JP2021098175A - モデル生成装置、推定装置、モデル生成方法および推定方法 - Google Patents

モデル生成装置、推定装置、モデル生成方法および推定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021098175A
JP2021098175A JP2019231969A JP2019231969A JP2021098175A JP 2021098175 A JP2021098175 A JP 2021098175A JP 2019231969 A JP2019231969 A JP 2019231969A JP 2019231969 A JP2019231969 A JP 2019231969A JP 2021098175 A JP2021098175 A JP 2021098175A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inflow water
injection rate
coagulant
sludge
cost
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019231969A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7303101B2 (ja
Inventor
大維 権
Dawei Quan
大維 権
鈴木 伸和
Nobukazu Suzuki
伸和 鈴木
光昭 布
Mitsuaki Nuno
光昭 布
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP2019231969A priority Critical patent/JP7303101B2/ja
Publication of JP2021098175A publication Critical patent/JP2021098175A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7303101B2 publication Critical patent/JP7303101B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

【課題】凝集剤による流入水中の浮遊物質を凝集させる凝集処理と、当該凝集処理で発生する汚泥の処理と、当該凝集処理の後段におけるろ過処理とにかかるコストを抑えた浄水処理を実現する。【解決手段】モデル生成装置(1)は、流入水の濁度に基づき複数のグループに分類されたデータセットの集合について、グループ毎に凝集剤の消費コストと汚泥の汚泥処理コストとろ過処理のろ過処理コストとの合計値が最小となる凝集剤の注入率を特定する中間回帰モデル生成部(103)と、グループ毎の前記濁度の代表値と、特定された注入率とを含むデータセットの集合から、代表値を説明変数とし、注入率を目的変数とする回帰モデルを生成する回帰モデル生成部(104)とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、浄水場に流入する流入水へ注入する凝集剤の注入率を推定するためのモデルを生成するモデル生成装置などに関する。
浄水場に流入する流入水の水質などの入力データを回帰モデルに入力し、流入水中の浮遊物質を凝集させる凝集剤の注入率(薬注率)を推定する技術が従来技術として知られている(下記特許文献1〜3参照)。
特開2002−119956号公報 特開2005−329359号公報 特開2007−061800号公報
しかしながら、上述のような従来技術では、流入水を浄化する浄水処理にかかるコスト、特に、凝集剤による流入水中の浮遊物質を凝集させる凝集処理と、当該凝集処理で発生する汚泥の処理と、当該凝集処理の後段のろ過処理とにかかるコストが考慮されていないという問題がある。そのため、推定された薬注率で凝集剤を注入した場合、これら処理にかかるコストが高くなるおそれがある。
本発明の一態様は、これらコストを抑えた浄水処理を実現可能なモデル生成装置などを実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るモデル生成装置は、浄水場に流入する流入水へ注入する凝集剤の注入率を推定するための回帰モデルを生成するモデル生成装置であって、凝集剤を注入する前の前記流入水の濁度と、前記流入水へ注入した凝集剤の注入率と、前記流入水へ注入した凝集剤の消費コストと、前記流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストと、前記汚泥を除去した後の前記流入水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストとを含むデータセットの集合を、前記濁度に基づいて複数のグループに分類する分類部と、前記グループ毎に、前記消費コスト、前記汚泥処理コストおよび前記ろ過処理コストの合計値が最小となる前記注入率を特定する特定部と、前記グループ毎の、前記濁度の代表値と、前記特定された注入率とを含むデータセットの集合から、前記代表値を説明変数とし、前記特定された注入率を目的変数とする回帰モデルを生成するモデル生成部と、を備える。
前記の構成によれば、モデル生成装置が生成する回帰モデルは、凝集剤の注入前の流入水の濁度と、当該濁度の流入水へ注入する凝集剤の消費コスト、流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストおよび汚泥除去後の流入水のろ過処理の際の逆洗のろ過処理コストの合計値が最小となる凝集剤の注入率との対応関係を示す回帰モデルとなる。これにより、当該回帰モデルを用いて流入水への凝集剤の注入率を推定することにより、上記合計値が最小となる凝集剤の注入率を、流入水の濁度に応じて推定することができる。結果として、上記消費コスト、上記汚泥処理コストおよび上記ろ過処理コストを抑えた浄水処理を実現することができる。
また、本発明の一態様に係るモデル生成装置では、前記特定部は、前記グループ毎に、前記注入率と前記合計値とを変数とする回帰モデルである中間モデルを生成する中間モデル生成部を備え、前記グループ毎に、前記生成された中間モデルを用いて、前記合計値が最小となる前記注入率を推定してもよい。
前記の構成によれば、モデル生成装置が生成する回帰モデルが、凝集剤の注入率と上記消費コスト、上記汚泥処理コストおよび上記ろ過処理コストの合計値との対応関係を考慮して生成されたものとなる。これにより、コスト合計値が最小となる薬注率の推定精度を向上させることができる。
また、本発明の一態様に係るモデル生成装置では、前記モデル生成部は、前記流入水の沈澱池出口における濁度が所定範囲内となるデータセットのみを含む前記集合から前記回帰モデルを生成してもよい。
前記の構成によれば、沈澱池出口における水の濁度が所定の閾値以下であるデータセットのみから生成された回帰モデルを注入率の推定に用いることができる。これにより、沈澱池出口における流入水の濁度が所定の閾値以下となるであろう凝集剤の注入率を推定することができる。そして、当該注入率で凝集剤を注入することで、濁度の高い水が沈澱池、さらには、浄水場から流出する可能性が低減される。その結果、後段の急速ろ過池のろ過水の濁度の低下、逆洗頻度の低減によるろ過処理コストのさらなる低減、流出した水を飲用することによるクリプトスポリジウムなどへの感染リスクの低下などを実現することができる。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る推定装置は、浄水場に流入する流入水へ注入する凝集剤の注入率を推定する推定装置であって、凝集剤を注入する前の前記流入水の濁度、前記流入水へ注入した凝集剤の注入率、前記流入水へ注入した凝集剤の消費コスト、前記流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストおよび前記汚泥を除去した後の前記流入水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストを含むデータセットを、前記濁度に基づいて分類した複数のグループの各々における前記濁度の代表値を説明変数とし、前記消費コストと前記汚泥処理コストと前記ろ過処理コストとの合計値が最小となる前記注入率を目的変数とする回帰モデルと、前記浄水場に現在流入している流入水である現流入水の濁度とに基づき、前記現流入水へ注入する凝集剤の注入率を推定する推定部を備える。
前記の構成によれば、凝集剤の注入前の流入水の濁度と、当該濁度の流入水へ注入する凝集剤の消費コスト、流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストおよび汚泥除去後の流入水のろ過処理の際の逆洗のろ過処理コストの合計値が最小となる凝集剤の注入率との対応関係を示す回帰モデルと、現流入水の濁度とを用いて、現流入水への凝集剤の注入率を推定する。これにより、上記合計値が最小となる凝集剤の注入率を、流入水の濁度に応じて推定することができる。結果として、上記消費コスト、前記汚泥処理コストおよび上記ろ過処理コストを抑えた浄水処理を実現することができる。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るモデル生成装置は、浄水場に流入する流入水へ注入する凝集剤の注入率と、当該凝集剤の消費コスト、前記流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストおよび前記汚泥を除去した後の前記流入水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストの合計値と、の対応関係を推定するための学習モデルを生成するモデル生成装置であって、凝集剤を注入する前の前記流入水の濁度を含む水質データと、前記注入率と、前記消費コストと、前記汚泥処理コストと、前記ろ過処理コストとを教師データとして機械学習を行うことにより、前記水質データを入力として、前記対応関係を出力する学習モデルを生成するモデル生成部を備える。
