1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機PY1ついて、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においてパチンコ遊技機PY1の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機PY1の各部の前方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機PY1の各部の後方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、図2に示すように、外枠22と内枠21と前扉23(前枠)とを備えている。外枠22は、パチンコ遊技機PY1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠21は、外枠22の内側に配置されていて、後述の遊技盤1を取付ける縦長方形状の枠体である。前扉23は、外枠22及び内枠21の前面側に配置されていて、遊技盤1を保護する縦長方形状のものである。前扉23は、遊技者に正対する部分であり、種々の飾り付けがなされている。
遊技機枠2は、左端側にヒンジ部24を備えて構成されている。このヒンジ部24により、前扉23は、外枠22及び内枠21に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠21は、外枠22及び前扉23に対してそれぞれ回動自在になっている。前扉23の中央には開口部23aが形成されていて、遊技者が後述の遊技領域6を視認できるように透明の透明板23tが開口部23aに取付けられている。透明板23tは、本形態ではガラス板であるが、透明な合成樹脂板であってもよい。すなわち、透明板23tは、前方から遊技領域6を視認可能なものであればよい。また前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を遊技領域6に向けて発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)が設けられている。
内枠21の下部には、後述する貯留装置25(図4参照)が設けられている。貯留装置25には、予め定められた数の遊技球が貯留されている。貯留されている遊技球は、遊技領域6(図3参照)に向けて発射された後、遊技領域6を流下して、再び貯留装置25に戻ってくる。こうして、貯留装置25に貯留されている遊技球は、パチンコ遊技機PY1の内部に封入されていて、パチンコ遊技機PY1の外部に排出されることなく、循環するようになっている。
つまり、本パチンコ遊技機PY1は、内部に封入する遊技球が遊技領域6を流下した後に循環して再び遊技領域6に進入可能な遊技機(所謂「封入式パチンコ」)である。そのため、内部に収容されている遊技球が遊技領域を流下した後に、外部に排出される遊技機(所謂「非封入式パチンコ」)のように、遊技者に遊技球を払い出すための機構(賞球払出装置、賞球モータ、上皿、下皿など)が不要である。その結果、本パチンコ遊技機PY1の下部の構成を、従来の非封入式パチンコに比べて、コンパクトに構成することが可能である。なお本パチンコ遊技機PY1では、前扉23に、遊技球を貯留する上皿や下皿が設けられていないため、遊技者が遊技球に触れることができない。
前扉23の下部には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン(入力部)40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(図1において不図示)が設けられている。
また本パチンコ遊技機PY1では、前扉23の下部の中央に、持ち球数表示器180が設けられている。持ち球数表示器180は、現時点で遊技者が使用可能な遊技球の数を持ち球数として表示するものである。持ち球数表示器180は、6桁の数字が表示できるように、横並びで6つの7セグメント表示器で構成されている。図1では、持ち球数表示器180において「2500」が示されていて、遊技者の持ち球数が2500球であることを意味している。持ち球数表示器180の表示制御は、後述するように、払出制御用マイコン171によって実行される。
遊技機枠2の内枠21には、図2に示す遊技盤1が取付けられている。図2に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、内レール62と外レール63とで囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。また遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段,画像表示手段)が設けられている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄EZ(装飾図柄)の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの演出図柄表示領域からなる。左演出図柄表示領域には左演出図柄EZ1が表示され、中演出図柄表示領域には中演出図柄EZ2が表示され、右演出図柄表示領域には右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」〜「8」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組み合わせによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する保留アイコン表示領域がある。保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83aにて表示される第1特図保留の記憶数や、後述の第2特図保留表示器83bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ61sへ遊技球を流出させるワープ61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
遊技領域6における画像表示装置50の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11(入球口)を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域6における第1始動口11の下方には、第2始動口12を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12(入球口)を、第2入球口や、可変入球口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。
電チュー12Dは、開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12k(入球口開閉部材)を備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が可能となり、閉状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域6における第1始動口11の右方には、大入賞口14を備えた大入賞装置(特別電動役物)14Dが設けられている。大入賞口14を、特別入賞口ともいう。また大入賞装置14Dを、アタッカー(AT)や、特別入賞手段、特別可変入賞装置ともいう。大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとるAT開閉部材14k(特別入賞口開閉部材)を備え、AT開閉部材14kの作動により大入賞口14を開閉するものである。AT開閉部材14kは、後述のATソレノイド14sにより駆動される。大入賞口14は、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、センター枠61の右方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていないため、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、一般入賞口10と、大入賞装置14Dと、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート13への通過や、一般入賞口10、第2始動口12、及び大入賞口14への入賞を狙うことができる。
また本パチンコ遊技機PY1では、遊技領域6の外側に1つの排出経路(図示省略)が設けられている。この排出経路は、一般入賞口10、第1始動口11、電チュー12D(第2始動口12)、大入賞口14、アウト口19の何れにも連通している。従って、一般入賞口10、第1始動口11、電チュー12D(第2始動口12)、大入賞口14、アウト口19に入球した遊技球は、遊技領域6の外側にて排出経路を必ず通過することになる。排出経路には、遊技球を検出可能な排出口センサ15a(図5参照)が設けられていて、排出経路を通過した遊技球は、後述する貯留装置25に向かう。このようにして、遊技領域6に向けて発射された遊技球は、一般入賞口10、第1始動口11、電チュー12D(第2始動口12)、大入賞口14、アウト口19の何れかに入球した後、排出経路を通って、排出口センサ15aに検出される。その後、排出経路を通過した遊技球は、貯留装置25で貯留されることになる。
