[第1実施形態]
以下、第1実施形態のパチンコ遊技機について説明する。
本明細書において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、枠体11を備えている。枠体11は、パチンコ遊技機10の機体を遊技場などの島設備(遊技機設置設備)へ固定するための固定枠(外枠)11aと、各種の部品(遊技用構成部材)を搭載する搭載枠11bと、を備えている。搭載枠11bは、固定枠11aの開口前面側に開放及び着脱自在に組み付けられている。搭載枠はさらに複数の枠体を組み合わせて構成されていてもよい。
パチンコ遊技機10は、施錠装置SSを備えている。パチンコ遊技機10では、常には施錠装置SSによって搭載枠11bの開放が規制されており、遊技場の管理者が管理する枠キー(鍵)を用いて施錠装置SSを操作することで解錠され、搭載枠11bを開放させることができる。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備えている。遊技盤YBは、枠体11に搭載されている。遊技盤YBは、その前面側に、遊技球が流下する遊技領域YBaを備えている。遊技盤YBは、正面から見たときの略中央部分に、開口窓YBbを備えている。開口窓YBbには、各種の意匠が施されたセンター枠Wが組み付けられている。
パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備えている。発射ハンドルHDは、遊技媒体としての遊技球を遊技領域YBaへ打ち出すときに操作される。パチンコ遊技機10は、所定の操作手段としての演出ボタンBTを備えている。演出ボタンBTは、搭載枠11bの前面側など、遊技者が遊技を行いながら操作可能な位置に設けられている。本実施形態における演出ボタンBTは、押下操作を可能に構成されている。
パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAを備えている。装飾ランプLAは、演出の1つとして、図示しない発光体を発光、点滅、及び消灯する演出(以下、「発光演出」と示す)を実行可能である。例えば、装飾ランプLAは、枠体11や遊技盤YBに設けられている。パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備えている。スピーカSPは、演出の1つとして、人や動物の声、効果音、及び楽曲などの音声を出力する演出(以下、「音声演出」と示す)を実行可能である。装飾ランプLA、及びスピーカSPは、演出を実行する演出実行手段である。
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、所定の情報を表示可能な情報表示装置13を備えている。例えば、情報表示装置13は、遊技盤YBにおいて、遊技者が視認可能な位置に設けられている。
情報表示装置13は、第1特別図柄表示部13aを備えている。第1特別図柄表示部13aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第1特別図柄を確定停止表示させる第1特別図柄変動ゲームを実行可能である。情報表示装置13は、第2特別図柄表示部13bを備えている。第2特別図柄表示部13bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第2特別図柄を確定停止表示させる第2特別図柄変動ゲームを実行可能である。第1特別図柄及び第2特別図柄は、内部抽選(後述する当り抽選)の結果を報知するための図柄である。
以下の説明では、第1特別図柄変動ゲームを略して「第1特別ゲーム」と示し、第2特別図柄変動ゲームを略して「第2特別ゲーム」と示す。また、第1特別ゲームと、第2特別ゲームと、を総称して「特別ゲーム」と示す。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味している。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味している。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。
本実施形態のパチンコ遊技機10において、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に並行して実行可能である。特別図柄表示部13a,13bにおいて導出可能な特別図柄には、大当り表示結果としての大当り図柄と、小当り表示結果としての小当り図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄とがある。本実施形態では、内部抽選(後述する特別図柄の当り抽選)において大当りに当選した場合、特別ゲームにおいて大当り図柄が導出され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。本実施形態では、内部抽選において小当りに当選した場合、特別ゲームにおいて小当り図柄が導出され、当該小当りの特別ゲームの終了後、小当り遊技が付与される。大当り遊技及び小当り遊技については後述する。なお、内部抽選において、大当り及び小当りの何れにも当選しないことは、所謂「はずれ」である。以下の説明では、特別図柄の当り抽選において大当りに当選する確率を「大当り確率」と示し、小当りに当選する確率を「小当り確率」と示す。
情報表示装置13は、第1特別保留表示部13cを備えている。第1特別保留表示部13cは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。情報表示装置13は、第2特別保留表示部13dを備えている。第2特別保留表示部13dは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の第1特別ゲームの回数を「第1特別保留数」と示し、保留中の第2特別ゲームの回数を「第2特別保留数」と示す。例えば、第1特別保留数、及び第2特別保留数の最大値は、それぞれ4である。
情報表示装置13は、普通図柄表示部13eを備えている。普通図柄表示部13eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を確定停止表示させる普通図柄変動ゲームを実行可能である。普通図柄は、内部抽選(後述する普通図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。以下の説明では、普通図柄変動ゲームを略して「普通ゲーム」と示す場合がある。普通図柄表示部13eに導出可能な普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄とがある。本実施形態では、普通図柄の当り抽選に当選すると、普通ゲームにおいて普通当り図柄が導出され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。
情報表示装置13は、普通保留表示部13fを備えている。普通保留表示部13fは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の普通ゲームの回数を「普通保留数」と示す。なお、表示部13a〜13fは、1つの表示装置に設けられている必要はなく、異なる部分に設けられていてもよい。また、情報表示装置13は、所謂「右打ち」を指示する情報を表示する右打ち表示部や、後述するラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示部を備えていてもよい。
パチンコ遊技機10は、画像表示部GHを有する演出表示装置EHを備えている。演出表示装置EHは、正面から見たときに、画像表示部GHが遊技盤YBの開口窓YBb(センター枠W)を介して視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。例えば、画像表示部GHは、液晶パネルや、有機ELパネルである。演出表示装置EHは、演出の1つとして、所定のキャラクタや文字を模した画像を表示する演出(以下、「表示演出」と示す)を実行可能である。本実施形態において、演出表示装置EHは、演出を実行する演出実行手段である。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口している始動口としての第1始動入賞口15を備えている。第1始動入賞口15は、遊技球を入球させることができるように、常に開口している。パチンコ遊技機10は、第1始動入賞口15へ入球した遊技球を検知する第1始動入賞センサSE1を備えている(図8に示す)。本実施形態では、遊技球が第1始動入賞センサSE1によって検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口している始動口としての第2始動入賞口16を備えている。パチンコ遊技機10は、第2始動入賞口16へ入球した遊技球を検知する第2始動入賞センサSE2を備えている(図8に示す)。本実施形態では、遊技球が第2始動入賞センサSE2によって検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球可能な開状態(許容状態)と、遊技球が第2始動入賞口16へ入球不能な閉状態(規制状態)と、に動作可能な普通可変部材17を備えている。閉状態は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、普通可変部材17を動作させるアクチュエータとして、第1ソレノイドSL1を備えている(図8に示す)。普通可変部材17は、普通当り遊技において、開状態に動作される。したがって、普通当り遊技は、遊技者が第2特別ゲームの保留条件を成立させ易くなることから、遊技者にとって有利な状態である。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口している第1大入賞口18を備えている。パチンコ遊技機10は、第1大入賞口18へ入球した遊技球を検知する第1特別入賞センサSE3を備えている(図8に示す)。本実施形態では、遊技球が第1特別入賞センサSE3によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技球が第1大入賞口18へ入球可能な開状態(許容状態)と、遊技球が第1大入賞口18へ入球不能な閉状態(規制状態)と、に動作可能な第1特別可変部材19を備えている。閉状態は、遊技球が第1大入賞口18へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、第1特別可変部材19を動作させるアクチュエータとして、第2ソレノイドSL2を備えている(図8に示す)。第1特別可変部材19は、主に大当り遊技において、開状態に動作される。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口している第2大入賞口21を備えている。パチンコ遊技機10は、第2大入賞口21へ入球した遊技球を検知する第2特別入賞センサSE4を備えている(図8に示す)。本実施形態では、遊技球が第2特別入賞センサSE4によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技球が第2大入賞口21へ入球可能な開状態(許容状態)と、遊技球が第2大入賞口21へ入球不能な閉状態(規制状態)と、に動作可能な第2特別可変部材22を備えている。閉状態は、遊技球が第2大入賞口21へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、第2特別可変部材22を動作させるアクチュエータとして、第3ソレノイドSL3を備えている(図8に示す)。第2特別可変部材22は、主に小当り遊技において、開状態に動作される。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに、遊技球が通過(入球)可能な作動ゲート23を備えている。作動ゲート23は、作動ゲート23を通過する遊技球を検知するゲートセンサSE5を備えている(図8に示す)。本実施形態では、遊技球がゲートセンサSE5によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る一方、賞球の払出条件が成立しない。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口している普通入賞口24,24を備えている。パチンコ遊技機10は、センター枠Wよりも左方にある普通入賞口24へ入球した遊技球を検知する第1普通入賞センサSE6と、センター枠Wよりも右方にある普通入賞口24へ入球した遊技球を検知する第2普通入賞センサSE7と、を備えている(図8に示す)。本実施形態では、遊技球が普通入賞センサSE6,SE7によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。なお、パチンコ遊技機10は、入賞口15,16,18,21,24,24とは異なる入賞口を備えていてもよい。遊技球が入賞口に入球することは、所謂「入賞」に相当する。
パチンコ遊技機10は、アウト口25を備えている。例えば、アウト口25は、遊技領域YBaの下端部において、遊技領域YBaに開口している。遊技領域YBaへ発射された遊技球のうち、入賞口15,16,18,21,24,24の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口25から機外へと排出される。
本実施形態において、遊技盤YBは、遊技領域YBa内に、遊技球が1球ずつ通過可能な球通路30を備えている。球通路30は、センター枠Wの右下方において開口する入球口30aを備えているとともに、当該入球口30aから左下方へ向かって延びている。即ち、球通路30は、入球口30aから受け入れた遊技球を、左下方へ向かって案内する。なお球通路30は、入球口30a以外からは遊技球が流入しないように1又は複数の壁部材30bによって、遊技領域YBaにおける他領域から区画されている。また、球通路30の内壁面には、1又は複数の凸部30cが設けられており、球通路30内を流通する遊技球の球威を減殺するようになっている。
球通路30の内壁面のうち底面(下面)には、第2始動入賞口16、及び第2大入賞口21が開口している。そして、球通路30内において、第2始動入賞口16、及び第2大入賞口21は、球通路30内での遊技球の流通方向における上流側から下流側に向かって、この順番で並ぶように設けられている。なお、図2に示す具体例では、第2始動入賞口16及び第2大入賞口21が左右方向に沿って並んでいるが、遊技球の流通方向に沿っておれば、例えば上下方向に沿って並んでいてもよい。
このため、普通可変部材17が開状態に動作した場合には、球通路30内を流通する遊技球の全部又は略全部が第2始動入賞口16へ入球する結果、仮に第2特別可変部材22が開状態に動作していても、第2大入賞口21に遊技球が入球しない、又は入球し難い。一方、普通可変部材17が閉状態に動作した場合には、球通路30内を流通する遊技球が第2始動入賞口16へ入球しない結果、仮に第2特別可変部材22が開状態に動作しておれば、第2大入賞口21に遊技球が入球し得る。入球口30aから入球した遊技球であって、第2始動入賞口16及び第2大入賞口21の何れにも入球しなかった遊技球は、球通路30の最下流に開口する排出口30dから排出される。
なお、遊技領域YBa内における球通路30の配設位置、及び配設範囲は、変更してもよい。例えば、センター枠Wの右方において、作動ゲート23の直ぐ下方において入球口30aを開口させるとともに、球通路30内において、遊技球の流通方向における上流側から下流側に向かって、第1大入賞口18、第2始動入賞口16、及び第2大入賞口21の順番で並ぶように設けてもよい。
本実施形態において、遊技者は、発射ハンドルHDの発射強度の強弱を調整することで、センター枠Wを基準とした左方領域R1又は(及び)右方領域R2に遊技球を打ち分け、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、第1大入賞口18、第2大入賞口21、作動ゲート23、又は普通入賞口24,24へ遊技球を入球させることが可能である。具体的に言えば、発射強度を強めに調整して遊技球を発射させた場合(以下、「右打ち」と示す)、遊技球は、矢印Y2に示すように、右方領域R2に流下案内され易く、第1大入賞口18、入球口30a(第2始動入賞口16又は第2大入賞口21)、作動ゲート23、又は右方の普通入賞口24へ入球する可能性が高くなる。一方、右打ちした場合、遊技球は、第1始動入賞口15、又は左方の普通入賞口24へ入球する可能性が低くなる。
また、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合(以下、「左打ち」と示す)、遊技球は、矢印Y1に示すように、左方領域R1に流下案内され易く、第1始動入賞口15、又は左方の普通入賞口24へ入球する可能性が高くなる。一方、左打ちした場合には、第1大入賞口18、入球口30a(第2始動入賞口16又は第2大入賞口21)、作動ゲート23、又は右方の普通入賞口24へ入球する可能性が低くなる。なお、本実施形態では、右打ちした場合に、第1始動入賞口15及び左方の普通入賞口24に遊技球が入球し得ない、又は入球し難くなるように、遊技釘などの遊技部品が配置されている。
図3に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に、主制御ユニットMUと、副制御ユニットSUと、電源ユニット60とを備えている(副制御ユニットSUのみ図8に示す)。ここでは、主制御ユニットMUの構造について詳しく説明し、各ユニットMU,SU,60を含むパチンコ遊技機10の電気的構成については後述する。
主制御ユニットMUは、主制御基板40と、主制御基板40を収容する主基板ケース46とを備えている。主制御基板40は、例えばプリント基板であり、各種の電子部品が表面実装されている。主制御基板40は、マイクロプロセッサ41、RWMクリアスイッチ42、設定器43、及び表示器45を備えている。即ち、マイクロプロセッサ41、RWMクリアスイッチ42、設定器43、及び表示器45は、同一基板に実装されている。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載している。バックアップ機能は、外部電源からの電力供給が停止した場合でも遊技制御に関する各種情報を内部的に保持(バックアップ)しておき、電力供給が開始されたときに、保持している各種情報に基づいて遊技制御を復帰する機能である。RWMクリアスイッチ42は、バックアップされている各種情報の初期化を指示する操作を可能に構成された操作手段である。RWMクリアスイッチ42は、押し込み操作をしたときにはオン状態となる一方、押し込み操作をしていないときにはオフ状態となるように構成されている。RWMクリアスイッチ42の操作は、例えば遊技場の管理者による人的操作である。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、設定変更機能を搭載している。設定変更機能は、大当り遊技に関する有利度合いとして大当り確率を定めた設定情報としての設定値を変更して設定可能とする機能である。設定器43は、設定値に関する制御を行う特定制御状態としての設定制御モードへの移行を指示する操作を可能に構成された第1操作手段である。設定器43は、主制御基板40に固定された基端部43cと、図示しない設定キー(鍵)を挿し込む鍵穴43aを有する円柱状のシリンダ43bと、を備えている。鍵穴43aは、シリンダ43bの先端面に開口している。設定器43は、設定キーを鍵穴43aに挿し込んだ状態で所定方向へ回動させたオン状態と、前記所定方向へ回動させていないオフ状態のうち、何れかの操作状態(指示状態)に切り替える操作を可能に構成されている。そして、設定器43は、設定キーを用いた切り替え後の操作状態(オン状態又はオフ状態)を、人的操作なしに戻ることなく、そのまま維持するように構成されている。なお、設定器43は、オフ状態に切り替えた操作状態でなければ、鍵穴43aから設定キーを抜くことができないように構成されている。
表示器45は、1種類又は複数種類の情報を表示可能に構成された表示手段である。本実施形態の表示器45では、少なくともその時点において内部的に設定されている設定値を報知する表示を行う。表示器45は、7セグメントLEDを含む4つの表示部45a〜45dを備えている。表示部45a〜45dは、横並びに配置されている。したがって、表示器45は、表示部45a〜45dにおいてそれぞれ16進法で0〜Fの数値(10進法で0〜15)の数値を表示することで、最大で4桁の数値を表示可能である。なお、表示部45a〜45dは、所謂「ドット」を示すセグメントを加えた8セグメントLEDであってもよい。
主制御ユニットMUを構成する主基板ケース46について説明する。
主基板ケース46は、ベースとなる第1ケース部材47と、第1ケース部材47を覆うように組み付けられた第2ケース部材48と、を備えている。ケース部材47,48は、何れも透明な樹脂材料製である。2つのケース部材47,48を相互に組み付けることにより、主基板ケース46の内部には、主制御基板40を収容する空間が形成される。本実施形態においてケース部材47,48は、痕跡を残すことなく分離不能に組み付けられており、例えば不正行為などによってケース部材47,48を開封されたことが容易に判別可能に構成されている。
第2ケース部材48は、主制御基板40を主基板ケース46に収容した状態において、主制御基板40に設けられたRWMクリアスイッチ42、設定器43、及び表示器45が主基板ケース46から露出した状態とするための1又は複数の透かし孔を備えている。具体的に言えば、RWMクリアスイッチ42は、主制御基板40を主基板ケース46に収容した状態において、透かし孔48aを介して露出している。このため、RWMクリアスイッチ42は、透かし孔48aを介してオン状態とする操作が可能である。
設定器43は、主制御基板40を主基板ケース46に収容した状態において、透かし孔48bを介して露出している。このため、設定器43は、透かし孔48bを介して設定キーをシリンダ43bの鍵穴43aに挿し込んで、オン状態又はオフ状態とする操作が可能である。なお、シリンダ43bの先端面は、第2ケース部材48の外面と面一(又は略面一)である。即ち、設定器43は、シリンダ43bの先端面(鍵穴43a)のみが主基板ケース46から露出しており、その他の部分は主基板ケース46に覆われている。また、表示器45は、主制御基板40を主基板ケース46に収容した状態において、透かし孔48cを介して露出している。このため、表示器45は、透かし孔48cを介して、その表示内容を視認可能である。
既に説明した通り、本実施形態のパチンコ遊技機10は、遊技場の管理者が管理する枠キーを用いて施錠装置SSを操作しなければ、搭載枠11bを開放することができない。即ち、施錠装置SSを操作することができない遊技者は、原則として搭載枠11bを開放することができない。このため、主制御基板40に搭載されたRWMクリアスイッチ42、及び設定器43は、原則として遊技者が操作できない操作手段である。また、主制御基板40に搭載された表示器45は、遊技者の目には触れない位置に配置されているといえる。
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、大当り確率を高確率に変動させる確率変動機能と、第2始動入賞口16への遊技球の入球を補助する入球補助機能と、特別ゲームの変動時間を短縮する時間短縮機能とを搭載している。本実施形態のパチンコ遊技機10における遊技状態は、これらの機能の作動状態(作動及び非作動)を組み合わせて構成される。
まず、確率変動機能(以下、「確変機能」と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、内部抽選において大当りに当選する確率(大当り確率)が異なる状態として、複数の確率状態を備えている。複数の確率状態には、低確率状態と、当該低確率状態に比して、大当り確率が高い高確率状態と、がある。確変機能が作動すると、確率状態が低確率状態から高確率状態へ移行し、大当りに当選する可能性が高まることから、遊技者にとって有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
次に、入球補助機能について説明する。入球補助機能は、所謂「電サポ機能」である。
パチンコ遊技機10は、第2始動入賞口16への遊技球の入球率が異なる状態として、複数の入球率状態を備えている。複数の入球率状態には、低入球率状態と、当該低入球率状態に比して、入球率が高い高入球率状態と、がある。入球補助機能が作動すると、入球率状態が低入球率状態から高入球率状態へ移行し、第2特別ゲームの始動条件を成立させ易くなることから、遊技者にとって有利な状態となる。高入球率状態は、所謂「電サポ状態」である。