前記の構成によれば、モデル生成装置が生成する学習モデルは、流入水の水質データを入力することにより、当該流入水へ注入する凝集剤の注入率と、当該注入率で注入される凝集剤の消費コスト、流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストおよび汚泥除去後の流入水のろ過処理の際の逆洗の処理コストの合計値との対応関係を出力する学習モデルとなる。これにより、当該学習モデルから出力される対応関係を用いれば、上記消費コスト、上記汚泥処理コストおよび上記ろ過処理コストの合計値が最小となる凝集剤の注入率を特定することができる。結果として、上記消費コスト、上記汚泥処理コストおよび上記ろ過処理コストを抑えた浄水処理を実現することができる。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る推定装置は、浄水場に流入する流入水へ注入する凝集剤の注入率と、当該凝集剤の消費コスト、前記流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストおよび前記汚泥を除去した後の前記流入水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストの合計値と、の対応関係を推定する推定装置であって、凝集剤を注入する前の前記流入水の濁度を含む水質データと、当該流入水へ注入した凝集剤の注入率と、当該流入水へ注入した凝集剤の消費コストと、当該流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストと、前記汚泥を除去した後の当該流入水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストと、を教師データとして機械学習を行うことにより生成された学習モデルを用いて、凝集剤を注入する前の、前記浄水場に現在流入している流入水である現流入水の濁度を含む水質データを入力として、前記対応関係を推定する推定部を備える。
前記の構成によれば、流入水の水質データを入力することにより、当該流入水へ注入する凝集剤の注入率と、当該注入率で注入される凝集剤の消費コスト、凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストおよび汚泥除去後の流入水のろ過処理の際の逆洗のろ過処理コストの合計値との対応関係を出力する学習モデルと、現流入水の水質データとを用いて、上記対応関係を推定する。これにより、推定された対応関係を用いれば、上記消費コスト、上記汚泥処理コストおよび上記ろ過処理コストの合計値が最小となる凝集剤の注入率を特定することができる。結果として、上記消費コスト、上記汚泥処理コストおよび上記ろ過処理コストを抑えた浄水処理を実現することができる。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るモデル生成方法は、浄水場に流入する流入水へ注入する凝集剤の注入率を推定するための回帰モデルを生成するモデル生成装置が実行するモデル生成方法であって、凝集剤を注入する前の前記流入水の濁度と、前記流入水へ注入した凝集剤の注入率と、前記流入水へ注入した凝集剤の消費コストと、前記流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストと、前記汚泥を除去した後の前記流入水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストとを含むデータセットの集合を、前記濁度に基づいて複数のグループに分類する分類ステップと、前記グループ毎に、前記消費コスト、前記汚泥処理コストおよび前記ろ過処理コストの合計値が最小となる前記注入率を特定する特定ステップと、前記グループ毎の、前記濁度の代表値と、前記特定された注入率とを含むデータセットの集合から、前記代表値を説明変数とし、前記特定された注入率を目的変数とする回帰モデルを生成するモデル生成ステップと、を含む。
前記の構成によれば、モデル生成方法により生成される回帰モデルは、凝集剤の注入前の流入水の濁度と、当該濁度の流入水へ注入する凝集剤の消費コスト、流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストおよび汚泥除去後の流入水のろ過処理の際の逆洗のろ過処理コストの合計値が最小となる凝集剤の注入率との対応関係を示す回帰モデルとなる。これにより、当該回帰モデルを用いて流入水への凝集剤の注入率を推定することにより、上記合計値が最小となる凝集剤の注入率を、流入水の濁度に応じて推定することができる。結果として、上記消費コスト、上記汚泥処理コストおよび上記ろ過処理コストを抑えた浄水処理を実現することができる。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る推定方法は、浄水場に流入する流入水へ注入する凝集剤の注入率を推定する推定装置が実行する推定方法であって、凝集剤を注入する前の前記流入水の濁度、前記流入水へ注入した凝集剤の注入率、前記流入水へ注入した凝集剤の消費コスト、前記流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストおよび前記汚泥を除去した後の前記流入水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストを含むデータセットを、前記濁度に基づいて分類した複数のグループの各々における前記濁度の代表値を説明変数とし、前記消費コストと前記汚泥処理コストと前記ろ過処理コストとの合計値が最小となる前記注入率を目的変数とする回帰モデルと、前記浄水場に現在流入している流入水である現流入水の濁度とに基づき、前記現流入水へ注入する凝集剤の注入率を推定する推定ステップを含む。
前記の構成によれば、凝集剤の注入前の流入水の濁度と、当該濁度の流入水へ注入する凝集剤の消費コスト、流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストおよび汚泥除去後の流入水のろ過処理の際の逆洗のろ過処理コストの合計値が最小となる凝集剤の注入率との対応関係を示す回帰モデルと、現流入水の濁度とを用いて、現流入水への凝集剤の注入率を推定する。これにより、上記合計値が最小となる凝集剤の注入率を、流入水の濁度に応じて推定することができる。結果として、上記消費コスト、上記汚泥処理コストおよび上記ろ過処理コストを抑えた浄水処理を実現することができる。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るモデル生成方法は、浄水場に流入する流入水へ注入する凝集剤の注入率と、当該凝集剤の消費コスト、前記流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストおよび前記汚泥を除去した後の前記流入水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストの合計値と、の対応関係を推定するための学習モデルを生成するモデル生成装置が実行するモデル生成方法であって、凝集剤を注入する前の前記流入水の濁度を含む水質データと、前記注入率と、前記消費コストと、前記汚泥処理コストと、前記ろ過処理コストとを教師データとして機械学習を行うことにより、前記水質データを入力として、前記対応関係を出力する学習モデルを生成するモデル生成ステップを含む。
前記の構成によれば、モデル生成方法にて生成される学習モデルは、流入水の水質データを入力することにより、当該流入水へ注入する凝集剤の注入率と、当該注入率で注入される凝集剤の消費コスト、流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストおよび汚泥除去後の流入水のろ過処理の際の逆洗の処理コストの合計値との対応関係を出力する学習モデルとなる。これにより、当該学習モデルから出力される対応関係を用いれば、上記消費コスト、上記汚泥処理コストおよび上記ろ過処理コストの合計値が最小となる凝集剤の注入率を特定することができる。結果として、上記消費コスト、上記汚泥処理コストおよび上記ろ過処理コストを抑えた浄水処理を実現することができる。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る推定方法は、浄水場に流入する流入水へ注入する凝集剤の注入率と、当該凝集剤の消費コスト、前記流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストおよび前記汚泥を除去した後の前記流入水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストの合計値と、の対応関係を推定する推定装置が実行する推定方法であって、凝集剤を注入する前の前記流入水の濁度を含む水質データと、当該流入水へ注入した凝集剤の注入率と、当該流入水へ注入した凝集剤の消費コストと、当該流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストと、前記汚泥を除去した後の当該流入水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストと、を教師データとして機械学習を行うことにより生成された学習モデルを用いて、凝集剤を注入する前の、前記浄水場に現在流入している流入水である現流入水の濁度を含む水質データを入力として、前記対応関係を推定する推定ステップを含む。
