JP2021099972A - 多芯通信ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】ゲーム機用VR接続ケーブル等に好ましく用いられ、長尺使用可能で、細径で、軽量で、屈曲させても特性が劣化しにくい高速信号伝送用の多芯通信ケーブルを提供する。【解決手段】電源線11及び信号線12を含む内層集合線10と、その内層集合線10の外側に配置され、2本の同軸電線21,21からなる2組以上の同軸電線組22を含む外層集合線20と、その外層集合線20の外側を覆うシールド層30及び外被シース40とを有する多芯通信ケーブル50である。同軸電線21は中心導体1と絶縁体2と外部導体3と外被体4とをその順で有し、シールド層30が金属細線の二重横巻きであり、グランド抵抗値が10mΩ以下/mであるように構成して上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、複数本の同軸電線を有する高速信号伝送用の多芯通信ケーブルに関する。さらに詳しくは、ゲーム機用VR接続ケーブル等に好ましく用いられる長尺で使用可能なケーブルであって、細径で、軽量で、屈曲させても特性が劣化しにくい高速信号伝送用の多芯通信ケーブルに関する。
近年、USB3.1等に代表される通信用ケーブルは、使用周波数が高くなるとともに頻繁に挿抜等のハンドリングをするため、細径化や柔軟性を求められる傾向にある。通信用ケーブルに要求される細径化や柔軟性を改善したものとして、例えば特許文献1では、10Gbps以上の高速デジタル信号を好適に伝送することができると共に多芯撚り合わせした場合や屈曲させた場合でも信号伝送速度が一定で特性が低下しにくく、各ケーブルの電気長のばらつきが小さい高速信号伝送ケーブルを提案している。この技術は、同軸線集合体と、同軸線集合体の外周に設けたシールド層と、最外層に設けたシースとを具備してなる高速信号伝送ケーブルであり、その同軸線が、内部導体と、中空コア体と、金属箔、或いは金属層を設けたプラスチックテープを中空コア体の外周に縦添えしてなる外部導体とを有している。
また、特許文献2では、同軸電線対の間のクロストークを抑制可能な多芯ケーブルの提供を課題とした技術が提案されている。この技術では、2本の同軸電線が互いに接触して並列されて構成される同軸電線対を二対以上含み、各同軸電線は、中心導体、絶縁体、外部導体および外被からそれぞれ構成されている。外部導体は、金属細線が横巻きされることで形成される内層部と、内層部の周囲に金属樹脂テープが横巻きされることで形成される外層部とを有し、内層部の金属細線の巻き方向は外層部の金属樹脂テープの巻き方向とは逆向きの方向であって、金属細線の巻き方向に対する金属樹脂テープの巻き方向の角度が30度以上90度以下とし、複数本の同軸電線のうち2本の同軸電線同士が接触して並列された同軸電線対が二対以上含まれることにより、同軸電線対の間のクロストークを−40dB以下としている。
WO2013/069755 特開2016−207658号公報
従来の技術では、高速信号伝送の要求値を満たすために、ケーブルのグランド線の本数を増やすかグランド線の外径を太くすることで、高速信号伝送を可能としていた。しかしながら、ケーブルのグランド線の本数を増やしたり、グランド線の外径を太くしたりしてしまうと、細径化と軽量化が求められる高速信号伝送ケーブルには適さない構造となってしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ゲーム機用VR接続ケーブル等に好ましく用いられ、長尺使用可能で、細径で、軽量で、屈曲させても特性が劣化しにくい高速信号伝送用の多芯通信ケーブルを提供することにある。
本発明に係る多芯通信ケーブルは、電源線及び信号線を含む内層集合線と、該内層集合線の外側に配置され、2本の同軸電線からなる2組以上の同軸電線組を含む外層集合線と、該外層集合線の外側を覆うシールド層及び外被シースとを有する多芯通信ケーブルであって、前記同軸電線は中心導体と絶縁体と外部導体と外被体とをその順で有し、前記シールド層が金属細線の二重横巻きであり、グランド抵抗値が10mΩ以下/mである、ことを特徴とする。
この発明によれば、外層集合線を覆うシールド層が金属細線の二重横巻きであるので、ケーブルにグランド線を増やしたりグランド線の外径を太くしたりすることなく、導体断面積を増やすことができる。その結果、多芯通信ケーブル全体の細径化と軽量化を実現することができる。こうした多芯通信ケーブルは、細径で軽量なので、屈曲させても特性が劣化しにいという効果を奏し、長いケーブル長のゲーム機用VR接続ケーブル等として好ましく用いることができる。
本発明に係る多芯通信ケーブルにおいて、前記グランド抵抗値が50mΩ以下である。この発明によれば、グランド抵抗値が10mΩ以下/mの多芯通信ケーブルは、グランド抵抗値が50mΩ以下であるので、長いケーブル長で使用できるゲーム機用VR接続ケーブル等として好ましい。
本発明に係る多芯通信ケーブルにおいて、前記外層集合線が前記同軸電線組とともにアース線を含む場合、前記シールド層の抵抗値が前記アース線の抵抗値よりも低い。この発明によれば、シールド層の抵抗値がアース線の抵抗値よりも低いので、ケーブルにグランド線を増やしたりグランド線の外径を太くしたりすることなく、グランド抵抗値を下げることができる。