また図2に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図3に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄(普図)を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図、識別図柄)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特図表示器81(識別図柄表示手段)では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図5参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
また本パチンコ遊技機PY1の表示器類8には、図3に示すように、普図表示器82の左方に、特別ゲーム状態表示器85が設けられている。特別ゲーム状態表示器85は、後述する特別ゲーム状態であるか否かを報知するものである。特別ゲーム状態であるときには、特別ゲーム状態表示器85が点灯し、特別ゲーム状態でないとき(非特別ゲーム状態であるとき)には、特別ゲーム状態表示器85が点灯しない。
次に、図4に基づいて、貯留装置25について説明すると共に、貯留装置25に貯留されている遊技球が遊技領域6に向けて発射される場合について説明する。貯留装置25は、遊技領域6を流下し終えた遊技球を内枠21の下部で貯留して、ハンドル72kの回転操作に基づいて貯留している遊技球を遊技領域6に向けて発射するものである。
貯留装置25は、図4(A)に示すように、予め定められた数の遊技球を貯留可能な貯留部25aと、この貯留部25aに貯留されている遊技球をハンドル72kの回転角度に応じた発射強度で1球ずつ打撃することが可能な打球槌25bとを備えている。打球槌25bで打撃された遊技球は、貯留部25aから上方に向かって延びる発射経路HRを通って、遊技領域6に向かうようになっている。発射経路HRは、下端にて貯留装置25の貯留部25aに連通していて、上端にて遊技領域6に連通している。
図2に示すように、内レール62の上端が、発射経路HRの上端と遊技領域6との境界になっていて、内レール62の上端には、逆流防止部材64が設けられている。逆流防止部材64は、発射経路HRから遊技領域6への遊技球の進入を許容する一方、遊技領域6から発射経路HRへの遊技球の進入(逆流)を防止するものであり、下端を支点にして内レール62の上端に回転可能に組付けられている。具体的に、逆流防止部材64は、遊技球が発射経路HRから遊技領域6へ向かう際に、図2に示す状態から右方へ回転することで、遊技球の遊技領域6への進入を許容する。一方、逆流防止部材64は、遊技球が遊技領域6から発射経路HRへ向かう際に、図2に示す状態から左方へ回転することができずに、遊技球の発射経路HRへの進入(逆流)を防止する。
ここで図4(A)に示すように、発射経路HRには、下方に向かって分岐して延びている戻り流路MR(通過流路)が設けられている。戻り流路MRの上端は、発射経路HRに連通していて、戻り流路MRの下端は、貯留装置25の貯留部25aに連通している。戻り流路MRの上端と発射経路HRとが合流する部分には、逆流防止部材26が設けられている。ここで、発射経路HRのうち逆流防止部材26を境にして貯留装置25側を、「発射経路HRの上流側HR1」と呼び、発射経路HRのうち逆流防止部材26を境にして上側(遊技領域6側)を、「発射経路HRの下流側HR2」と呼ぶことにする。
逆流防止部材26は、発射経路HRの上流側HR1から発射経路HRの下流側HR2への遊技球の進入を許容する一方、発射経路HRの下流側HR2から発射経路HRの上流側HR1への遊技球の進入(逆流)を防止するものである。更に、逆流防止部材26は、遊技球が発射経路HRの下流側HR2を通って下方に流下する場合に、発射経路HRの上流側HR1への進入を防止しつつ、戻り流路MRに遊技球を誘導するものである。逆流防止部材26は、図4(A)に示すように、下端を支点にして発射経路HRの下壁部に回転可能に組付けられている。また逆流防止部材26は、図示しない付勢部材の付勢力によって、鉛直方向に延びる姿勢(図4(A)に示す状態)が維持されるようになっている。
よって、通常時において、貯留部25aに貯留されている遊技球は、打球槌25bによって打撃されると、図4(B)に示すように、発射経路HRに向かって上方へ発射される。このとき遊技球は、発射経路HRの上流側HR1を通過した後、逆流防止部材26を鉛直方向延びる姿勢から図4(B)に示すように左方に向かって回転させる。これにより、遊技球は発射経路HRの下流側HR2に進入することができる。その後、遊技球は発射された勢いを保ちつつ、発射経路HRの上端から遊技領域6へ進入することになる。なお逆流防止部材26は、図4(B)に示すように左方に向かって回転した後、図示しない付勢部材の付勢力によって鉛直方向に延びる姿勢(図4(A)に示す状態)にすぐに復帰する。
これに対して、イレギュラーな事態として、遊技球が発射経路HRの上流側HR1から発射経路HRの下流側HR2へ進入したものの、発射(打撃)されたときの遊技球の勢いが弱いことにより、遊技球が遊技領域6へ進入できない場合がある。この場合、遊技球は、発射経路HRの下流側HR2にて下方に向かって流下して、発射経路HRの上流側HR1へ進入しようとする。しかしながら、図4(C)に示すように、逆流防止部材26が鉛直方向に延びる姿勢から右方へ回転することができずに、遊技球は発射経路HRの上流側HR1へ進入することができない。そのため、遊技球は、逆流防止部材26によって戻り流路MRの方へ誘導されて、戻り流路MRを通って貯留部25aに戻ることになる。このようにして、貯留装置25から発射されたものの、遊技領域6に進入できなかった遊技球(所謂「ファール球」)は、必ず戻り流路MRを通過することで、再び貯留装置25へ戻ることが可能である。
次に、持ち球数表示器180(図1参照)で表示される持ち球数(現時点で遊技者が使用可能な遊技球の数)の増減について説明する。図4(A)に示すように、発射経路HRの上流側HR1の上端に、発射球検出センサ16aが配置されている。発射球検出センサ16aは、発射経路HRの上流側HR1の上端を通過する遊技球を検出するものである。そのため、貯留装置25から遊技球が発射される度に、発射球検出センサ16aによって遊技球が検出されることになる。この場合、持ち球数表示器180で表示される持ち球数は、遊技球の発射に伴って1球ずつ減少することになる。
ところで、上述したように、発射されたときの遊技球の勢いが弱いことにより、ファール球が生じる場合がある。この場合、ファール球は、遊技領域6に進入していないため、遊技に関与していない。しかしながら、ファール球であっても、遊技球が発射球検出センサ16aによって検出されているため、持ち球数が「1」だけ減少している。こうしてファール球によって、遊技者に不利益を与えるおそれがある。
そこで本形態では、図4(A)に示すように、戻り流路MRに戻り球検出センサ17aが配置されている。戻り球検出センサ17a(検出手段)は、戻り流路MRを通過する遊技球(戻り球、ファール球)を検出するものである。そのためファール球が生じた場合には、上述したように、ファール球は必ず戻り流路MRを通過することになるため、戻り球検出センサ17aによりファール球を検出することが可能である。そして、遊技球が戻り球検出センサ17aによって検出された場合には、持ち球数を「1」だけ増加することにしている。こうして、ファール球が生じた場合、持ち球数が「1」だけ減少された後に、持ち球数が「1」だけ増加されることで、遊技者に不利益を与えないようすることが可能である。なお戻り球検出センサ17aは、フォトセンサで構成されているが、戻り流路MRを通過する遊技球を検出できれば、センサの構成は適宜変更可能である。
また本形態では、一般入賞口10に入球した遊技球は一般入賞口センサ10aによって検出される。この場合、遊技者が賞球を獲得したこととして、持ち球数が「5」だけ増加する。また第1始動口11に入球した遊技球は第1始動口センサ11aによって検出される。この場合、遊技者が賞球を獲得したこととして、持ち球数が「3」だけ増加する。また第2始動口12に入球した遊技球は第2始動口センサ12aによって検出される。この場合、遊技者が賞球を獲得したこととして、持ち球数が「2」だけ増加する。また大入賞口14に入球した遊技球は大入賞口センサ14aによって検出される。この場合、遊技者が賞球を獲得したこととして、持ち球数が「15」だけ増加する。なお上記した各入賞口(一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14)への入球に基づく持ち球数の増加(賞球数)は、あくまで一例であって、適宜変更可能である。
2.遊技機の電気的構成
次に図5及び図6に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図5及び図6に示すように、パチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、持ち球数に関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100と払出制御基板170は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ610、盤ランプ54、盤可動体55k、枠ランプ212等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190(電源供給部)は、外部からAC24Vの電源を入力して、AC24Vの電源に基づいてパチンコ遊技機PY1の動作に必要な各種電圧(DC5V,DC12V,DC18V,DC24V,DC37V)の電源を生成するものである。電源基板190は、生成した電源を遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して供給する。
電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
