設置されている。充放電装置1は、住宅内の負荷21、及び、住宅に設けられた発電装置23と分電盤28を介し電力線PLによって接続されている。充放電装置1は、発電装置23からの余剰電力で車両Vを充電したり、車両Vから住宅内の負荷21へ放電したりできる。
図1の例では、住宅内にEMS200が設置されている。EMS200は、負荷21と、電力系統E、発電装置23、及び車両Vとの間での電力の授受を制御する。EMS200は、充放電装置1と通信線CLにより接続されている。EMS200及び充放電装置1との間の通信は、通信線CLに限らず、無線通信であってもよいし電力線PLにおける電力線通信で実現されてもよい。なおEMS200は、充放電装置1に内蔵されるコントローラ(上位制御部)に代替可能である。
充放電装置1は他の一例では、公共施設である駐車場に設置される。他の一例において充放電装置1は、電力系統E、蓄電装置22、発電装置23と分電盤28を介して電力線PLによって接続されている。充放電装置1は、電力系統Eからの電力、又は、発電装置23からの余剰電力で車両Vを充電したり、蓄電装置22に蓄電された電力で車両Vを充電したり、逆に、車両Vから蓄電装置22へ放電したりできる。図1の例では、複数の充放電装置1がEMS200と通信線CLによって接続されている。充放電装置1は、EMS200からの指示に基づき、電力系統E、蓄電装置22及び発電装置23と、車両Vとの間の電力の授受を制御する。電力系統E、蓄電装置22、発電装置23、充放電装置1及び負荷21は複数接続されて大規模なグリッドシステムを構成してもよい。
図2は、実施の形態1の充放電装置1及び車両Vの接続構成を示すブロック図である。車両Vは、電気自動車(EV:Electric Vehicle)、ハイブリッド電気自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、又は燃料電池自動車(FCV:Fuel Cell Vehicle )である。車両Vは、その駆動に用いることが可能な大容量の蓄電装置30を備える。車両Vは、蓄電装置30に接続される電力線VPLへのコネクタ35と、蓄電装置30における充放電を制御する車載充放電制御装置32とを備える。電力線VPLには、車両V側の充放電回路に含まれるDCリレー33が介装されており、車載充放電制御装置32がDCリレー33のON及びOFFを制御する。コネクタ35には車載充放電制御装置32と通信接続するための通信端子が含まれている。
充放電装置1は、充放電回路10、制御部11、通信部12、電源部13、出力部14及び操作部15を備える。充放電回路10は、双方向インバータ、各種リレー等の多様な回路素子を含む。充放電回路10は、車両Vと接続するコネクタ16と接続されるDCリレー10aと、EMS200側の電力線PL及び電源部13との間に介装された解列リレー10bとを含む。充放電回路10は、DCリレー10aを介してコネクタ16と電力線PLによって接続されている。
制御部11は、充放電回路10に含まれる回路素子を制御し、車両Vの蓄電装置30の充放電の切り替え、電流量、及び電圧量を制御する。制御部11はCPU(Central Processing Unit)及び不揮発性のメモリを含み、CPUはメモリに記憶されたコンピュータプログラム1Pに基づく制御処理を実行して充放電回路10を制御する。コンピュータプログラム1Pは、コンピュータから読み取り可能な記憶媒体9に記憶されていたコンピュータプログラム9PをCPUが読み出してメモリに記憶したものであってもよい。
通信部12は、車両通信部12a及びEMS通信部12bを含む。車両通信部12aは、コネクタ16及びコネクタ35を介して車載充放電制御装置32と通信接続が可能である。車両通信部12aの通信接続のプロトコルは車両V、コネクタ16,35に対応する充放電方式に準拠していればよく、異なる充放電方式に適用するように複数のプロトコルに対応していずれかを選択的に実行できてもよい。実施の形態1では車両通信部12aは、CAN(Controller Area Network)によって車載充放電制御装置32と通信する。PLCによって通信が実現されてもよい。
EMS通信部12bは、EMS200との通信線CLを介して通信を実現する。EMS通信部12bは例えば、Ethernet(登録商標)に準拠した通信線CLに対応する通信モジュールであってもよいし、ECHONET /ECHONETLite (登録商標)対応の通信線CLに対応する通信モジュールであってもよい。EMS通信部12bは、PLCにより通信を実現してもよい。EMS通信部12bは、無線通信モジュールであってもよい。
電源部13は、UPS(Uninterruptible Power Systems)回路及び起動用蓄電池を含み、制御部11へ電力を供給する。電源部13は、停電時には起動用蓄電池から充放電装置1の起動に必要な電力を供給する。電源部13は、電力系統E、発電装置23又は車両Vからの電力を起動用蓄電池に充電してもよい。
出力部14は、ディスプレイである。出力部14は、セグメントディスプレイを含む。出力部14は、制御部11の制御によって、文字又は画像を出力する。出力部14の代替として、EMS通信部12bと無線通信接続が可能な、スマートフォン又はタブレット端末等の情報端末装置のディスプレイが使用されてもよい。この場合、情報端末装置は充放電装置1と無線通信によって接続され、制御部11から出力される文字又は画像を含む画面を表示できる。出力部14は、LED又はランプであって、制御部11からの指示に応じたパターンで点灯/消灯、点滅によって出力してもよい。出力部14は、スピーカであって、制御部11からの指示に応じて記憶されているビープ音を出力してもよい。出力部14は、ディスプレイ、LED、及びスピーカを併用してもよい。
