JP2021084282A - 流路部材、液体吐出装置および流路部材の製造方法 - Google Patents

流路部材、液体吐出装置および流路部材の製造方法 Download PDF

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【課題】容積が可変の室を複数有する流路部材を容易に製造でき、更に室のシール不良を抑制することができる流路部材、液体吐出装置および流路部材の製造方法を提供する。【解決手段】複数の弾性膜92と、係合部と、複数の弾性膜92それぞれの周縁部を保持する複数の保持部と、を有する枠部材95と係合部が係合される被係合部を有し、係合部が被係合部に係合されることにより複数の弾性膜92が保持された枠部材95を保持可能な流路形成部材78と、枠部材95を介して複数の弾性膜92の周縁部を流路形成部材78に押し付けた状態で固定されて、流路形成部材78と複数の弾性膜92との間に複数の室を形成するカバー部材101と、を備える。【選択図】図16

Description

本発明は、流路部材、液体吐出装置および流路部材の製造方法に関する。
特許文献1には、ノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、流路形成部材に形成された凹部と弾性膜の一例としての可撓性部材により構成される室を含み該液体吐出ヘッドに液体を供給する供給流路と、を備える液体吐出装置が開示され、更に、弾性膜の変位を検出する変位検出部及び室を有する流路部材の一例としての流路ユニットが開示されている。
液体吐出装置は、流路ユニットよりも液体供給方向の上流側の位置に、吐出動作と吸引動作とを行って液体を流路ユニットへ送る送液部を備える。送液部が吐出動作を行うと流路ユニットの室に液体が供給されるため、この液体の加圧力によって弾性膜が付勢部材の付勢力に抗して室の容積を増大させるように変位する。供給流路は容積が可変の室を有しているため、液体吐出ヘッドのノズルから液体が吐出されて消費されると、送液部が吸引動作を行っている間も、室に貯留されている液体の一部を液体吐出ヘッドに供給することができる。
特開2018−034335号公報
特許文献1に記載される流路ユニットのような流路部材を組み立てる場合においては、弾性膜の周縁部が固定部材の保持部に保持された状態で、弾性膜の周縁部が流路形成部材に当接され、固定部材が流路形成部材に固定される。
弾性膜は可撓性を有するため、固定部材の保持部に保持された周縁部は、固定部材の保持部から外れ易い。更に、液体吐出装置で使用される液体の種類が多いときには、その液体の種類の数だけの複数の室が必要である。この場合、液体吐出装置に、特許文献1に記載される流路ユニットのような流路部材を液体の種類の数だけ設ける必要がある。この場合、容積が可変の室を複数形成するために必要な流路部材の製造上の工数がかなりかかるという課題がある。また、流路部材が室を複数有することによって、製造上の工数の低減が期待できるものの、複数の弾性膜が同時に保持された状態で、複数の弾性膜の周縁部が流路形成部材に当接され、固定部材が流路形成部材に固定される必要があり、製造が容易ではない。また、固定部材が流路形成部材に固定される前に複数の弾性膜の一部が外れる場合や、複数の弾性膜の保持位置がずれた状態で固定部材が流路形成部材に固定される場合があるため、複数の室のうちシール不良の室が発生する虞がある。
上記課題を解決する流路部材は、複数の弾性膜と、係合部と、前記複数の弾性膜それぞれの周縁部を保持する複数の保持部と、を有する枠部材と前記係合部が係合される被係合部を有し、前記係合部が被係合部に係合されることにより前記複数の弾性膜が保持された前記枠部材を保持可能な流路形成部材と、前記枠部材を介して複数の弾性膜の周縁部を前記流路形成部材に押し付けた状態で固定されて、前記流路形成部材と前記複数の弾性膜との間に複数の室を形成するカバー部材と、を備える。
上記課題を解決する液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドと液体吐出ヘッドに液体を供給する供給流路と、を備え、前記供給流路は複数の弾性膜と、係合部と、前記複数の弾性膜それぞれの周縁部を保持する複数の保持部と、を有する枠部材と前記係合部が係合される被係合部を有し、前記係合部が被係合部に係合されることにより前記複数の弾性膜が保持された前記枠部材を保持可能な流路形成部材と、前記枠部材を介して複数の弾性膜の周縁部を前記流路形成部材に押し付けた状態で前記流路形成部材に固定されて、前記流路形成部材と前記複数の弾性膜との間に複数の室を形成するカバー部材と、を有する。
上記課題を解決する流路部材の製造方法は、複数の弾性膜と、当該複数の弾性膜それぞれの周縁部を保持する複数の保持部および当該複数の保持部の間に設けられる係合部を有する枠部材と、当該枠部材の係合部が係合される被係合部を有する流路形成部材と、当該流路形成部材に固定されるカバー部材と、を備える流路部材の製造方法であって、前記枠部材に設けられる前記複数の保持部に前記複数の弾性膜それぞれの周縁部を保持させることと、前記枠部材に設けられる前記係合部を前記流路形成部材の前記被係合部に係合させることで、前記複数の弾性膜を保持する前記枠部材を前記流路形成部材に仮固定することと、前記カバー部材で前記枠部材を介して前記複数の弾性膜それぞれの周縁部を前記流路形成部材に押し付けた状態で、前記カバー部材を前記流路形成部材に固定することと、を含む。
一実施形態における液体吐出装置を示す斜視図。 液体吐出装置において液体吐出ヘッドへの液体の供給流路を示す模式図。 流路部材が有するバッファー室が連通した状態を示す側断面図。 流路部材が有するバッファー室が閉鎖した状態を示す側断面図。 流路部材の製造方法を示すフローチャート。 流路部材が備える枠部材を示す斜視図。 図6が示す枠部材が弾性膜を保持した状態を示す斜視図。 図7における8−8線で破断した側断面図。 流路形成部材を示す斜視図。 流路形成部材に弾性膜を保持した枠部材を仮固定した状態を示す平面図。 図10における11F−11F線で破断した側断面図。 流路形成部材に弾性膜を保持した枠部材を仮固定した状態を示す斜視図。 図12の状態の流路形成部材に付勢部材を搭載した状態を示す斜視図。 図13の状態の流路形成部材にカバー部材を仮固定した状態を示す斜視図。 図14の状態の流路形成部材にカバー部材を固定した状態を示す斜視図。 流路部材の構成を示す分解斜視図。
以下、流路部材、液体吐出装置および流路部材の製造方法の一実施形態について図面を参照して説明する。
図面では、液体吐出装置11が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、Z軸と交差する面に沿う方向をX軸及びY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、好ましくは互いに直交し、X軸とY軸は、水平面に沿う。以下の説明では、X軸方向を幅方向X、Y軸方向を奥行き方向Y、を鉛直方向Zともいう。
<液体吐出装置の構成>
図1に示すように、液体吐出装置11は、用紙等の媒体Pに印刷する印刷機能を有するプリンター部12と、プリンター部12の鉛直方向Zの上側に配置されたスキャナー部13とを備え、全体として鉛直方向Zに長い略直方体状をなす複合機からなる。プリンター部12の鉛直方向Zの上側かつスキャナー部13の奥行き方向Yの手前側の位置に、操作パネル14が設けられる。操作パネル14は、例えばタッチパネル機能を有する表示部15を備える。本実施形態では、タッチパネルが操作部16を構成する。なお、操作部16は、操作スイッチでもよい。
図1に示すように、スキャナー部13は、鉛直方向Zの上面が不図示の原稿台となったスキャナー本体部17と、スキャナー本体部17の鉛直方向Zの上面に対して開閉可能に設けられた原稿台カバー18とを備える。原稿台カバー18の鉛直方向Zの上側には、自動原稿給送部19が搭載される。
スキャナー部13は、原稿台カバー18を開けて不図示の原稿台ガラス上にセットした原稿を読み取る不図示の読取部を有する。自動原稿給送部19は載置台19Aにセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ順番に給送し、読取部によりスキャニングされた後の原稿はスタック部19B上に順次排出される。
図1に示すように、プリンター部12の鉛直方向Zの下側には、複数枚の媒体Pを積載状態に載置して収容可能なカセット23が、液体吐出装置11に対して奥行き方向Yの手前側から挿抜可能な状態で鉛直方向Zに複数段挿着される。また、液体吐出装置11の幅方向Xの−X側には、給送トレイ22が下端を中心に開閉可能に設けられる。給送トレイ22を図1に二点鎖線で示す開いた状態とし、その上に印刷するべき媒体Pをセットすることが可能となっている。また、液体吐出装置11の幅方向Xの−X側には、給送トレイ22を含むカバー25と、カバー25よりも鉛直方向Zの下側に配置されたメンテナンス用のカバー24とが、それぞれ一端を中心に幅方向Xの−X側に開閉可能に設けられる。
