JP2021084934A - 低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法、粉末 - Google Patents
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Abstract
【課題】PFOAの含有量が低く、かつ、溶媒への分散性に優れた低分子量PTFEを製造できる、低分子量PTFEの製造方法を提供。【解決手段】ポリテトラフルオロエチレンに放射線を照射して、低分子量ポリテトラフルオロエチレンを得る工程1と、工程1の後に、低分子量ポリテトラフルオロエチレンに熱処理を施す工程2と、を有し、放射線の照射線量が、20〜100kGyである、低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法、および、粉末に関する。
分子量が数千から数十万の低分子量ポリテトラフルオロエチレン(「ポリテトラフルオロエチレンワックス」や「ポリテトラフルオロエチレンマイクロパウダー」とも呼ばれる。以下、単に「低分子量PTFE」ともいう。)は、化学的安定性に優れ、表面エネルギーが極めて低いことに加え、フィブリル化が生じにくい。そのため、滑り性や塗膜表面の質感を向上させる添加剤として、プラスチックス、インク、化粧品、塗料、グリース等の製造に用いられている。
低分子量PTFEの製造方法としては、特許文献1には、放射線を照射する方法が開示されている。特許文献1では、放射線の照射により副生するパーフルオロオクタン酸またはその塩(以下、単に「PFOA」ともいう。)を除去するために、低分子量PTFEに対して熱処理を施す旨が開示されている。
低分子量PTFEの製造方法としては、特許文献1には、放射線を照射する方法が開示されている。特許文献1では、放射線の照射により副生するパーフルオロオクタン酸またはその塩(以下、単に「PFOA」ともいう。)を除去するために、低分子量PTFEに対して熱処理を施す旨が開示されている。
一方で、近年、環境保全の点から、材料中におけるPFOAのより一層の低減が求められている。
また、低分子量PTFEに関しては、溶媒への分散性にも優れることが求められている。
本発明者らは、特許文献1で具体的に開示されている条件(放射線の照射線量:150kGy、熱処理条件:100℃/30分)にて低分子量PTFEを作製して、その特性を評価したところ、副生するPFOAの含有量が昨今の要求レベルを満たしておらず、更なる改良が必要であることを知見した。
また、低分子量PTFEに関しては、溶媒への分散性にも優れることが求められている。
本発明者らは、特許文献1で具体的に開示されている条件(放射線の照射線量:150kGy、熱処理条件:100℃/30分)にて低分子量PTFEを作製して、その特性を評価したところ、副生するPFOAの含有量が昨今の要求レベルを満たしておらず、更なる改良が必要であることを知見した。
本発明は、PFOAの含有量が低く、かつ、溶媒への分散性に優れた低分子量PTFEを製造できる、低分子量PTFEの製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、低分子量PTFEを含む粉末を提供することも課題とする。
また、本発明は、低分子量PTFEを含む粉末を提供することも課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
(1) ポリテトラフルオロエチレンに放射線を照射して、低分子量ポリテトラフルオロエチレンを得る工程1と、
工程1の後に、低分子量ポリテトラフルオロエチレンに熱処理を施す工程2と、を有し、
放射線の照射線量が、20〜100kGyである、低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法。
(2) 工程1と工程2との間、および、工程2の後、の少なくとも一方において、
さらに、低分子量ポリテトラフルオロエチレンを粉砕する工程3を有する、(1)に記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法。
(3) 熱処理の温度が、50〜200℃である、(1)または(2)に記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法。
(4) 低分子量ポリテトラフルオロエチレンを含む粉末であって、
低分子量ポリテトラフルオロエチレンは分子鎖末端に主鎖炭素数106個あたり5個超30個未満のカルボキシル基を有し、
パーフルオロオクタン酸またはその塩の含有量が25質量ppb未満である、粉末。
工程1の後に、低分子量ポリテトラフルオロエチレンに熱処理を施す工程2と、を有し、
放射線の照射線量が、20〜100kGyである、低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法。
(2) 工程1と工程2との間、および、工程2の後、の少なくとも一方において、
さらに、低分子量ポリテトラフルオロエチレンを粉砕する工程3を有する、(1)に記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法。
(3) 熱処理の温度が、50〜200℃である、(1)または(2)に記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法。
(4) 低分子量ポリテトラフルオロエチレンを含む粉末であって、
低分子量ポリテトラフルオロエチレンは分子鎖末端に主鎖炭素数106個あたり5個超30個未満のカルボキシル基を有し、
パーフルオロオクタン酸またはその塩の含有量が25質量ppb未満である、粉末。
本発明によれば、PFOAの含有量が低く、かつ、溶媒への分散性に優れた低分子量PTFEを製造できる、低分子量PTFEの製造方法を提供できる。
また、本発明によれば、低分子量PTFEを含む粉末を提供できる。
また、本発明によれば、低分子量PTFEを含む粉末を提供できる。
本発明における用語の意味は以下の通りである。
「単位」とは、単量体が重合して直接形成された、単量体1分子に由来する原子団の総称である。
「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
「単位」とは、単量体が重合して直接形成された、単量体1分子に由来する原子団の総称である。
