本発明の最も好ましい実施の形態の1つである傘シェアリングシステム1を、図1ないし図10に基づいて説明する。
〔傘シェアリングシステムの構成〕
はじめに、傘シェアリングシステム1の構成を、図1および図2に基づいて説明する。
この傘シェアリングシステム1は、複数の利用者の間でシェアリングされる傘本体10と、この傘本体10を収容する設備であって複数の拠点(以下、「スポットP」と称する。)に配設されるスタンド50と、複数の利用者Uがそれぞれ携帯する利用者端末100と、管理サーバ200とから構成されている。
ここで、本発明は、1つの傘本体10をシェアリングするシステムとしても有用であるが、より大きな効果を奏するためには、複数の傘本体10を貸し借り可能に構成することが望ましい。このため、複数のスポットPにそれぞれ1または複数のスタンド50を配設し、それぞれのスタンド50に複数の傘本体10が収容されるように構成することが好ましい。なお、図1には、簡略化のために、1つのスポットPに配設された1つのスタンド50に、1本の傘本体10が収容された傘シェアリングシステム1の機能的ブロック図を図示する。
[傘本体10]
傘本体10は、利用者端末100の一部、より具体的には、後述する持ち手120と連結することで、物理的および機能的に一つの傘を構成する部位であって、持ち手部分を除く傘の構成部位、すなわち、中棒10aと、この中棒10aが嵌入する下ろくろ(図示せず)と、この下ろくろに連接する受骨および親骨からなる骨組(図示せず)と、親骨に被せられる生地(図示せず)といった構成部位を備える。また、傘本体10は、本発明固有の機能的部位として、傘本体側連結機構部11と、傘開閉機構部12と、識別情報記憶部13と、接続端子14とを備える。
傘本体側連結機構部11は、持ち手120が備える連結機構部(後述する持ち手側連結機構部121)と係合する機能的部位であって、特許請求の範囲に記載の「相補的な連結機構」の一部を構成する。傘本体側連結機構部11と持ち手側連結機構部121とが、相補的に係合しまたは係合が解除されることで、傘本体10と持ち手120とが着脱自在に連結する。傘本体側連結機構部11は、例えば図2に示すように、中棒10aの右端にあってこれが軸通する筒状部11aを備える。筒状部11aには、例えばその外周側面に円環状の凹部11bが形成されている。この凹部11bが、持ち手側連結機構部121に形成された凸部(後述する凸部121b)と係合することで、傘本体側連結機構部11と持ち手側連結機構部121とが互いに連結する。
傘開閉機構部12は、傘本体10が持ち手120と連結した状態にあるときのみ傘の開閉を可能にする機能的部位、より具体的には、傘本体10が持ち手120と連結した状態にあるときのみ、下ろくろが中棒10aに沿ってスライドして傘を開きまたは閉じることを可能にする機能的部位である。傘開閉機構部12は、例えば、傘本体側連結機構部11を構成する筒状部11aが中棒10aと下はじきを動作させる押ボタン部12aとの間に介在するように嵌合している状態(図2(a)参照)では、傘の開閉を規制し、筒状部11aが右方にスライドして上記嵌合が解除された状態(図2(b)参照)では、傘の開閉が可能になるように構成されている。なお、傘本体側連結機構部11と持ち手側連結機構部121との連結動作に連動して、傘開閉機構部12が作動するように構成してもよい。
識別情報記憶部13は、傘本体10を識別するための情報(以下、「傘本体識別ID10」という。この傘本体識別ID10は、特許請求の範囲に記載の「傘本体の識別情報」に相当する。)を記憶する部位であって、例えば不揮発性メモリから構成されている。識別情報記憶部13は、例えば中棒10aの内側に設けられた回路内に配設されており、接続端子124と電気的に連通するように構成されている。
接続端子14は、持ち手120が備える接続端子(後述する接続端子124)と係合することで、傘本体10と持ち手120とを電気的に接続させる部位であって、例えば凸状の接続端子124と相補的な凹状を呈している。傘本体10と持ち手120とが電気的に接続することで、傘本体識別ID10が持ち手120、より具体的には、後述する識別情報検出部126へと送信され、また、必要に応じて、持ち手120が備える電力供給源(後述する電力供給部123)の電力が傘本体10へと供給される。
[スタンド50]
スタンド50は、上述したように、傘本体10を収容する設備であって、例えば、直方体の筐体を有し、内部に傘本体10を収容する保持エリアが複数設けられている。上記保持エリアは、例えば、上記筐体の上面から内部に向かって延在する円筒状の空間として形成され、その内径は、閉じた状態の傘本体10の最大外径よりもやや大きくなるように設定されている。スタンド50は、スポットPから移動しないよう(不動状態となるよう)、所定の固定具を備える。
なお、スタンド50は、傘本体10を収容してこれを物理的に保管する機能を有していればよく、電気的装置を一切備えていなくてもよい。このため、電源のない場所にも設置することができる。
[利用者端末100]
利用者端末100は、双方通信可能な携帯端末110と持ち手120とから構成されている。
[携帯端末110]
携帯端末110は、特許請求の範囲に記載の「操作装置」に相当する部位であって、例えば、TCP/IP等の通信プロトコルを用いたネットワーク回線NWに接続可能なスマートホンやタブレット式の携帯端末装置から構成される。
携帯端末110は、持ち手120との間で情報を送受信するための近距離通信部111と、上記通信回線と接続するための通信部112と、操作部113と、利用者識別情報を記憶するユーザID記憶部114と、情報処理部115と、GPS機能部116とを備える。
近距離通信部111は、持ち手120との間、より具体的には、後述する持ち手120が備える近距離通信部127との間で近距離通信(この近距離通信は、特許請求の範囲に記載の「第1通信手段」に相当する。)を行うための機能的部位であって、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信機能および/または有線電気通信機能を備える電子デバイスから構成される。
通信部112は、管理サーバ200との間、より具体的には、後述する管理サーバ200が備える通信部250との間で、上記ネットワーク回線NW(このネットワーク回線NWは、特許請求の範囲に記載の「第2通信手段」に相当する。)を介して情報を送受信するための機能的部位であって、例えば、TCP/IPを用いてインターネット回線に接続可能な電子デバイスから構成されている。
操作部113は、利用者Uの意思に基づく操作を入力する機能部であって、例えば、液晶等のタッチパネルから構成されている。
ユーザID記憶部114は、利用者Uを識別する情報であるユーザ識別情報IDU(このユーザ識別情報IDUは、特許請求の範囲に記載の「利用者端末の識別情報」に相当する。)を記憶する部位であって、例えば、不揮発性メモリから構成される。ユーザ識別情報IDUは、例えば、傘シェアリングシステム1を利用する際に必要となる専用アプリケーションを起動させる際、操作部113を通じて入力される文字及び数字等からなる識別情報である。
情報処理部115は、近距離通信部111および通信部112を通じて受信する情報を処理して所定の情報を生成し、この情報を一時的に記憶する機能的部位であって、所定の演算装置および揮発性のメモリ等を備える。なお、機能の詳細については、後述する「傘シェアリングシステムを用いた傘本体のシェアリング態様」のなかで適宜説明する。
GPS機能部116は、利用者端末100の位置情報を生成する機能的部位である。利用者端末の位置情報の活用については、後述する「傘シェアリングシステムを用いた傘本体のシェアリング態様」のなかで適宜説明する。
[持ち手120]
持ち手120は、特許請求の範囲に記載の「傘補助装置」に相当する部位であって、上述したように、傘本体10と連結することで、物理的および機能的に一つの傘を構成する部位である。持ち手120は、持ち手側連結機構部121と、駆動部122と、電力供給部123と、接続端子124と、その他の電気的機能部を含む電気回路125とを備える。
持ち手側連結機構部121は、上述したように、傘本体側連結機構部11と係合する機能的部位であって、傘本体側連結機構部11とともに特許請求の範囲に記載の「相補的な連結機構」を構成する。持ち手側連結機構部121は、例えば図2に示すように、傘本体10が連結する持ち手120の左端部の内側に回転可能に配設された筒状部121aと、この筒状部121aの内周側面に突設された凸部121bとから構成されている。
駆動部122は、傘本体側連結機構部11と持ち手側連結機構部121とからなる連結機構部を作動させて当該機構部を連結状態または非連結状態に切り替えるための機能的部位であって、特許請求の範囲に記載の「駆動源」に相当する。駆動部122は、例えば直流モータから構成される。
電力供給部123は、駆動部122を作動させるための機能的部位であって、特許請求の範囲に記載の「電力供給源」に相当する。電力供給部123は、例えば、繰り返し充電が可能なリチウムイオンバッテリから構成される。
接続端子124は、上述したように、傘本体10が備える接続端子14と係合することで、傘本体10と持ち手120とを電気的に接続させる部位であって、例えば凹状の接続端子14と相補的な凸状を呈している。
電気回路125は、例えば、識別情報検出部126と、近距離通信部127と、電力残量検出部128と制御部129と傘本体10以外の外部装置と接続するI/Oインターフェース130とを備える。
識別情報検出部126は、接続端子14および接続端子124による電気的接続を通じて、識別情報記憶部13に記憶されている傘本体識別ID10を検出してこれを一時的に記憶する機能的部位であって、例えば不揮発性メモリを備える。
近距離通信部127は、上述したように、携帯端末110が備える近距離通信部111との間で無線または有線によって通信するための機能的部位であって、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信機能および/または有線電気通信機能を有する既存の電子デバイスから構成されている。
電力残量検出部128は、電力供給部123の電力量を検出してその残量を検知する機能的部位であって、既知の検出回路から構成される。なお、電力残量検出部128によって検出された値を表示するインジケータ(図示せず)が持ち手120の表面に配設されていてもよい。
制御部129は、傘本体10との電気的接続を通じて送受信される情報および携帯端末110との間の無線および/または有線を通じて送受信される情報を管理し、傘本体側連結機構部11と持ち手側連結機構部121とから構成される連結機構の作動の要否を判断等する機能的部位であって、例えば既存の中央演算処理装置(CPU)とメモリとから構成される。
I/Oインターフェース130は、特許請求の範囲に記載の「外部接続用端子」に相当し、外部装置を通じて電力供給部123に電力を供給し、または、外部装置に電力供給部123の電力を供給する際に、これら外部装置と接続するための機能的部位であって、例えばUSBポートから構成されている。
[管理サーバ200]