本発明に係る多芯通信ケーブルにおいて、前記外被体は、融着層付きの第1の樹脂テープと、融着層を含まない第2の樹脂テープとで構成され、前記融着層付きの第1の樹脂テープは、該融着層を前記外部導体側にして横巻きしたものであって前記外部導体と前記第1の樹脂テープとが前記融着層を介して接着する。この発明によれば、第1の樹脂テープが融着層を介して外部導体に接着しているので、外力が加わって屈曲した場合でも金属細線にずれが起こらず、特性が低下しにくい。なお、第2の樹脂テープと第1の樹脂テープとは接着していないので、屈曲時に第1の樹脂テープと第2の樹脂テープとの間でずれを生じさせることができ、応力集中を起きにくくして、断線し難く、柔軟性を発揮することができる。
本発明に係る多芯通信ケーブルにおいて、前記同軸電線を構成する前記絶縁体が中空構造体である。この発明によれば、空隙率が約20〜60%の中空構造体であるので、高速信号伝送ケーブルとして好ましい。中空構造体は、内環状部、外環状部及びこれらを連結する連結部で構成されている。
本発明に係る多芯通信ケーブルにおいて、前記同軸電線の間に導線が配置されている。
本発明に係る多芯通信ケーブルにおいて、前記内層集合線が、絶縁線を含んでいる。
本発明によれば、ゲーム機用VR接続ケーブル等に好ましく用いられ、長尺使用可能で、細径で、軽量で、屈曲させても特性が劣化しにくい高速信号伝送用の多芯通信ケーブルを提供することができる。
本発明に係る多芯通信ケーブルの一例を示す断面図である。 本発明に係る多芯通信ケーブルの他の一例を示す断面図である。 本発明に係る多芯通信ケーブルを構成する同軸電線の形態を示す斜視構成図である。 絶縁体の構造形態を詳しく説明する断面図である。 金属樹脂テープを、金属細線と外被体との間に設けた同軸電線の形態を示す斜視構成図である。 多芯通信ケーブルの屈曲試験方法を示す説明図である。
本発明に係る多芯通信ケーブルの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態及び図面に記載した形態と同じ技術的思想の発明を含むものであり、本発明の技術的範囲は実施形態の記載や図面の記載のみに限定されるものでない。
本発明に係る多芯通信ケーブル50は、図1及び図2に示すように、電源線11及び信号線12を含む内層集合線10と、その内層集合線10の外側に配置され、2本の同軸電線21,21からなる2組以上の同軸電線組22を含む外層集合線20と、その外層集合線20の外側を覆うシールド層30及び外被シース40とを有する。同軸電線21は中心導体1と絶縁体2と外部導体3と外被体4とをその順で有し、シールド層30が金属細線の二重横巻きであり、グランド抵抗値が10mΩ以下/mであることに特徴がある。
この多芯通信ケーブル50は、外層集合線20を覆うシールド層30が金属細線の二重横巻きであるので、ケーブルにグランド線を増やしたりグランド線の外径を太くしたりすることなく、高速信号伝送が可能となる。その結果、多芯通信ケーブル全体の細径化と軽量化を実現することができる。こうした多芯通信ケーブル50は、細径で軽量なので、屈曲させても特性が劣化しにいという効果を奏し、長いケーブル長のゲーム機用VR接続ケーブル等として好ましく用いることができる。
以下、各構成要素について詳しく説明する。
[外層集合線]
外層集合線20は、その内側には内層集合線10を備え、その外側にシールド層30及び外被シース40を備える。外層集合線20は、2本の同軸電線21,21からなる2組以上の同軸電線組22を含む。この外層集合線20は、同軸電線21,21の間に導線25が配置されていてもよいし、アース線23が配置されていてもよい。
<同軸電線>
同軸電線21は、図3に示すように、中心導体1と、中心導体1の外周に長手方向に連続した絶縁体2と、その絶縁体2の外周に設けられた外部導体3と、その外部導体3の外周に設けられた外被体4とで構成されている。本発明に係る多芯通信ケーブル50は、2本の同軸電線21からなる同軸電線組22を2組以上含み、例えば図1及び図2の例では、同軸電線組22が4組含まれている態様を示している。同軸電線組22の数は、少なくとも2以上の複数であればよく、上限も特に限定されないが、4〜8程度とすることができる。
(中心導体)
中心導体1は、同軸電線21の長手方向に延びる1本の素線で構成される、又は複数本の素線を撚り合わせて構成される。素線は、良導電性金属であればその種類は特に限定されないが、銅線、銅合金線、アルミニウム線、アルミニウム合金線、銅アルミニウム複合線等の良導電性の金属導体、又はそれらの表面にめっき層が施されたものを好ましく挙げることができる。高周波用の観点からは、銅線、銅合金線が特に好ましい。めっき層としては、はんだめっき層、錫めっき層、金めっき層、銀めっき層、ニッケルめっき層等が好ましい。素線の断面形状も特に限定されないが、断面形状が円形又は略円形の線材であってもよいし、角形形状であってもよい。