前記の構成によれば、流入水の水質データを入力することにより、当該流入水へ注入する凝集剤の注入率と、当該注入率で注入される凝集剤の消費コスト、凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストおよび汚泥除去後の流入水のろ過処理の際の逆洗のろ過処理コストの合計値との対応関係を出力する学習モデルと、現流入水の水質データとを用いて、上記対応関係を推定する。これにより、推定された対応関係を用いれば、上記消費コスト、上記汚泥処理コストおよび上記ろ過処理コストの合計値が最小となる凝集剤の注入率を特定することができる。結果として、上記消費コスト、上記汚泥処理コストおよび上記ろ過処理コストを抑えた浄水処理を実現することができる。
本発明の各態様に係るモデル生成装置および推定装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記モデル生成装置および前記推定装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記モデル生成装置および前記推定装置をコンピュータにて実現させる前記モデル生成装置の制御プログラムおよび前記推定装置の制御プログラム、およびそれらを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明の一態様によれば、凝集剤による流入水中の浮遊物質を凝集させる凝集処理と、当該凝集処理で発生する汚泥の処理と、当該凝集処理の後段におけるろ過処理とにかかるコストを抑えた浄水処理を実現することができる。
本発明の実施形態1に係る薬注率推定システムの概要の一例を示す図である。 図1に示す薬注率推定システムの要部構成の一例を示すブロック図である。 図2に示すモデル生成装置が生成する回帰モデルの一例を示す図である。 図2に示すモデル生成装置が実行する回帰モデル生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図4に示す回帰モデル生成処理に使用するデータセットに含まれる、注入前濁度と沈澱池出口濁度との関係の一例を示す図である。 図2に示す推定装置が実行する推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態2に係る薬注率推定システムの概要の一例を示す図である。 図7に示す薬注率推定システムの要部構成の一例を示すブロック図である。 図8に示すモデル生成装置が実行する学習モデル生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図8に示す推定装置が実行する推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の変形例において、浄水場が取水する河川の一例を示す概略図である。 本発明の変形例において使用されるデータセットに含まれる総降水量の算出例を示す図である。
〔実施形態1〕
<薬注率推定システムの概要>
図1は、本実施形態に係る薬注率推定システム100の概要の一例を示す図である。薬注率推定システム100は、浄水場へ流入する水(流入水、以下、「原水」と称する)へ注入する凝集剤の注入率である薬注率を、凝集剤を注入する前の原水の濁度(以下、「注入前濁度」と称する)に応じて推定する。当該薬注率は、具体的には、凝集剤の消費コスト、凝集剤の注入によって生成される汚泥の処理にかかるコストおよび逆洗を含むろ過処理にかかるコストとの合計値(以下、「コスト合計値」と称する)が最小となる薬注率である。ここで、凝集剤とは、原水に含まれる浮遊物質を凝集させ沈澱させるための薬剤である。また、薬注率は、原水に注入する凝集剤の、原水に対する割合である。薬注率は、従来、ジャーテストの結果、過去の知見、所定の計算式などを用いて決定されている。なお、本開示に係る凝集剤の注入は、凝集沈澱急速ろ過方式における凝集剤の注入であってもよいし、膜ろ過方式の前処理としての凝集剤の注入であってもよい。
凝集剤の消費コストとは、原水へ注入することにより消費される凝集剤のコストであり、一例として、原水へ注入した凝集剤の量と、当該凝集剤の単位量あたりの購入価格(単価)との積で決まる。汚泥の処理にかかるコストとは、凝集剤を注入することで発生する汚泥の濃縮や脱水にかかるコストと、汚泥を浄水場の外に搬出して処分する際にかかるコストとの合計値であり、凝集剤の注入量から算出することができる。ろ過処理にかかるコストとは、凝集剤を注入した後の原水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるコストであり、一例として、逆洗処理にかかる電気代である。なお、以降、汚泥の処理に係るコストを「汚泥処理コスト」と称し、ろ過処理にかかるコストを「ろ過処理コスト」と称する。
(回帰モデルの生成)
薬注率推定システム100は、注入前濁度に応じた、コスト合計値が最小となる薬注率の推定を実現するために、注入前濁度を説明変数とし、コスト合計値が最小となる薬注率を目的変数とした回帰モデルを生成する。薬注率推定システム100は、注入前濁度、薬注率、消費コスト、汚泥処理コストおよびろ過処理コストを含むデータセットD1の集合、すなわち、複数のデータセットD1の入力を受け付ける(図1のa1)。データセットD1は、過去に浄水場に流入した原水の注入前濁度、当該原水に対して実際に注入された凝集剤の薬注率、当該薬注率で注入された凝集剤の消費コスト、当該凝集剤の注入により発生した汚泥の汚泥処理コストおよび汚泥除去後の当該原水のろ過処理の際の逆洗にかかるろ過処理コストを含む。
続いて、薬注率推定システム100は、当該集合を注入前濁度に基づき複数のグループに分類し、グループ毎に、薬注率とコスト合計値とを変数とする回帰モデルである中間回帰モデルを生成する(図1のb1)。
さらに、薬注率推定システム100は、各中間回帰モデルの注入前濁度を説明変数とし、各中間回帰モデルにおける、コスト合計値が最小となる薬注率を目的変数とする回帰モデルを生成する(図1のb2)。
(薬注率の推定)
回帰モデルを生成した薬注率推定システム100は、浄水場に現在流入している原水(現流入水、以下、「現原水」と称する場合がある)の注入前濁度D2の入力を受け付ける(図1のa2)。そして、薬注率推定システム100は、入力された注入前濁度D2と回帰モデルとを用いて、薬注率D3を推定する(図1のa3)。
<薬注率推定システム100の要部構成>
図2は、薬注率推定システム100の要部構成の一例を示すブロック図である。薬注率推定システム100は、モデル生成装置1、推定装置2、入力装置3、出力装置4および記憶装置5を含んでいる。
入力装置3は、ユーザの入力を受け付け、当該入力に基づく入力信号をモデル生成装置1または推定装置2へ出力する。
出力装置4は、推定装置2が生成した情報を出力する。出力装置4による出力方法は特に限定されない。出力装置4は、例えば、当該情報を画像として表示する表示装置であってもよいし、当該情報を音声として出力する音声出力装置であってもよい。また、出力装置4は、当該情報を電気信号として、凝集剤注入装置(不図示)へ出力する制御信号出力装置であってもよい。
記憶装置5は、薬注率推定システム100にて使用されるプログラムおよびデータを保持する。記憶装置5が保持(記憶)するデータについては後述する。
(モデル生成装置1の要部構成)
モデル生成装置1は、原水に対して注入する凝集剤の薬注率を推定するための回帰モデルを生成する。モデル生成装置1は、制御部10を備えている。制御部10は、モデル生成装置1の各部を統括して制御する。制御部10は、一例として、プロセッサおよびメモリにより実現される。この例において、プロセッサは、ストレージ(不図示)にアクセスし、ストレージに格納されているプログラム(不図示)をメモリにロードし、当該プログラムに含まれる一連の命令を実行する。これにより、制御部10に含まれている各部が構成される。
当該各部として、制御部10は、データセット取得部101、分類部102、中間回帰モデル生成部103(特定部、中間モデル生成部)および回帰モデル生成部104(モデル生成部)を含む。
データセット取得部101は、注入前濁度、薬注率、消費コスト、汚泥処理コストおよびろ過処理コストを含むデータセット(図1のデータセットD1)の集合を取得する。データセット取得部101は、一例として、入力装置3から上記集合を受け付ける。別の例として、上記集合は、モデル生成装置1のストレージ、または、記憶装置5に記憶されていてもよい。この例の場合、データセット取得部101は、入力装置3から受け付けた、上記集合の読み出し指示に従い、上記集合を上記ストレージまたは記憶装置5から読み出す。データセット取得部101は、取得した上記集合を分類部102へ出力する。