操作部15は、ディスプレイに内蔵されるタッチパネル、及び物理ボタンを含み、充放電装置1の外装に露出してユーザからのSTART(起動)及びSTOP(終了)を含む操作を受け付ける。制御部11は、操作部15にて受け付けられた操作に基づいて充放電回路10を制御してもよい。
上述のように構成される充放電装置1の充放電回路10は、図1及び図2に示すように、コネクタ16が車両Vのコネクタ35と接続された状態において、DCリレー10a及び車両V側のDCリレー33を介して車両Vの蓄電装置30と電力線PLにより接続されている。充放電回路10は、図1及び図2に示すように、解列リレー10b及び分電盤28を介してEMS200、電力系統E、及び負荷21群と電力線PLによって接続されている。充放電装置1は、EMS200における制御に応じて、蓄電装置30、EMS200、電力系統E、及び負荷21群との間の電力の授受を制御する。充放電回路10は、解列リレー10b、DCリレー10a、及びDCリレー33が全てONの状態の場合に、電力線PLを介して蓄電装置30の負荷21群への放電、又は電力系統Eからの充電を実施できる。
充放電装置1の制御部11は、通信部12を介して車載充放電制御装置32及びEMS200との情報を送受信し、充放電回路10を制御する。制御部11は、車両Vが接続されている状態を充放電装置1から通知されたEMS200からの指示に応じて、電力系統E、負荷21群、蓄電装置22、又は発電装置23と、車両Vとの間で充放電を制御する。
充放電装置1を設置し、電力系統Eと接続することによって、車両Vへの充電が可能になる。車両Vの蓄電装置30は、リチウムイオン電池、燃料電池等である。これらの蓄電装置30では、充放電の回数又は充放電電力量、気温及び製造からの経過時間によって満充電容量が減少する劣化を起こす。車両の駆動に用いられる蓄電装置30は、満充電容量が新品時の70%−80%程度で交換することが必要とされる。自動車メーカが想定している充放電電力量、充放電頻度を超えた方法で使用された場合、蓄電装置30の無償修理・交換の保証対象外となる可能性がある。
実施の形態1の充放電装置1は、駆動の電力源であることが第1の目的である蓄電装置30に対し、場合によって充放電を制限し、自動車メーカの修理・交換の保証範囲外とならないように制御する。以下に、充放電装置1の制御部11による処理手順を説明する。以下の説明では、図1の住宅に設置された充放電装置1における制御について説明する。
図3及び図4は、充放電装置1の制御部11による処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部11は、EMS200からの起動指示、操作部15からの指示、あるいはスケジュールに基づく電源部13からの電力供給開始を受けて起動すると、以下の処理を実行する。
制御部11は、車両Vとコネクタ16及びコネクタ35を介して接続されていることを確認する(ステップS101)。
制御部11は、所定の接続シーケンスを実行してコネクタ16(コネクタ35との間)のロックをONとし(ステップS102)、車両通信部12aによって車載充放電制御装置32との通信接続を確立させる(ステップS103)。制御部11は、車載充放電制御装置32から、電池総容量及び充電率(SOC:State Of Charge )を取得する(ステップS104)。電池総容量は、蓄電装置30が満充電状態となった場合に蓄電されている電力量である。ステップS104において制御部11は、充電上限、放電下限のデータも共に取得するとよい。制御部11は、取得した電池総容量を、日時情報と対応付けて制御部11のメモリに記憶する(ステップS105)。ステップS105は「記憶部」に相当する。
制御部11は、車載充放電制御装置32及び蓄電装置30との接続シーケンスを実行して車両V側のDCリレー33をONとし、充放電の指示を受けるまで待機状態となる(ステップS106)。ステップS106の段階で充放電装置1のDCリレー10a、解列リレー10bをONとし、電流値をゼロとしたまま待機としてもよい。
制御部11は、EMS200からの充放電指示、操作部15による充放電指示、あるいはスケジュールに基づく充放電指示を受けると(ステップS107)、充放電が可能であるか否かを判断する(ステップS108)。ステップS108が、「判断部」に相当する。充放電の判断処理の詳細については後述する。
充放電が可能であると判断された場合(S108:YES)、充放電装置1のDCリレー10a、解列リレー10bをONとし、ステップS107で受けた指示に従い、EMS200若しくは上位制御部、又は制御部11のメモリに設定されている電流値、及び電圧値によって充放電を実行する(ステップS109)。制御部11は、充放電の回数を所定数(例えば1)、加算する(ステップS110)。
制御部11は、EMS200からの充放電終了指示、操作部15による充放電終了指示若しくは装置全体のSTOP指示、あるいはスケジュールに基づく充放電終了の指示を受けると(ステップS111)、充放電を終了する(ステップS112)。ステップS112にて制御部11は、充放電装置1のDCリレー10a、解列リレー10b、車両V側のDCリレー33をいずれもOFFとする。ステップS111で受ける指示が、待機状態への指示である場合、制御部11はステップS106へ戻る。