図6に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106とが設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、一般入賞口センサ10a、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、排出口センサ15a、発射球検出センサ16a、および戻り球検出センサ17aが接続されている。
一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10内に設けられて一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。
排出口センサ15aは、遊技領域6の外側に設けられている排出経路(図示省略)内に設けられていて、排出経路を通過する遊技球を検出するものである。この排出口センサ15aにより、遊技領域6を流下した遊技球は全て検出されることになる。発射球検出センサ16aは、発射経路HRの上流側に設けられていて(図4(A)参照)、発射経路HRの上流側を通過する遊技球を検出するものである。この発射球検出センサ16aにより、貯留装置25から遊技領域6に向けて発射された遊技球は全て検出されることになる(図4(B)参照)。戻り球検出センサ17aは、戻り流路MRに設けられていて(図4(A)参照)、戻り流路MRを通過する遊技球を検出するものである。この戻り球検出センサ17aにより、遊技領域6に向けて発射された遊技球のうちファール球となった遊技球が検出されることになる(図4(C)参照)。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、普図保留表示器84、及び特別ゲーム状態表示器85が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号(賞球コマンド、発射球検出センサ16aによる検出信号、戻り球検出センサ17aによる検出信号)や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、持ち球数表示器180で表示する持ち球数を制御する。なお本パチンコ遊技機PY1は、非封入式パチンコのように、賞球払出装置の賞球モータを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行うことはない。
この払出制御基板(主基板)170は、プログラムに従って持ち球数の表示制御を実行可能な払出制御用ワンチップマイコン(以下「払出制御用マイコン」)171を実装している。払出制御用マイコン(払出制御手段、持ち球数制御手段)171には、持ち球数の表示を制御するためのプログラムを記憶した払出用ROM173、ワークメモリとして使用される払出用RAM174、払出用ROM173に記憶されたプログラムを実行する払出用CPU172、データや信号の入出力を行うための払出用I/Oポート(入出力回路)176が含まれている。なお、払出用ROM173は外付けであってもよい。
遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動して、打球槌25bにより遊技球が発射経路HRに向かって発射される(図4(B)参照)。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図6に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また図6に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161(音声制御回路)、サブドライブ基板162(サブドライブ回路)が接続されている。画像制御基板140には画像表示装置50が接続され、音声制御基板161にはスピーカ610が接続されている。またサブドライブ基板162には、盤ランプ54、盤可動体55k、枠ランプ212が接続されている。
図7に示すように、演出制御基板120の演出制御用マイコン121(演出制御手段)は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ610から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ610を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141又は画像制御基板140に設ける音声用のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
また図7に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプ駆動データともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って、盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、サブドライブ基板162にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や、盤可動体55kの駆動制御を行わせてもよい。さらにこの場合、サブドライブ基板162にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また演出制御基板120には、入力部検知センサ(演出ボタン検知センサ)40aおよびセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。入力部検知センサ40aは、入力部40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。入力部40kが押下操作されると入力部検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検知するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
なお図5及び図6は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図5及び図6に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図5及び図6に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図5及び図6に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技を特別遊技ともいう。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図7(A)(B)に示す通りである。図7(A)に示すように、大当たりには、確変大当たりと通常大当たりとの区別がある。確変大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態に制御する大当たりである。通常大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(低確率状態)に制御する大当たりである。
また大当たりには、10R大当たりと5R大当たりとがある。図7(B)に示すように、10R大当たりは、1Rから10Rまで大入賞口14を1R当たり最大25.0秒にわたって開放する大当たりである。また5R大当たりは、1Rから5Rまで大入賞口14を1R当たり最大25.0秒にわたって開放する大当たりである。なお各ラウンドにおいて、遊技球が入賞上限個数(本形態では10個)まで大入賞口14へ入賞(入球)可能である。
こうして、特図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な大当たりには、図7(A)に示すように、10R確変大当たり1(以下単に「確変大当たり1」とも呼ぶ)、10R確変大当たり2(以下単に「確変大当たり2」とも呼ぶ)、5R通常大当たり1(以下単に「通常大当たり1」とも呼ぶ)、5R通常大当たり2(以下単に「通常大当たり2」とも呼ぶ)の4種類がある。10R確変大当たり1に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_大当たり図柄1」が停止表示され、10R確変大当たり2に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_大当たり図柄2」が停止表示され、5R通常大当たり1に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_大当たり図柄3」が停止表示され、5R通常大当たり2に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_大当たり図柄4」が停止表示される。
また特図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な大当たりには、図7(A)に示すように、10R確変大当たり3(以下単に「確変大当たり3」とも呼ぶ)、10R確変大当たり4(以下単に「確変大当たり4」とも呼ぶ)、5R通常大当たり3(以下単に「通常大当たり3」とも呼ぶ)、5R通常大当たり4(以下単に「通常大当たり4」とも呼ぶ)の4種類がある。10R確変大当たり3に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_大当たり図柄1」が停止表示され、10R確変大当たり4に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_大当たり図柄2」が停止表示され、5R通常大当たり3に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_大当たり図柄3」が停止表示され、5R通常大当たり4に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_大当たり図柄4」が停止表示される。