分類部102は、データセットの集合を、注入前濁度に基づいて複数のグループに分類する。換言すれば、分類部102は、データセットの集合について、注入前濁度に基づく複数のグループを生成する。一例として、分類部102は、注入前濁度が一致する複数のデータセットを1つのグループとして、複数のグループを生成する。別の例として、分類部102は、それぞれが重ならない複数の数値範囲を予め設定しておき、注入前濁度が同一の数値範囲内である複数のデータセットを1つのグループとして、複数のグループを生成する。分類部102は、各グループを識別するグループ識別情報と、各グループに含まれるデータセットの集合とをそれぞれ対応付け、中間回帰モデル生成部103へ出力する。
中間回帰モデル生成部103は、上記複数のグループ毎に、前記注入率と前記コスト合計値とを変数とする回帰モデルである中間回帰モデルを生成する。中間回帰モデル生成部103は、一例として、非線形の回帰モデルを生成する。回帰モデル生成部104は、例えば、ランダムフォレスト(RF:Random Forest)、勾配ブースティング(GBR:Gradient Boosted tree Regression)またはニューラルネットワーク(NN:Neural Network)を用いて非線形の回帰モデルを生成する。
(中間回帰モデルの詳細)
図3は、回帰モデルの一例を示す図である。図3では、一例として、注入前濁度がP1、P2、P3である3つのグループの各々に対応する中間回帰モデルS1、S2、S3を示している。注入前濁度P1、P2、P3は、上述したとおり1つの値であってもよいし、数値範囲であってもよい。
図3に示すC1は、消費コストおよび汚泥処理コストの合計値と薬注率との関係を示す曲線であり、C2は、ろ過処理コストと薬注率との関係を示す曲線である。曲線C1について、薬注率が増加すると、原水へ注入する凝集剤の量および発生する汚泥の量が増えることとなるので、図3に示すとおり消費コストおよび汚泥処理コストの合計値は増加する。
曲線C2について、図3に示すとおり、薬注率が増加するとろ過処理コストは減少し、薬注率が減少するとろ過処理コストは増加する。この関係について、詳細に説明する。
原水に対する凝集剤の注入量(すなわち薬注率)が増加すると、原水中の浮遊物質の凝集量が増加することにより、発生する汚泥の量および沈澱池で沈降する汚泥の量が増加し、沈澱池を経た(すなわち、汚泥除去後の)原水に残存する浮遊物質の量が低下する。逆に言えば、原水に対する凝集剤の注入量が低下すると、原水中の浮遊物質の凝集量が低下することにより、発生する汚泥の量および沈澱池で沈降する汚泥の量が低下し、沈澱池を経た原水に残存する浮遊物質の量が増加する。そして、沈澱池を経た原水に残存する浮遊物質の量が増加すると、逆洗を実施する頻度や時間も増加し、結果として、逆洗にかかる処理コスト(電気代)が多くなる。逆に、沈澱池を経た原水に残存する浮遊物質の量が低下すると、逆洗を実施する頻度や時間も低下し、結果として、逆洗にかかる処理コスト(電気代)が少なくなる。そして、発生する汚泥の量が増加すると、汚泥を脱水するために稼働する脱水機の処理コスト(電気代)が多くなり、脱水機から排出される脱水汚泥の量も増加するため、脱水汚泥を場外に搬出して埋立等により処分する処理コスト(処分代)も多くなる。逆に、発生する汚泥の量が低下すると、脱水機の稼働時間および脱水汚泥の量が低下し、結果として、汚泥の処理にかかる処理コスト(電気代+処分代)が少なくなる。
消費コストおよび汚泥処理コストの合計値と薬注率との関係、並びに、ろ過処理コストと薬注率との関係は以上のとおりであるため、コスト合計値と薬注率との関係、すなわち、中間回帰モデルS1、S2、S3は、図3に示す例のように、コスト合計値の最小値を頂点とする関数として表現できる。
再び図2を参照して、中間回帰モデル生成部103の説明に戻る。中間回帰モデル生成部103は、生成した中間回帰モデルの各々について、コスト合計値が最小となる薬注率を特定する。図3に示す例であれば、中間回帰モデルS1、S2、S3の各々について、コスト合計値が最小となるときの薬注率M1、M2、M3を特定する。
中間回帰モデル生成部103は、特定した薬注率と、各グループにおける注入前濁度の代表値、換言すれば、中間回帰モデルの各々における注入前濁度の代表値とを対応付けたデータセットの集合を、回帰モデル生成部104へ出力する。各グループにおける注入前濁度が1つの値である場合、上記代表値は当該1つの値である。また、各グループにおける注入前濁度が数値範囲である場合、上記代表値は、例えば数値範囲の中央値であってもよいし、最小値や最大値であってもよい。
回帰モデル生成部104は、代表値と薬注率とを含む、取得したデータセットの集合から、代表値を説明変数とし、薬注率を目的変数とする回帰モデル51を生成する。回帰モデル生成部104は、一例として、線形の回帰モデル51を生成する。回帰モデル51は、図3に示す中間回帰モデルの各頂点との距離が最小となる回帰直線L1に相当する。回帰モデル生成部104は、例えば、一般化線形回帰(GLR:Generalized Liner Regression)または部分的最小二乗回帰(PLS:Partial Least Squares Regression)を用いて、線形の回帰モデルを生成する。回帰モデル生成部104は、生成した回帰モデル51を、記憶装置5へ格納する。
(推定装置2の要部構成)
推定装置2は、モデル生成装置1が生成した回帰モデルを用いて、現原水に対して注入する凝集剤の薬注率を推定する。推定装置2は、制御部20を備えている。制御部20は、推定装置2の各部を統括して制御する。制御部20は、一例として、プロセッサおよびメモリにより実現される。この例において、プロセッサは、ストレージ(不図示)にアクセスし、ストレージに格納されているプログラム(不図示)をメモリにロードし、当該プログラムに含まれる一連の命令を実行する。これにより、制御部20に含まれている各部が構成される。
当該各部として、制御部20は、注入前濁度取得部201および薬注率推定部202(推定部)を含む。
注入前濁度取得部201は、現原水の注入前濁度(図1の注入前濁度D2)を取得する。注入前濁度取得部201は、一例として、入力装置3から現原水の注入前濁度を受け付ける。注入前濁度取得部201は、取得した注入前濁度を薬注率推定部202へ出力する。
薬注率推定部202は、注入前濁度取得部201から取得した注入前濁度と、回帰モデル51とに基づき、現原水に対する凝集剤の薬注率を推定する。薬注率推定部202は、注入前濁度を取得すると、記憶装置5から回帰モデル51を読み出す。そして、薬注率推定部202は、読み出した回帰モデル51に注入前濁度を入力することにより、回帰モデル51から出力された薬注率を取得する。当該薬注率は、入力した注入前濁度の現原水中の浮遊物質を取り除く浄水処理における、消費コスト、汚泥処理コストおよびろ過処理コストの合計値が最小となる薬注率である。薬注率推定部202は、取得した薬注率を、薬注率の推定結果として出力装置4に出力させる。出力装置4が上述した制御信号出力装置である場合、当該薬注率に基づき、凝集剤注入装置が現原水へ凝集剤を注入することができる。
<回帰モデル生成処理の流れ>
図4は、モデル生成装置1が実行する回帰モデル生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
データセット取得部101は、原水の注入前濁度、当該原水に対して実際に注入された凝集剤の薬注率、当該薬注率で注入した凝集剤の消費コスト、当該凝集剤の注入により発生した汚泥の汚泥処理コストおよび汚泥除去後の当該原水のろ過処理の際の逆洗にかかるろ過処理コストを含むデータセットの集合を取得する(ステップS1、以下「ステップ」の記載を省略)。データセット取得部101は、取得した上記集合を分類部102へ出力する。
図5は、上記データセットに含まれる、注入前濁度と、当該注入前濁度の原水に凝集剤を注入した後、浄水場の沈澱池出口における原水の濁度(沈澱池出口濁度)との関係の一例を示す図である。沈澱池出口濁度とは、すなわち、沈澱池で汚泥を除去した後の原水の濁度である。
データセット取得部101は、一例として、沈澱池出口濁度が所定値以下(所定範囲内)となるデータセットのみを回帰モデル生成処理に使用するデータセットとする。例えば、データセット取得部101は、沈澱池出口濁度が、図5に示す閾値T1以下となるデータセットのみを所定値以下となるデータセットのみを回帰モデルの生成に用いる。閾値T1の具体的な値は、図5に示す「1(度)」であってもよいが、この例に限定されない。
データセット取得部101は、一例として、ストレージに記憶されている閾値T1に基づき、入力装置3から入力された集合から、沈澱池出口濁度が閾値T1を超えるデータセットを破棄してもよい。また、データセット取得部101は、一例として、ストレージに記憶されている閾値T1に基づき、沈澱池出口濁度が閾値T1以下であるデータセットのみを、ストレージ(または記憶装置5)から読み出してもよい。これらの例の場合、データセットは、沈澱池出口濁度を含む。
また、一例として、モデル生成装置1のユーザは、沈澱池出口濁度が閾値T1以下であるデータセットのみを、モデル生成装置1に入力してもよい。