「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の低分子量PTFEの製造方法の特徴点としては、放射線の照射線量が20〜100kGyである点が挙げられる。放射線の照射線量が20kGy未満の場合、PTFEの低分子化が十分に進行せず、放射線を照射されたPTFEの溶媒への分散性に劣る。また、放射線を照射線量が100kGy超の場合、副生するPFOAの含有量が多くなり、好ましくない。また、副生するPFOAの含有量を減らすために、熱処理の温度を高くすると、低分子量PTFE同士が融着し、溶媒への分散性が劣る。
本発明の低分子量PTFEの製造方法は、以下の2つ工程を少なくとも有する。
工程1:PTFEに放射線を照射して、低分子量PTFEを得る工程
工程2:工程1の後に、低分子量PTFEに熱処理を施す工程
以下、各工程について詳述する。
工程1:PTFEに放射線を照射して、低分子量PTFEを得る工程
工程2:工程1の後に、低分子量PTFEに熱処理を施す工程
以下、各工程について詳述する。
(工程1)
工程1は、PTFEに放射線を照射して、低分子量PTFEを得る工程である。本工程を実施することにより、原料であるPTFEがより低分子化され、低分子量PTFEが得られる。
以下では、まず、原料であるPTFEについて詳述し、その後、工程の手順について詳述する。
工程1は、PTFEに放射線を照射して、低分子量PTFEを得る工程である。本工程を実施することにより、原料であるPTFEがより低分子化され、低分子量PTFEが得られる。
以下では、まず、原料であるPTFEについて詳述し、その後、工程の手順について詳述する。
PTFEは、テトラフルオロエチレン(以下、単に「TFE」ともいう。)単位のみからなるホモPTFEであってもよいし、TFE単位およびTFEと共重合可能な変性モノマーに基づく変性モノマー単位を含む変性PTFEであってもよい。
変性PTFEにおいて、変性モノマー単位の含有量は、変性PTFEの全単位に対して、0.001〜1質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましく、0.01〜0.1質量%がさらに好ましい。
変性モノマー単位とは、変性PTFEの分子構造の一部分であって変性モノマーに由来する部分を意味し、変性PTFEの全単位とは、変性PTFEの分子構造における全ての単量体に由来する部分を意味する。
上記変性モノマー単位の含有量は、フーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)等の公知の方法により求めることができる。
変性PTFEにおいて、変性モノマー単位の含有量は、変性PTFEの全単位に対して、0.001〜1質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましく、0.01〜0.1質量%がさらに好ましい。
変性モノマー単位とは、変性PTFEの分子構造の一部分であって変性モノマーに由来する部分を意味し、変性PTFEの全単位とは、変性PTFEの分子構造における全ての単量体に由来する部分を意味する。
上記変性モノマー単位の含有量は、フーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)等の公知の方法により求めることができる。
変性モノマーとしては、TFEと共重合が可能なモノマーであればよく、例えば、ヘキサフルオロプロピレン等のパーフルオロオレフィン;クロロトリフルオロエチレン等のクロロフルオロオレフィン;トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン等の水素含有フルオロオレフィン;パーフルオロビニルエーテル;パーフルオロアルキルエチレン;エチレンが挙げられる。
用いる変性モノマーは1種であってもよいし、複数種であってもよい。
用いる変性モノマーは1種であってもよいし、複数種であってもよい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては、例えば、式(1)で表されるパーフルオロ不飽和化合物が挙げられる。
式(1) CF2=CF−ORf
式中、Rfは、パーフルオロ有機基を表す。
なお、上記「パーフルオロ有機基」とは、炭素原子に結合する水素原子が全てフッ素原子に置換されてなる有機基を意味する。上記パーフルオロ有機基は、エーテル酸素を有していてもよい。
式(1) CF2=CF−ORf
式中、Rfは、パーフルオロ有機基を表す。
なお、上記「パーフルオロ有機基」とは、炭素原子に結合する水素原子が全てフッ素原子に置換されてなる有機基を意味する。上記パーフルオロ有機基は、エーテル酸素を有していてもよい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては、式(1)において、Rfが炭素数1〜10(好ましくは、1〜5)のパーフルオロアルキル基を表すものであるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)が挙げられる。
上記パーフルオロアルキル基としては、例えば、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基が挙げられる。
なかでも、パーフルオロアルキル基がパーフルオロプロピル基であるパープルオロ(プロピルビニルエーテル)が好ましい。
上記パーフルオロアルキル基としては、例えば、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基が挙げられる。
なかでも、パーフルオロアルキル基がパーフルオロプロピル基であるパープルオロ(プロピルビニルエーテル)が好ましい。
また、パーフルオロビニルエーテルとしては、さらに、式(1)において、Rfが炭素数4〜9のパーフルオロ(アルコキシアルキル)基である化合物、Rfが式(2)で表される基である化合物、Rfが式(3)で表される基である化合物が挙げられる。
式中、mは、0〜4の整数を表す。
式中、nは1〜4の整数を表す。
パーフルオロアルキルエチレンとしては、例えば、(パーフルオロブチル)エチレン(PFBE)、(パーフルオロヘキシル)エチレン、(パーフルオロオクチル)エチレンが挙げられる。
使用されるPTFEは、PTFEの粉末であってもよいし、PTFEの成形品であってもよいし、PTFEの成形品を切削加工した場合に生じる切削屑であってもよい。
