JP2021083574A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作手段による操作タイミングに応じた、興趣に富む演出を遊技者に提供できる遊技機を提供する。【解決手段】ボタン操作有効期間に操作ボタンの操作があったかが判断される(S221、S222)。ボタン操作有効期間内に操作ボタンの操作があった場合(S221:YES、S222:YES)、操作ボタンの操作があった時点がボタン操作有効期間のうちタイミングA〜タイミングDのいずれであるかが特定される(S223)。特定されたタイミングに応じた内容の昇格演出が決定される(S225)。【選択図】図15

Description

本発明は、操作手段による操作に応じて演出を変化させる遊技機に関する。
従来、操作手段による操作に応じて演出を変化させるが知られている。特許文献1は、特別演出に対して演出ボタンのボタン操作を有効とする操作有効期間を設け、操作有効期間内にボタン操作が行われた場合に特別演出を実行し、操作有効期間内にボタン操作が行われなかった場合に特別演出を実行しない遊技機を開示する。
特開2014−166232号公報
操作有効期間は、一定の長さを有して設けられる。操作有効期間の最初の方にボタン操作が行われる場合と最後の方にボタン操作が行われる場合とがある。どちらも同じ特別演出が行われる場合、最初の方にボタン操作が行われて特別演出が行われたときには、最後の方にボタン操作が行われて特別演出が行われたときよりも演出の内容が間延びした印象になりやすいといった問題がある。
本発明は、操作手段による操作タイミングに応じた、興趣に富む演出を遊技者に提供できる遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、遊技球を用いた遊技の進行に応じた演出である遊技演出を実行する遊技機において、前記遊技演出に関する操作の入力を受け付ける操作手段と、所定の期間である特別期間に前記操作手段による操作の入力が受け付けられた場合に、特別な前記遊技演出である特別演出を実行する特別演出実行手段と、前記特別期間のうちいずれの時期に前記操作手段によって操作の入力が受け付けられたかを判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果に応じて、前記特別演出実行手段によって実行される前記特別演出の態様を決定する特別演出決定手段とを備える。
本発明に係る遊技機は、実行する特別演出の態様を、特別期間のうちいずれの時期に操作手段による操作の入力の受け付けがあったかに応じて決定する。したがって本発明に係る遊技機は、操作手段による操作タイミングに応じた、興趣に富む演出を遊技者に提供できる。
前記特別演出実行手段は、前記特別期間に前記操作手段による操作の入力が受け付けられた時点から前記特別演出を実行し、前記特別演出決定手段は、前記判断手段によって前記操作手段によって操作の入力が受け付けられたと判断された時期が前記特別期間において先の時期であるほど、前記特別演出の実行時間を長い時間に決定してもよい。
この場合、遊技機は、操作手段による操作の入力の受け付けが特別期間のうち先の時期であるほど、実行時間の長い特別演出を実行するので、特別演出が間延びした印象になりにくい。また、遊技機は、より長い実行時間の特別演出を楽しみたい遊技者に、より先の時期に操作手段による操作の入力を促すことができるので、特別演出による遊技の興趣の向上を図ることができる。
前記遊技機は、遊技球が通過する通過口と、遊技球が前記通過口を通過することを契機として当たり遊技を実行するかを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を報知する前記遊技演出である報知演出を実行する報知演出実行手段と、前記報知演出の種類に応じて前記特別期間を定める期間定義手段とを備え、前記当たり遊技は、有利度が高い前記当たり遊技である特定当たり遊技と、前記特定当たり遊技に比べて前記有利度が低い非特定当たり遊技とを含み、前記報知演出の種類には、前記非特定当たり遊技が実行される可能性があることを報知した後に前記特定当たり遊技が実行されるか否かを示唆する前記遊技演出である特定演出が実行されるものが含まれ、前記特別演出は、前記特定演出において前記特定当たり遊技が実行されることを示唆する内容であり、前記期間定義手段は、前記特定演出が実行される種類の前記報知演出において前記特定演出が実行される期間に前記特別期間を定めてもよい。
特定演出において、特定当たり遊技が実行されるか否かの示唆を早期に得たい遊技者と、特定当たり遊技が実行されるか否かの示唆を得ることをなるべく遅くしたい遊技者とがある。遊技機は、特定演出が実行される期間に特別期間を定め、特別期間のうちいずれの時期に操作手段による操作の入力の受け付けがあったかに応じて特別演出の態様を決定する。したがって、遊技機は、いずれの遊技者の意向にも応じた態様で特別演出を実行できる。
前記特別期間は、複数の時期に区分されており、前記判断手段は、区分された前記複数の時期のうちいずれの時期に前記操作手段によって操作の入力が受け付けられたかを判断し、前記特別演出決定手段は、前記判断手段によって操作の入力が受け付けられたと判断された時期毎に異なる前記特別演出の態様を決定してもよい。
この場合、遊技機は、特別期間の複数の時期の区分の数に応じた態様の特別演出を設けることで、特別演出の興趣を向上できる。
パチンコ機1の正面図である。 遊技盤2の正面図である。 大当たり遊技中の電チュー等の基本動作を示すタイミングチャートである。 大当たり遊技中の電チュー等の基本動作を示すタイミングチャートである。 大当たり遊技中の電チュー等の基本動作を示すタイミングチャートである。 パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。 RAM52の第一普通当たり関係情報記憶エリアを示す概念図である。 ROM53に記憶されている第一普通図柄決定テーブルの概念図である。 第一電チュー13の開放パターン及び振分部作動パターンを示すタイムチャートである。 ROM53に記憶されている第一変動パターン決定テーブルの概念図である。 主基板41において行われるメイン処理のフローチャートである。 メイン処理において行われる第一普通図柄処理のフローチャートである。 メイン処理において行われる第一普通電動役物処理のフローチャートである。 サブ制御基板58において行われるサブ制御基板処理のフローチャートである。 図14に続くフローチャートである。 ボタン操作有効期間及びボタン操作有効期間に設けられるタイミングA〜タイミングDについて説明する説明図である。 パターンAの昇格演出の内容の例を説明する説明図である。 パターンBの昇格演出の内容の例を説明する説明図である。 パターンCの昇格演出の内容の例を説明する説明図である。 結果表示の昇格演出の内容の例を説明する説明図である。
以下、本発明に係る遊技機の第一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。以下の説明では、図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、及び右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、及び右側とする。パチンコ機1は、複数の普通電動役物に加えて第二種非電動役物を備えた、いわゆる一般電役タイプの遊技仕様の遊技機である。本願が開示する技術は、1種タイプ、2種タイプ、1種2種混合タイプ、普通機タイプ等、様々な遊技仕様の遊技機に適用できる。
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は正面視略正方形の板状であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠10によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(図6参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。前面枠10の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に形成されている。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り8が設けられている。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は、センター飾り8の左側を流下し、所定の強度以上で発射された遊技球は、センター飾り8の右側を流下する。以下、遊技球がセンター飾り8の左側を流下するように遊技球を発射することを「左打ち」と、遊技球がセンター飾り8の右側を流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。
センター飾り8は、表示画面28を主に備える。表示画面28は、センター飾り8の上部の略中央に配置される。表示画面28は、例えばLCD等によって構成されており、様々な数字・文字等を表示可能である。表示画面28は、報知演出を実行可能である。報知演出は、演出用の図柄である演出図柄80(図17参照)を変動させた後に、後述する第一普通当たり判定の結果を示す演出図柄80の組合せを確定表示させることで、第一普通当たり判定の結果を遊技者に報知する演出である。
センター飾り8の略中央下方には、遊技球が通過可能なゲート11が設けられている。ゲート11は、第一普通図柄の作動ゲートである。センター飾り8の右方には、複数の入賞口が一体に設けられたユニット部品である入賞口ユニット20が設けられている。入賞口ユニット20は、第一電チュー13、第一非電動役物17及び第二非電動役物18を備える。第一電チュー13は、普通電動役物(普通当たり判定の結果に基づき入賞口の大きさを変化する役物)として設けられる電動チューリップ(以下、「電チュー」という。)の一つである。第一電チュー13は、入賞口ユニット20の上部に設けられる。第一電チュー13は、第一電チュー13の入口を開閉する開閉部材131を備える。入賞口ユニット20の上部に設けられた流路入口201A(図2参照)から入賞口ユニット20の内部に進入した遊技球は、開閉部材131によって第一電チュー13の入口が開放された場合にのみ、第一電チュー13に入賞できる。第一電チュー13は、第四普通図柄の作動口である。
第一非電動役物17は、入賞口ユニット20の略中央部に設けられる。第一非電動役物17は、第二種非電動役物に係る入賞口として構成されている。第二種非電動役物は、電動役物(電気的動力によって動作する役物)以外の役物であり、遊技球が当該入賞口以外の特定の入賞口に入賞した場合又は特定のゲートを通過した場合に作動する役物である。すなわち、第一非電動役物17の入口は、ソレノイド等によって電気的に開閉されるものではなく、機械的に開閉される。本実施形態では、第一非電動役物17が開放状態の場合にのみ、入賞口ユニット20の内部に設けられた流路201(図2参照)を流れる遊技球が第一非電動役物17に入賞できる。なお、第一非電動役物17は、入口が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開放状態が閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。第一非電動役物17は、第二普通図柄の作動口としても機能する。
第二非電動役物18は、入賞口ユニット20の下部に設けられる。第二非電動役物18も、第二種非電動役物に係る入賞口として構成されている。本実施形態では、第二非電動役物18が開放状態の場合にのみ、入賞口ユニット20の流路201を流れる遊技球が第二非電動役物18に入賞できる。なお、第二非電動役物18は、入口が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開放状態が閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。第二非電動役物18は、普通図柄の作動口として機能しない。以下、第一非電動役物17及び第二非電動役物18を総称する場合、単に、非電動役物という。
入賞口ユニット20の略中央下方には、第二電チュー14が設けられている。第二電チュー14は、第三普通図柄の作動口である。第二電チュー14の左下方には、第三電チュー15が設けられている。第三電チュー15は、第一電チュー13と同様に、第四普通図柄の作動口である。第二電チュー14の右下方には、第四電チュー16が設けられている。第四電チュー16は、普通図柄の作動口として機能しない。第二電チュー14、第三電チュー15、第四電チュー16のそれぞれは、第一電チュー13と同様に、開閉部材141,151,161を備える。第二電チュー14、第三電チュー15及び第四電チュー16のそれぞれの開閉部材141,151,161が開放された場合にのみ、遊技球は第二電チュー14、第三電チュー15及び第四電チュー16に入賞できる。以下、第一電チュー13、第二電チュー14、第三電チュー15及び第四電チュー16を総称する場合、単に、電チューという。電チューの各開閉部材131,141,151,161は、ソレノイドによって開閉される。電チューは、それぞれの開閉部材131,141,151,161が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材131,141,151,161が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。