また、プリンター部12においてカセット23よりも鉛直方向Zの上側の部分が、カセット23又は給送トレイ22から給送された媒体Pに印刷する印刷機構部31(図2参照)となっている。プリンター部12とスキャナー本体部17との間には印刷後の媒体Pが排出されるスタッカー部20が設けられる。
<液体供給装置の構成>
次に、液体吐出装置11が備える、液体を吐出する液体吐出ヘッド38に液体を供給する供給装置28について説明する。供給装置28は液体吐出装置11内に設けられる。
図2に示すように、液体吐出装置11が備える供給装置28は、液体貯留部21と、液体貯留部21から液体吐出ヘッド38に液体を供給する供給流路27と、印刷機構部31とを備える。印刷機構部31は、液体吐出ヘッド38と、メンテナンス部26とを備える。液体吐出ヘッド38のノズル形成面30には、液体を吐出する複数のノズル37が形成される。
メンテナンス部26は、ノズル37から排出される液体を受容するキャップ49と、キャップ49内を吸引する吸引部51と、を備える。キャップ49は、液体吐出ヘッド38に接触してノズル形成面30との間にノズル37が開口する閉空間を形成し、液体吐出ヘッド38をキャッピングする。
液体吐出装置11は、液体吐出ヘッド38から吐出する液体の種類ごとに、一または複数の供給装置28を備える。本実施形態においては、一台の液体吐出装置11に対して、10個の供給装置28を備え、10個の供給装置28が、一つの液体吐出ヘッド38に接続される。例えば、液体吐出装置11がプリンターであれば、供給装置28はインクの色ごとに設けられる。本実施形態の液体吐出装置11は、10個の供給装置28を備えるが、各供給装置28の構成は同じである。そのため、一つの供給装置28について説明し、同一符号を付すことで重複した説明を省略する。
液体吐出装置11は、固定式のラインヘッドからなる液体吐出ヘッド38により、搬送中の媒体Pに対してその奥行き方向Yに亘る範囲に液体を一斉に吐出してライン状に印刷を進めるライン印刷方式を採用してもよい。また、液体吐出装置11は、奥行き方向Yに移動可能なキャリッジに搭載された液体吐出ヘッド38によって、媒体Pの搬送動作と液体吐出ヘッド38による印刷動作とが交互に行われるシリアル印刷方式を採用してもよい。
図2に示すように、供給装置28は、液体貯留部21が有する供給口34から液体吐出ヘッド38に供給チューブ41を介して液体を供給する供給流路27を有している。本実施形態の液体吐出装置11は、10個の供給装置28を備えるため、図2においては、1本の供給チューブ41が液体吐出ヘッド38に接続されるが、実際には10本の供給チューブ41が液体吐出ヘッド38に接続される。以下の説明では、供給流路27において液体貯留部21が接続される側を上流側、液体吐出ヘッド38が接続される側を下流側という。
供給流路27には、上流側から順に吸引側一方向弁70、送液部71、吐出側一方向弁72、バッファー73が設けられる。
供給流路27は、第1流路27aと、第2流路27bと、第3流路27cと、第4流路27dとを有する。第1流路27aは、吸引側一方向弁70と送液部71とを連通する。第2流路27bは、送液部71と吐出側一方向弁72とを連通する。第3流路27cは、吐出側一方向弁72とバッファー73とを連通する。第4流路27dは、バッファー73と供給チューブ41とを連通する。
吸引側一方向弁70と吐出側一方向弁72は、供給流路27において液体の上流側から下流側へ向かう流れを許容し、下流側から上流側へ向かう流れを制限する。吸引側一方向弁70は、供給流路27において送液部71よりも上流側の位置であって、液体貯留部21と送液部71との間の位置に設けられる。吐出側一方向弁72は、供給流路27において送液部71よりも下流側の位置であって、送液部71とバッファー73との間の位置に設けられる。
送液部71は、可撓性を有するダイヤフラム42を往復運動させ、液体に圧力を与えるダイヤフラムポンプである。送液部71は、ダイヤフラム42によって区切られたポンプ室43及び負圧室44と、負圧室44内に設けられてダイヤフラム42をポンプ室43側に向けて付勢する第3付勢部材45と、を備えている。ポンプ室43は、供給流路27の一部を構成する。
液体吐出装置11は、送液部71を駆動する駆動源47を備える。駆動源47は、負圧室44を減圧し、第3付勢部材45の付勢力に抗してポンプ室43の容積を増大させる。これにより送液部71は、ポンプ室43に液体を吸引する。駆動源47が負圧室44の減圧を解除すると、第3付勢部材45は、ダイヤフラム42を付勢し、ポンプ室43内の容積を減少させる。これにより送液部71は、ポンプ室43の液体を吐出する。送液部71は、ポンプ室43に液体を吸引する吸引駆動と、ポンプ室43から液体を吐出する吐出駆動と、を交互に行い、液体貯留部21側となる上流側から液体吐出ヘッド38側となる下流側へ液体を送る。
<バッファーの構成及び動作>
次にバッファー73の構成及び動作について説明する。
図3に示すように、バッファー73は、流路形成部材78に形成された室用凹部78dと弾性膜92とにより囲み形成された室93を有している。室93は、供給流路27の一部を構成し、第3流路27cの下流端と第4流路27dの上流端とが接続される。すなわち、供給流路27は、一部が弾性膜92により構成される室93を含んで構成される。そして、送液部71は、吸引動作と吐出動作を行うことにより、室93よりも上流側の液体貯留部21から液体吐出ヘッド38へ液体を送る。
バッファー73は、弾性膜92に連結されて弾性膜92と共に変位する変位部材94と、弾性膜92の周縁部分を保持することで弾性膜92を固定する枠部材95と、変位部材94とカバー部材101との間に配置された例えばコイルばねなどの第1付勢部材96と、を備えている。変位部材94が変位する方向を変位方向Aという。弾性膜92は可撓性を有するため、弾性膜92はゴム材料またはエラストマーで構成されることが望ましい。
弾性膜92が有する周縁部の周状の凸部92bが、枠部材95に周状に設けられる溝95aに挿入されることにより、枠部材95の溝95aが有する保持部95cによって、弾性膜92の周縁部が枠部材95に保持される。枠部材95は溝95a以外の場所に保持部95cを有してもよいし、保持部95cは複数あってもよい。本実施形態においては、枠部材95が有する溝95aを形成する変位方向Aと平行な2つの面が、保持部95cとなっている。すなわち、保持部95cは、枠部材95に周状に設けられる溝95aを含み、弾性膜92は溝95aに挿入される周状の凸部を92b有する。
変位部材94は、弾性膜92の室93を構成する内面とは反対の外面に設けられる。また、第1付勢部材96は、変位部材94を付勢することにより、弾性膜92を室93の容積を小さくする方向に付勢する。すなわち、第1付勢部材96は、カバー部材101と弾性膜92との間に設けられ、室93の容積を小さくする方向に弾性膜92を付勢する。
変位部材94は、変位方向Aに沿って室93内に突出する第1被案内部94aと、室93とは反対側に突出する第2被案内部94bと、第1付勢部材96を搭載するばね受け部94cとを有している。また、流路形成部材78には、第1被案内部94aを弾性膜92の変位方向Aに案内する第1案内部78eが形成されている。また、カバー部材101には、第2被案内部94bを変位方向Aに案内する第2案内部101aが形成されている。すなわち、バッファー73は、案内部78e,101aと被案内部94a,94bとを有し、変位部材94が弾性膜92に連結されて、変位部材94が有する被案内部94a,94bは、弾性膜92と共に変位する。
第1被案内部94aは、略円盤形状をなす弾性膜92の略中央位置から室93側に突出するように軸状に設けられる。また、第1案内部78eは、室用凹部78dに穴状に形成され、第1被案内部94aが差し込まれるように構成される。
第1被案内部94aは、例えば変位方向Aに沿うように延び、複数の凹条を有する棒状の柱体とするのが好ましく、丸穴状の第1案内部78eと第1被案内部94aとの隙間により第4流路27dの一部が構成される。また、弾性膜92は、第1被案内部94aを囲む位置に環状に突出した閉鎖部92aを有している。
第1被案内部94aは、弾性膜92が第1案内部78eから最も離れた位置に位置し、室93の容積が最大となった場合に、第1被案内部94aが第1案内部78eと係合する長さとするのが好ましい。更に図4に示すように、第2被案内部94bは、弾性膜92が第2案内部101aから最も離れた位置に位置し、室93の容積が最小となった場合に、第2被案内部94bが第2案内部101aと係合する長さとするのが好ましい。すなわち、被案内部94a,94bが、案内部78e,101aから外れないような寸法関係で構成される。