PTFEの標準比重(SSG)は、2.130〜2.230であることが好ましい。上記標準比重(SSG)はASTM D 4895に準拠し、測定した値である。
次に、工程1の手順について詳述する。
放射線としては、電離性放射線であればよく、例えば、電子線、紫外線、ガンマ線、X線、中性子線、高エネルギーイオンが挙げられ、電子線またはガンマ線が好ましい。
放射線の照射線量としては、20〜100kGyであり、30〜100kGyが好ましく、50〜75kGyがより好ましい。
放射線としては、電離性放射線であればよく、例えば、電子線、紫外線、ガンマ線、X線、中性子線、高エネルギーイオンが挙げられ、電子線またはガンマ線が好ましい。
放射線の照射線量としては、20〜100kGyであり、30〜100kGyが好ましく、50〜75kGyがより好ましい。
放射線の照射温度としては、5℃以上、PTFEの融点以下が好ましい。なかでも、上限としては、320℃以下がより好ましく、300℃以下がさらに好ましく、260℃以下が特に好ましい。経済的には、常温で照射することが好ましい。
上記放射線の照射は、いかなる雰囲気中で実施してもよく、空気中、不活性ガス中、真空中が挙げられる。低コストで実施できる点からは、空気中での照射が好ましく、PFOAを生成させにくい点からは、実質的に酸素不存在下での照射が好ましい。
(工程2)
工程2は、工程1の後に、低分子量PTFEに熱処理を施す工程である。本工程を実施することにより、工程1の際に副生するPFOAを除去できる。
熱処理の温度としては、50℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、90℃以上がさらに好ましく、100℃以上が特に好ましい。また、300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましく、200℃以下がさらに好ましい。
熱処理の温度が上記範囲内である場合、PFOAの除去がより進行しやすく、かつ、工程1で得られた低分子量PTFE同士の融着をより抑制でき、溶媒への分散性により優れた低分子量PTFEが得られやすい。
工程2は、工程1の後に、低分子量PTFEに熱処理を施す工程である。本工程を実施することにより、工程1の際に副生するPFOAを除去できる。
熱処理の温度としては、50℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、90℃以上がさらに好ましく、100℃以上が特に好ましい。また、300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましく、200℃以下がさらに好ましい。
熱処理の温度が上記範囲内である場合、PFOAの除去がより進行しやすく、かつ、工程1で得られた低分子量PTFE同士の融着をより抑制でき、溶媒への分散性により優れた低分子量PTFEが得られやすい。
熱処理の時間としては、10秒以上が好ましく、5分以上がより好ましく、10分以上がさらに好ましい。また、5時間以下が好ましく、4時間以下がより好ましく、3時間以下がさらに好ましい。
熱処理の時間が上記範囲内である場合、PFOAの除去がより進行しやすく、かつ、工程1で得られた低分子量PTFE同士の融着を抑制でき、溶媒への分散性により優れた低分子量PTFEが得られやすい。
熱処理の時間が上記範囲内である場合、PFOAの除去がより進行しやすく、かつ、工程1で得られた低分子量PTFE同士の融着を抑制でき、溶媒への分散性により優れた低分子量PTFEが得られやすい。
熱処理の際には、箱形乾燥器、バンド乾燥器、トンネル乾燥器、噴出流乾燥器、移動層乾燥器、回転乾燥器、流動層乾燥器、気流乾燥器、箱型乾燥器、円盤乾燥器、円筒型撹拌乾燥器、逆円錐型撹拌乾燥器、マイクロウェーブ装置、真空熱処理装置、箱型電気炉、熱風循環装置、フラッシュ乾燥機、振動乾燥器、ベルト乾燥器、押出乾燥器、スプレードライヤー等の熱処理装置を用いてもよい。
熱処理は、いかなる雰囲気中で実施してもよいが、安全面、経済面の点から、空気中で実施することが好ましい。
熱処理は工程1で得られた低分子量PTFEを加熱炉内に設置して、加熱炉内を所望の温度まで上昇させた後、所望の時間放置することにより行うことができる。
(その他工程)
本発明の製造方法は、工程1と工程2との間、および、工程2の後の少なくとも一方において、さらに、低分子量PTFEを粉砕する工程3を有することが好ましい。つまり、本発明の製造方法は、工程1と工程2との間にのみ工程3を有していてもよいし、工程2の後のみに工程3を有していてもよいし、工程1と工程2との間および工程2の後の両方に工程3を有していてもよい。
本発明の製造方法は、工程1と工程2との間、および、工程2の後の少なくとも一方において、さらに、低分子量PTFEを粉砕する工程3を有することが好ましい。つまり、本発明の製造方法は、工程1と工程2との間にのみ工程3を有していてもよいし、工程2の後のみに工程3を有していてもよいし、工程1と工程2との間および工程2の後の両方に工程3を有していてもよい。
粉砕の方法としては、例えば、粉砕機で粉砕する方法が挙げられる。
粉砕機としては、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミル等の衝撃式や、回転刃と外周ステーターが凹凸による剪断力で粉砕するカッターミル等の摩砕式がある。
粉砕機としては、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミル等の衝撃式や、回転刃と外周ステーターが凹凸による剪断力で粉砕するカッターミル等の摩砕式がある。
粉砕温度は、−200℃以上50℃未満が好ましい。
冷凍粉砕では通常−200〜−100℃であるが、室温付近の温度(10〜30℃)で粉砕してもよい。
なかでも、粉砕コストを抑えることができる点で、10℃以上50℃未満で粉砕することがより好ましく、10〜40℃で粉砕することがさらに好ましく、10〜30℃で粉砕することが特に好ましい。
冷凍粉砕では通常−200〜−100℃であるが、室温付近の温度(10〜30℃)で粉砕してもよい。
なかでも、粉砕コストを抑えることができる点で、10℃以上50℃未満で粉砕することがより好ましく、10〜40℃で粉砕することがさらに好ましく、10〜30℃で粉砕することが特に好ましい。
粉砕の後、必要に応じて、気流分級を実施してもよい。