遊技領域4には、上記以外に、アウト口19、各種の電飾部材、その他の入賞口及び遊技くぎ(図示略)等が設けられている。アウト口19は、遊技盤2の下部に設けられている。遊技領域4を流下する遊技球のうち、電チュー、非電動役物及びその他の入賞口のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、アウト口19を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
なお、遊技領域4において、各遊技部材が上記のように配設されるため、左打ちされた遊技球は、右打ちされた遊技球よりも、ゲート11を通過しやすい。また、右打ちされた遊技球は、左打ちされた遊技球よりも、電チュー及び非電動役物に入賞しやすい。左打ちされた遊技球が電チュー及び非電動役物に入賞することは困難である。したがって、遊技者は、後述する大当たり遊技中には右打ちによって遊技を進め、それ以外の場合は左打ちによって遊技を進める。
遊技盤2の右下部には、図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一普通図柄表示部、第二普通図柄表示部、第三普通図柄表示部、第四普通図柄表示部、第一普通図柄記憶数表示LED、第二普通図柄記憶数表示LED、第三普通図柄記憶数表示LED及び第四普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一〜第四普通図柄表示部は、それぞれ1の7セグメントLEDからなり、第一〜第四普通当たり判定の結果を示す第一〜第四普通図柄を、LEDの点灯及び消灯によって表示する。第一〜第四普通図柄記憶数表示LEDは、第一〜第四普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球である保留球の個数(いわゆる「保留球数」)を表示する。第一普通図柄に係る保留球数を第一保留球数という。第二普通図柄に係る保留球数を第二保留球数という。第三普通図柄に係る保留球数を第三保留球数という。第四普通図柄に係る保留球数を第四保留球数という。以下では、第一〜第四普通図柄を総称する場合、単に普通図柄という。
図3から図5を参照して、パチンコ機1の遊技例について説明する。パチンコ機1では、左打ちで遊技を開始して、遊技球がゲート11を通過することを契機として、第一当たり乱数が取得される。取得された第一当たり乱数に基づいて、第一普通当たり判定が行われる。パチンコ機1では、第一普通当たり判定において当たりと判定される確率(以下、「第一普通当たり確率」という。)は、約1/150である。なお、第一普通当たり確率は、約1/150より低くても高くてもよい。以下、第一普通当たり判定によって当たりと判定されることを、「第一普通当たり」ともいう。本実施形態において、ゲート11を通過した遊技球に対して、第一普通当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第一保留球数)は「4」である。
パチンコ機1には、第一電チュー13が開放される第一普通当たり遊技に、「大出玉」及び「小出玉」の種類がある。パチンコ機1は、第一普通当たり遊技において第一電チュー13に遊技球が入賞することを契機として、他の電チュー及び非電動役物が連続的に開放する。パチンコ機1において、電チュー及び非電動役物が連続的に開放する遊技を、「大当たり遊技」という。大当たり遊技において払い出される賞球の総数は、大出玉の第一普通当たり遊技の実行を契機として大当たり遊技が行われる場合の方が、小出玉の第一普通当たり遊技の実行を契機として大当たり遊技が行われる場合よりも多い。
図3及び図4を参照して、大出玉の第一普通当たり遊技の実行を契機として行われる大当たり遊技について説明する。図3に示すように、遊技球がゲート11を通過することを契機として第一普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第一普通図柄表示部に表示される第一普通図柄が変動を開始する。第一普通図柄の変動に同期して、表示画面28、スピーカ48等によって報知演出が行われる。普通図柄の変動のうち、当たりを示す図柄が確定表示される変動を当たり変動といい、はずれを示す図柄が確定表示される変動をはずれ変動という。
第一普通当たり判定によって第一普通当たりと判定され、第一普通図柄の当たり変動の終了後に、大出玉の第一普通当たり遊技が行われたとする。第一普通当たり遊技は、第一普通当たりを示す第一普通図柄が確定表示された後に行われる。開放された第一電チュー13に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。第一普通当たり遊技で開放された第一電チュー13に遊技球を入賞させるため、遊技者は、遊技を左打ちから右打ちに変更する。一旦開放された第一電チュー13は、第一開放パターンP1(図9参照)による開放の終了及び10個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。なお、第一普通当たり遊技が実行されている間には、第一普通図柄は変動しない。
第一電チュー13へ入賞した遊技球は、第一電チュー13の内部に設けられている内部流路(図示略)を流下する。内部流路の内部には振分部21(図2参照)が設けられている。振分部21は、L状部21Aとストッパ21Bとを有する。L状部21Aは正面視でL字状の板状部材であり、ストッパ21Bは、上下方向に延びる薄板状の部材である。振分部21の未作動時には、L状部21Aが前方に突出し、ストッパ21Bが後方に退避する。振分部21の作動時には、L状部21Aが後方に退避し、ストッパ21Bが前方に突出する。以下では、作動時における振分部21の位置を作動位置、未作動時における振分部21の位置を未作動位置という。
内部流路は、振分部21が設けられた部分において分岐し、分岐した一方の内部流路は第一非電動役物17の後方へ延び、他方の内部流路は第二非電動役物18の後方へ延びる。内部流路のうち第一非電動役物17の後方の領域を第一通過領域とし、第二非電動役物18の後方の領域を第二通過領域とする。
振分部21の未作動時に内部流路の分岐部に到達した遊技球は、突出したL状部21Aに導かれて、第二通過領域が設けられた方に分岐する内部流路を流下する。振分部21の作動時に内部流路の分岐部に最初に到達した遊技球は、突出したストッパ21Bによって分岐部において保持される。分岐部において遊技球が保持されている状態で分岐部に到達した遊技球は、分岐部に保持されている遊技球に導かれて、第二通過領域が設けられた方に分岐する内部流路を流下する。振分部21が作動を終了すると(作動時から未作動時に移行すると)、分岐部に突出したストッパ21Bが後方に退避し、L状部21Aが分岐部に突出した未作動時の状態になる。ストッパ21Bが退避することにより振分部21による遊技球の保持が解除され、遊技球は第一通過領域が設けられた方の内部流路に分岐する内部流路を流下する。すなわち、振分部21は、内部流路を流下する遊技球を、第一通過領域が設けられた方の内部流路又は第二通過領域が設けられた方の内部流路のいずれかに振り分けるために設けられている。
第一非電動役物17は、第一作動機構(図示略)を備える。第一作動機構は、第一非電動役物17の入口を開放させるための機構である。第一開放機構は、第一非電動役物17の内部から後方に延びるレバーを備える。レバーの後部は第一通過領域に配置される。第一通過領域を通過する遊技球は、レバーに当接する。第一非電動役物17の内部に延びるレバーの前部は、第一非電動役物17の内部に設けられるフック(図示略)に連結している。第一通過領域を通過する遊技球がレバーに当接すると、フックが、第一非電動役物17の入口を構成する入口部材(図示略)を係留して、第一非電動役物17の入口が開放状態になる。なお、第一通過領域を通過した遊技球は、その後、遊技盤2の後方に排出される。
第一非電動役物17は、第一閉鎖機構(図示略)を備える。第一閉鎖機構は、第一非電動役物17の入口を閉鎖させるための機構である。第一閉鎖機構は、第一非電動役物17の内部に固定された軸部材(図示略)によって回転自在に支持されるギヤである。第一非電動役物17に所定個数の遊技球が入賞すると、ギヤが所定の角度で回転してフックが押しあげられ、フックと入口部材との係留が解除される。これにより、第一非電動役物17が閉鎖状態になる。開放状態の第一非電動役物17を閉鎖状態にするために必要な第一非電動役物17への遊技球の入賞個数を、以下では「第一閉鎖入賞数」という。本実施形態では、第一閉鎖入賞数は「2」である。このように、第一非電動役物17は、電気的動力を用いることなく、第一開放機構及び第一閉鎖機構によって機械的に開閉する。
第二非電動役物18は、第二開放機構及び第二閉鎖機構(図示略)を備える。第二開放機構は、第一開放機構と同様に構成されており、第二開放機構のレバー(図示略)の後部は第二通過領域に配置される。第二通過領域を通過する遊技球がレバーに当接すると、第二非電動役物18の内部に設けられるフック(図示略)が、第二非電動役物18の入口を構成する入口部材(図示略)を係留して、第二非電動役物18の入口が開放状態になる。なお、第二通過領域を通過した遊技球は、その後、遊技盤2の後方に排出される。第二閉鎖機構は、第一閉鎖機構と同様に構成されており、開放状態の第二非電動役物18へ所定個数の遊技球が入賞すると、第二閉鎖機構によって第二非電動役物18が閉鎖状態にされる。開放状態の第二非電動役物18を閉鎖状態にするために必要な第二非電動役物18への遊技球の入賞個数を、以下では「第二閉鎖入賞数」という。本実施形態では、第二閉鎖入賞数は「1」である。このように、第二非電動役物18は、電気的動力を用いることなく、第二開放機構及び第二閉鎖機構によって機械的に開閉する。なお、非電動役物への遊技球の入賞に伴い、所定の賞球が払い出される。
パチンコ機1では、大出玉の第一普通当たり遊技と、小出玉の第一普通当たり遊技とで、第一電チュー13の開放パターンが異なる。振分部21は、所定の振分部作動パターンで作動する。第一電チュー13の開放パターンと振分部作動パターンとの組合せによって、大出玉の第一普通当たり遊技において第一電チュー13へ入賞した遊技球のうち1個だけが第一通過領域を通過し、その他は第二通過領域を通過する。本実施形態では、複数の遊技球が第二通過領域を通過した後、1個の遊技球が第一通過領域を通過する。したがって、第一電チュー13へ10個の遊技球が入賞した場合、第二非電動役物18が9回の開閉を繰り返した後、第一非電動役物17が1回の開閉を行う。本実施形態では、第一普通当たり遊技の実行中に第二非電動役物18が開閉し、第一普通当たり遊技の実行中又は実行後に第一非電動役物17が開閉する。
第一電チュー13は、第四普通図柄の作動口であるので、第一電チュー13へ遊技球が入賞することを契機として、第四当たり乱数が取得される。第一非電動役物17は、第二普通図柄の作動口であるので、第一非電動役物17へ遊技球が入賞することを契機として、第二当たり乱数が取得される。
パチンコ機1は、複数の普通図柄のそれぞれについて、他の普通図柄に対して優先的に変動するか否かを示す変動優先順位を定める。具体的には、第四普通図柄の変動優先順位が最も高く、以降は第三普通図柄、第二普通図柄、第一普通図柄の順に変動優先順位が低くなる。第四保留球数が「1」以上である限り、第四普通図柄は他の普通図柄に優先して変動を開始する。第四保留球数が「0」であり、第三保留球数が「1」以上である場合には、第三普通図柄が第一普通図柄及び第二普通図柄に優先して変動を開始する。第三保留球数及び第四保留球数が「0」であり、第二保留球数が「1」以上である場合には、第二普通図柄が第一普通図柄に優先して変動を開始する。第二保留球数、第三保留球数及び第四保留球数が「0」である場合に、第一普通図柄が変動を開始する。パチンコ機1のこのような普通図柄の変動優先順位の関係を、以下では、「第四普通図柄>第三普通図柄>第二普通図柄>第一普通図柄」と表す。
変動優先順位に基づいて普通図柄の変動が行われる。第一普通当たり遊技が終了した時点において第四保留球数が4個記憶されているので、第四普通図柄の変動が他の普通図柄の変動に優先して行われる。すなわち、取得された第四当たり乱数に基づく第四普通当たり判定が、他の普通当たり判定に優先して行われる。本実施形態では、第四普通当たり判定によって当たりと判定される確率(以下、「第四普通当たり確率」という。)は100%である。以下、第四普通当たり判定によって当たりと判定されることを「第四普通当たり」ともいう。なお、第二普通当たり確率は、100%未満であってもよい。本実施形態において、第一電チュー13に入賞した遊技球に対して、第四普通当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第四保留球数)は「4」である。したがって、第一普通当たり遊技が1回行われることに応じて第四普通当たり判定は最大で4回行われ、第四普通当たり遊技も最大で4回行われる。なお、第四普通当たり遊技中には、第四普通図柄は変動しない。第四普通当たり判定では、第四普通当たり又ははずれのいずれかが、第四当たり乱数に基づいて判定される。