図4に示すように、閉鎖部92aは、弾性膜92が室93の容積が小さくなる方向に変位して室93の壁となる室用凹部78dに当接することにより供給流路27を閉鎖する。すなわち、弾性膜92は、第1案内部78eを閉鎖部92aによって囲うことにより、室93と第4流路27dとを非連通とする。
また、図3に示すように、バッファー73は、レバー軸97aを中心として回動可能に設けられたレバー部97と、レバー部97を付勢する第2付勢部材98と、レバー部97が有する被検出部97bを検出することにより弾性膜92の変位を検出する変位検出部99と、を備えている。本実施形態の第2付勢部材98は、引っ張りばねであり、変位検出部99は、発光部と受光部とを有する光学式のセンサーである。
図3に示すように、レバー部97は、第2被案内部94bに押圧されることにより、第2付勢部材98の付勢力に抗して回動し、変位検出部99により被検出部97bが検出されない非検出姿勢となる。そして、図4に示すように、レバー部97は、第2被案内部94bに押圧されない状態では、変位検出部99により被検出部97bが検出される検出姿勢となる。
次に、以上のように構成された液体吐出装置11について、バッファー73の作用について説明する。なお、送液部71は、吸引動作と吐出動作を交互に連続して行うものとする。
図3に示すように、送液部71が吐出動作を行うと、第3流路27cを通じて室93に液体が供給されるので、この液体の加圧力によって弾性膜92が第1付勢部材96の付勢力に抗してカバー部材101側に変位する。すなわち、弾性膜92は、室93の容積を増大させるように変位すると共に、変位部材94は、レバー部97を押圧して非検出姿勢とする。
液体吐出ヘッド38から液体が吐出されて消費されると、室93内の液体が第4流路27dに流出する。供給流路27は、容積が可変の室93を有しているため、送液部71が吸引動作を行っている間も液体吐出ヘッド38に液体を供給することができる。そして、送液部71が吐出動作をすると、流出した分の液体が送液部71から室93に供給され、室93は、第4流路27dと連通した状態に維持される。
液体貯留部21に収容された液体の残量が印刷を実行するのに不十分な量まで減少したエンド状態になると、液体貯留部21から液体が供給されなくなる。そのとき室93は、第4流路27dに流出した液体の分だけ容積が小さくなる。
すなわち、図4に示すように、弾性膜92は、室用凹部78dに近づくように変位して室93の容積を小さくする。また、このとき、レバー部97は、検出姿勢となり、図2に示すように、変位検出部99は、被検出部97bを検出した検出信号を制御部29に出力する。更に制御部29は、液体貯留部21がエンド状態となったことを示すエンド情報を例えば表示部15(図1参照)に表示することでユーザーに報知する。
メンテナンス部26が実行するクリーニングは、ノズル37から液体を出すことによって気泡等の異物を排出するメンテナンス動作であり、その種類として、吸引クリーニング及びチョーククリーニングがある。
吸引クリーニングは、液体吐出ヘッド38をキャップ49によってキャッピングした状態で、吸引部51を駆動して行うクリーニングである。吸引クリーニングは、液体吐出ヘッド38内などにある気泡等の異物が液体と共にノズル37から排出される。
チョーククリーニングは、液体の流れを制限した状態の閉空間が供給流路27内に形成され、その閉空間の負圧が高められた後に液体の流れが許容されることで、供給流路27内に勢い良く液体が流されるクリーニングである。
図2に示すように、液体吐出ヘッド38をキャップ49によってキャッピングをすると共に、ダイヤフラム42を駆動させる駆動源47を駆動しない状態で吸引部51を駆動する。これにより、ノズル37から送液部71までの領域が負圧になるため、バッファー73の室93も負圧となって、弾性膜92が室93の容積が小さくなる方向に変位する。そのため、図4に示すように、弾性膜92の閉鎖部92aが、室93の壁となる室用凹部78dに当接することにより、供給流路27を閉鎖する。すなわち、室93と第4流路27dとは非連通となり、ノズル37からバッファー73までの領域が負圧になる。負圧が蓄積された後、駆動源47によってダイヤフラム42を駆動させ送液動作が行われると、ノズル37からバッファー73までの間で蓄圧された負圧により、送液された液体が勢いよく液体吐出ヘッド38側に流れ、バッファー73内に溜まっていた気泡等の異物が液体と共にノズル37から排出される。
<流路部材の構成と製造方法>
液体吐出装置11が備える液体を吐出する液体吐出ヘッド38に液体を供給する供給装置28のうち、供給流路27の少なくとも一部を構成する部材を流路部材90という。本実施形態においては、流路部材90はバッファー73を備えている。図5に示すフローチャートと各ステップに対応する図面を参照し、流路部材90が製造される流れを説明する。
図5のステップS501で使用される枠部材95は、図6に示すように、溝95a(図3参照)と、複数の係合部95bと、複数の保持部95cと、位置決め被係合部95d,95eとを有する。本実施形態においては、枠部材95は二つの係合部95bと二つの保持部95cを有する。枠部材95は一つの係合部95bを有してもよいし、三つ以上の係合部95bを有してもよい。また、枠部材95は三つ以上の保持部95cを有してもよい。枠部材95が有する係合部95bは、複数の保持部95cの間に設けられる。本実施形態においては、二つの円形の保持部95cと保持部95cとの間の窪んだスペースに、二つの係合部95bが設けられる。
図8に示すように、枠部材95の保持部95cは、枠部材95に周状に設けられる溝95aを含み、弾性膜92は、枠部材95が有する溝95aに挿入される周状の凸部92bを有する。
図5のステップS501において、図8に示すように、本実施形態においては、最初に変位部材94が有する第1被案内部94aが、弾性膜92が有する穴部92cに挿入される。変位部材94は、弾性膜92に連結されて弾性膜92と共に変位する。そして、図7に示すように、穴部92cに挿入される変位部材94に連結された複数の弾性膜92が枠部材95に対して取り付けられる。本実施形態においては、一つの枠部材95に対して、二つの弾性膜92が並んで取り付けられる。枠部材95に対して、取り付けられる弾性膜92の数は限定されない。例えば、一つの枠部材95に対して、三つ以上の弾性膜92が取り付けられてもよい。枠部材95は、複数の保持部95cが並ぶ方向における両端に位置決め被係合部95d,95eを有する。
図8に示すように、枠部材95は、複数の弾性膜92それぞれの周縁部を保持する複数の保持部95cを有している。枠部材95が有する保持部95cに含まれる溝95aに対して、弾性膜92が有する凸部92bが挿入されることによって、弾性膜92が枠部材95に保持される。ステップS501は、枠部材95に設けられる複数の保持部95cに複数の弾性膜92それぞれの周縁部を保持させる工程である。
図5のステップS502で使用される流路形成部材78は、図9に示すように、一つの流路形成部材78が、10個の室93を内包する構成となっている。流路形成部材78は、位置決め係合部78a,78b,78cと、室用凹部78d(図3参照)と、第1案内部78e(図3参照)と、被係合部78fと、フック78gと、位置決め係合部78hとを有する。流路形成部材78は、供給流路27を構成する流路(図2参照)のうち、バッファー73の上流に位置する第3流路27cと、バッファー73の下流に位置する第4流路27dを有する。すなわち、本実施形態においては、一つの流路形成部材78が、10個の室93と、10個の第3流路27cと、10個の第4流路27dとを内包する。
図5のステップS502において、図10に示すように、流路形成部材78に複数の枠部材95が仮固定される。図10は、一つの流路形成部材78に対して、一つの枠部材95が取り付けられた状態を示している。枠部材95の位置決め被係合部95dが、流路形成部材78に設けられる位置決め係合部78aに係合され、枠部材95の位置決め被係合部95eが、流路形成部材78に設けられる位置決め係合部78b,78cに係合されることにより、枠部材95および複数の弾性膜92が流路形成部材78に対して位置決めされる。
図11に示すように、流路形成部材78は、枠部材95の係合部95bが係合される被係合部78fを有し、係合部95bが被係合部78fに係合されることにより、複数の弾性膜92を保持する枠部材95が、位置決めされた状態で流路形成部材78に保持される構成となっている。本実施形態においては、一つの枠部材95が有する二つの係合部95bが、流路形成部材78が有する複数の被係合部78fのうちの二つの被係合部78fにそれぞれ係合される。
