JP2021100051A - ヘテロ構造およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性の低い異種基板の上に形成する場合であっても、ヘテロ構造とした臨界膜厚以上のチャネル層において、より高い移動度が得られるようにする。【解決手段】異種基板101の上に形成された第1窒化物半導体からなるバッファー層102と、バッファー層102の上に形成された第2窒化物半導体からなる中間層103と、中間層103の上に形成された、第1窒化物半導体より小さいバンドギャップエネルギーの第3窒化物半導体からなり、臨界膜厚以上の厚さのチャネル層104とを備える。第2窒化物半導体は、各々の層の平面方向における格子定数が、第1窒化物半導体と第3窒化物半導体との間の値とされている。【選択図】 図1C

Description

本発明は、窒化物半導体によるヘテロ構造およびその製造方法に関する。
窒化物半導体であるAlN、GaN、InNにおける室温のバンドギャップエネルギーは、各々、6.3eV、3.4eV、0.7eVである。このため、これらの混晶では、0.7eVから6.3eVまでの広いエネルギー範囲でバンドギャップエネルギーを変化させることができる。また、これらの混晶を組み合わせた超格子は、タイプIの超格子となる。このようなことから、AlN、GaN、InNからなる混晶を組み合わせた超格子やヘテロ構造は、様々なデバイスに使用されている。
また、GaNやAlNに比べて、InNにおける電子の有効質量は小さいため、Inを含むInGaNにおける電子の移動度は高いことが知られている。このため、InGaNを電子のチャネル層(電子が走行する層)に用いることにより、電界効果トランジスタ(FET)の特性が向上することが報告されている(非特許文献1参照)。
上述したような特徴を有するInGaNをチャネル層としたFETの特性を向上させるために、窒化物半導体によるヘテロ構造が用いられる。例えば、図10に示すような、SiCからなる基板301の上に、GaNからなる厚さ400nmのバッファー層302を形成し、バッファー層302の上に、臨界膜厚以下の厚さ(5nm)の薄いInGaNからなるチャネル層303を成長し、チャネル層303の上にAlGaNからなる厚さ25nmのキャップ層304を成長したヘテロ構造を用いて、窒化物半導体によるFETが作製されている。なお、図10は、上述した層構成の断面を模式的に示している。
このヘテロ構造では、c軸方向に成長した窒化物半導体のヘテロ接合界面における分極による分極電荷により、チャネル層303に電子キャリア(二次元電子ガス)誘起され、電子が走行する。また、チャネル層303を挾むバッファー層302とキャップ層304が、障壁層となる。このヘテロ構造では、臨界膜厚以下とされているチャネル層303に二次元電子ガスを閉じ込めることができるため、FET特性が向上するという利点もある。
上述した窒化物半導体を用いたFETにおけるヘテロ構造は、有機金属気相成長(MOVPE)法や分子線エピタキシ(MBE)法などを用いて、サファイア基板、Si基板、SiC基板などの、窒化物半導体以外の結晶基板(異種基板)の上に成長されることが多い。このヘテロ構造を用いたFETの特性を向上させるためには、チャネル層における高い移動度を得る必要がある。
このため、従来、500℃から1200℃程度の高温の条件で高品位な結晶を成長することで窒化物半導体ヘテロ構造を作製することにより、室温において1000cm2/Vs以上の高い電子移動度が得られている。特に、窒化物半導体以外の基板を用いる際には、チャネル層における電子の移動度を高くするために、転位と呼ばれる結晶欠陥をなるべく低くする工夫が施されている。例えば、バッファー層を300nm以上と厚く形成し、格子不整合のために基板との界面で生成される転位が、チャネル層に貫通することを抑制している。
ところで、上述した窒化物半導体によるFETは、高い耐圧を備えるなどの窒化物半導体の特性を生かし、高周波領域で大きな電力を制御する必要のある無線通信用に使われている。さらに、低周波領域であるが、大きな電力を制御する必要のあるパワーエレクトロニクスの産業分野で利用されることが期待されている。これらの分野では、SiやGaAsなどを使って作製したFETの移動度が高いために、競合するこれらのFETよりも良い特性を示す必要があり、窒化物半導体のチャネル層には、1000cm2/Vs以上の高い移動度を得ることが重要となる。
一方で、プラスティックなどの材料から構成した基板上に作製した薄膜電界効果トランジスタ(薄膜FET)は、ディスプレイの制御などに用いられている。プラスティックなどの基板上に薄膜FETを作製する場合には、基板の耐熱温度が低いために、成長温度を高くすることができない。このため、当初の薄膜FETは、アモルファスSiを用いて作製されていた。しかしながら、アモルファスSiの移動度が0.5cm2/Vsと低いためにより、薄膜FETの特性は良くなかった。このため、低温で成長しても移動度の高い薄膜材料が望まれていた。