第四普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第四普通図柄表示部に表示される第四普通図柄が変動を開始する。第四普通当たり判定によって第四普通当たりと判定されると、第四普通図柄の当たり変動が終了した後に、第四電チュー16の開閉部材161が開放される第四普通当たり遊技が行われる。第四普通当たり遊技は、第四普通当たりを示す第四普通図柄が確定表示された後に行われる。開放された第四電チュー16に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。一旦開放した第四電チュー16は、所定の開放時間(以下、「第四開放時間」という。)の経過及び7個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖する。以下、第四保留球数が「0」になるまで、第四普通図柄の変動と第四普通当たり遊技とが、最大4回繰り返して実行される。以下、4個の第四保留球のそれぞれに対して実行される最大4回の第四普通当たり遊技を合わせて、以下では、「一連の第四普通当たり遊技」という。
本実施形態では、最大第二保留球数は「2」である。一連の第四普通当たり遊技が終了し、第四保留球数が「0」になった時点において、第二保留球数が最大で「2」であり、第三保留球数は「0」である。したがって、一連の第四普通当たり遊技が終了すると、変動優先順位に基づいて第二普通図柄が変動開始できるようになる。すなわち、第二普通当たり判定が第一普通当たり判定に優先して行われる。本実施形態では、第二普通当たり判定によって当たりと判定される確率(以下、「第二普通当たり確率」という。)は100%である。以下、第二普通当たり判定によって当たりと判定されることを「第二普通当たり」ともいう。なお、第二普通当たり確率は、100%未満であってもよい。
第二普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第二普通図柄表示部に表示される第二普通図柄が変動を開始する。第二普通当たり判定によって第二普通当たりと判定されると、第二普通図柄の当たり変動が終了した後に、第二電チュー14の開閉部材141が開放される第二普通当たり遊技が行われる。第二普通当たり遊技は、第二普通当たりを示す第二普通図柄が確定表示された後に行われる。開放された第二電チュー14に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。一旦開放した第二電チュー14は、所定の開放時間(以下、「第二開放時間」という。)の経過及び10個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖する。
第二電チュー14は第三普通図柄の作動口であるので、第二電チュー14へ遊技球が入賞することを契機として、第三当たり乱数が取得される。本実施形態では、最大第三保留球数は「4」である。第二普通当たり遊技が終了した時点において、第四保留球数が「0」であり、第三保留球数が最大で「4」であるので、第二保留球数が「0」でなくても第三普通図柄が変動優先順位に基づいて変動開始できるようになる。すなわち、第三普通当たり判定が第二普通当たり判定に優先して行われる。本実施形態では、第三普通当たり判定によって当たりと判定される確率(以下、「第三普通当たり確率」という。)は100%である。以下、第三普通当たり判定によって当たりと判定されることを「第三普通当たり」ともいう。なお、第三普通当たり確率は、100%未満であってもよい。
第三普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第三普通図柄表示部に表示される第三普通図柄が変動を開始する。第三普通当たり判定によって第三普通当たりと判定さると、第三普通図柄の当たり変動が終了した後に、第三電チュー15の開閉部材151が開放される第三普通当たり遊技が行われる。開放された第三電チュー15に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。一旦開放した第三電チュー15は、所定の開放時間(以下、「第三開放時間」という。)の経過及び10個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖する。
第三電チュー15は、第一電チュー13と同様に第四普通図柄の作動口であるので、第三電チュー15へ遊技球が入賞することを契機として、第四当たり乱数が取得される。第三普通当たり遊技が終了した時点において、第四保留球数が最大で4個記憶されているので、第四普通図柄の変動が他の普通図柄の変動に優先して行われる。このため、第三普通当たり遊技が終了すると、一連の第四普通当たり遊技が行われる。
以降は、第三保留球数が「0」になるまでの間、第三普通当たり遊技と一連の第四普通当たり遊技とが繰り返して行われる。第三保留球数が「0」になると、第二普通図柄が変動できるようになる。このため、図4に示すように、第二普通図柄の当たり変動が終了した後に、1回の第二普通当たり遊技が行われ、その後に第三普通当たり遊技と一連の第四普通当たり遊技とが最大で4回繰り返して行われる。その後、第二保留球数、第三保留球数及び第四保留球数が「0」になることで、大当たり遊技が終了する。第一保留球数が「1」以上である場合には、大当たり遊技が終了した後に第一普通図柄が変動優先順位に基づいて変動開始できるようになる。遊技者は、ゲート11に遊技球を通過させるため、遊技を右打ちから左打ちに戻す。大出玉の第一普通当たり遊技を契機として行われる大当たり遊技を、以下では、大出玉大当たり遊技ともいう。本実施形態では、大出玉大当たり遊技を通じて払い出される賞球は約4000個である。
図5を参照して、小出玉の第一普通当たり遊技の実行を契機として行われる大当たり遊技について説明する。遊技球がゲート11を通過することを契機として第一普通当たり判定が行われると、第一普通図柄が変動を開始する。第一普通当たり判定によって第一普通当たりと判定され、第一普通図柄の当たり変動の終了後に、小出玉の第一普通当たり遊技が行われたとする。第一電チュー13の開放パターンと振分部作動パターンとの組合せによって、小出玉の第一普通当たり遊技において第一電チュー13へ入賞した遊技球は、すべて第二通過領域を通過し、第一通過領域を通過しない。したがって、第一電チュー13へ10個の遊技球が入賞した場合、第一普通当たり遊技中に第二非電動役物18が10回の開閉を繰り返す。第一電チュー13への遊技球の入賞に応じて第四保留球数が最大で「4」になるので、第一普通当たり遊技の終了後に一連の第四普通当たり遊技が1回行われる。これにより、大当たり遊技が終了する。第一保留球数が「1」以上である場合には、大当たり遊技が終了した後に第一普通図柄が変動優先順位に基づいて変動開始できるようになる。遊技者は、ゲート11に遊技球を通過させるため、遊技を右打ちから左打ちに戻す。
小出玉の第一普通当たり遊技を契機として行われる大当たり遊技を、以下では、小出玉大当たり遊技ともいう。小出玉大当たり遊技では、第二普通図柄の作動口である第一非電動役物17が開放状態にならず、第一非電動役物17に遊技球が入賞しない。よって、第二電チュー14、第三電チュー15及び第四電チュー16の連動が行われない。このため、小出玉大当たり遊技における電チュー及び非電動役物の連動する回数が、大出玉大当たり遊技におけるものよりも少なくなる。したがって、小出玉大当たり遊技を通じて払い出される賞球は、大出玉大当たり遊技を通じて払い出される賞球よりも少ない。本実施形態では、小出玉大当たり遊技を通じて払い出される賞球は約400個である。小出玉大当たり遊技は、大出玉大当たり遊技よりも遊技者にとっての有利度が低い大当たり遊技である。
図6を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47及び電源基板42を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、乱数発生回路56及び割込信号発生回路57が接続されている。乱数発生回路56は、所定範囲の乱数を発生させる。割込信号発生回路57は、一定周波数のクロック信号を出力するクロック回路(図示略)からクロック信号が入力される毎に割込信号を発生させる。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、後述する主制御プログラムのメイン処理を実行する。
主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、外部端子板55、ゲートスイッチ61に接続している。サブ制御基板58は、CPU581、RAM582及びROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9及びスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、電飾基板35に接続している。電飾基板35は、例えばLEDを搭載しており、前述の各種の電飾部材の内部に設けられている。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、電飾基板35及びロゴ表示部36の発光動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU431、CGROM(図示略)等を備え、サブ制御基板58から送信されるコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。
払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞球として賞球払出装置49に払い出させる。
中継基板47は、第一電チューソレノイド64、第二電チューソレノイド65、第三電チューソレノイド66、第四電チューソレノイド67、振分部ソレノイド68、第一電チュースイッチ71、第二電チュースイッチ72、第三電チュースイッチ73、第四電チュースイッチ74、第一非電動役物スイッチ75、第二非電動役物スイッチ76及び図柄表示部24に接続している。
第一電チューソレノイド64は、第一普通当たり遊技中に第一電チュー13の開閉部材131を開閉する。第二電チューソレノイド65は、第二普通当たり遊技中に第二電チュー14の開閉部材141を開閉する。第三電チューソレノイド66は、第三普通当たり遊技中に第三電チュー15の開閉部材151を開閉する。第四電チューソレノイド67は、第四普通当たり遊技中に第四電チュー16の開閉部材161を開閉する。振分部ソレノイド68は、振分部21を作動する。第一電チュースイッチ71は、第一電チュー13に設けられており、第一電チュー13への遊技球の入賞を検出する。第二電チュースイッチ72は、第二電チュー14に設けられており、第二電チュー14への遊技球の入賞を検出する。第三電チュースイッチ73は、第三電チュー15に設けられており、第三電チュー15への遊技球の入賞を検出する。第四電チュースイッチ74は、第四電チュー16に設けられており、第四電チュー16への遊技球の入賞を検出する。第一非電動役物スイッチ75は第一非電動役物17への遊技球の入賞を検出する。第二非電動役物スイッチ76は、第二非電動役物18への遊技球の入賞を検出する。
外部端子板55は、パチンコホールに設置されている遊技機を統括的に管理する遊技場管理用コンピュータ(いわゆるホールコンピュータ、図示略)にパチンコ機1の情報を接点出力する。ゲートスイッチ61は、ゲート11に設けられており、ゲート11への遊技球の通過を検出する。
電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図7を参照して、RAM52の第一普通当たり関係情報記憶エリアについて説明する。第一普通当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の第一普通図柄処理(図12参照)において使用される。第一普通当たり関係情報記憶エリアには、複数の記憶エリアが設けられている。本実施形態では、最大第一保留球数が「4」である。このため、第一普通当たり関係情報記憶エリアに、No.1からNo.4の4つの記憶エリアが設けられている。遊技球がゲート11を通過した際に、第一保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。
各記憶エリアには、第一当たり乱数欄、第一図柄決定乱数欄及び第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一当たり乱数欄には、乱数発生回路56(図6参照)によって発生された第一当たり乱数の値が記憶される。第一図柄決定乱数欄には、乱数発生回路56によって発生された第一図柄決定乱数の値が記憶される。第一変動パターン決定乱数欄には、乱数発生回路56によって発生された第一変動パターン決定乱数の値が記憶される。遊技球がゲート11を通過すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、各欄に記憶される。第一当たり乱数は、第一普通当たり判定のために用いられる。第一図柄決定乱数は、第一普通図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、図柄表示部24の第一普通図柄表示部に表示される第一普通図柄の変動時間を示す第一変動パターンを決定するために用いられる。