制御部11は、ステップS109で開始され、ステップS112で終了した1回の充放電で要した充放電電力量qを、日時情報と対応付けて制御部11のメモリに記憶する(ステップS113)。ステップS113において制御部11は、充放電開始から充放電終了までの時間を記憶してもよい(待機状態の時間を除いてもよい)。ステップS113において制御部11は、充電電力量qc と放電電力量qd とに区別して記憶してもよい。
制御部11は、所定の切断シーケンスを実行して車載充放電制御装置32との通信接続を切断する(ステップS114)。ステップS114で停止指示を受けない場合、制御部11は、リレーをOFFとし、通信接続を切断した状態で待機状態となる。
制御部11は、EMS200からの停止指示、操作部15のSTOP操作による停止指示を受けると(ステップS115)、制御部11は、コネクタ16のロックをOFFとし(ステップS116)、停止状態となり(ステップS117)、処理を終了する。
なお、充放電が可能であると判断され(S108:YES)、充放電の実行を開始した後(S109)、ステップS111で充放電終了の指示を受けるまでの間も、制御部11は、充放電がそれ以降可能であるか否かを判断することが好ましい。例えば、充放電中に、その日の累積の充放電電力量qが、その日に充放電可能な電力量Qに到達する場合には、制御部11は、以後の充放電を制限する。
ステップS108において充放電が可能でないと判断された場合(S108:NO)、制御部11は、出力部14から、充放電が制限されていることを出力し(ステップS118)、制限のログをメモリに記憶する(ステップS119)。ステップS118における出力は、「通知部」に対応する。ステップS108の判断処理にて、制限は受けるものの低出力で充電が可能と判断された場合には、制御部11は、ステップS109へ処理を進めてもよい。
制御部11は、充放電が制限されることをEMS200又は上位制御部へ通知する(ステップS120)。ステップS120における通知は、「通知部」に対応する。このケースでは制御部11は、処理をステップS114へ進めて待機状態となるか、又は停止状態となって処理を終了する。
ステップS118において制御部11は、制限の理由(充放電可と判断されなかった理由)を表示することが好ましい。
これにより、過度に充放電が繰り返されることが抑制され、充放電が制限された場合は、出力部14を介して制限されていることがユーザに伝達される。ユーザは、充放電が制限されること、自動車メーカの保証範囲内となるように制限されていることを把握することができる。
図5は、充放電装置1の出力部14における出力例を示す図である。図5の例において出力部14は、ディスプレイである。上述のステップS118において出力部14には、図5に示すように、充放電が制限される旨の文字によるメッセージが表示される。図5に示すように、どのように制限されるか、制限が解除されるのはいつであるか等の情報が表示されることが好ましい。図5の例では、充電は低出力で実行されること、翌日には非低出力で通常充電が可能であること、車両Vからの放電は翌日まで禁止されることが示されている。これによりユーザは、充電が低出力であること、放電がされないことを理解できる。なお、出力部14がLED又はランプである場合、出力部14における光の点灯、点滅によってユーザに通知をしてもよい。出力部14は、制限なしで充放電が可能な間は点灯状態であって、制限される場合に消灯することで通知してもよいし、逆でもよい。出力部14がスピーカである場合、音声又はビープ音で通知してもよい。
図6は、充放電の可否の判断処理の一例を示すフローチャートである。図6のフローチャートに示す処理手順は、図3及び図4のフローチャートに示した処理手順のうちのステップS108に対応する。
制御部11は、充放電の都度に日時情報に対応付けて記憶されている充放電電力量qの内、所定期間の日時情報が対応付けられている充放電電力量qをメモリから読み出す(ステップS811)。
制御部11は、読み出した充放電電力量qから、処理を実行中の日時を含む所定期間の充放電電力量qの総計が、所定期間当たりの充放電可能な電力量Qに到達しているか、又は電力量Qの所定割合に相当する電力量に到達しているか否かを判断する(ステップS812)。所定期間は例えば1日、半日、複数日、1ヶ月等の期間の単位であり、充放電が過度であるかを判断するための期間として予め定められている。所定割合は、電力量Qに近づいているか否かを判断するために予め定められる割合であり、例えば80%である。電力量Qの所定割合に相当する電力量は、電力量Qから所定値を減算した電力量であってもよい。
ステップS812において電力量Qは、以下に示す方法(1)−(3)のいずれかで算出される。以下に示す方法は一例であり、電力量Qは、所定期間当たりの充放電が過剰か否を判断するための基準として認められる他の方法であってもよい。
(1)所定期間あたりの走行可能距離
電力量Qは、車両Vの仕様上又は実績上の電費、即ち単位電力量あたりの走行距離と、保証期間及び保証期間に基づき求められる所定期間単位あたりの走行可能距離とから算出される。この場合、電力量Qは、自動車メーカの想定モデルに適した使用方法を守るための電力量であると言える。