再び図4を参照して、回帰モデル生成処理の流れの説明に戻る。分類部102は、取得した上記集合に含まれるデータセットを、注入前濁度に基づき複数のグループに分類する(S2、分類ステップ)。分類部102は、各グループを識別するグループ識別情報と、各グループに含まれるデータセットの集合とをそれぞれ対応付け、中間回帰モデル生成部103へ出力する。
中間回帰モデル生成部103は、グループ毎に、薬注率とコスト合計値とを変数とする中間回帰モデルを生成する(S3)。そして、中間回帰モデル生成部103は、生成した各中間回帰モデルにおける、コスト合計値が最小となる薬注率を特定する(S4、特定ステップ)。中間回帰モデル生成部103は、特定した薬注率と、各グループにおける注入前濁度の代表値とを対応付けたデータセットの集合を、回帰モデル生成部104へ出力する。
回帰モデル生成部104は、中間回帰モデル生成部103から取得した上記集合から、代表値を説明変数とし、中間回帰モデル生成部103により特定された薬注率を目的変数とする回帰モデル51を生成する(S5、モデル生成ステップ)。回帰モデル生成部104は、回帰モデル51を記憶装置5に格納する。
(回帰モデル51の更新)
制御部10は、定期的に回帰モデル51の更新(自動更新)を行うことが好ましい。この例において、データセットはモデル生成装置1のストレージまたは記憶装置5に記憶されており、データセット取得部101は、当該ストレージまたは記憶装置5からデータセットの集合を取得する。
上記データセットは、回帰モデル51の生成後も、原水の浄水処理が行われる度にストレージまたは記憶装置5に格納される。
データセット取得部101は、一例として、データセットの集合の取得および分類部102への出力を実行したとき、タイマ(不図示)を起動し、上記取得および出力の実行からの経過時間を計測する。そして、当該経過時間が所定値に到達したとき、データセット取得部101は、再度データセットの集合を取得し、分類部102へ出力する。以降の処理は、上述した回帰モデル生成処理のS2〜S5の処理と同じであるため、ここでは説明を繰り返さない。
<薬注率推定処理の流れ>
図6は、推定装置2が実行する薬注率推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
注入前濁度取得部201は、入力装置3から、現原水の注入前濁度を取得する(S11)。注入前濁度取得部201は、取得した注入前濁度を薬注率推定部202へ出力する。
薬注率推定部202は、注入前濁度を取得すると、記憶装置5から回帰モデル51を読み出す。そして、薬注率推定部202は、注入前濁度と回帰モデル51とを用いて、薬注率を推定する(S12、推定ステップ)。具体的には、薬注率推定部202は、読み出した回帰モデル51に、取得した注入前濁度を入力することにより、回帰モデル51から出力された薬注率を取得する。薬注率推定部202は、取得した薬注率を、薬注率の推定結果として出力装置4に出力させる(S13)。
<効果>
以上のように、本実施形態に係るモデル生成装置1は、原水の注入前濁度と、当該原水に対して実際に注入された凝集剤の薬注率と、当該薬注率で注入された凝集剤の消費コストと、当該凝集剤を注入したことにより発生した汚泥の汚泥処理コストと、汚泥除去後の当該原水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストとを含むデータセットの集合を、注入前濁度に基づいて複数のグループに分類する。そして、モデル生成装置1は、当該グループ毎にコスト合計値が最小となる薬注率を特定する。そして、モデル生成装置1は、当該グループ毎の、注入前濁度の代表値と、特定された薬注率とを含むデータセットの集合から、当該代表値を説明変数とし、特定された薬注率を目的変数とする回帰モデル51を生成する。
また、本実施形態に係る推定装置2は、回帰モデル51と、現原水の注入前濁度とに基づき、当該現原水に対する凝集剤の薬注率を推定する。
この構成によれば、モデル生成装置1が生成する回帰モデル51は、注入前濁度と、当該注入前濁度の原水の浄水処理におけるコスト合計値が最小となる薬注率との対応関係を示す回帰モデルとなる。これにより、推定装置2は、回帰モデル51を用いて薬注率を推定することにより、現原水の浄水処理におけるコスト合計値が最小となる薬注率を、注入前濁度に応じて推定することができる。結果として、消費コスト、汚泥処理コストおよびろ過処理コストを抑えた浄水処理を実現することができる。
また、モデル生成装置1は、グループ毎に、薬注率とコスト合計値とを変数とする回帰モデルである中間モデルを生成し、当該中間モデルを用いて、コスト合計値が最小となる薬注率を推定することが好ましい。これにより、薬注率とコスト合計値との対応関係を考慮して、コスト合計値が最小となる薬注率を推定することができるので、コスト合計値が最小となる薬注率の推定精度を向上させることができる。
また、モデル生成装置1は、沈澱池出口濁度が閾値T1以下となるデータセットのみを用いて回帰モデル51を生成することが好ましい。これにより、回帰モデル51は、沈澱池出口濁度が閾値T1以下となる薬注率を推定することができるものとなる。回帰モデル51を用いて薬注率を推定することにより、沈澱池出口における原水の濁度が閾値T1以下になるであろう薬注率を推定することができる。そして、当該薬注率で凝集剤を注入することで、濁度の高い水が沈澱池、さらには、浄水場から流出する可能性が低減される。その結果、後段の急速ろ過池のろ過水の濁度の低下、逆洗頻度の低減によるろ過処理コストのさらなる低減、流出した水を飲用することによるクリプトスポリジウムなどへの感染リスクの低下などを実現することができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
<薬注率推定システムの概要>
図7は、本実施形態に係る薬注率推定システム200の概要の一例を示す図である。薬注率推定システム200は、原水に対する凝集剤の薬注率、具体的には、コスト合計値が最小となる薬注率を、凝集剤を注入する前の原水の水質に応じて推定する。
(学習モデルの生成)
薬注率推定システム200は、原水の水質に応じた、コスト合計値が最小となる薬注率の推定を実現するために、原水の水質データを入力とし、薬注率とコスト合計値との対応関係を出力する学習モデルを生成する。薬注率推定システム200は、原水の水質データ、薬注率、消費コスト、汚泥処理コストおよびろ過処理コストを含む複数のデータセットD11の入力を受け付ける(図7のa11)。データセットD11は、過去に浄水場に流入した原水の水質データと、当該原水に対して実際に注入された凝集剤の薬注率、当該薬注率で注入された凝集剤の消費コスト、当該凝集剤の注入により生成された汚泥の汚泥処理コストおよび汚泥除去後の当該原水のろ過処理の際の逆洗にかかるろ過処理コストを含む。なお、水質データとは、注入前濁度を含むデータである。ただし、水質データに含まれるデータは、注入前濁度に限定されない。水質データは、例えば図1に示すように、pH、水温などを含んでもよい。
続いて、薬注率推定システム200は、複数のデータセットD11を教師データとして機械学習を行うことにより、上記学習モデルを生成する(図7のb11)。なお、薬注率とコスト合計値との対応関係とは、例えば、薬注率を従属変数、コスト合計値を独立変数(あるいは、薬注率を独立変数、コスト合計値を従属変数)とする関数として表現できる。
(薬注率の推定)
学習モデルを生成した薬注率推定システム200は、現原水の水質データD12の入力を受け付ける(図7のa12)。そして、薬注率推定システム200は、入力された水質データD12と学習モデルとを用いて、薬注率とコスト合計値との対応関係を推定する(図7のb12)。
最後に、薬注率推定システム200は、推定された対応関係から、コスト合計値が最小となる薬注率D13を特定する(図7のa3)。
<薬注率推定システム200の要部構成>
図8は、薬注率推定システム200の要部構成の一例を示すブロック図である。以下、薬注率推定システム200の各部材のうち、薬注率推定システム100に同名の部材がある部材については、当該同名の部材との相違点のみを説明する。
薬注率推定システム200は、モデル生成装置11、推定装置12および記憶装置15を含む点が、薬注率推定システム100と異なる。
(モデル生成装置11の要部構成)
モデル生成装置11の制御部110は、データセット取得部111および学習モデル生成部112(モデル生成部)を含んでいる。
データセット取得部111は、水質データ、薬注率、消費コスト、汚泥処理コストおよびろ過処理コストを含むデータセット(図7のデータセットD11)の集合を取得し、学習モデル生成部112へ出力する。
学習モデル生成部112は、データセット取得部111から取得した上記集合に基づき機械学習を行い、学習モデル510を生成する。学習モデル生成部112は、生成した学習モデル510を記憶装置15へ格納する。学習モデル510に、現原水の水質データを入力すると、薬注率とコスト合計値との対応関係が出力される。なお、学習モデル生成部112は、一例として、ニューラルネットワーク(NN:Neural Network)などの既知の機械学習方法を用いて、学習モデル510を生成する。
(推定装置12の要部構成)
推定装置12の制御部210は、対応関係推定部211(推定部)および薬注率特定部212を含んでいる。
