JP2021088456A - ベルトコンベアおよびベルトコンベアシステム - Google Patents
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Abstract
Description
この種のベルトコンベアシステムでは、例えば、ベルトコンベアの摩耗に伴って、ベルトコンベアの全体を取り換える取り換え工事や、ベルトコンベアを部分的に取り替える中入れ工事を実施することがある。これらの工事の際、ベルトコンベアのうちのエンドレス部を切断することが多い。ベルトコンベアの切断には、重機(例えばレッカー車やベルト巻取機など)が必要になる。この種の重機の設置には、スペースが必要となる。よって、エンドレス部を、重機を設置することができる所定の位置に停止させる必要がある。そのため、現状では、稼働中のベルトコンベアを停止させるときにエンドレス部を作業者が目視にて監視して、ベルトコンベア停止時におけるエンドレス部の位置を把握している。
まず、作業者がエンドレス部を確実に目視できるように、ベルトコンベアを覆っているカバーを、取り換え工事や中入れ工事に必要な範囲よりも広く外す必要がある。そのため、カバーを外すための作業に必要以上の時間がかかる。
また、目視の場合にはエンドレス部の見逃しや間違いも多い。従来、カラースプレーを用いてエンドレス部をマーキングする場合もある。しかしながら、この場合、マーキングが摩耗して色がかすんでしまうことがある。また、ベルトコンベアシステムが高速稼働する場合やエンドレス部が複数個所ある場合には、対象とするエンドレス部を見つけ難い。
よって、目視の場合には、ベルトコンベアの再起動や再停止による作業時間がかかる。さらには、目視に一定の熟練が必要となる。
本発明に係るベルトコンベアは、エンドレス部が形成された無端帯状のベルト本体と、前記ベルト本体に設けられたRFタグと、を備える。
RFタグが、ベルト本体に設けられている。したがって、例えば、RFタグとエンドレス部との位置関係を予め把握している場合、エンドレス部に代えてRFタグを検出してRFタグの位置を把握することで、そのRFタグに対応するエンドレス部の位置も把握することができる。
ここでRFタグは、リーダによって検出することができる。そのため、稼働中のベルトコンベアにおけるRFタグの位置を把握するために、RFタグを作業者が目視する必要がない。
以上から、ベルトコンベア停止時において作業者がRFタグをリーダによって検出することで、そのRFタグに対応するエンドレス部の位置を、作業者が目視することなく把握することができる。よって、ベルトコンベア停止時におけるエンドレス部の位置を容易に把握することができる。
またこのように、エンドレス部の位置を、作業者が目視することなく把握することで、例えば、ベルトコンベアがカバーによって覆われている場合であっても、カバーの取り外しを最小限に留めることができる。さらに例えば、エンドレス部の見逃しや間違いも防ぐことができる。また、目視の場合に比べて作業者に熟練が必要とされることがない。
また、RFタグをリーダによって検出する場合、例えば、バーコードをリーダによって検出する場合などに比べて、多少の劣悪な環境下においても検出を実現することができる。例えば、ベルトコンベアが一般的に適用される屋外環境、粉塵環境、振動環境、散水環境においても、RFタグを精度よく検出することができる。
さらに、RFタグをリーダによって検出する場合、例えば、光センサーや磁気センサー、画像処理センサーなどの専用のセンサーを採用する場合に比べて、低コスト化を図ることができる。
RFタグが、ベルト本体の表面に固定されている。すなわち、ベルト本体に埋め込まれているのではなく、ベルト本体の表面において、ベルト本体から露出した状態で、ベルト本体に固定されている。したがって、リーダによってRFタグを、ベルトコンベアの外部から精度よく検出することができる。また、RFタグをベルト本体の表面に接着する場合、RFタグをベルト本体に後付けすることができ、ベルト本体と一体に成形する必要がない。そのため、例えば、RFタグがエンドレス部における接続作業に影響を与えることない。
RFタグが、エンドレス部上に配置されている。したがって、RFタグを検出して位置を把握したときに、エンドレス部の位置をより容易に把握することができる。