管理サーバ200は、特許請求の範囲に記載された「管理装置」に相当する部位であって、傘シェアリングシステム1における傘本体10のシェアリング状況を管理および統括する装置である。管理サーバ200は、例えば、中央演算処理装置(CPU)、RAM等からなる主記憶装置とハードディスクドライブ等のストレージからなる補助記憶装置とから構成された記憶装置、およびTCP/IPを用いてインターネット回線に接続可能な通信装置を備え、メモリに保存されているプログラムが中央演算処理装置によって実行されることで所定の情報処理を行う。
管理サーバ200は、図1に示すように、予約管理部210、貸し借り管理部220、情報管理部230、情報記憶部240および通信部250を機能的部位として備える。これら機能的部位の働きについては、次に述べる「傘シェアリングシステムを用いた傘本体のシェアリング態様」のなかで適宜説明することとする。
〔傘シェアリングシステムを用いた傘本体のシェアリング態様〕
次に、図3ないし図10に基づいて、傘シェアリングシステム1を用いた傘本体10のシェアリング態様について説明する。具体的には、有料で傘本体10を借入および返却するプロセス、無料で傘本体10を借入れおよび返却するプロセス、ならびに、各種登録情報(傘本体10の登録情報、傘本体10の所有者情報および傘本体10の所有者Umが使用許諾する者の登録情報)を登録するプロセスを説明する。
なお、説明を簡略化するために、シェアリングの対象として貸出される傘本体10は1つとし、また、借入れる利用者Uも、特に記載が無い限り1人とする。なお、利用者Uは、自身が携帯する携帯端末110に、傘シェアリングシステム1を利用するための専用アプリケーションを予めインストールしており、また、当該専用アプリケーションをダウンロードする際に、ユーザ識別情報IDUに相当する所定の文字及び数字等を入力しているものとする。また、ユーザ識別情報IDUは、携帯端末110のユーザID記憶部114に記憶され、また、管理サーバ200の情報記憶部240に登録情報として記憶されているものとする。
<傘本体10の有料貸借における借入プロセスPA>
はじめに、利用者Uが傘本体10を有料で借入れるときの借入プロセスPAを、図3に基づいて説明する。この借入プロセスPAは、利用者Uが持ち手120を必ず携帯していることを前提とする。なお、利用者Uは、傘本体10を所有している必要はない。すなわち、傘本体10と持ち手120とは一対一で対応している必要はない。このため、傘シェアリングシステム1においては、借入プロセスPAを通じて、1つの傘本体10が不特定多数の持ち手120と連結し得ることとなる。
先ず、利用者Uは、携帯端末110にインストールされている専用アプリケーションを起動させて、操作部113に操作指示メニューを表示させる。当該操作指示メニューには、例えば、「有料貸借」、「無料貸借」および「その他」といった操作指示メニューが表示される。利用者Uは、このうちの「有料貸借」をタップして傘本体10の有料貸借モードを始動させる(ステップA10)。なお、「無料貸借」および「その他」の操作に関する説明は、後述する「傘本体10の無料貸借における借入プロセスPG」および「傘本体10の無料貸借における返却プロセスPH」のところで詳述し、「その他」の操作に関する説明は、「傘本体10の所有者Umの登録プロセスPD」、「傘本体10に関する情報の登録プロセスPE」および「傘本体10の所有者Umが使用許諾する者の登録プロセスPF」のところで詳述する。
有料貸借モードが始動すると、例えば、操作部113の画面に、「借入予約」、「借入」、「返却予約」および「返却」といった操作指示メニューが表示される。利用者Uは、「借入予約」をタップして借入予約申請を開始する。借入予約申請開始直後の操作部113の画面には、借入を希望するスポットPの位置(以下、「借入希望位置Pw1」と称する。この借入希望位置Pw1は、特許請求の範囲に記載の「借入予定地」に相当する。)の入力を求める操作指示メニューが表示される。利用者Uは、借入希望位置Pw1を入力したのち、借入予約申請を実行する(ステップA11)。
借入予約申請が実行されると、携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、借入希望位置Pw1に関する情報とユーザID記憶部114が保有するユーザ識別情報IDUとからなる借入予約申請情報Rα1を、管理サーバ200に向けて送信する(ステップA12)。具体的には、借入予約申請情報Rα1に関する信号SA1が、例えば情報処理部115で生成され、この信号SA1が、インターネット回線NWに接続する通信部112を通じて管理サーバ200へと送信される。
管理サーバ200は、インターネット回線NWに接続する通信部250を通じて信号SA1を受信したのち、当該信号SA1に含まれるユーザ識別情報IDUと、借入希望位置Pw1に配設されているスタンド50の位置情報Sβ1と、このスタンド50に収容されている傘本体10の傘本体識別ID10とからなる借入予約情報Rβ1を、予約管理部210を通じて生成する(ステップA13)。なお、スタンド50に複数の傘本体10が貸出可能(予約可能)な状態で収容されている場合には、当該複数の傘本体10の全ての傘本体識別ID10が、借入予約情報Rβ1に含まれるように構成するとよい。これにより、後述する照合ステップ(ステップA26)において、利用者Uは、上記複数の傘本体10のいずれか1つを借入れることができる(すなわち、利用者Uは、借入地に配設されたスタンド50内の上記複数の傘本体10のうち、特定の傘本体10に限定されることなく借入れることができる)。
ここで、スタンド50の位置情報Sβ1は、管理サーバ200が予め保存情報として保有するスタンド50の位置情報Sβn(nは、設置されているスタンド50の数に相当。)の中の1つである。また、スタンド50に収容されている傘本体10の傘本体識別ID10は、後述する「傘本体10に関する情報の登録プロセスPE」により、適宜管理サーバ200に登録される登録情報である。このため、いずれの情報も、管理サーバ200が備える情報記憶部240に記憶されている。
管理サーバ200は、借入予約情報Rβ1を生成すると同時に、借入希望位置Pw1に配設されているスタンド50に収容されている傘本体10の貸出しを禁止する(ステップA14)。当該傘本体10の貸出しを禁止は、例えば、貸し借り管理部220を通じて行われる。スタンド50に複数の貸出可能(予約可能)な傘本体10が収容されている場合には、他の利用者Uが借入できる(予約できる)傘本体10の数を1つ減らせばよい。例えば、貸出可能(予約可能)な傘本体10がスタンド50に5本収容されている場合、他の利用者Uに対して1本を貸出禁止とし、残り4本を貸出可能(予約可能)とする。ここで、当該貸出禁止の措置は、傘本体識別情報ID10を用いて実行されるのではなく、傘本体10の数を管理することで実行されることが好ましい。これにより、他の利用者Uは、貸出可能(予約可能)な傘本体10のなかから任意の1つを借入れることができるようになる。なお、自らが所有する傘本体10m(以下、「マイ傘本体10m」と称する。)を自身で使用(無料借入)する場合(後述する借入プロセスPGの場合)における貸出禁止の措置(ステップG19)は、マイ傘本体10mが1本のみの場合、マイ傘本体10mの傘本体識別情報ID10mを用いて実行されることとなる。
また、管理サーバ200は、所定の時間内、例えば、30分以内に後述する借入申請情報Rα2に関する信号SA4の受信があるか否かを判定した上で所定の措置を講ずるように構成することが望ましい(ステップA15)。例えば、30分以内に信号SA4を受信した場合には、後述するステップA25へと進み、30分以内に信号SA4を受信しない場合には、借入予約情報Rβ1を削除した上で(ステップA16)、貸出禁止を解除するように構成してもよい。ここで、スタンド50に複数の貸出可能な傘本体10が収容されている場合には、例えば、貸出禁止前の数、すなわち、貸出可能(予約可能)な傘本体10の数を1つ増やした数に戻すように構成してもよい(ステップA17)。当該判定は、例えば、貸し借り管理部220によって行われる。
利用者Uは、借入希望位置Pw1に到着すると、自身が携帯する持ち手120を傘本体10に取付ける(ステップA18)。このとき、傘本体10と持ち手120とは、接続端子14と接続端子124とを通じて互いが電気的に接続した状態となる。なお、傘本体10と持ち手120とは完全に固定された連結状態にはなく、依然としてまだ互いが物理的に分離可能な状態にある。
つづいて、利用者Uは、専用アプリケーションを起動して有料貸借モードを始動させ、さらに、携帯端末110の操作部113に表示される操作指示メニューのなかから「借入」をタップして傘本体10の借入申請を行う(ステップA19)。
借入申請が実行されると、携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、傘本体識別情報ID10の検出を求める信号SA2を、例えば情報処理部115を通じて生成し、これを近距離通信部111を通じて持ち手120へと送信する(ステップA20)。
近距離通信部127を通じて当該信号SA2を受信した持ち手120は、傘本体10との上記電気的接続(接続端子14と接続端子124とによる電気的接続)を通じて傘本体10の識別情報記憶部13に記憶されている傘本体識別情報ID10を検出し(ステップA21)、傘本体識別情報ID10を読み出す(ステップA22)。これら一連のプロセスは、例えば、持ち手120が備える識別情報検出部126を通じて実行される。
傘本体識別情報ID10を取得した持ち手120は、傘本体識別情報ID10に関する信号SA3を、近距離通信部127を通じて携帯端末110へと送信する(ステップA23)。当該信号SA3は、例えば、識別情報検出部126によって生成される。これにより、傘本体10の傘本体識別情報ID10が、携帯端末110に伝達される。
ここで、上記ステップA20ないしステップA23において実行されるプロセス、すなわち、上記電気的接続を介した持ち手120による傘本体識別情報ID10の検出・読み出しのプロセスは、「借入申請」に関するステップA19に続くプロセスであるとともに、後述する「(傘本体10の)返却申請」、「傘本体10の登録申請」、「所有者Umの登録申請」および「無料使用許諾者Ufの登録申請」等のステップに続くプロセスでもある。このため、当該共通のプロセスを、特に「プロセスPo」と称することとする。
近距離通信部111を通じて信号SA3を受信した携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、信号SA3に含まれる傘本体識別情報ID10と、ユーザID記憶部114が記憶するユーザ識別情報IDUと、GPS機能部116が生成する利用者端末100としての位置情報Suとから借入申請情報Rα2を生成し、これを管理サーバ200に向けて送信する(ステップA24)。具体的には、借入申請情報Rα2に関する信号SA4が情報処理部115によって生成され、これが通信部112を通じて管理サーバ200へと送信される。
