JP2021084367A - 立体造形物の製造方法、立体造形物の製造装置、及び立体造形物 - Google Patents

立体造形物の製造方法、立体造形物の製造装置、及び立体造形物 Download PDF

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Abstract

【課題】余剰材料の回収再利用が容易な立体造形物の製造方法などを提供する。【解決手段】粉末層を形成する第1工程と、ファイバー含有シートを配置する第2工程と、前記粉末層と前記ファイバー含有シートとを結着させるための液体を、所定の領域に付与する第3工程とを含み、前記第1工程、前記第2工程、及び前記第3工程を行うことにより得られた、前記液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、前記粉末層と前記ファイバー含有シートとを結着させる第4工程を含む立体造形物の製造方法。【選択図】図2

Description

本発明は、立体造形物の製造方法、立体造形物の製造装置、及び立体造形物に関する。
近時、複雑で微細な立体造形物の低ロット生産のニーズが高まってきている。このニーズに対応するための技術として、立体造形方法が提案されている。
立体造形方法において、各層のシート材を積層する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この提案の技術では、シート材溶解液によって各層のシート材が溶着してしまい、余剰材料の再利用が容易ではない。
本発明は、余剰材料の回収再利用が容易な立体造形物の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段である本発明の立体造形物の製造方法は、
粉末層を形成する第1工程と、
ファイバー含有シートを配置する第2工程と、
前記粉末層と前記ファイバー含有シートとを結着させるための液体を、所定の領域に付与する第3工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、余剰材料の回収再利用が容易な立体造形物の製造方法を提供することができる。
図1は、立体造形物の製造に関する概念図である。 図2は、立体造形物の製造方法の一例のフローチャートである。 図3は、立体造形物の製造装置の一例の機能ブロック図である。 図4Aは、立体造形物の製造方法の一例を説明するための概略図である(その1)。 図4Bは、立体造形物の製造方法の一例を説明するための概略図である(その2)。 図4Cは、立体造形物の製造方法の一例を説明するための概略図である(その3)。 図4Dは、立体造形物の製造方法の一例を説明するための概略図である(その4)。 図4Eは、立体造形物の製造方法の一例を説明するための概略図である(その5)。 図4Fは、立体造形物の製造方法の一例を説明するための概略図である(その6)。 図4Gは、立体造形物の製造方法の一例を説明するための概略図である(その7)。 図4Hは、立体造形物の製造方法の一例を説明するための概略図である(その8)。 図4Iは、立体造形物の製造方法の一例を説明するための概略図である(その9)。 図4Jは、立体造形物の製造方法の一例を説明するための概略図である(その10)。 図4Kは、立体造形物の製造方法の一例を説明するための概略図である(その11)。 図5は、立体造形物の製造方法の他の一例のフローチャートである。 図6は、立体造形物の製造方法の他の一例のフローチャートである。 図7は、立体造形物の製造方法の他の一例のフローチャートである。 図8は、立体造形物の製造方法の他の一例のフローチャートである。 図9は、立体造形物の製造方法の他の一例のフローチャートである。 図10は、立体造形物の製造装置の他の一例の機能ブロック図である。
(立体造形物の製造方法、立体造形物の製造装置)
本発明の立体造形物の製造方法は、第1工程と、第2工程と、第3工程とを含み、更に必要に応じて、第4工程、第5工程などのその他の工程を含む。
前記第1工程は、粉末層を形成する工程である。
前記第2工程は、ファイバー含有シートを配置する工程である。
前記第3工程は、前記粉末層と前記ファイバー含有シートとを結着させるための液体を、所定の領域に付与する工程である。
前記第4工程は、前記第1工程、前記第2工程、及び前記第3工程を行うことにより得られた、前記液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、前記粉末層と前記ファイバー含有シートとを結着させる工程である。
前記第5工程は、乾燥した前記立体造形物の前記前駆体を加熱する工程である。
本発明の立体造形物の製造装置は、第1手段と、第2手段と、第3手段とを有し、更に必要に応じて、第4手段、第5手段などのその他の手段を有する。
前記第1手段は、粉末層を形成する手段である。
前記第2手段は、ファイバー含有シートを配置する手段である。
前記第3手段は、前記粉末層と前記ファイバー含有シートとを結着させるための液体を、所定の領域に付与する手段である。
前記第4手段は、前記第1手段、前記第2手段、及び前記第3手段を用いて得られた、前記液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、前記粉末層と前記ファイバー含有シートとを結着させる手段である。
前記第5手段は、乾燥した前記立体造形物の前記前駆体を加熱する手段である。
本発明では、粉末層とファイバー含有シートとを交互に積層して立体造形物の前駆体を作製する。その際、立体造形物の前駆体に使用されなかった粉末層、及びファイバー含有シートが発生する。ファイバーはシート中に含有されているため、ファイバーと、粉末層の粉末とは、それらが混ざらない状態でそれぞれを回収し再利用することができる。特に、ファイバーは高額なため、ファイバーを回収して再利用できることは有用である。
立体造形物の精度を表す指標として破壊靭性値が用いられる場合がある。破壊靭性値とは、亀裂の進展しやすさを示す指標であり、いわゆる脆さの程度を表している。粉末として、例えば、球形なアルミナ粉末を焼結して製造されたセラミックス部材の破壊靭性値は、4(MPa・m1/2)程度であり、金属は数十程度であることからわかるように著しく低い。靭性改善のために、セラミックス部材内部に繊維を配向させる手法が提案されている。例えば、耐熱構造部材としての実装が進むSiC/SiC複合材は、SiC部材の内部にSiC繊維を織り込んだシートを重ねることで、破壊靭性値を30(MPa・m1/2)程度まで向上させることに成功している(例えば、Effect of heat treatment on microstructure and mechanical properties of PIP−SiC/SiC composites,Materials Science and Engineering: A ,Volume 559, 1 January 2013, Pages 808−811参照)。
しかしながら、繊維を織り込んだシートを積層して焼結する方法は、極めてコストが高く、かつ製造納期が長いという問題がある。また、焼結時に加圧しながら焼結を進める必要があるため、製造できる部材の形状に制約がある。
本発明では、立体造形方法を利用して粉末として、例えば、セラミックス中にファイバーを導入するため、上記のごとく、コストが高く、かつ製造期間が長くなることを防ぎつつ、立体造形物の破壊靭性値を改善することができる。