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの制御のうち任意に選択された1つの制御を実行することによって、又は複数の制御を組み合わせて実行することによって実現できる。1つめの制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。2つめの制御は、普通当りに当選する確率(普通当り確率)を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。
3つめの制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御としては、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の開放回数を、低入球率状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における普通可変部材17の1回の開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。
次に、変動時間短縮機能(以下、「時短機能」と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの変動時間(平均変動時間)が異なる状態として、複数の変動時間状態を備えている。複数の変動時間状態には、長変動時間状態と、長変動時間状態に比して、少なくとも第2特別ゲームの平均変動時間が短い短変動時間状態と、がある。時短機能が作動すると、変動時間状態が長変動時間状態から短変動時間状態へ移行し、単位時間当りで実質的に実行可能な第2特別ゲームの回数が増加する。即ち、第2特別ゲームの保留の消化効率が向上する。
以下の説明では、確変機能が作動し、入球補助機能が作動せず、且つ時短機能が作動する遊技状態を、「第1有利遊技状態」と示す。また、確変機能が作動し、入球補助機能が作動し、且つ時短機能が作動する遊技状態を「第2有利遊技状態」と示し、確変機能が作動せず、入球補助機能が作動し、且つ時短機能が作動する遊技状態を「第3有利遊技状態」と示す。また、以下の説明では、確変機能が作動せず、入球補助機能が作動せず、且つ時短機能が作動しない遊技状態を「通常遊技状態」と示す。なお、本明細書において、大当り遊技が付与されている状態は、有利遊技状態の1つである。
次に、本実施形態に特徴的な設定変更機能について説明する。
図4に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、複数の設定値として大当り確率を設定可能である。具体的に言えば、本実施形態のパチンコ遊技機10は、複数の設定値として第1設定値から第6設定値までの全6段階にわたって大当り確率を設定である。以下の説明では、「第n設定値が設定されている」ことを、単に[設定n]と示す場合がある(但し、n=1〜6)。
設定1の大当り確率はK1であり、設定2の大当り確率はK2であり、設定3の大当り確率はK3であり、設定4の大当り確率はK4であり、設定5の大当り確率はK5であり、設定6の大当り確率はK6である。大当り確率K1〜K6は、大当り確率K1<K2<K3<K4<K5<K6の順に高確率であり、大当りに当選し易くなっている。大当り確率K1〜K6は、図4に例示される通り、確変機能が作動していないときの大当り確率と、確変機能が作動しているときの大当り確率と、をセットにしたものである。なお、パチンコ遊技機10では、何れの設定値に基づく大当り確率を設定したとしても、大当りの種類に対応する特別図柄の振分割合、変動パターンの振分割合、小当り確率、及び大当り遊技の終了後における遊技状態の振分割合は、一定であって差異がない。なお、設定値は、6段階である必要はなく、2段階から5段階、及び7段階以上のうち何れであってもよい。
図5に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、設定器43をオン状態に操作した状態であって、且つRWMクリアスイッチ42をオン状態に操作した状態にて電源投入されると、設定変更モードへ移行する。設定変更モードでは、内部的に設定されている設定値が報知される。また、設定変更モードでは、設定スイッチの操作毎に、内部的に設定されている設定値が[設定1]→[設定2]→…→[設定5]→[設定6]→[設定1]→…というように、ループするように変更できる。本実施形態において、設定スイッチは、RWMクリアスイッチ42と兼用されている。本実施形態における設定スイッチ(RWMクリアスイッチ42)は、第2操作手段に相当する。設定変更モードは、設定キーを用いて、設定器43をオフ状態に操作すると終了する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、設定器43をオン状態に操作した状態であって、RWMクリアスイッチ42がオフ状態である状態にて電源投入されると、設定確認モードへ移行する。設定確認モードでは、内部的に設定されている設定値が報知される。また、設定確認モードでは、設定スイッチを操作しても、内部的に設定されている設定値を変更できない。設定確認モードは、設定キーを用いて、設定器43をオフ状態に操作すると終了する。設定変更モード(設定制御状態)及び設定確認モード(設定確認状態)は、設定値に関する制御を行う設定制御モード(設定制御状態)である。
図6(a)〜(f)に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、設定制御モードにおいて設定値を報知する手段として表示器45を備えている。以下、表示器45による設定値の報知例について説明する。
表示器45では、電源投入されたときに、設定変更モード及び設定確認モードの何れかに移行した場合、内部的に設定されている設定値を報知する表示を行う。具体的に言えば、表示部45a,45bに[−]を表示し、表示部45c,45dに設定値を示す値を表示する。例えば、表示器45では、設定1のときに[−−01]を、設定2のときに[−−02]を、設定3のときに[−−03]を、設定4のときに[−−04]を、設定5のときに[−−05]を、設定6のときに[−−06]を表示する。
例えば、設定変更モードでは、設定スイッチの操作毎に設定値が変更されるため、表示器45では、[−−01]→[−−02]→…→[−−05]→[−−06]→[−−01]→…というように、設定値を報知する表示がループするように切り替わる。なお、設定変更モードでは、表示部45a,45bでは変更前の設定値を表示し、表示部45c,45dでは変更後の設定値を表示してもよい。一方、設定確認モードでは、設定スイッチを操作しても設定値が変更されないため、表示器45では、設定値を報知する表示が切り替わることなく継続する。なお、設定変更モード及び設定確認モードが終了した後において、表示器45では、設定されている設定値を報知する表示を継続してもよく、設定値とは異なる情報を報知する表示に切り替わってもよく、何れの情報を報知する表示も行わなくてもよい。
本実施形態における表示器45は、設定値とは異なる情報の表示であって、且つ4桁の情報(数値、記号、又は文字)からなる他の表示を行う表示手段として兼用されている。設定値とは異なる他の情報としては、例えば、ベース値と、報知するベース値の種類を特定するための識別子とがある。ベース値は、大当り遊技中ではないことを前提として、(通常遊技状態時の賞球の総数÷通常遊技状態時の有効球の総数)×100の計算式によって計数(計算)される数値である。ここで、有効球とは、遊技に使用された遊技球であって、発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球のうち遊技領域YBaへ到達した遊技球である。ベース値には、当該ベース値を計数する期間として第1計数期間を定めた第1ベース値と、第1計数期間とは異なる第2計数期間を定めた第2ベース値とがある。例えば、第1計数期間は、有効球が60000に達する毎の周期的な計数期間であり、第2計数期間は、直近の第1計数期間が終了してから現在までの期間である。
ベース値に関する情報を表示する場合、表示器45では、表示部45a,45bにおいて2桁の情報(数値、記号、又は文字)からなる識別子を表示し、表示部45c,45dにおいて2桁の情報(数値)からなるベース値を表示するとよい。表示部45c,45dにおいて表示するベース値は、10進法による表示でもよく、16進法による表示であってもよい。なお、報知しようとするベース値が規定値を超える場合、表示部45c,45dにおいて[FF]を点滅表示させてもよい。例えば規定値は、10進法による表示であれば[99]であり、16進法による表示であれば[255]である。
なお、表示器45は、設定値を報知する表示を行う専用の表示手段であってもよい。表示器45は、2桁以上の情報からなる表示を行う表示手段と兼用しない場合、必ずしも4つの表示部45a〜45dを必要としない。例えば、表示器45は、表示部45b〜45dを省略して1桁の数値を表示可能に構成されていてもよい。また、表示器45は、パチンコ遊技機10の機体の表側に設けられた表示手段と兼用されていてもよい。例えば、特別図柄表示部13a,13bと兼用されていてもよい。
次に、パチンコ遊技機10における大当りについて説明する。
図7に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備えている。大当り図柄の種類は、大当りの種類としても把握できる。本実施形態において、複数種類の大当り図柄は、図柄ZA、図柄ZB、及び図柄ZCの3つのグループに分類されている。複数種類の大当り図柄には、それぞれ大当り遊技の種類が定められている。
本実施形態におけるパチンコ遊技機10では、大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技の開始待機状態へと移行し、当該開始待機状態において、作動ゲート23を遊技球が通過したことを契機として大当り遊技が開始される。即ち、作動ゲート23を遊技球が通過しなければ、大当りの特別ゲームが終了しても開始待機状態が継続し、大当り遊技が開始されない。なお、入球により大当り遊技を開始させる契機となる入球口は、作動ゲート23と兼用されている必要はなく、他の入球口と兼用してもよく、専用の入球口であってもよい。
そして、大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって、所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、第1大入賞口18を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する第1終了条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2終了条件が成立することによって終了される。ラウンド遊技において、第1大入賞口18は、所定の開放態様となるように開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって、所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を認識可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
本実施形態において、図柄ZA,ZCの大当り遊技では、ラウンド遊技の上限回数として10回が定められており、図柄ZBの大当り遊技では、ラウンド遊技の上限回数として4回が定められている。例えば、図柄ZA〜ZCの大当り遊技では、各回のラウンド遊技における上限個数として10個が定められており、各回のラウンド遊技における上限時間として25秒が定められている。ラウンド遊技の上限回数は、遊技者が1回の大当り遊技を通して獲得し得る賞球数の多寡に関係する。このため、ラウンド遊技の上限回数として10回が定められた図柄ZA,ZCの大当り遊技は、ラウンド遊技の上限回数として4回が定められた図柄ZBの大当り遊技に比して、有利な大当り遊技となる。
次に、大当り遊技の終了後における遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10では、図柄ZAの大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで第1有利遊技状態が付与される。パチンコ遊技機10では、図柄ZBの大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで第2有利遊技状態が付与される。パチンコ遊技機10では、図柄ZCの大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与される第1終了条件、及び予め定めた作動回数(本実施形態では100回)の特別ゲームが実行される第2終了条件のうち、何れかの終了条件が成立するまで第3有利遊技状態が付与される。以下の説明では、図柄ZAの大当りを「10R高確大当り」と示し、図柄ZBの大当りを「4R高確大当り」と示し、図柄ZCの大当りを「10R低確大当り」と示す。
次に、パチンコ遊技機10における小当りについて説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の小当り図柄として、複数種類の小当り図柄を備えている。小当り図柄の種類は、小当りの種類としても把握できる。本実施形態において、小当り図柄は、全て図柄ZKに分類されている。小当り図柄には、小当り遊技の種類が定められている。
本実施形態における小当り遊技は、作動ゲート23を遊技球が通過したか否かに関係なく、小当りの特別ゲームが終了すると開始される。そして、小当り遊技では、第2大入賞口21を開放するラウンド遊技が1回だけ行われる。小当り遊技におけるラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する第1終了条件、又は予め定めた上限時間(例えば1.8s)が経過する第2終了条件が成立することによって終了される。1回のラウンド遊技において、第2大入賞口21は、遊技球が入球可能な開放態様となるように開放される。
次に、小当り遊技の終了後における遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10では、図柄ZKの小当り遊技の開始前と終了後とで遊技状態が変化せず、同じ遊技状態となる。例えば、第1有利遊技状態において小当り遊技が付与されると、当該小当り遊技の終了後も第1有利遊技状態が継続する。第2有利遊技状態において小当り遊技が付与されると、当該小当り遊技の終了後も第2有利遊技状態が継続する。第3有利遊技状態において小当り遊技が付与されると、当該小当り遊技の終了後も第3有利遊技状態が継続する。なお、小当り遊技の前後で第3有利遊技状態が継続する場合であっても、作動回数を計数し直さず継続して計数する。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10の仕様と、当該仕様によって創り出される遊技状態毎の遊技性について説明する。
時短機能が作動していない場合、第2特別ゲームの変動時間は、第1特別ゲームの変動時間(平均変動時間)に比して極端に長く、特別図柄の当り抽選の結果に関係なく、例えば10分である。逆に、時短機能が作動している場合であって、且つ小当り又ははずれであるとき、第2特別ゲームの変動時間は、時短機能が作動していない場合における第2特別ゲームの変動時間に比して極端に短く、例えば1秒である。なお、時短機能が作動している場合であって、且つ大当りであるとき、第2特別ゲームの変動時間は、時短機能が作動していない場合における第1特別ゲームの変動時間(平均変動時間)と同程度であってもよく、短くてもよい。なお、特別ゲームの平均変動時間は、単位回数の特別ゲームが実行されたと仮定したときに、単位回数の特別ゲームにおける変動時間の積算時間を、上記単位回数で除算して求めることができる。
また、本実施形態において、第1特別ゲームにおける大当り確率と、第2特別ゲームにおける大当り確率とは、同じ確率である。一方、第2特別ゲームにおける小当り確率は、第1特別ゲームにおける小当り確率に比して、遥かに高確率である。さらに、第2特別ゲームにおける小当り確率は、第2特別ゲームにおいてはずれとなる確率(はずれ確率)に比して、遥かに高確率である。このため、第2特別ゲームでは、高確率で小当りとなる一方、はずれや大当りになる機会が少なくなり易い。
また、本実施形態において、普通図柄の変動時間は、入球補助機能が作動しているか否かに関係なく、比較的短時間に設定されている。例えば、入球補助機能が作動していないときの変動時間は、600msであり、入球補助機能が作動しているときの変動時間は、200ms秒である。本実施形態において、普通当り確率は、入球補助機能が作動しているか否かに関係なく、比較的高確率に設定されている。例えば、入球補助機能が作動していないときの普通当り確率は、256分の255であり、入球補助機能が作動しているときの普通当り確率は256分の256である。本実施形態において、普通当り遊技における普通可変部材17の開放パターンには、入球補助機能が作動しているか否かに関係なく、第2始動入賞口16へ遊技球が比較的入球し易いパターンが定められている。例えば、入球補助機能が作動していないときの開放パターンには、250msの開放を1回だけ行う開放パターンが定められており、入球補助機能が作動しているときの開放パターンには、6000msの開放を1回だけ行う開放パターンが定められている。
通常遊技状態において、右打ちしたときには、遊技球が作動ゲート23を通過して第2始動入賞口16が開放され得ることから、遊技球を第2始動入賞口16へ入球させ、第2特別ゲームを実行させることができる。しかしながら、通常遊技状態では、時短機能が作動していないため、第2特別ゲームの変動時間が極端に長く、且つ確変機能が作動していないため、大当りにも当選し難いことから、大当り遊技や小当り遊技を獲得することが困難である。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10において、通常遊技状態では、左打ちすることによって、遊技球を第1始動入賞口15へ入球させ、第1特別ゲームにおいて大当りを獲得することを第1の目的として遊技を進める遊技性となる。そして、通常遊技状態における第1特別ゲームが大当りとなり、大当り遊技が付与されると、第1大入賞口18が開放される。このため、大当り遊技では、右打ちすることによって、第1大入賞口18へ遊技球を入球させ、賞球を獲得可能になる。大当り遊技の終了後には、第1有利遊技状態、第2有利遊技状態、及び第3有利遊技状態のうち何れかの遊技状態に制御される。
第1有利遊技状態では、時短機能が作動していることから、第2特別ゲームを効率的に消化できる。そして、第2特別ゲームでは、そもそも小当り確率が高いことから、第2特別ゲームが小当りになり易く、小当り遊技が頻繁に付与される。また、第1有利遊技状態では、入球補助機能が作動していなくても、普通図柄の変動時間が十分に短く、且つ普通当りに当選したときの第2始動入賞口16の開放時間が十分に長い。このため、第1有利遊技状態では、球通路30へ流入した遊技球の一部が第2始動入賞口16へ入球可能である。
また、球通路30へ流入した遊技球のうち、第2始動入賞口16へ入球しなかった遊技球は、小当り遊技中であれば、球通路30内において第2始動入賞口16の直ぐ下流側に位置する第2大入賞口21へと極めて容易に入球し得る。したがって、第1有利遊技状態は、第2大入賞口21を開放する小当り遊技を頻発させるとともに、当該小当り遊技中に第2大入賞口21へ遊技球を入球可能とすることで、遊技者が賞球を獲得し易い「特殊状態」となる。即ち、第1有利遊技状態では、大当り遊技ではない一般遊技であっても、多数の賞球を獲得するチャンスを得ることができる。なお、本実施形態における第1有利遊技状態では、確変機能も作動していることから、比較的早期に次回の大当り遊技が付与される。しかしながら、第1有利遊技状態では、小当り遊技に関連した賞球を獲得し易いために、大当りとならない方が却って多数の賞球を獲得し得るという、特殊な状況として遊技者の興趣を高め得る。
一方、第2有利遊技状態は、入球補助機能が作動している点で第1有利遊技状態と相違しており、その他は同じである。第2有利遊技状態では、第1有利遊技状態に比して、普通図柄の変動時時間がさらに短く、且つ普通当り遊技における第2始動入賞口16の開放時間がさらに長い。このため、第2有利遊技状態では、球通路30に流入した遊技球の大半(全部又は略全部)が第2始動入賞口16へと入球する結果、そもそも遊技球が第2大入賞口21へ到達し難くなる、又は実質的に到達不能になる。また、第3有利遊技状態は、確変機能が作動していない点で第2有利遊技状態と相違しており、その他は同じである。したがって、第2,第3有利遊技状態は、小当り遊技が頻発され得るものの、当該小当り遊技中に第2大入賞口21へ入賞困難又は実質的に入球不能とすることで、特殊状態であるときに比して賞球を獲得し難い「非特殊状態(特殊状態なし)」となる。
本実施形態において、第1有利遊技状態は、「高確+特殊状態あり」の遊技状態であり、第2有利遊技状態は、「高確+特殊状態なし(非特殊状態)」の遊技状態であり、第3有利遊技状態は、「低確+特殊状態なし(非特殊状態)」の遊技状態として把握することも可能である。そして、図柄ZAの大当りは、上限回数が10回(10R)の大当り遊技と、高確率状態と、特殊状態とを獲得し得ることから、全ての大当りの中で最も有利な大当りとなる。図柄ZBの大当りは、特殊状態を獲得できない点で図柄ZCの大当りと同じであるが、高確率状態を獲得し得る観点で、図柄ZCの大当りに比して、遊技者に有利な大当りである。図柄ZCの大当りは、特殊状態を獲得できない点で図柄ZBの大当りと同じであるが、上限回数が10回(10R)の大当り遊技を獲得し得る観点で、図柄ZBの大当りに比して、遊技者に有利な大当りである。
次に、パチンコ遊技機10が実行可能な演出の一例について説明する。
パチンコ遊技機10が実行可能な演出には、表示演出の1つである演出図柄変動ゲームがある。以下の説明では、演出図柄変動ゲームを略して「演出ゲーム」と示す。演出ゲームは、演出表示装置EHにおいて、複数列の演出図柄を変動表示させ、最終的に演出図柄の組み合わせ(以下、単に「図柄組み合わせ」と示す)を導出させる演出である。演出図柄は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄(飾り図柄)であって、表示演出を多様化させるための図柄である。本実施形態において、演出ゲームは、第1列、第2列、及び第3列の演出図柄をそれぞれ所定の方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
演出ゲームは、特別ゲームに関連して実行される。具体的に、演出ゲームは、特別ゲームの開始に伴って開始され、特別ゲームの終了に伴って終了される。演出ゲームでは、特別ゲームにおいて導出された特別図柄に応じた図柄組み合わせが導出される。特別ゲームにおいて、大当り図柄が導出される場合には、演出ゲームにおいて、大当りの図柄組み合わせが導出される。例えば、大当りの図柄組み合わせは、「777」などのように、全列の演出図柄が同一となる図柄組み合わせである。
また、特別ゲームにおいて、はずれ図柄が導出される場合には、演出ゲームにおいて、はずれの図柄組み合わせが導出される。例えば、はずれの図柄組み合わせは、「778」や「787」などのように、少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組み合わせである。なお、演出ゲームにおいて、演出図柄は、確定停止表示される前に一旦停止表示されてもよい。本明細書において、「一旦停止表示」とは、ゆれ変動表示などのように、演出図柄が確定停止表示される前の仮停止状態である。以下の説明では、特別ゲームと、当該特別ゲームに関連して実行される演出ゲームとを区別しない場合、これらを総称して「変動ゲーム」と示す。
演出ゲームでは、リーチを形成して行うリーチ演出が実行される場合がある。リーチは、複数列のうち特定列(本実施形態では第1列と第3列)に同一の演出図柄が一旦停止表示されており、且つ、特定列とは異なる列(本実施形態では第2列)の演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。例えば、リーチ演出には、登場するキャラクタ、及び演出図柄の動作などが異なる複数種類のリーチ演出があってもよい。なお、詳しくは後述するが、演出ゲームの実行中には、演出図柄の変動表示とは別の演出が実行される場合がある。