パチンコ機1において、第一普通図柄の変動時間は、第一普通当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板58は、主基板41で決定された第一変動パターンに従って報知演出を制御する。具体的には、主基板41は、第一変動パターンに従って、第一普通図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、第一普通図柄の変動開始に同期して、演出図柄80の変動表示を開始する。主基板41は、変動を開始した第一普通図柄の変動時間が終了すると、変動させていた第一普通図柄を、所定の時間(本実施形態では、0.8秒)の間、確定表示させる。サブ制御基板58は、第一普通図柄の確定表示に同期して、演出図柄80を確定表示させる。また、サブ制御基板58は、表示画面28における演出図柄80の表示による他、スピーカ48等によっても、第一変動パターンと同期した報知演出を実行する。
なお、RAM52には、第二普通当たり関係情報記憶エリア、第三普通当たり関係情報記憶エリア及び第四普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。第二普通当たり関係情報記憶エリア、第三普通当たり関係情報記憶エリア及び第四普通当たり関係情報記憶エリアも、第一普通当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。本実施形態では、第二普通図柄の変動時間及び第三普通図柄第四普通図柄の変動時間は、それぞれ一定の時間(2.0秒間)に定められている。このような場合には、第二普通当たり関係情報記憶エリア及び第三普通当たり関係情報記憶エリアに、第二変動パターン決定乱数欄及び第三変動パターン決定乱数欄が設けられなくてもよい。第二普通当たり乱数、第三普通当たり乱数、第四普通当たり乱数とともに取得されて第二普通当たり関係情報記憶エリア、第三普通当たり関係情報記憶エリア、第四普通当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して、それぞれ第二乱数、第三乱数、第四乱数ともいう。第一〜第四普通当たり関係情報記憶エリアに記憶されている第一〜第四乱数のうち、後述する判定エリア以外のエリアに記憶されている第一〜第四乱数が、第一〜第四保留球に相当する。以下の説明では、第一当たり乱数、第二当たり乱数、第三当たり乱数及び第四当たり乱数を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、単に、当たり乱数ともいう。
図8を参照して、ROM53に記憶されている第一普通図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、第一普通当たり判定の結果が第一普通当たりであることを示す普通図柄(以下、当たり図柄という。)を、普通図柄決定テーブルを参照することで決定する。本実施形態では、第一普通図柄は、「第一普通当たりA」及び「第一普通当たりB」の2種類の当たり図柄を含む。第一普通図柄決定テーブルでは、当たり図柄のそれぞれに、第一普通図柄決定乱数の値(0〜99)が対応付けられている。当たり図柄の割合は、第一普通図柄決定乱数の値に応じて定められおり、「第一普通当たりA」が50%、「第一普通当たりB」が50%である。第一普通当たりAが、前述の「大出玉」の第一普通当たり遊技に対応し、第一普通当たりBが、前述の「小出玉」の第一普通当たり遊技に対応する。
第一普通図柄決定テーブルは、第一普通当たり遊技における第一電チュー13の開放パターンをいずれにするかを、当たり図柄に応じて定義している。「第一普通当たりA」には、第一開放パターンP1が対応付けられている。「第一普通当たりB」には、第二開放パターンP2が対応付けられている。したがって、第一普通当たり判定によって第一普通当たりであると判定された場合に、「第一普通当たりA」の当たり図柄が決定されたときには、第一普通当たり遊技が第一開放パターンP1で実行される。第一普通当たり判定によって第一普通当たりであると判定された場合に、「第一普通当たりB」の当たり図柄が決定されたときには、第一普通当たり遊技が第二開放パターンP2で実行される。したがって、第一普通当たり判定によって第一普通当たりであると判定された場合、50%の割合で第一開放パターンP1による第一普通当たり遊技が、50%の割合で第二開放パターンP2による第一普通当たり遊技が、それぞれ実行される。なお、「第一普通当たりA」及び「第一普通当たりB」の割合は、任意に変更できる。
図9を参照して、第一電チュー13の開放パターン及び振分部21の作動パターンについて説明する。第一電チュー13の開閉部材131は、当たり図柄に応じた開放パターンで第一普通当たり遊技に係る開閉動作を行う。なお、開閉部材131が開放した第一電チュー13に所定個数(本実施形態では、10個)の遊技球が入賞すると、各開放パターンによる開閉動作の途中であっても開閉動作が終了し、第一電チュー13が閉鎖する。この所定個数は、10個以外の任意の個数であってもよい。
振分部21は、所定の振分部作動パターンで作動する。振分部作動パターンでは、第一普通当たり遊技が実行されると、第一普通当たり遊技の開始時点である時点T0から数秒経過した時点である時点T1までの間、振分部21が未作動位置に配置される。時点T1から時間TC(本実施形態では約0.1秒)が経過した時点T2までの間、振分部21は作動位置に配置される。次いで、時点T2から時点T6までの間、振分部21は未作動位置に配置される。次いで、時点T6から時間TD(本実施形態では約6秒)が経過した時点T7までの間、振分部21が作動位置に配置される。その後の振分部21は(第一開放パターンP1による)第一普通当たり遊技の終了時点である時点T8まで、未作動位置に配置される。
第一開放パターンP1による第一普通当たり遊技においては、第一普通当たり遊技の開始時点である時点T0から10秒程度経過した時点である時点T5までの間、開閉部材131が閉鎖状態にされる。時点T0から時点T5までの間には、大出玉の第一普通当たり遊技による第一電チュー13の開放が開始することを示す開始演出が行われる。時点T5から時間TA(本実施形態では約1.8秒)が経過するまでの間、第一電チュー13が開放する。その後、時点T7までの間に時間TB(本実施形態では約1秒)の閉鎖を挟んで時間TAの第一電チュー13の開放が2回繰り返され、時間TAの第一電チュー13の開放が全体として3回行われる。時点T7から第一普通当たり遊技の終了時点である時点T8までの間には第一電チュー13は閉鎖を継続する。時点T7から時点T8までの間(本実施形態では約8秒)には、大出玉の第一普通当たり遊技が終了することを示す終了演出が行われる。
第二開放パターンP2による第一普通当たり遊技においては、時点T0から時点T1までの間、開閉部材131が閉鎖状態にされる。時点T0から時点T1までの間には、小出玉の第一普通当たり遊技による第一電チュー13の開放が開始すること示す開始演出が行われる。時点T1から時間TAが経過するまでの間、第一電チュー13が開放する。その後、時点T3までに時間TBの閉鎖を挟んで時間TAの第一電チュー13の開放が2回繰り返され、時間TAの第一電チュー13の開放が全体として3回行われる。時点T3以降には第一電チュー13は閉鎖を継続する。時点T3から時点T5までの間(本実施形態では約4秒)には、小出玉の第一普通当たり遊技が終了することを示す終了演出が行われる。すなわち、小出玉の第一普通当たり遊技が終了するのは時点T5である。
第二開放パターンP2による第一普通当たり遊技において第一電チュー13が開放する間に、振分部21が作動位置にある時間は僅かである。第二開放パターンP2による第一普通当たり遊技において第一電チュー13に入賞した遊技球が、入賞口ユニット20の内部流路の分岐部において振分部21のストッパ21Bの位置(図2参照)に入り込むことはほとんどない。よって、第一普通当たり遊技が第二開放パターンP2で行われた場合には、第一電チュー13へ遊技球が入賞した遊技球のほぼ全部が第二通過領域を通過する。したがって、第一普通当たり遊技が第二開放パターンP2で行われた場合には、第一普通当たり遊技の実行に伴い第一非電動役物17が開放することはまずなく、ほとんどの場合で第二非電動役物18のみが開放する。すなわち、第一普通当たり遊技が第二開放パターンP2で行われた場合、ほぼ100%の割合で大当たり遊技が小出玉当たり遊技になる。
一方、第一開放パターンP1による第一普通当たり遊技において第一電チュー13が開放する間のほとんどにおいて、振分部21が作動位置に配置される。第一開放パターンP1による第一普通当たり遊技において第一電チュー13に入賞した複数の遊技球のうち1個が、入賞口ユニット20の内部流路の分岐部において振分部21のストッパ21Bの位置(図2参照)にほぼ100%の割合で入り込む。よって、第一普通当たり遊技が第一開放パターンP1で行われた場合には、第一電チュー13へ遊技球が入賞した複数の遊技球のうち1個が、ほぼ100%の割合で遊技球が第一通過領域を通過する。また、第一電チュー13へ入賞したその他の遊技球は、第二通過領域を通過する。したがって、第一普通当たり遊技が第一開放パターンP1で行われた場合には、第一電チュー13に向けて遊技球が発射されることが継続されれば、ほぼ100%の割合で第一非電動役物17が1回開放する。すなわち、第一普通当たり遊技が第一開放パターンP1で行われた場合、ほぼ100%の割合で大当たり遊技が大出玉当たり遊技になる。
図10を参照して、ROM53に記憶されている第一変動パターン決定テーブルについて説明する。第一変動パターン決定テーブルは、第一普通当たり判定による判定結果(第一普通当たり又ははずれ、及び第一普通当たりの当たり図柄)に応じたテーブルを設けている。それぞれのテーブルには、第一変動パターン毎に第一変動パターン決定乱数の値(0〜511)、及び第一普通図柄の変動時間(報知演出の変動時間)が対応付けられている。第一普通当たり判定が行われると、判定結果に応じたテーブルが参照され、第一当たり乱数とともに取得されている第一変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが1つ決定される。
第一普通当たり判定による判定結果が第一普通当たりである場合には、当たり図柄に応じたテーブルが設けられている。当たり図柄が小出玉(第一普通当たりB)の場合には、「ノーマルリーチA」、「リーチ演出A−1」、「リーチ演出B−1」、「リーチ演出C−1」、「リーチ演出D−1」、「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が高くなる。当たり図柄が大出玉(第一普通当たりA)の場合には、「ノーマルリーチB」、「リーチ演出A−2」、「リーチ演出B−2」、「リーチ演出C−2」、「リーチ演出D−2」、「リーチ演出F」の順に、変動パターンが決定される割合が高くなる。一方、第一普通当たり判定による判定結果がはずれである場合には、「ノーマルリーチ」、「リーチ演出A」、「リーチ演出B」、「リーチ演出C」、「リーチ演出D」、「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が低くなる。したがって、第一普通当たり判定による判定結果が第一普通当たりとなる期待度は、「ノーマルリーチ」、「リーチ演出A」、「リーチ演出B」、「リーチ演出C」、「リーチ演出D」、「リーチ演出E(又はリーチ演出F)」の順に高くなる。なお、リーチ演出とは、演出図柄80が所定のリーチ状態を構成した後に、判定結果が第一普通当たりである可能性のあることを示す演出を実行する報知演出である。本実施形態において、「非リーチ」の第一変動パターンは、リーチ状態に至ることなく、演出図柄80がはずれの判定結果を示す組合せで確定表示されて演出が終了する報知演出に対応している。本実施形態では、「非リーチ」の変動パターンは、第一普通当たり判定による判定結果がはずれである場合にのみ決定される。
リーチ演出E及びリーチ演出Fにおいては、報知演出の終盤において昇格演出が行われる。昇格演出は、遊技者にとってより有利な結果が報知されるか否かを示唆するための演出である。パチンコ機1では、大出玉大当たり遊技が行われる場合の方が、小出玉大当たり遊技が行われる場合よりも遊技者の有利度が高い。本実施形態では、昇格演出は、報知演出が大当たりを報知することを示唆した状態で、大当たり遊技が大出玉及び小出玉のいずれになるかを示唆する態様で行われる。以下の説明では、昇格演出のうち、大当たり遊技が大出玉大当たり遊技になることを示唆する昇格演出を「昇格成功」、大当たり遊技が小出玉大当たり遊技になることを示唆する昇格演出を「昇格失敗」とする。大当たり遊技が小出玉大当たり遊技になることを報知するリーチ演出Eにおいては「昇格失敗」の昇格演出が、大当たり遊技が大出玉大当たり遊技になることを報知するリーチ演出Fにおいては「昇格成功」の昇格演出が、それぞれ行われる。