また、本発明では、立体造形物を製造する立体造形方法において、立体造形物の原材料を一時的に結着させた後に立体造形物を得ている。この場合、例えば、結着に樹脂を用いた場合でも、結着に用いる樹脂は少量でよいため、焼結後の体積収縮が少ない。その結果、大きな構造部材を造形する際にも、焼結時の割れを防ぐことができるため、構造部材として実用可能な寸法のモデルを造形できる。
<第1工程及び第1手段>
第1工程(粉末層形成工程)としては、粉末層を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第1手段(粉末層形成手段)としては、粉末層を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
粉末層の形成は、粉末を用いて行われる。
粉末層を形成する際、粉末は、例えば、ファイバー含有シート上、支持体上、又は、既に形成されたに立体造形物の前駆体上に付与される。
粉末層を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特許第3607300号公報に記載の選択的レーザー焼結方法に用いられる、公知のカウンター回転機構(カウンターローラ)などを用いる方法、粉末をブラシ、ローラ、ブレード等の部材を用いて薄層に拡げる方法、粉末の表面を、押圧部材により押圧して薄層に拡げる方法、公知の粉末積層造形装置を用いる方法などが挙げられる。
カウンター回転機構(カウンターローラ)、ブラシ乃至ブレード、押圧部材などを用いて、支持体上に粉末による粉末層を形成する場合、例えば、外枠(「型」、「中空シリンダー」、「筒状構造体」などと称することがある)内に、外枠の内壁に摺動しながら昇降可能に配置された支持体上に、粉末をカウンター回転機構、ブラシ、ブラシ乃至ブレード、押圧部材などを用いて載置して、粉末層を形成する。このとき、支持体として、外枠内を昇降可能なものを用いる場合には、支持体を外枠の上端開口部よりも少しだけ(粉末による層の厚み分だけ)下方の位置に配し、支持体上に粉末を載置させることが好ましい。
また、粉末層を形成するには、公知の粉末積層造形装置を用いて自動的にかつ簡便に行うこともできる。粉末積層造形装置は、一般に、粉末材料を積層するためのリコーターと、粉末材料を支持体上に供給するための可動式供給槽と、粉末材料からなる層を形成して、積層するための可動式成形槽とを備える。この粉末積層造形装置においては、供給槽を上昇させるか、成形槽を下降させるか、又はその両方によって、供給槽の表面を成形槽の表面よりもわずかに上昇させることができる。そのため、この粉末積層造形装置は、供給槽側からリコーターを用いて、粉末材料を層状にして粉末層を形成することができ、リコーターを繰り返し移動させることにより、粉末層を積層させることができる。
粉末層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一層当たりの平均厚みは、10μm以上200μm以下が好ましく、30μm以上100μm以下がより好ましい。
<<粉末>>
粉末は、例えば、セラミックスの原材料を含有する。
粉末は、樹脂を含有していてもよい。この樹脂は、例えば、粉末層及びファイバー含有シートの結着に用いられる。更には、例えば、粉末同士の結着に用いられる。
ここで、セラミックスの原材料は、例えば、粉末の主成分である。主成分とは、粉末においてセラミックスを50質量%超含むことを意味し、粉末におけるセラミックスの含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
−セラミックスの原材料−
セラミックスとは、無機物を加熱処理し焼き固めた焼結体を意味する。
セラミックスの原材料としては、例えば、ガラス粒子、金属酸化物粒子、金属炭化物粒子、金属窒化物粒子などが挙げられる。
金属酸化物粒子としては、例えば、ジルコニア粒子、アルミナ粒子、ムライト(アルミノケイ酸塩鉱物)粒子などが挙げられる。
金属炭化物粒子としては、例えば、炭化ケイ素粒子、タングステンカーバイド粒子などが挙げられる。
金属窒化物粒子としては、例えば、窒化ケイ素粒子、窒化アルミ粒子などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、高温強度を保持する観点で、ジルコニア粒子、アルミナ粒子、ムライト(アルミノケイ酸塩鉱物)粒子、タングステンカーバイド粒子、炭化ケイ素粒子、窒化ケイ素粒子が好ましい。
−粉末に含有される樹脂−
粉末に含有される樹脂は、例えば、粉末層及びファイバー含有シートの結着、粉末同士の結着、並びに粉末とファイバーとの結着などに寄与する。
樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル、マレイン酸、シリコーン、ブチラール、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、α−オレフィン/無水マレイン酸系共重合体、α−オレフィン/無水マレイン酸系共重合体のエステル化物、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、α−オレフィン/無水マレイン酸/ビニル基含有モノマー共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、ロジン又はその誘導体、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン/ブタジエンゴム、ポリビニルブチラール、ニトリルゴム、アクリルゴム、エチレン/プロピレンゴム等の合成ゴム、ニトロセルロースなどが挙げられる。
粉末が樹脂を含有する場合、粉末において、樹脂は、セラミックスの原材料の表面に配されていることが好ましく、樹脂は、セラミックスの原材料の表面を被覆していることが好ましい。なお、ここでの被覆とは、表面の100%を覆っている必要はない。
例えば、粉末において、樹脂は、セラミックスの原材料の表面に膜状に存在している。
粉末において、セラミックスの原材料の表面に、樹脂を配する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乾式コーティング方法、湿式コーティング方法などが挙げられる。
粉末が樹脂を含有する場合、粉末における樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形物のひび割れ、欠陥形成、及び変形防止の観点から、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
<第2工程及び第2手段>
第2工程(ファイバー含有シート配置工程)としては、ファイバー含有シートを配置する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第2手段(ファイバー含有シート配置手段)としては、ファイバー含有シートを配置する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ファイバー含有シートを配置する際、ファイバー含有シートは、例えば、粉末層上、支持体上、又は、既に形成されたに立体造形物の前駆体上に配置される。
ファイバー含有シートは、枚葉であってもよいし、長尺であってもよい。ファイバー含有シートが長尺である場合、ファイバー含有シートはロール状に巻き取られた状態で保存され、例えば、ロールから引き出されて使用される。