通信部250を通じて信号SA4(借入申請情報Rα2)を受信した管理サーバ200は、信号SA4(借入申請情報Rα2)に含まれる情報、すなわち、借入希望位置Pw1に収容された傘本体10の傘本体識別情報ID10と、これを借入れる利用者Uのユーザ識別情報IDUと、この者が携帯する携帯端末110の位置情報Su(利用者端末100としての位置情報Su)とからなる借入情報Rβ2を生成する。この借入情報Rβ2は、例えば、貸し借り管理部220によって生成される(ステップA25)。
つづいて、管理サーバ200は、ステップA25で生成した借入情報Rβ2に含まれる情報をステップA13で生成した借入予約情報Rβ1に含まれる情報と照合する。具体的には、借入予約情報Rβ1に含まれるスタンド50に収容されている傘本体10の傘本体識別ID10、借入予約した利用者Uのユーザ識別情報IDUおよび借入希望位置Pw1に配設されているスタンド50の位置情報Sβ1と、借入情報Rβ2に含まれる貸出される傘本体10の傘本体識別情報ID10、借入れる利用者Uのユーザ識別情報IDUおよびこの者が携帯する携帯端末110の位置情報Su(利用者端末100としての位置情報Su)とを比較する(ステップA26)。当該照合により、借入予約申請者と借入申請者とが同一であるかを確認する。なお、スタンド50に貸出可能(予約可能)な傘本体10が複数収容されている場合には、上述したように、これら貸出可能(予約可能)な傘本体10の全ての傘本体識別ID10が借入予約情報Rβ1に含まれるように構成され得る。このとき、上記傘本体識別情報ID10の照合は、借入予約情報Rβ1に含まれる複数の傘本体識別情報ID10と借入情報Rβ2に含まれる傘本体識別情報ID10との間で行われ、後者が前者に含まれていれば認証される。これにより、利用者Uは、借入地に配設されたスタンド50内の複数の傘本体10のなかから、任意の傘本体10を1つ借入れることができる。
さらに、管理サーバ200は、借入予約情報Rβ1および借入情報Rβ2に含まれる2つの識別情報と1つの位置情報とがそれぞれ一致しているか否かを判定する(ステップA27)。管理サーバ200は、一致していると判定した場合、すなわち、借入予約申請者と借入申請者とが同一であることを確認した場合には、後述するステップA28へと進み、不一致と判定した場合、すなわち、借入予約申請者と借入申請者とが異なることを確認した場合には、次の借入申請情報Rα2(信号SA4)を受信するまで待機する。この判定は、例えば、貸し借り管理部220によって実行される。
借入予約情報Rβ1と借入情報Rβ2との照合の結果、借入予約申請者と借入申請者とが同一であることが確認されると、管理サーバ200は、貸し借り管理部220を通じて機構作動指示情報Rβ3を生成する(ステップA28)。この機構作動指示情報Rβ3は、傘本体側連結機構部11と持ち手側連結機構部121とが連結状態となるように駆動部122を作動させる情報Rβ3−1と、傘の開閉が可能な状態となるように当該傘開閉機構を作動させる(例えば、駆動部122を作動させる)情報Rβ3−2とを含む。
管理サーバ200は、受信した信号SA1(借入予約申請情報Rα1)および信号SA4(借入申請情報Rα2)に含まれるユーザ識別情報IDUから利用者端末100を構成する携帯端末110を特定し、この携帯端末110に向けて、機構作動指示情報Rβ3を送信する。具体的には、機構作動指示情報Rβ3に関する指示信号SA5が、例えば情報管理部230を通じて生成され、この信号SA5が、インターネット回線NWに接続する通信部250を通じて上記携帯端末110へと送信される(ステップA29)。
また、管理サーバ200は、機構作動指示情報Rβ3に関する信号SA5を送信すると同時に、借入時間Tの計測を開始する(ステップA30)。この借入時間Tは、後述する賃料の算出および買取金額の算定の際に、金額を確定するパラメータとして利用される。
通信部112を通じて指示信号SA5を受信した携帯端末110は、近距離通信部111を通じて持ち手120に向けて指示信号SA5を送信する(ステップA31)。
指示信号SA5を受信した持ち手120は、持ち手側連結機構部121と傘本体側連結機構部11とが連結した状態となるように、自身が備える駆動部122を作動させる(ステップA32)。例えば、駆動部122は、図2(b)に示されるように、傘本体側連結機構部11を構成する筒状部11aの外周側面に突設された凹部11bと持ち手側連結機構部121を構成する筒状部121aの内周側面に突設された凸部121bとが篏合するよう、筒状部121aを回転させる。これにより、傘本体10と持ち手120とが物理的に分離することのない状態で結合する。
また、傘開閉機構部12を備える本実施の形態においては、傘本体側連結機構部11と持ち手側連結機構部121との連結に連動して傘開閉機構部12が作動し、これによって、傘本体10が開閉可能となるように構成してもよい(ステップA33)。例えば、筒状部121aが、上記回転運動と同時に、図2における右方へスライドするように構成されており、下はじきを動作させる押ボタン部12aと中棒10aとの間に介在する筒状部11aが、凹部11bを介して連結する筒状部121aの上記移動に連動して、中棒10aの軸心に沿ってスライドし、この結果、当該介在が解除されて押ボタン部12aを押すことが可能になる。
以上のプロセスにより、利用者Uは、傘本体10を傘として使用できる状態でこれを借入れることとなる。
<傘本体10の有料貸借における返却プロセスPB>
次に、利用者Uが有料で借入れた傘本体10を返却するときの返却プロセスPBを、図4に基づいて説明する。
はじめに、利用者Uは、借入プロセスPAと同様に、携帯端末110にインストールされている専用アプリケーションを起動させて、操作部113に「有料貸借」、「無料貸借」および「その他」といった操作指示メニューを表示させる。このとき利用者Uは、借入れた傘本体10を返却するかまたは買取を選択することができる(ステップB10)。
返却を希望する利用者Uは、上記操作指示メニューの中から「有料貸借」をタップして有料貸借モードを始動させ、さらに、その後に表示される「借入予約」、「借入」、「返却予約」および「返却」といった操作指示メニューのなかから「返却予約」をタップして以下に示す返却プロセスPBを開始する(ステップB11)。
これに対し、買取を希望する利用者Uは、専用アプリケーションを起動させた直後の操作指示メニューの中から「その他」を選択し、さらにその後に表示される操作指示メニューの中から「買取」をタップして買取モードを起動させる。なお、買取モードの詳細は、「傘本体10の買取プロセスPC」のところで詳述する。
「返却予約」をタップして返却予約申請を開始すると、携帯端末110の画面には、返却を希望するスポットPの位置(以下、「返却希望位置Pw2」と称する。この返却希望位置Pw2は、特許請求の範囲に記載の「返却予定地」に相当する。)の入力を求める操作指示メニューが表示される。利用者Uは、返却希望位置Pw2を入力したのち、返却予約申請を実行する(ステップB12)。
返却予約申請が実行されると、携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、返却希望位置Pw2に関する情報と、ユーザID記憶部114が保有するユーザ識別情報IDUと、借入れている(貸出されている)傘本体10の傘本体識別情報ID10とからなる返却予約申請情報Rα3を、管理サーバ200に向けて送信する(ステップB13)。具体的には、返却予約申請情報Rα3に関する信号SB1が、例えば情報処理部115で生成され、この信号SB1が、インターネット回線NWに接続する通信部112を通じて管理サーバ200へと送信される。
管理サーバ200は、インターネット回線NWに接続する通信部250を通じて信号SB1を受信したのち、当該信号SB1に含まれるユーザ識別情報IDUおよび傘本体識別情報ID10と、返却希望位置Pw2に配設されているスタンド50の位置情報Sβ2とからなる返却予約情報Rβ4を、予約管理部210を通じて生成する(ステップB14)。
ここで、スタンド50の位置情報Sβ2は、スタンド50の位置情報Sβ1と同様に、管理サーバ200が予め保有する保存情報であり、管理サーバ200が備える情報記憶部240に予め記憶されている。
また、管理サーバ200は、所定の時間内、例えば、30分以内に後述する返却申請情報Rα4に関する信号SB4の受信があるか否かを判定した上で所定の措置を講ずるように構成することが望ましい(ステップB15)。例えば、30分以内に信号SB4を受信した場合には、後述するステップB23へと進み、30分以内に信号SB4を受信しない場合には、返却予約申請情報Rα3を削除するように構成される(ステップB16)。当該判定は、例えば、貸し借り管理部220によって行われる。
返却希望位置Pw2に到着した利用者Uは、借入れている持ち手120と一体となった傘本体10を、スタンド50に設けられている保持エリアに挿入する。その後、利用者Uは、専用アプリケーションを起動して有料貸借モードを始動させ、さらに、携帯端末110の操作部113に表示される操作指示メニューのなかから「返却」をタップして傘本体10の返却申請を行う(ステップB17)。
返却申請が実行されると、携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、返却対象である傘本体10が保有する傘本体識別情報ID10の検出を求める信号SB2を、例えば情報処理部115を通じて生成し、これを近距離通信部111を通じて持ち手120へと送信する(ステップB18)。なお、この信号SB2は、プロセスPoにおける信号SA2と同一である。
ここで、信号SB2を持ち手120へ送信してから傘本体識別情報ID10を含む信号SB3を携帯端末110が受信するまでのプロセス(図4に示されるステップB18ないしステップB21)は、上記プロセスPoと実質的に同一である。このため、ステップB18ないしステップB21に関する説明は割愛する。
ステップB18ないしステップB21(プロセスPo)を経て傘本体識別情報ID10を受信(取得)した携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、借入れている傘本体10の傘本体識別情報ID10と、ユーザID記憶部114が記憶するユーザ識別情報IDUと、GPS機能部116が生成する携帯端末110の位置情報Su(利用者端末100としての位置情報Su)とから返却申請情報Rα4を生成し、これを管理サーバ200に向けて送信する(ステップB22)。具体的には、返却申請情報Rα4に関する信号SB4が情報処理部115によって生成され、これが通信部112を通じて管理サーバ200へと送信される。
通信部250を通じて信号SB4(返却申請情報Rα4)を受信した管理サーバ200は、信号SB4(返却申請情報Rα4)に含まれる情報、すなわち、返却対象である貸出中の傘本体10の傘本体識別情報ID10と、返却を求める利用者Uのユーザ識別情報IDUと、この者が携帯する携帯端末110の位置情報Su(利用者端末100としての位置情報Su)とからなる返却情報Rβ5を生成する。この返却情報Rβ5は、例えば、貸し借り管理部220によって生成される(ステップB23)。