電力量Q=(保証距離/保証期間[所定期間単位])/電費(走行距離/単位電力量)
(1)の場合、例えば所定期間は1日、単位電力量の単位は1kWhであり、走行距離はkmである。保証距離が15万km、保証期間が5年、平均電費が8.0[km/kWh]である場合、電力量Qは、10.3[kWh/日]=(150000/5/365)/8.0 である。
電力量Qは、車両Vの仕様上又は実績上の電費、即ち単位電力量あたりの走行距離と、保証期間及び保証期間に基づき求められる所定期間単位あたりの走行可能距離とから算出される。この場合、電力量Qは、自動車メーカの想定モデルに適した使用方法を守るための電力量であると言える。
電力量Q=(保証距離/保証期間[所定期間単位])/電費(走行距離/単位電力量)
(1)の場合、例えば所定期間は1日、単位電力量の単位は1kWhであり、走行距離はkmである。保証距離が15万km、保証期間が5年、平均電費が8.0[km/kWh]である場合、電力量Qは、10.3[kWh/日]=(150000/5/365)/8.0 である。
(1)の場合、1日あたりの電力量Wと比較する場合、1日、充放電しなかった場合には、充放電可能な電力量Qは翌日分に繰り越してもよい。つまり翌日、電力量Qは2倍になる。
(2)電池総容量
電力量Qは、図3及び図4のフローチャートのステップS104で取得した、電池総容量である。つまり電力量Qは、所定期間で一度、空状態から満充電まで充電するために必要な電力量である。
電力量Qは、図3及び図4のフローチャートのステップS104で取得した、電池総容量である。つまり電力量Qは、所定期間で一度、空状態から満充電まで充電するために必要な電力量である。
(2)の場合も、充放電可能な電力量は、次の所定期間に繰り越されてよい。例えば1日、充放電されなかった場合、翌日は、空状態から満充電まで充電するために必要な電力量の2倍まで充放電可能となる。
(3)実質的に充放電可能な容量
電力量Qは、車両Vの車種又は車両Vの状態に応じた充電上限及び放電下限の差分の2倍である。つまり電力量Qは、車両Vの蓄電装置30を充電上限から放電下限まで放電し、放電下限から充電上限まで充電するために必要な電力量である。制御部11は、充電上限及び放電下限の値を、図3及び図4のフローチャートのステップS104で取得してもよいし、予め特定された車両Vの仕様上の値として記憶しておいて使用してもよい。
電力量Qは、車両Vの車種又は車両Vの状態に応じた充電上限及び放電下限の差分の2倍である。つまり電力量Qは、車両Vの蓄電装置30を充電上限から放電下限まで放電し、放電下限から充電上限まで充電するために必要な電力量である。制御部11は、充電上限及び放電下限の値を、図3及び図4のフローチャートのステップS104で取得してもよいし、予め特定された車両Vの仕様上の値として記憶しておいて使用してもよい。
(3)の場合も、所定期間における充放電可能な容量は、充放電がされなかった場合、次の所定期間に繰り越されてよい。例えば1日、充放電されなかった場合、翌日は、前日の充放電可能であった電力量Qの分も充放電が可能である。
図6のフローチャートに戻り、説明を続ける。
ステップS812にて充放電電力量qの総計が、電力量Q又は電力量Qの所定割合に到達していると判断された場合(S812:YES)、制御部11は、充電の出力を低出力(例えば1kW)に制限し、放電不可と判断する(ステップS813)。制御部11は、判断処理を終了し、図3及び図4のフローチャートのステップS108へ処理を戻す。
ステップS812にて充放電電力量qの総計が、電力量Q又は電力量Qの所定割合に到達していると判断された場合(S812:YES)、制御部11は、充電の出力を低出力(例えば1kW)に制限し、放電不可と判断する(ステップS813)。制御部11は、判断処理を終了し、図3及び図4のフローチャートのステップS108へ処理を戻す。
ステップS812にて電力量Q又は電力量の所定割合に到達していないと判断された場合(S812:NO)、制御部11は、ステップS813の処理を省略し、図3及び図4のフローチャートのステップS108へ処理を戻す。
ステップS813の判断内容はこれに限らない。例えば制御部11は、充電も不可と判断してもよいし、放電も低出力に制限すると判断してもよい。
ステップS812の判断についてもこれに限らない。制御部11は、充電電力量qc 及び放電電力量qd に区別して記憶している場合、充電電力量qc 又は放電電力量qd について電力量Qと比較してもよい。制御部11は、電力量Qとして上述(3)の上限と下限との間の1往復分の電力量を規定している場合、充電電力量qc 及び放電電力量qd 夫々と、電力量Qの半分の値と比較してもよい。
図7は、充放電の可否の判断処理の他の一例を示すフローチャートである。図7のフローチャートに示す処理手順は、図3及び図4のフローチャートに示した処理手順のうちのステップS108に対応する。
制御部11は、充放電の都度に日時情報に対応付けて記憶されている蓄電装置30の電池総容量の履歴をメモリから読み出す(ステップS821)。制御部11は、直近所定期間分の履歴を読み出してもよいし、所定数分読み出してもよい。