<<ファイバー含有シート>>
ファイバー含有シートは、ファイバーを含有し、更に必要に応じて樹脂などを含有する。
ファイバー含有シートは、例えば、樹脂と、樹脂中に分散された前記ファイバーとを含有するシートである。
ファイバー含有シートにおいては、ファイバーが配向していることが好ましい。
<<<ファイバー>>>
ファイバーは、例えば、無機材料で構成される。
ここで、ファイバーとは、針状、棒状、繊維状などの細長い形状の物質を意味する。
−無機材料−
無機材料としては、例えば、ガラス、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物などが挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、ジルコニア、アルミナ、ムライト(アルミノケイ酸塩鉱物)などが挙げられる。
金属炭化物としては、例えば、炭化ケイ素、タングステンカーバイドなどが挙げられる。
金属窒化物としては、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、炭化ケイ素、アルミナ、ムライトが、高温での比強度、耐環境性の点で好ましい。
無機材料には、窒化ホウ素、カーボンなどの耐熱コーティングが前処理として施されたものを用いてもよい。
−シートに含有される樹脂−
ファイバー含有シートに含有される樹脂は、例えば、粉末層及びファイバー含有シートの結着に寄与する。
樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル、マレイン酸、シリコーン、ブチラール、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、α−オレフィン/無水マレイン酸系共重合体、α−オレフィン/無水マレイン酸系共重合体のエステル化物、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、α−オレフィン/無水マレイン酸/ビニル基含有モノマー共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、ロジン又はその誘導体、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン/ブタジエンゴム、ポリビニルブチラール、ニトリルゴム、アクリルゴム、エチレン/プロピレンゴム等の合成ゴム、ニトロセルロースなどが挙げられる。
ファイバー含有シートに含有される樹脂は、粉末に含有される樹脂と同じ樹脂であってもよいし、異なる樹脂であってもよいが、粉末層及びファイバー含有シートの結着がより強固になる点で、同じ樹脂であることが好ましい。
ファイバー含有シートが樹脂を含有する場合、ファイバー含有シートにおける樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形物のひび割れ、欠陥形成、及び変形防止の観点から、10質量%以上50質量%以下が好ましく、20質量%以上40質量%以下がより好ましい。
ファイバー含有シートの平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一層当たりの平均厚みは、10μm以上300μm以下が好ましく、50μm以上150μm以下がより好ましい。
<<<ファイバー含有シートの作製方法>>>
ファイバー含有シートの作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶融押出成型法、カレンダー延伸法、ラミネート法などが挙げられる。
これらの方法では、例えば、樹脂中にファイバーを分散さて得られる混合物を得た後に、各種方法によって、混合物をシート状に成型することでファイバー含有シートを得る。
樹脂中にファイバーを分散させて得られる混合物を延伸させてシート状にする際に、微小な凹凸又はスリットを通すことで、ファイバー含有シートにおいてファイバーを配向させることができる。
<第3工程及び第3手段>
第3工程(液体付与工程)としては、粉末層とファイバー含有シートとを結着させるための液体を、所定の領域に付与する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第3手段(液体付与手段)としては、粉末層とファイバー含有シートとを結着させるための液体を、所定の領域に付与する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
所定の領域は、例えば、立体造形物中に残る領域である。
粉末層とファイバー含有シートとの結着は、樹脂を介して行われることが好ましい。
粉末層とファイバー含有シートとの結着に用いられる樹脂は、乾燥前の粉末層、ファイバー含有シート、及び液体の少なくともいずれかに含有されている。
液体を、所定の領域に付与する方法としては、例えば、ディスペンサ方式、スプレー方式、インクジェット方式などが挙げられる。なお、これらの方式を実施するには公知の装置を第3手段として好適に使用することができる。
これらの中でも、ディスペンサ方式は、液滴の定量性に優れるが、塗布面積が狭くなる。スプレー方式は、簡便に微細な吐出物を形成でき、塗布面積が広く、塗布性に優れるが、液滴の定量性が悪く、スプレー流による粉末材料の飛散が発生する。
このため、インクジェット方式が特に好ましい。インクジェット方式は、スプレー方式に比べ、液滴の定量性が良く、ディスペンサ方式に比べ、塗布面積が広くできる利点があり、複雑な立体形状を精度良くかつ効率よく形成し得る点で好ましい。
インクジェット法による場合、第3手段は、インクジェット法により液体を所定の領域付与可能なノズルを有する。なお、ノズルとしては、公知のインクジェットプリンターにおけるノズル(吐出ヘッド)を好適に使用することができ、また、インクジェットプリンターを第2手段として好適に使用することができる。なお、インクジェットプリンターとしては、例えば、株式会社リコー製のSG7100、などが好適に挙げられる。インクジェットプリンターは、ヘッド部から一度に滴下できる液体の量が多く、塗布面積が広いため、塗布の高速化を図ることができる点で好ましい。
<<液体>>
液体としては、粉末層とファイバー含有シートとを結着させるための液体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
液体は、例えば、溶剤を含有し、必要に応じて樹脂などのその他の成分を含有する。
例えば、粉末層とファイバー含有シートとの結着に用いられる樹脂が、粉末及びファイバー含有シートの少なくともいずれかに含有されている場合、液体は、樹脂を含有していてもよいし、樹脂を含有していなくてもよい。
<<<溶剤>>>
溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数2以上7以下のアルコール、炭素数3以上8以下のケトン、環状エーテル、ポリエーテルが好ましい。
炭素数2以上7以下のアルコールとしては、例えば、エチルアルコール、イソプロパノール、n−ブタノールなどが挙げられる。
炭素数3以上8以下のケトンとしては、例えば、アセトン、エチルメチルケトンなどが挙げられる。
環状エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
ポリエーテルとしては、例えば、ジメトキシエタノール、ジメトキシジエチレングリコールなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