気流分級においては、粉砕物が減圧空気により円柱状の分級室に送られ、室内の旋回気流により分散され、遠心力によって粉砕物が分級される。分級室内には、粉砕物と空気が均一に旋回運動を行うために円錐状のコーン、ローター等の回転体が設置されている。
分級コーンを使用する場合には、分級点の調節は二次エアーの風量と分級コーン間の隙間を調節することにより行う。ローターを使用する場合には、ローターの回転数により分級室内の風量を調節する。
気流分級においては、粉砕物が減圧空気により円柱状の分級室に送られ、室内の旋回気流により分散され、遠心力によって粉砕物が分級される。分級室内には、粉砕物と空気が均一に旋回運動を行うために円錐状のコーン、ローター等の回転体が設置されている。
分級コーンを使用する場合には、分級点の調節は二次エアーの風量と分級コーン間の隙間を調節することにより行う。ローターを使用する場合には、ローターの回転数により分級室内の風量を調節する。
また、気流分級の後、必要に応じて、分級により粗粒子を除去してもよい。
粗粒子の除去方法としては、例えば、気流分級、メッシュによる振動篩、メッシュによる超音波篩が挙げられ、気流分級が好ましい。
粗粒子の除去方法としては、例えば、気流分級、メッシュによる振動篩、メッシュによる超音波篩が挙げられ、気流分級が好ましい。
(低分子量PTFE)
本発明の製造方法により得られる低分子量PTFEは、380℃における溶融粘度が1×102〜7×105Pa・sであることが好ましい。
上記溶融粘度は、ASTM D 1238に準拠し、フローテスター(島津製作所社製)および2φ−8Lのダイを用い、予め380℃で5分間加熱しておいた2gの試料を0.7MPaの荷重にて上記温度に保って測定した値である。
本発明の製造方法により得られる低分子量PTFEは、380℃における溶融粘度が1×102〜7×105Pa・sであることが好ましい。
上記溶融粘度は、ASTM D 1238に準拠し、フローテスター(島津製作所社製)および2φ−8Lのダイを用い、予め380℃で5分間加熱しておいた2gの試料を0.7MPaの荷重にて上記温度に保って測定した値である。
低分子量PTFEの融点は、324〜336℃であることが好ましい。
上記融点は、示差走査熱量計を用い、事前に標準サンプルとして、インジウム、鉛を用いて温度校正した上で、低分子量PTFE約3mgをアルミ製パン(クリンプ容器)に入れ、200ml/分のエアー気流下で、250〜380℃の温度領域を10℃/分で昇温させて行い、上記領域における融解熱量の極小点を融点とする。
上記融点は、示差走査熱量計を用い、事前に標準サンプルとして、インジウム、鉛を用いて温度校正した上で、低分子量PTFE約3mgをアルミ製パン(クリンプ容器)に入れ、200ml/分のエアー気流下で、250〜380℃の温度領域を10℃/分で昇温させて行い、上記領域における融解熱量の極小点を融点とする。
本発明の製造方法により得られる低分子量PTFEは、PFOAをほとんど含まない。
本発明の製造方法により得られる低分子量PTFEにおける、PFOAの含有量は25質量ppb未満が好ましく、15質量ppb以下がより好ましく、5質量ppb以下がさらに好ましく、5質量ppb未満が特に好ましい。下限は特に限定されず、検出限界未満の量であってよい。
上記PFOAの含有量は、低分子量PTFEにメタノールを加え、60℃にて120分間の超音波処理を行い、PFOAを抽出した後、抽出されたPFOAを液体クロマトグラフィーにより測定できる。
本発明の製造方法により得られる低分子量PTFEにおける、PFOAの含有量は25質量ppb未満が好ましく、15質量ppb以下がより好ましく、5質量ppb以下がさらに好ましく、5質量ppb未満が特に好ましい。下限は特に限定されず、検出限界未満の量であってよい。
上記PFOAの含有量は、低分子量PTFEにメタノールを加え、60℃にて120分間の超音波処理を行い、PFOAを抽出した後、抽出されたPFOAを液体クロマトグラフィーにより測定できる。
低分子量PTFEは、分子鎖末端に主鎖炭素数106個あたり5個超30個未満のカルボキシル基を有していることが好ましい。
本発明の製造方法により得られる低分子量PTFEの形状は、粉末であることが好ましい。つまり、低分子量PTFEを含む粉末(以下、単に「低分子量PTFE粉末」ともいう。)が得られることが好ましい。
低分子量PTFEが粉末である場合、平均粒子径は1.0μm以上が好ましい。また、200μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。
平均粒子径は、分散溶媒にイソプロピルアルコールを使用し、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920)を用いて測定を行い、粒度分布積算の中位径(粒度分布積算の50%に対応する粒子径)を平均粒子径とする。
低分子量PTFEが粉末である場合、平均粒子径は1.0μm以上が好ましい。また、200μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。
平均粒子径は、分散溶媒にイソプロピルアルコールを使用し、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920)を用いて測定を行い、粒度分布積算の中位径(粒度分布積算の50%に対応する粒子径)を平均粒子径とする。
上記低分子量PTFEの分子鎖末端には、PTFEの重合反応において使用された重合開始剤または連鎖移動剤の化学構造に由来する不安定末端基が生じていてもよい。
不安定末端基としては、例えば、−CH2OH、−COOH、−COOCH3が挙げられる。
不安定末端基としては、例えば、−CH2OH、−COOH、−COOCH3が挙げられる。
低分子量PTFEには、不安定末端基の安定化を行ってもよい。不安定末端基の安定化の方法としては、例えば、フッ素含有ガスに曝露することにより末端をトリフルオロメチル基に変化させる方法が挙げられる。
低分子量PTFEには、末端アミド化を行ってもよい。上記末端アミド化の方法としては、例えば、特開平4−020507号公報に開示されているように、フッ素含有ガスに曝露する等して得られたフルオロカルボニル基をアンモニアガスと接触させる方法が挙げられる。
上述の不安定末端基の安定化または末端アミド化が行われた低分子量PTFEは、塗料、グリース、化粧品、メッキ液、トナー、プラスチックス等の相手材への添加剤として用いる場合に、相手材となじみやすく、分散性を向上させることができる。