対応関係推定部211は、入力された現原水の水質データ(図7の水質データD12)と、学習モデル510とに基づき、現原水に対する凝集剤の薬注率と、現原水の浄水処理におけるコスト合計値との対応関係を推定する。対応関係推定部211は、一例として、入力装置3から現原水の水質データの入力を受け付ける。対応関係推定部211は、水質データの入力を受け付けると、記憶装置15から学習モデル510を読み出す。そして、対応関係推定部211は、読み出した学習モデル510に、取得した水質データを入力することにより、学習モデル510から出力された薬注率とコスト合計値との対応関係を取得する。対応関係推定部211は、取得した対応関係を薬注率特定部212へ出力する。
薬注率特定部212は、薬注率とコスト合計値との対応関係に基づき、コスト合計値が最小となる薬注率を特定する。当該対応関係は、一例として、図3に示す中間回帰モデルS1、S2、S3と同形状の曲線で表される。このため、コスト合計値が最小となる薬注率が一意的に定まる。薬注率特定部212は、対応関係推定部211から取得した対応関係における、コスト合計値が最小となる薬注率を特定すると、当該薬注率を、薬注率の推定結果として出力装置4に出力させる。
<学習モデル生成処理の流れ>
図9は、モデル生成装置11が実行する学習モデル生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
データセット取得部111は、水質データ、薬注率、消費コスト、汚泥処理コストおよびろ過処理コストを含むデータセットの集合を取得し(S21)、学習モデル生成部112へ出力する。データセット取得部111は、一例として、実施形態1で説明したデータセット取得部101と同様に、沈澱池出口濁度が所定値以下となるデータセットのみを学習モデル生成処理に使用するデータセットとする。
学習モデル生成部112は、データセット取得部111から取得した上記集合に基づき機械学習を行い、現原水の水質データを入力とし、薬注率とコスト合計値との対応関係を出力する学習モデル510を生成する(S22、モデル生成ステップ)。学習モデル生成部112は、生成した学習モデル510を記憶装置15へ格納する。
(学習モデル510の更新)
制御部110は、定期的に学習モデル510の更新(自動更新)を行うことが好ましい。この例において、データセットはモデル生成装置11のストレージまたは記憶装置15に記憶されており、データセット取得部111は、当該ストレージまたは記憶装置15からデータセットの集合を取得する。
上記データセットは、学習モデル510の生成後も、原水の浄水処理が行われる度にストレージまたは記憶装置15に格納される。
データセット取得部111は、一例として、データセットの集合の取得および学習モデル生成部112への出力を実行したとき、タイマ(不図示)を起動し、上記取得および出力の実行からの経過時間を計測する。そして、当該経過時間が所定値に到達したとき、データセット取得部111は、再度データセットの集合を取得し、学習モデル生成部112へ出力する。学習モデル生成部112が実行する学習モデル更新処理は、図9のS22の処理と同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
<推定処理の流れ>
図10は、推定装置12が実行する推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
対応関係推定部211は、現原水の水質データを取得する(S31)と、記憶装置15から学習モデル510を読み出す。そして、対応関係推定部211は、取得した水質データと、学習モデル510とに基づき、現原水に対する凝集剤の薬注率と、現原水の浄水処理におけるコスト合計値との対応関係を推定する(S32、推定ステップ)。具体的には、対応関係推定部211は、読み出した学習モデル510に、取得した水質データを入力することにより、学習モデル510から出力された薬注率とコスト合計値との対応関係を取得する。対応関係推定部211は、取得した対応関係を薬注率特定部212へ出力する。
薬注率特定部212は、取得した対応関係における、コスト合計値が最小となる薬注率を特定する(S33)。例えば、取得した対応関係が、コスト合計値の最小値を頂点とする二次関数として表現できる場合、薬注率特定部212は、当該頂点における薬注率の値を特定する。そして、薬注率特定部212は、特定した薬注率を、薬注率の推定結果として出力装置4に出力させる(S34)。
<効果>
以上のように、本実施形態に係るモデル生成装置11は、原水の注入前濁度を含む水質データと、当該原水に対して実際に注入された凝集剤の薬注率と、当該現水へ注入した凝集剤の消費コストと、当該凝集剤を注入したことにより発生した汚泥の汚泥処理コストと、汚泥除去後の当該原水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストとを教師データとして機械学習を行う。そして、モデル生成装置11は、水質データを入力として、薬注率とコスト合計値との対応関係を出力する学習モデル510を生成する。
また、本実施形態に係る推定装置12は、学習モデル510と、現原水の水質データとに基づき、当該現原水に対する凝集剤の薬注率と、当該現原水の浄水処理におけるコスト合計値との対応関係を推定する。
この構成によれば、推定装置12が推定した対応関係を用いて、コスト合計値が最小となる薬注率を特定することができる。これにより、消費コスト、汚泥処理コストおよびろ過処理コストを抑えた浄水処理を実現することができる。
また、本実施形態に係る推定装置12は、推定した対応関係に基づき、コスト合計値が最小となる薬注率を特定することが好ましい。これにより、推定装置12のユーザが、コスト合計値が最小となる薬注率を特定する手間を省くことができる。
〔変形例〕
推定装置2および12は、推定した薬注率に基づき、現原水の浄水処理にかかる消費コスト、汚泥処理コストおよびろ過処理コストを算出し、出力装置4に出力させてもよい。この例において、推定装置2および12は、消費コスト算出に必要なデータ(例えば、使用する凝集剤の単価、凝集剤を注入する原水の量など)を取得し、当該データと推定した薬注率とに基づき消費コストを算出する。また、推定装置2および12は、推定した薬注率から汚泥処理コストを算出する。また、推定装置2および12は、推定した薬注率に対応するコスト合計値を特定し、当該コスト合計値から、算出した消費コストおよび汚泥処理コストの値を減算することで、ろ過処理コストを算出する。
モデル生成装置11が取得するデータセットは、原水が浄水場に流入する前、すなわち、原水が取水対象(河川など)に存在していた期間の、所定地域の降水(降雨)に関する降水データを含んでいてもよい。ここで、所定地域とは、降水が浄水場に流入する可能性がある地域であり、例えば、浄水場の上流の河川流域のうち、降雨の発生が水質データに最も影響する地域(1km四方メッシュ)である。所定地域は複数であってもよい。また、降水データとは、所定地域の降水量(1時間あたり)の合計値、すなわち、総降水量であるものとして説明する。なお、総降水量の定義はこの例に限定されない。例えば、総降水量は、1日あたりの降水の総量であってもよい。
図11は、浄水場90が取水する河川99の一例を示す概略図であり、上記所定地域を示す図である。なお、図11では、説明を分かりやすくするために、上記所定地域が3つ(地域R1、R2、R3)であるものとした。データセットを生成するデータセット生成装置(不図示)は、一例として、作業員の操作入力に基づき、気象情報サーバ(不図示)と通信し、地域R1、R2およびR3の1時間あたりの降水量を取得する。データセット生成装置は、別の例として、各地の1時間あたりの降水量を取得した後で、当該降水量に、地域R1、R2およびR3の1時間あたりの降水量が含まれるか否かを判定してもよい。地域気象情報サーバは、気象庁または気象予報を提供する企業のサーバである。
図12は、総降水量の算出例を示す図である。図12の例は、或る日の10時30分に浄水場90に流入した原水に含まれる総降水量の算出例を示している。当該原水が地域R1、R2およびR3を流れていた時刻は、10時30分より前である。換言すれば、原水が浄水場90に流入した時刻と、地域R1、R2およびR3を流れていた時刻との間にはタイムラグがある。データセット生成装置は、このタイムラグを考慮して総降水量を算出する。
具体的には、地域R1、R2およびR3の各々において、各地域から浄水場90まで原水が到達するのに要する時間(すなわち、タイムラグ)を予め特定しておく。図12の例では、当該時間は、地域R1が60分、地域R2が300分、地域R3が120分であるものとした。
データセット生成装置は、浄水場90に原水が流入した時刻である10時30分から、タイムラグだけ過去に遡った時点の、各地域の降水量を算出する。図12では、当該時点を「降水確認時刻」と称する。図12の例において、データセット生成装置は、9時30分の地域R1の降水量を取得する。また、データセット生成装置は、5時30分の地域R2の降水量を取得する。また、データセット生成装置は、8時30分の地域R3の降水量を取得する。図12では、これら降水量を「地域別降水量」と称する。図12の例において、地域R1の地域別降水量は6(mm/h)、地域R2の地域別降水量は5(mm/h)、地域R3の地域別降水量は4(mm/h)であるものとした。