液体における溶剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
液体が樹脂を含有する場合、液体における溶剤の含有量としては、60質量%以上95質量%以下が好ましく、70質量%以上90質量%以下がより好ましい。
液体が樹脂を含有しない場合、液体における溶剤の含有量としては、50質量%以上99質量%以下が好ましく、70質量%以上90質量%以下がより好ましい。
液体における水の含有量は、少ない方が好ましい。液体における水の含有量は、45質量%未満が好ましく、5質量%未満が好ましい。
<<<液体に含有される樹脂>>>
液体に含有される樹脂は、例えば、粉末層とファイバー含有シートとの結着に寄与する。
液体に含有される樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル、マレイン酸、シリコーン、ブチラール、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、α−オレフィン/無水マレイン酸系共重合体、α−オレフィン/無水マレイン酸系共重合体のエステル化物、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、α−オレフィン/無水マレイン酸/ビニル基含有モノマー共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、ロジン又はその誘導体、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン/ブタジエンゴム、ポリビニルブチラール、ニトリルゴム、アクリルゴム、エチレン/プロピレンゴム等の合成ゴム、ニトロセルロースなどが挙げられる。
また、樹脂としては、親水性の低い有機又は有機金属の高分子化合物であってもよい。
液体が樹脂を含有する場合、液体における樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液体の粘性を所定の範囲に制御する観点から、5質量%以上40質量%以下が好ましく、10質量%以上30質量%以下がより好ましい。
<<<その他の成分>>>
その他の成分としては、無機微小粒子などが挙げられる。
−無機微小粒子−
液体は、ノズルに詰まることのないサイズの粒子径の無機微小粒子を含有していてもよい。液体が無機微小粒子を含有することで、液体が、粉末層の所定の領域に付与された際に、無機微小粒子が、所定の領域における粉末の隙間に配置される。その結果、得られる立体造形物の密度が向上する。
無機微小粒子の材質としては、例えば、ガラス、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物などが挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、ジルコニア、アルミナ、ムライト(アルミノケイ酸塩鉱物)などが挙げられる。
金属炭化物としては、例えば、炭化ケイ素、タングステンカーバイドなどが挙げられる。
金属窒化物としては、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機微小粒子の材質は、粉末におけるセラミックスの原材料の材質と同じ材質であることが好ましい。
無機微小粒子の体積平均粒子径としては、セラミックスの原材料の粒子径よりも小さい限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体積平均粒子径として、1nm以上5μm以下が好ましい。
ここで、体積平均粒子径は、例えば、レーザー回折・散乱法により測定できる。
液体における無機微小粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%以上60質量%以下が好ましく、15質量%以上50質量%以下がより好ましい。
第1工程(粉末層形成工程)、第2工程(ファイバー含有シート配置工程)、及び第3工程(液体付与工程)の順序としては、液体を含有する立体造形物の前駆体が得られる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下の順序が挙げられる。
(1)第1工程、第2工程、及び第3工程の順序
(2)第1工程、第3工程、及び第2工程の順序
(3)第2工程、第1工程、及び第3工程の順序
(4)第2工程、第3工程、及び第1工程の順序
第1工程、第2工程、及び第3工程を上記順番のいずれかで行うことを繰り返すことで、粉末層とファイバー含有シートとの積層単位が積層し、液体を含有する立体造形物の前駆体が得られる。
(1)第1工程、第2工程、及び第3工程の順序
順序(1)の場合、まず、粉末層が形成される(第1工程)。粉末層を形成する際、粉末は、例えば、支持体上、又は、既に形成されたに立体造形物の前駆体上に付与される。
次に、粉末層上に、ファイバー含有シートが配置される(第2工程)。
次に、ファイバー含有シートの所定の領域に液体が付与される(第3工程)。
(2)第1工程、第3工程、及び第2工程の順序
順序(2)の場合、まず、粉末層が形成される(第1工程)。粉末層を形成する際、粉末は、例えば、支持体上、又は、既に形成されたに立体造形物の前駆体上に付与される。
次に、粉末層上の所定の領域に液体が付与される(第3工程)。
次に、粉末層上に、ファイバー含有シートが配置される(第2工程)。
(3)第2工程、第1工程、及び第3工程の順序
順序(3)の場合、まず、ファイバー含有シートが配置される(第2工程)。ファイバー含有シートは、例えば、支持体上、又は、既に形成されたに立体造形物の前駆体上に配置される。
次に、ファイバー含有シート上に、粉末層が形成される(第1工程)。
次に、粉末層の所定の領域に液体が付与される(第3工程)。
(4)第2工程、第3工程、及び第1工程の順序
順序(4)の場合、まず、ファイバー含有シートが配置される(第2工程)。ファイバー含有シートは、例えば、支持体上、又は、既に形成されたに立体造形物の前駆体上に配置される。
次に、ファイバー含有シートの所定の領域に液体が付与される(第3工程)。
次に、ファイバー含有シート上に、粉末層が形成される(第1工程)。
ファイバー含有シート及び粉末の少なくともいずれかが、粉末層とファイバー含有シートとの結着に用いられる樹脂を含有する場合、粉末層とファイバー含有シート層とを結着させるための液体によって、樹脂は溶解する。その後、乾燥を行い、液体における揮発成分(例えば、溶剤)が除去されると、粉末層とファイバー含有シートとは、樹脂を介して結着する。
一方、液体及びファイバー含有シートが、粉末層とファイバー含有シートとの結着に用いられる樹脂を含有する場合、液体は、ファイバー含有シートの樹脂を溶解する。更に、液体は、粉末層の隙間に侵入する。更に、液体は、粉末層及びファイバー含有シートの界面に侵入する。その後、乾燥を行い、液体における揮発成分(例えば、溶剤)が除去されると、粉末層とファイバー含有シートとは、樹脂を介して結着する。
<第4工程及び第4手段>
第4工程(結着工程)としては、第1工程、第2工程、及び第3工程を行うことにより得られた、液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、粉末層とファイバー含有シートとを結着させる工程(結着工程)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の乾燥機を用いて行うことができる。