主基板41は、決定された変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを生成し、生成された変動パターン指定コマンドをサブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された変動パターンに応じて表示画面28及びスピーカ48等を制御することで、報知演出を実行する。なお、報知演出に、演出図柄80が用いられなくてもよい。また、主基板41は、決定した変動パターンに応じて決められている変動時間だけ、第一普通図柄を変動させる。
図11から図18を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(図11参照)は、割込信号発生回路57(図6参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が検知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
図11に示すように、パチンコ機1の電源がONにされると、CPU51は、メイン処理を開始する。まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、ゲート11、電チュー、非電動役物に設けられた各スイッチ(図6参照)の検出結果から、遊技球の通過又は入賞を検知するための処理が行われる。各スイッチが遊技球の通過を検出すると、RAM52に記憶されている各スイッチに対応するフラグが「ON」になる。次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている各種の時間カウンタの値が更新される。
次いで、第一普通電動役物処理が行われる(S13)。詳細は後述するが、第一普通電動役物処理では、第一普通当たりを示す第一普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第一普通当たり遊技の動作(主に第一電チュー13の開閉部材131の開閉動作)を制御するための処理が行われる(図13参照)。
次いで、第一普通図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、第一普通図柄処理では、第一普通当たり判定、第一変動パターンの決定等の処理が行われる(図12参照)。
次いで、第二普通電動役物処理が行われる(S15)。第二普通電動役物処理では、第二普通当たりを示す第二普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第二普通当たり遊技の動作(主に第二電チュー14の開閉部材141の開閉動作)を制御するための処理が行われる。
次いで、第二普通図柄処理が行われる(S16)。第二普通図柄処理では、変動優先順位に応じて第二普通当たり判定等の処理が行われる。
次いで、第三普通電動役物処理が行われる(S17)。第三普通電動役物処理では、第三普通当たりを示す第三普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第三普通当たり遊技の動作(主に第三電チュー15の開閉部材151の開閉動作)を制御するための処理が行われる。
次いで、第三普通図柄処理が行われる(S18)。第三普通図柄処理では、変動優先順位に応じて第三普通当たり判定等の処理が行われる。
次いで、第四普通電動役物処理が行われる(S19)。第四普通電動役物処理では、第四普通当たりを示す第四普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第四普通当たり遊技の動作(主に第四電チュー16の開閉部材161の開閉動作)を制御するための処理が行われる。
次いで、第四普通図柄処理が行われる(S20)。第四普通図柄処理では、変動優先順位に応じて第四普通当たり判定等の処理が行われる。また、第四普通図柄処理では、大当たり遊技を終了するための処理も行われる。具体的には、CPU51は、第一普通当たり遊技が終了している場合において、第二保留球数、第三保留球数及び第四保留球数がともに「0」であるときに、大当たり遊技が終了すると判断する。
次いで、非電動役物処理が行われる(S21)。非電動役物処理では、非電動役物へ遊技球が入賞した場合の各種の処理が行われる。
次いで、払出処理(S22)、エラーチェック(S23)、及び情報出力処理(S24)が行われ、メイン処理が終了する。払出処理では、スイッチ読込処理によって各スイッチに対応するフラグが「ON」とされた場合に、各スイッチに対応する入賞口へ遊技球が入賞したことを示すコマンドが、払出制御基板45に送信される。このコマンドを受信した払出制御基板45のCPU45aは、コマンドに対応する入賞口について予め定められている個数の賞球を、入賞口への入賞球数に応じて賞球払出装置49に払い出させる。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28及びスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、外部端子板55を介して、遊技場管理用コンピュータ(図示略)に各種の情報が出力される。
メイン処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には大当たり遊技状態フラグ、第一普通当たり遊技中フラグ、第一変動フラグ、第一開放フラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。第一普通当たり遊技中フラグは、第一普通当たり判定において第一普通当たりと判定された後に「1」が記憶されて「ON」になり、第一普通当たり遊技が終了した後に「0」が記憶されて「OFF」になる。第一変動フラグは、第一普通図柄が変動している場合(変動中)に「1」が記憶されて「ON」になり、第一普通図柄が変動中でない場合には、「0」が記憶されて「OFF」になる。第一開放フラグは、第一電チュー13の開放中に「1」が記憶されて「ON」となり、第一電チュー13の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」になる。
図12を参照して、第一普通図柄処理(S14、図11参照)の詳細について説明する。第一普通図柄処理が開始されると、遊技球がゲート11を通過したかが判断される(S31)。ゲート11に設けられたゲートスイッチ61が遊技球の通過を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図11参照)において、ゲートスイッチ61に対応するフラグが「ON」になる。このフラグが「OFF」の場合には、遊技球がゲート11を通過していないと判断されて(S31:NO)、処理はS41の判断へ移行する。このフラグが「ON」の場合には、遊技球がゲート11を通過したと判断されて(S31:YES)、処理はS33の判断へ移行する。
次いで、第一保留球数が「4」であるかが判断される(S33)。第一保留球数が「4」である場合(S33:YES)、処理はS41の判断へ移行する。第一保留球数が「4」でない場合(S33:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数に「1」が加算される(S35)。次いで、第一乱数が取得され、第一普通当たり関係情報記憶エリア(図7参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S36)。具体的には、第一当たり乱数欄には第一当たり乱数の値が、第一図柄決定乱数欄には第一図柄決定乱数の値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定乱数の値がそれぞれ格納される。なお、第一乱数にこれら以外の種類の乱数が含まれていてもよい。処理はS41へ移行する。
次いで、全ての電チューが閉鎖中であるかが判断される(S41)。第一〜第四普通当たり遊技中フラグのうちいずれかが「ON」の場合には、いずれかの電チューが開放中であると判断されて(S41:NO)、処理はメイン処理へ戻る。例えば、第一普通当たりの判定結果が導出され、その後に第二普通当たり、第三普通当たり又は第四普通当たりの各判定結果が導出された場合には、大当たり遊技において電チュー及び非電動役物が連動する。パチンコ機1は、いずれかの電チューが作動中の場合には、第一〜第四普通図柄の変動時間を計測しないこととすることで、第一〜第四普通当たり遊技が重複して行われないようにしている。
第一〜第四普通当たり遊技中フラグのいずれもが「OFF」の場合、全ての電チューが閉鎖中であると判断されて(S41:YES)、第一普通図柄が変動中であるかが判断される(S42)。第一変動フラグが「OFF」の場合には、第一普通図柄が変動中でないと判断されて(S42:NO)、RAM52に記憶されている第四保留球数が「1」以上であるかが判断される(S43)。第四保留球数が「1」以上である場合(S43:YES)、第一普通図柄の変動が行われず、処理はメイン処理へ戻る。
第四保留球数が「0」である場合(S43:NO)、RAM52に記憶されている第三保留球数が「1」以上であるかが判断される(S45)。第三保留球数が「1」以上である場合(S45:YES)、第一普通図柄の変動が行われず、処理はメイン処理へ戻る。第三保留球数が「0」である場合(S45:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」以上であるかが判断される(S46)。第二保留球数が「1」以上である場合(S46:YES)、第一普通図柄の変動が行われず、処理はメイン処理へ戻る。第二保留球数が「0」である場合(S46:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」以上であるかが判断される(S51)。第一保留球数が「0」である場合(S51:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第一保留球数が「1」以上である場合(S51:YES)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」減算される(S52)。第一普通当たり関係情報記憶エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一当たり乱数が、第一判定エリア(図示略)にシフトされる(S53)。
次いで、第一普通当たり判定が行われる(S54)。ROM53には、第一普通当たり判定を行うためのテーブルである第一普通当たり判定テーブルが記憶されている。第一普通当たり判定テーブルは、第一普通当たり判定について「第一普通当たり」又は「はずれ」にそれぞれ対応する第一当たり乱数の乱数値を定義している。S54の処理では、第一普通当たり判定テーブルが参照されて、S53の処理で第一判定エリアにシフトされた第一当たり乱数が、「第一普通当たり」又は「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、第一普通当たり関係情報記憶エリアに記憶された未判定の第一当たり乱数に基づく第一普通当たり判定が、第一当たり乱数の記憶された順に行われる。本実施形態では、第一普通当たり判定において、第一普通当たり確率(約1/150)で第一普通当たりと判定される。
次いで、第一普通図柄決定テーブル(図8参照)が参照されて、第一普通当たりと判定された場合の当たり図柄が、第一普通図柄決定乱数の値によって決定される(S55)。決定された当たり図柄は、RAM52に記憶される。なお、第一普通当たり判定の結果がはずれの場合には、所定のはずれ図柄が決定される。
次いで、第一変動パターン決定テーブル(図10参照)が参照されて、第一普通当たり判定の判定結果に応じた第一変動パターンの一つが、第一変動パターン決定乱数の値によって決定される。決定された第一変動パターンを指定するための第一変動パターン指定コマンドが生成される(S56)。生成された第一変動パターン指定コマンドは、RAM52に記憶される。記憶された第一変動パターン指定コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)によってサブ制御基板58及び中継基板47に送信され、報知演出の開始及び第一普通図柄の変動開始が指示される。決定された第一変動パターンに応じて定められている第一普通図柄の変動時間が、第一普通図柄変動時間カウンタに記憶される(S58)。第一普通図柄が変動中であることを示す「1」が第一変動フラグに記憶されて「ON」になり(S59)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、S42の判断において、第一変動フラグが「ON」の場合には、第一普通図柄が変動中であると判断されて(S42:YES)、第一普通図柄変動時間カウンタの値から4msが減算される(S61)。次いで、第一普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第一普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S62)。第一普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でない場合には、第一普通図柄の変動時間がまだ経過していないと判断されて(S62:NO)、第一普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。