いずれの大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技後には後述する電サポ制御状態(高ベース状態)に制御される。電サポ制御状態は、高確率状態に伴って制御される場合には実質的に次回の大当たり当選まで継続する。一方、通常確率状態(低確率状態)に伴って制御される場合には、電サポ回数(時短回数)が50回又は100回に設定される。電サポ回数とは、電サポ制御状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。図7(A)に示すように、特図1の抽選で当選可能な5R通常大当たり1又は5R通常大当たり2の場合には、時短回数が50回に設定される。一方、特図2の抽選で当選可能な5R通常大当たり3又は5R通常大当たり4の場合には、時短回数が100回に設定される。
図7(A)に示すように、特図1の抽選および特図2の抽選における大当たりの振分率は、共に確変大当たりが70%、通常大当たりが30%となっている。但し、上述したように、特図1の抽選に基づいて通常大当たりに当選した場合には時短回数が50回に設定されるのに対して、特図2の抽選に基づいて通常大当たりに当選した場合には時短回数が100回に設定される点で、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が、遊技者にとって有利である。また後述するように、特別ゲーム状態への移行のし易さ、及び特別ゲームの終了条件についても、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が、遊技者にとって有利になるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図8(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、図8(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態、低確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図9(A)参照)。つまり、特図表示器81の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特図表示器81による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図10参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図9(C)参照)。つまり、普図表示器82の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普図表示器82による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では7秒であるが、時短状態では1秒である(図19(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図11参照)。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図11参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、確変大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確高ベース状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確高ベース状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
また、通常大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することとする。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および時短状態(高ベース状態)のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域6R(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域6L(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されにくくなっており、第2始動口12への入賞よりも第1始動口11への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.特別ゲーム状態
次に、本形態の特徴である特別ゲーム状態について説明する。特別ゲーム状態は、遊技球が遊技領域6に向けて発射されても、持ち球数表示器180で表示される持ち球数が減少しない状態(フリーゲーム状態)を意味する。従って、特別ゲーム状態では、持ち球数が全く減少することがなく、各種の入賞口(第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10)への入球に基づいて持ち球数が増加することしか生じない。よって、ベース(発射球数に対する賞球数の割合)が「1」を超えないように設定されている従来の高ベース状態よりも、特別ゲーム状態の方が遊技者にとって有利な遊技状態である。
ここで本パチンコ遊技機PY1が特別ゲーム状態を設定できる理由について説明する。パチンコ遊技機においては、入賞口への遊技球の入球によらずに遊技球を獲得すること(遊技球の払い出し)は認められていない。ここで、従来の非封入式パチンコでは、封入式パチンコと異なり、持ち球数を数字(デジタル)として管理しているわけではなく、遊技球が遊技領域に向けて発射される際には、持ち球である遊技球が上皿等から必ず無くなる。従って、従来の非封入式パチンコで特別ゲーム状態を実現しようとすると、遊技球が遊技領域に向けて発射された後に、発射された数の遊技球を上皿等に払い出すという方法しかない。しかしながらこの方法では、入賞口への遊技球の入球によらずに遊技者が遊技球を獲得していることになってしまう。
これに対して、本パチンコ遊技機PY1では、封入式パチンコであるため、遊技球が遊技領域6に向けて発射されると、持ち球数表示器180にて持ち球数が数字(デジタル)として減少するだけである。そこで本形態では、特別ゲーム状態に設定されている場合には、遊技球が遊技領域6に向けて発射されても、持ち球数表示器180にて表示されている持ち球数が減少しないようにしている。こうして特別ゲーム状態では、数字としての持ち球数があくまで減少しない(維持している)だけであって、増加しているわけではない。よって、遊技者が入賞口への遊技球の入球によらずに遊技球を獲得しているわけではないと解することにより、特別ゲーム状態を実現可能にしている。
次に、特別ゲーム状態への移行条件について説明する。本形態では、特別図柄の抽選で大当たりに当選して、特別図柄(大当たり図柄)が変動表示を経て停止表示することに基づいて、特別ゲーム状態に移行し得るようにしている。但し、大当たり図柄が停止表示すれば必ず特別ゲーム状態に移行できるわけではない。
図7(A)に示すように、特図1の抽選では、10R確変大当たり1に当選した場合(特図1_大当たり図柄1が変動表示を経て停止表示する場合)、10R確変大当たり2に当選した場合(特図1_大当たり図柄2が変動表示を経て停止表示する場合)、5R通常大当たり1に当選した場合(特図1_大当たり図柄3が変動表示を経て停止表示する場合)に限り、特別ゲーム状態に移行することができる。
一方、特図2の抽選では、10R確変大当たり3に当選した場合(特図2_大当たり図柄1が変動表示を経て停止表示する場合)、10R確変大当たり4に当選した場合(特図2_大当たり図柄2が変動表示を経て停止表示する場合)、5R通常大当たり3に当選した場合(特図2_大当たり図柄3が変動表示を経て停止表示する場合)、5R通常大当たり4に当選した場合(特図2_大当たり図柄4が変動表示を経て停止表示する場合)に特別ゲーム状態に移行することができる。
こうして遊技者は、特図1_大当たり図柄1、特図1_大当たり図柄2、特図1_大当たり図柄3、特図2_大当たり図柄1、特図2_大当たり図柄2、特図2_大当たり図柄3、特図2_大当たり図柄4(特定の識別図柄)を引き当てると、大当たり遊技だけでなく、特別ゲーム状態も獲得することが可能である。従って、従来よりも大当たりを引き当てたときの高揚感を高めることが可能である。言い換えると、遊技者には、特図1_大当たり図柄1、特図1_大当たり図柄2、特図1_大当たり図柄3、特図2_大当たり図柄1、特図2_大当たり図柄2、特図2_大当たり図柄3、特図2_大当たり図柄4(特定の識別図柄)を引き当てたいという気持ちを掻き立てることが可能である。
ここで図7(A)に示すように、特図1の抽選で大当たりに当選した場合には、85%の振分率で特別ゲーム状態を獲得できるのに対して、特図2の抽選で大当たりに当選した場合には、100%の振分率で特別ゲーム状態を獲得することができる。従って、特図2の抽選の方が特図1の抽選よりも、特別ゲーム状態を獲得し易い。よって、特図2の抽選が実行される高確時短状態(高確率状態且つ時短状態)又は、低確時短状態(通常確率状態且つ時短状態)での興趣性をより高めることが可能である。特に特図2の抽選で大当たりに当選した場合には、必ず特別ゲーム状態を獲得することができる。よって、遊技者に特図2の抽選で大当たりと引き当てたいという遊技意欲をより高めることが可能である。