(粉末)
本発明は、低分子量PTFEを含む粉末であって、低分子量PTFEは分子鎖末端に主鎖炭素数106個あたり5個超30個未満のカルボキシル基を有しており、PFOAの含有量が25質量ppb未満である、粉末でもある。
本発明は、低分子量PTFEを含む粉末であって、低分子量PTFEは分子鎖末端に主鎖炭素数106個あたり5個超30個未満のカルボキシル基を有しており、PFOAの含有量が25質量ppb未満である、粉末でもある。
本発明の粉末は、PFOAの含有量が25質量ppb未満であり、15質量ppb以下が好ましく、5質量ppb以下がより好ましく、5質量ppb未満がさらに好ましい。下限は特に限定されず、検出限界未満の量であってよい。
上記PFOAの含有量は、本発明の粉末にメタノールを加え、60℃にて120分間の超音波処理を行い、PFOAを抽出した後、抽出されたPFOAを液体クロマトグラフィーにより測定できる。
上記PFOAの含有量は、本発明の粉末にメタノールを加え、60℃にて120分間の超音波処理を行い、PFOAを抽出した後、抽出されたPFOAを液体クロマトグラフィーにより測定できる。
本発明の粉末に含まれる低分子量PTFEは、分子鎖末端に主鎖炭素数106個あたり5個超30個未満のカルボキシル基を有している。
本発明の粉の比表面積は0.5〜20m2/gが好ましい。上記比表面積は、7.0m2/g以上がより好ましい。
比表面積は、表面分析計(商品名:BELSORP−miniII、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用い、キャリアガスとして窒素30%、ヘリウム70%の混合ガスを用い、冷却に液体窒素を用いて、BET法により測定する。
比表面積は、表面分析計(商品名:BELSORP−miniII、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用い、キャリアガスとして窒素30%、ヘリウム70%の混合ガスを用い、冷却に液体窒素を用いて、BET法により測定する。
本発明の粉末の平均粒子径は、1.0μm以上が好ましい。また、粉末の平均粒子径は、200μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。
平均粒子径は、分散溶媒にイソプロピルアルコールを使用し、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920)を用いて測定を行い、粒度分布積算の中位径(粒度分布積算の50%に対応する粒子径)を平均粒子径とする。
平均粒子径は、分散溶媒にイソプロピルアルコールを使用し、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920)を用いて測定を行い、粒度分布積算の中位径(粒度分布積算の50%に対応する粒子径)を平均粒子径とする。
本発明の粉末に含まれる低分子量PTFEの組成、および、溶融粘度については、本発明の製造方法により得られる低分子量PTFEについて述べたのと同様である。
また、本発明の粉末に含まれる低分子量PTFEは、分子鎖末端に不安定末端基を有してもよい。また、本発明の粉末に含まれる低分子量PTFEには、不安定末端基の安定化を行ってもよく、末端アミド化を行ってもよく、末端フッ素化を行ってもよい。これらの態様についても、本発明の製造方法により得られる低分子量PTFEについて述べたのと同様である。
本発明の粉末は、例えば、上述した本発明の製造方法により、粉末形状の低分子量PTFEを製造することによって得ることができる。
また、本発明の粉末に含まれる低分子量PTFEは、分子鎖末端に不安定末端基を有してもよい。また、本発明の粉末に含まれる低分子量PTFEには、不安定末端基の安定化を行ってもよく、末端アミド化を行ってもよく、末端フッ素化を行ってもよい。これらの態様についても、本発明の製造方法により得られる低分子量PTFEについて述べたのと同様である。
本発明の粉末は、例えば、上述した本発明の製造方法により、粉末形状の低分子量PTFEを製造することによって得ることができる。
(用途)
上記低分子量PTFEおよび上記粉末は、例えば、成形材料、インク、化粧品、塗料、グリース、オフィスオートメーション機器用部材、トナーを改質する添加剤、めっき液への添加剤として好適に使用できる。
上記成形材料としては、例えば、ポリオキシベンゾイルポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド等のエンジニアリングプラスチックが挙げられる。
上記低分子量PTFEは、特に、グリース用粘稠剤として好適である。
上記低分子量PTFEおよび上記粉末は、例えば、成形材料、インク、化粧品、塗料、グリース、オフィスオートメーション機器用部材、トナーを改質する添加剤、めっき液への添加剤として好適に使用できる。
上記成形材料としては、例えば、ポリオキシベンゾイルポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド等のエンジニアリングプラスチックが挙げられる。
上記低分子量PTFEは、特に、グリース用粘稠剤として好適である。
上記低分子量PTFEおよび上記粉末は、成形材料の添加剤として、例えば、コピーロールの非粘着性・摺動特性の向上、家具の表層シート、自動車のダッシュボード、家電製品のカバー等のエンジニアリングプラスチック成形品の質感を向上させる用途、軽荷重軸受、歯車、カム、プッシュホンのボタン、映写機、カメラ部品、摺動材等の機械的摩擦を生じる機械部品の滑り性や耐摩耗性を向上させる用途に用いることができる。
上記低分子量PTFEおよび上記粉末は、塗料の添加剤として、ニスやペンキの滑り性向上の目的に用いることができる。上記低分子量PTFEおよび上記粉末は、化粧品の添加剤として、ファンデーション等の化粧品の滑り性向上等の目的に用いることができる。
上記低分子量PTFEおよび上記粉末は、さらに、ワックス等の撥油性または撥水性を向上させる用途や、グリースやトナーの滑り性を向上させる用途にも好適である。
上記低分子量PTFEおよび上記粉末は、二次電池や燃料電池の電極バインダー、電極バインダーの硬度調整剤、電極表面の撥水処理剤としても使用できる。