第4手段(結着手段)としては、第1手段、第2手段、及び第3手段を用いて得られた、液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、粉末層とファイバー含有シートとを結着させる手段(結着手段)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の乾燥機などが挙げられる。
第4工程においては、液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥する。その際に、液体中の溶剤が蒸発することで、例えば、溶剤に溶解していた樹脂が固化し、粉末層とファイバー含有シートとが当該樹脂を介して結着される。
第4工程は、第1工程、第2工程、及び第3工程を1巡して得られる立体造形物の前駆体に対して行ってもよい。この場合、立体造形物の前駆体は、例えば、粉末層とファイバー含有シートとの積層単位それ自身ということができる。また、この場合、例えば、第4工程は、第1工程、第2工程、及び第3工程を1巡する毎に行われる。
また、第4工程は、第1工程、第2工程、及び第3工程の1巡を繰り返して得られる立体造形物の前駆体に対して行ってもよい。この場合、立体造形物の前駆体は、複数の積層単位を積層した積層構造ということができる。
乾燥の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃以上200℃以下が好ましい。
乾燥の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以上48時間以下が好ましい。
なお、液体に含まれる揮発成分の沸点が低い場合、又は液体に含まれる揮発成分の揮発性が高い場合には、第4工程は、自然乾燥であってもよい。即ち、第4工程は、液体を含有する立体造形物の前駆体を放置することで、液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥させてもよい。
<第5工程及び第5手段>
第5工程(加熱工程)としては、乾燥した立体造形物の前駆体を加熱する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の加熱装置を用いて行うことができる。
第5手段(加熱手段)としては、乾燥した立体造形物の前駆体を加熱する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の加熱装置などが挙げられる。
一態様では、第5工程及び第5手段における加熱は、立体造形物の前駆体の焼結のための加熱である。
他の態様では、第5工程及び第5手段における加熱は、樹脂の分解除去と、立体造形物の前駆体の焼結とを兼ねている。
加熱においては、樹脂の分解除去と、立体造形物の前駆体の焼結とを一括して行ってもよいし、分けて行ってもよい。樹脂の分解除去と、立体造形物の前駆体の焼結とを一括して行う方が、工程を短縮できる点で好ましい。
樹脂の分解除去と、立体造形物の前駆体の焼結とを一括して行う場合、例えば、立体造形物の前駆体を、樹脂の分解除去が可能な温度に加熱して一定時間保持し、樹脂を分解して、立体造形物の前駆体から樹脂を除去した後に、引き続き、使用したセラミックスの原材料の焼結温度まで立体造形物の前駆体を加熱して、立体造形物の前駆体を焼結することが挙げられる。
樹脂の分解除去と、立体造形物の前駆体の焼結とを分けて行う場合、例えば、立体造形物の前駆体を、樹脂の分解除去が可能な温度に加熱して一定時間保持し、樹脂を分解して、立体造形物の前駆体から樹脂を除去した後に、一旦冷却(例えば、放冷)し、その後、使用したセラミックスの原材料の焼結温度まで立体造形物の前駆体を加熱して、立体造形物の前駆体を焼結することが挙げられる。即ち、樹脂分解処理を行った後に、焼結処理を行う。
樹脂の分解除去のための加熱における雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性雰囲気(例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気)などが挙げられる。
樹脂の分解除去のための加熱の温度、及び時間としては、樹脂を分解除去できる温度、及び時間であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱の温度としては、150℃以上700℃以下などが挙げられ、加熱の時間としては、0.5時間以上24時間以下などが挙げられる。
焼結における雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性雰囲気(例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気)などが挙げられる。
焼結の加熱の温度、及び時間としては、焼結できる温度、及び時間であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱の温度としては、800℃以上2000℃以下などが挙げられ、加熱の時間としては、0.5時間以上12時間以下などが挙げられる。
<その他の工程、及びその他の手段>
第4工程と第5工程の間には、第6工程として、不要な粉末層、及び不要なファイバー含有シートを除去する工程を有していてもよい。
立体造形物の製造装置では、第6手段として、不要な粉末層、及び不要なファイバー含有シートを除去する手段を有していてもよい。
第6工程としては、例えば、エアスプレー、刷毛などで、立体造形物の前駆体の周囲に付着した不要な粉末層を除去することが挙げられる。
また、第6工程としては、例えば、シートを把持可能な部材で立体造形物の前駆体の周囲の不要なファイバー含有シートを把持して除去することが挙げられる。
第6手段としては、例えば、エアスプレー、刷毛、シートを把持可能な部材などが挙げられる。
(立体造形物)
本発明の立体造形物(積層造形物)は、本発明の立体造形物の製造方法、又は本発明の立体造形物の製造装置により製造される。
立体造形物は、例えば、針状、棒状、繊維状などの細長い形状を有するファイバーを含有するセラミックスである。
立体造形物におけるファイバーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、破壊靭性値の改善の観点から、15質量%以上70質量%以下が好ましく、30質量%以上60質量%以下がより好ましい。
立体造形物の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、立体造形物は、ジェットエンジンのタービン翼、タービンノズル、ライナ部材などの高温耐熱材料に好適に使用できる。
以下に図を用いて、立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置の一例を説明する。
図1は、立体造形物の製造に関する概念図である。
図1は、立体造形装置100と、コンピューター103とが図示されている。立体造形装置100は、造形部101と、後処理部102とを有する。
立体造形物の製造においては、コンピューター103から造形部101に、立体造形物の3Dデータが送られ、造形部101では、3Dデータに基づいて造形が行われる。その後、後処理部102において、加熱などの後処理が施されて立体造形物が完成する。