中心導体1の断面形状も特に限定されないが、円形(楕円形を含む。)であってもよいし矩形等であってもよい。中心導体1の外径は、電気抵抗(交流抵抗、導体抵抗)が小さくなるように、できるだけ大きいことが望ましく、例えば、0.09〜0.4mm程度を挙げることができる。中心導体1の表面には、必要に応じて絶縁皮膜(図示しない)が設けられていてもよい。絶縁皮膜の種類と厚さは特に限定されないが、例えばはんだ付け時に良好に分解するものが好ましく、熱硬化性ポリウレタン皮膜等を好ましく挙げることができる。
(絶縁体)
絶縁体2は、中心導体1の外周に、長手方向に連続して設けられている低誘電率の絶縁層である。この絶縁体2は、図3(A)に示す中空構造体であってもよいし、図3(B)に示す中実構造体であってもよいし、図示しない発泡構造体であってもよい。図3(A)に示す中空構造体は、内環状部2B、外環状部2C及びこれらを連結する連結部2Dで構成されたものであって、長手方向に連続する空隙部2Aを有している。空隙部2Aは、絶縁体2の中に連続して設けられているが、その形態は、丸形でも矩形でもよく特に限定されない。特に、内環状部2B、外環状部2C及びこれらを連結する連結部2Dで構成された中空構造体からなる絶縁体2は、空隙部2Aが内環状部2B、外環状部2C及び連結部2Dで囲まれた断面形態になっている。こうした中空構造体は、屈曲時に加わる応力等によっても変形しにくく、高周波特性を安定なものとすることができる。
絶縁体2の材料は特に限定されないが、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂よりも誘電率が小さいフッ素系樹脂、例えばPFA、ETFE、FEP等の低誘電率で低摩擦係数のフッ素系樹脂が好ましく、良好な高周波伝送特性とともに良好な屈曲性を示すことができる。特に低摩擦係数で絶縁体を形成しているので、その上に設けられた金属細線との摩擦が低く、屈曲時の柔軟性を発揮する金属細線の多少のずれ動きが、低い摩擦抵抗のもとで行われる。その結果、ズレ戻りも容易となって安定したシールド特性を確保することができる。絶縁体2の材料に着色剤を含有させてもよい。
絶縁体2を中空構造や発泡構造とした場合、絶縁体2の材料密度が小さくなり、絶縁体2を柔らかくすることができるという付加的効果があるとともに、誘電率をさらに小さくすることができる。例えば中空率40%の中空構造や発泡構造の場合は誘電率を約2.1から約1.6に下げることができる。そのため、絶縁体2の誘電率を同じにした場合は、絶縁体2の外径を小さくでき、細径化を実現して柔軟性を高めることも可能である。例えばAWG29番線(0.287mm)で特性インピーダンスを50Ωにするためには、中実構造では外径0.9mm程度が必要であるが、中空構造や発泡構造にすることにより、外径を0.83mmまで細径化でき、外径を7%程度小さくすることができる。このように、誘電率を小さくすることにより、同軸電線21を例えば7%程度細径化できる。
絶縁体2の形成方法は特に限定されないが、中実構造、中空構造、発泡構造のいずれも押し出しで容易に形成できる。絶縁体2は、押出ダイスを走行する中心導体1の外周に、樹脂を押出しして成形することができる。内環状部2B、外環状部2C及び連結部2Dのそれぞれの厚さは特に限定されないが、例えば0.01mm〜0.05mm程度の範囲内であり、形成された絶縁体2の外径は、例えば0.5〜1.0mm程度の範囲内である。空隙部2Aの空隙率は、誘電体層全体(中空構造体全体)の面積に対し、20%〜60%の範囲内であることが好ましい。
(外部導体)
外部導体3は、絶縁体2の外周に設けられている。外部導体3は、後述する全体を覆うシールド層30とは区別して設けられている。この外部導体3は、金属細線を横巻きしたもので構成されている。外部導体3の厚さは、使用する金属細線の線径や撚り本数によっても異なり、特に限定されない。
金属細線は、同軸電線の外部導体として誘電体層(絶縁体2)の外周に設けられている良導電性の金属細線であれば特に限定されない。例えば、錫めっき銅線等に代表される各種の金属細線を好ましく用いることができる。金属細線の直径も特に限定されないが、絶縁体2の外径の1/10〜1/20の範囲内であることが好ましい。金属細線を横巻きする際の巻ピッチは、絶縁体2の外径によって異なるが、特に限定されない。
(外被体)
外被体4は、外部導体3の外周に設けられ、絶縁性があればその材質は特に限定されない。片面に融着層を設けた樹脂テープを螺旋巻きして設けてもよいし、樹脂を押出して設けてもよい。外被体4の構成樹脂としては、樹脂押出の場合は絶縁体2に適用されている種々のものを使用することができ、例えばPFA、ETFE、FEP等のフッ素系樹脂であってもよいし、塩化ビニル樹脂であってもよいし、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂であってもよいし、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂であってもよい。外被体4の厚さは、例えば0.1〜1.0mm程度の範囲内とすることができる。