制御部11は、読み出した複数の電池総容量の内の直近の少なくとも2つの値に基づいて、電池総容量の所定期間における低下割合を算出する(ステップS822)。第1例におけるステップS822で制御部11は、直近2つの値の差分を、夫々の値が取得された日にちの差分で除算して算出する。第2例におけるステップS822で制御部11は、所定期間に取得された2又は3以上の電池総容量の値の分布から所定期間における低下割合を算出する。所定期間は1日、1週間、1ヶ月、半年、1年等の期間等、適宜設定されて制御部11のメモリに記憶されている。なお、低下割合は日にち単位よりも1月単位、季節単位、又は年単位で算出するとよい。
制御部11は、算出した低下割合が、予め算出されている係数Aよりも高い、即ち係数Aよりも大きく低下しているか否かを判断する(ステップS823)。係数Aは、保証期間、新品(新車)時の電池総容量、及び、保証対象の電池総容量から算出される。例えば、所定期間が1日、保証期間が7年、保証対象の電池容量が新品時の電池総容量に対して70%である場合、係数A[%/d]は、0.0117=30/7/365である。つまりこの例では、係数Aは1日に0.0117%ずつ電池総容量が低下するような充放電方法は、保証範囲内の使用方法であると言える。
低下割合が係数Aよりも高いと判断された場合(S823:YES)、制御部11は、充放電を制限すると判断する(ステップS824)。制御部11は、判断処理を終了し、図3及び図4のフローチャートのステップS108へ処理を戻す。
ステップS824における充放電の制限は例えば、以後の所定期間(1日、1週間等)あたりの充放電電力量の上限を規定し、それ以上の放電を不可とすることである。制限は、所定期間の経過、又は、低下割合が係数A以下となったことによって解除されるか、又は充放電が可能な電力量の上限を高めるように緩和する。
低下割合が係数A以下であると判断された場合(S823:NO)、制御部11は、ステップS824の処理を省略して判断処理を終了し、図3及び図4のフローチャートのステップS108へ処理を戻す。
図8は、充放電の可否の判断処理の他の一例を示すフローチャートである。図8のフローチャートに示す処理手順は、図3及び図4のフローチャートに示した処理手順のうちのステップS108に対応する。
制御部11は、充放電の都度に加算される充放電の回数をメモリから読み出し(ステップS831)、充放電の回数及び日時情報に基づき、処理を実行中の日時を含む所定期間における充放電の頻度を算出する(ステップS832)。所定期間は、1日、1週間、1ヶ月等の算出しやすい期間であってよい。
制御部11は、ステップS832で算出した頻度が所定の割合以上であるか、即ち、充放電の頻度が高いか否かを判断する(ステップS833)。所定の割合は、制御部11のメモリに予め、車両Vに対応させて記憶してある。
ステップS833で頻度が所定の割合以上でないと判断された場合(S833:NO)、制御部11は、そのまま判断処理を終了し、図3及び図4のフローチャートのステップS108へ処理を戻す。
ステップS834における充放電の制限は第1例では、以後所定期間においては、充電は低出力による充電に制限して放電を不可とすることである。充放電の制限は第2例では、以後の所定期間中の充放電の回数を制限することである。その他、充放電電力量の上限を規定したりしてもよい。充放電の制限はその他、放電を不可とした上で、充電は通常とすることを含む。制限はその他、原則的に放電は不可とするが、停電時の自立運転は可とすることを含む。
充放電装置1の制御部11は、図6−図8のフローチャートに示した判断処理のいずれか1つ、いずれかを組み合わせて、又は、一部ずつを組み合わせて判断してもよい。また制御部11は、車載充放電制御装置32から停止状態が通知された場合に、制限すると判断するようにしてもよい。
これにより、充放電装置1は、車載充放電制御装置32における劣化防止策の有無にかかわらず、車両Vの駆動の電力源であることが第1の目的である蓄電装置30に対して充放電が過度に実行されないようにして劣化を抑制できる。充放電装置1は、自動車メーカの保証範囲内での充放電となるように、制御することができる。出力部14から、制限することが出力され、EMS200又は上位制御部へ、制限することが通知されるので、上位のコントローラ及びユーザは、制限を把握することができる。
(変形例)
上述の説明は、特定の1台の車両Vは、特定の充放電装置1によってのみ充放電される例を挙げた。つまり、住宅に設置された充放電装置1は、住人が所有する1台の車両Vのみを充放電の対象とし、車両Vも住宅の充放電装置1以外では充放電しないものとして説明した。これに対し変形例では、特定の複数台の車両Vは、1つのローカルなEMS200に接続される複数台の充放電装置1のいずれかで充放電される場合の例を挙げて説明する。
上述の説明は、特定の1台の車両Vは、特定の充放電装置1によってのみ充放電される例を挙げた。つまり、住宅に設置された充放電装置1は、住人が所有する1台の車両Vのみを充放電の対象とし、車両Vも住宅の充放電装置1以外では充放電しないものとして説明した。これに対し変形例では、特定の複数台の車両Vは、1つのローカルなEMS200に接続される複数台の充放電装置1のいずれかで充放電される場合の例を挙げて説明する。
変形例の充放電装置1は、車両Vの車体を識別して、識別情報毎の充放電量又は充放電回数を、EMS200を介して共有し、特定の複数台の車両Vに対する充放電を制御する。充放電装置1は、車体を識別することに代替して、蓄電装置30を識別してもよい。