RFタグに、RFタグから最も近くに位置するエンドレス部についての情報が記憶されている。よって、RFタグを用いてエンドレス部の情報を管理することができる。これにより、例えば、RFタグを検出したときに、RFタグの最も近くに位置するエンドレス部が、施工対象とすべきエンドレス部であるか否かについて、現場で(オンラインで)判断すること等ができる。この場合、エンドレス部の選び間違いを防止することができる。
RFタグに、ベルトコンベアについての情報が記憶されている。よって、RFタグを用いてベルトコンベアの情報を管理することができる。これにより、例えば、RFタグを検出したときに、ベルトコンベアが、施工対象とすべきベルトコンベアであるか否かについて、現場で(オンラインで)判断すること等ができる。この場合、ベルトコンベアの選び間違いを防止することができる。
RFタグの対応周波数がUHF帯である。UHF帯よりも低いHF帯(例えば13.56MHz)の交信距離が、50cm程度であるのに対して、UHF帯の交信距離は、例えば7m程度である。言い換えると、UHF帯の交信距離は、ある程度の長距離の交信ができる距離である。
しかも、UHF帯の指向性は、マイクロ波帯(例えば2.35GHz)の指向性に比べると広く、かつ、長波帯(例えば135kHz未満)の指向性に比べると狭い。言い換えると、UHF帯の指向性は、中程度であり、適度な指向性であると言える。
よって、RFタグの対応周波数が、UHF帯であることで、ベルトコンベアにおけるRFタグの概ねの位置を、ある程度の離れた距離から一定の精度で検出することができる。これにより、RFタグの検出作業を容易に実施することができる。
RFタグの弾性率が、ベルト本体の弾性率以下である。よって、ベルト本体の変形に追従して、RFタグを柔軟に変形させることができる。これにより、例えば、ベルトコンベアがプーリーに掛け回されて大きく曲がる場所などにおいても、RFタグを柔軟に変形させることができる。
リーダがRFタグを検出することで、前述した作用効果が確実に奏功される。
リーダが可搬式である。よって、リーダを特定の位置に据え付けておく必要がない。その結果、RFタグの検出作業の自由度を高めることができる。さらには、リーダの低コスト化を図ることもできる。
ここで、リーダによってRFタグを検出する場合、目視によりエンドレス部を検出する必要がなくなる。その結果、カバーを取り外す必要がある範囲を狭めることができる。よって、エンドレス部に代えてRFタグを検出することにより得られる作用効果が顕著に奏功される。
図1から図3に示すように、ベルトコンベアシステム10は、複数のプーリー11と、複数のプーリー11に掛け回されるベルトコンベア12と、ベルトコンベア12を覆うカバー13と、を備えている。ベルトコンベアシステム10は、例えば鉄鉱石などの物品Mを搬送する。図1に示すように、ベルトコンベアシステム10は、物品Mを第1の位置P1から第2の位置P2に搬送する。第1の位置P1と第2の位置P2とは、水平方向にずらされている。
テールプーリー11aは、第1の位置P1に配置されている。ヘッドプーリー11bは、第2の位置P2に配置されている。ヘッドプーリー11bには、モータ14が接続されている。モータ14は、ヘッドプーリー11bに駆動力を伝達する。言い換えると、ヘッドプーリー11bは駆動プーリーである。さらには、テールプーリー11aは従動プーリーである。テールプーリー11aとヘッドプーリー11bとは、鉛直方向にずらされている。図示の例では、ヘッドプーリー11bがテールプーリー11aよりも上方に位置している。
リターン部分12bは、リターンローラー16によって支持される。リターンローラー16は、リターン部分12bの走行方向に間隔をあけて複数配置されている。リターンローラー16がリターン部分12bを支持することで、リターン部分12bは、リターン部分12bを走行方向に見る断面視において直線状をなす。
図2に示すように、カバー13には、覗き窓17が設けられている。覗き窓17は、作業者がカバー13の外側からベルトコンベア12を視認するための窓である。図示の例では、覗き窓17には蓋17aが設けられている。覗き窓17は、例えば、作業者が蓋17aを手によってつかんで引き上げることで開閉することができる。
