JP2021085813A - 流量測定器 - Google Patents

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Abstract

【課題】恒温槽内に配置できる小型のビルドアップ用チャンバを備え、ビルドアップ時の断熱圧縮による温度上昇を短時間で安定させることができる流量測定器を提供すること。【解決手段】流量制御装置20が制御した流体の流量を測定する流量測定器2であって、流量制御装置20の下流側に設けられた第1バルブV1と、第1バルブV1の下流側に設けられた圧カセンサP、温度センサT及び両センサの下流側に設けられた第2バルブV2と、第1バルブV1及び第2バルブV2の開閉動作を制御する制御部3とを備え、第1バルブV1と第2バルブV2との間を螺旋状に旋回した配管(旋回配管タンク10)で接続するようにしている。【選択図】 図3

Description

本発明は、半導体製造設備、薬品製造装置又は化学プラント等に用いるガス供給装置に使用される流量制御装置の流量を測定する流量測定器に関する。
半導体製造設備又は化学プラント等においては、ガスを精度よく供給することが要求される。ガス流量の制御装置として、マスフローコントローラ(熱式質量流量制御装置)や圧力式流量制御装置が用いられている。
これらの流量制御装置において、流量は高精度で管理する必要があり、随時、流量精度の確認や校正を行うことが好ましい。流量測定の方法として、一般的にビルドアップ法による流量測定が用いられている。ビルドアップ法は、既知容量内(ビルドアップ容量)に流れ込む単位時間当たりの圧力を検出することによって流量を測定する方法である。
ビルドアップ法は、流量制御装置の下流に設けられた一定容積(V)の配管内又はタンク内にガスを流し、そのときの圧力上昇率(ΔP/Δt)と温度(T)とを測定することで、気体定数をRとしたとき、例えば、Q=22.4×(ΔP/Δt)×V/RTから流量Qを求めるようにしている。
特許文献1には、ビルドアップ法を用いた流量測定の一例が開示されたガス供給装置が記載され、特許文献2には、ビルドアップ法を用いた流量制御装置の校正方法に関する流量計算方法が開示されている。
特開平8−338546号公報 特開2000−322130号公報
従来のビルドアップ法に使用する流量測定器は、流量制御装置と連結され流量制御装置の流体の流れを開閉する第1バルブと、第1バルブの下流側で流体の圧力を測定する圧力検出器と、圧力検出器の下流で真空ポンプと連結される開閉弁である第2バルブと、第1バルブと圧力検出器との間に配設される第3バルブとから構成されている。そして、一定のビルドアップ容量の配管やタンクをチャンバとし、このチャンバ内にガスを送って圧力を検出する。ここで、ビルドアップに必要なチャンバの容量として少なくとも数100cc程度必要となる。チャンバは、第1バルブと第3バルブの間に配備する必要があるが、流量測定器の出荷前の検査、特に、容積補正検査の際には流量測定器を含め温度を一定にする必要があり恒温槽内に配置される。恒温槽内では配管を延伸するスペースはないため通常タンクを用いる。
ここでビルドアップ時の昇圧による断熱圧縮によって温度変化が顕著となる。しかし、チャンバとしてタンクを用いた場合、タンク内表面と流体との接触面積が少ないために温度を安定させるには時間を要し、測定時間が長くなり、測定結果の再現性も良好な結果を得ることが困難であった。
本発明は、係る点に鑑み、恒温槽内に配置できる小型のビルドアップ用チャンバを備え、ビルドアップ時の断熱圧縮による温度上昇を少なくするとともに、上昇した温度を短時間で安定させることができる流量測定器を提供すること目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の実施形態に係る流量測定器は、