図9及び図10は、変形例における充放電装置1の制御部11による処理手順の一例を示すフローチャートである。図9及び図10のフローチャートに示す処理手順のうち、図3及び図4のフローチャートと共通する手順については同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
複数の充放電装置1夫々の制御部11は、EMS200からの起動指示、操作部15からの指示、あるいはスケジュールに基づく電源部13からの電力供給開始を受けて起動すると、以下の処理を実行する。
制御部11は、車両Vと接続されていることを確認すると(S101)、ロックをONとし(S102)、車載充放電制御装置32との通信接続を確立させる(S103)。
制御部11は、接続されている車両Vの車体又は蓄電装置30を識別する識別情報を取得する(ステップS131)。ステップS131において制御部11は、車載充放電制御装置32から車体識別情報又は電池識別情報を取得してもよい。車体識別情報は、充放電装置1で充電するために事前に車載充放電制御装置32と充放電装置1との間で取り決める数字であってもよい。ステップS131において制御部11は、充放電装置1に接続されている車両Vのナンバープレートから、運輸支局等を示す文字、分類番号、一連指定番号等を車体識別情報として取得してもよい。車体識別情報は、充放電装置1又はEMS200と接続されたカメラで撮影したナンバープレートの画像から文字認識によって取得される。
制御部11は、識別情報を取得すると(S131)、車載充放電制御装置32から電池総容量及び充電率を取得し(S104)、識別情報及び日時情報と対応付けてメモリに記憶する(ステップS132)。
制御部11は、待機状態となったあとに(S106)、充放電指示を受けると(S107)、ステップS131で取得した識別情報に基づいて、接続されている車両Vに対して充放電が可能であるか否かを判断する(S132)。
充放電が可能であると判断された場合(S132:YES)、制御部11は、充放電を実行する(S109)。制御部11は、識別情報に対応する充放電の回数を加算する(ステップS110)。制御部11は、識別情報に対応付けて充放電回数を記憶する(ステップS133)。
制御部11は、終了指示を受けると(S111)、充放電を終了する(S112)。制御部11は、ステップS109で開始され、ステップS112で終了した1回の充放電で要した充放電電力量qを、日時情報及び識別情報に対応付けて制御部11のメモリに記憶する(ステップS134)。
制御部11は、日時情報及び識別情報に対応付けて記憶した充放電電力量q、及び充放電回数を、他の充放電装置1へ送信する(ステップS135)。
ステップS135において制御部11は、EMS通信部12bによってEMS200へ送信してもよいし、EMS通信部12bによって他の充放電装置1へEMS200を介して送信してもよい。EMS200が、識別情報に対応付けて車両V別の充放電電力量q及び充放電回数を記憶してもよい。EMS200で記憶される場合、制御部11は、ステップS131で取得した識別情報に対応付けられている充放電電力量qの履歴、充放電回数のデータをEMS200から取得してステップS132の処理を実行する。
制御部11は、車載充放電制御装置32との通信を切断した後(S114)、停止指示を受けると(S115)、ロックをOFFとし(S116)、停止状態となって(S117)、処理を終了する。
ステップS132において充放電が可能でないと判断された場合(S132:NO)、制御部11は、出力部14から制限することを出力させ(S118)、制限のログを識別情報に対応付けてメモリに記憶する(ステップS136)。
制御部11は、充放電が制限されることを車両Vの識別情報に対応付けてEMS200若しくは上位制御部、又は他の充放電装置1へ通知する(ステップS137)。
各充放電装置1は、任意のタイミングで、他の充放電装置1から識別情報と対応付けて充放電電力量q、充放電回数、制限のロググデータを受信したか否かを判断し、受信した場合には識別情報に対応付けて制御部11のメモリに記憶する。
これにより、複数の充放電装置1で、特定の複数の車両Vの充放電の履歴が共有され、過去の充放電に要した電力量、回数、又は頻度等によって、充放電の可否の判断が可能である。
図11は、変形例における充放電の可否の判断処理の一例を示すフローチャートである。図11のフローチャートに示す処理手順は、図9及び図10のフローチャートに示した処理手順のうちのステップS132に対応する。図11のフローチャートに示す処理手順のうち、図6のフローチャートに示した手順と共通する手順については同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
制御部11は、上述のステップS131で取得した識別情報に対応付けて記憶されている充放電電力量qをメモリから読み出す(ステップS851)。制御部11は、読み出した充放電電力量qに基づいて、電力量Qに達したか否かを判断し(S812)、達したと判断された場合には充放電を制限する(S813)。
図12は、変形例における充放電の可否の判断処理の他の一例を示すフローチャートである。図12のフローチャートに示す処理手順は、図9及び図10のフローチャートに示した処理手順のうちのステップS132に対応する。図12のフローチャートに示す処理手順のうち、図7のフローチャートに示した手順と共通する手順については同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