次に特別ゲーム状態への移行タイミングと、特別ゲームの終了条件について、図12〜図15に基づいて説明する。図12(A)に示すように、特図1の抽選で10R確変大当たり1に当選した場合、特図1_大当たり図柄1が変動表示を経て停止表示する。そして、特図1_大当たり図柄1が停止表示している時間(停止時間)が経過すると、10Rの大当たり遊技が開始される。その後、大当たり遊技が終了すると、高確時短状態が次回の大当たりに当選するまで継続する。ここで、10R確変大当たり1に当選した場合には、大当たり遊技の開始タイミングで、特別ゲーム状態に移行することになる(図7(A)参照)。この場合、特別ゲーム状態は、大当たり遊技が開始されてからアウト球数が200球に達すると終了する。つまり、10R確変大当たり1に当選した場合の特別ゲーム状態の終了条件は、特別ゲーム状態に移行してからアウト球数が200球に達することである(図7(A)参照)。なお本形態のアウト球数とは、遊技領域6を流下した全ての遊技球の数を意味していて、排出口センサ15aによって検出された遊技球の数である。従ってアウト球数は、遊技領域6に向けて発射された遊技球の数からファール球の数を除いて、遊技領域6に進入した全ての遊技球の数と同じである。
図12(B)に示すように、特図1の抽選で10R確変大当たり2に当選した場合、特図1_大当たり図柄2が変動表示を経て停止表示する。そして、特図1_大当たり図柄2が停止表示している時間(停止時間)が経過すると、10Rの大当たり遊技が開始される。その後、大当たり遊技が終了すると、高確時短状態が次回の大当たりに当選するまで継続する。ここで、10R確変大当たり2に当選した場合には、大当たり遊技の終了タイミング(高確時短状態の開始タイミング)で、特別ゲーム状態に移行することになる(図7(A)参照)。この場合、特別ゲーム状態は、高確時短状態が開始されてからアウト球数が100球に達すると終了する。つまり、10R確変大当たり2に当選した場合の特別ゲーム状態の終了条件は、特別ゲーム状態に移行してからアウト球数が100球に達することである(図7(A)参照)。
図13(A)に示すように、特図1の抽選で5R通常大当たり1に当選した場合、特図1_大当たり図柄3が変動表示を経て停止表示する。そして、特図1_大当たり図柄3が停止表示している時間(停止時間)が経過すると、5Rの大当たり遊技が開始される。その後、大当たり遊技が終了すると、時短回数が50回である低確時短状態になる。ここで、5R通常大当たり1に当選した場合には、大当たり遊技の開始タイミングで、特別ゲーム状態に移行することになる(図7(A)参照)。この場合、特別ゲーム状態は、大当たり遊技が開始されてからアウト球数が200球に達すると終了する。つまり、5R通常大当たり1に当選した場合の特別ゲーム状態の終了条件は、特別ゲーム状態に移行してからアウト球数が200球に達することである(図7(A)参照)。
図13(B)に示すように、特図1の抽選で5R通常大当たり2に当選した場合、特図1_大当たり図柄4が変動表示を経て停止表示する。そして、特図1_大当たり図柄4が停止表示している時間(停止時間)が経過すると、5Rの大当たり遊技が開始される。その後、大当たり遊技が終了すると、時短回数が50回である低確時短状態になる。ここで、5R通常大当たり2に当選した場合には、特別ゲーム状態に移行することはない(図7(A)参照)。
図14(A)に示すように、特図2の抽選で10R確変大当たり3に当選した場合、特図2_大当たり図柄1が変動表示を経て停止表示する。そして、特図2_大当たり図柄1が停止表示している時間(停止時間)が経過すると、10Rの大当たり遊技が開始される。その後、大当たり遊技が終了すると、高確時短状態が次回の大当たりに当選するまで継続する。ここで、10R確変大当たり3に当選した場合には、大当たり遊技の開始タイミングで、特別ゲーム状態に移行することになる(図7(A)参照)。この場合、特別ゲーム状態は、大当たり遊技が開始されてからアウト球数が300球に達すると終了する。つまり、10R確変大当たり3に当選した場合の特別ゲーム状態の終了条件は、特別ゲーム状態に移行してからアウト球数が300球に達することである(図7(A)参照)。
図14(B)に示すように、特図2の抽選で10R確変大当たり4に当選した場合、特図2_大当たり図柄2が変動表示を経て停止表示する。そして、特図2_大当たり図柄2が停止表示している時間(停止時間)が経過すると、10Rの大当たり遊技が開始される。その後、大当たり遊技が終了すると、高確時短状態が次回の大当たりに当選するまで継続する。ここで、10R確変大当たり4に当選した場合には、大当たり遊技の終了タイミング(高確時短状態の開始タイミング)で、特別ゲーム状態に移行することになる(図7(A)参照)。この場合、特別ゲーム状態は、高確時短状態が開始されてからアウト球数が200球に達すると終了する。つまり、10R確変大当たり2に当選した場合の特別ゲーム状態の終了条件は、特別ゲーム状態に移行してからアウト球数が200球に達することである(図7(A)参照)。
図15(A)に示すように、特図2の抽選で5R通常大当たり3に当選した場合、特図2_大当たり図柄3が変動表示を経て停止表示する。そして、特図2_大当たり図柄3が停止表示している時間(停止時間)が経過すると、5Rの大当たり遊技が開始される。その後、大当たり遊技が終了すると、時短回数が100回である低確時短状態になる。ここで、5R通常大当たり3に当選した場合には、大当たり遊技の開始タイミングで、特別ゲーム状態に移行することになる(図7(A)参照)。この場合、特別ゲーム状態は、大当たり遊技が開始されてからアウト球数が200球に達すると終了する。つまり、5R通常大当たり3に当選した場合の特別ゲーム状態の終了条件は、特別ゲーム状態に移行してからアウト球数が200球に達することである(図7(A)参照)。
図15(B)に示すように、特図2の抽選で5R通常大当たり4に当選した場合、特図2_大当たり図柄4が変動表示を経て停止表示する。そして、特図2_大当たり図柄4が停止表示している時間(停止時間)が経過すると、5Rの大当たり遊技が開始される。その後、大当たり遊技が終了すると、時短回数が100回である低確時短状態になる。ここで、5R通常大当たり4に当選した場合には、大当たり遊技の終了タイミング(低確時短状態の開始タイミング)で、特別ゲーム状態に移行することになる(図7(A)参照)。この場合、特別ゲーム状態は、低確時短状態が開始されてからアウト球数が100球に達すると終了する。つまり、5R通常大当たり4に当選した場合の特別ゲーム状態の終了条件は、特別ゲーム状態に移行してからアウト球数が100球に達することである(図7(A)参照)。
上記したように特別ゲーム状態に設定されることによる作用効果について、以下に説明する。本形態の10R大当たり遊技では、10ラウンドであって1ラウンド当たり最大10球まで大入賞口14に入球させることができる。但し遊技領域6に発射された遊技球が全て大入賞口14に入球するわけではないため、仮定として3球のうち1球は大入賞口14に入球しないこととする。この場合、10R大当たり遊技が開始されてから終了するまでに遊技領域6に発射される遊技球の数は、約150球といえる。ところで、図12(A)に示す10R確変大当たり1の場合には大当たり遊技が開始されてからアウト球数が200球になるまで特別ゲーム状態が維持され、図14(A)に示す10R確変大当たり3の場合には大当たり遊技が開始されてからアウト球数が300球になるまで特別ゲーム状態が維持される。従ってこの場合、大当たり遊技が開始されてから終了するまで常に特別ゲーム状態である。よって、10R大当たり遊技で獲得する賞球数の全てを持ち球数の増加にすることができて、遊技者に大きな特典を与えることが可能である。
要するに従来のパチンコ遊技機(非封入式パチンコ)では、大当たり遊技中であっても、遊技球を遊技領域6に発射させているため、その分の持ち球は減ることになる。更に、遊技領域6を流下する遊技球が全て大入賞口14に入球できるわけではない。従って、遊技者から見て大当たり遊技での獲得予定賞球数が実質的に十分に得られない事態がある。これに対して本形態では、大当たり遊技中に特別ゲーム状態に設定されると、持ち球数が全く減らない。よって、上述したように大当たり遊技での獲得予定賞球数が実質的に十分に得られないという事態が生じるのを防ぐことが可能である。
ここで、図12(A)に示す10R確変大当たり1の場合、図14(A)に示す10R確変大当たり3の場合には、大当たり遊技状態(大当たり遊技が実行されているときの遊技状態、特別遊技状態)と高確時短状態とに跨って、特別ゲーム状態に設定されることになる。よって遊技者にとっては、大当たり遊技状態と高確時短状態という2つの有利な状態において、長い間持ち球数を減らさずに遊技を実行することが可能である。
また同様に、本形態の5R大当たり遊技では、5ラウンドであって1ラウンド当たり最大10球まで大入賞口14に入球させることができる。但し遊技領域6に発射された遊技球が全て大入賞口14に入球するわけではないため、仮定として3球のうち1球は大入賞口14に入球しないこととする。この場合、5R大当たり遊技が開始されてから終了するまでに遊技領域6に発射される遊技球の数は、約75球といえる。ところで、図13(A)に示す5R通常大当たり1の場合、図15(A)に示す5R通常大当たり3の場合には、大当たり遊技が開始されてからアウト球数が200球になるまで特別ゲーム状態が維持される。従ってこの場合、大当たり遊技が開始されてから終了するまで常に特別ゲーム状態である。よって、5R大当たり遊技で獲得する賞球数の全てを持ち球数の増加にすることができる。