このような要望に対し、InGaZnO(IGZO)などの酸化物半導体薄膜が用いられ、透明薄膜FETを作製する技術が報告されている(非特許文献2参照)。この技術により、低温で成長したIGZOの移動度を、10cm2/Vs程度まで上昇させることが可能となった。ただし、IGZOの移動度も十分に高いわけではないので、さらに高い移動度が望まれていた。このため、低温で成長した様々な酸化物薄膜半導体の研究が現在でも進められている。
IGZOなどの酸化物薄膜に対して、窒化物半導体薄膜を用いて透明薄膜FETを作製する研究が進められている。先に述べたように、500℃以上の高温で成長した窒化物半導体ヘテロ構造の移動度は1000cm2/Vs以上の高い移動度を示すが、400℃以下の低温で成長を行うと、窒化物半導体の結晶性が劣化する。
しかしながら、400℃以下の低温成長により成長した窒化物半導体層においても、10cm2/Vs以上の移動度を得ることは期待できるものと考えられる。例えば、スパッタ法を用いて、300℃の低温でInGaNをガラス基板上に成長し、形成したInGaNにおいて22cm2/Vsの高い移動度を得た報告がある(非特許文献3参照)。ただし、この報告では、InGaNだけの成長であるので、前述したようなヘテロ構造が用いられていない。
前述したようなヘテロ構造を使うことにより、電子を狭いチャネル層に閉じ込めることができるので、FETの特性を示す指標である相互コンダクタンス(gm)を高くすることが期待できる。さらに、後で述べるような臨界膜厚の条件を選ばなければ、このヘテロ構造における電子のチャネル層と障壁層の間に存在する伝導帯の不連続量を1eV以上とすることも可能である。このように、低温で成長した窒化物半導体を用いても、ヘテロ構造とすることで、高濃度の電子を狭いチャネル層に閉じ込めることが可能となり、高いgmが期待できる。
しかしながら、以下に説明するように、ヘテロ構造とした窒化物半導体によるチャネル層には、転位と呼ばれる欠陥が発生する。ヘテロ構造とするために、バッファー層(障壁層)とチャネル層との間においては、伝導帯の不連続が1eV以上となる。このように、バンドギャップエネルギーが異なる2つの窒化物半導体の間には、ヘテロ接合界面の面方向において、大きな格子定数の差が存在するものとなる。この結果、上述したように、欠陥(転位)が発生する。チャネル層に発生した転位は、電子の散乱源になるので、移動度を大きく減少させることが知られている。このため、一般には、転移が発生しないような条件で、ヘテロ構造を作製している。
例えば、バッファー層の上に、バッファー層との間に格子定数差があるチャネル層を形成しても、チャネル層の厚さが、ある値以下に薄い場合には、転位が発生しない。これに対して、チャネル層の厚さが厚くなると転位が発生する。ここで、転位が発生しないチャネル層の厚さの最大値を「臨界膜厚」と呼ぶ。このように、従来、窒化物半導体のヘテロ構造によるチャネル層で高い移動度を得るために、チャネル層を臨界膜厚以下としている。このように、従来は、高い移動度を得るためにはチャネル層の厚さに制限があり、ヘテロ構造に大きな制約があった。
ここで、上述した臨界膜厚は「Matthews」の臨界膜厚モデル(非特許文献4参照)や、「People」の臨界膜厚モデル(非特許文献5参照)を用いて計算できる。「Matthews」の臨界膜厚モデルを用いた場合の臨界膜厚hcは、以下の式(1)により求めることができる。また、「People」の臨界膜厚モデルを用いた場合の臨界膜厚hcは、以下の式(2)により求めることができる。
Figure 2021100051
b:バーガースベクトルの大きさ
ν:ポアソン比
α:バーガースベクトルと界面の転位線との角度
f:格子不整合差
λ:界面と転位のすべり面のなす角度
a(x):格子定数
ここで、c軸方向に成長して主表面をc面としたGaNの層の上に、InGaNを成長する場合の、臨界膜厚を計算した例を図11に示す(非特許文献6参照)。式(1)の計算結果と式(2)の計算結果とは異なるが、実際の臨界膜厚は式(1)と式(2)の間の値をとるものと考えられる。図11に示すように、少なくともIn組成が50%のIn0.5Ga0.5Nによるチャネル層の臨界膜厚は1nm以下になる。また、GaN上にInNを成長した場合は、さらに格子定数差が大きくなるので、チャネル層の臨界膜厚は1nmよりも小さくなる。
よく知られているように、基板の格子定数と、この上に結晶成長する半導体薄膜との格子定数とが大きく異なる場合、半導体薄膜には多くの転位が発生する。窒化物半導体の層を高温で成長して作製する従来のFETの研究では、転位の発生をなるべく少なくするために、異種基板とチャネル層との間に、バッファー層として300nm以上の窒化物半導体層を成長している。さらに、バッファー層と基板との間に、別の窒化物半導体薄膜を挿入することがある。ただし、この挿入する別の窒化物半導体薄膜の厚さは、100nm以上であることが多い。