第一普通図柄変動時間カウンタの値が「0」である場合には、第一普通図柄の変動時間が経過したと判断されて(S62:YES)、第一普通図柄停止コマンドが生成され(S63)、RAM52に記憶される。記憶された第一普通図柄停止コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理によってサブ制御基板58に、また、中継基板47を介して図柄表示部24に送信され、報知演出の終了及び第一普通図柄の変動停止が指示される。第一普通図柄停止コマンドを受信した図柄表示部24は、第一普通図柄の変動を停止する。次いで、第一普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第一変動フラグに記憶され「OFF」になる(S65)。
次いで、S54で行われた第一普通当たり判定の結果が第一普通当たりであるかが判断される(S66)。第一普通当たり判定の結果がはずれの場合(S66:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第一普通当たり判定の結果が第一普通当たりの場合(S66:YES)、大当たり遊技状態フラグが「ON」になり(S72)、第一普通当たり遊技中フラグが「ON」になる(S73)。処理はメイン処理へ戻る。
図13を参照して、第一普通電動役物処理(S13、図11参照)の詳細について説明する。第一普通電動役物処理で使用されるフラグについて説明する。第一普通電動役物処理では、前述の各種のフラグに加えて、開始演出中フラグ、終了演出中フラグが使用される。これらのフラグは、RAM52に記憶される。開始演出中フラグは、第一普通当たり遊技による第一電チュー13の開放が開始することを示す開始演出(大当たり遊技のオープニング演出)が実行中であるかを示すフラグであり、開始演出の実行中に「1」が記憶されて「ON」になり、そうでない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。終了演出中フラグは、第一普通当たり遊技が終了することを示す終了演出(大当たり遊技のうち第一普通当たり遊技のエンディング演出)が実行中であるかを示すフラグであり、終了演出の実行中に「1」が記憶されて「ON」になり、そうでない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
第一普通電動役物処理が開始されると、大当たり遊技中であるかが判断される(S81)。大当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合には、大当たり遊技中でないと判断されて(S81:NO)、処理はメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「ON」である場合には、大当たり遊技中であると判断されて(S81:YES)、第一普通当たり遊技中であるかが判断される(S82)。第一普通当たり遊技中フラグが「OFF」である場合には、第一普通当たり遊技中でないと判断されて(S82:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第一普通当たり遊技中フラグが「ON」である場合には、第一普通当たり遊技中であると判断されて(S82:YES)、第一普通当たり遊技に関する制御が行われる。まず、終了演出が実行中であるかが判断される(S83)。終了演出中フラグが「OFF」である場合には、終了演出が実行中でないと判断されて(S83:NO)、第一電チュー13が開放中であるかが判断される(S84)。第一開放フラグが「OFF」である場合には、第一電チュー13が開放中でない(閉鎖中である)と判断されて(S84:NO)、開始演出が実行中であるかが判断される(S101)。
開始演出中フラグが「OFF」である場合には開始演出が実行中でないと判断されて(S101:NO)、開始演出の実行開始を指示するための開始演出開始コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S102)。記憶された開始演出開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理によってサブ制御基板58に送信される。次いで、開始演出の実行時間が、RAM52のタイマカウンタに記憶される(S103)。図9に示したように、本実施形態では、大出玉の第一普通当たり遊技が行われる場合と、小出玉の第一普通当たり遊技が行われる場合とで、開始演出の実行時間が異なる。CPU51は、S55で決定した第一普通図柄の当たり図柄に応じた実行時間をタイマカウンタにセットし、実行時間の計測を開始する。次いで、開始演出中フラグが「ON」になり(S105)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、開始演出中フラグが「ON」である場合には開始演出が実行中であると判断されて(S101:YES)、開始演出の実行時間が経過したかが判断される(S111)。開始演出の実行時間がまだ経過していない場合(S111:NO)、処理はメイン処理へ戻る。開始演出の実行時間が経過した場合(S111:YES)、開始演出中フラグが「OFF」になり(S112)、第一電チュー13を開放させるための第一電チュー開放コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S113)。本実施形態では、第一電チュー13を第一開放パターンP1で開放させるためのコマンド又は第二開放パターンP2で開放させるためのコマンドが、S55で決定した第一普通図柄の当たり図柄に応じて生成される。第一電チュー開放コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第一電チュー開放コマンドを受信した第一電チューソレノイド64は、コマンドが示す電チュー開放パターンで第一電チュー13の開閉部材131を開放させる。また、第一普通図柄の当たり図柄に応じた第一電チュー13の開放パターンがRAM52に記憶される(S115)。
次いで、第一開放フラグが「ON」になる(S116)。振分部作動コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S118)。振分部作動コマンドは、振分部21を図9に示した振分部作動パターンで作動させるためのコマンドである。振分部作動コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して振分部作動コマンドを受信した振分部ソレノイド68は、振分部21を振分部作動パターンで作動させる。処理はメイン処理へ戻る。
一方、第一開放フラグが「ON」である場合、第一電チュー13が開放中(第一電チュー13が所定の電チュー開放パターンで開閉動作を実行中)であると判断されて(S84:YES)、第一電チュー13へ入賞した遊技球の処理及び第一電チュー13の開閉動作を終了するための処理が行われる。まず、S115で記憶された電チュー開放パターン(第一開放パターンP1又は第二開放パターンP2)での第一電チュー13の開閉動作が終了したかが判断される(S85)。開閉動作がまだ終了しない場合(S85:NO)、第一電チュー13へ遊技球が入賞したかが判断される(S86)。第一電チュースイッチ71に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第一電チュー13へ遊技球が入賞していないと判断されて(S86:NO)、処理はS89の判断へ移行する。
一方、第一電チュースイッチ71に対応するフラグが「ON」となっている場合、第一電チュー13へ遊技球が入賞したと判断される(S86:YES)。このため、第一電チュー13へ入賞した遊技球の個数である第一入賞球数を計数するRAM52の第一入賞球数カウンタに「1」が加算される(S87)。
本実施形態において、第一電チュー13の単位賞球数は「10」である。次いで、第一入賞球数が「10」以上であるかが判断される(S89)。第一入賞球数が「10」未満である場合(S89:NO)、継続して第一電チュー13が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。第一入賞球数が「10」以上の場合(S89:YES)又は第一電チュー13の開閉動作が終了している場合(S85:YES)、第一電チュー13を閉鎖するための第一電チュー閉鎖コマンドが生成される(S91)。生成された第一電チュー閉鎖コマンドはRAM52に記憶され、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第一電チュー開放コマンドを受信した第一電チューソレノイド64は、第一電チュー13の開閉部材131を閉鎖させる。次いで、第一開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」になる(S92)。
次いで、終了演出の実行開始を指示するための終了演出開始コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S93)。記憶された終了演出開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理によってサブ制御基板58に送信される。次いで、終了演出の実行時間が、RAM52のタイマカウンタに記憶される(S95)。図9に示したように、本実施形態では、大出玉の第一普通当たり遊技が行われる場合と、小出玉の第一普通当たり遊技が行われる場合とで、終了演出の実行時間が異なる。CPU51は、S55で決定した第一普通図柄の当たり図柄に応じた実行時間をタイマカウンタにセットし、実行時間の計測を開始する。次いで、終了演出中フラグが「ON」になり(S96)、処理はメイン処理へ戻る。
また、終了演出中フラグが「ON」であり終了演出が実行中である場合には(S83:YES)、終了演出の実行時間が経過したかが判断される(S121)。終了演出の実行時間がまだ経過していない場合(S121:NO)、処理はメイン処理へ戻る。終了演出の実行時間が経過した場合(S121:YES)、終了演出中フラグが「OFF」になる(S122)。次いで、第一開放フラグが「OFF」になり(S123)、第一普通当たり遊技中フラグが「OFF」になる(S125)。処理はメイン処理へ戻る。
図14及び図15を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、各種の演出を制御する処理が行われる。サブ制御基板処理は、ROM583に記憶されているプログラムに従ってCPU581によって実行される。
サブ制御基板処理で使用されるフラグについて説明する。RAM582には、昇格演出実行フラグ、ボタン有効フラグ等が記憶されている。昇格演出実行フラグは、報知演出において昇格演出を実行するかを示すフラグであり、昇格演出を実行する場合に「1」が記憶されて「ON」になり、昇格演出を実行しない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。ボタン有効フラグは、後述するボタン操作有効期間内であるかを示すフラグであり、ボタン操作有効期間内である場合に「1」が記憶されて「ON」になり、ボタン操作有効期間外である場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
図14に示すように、サブ制御基板処理が開始されると、主基板41から第一変動パターン指定コマンドを受信したかが判断される(S201)。第一変動パターン指定コマンドを受信していない場合(S201:NO)、処理はS211の判断へ移行する。第一変動パターン指定コマンドを受信した場合(S201:YES)、第一変動パターン指定コマンドの示す第一変動パターンが特定され、特定された第一変動パターンがRAM582に記憶される(S202)。次いで、第一変動パターンに基づく報知演出の実行が開始される(S203)。
次いで、実行を開始する報知演出において昇格演出が行われるかが判断される(S205)。この判断は、S202で記憶された第一変動パターンが、「リーチ演出E」又は「リーチ演出F」(図10参照)に対応するかによって行われる。S202で記憶された第一変動パターンが、「リーチ演出E」及び「リーチ演出F」でない場合には昇格演出が行われないと判断されて(S205:NO)、処理はS211の判断へ移行する。第一変動パターンが「リーチ演出E」又は「リーチ演出F」である場合には昇格演出が行われると判断されて(S205:YES)、昇格演出実行フラグが「ON」になる(S206)。処理はS211の判断へ移行する。
次いで、昇格演出実行フラグが「ON」であるかが判断される(S211)。昇格演出実行フラグが「OFF」の場合(S211:NO)、処理はS221(図15参照)の判断へ移行する。昇格演出実行フラグが「ON」の場合(S211:YES)、ボタン操作有効期間の開始時点が到来したかが判断される(S212)。