流量制御装置が制御した流体の流量を測定する流量測定器であって、流量制御装置の下流側に設けられた第1バルブと、第1バルブの下流側に設けられた圧カセンサ、温度センサ及び両センサの下流側に設けられた第2バルブと、第1バルブ及び第2バルブの開閉動作を制御する制御部とを備え、第1バルブと第2バルブとの間を螺旋状に旋回した配管で接続するようにしている。
上記の流量測定器によれば、ビルドアップ用のチャンバとして機能する第1バルブと第2バルブとの間の配管を螺旋状配管とすることで、流量測定の際の容積補正に必要な十分な容積を確保するとともに、配管内表面積が大きくなりビルドアップ時の温度変化を抑制する。
また、この場合において、螺旋状の配管を、前記第1バルブと第2バルブとの間に複数本並列に配設することができる。
さらに、これらの場合、流量制御装置及び第1バルブの下流側で、かつ、圧カセンサ及び温度センサの上流側に更に第3バルブを配置することができる。これにより、モル数変化と分圧によるモル数補正を可能とし、ビルドアップ法による計算結果の精度を向上させる。
本発明の流量測定器によれば、設置スペースが狭い場合でも、ビルドアップのチャンバに必要となる十分な容積を確保し、断熱圧縮による温度変化を減少させることができるとともに、短時間で安定化させることができ、測定結果の安定性を向上させることができる。また、圧力上昇に伴う断熱圧縮だけでなく、ポンプによって真空引きをおこなう際の断熱膨張による温度低下も少なくし、低下した温度を短時間で安定化することもできる。
本発明の実施の形態に係る流量測定器を使った流量制御システムを示し、(a)は流量制御システムの概略構成を、(b)は、測定方法に関するタイミングチャートである。 複数の流量制御装置を用いた流量制御システムの概略構成を示す。 本発明の実施の形態に係る流量制御装置に用いる旋回配管タンクを示す斜視図である。 同旋回配管タンクの正面図である。 本発明の実施の形態に係る流量測定器が測定する流量制御装置の一実施例を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
<実施形態1>
本実施形態1は、本発明に係る流量測定器である。この流量測定器2は、図1に示すように、流量制御装置20の下流側に設けられた第1バルブV1と、この第1バルブV1の下流側に設けられた圧カセンサP(図例、圧力センサは圧力センサPa及びPbの2基配設しているが総称して圧力センサPという)、温度センサT及び圧カセンサP、温度センサTの下流側に設けられた第2バルブV2と、第1バルブV1及び第2バルブV2の開閉動作を制御する制御部3とを備えている。また、本実施例においては、第1バルブV1の下流側で、かつ、圧カセンサP及び温度センサTの上流側に更に第3バルブV3を配置するようにしており、モル数変化と分圧によるモル数補正により、ビルドアップ法による計算結果の精度を向上させるようにしている。そして、ビルドアップ法により、流体を蓄えるチャンバ部分、特に第1バルブV1と第3バルブV3との間(以下、第1チャンバと記すことがある。)の配管に螺旋状の配管を介在させるようにしている。なお、第3バルブV3と第2バルブV2との間は、流量測定器の本体部の流路(以下、第2チャンバと記すことがある。)でビルドアップ法の計算式において第1チャンバと合わせて容積の一部を形成する。以下、第1チャンバと第2チャンバとを合わせて、単にチャンバと記すことがある。