G. Simin et al., "AlGaN/InGaN/GaN Double Heterostructure Field-Effect Transistor", Japanese Journal of Applied Physics, vol. 40, no. 11A, pp. L1142-L1144, 2001. K. Nomura et al., "Room-temperature fabrication of transparent flexible thin-film transistors using amorphous oxide semiconductors", NATURE, vol. 432, no. 25, pp. 488-492, 2004. T. Itoh et al., "Fabrication of InGaN thin-film transistors using pulsed sputtering deposition", Scientific Reports, 6:29500, DOI: 10.1038, 2016. J. W. Matthews and A. E. Blakeslee, "DEFECTS IN EPITAXIAL MULTILAYERS", Journal of Crystal Growth, vol. 27, pp. 118-125, 1974. R. People, and J. C. Bean, "Calculation of critical layer thickness versus lattice mismatch for GexSi1-x/Si strainedlayer heterostructures", Applied Physics Letters, vol. 47, no. 3, pp. 322-324, 1985. M. R. Correia et al., "Structural and optical properties of InGaN/GaN layers close to the critical layer thickness", Applied Physics Letters, vol. 81, no. 7, pp. 1207-1209, 2002.
前述したように、異種基板の上に臨界膜厚を超えた窒化物半導体によるヘテロ構造を成長する場合には、まず、異種基板とバッファー層の間で転位が発生する。さらに、バッファー層の上に成長した、臨界膜厚を超えたチャネル層中に新たに転位が発生する。このため、臨界膜厚以上の厚さとしたチャネル層を用いる窒化物半導体によるヘテロ構造では、バッファー層からチャネル層に引き継がれる転位(貫通転位)と、チャネル層に新たに発生した転位とによって、チャネル層を走行するキャリアは散乱を受けることになる。
この結果、上述したヘテロ構造では、耐熱性の低い異種基板の上に、300℃以下の低温で窒化物半導体(チャネル層)を臨界膜厚以上に成長する場合、ヘテロ構造とせずに異種基板上に成長する場合に比較して、より高い移動度を得ることが容易ではないという問題がある。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、耐熱性の低い異種基板の上に形成する場合であっても、ヘテロ構造とした臨界膜厚以上のチャネル層において、より高い移動度が得られるようにすることを目的とする。
本発明に係るヘテロ構造の製造方法は、窒化物半導体以外の材料から構成された基板の上に、第1窒化物半導体を成長してバッファー層を形成する第1工程と、バッファー層の上に、第2窒化物半導体を成長して中間層を形成する第2工程と、中間層の上に、第1窒化物半導体より小さいバンドギャップエネルギーの第3窒化物半導体を成長し、臨界膜厚以上の厚さのチャネル層を形成する第3工程とを備え、第2窒化物半導体は、各々の層の平面方向における格子定数を、第1窒化物半導体と第3窒化物半導体との間の値とし、第1工程、第2工程、および第3工程は、300℃以下の温度条件で実施し、チャネル層における電子の移動度が最大となるように温度条件に合わせて、バッファー層の厚さを設定する。
本発明に係るヘテロ構造は、窒化物半導体以外の材料から構成された基板の上に形成された第1窒化物半導体からなるバッファー層と、バッファー層の上に形成された第2窒化物半導体からなる中間層と、中間層の上に形成された、第1窒化物半導体より小さいバンドギャップエネルギーの第3窒化物半導体からなり、臨界膜厚以上の厚さのチャネル層とを備え、第2窒化物半導体は、各々の層の平面方向における格子定数が、第1窒化物半導体と第3窒化物半導体との間の値とされ、バッファー層の厚さは、チャネル層における電子の移動度が最大となるように、バッファー層、中間層、およびチャネル層の形成温度に合わせて設定されている。
以上説明したように、本発明によれば、バッファー層とチャネル層との間に、これら各々の層の格子定数の間の格子定数とした中間層を設けたので、耐熱性の低い異種基板の上に形成する場合であっても、ヘテロ構造とした臨界膜厚以上のチャネル層において、より高い移動度が得られる。