ボタン操作有効期間とは、報知演出が実行される間において昇格演出が実行される期間である昇格演出実行期間に設けられる期間である。パチンコ機1は、ボタン操作有効期間に操作ボタン9(図2参照)が操作された場合、操作ボタン9が操作されたタイミングに応じた内容の昇格演出を実行する。サブ制御基板58のROM583には、昇格演出が実行される報知演出について、ボタン操作有効期間の開始時点及び終了時点が記憶されている。CPU581は、周知の手法を用いて、報知演出の実行が開始された時点から経過した時間を特定することができる。ボタン操作有効期間の開始時点が到来していない場合(S212:NO)、処理はS215の判断へ移行する。ボタン操作有効期間の開始時点が到来した場合(S212:YES)、ボタン有効フラグが「ON」になる(S213)。処理はS221(図15参照)の判断へ移行する。
次いで、ボタン操作有効期間の終了時点が到来したかが判断される(S215)。ボタン操作有効期間の終了時点が到来していない場合(S215:NO)、処理はS221の判断へ移行する。ボタン操作有効期間の終了時点が到来した場合(S215:YES)、ボタン有効フラグが「OFF」になる(S216)。処理はS221の判断へ移行する。
次いで、図15に示すように、操作ボタン9の操作があったかが判断される(S221)。操作ボタン9の操作がされていない場合(S221:NO)、処理はS231の判断へ移行する。操作ボタン9の操作があった場合(S221:YES)、現時点(操作ボタン9の操作があった時点)がボタン操作有効期間内であるかが判断される(S222)。この判断は、ボタン有効フラグの状態に応じて行われる。ボタン有効フラグが「OFF」の場合にはボタン操作有効期間外であると判断されて(S222:NO)、処理はS231の判断へ移行する。
ボタン有効フラグが「ON」の場合にはボタン操作有効期間内であると判断されて(S222:YES)、現時点がボタン操作有効期間のうち、後述するタイミングA〜タイミングDのいずれであるかが特定される(S223)。次いで、特定されたタイミングに応じた内容の昇格演出が決定される(S225)。決定された内容の昇格演出が実行されて(S227)、処理はS231の判断へ移行する。
次いで、主基板41から第一普通図柄停止コマンドを受信したかが判断される(S231)。第一普通図柄停止コマンドを受信していない場合(S231:NO)、処理はS201(図14参照)の判断へ戻る。第一普通図柄停止コマンドを受信した場合(S231:YES)、演出図柄80(図17参照)が第一普通当たり判定の結果に応じた図柄の組合せで停止されて、報知演出の実行が終了される(S232)。次いで、昇格演出実行フラグが「ON」であるかが判断される(S233)。昇格演出実行フラグが「OFF」である場合(S233:NO)、処理はS201の判断へ戻る。昇格演出実行フラグが「ON」である場合(S233:YES)、昇格演出実行フラグが「OFF」になり(S235)、処理はS201の判断へ戻る。
図16を参照して、ボタン操作有効期間及びボタン操作有効期間に設けられるタイミングA〜タイミングDについて説明する。パチンコ機1において、ボタン操作有効期間は、昇格演出実行期間の開始時点から終了間際の時点までに亘って設けられる。昇格演出実行期間は、報知演出の終盤に設けられる。ボタン操作有効期間は、タイミングA〜タイミングDの4つの期間に分割されている。ボタン操作有効期間は約20秒間であり、タイミングA〜タイミングDは、それぞれ約5秒間である。パチンコ機1は、操作ボタン9が操作されたのがタイミングA〜タイミングDのうちいずれであるかに応じて、異なる態様の昇格演出を実行する。
タイミングAは、ボタン操作有効期間のうち最初に設けられる期間である。タイミングAの期間内に操作ボタン9が操作された場合、パターンAの昇格演出が行われる。すなわち、タイミングAのうち最初の方の時点の例である時点(1)に操作ボタン9が操作された場合にも、最後の方の時点の例である時点(2)に操作ボタン9が操作された場合にも、操作ボタン9が操作された後にパターンAの昇格演出が行われる。パターンAの昇格演出の実行時間は、約15秒間である。
タイミングBは、ボタン操作有効期間のうちタイミングAの経過後に設けられる期間である。タイミングBの期間内に操作ボタン9が操作された場合、パターンBの昇格演出が行われる。すなわち、タイミングBのうち最初の方の時点の例である時点(3)に操作ボタン9が操作された場合にも、最後の方の時点の例である時点(4)に操作ボタン9が操作された場合にも、操作ボタン9が操作された後にパターンBの昇格演出が行われる。パターンBの昇格演出の実行時間は、約10秒間である。
タイミングCは、ボタン操作有効期間のうちタイミングBの経過後に設けられる期間である。タイミングCの期間内に操作ボタン9が操作された場合、パターンCの昇格演出が行われる。すなわち、タイミングCのうち最初の方の時点の例である時点(5)に操作ボタン9が操作された場合にも、最後の方の時点の例である時点(6)に操作ボタン9が操作された場合にも、操作ボタン9が操作された後にパターンCの昇格演出が行われる。パターンCの昇格演出の実行時間は、約5秒間である。
パターンA〜パターンCの各昇格演出は、報知演出が報知する第一普通当たり判定の結果が大出玉と小出玉とのいずれであるかを煽る態様で行われる。パターンA〜パターンCの各昇格演出が行われた後には、引き続いて結果表示の昇格演出が行われる。結果表示の昇格演出は、報知演出が報知する第一普通当たり判定の結果が大出玉と小出玉とのいずれであるかを明示する態様で行われる。
タイミングDは、ボタン操作有効期間のうちタイミングCの経過後であり、ボタン操作有効期間のうち最後に設けられる期間である。タイミングDの期間内に操作ボタン9が操作された場合、パターンA〜パターンCに相当する昇格演出は行われずに、結果表示の昇格演出だけが行われる。すなわち、タイミングDのうち最初の方の時点の例である時点(7)に操作ボタン9が操作された場合にも、最後の方の時点の例である時点(8)に操作ボタン9が操作された場合にも、操作ボタン9が操作された後に結果表示の昇格演出が行われる。結果表示の昇格演出の実行時間は、操作ボタン9が操作された後、昇格演出実行期間が終了するまでの数秒間である。その後、昇格演出実行期間が終了したのちに演出図柄80が第一普通当たり判定の結果が第一普通当たりであることを示す図柄の組み合わせで確定表示され、報知演出が終了する。
図17から図20を参照して、パターンA〜パターンC及び結果表示の昇格演出の内容の例を説明する。パチンコ機1が昇格演出を行うのは、報知演出の終盤であり、表示画面28において全回転の態様で演出図柄80が変動を続けている状態である。全回転の態様とは、報知演出の開始時点から変動表示を行っていた演出図柄80が、図17(A)に示すように、1〜9の数字のうち、いずれかのゾロ目で停止表示されることが示唆される態様である。本実施形態では、報知演出が大当たりの結果を報知する場合のうち一部において、全回転の態様で演出図柄80が変動表示を行う。また、本実施形態では、報知演出によって大出玉大当たり遊技が行われることが報知される場合には、奇数のゾロ目の組み合わせで演出図柄80が最終的に停止する(確定表示される)。報知演出によって小出玉大当たり遊技が行われることが報知される場合には、偶数のゾロ目の組み合わせで演出図柄80が確定表示される。すなわち、演出図柄80が全回転を開始することは、遊技の結果が大当たりとなることは保証されるが、報知演出の終了後に大出玉大当たり遊技が行われる可能性と、小出玉大当たり遊技が行われる可能性との双方があることを意味する。
本実施形態の昇格演出は、報知演出において演出図柄80が奇数のゾロ目で確定表示されるか、偶数のゾロ目で確定表示されるかを、大出玉大当たり遊技を示す「大」の文字と、小出玉大当たり遊技を示す「小」の文字とを用いて煽る態様で行われる。図17を参照して、パターンAの昇格演出の内容を説明する。パターンAの昇格演出では、図17(A)に示すように、演出図柄80が全回転を開始する。その後、図17(B)に示すように演出図柄80の全回転が継続し、「大」の文字を示す絵柄91と、「小」の文字を示す絵柄92とが、表示画面28の中央に表示される。絵柄91は、報知演出の終了後に大出玉大当たり遊技が行われることを示唆するために用いられる。絵柄92は、報知演出の終了後に小出玉大当たり遊技が行われることを示唆するために用いられる。図17(B)では、絵柄91が絵柄92よりも大きく表示されている。大きく表示された方の絵柄91には、アヒルを模したキャラクタ画像101と、大きく表示された絵柄91を強調して表示するための強調表示102とが、それぞれ添えられている。
また、パターンAの昇格演出では、図17(C)に示すように、絵柄92が絵柄91よりも大きく表示され、かつ、大きく表示された方の絵柄92にキャラクタ画像101と強調表示102とが添えられる。パターンAの昇格演出では、演出図柄80の全回転が継続される間に、図17(B)及び(C)が交互に表示されることが繰り返して行われる。この繰り返しにより、パチンコ機1は、この報知演出において報知される遊技の結果が、大出玉大当たり遊技であるか小出玉大当たり遊技であるかに対して、遊技者の興味を引き付けることができる。
図18を参照して、パターンBの昇格演出の内容を説明する。パターンBの昇格演出では、パターンAの昇格演出と同様に、演出図柄80が全回転を開始した後(図17(A)参照)、図18(D)及び(E)に示すように、演出図柄80が全回転を継続する間に、「大」の文字を示す絵柄91と、「小」の文字を示す絵柄92とが、表示画面28の中央に表示される。図18(D)では、絵柄91が絵柄92よりも大きく表示され、図18(E)では、絵柄92が絵柄91よりも大きく表示されている。パターンBの昇格演出では、演出図柄80の全回転が継続される間に、図18(D)及び(E)が交互に表示されることが繰り返して行われる。
パターンBの昇格演出は、パターンAの昇格演出よりも実行時間が短く、絵柄91と絵柄92とが交互に大きく表示されることが行われる時間もパターンAの昇格演出よりも短い。このため、パチンコ機1は、絵柄91,92の背景部分103に所定の模様が表示される程度の映像効果を用いて、パターンBの昇格演出の内容を、キャラクタ画像101や強調表示102を用いたパターンAの昇格演出の内容よりもシンプルにしている。これにより、パターンBの昇格演出は、パターンAの昇格演出よりも実行時間が短時間であっても、絵柄91,92のいずれが他方よりも大きく表示されているかを遊技者に明示できる。
図19を参照して、パターンCの昇格演出の内容を説明する。パターンCの昇格演出では、パターンAの昇格演出と同様に、演出図柄80が全回転を開始した後(図17(A)参照)、図19(F)及び(G)に示すように、演出図柄80が全回転を継続する間に、「大」の文字を示す絵柄91と、「小」の文字を示す絵柄92とが、表示画面28の中央に表示される。図19(F)では、絵柄91が絵柄92よりも大きく表示され、図19(G)では、絵柄92が絵柄91よりも大きく表示されている。パターンCの昇格演出では、演出図柄80の全回転が継続される間に、図19(F)及び(G)が交互に表示されることが繰り返して行われる。
パターンCの昇格演出は、パターンBの昇格演出よりもさらに実行時間が短く、絵柄91と絵柄92とが交互に大きく表示されることが行われる時間もパターンA及びBの昇格演出よりも短い。このため、パチンコ機1は、絵柄91,92の背景部分103には特段の映像効果を用いず、パターンCの昇格演出の内容を、パターンA及びBの昇格演出の内容よりもシンプルにしている。これにより、パターンCの昇格演出は、パターンA及びBの昇格演出よりも実行時間が短時間であっても、絵柄91,92のいずれが他方よりも大きく表示されているかを遊技者に明示できる。また、このように、パチンコ機1は、パターンA〜パターンCの昇格演出の内容を異なるものにすることで、操作ボタン9を操作するタイミングに応じて、所望の内容の演出を遊技者に選ばせることができる。
図20を参照して、結果表示の昇格演出の内容を説明する。結果表示の昇格演出では、パターンA〜パターンCの昇格演出が行われた結果、遊技の結果が大出玉大当たり遊技となるか小出玉大当たり遊技となるかが最終的に示される。遊技の結果が大出玉大当たり遊技となる場合には、図20(H)に示すように、絵柄91が表示画面28の中央に表示された状態で演出図柄80の全回転がゆっくりと行われる。遊技の結果が小出玉大当たり遊技となる場合には、図20(J)に示すように、絵柄92が表示画面28の中央に表示された状態で演出図柄80の全回転がゆっくりと行われる。
前述したように、ボタン操作有効期間のうちタイミングDの期間内に操作ボタン9が操作された場合には、パターンA〜パターンCに相当する昇格演出は行われずに、結果表示の昇格演出だけが行われる。パターンA〜パターンCの昇格演出を見ることなく結果表示の昇格演出及び演出図柄80の全回転を楽しみたい遊技者は、タイミングDが到来するまで待ってから操作ボタン9の操作を行うことで、所望する昇格演出を見ることができる。