立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置の一例について説明する。
図2は、立体造形物の製造方法の一例のフローチャートである。
図3は、立体造形物の製造装置の一例の機能ブロック図である。
図4A〜図4Kは、立体造形物の製造方法の一例を説明するための概略図である。
図3の立体造形装置100は、造形部101と、後処理部102とを有する。造形部101は、第1手段1である粉末層形成手段と、第2手段2であるファイバー含有シート配置手段と、第3手段3である液体付与手段とを有する。後処理部102は、第4手段4である結着手段と、第6手段5である形状顕在化手段と、第5手段6である加熱手段とを有する。
図2のフローチャートでは、第1工程、第2工程、及び第3工程の順序で第1工程〜第3工程を行う。
<工程S1>
まず、第1工程(粉末層形成工程)を行う(S1)。第1工程では、セラミックスの原材料を含有する粉末による粉末層を形成する(S1)。第1工程は、例えば、第1手段(粉末層形成手段)1を用いて行う。第1手段(粉末層形成手段)1は、例えば、図4Aに示すように、粉末51を貯留する供給側粉末貯留槽52と、粉末層を形成するための造形側粉末貯留槽54と、均し機構55とを有する。供給側粉末貯留槽52は、昇降可能なステージ50を有する。造形側粉末貯留槽54は、昇降可能なステージ53を有する。均し機構55が、供給側粉末貯留槽52から造形側粉末貯留槽54に移動することで、供給側粉末貯留槽52内の粉末51が、造形側粉末貯留槽54に移動し、ステージ53上に粉末層56が形成される(図4B)。
<工程S2>
続いて、第2工程(ファイバー含有シート配置工程)を行う(S2)。第2工程では、粉末層56上に、ファイバー含有シートを配置する。第2工程は、例えば、第2手段(ファイバー含有シート配置手段)2を用いて行う。第2手段2は、例えば、図4Cに示すように、シートを吸着可能な吸着ノズル58である。ファイバー含有シート57は、樹脂57Bと、樹脂57B中に分散されたファイバー57Aとを有する。第2工程では、例えば、ファイバー含有シート57が吸着ノズル58に吸着されており、吸着ノズル58がファイバー含有シート57を粉末層56上に移動させ、吸着を解除することで、粉末層56上にファイバー含有シート57が配置される(図4D)。
ここで、粉末層56と粉末層56上に付与されたファイバー含有シート57とを拡大した断面図を示す(図4E)。粉末層56を構成する粉末51は、セラミックスの原材料51Aと、樹脂51Bとを有する。樹脂51Bは、セラミックスの原材料51Aを被覆している。ファイバー含有シート57を構成するファイバー57Aは、細長い形状の無機材料で構成され、樹脂57B中に分散している。なお、粉末51は、セラミックスの原材料のみで構成されていてもよい。
なお、ファイバー含有シート57が柔軟性に優れる場合には、ファイバー含有シート57はロール状に保存されており、ロールから引き出されて粉末層上に配置されてもよい。
<工程S3>
続いて、第3工程(液体付与工程)を行う。第3工程では、粉末層とファイバー含有シートとを結着させるための液体を、所定の領域に対して付与する(S3)。第3工程は、例えば、第3手段(液体付与手段)3を用いて行う。第3手段(液体付与手段)3は、例えば、図4Fに示すように、インクジェットノズル60である。インクジェットノズル60を用いて、ファイバー含有シート57の所定の領域に液体59を付与する。ここで、液体59が付与された後の状態を拡大した断面図を示す(図4G)。粉末51に含まれる樹脂51B、及びファイバー含有シート57に含まれる樹脂57Bは、液体59に溶解している。
続いて、第1工程、第2工程、及び第3工程を、所望の積層数になるまで繰り返す。そうすることで、図4H及び図4Iに示すように、ステージ53上に、液体59が付与された複数の積層単位61の積層構造(液体を含有する立体造形物の前駆体62)が得られる。
<工程S4>
続いて、第4工程(結着工程)を行う。第4工程では、第1工程、第2工程、及び第3工程を行うことにより得られた、液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、粉末層とファイバー含有シートとを結着させる(S4)。この実施形態では、粉末層とファイバー含有シートとを樹脂を介して結着させる。第4工程は、例えば、第4手段(結着手段)4を用いて行う。第4手段(結着手段)4は、例えば、乾燥機である。液体59を含有する立体造形物の前駆体62を乾燥する。その際に、液体59中の溶剤が蒸発することで、溶剤に溶解していた樹脂51B、57Bが固化し、粉末層56とファイバー含有シート57が樹脂51B、57Bを介して結着される(図4J)。そうすることで、乾燥した立体造形物の前駆体63が得られる。
<工程S5>
続いて、第6工程(形状顕在化工程)を行う。第6工程では、エアスプレー、刷毛などで、立体造形物の前駆体の周囲に付着した不要な粉末層56を除去する。更に、吸着ノズルなどで、不要なファイバー含有シート57を除去する(S5)。そうすることで、立体造形物の前駆体において、立体造形物の形状が顕在化する。
不要な粉末層に含まれる粉末については、例えば、ふるい分けにより粗大な粒子を除去することで再利用が可能である。
不要なファイバー含有シートについては、例えば、樹脂を軟化させて塊りにし、再度、シートに加工することで、再利用が可能である。
乾燥した立体造形の前駆体63は、樹脂51B、57Bが固化することで一体化しているため、液体が付与されなった不要な粉末層、及び不要なファイバー含有シートと容易に分離することができる。
<工程S6>
続いて、第5工程(加熱工程)を行う。第5工程では、乾燥した立体造形物の前駆体を加熱する(S6)。第5工程は、例えば、第5手段(加熱手段)6を用いて行う。第5手段(加熱手段)6は、例えば、加熱装置である。工程S6の第5工程では、例えば、樹脂の分解除去と、立体造形物の前駆体の焼結とを一括して行う。
そうすることで、図4Kに示すように、セラミックスの原材料51Aが焼結し、セラミックスの原材料51Aによる焼結体の間にファイバー57Aが配された立体造形物64が得られる。
次に、立体造形物の製造方法の他の一例について説明する。
図5は、立体造形物の製造方法の他の一例のフローチャートである。
図5のフローチャートでは、第1工程、第3工程、及び第2工程の順序で第1工程〜第3工程を行う。その他の工程は、図2のフローチャートにおける各工程と同じである。
次に、立体造形物の製造方法の他の一例について説明する。
図6は、立体造形物の製造方法の他の一例のフローチャートである。
図6のフローチャートでは、第2工程、第1工程、及び第3工程の順序で第1工程〜第3工程を行う。その他の工程は、図2のフローチャートにおける各工程と同じである。
次に、立体造形物の製造方法の他の一例について説明する。
図7は、立体造形物の製造方法の他の一例のフローチャートである。
図7のフローチャートでは、第2工程、第3工程、及び第1工程の順序で第1工程〜第3工程を行う。その他の工程は、図2のフローチャートにおける各工程と同じである。
次に、立体造形物の製造方法の他の一例について説明する。
図8は、立体造形物の製造方法の他の一例のフローチャートである。
図8のフローチャートでは、第1工程、第2工程、第3工程、及び第4工程を繰り返して、乾燥した立体造形物の前駆体を得ている。その他の工程は、図2のフローチャートにおける各工程と同じである。
図9は、立体造形物の製造方法の他の一例のフローチャートである。