本実施形態のパチンコ遊技機10において、通常遊技状態であるとき(時短機能が作動していないとき)には、第1特別ゲームに対応する演出ゲームが演出表示装置EHに表示される。一方、有利遊技状態であるとき(時短機能が作動しているとき)には、第2特別ゲームに対応する演出ゲームが演出表示装置EHに表示される。第1特別ゲームに対応する演出ゲームと、第2特別ゲームに対応する演出ゲームとは、遊技状態(時短機能の作動の有無)に関係なく、何れも演出表示装置EHに表示するように構成してもよい。なお、本実施形態において特徴的な演出については後述する。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成を説明する。
図8に示すように、本実施形態の主制御基板40は、所定の処理を行い、当該処理の結果に応じて、制御コマンドなどの制御信号を出力する。主制御基板40と、副制御基板50とは、主制御基板40から副制御基板50へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。副制御基板50は、主制御基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
まず、主制御基板40について詳しく説明する。
マイクロプロセッサ41は、処理部(以下、「主制御CPU41a」と示す)と、記憶部(メモリ)とを備えている。主制御CPU41aは、主制御用のプログラムを実行することにより、各種処理を実行する。マイクロプロセッサ41の記憶部には、情報の読み出しが可能であって情報の書き込みが不能なROM領域(以下、「主制御ROM41b」と示す)と、情報の読み出し及び書き込みが可能なRWM領域(以下、「主制御RWM41c」と示す)とがある。
主制御ROM41bは、各種の判定や抽選に用いる判定値やテーブルなどを記憶している。また、主制御ROM41bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了する迄の変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームなどの演出内容(変動態様)を特定可能な情報である。本実施形態の変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンとがある。大当り変動パターンには、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行い、最終的に大当りの図柄組み合わせを導出する変動パターンがある。はずれ変動パターンには、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行い、最終的にはずれの図柄組み合わせを導出可能な「リーチあり」のはずれ変動パターンがある。はずれ変動パターンには、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行わず、最終的にはずれの図柄組み合わせを導出する「リーチ無し」のはずれ変動パターンがある。
主制御RWM41cは、主制御CPU41aの処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主制御RWM41cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、マイクロプロセッサ41は、ハードウェア乱数を生成する乱数回路41dを備えている。マイクロプロセッサ41は、主制御CPU41aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。なお、主制御CPU41a、主制御ROM41b、主制御RWM41c、及び乱数回路41dは、マイクロプロセッサ41としてワンチップに構成されている必要はなく、別体であってもよい。
主制御CPU41aは、センサSE1〜SE7と接続されている。主制御CPU41aは、センサSE1〜SE4が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU41aは、情報表示装置13(表示部13a〜13f)と接続されている。主制御CPU41aは、情報表示装置13(表示部13a〜13f)の表示内容を制御可能に構成されている。主制御CPU41aは、ソレノイドSL1〜SL3と接続されている。主制御CPU41aは、ソレノイドSL1〜SL3の動作を制御することによって、可変部材17,19,22の動作を制御可能に構成されている。
主制御CPU41aは、RWMクリアスイッチ42と接続されている。主制御CPU41aは、RWMクリアスイッチ42がオン状態に操作されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。主制御CPU41aは、設定器43と接続されている。主制御CPU41aは、設定器43がオン状態に操作されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。主制御CPU41aは、表示器45と接続されている。主制御CPU41aは、表示器45の表示内容を制御可能に構成されている。
次に、副制御基板50について詳しく説明する。
副制御基板50は、副制御CPU50aと、副制御ROM50bと、副制御RWM50cと、リアルタイムクロック50dと、を備えている。副制御CPU50aは、副制御プログラムを実行することにより、所定の処理として、演出に関する処理などを行う。即ち、本実施形態の副制御CPU50aは、演出の実行を制御する演出制御手段として機能する。副制御ROM50bは、副制御プログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM50bは、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、音声演出に用いる音声演出データ、及び、図示しない可動体を動作させる可動体演出に用いる可動体演出データなどを記憶している。
副制御RWM50cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RWM50cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、副制御基板50は、副制御CPU50aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
副制御CPU50aは、演出表示装置EHと接続されている。副制御CPU50aは、演出表示装置EHの表示内容を制御可能に構成されている。副制御CPU50aは、装飾ランプLAと接続されている。副制御CPU50aは、装飾ランプLAの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU50aは、スピーカSPと接続されている。副制御CPU50aは、スピーカSPの出力態様を制御可能に構成されている。副制御CPU50aは、演出ボタンBTと接続されている。副制御CPU50aは、演出ボタンBTが操作されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。
次に、電源ユニット60について説明する。
図3に示すように、電源ユニット60は、遊技場などの外部電源から供給される電源電圧を所定の電源電圧(V1)に変換するとともに、その変換後の電源電圧(V1)を各制御基板40,50へ供給すべき電源電圧(V2)にさらに変換する。電源ユニット60は、複数本の電源供給線を介して各制御基板40,50と接続されており、各基板は電源供給線を通じて電力供給を受けることによって動作する。
電源ユニット60は、電源スイッチ(接点装置)60aを備えている。電源スイッチ60aは、オン状態及びオフ状態の何れかに切り替える操作が可能であって、切り替え後の操作状態を維持するように構成されている。本実施形態では、外部電源からパチンコ遊技機10へ電力が供給されている状態において、電源スイッチ60aをオフ状態からオン状態に操作にすると、各制御基板40,50に電力が供給され、さらにオフ状態に操作すると各制御基板40,50への電力供給が遮断される。
したがって、パチンコ遊技機10を起動するためには、電源スイッチ60aをオン状態に操作したまま、外部電源からの電力供給を開始するか、外部電源からの電力供給をしている状態のまま、電源スイッチ60aをオフ状態からオン状態に操作にする。本明細書において、「電源投入する」ことは、電源スイッチ60aを操作するなどして、各制御基板40,50に対して電力が供給されている状態にすることを意味し、「電源を遮断(電源断)する」ことは、各制御基板40,50に対して電力が供給されていない状態にすることを意味する。
次に、バックアップ機能について詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10において、主制御RWM41cは、電源断がされても、電源断がされたときに記憶している各種情報を所定期間にわたって保持可能に構成されている。例えば、主制御RWM41cは、電源ユニット60に搭載された図示しないバックアップ用電源(例えば電気二重層コンデンサ)から供給される電力によって、電源断がされた後にも各種情報を保持するとよい。例えば、主制御RWM41cは、電力の供給を受けない状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電源断がされた後にも各種情報を保持するようになっていてもよい。
ここで、バックアップの対象となる各種情報には、遊技の進行に関する遊技情報と、ベース値に関するベース情報と、設定値に関する設定値情報とが含まれている。例えば、遊技情報には、特別ゲームに関する情報、大当り遊技に関する情報、遊技状態に関する情報、賞球の払出しに関する情報を含む。特別ゲームに関する情報としては、例えば特別保留数を特定可能な情報、各種の乱数情報、当り抽選(大当り及び小当り)の抽選結果を特定可能な情報、特別ゲームの変動パターンを特定可能な情報、特別ゲームで導出される特別図柄を特定可能な情報などである。大当り遊技に関する情報としては、大当り遊技の進行状況を特定可能な情報などである。遊技状態に関する情報としては、確変機能、入球補助機能、及び時短機能(作動回数の残回数を含む)の作動状況を特定可能な情報などである。賞球の払出しに関する情報としては、未払出しの賞球数を特定可能な情報などである。
次に、電源投入処理について説明する。本実施形態において、以下に説明する電源投入処理を実行する主制御CPU41aは、大当り遊技に関する有利度合いを定めた複数の設定情報としての設定値のうち何れかの設定値を設定する制御を少なくとも可能に構成された設定制御手段として機能する。
主制御CPU41aは、電源投入時の起動処理(ブート処理)によって起動すると、最初に電源投入処理を実行する。電源投入処理では、電源投入時のRWMクリアスイッチ42及び設定器43の操作状態に応じて、設定制御モード(設定変更モード及び設定確認モード)への移行の有無、及び主制御RWM41cの初期化の有無が制御される。以下、詳細に説明する。
主制御CPU41aは、RWMクリアスイッチ42がオン状態に操作されており、且つ設定器43がオン状態に操作されている場合、主制御RWM41cのRWMクリア処理を実行する。RWMクリア処理において、主制御CPU41aは、バックアップされている遊技情報を初期化する一方、バックアップされているベース情報及び設定値情報を初期化しない。次に、主制御CPU41aは、設定変更モードへ移行する。主制御CPU41aは、設定変更モードへ移行すると、設定変更モードの開始を特定可能な制御コマンド(以下、「変更開始コマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。
また、主制御CPU41aは、設定変更モードへ移行すると、主制御RWM41cに記憶されている設定値を読み出すとともに、読み出した設定値を報知する表示を行うように表示器45を制御する。即ち、表示器45では、電源断がされたときの設定値が報知される。設定変更モードにおいて、主制御CPU41aは、設定スイッチ(本実施形態ではRWMクリアスイッチ42)が操作される毎に、設定している設定値を、[設定1]→[設定2]→…→[設定5]→[設定6]→[設定1]→…というように、ループするように変更する。主制御CPU41aは、設定スイッチの操作を契機に設定値を変更する毎に、変更後の設定値を報知する表示を行うように表示器45を制御する。
主制御CPU41aは、設定変更モードにおいて、設定器43がオフ状態に操作されると、その時点において設定している設定値を確定し、設定変更モードを終了する。主制御CPU41aは、設定変更モードを終了すると、確定した設定値を特定可能な制御コマンド(以下、「設定値コマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。また、主制御CPU41aは、設定変更モードの終了を特定可能な制御コマンド(以下、「変更終了コマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。その後、電源投入処理を終了し、後述する通常制御状態へ移行する。
主制御CPU41aは、RWMクリアスイッチ42がオフ状態であり、且つ設定器43がオン状態に操作されている場合、バックアップされている各種情報が正常であるかを確認する。バックアップされている各種情報が正常であるか、異常であるかの確認は、例えばバックアップフラグの状態確認とチェックサムの一致確認によって行われる。バックアップされている各種情報が異常である場合、主制御CPU41aは、主制御RWM41cのRWMクリア処理を実行する。バックアップされている各種情報が正常である場合、主制御CPU41aは、主制御RWM41cのRWMクリア処理を実行しない。次に、主制御CPU41aは、設定確認モードへ移行する。主制御CPU41aは、設定確認モードへ移行すると、設定確認モードの開始を特定可能な制御コマンド(以下、「確認開始コマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。
また、主制御CPU41aは、設定確認モードへ移行すると、主制御RWM41cに記憶されている設定値を読み出すとともに、読み出した設定値を報知する表示を行うように表示器45を制御する。即ち、表示器45では、電源断がされたときの設定値が報知される。設定確認モードにおいて、主制御CPU41aは、設定スイッチ(本実施形態ではRWMクリアスイッチ42)が操作されても、設定値を変更せず、表示器45の表示内容も変化させない。
主制御CPU41aは、設定確認モードにおいて、設定器43がオフ状態に操作されると、設定確認モードを終了する。主制御CPU41aは、設定確認モードを終了すると、その時点において設定している設定値を特定可能な設定値コマンドを副制御基板50に出力する。また、主制御CPU41aは、設定確認モードの終了を特定可能な制御コマンド(以下、「確認終了コマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。その後、電源投入処理を終了し、通常制御状態へ移行する。
また、主制御CPU41aは、RWMクリアスイッチ42がオン状態に操作されており、且つ設定器43がオフ状態である場合、主制御RWM41cのRWMクリア処理を実行する。その後、主制御CPU41aは、設定変更モード及び設定確認モードへ移行することなく、電源投入処理を終了し、通常制御状態へ移行する。一方、主制御CPU41aは、RWMクリアスイッチ42がオフ状態であり、且つ設定器43がオフ状態である場合、主制御RWM41cのRWMクリア処理を実行しない。また、主制御CPU41aは、設定変更モード及び設定確認モードへ移行することなく、電源投入処理を終了し、通常制御状態へ移行する。
ここで、通常制御状態は、主制御CPU41aが内部抽選(当り抽選)に基づいて変動ゲームを実行させる制御や、大当り遊技を付与する制御を可能な制御状態である。RWMクリア処理の実行によって、遊技情報が初期化された場合には、何れの特別ゲーム及び普通ゲームが実行及び保留されておらず、且つ大当り遊技中でもない状態に復帰される。一方、遊技情報が初期化されなかった場合には、バックアップされている遊技情報に基づいて、電源断がされたときの遊技の状態に復帰される。
なお、主制御CPU41aは、電源投入処理を終了するときに、上記設定値コマンドのほか、主制御RWM41cに記憶されている遊技情報に基づいて所定の制御コマンド(以下、「初期コマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。ここで、主制御RWM41cに記憶されている遊技情報とは、RWMクリア処理が実行されたときは初期化された遊技情報であり、RWMクリア処理が実行されていないときには直近の電源断がされたときの遊技情報である。
例えば、主制御CPU41aは、特別ゲームの実行中に復帰する場合、初期コマンドとして、当り抽選(大当り及び小当り)の抽選結果を特定可能な制御コマンド、特別ゲームの変動パターンを特定可能な制御コマンド、特別ゲームで導出される特別図柄を特定可能な制御コマンドなどを出力する。あわせて、主制御CPU41aは、遊技状態(確変機能、入球補助機能、及び時短機能の作動状況)を特定可能な制御コマンドを出力する。例えば、主制御CPU41aは、初期コマンドとして、大当り遊技の付与中に復帰する場合、大当り遊技の進行状況を特定可能な制御コマンドなどである。
また、主制御CPU41aは、電源投入処理において、設定されている設定値に異常がある場合、設定値エラーを検知してもよい。設定されている設定値に異常があるか否かは、例えば、主制御RWM41cのうち、設定値を特定可能な情報を格納する記憶領域に、設定1〜6の何れを特定する値でもない値が格納されているとき、設定値エラーと判定するとよい。主制御CPU41aは、設定値エラーを検知すると、電源断がされるまで解除不能な遊技停止状態へ移行するとよい。
また、主制御CPU41aは、設定変更モードへ移行してから終了する迄の間、及び設定確認モードへ移行してから終了する迄の間にわたって、所定の外部信号(セキュリティ信号)を図示しない外部端子から機外へ出力してもよい。外部端子には、例えば遊技場の管理室などに設置されたホールコンピュータ、及び島設備などに設置された外部演出装置などが接続される。主制御CPU41aは、設定変更モードへ移行してから終了する迄の間、及び設定確認モードへ移行してから終了する迄の間にわたって、設定制御モード中であることを報知する表示を行うように、特別図柄表示部13a,13bを制御してもよい。設定制御モード中であることを報知する表示は、特別ゲームにおいて導出する大当り図柄、小当り図柄、及びはずれ図柄の何れとも異なる発光パターンによる表示である。
また、主制御CPU41aは、電源投入処理によって設定変更モードへ移行した場合には、電源投入処理を終了してから、搭載枠11bが閉鎖されたことを契機として、RWMクリア処理が実行されたことを特定可能な制御コマンド(以下、「RWMクリアコマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。例えば、搭載枠11bが閉鎖されたか否かは、搭載枠11bが開放されているか否かを検知するセンサを設けたり、施錠装置SSによる搭載枠11bの施錠状態を検知するセンサを設けたりすることで特定するとよい。
電源投入処理によって設定変更モードへ移行しなかった場合であって、RWMクリア処理を実行したときには、電源投入処理が終了すると、搭載枠11bが閉鎖されたか否かを問わず、RWMクリアコマンドを副制御基板50に出力する。詳しくは後述するが、RWMクリアコマンドを入力した副制御基板50は、後述するRWMクリア報知を実行させる。即ち、設定変更モードへ移行したときと、設定変更モードへ移行しなかったときとでは、RWMクリア報知のタイミング(実行態様)が異なる。また、主制御CPU41aは、RWMクリアコマンドの出力とともに所定の外部信号(セキュリティ信号)を外部端子から所定時間(例えば50ms)にわたって出力するとよい。
次に、主制御CPU41aによって実行される各種の処理について説明する。
主制御CPU41aは、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行う割り込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などを実行する。なお、本実施形態において、出力バッファに設定された制御コマンドは、割り込み処理として実行されるコマンド出力処理によって副制御基板50へ出力される。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
図9に示すように、主制御CPU41aは、第1始動入賞センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したか否かを判定する(S101)。第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合(S101:YES)、主制御CPU41aは、主制御RWM41cに記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S102)。
第1特別保留数が上限数未満である場合(S102:YES)、主制御CPU41aは、第1特別保留数を1加算して更新する(S103)。ステップS103の処理において、主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。このように、第1特別ゲームの保留条件は、第1特別保留数が上限数未満である状態において、遊技球が第1始動入賞センサSE1によって検知されると成立する。
次に、主制御CPU41aは、マイクロプロセッサ41内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM41cに記憶させる(S104)。例えば、乱数は、大当り抽選(小当り抽選)に用いる大当り乱数、大当り図柄の決定に用いる大当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。ステップS104の処理において、主制御CPU41aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。なお、乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態では、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM41cに記憶させておくことによって、当該第1特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留する。
第1始動入賞口15へ遊技球が入球していない場合(S101:NO)、第1特別保留数が上限数未満ではない場合(S102:NO)、及び、ステップS104の処理を終了した場合、主制御CPU41aは、ステップS105の処理へと移行する。ステップS105の処理において、主制御CPU41aは、第2始動入賞センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したか否かを判定する。第2始動入賞口16へ遊技球が入球している場合(S105:YES)、主制御CPU41aは、主制御RWM41cに記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S106)。
第2特別保留数が上限数未満である場合(S106:YES)、主制御CPU41aは、第2特別保留数を1加算して更新する(S107)。ステップS107の処理において、主制御CPU41aは、更新後の第2特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第2特別保留表示部13dを制御する。第2特別ゲームの保留条件は、第2特別保留数が上限数未満である状態において、遊技球が第2始動入賞センサSE2によって検知されると成立する。
次に、主制御CPU41aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM41cに記憶させる(S108)。ステップS108の処理において、主制御CPU41aは、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM41cに記憶させておくことによって、当該第2特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
次に、主制御CPU41aは、ステップS108の処理において取得した乱数をもとに、新たに実行が保留された特別ゲームの内容を特定可能な制御コマンド(以下、「先読みコマンド」と示す)を生成し、出力バッファに設定する先読みコマンド設定処理を実行する(S109)。なお、先読みコマンド設定処理は、特別図柄入力処理において、ステップS108の処理の終了後に実行してもよく、特別図柄入力処理とは異なる処理として実行してもよい。即ち、先読みコマンド設定処理は、特別図柄入力処理のステップS108の処理において乱数を取得したときと同じ割込み処理など、特別ゲームの実行が保留されたときに先読みコマンドを生成可能であればよい。