流量測定器2の制御部3は、圧カセンサP及び温度センサTの計測値を記録する記録部31と、圧力センサPの計測値に応じた第1バルブV1から第2バルブV2までの容積を記憶する記憶部32と、第1バルブV1と第2バルブV2とを開放してガスを流し、ガスが流れている状態で第1バルブV1と第2バルブV2とを同時に閉鎖し、その後に計測した第1圧力値P1及び第1温度値T1、第1バルブV1と第2バルブV2とを開放してガスを流し、ガスが流れている状態で第2バルブV2を閉鎖し、その後、所定時間Δtが経過後、第1バルブV1を閉鎖した後に計測した第2圧力値P2及び第2温度値T2、並びに第2圧力値P2に応じた第1バルブV1から第2バルブV2までのチャンバの容積値Vに基づいて流量を演算する演算部33とを備えている。なお、圧力センサPa及び圧力センサPbは、一方が高圧用、他方が低圧用として機能する他、同レンジの圧力計を取り付け、ダブルチェック用に使用するように構成しても構わない。また、圧力センサの数は2基以上、または1基であっても構わない。
なお、本出願人によるPCT/JP2018/4325には、上記のように第1バルブV1と第2バルブV2とを同時に閉鎖した後の第1圧力値P1と、第2バルブV2を閉鎖した後に所定時間Δt経過後に第1バルブを閉鎖した後の第2圧力値P2とに基づいて、流量を演算する方法が開示されている。この方法によれば、バルブを同時閉鎖したときの封止時におけるガスの物質量(モル数)を第1圧力値P1から求めることができ、これを従来のビルドアップ法における流れ込んだガスの物質量から差し引くことによって、計測流量のライン依存性の低減を図ることができる。
流量制御装置20の上流側にはガス供給源4が接続されている。図1(a)に示すように、本実施形態の流量測定システム1は、流量測定器2を検査する工程を模式的に表わしている。流量測定器2は、恒温槽内に配備し、ガス供給源4からのガスを、流量制御装置20を介して制御された流量で流し、流量測定器2の性能をチェックするようにしている。また、図2に示すように、通常の設備に配設する場合は、複数のガス供給源4からのガスを、それぞれのガス供給源4に対して設けられた流量制御装置20を介して制御された流量で半導体製造装置等のプロセスチャンバ5か流量測定器2に供給するように、開放弁V4と開放弁V5の開閉によって変更するように構成することもできる。この場合、それぞれの流量制御装置20が制御する流体の流量は同一流量であっても構わないが、それぞれの流量制御装置20が、例えば、1sccm〜2000sccmの範囲又はそれ以上の範囲の流量を制御するように構成されていても構わない。通常の設備に配設する場合の詳しい運用方法は後述する。
本出願人が以前に採用していた態様におけるビルドアップ法での計算式である、Q=22.4×((P2−P1)/(760×R・Δt)×V/T(以下、ビルドアップ一般式という)においては、容積Vは一定で計算するようにしている。この容積Vは、例えば流量測定器2の出荷検査において行う容量補正では数100ccの容積(例えば、400cc)が必要となる。使用する配管は、一般配管用ステンレス鋼管が用いられ、通常、呼径6Aや8Aのものが使われている。
従来、第1バルブV1と第2バルブV2との間に、例えば400ccのタンクを配備し、ビルドアップを開始し、例えば100Toorまで昇圧したとき断熱圧縮により温度が急激に上昇し、温度が安定するまで長時間を要していた。これは、タンク内の流体とタンク内面の接触面積が小さく熱伝達が少ないためで、これに対し、呼径8Aの配管を螺旋状に旋回し、ビルドアップ用タンク(以下、旋回配管タンク10という)することで従来のタンクと同等の容積を確保することができるとともに、ビルドアップによる温度上昇から恒温槽の雰囲気温度まで低下させる時間が短時間となり、測定時間の短縮と測定結果の安定性を向上させることができる。
旋回配管タンク10は、上述した呼径6Aや8Aの一般配管用ステンレス鋼管を所定回数旋回したもので、本実施形態においては、図3に示すように、呼び系6Aの配管を巻数20とした旋回配管11を3基並列に繋げている。旋回配管11の巻数及び並列に備える数は必要なチャンバ容量に合わせて適宜変更することができる。
旋回配管タンク10は、旋回配管11の一端と継手12を介し、接続配管13によって第1バルブV1と接続され、旋回配管11の他端も同様に継手12を介し、接続配管13によって第3バルブV3と接続される。