ここで、図13(A)に示す5R通常大当たり1の場合、図15(A)に示す5R通常大当たり3の場合には、大当たり遊技状態(大当たり遊技が実行されているときの遊技状態、特別遊技状態)と低確時短状態とに跨って、特別ゲーム状態に設定されることになる。よって遊技者にとっては、大当たり遊技状態と低確時短状態という2つの有利な状態において、長い間持ち球数を減らさずに遊技を実行することが可能である。
また本形態では、図7(A)に示すように、特図1の抽選で大当たりに当選した場合に特別ゲーム状態に移行できる大当たりは、10R確変大当たり1、10R確変大当たり2、5R通常大当たり1である。これらの大当たりに当選した場合の特別ゲーム状態の終了条件は、順番に、200球のアウト球数に達すること、100球のアウト球数に達すること、200球のアウト球数に達することである。一方、特図2の抽選で大当たりに当選した場合に特別ゲーム状態に移行できる大当たりは、10R確変大当たり3、10R確変大当たり4、5R通常大当たり3、5R通常大当たり4である。これらの大当たりに当選した場合の特別ゲーム状態の終了条件は、順番に、300球のアウト球数に達すること、200球のアウト球数に達すること、200球のアウト球数に達すること、100球のアウト球数に達することである。
こうして、第2始動口12に遊技球が入球したことに基づいて移行する特別ゲーム状態は、第1始動口11に遊技球が入球したことに基づいて移行する特別ゲーム状態よりも、特別ゲーム状態が継続し易くなっている。よって、遊技球が第2始動口12に入球するときには(高確時短状態又は低確時短状態では)、遊技球が第1始動口11に入球するとき(通常遊技状態)よりも、特別ゲーム状態の獲得にする期待感を高めることが可能である。
また本形態では、図12(B)に示す10R確変大当たり2の場合、高確時短状態の開始タイミングで特別ゲーム状態に移行する。従って遊技者は、高確時短状態によって有利になっているだけでなく、特別ゲーム状態によって持ち球数を減らさずに、第2始動口12への入球に基づく賞球を獲得することが可能である。従って、高確時短状態が更に有利になるという斬新な興趣性を提供することが可能である。特に、高確時短状態では、時短状態によって第2特別図柄の変動時間が短くなり易い。従って、持ち球数を減らさずにスピーディーな遊技を行うことができて、斬新な時短状態であると感じさせることが可能である。また高確時短状態では、電サポ制御状態によって第2始動口12が頻繁に開放する。従って、持ち球数を減らさずに第2始動口12への入球による賞球を頻繁に獲得できて、斬新な電サポ制御状態であると感じさせることが可能である。更に高確時短状態では、高確率状態によって特別図柄の抽選で大当たりに当選し易い。従って、持ち球数を減らさずに次回の大当たりへの当選が狙い易いため、斬新な高確率状態と感じさせることが可能である。
また本形態では、図13(B)に示す5R通常大当たり2の場合、又は図15(B)に示す5R通常大当たり4の場合、低確時短状態の開始タイミングで特別ゲーム状態に移行する。従って遊技者は、低確時短状態によって有利になっているだけでなく、特別ゲーム状態によって持ち球数を減らさずに、第2始動口12への入球に基づく賞球を獲得することが可能である。従って、低確時短状態が更に有利になるという斬新な興趣性を提供することが可能である。言い換えると、従来の低確時短状態ではベースが「1」を超えることがなかったが、5R通常大当たり2又は5R通常大当たり4に当選した場合の低確時短状態では、ベースが「1」を超える(持ち球数が増えていく)という斬新な低確時短状態を提供することが可能である。
また本形態では、図12(B)に示す10R確変大当たり2の場合、図14(B)に示す10R確変大当たり4の場合、図15(B)に示す5R通常当たり4の場合には、大当たり遊技が終了したときに特別ゲーム状態に移行する。よって、大当たり遊技で多くの賞球を獲得した後に、特別ゲーム状態を伴う高確時短状態又は低確時短状態で持ち球数を減らさずに賞球(具体的には電チュー12Dへの入球による賞球)を獲得することができる。こうして大当たり遊技から特別ゲーム状態までの一連の長い有利な状態を堪能することが可能である。
また本形態では、図14(A)に示す10R確変大当たり3の場合に移行する特別ゲーム状態では、アウト球数が300(特定数)に達すると、当該特別ゲーム状態が終了する。また図12(A)に示す10R確変大当たり1の場合、図13(A)に示す5R通常大当たり1の場合、図14(B)に示す10R確変大当たり4の場合、図15(A)に示す通常大当たり3の場合に移行する特別ゲーム状態では、アウト球数が200(特定数)に達すると、当該特別ゲーム状態が終了する。また図15(B)に示す通常大当たり4の場合に移行する特別ゲーム状態では、アウト球数が100球(特定数)に達すると、当該特別ゲーム状態が終了する。こうして本形態では、特別ゲーム状態に移行した場合に、300、200、又は100という特定数の遊技球に限って、フリー(無料)で遊技を楽しむという斬新な興趣性を提供することが可能である。
また本形態では、通常遊技状態においては、図7(A)に示すように、特図1_大当たり図柄2(10R確変大当たり2、第1の特定の識別図柄)を引き当てれば、100(第1の特定数)球の遊技球に限って、特別ゲーム状態を楽しむことができる。その一方で、特図1_大当たり図柄1(10R確変大当たり1、第2の特定の識別図柄)を引き当てれば、200(第2の特定数)球の遊技球に限って、特別ゲーム状態を楽しむことができる。こうして、高確時短状態に移行可能であって且つ特別ゲーム状態に移行可能な特図1_大当たり図柄1、又は特図1_大当たり図柄2であっても、長く特別ゲーム状態を楽しむことができる特図1_大当たり図柄1の方をより引き当てたいという斬新な興趣性を提供することが可能である。
また本形態では、高確時短状態においては、図7(A)に示すように、特図2_大当たり図柄2(10R確変大当たり4)を引き当てれば、200球の遊技球に限って、特別ゲーム状態を楽しむことができる。その一方で、特図2_大当たり図柄1(10R確変大当たり3)を引き当てれば、300球の遊技球に限って、特別ゲーム状態を楽しむことができる。こうして、高確時短状態に移行可能であって且つ特別ゲーム状態に移行可能な特図2_大当たり図柄1、又は特図2_大当たり図柄2であっても、長く特別ゲーム状態を楽しむことができる特図2_大当たり図柄1の方をより引き当てたいという斬新な興趣性を提供することが可能である。
ところで本形態では、特別ゲーム状態に関する演出として、特別ゲーム状態開始演出、残特別ゲーム状態演出、特別ゲーム状態終了演出を実行可能である。特別ゲーム状態開始演出は、特別ゲーム状態に移行したときに特別ゲーム状態が開始されることを示唆するものである。具体的に、特別ゲーム状態開始演出では、図41(B)に示すように、表示画面50aの上部にて「特別ゲーム突入」を示す特別ゲーム突入画像FG1が示される。
また残特別ゲーム状態演出(終了条件示唆演出)は、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数(条件)を示唆することで、特別ゲーム状態があとどのくらい継続するのかを把握させ易くするものである。具体的に、残特別ゲーム状態演出では、例えば特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数が残り70球である場合には、図41(G)に示すように、表示画面50aの右上部にて「残70球」を示す残り球数画像FG2が示される。
また特別ゲーム状態終了演出は、特別ゲーム状態が終了したときに特別ゲーム状態が終了したことを示唆するものである。具体的に、特別ゲーム状態終了演出では、図41(J)に示すように、表示画面50aの上部にて「特別ゲーム終了」を示す特別ゲーム終了画像FG4が示される。
また本形態では、特別ゲーム状態開始演出が開始された後で特別ゲーム状態終了演出が開始される前に、特別ゲーム中演出が実行される。特別ゲーム中演出(特別ゲーム状態報知)は、特別ゲーム状態に設定されている場合に、画像表示装置50の表示画面50aにて特別ゲーム状態に設定されていることを示すものである。具体的に、特別ゲーム中演出では、図41(C)に示すように、表示画面50aの左上部にて「特別ゲーム中」を示す特別ゲーム中画像FG3が示される。
ここで上述した特別ゲーム状態開始演出、残特別ゲーム演出、特別ゲーム状態終了演出、特別ゲーム中演出は、全て画像表示装置50を用いて実行される。即ち、特別ゲーム状態に関する演出を、既存の演出手段である画像表示装置50を用いて実行するようにしている。従って、既存の演出手段を用いつつ、特別ゲーム状態の開始、特別ゲーム状態に設定されていること、特別ゲーム状態が終了するまでに要する条件、特別ゲーム状態の終了を演出として分かり易く示すことが可能である。
なお本形態では、特別ゲーム状態に設定されていないときには、特別ゲーム状態表示器85(図3参照)が消灯していて、特別ゲーム状態が開始されてから特別ゲーム状態が終了するまで、特別ゲーム状態表示器85が点灯する。よって遊技者は、表示器類8を視認することで、特別ゲーム状態に設定されているか否かを把握することが可能である。
6.遊技制御用マイコン101の動作