図10は、立体造形物の製造装置の他の一例の機能ブロック図である。
図9のフローチャートでは、立体造形物の製造方法の第5工程の一態様として、図2のフローチャートの工程S6(第5工程:加熱工程)において、工程S6−1(第5−1処理:樹脂分解処理)及び工程S6−2(第5−2処理:焼結処理)を行う。
図10の立体造形装置100は、造形部101と、後処理部102とを有する。造形部101は、第1手段1である粉末層形成手段と、第2手段2であるファイバー含有シート配置手段と、第3手段3である液体付与手段とを有する。後処理部102は、第4手段4である結着手段と、第6手段5である形状顕在化手段と、第5手段6である加熱手段とを有する。第5手段(加熱手段)6は、第5−1部材6−1である樹脂分解部材と、第5−2部材6−2である焼結部材とを有する。
<工程S6−1>
第5−1処理(樹脂分解処理)では、乾燥した立体造形物の前駆体を樹脂の分解除去が可能な温度に加熱して、乾燥した立体造形物の前駆体に含有される樹脂を分解し、乾燥した立体造形物の前駆体から樹脂を除去する(S6−1)。第5−1工程は、例えば、第5−1部材(樹脂分解部材)6−1を用いて行う。第5−1手段(樹脂分解部材)は、例えば、加熱装置である。
<工程S6−2>
続いて、第5−2処理(焼結処理)では、使用したセラミックスの原材料の焼結温度まで立体造形物の前駆体を加熱して、立体造形物の前駆体を焼結する(S6−2)。第5−2工程は、例えば、第5−2手段(焼結手段)6−2を用いて行う。第5−2部材(焼結部材)は、例えば、セラミックスの原材料の焼結温度まで立体造形物の前駆体を加熱可能な加熱装置である。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図2に示すフローチャート、及び図4A〜図4Kに示す立体造形物の製造方法に従って、立体造形物を製造した。
粉末として、昭和電工株式会社製AS20(主成分:アルミナ、平均粒子径:22μm)に対して、コート樹脂として東レ株式会社製ケミット樹脂(飽和共重合ポリエステル)をコートしたものを用いた。粉末中のコート樹脂含有率は10質量%となるように調整した。コートには、スピンコーターを用いた。
ファイバー含有シートを作成するにあたり、繊維として株式会社ITM社製ファイバーマックス(化学組成:アルミナ−72%、シリカ−28%、繊維径4〜6μm、中心繊維長200μm)と、結合剤として東レ株式会社製ケミット樹脂(飽和共重合ポリエステル)を原材料として用いた。繊維に対して窒化ホウ素コーティングを所定量施したのちに、繊維及び飽和共重合ポリエステルを所定の割合で調整し、溶剤及び攪拌子であるジルコニアビーズとともに湿式混合した。混合液からジルコニアビーズを取り除き、スラリーを作製した。乾燥によりスラリーを所定の粘度に調整したのちに、ドクターブレードを用いてPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に塗布し、乾燥させ、PETフィルムを除去することでファイバー含有シートを作成した。ドクターブレードには、100μmごとに深さ50μmの溝を設けることで、塗布時に繊維が配向するように設計した。完成したファイバー含有シートの厚さは80μmである。シートの材料組成は、樹脂とファイバーが質量比(樹脂:ファイバー)で1:3となった。
液体(インク)として、主溶媒として酢酸エチルを用い、分散材としてサンノプコ社製 SNディスパーサント 5468を用い、インク中粒子として住友化学株式会社性AKP3000(アルミナ、中心粒子径400nm)を用い、これらを24h攪拌したものを用いた。
第1工程(粉末層形成工程)として、図4A〜図4Bに従って、カウンターローラを用いて粉末をステージ53上に広げ、平均厚み80μmの粉末層を形成した。
次に、第2工程(ファイバー含有シート配置工程)として、図4C〜図4Eに従って、粉末層上に、ファイバー含有シートを配置した。
次に、第3工程(液体付与工程)として、図4F〜図4Gに従って、液体を、ファイバー含有シートの所定の領域に付与した。液体の付与量は、1,500dpiとした。
次に、第1工程〜第3工程を50回繰り返して、図4H〜図4Iに示すような、液体を含有する立体造形物の前駆体を作製した。
次に、第4工程(結着工程)として、液体を含有する立体造形物の前駆体を、100℃、4時間乾燥させ、図4Jに示すような、乾燥した立体造形物の前駆体を得た。
次に、第6工程(形状顕在化工程)として、乾燥した立体造形物の前駆体を、可動式成形槽から取り出し、乾燥した立体造形物の前駆体と、その周囲の、液体が付与されなかった粉末層及びファイバー含有シートとを分離した。
次に、第5工程(加熱工程)として、乾燥した立体造形物の前駆体を1,600℃、1時間加熱して、樹脂を分解除去するとともに、焼結を行い、図4Kに示すような、焼結体である立体造形物を得た。
〔評価〕
以下の評価を行った。
<粉末、及びファイバー含有シートのリサイクル性>
液体が付与されなかった粉末層(粉末)、及びファイバー含有シートのリサイクル性は以下の通りである。
第6工程(形状顕在化工程)として、乾燥した立体造形物の前駆体を、可動式成形槽から取り出し、乾燥した立体造形物の前駆体と、その周囲の、液体が付与されなかった粉末層及びファイバー含有シートとを分離した。
その結果、乾燥した立体造形物の前駆体の周囲の、液体が付与されなかった粉末層(粉末)、及びファイバー含有シートについて、それぞれを、混在させることなく回収できた。
粉末については、ふるい分けを行い、粗大の粉末を除去して、再利用することができた。
ファイバー含有シートについては、液体が付与された領域に相応して、その中心がくりぬかれた形状をしているため、樹脂が軟化する温度に加熱して一度塊りにした。その後、溶融押出成型法により、所定の厚み、及び広さのファイバー含有シートを再生した。再生したファイバー含有シートは、非再生のファイバー含有シートと同等であり、再利用することができた。
<破壊靭性値>
焼結体の破壊靭性値の評価には、SEVNB法(Single Edge V−Notch Beam 法)が有用である。ISO6872に準拠したSEVNB法とは、特殊形状のダイヤモンド砥石により、試験片表面の中央部にV字の切り欠きを加工し、その試験片に3点曲げ試験を行い、破壊靭性値を求める方法である。
SEVNB法用試験片は、23(width)mm×19(thickness)mm×60(length)mmの半焼結体ブロックをメーカー指定の条件に従って最高温度1500°Cで2時間焼成し、焼成したブロックから試験片として3(width)mm×4(thickness)mm×24(length)mmを切り出した。切り出した試験片の表面を耐水研磨紙#150,#400,#600で研磨後、成形研削盤(Okamoto Machine ToolWorks,Gunma,Japan)でV形レジンボンドのダイヤモンドホイール#400を用いて、切削速度35分/1本、切り込み量1μm、常温注水下でISO 6872に準じての試験片中央に深さ1.0mm、角度20°、先端Rが25μm以下のノッチ加工を行った。ただし、試験片の辺縁隅角はブロックからの切りだしによりわずかに鈍角となっている。
SEVNB法の測定方法は、精密力量測定器(PL−300,Maruhishi,Tokyo,Japan)を用いて、支点間距離15mm、クロスヘッドスピードは0.5mm/minと1.0mm/minの2条件で5回ずつ計10回の実験を行った。得られた測定値をISO 6872にある次式(1)を用いて破壊靭性値KICを算出した。