上記低分子量PTFEまたは上記粉末と潤滑油とを使用してグリースを調製することもできる。上記グリースは、上記低分子量PTFEまたは上記粉末と潤滑油とを含むことを特徴とすることから、潤滑油中に上記低分子量PTFEまたは上記粉末が均一かつ安定に分散しており、耐荷重性、電気絶縁性、低吸湿性等の特性に優れている。
上記潤滑油(基油)は、鉱物油であっても、合成油であってもよい。上記潤滑油(基油)としては、例えば、パラフィン系やナフテン系の鉱物油、合成炭化水素油、エステル油、フッ素オイル、シリコーンオイルのような合成油等が挙げられる。耐熱性の点からは、フッ素オイルが好ましい。フッ素オイルとしては、例えば、パーフルオロポリエーテルオイル、三フッ化塩化エチレンの低重合物が挙げられる。三フッ化塩化エチレンの低重合物は、重量平均分子量が500〜1200であってよい。
上記グリースは、さらに、増稠剤を含むものであってもよい。上記増稠剤としては、例えば、金属石けん、複合金属石けん、ベントナイト、フタロシアニン、シリカゲル、ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ウレタン化合物、イミド化合物が挙げられる。上記金属石けんとしては、例えば、ナトリウム石けん、カルシウム石けん、アルミニウム石けん、リチウム石けんが挙げられる。また上記ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物およびウレタン化合物としては、例えば、ジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物、その他のポリウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ジウレタン化合物またはこれらの混合物が挙げられる。
上記グリースは、上記低分子量PTFEまたは上記粉末を0.1〜50質量%含むことが好ましく、0.5〜30質量%含むことがより好ましい。
上記グリースは、例えば、固体潤滑剤、極圧剤、酸化防止剤、油性剤、さび止め剤、粘度指数向上剤、清浄分散剤を含むこともできる。
以下に、後述する例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、後述する例1、5、7、9〜14は比較例に該当し、例2〜4、6、8、15〜16は実施例に該当する。
各種測定方法および評価方法は下記のとおりである。
(平均粒子径)
分散溶媒にイソプロピルアルコールを使用し、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920)を用いて測定を行い、粒度分布積算の中位径(粒度分布積算の50%に対応する粒子径)を平均粒子径とした。
(平均粒子径)
分散溶媒にイソプロピルアルコールを使用し、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920)を用いて測定を行い、粒度分布積算の中位径(粒度分布積算の50%に対応する粒子径)を平均粒子径とした。
(末端カルボキシル基数)
特開平4−020507号公報に記載の末端基の分析方法に準拠し、以下の測定を行った。
測定サンプル(低分子量PTFE)をハンドプレスにて予備成形し、およそ0.1mm厚みのフィルムを作製した。作製したフィルムについて赤外吸収スペクトル分析した。低分子量PTFEにフッ素ガスを接触させて作製した、末端を完全フッ素化した低分子量PTFEの赤外吸収スペクトル分析も行い、両者の差スペクトルから次式により末端カルボキシル基の個数を算出した。
末端カルボキシル基の個数(炭素数106個あたり)=(I×K)/t
I:吸光度
K:補正係数
t:フィルムの厚み(mm)
カルボキシル基の吸収周波数は3560cm−1、補正係数は440とする。
特開平4−020507号公報に記載の末端基の分析方法に準拠し、以下の測定を行った。
測定サンプル(低分子量PTFE)をハンドプレスにて予備成形し、およそ0.1mm厚みのフィルムを作製した。作製したフィルムについて赤外吸収スペクトル分析した。低分子量PTFEにフッ素ガスを接触させて作製した、末端を完全フッ素化した低分子量PTFEの赤外吸収スペクトル分析も行い、両者の差スペクトルから次式により末端カルボキシル基の個数を算出した。
末端カルボキシル基の個数(炭素数106個あたり)=(I×K)/t
I:吸光度
K:補正係数
t:フィルムの厚み(mm)
カルボキシル基の吸収周波数は3560cm−1、補正係数は440とする。
(PFOAの含有量)
測定サンプル(低分子量PTFE)2gにメタノール5mlを加え、60℃にて120分間の超音波処理を行い、PFOAを抽出した。得られた液相について、英国規格(BSI) CEN/TS 15968(2010)に準拠し、液体クロマトグラフ質量分析計(Agilent社、1260HPLC/6460MS)を用い、PFOAの含有量の測定を行った。この測定における検出限界は5質量ppbである。
測定サンプル(低分子量PTFE)2gにメタノール5mlを加え、60℃にて120分間の超音波処理を行い、PFOAを抽出した。得られた液相について、英国規格(BSI) CEN/TS 15968(2010)に準拠し、液体クロマトグラフ質量分析計(Agilent社、1260HPLC/6460MS)を用い、PFOAの含有量の測定を行った。この測定における検出限界は5質量ppbである。
(分散性)
内容積100mLのスクリュー型ガラス瓶に測定サンプル(低分子量PTFE)2g、分散媒体としてイソプロピルアルコール80gを加えて、20℃で10分間振とう後、5分間静置した。その後、容器底部に蓄積したPTFEの分散状態を目視で確認し、以下の基準により評価した。
◎:分散媒体中に綺麗に分散し、目視で確認できるダマ、0.1mm以上のブツ等が全く観測されない。
○:分散媒体中に綺麗に分散し、目視で確認できる0.1mm以上のブツが僅かに観測される。
△:分散媒体中に目視で確認できる0.1mm以上のブツが少し観測される。
×:分散媒体中に目視で確認できる0.1mm以上のブツが容器底面一面に観測される。
内容積100mLのスクリュー型ガラス瓶に測定サンプル(低分子量PTFE)2g、分散媒体としてイソプロピルアルコール80gを加えて、20℃で10分間振とう後、5分間静置した。その後、容器底部に蓄積したPTFEの分散状態を目視で確認し、以下の基準により評価した。
◎:分散媒体中に綺麗に分散し、目視で確認できるダマ、0.1mm以上のブツ等が全く観測されない。
○:分散媒体中に綺麗に分散し、目視で確認できる0.1mm以上のブツが僅かに観測される。