図1Aは、本発明の実施の形態におけるヘテロ構造の製造方法における途中工程における層構成を示す構成図である。 図1Bは、本発明の実施の形態におけるヘテロ構造の製造方法における途中工程における層構成を示す構成図である。 図1Cは、本発明の実施の形態におけるヘテロ構造の製造方法における途中工程における層構成を示す構成図である。 図2は、格子定数差、層の厚さ、移動度の関係について調査するために実際に作製したヘテロ構造の構成を示す構成図である。 図3は、チャネル層114における電子の移動度μの、チャネル層114の厚さ依存性を示す特性図である。 図4は、チャネル層114におけるシート電子濃度nsの、チャネル層114の厚さ依存性を示す特性図である。 図5Aは、本発明の実施の形態における他のヘテロ構造の製造方法における途中工程における層構成を示す構成図である。 図5Bは、本発明の実施の形態における他のヘテロ構造の製造方法における途中工程における層構成を示す構成図である。 図6は、成長温度300℃で作製したチャネル層104における電子の移動度μの、バッファー層102の厚さ依存性を示す特性図である。 図7は、成長温度300℃で作製したチャネル層104におけるシート電子濃度nsの、バッファー層102の厚さ依存性を示す特性図である。 図8は、室温成長で作製したチャネル層104における電子の移動度μの、バッファー層102の厚さ依存性を示す特性図である。 図9は、室温成長で作製したチャネル層104におけるシート電子濃度nsの、バッファー層102の厚さ依存性を示す特性図である。 図10は、窒化物半導体を用いた一般的なヘテロ構造の層構成を示す構成図である。 図11は、InGaNを成長する場合の、臨界膜厚の計算結果を示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態に係るヘテロ構造の製造方法について、図1A〜図1Cを参照して説明する。図1A〜図1Cは、層構成の断面を模式的に示している。
まず、図1Aに示すように、窒化物半導体以外の材料から構成された異種基板101の上に、第1窒化物半導体を成長してバッファー層102を形成する(第1工程)。異種基板101は、例えば、主表面をc面としたサファイア(c面サファイア)基板、単結晶Si基板、単結晶SiC基板とすることができる。
第1窒化物半導体は、例えば、GaNである。例えば、金属ガリウム源および窒素ガスを用いたプラズマアシスト分子線エピタキシ(Molecular Beam Epitaxy:MBE)法により、GaNが成長できる。この成長条件として、例えば、成長温度は300℃、窒素ガスのプラズマは、高周波プラズマとし、RFパワーは500Wとすることができる。また、このプラズマ生成において、窒素ガスは、2sccmで供給する。なお、sccmは流量の単位であり、0℃・1013hPaの流体が1分間に1cm3流れることを示す。このプラズマMBE法による成長では、窒化物半導体がc軸方向に配向した状態で形成され、バッファー層102は、c軸方向に配向した状態となる。なお、この工程において、例えば、第1窒化物半導体をc軸方向に結晶成長(エピタキシャル成長)してバッファー層102を形成することもできる。
次に、図1Bに示すように、バッファー層102の上に、第2窒化物半導体を成長して中間層103を形成する(第2工程)。なお、中間層103は、厚さ10nm以下に形成する。第2窒化物半導体は、例えば、InGaNである。例えば、金属ガリウム源、金属インジウム源、および窒素ガスを用いたプラズマMBE法により、InGaNが成長できる。この成長条件として、例えば、成長温度は300℃、窒素ガスのプラズマは、高周波プラズマとし、RFパワーは500Wとすることができる。また、このプラズマ生成において、窒素ガスは、2sccmで供給する。前述したように、プラズマMBE法による成長では、窒化物半導体がc軸方向に配向した状態で形成され、中間層103は、c軸方向に配向した状態となる。なお、この工程においても、例えば、第2窒化物半導体をc軸方向にエピタキシャル成長して中間層103を形成することもできる。
次に、図1Cに示すように、中間層103の上に、第1窒化物半導体より小さいバンドギャップエネルギーの第3窒化物半導体を成長し、臨界膜厚以上の厚さのチャネル層104を形成する(第3工程)。第3窒化物半導体は、例えば、InNである。例えば、金属インジウム源および窒素ガスを用いたプラズマMBE法により、InNが成長できる。この成長条件として、例えば、成長温度は300℃、窒素ガスのプラズマは、高周波プラズマとし、RFパワーは500Wとすることができる。また、このプラズマ生成において、窒素ガスは、2sccmで供給する。なお、この工程においても、第3窒化物半導体をc軸方向にエピタキシャル成長してチャネル層104を形成することもできる。
ここで、第2窒化物半導体は、各々の層の平面方向における(a軸方向の)格子定数を、第1窒化物半導体と第3窒化物半導体との間の値とする。また、上述した各工程(第1工程、第2工程、および第3工程)では、成長温度の条件(温度条件)を300℃以下とする。ここで、以下に説明するように、チャネル層104における電子の移動度が最大となるように、温度条件に合わせて、バッファー層102の厚さを設定することが重要である。