図2および図3に示すように、ベルトコンベア12は、ベルト本体21と、RFタグ22と、を備えている。
ベルト本体21は、無端帯状である。ベルト本体21は、有端帯状のベルト片の端部同士が接続されることで形成される。ここで、ベルト片の端部同士を接続するとき形成される継ぎ目を、エンドレス部23という。言い換えると、ベルト本体21には、エンドレス部23が形成されている。エンドレス部23は、1つであってもよく、複数あってもよく。すなわち、ベルト本体21が、1本のベルト片の両端が接続されることで形成されてもよい。さらには、ベルト本体21が、複数本のベルト片の端部同士が接続されることで形成されてもよい。
ベルト本体21は、主にゴムによって形成されている。ただしベルト本体21は、ゴムの内部に埋め込まれた補強材を備えていてもよい。補強材としては、例えば、ベルト本体21の長手方向Lに延びるスチールコード等が挙げられる。
RFタグ22は、ベルト本体21の幅方向Wに複数(例えば5枚〜10枚)配置されている。本実施形態では、図3に示すように、複数のRFタグ22が、同一直線S上に配置されている。なお図示の例では、複数のRFタグ22が、幅方向Wに平行な同一直線S上に配置されている。しかしながら、複数のRFタグ22が、幅方向Wに傾斜する同一直線S上に配置されていてもよい。
なおRFタグ22には、例えば、株式会社サトー製の「SOFT MOLD TAG」(登録商標)等を採用することができる。
(1)ベルトコンベア12に生じる摩耗やベルトコンベア12が受ける外的衝撃の影響。
(2)ベルトコンベア12の蛇行により生じる応力の影響。
(2)ベルトコンベア12の端面の切断(いわゆる耳きれ)の発生による影響。
なお前記(1)における摩耗や外的衝撃は、ベルトコンベア12が搬送する物品Mや、各種プーリー11、各種ローラー15、16、図示しないスクレーパー等を起因として生じる。
図4に示すように、ベルトコンベアシステム10は、RFタグ22を検出するリーダ19を更に備えている。リーダ19とは、固定式又は可搬式のデータ取得及び識別のための装置であり、無線周波数電磁界を使用して、交信領域内にある1個又はグループのRFタグ22を励起し、RFタグ22から変調データをもたらす装置である。リーダ19は、RFタグ22と交信可能である。本実施形態では、リーダ19は、UHF帯のICチップ22aと交信可能である。
なおリーダ19には、例えば、株式会社デンソーウェーブ製の「BHT−1281QULWB−CE」等を採用することができる。
上記ベルトコンベアシステム10におけるエンドレス部23の検出方法を以下に説明する。
まず、作業者は覗き窓17(蓋17a)を開ける。その後、作業者は、リーダ19を覗き窓17からカバー13の内部に向ける。このとき作業者は、リーダ19を、ベルトコンベア12のうち、覗き窓17に正対する部分に向ける。または作業者は、リーダ19を、ベルトコンベア12のうち、覗き窓17よりも走行方向の上流側に位置する部分に向ける。
作業者は、リーダ19を起動してRFタグ22の検出を試みる。
リーダ19がRFタグ22を検出したとき、作業者はベルトコンベアシステム10の運転を速やかに停止する。このとき、検出と運転停止との間にタイムラグが生じ、RFタグ22が走行方向の下流側に僅かに移動する。
ここでRFタグ22は、リーダ19によって検出することができる。そのため、稼働中のベルトコンベア12におけるRFタグ22の位置を把握するために、RFタグ22を作業者が目視する必要がない。
またこのように、エンドレス部23の位置を、作業者が目視することなく把握することで、例えば、ベルトコンベア12がカバー13によって覆われている場合であっても、カバー13の取り外しを最小限に留めることができる。さらに例えば、エンドレス部23の見逃しや間違いも防ぐことができる。また、目視の場合に比べて作業者に熟練が必要とされることがない。
さらに、RFタグ22をリーダ19によって検出する場合、例えば、光センサーや磁気センサー、画像処理センサーなどの専用のセンサーを採用する場合に比べて、低コスト化を図ることができる。