樹脂テープを用いる場合は、外部導体3と融着させることで外部導体3(金属細線の横巻き)が位置ずれするのを防ぐことができる。融着層付きの樹脂テープを用いる場合、融着層の側を外部導体3の側にして横巻きする。樹脂テープの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、フッ素化樹脂共重合体(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂:PFA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、等を挙げることができる。樹脂テープの厚さは、必要な絶縁耐圧を確保できるだけの厚さであれば特に限定されないが、0.004〜0.01mm程度とすることができる。融着層は、樹脂テープの片面に設けられ、その材質としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。融着層の厚さも特に限定されないが、0.001mm程度とすることができる。
樹脂テープは、1枚でも2枚でもよい。図3に示すように、外被体4が1枚の樹脂テープで構成されている場合、その樹脂テープは、融着層付きの樹脂テープ4aであることが好ましい。一方、図5に示すように、外被体4が2枚の樹脂テープで構成されている場合、融着層付きの第1の樹脂テープ4aと、融着層を含まない第2の樹脂テープ4bとで構成されていることが好ましい。融着層付きの樹脂テープ(第1の樹脂テープ)4aは、融着層を外部導体側にして横巻きしたものであり、外部導体3と第1の樹脂テープ4aとが融着層を介して接着する。この接着により、外力が加わって屈曲した場合でも金属細線にずれが起こらず、特性が低下しにくい。なお、第2の樹脂テープ4bと第1の樹脂テープ4aとは接着していないので、屈曲時に第1の樹脂テープ4aと第2の樹脂テープ4bとの間でずれを生じさせることができ、応力集中を起きにくくして、断線し難く、柔軟性を発揮することができる。
これら樹脂テープの横巻ピッチは、上記金属細線の横巻ピッチの1/5〜1/2の範囲内であることが好ましい。こうすることにより、樹脂テープを隙間なく巻くことができる。樹脂テープの横巻き方向は、上記した金属細線の横巻き方向と同じ巻き方向であっても、逆向きの巻き方向であってもよいが、逆向きが好ましい。2枚の樹脂テープを用いる場合、第1の樹脂テープ4aと第2の樹脂テープ4bは、同じ方向で横巻きしてもよいし、逆方向に横巻してもよい。なお、テープ幅は、巻きピッチや巻きやすさ等によって任意に選択され、例えば3〜10mm程度とすることができる。樹脂テープの厚さは特に限定されない。
融着層は、樹脂テープの片面に設けられている。融着層の材質は、熱可塑性樹脂を主体とした樹脂組成物であり、特定の温度以上で架橋反応が起こって接着することができる性質を有するものであることが好ましい。こうした性質を有することにより、融着層付き樹脂テープを融着層を外部導体側にして横巻きして設け、その際又はその後に特定の温度以上に加熱し、架橋反応を起こして外部導体3に接着させる。融着層の材質としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。これらのうち、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。融着層を形成する融着層形成用樹脂組成物には、架橋剤や溶剤が含まれる。また、必要に応じて各種の添加剤が含まれる。それらの架橋剤、溶剤及び添加剤は特に限定されず、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂等の種類とその要求特性に応じた各種の架橋剤、溶剤及び添加剤が必要に応じて用いられる。融着層の厚さも特に限定されない。
<アース線>
アース線23は、同軸電線組22とともに外層集合線20に任意に含まれていてもよい。外層集合線20は、図1及び図2に示すように、単層の同軸電線組22で構成されているが、アース線23を含む場合も図2に示すように単層で構成されている。アース線23は、接地線として機能するものであり、複数の金属細線と、その金属細線を覆う絶縁被覆層とを有している。金属細線は、導電性の良い金属で構成されたものであれば特に限定されず、上記した中心導体1で例示したものを挙げることができる。図2の例では、1本のアース線23が例示されているが、2本であってもよい。
<押さえ巻きテープ>
押さえ巻きテープ24は、2以上の同軸電線組22と必要に応じて設けられるアース線23とを覆い束ねるように設けられている。押さえ巻きテープ24は、複数の同軸電線組22がばらけないように押さえることができるものであれば特に限定されないが、ポリエステルテープ、紙テープ等を挙げることができ、特に和紙テープを好ましく挙げることができる。これら押さえ巻きテープ24の厚さも特に限定されず、0.03〜0.1mmの範囲内であることが好ましい。テープ幅は、巻ピッチ等によって任意に選択される。なお、押さえ巻きテープ24は、同軸電線組22とともに信号線等が必要に応じて設けられている場合には、それらをまとめて巻き押さえるように作用する。この押さえ巻きテープ24により、外層集合線20を束ねることができる。
<その他>