旋回配管11は、密着した状態で配管を旋回させても構わないが、本実施形態では、放熱効率を考慮し、図4に示すように、旋回する配管同士に間隔sだけの所定隙間を設けるようにしている。この隙間の間隔sは、例えば0.1乃至1mm程度の隙間であればよい。
流量制御システム1は、上述したように複数のガス供給源4が接続可能となっているガス供給ラインL1と、ガス供給ラインL1に介在する流量制御装置20と、各流量制御装置20の下流側に設置された第1バルブV1と、ガス供給ラインL1の下流側の共通ガス供給ラインL2とを備えている。図2に示す本実施形態の流量制御システム1に用いられる流量測定装置2は、プロセスチャンバ5へと通じる共通ガス供給ラインL2からは分岐して配置されているが、ガス供給源4からプロセスチャンバ5に通じるガス流路の途中に介在するように配置しても構わない。そして、図2に示す流量制御システム1においてプロセスチャンバ5に流体を供給するときは、流量測定装置2に分岐する流路に設けられた開閉弁V4を閉鎖、プロセスチャンバ5に通じる流路に設けられた開閉弁V5を開放し、対象となる何れか1つの第1バルブV1を開放する。ただし、図2に示すように流量測定装置2が温度センサT及び圧カセンサPの上流側に第3バルブV3を有している場合、第3バルブV3を開閉弁V4の代わりに用いて、開閉弁V4を省略することもできる。なお、プロセスチャンバ5に流体を供給するとき、プロセスチャンバ5に接続された真空ポンプ6を用いてチャンバ内および第1バルブV1の下流側の流路内を減圧することができる。
流量制御装置20は、特に限定するものではないが、本実施形態においては、周知の圧力式流量制御装置を使用する。この圧力式流量制御装置20は、図5微細開口(オリフィス)を有する絞り部21(例えばオリフィスプレート)と、絞り部21の上流側に設けられたコントロール弁24と、絞り部21とコントロール弁24との間に設けられた圧力センサ22及び温度センサ23とを備えている。絞り部21としては、オリフィス部材の他に臨界ノズルまたは音速ノズルを用いることもできる。オリフィスまたはノズルの口径は、例えば20μm〜500μmに設定される。コントロール弁24は、バルブ24a及びバルブ24の駆動部24b(例えばピエゾアクチュエータ)とから構成されている。
圧力センサ22及び温度センサ23は、ADコンバータを介して制御回路25に接続されている。制御回路25は、コントロールバルブ24の駆動部24bにも接続されており、圧力センサ22及び温度センサ23の出力などに基づいて制御信号を生成し、この制御信号によってコントロールバルブ24の動作を制御する。本実施形態では、制御回路25は、1つの圧力式流量制御装置20に設けられているが、他の態様において、複数の圧力式流量制御装置20に対して共通の制御回路25を外部に設けるように構成しても構わない。
圧力式流量制御装置20では、臨界膨張条件P/P≧約2(ただし、P:絞り部21の上流側のガス圧力(上流圧力)、P:絞り部21の下流側のガス圧力(下流圧力)であり、約2は窒素ガスの場合である。)を満たすとき、絞り部を通過するガスの流速は音速に固定され、流量は下流圧力Pによらず上流圧力Pによって決まるという原理を利用して流量制御が行われる。臨界膨張条件を満たすとき、絞り部下流側の流量Qは、Q=K・P(Kは流体の種類と流体温度に依存する定数)によって与えられ、流量Qは上流圧力Pに比例する。また、下流圧力センサを備える場合、上流圧力Pと下流圧力Pとの差が小さく、臨界膨張条件を満足しない場合であっても流量を算出することができ、各圧力センサによって測定された上流圧力Pおよび下流圧力Pに基づいて、所定の計算式Q=K・P (P−P(ここでKは流体の種類と流体温度に依存する定数、m、nは実際の流量を元に導出される指数)から流量Qを算出することができる。