上述した実施の形態に係る製造方法により製造されるヘテロ構造は、窒化物半導体以外の材料から構成された異種基板101の上に形成された第1窒化物半導体からなるバッファー層102と、バッファー層102の上に形成された第2窒化物半導体からなる中間層103と、中間層103の上に形成された、第1窒化物半導体より小さいバンドギャップエネルギーの第3窒化物半導体からなり、臨界膜厚以上の厚さのチャネル層104とを備えるものとなる。また、このヘテロ構造において、第2窒化物半導体は、各々の層の平面方向における格子定数が、第1窒化物半導体と第3窒化物半導体との間の値とされている。また、バッファー層102の厚さは、チャネル層104における電子の移動度が最大となるように、バッファー層102、中間層103、およびチャネル層104の形成温度に合わせて設定されている。
以下、実際に作製したヘテロ構造により、格子定数差、層の厚さ、移動度の関係について調査した結果について説明する。
はじめに、作製したヘテロ構造について、図2を参照して説明する。作製したヘテロ構造の試料は、c面サファイアからなる異種基板101と、この上に形成されたGaNからなる厚さ110nmのバッファー層102と、この上に形成された、InNからなるチャネル層114とを備える。また、この試料は、チャネル層114の上に、GaNからなる厚さ10nmのキャップ層111を形成している。このように、キャップ層111を備える構成は、ダブルヘテロ構造とも呼ばれている。また、この調査では、チャネル層114の厚さを、各々2nm、5nm、10nm、17nmとした4つの試料を作製した。
各層の成長は、プラズマMBE法により実施した。成長条件は、成長温度:300℃、RFパワー:500W、窒素流量:2sccmとした。なお、GaNの成長速度は、4.23nm/minであり、InNの成長速度は、5.46nm/minであった。
上述したヘテロ構造では、バンドギャップエネルギーが3.4eVのGaNからなるバッファー層102の上に、バンドギャップエネルギーが0.7eVのInNからなるチャネル層114が形成されている。また、チャネル層114の上に、GaNからなるキャップ層111を形成している。従って、上下の層に比較してバンドギャップエネルギーの小さなチャネル層114に、電子が蓄積することになる。
ここで、成長面をc面としているGaNの層の上にInNを成長した場合の、これら層間の格子定数差は、「[(InNの格子定数)−(GaNの格子定数)]/(GaNの格子定数)・・・(3)」で表すことができる。InNのa軸方向の格子定数は、0.355nmであり、GaNのa軸方向の格子定数は、0.319nmであるので、式(3)より、バッファー層102とチャネル層114との間の格子定数差は11%となる。一般的に、格子定数差が1%を超えると、両者の格子定数差が大きくなると言える。このようにバッファー層102とチャネル層114との間の格子定数差は大きいので、チャネル層114は、厚さが2nmである場合にも、臨界膜厚を超えている。
上述した各試料の、室温でのホール効果測定を実施し、チャネル層114における電子の移動素およびシート電子濃度nsの、チャネル層114の厚さ依存性について調査した。調査結果を図3,図4に示す。図3は、チャネル層114における電子の移動度μの、チャネル層114の厚さ依存性を示す。図4は、チャネル層114におけるシート電子濃度nsの、チャネル層114の厚さ依存性を示す。
図3に示すように、チャネル層114を厚くするほど移動度μが向上することがわかる。また、図4に示すように、チャネル層114を厚くするほどシート電子濃度nsが増加することがわかる。これらの結果より、確認した範囲において、チャネル層114を厚くすれば、移動度μが向上することが判明した。このように、窒化物半導体によるヘテロ構造では、チャネル層を臨界膜厚より厚くすることで、より高い移動度が得られるようになる。
ところで、上述したような窒化物半導体によるヘテロ構造のチャネル層を厚くすると、この層に誘起されるシート電子濃度も増加し、実使用において以下に示す問題が発生する。上述したような窒化物半導体によるヘテロ構造は、前述したように、FETに利用することができる。例えば、チャネル層の上にキャップ層を介してゲート電極を設け、ゲート電極を挟んで、チャネル層にオーミック接続するソース電極、ドレイン電極を設けることで、FETとすることができる。
上述したようにチャネル層におけるシート電子濃度が高すぎると、チャネル層の電子を無くすOFF状態にするためのゲート電圧が高くなる。このため、ゲート電圧を最大にしても、チャネル層の抵抗(ソース・ドレイン間の抵抗)を高くできないという問題が発生する。また、チャネル層が厚くなると、FETの素子構造を作製する際のエッチング加工が難しくなる。以上のことから、確認した範囲では、チャネル層は、できるだけ薄いほうが望ましいものと考えられる。このことより、チャネル層を薄く保ったままで、移動度を向上させることを検討した。