外層集合線20には、上記以外の構成として、同軸電線組22の間に導線25が含まれていることが好ましい。こうすることで、ドレン線として機能する断面積を確保できるという利点がある。特に個々の同軸電線間21,21に導線25が設けられていることが、導線25の位置が固定されやすいという観点で好ましい。導線25としては、金属素線上に絶縁層が設けられた絶縁電線を好ましく使用できるが、絶縁層が設けられていない金属素線であってもよい。これら金属素線は、銅線又は銅合金線が好ましく、必要に応じてめっきされためっき線であってもよい。導線25の線径は、同軸電線組22の間や、個々の同軸電線間21,21に配置可能な細い線であることが好ましく、図1及び図2に示すように、それらの間の空間に入り込むことが可能な直径であることが好ましい。
[内層集合線]
内層集合線10は、電源線11と信号線12を含む。電源線11は、電力を伝導する線であることが好ましく、導電性の良い金属で構成されたものであれば特に限定されず、上記した中心導体1で例示したものを挙げることができる。図1の例では、2本1組の電源線11が例示されている。信号線12は、信号線として作用するものであり、導電性の良い金属で構成されたものであれば特に限定されず、上記した中心導体1で例示したものを挙げることができる。図1の例では、4本の信号線12が例示されている。
電源線11、信号線12は、押さえ巻きテープ14で覆われていることが好ましい。押さえ巻きテープ14としては、電源線11及び信号線12がばらけないように押さえることができるものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエステルテープ等を好ましく挙げることができる。その厚さも特に限定されず、0.01〜0.1mmの範囲内であることが好ましい。こうした押さえ巻きテープ14で巻かれた後の内層集合線10の外径は、その役割や用途に応じて任意に選択され、特に限定されない。なお、テープ幅は、巻ピッチ等によって任意に選択され、特に限定されない。
内層集合線10には、電源線11及び信号線12の他に、絶縁線15が含まれていてもよい。こうすることで、内層の真円化という利点がある。絶縁線15としては、繊維糸等であってもよいし、金属素線上に絶縁層が設けられた絶縁電線であってもよい。絶縁線15の線径は、内層集合線10に配置可能な細い線であることが好ましく、図1及び図2に示すように、それらの間の空間に入り込むことが可能な直径であることが好ましい。
[シールド層]
シールド層30は、外層集合線20の外側を覆っている。シールド層30は、金属細線の二重に横巻したものである。横巻きは、1層目の横巻きと、2層目の横巻きとを同じ方向に1層毎重ねて巻いたものであってもよいし、異なる方向に1層毎重ねて巻いたものであってもよい。逆方向に横巻きすることにより、断線を発生し難くすることができる。シールド層30は、上記した金属細線と同様の金属細線を任意に選択して設けることができる。シールド層30の厚さは、シールド性能を発揮できる程度の厚さになっていればよく、特に限定されないが、例えば0.05〜0.30mm程度の範囲内である。
[外被シース]
外被シース40は、シールド層30の外側を覆っている。外被シース40は、樹脂押し出しでもテープ巻きでもよい。樹脂押し出しした外被シース40は、上記外被体4と同様、絶縁性があればその材質は特に限定されない。例えば、一般に適用されている種々のものを使用することができ、例えばETFE等のフッ素系樹脂であってもよいし、塩化ビニル樹脂であってもよいし、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂であってもよいし、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂であってもよい。樹脂押し出しした外被シース40の厚さは、例えば0.5〜1.5mm程度の範囲内とすることができる。こうした樹脂押し出しシース7を設けることにより、多芯通信ケーブル50の仕上がり外径は特に限定されない。
なお、押し出しした外被シース40に代えて、テープ巻きした外被シース40としてもよい。テープ巻きした外被シース40は、同軸電線の絶縁テープとして使用されている各種のものを、必要な特性を満たす範囲で任意に選択して用いることができる。
[多芯通信ケーブル]
こうして得られた多芯通信ケーブル50は、グランド抵抗値が10mΩ以下/mである。グランド抵抗値が10mΩ以下/mの多芯通信ケーブル50は、ケーブル長が5mの時でもグランド抵抗値が50mΩ以下であるので、長いケーブルで使用できるゲーム機用VR接続ケーブル等として好ましい。外層集合線20を覆うシールド層30が金属細線の二重横巻きであるので、ケーブルにグランド線を増やしたりグランド線の外径を太くしたりすることなく、導体断面積を増やすことができる。製品として、グランド抵抗値が50mΩ以下であることが好ましく、長いケーブル長で使用できるゲーム機用VR接続ケーブル等として好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(同軸電線)