先読みコマンド設定処理において、主制御CPU41aは、ステップS108の処理で取得した大当り乱数の値が、後述する大当り抽選において大当りに当選する値であるか否かを事前に判定(以下、「大当り事前判定」と示す)する。そして、主制御CPU41aは、大当り事前判定によって判定した大当り抽選の結果を特定可能となるように先読みコマンドを生成し、出力バッファに設定する。なお、先読みコマンドによって特定可能な特別ゲームの内容としては、上記に限定されない。即ち、先読みコマンドは、大当り抽選の結果、変動パターン、及び大当り抽選が行われるときの遊技状態のうち、任意に選択できる1つ、又は、複数を組み合わせて特定可能に構成されておればよい。また、先読みコマンドは、複数の制御コマンドを組み合わせて構成されていてもよく、単一の制御コマンドから構成されていてもよい。
そして、第2始動入賞口16へ遊技球が入球していない場合(S105:NO)、第2特別保留数が上限数未満ではない場合(S106:NO)、及び、ステップS109の処理が終了した場合、主制御CPU41aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
図10(a)に示すように、主制御CPU41aは、特別ゲームの実行可能条件が成立しているか否かを判定する(S201)。主制御CPU41aは、大当り遊技中ではなく、且つ大当り遊技の開始待機状態ではない場合に肯定判定する一方、大当り遊技中、又は大当り遊技の待機状態中である場合に否定判定する。
特別ゲームの実行可能条件が成立している場合(S201:YES)、主制御CPU41aは、第1特別ゲームを実行中であるか否かを判定する(S202)。第1特別ゲームを実行中ではない場合(S202:NO)、主制御CPU41aは、第1特別ゲームを開始するための第1特別ゲーム処理を実行する。即ち、第1特別ゲームの実行条件が成立する。第1特別ゲーム処理の詳細については後述する。
第1特別ゲームを実行中である場合(S202:YES)、及びステップS203における第1特別ゲーム処理を終了した場合、主制御CPU41aは、第2特別ゲームを実行中であるか否かを判定する(S204)。第2特別ゲームを実行中ではない場合(S204:NO)、主制御CPU41aは、第2特別ゲームを開始するための第2特別ゲーム処理を実行する。即ち、第2特別ゲームの実行条件が成立する。第2特別ゲーム処理の詳細については後述する。
特別ゲームの実行可能条件が成立していない場合(S201:NO)、第2特別ゲームを実行中である場合(S204:YES)、及びステップS205における第2特別ゲーム処理を終了した場合、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。
次に、第1特別ゲーム処理について説明する。
図10(b)に示すように、第1特別ゲーム処理において、主制御CPU41aは、第1特別保留数が0よりも大きいか否かを判定する(S301)。第1特別保留数が0である場合(S301:NO)、主制御CPU41aは、第1特別ゲーム処理を終了する。一方、第1特別保留数が0よりも大きい場合(S301:YES)、主制御CPU41aは、第1特別保留数を1減算して更新する(S302)。ステップS302の処理において、主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。次に、主制御CPU41aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM41cから取得する(S303)。
主制御CPU41aは、取得した乱数情報から特定される大当り乱数を用いて、大当りに当選とするか否かの大当り抽選を行う(ステップS304)。ステップS304の処理において、主制御CPU41aは、その時点において設定されている現在の設定値と、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)とに基づいて大当り抽選を行う。例えば、主制御CPU41aは、設定6に設定されており、且つ低確率状態(確変機能が非作動中)である場合、取得した乱数情報から特定される大当り乱数の値が、大当り乱数の取り得る数値(0〜65535)のうち設定6の低確範囲(0〜236)であるとき、大当りと判定する。例えば、主制御CPU41aは、設定6に設定されており、且つ高確率状態(確変機能が作動中)である場合、取得した乱数情報から特定される大当り乱数の値が、大当り乱数の取り得る数値(0〜65535)のうち設定6の高確範囲(0〜712)であるとき、大当りと判定する。なお、本実施形態において、低確範囲は高確範囲に含まれるように全値が重複しているが、異なっていてもよい。以上のように、主制御CPU41aは、始動条件が成立したことを契機として当り抽選としての大当り抽選を行う。
大当りに当選した場合(S304:YES)、主制御CPU41aは、大当り変動処理を行う(S305)。大当り変動処理において、主制御CPU41aは、乱数情報から特定可能な大当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、特別図柄の大当り図柄を決定する。主制御CPU41aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて、変動パターン決定抽選を行い、現在の変動時間状態(時短機能の作動の有無)、及び大当り図柄の種類に応じて、大当り変動パターンを決定する。その後、主制御CPU41aは、第1特別ゲーム処理を終了する。
大当りに当選しなかった場合(S304:NO)、主制御CPU41aは、主制御CPU41aは、取得した乱数情報から特定される大当り乱数を用いて、小当りに当選とするか否かの小当り抽選を行う(ステップS306)。ステップS306の処理において、主制御CPU41aは、取得した乱数情報から特定される大当り乱数の値が、小当りの当選に定めた数値であるとき、小当りと判定する。
小当りに当選した場合(S306:YES)、主制御CPU41aは、小当り変動処理を行う(S307)。小当り変動処理において、主制御CPU41aは、特別図柄の小当り図柄を決定する。主制御CPU41aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて、変動パターン決定抽選を行い、現在の変動時間状態(時短機能の作動の有無)に応じて、小当り変動パターンを決定する。その後、主制御CPU41aは、第1特別ゲーム処理を終了する。
小当りに当選しなかった場合(S306:NO)、主制御CPU41aは、はずれ変動処理を行う(S308)。はずれ変動処理において、主制御CPU41aは、特別図柄のはずれ図柄を決定する。主制御CPU41aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて、変動パターン決定抽選を行い、現在の変動時間状態(時短機能の作動の有無)に応じて、リーチあり、又はリーチ無しのはずれ変動パターンを決定する。その後、主制御CPU41aは、第1特別ゲーム処理を終了する。
次に、第2特別ゲーム処理について説明する。
なお、第2特別ゲーム処理は、図10(b)に示す第1特別ゲーム処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1特別保留数」を「第2特別保留数」に、読み替えた処理であるので、詳細な説明を省略する。即ち、第2特別ゲーム処理において、主制御CPU41aは、第1特別ゲーム処理と同様の処理を、第2特別ゲームを対象として行う。つまり主制御CPU41aは、第2特別保留数の減算と、大当り抽選と、小当り抽選と、各当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理とを行った後、第2特別ゲーム処理を終了する。
そして、特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、第1特別ゲームと第2特別ゲームとを並行して実行させる。
具体的に言えば、主制御CPU41aは、第1特別ゲーム処理を実行した場合、当該第1特別ゲーム処理において決定した特別図柄を特定可能な制御コマンド(以下、「第1特別図柄コマンド」と示す)を出力バッファに設定する。また、主制御CPU41aは、第1特別ゲームの開始と、決定済みの変動パターンと、を特定可能な制御コマンド(以下、「第1変動開始コマンド」と示す)を出力バッファに設定する。また、主制御CPU41aは、所定の図柄の変動表示を開始することによって、第1特別ゲームを開始するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。主制御CPU41aは、決定済みの変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、第1特別ゲーム処理において決定した特別図柄を導出するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。また、主制御CPU41aは、決定済みの変動パターンに定められた変動時間が経過すると、第1特別ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、「第1変動終了コマンド」と示す)を出力バッファに設定する。
また、主制御CPU41aは、第2特別ゲーム処理を実行した場合、当該第2特別ゲーム処理において決定した特別図柄を特定可能な制御コマンド(以下、「第2特別図柄コマンド」と示す)を出力バッファに設定する。また、主制御CPU41aは、第2特別ゲームの開始と、決定済みの変動パターンと、を特定可能な制御コマンド(以下、「第2変動開始コマンド」と示す)を出力バッファに設定する。また、主制御CPU41aは、所定の図柄の変動表示を開始することによって、第2特別ゲームを開始するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。主制御CPU41aは、決定済みの変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、第2特別ゲーム処理において決定した特別図柄を導出するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。また、主制御CPU41aは、決定済みの変動パターンに定められた変動時間が経過すると、第2特別ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、「第2変動終了コマンド」と示す)を出力バッファに設定する。
ここで、主制御CPU41aは、大当り図柄を第2特別ゲームにおいて導出した場合であって、第1特別ゲームを実行中であるとき、当該第1特別ゲームの結果をはずれに書き換えるとともに、はずれ図柄を導出させ、変動時間の経過を待たずに強制的に終了させる。一方、主制御CPU41aは、大当り図柄を第1特別ゲームにおいて導出した場合であって、第2特別ゲームを実行中であるとき、当該第2特別ゲームの結果をはずれに書き換えるとともに、はずれ図柄を導出させ、変動時間の経過を待たずに強制的に終了させる。
また、特別ゲームにおいて大当り図柄を導出(大当りの特別ゲームが終了)すると、主制御CPU41aは、大当り遊技の開始待機状態へ移行させることを特定可能な待機フラグを主制御RWM41cに設定する。即ち、主制御CPU41aは、大当り遊技の開始待機状態へ移行させる。主制御CPU41aは、開始待機状態へ移行すると、開始待機状態が開始したことを特定可能な制御コマンド(以下、「待機開始コマンド」と示す)を出力バッファに設定する。大当り遊技の開始待機状態は、遊技(特に大当り遊技)の進行が停滞している状態である。本実施形態において、開始待機状態において大当り遊技の開始を待機する制御は、遊技の進行を停滞させる停滞制御に相当する。
次に、大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。主制御CPU41aは、主制御RWM41cに待機フラグが記憶されている場合、ゲートセンサSE5から検知信号を入力したか否かに基づき、作動ゲート23を遊技球が通過したか否かを判定する。作動ゲート23を遊技球が通過した場合、主制御CPU41aは、大当り遊技を付与する処理を行う。即ち、主制御CPU41aは、大当り遊技の開始待機状態において、遊技球が作動ゲート23を通過すると、大当り遊技を付与する。そして、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、付与する大当り遊技の種類を特定し、特定した種類の大当り遊技を付与する処理を行う。また、主制御CPU41aは、待機フラグを初期化する。
最初に、主制御CPU41aは、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、「オープニングコマンド」と示す)を出力バッファに設定する。主制御CPU41aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主制御CPU41aは、特定した大当り遊技用の開放パターンデータ(開放制御データ)を用いて第2ソレノイドSL2を制御し、第1大入賞口18を開状態とする。主制御CPU41aは、ラウンド遊技の実行中に第1終了条件又は第2終了条件が成立すると、第1大入賞口18を閉状態とするように第2ソレノイドSL2を制御し、ラウンド遊技を終了する。主制御CPU41aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。また、主制御CPU41aは、ラウンド遊技を開始するごとに、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、「ラウンドコマンド」と示す)を出力バッファに設定する。各ラウンド遊技の実行中、主制御CPU41aは、第1大入賞口18へ遊技球が入球する毎に、第1大入賞口18へ遊技球が入球したことを特定可能な制御コマンド(以下、「第1入賞コマンド」と示す)を出力バッファに設定する。主制御CPU41aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、「エンディングコマンド」と示す)を出力バッファに設定する。主制御CPU41aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。
このように、主制御CPU41aは、大当り抽選に当選したことを契機として、複数ある入球口のうち第1大入賞口18を開放する特別遊技としての大当り遊技を付与する。即ち、第1大入賞口18は、大当り抽選に当選し、さらに作動ゲート23を遊技球が通過する所定条件が成立したことを契機として開放される。本実施形態において、第1特別可変部材19は、所定条件が成立したことを契機として、第1大入賞口18に遊技球が入球可能になる、又は入球容易になる動作を可能に構成された可動部材に相当する。また、第1大入賞口18は、特定の入球口に相当する。
次に、小当り遊技処理について説明する。
小当り遊技処理は、小当り遊技を付与するための処理である。主制御CPU41aは、特別ゲームにおいて小当り図柄を導出(小当りの特別ゲームが終了)すると、小当り遊技処理を行う。主制御CPU41aは、特別図柄開始処理にて決定した小当り図柄(即ち、小当りの種類)に基づいて、付与する小当り遊技の種類を特定する。そして、主制御CPU41aは、特定した種類の小当り遊技を付与する処理を行う。
主制御CPU41aは、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主制御CPU41aは、特定した小当り遊技用の開放パターンデータ(開放制御データ)を用いて第3ソレノイドSL3を制御し、第2大入賞口21を開状態とする。主制御CPU41aは、ラウンド遊技の実行中に第1終了条件又は第2終了条件が成立すると、第2大入賞口21を閉状態とするように第3ソレノイドSL3を制御し、ラウンド遊技を終了する。ラウンド遊技の実行中、主制御CPU41aは、第2大入賞口21に遊技球が入球する毎に、第2大入賞口21へ遊技球が入球したことを特定可能な制御コマンド(以下、「第2入賞コマンド」と示す)を出力バッファに設定する。その後、主制御CPU41aは、小当り遊技を終了する。なお、主制御CPU41aは、大当り遊技処理と同様にして、オープニングに関する処理や、エンディングに関する処理を実行してもよい。
次に、確率状態を移行させる確率移行処理について説明する。
主制御CPU41aは、図柄ZA,ZBの大当り遊技を終了すると、主制御RWM41cに高確フラグを設定する。即ち、主制御CPU41aは、確変機能を作動させ、高確率状態に制御する。一方、主制御CPU41aは、図柄ZCの大当り遊技を終了すると、主制御RWM41cに高確フラグを設定しない。即ち、主制御CPU41aは、確変機能を作動させず、低確率状態に制御する。また、主制御CPU41aは、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグが設定されているとき、当該高確フラグをクリアする。即ち、主制御CPU41aは、大当り遊技中、確変機能を作動させず、低確率状態に制御する。主制御CPU41aは、確率状態(確変機能の作動の有無)を切り替えるとき、切り替え後の確率状態を特定可能な制御コマンド(以下、「確率状態コマンド」と示す)を出力バッファに設定する。
次に、入球率状態を移行させる入球率移行処理について説明する。
主制御CPU41aは、図柄ZB,ZCの大当り遊技を終了すると、主制御RWM41cに入球補助フラグを設定する。即ち、主制御CPU41aは、入球補助機能を作動させ、高入球率状態に制御する。主制御CPU41aは、図柄ZCの大当り遊技の終了後において、作動回数の特別ゲームが終了すると、当該作動回数目の特別ゲームの終了に伴って、入球補助フラグをクリアする。即ち、主制御CPU41aは、図柄ZCの大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームの終了に伴って、入球補助機能を非作動に切り替え、高入球率状態を終了する。
主制御CPU41aは、図柄ZAの大当り遊技を終了すると、主制御RWM41cに入球補助フラグを設定しない。即ち、主制御CPU41aは、入球補助機能を作動させず、低入球率状態に制御する。また、主制御CPU41aは、大当り遊技を開始させる場合であって、入球補助フラグが設定されているとき、当該入球補助フラグをクリアする。即ち、主制御CPU41aは、大当り遊技中、入球補助機能を作動させず、低入球率状態に制御する。主制御CPU41aは、入球率状態(入球補助機能の作動の有無)を切り替えるとき、切り替え後の入球率状態を特定可能な制御コマンド(以下、「入球率状態コマンド」と示す)を出力バッファに設定する。
次に、変動時間状態を移行させる変動時間移行処理について説明する。
主制御CPU41aは、大当り遊技を終了すると、主制御RWM41cに時短フラグを設定する。即ち、主制御CPU41aは、時短機能を作動させ、短変動時間状態に制御する。主制御CPU41aは、図柄ZCの大当り遊技の終了後において、作動回数の特別ゲームが終了すると、当該作動回数目の特別ゲームの終了に伴って、時短フラグをクリアする。即ち、主制御CPU41aは、図柄ZCの大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームの終了に伴って、時短機能を非作動に切り替え、短変動時間状態を終了する。また、主制御CPU41aは、大当り遊技を開始させる場合であって、時短フラグが設定されているとき、当該時短フラグをクリアする。即ち、主制御CPU41aは、大当り遊技中、時短機能を作動させず、長変動時間状態に制御する。主制御CPU41aは、変動時間状態(時短機能の作動の有無)を切り替えるとき、切り替え後の変動時間状態を特定可能な制御コマンド(以下、「変動時間状態コマンド」と示す)を出力バッファに設定する。
次に、普通図柄入力処理について説明する。
普通図柄入力処理において、主制御CPU41aは、ゲートセンサSE5から検知信号を入力したか否かに基づいて、作動ゲート23を遊技球が通過したか否かを判定する。遊技球が作動ゲート23を通過した場合、主制御CPU41aは、普通保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。普通保留数が上限数未満である場合、主制御CPU41aは、普通保留数を1加算して更新する。主制御CPU41aは、更新後の普通保留数を特定可能な情報を表示するように、普通保留表示部13fを制御する。普通ゲームの保留条件は、普通保留数が上限数未満である状態において、遊技球がゲートセンサSE5によって検知されると成立する。
次に、主制御CPU41aは、マイクロプロセッサ41内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM41cに記憶させる。例えば、乱数は、普通当り抽選に用いる普通当り乱数などである。主制御CPU41aは、普通ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、普通ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM41cに記憶させておくことによって、当該普通ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。遊技球が作動ゲート23を通過していない場合、普通保留数が上限数未満ではない場合、及び、普通ゲーム用の乱数情報を記憶させた場合、主制御CPU41aは、普通図柄入力処理を終了する。
次に、普通図柄開始処理について説明する。
主制御CPU41aは、普通ゲームの実行条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU41aは、普通当り遊技中ではなく、且つ普通ゲーム中ではない場合に、肯定判定する一方、普通当り遊技中、又は普通ゲーム中である場合に、否定判定する。普通ゲームの実行条件が成立していない場合、主制御CPU41aは、普通図柄開始処理を終了する。一方、普通ゲームの実行条件が成立している場合、主制御CPU41aは、普通保留数が0よりも大きいか否かを判定する。普通保留数が0である場合、主制御CPU41aは、普通図柄開始処理を終了する。普通保留数が0よりも大きい場合、主制御CPU41aは、普通ゲームを開始させる。
普通ゲームを開始させる場合、主制御CPU41aは、普通保留数を1減算して更新する。主制御CPU41aは、更新後の普通保留数を特定可能な情報を表示するように、普通保留表示部13fを制御する。主制御CPU41aは、普通ゲームに用いる乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM41cから取得する。主制御CPU41aは、取得した乱数情報から特定される普通当り乱数を用いて、普通当りに当選とするか否かの普通当り抽選を行う。普通当り抽選において普通当りに当選した場合、主制御CPU41aは、乱数情報から特定可能な乱数を用いた抽選により、普通当り図柄を決定する。一方、普通当り抽選において普通当りに当選しなかった場合、主制御CPU41aは、普通はずれ図柄を決定する。また、主制御CPU41aは、乱数情報から特定可能な乱数を用いた抽選により普通ゲームの変動時間を決定する。その後、主制御CPU41aは、普通図柄開始処理を終了する。
そして、普通図柄開始処理を終了すると、主制御CPU41aは、普通図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、普通ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU41aは、所定の図柄の変動表示を開始することによって、普通ゲームを開始するように、普通図柄表示部13eを制御する。主制御CPU41aは、決定済みの変動時間を計測する。主制御CPU41aは、決定済みの変動時間が経過すると、決定済みの普通図柄を導出するように、普通図柄表示部13eを制御する。
次に、普通当り遊技処理について説明する。
普通当り遊技処理は、普通当りの普通ゲームの終了後に普通当り遊技を付与するための処理である。普通当り遊技処理において、主制御CPU41aは、普通図柄開始処理にて決定した普通当り図柄(即ち、普通当りの種類)に基づいて、普通当り遊技の種類を特定する。そして、主制御CPU41aは、特定した普通当り遊技用の開放パターンデータ(開放制御データ)を用いて第1ソレノイドSL1を制御し、第2始動入賞口16を開状態とする。
次に、副制御CPU50aによって実行される各種の処理について説明する。
最初に、各種の報知を行わせる報知処理について説明する。