窒化物半導体によるヘテロ構造では、バリア層となるバッファー層と、チャネル層との間の格子定数差が大きいため、チャネル層には新たな転位が発生する。この転位によって電子が散乱されるため、チャネル層では移動度μが劣化するものと考えられる。このチャネル層中の転位による散乱を抑えることができれば、チャネル層を必要以上に厚くすることなく(電子濃度を上げることなく)、移動度を向上させることができる。このために、図1A〜図1Cを用いて説明したように、バッファー層102とチャネル層104との間に、a軸方向の格子定数が、バッファー層102とチャネル層104との間となる中間層103を設ける。
例えば、バッファー層102をGaNから構成し、チャネル層104をInNから構成する場合、In0.56Ga0.44Nから構成された中間層103を用いる。ベガード則より、In0.56Ga0.44Nのa軸方向の格子定数は0.339nmとなる。InNのa軸方向の格子定数は、0.355nmであり、GaNのa軸方向の格子定数は、0.319nmであるので、In0.56Ga0.44Nによる中間層103のa軸方向の格子定数は、バッファー層102とチャネル層104との間となる。
In0.56Ga0.44Nをc軸方向に結晶成長して表面をc面とした中間層103の上に、InNをエピタキシャル成長させてチャネル層104を形成した場合、中間層103とチャネル層104との間の格子定数差は、式(3)の考え方を適用すると、5%となる。このように、中間層103とチャネル層104との間の格子定数差の値自体は大きいが、c面GaN上にInNを成長した場合(11%)に比べて、格子定数差の値を半減させることができる。この結果、チャネル層104に発生する転位が減少することが期待できる。
また、GaNの室温のバンドギャップエネルギーは、3.4eVであり、InNの室温のバンドギャップエネルギーは、0.7eVである。また、GaNとInNとの混晶であるInGaNのバンドギャップエネルギーは、GaNとInNのバンドギャップエネルギーの間の値を取る。ベガード則に従う場合、In0.56Ga0.44Nバンドギャップエネルギーは、1.9eVとなる。以上のことから、GaNからなるバッファー層102の上に、In0.56Ga0.44Nからなる中間層103を介し、InNからなるチャネル層104を積層したダブルヘテロ構造では、バンドギャップエネルギーの最も小さなチャネル層104に電子が蓄積する。
ところで、バッファー層102、チャネル層104によるヘテロ構造を用いて、例えばFETを構成する場合、図2を用いて説明したように、チャネル層104の上にキャップ層を設けることになる(ダブルヘテロ構造)。このように、キャップ層を設ける場合、チャネル層104とキャップ層との間にも中間層を設ける。例えば、次に示すように、チャネル層104の上に、他中間層105を介してキャップ層106を設ける。このヘテロ構造を用い、キャップ層106の上にゲート電極やソース電極、ドレイン電極を設ければ、FETとすることができる。
他中間層105およびキャップ層106を備えるヘテロ構造の製造方法について説明すると、まず、図5Aに示すように、チャネル層104の上に、第4窒化物半導体を300℃以下の温度条件で成長して他中間層105を形成する(第4工程)。第4窒化物半導体は、例えばIn0.56Ga0.44Nである。例えば、金属ガリウム源、金属インジウム源、および窒素ガスを用いたプラズマMBE法により、In0.56Ga0.44Nが成長できる。この成長条件として、例えば、成長温度は300℃、窒素ガスのプラズマは、高周波プラズマとし、RFパワーは500Wとすることができる。また、このプラズマ生成において、窒素ガスは、2sccmで供給する。
次に、図5Bに示すように、他中間層105の上に、第3窒化物半導体(例えばInN)より大きいバンドギャップエネルギーの第5窒化物半導体(例えばGaN)を、300℃以下の温度条件で成長し、キャップ層106を形成する(第5工程)。例えば、金属ガリウム源および窒素ガスを用いたプラズマMBE法により、GaNが成長できる。この成長条件として、例えば、成長温度は300℃、窒素ガスのプラズマは、高周波プラズマとし、RFパワーは500Wとすることができる。また、このプラズマ生成において、窒素ガスは、2sccmで供給する。
ここで、第4窒化物半導体は、各々の層の平面方向における格子定数が、第3窒化物半導体と第5窒化物半導体(例えばIn0.56Ga0.44N)との間の値とされている。なお、バッファー層102、中間層103、チャネル層104は、c軸が厚さ方向とされているので、これらに続いてエピタキシャル成長して形成した他中間層105、キャップ層106も、c軸が厚さ方向となる。