制御部11は、上述のステップS131で取得した識別情報に対応付けて記憶されている蓄電装置30の電池総容量をメモリから読み出す(ステップS861)。制御部11は、読み出した電池総容量から算出(S822)される低下割合が、識別情報に対応する係数Aよりも高いか否かを判断する(ステップS823)。制御部11は、低下割合が係数Aよりも高いと判断された場合に充放電を制限する(S824)。
図13は、変形例における充放電の可否の判断処理の他の一例を示すフローチャートである。図13のフローチャートに示す処理手順は、図9及び図10のフローチャートに示した処理手順のうちのステップS132に対応する。図13のフローチャートに示す処理手順のうち、図8のフローチャートに示した手順と共通する手順については同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
制御部11は、上述のステップS131で取得した識別情報に対応付けて記憶されている充放電回数をメモリから読み出す(ステップS871)。制御部11は、充放電の頻度を算出し(S832)、充放電回数に基づいて、充放電の頻度が所定の割合以上であるか否かを判断し(S833)、所定の割合以上であると判断された場合には充放電を制限する(S834)。
これにより、複数の充放電装置1が複数の車両Vに対して充放電が可能なシステムであっても、蓄電装置30に対して充放電が過度に実行されないようにして劣化を抑制できる。充放電装置1は、自動車メーカの保証範囲内での充放電となるように、制御することができる。出力部14から制限することが出力され、EMS200又は上位制御部へ、制限することが通知されるので、上位のコントローラ及びユーザは、制限を把握することができる。
(実施の形態2)
図14は、実施の形態2における充放電システム100の構成を示すブロック図である。充放電システム100は、複数の充放電装置1及び情報管理装置4を含む。充放電装置1は夫々、車両V及びEMS200と通信線CLを介して接続され、電力線PLを介して分電盤28と接続される。充放電装置1の内部構成及び情報管理装置4以外の構成は、実施の形態1と同様であるので同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図14は、実施の形態2における充放電システム100の構成を示すブロック図である。充放電システム100は、複数の充放電装置1及び情報管理装置4を含む。充放電装置1は夫々、車両V及びEMS200と通信線CLを介して接続され、電力線PLを介して分電盤28と接続される。充放電装置1の内部構成及び情報管理装置4以外の構成は、実施の形態1と同様であるので同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
充放電装置1は、車両通信部12a及びEMS通信部12b以外に、管理通信部12cを含む通信部12を備える。管理通信部12cは、ネットワークNを介した情報管理装置4とのSSL等の暗号化通信に対応する通信デバイスである。管理通信部12cは、情報管理装置4と専用回線を介した接続を実現するためのインタフェースであってもよい。制御部11は、管理通信部12cを介して情報管理装置4とセキュアに通信接続することが可能である。
情報管理装置4は、サーバコンピュータである。情報管理装置4は、制御部40、記憶部41、通信部42を備える。制御部40は、CPU又はGPUを用いたプロセッサであり、内蔵するROM及びRAM等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。制御部40は、通信部42を介して複数の充放電装置1と通信接続を確立する通信サーバとして機能する。
記憶部41は、例えばハードディスク又はSSD等の不揮発性メモリを用いる。記憶部41には、車両V又は蓄電装置30を識別する識別情報に対応付けて、充放電の回数、充放電電力量q(充電電力量qc 、放電電力量qd )、充電時間等の充放電履歴が記憶されている。
通信部42は、ネットワークNを介した通信を実現するインタフェースである。制御部40は、通信部42により、ネットワークNを介した充放電装置1との間の通信接続を実現する。
実施の形態2の充放電装置1は、充放電が可能であるか否かの判断を、情報管理装置4にて記憶されている充放電履歴に基づいて判断する。実施の形態1の変形例において制御部11は、EMS200又は他の充放電装置1へ、充放電の回数、充放電電力量q、制限のログ等を送信した。実施の形態2では送信先が情報管理装置4である点以外、処理の内容自体は変形例と同様であるから、処理手順についての詳細な説明を省略する。充放電が可能であるかの判断(図6−図8、図11−図13)は、情報管理装置4側で行なわれ、充放電装置1は可能か否かを情報管理装置4へ問い合わせる形式としてもよい。
車両Vは、情報管理装置4と通信接続可能な充放電装置1を利用して充放電されることによって、蓄電装置30を自動車メーカの保証範囲内での劣化に抑えることができる。充放電装置1は1つの場所ではなく、複数拠点に存在できるから、車両Vの行き先で同様に管理されることができる。
上述のように開示された実施の形態は全ての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
1 充放電装置
10 充放電回路
11 制御部