副制御CPU50aは、変更開始コマンドを入力すると、設定変更モード中であることを特定可能な設定変更報知を実行するように、演出表示装置EHを制御する。例えば、設定変更報知は、「設定変更中です」といった文字列のように、設定変更モードであることを特定可能な画像を表示する態様により実行される。副制御CPU50aは、変更終了コマンドを入力すると、設定変更報知を終了するように、演出表示装置EHを制御する。
副制御CPU50aは、確認開始コマンドを入力すると、設定確認モード中であることを特定可能な設定確認報知を実行するように、演出表示装置EHを制御する。例えば、設定確認報知は、「設定確認中です」といった文字列のように、設定確認モードであることを特定可能な画像を表示する態様により実行される。副制御CPU50aは、確認終了コマンドを入力すると、設定確認報知を終了するように、演出表示装置EHを制御する。
副制御CPU50aは、RWMクリアコマンドを入力すると、RWMクリア処理が実行されたこと、即ち遊技情報の初期化が行われたことを特定可能なRWMクリア報知を実行するように、演出表示装置EHを制御する。例えば、RWMクリア報知は、「RWMクリア」の文字列のように、RWMクリア処理が行われたことを特定可能な画像を表示する態様により実行される。副制御CPU50aは、RWMクリアコマンドを入力してから所定時間(例えば30s)が経過すると、RWMクリア報知を終了するように、演出表示装置EHを制御する。なお、報知処理によって実行させる各種の報知は、演出表示装置EHによる画像表示に加えて、又は代えて、スピーカSPによる音声出力、及び装飾ランプLAによる発光を組み合わせて実行してもよい。
次に、開始演出処理について説明する。
開始演出処理は、大当り遊技の開始待機状態において、大当り遊技の開始待ち演出を実行させるための処理である。副制御CPU50aは、待機開始コマンドを入力すると、開始待ち演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。例えば、開始待ち演出は、「右打ちして作動ゲートに遊技球を通過させろ」の文字列のように、大当り遊技の開始方法を説明する画像や、右打ち(発射強度、及び遊技球を狙って発射させる遊技領域)を特定可能な画像を表示する態様により実行される。なお、開始待ち演出は、表示演出に加えて、又は代えて、音声演出、発光演出、及び可動体演出の少なくとも1つを含んでいてもよい。
次に、大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、「大当り演出」と示す)を実行させるための処理である。副制御CPU50aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU50aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU50aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。なお、大当り演出は、表示演出に加えて、又は代えて、音声演出、発光演出、及び可動体演出の少なくとも1つを含んでいてもよい。
次に、演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。なお、本実施形態における副制御CPU50aは、確率状態コマンド、入球率状態コマンド、及び変動時間状態コマンドに基づいて、パチンコ遊技機10の遊技状態を特定可能に構成されている。
副制御CPU50aは、通常遊技状態を特定しているとき、第1変動開始コマンド、及び第1特別図柄コマンドを入力すると、第1特別ゲームに対応する演出ゲーム(以下、「第1演出ゲーム」と示す)を実行するように、演出表示装置EHを制御する。一方、副制御CPU50aは、通常遊技状態を特定しているとき、第2変動開始コマンド、及び第2特別図柄コマンドを入力しても、第2特別ゲームに対応する演出ゲーム(以下、「第2演出ゲーム」と示す)を実行させない。また、副制御CPU50aは、有利遊技状態の何れかを特定しているとき、第2変動開始コマンド、及び第2特別図柄コマンドを入力すると、第2演出ゲームを実行するように、演出表示装置EHを制御する。一方、副制御CPU50aは、有利遊技状態の何れかを特定しているとき、第1変動開始コマンド、及び第1特別図柄コマンドを入力しても、第1演出ゲームを実行させない。
以下、演出ゲームを実行させるための処理内容について詳しく説明する。なお、演出ゲーム処理のうち、第1演出ゲームに関する処理と、第2演出ゲームに関する処理とは同じであることから、以下の説明では、第1演出ゲームに関する処理について詳しく説明し、第2演出ゲームに関する処理については、簡略に説明する。
通常遊技状態において、副制御CPU50aは、第1変動開始コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、第1演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、副制御CPU50aは、第1特別図柄コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な第1特別図柄に基づいて、第1演出ゲームにおいて導出させる図柄組み合わせを決定する。副制御CPU50aは、第1特別図柄の大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組み合わせを決定する。副制御CPU50aは、第1特別図柄の小当り図柄を特定可能である場合、小当りの図柄組み合わせを決定する。また、副制御CPU50aは、第1特別図柄のはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組み合わせを決定する。
ここで、副制御CPU50aは、リーチ演出の実行条件が成立しており、今回の第1演出ゲームにおいてリーチ演出を実行させる場合には、リーチを含むはずれの図柄組み合わせを決定する。本実施形態において、リーチ条件は、リーチありの変動パターンが決定されることによって成立する。なお、リーチ条件としては、リーチありの変動パターンが決定されたことに加えて、所定のリーチ演出抽選を行い、当該リーチ演出抽選に当選したことを定めてもよい。副制御CPU50aは、今回の第1演出ゲームにおいてリーチ演出を実行させない場合には、リーチを含まないはずれの図柄組み合わせを決定する。
そして、副制御CPU50aは、第1変動開始コマンドを入力すると、各列の演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示装置EHを制御する。即ち、副制御CPU50aは、第1演出ゲームを開始させる。副制御CPU50aは、変動パターンに定められた変動時間中、選択した演出パターンに沿って第1演出ゲームが行われるように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU50aは、第1演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、決定した図柄組み合わせを一旦停止表示させるとともに、第1変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組み合わせを確定停止表示させる。なお、副制御CPU50aは、第1変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定められた変動時間の経過を契機に図柄組み合わせを確定停止表示させてもよい。この場合、第1変動終了コマンドは省略してもよい。
なお、有利遊技状態において、副制御CPU50aは、「第1特別図柄」を「第2特別図柄」に、「第1変動開始コマンド」を「第2変動開始コマンド」に、「第1特別図柄コマンド」を「第2特別図柄コマンド」に読み替えた内容の処理を実行し、第2演出ゲームを実行するように演出表示装置EHを制御する。
次に、演出モードについて説明する。
図11に示すように、パチンコ遊技機10は、複数の演出モードを備えている。各演出モードでは、それぞれ滞在中の演出モードを特定可能な情報として、所定の画像が演出表示装置EHに表示される。例えば、滞在中の演出モードを特定可能とする画像は、背景、文字列、及びキャラクタなどの画像である。
本実施形態において、複数の演出モードには、通常モードMN、第1特別モードMS1、第2特別モードMS2、及び時短モードMZがある。通常モードMNは、通常遊技状態であるときに滞在可能な演出モードである。第1特別モードMS1は、第1有利遊技状態(高確+特殊状態あり)であるときに滞在可能な演出モードである。第2特別モードMS2は、第2有利遊技状態(高確+特殊状態なし)であるときに滞在可能な演出モードである。特別モードMS1,MS2は、何れも高確率状態(確変機能が作動)であるときに滞在可能な演出モードであり、所謂「確変確定」の演出モードである。時短モードMZは、第3有利遊技状態(低確+特殊状態なし)であるときに滞在可能な演出モードである。時短モードMZは、低確率状態(確変機能が非作動)であるときに滞在可能な演出モードであり、所謂「非確変確定」の演出モードである。
次に、モード移行処理について説明する。
モード移行処理は、演出モードを移行させるための処理である。本実施形態では、副制御CPU50aがモード移行処理を実行することによって、演出モードを制御する手段としての機能が実現されている。副制御CPU50aは、滞在中である演出モードを特定可能な情報として、モードフラグを副制御RWM50cに設定する。副制御CPU50aは、モードフラグの値を参照することによって、現在の演出モードを特定可能である。副制御CPU50aは、モードフラグの値を更新することによって、演出モードを移行させる。具体的に言えば、副制御CPU50aは、図柄ZAの大当り遊技が終了すると、第1特別モードMS1に制御する。副制御CPU50aは、図柄ZBの大当り遊技が終了すると、第2特別モードMS2に制御する。副制御CPU50aは、図柄ZCの大当り遊技が終了すると、時短モードMZに制御する。副制御CPU50aは、時短モードMZに制御している場合であって、大当り遊技の終了後における変動ゲームの実行回数が作動回数に達すると、図中において「100回終了」と示すように、次回の変動ゲームから、通常モードMNに制御する。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10において特徴的な演出について説明する。
図12に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出の1つとして、遊技者が獲得した賞球数を累積して報知する獲得賞球演出を実行可能に構成されている。本実施形態のパチンコ遊技機10において、獲得賞球演出は、通常遊技状態において大当り遊技が付与されてから、1回又は複数回の大当り遊技を経て、第3有利遊技状態へ移行し、大当り遊技が付与されないまま当該第3有利遊技状態が終了するまでの期間(以下、「有利期間」と示す)にわたって実行される。
有利期間において、副制御CPU50aは、第1入賞コマンドを入力する毎に、第1大入賞口18に定められた賞球数を、主制御RWM41cに記憶されている獲得賞球カウンタに加算する。また、有利期間において、副制御CPU50aは、第2入賞コマンドを入力する毎に、第2大入賞口21に定めた賞球数を、獲得賞球カウンタに加算する。そして、副制御CPU50aは、賞球情報カウンタの値に基づいて、獲得賞球演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。例えば、副制御CPU50aは、図中において「8570発」と示すように、獲得賞球カウンタから特定可能な賞球累計数を特定可能な情報を表示するように、演出表示装置EHを制御する。そして、副制御CPU50aは、有利期間が終了すると、獲得賞球演出を終了するように演出表示装置EHを制御するとともに、獲得賞球カウンタをクリアする。
なお、獲得賞球演出は、有利期間のうち全期間にわたって実行してもよく、大当り遊技である期間にのみ実行してもよく、第1有利遊技状態(高確+特殊状態あり)である期間にのみ実行してもよい。また、獲得賞球演出は、大当り遊技の終了後に特殊状態が付与される場合、当該大当り遊技から特殊状態が終了する迄の期間にわたって実行してもよい。
図12に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技の付与中に、演出の1つとして、保留中の変動ゲームが大当りとなることを示唆(又は報知)する保留当り演出と、その時点において設定されている現在の設定値を示唆する設定示唆演出とを実行可能に構成されている。本実施形態のパチンコ遊技機10における保留当り演出及び設定示唆演出は、特定のラウンド遊技において実行可能である。本実施形態において、特定のラウンド遊技は、4回目のラウンド遊技(第4ラウンド)に定められている。なお、後述するように、保留当り演出及び設定示唆演出は、エンディング時間においても実行可能である。
図12(a)〜(d)に示すように、4回目のラウンド遊技におけるラウンド演出は、例えば演出表示装置EHにおいて「第4ラウンド」の文字列を模した画像などを表示する態様により実行される。また、4回目のラウンド遊技におけるラウンド演出は、スピーカSPにおいて、例えば所定の背景音楽(BGM)などを出力する態様により実行される。
保留当り演出は、例えば演出表示装置EHにおいて、「男の子」を模した画像や「おめでとう」というセリフを模した画像を表示する態様により実行される(図12(b)〜(d)に示す)。一方、設定示唆演出は、例えば演出表示装置EHにおいて、「女の子」を模した画像を表示する態様(以下、「第1示唆態様」と示す)により実行されるときがある(図12(c)に示す)。設定示唆演出は、例えば演出表示装置EHにおいて「女の子」を模した画像を表示し、さらにスピーカSPにおいて特殊音を出力する態様(以下、「第2示唆態様」と示す)により実行されるときがある(図12(d)に示す)。本実施形態における特殊音は、他の演出や報知には用いられない専用音である。
以下の説明では、保留当り演出及び設定示唆演出の何れも実行しないことを定めた演出パターン(演出態様)を演出パターンE1と示し、保留当り演出を実行するが設定示唆演出を実行しないことを定めた演出パターンを演出パターンE2と示す。また、保留当り演出及び設定示唆演出(第1示唆態様)を実行することを定めた演出パターンを演出パターンE3と示し、保留当り演出及び設定示唆演出(第2示唆態様)を実行することを定めた演出パターンを演出パターンE4と示す。演出パターンE1〜E4は、保留当り演出及び設定示唆演出の有無と、設定示唆演出を実行する場合の示唆態様を特定可能である。
本実施形態のパチンコ遊技機10において、4回目のラウンド遊技にて保留当り演出が実行された場合には、その時点において保留されている第2特別ゲームの何れかにおいて大当りとなる。即ち、保留当り演出は、所謂「保留内大当り(保留連チャン)確定演出」である。また、設定示唆演出は、第1示唆態様及び第2示唆態様の何れであるかによって、その時点において設定されている設定値が示唆される。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10において、設定示唆演出が実行されたとき、その示唆態様から、パチンコ遊技機10に内部的に設定されている設定値を推測することが可能になる。また、本実施形態において、保留当り演出及び設定示唆演出は、4回目のラウンド遊技において、[p個]目の遊技球が第1大入賞口18へ入球したことを契機として実行され得る(但し、p≦上限個数)。本実施形態において[p個]は、[10個]に定められている。なお、この[p個]は、上限個数を超える個数に設定されていてもよい。即ち、所謂「オーバー入賞」の発生を契機に保留当り演出や設定示唆演出を実行してもよい。
以下、保留当り演出及び設定示唆演出を実行するための制御構成について説明する。
最初に、コマンド記憶処理について説明する。
副制御CPU50aは、有利期間において、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理において、副制御CPU50aは、先読みコマンドを入力すると、当該先読みコマンドから特定可能な第2特別ゲームの内容を特定可能な保留情報を、副制御RWM50cに記憶させる。保留情報は、先読みコマンドの値そのものであってもよく、所定の手法により加工した情報であってもよい。副制御CPU50aは、特別ゲームの種別、及び保留情報の記憶順序を特定可能となるように、保留情報を記憶させる。また、副制御CPU50aは、ゲーム開始コマンドを入力する毎に、最先に記憶させた保留情報を消去する。したがって、本実施形態において、副制御CPU50aは、副制御RWM50cに記憶されている保留情報を参照することによって、保留中の第2特別ゲームの内容を特定可能である。即ち、副制御CPU50aは、保留中の第2特別ゲームごとに、大当り事前判定の結果を把握できるように構成されている。
次に、演出処理について説明する。
副制御CPU50aは、高確大当り(図柄ZA,ZB)のうち何れかの大当り遊技のうち、4回目のラウンド遊技において、第1入賞コマンドの入力回数を計数するとともに、10回目の第1入賞コマンドの入力があると、演出処理を実行する。
演出処理において、副制御CPU50aは、副制御RWM50cに記憶されている保留情報を参照し、大当りとなる第2特別ゲームが保留されているか否かを判定する。大当りとなる第2特別ゲームが保留されていない場合、副制御CPU50aは、何れの設定値が設定されているかに関係なく、演出パターンE1を決定する。即ち、副制御CPU50aは、保留当り演出及び設定示唆演出の非実行を決定する。そして、副制御CPU50aは、4回目のラウンド遊技において、保留当り演出及び設定示唆演出を実行しないように、演出表示装置EH及びスピーカSPを制御する。
一方、大当りとなる第2特別ゲームが保留されている場合、副制御CPU50aは、設定されている設定値に基づいて演出パターンE1〜E4の何れかを決定し、保留当り演出を実行するか否か、設定示唆演出を実行するか否か、及び実行する場合の設定示唆演出の示唆態様を決定する。具体的に言えば、副制御CPU50aは、設定されている設定値に応じた決定確率となるように演出抽選を実行し、演出パターンE1〜E4の何れかを決定する。演出パターンE1を決定したとき、副制御CPU50aは、保留当り演出及び設定示唆演出の非実行を決定する。演出パターンE2を決定したとき、副制御CPU50aは、保留当り演出の実行と、設定示唆演出の非実行を決定する。演出パターンE3を決定したとき、副制御CPU50aは、保留当り演出の実行と、第1示唆態様による設定示唆演出の実行を決定する。演出パターンE4を決定したとき、副制御CPU50aは、保留当り演出の実行と、第2示唆態様による設定示唆演出の実行を決定する。なお、演出パターンE1〜E4の振分態様(決定確率)の詳細については後述する。
副制御CPU50aは、保留当り演出の非実行を決定した場合、4回目のラウンド遊技において、保留当り演出を実行しないように、演出表示装置EH及びスピーカSPを制御する。一方、副制御CPU50aは、演出パターンE2を決定した場合、保留当り演出を実行し、設定示唆演出を実行しないように、演出表示装置EH及びスピーカSPを制御する。副制御CPU50aは、演出パターンE3を決定した場合、保留当り演出と、第1示唆態様による設定示唆演出とを実行するように、演出表示装置EH及びスピーカSPを制御する。副制御CPU50aは、演出パターンE4を決定した場合、保留当り演出と、第2示唆態様による設定示唆演出とを実行するように、演出表示装置EH及びスピーカSPを制御する。
したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄ZA,ZBの大当り遊技のうち、4回目のラウンド遊技において、第1大入賞口18へ10個目の遊技球が入球したことを契機として、保留当り演出と、設定示唆演出とが実行され得るように構成されている。このように、本実施形態における設定示唆演出は、第1大入賞口18に遊技球が入球したことを含む特別条件が成立したことを契機として実行可能な演出のうち特別演出に相当する。そして、本実施形態では、第1示唆態様による設定示唆演出(演出パターンE3)、及び第2示唆態様による設定示唆演出(演出パターンE4)という、複数の特別演出がある。また、設定示唆演出を実行する契機となる特別条件には、第1大入賞口18に遊技球が入球したことだけでなく、これとは異なる事象として、大当りの第2特別ゲームを保留中であることが含まれている。
また、本実施形態における保留当り演出は、第1大入賞口18に遊技球が入球したことを含む特定条件の成立を契機として実行可能な演出のうち特定演出に相当する。また、本実施形態における獲得賞球演出も、第1大入賞口18に遊技球が入球したことを契機に報知する賞球累計数が変化することから、特定演出の1つである。そして、本実施形態では、設定示唆演出の特別条件と、保留当り演出の特定条件とは同時に成立するときがあるといえる。
ここで、演出抽選では、演出パターンE1〜E4について、所定の振分態様(決定確率)となるように、各演出パターンの当選値が定められている。以下、大当りとなる第2特別ゲームが保留されている場合における演出パターンの振分態様について、その具体例を説明する。なお、図13〜図15に示すように、本実施形態におけるパチンコ遊技機10では、大当りの第2特別ゲームが保留されていないとき、演出パターンE1のみを決定し得る。即ち、設定示唆演出の非実行のみを決定し得る。図13〜図15に示す数値は、演出パターンE1〜E4の決定確率(%)の具体例を示す。
[第1振分例]
図13に示すように、第1振分例によれば、演出抽選において、演出パターンE2は、何れの設定値が設定されているときでも決定確率が同じである。このため、第1振分例によれば、保留当り演出が実行される一方で、設定示唆演出が実行されないときには、何れの設定値が設定されているかを推測し難い。なお、第1振分例によれば、演出抽選において、演出パターンE1は、高設定であるほど決定確率が低くなる。しかしながら、そもそも大当りの第2特別ゲームが保留されている状況は、それ自体が発生し難い事象であることを考慮すると、保留当り演出が実行されなかったからといって、設定されている設定値を推測することは極めて困難である。
演出抽選において、演出パターンE3は、何れの設定値が設定されているときでも決定可能であるが、設定値が低設定であるほど決定確率が低くなる一方、高設定であるほど決定確率が高くなる。このため、第1振分例によれば、保留当り演出とともに、第1示唆態様による設定示唆演出が実行されたときには、高設定である可能性が高いことを認識できる。演出抽選において、演出パターンE4は、[設定1]〜[設定4]であるときには決定されない一方、[設定5]又は[設定6]であるときには決定され得る。このため、第1振分例によれば、保留当り演出とともに、第2示唆態様による設定示唆演出が実行されたときには、[設定5]以上であることを確定的に認識し得る。
[第2振分例]
図14に示すように、第2振分例によれば、演出抽選において、演出パターンE1,E2は、何れの設定値が設定されているときでも決定確率が同じである。このため、保留当り演出が実行されないとき、及び保留当り演出が実行されるが設定示唆演出が実行されないときには、何れの設定値が設定されているかを推測し難い。
演出抽選において、演出パターンE3は、[設定1]、[設定3]、及び[設定5]の何れかであるときに決定可能であって、これらの設定値の中では同じ決定確率である。このため、第1示唆態様による設定示唆演出が実行されたときには、[設定1]、[設定3]、及び[設定5]の何れかであること(奇数設定値であること)を確定的に認識できる。なお、第1示唆態様による設定示唆演出からは、[設定1]、[設定3]、及び[設定5]の中の何れの設定値であるか、又は何れの設定値である可能性が高いのかまでは認識できない。
演出抽選において、演出パターンE4は、[設定2]、[設定4]、及び[設定6]の何れかであるときに決定可能であって、これらの設定値の中では同じ決定確率である。このため、第2示唆態様による設定示唆演出が実行されたときには、[設定2]、[設定4]、及び[設定6]の何れかであること(偶数設定値であること)を確定的に認識できる。なお、第2示唆態様による設定示唆演出からは、[設定2]、[設定4]、及び[設定6]の中の何れの設定値であるか、又は何れの設定値である可能性が高いのかまでは認識できない。
[第3振分例]
図15に示すように、第3振分例によれば、演出抽選において、演出パターンE1,E2は、何れの設定値が設定されているときでも決定確率が同じである。また、第3振分例によれば、演出抽選において、演出パターンE3は、[設定1]〜[設定5]であるときに決定可能であって、設定値が低設定であるほど決定確率が高くなる。このため、第1示唆態様による設定示唆演出が実行されたとき、低設定である可能性が高いことを認識可能であり、さらに[設定5]以下であることを確定的に認識できる。