[主制御メイン処理]次に図16〜図34に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、遊技用ROM103から図16に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図8に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図17に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで後述する入力処理を実行する(S102)。次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図16の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図9に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、および特別動作処理(S106)を実行する。その後、その他の処理(S107)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S107)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器83bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器83aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図16参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[入力処理]図18に示すように、入力処理(S102)ではまず、遊技制御用マイコン101は、特別ゲームカウンタが「0」より大きいか否かを判定する(S110)。特別ゲームカウンタは、特別ゲーム状態に設定されているときに当該特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数をカウントするものである。即ち、特別ゲームカウンタには初期設定で「0」がセットされていて、後述する遊技状態管理処理(S1902)又は遊技状態設定処理(S2218)で特別ゲーム状態の終了条件に応じたアウト球数の値(図7(A)参照)がセットされるようになっている。
特別ゲームカウンタの値が「0」より大きくない(S110でNO)、即ち特別ゲームカウンタの値が「0」であれば、特別ゲーム状態に設定されていないことになり、ステップS118に進む。一方、特別ゲームカウンタの値が「0」より大きければ(S110でYES)、続いて、排出口センサ15aによる検出信号を受信したか否かを判定する。即ち、遊技領域6を流下し終えた遊技球(排出経路を通過するアウト球)が検出されたか否かを判定する。排出口センサ15aによる検出信号を受信していなければ(S111でNO)、特別ゲーム状態の終了条件の成立に近づくことはないため、ステップS118に進む。
これに対して、排出口センサ15aによる検出信号を受信していれば(S111でYES)、特別ゲームカウンタの値を「1」だけ減算する(S112)。続いて、特別ゲームカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S113)。特別ゲームカウンタの値が「0」であれば(S113でYES)、特別ゲーム状態が終了するタイミングである。従ってこの場合には、特別ゲーム状態表示器消灯処理(S114)により、特別ゲーム状態表示器85を点灯から消灯に切替える。これにより、表示器類8を見ている遊技者は、特別ゲーム状態表示器85が消灯することで、特別ゲーム状態が終了したことを把握することが可能である。
次に、遊技制御用マイコン101は、特別ゲーム終了コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S115)。この特別ゲーム終了コマンドは、出力処理(S101)により払出制御基板170に送信される。これにより後述するように、払出制御基板170の払出制御用マイコン171は、特別ゲーム状態が終了したことを把握する。続いて、特別ゲームエンドコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S116)、ステップS118に進む。特別ゲームエンドコマンドは、出力処理(S101)により演出制御基板120に送信される。これにより後述するように、演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、表示画面50aにて特別ゲーム状態終了演出(図41(J)参照)を実行する。
一方、ステップS113において、特別ゲームカウンタが「0」でないと判定すれば(S113でNO)、即ち特別ゲーム状態が継続していると判定すれば、残特別ゲームコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S117)、ステップS118に進む。残特別ゲームコマンドは、出力処理(S101)により演出制御基板120に送信される。これにより後述するように、演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、表示画面50aにて残特別ゲーム状態演出(図41(D)参照)を実行する。
ステップS118では、その他の入力処理を実行して、本処理を終える。その他の入力処理(S118)では、主にパチンコ遊技機PY1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a等(図5参照))が検出した検出信号を読み込み、賞球コマンド(賞球情報)として遊技用RAM104の出力バッファに記憶(セット)する。
[センサ検出処理]図19に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート13に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート13を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理を行う(S202)。一方、遊技球がゲート13を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS207に進むが、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合(S204でYES)には、ステップS207に進むが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理を行う(S206)。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図8(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部105bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部105bの記憶領域に格納する。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S207)。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)には処理を終えるが、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S208)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S208でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S208でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S209)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S210)を行って、本処理を終える。特図1関係乱数取得処理(S210)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図8(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部105aのうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部105aの記憶領域に格納する。
[ゲート通過処理]図20に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否かを判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理を行う(S303)。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値、図8(B)参照)を取得し、その取得乱数値を遊技用RAM104の普図保留記憶部106のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う(図17参照)。図21に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー12Dの作動中か否かを判定する(S401)。電チュー12Dの作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理を行う(S405)。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部106に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出し、図9(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン101は、普通図柄変動時間決定処理を行う(S407)。