データセット生成装置は、取得した地域別降水量を合計し、総降水量を算出する。図12の例では、総降水量は、6+5+4=15(mm/h)となる。
データセット生成装置は、10時30分に流入した原水のデータセットに、算出した総降水量を含める。これにより、モデル生成装置11が生成する学習モデルは、原水に含まれる降水が考慮されたものとなる。
また、データセットはさらに、原水に流入し得るダムからの放流水のデータ(例えば、当該ダムの放流量)を含んでいてもよい。この例において、ダムからの放流水が浄水場90まで到達するのに要する時間(すなわち、タイムラグ)を予め特定しておく。データセット生成装置は、浄水場90に原水が流入した時刻から、タイムラグだけ過去に遡った時点の放流量を特定し、10時30分に流入した原水の水質データに含める。
また、水質データはさらに、原水のアルカリ度、凝集剤注入前の原水に対して実際に注入された次亜塩素酸ナトリウムの注入率、凝集剤注入前の原水に対して実際に注入された苛性ソーダの注入率などを含んでいてもよい。
実施形態1において、モデル生成装置1と推定装置2とを一体の装置として構成してもよい。同様に、実施形態2において、モデル生成装置11と推定装置12とを一体の装置として構成してもよい。
実施形態1において、推定装置2は、モデル生成装置1が生成した回帰モデル51をモデル生成装置1から受信し、自装置のストレージに格納してもよい。同様に、実施形態2において、推定装置12は、モデル生成装置11が生成した学習モデル510をモデル生成装置11から受信し、自装置のストレージに格納してもよい。
モデル生成装置1および11は、回帰モデル51および学習モデル510の生成において、データセットの集合に、沈澱池出口濁度が閾値T1を超えるデータセットを含めてもよい。
実施形態2において、モデル生成装置11は、生成した学習モデル510からコスト合計値が最小となる薬注率を特定するプログラムを生成するものであってもよい。当該プログラムを推定装置12で実行することにより、推定装置12の制御部210の各部が構成される。
〔ソフトウェアによる実現例〕
モデル生成装置1および11、並びに、推定装置2および12の制御ブロック(特に制御部10および110、並びに、制御部20および210)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、モデル生成装置1および11、並びに、推定装置2および12は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1、11 モデル生成装置
2、12 推定装置
51 回帰モデル
102 分類部
103 中間回帰モデル生成部(特定部、中間モデル生成部)
104 回帰モデル生成部(モデル生成部)
202 薬注率推定部(推定部)
112 学習モデル生成部(モデル生成部)
211 対応関係推定部(推定部)
510 学習モデル

Claims (10)

  1. 浄水場に流入する流入水へ注入する凝集剤の注入率を推定するための回帰モデルを生成するモデル生成装置であって、
    凝集剤を注入する前の前記流入水の濁度と、前記流入水へ注入した凝集剤の注入率と、前記流入水へ注入した凝集剤の消費コストと、前記流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストと、前記汚泥を除去した後の前記流入水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストとを含むデータセットの集合を、前記濁度に基づいて複数のグループに分類する分類部と、
    前記グループ毎に、前記消費コスト、前記汚泥処理コストおよび前記ろ過処理コストの合計値が最小となる前記注入率を特定する特定部と、
    前記グループ毎の、前記濁度の代表値と、前記特定された注入率とを含むデータセットの集合から、前記代表値を説明変数とし、前記特定された注入率を目的変数とする回帰モデルを生成するモデル生成部と、を備えるモデル生成装置。
  2. 前記特定部は、
    前記グループ毎に、前記注入率と前記合計値とを変数とする回帰モデルである中間モデルを生成する中間モデル生成部を備え、
    前記グループ毎に、前記生成された中間モデルを用いて、前記合計値が最小となる前記注入率を推定する、請求項1に記載のモデル生成装置。
  3. 前記モデル生成部は、前記流入水の沈澱池出口における濁度が所定範囲内となるデータセットのみを含む前記集合から前記回帰モデルを生成する、請求項1または2に記載のモデル生成装置。
  4. 浄水場に流入する流入水へ注入する凝集剤の注入率を推定する推定装置であって、
    凝集剤を注入する前の前記流入水の濁度、前記流入水へ注入した凝集剤の注入率、前記流入水へ注入した凝集剤の消費コスト、前記流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストおよび前記汚泥を除去した後の前記流入水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストを含むデータセットを、前記濁度に基づいて分類した複数のグループの各々における前記濁度の代表値を説明変数とし、前記消費コストと前記汚泥処理コストと前記ろ過処理コストとの合計値が最小となる前記注入率を目的変数とする回帰モデルと、前記浄水場に現在流入している流入水である現流入水の濁度とに基づき、前記現流入水へ注入する凝集剤の注入率を推定する推定部を備える推定装置。
  5. 浄水場に流入する流入水へ注入する凝集剤の注入率と、当該凝集剤の消費コスト、前記流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストおよび前記汚泥を除去した後の前記流入水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストの合計値と、の対応関係を推定するための学習モデルを生成するモデル生成装置であって、
    凝集剤を注入する前の前記流入水の濁度を含む水質データと、前記注入率と、前記消費コストと、前記汚泥処理コストと、前記ろ過処理コストとを教師データとして機械学習を行うことにより、前記水質データを入力として、前記対応関係を出力する学習モデルを生成するモデル生成部を備えるモデル生成装置。
  6. 浄水場に流入する流入水へ注入する凝集剤の注入率と、当該凝集剤の消費コスト、前記流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストおよび前記汚泥を除去した後の前記流入水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストの合計値と、の対応関係を推定する推定装置であって、
    凝集剤を注入する前の前記流入水の濁度を含む水質データと、当該流入水へ注入した凝集剤の注入率と、当該流入水へ注入した凝集剤の消費コストと、当該流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理に係る汚泥処理コストと、前記汚泥を除去した後の当該流入水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストとを教師データとして機械学習を行うことにより生成された学習モデルを用いて、凝集剤を注入する前の、前記浄水場に現在流入している流入水である現流入水の濁度を含む水質データを入力として、前記対応関係を推定する推定部を備える推定装置。
  7. 浄水場に流入する流入水へ注入する凝集剤の注入率を推定するための回帰モデルを生成するモデル生成装置が実行するモデル生成方法であって、
    凝集剤を注入する前の前記流入水の濁度と、前記流入水へ注入した凝集剤の注入率と、前記流入水へ注入した凝集剤の消費コストと、前記流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストと、前記汚泥を除去した後の前記流入水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストとを含むデータセットの集合を、前記濁度に基づいて複数のグループに分類する分類ステップと、
    前記グループ毎に、前記消費コスト、前記汚泥処理コストおよび前記ろ過処理コストの合計値が最小となる前記注入率を特定する特定ステップと、
    前記グループ毎の、前記濁度の代表値と、前記特定された注入率とを含むデータセットの集合から、前記代表値を説明変数とし、前記特定された注入率を目的変数とする回帰モデルを生成するモデル生成ステップと、を含むモデル生成方法。
  8. 浄水場に流入する流入水へ注入する凝集剤の注入率を推定する推定装置が実行する推定方法であって、
    凝集剤を注入する前の前記流入水の濁度、前記流入水へ注入した凝集剤の注入率、前記流入水へ注入した凝集剤の消費コスト、前記流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストおよび前記汚泥を除去した後の前記流入水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストを含むデータセットを、前記濁度に基づいて分類した複数のグループの各々における前記濁度の代表値を説明変数とし、前記消費コストと前記汚泥処理コストと前記ろ過処理コストとの合計値が最小となる前記注入率を目的変数とする回帰モデルと、前記浄水場に現在流入している流入水である現流入水の濁度とに基づき、前記現流入水へ注入する凝集剤の注入率を推定する推定ステップを含む推定方法。