図12に示すように、本実施形態においては、一つの流路形成部材78に対し、二つの弾性膜92を保持する五つの枠部材95がそれぞれ位置決めされた状態で保持される構成となっている。被係合部78fと係合部95bの間には変位方向Aに対して第1隙間79(図11参照)があり、流路形成部材78と枠部材95はこの第1隙間79の寸法だけ変位方向Aに対して相対的に動ける状態となっている。ここで、第1隙間79は、二つの弾性膜92のそれぞれの周縁部が枠部材95の保持部95cから外れない寸法に設定されているため、二つの弾性膜のそれぞれの周縁部のうち、枠部材95の保持部95cから外れている箇所が一か所でもあるときは、係合部95bは被係合部78fに係合されない。ステップS502は、枠部材95に設けられる係合部95bを流路形成部材78の被係合部78fに係合させることで、複数の弾性膜92を保持する枠部材95を流路形成部材78に仮固定する工程である。
図5のステップS503において、図13に示すように各室93に設けられた弾性膜92に挿入された変位部材94が有する10か所のばね受け部94c(図8参照)に、10個の第1付勢部材96を搭載する。すなわち、ステップS503において流路部材90は第1付勢部材96を備える。
図5のステップS504で使用されるカバー部材101は、第2案内部101a(図3参照)と、フック用穴101b(図14参照)と、位置決め被係合部101c(図15参照)とを有する。
図5のステップS504において、図14に示すように、流路形成部材78にカバー部材101が仮固定される。図3に示すように、カバー部材101が有する第2案内部101aは、変位部材94が有する第2被案内部94bと係合する。すなわち、図13に示す10か所の第2被案内部94bが、図14に示すカバー部材101に設けられる不図示の10か所の第2案内部101aと係合する。そして、図15に示すように、流路形成部材78が有する二つの位置決め係合部78hのそれぞれは、カバー部材101が有する二つの位置決め被係合部101cのそれぞれと係合する。すなわち、カバー部材101が流路形成部材78に対して位置決めされる。そして、図14に示すように、カバー部材101が有する8つのフック用穴101b(図14および図16参照)のそれぞれが、流路形成部材78が有する8つのフック78gのそれぞれと係合する。
図5のステップS504において、第1付勢部材96は、図3に示すように、カバー部材101と弾性膜92との間に設けられる。本実施形態においては、第1付勢部材96は変位部材94を介して弾性膜92を付勢する。
図14に示すように、本実施形態においては、一つのカバー部材101が、一つの流路形成部材78に位置決めされた状態で保持される構成となっている。第2案内部101aは第2被案内部94b(図3参照)に対して変位方向Aに移動可能であり(図3参照)、位置決め係合部78hは位置決め被係合部101cに対して変位方向Aに移動可能である(図15参照)。そして、フック用穴101b(図14および図16参照)とフック78g(図13参照)は、不図示の第2隙間があり、フック用穴101b(図14および図16参照)とフック78g(図13参照)はこの不図示の第2隙間の寸法だけ変位方向Aに対して相対的に動ける状態となっている。このように、ステップS504は、カバー部材101を流路形成部材78に仮固定する工程である。
図5のステップS505において、図15に示すように一つの流路形成部材78が有する20個の固定部材用穴101d(図14参照)に対し、20本の固定部材102で一つのカバー部材101を固定することで流路部材90が完成する。このとき、図3に示すように、枠部材95を介して複数の弾性膜92の周縁部が流路形成部材78に押し付けられた状態で、カバー部材101が流路形成部材78に固定される。
図3に示すように、弾性膜92は、枠部材95が有する保持部95cに保持される凸部92bが設けられる面とは反対側の面にシール凸部92dを有する。カバー部材101が、シール凸部92dを流路形成部材78に押し付けることによって、シール凸部92dが潰され、弾性膜92の周縁部全てが流路形成部材78に対してシールされる。シール凸部92dは、保持部95cが有する溝95aに保持される凸部92bが設けられる面とは反対側の面の、凸部92bに対応する位置に設けるのが望ましい。ただし、シール凸部92dの位置は対応する位置からずれても構わない。
凸部92bの先端部は変位方向Aに対して直交する平面を有し、溝95aの底部は変位方向Aに対して直交する平面を有している。シール凸部92d(図8参照)が流路形成部材78によって潰されるときに、凸部92bの先端部の中心が溝95aの底部の中心に押し付けられるため、凸部92bが押し付けられる方向と直角の方向に広がるときに、弾性膜92の中心に近づく方向と弾性膜92中心から遠ざかる方向とに、凸部92bがほぼ均等に変形して広がる。
複数の枠部材に対して設けられる一つのカバー部材101が、流路形成部材78と複数の弾性膜92との間に複数の室93を形成する。すなわち、ステップS505は、カバー部材101で枠部材95を介して複数の弾性膜92それぞれの周縁部を流路形成部材78に押し付けた状態で、カバー部材101を流路形成部材78に固定する工程である。
以上が、流路部材90の製造方法であり、流路部材90の製造方法はステップS501からステップS505までを含んでいる。
上記の製造方法によって製造される流路部材90は、複数の弾性膜92と、複数の弾性膜92それぞれの周縁部を保持する複数の保持部95cおよび複数の保持部95cの間に設けられる係合部95bを有する枠部材95と、を備える。更に、以上の製造方法によって、製造される流路部材90は、枠部材95の係合部95bが係合される被係合部78fを有する流路形成部材78と、流路形成部材78に固定されるカバー部材101と、を備える。液体吐出装置11は、上記の製造方法によって製造される流路部材90を備えてもよいし、上記の製造方法によって製造される流路部材90を含んだ部材を備えてもよい。
本実施形態の作用について説明する。
図5に示すフローチャートに沿って、各ステップに対応する作用を説明する。
ステップS501においては、図8に示すように、変位部材94が有する第1被案内部94aが、弾性膜92に設けられる穴部92cに挿入される。可撓性を有する弾性膜92の中央部は、可撓性を有しない変位部材94の中央部と連結する。そのため、変位部材94と連結した弾性膜92は、周辺部の凸部92bとその近傍が変形しやすくなる。
枠部材95の保持部95cに挿入される凸部92bとその近傍が変形しやすくなっているため、枠部材95の保持部95cが有する溝95aに対して、変位部材94と連結した弾性膜92が有する凸部92bを容易に挿入することができる。そして、二つの弾性膜92は一つの枠部材95に保持される。
ステップS502においては、図10に示すように、枠部材95の一方端にある位置決め被係合部95dが、流路形成部材78に設けられる位置決め係合部78aに係合される。そして、枠部材95の他方端にある位置決め被係合部95eが、流路形成部材78に設けられる位置決め係合部78b,78cに係合される。これにより、一つの枠部材95および二つの弾性膜92が流路形成部材78に対して位置決めされる。枠部材95は、二つの保持部95cが並ぶ方向における両端にそれぞれ位置決め被係合部95d,95eを有することで、それぞれの保持部95cにそれぞれの周縁部を保持された二つの弾性膜92が、一つの流路形成部材78に対して同時に位置決めされる。
更にステップS502においては、図12に示すように、一つの流路形成部材78に五つの枠部材95が仮固定される。枠部材95のそれぞれの保持部95cが、可撓性を有する複数の弾性膜92のそれぞれの周縁部を保持し、係合部95bが被係合部78fに係合されることによって、枠部材95が流路形成部材78に仮固定される。樹脂の弾性を利用した係合部95bによって二つの部材を仮固定するために、係合方向の異なる二つの係合部95bを用いる。図11に示すように、二つの係合部95bは係合する向きが逆であるため、枠部材95を流路形成部材78に仮固定することができる。枠部材95の二つの係合部95bが、二つの保持部95cの間に設けられることによって、二つの弾性膜92が、流路形成部材78に対して仮固定される。
図11に示すように、被係合部78fと係合部95bの間には変位方向Aに対して第1隙間79があり、流路形成部材78と枠部材95はこの第1隙間79の寸法だけ変位方向Aに対して相対的に動ける状態となっている。この第1隙間79の範囲で流路形成部材78と枠部材95とが動くとき、流路形成部材78と枠部材95とが変位方向Aに対して最大に離れる場合がある。このとき、弾性膜92が有する凸部92bは、枠部材の保持部95cが有する溝95aから離れる方向に動く可能性があるため、流路形成部材78と枠部材95とが変位方向Aに対して最大に離れた場合にも、凸部92bは溝95aから抜けないように、係合部95bと被係合部78fとの寸法関係が設定される。そのため、カバー部材101が流路形成部材78に固定される前に、複数の弾性膜92のそれぞれの周縁部が枠部材95の保持部95cから外れる虞が少ない。