先ず、図3(A)に示す形態の同軸電線21を作製した。各同軸電線21について、中心導体1として、直径0.08mmの銀めっき軟銅線を7本撚りしたAWG32(外径約0.24mm)を用いた。次に、中心導体1の外周に、中空構造体用ダイスニップルにて350℃でPFA樹脂(デュポン社製)を押出しして、空隙部2Aが内環状部2B、外環状部2C及び連結部2Dで囲まれた断面形態の中空構造体からなる絶縁体2を形成した。この絶縁体2において、内環状部2Bの厚さは0.05mm、外環状部2Cの厚さは0.05mm、連結部2Dの厚さは0.05mmであり、絶縁体全体の外径は0.62mmであり、空隙部2Aの空隙率は絶縁体全体の面積に対して29%であった。なお、空隙部2Aの形状は、図3(A)に示すように、ほぼ台形形状であった。次に、絶縁体2の上に外部導体3を形成した。外部導体3は、直径0.05mmの錫めっき軟銅線(金属細線であり、TCWと略す。)を40本用いて14mmのピッチで左巻きした。外部導体3を設けた後の外径は、0.72mmであった。その上に、樹脂テープからなる外被体4を設けた。樹脂テープ4aは、厚さ0.004mmのPET基材の上に厚さ0.008mmの融着層が設けられた幅3mmのテープであり、融着層を外部導体3側にして4mmピッチで右巻きした。樹脂テープ4aからなる外被体4を設けた後の外径は、0.78mmであった。
(内層集合線)
内層集合線10として、電源線11と信号線12を準備し、それらを押さえ巻きテープ14で覆って形成した。電源線11は直径0.10mmの錫めっき軟銅線を19本撚りした線径0.72mmのものを2本準備した。信号線12は直径0.064mmの錫めっき軟銅線を7本撚りした線径0.35mmのものを4本準備した。押さえ巻きテープ14はポリエステルからなる厚さ0.012mmで幅5.5mmのものをピッチ3.7mmで巻いた。こうして内層集合線10を作製した。
(外層集合線)
外層集合線20として、上記同軸電線21を2本1組とした同軸電線組22を4組準備した。さらにアース線23は直径0.10mmの錫めっき軟銅線を19本撚りした線径0.72mmのものを1本準備した。これらを内層集合線10の外周に単層になるように配置した。その後、それらを押さえ巻きテープ24で覆って形成した。押さえ巻きテープ24は和紙テープからなる厚さ0.03mmで幅15mmのものをピッチ11mmで巻いた。こうして外層集合線20を作製した。
(シールド層と外被シース)
外層集合線20を覆うように、シールド層30と外被シース40を形成した。シールド層30は、直径0.10mmの錫めっき軟銅線を91本用いて右巻きし、1層目を形成し、その上に同じ錫めっき軟銅線を96本用いて左巻きし、2層目を形成した。それぞれの巻きピッチは30mmとした。その後、厚さ0.45mmの軟質PVCを押し出して外被シース40を設けた。こうして最終外径が4.4mmの多芯通信ケーブル50を得た。
[実施例2]
同軸電線21は、実施例1の同軸電線21と同じものを準備した。内層集合線10については、電源線11として直径0.10mmの錫めっき軟銅線を19本撚りした線径0.66mmのものを2本準備し、信号線12として直径0.064mmの錫めっき軟銅線を7本撚りした線径0.33mmのものを4本準備した。それ以外は実施例1と同じである。
外層集合線20については、実施例1の同軸電線組22を4組とアース線23を1本とを準備したのに加え、導線25(ドレン線)として直径0.08mmの錫めっき軟銅線を7本撚りしたもの8本をさらに準備した。導線25は同軸電線21の間に配置した。導線25を加えた以外は実施例1と同様にして外層集合線20を作製した。
シールド層30と外被シース40については、シールド層30は、直径0.10mmの錫めっき軟銅線を88本用いて右巻きし、1層目を形成し、その上に同じ錫めっき軟銅線を94本用いて左巻きし、2層目を形成した。それぞれの巻きピッチは30mmとした。その後、厚さ0.41mmの軟質PVCを押し出して外被シース40を設けた。こうして最終外径が4.2mmの多芯通信ケーブル50を得た。
[実施例3]
同軸電線21については、中心導体1として、直径0.226mmの銀めっき軟銅線AWG31を用いた。絶縁体2については実施例1と同じ構成にしたが、中心導体1を変更したため、絶縁体全体の外径は0.59mmになった。外部導体3については、金属細線の本数を37本とし、外径が0.69mmになった他は実施例1と同じ構成にした。実施例1と同じ外被体4を設けた後の外径は、0.75mmであった。
内層集合線10については、電源線11と信号線12を準備し、それらを押さえ巻きテープ14で覆って形成した。電源線11は直径0.10mmの錫めっき軟銅線を19本撚りした線径0.70mmのものを2本準備した。信号線12は直径0.064mmの錫めっき軟銅線を7本撚りした線径0.35mmのものを4本準備した。押さえ巻きテープ14はポリエステルからなる厚さ0.012mmで幅5.5mmのものをピッチ3.7mmで巻いた。こうして内層集合線10を作製した。
外層集合線20については、実施例1の同軸電線組22を4組とアース線23を1本とを準備したのに加え、導線25(ドレン線)として直径0.10mmの錫めっき軟銅線を7本撚りしたもの4本をさらに準備した。導線25は同軸電線21の間に配置した。導線25を加えた以外は実施例1と同様にして外層集合線20を作製した。