流量制御を行うために、設定流量が制御回路に入力され、制御回路は、圧力センサの出力(上流圧力P)などに基づいて、上記のQ=K・P又はQ=K・P (P−Pから流量を演算により求め、この流量が入力された設定流量に近づくようにコントロールバルブをフィードバック制御する。演算により求められた流量は、流量出力値として外部のモニタに表示するようにしてもよい。
次に図1に基づいて、本実施形態の流量制御システム1の運転方法を説明する、流量測定または流量制御装置20の校正を行うとき、まず第1バルブV1を開放する。これによって、第1バルブV1と第2バルブV2との間の旋回配管タンク10を備えた流路を基準容量(ビルドアップ容量)Vとして用いて、ビルドアップ法によって流量測定を行う。そして、ビルドアップ法による流量測定結果に基づいて流量制御装置20を校正するようにしている。なお、本実施形態では、流量測定器2に設けられた第3バルブV3(圧力センサ上流側のバルブ)は、少なくともビルドアップ法による流量測定中は、開放状態に維持される。
上記の第1バルブV1、第2バルブV2、第3バルブV3としては、開閉弁(遮断弁)が好適に用いられるが、開度調整可能な弁を用いてもよい。第1バルブV1、第2バルブV2、第3バルブV3、開放弁V4、開放弁V5としては、例えば、AOV(Air Operated ValVe)などの流体動作弁や、電磁弁または電動弁などの電気的動作弁を用いることができる。第1バルブV1は、流量制御装置20に内蔵された開閉弁であってもよい。
流量制御装置20は、流量制御システム1に組み込んだ後に流量制御特性が変化したり、また、長年の使用によって絞り部の形状が変化して上流圧力と流量との関係性が変化する場合がある。これに対して、本実施形態の流量制御システム1では、図2に示すように構成することで、流量測定装置2を用いてビルドアップ法により流量制御システム1に組み込んだ後にも任意のタイミングで流量を精度よく測定できるので、流量制御装置20の精度を保証することができる。
本実施形態の流量測定器2による流量測定方法を詳細に説明する。上述したように、流量測定器2は、流量制御装置20の下流側に設けられた第1バルブV1と、この第1バルブV1の下流側に設けられた圧カセンサP、温度センサT及び圧カセンサPと温度センサTの下流側に設けられた第2バルブV2と、第1バルブV1及び第2バルブV2の開閉を制御する制御部3とを含んでいる。そして、流量測定の第1ステップとして、第1バルブV1と第2バルブV2とを開放してガスを流し、ガスが流れている状態で第1バルブV1及び第2バルブV2を時刻t1のタイミングで同時に閉鎖し、その後圧力及び温度を測定(圧力値P1、温度値T1)する。次に、第2ステップとして、時刻t2のタイミングで第1バルブV1と第2バルブV2とを開放してガスを流し、ガスが流れている状態から時刻t3のタイミングで第2バルブV2を閉鎖し、その後、所定時間Δtが経過後した時刻t4のタイミングで第1バルブV1を閉鎖し、その後の圧力及び温度を測定(圧力値P2、温度値T2)する。そして、第3ステップとして、第1ステップで測定した圧力値P1、温度値T1、第2ステップで測定した圧力値P2、温度値T2並びに第2ステップで測定した圧力値P2に応じて変動するビルドアップ容積Vとに基づいて流量を演算するようにしている。つまり、制御部3の演算部33では、図1(b)に示すタイムチャートの封止1及び封止2の状態で計測される圧力値P1、P2、温度値T1、T2と、記憶部32に記憶されている圧力値P2に応じた第1バルブV1から第2バルブV2までの旋回配管タンク10を含む容積Vの値とに基づいて演算部33が流量Qを演算する。演算した流量Qは表示装置34に表示される。流量Qは、例えば、Q=22.4×V×(P2/T2−P1/T1)/(760×R・Δt)によって求められ、ここで、Vは圧力値P2に応じて決定されるビルドアップ容量、Rは気体定数、Δtは第2ステップにおいて第2バルブV2を閉じてから第1バルブV1を閉じるまでの所定時間(ビルドアップ時間)である。なお、上記式は、圧力値P1、P2が単位Torrで与えられたときの式に対応する。