△:分散媒体中に目視で確認できる0.1mm以上のブツが少し観測される。
×:分散媒体中に目視で確認できる0.1mm以上のブツが容器底面一面に観測される。
(例1)
原料PTFEとして、PTFEモールディングパウダーG163(平均粒子径25μm)(AGC社製)を用いた。
室温下、空気中において、原料PTFEに対して、コバルト−60γ線を100kGy照射し、低分子量PTFE粉末Aを得た。その後、低分子量PTFE粉末Aを粉砕機(セイシン企業社製、SKジェット・オー・ミル0202型)で粉砕し、平均粒子径が12μmの低分子量PTFE粉末Bを得た。
原料PTFEとして、PTFEモールディングパウダーG163(平均粒子径25μm)(AGC社製)を用いた。
室温下、空気中において、原料PTFEに対して、コバルト−60γ線を100kGy照射し、低分子量PTFE粉末Aを得た。その後、低分子量PTFE粉末Aを粉砕機(セイシン企業社製、SKジェット・オー・ミル0202型)で粉砕し、平均粒子径が12μmの低分子量PTFE粉末Bを得た。
(例2)
例1で得られた低分子量PTFE粉末Aを、高温恒温器(エスペック社製、スーパーテンプオーブンSTPH−200)を使用して、200℃で3時間にわたって熱処理した。その後、熱処理が施された低分子量PTFE粉末Aを粉砕機(セイシン企業社製、SKジェット・オー・ミル0202型)で粉砕し、平均粒子径が12μmの低分子量PTFE粉末Cを得た。
例1で得られた低分子量PTFE粉末Aを、高温恒温器(エスペック社製、スーパーテンプオーブンSTPH−200)を使用して、200℃で3時間にわたって熱処理した。その後、熱処理が施された低分子量PTFE粉末Aを粉砕機(セイシン企業社製、SKジェット・オー・ミル0202型)で粉砕し、平均粒子径が12μmの低分子量PTFE粉末Cを得た。
(例3)
例1で得られた低分子量PTFE粉末Bを高温恒温器(エスペック社製、スーパーテンプオーブンSTPH−200)を使用して、200℃で3時間、熱処理し、低分子量PTFE粉末Dを得た。
例1で得られた低分子量PTFE粉末Bを高温恒温器(エスペック社製、スーパーテンプオーブンSTPH−200)を使用して、200℃で3時間、熱処理し、低分子量PTFE粉末Dを得た。
(例4)
例3で得られた低分子量PTFE粉末Dを、さらに粉砕機(セイシン企業社製、SKジェット・オー・ミル0202型)で粉砕し、平均粒子径が5μmの低分子量PTFE粉末Eを得た。
例3で得られた低分子量PTFE粉末Dを、さらに粉砕機(セイシン企業社製、SKジェット・オー・ミル0202型)で粉砕し、平均粒子径が5μmの低分子量PTFE粉末Eを得た。
(例5)
原料PTFEとして、PTFEモールディングパウダーG163(平均粒子径25μm)(AGC社製)を用いた。
室温下、空気中において、原料PTFEに対して、コバルト−60γ線を75kGy照射し、低分子量PTFE粉末Fを得た。その後、低分子量PTFE粉末Fを粉砕機(セイシン企業社製、SKジェット・オー・ミル0202型)で粉砕し、低分子量PTFE粉末Gを得た。
原料PTFEとして、PTFEモールディングパウダーG163(平均粒子径25μm)(AGC社製)を用いた。
室温下、空気中において、原料PTFEに対して、コバルト−60γ線を75kGy照射し、低分子量PTFE粉末Fを得た。その後、低分子量PTFE粉末Fを粉砕機(セイシン企業社製、SKジェット・オー・ミル0202型)で粉砕し、低分子量PTFE粉末Gを得た。
(例6)
例5で得られた低分子量PTFE粉末Gを高温恒温器(エスペック社製、スーパーテンプオーブンSTPH−200)を使用して、200℃で3時間、熱処理し、低分子量PTFE粉末Hを得た。
例5で得られた低分子量PTFE粉末Gを高温恒温器(エスペック社製、スーパーテンプオーブンSTPH−200)を使用して、200℃で3時間、熱処理し、低分子量PTFE粉末Hを得た。
(例7)
原料PTFEとして、PTFEモールディングパウダーG163(平均粒子径25μm)(AGC社製)を用いた。
室温下、空気中において、原料PTFEに対して、コバルト−60γ線を50kGy照射し、低分子量PTFE粉末Iを得た。その後、低分子量PTFE粉末Iを粉砕機(セイシン企業社製、SKジェット・オー・ミル0202型)で粉砕し、低分子量PTFE粉末Jを得た。
原料PTFEとして、PTFEモールディングパウダーG163(平均粒子径25μm)(AGC社製)を用いた。
室温下、空気中において、原料PTFEに対して、コバルト−60γ線を50kGy照射し、低分子量PTFE粉末Iを得た。その後、低分子量PTFE粉末Iを粉砕機(セイシン企業社製、SKジェット・オー・ミル0202型)で粉砕し、低分子量PTFE粉末Jを得た。
(例8)
例7で得られた低分子量PTFE粉末Jを高温恒温器(エスペック社製、スーパーテンプオーブンSTPH−200)を使用して、200℃で3時間、熱処理し、低分子量PTFE粉末Kを得た。
例7で得られた低分子量PTFE粉末Jを高温恒温器(エスペック社製、スーパーテンプオーブンSTPH−200)を使用して、200℃で3時間、熱処理し、低分子量PTFE粉末Kを得た。
(例9)
原料PTFEとして、PTFEモールディングパウダーG163(平均粒子径25μm)(AGC社製)を用いた。
室温下、空気中において、原料PTFEに対して、コバルト−60γ線を150kGy照射し、低分子量PTFE粉末Lを得た。その後、低分子量PTFE粉末Lを粉砕機(セイシン企業社製、SKジェット・オー・ミル0202型)で粉砕し、低分子量PTFE粉末Mを得た。
原料PTFEとして、PTFEモールディングパウダーG163(平均粒子径25μm)(AGC社製)を用いた。
室温下、空気中において、原料PTFEに対して、コバルト−60γ線を150kGy照射し、低分子量PTFE粉末Lを得た。その後、低分子量PTFE粉末Lを粉砕機(セイシン企業社製、SKジェット・オー・ミル0202型)で粉砕し、低分子量PTFE粉末Mを得た。
(例10)
例9で得られた低分子量PTFE粉末Mを高温恒温器(エスペック社製、スーパーテンプオーブンSTPH−200)を使用して、100℃で3時間、熱処理し、低分子量PTFE粉末Nを得た。
例9で得られた低分子量PTFE粉末Mを高温恒温器(エスペック社製、スーパーテンプオーブンSTPH−200)を使用して、100℃で3時間、熱処理し、低分子量PTFE粉末Nを得た。
(例11)