上述した窒化物半導体によるヘテロ構造を実際に作製し、室温でのホール効果測定を行った。なお、実際の作製において、成長温度を300℃としたプラズマMBE法による、GaNの成長速度は、4.23nm/minであり、InNの成長速度は、5.46nm/minであり、In0.56Ga0.44Nの成長速度は、9.69nm/minであった。また、バッファー層102の厚さは110nm、中間層103の厚さは6nm、チャネル層104の厚さは5nm、他中間層105の厚さは6nm、キャップ層106の厚さは10nmとした。室温でのホール効果測定の結果、チャネル層104における移動度μは8.8cm2/Vsであった。図2を用いて説明したヘテロ構造では、チャネル層104の厚さを5nmとすると、図3に示すように、移動度μが3.6cm2/Vsであった。これに対し、中間層103、他中間層105を設けたヘテロ構造では、上述したように移動度μが8.8cm2/Vsとなり、移動度μを高くすることができた。
次に、上述した窒化物半導体によるヘテロ構造(ダブルヘテロ構造)において、バッファー層102の厚さを変化させた複数の試料を作製し、これら試料における電気的特性を調べた結果について説明する。バッファー層102の厚さを、各々20nm、30nm、55nm、110nm、220nmとした5個の試料を作製した。基本的な製造条件および他の層の厚さは、前述同様である。また、各試料について、室温においてホール効果測定を行った。
調査結果を図6,図7に示す。図6は、チャネル層104における電子の移動度μの、バッファー層102の厚さ依存性を示す。図7は、チャネル層104におけるシート電子濃度nsの、バッファー層102の厚さ依存性を示す。図6に示すように、厚さが30nmまでは、バッファー層102が薄くなるほど移動度μが大きくなり、バッファー層102の厚さが30nmで移動度が最大値となり、これより薄い場合は低下する。また、図7に示すように、厚さが30nmまでは、バッファー層102が薄くなるほどシート電子濃度nsが小さくなり、バッファー層102の厚さが30nmでシート電子濃度の最小値となり、これより薄い場合は増加する。
500℃から1200℃程度の高温で窒化物半導体を成長する従来の研究では、バッファー層が厚いほど移動度μが大きくなる傾向がある。これに対して、上述した窒化物半導体によるダブルヘテロ構造では、バッファー層が厚ければ良いわけではなく、バッファー層の厚さには最適値が存在するものと考えられる。
次に、プラズマMBE法による成長温度を室温(25℃程度)として各層を成長した試料を作製し、作製した試料における電気的特性を調べた結果について説明する。このように成長温度が室温であれば、プラスティックなどの材料から構成した基板(異種基板)の上に、窒化物半導体によるヘテロ構造(ダブルヘテロ構造)が作製できる。
この調査は、c面サファイアからなる異種基板101の上に、成長温度以外は前述同様にバッファー層102、中間層103、チャネル層104、他中間層105、キャップ層106を積層したダブルヘテロ構造を対象とする。なお、成長温度を室温としたプラズマMBE法では、GaNの成長速度は、3.53nm/minであり、InNの成長速度は、7.06nm/minであり、In0.56Ga0.44Nの成長速度は、10.6nm/minであった。また、バッファー層102の厚さを変化させた複数の試料を作製した。バッファー層102の厚さを、各々20nm、30nm、55nm、80nm、110nm、160nm、220nmとした7個の試料を作製した。室温においてホール効果測定を行った。
調査結果を図8,図9に示す。図8は、チャネル層104における電子の移動度μの、バッファー層102の厚さ依存性を示す。図9は、チャネル層104におけるシート電子濃度nsの、バッファー層102の厚さ依存性を示す。図8に示すように、室温成長では、バッファー層102の厚さが80nmおよび110nmにおいて、移動度が最大値となる。バッファー層102の厚さが160nmでは、移動度が急激に低下している。このように、移動度に最大値が存在する現象は、300℃で成長した試料の測定結果の特徴と似ている。ただし、バッファー層102の最適な厚さは異なり、成長温度300℃に比較し、室温で成長では、少し厚いバッファー層102が必要となる。このように、チャネル層の電子移動度が最も高くなる最適なバッファー層の厚は、成長温度が低くなると厚くなることがわかった。
なお、図9に示すように、室温成長では、バッファー層102厚さが20nm〜220nmの範囲でにおいて、シート電子濃度nsが6×1014cm-2を超えることが無く、前述した実使用における問題はあまりないものと考えられる。
ところで、上述した測定は、異種基板としてc面サファイア基板を用い、バッファー層をGaN、チャネル層をInN、中間層(他中間層)をIn0.56Ga0.44Nとし、キャップ層をGaNとしたが、これらの限定されるものではない。例えば、異種基板として、Si基板やSiC基板を用いた場合でも同様な効果が期待できる。また、各層を他の窒化物半導体から構成しても、同様の層構成とすることができ、また、同様な効果が期待できる。例えば、各層を、各々適宜に組成比を設定したInAlGaN混晶から構成することができる。