つづいて、管理サーバ200は、ステップB23で生成した返却情報Rβ5に含まれる情報を、ステップB14で生成した返却予約情報Rβ4に含まれる情報と照合する。具体的には、返却予約情報Rβ4に含まれる返却対象である貸出中の傘本体10の傘本体識別ID10、返却予約した利用者Uのユーザ識別情報IDUおよび返却希望位置Pw2に配設されているスタンド50の位置情報Sβ2と、返却情報Rβ5に含まれる返却対象である貸出中の傘本体10の傘本体識別情報ID10、返却を求める利用者Uのユーザ識別情報IDUおよびこの者が携帯する携帯端末110の位置情報Su(利用者端末100としての位置情報Su)とを照合する(ステップB24)。当該照合により、返却予約申請者と返却申請者との同一性を確認する。
管理サーバ200は、返却予約情報Rβ4および返却情報Rβ5に含まれる2つの識別情報と1つの位置情報とがそれぞれ一致しているか否かを判定し(ステップB25)、一致していることを確認した場合、すなわち、返却予約申請者と返却申請者とが同一であると確認した場合には、次のステップB25へと進み、一致していないことを確認した場合、すなわち、返却予約申請者と返却申請者とが異なることを確認した場合には、次の返却申請情報Rα4(信号SB4)を受信するまで待機する。この判定は、例えば、貸し借り管理部220によって実行される。
返却予約情報Rβ4と返却情報Rβ5との照合の結果、返却予約申請者と返却申請者とが同一と判定されると、管理サーバ200は、借入時間Tの計測を終了する(ステップB26)。
さらに、管理サーバ200は、借入時間Tに応じて傘本体10の賃料を算出し、賃料支払指示情報Rβ6を生成する(ステップB27)。当該賃料の算出および賃料支払指示情報Rβ6の生成は、例えば、貸し借り管理部220または情報管理部230を通じて行われる。
生成された賃料支払指示情報Rβ6は、管理サーバ200から利用者端末100へと送信される(ステップB28)。具体的には、貸し借り管理部220または情報管理部230を通じて賃料支払指示情報Rβ6に関する信号SB5が生成され、これが、通信部250を通じて利用者端末100を構成する携帯端末110へと送信される。なお、送信先の携帯端末110は、受信した信号SB1(返却予約申請情報Rα3)および信号SB4(返却申請情報Rα4)に含まれるユーザ識別情報IDUから特定される。
通信部112を通じて信号SB5を受信した携帯端末110は、画面を通じて所定の賃料の支払い決済を利用者Uに対して要求する。利用者Uは、例えば電子決済によって賃料の支払い決済を行い、これが完了すると、操作部113の画面に表示される「賃料支払い完了」をタップする(ステップB29)。このとき、携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、例えば情報処理部115を通じて支払完了情報Rα5を生成する。
この支払完了情報Rα5は、携帯端末110から管理サーバ200へと送信される(ステップB30)。具体的には、支払完了情報Rα5に関する信号SB6が情報処理部115を通じて生成され、これが、通信部112を通じて管理サーバ200へと送信される。
通信部250を通じてSB6(支払完了情報Rα5)を受信した管理サーバ200は、傘本体10と持ち手120との連結、具体的には、傘本体側連結機構部11と持ち手側連結機構部121との連結を解除するための機構作動停止指示情報Rβ7を生成する(ステップB31)。機構作動停止指示情報Rβ7は、例えば、貸し借り管理部220または情報管理部230によって生成される。
機構作動停止指示情報Rβ7は、管理サーバ200から利用者端末100に向けて送信される(ステップB32)。具体的には、貸し借り管理部220または情報管理部230によって、機構作動停止指示情報Rβ7に関する指示信号SB7が生成され、これが、通信部250を通じて利用者端末100を構成する携帯端末110へと送信される。
また、管理サーバ200は、指示信号SB7(機構作動停止指示情報Rβ7)を利用者端末100に向けて送信すると同時に、返却された傘本体10の貸出禁止措置を解除する(ステップB33)。
携帯端末110は、通信部112を通じて指示信号SB7(機構作動停止指示情報Rβ7)を受信したのち、これを、近距離通信部111を通じて持ち手120へと送信する(ステップB34)。
近距離通信部127を通じて指示信号SB7(機構作動停止指示情報Rβ7)を受信した持ち手120は、自身が備える駆動部122を作動させて、傘本体側連結機構部11と持ち手側連結機構部121との連結を解除する(ステップB35)。例えば、図2で示す連結態様において、傘本体側連結機構部11を構成する筒状部11aの内周側面に突設された凹部11bと持ち手側連結機構部121を構成する筒状部121aに突設された凸部121bとの篏合が外れるように、駆動部122によって筒状部121aを回転させる。これにより、傘本体10と持ち手120とが物理的に分離可能な状態となる。
また、傘本体側連結機構部11と持ち手側連結機構部121との連結解除に連動するようにして、傘開閉機構部12が停止(傘開閉機構部12がロック)する(ステップB36)。傘開閉機構部12の停止(ロック)は、例えば、図2で示す連結態様において、筒状部121aが、上記回転運動と連動して図2における左方へとスライドし、筒状部11aが、当該動きの筒状部121aに押されて、中棒10aと下はじきを動かす押ボタン部12aとの間に挿入することで行われる。中棒10aと下はじきを動かす押ボタン部12aとの間に筒状部11aが介在することで押ボタン部12aが押せなくなり、これにより、傘本体10の開閉ができなくなる。
以上のプロセスにより、傘本体10と持ち手120とが分離し、傘本体10は、スタンド50の保持エリアに収容される形で返却される。なお、持ち手120は、利用者Uの所持品として常に携帯されることとなる。
ここで、傘本体10の位置は、信号SB4(返却申請情報Rα4)に含まれる情報、具体的には、「返却を求める利用者Uが携帯する携帯端末110の位置情報Su(利用者端末100としての位置情報Su)」に基づいて特定することができる。すなわち、返却された傘本体10の収容先の位置情報(返却されたスタンド50の位置情報)が、上記位置情報Suとして確定し、これが管理サーバ200の情報記憶部240に記憶される(ステップB37)。より詳細には、後述する「傘本体10に関する情報の登録プロセスPE」によって生成される傘本体登録情報G1のなかの傘本体10の位置情報S10が逐次更新されるようにして記憶される。これにより、返却された傘本体10の位置を、管理サーバ200を通じて常時かつ適正に管理することができる。
なお、貸出された傘本体10が他人の所有物である場合、前記賃料の全部または一部が当該他人(後述する所有者Um)に支払われる(ステップB38)。当該支払いは、例えば、管理サーバ200の情報管理部230を通じて行われる。なお、貸出された傘本体10が他人の所有物であるか否かの判断および所有者Umの特定は、例えば、後述する「傘本体10の所有者Umの登録プロセスPD」を通じて生成される所有者登録情報G1に基づいて実行される。
<傘本体10の買取プロセスPC>
次に、利用者Uが傘本体10を買取ることを希望する場合の買取プロセスPCを、図5に基づいて説明する。なお、買取プロセスPCは、借入プロセスPAに続くことを前提とする。
先ず、買取を希望する利用者Uは、先述したように、専用アプリケーションを起動したのち、携帯端末110の操作部113に表示される操作指示メニューの中から「その他」を選択し、さらにその後に表示される操作指示メニューのなかから「買取」をタップして買取モードを始動させる(ステップC10)。
つづいて、利用者Uは、操作部113に表示された操作指示メニューの中から「買取申請」をタップして買取申請を行う(ステップC11)。このとき携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、ユーザID記憶部114が記憶するユーザ識別情報IDUと、借入れている(貸出されている)傘本体10の傘本体識別情報ID10とからなる買取申請情報Rα6を生成し、これを管理サーバ200に向けて送信する。具体的には、情報処理部115を通じて、買取申請情報Rα6に関する信号SC1が生成され、これが、通信部112を通じて管理サーバ200へ送信される(ステップC12)。ここで、傘本体10の傘本体識別情報ID10は、借入プロセスPAのなかのプロセスPoを通じて得られた情報を用いればよい。
通信部250を通じて信号SC1(買取申請情報Rα6)を受信した管理サーバ200は、信号SC1(買取申請情報Rα6)に含まれる傘本体識別情報ID10によって特定される傘本体10の買取価格を算出する。例えば、情報管理部230において、特定された傘本体10の累積貸出時間に応じて傘本体の価値を減価償却した後の買取金額を算出する。管理サーバ200は、当該算出された買取金額の情報と買取金額の支払を求める内容とを含んだ買取金額支払請求情報Rβ8を、例えば情報管理部230を通じて生成する(ステップC13)。
さらに、管理サーバ200は、生成した買取金額支払請求情報Rβ8を、買取申請を行った利用者Uの利用者端末100に向けて送信する(ステップC14)。具体的には、情報管理部230において生成された買取金額支払請求情報Rβ8に関する信号SC2を、通信部250を通じて上記利用者端末100を構成する携帯端末110へ送信する。ここで、送信先である携帯端末110は、信号SC1(買取申請情報Rα6)に含まれるユーザ識別情報IDUに基づいて特定される。
通信部112を通じて信号SC2(買取金額支払請求情報Rβ8)を受信した携帯端末110は、操作部113を通じて買取金額を買取申請者である利用者Uに向けて表示する。利用者Uは、例えば電子決済によって当該支払い決済を行った後、操作部113に表示される操作指示メニューのなかの「買取金額支払完了」をタップして、買取金額の支払い決済が完了したことを伝える(ステップC15)。
携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、買取金額支払完了情報Rα7を生成し、これを管理サーバ200へ送信する。具体的には、情報処理部115を通じて買取金額支払完了情報Rα7に関する信号SC3を生成し、これを通信部112を通じて管理サーバ200の通信部250へ送信する(ステップC16)。
さらに、携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、ユーザID記憶部114が保有するユーザ識別情報IDUと、買取った傘本体10の傘本体識別情報ID10とからなる所有者申請情報Rα8を生成し、これを管理サーバ200へ送信する。具体的には、情報処理部115を通じて所有者申請情報Rα8に関する信号SC4を生成し、これを通信部112を通じて管理サーバ200へ送信する(ステップC17)。なお、買取った傘本体10の傘本体識別情報ID10は、上述したように、借入プロセスPAにおけるプロセスPoによって取得した情報を用いればよい。
通信部250を通じて信号SC4(所有者申請情報Rα8)を受信した管理サーバ200は、これに含まれるユーザ識別情報IDUと傘本体識別情報ID10とを関連付けた情報を、傘本体10の所有者登録情報(この登録情報は、後述する所有者登録情報G1と同一である。)として情報記憶部240に記憶する(ステップC18)。