温度を100℃から250℃に変更した以外は、例10と同様の手順に従って、低分子量PTFE粉末Oを得た。
温度を100℃から250℃に変更した以外は、例10と同様の手順に従って、低分子量PTFE粉末Oを得た。
(例12)
温度を100℃から300℃に変更した以外は、例10と同様の手順に従って、低分子量PTFE粉末Pを得た。
温度を100℃から300℃に変更した以外は、例10と同様の手順に従って、低分子量PTFE粉末Pを得た。
(例13)
原料PTFEとして、PTFEモールディングパウダーG163(平均粒子径25μm)(AGC社製)を用いた。
室温下、空気中において、原料PTFEに対して、コバルト−60γ線を10kGy照射し、低分子量PTFE粉末Qを得た。その後、低分子量PTFE粉末Qを粉砕機(セイシン企業社製、SKジェット・オー・ミル0202型)で粉砕し、低分子量PTFE粉末Rを得た。
原料PTFEとして、PTFEモールディングパウダーG163(平均粒子径25μm)(AGC社製)を用いた。
室温下、空気中において、原料PTFEに対して、コバルト−60γ線を10kGy照射し、低分子量PTFE粉末Qを得た。その後、低分子量PTFE粉末Qを粉砕機(セイシン企業社製、SKジェット・オー・ミル0202型)で粉砕し、低分子量PTFE粉末Rを得た。
(例14)
例13で得られた低分子量PTFE粉末Rを高温恒温器(エスペック社製、スーパーテンプオーブンSTPH−200)を使用して、200℃で3時間、熱処理し、低分子量PTFE粉末Sを得た。
例13で得られた低分子量PTFE粉末Rを高温恒温器(エスペック社製、スーパーテンプオーブンSTPH−200)を使用して、200℃で3時間、熱処理し、低分子量PTFE粉末Sを得た。
(例15)
原料PTFEとして、PTFEモールディングパウダーG163のかわりにPTFEファインパウダーCD123E(AGC社製)を用いた以外は、例8と同様の手順に従って、低分子量PTFE粉末Tを得た。
原料PTFEとして、PTFEモールディングパウダーG163のかわりにPTFEファインパウダーCD123E(AGC社製)を用いた以外は、例8と同様の手順に従って、低分子量PTFE粉末Tを得た。
(例16)
原料PTFEとして、PTFEモールディングパウダーG163のかわりにPTFE成形品の切削屑を用いた以外は、例8と同様の手順に従って、低分子量PTFE粉末Uを得た。
原料PTFEとして、PTFEモールディングパウダーG163のかわりにPTFE成形品の切削屑を用いた以外は、例8と同様の手順に従って、低分子量PTFE粉末Uを得た。
表1中、「工程2」欄は熱処理の有無を表し、「無」は熱処理を実施していないことを表し、熱処理を実施した場合は加熱条件(温度×時間)を表す。
表1中、「工程3」欄は粉砕処理(工程3)の有無を表し、「有」は工程1の後に粉砕処理(工程3)を実施したことを意味し、「有(熱処理後)」は熱処理後に粉砕処理(工程3)を実施したことを意味し、「有(熱処理前)」は工程1(放射線の照射処理)の後で、かつ、熱処理前に粉砕処理(工程3)を実施したことを意味し、「有(熱処理前、熱処理後)」は工程1(放射線の照射処理)の後で、かつ、熱処理前、および、熱処理後の両方で粉砕処理(工程3)を実施したことを意味する。
表1中、「個数」は、得られた低分子量PTFEの分子鎖末端が主鎖炭素数106個あたり何個のカルボキシル基を有するかを表す。
表1中、「<5」は、5未満を意味する。
表1中、「工程3」欄は粉砕処理(工程3)の有無を表し、「有」は工程1の後に粉砕処理(工程3)を実施したことを意味し、「有(熱処理後)」は熱処理後に粉砕処理(工程3)を実施したことを意味し、「有(熱処理前)」は工程1(放射線の照射処理)の後で、かつ、熱処理前に粉砕処理(工程3)を実施したことを意味し、「有(熱処理前、熱処理後)」は工程1(放射線の照射処理)の後で、かつ、熱処理前、および、熱処理後の両方で粉砕処理(工程3)を実施したことを意味する。
表1中、「個数」は、得られた低分子量PTFEの分子鎖末端が主鎖炭素数106個あたり何個のカルボキシル基を有するかを表す。
表1中、「<5」は、5未満を意味する。
本発明の製造方法により得られた低分子量PTFEおよび粉末は、所望の効果を示した。
Claims (4)
- ポリテトラフルオロエチレンに放射線を照射して、低分子量ポリテトラフルオロエチレンを得る工程1と、
前記工程1の後に、前記低分子量ポリテトラフルオロエチレンに熱処理を施す工程2と、を有し、
前記放射線の照射線量が、20〜100kGyである、低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法。 - 前記工程1と前記工程2との間、および、前記工程2の後、の少なくとも一方において、
さらに、前記低分子量ポリテトラフルオロエチレンを粉砕する工程3を有する、請求項1に記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法。 - 前記熱処理の温度が、50〜200℃である、請求項1または2に記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法。
- 低分子量ポリテトラフルオロエチレンを含む粉末であって、
前記低分子量ポリテトラフルオロエチレンは分子鎖末端に主鎖炭素数106個あたり5個超30個未満のカルボキシル基を有し、
パーフルオロオクタン酸またはその塩の含有量が25質量ppb未満である、粉末。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023139838A1 (ja) * | 2022-01-24 | 2023-07-27 | 株式会社アドマテックス | フッ素樹脂粒子材料及びその製造方法、複合粒子材料及びその製造方法、並びに球状フッ素樹脂粒子材料の製造方法 |
-
2019
- 2019-11-26 JP JP2019213100A patent/JP2021084934A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023139838A1 (ja) * | 2022-01-24 | 2023-07-27 | 株式会社アドマテックス | フッ素樹脂粒子材料及びその製造方法、複合粒子材料及びその製造方法、並びに球状フッ素樹脂粒子材料の製造方法 |
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