以上に説明したように、本発明によれば、バッファー層とチャネル層との間に、これら各々の層の格子定数の間の格子定数とした中間層を設けたので、耐熱性の低い異種基板の上に形成する場合であっても、ヘテロ構造とした臨界膜厚以上のチャネル層において、より高い移動度が得られるようになる。これにより、例えば、本発明による窒化物半導体によるヘテロ構造を用いたFETの特性を改善することが可能となる。
本発明は、発明者らの鋭意の検討の結果、チャネル層に存在する2種類の転位を最適化すれば、移動度の減少を最小限に抑えることが可能であるとの考察の結果、成し得たものである。本発明によれば、例えば、室温という低温で成長した窒化物半導体のヘテロ構造によるFET特性の劣化を最小限に抑えることができ、IGZOなどで作製したFETに遜色ないFETの作製が可能になる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…異種基板、102…バッファー層、103…中間層、104…チャネル層。

Claims (8)

  1. 窒化物半導体以外の材料から構成された基板の上に、第1窒化物半導体を成長してバッファー層を形成する第1工程と、
    前記バッファー層の上に、第2窒化物半導体を成長して中間層を形成する第2工程と、
    前記中間層の上に、前記第1窒化物半導体より小さいバンドギャップエネルギーの第3窒化物半導体を成長し、臨界膜厚以上の厚さのチャネル層を形成する第3工程と
    を備え、
    前記第2窒化物半導体は、各々の層の平面方向における格子定数を、前記第1窒化物半導体と前記第3窒化物半導体との間の値とし、
    前記第1工程、前記第2工程、および前記第3工程は、300℃以下の温度条件で実施し、
    前記チャネル層における電子の移動度が最大となるように温度条件に合わせて、前記バッファー層の厚さを設定する
    ことを特徴とするヘテロ構造の製造方法。
  2. 請求項1記載のヘテロ構造の製造方法において、
    前記第1工程は、前記第1窒化物半導体をc軸方向に結晶成長し、
    前記第2工程は、前記第2窒化物半導体をc軸方向に結晶成長し、
    前記第3工程は、前記第3窒化物半導体をc軸方向に結晶成長する
    ことを特徴とするヘテロ構造の製造方法。
  3. 請求項1または2記載のヘテロ構造の製造方法において、
    前記第2工程は、前記中間層を厚さ10nm以下に形成することを特徴とするヘテロ構造の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のヘテロ構造の製造方法において、
    前記チャネル層の上に、第4窒化物半導体を成長して他中間層を形成する第4工程と、
    前記他中間層の上に、前記第3窒化物半導体より大きいバンドギャップエネルギーの第5窒化物半導体を成長し、キャップ層を形成する第5工程と
    をさらに備え、
    前記第4窒化物半導体は、各々の層の平面方向における格子定数を、前記第3窒化物半導体と前記第5窒化物半導体との間の値とし、
    前記第4工程および前記第5工程は、300℃以下の温度条件で実施する
    ことを特徴とするヘテロ構造の製造方法。
  5. 窒化物半導体以外の材料から構成された基板の上に形成された第1窒化物半導体からなるバッファー層と、
    前記バッファー層の上に形成された第2窒化物半導体からなる中間層と、
    前記中間層の上に形成された、前記第1窒化物半導体より小さいバンドギャップエネルギーの第3窒化物半導体からなり、臨界膜厚以上の厚さのチャネル層と
    を備え、
    前記第2窒化物半導体は、各々の層の平面方向における格子定数が、前記第1窒化物半導体と前記第3窒化物半導体との間の値とされ、
    前記バッファー層の厚さは、前記チャネル層における電子の移動度が最大となるように、前記バッファー層、前記中間層、および前記チャネル層の形成温度に合わせて設定されている
    ことを特徴とするヘテロ構造。
  6. 請求項5記載のヘテロ構造において、
    前記バッファー層、前記中間層、および前記チャネル層は、c軸が厚さ方向とされていることを特徴とするヘテロ構造。
  7. 請求項5または6記載のヘテロ構造において、
    前記中間層は、厚さが10nm以下とされていることを特徴とするヘテロ構造。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載のヘテロ構造において、
    前記チャネル層の上に形成された第4窒化物半導体からなる他中間層と、
    前記他中間層の上に形成された、前記第3窒化物半導体より大きいバンドギャップエネルギーの第5窒化物半導体からなるキャップ層と
    をさらに備え、
    前記第4窒化物半導体は、各々の層の平面方向における格子定数が、前記第3窒化物半導体と前記第5窒化物半導体との間の値とされている
    ことを特徴とするヘテロ構造。
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