RFタグ22の少なくとも一部が、エンドレス部23から前記長手方向Lに沿って1m以内の範囲にある。したがって、RFタグ22を検出して位置を把握したときに、エンドレス部23の位置を容易に把握することができる。もっともRFタグ22が前記範囲になくても、前述したように、RFタグ22とエンドレス部23との位置関係を予め把握している場合には、RFタグ22を検出して位置を把握したときに、エンドレス部23の位置を把握することができる。
RFタグ22が、エンドレス部23上に配置されている。したがって、RFタグ22を検出して位置を把握したときに、エンドレス部23の位置をより容易に把握することができる。
しかも、UHF帯の指向性は、マイクロ波帯(例えば2.35GHz)の指向性に比べると広く、かつ、長波帯(例えば135kHz未満)の指向性に比べると狭い。言い換えると、UHF帯の指向性は、中程度であり、適度な指向性であると言える。
よって、RFタグ22の対応周波数が、UHF帯であることで、ベルトコンベア12におけるRFタグ22の概ねの位置を、ある程度の離れた距離から一定の精度で検出することができる。これにより、RFタグ22の検出作業を容易に実施することができる。
ここで、リーダ19によってRFタグ22を検出する場合、目視によりエンドレス部23を検出する必要がなくなる。その結果、カバー13を取り外す必要がある範囲を狭めることができる。よって、エンドレス部23に代えてRFタグ22を検出することにより得られる作用効果が顕著に奏功される。
リーダ19がハンディリーダでなくてもよい。リーダ19が固定式であってもよい。
RFタグ22の弾性率が、ベルト本体21の弾性率よりも高くてもよい。
RFタグ22の対応周波数が、UHF帯でなくてもよい。
RFタグ22に、ベルトコンベア12についての情報やエンドレス部23についての情報が記憶されていなくてもよい。
RFタグ22が、エンドレス部23上に配置されていなくてもよい。RFタグ22の少なくとも一部が、エンドレス部23から、ベルト本体21の長手方向Lに沿って1m以内の範囲になくてもよい。
RFタグ22が、ベルト本体21の幅方向Wに複数配置されていなくてもよい。RFタグ22が、幅方向Wに1つだけ配置されていてもよい。
RFタグ22が、ベルト本体21の表面21aに固定されていなくてもよい。RFタグ22が、ベルト本体21の裏面(ベルト本体21の内周面)に固定されていてもよい。RFタグ22が、ベルト本体21に埋め込まれていてもよい。
12 ベルトコンベア
13 カバー
17 覗き窓
19 リーダ
21 ベルト本体
21a 表面
22 RFタグ
23 エンドレス部
W 幅方向
Claims (13)
- エンドレス部が形成された無端帯状のベルト本体と、
前記ベルト本体に設けられたRFタグと、を備えるベルトコンベア。 - 前記RFタグは、前記ベルト本体の表面に固定されている請求項1に記載のベルトコンベア。
- 前記RFタグは、前記ベルト本体の幅方向に複数配置されている請求項1または2に記載のベルトコンベア。
- 前記RFタグの少なくとも一部は、前記エンドレス部から、前記ベルト本体の長手方向に沿って1m以内の範囲にある請求項1から3のいずれか1項に記載のベルトコンベア。
- 前記RFタグは、前記エンドレス部上に配置されている請求項4に記載のベルトコンベア。
- 前記RFタグには、前記RFタグから最も近くに位置する前記エンドレス部についての情報が記憶されている請求項1から5のいずれか1項に記載のベルトコンベア。
- 前記RFタグには、前記ベルトコンベアについての情報が記憶されている請求項1から6のいずれか1項に記載のベルトコンベア。
- 前記RFタグの対応周波数は、UHF帯である請求項1から7のいずれか1項に記載のベルトコンベア。
- 前記RFタグの弾性率は、前記ベルト本体の弾性率以下である請求項1から8のいずれか1項に記載のベルトコンベア。
- 請求項1から9のいずれか1項に記載のベルトコンベアと、
前記RFタグを検出するリーダと、を備えているベルトコンベアシステム。 - 前記リーダは、可搬式である請求項10に記載のベルトコンベアシステム。
- 前記ベルトコンベアを覆うカバーを更に備える請求項10または11に記載のベルトコンベアシステム。
- 前記カバーに、作業者が前記カバーの外側から前記ベルトコンベアを視認するための覗き窓が設けられている請求項12に記載のベルトコンベアシステム。
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