もし、複数の弾性膜92のそれぞれの周縁部のうち、枠部材95の保持部95cから外れている箇所が一か所でもあるときは、係合部95bは被係合部78fに係合されない。すなわち、枠部材95は流路形成部材78に対して仮固定できない。そのため、流路部材90の製造者は、流路部材90の製造過程において、枠部材95の係合部95bが流路形成部材78の被係合部78fに係合されていない箇所があることを検出することができる。
ステップS503においては、図13に示すように、各室93に設けられた弾性膜92に挿入された変位部材94が有する10か所のばね受け部94c(図8参照)に、10個の第1付勢部材96を搭載する。
ステップS504においては、図14に示すように、一つの流路形成部材78に一つのカバー部材101が仮固定される。このとき、流路形成部材78と10個の弾性膜92との間に形成される10個の室93の容積を小さくする方向に弾性膜92を付勢する10個の第1付勢部材96が、カバー部材101と変位部材94との間に設けられることによって、10個の室93を、所定の圧力の液体を貯留可能な複数のバッファー室として容易に設けることができる。カバー部材101と変位部材94との間に第1付勢部材96を設けるときには、10個の弾性膜92のそれぞれの周縁部が枠部材95の保持部95cから外れないようにした状態で、枠部材95が流路形成部材78に仮固定されている(ステップS502参照)ため、第1付勢部材96の付勢力によって、10個の弾性膜92のそれぞれの周縁部が枠部材95の保持部95cから外れる虞が少ない。そして、一つのカバー部材101が10個の弾性膜92のそれぞれの周縁部を流路形成部材78に押し付けた状態で、一つのカバー部材101が一つの流路形成部材78に仮固定される。
また、5個の枠部材95のそれぞれが一つの流路形成部材78に位置決めされ、その流路形成部材78に対して一つのカバー部材101が位置決めされることによって、5個の枠部材95と一つのカバー部材101とを位置決めすることができる。すなわち、一つのカバー部材101だけで5個の枠部材95を位置決めすることができるとともに、一つのカバー部材101を一つの流路形成部材78に固定することができる。
ステップS505においては、図15に示すように流路形成部材78が有する20個の固定部材用穴101d(図14参照)に20本の固定部材102を固定することによって流路形成部材78にカバー部材101が固定され、流路部材90が完成する。固定部材102による固定時にカバー部材101が変位方向A以外の方向に動かないように、10個の第1付勢部材96の付勢力に逆らいながらカバー部材101と流路形成部材78とを位置決めさせて、カバー部材101と流路形成部材78とを仮固定する。この際、カバー部材101を流路形成部材78に対して変位方向Aと同じ方向に押し込むだけで、複数の固定部材用穴101dのそれぞれが複数のフック78gと容易に係合するため、カバー部材101と流路形成部材78とを容易に仮固定することができる。固定部材102の数は20本あるが、カバー部材101と流路形成部材78とを仮固定した後は、流路形成部材78に対する10個の弾性膜92のそれぞれの周縁部の位置が変わる虞が少ないため、カバー部材101を容易に固定することができる。
本実施形態においては、弾性膜92は、枠部材95が有する保持部95cに保持される凸部92bが設けられる面とは反対側の面にシール凸部92d(図8参照)を有する。カバー部材101が、シール凸部92d(図8参照)を流路形成部材78に押し付けることによって、シール凸部92d(図8参照)が潰され、10個の弾性膜92の周縁部が流路形成部材78に対してシールされる。これにより、10個の弾性膜92を流路形成部材78に組み込んだ場合におけるシール不良を抑制できる。
更に本実施形態においては、弾性膜92が流路形成部材78に対してシールされるシール凸部92d(図8参照)は、保持部95cが有する溝95aに保持される凸部92bが設けられる面とは反対側の面の凸部92bに対応する位置に設けられている。シール凸部92d(図8参照)が流路形成部材78によって潰されるときに、凸部92bの中央が押し付けられるため、凸部92bが押し付けられる方向と直角の方向に広がるときに、弾性膜92の中心に近づく方向と弾性膜92中心から遠ざかる方向とに、凸部92bがほぼ均等に変形して広がる。そのため、凸部92bと溝95aとの位置が合い、弾性膜92の流路形成部材78に対する位置決め精度を高めることができる。
このとき、凸部92bの先端部は変位方向Aに対して直交する平面を有するか、半円形状であることが望ましい。同様に、溝95aの底部は変位方向Aに対して直交する平面を有するか、半円形状であることが望ましい。シール凸部92d(図8参照)が流路形成部材78によって潰されるときに、凸部92bの先端部の中心が溝95aの底部の中心に押し付けられるため、凸部92bが押し付けられる方向と直角の方向に広がるときに、弾性膜92の中心に近づく方向と弾性膜92中心から遠ざかる方向とに、凸部92bがほぼ均等に変形して広がる。本実施形態においては、凸部92bの先端部は変位方向Aに対して直交する平面を有し、溝95aの底部は変位方向Aに対して直交する平面を有している。そのため、凸部92bと溝95aとの位置が合い、弾性膜92の流路形成部材78に対する位置決め精度を高めることができる。
図15に示すように、流路形成部材78に対する複数の室93が有する弾性膜92のそれぞれの周縁部の位置を、枠部材95の数よりも少ない数のカバー部材101で押し付けて固定しているため、複数の液体を吐出する液体吐出装置11に使用されるバッファー73の構成部品を少なくでき、バッファー73の製造を容易にできる。更に複数の室93を有する流路部材90を小型化できる。
本実施形態においては、一つの流路形成部材78に対する10個の室93が有する弾性膜92のそれぞれの周縁部の位置を、一つのカバー部材101で押し付けて固定している。そのため、10種類の液体を吐出する液体吐出装置11に使用されるバッファー73の構成部品が少なくなり、バッファー73の製造が容易になる。更にカバー部材101の数が一つのため、10個の室93を有する流路部材90を小型化できる。例えば、一つの室に対してカバー部材101を個別に設けたときには、10個の室93それぞれに対して一つのカバー部材101と四本の固定部材102が設けられる。すなわち、10個のカバー部材101と40本の固定部材102が必要となる。
本実施形態の効果について説明する。
(1)流路部材90は、枠部材95を介して複数の弾性膜92の周縁部を流路形成部材78に押し付けた状態で固定されることにより、流路形成部材78と複数の弾性膜92との間に複数の室93を形成するカバー部材101を備える。枠部材95のそれぞれの保持部95cが、可撓性を有する複数の弾性膜92のそれぞれの周縁部を保持した状態で、枠部材95の係合部95bが流路形成部材78の被係合部78fに係合されることによって、弾性膜92の周縁部が枠部材95の保持部95cから外れない状態で、枠部材95を流路形成部材78に仮固定することができる。そして、カバー部材101が複数の弾性膜92それぞれの周縁部を流路形成部材78に押し付けた状態で流路形成部材78に固定される。複数の弾性膜92を枠部材95の保持部95cから外れない状態で枠部材95を流路形成部材78に仮固定した後に流路形成部材78とカバー部材101とを固定できるため、複数の弾性膜92を流路形成部材78に容易に組み込むことができるとともに、流路部材90の製造時におけるシール不良を抑制できる。
(2)液体吐出装置11においても、上記流路部材90と同様の効果が得られる。
(3)枠部材95の係合部95bが複数の保持部95cの間に設けられることによって、複数の弾性膜92を、流路形成部材78に対して正しい位置に仮固定することができるとともに、少ない係合部95bによって多くの弾性膜92を流路形成部材78に仮固定することができる。
(4)枠部材95の一方端にある位置決め被係合部95dが、流路形成部材78に設けられる位置決め係合部78aに係合され、枠部材95の他方端にある位置決め被係合部95eが、流路形成部材78に設けられる位置決め係合部78b,78cに係合されて、枠部材95および複数の弾性膜92が流路形成部材78に対して位置決めされる。枠部材95は、複数の保持部95cが並ぶ方向における両端にそれぞれ位置決め被係合部95d,95eを有することで、それぞれの保持部95cに保持された複数の弾性膜92を、流路形成部材78に対して同時に位置決めすることができる。
(5)保持部95cは、枠部材95に周状に設けられる溝95aを含み、弾性膜92は、溝95aに挿入される周状の凸部92bを有する。これにより、それぞれの弾性膜92を枠部材95に容易に組み込むことができる。
(6)カバー部材101と弾性膜92との間に設けられ、室93の容積を小さくする方向に弾性膜92を付勢する第1付勢部材96を更に備える。これにより、複数の室93を、所定の圧力の液体を貯留可能な複数のバッファー室として容易に設けることができる。カバー部材101と変位部材94との間に第1付勢部材96が設けられるときには、複数の弾性膜92のそれぞれの周縁部が枠部材95の保持部95cから外れないようにした状態で、枠部材95が流路形成部材78に仮固定されるため、第1付勢部材96の付勢力によって、複数の弾性膜92のそれぞれの周縁部が枠部材95の保持部95cから外れる虞が少ない。