第3振分例によれば、演出抽選において、演出パターンE4は、[設定2]〜[設定6]であるときに決定可能であって、高設定であるほど決定確率が高くなる。このため、第2示唆態様による設定示唆演出が実行されたとき、高設定である可能性が高いことを認識可能であり、さらに[設定2]以上であることを確定的に認識できる。
[その他の具体例]
その他、上記第1振分例〜第3振分例とは異なる振分態様となるように演出抽選を実行して演出パターン(即ち、設定示唆演出の示唆態様)を決定することにより、次のように設定示唆演出を構成することもできる。
例えば、設定示唆演出の示唆態様(演出パターン)には、[設定1]〜[設定6]の中から任意に選択できる1つの設定値を確定的に認識できる示唆態様があってもよい。例えば、設定示唆演出の示唆態様には、[設定1]や[設定6]が確定する示唆態様があってもよい。設定示唆演出の示唆態様には、[設定1]〜[設定6]の中から任意に選択できる2つ、3つ、4つ、又は5つの設定値を確定的に認識できる示唆態様があってもよい。例えば、設定示唆演出の示唆態様には、[設定1]及び[設定6]の何れかであることを認識できる演出パターンがあってもよい。この場合、設定示唆演出の示唆態様には、何れかであることを認識可能な設定値の中で、設定されている可能性が高い設定値を特定可能な示唆態様があってもよい。例えば、[設定1]及び[設定6]の何れかであるが、[設定1]よりも[設定6]である可能性が高いことを認識できる演出パターンがあってもよい。このように、設定されている設定値に応じて、実行可能な設定示唆演出の一部が異なっていてもよく、全部が異なっていてもよい。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10において、保留当り演出及び設定示唆演出は、エンディング演出の実行中(エンディング時間中)にも実行可能に構成されている。
具体的に説明すると、副制御CPU50aは、エンディングコマンドを入力すると、上述した演出抽選を実行することにより演出パターンE1〜E4の何れかを決定し、保留当り演出を実行するか否か、設定示唆演出を実行するか否か、及び実行する場合の設定示唆演出の示唆態様を決定する。なお、演出パターンの振分態様(決定確率)については、上述した具体例と同様に構成できる。
このように、エンディング演出の実行中における設定示唆演出については、当該設定示唆演出を実行させるための特別条件に、特定の入球口へ遊技球が入球することを含まないといえる。なお、エンディング演出の実行中における設定示唆演出についても、特定の入球口への遊技球の入球を契機として実行するように構成してもよい。この場合、特定の入球口には、大入賞口18,21を採用できないことから、入賞口15,16,24,24の何れかに定めてもよく、作動ゲート23に定めてもよい。
したがって、第1実施形態のパチンコ遊技機10によれば、以下の効果を有する。
(1−1)パチンコ遊技機10は、大当り遊技に関する有利度合いを定めた設定値を変更して設定可能に構成されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、設定値に応じて、大当り遊技に関する有利度合いが変化することから、同じパチンコ遊技機10であっても遊技に変化を与え得る。したがって、遊技者の飽きを抑制し、遊技者の興趣の低下を抑制できる。
(1−2)特に、設定値の変更によって、大当り確率を変更可能である。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、設定値を適切に変更して運用することで、パチンコ遊技機10で遊技を行う遊技者の飽きを好適に抑制できる。
(1−3)特定の入球口(本実施形態では第1大入賞口18)へ遊技球を入球させたことに関連して、設定されている設定値の示唆(又は報知)が行われ得ることから、特定の入球口へと遊技球を入球させるように、遊技者に遊技に積極的に参加することを促しつつ、設定されている設定値を推測する楽しみを与えることができる。したがって、遊技者の興趣の低下を抑制できる。
(1−4)所定条件の成立時でなければ、特定の入球口へ遊技球を入球不能、又は入球困難であるから、設定示唆演出を実行させるための特別条件を常に成立させ得る訳ではない。このため、設定示唆演出の希少性や特別感を高め、設定値の示唆や報知に加えて、設定示唆演出の実行そのものによっても興趣を向上できるようになる。
(1−5)特定の入球口に遊技球が入球することに加えて、これとは異なる事象が発生しなければ、設定示唆演出が実行されない。したがって、設定示唆演出の希少性や特別感を高め、設定値の示唆に加えて、設定示唆演出の実行そのものによっても興趣を向上できるようになる。
(1−6)特別条件と特定条件とが同時に発生するときがあることから、保留当り演出の実行中に、設定示唆演出も併せて実行されるときがある。このため、保留当り演出の実行中、設定示唆演出も実行されるのではないかと、遊技者に期待感を抱かせることができる。
(1−7)設定されている設定値に応じて、実行可能な設定示唆演出の一部又は全部が異なる。このため、設定示唆演出が出現したときに、当該設定示唆演出の種類に基づいて、その時点において設定されている設定値を推測させる楽しみを与えることができる。
(1−8)特定の入球口として、第1大入賞口18を定めた。このため、大当り遊技において、第1大入賞口18へ遊技球を入球させたこと、即ち賞球を獲得したことに関連して設定示唆演出を実行できる。したがって、大当り遊技を獲得して高揚している遊技者の気分を、さらに盛り上げることができる。
(1−9)大当り遊技の付与中に、保留中の変動ゲームが大当りとなることが報知され得るだけでなく、設定されている設定値の示唆が行われ得ることから、大当り遊技を獲得して気分が高揚している遊技者に対して、設定されている設定値を推測する楽しみを与えることができる。したがって、遊技者の興趣の低下を抑制できる。
(1−10)1回の大当り遊技の付与中に、設定示唆演出及び保留当り演出の両方を実行可能である。このため、1回の大当り遊技の付与中に、大当り遊技を保留内で連続的に獲得できることを認識させるだけではなく、設定されている設定値を推測する楽しみを与えることができる。
(1−11)大当り遊技の終了を報知するエンディング演出の実行期間という、大当り遊技の終了間近のタイミングにて設定示唆演出や保留当り演出を実行可能とすることで、次回の大当り遊技を獲得するまでの期間を推測するための要素を複数提供できる。このため、大当り遊技の終了後における遊技を継続するモチベーションを高めることができる。
(1−12)本実施形態によれば、設定値が低設定であるほど、通常遊技状態において大当り(所謂「初当り」)を獲得し難くなるものの、第1有利遊技状態(特殊状態)が継続し易くなるメリットが生まれる。一方、本実施形態によれば、設定値が高設定であるほど、初当りを獲得し易くなるものの、第1有利遊技状態(特殊状態)が継続し難くなるデメリットが生じる。このように、設定値に応じてメリットとデメリットとを共存させ、魅力ある遊技性を提供できる。
(1−13)第1有利遊技状態(特殊状態)では、大当り抽選に当選しなければしないほど、入賞可能な小当り遊技の頻発によって賞球を獲得できるチャンスが得られる。したがって、仮に、大当り遊技中の設定示唆演出から、遊技者が低設定であることを推測したとしても、大当り確率が低い分だけ特殊状態が継続し易いことを同時に認識させ得ることで、遊技者の興趣を低下させ難くできる。
(1−14)設定器43及び設定スイッチ(RWMクリアスイッチ42)の操作に基づいて、設定値を変更して設定可能であるから、同じパチンコ遊技機10であっても、大当り遊技に関する有利度合いを変化させ、飽きによる遊技者の興趣の低下を抑制できる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のパチンコ遊技機10について説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成、及び同一制御については同一の符号を付すなどし、その重複する説明を省略し、又は簡略にする。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、リアルタイムクロック機能を搭載しており、当該機能によって、電源投入がされてからの経過時間を計測し、計測した経過時間が規定時間に達したことを契機に特別演出としての設定示唆演出を実行可能に構成されている。
図8に示すように、本実施形態の副制御基板50は、リアルタイムクロック(RTC)50dを備えている。RTC50dは、図示しない予備電源(蓄電池など)から供給される電力によって、電源投入がされているか否かに関係なく現在時刻を継続的に計時し、その時々における日付(年,月,日)及び時刻(時,分,秒)を特定可能なRTC情報を生成する情報生成手段である。つまり、本実施形態のRTC50dは、日付を特定可能な情報、及び時刻を特定可能な情報を生成可能に構成されている。このように、RTC50dは、カレンダ機能と時計機能とを備えている。
副制御CPU50aは、電源投入がされてから、初期コマンドを入力すると、その時点においてRTC50dが生成しているRTC情報を取得し、当該RTC情報を起動時RTC情報として主制御RWM41cに記憶する。副制御CPU50aは、主制御RWM41cに記憶されている起動時RTC情報と、その時々においてRTC50dが生成したRTC情報とから、電源投入されてからの経過時間を特定する。
図16に示すように、副制御CPU50aは、特定した経過時間が予め定めた所定時間に達している場合、特殊ゾーン演出を開始するように、演出表示装置EHを制御する。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10において、RTC50dが生成する情報が所定情報となったことを含む特別条件の成立を契機として実行可能な演出には、特定演出としての特殊ゾーン演出がある。特殊ゾーン演出は、特別演出としての設定示唆演出とは異なる演出である。副制御CPU50aは、特殊ゾーン演出を開始してから、予め定めた演出時間(例えば600s)が経過すると、特殊ゾーン演出を終了するように、演出表示装置EHを制御する。
本実施形態において、前記所定時間には、第1所定時間と、第1所定時間よりも長い第2所定時間と、第2所定時間よりも長い第3所定時間とが定められている。本実施形態では、電源投入から第1所定時間が経過したときの時刻が第1時刻に相当し、電源投入から第2所定時間が経過したときの時刻が第2時刻に相当し、電源投入から第3所定時間が経過したときの時刻が第3時刻に相当する。
例えば、特殊ゾーン演出は、演出表示装置EHにおいて、「特殊ゾーン」の文字列を模した専用画像など、特殊ゾーン演出を実行中であることを特定可能な情報を表示する態様により実行される。特殊ゾーン演出は、スピーカSPにおいて、特殊ゾーン演出に専用のBGMを出力したり、装飾ランプLAにおいて、特殊ゾーン演出に専用の発光パターンを用いた発光を行なったりする態様により実行してもよい。
また、副制御CPU50aは、電源投入されてからの経過時間が所定時間に達している場合、前記有利期間であることを条件に、第1実施形態と同様にして演出抽選を実行することにより演出パターンE1〜E4の何れかを決定し、保留当り演出を実行するか否か、設定示唆演出を実行するか否か、及び実行する場合の設定示唆演出の示唆態様を決定する。なお、演出パターンの振分態様(決定確率)については、第1実施形態と同様に構成できる。
例えば、図16(a)に示すように、副制御CPU50aは、経過時間が第1所定時間(第1時刻)であるとき、第1振分例のように演出パターンを決定し、第2所定時間(第2時刻)であるとき、第2振分例のように演出パターンを決定し、第3所定時間(第3時刻)であるとき、第3振分例のように演出パターンを決定するとよい。即ち、本実施形態では、何れの時刻における特殊ゾーン演出の実行中であるかによって、設定示唆演出の頻度(出現率)、及び設定示唆演出の種類(示唆態様)のうち少なくとも一方が異なる。また、本実施形態では、時刻によって示唆する内容も変化し得る。なお、それぞれの経過時間(時刻)における演出パターンの振分態様は、上記に限定されるものではなく、順番を入れ替えてもよい。
例えば、図16(b)に示すように、副制御CPU50aは、経過時間が第1所定時間(第1時刻)であるとき、第2所定時間(第2時刻)であるとき、及び第3所定時間(第3時刻)であるときのそれぞれにおいて、全て同じ振分態様としてもよい。このような構成とすれば、何れの経過時間であっても同じように設定示唆演出が行われ得る。
以上のように、本実施形態における設定示唆演出は、RTC50dが生成する情報が所定情報となったことを含む特別条件の成立を契機として実行可能な演出のうち1又は複数の特別演出に相当する。また、設定示唆演出を実行する契機となる特別条件には、RTC50dが生成する情報が所定情報となったことだけでなく、これとは異なる事象として、大当りの第2特別ゲームを保留中であることが含まれている。
したがって、第2実施形態のパチンコ遊技機10によれば、第1実施形態における効果に加えて、以下の効果を有する。
(2−1)RTC50dが生成する情報が所定情報となったこと、即ち、所定の時刻になったことに関連して、設定されている設定値の示唆が行われ得ることから、設定されている設定値を推測する楽しみを与えつつ、RTC50dが生成する情報が所定情報になるまで遊技を継続するモチベーションを与えることができる。
(2−2)RTC50dが生成する情報が所定情報となったことに加えて、これとは異なる事象が発生しなければ、設定示唆演出が実行されない。したがって、設定示唆演出の希少性や特別感を高め、設定値の示唆に加えて、設定示唆演出の実行そのものによっても興趣を向上できるようになる。
(2−3)第1時刻であるときと、第2時刻であるときとでは、設定示唆演出の頻度、及び設定示唆演出の種類のうち少なくとも一方が異なる。このため、時刻に応じて設定示唆演出の態様を変化させ、継続して遊技を行うモチベーションを与えることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のパチンコ遊技機10について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、予め定めた待機条件が成立すると待機状態へと移行し、当該待機状態において、所謂「客待ち演出」としてデモンストレーション演出(以下、「デモ演出」と示す)を実行可能に構成されている。
本実施形態のパチンコ遊技機10において、待機条件は、通常遊技状態である場合(即ち、時短機能が作動していない場合)、第1特別ゲームが実行も保留もされておらず、大当り遊技の開始待機状態ではなく、且つ大当り遊技の実行中でもない状態となることで成立する。つまり、通常遊技状態では、第2特別ゲームを実行中又は保留中であるか否かに関係なく、待機条件が成立し得る。なお、通常遊技状態では、第2特別ゲームを実行中又は保留中である場合に待機条件が成立しないようにしてもよい。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10において、待機条件は、有利遊技状態である場合(時短機能が作動している場合)、第2特別ゲームが実行も保留もされておらず、大当り遊技の開始待機状態ではなく、且つ大当り遊技の実行中でもない状態となることで成立する。つまり、有利遊技状態では、第1特別ゲームを実行中又は保留中であるか否かに関係なく、待機条件が成立し得る。なお、有利遊技状態では、第1特別ゲームを実行中又は保留中である場合に待機条件が成立しないようにしてもよい。
図17(a)及び(b)に示すように、デモ演出は、待機状態へ移行してから、予め定めたデモ待ち期間が経過すると開始される。デモ待ち期間には、デモ待ち演出が実行される。例えば、デモ待ち演出は、演出表示装置EHにおいて、直前の演出ゲームにて確定停止表示させた図柄組み合わせを、そのまま継続して確定停止表示させ続ける態様により実行される。即ち、デモ待ち演出は、待機状態へ移行する直前に行われていた演出ゲーム(特に図柄組み合わせの確定停止表示の部分)の一部又は全部が同じであると言える。このようなデモ待ち演出では、全列の演出図柄が確定停止表示された状態が維持されることから、パチンコ遊技機10で遊技を行う遊技者や、当該遊技者とは別の者に対して、例えば復活演出が行われ得るかのように感じさせ得る。例えば、デモ待ち演出は、その時点で設定されている演出モードに対応する背景画像を引き続き表示した状態で行なうとよい。
演出表示装置EHでは、待機状態となってからデモ待ち期間が経過すると、演出図柄の揺れ変動表示を行う第1デモ演出と、パチンコ遊技機10のモチーフとされたキャラクタやメーカーロゴを模したデモ画像を表示する第2デモ演出と、が繰り返しループするように実行される。第1デモ演出においてゆれ変動表示を行う演出図柄は、初回であるか、2回目以降であるかを問わず、デモ待ち演出として表示した演出図柄(図柄組み合わせ)である。なお、電源投入されたときの第1デモ演出については、予め定められた演出図柄(所謂「初期図柄」)である。また、第1デモ演出は、初回であるか、2回目以降であるかを問わず、その時点で設定されている演出モードに対応する背景画像を表示した状態で行なう。一方、第2デモ演出では、演出表示装置EHにおける画像表示領域の全体を覆うように前記デモ画像を表示する。
以下の説明では、第1デモ演出を実行する期間を「第1デモ期間」と示し、第2デモ演出を実行する期間を「第2デモ期間」と示す。本実施形態における待機状態は、予め定めた待機終了条件が成立すると終了する。例えば、待機終了条件は、通常遊技状態であれば第1特別ゲーム(第1演出ゲーム)が開始されると成立し、有利遊技状態であれば第2特別ゲーム(第2演出ゲーム)が開始されると成立する。
また、本実施形態におけるデモ待ち期間は、予め定めた延長条件が成立したときに延長される。例えば、デモ待ち期間は30sであり、延長条件が成立する毎にデモ待ち期間の残り時間が30sにリセットされることにより、デモ待ち期間が延長される。本実施形態における延長条件は、アウト口25へ遊技球が入球すると成立する。延長条件は、発射ハンドルHDが操作されることにより成立してもよく、普通入賞口24,24へ遊技球が入球したことにより成立してもよい。
本実施形態のパチンコ遊技機10において、第2デモ演出の実行中(第2デモ期間中)には、特殊演出が実行される場合があるとともに、特別演出としての設定示唆演出は、特殊演出の一部として実行され得るようになっている。
図18に示すように、パチンコ遊技機10では、第2デモ期間へ移行すると、特殊演出の実行を特定可能な開始報知演出が実行される。例えば、開始報知演出は、演出表示装置EHにおいて、演出ボタンBTを模した画像や、「運だめし、押してみよう」の文字列を模した画像など、演出ボタンBTの操作を促す情報を、演出ボタンBTの操作を受け付ける操作受付期間(例えば10s)にわたって表示する態様により実行される(図18(a)に示す)。
操作受付期間において、演出ボタンBTが操作されると、複数種類ある結果演出のうち、何れかの結果演出が実行される。結果演出には、設定値の示唆にはならない、又は実質的にならない通常結果演出と、設定値の示唆になる特別結果演出と、がある。本実施形態における特別結果演出は、特別演出としての設定示唆演出に該当する。なお、操作受付期間において演出ボタンBTが操作されない場合には、結果演出を実行することなく、開始報知演出が終了する。
図18(b)に示すように、通常結果演出には、複数の通常結果演出がある。例えば、第1通常結果演出は、演出表示装置EHにおいて、「男の子」を模した画像や、「小吉」といったセリフを含む白背景の吹き出しを模した画像を表示する態様により実行される。例えば、第2通常結果演出は、演出表示装置EHにおいて、「男の子」を模した画像や、「中吉!」といったセリフを含む白背景の吹き出しを模した画像を表示する態様により実行される。例えば、第3通常結果演出は、演出表示装置EHにおいて、「男の子」を模した画像や、「大吉だよっ!」といったセリフを含む白背景の吹き出しを模した画像を表示する態様により実行される。
図18(c),(d)に示すように、特別結果演出には、複数の特別結果演出がある。例えば、第1特別結果演出は、演出表示装置EHにおいて、「男の子」を模した画像や、「大吉だよっ!」といったセリフを含む黄背景の吹き出しを模した画像に加えて、「女の子」を模した画像を表示する態様により実行される。例えば、第2特別結果演出は、演出表示装置EHにおいて、「男の子」を模した画像や、「大吉だよっ!」といったセリフを含む赤背景の吹き出しを模した画像に加えて、「女の子」を模した画像を表示し、さらにスピーカSPにおいて特殊音を出力する態様により実行される。
以下の説明では、第1通常結果演出を含む特殊演出の実行を定めた演出パターンを演出パターンE11と示し、第2通常結果演出を含む特殊演出の実行を定めた演出パターンを演出パターンE12と示し、第3通常結果演出を含む特殊演出の実行を定めた演出パターンを演出パターンE13と示す。また、以下の説明では、第1特別結果演出を含む特殊演出の実行を定めた演出パターンを演出パターンE14と示し、第2特別結果演出を含む特殊演出の実行を定めた演出パターンを演出パターンE15と示す。演出パターンE11〜E15は、特殊演出の態様(即ち、設定示唆演出の有無と、設定示唆演出を実行する場合の示唆態様)を特定可能である。
次に、待機状態に関する主制御CPU41aの処理について説明する。
主制御CPU41aは、通常遊技状態中、第1特別ゲームが実行も保留もされておらず、大当り遊技の開始待機状態ではなく、且つ大当り遊技の実行中でもない状態となったときに、待機移行コマンドを出力バッファに設定する。また、主制御CPU41aは、有利遊技状態中、第2特別ゲームが実行も保留もされておらず、大当り遊技の開始待機状態ではなく、且つ大当り遊技の実行中でもない状態となったときに、待機移行コマンドを出力バッファに設定する。また、主制御CPU41aは、通常遊技状態における待機状態中、第1始動入賞口15への入球に伴って第1特別ゲームを開始すると、待機状態を終了する。主制御CPU41aは、有利遊技状態における待機状態中、第2始動入賞口16への入球に伴って第2特別ゲームを開始すると、待機状態を終了する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、アウト口25へ入球した遊技球を検知する図示しないアウト口センサを備えている。マイクロプロセッサ41は、アウト口センサと接続されている。主制御CPU41aは、アウト口センサが遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU41aは、アウト口センサから検知信号を入力すると、アウト口25へ遊技球が入球したことを特定可能な制御コマンド(以下、「アウト検知コマンド」と示す)を出力バッファに設定する。
次に、待機状態に関する副制御CPU50aの処理について説明する。
副制御CPU50aは、待機移行コマンドを入力すると待機タイマに初期値(例えば30sに相当する値)を設定し、デモ待ち期間の計測を開始するとともに、デモ待ち演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU50aは、デモ待ち期間の計測中にアウト検知コマンドを入力すると、待機タイマを初期値にリセットし、デモ待ち期間の計測をやり直す。
副制御CPU50aは、デモ待ち期間が経過すると、第1デモタイマに初期値(例えば20sに相当する値)を設定し、第1デモ期間の計測を開始するとともに、第1デモ演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU50aは、第1デモ期間が経過すると、第2デモタイマに初期値(例えば30sに相当する値)を設定し、第2デモ期間の計測を開始するとともに、第2デモ演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU50aは、通常遊技状態において、第1変動開始コマンドを入力すると、デモ待ち期間(待機デモ演出)やデモ期間(デモ演出)を終了する。副制御CPU50aは、有利遊技状態において、第2変動開始コマンドを入力すると、デモ待ち期間(待機デモ演出)やデモ期間(デモ演出)を終了する。
副制御CPU50aは、第1デモ期間及び第2デモ期間の計測中にアウト検知コマンドを入力しても、計測中である期間の計測を継続し、延長しない。副制御CPU50aは、デモ待ち期間が経過すると、それ以降は、第1デモ期間と第2デモ期間の計測を交互にループするように行う。また、副制御CPU50aは、電源投入時に入力する初期コマンドに基づいて、通常遊技状態であって、第1特別ゲームが実行も保留もされておらず、大当り遊技の開始待機状態ではなく、且つ大当り遊技の実行中でもない状態に復帰したときには、デモ待ち期間(デモ待ち演出)を省略し、第1デモ期間(第1デモ演出)から開始する。副制御CPU50aは、電源投入時に入力する初期コマンドに基づいて、有利遊技状態であって、第2特別ゲームが実行も保留もされておらず、大当り遊技の開始待機状態ではなく、且つ大当り遊技の実行中でもない状態に復帰したときには、デモ待ち期間(デモ待ち演出)を省略し、第1デモ期間(第1デモ演出)から開始する。