なお、買取られた傘本体10の所有者Umに対して、支払い決済された買取金額の全部または一部が支払われることになる。この支払のプロセスは、例えば、後述する「傘本体10の所有者Umの登録プロセスPD」を通じて生成される所有者登録情報G1に基づいて支払いの決済が実行される。当該一連のプロセスは、例えば、管理サーバ200の情報管理部230を通じて実行される。
以上のプロセスによって、傘本体10の買取が完了する。
<傘本体10の所有者Umの登録プロセスPD>
次に、傘本体10の所有者Umに関する情報、具体的には、自身が携帯する利用者端末100の識別情報と傘本体識別情報ID10とを関連付けて所有者登録情報G1として管理サーバ200(より具体的には、管理サーバ200が備える情報記憶部240)に登録するための登録プロセスPDを、図6に基づいて説明する。この所有者登録情報G1は、後述する「傘本体10の無料借入プロセス」を実施するのに有用である。また、所有者Umは、利用者Uのみならず、運営者またはスタンドの管理者が自ら所有者Umになる場合も想定される。
ここで、傘本体10の所有者Umとなるためには、傘本体10と持ち手120とがセットとなったものを購入するといった対応(対応1)、傘本体10のみを購入するといった対応(対応2)、または、借入れている傘本体10を買い取るといった対応(対応3)のいずれかが必要となる。このうち、対応3における所有者登録情報G1の生成については、上述した買取プロセスPCによって行われる。以下で説明する登録プロセスPDは、対応1および対応2によって傘本体10の所有者となった場合を前提とする。
先ず、所有者Umは、傘本体10に持ち手120を取り付ける(ステップD10)。このとき、傘本体10は、スタンド50の保持エリア内に収容されている必要はない。すなわち、所有者Umは、スタンド50が配置されている場所(すなわち、スポットP)以外でも登録プロセスPDを行うことができる。傘本体10に持ち手120が取り付けられることで、それぞれが備える接続端子14と接続端子124とを通じて互いが電気的に接続する。
次に、所有者Umは、携帯端末110にインストールされている専用アプリケーションを起動させたのち、操作部113に表示される操作指示メニューの中から「その他」を選択し、さらにその後に表示される操作指示メニューの中から「所有者登録」をタップして所有者Umの登録モードを始動させる(ステップD11)。
つづいて、所有者Umは、操作部113に表示される操作指示メニューの中から「所有者の登録申請」をタップして傘本体10の登録申請を実行する(ステップD12)。携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、傘本体識別情報ID10の検出を求める信号SD1を、例えば情報処理部115を通じて生成する。なお、この信号SD1は、プロセスPoにおける信号SA2と同一である。
携帯端末110は、生成した信号SD1を、近距離通信部111を通じて持ち手120へと送信する(ステップD13)。
ここで、信号SD1を持ち手120へ送信してから傘本体識別情報ID10を含む信号SD2を携帯端末110が受信するまでのプロセス(図6に示されるステップD13ないしステップD16)は、上記プロセスPoと実質的に同一である。このため、ステップD13ないしステップD16に関する説明は割愛する。
ステップD13ないしステップD16(プロセスPo)を経て傘本体識別情報ID10を受信(取得)した携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、信号SD2に含まれる傘本体識別情報ID10と、ユーザID記憶部114が記憶するユーザ識別情報IDUとから所有者登録申請情報Rα9を生成する。所有者登録申請情報Rα9は、例えば情報処理部115によって信号SD3の形で生成され、通信部112を通じて管理サーバ200へと送信される(ステップD17)。
通信部250を通じてSD3(所有者登録申請情報Rα9)を受信した管理サーバ200は、SD3(所有者登録申請情報Rα9)に含まれる情報、すなわち、傘本体識別情報ID10と、ユーザ識別情報IDUとに基づいて、所有者登録情報G1を生成する(ステップD18)。具体的には、ユーザ識別情報IDUを所有者識別情報IDUmとして登録し、これを傘本体識別情報ID10に関連付ける形で所有者登録情報G1を生成する。なお、所有者登録情報G1の生成は、例えば、情報管理部230によって行われる。
以上のプロセスを経て、傘本体10の傘本体識別情報ID10と関連付けられた所有者識別情報IDUmが、所有者登録情報G1として情報記憶部240に記憶される。
<傘本体10に関する情報の登録プロセスPE>
次に、傘本体10に関する情報、具体的には、位置情報と関連付けられた傘本体10の傘本体識別ID10を、管理サーバ200(より具体的には、管理サーバ200が備える情報記憶部240)に登録するための登録プロセスPEを、図7に基づいて説明する。この登録プロセスPEは、シェアリングシステム1を稼働させるために必須の傘本体10を、稼働開始前に登録する方法であるとともに、事後的に追加される傘本体10を登録する方法でもある。当該方法が実施されることで、不特定多数の者が所有する傘本体10を随時登録することができるようになり、これにより、CtoC型の傘シェアリングシステムが構築されることとなる。
なお、当該登録プロセスPEは、登録される傘本体識別ID10の傘本体10が、上記所有者Umの登録プロセスPDを通じて特定の所有者Umに帰属すること、および、この所有者Umが、少なくとも1つの持ち手120を所有することを前提として実施される。ただし、傘本体10と持ち手とは一対一で対応している必要はない。すなわち、所有者Umは、1つの持ち手120と複数の傘本体10とを所有することもできる。
先ず、所有者Umは、自身が携帯する持ち手120を登録対象である傘本体10に取付ける(ステップE10)。このとき、傘本体10と持ち手120とは、それぞれが備える接続端子14と接続端子124とを通じて互いが電気的に接続した状態となる(なお、傘本体10と持ち手120とは連結状態にないため、互いが物理的に分離可能な状態にある)。
次に、所有者Umは、携帯端末110にインストールされている専用アプリケーションを起動させたのち、操作部113に表示される操作指示メニューの中から「その他」を選択し、さらにその後に表示される操作指示メニューの中から「傘本体の登録」をタップして、傘本体10の登録モードを始動させる(ステップE11)。
つづいて、所有者Umは、操作部113に表示される操作指示メニューの中から「傘本体の登録申請」をタップして、傘本体10の登録申請を実行する(ステップE12)。携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、傘本体10の傘本体識別情報ID10の検出を求める信号SE1を、例えば情報処理部115を通じて生成する。なお、この信号SE1は、プロセスPoにおける信号SA2と同一である。
携帯端末110は、生成した信号SE1を、近距離通信部111を通じて持ち手120へと送信する(ステップE13)。
ここで、信号SE1を持ち手120へ送信してから傘本体識別情報ID10を含む信号SE2を携帯端末110が受信するまでのプロセス(図7に示されるステップE13ないしステップE16)は、上記プロセスPoと実質的に同一である。このため、ステップE13ないしステップE16に関する説明は割愛する。
ステップE13ないしステップE16(プロセスPo)を経て傘本体識別情報ID10を受信(取得)した携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、信号SE2に含まれる傘本体識別情報ID10と、GPS機能部116が生成する携帯端末110の位置情報Su(利用者端末100としての位置情報Su)とから傘本体登録申請情報Rα10を生成し、これを管理サーバ200に向けて送信する(ステップE17)。具体的には、傘本体登録申請情報Rα10に関する信号SE3が情報処理部115によって生成され、これが通信部112を通じて管理サーバ200へと送信される。
通信部250を通じて信号SE3(傘本体登録申請情報Rα10)を受信した管理サーバ200は、信号SE3(傘本体登録申請情報Rα10)に含まれる情報、すなわち、傘本体識別情報ID10と、携帯端末110の位置情報Su(利用者端末100としての位置情報Su)とに基づいて、傘本体登録情報G2を生成する(ステップE18)。具体的には、携帯端末110の位置情報Su(利用者端末100としての位置情報Su)を傘本体10の位置情報S10とし、これを傘本体識別情報ID10に関連付ける形で生成する。当該傘本体登録情報G2の生成は、例えば、情報管理部230によって行われる。
つづいて、管理サーバ200は、位置情報S10が、自身の情報記憶部240に予め保存さているスタンド50の位置情報Sβnに含まれているか否かによって、傘本体10がスタンド50に収容された状態にあるか否かを判定する(ステップE19)。当該判定は、例えば、情報管理部230および情報記憶部240によって行われる。
管理サーバ200は、傘本体10がスタンド50に収容された状態にあると判定すると、傘本体登録情報G2に当該スタンドの位置情報Sβk(kは、1からnまでのいずれかの数字)を加えた傘本体登録情報G2´を生成する(ステップE20)。
さらに、管理サーバ200は、傘本体10がスタンド50に収容された状態にないと判定した時点で傘本体登録情報G2を情報記憶部240に記憶し、または、ステップE20で傘本体登録情報G2´が生成されると、これを情報記憶部240に記憶する(ステップE21)。
以上のプロセスが完了すると、登録完了の通知が、管理サーバ200から利用者端末100へと送信される。具体的には、管理サーバ200の情報管理部230によって当該通知に関する信号が生成されたのち、この信号が通信部250を通じて携帯端末110へと送信される。所有者Umは、携帯端末110の操作部113を通じて上記通知を確認したのち、傘本体10から持ち手120を取外す(ステップE22)。これにより、傘本体10は、所定のスポットPに配設されたスタンド50の保持エリア内に収容され、または、スタンド50以外の任意の場所に単独で置かれることとなる。前者にあっては、マイ傘本体10mがシェアリングされることになり、後者にあっては、自分専用の使用に供されることになる。なお、所有者Umは、携帯端末110とともに取外した持ち手120を所持することで、マイ傘本体10mを利用(無料借入)し、または、他の者が所有する傘本体10を有料借入れすることができる。
なお、傘本体10の位置は、貸出・返却により変化する。すなわち、登録プロセスPEによって傘本体登録情報G2またはG2´内に登録された傘本体10の位置情報S10は、借入プロセスPAおよび返却プロセスPBを通じて変化する。当該変化への対応は、上述したように、返却プロセスPBにおけるステップB37によって最新の位置情報S10が逐次登録(逐次更新)されることで図られる。