その後、昇格演出実行期間が終了するまでの間、遊技の結果に応じて図20(H)又は(J)に示す内容の結果表示の昇格演出が行われた後、絵柄91又は絵柄92が表示画面28から消去され、演出図柄80が遊技の結果に応じた組み合わせで確定表示されて、昇格演出及び報知演出が終了する。図20(K)は、報知演出の終了後に大出玉大当たり遊技が行われる場合であり、奇数のうち「5」を示すゾロ目の組み合わせで演出図柄80が確定表示される例を示す。図示しないが、報知演出の終了後に小出玉大当たり遊技が行われる場合には、偶数のゾロ目の組み合わせで演出図柄80が確定表示される。
なお、本実施形態では、ボタン操作有効期間に操作ボタン9の操作が行われなかった場合には、ボタン操作有効期間の終了時点(タイミングDの終了時点)である時点(9)(図16参照)から、昇格演出実行期間が終了するまでの間、図20(H)又は(J)に示す内容の結果表示の昇格演出が行われる。これにより、ボタン操作期間内に操作ボタン9が操作されない場合にも、遊技の結果が大出玉大当たり遊技又は小出玉大当たり遊技のいずれであるかが、絵柄91,92によって遊技者に明示される。この他、パチンコ機1は、ボタン操作有効期間内に操作ボタン9が操作されない場合には、結果表示の昇格演出を行わなくてもよい。
以上説明したように、パチンコ機1は、ボタン操作有効期間のうちいずれの期間内に操作ボタン9の操作があったかに応じて、操作ボタン9の操作に応じて実行される昇格演出の内容を決定する。したがって、パチンコ機1は、操作ボタン9の操作時期に応じて昇格演出の内容を変化させて、趣向に富む演出を遊技者に提供できる。
操作ボタン9の操作時期によらず同じ内容の昇格演出を実行する従来の遊技機では、昇格演出の内容を、操作ボタン9の操作時期が最も遅い場合にも実行可能な内容に定めることが一般的である。そして、昇格演出を実行し終えた後に演出図柄80が確定表示されるまでの間に余剰の時間が生じる場合には、実行を終了したものと同内容の昇格演出を繰り返し行ったり、昇格演出の実行を終了したまま待機したりするので、演出内容が間延びしやすい。パチンコ機1は、ボタン操作有効期間における操作ボタン9の操作時期が先であるほど、実行時間の長い昇格演出を実行するので、昇格演出の実行後に余剰の時間が生じにくく、昇格演出が間延びした印象になることを回避できる。また、より長い実行時間の昇格演出を楽しみたい遊技者は、ボタン操作有効期間のより早期に操作ボタン9の操作をすればよく、実行時間がより短い昇格演出を楽しみたい遊技者はボタン操作有効期間のより後期に操作ボタン9の操作を操作すればよい。すなわち、パチンコ機1は、操作ボタン9の操作タイミングに応じて昇格演出の内容を遊技者自身に選ばせることができるので、遊技者が所望する内容の昇格演出を遊技者に提供できる。パチンコ機1は、昇格演出による遊技の興趣の向上を図ることができる。
報知演出において演出図柄80が全回転を行い、遊技の結果が大当たりとなることが示唆された状態で、昇格演出が実行開始されるタイミングを早期に得たい遊技者と、昇格演出の実行開始をなるべく遅くしたい遊技者とがある。パチンコ機1は、演出図柄80が前回寸を行う期間にボタン操作有効期間を定め、ボタン操作有効期間のうちいずれの時期に操作ボタン9の操作があったかに応じて、昇格演出の内容を決定するので、いずれの遊技者の意向にも応じた内容の昇格演出を実行できる。
パチンコ機1は、ボタン操作有効期間をタイミングA〜タイミングDの期間に区分して、区分のそれぞれに応じた内容の昇格演出を設けている。これにより、パチンコ機1は、操作ボタン9が操作されたタイミングに応じて、異なる内容の昇格演出を実行できる。これにより、昇格演出が多様化される。
上記実施形態において、操作ボタン9が、本発明の「操作手段」に相当する。ボタン操作有効期間が、本発明の「特別期間」に相当する。S227の処理を実行するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「特別演出実行手段」として機能する。S223の処理を実行するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「判断手段」として機能する。S225の処理を実行するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「特別演出決定手段」として機能する。ゲート11が、本発明の「通過口」に相当する。S54の処理を実行する主基板41のCPU51が、本発明の「判定手段」として機能する。S203の処理を実行するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「報知演出実行手段」として機能する。昇格演出が実行される報知演出についてボタン操作有効期間の開始時点及び終了時点を記憶するサブ制御基板58のROM583が、本発明の「期間定義手段」に相当する。大出玉大当たり遊技が、本発明の「特定大当たり遊技」に相当する。小出玉大当たり遊技が、本発明の「非特定大当たり遊技」に相当する。演出図柄80の全回転を伴う報知演出が、本発明の「特定演出」に相当する。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。上記実施形態では、パターンA〜パターンC及び結果表示の昇格演出のいずれも絵柄91,92の少なくともいずれかを用いているが、昇格演出のすべてに同様の絵柄等が用いられる必要はない。パターンA〜パターンC及び結果表示の昇格演出のそれぞれの見た目、使用される音、その他の演出効果が異なるものであってもよい。
昇格演出の内容は上記実施形態に限られず、様々な内容で構成されてもよい。例えば、いわゆる一種タイプであって、大当たり判定によって大当たりと判定される確率が変動する確率変動タイプの遊技機においては、報知演出及び大当たり遊技の終了後に確率変動状態が生じるか否かを煽る態様で昇格演出が行われてもよい。また、大当たり遊技におけるラウンド数の大小等、報知演出の終了後に行われる大当たり遊技によって得られる賞球の数の大小を煽る態様で昇格演出が行われてもよい。いわゆる一種二種タイプの遊技機においては、報知演出及び大当たり遊技の終了後に時短状態が生じるか否かを煽る態様で昇格演出が行われてもよい。また、これらの昇格演出は、報知演出の実行中に行われるものに限られず、大当たり遊技中、大当たり遊技の終了直後等、上記実施形態の例とは異なる状況で行われてもよい。
この他、大出玉当たり遊技が行われることが示唆される場合の昇格演出(昇格成功の場合の昇格演出)が行われる場合には操作ボタン9の操作時期に応じて異なる内容の昇格演出が設けられ、小出玉当たり遊技が行われることが示唆される場合の昇格演出(昇格失敗の昇格演出)が行われる場合に対応する昇格演出には操作ボタン9の操作時期に関わらず同じ内容の昇格演出が行われるなど、遊技の結果に応じて設けられる昇格演出の内容が異なってもよい。この場合、パチンコ機1は、実行される昇格演出の内容の種類によっても、遊技者の期待感を変化させることができる。
また、本発明は、昇格演出だけでなく、様々な演出に適用してよい。例えば、操作ボタン9を操作することで表示画面28に設けられるルーレットを止めて、その後に行われる演出をルーレットの止まった目によって決定する演出において、操作ボタン9の操作タイミングに応じてルーレットの止まるアクションが変化してもよい。また、「ボタンを押せ!」等の演出上の示唆に応じて操作ボタン9を操作した場合に、特定の予告演出が発動する場合において、操作ボタン9の操作タイミングに応じて、予告演出の態様が変化してもよい。このほか、上記実施形態におけるボタン操作有効期間に相当する、操作ボタン9を操作できる期間に一定の長さが設けられ、操作ボタン9の操作を契機として特定の演出が行われるさまざまな場合に、本発明が適用できる。
ボタン操作有効期間において、タイミングA〜タイミングDのいずれの時期であるかが表示画面28等に視覚的に表示されてもよい。この場合、パチンコ機1は、タイミングA〜タイミングDのうちから所望のタイミングを遊技者に選択させやすくできる。
操作ボタン9のような遊技者が操作できる操作手段を複数有するパチンコ機1においては、複数の操作手段のいずれを操作しても、その操作のタイミングに応じて昇格演出の内容が変化してもよい。また、複数の操作手段に、操作した場合にその操作のタイミングに応じて昇格演出の内容が変化するものと、操作のタイミングに応じて昇格演出の内容が変化しないものとが含まれてもよい。この場合、複数の操作手段のうちいずれを操作するかによっても、昇格演出の内容が変化するか否かを、遊技者に選択させることができるので、遊技の興趣が向上する。
パチンコ機1ではゲート11を通過することを契機として第一普通当たり判定が行われ、第一普通図柄が変動する。普通図柄の作動契機を与える部材は、ゲートの他、遊技球が入賞可能な入賞口であってもよい。すなわち、入賞口及びゲートのいずれもが、本発明の「通過口」を構成しうる。また、いわゆる一種タイプ、一種二種混合タイプの遊技機においては、入賞を契機として特別図柄の作動契機を与える始動口を有する遊技機においては、始動口が「通過口」を構成しうる。
上記実施形態では、昇格の結果を明示するための配慮として、パターンA〜パターンC、及び結果表示の昇格演出が、この順で演出内容がシンプルになるように設けられている。これに限られず、演出用の絵柄の動作等は、昇格演出の種類間でどのように設けられてもよい。
上記実施形態では、ボタン操作有効期間に操作ボタン9が操作された場合には、操作ボタン9が操作されたタイミングに応じた昇格演出が必ず行われる。これに加えて、ボタン操作有効期間に操作ボタン9が操作されても昇格演出が行われない場合が所定の割合(例えば5%程度)で設けられていてもよい。これにより、パチンコ機1は、昇格演出が行われる契機に変化を与えることができる。操作ボタン9が操作されても昇格演出が行われない割合が、タイミングA〜タイミングDのそれぞれにおいて異なるように設けられていてもよい。
請求項、明細書及び図面に記載される全ての要素(例えば、操作手段等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「操作手段」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。
1 パチンコ機
9 操作ボタン
11 ゲート
41 主基板
51,581 CPU
52,582 RAM
53,583 ROM
58 サブ制御基板
80 演出図柄
91,92 絵柄

Claims (4)

  1. 遊技球を用いた遊技の進行に応じた演出である遊技演出を実行する遊技機において、
    前記遊技演出に関する操作の入力を受け付ける操作手段と、
    所定の期間である特別期間に前記操作手段による操作の入力が受け付けられた場合に、特別な前記遊技演出である特別演出を実行する特別演出実行手段と、
    前記特別期間のうちいずれの時期に前記操作手段によって操作の入力が受け付けられたかを判断する判断手段と、
    前記判断手段による判断結果に応じて、前記特別演出実行手段によって実行される前記特別演出の態様を決定する特別演出決定手段と
    を備えたことを特徴とする遊技機。
  2. 前記特別演出実行手段は、前記特別期間に前記操作手段による操作の入力が受け付けられた時点から前記特別演出を実行し、
    前記特別演出決定手段は、前記判断手段によって前記操作手段によって操作の入力が受け付けられたと判断された時期が前記特別期間において先の時期であるほど、前記特別演出の実行時間を長い時間に決定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 遊技球が通過する通過口と、
    遊技球が前記通過口を通過することを契機として当たり遊技を実行するかを判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定結果を報知する前記遊技演出である報知演出を実行する報知演出実行手段と、
    前記報知演出の種類に応じて前記特別期間を定める期間定義手段とを備え、
    前記当たり遊技は、有利度が高い前記当たり遊技である特定当たり遊技と、前記特定当たり遊技に比べて前記有利度が低い非特定当たり遊技とを含み、
    前記報知演出の種類には、前記非特定当たり遊技が実行される可能性があることを報知した後に前記特定当たり遊技が実行されるか否かを示唆する前記遊技演出である特定演出が実行されるものが含まれ、
    前記特別演出は、前記特定演出において前記特定当たり遊技が実行されることを示唆する内容であり、
    前記期間定義手段は、前記特定演出が実行される種類の前記報知演出において前記特定演出が実行される期間に前記特別期間を定めることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記特別期間は、複数の時期に区分されており、
    前記判断手段は、区分された前記複数の時期のうちいずれの時期に前記操作手段によって操作の入力が受け付けられたかを判断し、
    前記特別演出決定手段は、前記判断手段によって操作の入力が受け付けられたと判断された時期毎に異なる前記特別演出の態様を決定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
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