12 通信部
12a 車両通信部
12b EMS通信部
12c 管理通信部
14 出力部
1P,9P コンピュータプログラム
4 情報管理装置
41 記憶部
42 通信部
V 車両
10 充放電回路
11 制御部
12 通信部
12a 車両通信部
12b EMS通信部
12c 管理通信部
14 出力部
1P,9P コンピュータプログラム
4 情報管理装置
41 記憶部
42 通信部
V 車両
Claims (9)
- 車両に設けられた蓄電池と接続する車載電力線とのコネクタを有し、前記蓄電池に対する充放電を制御する充放電装置であって、
前記蓄電池の所定期間における充放電電力量若しくは充放電回数、又は前記蓄電池の電池総容量を記憶する記憶部と、
前記充放電電力量若しくは充放電回数、又は電池総容量の低下割合に基づいて、前記所定期間での充放電を制限するか否かを判断する判断部と、
前記判断部によって充放電を制限すると判断した場合、充放電を制限する制御部と
を備える充放電装置。 - 充放電が制限されることをユーザ、及び/又は、上位制御装置へ向けて通知する通知部を更に備える
請求項1に記載の充放電装置。 - 光又は音を出力する出力部を備え、
前記通知部は、前記出力部から文字、画像、点灯、点滅又は音を出力することによってユーザへ向けて通知する
請求項2に記載の充放電装置。 - 前記判断部は、所定期間における前記蓄電池の充放電電力量と、車両の保証距離及び保証期間に基づいて算出される所定期間あたりの充放電可能な電力量との比較によって判断する
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の充放電装置。 - 前記判断部は、前記蓄電池の電池総容量の低下割合と、車両の保証期間、及び、保証範囲の電池総容量に基づいて算出される所定期間あたりの電池総容量の低下割合との比較によって判断する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の充放電装置。 - 充放電可能な電力量は、前記蓄電池の充電上限と放電下限との差分の2倍として算出される量である
請求項4に記載の充放電装置。 - 車両に設けられた蓄電池と接続する車載電力線とのコネクタを有し、前記蓄電池に対する充放電を制御する充放電装置を複数含み、複数の車両の蓄電池に対する充放電を制御する充放電システムであって、
複数の前記充放電装置は夫々、
識別情報によって識別された車両の蓄電池に対し、所定期間における充放電電力量若しくは充放電回数、又は前記蓄電池の電池総容量を記憶する記憶部と、
前記蓄電池の前記充放電電力量若しくは充放電回数、又は電池総容量の低下割合に基づいて、前記所定期間での充放電を制限するか否かを判断する判断部と、
前記判断部によって充放電を制限すると判断した場合、充放電を制限する制御部と
を備える充放電システム。 - 車両に設けられた蓄電池と接続する車載電力線とのコネクタを有した充放電装置が、前記蓄電池に対する充放電を制御する充放電制御方法であって、
前記充放電装置が、
前記蓄電池の所定期間における充放電電力量若しくは充放電回数、又は前記蓄電池の電池総容量を記憶し、
前記充放電電力量若しくは充放電回数、又は前記蓄電池の電池総容量の低下割合に基づいて、前記所定期間での充放電を制限するか否かを判断し、
充放電を制限すると判断した場合に充放電を制限する
充放電制御方法。 - 車両に設けられた蓄電池と接続する車載電力線とのコネクタを有し、前記蓄電池に対する充放電を制御する充放電装置に搭載されたコンピュータに、
前記蓄電池の所定期間における充放電電力量若しくは充放電回数、又は前記蓄電池の電池総容量を記憶し、
前記充放電電力量若しくは充放電回数、又は前記蓄電池の電池総容量の低下割合に基づいて、前記所定期間での充放電を制限するか否かを判断し、
充放電を制限すると判断した場合に充放電を制限する
処理を実行させるコンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
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JP2019230792A JP2021100322A (ja) | 2019-12-20 | 2019-12-20 | 充放電装置、充放電システム、充放電制御方法、及びコンピュータプログラム |
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ID=76541547
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7469355B2 (ja) | 2022-03-30 | 2024-04-16 | 本田技研工業株式会社 | 制御装置、方法及びプログラム |
JP7469356B2 (ja) | 2022-03-30 | 2024-04-16 | 本田技研工業株式会社 | 制御装置、プログラム及び方法 |
JP7469353B2 (ja) | 2022-03-29 | 2024-04-16 | 本田技研工業株式会社 | 制御装置、プログラム及び制御方法 |
-
2019
- 2019-12-20 JP JP2019230792A patent/JP2021100322A/ja active Pending
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