シールド層30と外被シース40については、シールド層30は、直径0.10mmの錫めっき軟銅線を90本用いて右巻きし、1層目を形成し、その上に同じ錫めっき軟銅線を96本用いて左巻きし、2層目を形成した。それぞれの巻きピッチは30mmとした。その後、厚さ0.46mmの軟質PVCを押し出して外被シース40を設けた。こうして最終外径が4.4mmの多芯通信ケーブル50を得た。
[比較例1]
同軸電線21は、実施例1の同軸電線21と同じものを準備した。内層集合線10については、電源線11として直径0.10mmの錫めっき軟銅線を19本撚りした線径1.05mmのものを2本準備し、信号線12として直径0.064mmの錫めっき軟銅線を7本撚りした線径0.35mmのものを4本準備した。押さえ巻きテープ14はポリエステルからなる厚さ0.012mmで幅5.5mmのものをピッチ3.7mmで巻いた。こうして内層集合線10を作製した。
外層集合線20については、実施例1の同軸電線組22を4組準備し、さらにアース線23として直径0.10mmの錫めっき軟銅線を19本撚りした線径0.72mmのものを4本準備し、内層集合線10の外周に単層になるように配置した。その後、それらを押さえ巻きテープ24で覆って形成した。押さえ巻きテープ24は和紙テープからなる厚さ0.03mmで幅15mmのものをピッチ11mmで巻いた。こうして外層集合線20を作製した。
シールド層30と外被シース40については、シールド層30は、直径0.10mmの錫めっき軟銅線を115本用いて単層巻きした。巻きピッチは40mmとした。その後、厚さ0.45mmの軟質PVCを押し出して外被シース40を設けた。こうして最終外径が5.0mmの多芯通信ケーブル50を得た。
[比較例2]
各同軸電線21について、中心導体1として、直径0.203mmの銀めっき軟銅線AWG32を用いた。次に、中心導体1の外周に、中空構造体用ダイスニップルにて350℃でPFA樹脂(デュポン社製)を押出しして、空隙部2Aが内環状部2B、外環状部2C及び連結部2Dで囲まれた断面形態の中空構造体からなる絶縁体2を形成した。この絶縁体2において、内環状部2Bの厚さは0.05mm、外環状部2Cの厚さは0.05mm、連結部2Dの厚さは0.05mmであり、絶縁体全体の外径は0.50mmであり、空隙部2Aの空隙率は絶縁体全体の面積に対して29%であった。なお、空隙部2Aの形状は、図3(A)に示すように、ほぼ台形形状であった。次に、絶縁体2の上に外部導体3を形成した。外部導体3は、直径0.05mmの錫めっき軟銅線(金属細線であり、TCWと略す。)を30本用いて14mmのピッチで左巻きした。外部導体3を設けた後の外径は、0.60mmであった。その上に、樹脂テープからなる外被体4を設けた。樹脂テープ4aは、厚さ0.004mmのPET基材の上に厚さ0.008mmの融着層が設けられた幅3mmのテープであり、融着層を外部導体3側にして4mmピッチで右巻きした。樹脂テープ4aからなる外被体4を設けた後の外径は、0.66mmであった。
内層集合線10については、電源線11として直径0.10mmの錫めっき軟銅線を19本撚りした線径0.66mmのものを2本準備し、信号線12として直径0.064mmの錫めっき軟銅線を7本撚りした線径0.35mmのものを4本準備した。押さえ巻きテープ14はポリエステルからなる厚さ0.012mmで幅5.5mmのものをピッチ3.7mmで巻いた。こうして内層集合線10を作製した。
外層集合線20については、上記同軸電線21を2本1組とした同軸電線組22を4組準備し、さらに導線25として直径0.064mmの錫めっき軟銅線を7本撚りした線径0.35mmのものを2本用意して対撚りして準備し、内層集合線10の外周に単層になるように配置した。その後、それらを押さえ巻きテープ24で覆って形成した。押さえ巻きテープ24は和紙テープからなる厚さ0.03mmで幅15mmのものをピッチ11mmで巻いた。こうして外層集合線20を作製した。
シールド層30と外被シース40については、シールド層30は、直径0.10mmの錫めっき軟銅線を86本用いて単層巻きした。巻きピッチは40mmとした。その後、厚さ0.45mmの軟質PVCを押し出して外被シース40を設けた。こうして最終外径が3.9mmの多芯通信ケーブル50を得た。
[比較例3]
各同軸電線21について、中心導体1として、直径0.05mmの銀めっき軟銅線を7本撚りしたAWG36(外径約0.15mm)を用いた。次に、中心導体1の外周に、中空構造体用ダイスニップルにて350℃でPFA樹脂(デュポン社製)を押出しして、空隙部2Aが内環状部2B、外環状部2C及び連結部2Dで囲まれた断面形態の中空構造体からなる絶縁体2を形成した。この絶縁体2において、内環状部2Bの厚さは0.05mm、外環状部2Cの厚さは0.05mm、連結部2Dの厚さは0.05mmであり、絶縁体全体の外径は0.34mmであり、空隙部2Aの空隙率は絶縁体全体の面積に対して29%であった。なお、空隙部2Aの形状は、図3に示すように、ほぼ台形形状であった。次に、絶縁体2の上に外部導体3を形成した。外部導体3は、直径0.05mmの錫めっき軟銅線(金属細線であり、TCWと略す。)を24本用いて14mmのピッチで左巻きした。外部導体3を設けた後の外径は、0.44mmであった。その上に、樹脂テープからなる外被体4を設けた。樹脂テープ4aは、厚さ0.004mmのPET基材の上に厚さ0.008mmの融着層が設けられた幅3mmのテープであり、融着層を外部導体3側にして4mmピッチで右巻きした。樹脂テープ4aからなる外被体4を設けた後の外径は、0.50mmであった。