Figure 2021084367
ここで、KIC:破壊靭性値(MPa・m1/2)、F :破壊荷重(MN)=曲げ破壊応力(kgf)×9.80665×10、S :支点間距離(m),b:試料の厚み(m)、α:a/w=ノッチの深さ(m)/試料の幅(m)、Y :1.9472−5.0247α+11.8954α−18.0635α+14.9586α−4.6896α
その結果、破壊靭性値は、15(MPa・m1/2)であった。
(比較例1)
実施例1において、第2工程(ファイバー含有シート配置工程)を行わず、かつ第3工程(液体付与工程)における所定の領域への液体の付与量を1,200dpiに変えた以外は、実施例1と同様にして、焼結体を得た。
即ち、比較例1では、粉末層を積層し、結着及び焼結を行うことで焼結体を得た。
比較例1の焼結体について、実施例1と同様に、破壊靭性値を求めた。その結果、破壊靭性値は、4(MPa・m1/2)であった。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 粉末層を形成する第1工程と、
ファイバー含有シートを配置する第2工程と、
前記粉末層と前記ファイバー含有シートとを結着させるための液体を、所定の領域に付与する第3工程と、
を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<2> 前記第1工程、前記第2工程、及び前記第3工程を行うことにより得られた、前記液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、前記粉末層と前記ファイバー含有シートとを結着させる第4工程を含む、前記<1>に記載の立体造形物の製造方法である。
<3> 乾燥した前記立体造形物の前記前駆体を加熱する第5工程を含む前記<2>に記載の立体造形物の製造方法である。
<4> 前記ファイバー含有シートが、樹脂と、前記樹脂中に分散された前記ファイバーとを含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<5> 前記粉末層の形成が、粉末を用いて行われ、
前記粉末が、セラミックスの原材料を含有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<6> 前記セラミックスの原材料が、ガラス粒子、金属酸化物粒子、金属炭化物粒子、及び金属窒化物粒子の少なくともいずれかを含有する前記<5>に記載の立体造形物の製造方法である。
<7> 粉末層を形成する第1手段と、
ファイバー含有シートを配置する第2手段と、
前記粉末層と前記ファイバー含有シートとを結着させるための液体を、所定の領域に付与する第3手段と、
を有することを特徴とする立体造形物の製造装置である。
<8> 前記第1手段、前記第2手段、及び前記第3手段を用いて得られた、前記液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、前記粉末層と前記ファイバー含有シートとを結着させる第4手段を有する、前記<7>に記載の立体造形物の製造装置である。
<9> 乾燥した前記立体造形物の前記前駆体を加熱する第5手段を有する前記<8>に記載の立体造形物の製造装置である。
<10> 前記ファイバー含有シートが、樹脂と、前記樹脂中に分散された前記ファイバーとを含有する前記<7>から<9>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<11> 前記粉末層の形成が、粉末を用いて行われ、
前記粉末が、セラミックスの原材料を含有する前記<7>から<10>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<12> 前記セラミックスの原材料が、ガラス粒子、金属酸化物粒子、金属炭化物粒子、及び金属窒化物粒子の少なくともいずれかを含有する前記<11>に記載の立体造形物の製造装置である。
<13> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法、及び前記<7>から<12>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置のいずれかにより得られることを特徴とする立体造形物である。
前記<1>から<6>に記載の立体造形物の製造方法、前記<7>から<12>に記載の立体造形物の製造装置、及び前記<13>に記載の立体造形物は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
1 第1手段
2 第2手段
3 第3手段
4 第4手段
5 第6手段
6 第5手段
50 ステージ
51 粉末
51A セラミックスの原材料
51B 樹脂
52 供給側粉末貯留槽
53 ステージ
54 造形側粉末貯留槽
55 均し機構
56 粉末層
57 ファイバー含有シート
57A ファイバー
57B 樹脂
58 吸着ノズル
59 液体
60 インクジェットノズル
61 積層単位
62 液体を含有する立体造形物の前駆体
63 乾燥した立体造形物の前駆体
64 立体造形物
100 立体造形装置
101 造形部
102 後処理部
103 コンピューター
特許第5088695号公報

Claims (8)

  1. 粉末層を形成する第1工程と、
    ファイバー含有シートを配置する第2工程と、
    前記粉末層と前記ファイバー含有シートとを結着させるための液体を、所定の領域に付与する第3工程と、
    を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法。
  2. 前記第1工程、前記第2工程、及び前記第3工程を行うことにより得られた、前記液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、前記粉末層と前記ファイバー含有シートとを結着させる第4工程を含む、請求項1に記載の立体造形物の製造方法。
  3. 乾燥した前記立体造形物の前記前駆体を加熱する第5工程を含む請求項2に記載の立体造形物の製造方法。
  4. 前記ファイバー含有シートが、樹脂と、前記樹脂中に分散された前記ファイバーとを含有する請求項1から3のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  5. 前記粉末層の形成が、粉末を用いて行われ、
    前記粉末が、セラミックスの原材料を含有する請求項1から4のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  6. 前記セラミックスの原材料が、ガラス粒子、金属酸化物粒子、金属炭化物粒子、及び金属窒化物粒子の少なくともいずれかを含有する請求項5に記載の立体造形物の製造方法。
  7. 粉末層を形成する第1手段と、
    ファイバー含有シートを配置する第2手段と、
    前記粉末層と前記ファイバー含有シートとを結着させるための液体を、所定の領域に付与する第3手段と、
    を有することを特徴とする立体造形物の製造装置。
  8. 請求項1から6のいずれかに記載の立体造形物の製造方法、及び請求項7に記載の立体造形物の製造装置のいずれかにより得られることを特徴とする立体造形物。


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