  9. 浄水場に流入する流入水へ注入する凝集剤の注入率と、当該凝集剤の消費コスト、前記流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストおよび前記汚泥を除去した後の前記流入水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストの合計値と、の対応関係を推定するための学習モデルを生成するモデル生成装置が実行するモデル生成方法であって、
    凝集剤を注入する前の前記流入水の濁度を含む水質データと、前記注入率と、前記消費コストと、前記汚泥処理コストと、前記ろ過処理コストとを教師データとして機械学習を行うことにより、前記水質データを入力として、前記対応関係を出力する学習モデルを生成するモデル生成ステップを含むモデル生成方法。
  10. 浄水場に流入する流入水へ注入する凝集剤の注入率と、当該凝集剤の消費コスト、前記流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストおよび前記汚泥を除去した後の前記流入水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストの合計値と、の対応関係を推定する推定装置が実行する推定方法であって、
    凝集剤を注入する前の前記流入水の濁度を含む水質データと、当該流入水へ注入した凝集剤の注入率と、当該流入水へ注入した凝集剤の消費コストと、当該流入水へ凝集剤を注入することにより発生する汚泥の処理にかかる汚泥処理コストと、前記汚泥を除去した後の当該流入水をろ過処理する際の逆洗処理にかかるろ過処理コストとを教師データとして機械学習を行うことにより生成された学習モデルを用いて、凝集剤を注入する前の、前記浄水場に現在流入している流入水である現流入水の濁度を含む水質データを入力として、前記対応関係を推定する推定ステップを含む推定方法。
JP2019231969A 2019-12-23 2019-12-23 モデル生成装置、推定装置、モデル生成方法および推定方法 Active JP7303101B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019231969A JP7303101B2 (ja) 2019-12-23 2019-12-23 モデル生成装置、推定装置、モデル生成方法および推定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019231969A JP7303101B2 (ja) 2019-12-23 2019-12-23 モデル生成装置、推定装置、モデル生成方法および推定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021098175A true JP2021098175A (ja) 2021-07-01
JP7303101B2 JP7303101B2 (ja) 2023-07-04

Family

ID=76541336

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019231969A Active JP7303101B2 (ja) 2019-12-23 2019-12-23 モデル生成装置、推定装置、モデル生成方法および推定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7303101B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013094686A (ja) * 2011-10-28 2013-05-20 Meidensha Corp 薬品注入制御方法及び薬品注入制御装置
JP2018158284A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 水ing株式会社 データベースの製造方法、及び水処理又は汚泥処理システム
JP2019089022A (ja) * 2017-11-14 2019-06-13 株式会社東芝 凝集剤注入制御装置、凝集剤注入制御方法及び凝集剤注入制御システム

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6074340B2 (ja) 2012-09-05 2017-02-01 メタウォーター株式会社 水処理制御方法及び水処理制御装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013094686A (ja) * 2011-10-28 2013-05-20 Meidensha Corp 薬品注入制御方法及び薬品注入制御装置
JP2018158284A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 水ing株式会社 データベースの製造方法、及び水処理又は汚泥処理システム
JP2019089022A (ja) * 2017-11-14 2019-06-13 株式会社東芝 凝集剤注入制御装置、凝集剤注入制御方法及び凝集剤注入制御システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP7303101B2 (ja) 2023-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6074340B2 (ja) 水処理制御方法及び水処理制御装置
JP6422901B2 (ja) 管理支援システム、管理支援方法及び管理支援プログラム
JP4492473B2 (ja) 凝集剤注入制御装置および方法
Ferrero et al. Automatic control system for energy optimization in membrane bioreactors
JP2012213759A (ja) 薬品注入制御方法及び薬品注入制御装置
JP5193884B2 (ja) 上水施設の監視制御システム
JP2000218263A (ja) 水質制御方法及びその装置
KR100331708B1 (ko) 상수처리 시스템의 응집제 주입율 자동 연산 장치 및 방법
US20230257283A1 (en) Process, system, and computer readable storage medium for determining optimal coagulant dosage
Klanderman et al. Case studies in real-time fault isolation in a decentralized wastewater treatment facility
JP2021098175A (ja) モデル生成装置、推定装置、モデル生成方法および推定方法
JP2003200175A (ja) 凝集剤注入制御方法及び凝集剤注入制御システム
JP6103231B2 (ja) 下水汚泥の脱水方法及び脱水システム
JP2021098191A (ja) モデル生成装置、推定装置、モデル生成方法および推定方法
JP2009000580A (ja) 膜ろ過処理装置の運転支援装置
JP7471209B2 (ja) 情報処理装置、予測方法、水処理システム、および予測プログラム
Bhattacharjee et al. A type-2 fuzzy logic approach for forecasting of effluent quality parameters of wastewater treatment
JP2011060135A (ja) プラント運用のノウハウ自動抽出システム
WO2013136503A1 (ja) 水処理プラント運用システム及び送水量計画方法
CN205011532U (zh) 带钢废水的零排放式再处理系统
CN112062325B (zh) 一种化学除盐水处理系统的单位运行成本统计方法及装置
JP4309645B2 (ja) 凝集剤注入制御方法及び装置
JP6466213B2 (ja) 塩素注入率設定方法、塩素注入率設定装置、および塩素注入率設定システム
JP2023059534A (ja) 薬品注入支援システム、薬品注入支援方法、及びプログラム
JP2024047111A (ja) 注入率制御システム、注入率制御方法、注入率制御プログラム、学習プログラム及び水処理システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220623

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230307

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230613

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230622

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7303101

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150