内層集合線10については、電源線11を準備したが、信号線は準備しなかった。電源線11は直径0.10mmの錫めっき軟銅線を19本撚りした線径0.80mmのものを1本準備した。
外層集合線20については、上記同軸電線21を2本1組とした同軸電線組22を4組準備し、内層集合線10の外周に単層になるように配置した。その後、それらを押さえ巻きテープ24で覆って形成した。押さえ巻きテープ24は和紙テープからなる厚さ0.03mmで幅15mmのものをピッチ11mmで巻いた。こうして外層集合線20を作製した。
シールド層30と外被シース40について、シールド層30は、直径0.10mmの錫めっき軟銅線を60本用いて右巻きし、1層目を形成し、その上に同じ錫めっき軟銅線を66本用いて左巻きし、2層目を形成した。それぞれの巻きピッチは40mmとした。その後、厚さ0.45mmの軟質PVCを押し出して外被シース40を設けた。こうして最終外径が3.2mmの多芯通信ケーブル50を得た。
[電気特性]
実施例と比較例の多芯通信ケーブル50において、シールド層30の抵抗値とアース線23の抵抗値と、最終的に得られた長さ1mの多芯通信ケーブル50のグランド抵抗値とを表1にまとめた。抵抗値は導体抵抗計で測定した値で比較した。
[耐屈曲試験]
図6は、実施例と比較例の多芯通信ケーブルの屈曲試験方法を示す説明図である。測定は、長さ2mの多芯通信ケーブルを対向する固定板61,61の固定部62,62で図6に示す態様で、R20mm(多芯通信ケーブルの4倍径)のU字状の曲がり部になるように固定した。対向する固定板61,61を相対移動(±50mm)させて、多芯通信ケーブル50の曲がり部を屈曲させた。屈曲途中で通信ケーブル50の減衰量(dB/m)をネットワークアナライザで測定した。
屈曲回数20000回の往復動作を行い、そのときの減衰量を評価した。減衰量が試験前の値に比べて90%以下まで悪化しない場合を、耐屈曲性が良好(○)であると評価した。一方、減衰量が試験前の値に比べて90%以下まで悪化した場合は、耐屈曲性が不良(△)であると評価した。実施例1〜3は、2万回屈曲させた後も試験前の減衰量特性を保持していた。一方、比較例1〜3は、屈曲を加えたところ、減衰量特性の劣化が見られた。
Figure 2021099972
1 中心導体
2 絶縁体
2A 空隙部
2B 内環状部
2C 外環状部
2D 連結部
3 外部導体
4 外被体
4a 第1の樹脂テープ
4b 第2の樹脂テープ
10 内層集合線
11 電源線
12 信号線
14 押さえ巻きテープ
15 絶縁線
20 外層集合線
21 同軸電線
22 同軸電線組
23 アース線
24 押さえ巻きテープ
25 導線
30 シールド層
40 外被シース
50 多芯通信ケーブル
61 固定板
62 固定部


Claims (7)

  1. 電源線及び信号線を含む内層集合線と、該内層集合線の外側に配置され、2本の同軸電線からなる2組以上の同軸電線組を含む外層集合線と、該外層集合線の外側を覆うシールド層及び外被シースとを有する多芯通信ケーブルであって、
    前記同軸電線は中心導体と絶縁体と外部導体と外被体とをその順で有し、
    前記シールド層が金属細線の二重横巻きであり、グランド抵抗値が10mΩ以下/mである、ことを特徴とする多芯通信ケーブル。
  2. 前記グランド抵抗値が50mΩ以下である、請求項1に記載の多芯通信ケーブル。
  3. 前記外層集合線が前記同軸電線組とともにアース線を含む場合、前記シールド層の抵抗値が前記アース線の抵抗値よりも低い、請求項1又は2に記載の多芯通信ケーブル。
  4. 前記外被体は、融着層付きの第1の樹脂テープと、融着層を含まない第2の樹脂テープとで構成され、前記融着層付きの第1の樹脂テープは、該融着層を前記外部導体側にして横巻きしたものであって前記外部導体と前記第1の樹脂テープとが前記融着層を介して接着する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多芯通信ケーブル。
  5. 前記同軸電線を構成する前記絶縁体が中空構造体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多芯通信ケーブル。
  6. 前記同軸電線の間に導線が配置されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多芯通信ケーブル。
  7. 前記内層集合線が、絶縁線を含んでいる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の多芯通信ケーブル。


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