(7)複数の枠部材95のそれぞれが流路形成部材78に位置決めされ、その流路形成部材78に対して一つのカバー部材101を位置決めされることによって、複数の枠部材95と一つのカバー部材101とを位置決めすることができる。すなわち、一つのカバー部材101だけで複数の枠部材95を位置決めすることができるとともに、カバー部材101を流路形成部材78に固定することができる。流路形成部材78に対する複数の室93が有する弾性膜92のそれぞれの周縁部を一つのカバー部材101で押し付けて固定しているため、10種類の液体を吐出する液体吐出装置11に使用されるバッファー73の構成部品を少なくでき、バッファー73の製造を容易にできる。更にカバー部材101が一つのため、複数の室93を有する流路部材90を小型化できる。
(8)流路部材90の製造方法においても、(1)に記載した流路部材90の効果と同様の効果が得られる。
(9)流路部材90の製造方法においても、(6)に記載した液体吐出装置11の効果と同様の効果が得られる。
(10)弾性膜92は、枠部材95が有する保持部95cに保持される凸部92bが設けられる面とは反対側の面にシール凸部92dを有する。カバー部材101が、シール凸部92dを流路形成部材78に押し付けることによって、シール凸部92dが潰され、複数の弾性膜92の周縁部が流路形成部材78に対してシールされる。これにより、複数の弾性膜92を流路形成部材78に組み込んだ場合におけるシール不良を抑制できる。
(11)弾性膜92は、枠部材95が有する保持部95cに保持される凸部92bが設けられる面とは反対側の面にシール凸部92dを有する。カバー部材101が、シール凸部92dを流路形成部材78に押し付けることによって、シール凸部92dが潰され、凸部92bが押し付けられる方向と直角の方向に凸部92bが変形して広がるときの圧力が大きくなる。そのため、弾性膜が有する凸部92bの表面が、枠部材95が有する溝95aの表面に強く密着するため、複数の弾性膜92を流路形成部材78に組み込んだ場合におけるシール不良を抑制できる。
(12)弾性膜92が流路形成部材78に対してシールするシール凸部92dは、保持部95cが有する溝95aに保持される凸部92bが設けられる面とは反対側の面の凸部92bに対応する位置に設けられている。シール凸部92dが流路形成部材78によって潰されるときに、凸部92bの中央が押し付けられるため、凸部92bが押し付けられる方向と直角の方向に広がるときに、弾性膜92の中心に近づく方向と弾性膜92中心から遠ざかる方向とに、凸部92bがほぼ均等に変形して広がる。そのため、凸部92bと溝95aとの位置が合い、弾性膜92の流路形成部材78に対する位置決め精度を高めることができる。
(13)凸部92bの先端部は変位方向Aに対して直交する平面を有し、溝95aの底部は変位方向Aに対して直交する平面を有している。シール凸部92dが流路形成部材78によって潰されるときに、凸部92bの先端部の中心が溝95aの底部の中心に押し付けられるため、凸部92bが押し付けられる方向と直角の方向に広がるときに、弾性膜92の中心に近づく方向と弾性膜92中心から遠ざかる方向とに、凸部92bがほぼ均等に変形して広がる。そのため、凸部92bと溝95aとの位置が合い、弾性膜92の流路形成部材78に対する位置決め精度を高めることができる。
(14)変位部材94が有する第1被案内部94aが、弾性膜92が有する穴部92cに挿入される。可撓性を有する弾性膜92は、可撓性を有しない変位部材94の中央部と連結する。そのため、変位部材94と連結した弾性膜92は、周辺部の凸部92bとその近傍が変形しやすくなる。そのため、枠部材95の保持部95cが有する溝95aに対して、弾性膜92が有する凸部92bを容易に挿入することができる。
(15)被係合部78fと係合部95bの間には変位方向Aに対して第1隙間79があり、流路形成部材78と枠部材95はこの第1隙間79の寸法だけ変位方向Aに対して相対的に動ける状態となっている。この第1隙間79の範囲で流路形成部材78と枠部材95とが動くとき、流路形成部材78と枠部材95とが変位方向Aに対して最大に離れる場合がある。このとき、弾性膜92が有する凸部92bは、枠部材95の保持部95cが有する溝95aから離れる方向に動く可能性があるため、流路形成部材78と枠部材95とが変位方向Aに対して最大に離れた場合にも、凸部92bは溝95aから抜けないように、係合部95bと被係合部78fとの寸法関係が設定される。そのため、カバー部材101が流路形成部材78に固定される前に、複数の弾性膜92のそれぞれの周縁部が枠部材95の保持部95cから外れる虞が少ない。
(16)固定部材102による固定時にカバー部材101が変位方向A以外の方向に動かないように、10個の第1付勢部材96の付勢力に逆らいながらカバー部材101と流路形成部材78とを位置決めさせて、カバー部材101と流路形成部材78とを仮固定する。この際、カバー部材101を流路形成部材78に対して変位方向Aと同じ方向に押し込むだけで、複数の固定部材用穴101dのそれぞれが複数のフック78gと容易に係合するため、カバー部材101と流路形成部材78とを容易に仮固定することができる。固定部材102の数は20本あるが、カバー部材101と流路形成部材78とを仮固定した後は、流路形成部材78に対する10個の弾性膜92のそれぞれの周縁部の位置が変わる虞が少ないため、カバー部材101を容易に固定することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・枠部材95を介して流路形成部材78に対して周縁部を押し付けられる弾性膜92の総数は、複数であれば、その数は限定されない。
・枠部材95を介して流路形成部材78に対して周縁部を押し付けられる弾性膜92によって設けられる室93の総数は、複数であれば、その数は限定されない。
・一つの枠部材95に対して、三つ以上の弾性膜92が取り付けられるときにも、枠部材95が有する係合部95bは、複数の保持部95cの間に設けられてもよい。
・一つの枠部材95に対して、三つ以上の弾性膜92が取り付けられるときには、弾性膜92は整列していなくてもよい。例えば、一つの枠部材95に対して、三つの弾性膜92が取り付けられるときに、三つの弾性膜92を三角形の頂点の位置に並べて、三つの弾性膜92を一つの三角形状の枠部材95に対して取り付けてもよい。例えば、一つの枠部材95に対して、四つの弾性膜92が取り付けられるときに、一列が二つの弾性膜92を二列並べて、四つの弾性膜92を一つの四角形状の枠部材95に対して取り付けてもよいし、四つの弾性膜92を一つの菱形状の枠部材95に対して取り付けてもよい。
・一つの枠部材95が流路形成部材78に対して位置決めされるときに、枠部材95が有する係合部95bのそれぞれが、流路形成部材78が有する被係合部78fのそれぞれと係合する。そのとき、枠部材95が流路形成部材78に係合すれば、係合部95bの数と被係合部78fとの数は限定されない。また、係合部95bの形状と被係合部78fとの形状は、係合できる形状であれば本実施形態の形状に限定されない。例えば、係合部95bの形状と被係合部78fとの形状は、カバー部材101が有するフック用穴101bと流路形成部材78が有するフック78gの形状であってもよい。
・枠部材95に対して、三つ以上の弾性膜92が取り付けられるときにも、枠部材95が流路形成部材78に係合すれば、係合部95bの数は限定されない。例えば、三つの弾性膜92が取り付けられるときには、三つの円形の保持部95cと保持部95cとの間の窪んだ部分の未使用の四か所のスペースのうちの二か所に、それぞれ係合部95bが設けられてもよい。すなわち、三つの弾性膜92が取り付けられるときには、二つの係合部95bが設けられてもよい。例えば、三つの弾性膜92が取り付けられるときには、三つの円形の保持部95cと保持部95cとの間の窪んだ部分の未使用の四か所のスペースに、それぞれ係合部95bが設けられてもよい。すなわち、三つの弾性膜92が取り付けられるときには、四つの係合部95bが設けられてもよい。
・枠部材95が流路形成部材78に対して位置決めされるときに、枠部材95が有する位置決め被係合部95d,95eのそれぞれが、流路形成部材78が有する位置決め係合部78aおよび位置決め係合部78b,78cのそれぞれと係合する。そのとき、位置決め被係合部95d,95eの形状と位置決め係合部78a,78b,78cの形状は、枠部材95が流路形成部材78に対して位置決めされる形状であれば、本実施形態の形状に限定されない。例えば、流路形成部材78は、位置決め係合部78b,78cを有さず、位置決め係合部78bと位置決め係合部78cとの中央に位置決め係合部78aと同形状の位置決め係合部を有し、枠部材95の位置決め被係合部95eの中央部に位置決め被係合部となる長穴を有してもよい。そして、枠部材95の位置決め被係合部95dと流路形成部材78の位置決め係合部78aとが係合し、枠部材95の位置決め被係合部となる該長穴と流路形成部材78の位置決め係合部78aと同形状の該位置決め係合部とが係合してもよい。