以上、傘本体10の所有者Umの登録プロセスPDと傘本体10に関する情報の登録プロセスPEとを個別に説明したが、これら2つのプロセスは、1つのプロセスにまとめることもできる。例えば、登録プロセスPDにおける所有者登録申請情報Rα9のなかに、所有者Umの利用者端末100の位置情報、具体的には、利用者端末100を構成する携帯端末110のGPS機能部116が生成する位置情報Suを含ませ、これと傘本体10の傘本体識別情報ID10とを関連付けた情報を従前の情報とともに所有者登録情報G1として記憶すればよい。または、登録プロセスPEにおける傘本体登録申請情報Rα10のなかに、所有者Umの利用者端末100の識別情報、具体的には、利用者端末100を構成する携帯端末110のユーザID記憶部114が記憶するユーザ識別情報IDUを含ませ、これと傘本体10の傘本体識別情報ID10とを関連付けた情報を従前の情報とともに傘本体10の登録情報G2として記憶すればよい。
<傘本体10の所有者Umが使用許諾する者の登録プロセスPF>
所有者Umは、所有する傘本体10を無料で貸出すことを許諾する者(以下、「無料使用許諾者Uf」と称する。)を管理サーバ200に登録することができる。この無料使用許諾者Ufの登録情報G3は、後述する「傘本体10の無料借入プロセス」を実施するのに有用である。以下、無料使用許諾者の登録プロセスPFを、図8に基づいて説明する。
先ず、所有者Umは、「所有者Umの登録プロセスPD」と同様に、傘本体10に持ち手120を取り付ける(ステップF10)。このとき、傘本体10は、スタンド50の保持エリアに収容されている必要はない。すなわち、所有者Umは、スタンド50が配置されている場所(すなわち、スポットP)以外で登録プロセスPFを実施することができる。
次に、所有者Umは、携帯端末110にインストールされている専用アプリケーションを起動させたのち、操作部113に表示される操作指示メニューの中から「その他」を選択し、さらにその後に表示される操作指示メニューの中から「無料使用許諾者登録」をタップして無料使用許諾者Ufの登録モードを始動させる(ステップF11)。
つづいて、所有者Umは、操作部113に表示される操作指示メニューの中から「無料使用許諾者の登録申請」をタップして無料使用許諾者Ufの登録申請を実行する(ステップF12)。携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、傘本体識別情報ID10の検出を求める信号SF1を、例えば情報処理部115を通じて生成する。なお、この信号SF1は、プロセスPoにおける信号SA2と同一である。
携帯端末110は、生成した信号SF1を、近距離通信部111を通じて持ち手120へと送信する(ステップF13)。
ここで、信号SF1を持ち手120へ送信してから傘本体識別情報ID10を含む信号SF2を携帯端末110が受信するまでのプロセス(図8に示されるステップF13ないしステップF16)は、上記プロセスPoと実質的に同一である。このため、ステップF13ないしステップF16に関する説明は割愛する。
携帯端末110は、ステップF12で無料使用許諾者Ufの登録申請を実行すると、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、所有者識別情報IDUmの入力を所有者Umに対して要求する。所有者Umは、操作部113を通じて自身の所有者識別情報IDUmを入力する(ステップF17)。携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、入力された所有者識別情報IDUmとステップF13ないしステップF16(プロセスPo)を通じて取得した傘本体識別情報ID10とを含む認証情報Rα11を生成する。具体的には、情報処理部115を通じて認証情報Rα11に関する信号SF3を生成する。
携帯端末110は、生成された信号SF3(認証情報Rα11)を、通信部112を通じて管理サーバ200へと送信する(ステップF18)。
管理サーバ200は、信号SF3(認証情報Rα11)に含まれる所有者識別情報IDUmおよび傘本体識別情報ID10が所有者登録情報G1に含まれているか否かを判定する(ステップF19)。
信号SF3(認証情報Rα11)に含まれる所有者識別情報IDUmおよび傘本体識別情報ID10が所有者登録情報G1に含まれていない場合、管理サーバ200は、所有者識別情報IDUmの再入力を求める(ステップF17へと戻る)。
信号SF3(認証情報Rα11)に含まれる所有者識別情報IDUmおよび傘本体識別情報ID10が所有者登録情報G1に含まれている場合、管理サーバ200は、無料使用を許諾する者のユーザ識別情報IDU(以下、「無料使用許諾ユーザ識別情報IDUf」と称する。)の入力を所有者Umに対して許可する。具体的には、情報管理部230を通じて、無料使用許諾者入力指示情報Rβ9に関する信号SF4を生成し(ステップF20)、これを、通信部250を通じて所有者Umの携帯端末110へと送信する(ステップF21)。
なお、信号SF4の送信先である携帯端末110は、信号SF3(認証情報Rα11)に含まれる所有者識別情報IDUmに基づいて特定される。したがって、ステップF17で入力された当該所有者識別情報IDUmと、入力に用いた携帯端末110のユーザID記憶部114に記憶されたユーザ識別情報IDUとが異なる場合、信号SF4は、無料使用許諾者の登録申請を行った所有者Umのもとに送信されないことになる。これにより、なりすましによる過誤登録が防止される。
通信部112を通じて信号SF4(無料使用許諾者入力指示情報Rβ9)を受信した携帯端末110は、所有者Umに対して、無料使用許諾ユーザ識別情報IDUfの入力を促す。所有者Umは、操作部113を通じて無料使用許諾ユーザ識別情報IDUfを入力する(ステップF22)。当該無料使用許諾ユーザ識別情報IDUfは、例えば、無料使用許諾者Ufが、傘本体10を借入れる際に使用する携帯端末110の識別情報、すなわち、事前に専用アプリケーションをインストール際に入力したユーザ識別情報IDUである。
携帯端末110は、通信部112を通じて無料使用許諾ユーザ識別情報IDUfに関する信号SF5を管理サーバ200へ送信する(ステップF23)。無料使用許諾ユーザ識別情報IDUf及びこれに関する信号SF5は、例えば情報処理部115によって生成される。
通信部250を通じて信号SF5を受信した管理サーバ200は、信号SF5に含まれる無料使用許諾ユーザ識別情報IDUfを、無料使用許諾者登録情報G3として記憶する(ステップF24)。具体的には、信号SF5に含まれる無料使用許諾ユーザ識別情報IDUfと、所有者登録情報G1に含まれている所有者識別情報IDUmおよび傘本体識別情報ID10とを関連付けた情報を、例えば情報管理部230を通じて生成したのち、これを情報記憶部240に無料使用許諾者登録情報G3として記憶する。
以上により、無料使用許諾者Ufの登録プロセスPFは完了する。
<傘本体10の無料貸借における借入プロセスPG>
次に、所有者登録情報G1に登録されている所有者Um、および無料使用許諾者登録情報G3に登録されている無料使用許諾者Ufが、所有者Umが所有するマイ傘本体10mを借入れる際のプロセスPGを、図9に基づいて説明する。なお、マイ傘本体10mの返却態様には、任意のスポットPに配設されたスタンド50に収容される第1のケース(例えば、マイ傘本体10mが不特定の利用者の間でシェアリングされる場合。この場合、他の傘本体10と区別できるように、識別用のマーキングを施しておくことが望ましい。)と、上記スタンド50に収容されることなく任意の場所に置かれる第2のケース(例えば、マイ傘本体10mが所有者Umおよび無料使用許諾者Ufの間でのみシェアリングされる場合)とが想定される。この無料の借入プロセスPGによれば、いずれの場合にあっても、管理サーバ200によってマイ傘本体10mを管理することができる。
先ず、所有者Umまたは無料使用許諾者Ufは、携帯端末110にインストールされている専用アプリケーションを起動させて、操作部113に操作指示メニューを表示させる(ステップG10)。当該操作指示メニューには、上述したように、例えば、「有料貸借」、「無料貸借」および「その他」といった操作指示メニューが表示される。利用者Uは、このうちの「無料貸借」をタップしてマイ傘本体10mの無料貸借モードを始動させる。
無料貸借モードが始動すると、例えば、操作部113の画面に、「無料借入」および「無料返却」といった操作指示メニューが表示される。所有者Umまたは無料使用許諾者Ufは、このうちの「無料借入」をタップする。すると、操作部113の画面に、マイ傘本体10mの位置を検索するか否かを求める操作指示メニューが表示される。所有者Umまたは無料使用許諾者Ufは、マイ傘本体10mの位置の検索の要否を指示する(ステップG11)。
マイ傘本体10mの位置の検索が要求された場合(例えば、マイ傘本体10mが上記ケース1にある場合や、ケース2の場合であっても、利用者がマイ傘本体10mの所在を把握していない場合)、携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、マイ傘本体10mの位置情報S10m(マイ傘本体10mがスタンド50に収容されている場合にはそのスタンド50の位置情報Sβm)の検索要求情報(以下、「位置検索要求情報Rα12」と称する。)を生成して、これを管理サーバ200に送信する(ステップG12)。具体的には、情報処理部115を通じて、位置検索要求情報Rα12に関する信号SG1が生成され、これが、通信部112を通じて管理サーバ200へと送信される。ここで、位置検索要求情報Rα12には、無料借入を申請する所有者Umまたは無料使用許諾者Ufのユーザ識別情報IDU(所有者識別情報IDUmまたは無料使用許諾ユーザ識別情報IDUf)が添付される。
通信部250を通じて位置検索要求情報Rα12を受信した管理サーバ200は、これに添付されたユーザ識別情報IDUに基づいてマイ傘本体10mを特定し、当該マイ傘本体10mの位置情報S10mまたは当該マイ傘本体10mが収容されているスタンド50の位置情報Sβmを検索する(ステップG13)。これら一連の作業は、例えば、情報管理部230と情報記憶部240とによって行われる。
管理サーバ200は、マイ傘本体10mの位置情報S10mまたはマイ傘本体10mが収容されているスタンド50の位置情報Sβmを検出すると、これを、無料借入を申請する所有者Umまたは無料使用許諾者Ufの利用者端末100に向けて送信する(ステップG14)。具体的には、情報管理部230を通じて位置情報S10mまたは位置情報Sβmに関する信号SG2を生成し、これを、通信部250を通じて無料借入を申請する所有者Umまたは無料使用許諾者Ufが携帯する携帯端末110へと送信する。なお、信号SG2の送信先は、ステップG12で受信した信号SG1に添付されているユーザ識別情報IDU(所有者識別情報IDUmまたは無料使用許諾ユーザ識別情報IDUf)に基づいて特定される。
通信部112を通じて信号SG2(マイ傘本体10mの位置情報S10mまたはマイ傘本体10mが収容されているスタンド50の位置情報Sβm)を受信した携帯端末110は、操作部113を通じて位置情報S10mまたは位置情報Sβmに基づくマイ傘本体10mまたはスタンド50の位置を表示して、これを所有者Umまたは無料使用許諾者Ufに伝える(ステップG15)。
次に、所有者Umまたは無料使用許諾者Ufは、操作部113に表示されている「無料借入予約申請」をタップして、マイ傘本体10mの無料借入予約申請を開始する(ステップG16)。