図17(a)に示すように、副制御CPU50aは、第2デモ期間の計測を開始する(第1デモ期間の計測を終了する)毎に、その時点において設定されている設定値をもとに演出抽選を実行し、特殊演出の演出パターンE11〜E15の中から何れかの演出パターンを決定する。なお、演出抽選による演出パターンE11〜E15の振分態様(決定確率)については後述する。そして、副制御CPU50aは、決定した演出パターンにしたがって演出表示装置EHを制御し、特殊演出を実行させる。具体的に言えば、副制御CPU50aは、第2デモ期間において操作受付期間の計測を開始する。副制御CPU50aは、操作受付期間中に演出ボタンBTから操作信号を入力すると、決定した演出パターンに定められた結果演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。なお、副制御CPU50aは、操作受付期間中に演出ボタンBTから操作信号を入力しなかったとき、結果演出を実行させないで、開始報知演出を終了するように演出表示装置EHを制御する。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機10において、設定示唆演出(特別結果演出)は、待機状態であるときに演出ボタンBTが操作されることを含む特別条件の成立を契機として実行可能な演出のうち特別演出に相当する。また、本実施形態において、設定示唆演出は、待機状態であるときに演出ボタンBTが操作されることのほか、これとは異なる事象として、第2デモ期間であることや、操作受付期間中であることが含まれている。
図17(b)に示すように、特殊演出は、第2デモ期間に加えて、又は代えて、デモ待ち期間において実行してもよい。この場合、副制御CPU50aは、デモ待ち期間を開始してから所定期間が経過たことを契機として、特殊演出を実行させる制御を行うとよい。また、特殊演出は、第1デモ期間において実行してもよい。本実施形態において、特殊演出は、演出ゲームを開始するときに、特殊演出を実行するか否かを抽選し、当該抽選に当選したときにのみ実行するようにしてもよい。
ここで、演出パターンの振分態様(決定確率)の第4振分例について説明する。本実施形態では、以下に説明する第4振分例が採用されている。
[第4振分例]
図19に示すように、第4振分例によれば、演出抽選において、演出パターンE12,E13は、何れの設定値が設定されているときでも決定確率が同じである。また、演出抽選において、演出パターンE11は、高設定であるほど極僅かに決定確率が低くなる。しかしながら、本実施形態において、設定値に応じた変化量は極めて小さく設定されていることから、第1通常結果演出が実行されたからといって、設定されている設定値を推測することは極めて困難である。このため、特殊演出において通常結果演出が実行される一方で、特別結果演出が実行されないときには、何れの設定値が設定されているかを推測し難い。
演出抽選において、演出パターンE14は、[設定4]以上であるときに決定され得るとともに、高設定であるほど決定確率が高くなる。演出抽選において、演出パターンE15は、[設定5]以上であるときに決定され得るとともに、[設定5]よりも[設定6]において決定確率が高くなる。したがって、特殊演出において第1特別結果演出が実行された状況から、[設定4]以上であることを確定的に認識し得るとともに、第2特別結果演出が実行された状況から、[設定5]以上であることを確定的に認識し得る。
そして、本実施形態の特殊演出における結果演出は、白背景の吹き出しを含む通常結果演出<黄背景の吹き出しを含む第1特別結果演出<赤背景の吹き出しを含む第2特別結果演出の順に、高設定である可能性が高くなる。即ち、設定示唆演出に含まれる吹き出しの色が赤色である場合、黄色であるときに比して、[設定1]〜[設定3]や[設定4]よりも有利な[設定5]以上が設定されている期待度が高い。本実施形態において、吹き出しの色は、演出要素に相当し、「黄色」は第1演出要素であり、「赤色」は第2演出要素である。そして、例えば[設定1]〜[設定3]や[設定4]は、第1設定情報が設定されていることに相当し、[設定5]以上は、第2設定情報が設定されていることに相当する。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10において、特別結果演出の実行確率(出現率)は、通常結果演出の実行確率に比して低く(又は極めて低く)設定されている。即ち、待機状態においては、設定示唆演出が実行され難くなっている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、待機状態であるときに偶々通りがかった者など、パチンコ遊技機10で遊技を行う遊技者とは別の者が設定値を容易に推測できないようになっている。一方、待機状態であるときには、設定示唆演出が実行される可能性もあることから、パチンコ遊技機10において長時間にわたって遊技を行っている遊技者にとっても、遊技を休憩したときなど、設定示唆演出が行なわれ得る特殊演出を楽しませることができる。
なお、演出パターンE11〜E15の振分態様(決定確率)については、上述又は後述の実施形態(具体例)と同様にして変更し、演出パターン(即ち、設定示唆演出の示唆態様)から遊技者が認識できる設定値の示唆内容を変更してもよい。例えば、特別結果演出によって、特定の設定値である可能性があることや、特定の設定値であることを確定的に認識できるようにしてもよい。
また、本実施形態におけるパチンコ遊技機10では、演出ゲームにおいて、大当りの予告演出を実行可能に構成されている。予告演出は、複数種類あるとともに、少なくとも特定の予告演出については、その時点において設定されている設定値が示唆されない予告演出である。即ち、特定の予告演出は、設定示唆演出とは異なる演出である。例えば、特定の予告演出は、演出表示装置EHにおいて、「女の子」のキャラクタを模した画像を表示する態様により実行される。ここで、特定の予告演出の態様には、「白色の服を着た女の子」を模した画像を表示する第1予告態様と、「黄色の服を着た女の子」を模した画像を表示する第2予告態様と、「赤色の服を着た女の子」を模した画像を表示する第3予告態様とがある。
副制御CPU50aは、何れかの変動開始コマンドを入力すると予告抽選を実行し、予告演出の実行可否や、実行する場合における予告演出の態様を決定する。副制御CPU50aは、特定の予告演出の態様を決定する場合、第1予告態様(白色の服を着た女の子)<第2予告態様(黄色の服を着た女の子)<第3予告態様(赤色の服を着た女の子)の順に、大当り期待度が高くなるように予告抽選を実行する。なお、予告演出に関して、大当り期待度を高くするためには、予告抽選において、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能であるときとはずれ図柄を特定可能であるときの決定割合の合算に占める、大当り図柄であるときの決定割合が占める割合を高くすればよい。
そして、副制御CPU50aは、予告演出の実行可とその態様とを決定すると、演出ゲームにおいて、決定した態様による予告演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、特定の予告演出を構成する「女の子の服の色」は、白色、黄色、及び赤色の何れかである一方、前述の設定示唆演出(特別結果演出)を構成する「吹き出しの色」も、白色、黄色、及び赤色の何れかである。即ち、本実施形態において、予告演出と設定示唆演出とは、共通の演出要素として「色」を含んで構成されているといえる。そして、白色の服を含む第1予告態様<黄色の服を含む第2予告態様<赤色の服を含む第3予告態様の順に、大当り期待度が高くなる。本実施形態において、特定の予告演出を構成する「女の子の服の色」は、設定示唆演出のときと同様に、演出要素に相当し、黄色は、第1演出要素であり、赤色は、第2演出要素である。
したがって、第3実施形態のパチンコ遊技機10によれば、上記実施形態における効果に加えて、以下の効果を有する。
(3−1)予め定めた待機条件が成立して待機状態へ移行すると、設定されている設定値の示唆が行われ得ることから、待機状態へ移行しているときであっても、設定されている設定値を推測する楽しみを与えることができる。したがって、遊技者の興趣の低下を抑制できる。
(3−2)待機状態において演出ボタンBTが操作されたことを契機に、特別結果演出(設定示唆演出)を実行する。このため、待機状態においても演出ボタンBTを操作するなどの遊技に積極的に参加させることができる。
(3−3)待機状態において、開始報知演出を実行することから、パチンコ遊技機10で遊技を行っていない者に対しても、パチンコ遊技機10での遊技に対する関心を持たせることができる。
(3−4)待機状態において演出ボタンBTが操作されたことだけでなく、これとは異なる事象が発生したときに設定示唆演出(特別結果演出)が実行される。このため、設定示唆演出の希少性や特別感を高め、設定値の示唆に加えて、設定示唆演出の実行そのものによっても興趣を向上できるようになる。
(3−5)予告演出に含まれる演出要素が第2演出要素(服が赤色)であるとき、第1演出要素(服が黄色)であるときに比して大当り期待度が高く、設定示唆演出に含まれる演出要素が第2演出要素(吹き出しが赤色)であるとき、第1演出要素(吹き出しが赤色)であるときに比して高設定である期待度が高い。このように、演出要素が第2演出要素であるときに予告演出と設定示唆演出との両方における期待度を高めることで、それぞれの期待度の高低を遊技者に理解し易くし、設定値を推測させ易くすることができる。
(3−6)第2デモ期間であるときに特殊演出を実行する。このため、同じ待機状態であっても、常に特殊演出が実行されるわけではないので、当該演出に対する特別感を高めることができる。また、第2デモ期間(第2デモ演出)が周期的に現れる結果、特殊演出も周期的に実行され得る。このため、定期的に設定の示唆を受けるチャンスを与えることにより、デモ演出の実行中であっても、パチンコ遊技機10に対して興味を持たせることができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態のパチンコ遊技機10について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、所定条件の成立後における演出ゲームの実行回数が特定回数に達したことを契機として、特別演出としての設定示唆演出を実行可能に構成されている。
具体的に言えば、副制御CPU50aは、所定条件としての計数開始条件が成立してから、第1変動開始コマンドを入力する毎に、副制御RWM50cに記憶されている実行回数カウンタを加算し、所定条件が成立してからの第1変動ゲームの実行回数を計数する。本実施形態の副制御CPU50aは、変動ゲームの実行回数を計数する手段である。なお、本実施形態における副制御CPU50aは、第1特別ゲームの実行回数のみを計数するが、第2特別ゲームを含めて実行回数を計数してもよい。
本実施形態における計数開始条件には、複数の計数開始条件がある。本実施形態における第1計数開始条件は、大当り遊技を獲得することなく作動回数の特別ゲームが終了することによって第3有利遊技状態が終了し、通常遊技状態へと移行(有利期間が終了)したことで成立する。また、第2計数開始条件は、電源投入によって起動したときに、通常遊技状態へ復帰したことで成立する。なお、本実施形態において、通常遊技状態へ復帰するときとは、電源断がされたときに通常遊技状態であった場合であってRWMクリア処理が実行されなかった場合と、電源投入処理においてRWMクリア処理が実行された場合とがある。
副制御CPU50aは、何れかの計数開始条件の成立を契機に変動ゲームの実行回数を計数している場合であって、第1変動開始コマンドの入力に基づいて実行回数カウンタを更新した結果、更新後の実行回数カウンタの値が特定回数を示す値であるとき、上述した特殊演出を演出ゲームにおいて実行させることが可能である。即ち、本実施形態におけるパチンコ遊技機10では、計数開始条件が成立してから特定回数目の第1演出ゲームにおいて特殊演出を実行可能である。なお、本実施形態において、特殊演出は、第3実施形態のように待機状態においても実行可能であってもよく、演出ゲームにおいてのみ実行可能であってもよい。
具体的に言えば、副制御CPU50aは、特定回数目の第1演出ゲームを開始するときに、第3実施形態と同様にして演出抽選を実行し、その時点において設定されている設定値に応じて、演出パターンE11〜E15の中から何れかの演出パターンを決定する。そして、副制御CPU50aは、決定した演出パターンにしたがって演出表示装置EHを制御し、特殊演出を実行させる。具体的に言えば、副制御CPU50aは、演出ゲームの開始に伴って、操作受付期間の計測を開始する。副制御CPU50aは、操作受付期間中に演出ボタンBTから操作信号を入力すると、決定した演出パターンに定められた結果演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。なお、副制御CPU50aは、操作受付期間中に演出ボタンBTから操作信号を入力しなかったとき、結果演出を実行させないで、開始報知演出を終了するように演出表示装置EHを制御する。なお、副制御CPU50aは、大当り遊技が付与されると、実行回数カウンタをリセットするとよい。
ここで、演出ゲームについての特定回数の具体例について説明する。
図20(a)に示すように、特定回数としては、複数通りの実行回数を定めることができる。例えば、特定回数としては、100回、200回、300回、400回…1200回、1300回、1400回…というように、100回といった所定回数ごとに定めることで、特殊演出を周期的に出現させることができる(所謂「キリ番」)。本実施形態のパチンコ遊技機10では、特別結果演出(設定示唆演出)の実行によって、[設定4]以上であったり、[設定5]以上であったりするなど、高設定である可能性が高いことを示唆できる。このため、大当りを獲得することなく通常遊技状態のまま遊技を継続する遊技者に対して、遊技を継続するモチベーションを与えることができる。なお、特定回数として定める演出ゲームの実行回数は、一定間隔に定めなくてもよく、例えば、演出ゲームの実行回数が増加するほど、徐々に間隔が狭まるように定めてもよく、逆に間隔が広がるように定めてもよい。
また、図20(b)に示すように、特定回数としては、1通りの実行回数を定めることができる。例えば、特定回数としては、1回を定めることができる。この場合、電源投入により第2計数開始条件が成立してから1回目の演出ゲームにおいて特殊演出が実行されることになる。このため、例えば、遊技場の営業開始直後から遊技を行うモチベーションを与えることができる。また、例えば、有利期間の終了により第1計数開始条件が成立してから、1回目の演出ゲームにおいて特殊演出を実行するときには、有利期間の終了という遊技の区切りにおいて設定値の示唆を受け得ることで、新たに初当りを獲得しようとする遊技者のモチベーションを高め得る。
また、特定回数として1通りの実行回数を定める場合、当該特定回数として定める実行回数は、2回以上の実行回数であってもよい。また、次に説明する通り、計数開始条件を変更することが可能であるが、変更した計数開始条件と、1通り又は複数通りの特定回数との組み合わせにより、多様な興趣を生み出すことができる。
例えば、計数開始条件として、所定の演出としての特別ゾーン演出を開始したことを定めてもよい。副制御CPU50aは、演出ゲームにおいて背景画像を特別背景に変更して特別ゾーン演出を開始させた場合、演出ゲームを実行するごとに転落抽選を実行し、当該抽選に当選した演出ゲームにおいて特別ゾーン演出を実行させるとよい。そして、副制御CPU50aは、特定回数(例えば10回目)の演出ゲームにおいて特殊演出を実行させるとよい。これによれば、特別ゾーン演出に突入して10回の演出ゲームに滞在できれば、設定の示唆を受け得る面白みを創り出すことができる。
例えば、計数開始条件として、大当り遊技が終了したことを定めてもよい。この場合において、例えば特定回数として1回を定めたときには、何れかの有利遊技状態に移行したときを区切りとして設定の示唆を受け得る一方、特定回数として複数回(例えば100回)を定めたときには、有利遊技状態であっても次回の大当りをなかなか獲得できない遊技者の興趣の低下を抑制できる。
例えば、計数開始条件として、第1有利遊技状態(特殊状態)の開始を定めてもよい。この場合、第1有利遊技状態では、前述のように、大当りによらずとも、入賞可能な小当り遊技の頻発によって賞球を獲得し得ることから、例えば特定回数として複数回(例えば100回)を定めた場合には、第1有利遊技状態に長期間にわたって滞在し得たことによる喜びと、設定の示唆を受けられる楽しみとを重畳的に与え、遊技者の興趣を高め得る。
例えば、計数開始条件として、遊技者の入れ替わりが発生した可能性が高い状況を定めてもよい。具体的に言えば、計数開始条件として、第3実施形態で説明した第1デモ期間と第2デモ期間とをセットにしたサイクルを所定回数(例えば5回)繰り返したことを定めてもよい。これによれば、新たな遊技者に対してリセットした状態で設定の示唆をすることができる。
また、図21〜図23に示すように、特定回数として複数通りの実行回数を定めたときには、到達した特定回数に応じて演出パターンE11〜E15の振分態様(決定確率)を変化させてもよい。例えば、副制御CPU50aは、計数開始条件が成立してからの変動ゲームの実行回数が第1特定回数であるときには第5振分例(図21に示す)のように、第2特定回数であるときには第6振分例(図22に示す)のように、第3特定回数であるときには第7振分例(図23に示す)のようにして、演出抽選を実行するとよい。例えば、第1特定回数は、100回、及び200回であり、第2特定回数は、300回、400回、及び500回であり、第3特定回数は、600回以降とするとよい。以下の説明では、第4振分例とは異なる部分について詳しく説明する。
[第5振分例]
図21に示すように、第5振分例によれば、演出抽選において、演出パターンE14は、[設定4]以上であるときに決定され得る一方で、演出パターンE15は、何れの設定値であっても決定されない。
[第6振分例]
図22に示すように、第6振分例によれば、演出抽選において、演出パターンE14は、[設定4]以上であるときに決定され得るとともに、演出パターンE15は、[設定5]以上であるときに決定され得る。また、演出パターンE14は、第1特定回数(第5振分例)であるときに比して、決定確率が高い。
[第7振分例]
図23に示すように、第7振分例によれば、演出抽選において、演出パターンE14は、[設定4]以上であるときに決定され得るとともに、演出パターンE15は、[設定5]以上であるときに決定され得る。また、演出パターンE14は、第1,第2特定回数(第5,第6振分例)であるときに比して、決定確率が高く、演出パターンE15は、第1,第2特定回数(第5,第6振分例)であるときに比して、決定確率が高い。
このような構成によれば、計数開始条件の成立後における演出ゲームの実行回数が増加するほど、設定示唆演出(特別結果演出)の実行確率を高くすることができる。また、計数開始条件の成立後における演出ゲームの実行回数によって、実行可能な設定示唆演出(特別結果演出)の少なくとも一部が異なっている。即ち、第1特定回数は第1回数に相当し、第2,第3特定回数は、第2回数に相当する。本実施形態における設定示唆演出は、所定条件の成立後における変動ゲームの回数が特定回数であることを含む特別条件の成立を契機として実行可能な演出のうち特別演出に相当する。また、本実施形態において、設定示唆演出は、所定条件の成立後における変動ゲームの回数が特定回数であることのほか、これとは異なる事象として、演出ボタンBTの操作が行われたことが含まれている。
したがって、第4実施形態のパチンコ遊技機10によれば、上記実施形態における効果に加えて、以下の効果を有する。
(4−1)所定条件の成立後における変動ゲームの回数が特定回数であることに関連して、設定されている設定値の示唆が行われ得る。このため、変動ゲームの回数に応じて、設定されている設定値を推測する楽しみを与え、同じパチンコ遊技機でも繰り返し遊技を行うモチベーションを与えることができる。
(4−2)電源投入のときや、有利遊技状態の終了のときなど、遊技における一定の節目となる事象を基準とした変動ゲームの回数に関連して、設定値を推測する材料(要素)を提供できる。したがって、設定されている設定値の示唆に対する注目度を上げることにより、積極的に設定値を推測させ、これにより同じパチンコ遊技機でも繰り返し遊技を行うモチベーションを高めることができる。
(4−3)所定条件の成立後における変動ゲームの回数が特定回数であることに加えて、これとは異なる事象が発生しなければ、設定示唆演出(特別結果演出)が実行されない。したがって、設定示唆演出の希少性や特別感を高め、設定値の示唆に加えて、設定示唆演出の実行そのものによっても興趣を向上できるようになる。
(4−4)変動ゲームの実行回数が第1回数に達したときと、第2回数に達したときとで実行可能な設定示唆演出(特別結果演出)の一部が異なる。このため、変動ゲームの実行回数に応じて出現する設定示唆演出を変化させ、継続して遊技を行うモチベーションを与えることができる。
(4−5)変動ゲームの回数が第1回数よりも多い第2回数であるときには、第1回数であるときに比して、少なくとも一部の設定示唆演出(特別結果演出)が出現し易い。このため、変動ゲームの回数が多いときに、設定値を推測する材料(要素)の提供を受け易くなる。したがって、継続して遊技を行うモチベーションを与えることができる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態のパチンコ遊技機10について説明する。
上述した第1〜第4実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置EHやスピーカSPなどによって設定示唆演出を実行したが、本実施形態のパチンコ遊技機10では、これらとは異なる特徴的な演出実行装置(以下、「特別演出装置」と示す)を採用した点で相違している。
図24に示すように、特別演出装置31は、遊技者が覗き込むようにして内部を視認する覗き穴型の演出装置として構成されている。本実施形態における特別演出装置31は、遊技盤YBの遊技領域YBaのうち、遊技球の流下に影響を与えない位置に設けられている。本実施形態において、特別演出装置31は、球通路30を構成する壁部材30bに設けられている。なお、特別演出装置31は、パチンコ遊技機10において遊技を行う遊技者が覗き見ることが可能な位置であれば、その配設場所を適宜変更してもよい。例えばセンター枠Wに設けてもよく、枠体11(搭載枠11b)の前面に設けてもよい。
図25及び図26に示すように、壁部材30bには、前後方向に貫通する覗き穴32が設けられている。覗き穴32の直径は、例えば5cm以下であり、好ましくは3cm以下であり、より好ましくは2cm以下である。壁部材30bの後側には、覗き穴32に対応させて、前後方向に沿って延びる円柱状の空間である覗穴空間31aを形成するように固定部材33が固定されている。本実施形態における固定部材33は、覗き穴32において開口する凹部を形成している。本実施形態における壁部材30b、及び固定部材33は、何れも遮光性の高い材料製である。このため、本実施形態の特別演出装置31では、固定部材33の外側から内側(覗穴空間31a)への光の通過、及び、固定部材33の内側(覗穴空間31a)から外側への光の通過の全部(又は略全部)が規制されている。
固定部材33の後壁(覗穴空間31aの後壁)33aには、所定の絵柄を付したスクリーン部材(レンズ部材)34と、1又は複数のフルカラーLEDなどからなる発光体35とが、前側からこの順番で前後方向に並ぶように設けられている。例えば、スクリーン部材34には、所定の文字列やキャラクタなどを模した絵柄が設けられている。本実施形態のスクリーン部材34は、その略全体に黒色の遮光塗料を塗布して遮光領域34aを設けてあり、一部には「チャンス」の飾り文字となるように、部分的に遮光塗料を塗布していない透光領域34bを設けてある。特別演出装置31の周囲には、例えば「覗いてみよう!!」などの文字列のように、覗き穴32を覗き込むことを促す情報が配置されている(図26に示す)。