・本実施形態においては、枠部材95が有する保持部95cが周状に設けられる一つの溝95aを含み、弾性膜92が溝95aに挿入される周状の一つ凸部92bを有しているが、保持部95cは周状に設けられる複数の溝95aを有してもよい。そのとき、弾性膜92が複数の溝95aに挿入される周状の複数の凸部92bを有してもよい。
・本実施形態においては、枠部材95の保持部95cが周状に設けられる一つの溝95aを含み、弾性膜92が溝95aに挿入される周状の一つの凸部92bを有しているが、枠部材95の保持部95cが、周状に設けられる凸部を有し、弾性膜92が該凸部に挿入される周状の溝を有してもよい。
・図8に示す溝95aと凸部92bの断面を構成する線のうち、変位方向Aと平行な二本の線は、変位方向Aに対して平行でなくてもよい。図8に示す溝95aと凸部92bの断面が構成する変位方向Aと平行な二本の線は、変位方向Aに対して両方の線が傾いてもよいし、片方の線だけが傾いてもよい。例えば、図8に示す溝95aと凸部92bの断面を構成する線のうち、弾性膜92の中心に対して外側にある線が、変位方向Aと平行であり、弾性膜92の中心に対して内側にある線が、変位方向Aに対して凸部92bの先端が細くなる側に傾いてもよい。
・図8に示す溝95aと凸部92bの断面において、溝95aの底部と凸部92bの先端部は、平面の領域を有してもよいし、曲線だけで構成されて平面の領域を有しなくてもよい。平面の領域を有するとき、その平面は変位方向Aと直交しなくてもよい。
・カバー部材101が流路形成部材78に対して位置決めされるときに、カバー部材101が有するフック用穴101bのそれぞれが、流路形成部材78が有するフック78gのそれぞれと係合する。そのとき、フック用穴101bの数とフック78gの数は限定されない。また、フック用穴101bの形状とフック78gの形状は、カバー部材101が流路形成部材78に対して位置決めされる形状であれば、本実施形態の形状に限定されない。例えば、フック用穴101bの形状とフック78gの形状とは、枠部材95が有する係合部95bと流路形成部材78が有する被係合部78fの形状であってもよい。
・流路部材90の製造方法のステップS501からステップS505までの全てを作業者が行ってもよいし、製造作業を自動で行う自動機を用いて、制御部が行ってもよい。また、製造方法のステップの一部を作業者が行い、作業者が行うステップ以外のステップを制御部が行ってもよい。例えば、ステップS501、ステップS502、ステップS504、ステップS505を制御部が行ってもよい。更に、ステップS503を制御部が行ってもよい。
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
(A)流路部材は、複数の弾性膜と、係合部と、前記複数の弾性膜それぞれの周縁部を保持する複数の保持部と、を有する枠部材と前記係合部が係合される被係合部を有し、前記係合部が被係合部に係合されることにより前記複数の弾性膜が保持された前記枠部材を保持可能な流路形成部材と、前記枠部材を介して複数の弾性膜の周縁部を前記流路形成部材に押し付けた状態で固定されて、前記流路形成部材と前記複数の弾性膜との間に複数の室を形成するカバー部材と、を備える。
この構成によれば、枠部材のそれぞれの保持部が、可撓性を有する複数の弾性膜のそれぞれの周縁部を保持した状態で、枠部材の係合部が流路形成部材の被係合部に係合されることによって、弾性膜の周縁部が枠部材の保持部から外れない状態で、枠部材を流路形成部材に仮固定することができる。そして、カバー部材が複数の弾性膜のそれぞれの周縁部を流路形成部材に押し付けた状態で流路形成部材に固定される。複数の弾性膜を枠部材の保持部から外れない状態で枠部材を流路形成部材に仮固定した後に、流路形成部材とカバー部材とを固定できるため、複数の弾性膜を流路形成部材に容易に組み込むことができるとともに、流路部材の製造時におけるシール不良を抑制できる。
(B)液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドに液体を供給する供給流路と、を備え、前記供給流路は、複数の弾性膜と、係合部と、前記複数の弾性膜それぞれの周縁部を保持する複数の保持部と、を有する枠部材と前記係合部が係合される被係合部を有し、前記係合部が被係合部に係合されることにより前記複数の弾性膜が保持された前記枠部材を保持可能な流路形成部材と、前記枠部材を介して複数の弾性膜の周縁部を前記流路形成部材に押し付けた状態で前記流路形成部材に固定されて、前記流路形成部材と前記複数の弾性膜との間に複数の室を形成するカバー部材と、を有する。
この構成によれば、枠部材のそれぞれの保持部が、可撓性を有する複数の弾性膜のそれぞれの周縁部を保持した状態で、枠部材の係合部が流路形成部材の被係合部に係合されることによって、弾性膜の周縁部が枠部材の保持部から外れない状態で、枠部材を流路形成部材に仮固定することができる。そして、カバー部材が複数の弾性膜のそれぞれの周縁部を流路形成部材に押し付けた状態で流路形成部材に固定される。複数の弾性膜を枠部材の保持部から外れない状態で枠部材を流路形成部材に仮固定した後に、流路形成部材とカバー部材とを固定できるため、複数の弾性膜を流路形成部材に容易に組み込むことができるとともに、流路部材の製造時におけるシール不良を抑制できる。
(C)上記液体吐出装置は、前記枠部材の前記係合部は、前記複数の保持部の間に設けられてもよい。
この構成によれば、枠部材の係合部が複数の保持部の間に設けられることによって、複数の弾性膜を、流路形成部材に対して正しい位置に仮固定することができるとともに、少ない係合部によって多くの弾性膜を流路形成部材に仮固定することができる。
(D)上記液体吐出装置は、前記枠部材は、複数の保持部が並ぶ方向における両端に位置決め被係合部を有し、前記位置決め被係合部が、前記流路形成部材に設けられる位置決め係合部に係合されることにより、前記枠部材および前記複数の弾性膜が前記流路形成部材に対して位置決めされてもよい。
この構成によれば、枠部材は、複数の保持部が並ぶ方向における両端に位置決め被係合部を有することで、それぞれの保持部に保持された複数の弾性膜を、流路形成部材に対して同時に位置決めすることができる。
(E)上記液体吐出装置は、前記保持部は、前記枠部材に周状に設けられる溝を含み、
前記弾性膜は、前記溝に挿入される周状の凸部を有してもよい。
この構成によれば、それぞれの弾性膜を枠部材に容易に組み込まれることができる。更に、カバー部材が、それぞれの弾性膜が有する凸部が設けられる面とは反対側の面を流路形成部材に押し付けることによって凸部が潰され、それぞれの弾性膜の周縁部が流路形成部材に対してシールされる。これにより、複数の弾性膜を流路形成部材に組み込んだ場合におけるシール不良を抑制できる。
(F)上記液体吐出装置は、前記カバー部材と前記弾性膜との間に設けられ、前記室の容積を小さくする方向に前記弾性膜を付勢する付勢部材を更に備えてもよい。
この構成によれば、複数の室を、所定の圧力の液体を貯留可能な複数のバッファー室として容易に設けることができる。カバー部材と弾性膜との間に付勢部材が設けられるときには、複数の弾性膜のそれぞれの周縁部が枠部材の保持部から外れないようにした状態で、枠部材が流路形成部材に仮固定されるため、付勢部材の付勢力によって、複数の弾性膜のそれぞれの周縁部が枠部材の保持部から外れる虞が少ない。そして、カバー部材が複数の弾性膜のそれぞれの周縁部を流路形成部材に押し付けた状態で固定される。複数の弾性膜の周縁部が枠部材の保持部から外れない状態で、流路形成部材とカバー部材との間がシールされるため、複数の弾性膜を流路形成部材に組み込んで、複数のバッファー室を設ける場合にシール不良を抑制できる。
(G)上記液体吐出装置は、複数の前記枠部材に対して設けられる前記カバー部材の数は前記枠部材の数よりも少なくてもよい。
この構成によれば、複数の枠部材それぞれが流路形成部材に位置決めされ、その流路形成部材に対してカバー部材が位置決めされることによって、複数の枠部材とカバー部材とを位置決めすることができる。すなわち、枠部材の数よりも少ない数のカバー部材で複数の枠部材を位置決めすることができるとともに、カバー部材を流路形成部材に固定することができる。複数の室が有する弾性膜のそれぞれの周縁部の位置を、枠部材の数よりも少ない数のカバー部材で押し付けて固定しているため、複数の液体を吐出する液体吐出装置に使用する室を有する流路部材を小型化できる。