無料借入予約申請が実行されると、携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、無料借入予約申請情報Rα13を、管理サーバ200に向けて送信する(ステップG17)。具体的には、無料借入予約申請情報Rα13に関する信号SG3が、例えば情報処理部115で生成され、この信号SG3が、通信部112を通じて管理サーバ200へと送信される。
管理サーバ200は、通信部250を通じて信号SG3を受信したのち、位置検索要求情報Rα12に含まれる無料借入を申請する所有者Umまたは無料使用許諾者Ufのユーザ識別情報IDU(所有者識別情報IDUmまたは無料使用許諾ユーザ識別情報IDUf)と、これに関連付けられているマイ傘本体10mの傘本体識別ID10と、自身が検出したマイ傘本体10mが収容されているスタンド50の位置情報Sβmとからなる、無料借入予約情報Rβ10を、予約管理部210を通じて生成する(ステッG18)。さらに、管理サーバ200は、無料借入予約情報Rβ10を生成すると同時に、例えば、貸し借り管理部220を通じてマイ傘本体10mの貸出しを禁止する(ステップG19)。当該貸出禁止措置は、上述したように、マイ傘本体10mの傘本体識別情報ID10mを用いて実行される。
なお、管理サーバ200は、所定の時間内、例えば、30分以内に後述する無料借入申請情報Rα14に関する信号SG6の受信があるか否かを判定した上で所定の措置を講ずるように構成してもよい。例えば、30分以内に信号SG6を受信した場合には、後述するステップG27へと進み、30分以内に信号SG6を受信しない場合には、無料借入予約情報Rβ10を削除した上で、マイ傘本体10mの貸出禁止を解除するように構成してもよい。
なお、マイ傘本体10mが、既に他の利用者Uに貸し出されている場合、すなわち、マイ傘本体10mが借入プロセスPAのステップA14において貸出禁止となっている場合には、ステップG18およびステップG19は実行されず、代わりに、借入れることができない旨の通知が、利用者Uに伝えられる。例えば、貸し借り管理部220によって上記通知に関する信号が生成されたのち、この信号が通信部250を通じて携帯端末110へと送信され、さらに、通信部112を通じて当該信号を受信した携帯端末110は、操作部113を通じて上記通知を表示する。
つづいて、所有者Umまたは無料使用許諾者Ufは、操作部113に表示された位置情報にしたがって、マイ傘本体10mが置かれている場所またはマイ傘本体10mが収容されているスタンド50に向けて移動し、そこに置かれているマイ傘本体10mに持ち手120を取付ける(ステップG20)。これにより、マイ傘本体10mと持ち手120とは、電気的に接続される。
なお、ステップG11で、マイ傘本体10mの検索が要求されない場合には、所有者Umまたは無料使用許諾者Ufは、マイ傘本体10mの所在を把握していることから、上記ステップG12ないしG19を経ることなく、マイ傘本体10mに持ち手120を取り付けることができる(ステップG20)。
ステップG20を経たのち、所有者Umまたは無料使用許諾者Ufは、携帯端末110の操作部113に表示されている操作指示メニューのなかから「無料借入申請」をタップしてマイ傘本体10mの借入申請を行う(ステップG21)。
無料借入申請が実行されると、携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、無料借入対象のマイ傘本体10mの傘本体識別情報ID10の検出を求める信号SG4を、例えば情報処理部115を通じて生成し、これを近距離通信部111を通じて持ち手120へと送信する(ステップG22)。なお、この信号SG4は、プロセスPoにおける信号SA2と同一である。
ここで、信号SG4を持ち手120へ送信してから傘本体識別情報ID10を含む信号SG5を携帯端末110が受信するまでのプロセス(図9に示されるステップG22ないしステップG25)は、上記プロセスPoと実質的に同一である。このため、ステップG22ないしステップG25に関する説明は割愛する。
ステップG22ないしステップG25(プロセスPo)を経て傘本体識別情報ID10を受信(取得)した携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、信号SG5に含まれる傘本体識別情報ID10と、ユーザID記憶部114が記憶するユーザ識別情報IDU(このユーザ識別情報IDUは、いわゆる「なりすまし」で無い限り、所有者識別情報IDUmまたは無料使用許諾ユーザ識別情報IDUfと同一である)とから無料借入申請情報Rα14を生成する。無料借入申請情報Rα14は、例えば情報処理部115によって信号SG6の形で生成され、通信部112を通じて管理サーバ200へと送信される(ステップG26)。
通信部250を通じて信号SG6(無料借入申請情報Rα14)を受信した管理サーバ200は、信号SG6(無料借入申請情報Rα14)に含まれる情報、すなわち、無料借入対象のマイ傘本体10mの傘本体識別情報ID10と、無料借入を申請する所有者Umまたは無料使用許諾者Ufの識別情報(所有者識別情報IDUmまたは無料使用許諾ユーザ識別情報IDUf)とからなる無料借入情報Rβ11を生成する。この無料借入情報Rβ11は、例えば、貸し借り管理部220によって生成される(ステップG27)。
なお、管理サーバ200は、上述したように、マイ傘本体10mが既に他の利用者Uに貸し出されている場合、例えば、マイ傘本体10mが借入プロセスPAのステップA14において貸出禁止となっている場合に、無料借入予約申請情報Rα13に関する信号SG3を受信すると、借入れることができない旨の通知を利用者Uに向けて送信するよう構成されているが、同じように改めて無料借入申請情報Rα14に関する信号SG6を受信しても、同様のメッセージを利用者Uに向けて再送するように構成してもよい。
つづいて、管理サーバ200は、無料借入情報Rβ11と所有者登録情報G1または無料使用許諾者登録情報G3とを照合する(ステップG28)。具体的には、無料借入情報Rβ11に含まれる傘本体識別情報ID10および所有者識別情報IDUmまたは無料使用許諾ユーザ識別情報IDUfと、所有者登録情報G1または無料使用許諾者登録情報G3に含まれる傘本体識別情報ID10およびこれに関連付けられた所有者識別情報IDUmまたは無料使用許諾ユーザ識別情報IDUfとを照合する。
さらに、管理サーバ200は、上記照合された識別情報が全て一致しているか否かを判定する(ステップG29)。管理サーバ200は、識別情報が全て一致していると判定した場合(すなわち、無料借入申請者が権限を有する者であることを確認した場合)には、後述するステップG30に示す処理を行い、不一致と判定した場合(すなわち、無料借入申請者が権限を有しない者であることを確認した場合)には、次の無料借入申請情報Rα14(信号SG6)を受信するまで待機する。この判定は、例えば、貸し借り管理部220によって実行される。
なお、貸出禁止措置は、上記不一致と判定した場合に解除される。
ステップG29で識別情報が一致していると判定された場合、管理サーバ200は、貸し借り管理部220を通じて機構作動指示情報Rβ12を生成する(ステップG30)。具体的には、情報管理部230を通じて、機構作動指示情報Rβ12に関する指示信号SG7が生成される。
さらに、管理サーバ200は、指示信号SG7(機構作動指示情報Rβ12)を無料借入申請者である所有者Umまたは無料使用許諾者Ufの利用者端末100に向けて送信する(ステップG31)。具体的には、指示信号SG7(機構作動指示情報Rβ12)を、通信部250を通じて無料借入申請者である所有者Umまたは無料使用許諾者Ufが携帯する携帯端末110へ送信する。なお、指示信号SG7(機構作動指示情報Rβ12)の送信先は、ステップG14と同様に、信号SG1(位置検索要求情報Rα12)に添付されているユーザ識別情報IDU(所有者識別情報IDUmまたは無料使用許諾ユーザ識別情報IDUf)に基づいて特定される。
ここで、指示信号SG7(機構作動指示情報Rβ12)は、図3で示される借入プロセスPAにおける指示信号SA5(機構作動指示情報Rβ3)と同一である。このため、図9で示される無料の借入プロセスPGにおいては、借入プロセスPAにおけるステップA29およびステップA31にならって、指示信号SG7(機構作動指示情報Rβ12)が持ち手120へと伝達され(図9中のステップG31およびステップG32)、また、借入プロセスPAにおけるステップA32およびステップA33にならって、持ち手側連結機構部121と傘本体側連結機構部11とが連結し、さらに、マイ傘本体10mが開閉可能になるように傘開閉機構部12が作動する(図9中のステップG33およびステップG34)。
以上のプロセスを経て、所有者Umまたは無料使用許諾者Ufは、マイ傘本体10mを傘として使用できる状態でこれを無料で借入れることとなる。
<傘本体10の無料貸借における返却プロセスPH>
最後に、上記無料の借入プロセスPGを通じて無料で借入れたマイ傘本体10mの返却プロセスPHを、図10に基づいて説明する。
先ず、マイ傘本体10mを借入れた所有者Umまたは無料使用許諾者Ufは、マイ傘本体10mを返却する場所、例えば、上記第1のケースにおいてはスポットPに配設されたスタンド50の保持エリア内、上記第2のケースにおいては任意の場所にマイ傘本体10mを置いたのち、無料の借入プロセスPGと同様に、携帯端末110にインストールされている専用アプリケーションを起動させる。その後、操作部113に表示される操作指示メニューのなかから「無料貸借」をタップして無料貸借モードを始動させる(ステップH10)。
つづいて、所有者Umまたは無料使用許諾者Ufは、無料貸借モードの操作指示メニューの中から「無料返却」をタップして貸出した傘本体10の無料返却を実行する(ステップH11)。
無料返却が実行されると、携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、返却対象であるマイ傘本体10mが保有する傘本体識別情報ID10の検出を求める信号SH1を、例えば情報処理部115を通じて生成し、これを近距離通信部111を通じて持ち手120へと送信する(ステップH12)。なお、この信号SH1は、プロセスPoにおける信号SA2と同一である。
ここで、信号SH1を持ち手120へ送信してから傘本体識別情報ID10を含む信号SH2を携帯端末110が受信するまでのプロセス(図10に示されるステップH12ないしステップH15)は、上記プロセスPoと実質的に同一である。このため、スステップH12ないしステップH15に関する説明は割愛する。
ステップH12ないしステップH15(プロセスPo)を経て傘本体識別情報ID10を受信(取得)した携帯端末110は、専用アプリケーションの指示命令にしたがって、信号SH2に含まれる傘本体識別情報ID10と、ユーザID記憶部114が記憶するユーザ識別情報IDU(すなわち、所有者識別情報IDUmまたは無料使用許諾ユーザ識別情報IDUf)と、GPS機能部116が生成する携帯端末110の位置情報Su(利用者端末100としての位置情報Su)とから無料返却申請情報Rα15を生成し、これを通信部112を通じて管理サーバ200へと送信する(ステップH16)。具体的には、無料返却申請情報Rα15に関する信号SH3が情報処理部115によって生成され、これが通信部112を通じて管理サーバ200へと送信される。