そして、本実施形態における特別演出装置31によれば、発光体35が発光していないときには、覗き穴32の内部(覗穴空間31a)が十分に暗いために、上記「チャンス」の文字列を視認不能(又は視認困難)である(図26(a)に示す)。一方、本実施形態における特別演出装置31によれば、発光体35が発光しているときには、スクリーン部材34の透光領域34bを発光体35の光が通過することによって、「チャンス」の文字列が浮かび上がるように視認できるようになる(図26(b)に示す)。本実施形態の設定示唆演出は、発光体35の発光に伴う「チャンス」の文字列の表示(以下、単に「チャンス表示」と示す)により行われる。本実施形態において、スクリーン部材34は、設定示唆演出を実行する特別演出実行部(表示部)に相当し、当該スクリーン部材34は、遊技者が覗き込まないと視認困難又は視認不能な凹部内に設けられているといえる。
ここで、特別演出装置31では、覗き穴32がさほど大きくなく、スクリーン部材34が覗き穴32の奥方に配設されており、且つ遮光性の固定部材33に囲われている。このため、発光体35が発光しているときであっても、覗き穴32を覗き込まなければ、パチンコ遊技機10で遊技を行っている遊技者といえども視認し難くなっている。即ち、パチンコ遊技機10の前を偶々通り掛かった者からは、仮に発光体35が発光していたとしても、発光体35が発光しているか否か(チャンス表示の有無)を視認不能であるか、又は極めて困難となっている。このように、本実施形態における特別演出装置31は、演出実行手段に相当する。特別演出装置31は、パチンコ遊技機10で遊技を行う遊技者が認識可能であって、パチンコ遊技機10で遊技を行う遊技者とは異なる者が認識困難又は認識不能な態様により特別演出としての設定示唆演出を実行可能に構成されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10によれば、当該パチンコ遊技機10にて遊技を行う遊技者に対し、設定示唆演出(チャンス表示)を独占的に視認させ得ることから、設定値の示唆を独占したという優越感を感じさせ、遊技者の独占欲を満たすことができる。
また、本実施形態の特別演出装置31によれば、発光体35の発光色を変更することによって、複数の示唆態様による設定示唆演出を実行できる。例えば、上述した第1振分例から第7振分例に関して、演出パターンE1については発光なしとし、演出パターンE2,E11〜E13については発光色を白色とし、演出パターンE3,E14については発光色を黄色とし、演出パターンE4,E15については発光色を赤色とした演出態様(示唆態様)を定めてもよい。そして、副制御CPU50aは、上述した実施形態において説明した演出抽選を実行し、演出パターンを決定し、決定した演出パターンにしたがって設定示唆演出(つまりチャンス表示)を実行するように、特別演出装置31を制御する。なお、本実施形態において特別演出装置31は、副制御CPU50aと接続されており、副制御CPU50aは、特別演出装置31におけるチャンス表示の実行を制御可能に構成されている。
したがって、第5実施形態のパチンコ遊技機10によれば、上記実施形態における効果に加えて、以下の効果を有する。
(5−1)本実施形態によれば、設定されている設定値を推測する楽しみを与えることができるだけでなく、当該示唆に関して、遊技者の独占欲を満たすことで、遊技者の興趣の低下を抑制できる。
(5−2)上記実施形態において詳しく説明した通り、本実施形態においても複数の事象が発生しなければ、設定示唆演出が実行されない。したがって、設定示唆演出(チャンス表示)の希少性や特別感を高め、設定値の示唆に加えて、特別演出の実行そのものによっても興趣を向上できるようになる。
(5−3)「覗き込み」という通常の遊技では生じない特殊な行動によって、設定値の示唆を独占的に視認できることに加えて、遊技者以外の者は、遊技者が覗き穴32を覗き込んでいる様子を視認することで、設定示唆演出が実行されていることだけを知り得る。したがって、設定値の示唆に関して、遊技者の独占欲だけでなく、設定示唆演出を自分だけが視認したという優越感を満たすことで、さらに遊技者の興趣の低下を抑制できる。
(5−4)特に、第1,第2実施形態に本実施形態の特別演出装置31を適用したときには、特別条件と特定条件とが同時に成立するときがあることから、演出パターンE3,E4の何れかの決定に伴って、保留当り演出の実行中に、設定示唆演出もあわせて実行されるときがある。このため、保留当り演出の実行中、設定示唆演出も実行されるのではないかと、遊技者に期待感を抱かせることができる。
(5−5)設定示唆演出(チャンス表示)が出現したときに、当該設定示唆演出の種類(発光体35の発光色)に基づいて、その時点において設定されている設定値を推測させる楽しみを与えることができる。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態のパチンコ遊技機10について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、振動を発生する図示しない振動装置を備えており、当該振動装置の振動によって発射ハンドルHDを振動させることにより、設定示唆演出を実行可能に構成されている。発射ハンドルHDは、一般的な遊技者が把持した状態で操作されるものであることから、パチンコ遊技機10で遊技を行う遊技者が把持して操作可能な把持操作手段に相当する。
例えば、振動装置は、発射ハンドルHDに内蔵されるなどして当該発射ハンドルHDに専用の振動装置であってもよく、演出ボタンBTに内蔵又は近傍に配設されるなどして演出ボタンBTと兼用の振動装置としたうえで、発射ハンドルHDへと振動装置の振動を伝達可能に構成してもよい。本実施形態における振動装置は、発射ハンドルHDを振動させる振動手段に相当する。振動装置を演出ボタンBTに内蔵した場合、演出ボタンBTは、振動による演出を実行可能な演出実行手段に相当する。
そして、振動装置の振動パターンとして、複数の振動パターンを備えることにより、設定示唆演出の示唆態様を異ならせることができる。例えば、振動強度[弱]で連続的に振動を発生する第1振動パターン、振動強度[強]で間欠的に振動を発生する第2振動パターン、及び振動強度[強]で連続的に振動を発生する第3振動パターンを設けるとよい。そして、例えば、上述した第1振分例から第7振分例に関して、演出パターンE1については振動なしとし、演出パターンE2,E11〜E13については第1振動パターンとし、演出パターンE3,E14については第2振動パターンとし、演出パターンE4,E15については第3振動パターンとした演出態様(示唆態様)を定めてもよい。そして、副制御CPU50aは、上述した実施形態において説明した演出抽選を実行し、演出パターンを決定し、決定した演出パターンにしたがって設定示唆演出(つまり発射ハンドルHDの振動)を実行するように、振動装置を制御する。なお、本実施形態において振動装置は、副制御CPU50aと接続されており、副制御CPU50aは、振動装置における振動の発生を制御可能に構成されている。
したがって、第6実施形態のパチンコ遊技機10によれば、上記実施形態における効果に加えて、以下の効果を有する。
(6−1)発射ハンドルHDの振動という、遊技者自身が容易に認識できる一方で、それ以外の者が認識不能な態様にて設定示唆演出を実行できることから、遊技者の独占欲を満たし、遊技者の興趣の低下を抑制できる。
例えば、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・第1実施形態において、保留当り演出及び設定示唆演出を実行するラウンド遊技は、4回目のラウンド遊技とは異なるラウンド遊技であってもよく、複数のラウンド遊技であってもよい。また、保留当り演出及び設定示唆演出は、オープニング時間において実行してもよく、エンディング時間において実行しなくてもよい。
・第1実施形態において、1回の大当り遊技の付与中に、保留当り演出及び設定示唆演出の一方のみを実行可能としてもよい。この場合、演出パターンとして、保留当り演出及び設定示唆演出のうち一方を実行する演出パターンのみを設ければよい。本別例によれば、大当り遊技を保留内で連続的に獲得できることが報知されるか、設定されている設定値を推測する要素が提供されるかの何れであるかに注目させ、大当り遊技における興趣を維持することができる。
・第1実施形態において、入球により特別条件を成立させる「特定の入球口」は、第1大入賞口18に加えて、又は代えて、第1大入賞口18とは異なる入球口を定めてもよい。例えば、特定の入球口として、第2大入賞口21を定めたときには、第1有利遊技状態(特殊状態)において小当り遊技が生起されたときに、設定示唆演出を実行させ得るようになる。例えば、特定の入球口として、作動ゲート23を定めたときには、当該作動ゲート23を遊技球が通過したことを契機として、大当り遊技の開始とともに設定示唆演出を実行させ得るようになる。例えば、特定の入球口として、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16に定めたときには、保留上限数を超えて入球したときに設定示唆演出を実行してもよい。例えば、特定の入球口として、遊技領域YBaに開口する演出用入球口に定めたときには、賞球とは無関係に設定示唆演出を実行させ得る。
・第1実施形態において、[p個]を抽選により決定してもよい。
・第1実施形態において、獲得賞球演出を省略してもよい。
・第1実施形態において、設定示唆演出の特別条件には、有利期間における賞球累計数が規定数を超えていること、及び有利期間における大当り遊技の付与回数(所謂、「連チャン数」)が規定回数を超えていることの一部又は全部を含んでいてもよい。
・第1実施形態において、所定の大入賞口(例えば第1大入賞口18など)の内部に、通常領域と、特定領域(所謂「Vゾーン」)と、所定の大入賞口へ入球した遊技球を通常領域へ誘導する第1誘導状態、及び所定の大入賞口へ入球した遊技球を特定領域へ誘導する第2誘導状態の何れかの状態をとる誘導部材(振分部材)と、を設けてもよい。この場合、主制御CPU41aは、特定領域を遊技球が通過したことを条件として、所定の特典を付与する。例えば、所定の特典としては、高確率状態であってもよく、第1有利遊技状態(特殊状態)であってもよい。
そして、主制御CPU41aは、常には誘導部材を第1誘導状態に制御する一方、1回又は複数回である特定のラウンド遊技において、所定の大入賞口へ入球した遊技球が第1規定数(例えば1個)に達したときに、第1時間(例えば0.02s)にわたって誘導部材を第2誘導状態に制御する。続けて、主制御CPU41aは、特定のラウンド遊技において、所定の大入賞口へ入球した遊技球が第1規定数よりも多い第2規定数(例えば5個)に達したときに、第1時間よりも長い第2時間(例えば20s)にわたって誘導部材を第2誘導状態に制御する。なお、副制御CPU50aは、ラウンドコマンドと、第1入賞コマンドとを入力することにより、特定のラウンド遊技であるか否か、及び特定のラウンド遊技における遊技球の入球数を特定可能である。
副制御CPU50aは、上記第1規定数の遊技球が所定の大入賞口へ入球したとき、上記第2規定数の遊技球が所定の大入賞口へ入球したとき、上記第2規定数を超えて遊技球が所定の大入賞口へ入球したとき、さらに上限個数を超えて遊技球が所定の大入賞口へ入球したときに保留当り演出及び設定示唆演出を実行させてもよい。本別例によれば、特定領域を遊技球が通過するか否か(つまり特典が付与されるか否か)という楽しみと、設定値を推測する楽しみとを関連付けて与え、遊技者の興趣を向上させることができる。
・第2実施形態において、副制御CPU50aは、RTC50dが生成するRTC情報から直接的に時刻を特定するとともに、特定した時刻が第1時刻、第2時刻、及び第3時刻の何れであるかに応じて、特殊ゾーン演出及び設定示唆演出を実行させてもよい。また、第3時刻における特殊ゾーン演出及び設定示唆演出を省略してもよい。
・第2実施形態において、特殊ゾーン演出を省略してもよい。この場合、RTC50dが生成するRTC情報が所定情報(所定の時刻)になったときに設定示唆演出を実行可能であればよい。
・第2実施形態において、副制御CPU50aは、RTC50dが生成するRTC情報から特定可能な日付に応じて演出パターンの振分態様を異ならせてもよい。例えば、RTC情報から特定可能な日付が[5月5日]であるとき、特殊ゾーン演出として「鯉のぼり」を模した画像を演出表示装置EHにおいて表示するとともに、普段とは異なる演出パターンの振分態様にて設定示唆演出を実行するとよい。例えば、副制御CPU50aは、10日経過する毎や、四季が変化する毎に演出パターンの振分態様を変化させてもよく、新たな演出パターンを追加していってもよい。
・第2実施形態において、RTC50dは、時刻を特定可能な情報のみを生成する構成であってもよい。また、第2実施形態において、副制御CPU50aは、タイマを設定するとともに、当該タイマの値を所定の制御周期毎に減算して、電源投入がされてからの経過時間を計測してもよい。この場合、副制御CPU50aは、時間を特定可能な情報を生成する情報生成手段として機能し得る。
・第2実施形態において、設定示唆演出は、有利期間ではない場合(通常遊技状態である場合)でも実行するようにしてもよい。この場合、保留当り演出は、第1特別ゲームを対象として実行するとよい。
・第3実施形態において、副制御CPU50aは、通常遊技状態中、待機開始コマンドを入力しておらず、大当り遊技に関する制御コマンドを入力しておらず、且つ第1変動開始コマンドを入力しない状況から、待機条件が成立したと判定してもよい。副制御CPU50aは、有利遊技状態中、待機開始コマンドを入力しておらず、大当り遊技に関する制御コマンドを入力しておらず、且つ第2変動開始コマンドを入力しない状況から、待機条件が成立したと判定してもよい。本別例では、待機移行コマンドを出力するための構成を省略できる。
・第3実施形態において、副制御CPU50aは、特殊演出の結果演出によって、その時点における遊技状態が高確率状態であるか否かについても示唆するように演出抽選を行ってもよい。
・第3実施形態において、特殊演出は、開始報知演出を含まなくてもよい。即ち、待機状態では、第1報知手段としての演出表示装置EHにおいて、演出ボタンBTの操作を促す演出を実行せず、所謂「隠しボタン演出」として構成してもよい。この場合であっても、操作受付期間中であることを、演出ボタンBTに内蔵した第2報知手段としての発光体を発光させる態様により報知してもよい。なお、演出ゲームにおいては、操作受付期間中に演出ボタンBTが操作されたことを契機として所定の演出を実行する場合、演出表示装置EH及び演出ボタンBTの発光体の両方において、操作受付期間中であることを報知してもよい。
・第4実施形態において、計数開始条件の成立後における演出ゲームの実行回数が第1回数(第1特定回数)であるときと、第2回数(第2,第3特定回数)であるときとで、実行可能な設定示唆演出(特別結果演出)の全部が異なっていてもよい。
・第4実施形態において、計数開始条件の成立後における演出ゲームの実行回数が第1回数(第1特定回数)であるときと、第2回数(第2,第3特定回数)であるときとで、実行確率が同じ設定示唆演出(特別結果演出)があってもよい。
・第4実施形態においては、計数開始条件の成立後における演出ゲームの実行回数が特定回数に達したときに特殊演出を1回だけ実行したが、これに限定されない。例えば、何れの演出ゲームにおいても特殊演出を実行可能とする一方で、計数開始条件の成立後における演出ゲームの実行回数が特定回数に達してからは、特定回数に達する前とは異なる振分態様(決定確率)にて、演出パターンの決定(演出抽選)を行ってもよい。また、複数の特定回数を定めるときには、特定回数に達するごとに、演出パターンの振分態様(決定確率)を変化させるとよい。
・第5実施形態において、特別演出装置31の構成を変更してもよい。例えば、スクリーン部材34及び発光体35に加えて、又は代えて、覗穴空間31aに所定の動作を可能な可動体を特別演出実行部として配設してもよい。この場合、設定示唆演出は、可動体を動作させることにより実行してもよい。また、特別演出装置31は、絵柄が異なる複数のスクリーン部材34を備え、当該複数のスクリーン部材34を切り替えることで、覗き穴32を介して視認可能になる絵柄を変更し、各種の設定示唆演出を実行してもよい。また、特別演出実行部は、液晶パネルなどの表示部であってもよい。
・各実施形態において、設定示唆演出の特別条件を変更してもよい。例えば、特別条件は、大当りの第2特別ゲームが保留されていること、及び保留当り演出を実行することを含まない条件であってもよい。即ち、第1実施形態における特別条件には、特定の入球口に遊技球を入球させることとは異なる事象を含まなくてもよい。第2実施形態における特別条件には、RTC50dが生成する情報が所定情報となったこととは異なる事象を含まなくてもよい。第3実施形態において、特別条件は、第2デモ期間であることや、操作受付期間であることを含まない条件であってもよい。即ち、第3実施形態における特別条件には、待機状態であるときに演出ボタンBTが操作されることとは異なる事象を含まなくてもよい。第4実施形態において、特別条件は、演出ボタンBTの操作が行われたことを含まない条件であってもよい。即ち、第4実施形態における特別条件には、所定条件の成立後における変動ゲームの回数が特定回数であることとは異なる事象を含まなくてもよい。
・各実施形態において、設定示唆演出に加えて、又は代えて、その時点において設定されている設定値を報知する設定報知演出を実行してもよい。例えば、設定報知演出は、演出表示装置EHにおいて、「設定6です」などのように、設定されている設定値を直接的に特定可能な情報を表示する態様により実行するとよい。
・各実施形態において、設定示唆演出及び設定報知演出は、演出表示装置EHによる表示演出、スピーカSPによる音声演出、装飾ランプLAによる発光演出、及び演出用の可動体による可動体演出のうち任意の演出を1つ、又は複数を選択して組み合わせて構成してもよい。
・各実施形態において、有利遊技状態の終了条件を変更してもよい。例えば、高確率状態の終了条件を変更してもよい。主制御CPU41aは、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が予め定めた回数に達したときに、高確率状態を終了するとよい。また、主制御CPU41aは、特別ゲームを開始するごとに転落抽選を行い、当該抽選に当選したときに、高確率状態を終了してもよい。例えば、高入球率状態の終了条件を変更してもよい。主制御CPU41aは、特別ゲームを開始するごとに終了抽選を行い、当該抽選に当選したときに、高入球率状態を終了してもよい。例えば、短変動時間状態の終了条件を変更してもよい。主制御CPU41aは、特別ゲームを開始するごとに終了抽選を行い、当該抽選に当選したときに、短変動時間状態を終了してもよい。
・各実施形態において、大当りの種類を変更してもよい。具体的に言えば、大当り遊技におけるラウンド遊技の上限回数、ラウンド遊技ごとの上限個数、ラウンド遊技毎の大入賞口の開放回数や、開放時間の上限時間を変更してもよい。また、大当り遊技の終了後に付与する遊技状態を変更してもよい。
・各実施形態において、小当りを省略してもよい。
・各実施形態において、特殊状態に関する構成を削除してもよい。この場合、第2始動入賞口16及び第2大入賞口21は、球通路30に開口するように配置しなくてもよく、球通路30を省略してもよい。その他、遊技領域YBaにおける各入賞口15,16,18,21,24,24の配設位置は適宜変更してもよい。
・特別ゲームは、演出表示装置EHにて表示してもよい。この場合、演出ゲームを表示しないようにしてもよい。
・各実施形態において、第2特別ゲームを第1特別ゲームに優先して実行してもよい。この場合、特別図柄開始処理において、第2特別保留数が1以上であるときに第2特別ゲームを実行し、第2特別保留数が0であって、第1特別保留数が1以上であるときに第1特別ゲームを実行し、特別保留数が何れも0であるときに待機状態へ移行するとよい。パチンコ遊技機10は、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームについて、実行が保留された順に実行するように構成してもよく、同時に並行して実行するように構成してもよい。また、第2特別ゲームは、省略してもよい。
・各実施形態において、主制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御基板40は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
・各実施形態において、副制御基板50の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。例えば、パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを専門に制御する表示基板、装飾ランプLAを専門に制御するランプ基板、及びスピーカSPを専門に制御する音声基板を備えていてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに備えていてもよい。また、副制御CPU50aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
・上述した全ての実施形態及び別例は、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、任意に選択できる複数を組み合わせて適用してもよい。
上記実施形態及び別例からは、以下の技術的思想を把握できる。
(イ)始動条件の成立を契機とした当り抽選に当選したことを条件として、大入賞口を開放する特別遊技を付与する遊技機において、前記特別遊技に関する有利度合いを定めた複数の設定情報のうち何れかの設定情報を設定する制御を少なくとも可能に構成された設定制御手段と、演出を実行する演出実行手段と、演出の実行を制御する演出制御手段と、を備え、特別条件の成立を契機として実行可能な演出には、1又は複数の特別演出があり、前記特別演出には、設定されている設定情報を示唆する示唆演出、及び、設定されている設定情報を報知する報知演出のうち少なくとも一方があり、前記演出実行手段は、遊技機で遊技を行う遊技者が前記特別演出を独占可能に構成されているとよい。
(ロ)始動条件の成立を契機とした当り抽選に当選したことを条件として、大入賞口を開放する特別遊技を付与する遊技機において、前記当り抽選に関する有利度合いを定めた複数の設定情報のうち何れかの設定情報を設定する制御を少なくとも可能に構成された設定制御手段と、演出を実行する演出実行手段と、演出の実行を制御する演出制御手段と、第1操作手段と、第2操作手段と、所定の情報を表示可能な表示手段と、信号出力手段と、を備え、特別条件の成立を契機として実行可能な演出には、1又は複数の特別演出があり、前記特別演出には、設定されている設定情報を示唆する示唆演出、及び、設定されている設定情報を報知する報知演出のうち少なくとも一方があり、前記演出実行手段は、遊技機で遊技を行う遊技者が認識可能であって、遊技機で遊技を行う遊技者とは異なる者が認識困難又は認識不能な態様により前記特別演出を実行可能に構成されており、前記第1操作手段及び前記第2操作手段を操作した状態にて電源投入したときには設定変更状態へ移行可能であって、当該設定変更状態では、前記第2操作手段の操作に基づいて前記設定情報を変更して設定可能であるとともに、変更後の設定情報を示す数値が前記表示手段に表示されることによって、変更後の設定情報を確認可能であり、前記第1操作手段を操作した状態にて電源投入したときには設定確認状態へ移行可能であって、当該設定確認状態では、設定されている設定情報を示す数値が前記表示手段に表示されることによって、設定されている設定情報を確認可能であり、前記設定変更状態であるとき、前記設定変更状態であることの報知が行われ、前記設定確認状態であるとき、前記設定確認状態であることの報知が行われ、前記設定変更状態への移行に応じて所定の外部信号が出力され、前記設定確認状態への移行に応じて前記所定の外部信号が出力され、前記表示手段では、前記設定変更状態ではなく、且つ前記設定確認状態ではないとき、ベース情報を示す数値を表示可能である。
(ハ)前記特別条件は、第1事象が発生することと、前記第1事象とは異なる第2事象が発生することを含み、前記特別演出は複数あり、設定されている設定情報に応じて実行可能な特別演出の一部又は全部が異なる。
(ニ)特定条件の成立を契機として実行可能な演出には、1又は複数の特定演出があり、前記特別条件と前記特定条件とは同時に成立するときがある。
(ホ)前記演出実行手段は、前記特別演出を実行する特別演出実行部を備え、当該特別演出実行部は、遊技機で遊技を行う遊技者が覗き込まないと視認困難又は視認不能な凹部内に設けられている。
(ヘ)遊技機で遊技を行う遊技者が把持して操作可能な把持操作手段を備え、前記演出実行手段は、前記把持操作手段を振動させる振動手段を有しており、前記特別演出は、前記把持操作手段の振動によって行われる。