(H)流路部材の製造方法は、複数の弾性膜と、当該複数の弾性膜それぞれの周縁部を保持する複数の保持部および当該複数の保持部の間に設けられる係合部を有する枠部材と、当該枠部材の係合部が係合される被係合部を有する流路形成部材と、当該流路形成部材に固定されるカバー部材と、を備える流路部材の製造方法であって、前記枠部材に設けられる前記複数の保持部に前記複数の弾性膜それぞれの周縁部を保持させることと、前記枠部材に設けられる前記係合部を前記流路形成部材の前記被係合部に係合させることで、前記複数の弾性膜を保持する前記枠部材を前記流路形成部材に仮固定することと、前記カバー部材で前記枠部材を介して前記複数の弾性膜それぞれの周縁部を前記流路形成部材に押し付けた状態で、前記カバー部材を前記流路形成部材に固定することと、を含む。
この構成によれば、枠部材のそれぞれの保持部が、可撓性を有する複数の弾性膜のそれぞれの周縁部を保持した状態で、枠部材の係合部が流路形成部材の被係合部に係合されることによって、弾性膜の周縁部が枠部材の保持部から外れない状態で、枠部材を流路形成部材に仮固定することができる。そして、カバー部材が複数の弾性膜それぞれの周縁部を流路形成部材に押し付けた状態で流路形成部材に固定される。複数の弾性膜を枠部材の保持部から外れない状態で枠部材を流路形成部材に仮固定した後に、流路形成部材とカバー部材とを固定できるため、複数の弾性膜を流路形成部材に容易に組み込むことができるとともに、流路部材の製造時におけるシール不良を抑制できる。
(I)上記流路部材は、前記カバー部材と前記弾性膜との間に設けられ、前記流路形成部材と前記複数の弾性膜との間に形成される複数の室の容積を小さくする方向に複数の弾性膜を付勢する複数の付勢部材を更に備え、前記複数の弾性膜を保持する前記枠部材を前記流路形成部材に仮固定した後であり、前記カバー部材で前記枠部材を介して前記複数の弾性膜それぞれの周縁部を前記流路形成部材に押し付ける前に、前記カバー部材と前記弾性膜との間に複数の前記付勢部材を設けること、を含んでもよい。
この構成によれば、枠部材のそれぞれの保持部が、可撓性を有する複数の弾性膜のそれぞれの周縁部を保持した状態で、係合部が被係合部に係合されることによって、弾性膜の周縁部が枠部材の保持部から外れない状態で、枠部材を流路形成部材に仮固定することができる。そして、カバー部材と弾性膜との間に設けられ、流路形成部材と複数の弾性膜との間に形成される複数の室の容積を小さくする方向に複数の弾性膜を付勢する複数の付勢部材を更に備えたときも、カバー部材が、複数の弾性膜のそれぞれの周縁部を流路形成部材に押し付けた状態で固定される。複数の弾性膜の周縁部が枠部材の保持部から外れない状態で、流路形成部材とカバー部材との間がシールされるため、複数の弾性膜を流路形成部材に組み込んだ場合におけるシール不良を抑制できる。
11…液体吐出装置、12…プリンター部、13…スキャナー部、14…操作パネル、15…表示部、16…操作部、17…スキャナー本体部、18…原稿台カバー、19…自動原稿給送部、19A…載置台、19B…スタック部、21…液体貯留部、22…給送トレイ、23…媒体収容部、24…カバー、25…カバー、26…メンテナンス部、27…供給流路、27a…第1流路、27b…第2流路、27c…第3流路、27d…第4流路、28…供給機構、29…制御部、30…ノズル形成面、31…印刷機構部、34…供給口、37…ノズル、38…液体吐出ヘッド、41…供給チューブ、42…ダイヤフラム、43…ポンプ室、44…負圧室、45…第3付勢部材、47…駆動源、49…キャップ、51…吸引部、70…吸引側一方向弁、71…送液部、72…吐出側一方向弁、73…バッファー、78…流路形成部材、78a…位置決め係合部、78b…位置決め係合部、78c…位置決め係合部、78d…室用凹部、78e…第1案内部、78f…被係合部、78g…フック、78h…位置決め係合部、79…第1隙間、90…流路部材、92…弾性膜、92a…閉鎖部、92b…凸部、92c…穴部、92d…シール凸部、93…室、94…変位部材、94a…第1被案内部、94b…第2被案内部、94c…ばね受け部、95…枠部材、95a…溝、95b…係合部、95c…保持部、95d…位置決め被係合部、95e…位置決め被係合部、96…第1付勢部材、97…レバー部、97a…レバー軸、97b…被検出部、98…第2付勢部材、99…変位検出部、101…カバー部材、101a…第2案内部、101b…フック用穴、101c…位置決め被係合部、101d…固定部材用穴、102…固定部材、A…変位方向、P…媒体。

Claims (9)

  1. 複数の弾性膜と、
    係合部と、前記複数の弾性膜それぞれの周縁部を保持する複数の保持部と、を有する枠部材と
    前記係合部が係合される被係合部を有し、前記係合部が被係合部に係合されることにより前記複数の弾性膜が保持された前記枠部材を保持可能な流路形成部材と、
    前記枠部材を介して複数の弾性膜の周縁部を前記流路形成部材に押し付けた状態で固定されて、前記流路形成部材と前記複数の弾性膜との間に複数の室を形成するカバー部材と、
    を備える流路部材。
  2. 液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    液体吐出ヘッドに液体を供給する供給流路と、を備え、
    前記供給流路は、
    複数の弾性膜と、
    係合部と、前記複数の弾性膜それぞれの周縁部を保持する複数の保持部と、を有する枠部材と
    前記係合部が係合される被係合部を有し、前記係合部が被係合部に係合されることにより前記複数の弾性膜が保持された前記枠部材を保持可能な流路形成部材と、
    前記枠部材を介して複数の弾性膜の周縁部を前記流路形成部材に押し付けた状態で前記流路形成部材に固定されて、前記流路形成部材と前記複数の弾性膜との間に複数の室を形成するカバー部材と、を有することを特徴とする液体吐出装置。
  3. 前記枠部材の前記係合部は、前記複数の保持部の間に設けられることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記枠部材は、複数の保持部が並ぶ方向における両端に位置決め被係合部を有し、
    前記位置決め被係合部が、前記流路形成部材に設けられる位置決め係合部に係合されることにより、前記枠部材および前記複数の弾性膜が前記流路形成部材に対して位置決めされることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記保持部は、前記枠部材に周状に設けられる溝を含み、
    前記弾性膜は、前記溝に挿入される周状の凸部を有することを特徴とする請求項2から請求項4のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記カバー部材と前記弾性膜との間に設けられ、前記室の容積を小さくする方向に前記弾性膜を付勢する付勢部材を更に備えることを特徴とする請求項2から請求項5のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
  7. 複数の前記枠部材に対して設けられる前記カバー部材の数は前記枠部材の数よりも少ないことを特徴とする請求項2から請求項6のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
  8. 複数の弾性膜と、当該複数の弾性膜それぞれの周縁部を保持する複数の保持部および当該複数の保持部の間に設けられる係合部を有する枠部材と、当該枠部材の係合部が係合される被係合部を有する流路形成部材と、当該流路形成部材に固定されるカバー部材と、を備える流路部材の製造方法であって、
    前記枠部材に設けられる前記複数の保持部に前記複数の弾性膜それぞれの周縁部を保持させることと、
    前記枠部材に設けられる前記係合部を前記流路形成部材の前記被係合部に係合させることで、前記複数の弾性膜を保持する前記枠部材を前記流路形成部材に仮固定することと、
    前記カバー部材で前記枠部材を介して前記複数の弾性膜それぞれの周縁部を前記流路形成部材に押し付けた状態で、前記カバー部材を前記流路形成部材に固定することと、
    を含むことを特徴とする流路部材の製造方法。
  9. 前記流路部材は、前記カバー部材と前記弾性膜との間に設けられ、前記流路形成部材と前記複数の弾性膜との間に形成される複数の室の容積を小さくする方向に複数の前記弾性膜を付勢する複数の付勢部材を更に備え、
    前記複数の弾性膜を保持する前記枠部材を前記流路形成部材に仮固定した後であり、前記カバー部材で前記枠部材を介して前記複数の弾性膜それぞれの周縁部を前記流路形成部材に押し付ける前に、前記カバー部材と前記弾性膜との間に複数の前記付勢部材を設けること、を含むことを特徴とする請求項8に記載の流路部材の製造方法。
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