通信部250を通じて信号SH3(無料返却申請情報Rα15)を受信した管理サーバ200は、信号SH3(無料返却申請情報Rα15)に含まれる情報、すなわち、無料借入対象のマイ傘本体10mの傘本体識別情報ID10と、無料借入を申請する所有者Umまたは無料使用許諾者Ufの識別情報(所有者識別情報IDUmまたは無料使用許諾ユーザ識別情報IDUf)と位置情報Suとからなる無料返却情報Rβ13を生成する(ステップH17)。この無料返却情報Rβ13は、例えば、貸し借り管理部220によって生成される。
つづいて、管理サーバ200は、無料返却情報Rβ13に含まれる傘本体識別情報ID10および所有者識別情報IDUmまたは無料使用許諾ユーザ識別情報IDUfと、所有者登録情報G1または無料使用許諾者登録情報G3に含まれる傘本体識別情報ID10およびこれに関連付けられた所有者識別情報IDUmまたは無料使用許諾ユーザ識別情報IDUfとを照合する(ステップH18)。
さらに、管理サーバ200は、上記照合された識別情報が全て一致しているか否かを判定する(ステップH19)。管理サーバ200は、識別情報が全て一致していると判定した場合(すなわち、無料借入申請者が権限を有する者であることを確認した場合)には、後述するステップH20に示す処理を行い、不一致と判定した場合(すなわち、無料借入申請者が権限を有しない者であることを確認した場合)には、次の無料返却申請情報Rα15を受信するまで待機する。この判定は、例えば、貸し借り管理部220によって実行される。
ステップH19で識別情報が一致していると判定された場合、管理サーバ200は、貸し借り管理部220を通じて機構作動停止指示情報Rβ14を生成する(ステップH20)。具体的には、情報管理部230を通じて、機構作動停止指示情報Rβ14に関する指示信号SH4が生成される。
さらに、管理サーバ200は、指示信号SH4(機構作動停止指示情報Rβ14)を無料借入申請者である所有者Umまたは無料使用許諾者Ufの利用者端末100に向けて送信する(ステップH21)。具体的には、指示信号SH4(機構作動停止指示情報Rβ14)を、通信部250を通じて無料借入申請者である所有者Umまたは無料使用許諾者Ufが携帯する携帯端末110へ送信する。なお、信号SH4の送信先は、信号SH3(無料返却申請情報Rα15)に含まれるユーザ識別情報IDU(所有者識別情報IDUmまたは無料使用許諾ユーザ識別情報IDUf)に基づいて特定される。
ここで、指示信号SH4(機構作動停止指示情報Rβ14)は、図4で示される返却プロセスPBにおける指示信号SB7(機構作動停止指示情報Rβ7)と同一である。このため、図10で示される無料の返却プロセスPHにおいても、返却プロセスPBにおけるステップB32およびステップB34にならって、指示信号SH4(機構作動停止指示情報Rβ14)が持ち手120へと伝達され(図10中のステップH21およびステップH22)、また、返却プロセスPBにおけるステップB35およびステップB36にならって、持ち手側連結機構部121と傘本体側連結機構部11との連結が解除され、さらに、マイ傘本体10mの開閉を規制するように傘開閉機構部12の作動を停止させる(図10中のステップH23およびステップH24)。
以上のプロセスにより、マイ傘本体10mと持ち手120とが分離する。なお、このときのマイ傘本体10mの位置情報S10mは、無料返却申請情報Rα15に含まれる位置情報Suに基づいて確定し、これが管理サーバ200(より具体的には、管理サーバ200の情報記憶部240)に記憶される(ステップH25)。ここで、マイ傘本体10mが、不特定の利用者の間でシェアリングされる第1のケース、すなわち、マイ傘本体10mが所定のスタンド50に収容される形で返却される場合には、当該無料返却申請情報Rα15に含まれる位置情報Suが、当該マイ傘本体10mを収容するスタンド50の位置情報Sβmとなる。当該ステップH25を経ることで、無料貸借によるマイ傘本体10mの位置情報の変化に追従することが可能になり、もって、マイ傘本体10mの位置を、管理サーバ200を通じて常時かつ適正に管理することができるようになる。
なお、無料の借入プロセスPGにおけるステップG19においてとられた、無料借入予約情報Rβ10に含まれるマイ傘本体10mの貸出禁止措置は解除される(ステップH26)。
〔傘シェアリングシステム1の効果〕
上記構成の傘シェアリングシステム1によれば、以下のような効果が見込める。すなわち、持ち手120を利用者Uが保持していれば、携帯端末110を操作するだけの行為で、必要な時に速やかに傘(傘本体10)を借入れ、不要となった時にこれを直ちに返却することができる。また、携帯端末110と管理サーバ200との間の通信が及ぶ広い範囲で傘シェアリングシステムを利用することができる。さらに、新たな傘本体10の登録を随時行うことができる(事後的に追加できる)ことから、一般大衆に開かれた傘シェアリングシステムを提供することができる。加えて、不特定多数の者との間でシェアリングする用途の他に、プライベート的な用途、例えば、自分専用の使用用途や特定の知人との間での貸し借りの用途といったように、様々な用途に対応することができる。ここで、自分専用の使用用途とした場合の利点として、傘の保管管理・運搬(朝は雨がふっていたが、その後晴れて傘が不要になり、持って帰る面倒を省くために置いておくという使い方)の手間を省くことができるといった点や紛失防止といった点が挙げられる。
また、傘本体10と持ち手120とが連結しなければ傘として使用できず、かつ当該連結が管理サーバ200からの指示情報(例えば、機構作動指示情報Rβ3)によってのみ行われるように構成されていることから、傘本体10の不正借入を効果的に抑制することができる。また、傘本体10のみでは傘として使用できないことから、スタンド50に収容された傘本体10の盗難行為を心理的に抑制することもできる。
さらに、上記構成に加え、傘本体10と持ち手120との電気的接続、利用者が携帯する持ち手120と携帯端末110との間の近距離通信および携帯端末110と管理サーバ200との間の通信といった3つの情報伝達経路が直列的につながるように構成されたことで、傘本体10を収容するスタンド50は、特別な装置(通信用の装置や管理・保管用の装置)を必要としない。すなわち、スタンド50は、傘本体10を収容する筒状等の保持エリアを構造的に備えるだけで足り、電気的に作動する装置を一切必要としない。このため、電源のない場所にもスタンド50を配設することができる。したがって、傘本体10の貸出及び返却の拠点となるスポットPを設ける際の制限が大幅に低減され、また、スタンド50の設置に要するコストも低く抑えることができる。この結果、設備投資を低く抑えながら、広範囲に及ぶネットワーク状の傘シェアリングシステムを容易に構築することができる。
また、傘本体10の所有者に対し、貸し出された頻度と時間に応じた賃料が支払われることから、不特定多数の者に、傘シェアリングシステム1を用いたシェアリング事業に参加する動機を与える。これにより、傘本体10の利用者でありながら傘本体10の所有者でもあるといった、いわゆるCtoC型の傘シェアリングシステムを構築することが可能になる。
さらに、上記構成の傘シェアリングシステム1に用いられる持ち手120は、外部装置に電力を供給することのできるモバイルバッテリーとしても活用することができる。これにより、持ち手120を常に携帯することを利用者に促し、また、傘を頻繁に使用しない者に対しても、持ち手120を購入させる動機を与えることになる。この結果、傘シェアリングシステム1を用いた傘シェアリング事業の参加者を増やすことができる。
また、モバイルバッテリーを利用者が保持する持ち手120に含めることで、傘シェアリングシステム1の運用に必要な電源の管理(もし、傘本体10側にモバイルバッテリーがある場合、または傘本体10と持ち手120がもとから一体である傘の場合は、バッテリーの電力残量を、運営者側で検知し、必要に応じて電力の補充をする業務が必要となる。)を利用者にゆだねることが可能となり、この点でも、本傘シェアリングシステムの実施において運営者側の運営コストを低減する利点がある。
さらに、持ち手120は、利用者Uがそれぞれ所持することになる。このため、傘本体10を傘として利用可能な状態で借入れる際に、他人の手が触れた持ち手に触れることはなく、衛生面でも優れる。
以上、本発明に係る最良の実施の形態の1つである傘シェアリングシステム1について説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、明細書および図面に直接記載のない構成であっても、本発明の作用・効果を奏する以上、本発明の技術的思想の範囲内である。さらに、上記記載および各図で示した実施の形態は、その目的および構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることも可能である。
〔変形例〕
例えば、傘本体10と連結して傘として機能させる持ち手120を、他の形態の部品としてもよい。この例として、傘を開閉させる機構部を含む部品を傘本体10と一体となって中棒10aや持ち手部分に着脱可能となるように構成することが挙げられる。
また、利用者Uの利用者端末100の識別情報を、携帯端末110のユーザ識別情報IDU(より具体的には、携帯端末110のユーザID記憶部114が記憶するユーザ識別情報IDU)ではなく、持ち手120が有するシリアルナンバー等としてもよい。
また、傘本体10と持ち手120との連結機構および傘本体10の傘開閉機構部12を作動させる駆動部122を、持ち手120の側でなく、傘本体10の側に設けてもよい。
さらに、傘本体10に施錠機構を設け、スタンド50に収容された状態から傘本体10を引き抜くことができないように構成してもよい。また、当該施錠機構を持ち手120との連結機構および傘開閉機構と連動するように構成してもよい。また、この施錠機構は、持ち手120または傘本体10が備える駆動部によって作動するよう構成してもよい。施錠機構を備えることで、スタンド50に収容された傘本体10を物理的に持ち出すことができなくなるため、盗難防止に大きな効果を発揮する。
また、傘本体10および/または持ち手120に傘の診断機能を設けてもよい。当該機能を設けることで、貸し出される傘本体10の寿命を、管理サーバ200を通じて管理することができ、これによって、利用者に不利益を与えることのないお客様満足度の高い傘シェアリング事業の運営を実現することができる。
さらに、上記診断機能を用いて、利用者の使用態様を、管理サーバ200を通じて管理するように構成してもよい。例えば、傘本体が貸出された直後と返却された直後とで診断機能を作動させ、当該2つの診断結果から利用に伴う損傷の有無を判断する。また、この判断結果を各利用者の利用履歴として記憶し、各利用者ごとに個別の賃料を設定するように構成してもよいし、各利用者が利用中に傘が損傷した場合、正直に申し出るかどうかを判断し、これを各利用者の信用評価に結びつけてもよい。