記憶部32に記憶される第1バルブV1から第2バルブV2までの容積の値は、ガス供給ラインによって異なるが、容積内の圧力に対して強い線形関係を有している。記憶部32にはこの関係式(典型的には近似的な一次関数の式)が記憶され、計測した圧力値P2に応じて一意に容積の値が決定する。また、本発明者らの実験によると、この値は温度によっても多少の変化があることが分かった。圧力変化に比べて小さい影響ではあるが、より精度の高い流量計算が必要な場合には、圧力値P2のみならず温度値T2を加味した容積値を使用することができる。この場合、計測した温度値T2と最も近い温度のグラフを利用する他、例えば、基準温度(例えば、30℃)における容積値(圧力値P2から求めた値)に対し、予め記憶部32に記憶させておいた基準温度と計測温度との差に基づく修正係数を用いて容積値を修正するように構成することもできる。また、上記には圧力値P2と容積値Vとの関係式を記憶しておく態様を説明したが、これに限られず、複数の圧力値P2と対応する容積値Vとの関係を記載したテーブルを記憶部32に記憶しておき、このテーブルを用いて容積値Vを決定するようにしてもよい。
本発明の流量測定器2を使った流量測定は、旋回配管タンク10を用いたことで装置全体のコンパクト化を実現し、機器据え付けの際に行う他、定期検査、使用時間に応じた検査、その他、使用流体を変更する際等に種々のタイミングで行われ、流量制御装置20の精度を維持することができる。
また、上記には、第1バルブV1と第2バルブV2とを同時に閉じた後の圧力P1および温度T1を測定する工程(第1ステップ)の後に、ビルドアップ後のガスの圧力P2および温度T2を測定する工程(第2ステップ)の行う態様を説明したが、これに限られない。第1ステップと第2ステップとを行う順番は逆であってもよい。ただし、第1ステップと第2ステップとで、開始時の設定流量に対応する圧力は、同じであることが好適である。順序を問わず第1ステップと第2ステップとを行った後であれば、圧力P1、P2と、温度T1、T2と、さらに、圧力P2に基づいて決定される容積値Vとを用いて流量を算出する工程(第3ステップ)を行うことができる。
以上説明したように、本発明の流量測定器は、ビルドアップ用のタンクとして配管を旋回させた旋回配管タンクを利用するようにしたことから、流量測定器の出荷前検査の恒温槽に配設する用途に好適に用いることができる他、複数の流量制御装置を組み込んだ通常の設備に組み込んで、適宜流量制御装置の流量測定を行う用途に好適に用いることができる。
1 流量制御システム
10 旋回配管タンク
2 流量測定器
20 流量制御装置
21 絞り部
22 圧力センサ
23 温度センサ
24 コントロール弁
25 制御回路
3 制御部

Claims (3)

  1. 流量制御装置が制御した流体の流量を測定する流量測定器であって、
    前記流量制御装置の下流側に設けられた第1バルブと、
    該第1バルブの下流側に設けられた圧カセンサ、温度センサ及び両センサの下流側に設けられた第2バルブと、
    前記第1バルブ及び第2バルブの開閉動作を制御する制御部とを備え、
    前記第1バルブと第2バルブとの間に螺旋状に旋回した配管を介在させるようにした流量測定器。
  2. 前記螺旋状の配管を、前記第1バルブと第2バルブとの間に複数本並列に配設するようにした請求項1に記載の流量測定器。
  3. 前記流量制御装置及び第1バルブの下流側で、かつ、圧カセンサ及び温度センサの上流側に更に第3バルブを配置した請求項1又は請求項2に記載の流量測定器。
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