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図9(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が7秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン101は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部106における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部106における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン101は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、演出制御基板120に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、演出制御基板120に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー12Dの開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図11の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図11の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー12Dを作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー12Dの作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー12Dの作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー12Dの作動を終了させる(S420)。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)に次いで特別動作処理(S106)を行う(図17参照)。図22に示すように特別動作処理(S106)では、特図表示器81および大入賞装置14Dに関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図23に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口12の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口11の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1415)。ONであれば(S1415でYES)本処理を終え、ONでなければ(S1415でNO)、客待ちコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットするとともに(S1416)、客待ちフラグをONにして(S1417)、本処理を終える。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部105bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1405)。続いて遊技制御用マイコン101は、特図2変動開始処理(S1406)を実行して、ステップS1413に進む。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン101は、特図1変動開始処理(S1412)を実行して、ステップS1413に進む。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
ステップS1413に進むと客待ちフラグがONか否かを判定し、ONであれば客待ちフラグをOFFして(S1414)、処理を終える。上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図24に基づいてまとめて説明する。図24に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、遊技用RAM104の第2特図保留記憶部105bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、遊技用RAM104の第1特図保留記憶部105aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図9(A))をセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図9(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「1」〜「210」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図9(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「1」〜「1660」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図7(A)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて当たり種別を判定する(S1506)。当たり種別を判定した後(S1506)、大当たりフラグをONにするとともに(S1507)、当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図7(A)参照)を、遊技用RAM104に設けた当たり種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1508)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため図25及び図26に基づいてまとめて説明する。図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。
時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、非時短状態中大当たり通常テーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1603)。図10に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
本パチンコ遊技機PY1の変動演出では、ドハズレ、ノーマルリーチの他、SP(スーパーリーチ)が実行され得る。ドハズレとは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせが、バラケ目(例えば「458」)で停止表示される変動演出のことである。ノーマルリーチは、上述したリーチを形成した後に発展演出が実行されずに、変動表示し続けている残り一つの演出図柄が停止表示される変動演出のことである。SPリーチは、上述したリーチを形成した後に発展演出が実行されて、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長い変動演出のことである。こうして本形態では、ドハズレ、ノーマルリーチ、SPリーチが実行され得るように、変動パターンが選択される。
SPリーチでは、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている(図10参照)。従って遊技者は、変動時間が長いSPリーチを見れば、ノーマルリーチよりも当選期待度が高いことを把握することができる。ここでSPリーチの中には、弱SPリーチA、弱SPリーチB、強SPリーチという種類が設けられている。弱SPリーチA⇒弱SPリーチB⇒強SPリーチの順番に、大当たりへの当選期待度が高くなるように、各種の変動パターンの振分率が設定されている。よって遊技者は、強SPリーチを見れば当選期待度が非常に高いことを把握することができ、弱SPリーチBを見れば当選期待度がある程度高いことを把握することができ、弱SPリーチAを見れば当選期待度があまり高くないことを把握することができる。
図25に示すステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1604)。なお、図9(B)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「1」〜「30」であり、時短状態であれば「1」〜「10」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1604でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1604でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1606)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている(図10参照)。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図26に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1602〜S1606と同様の流れで処理(S1607〜S1611)を行う。
すなわち大当たりであれば、図10の時短状態中且つ大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。またリーチ有りハズレであれば、図10の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1610)。またリーチ無しハズレであれば、図10の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。
なお、時短状態中の特図変動パターン判定テーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、短縮変動としての変動時間は、時短状態中の方が非時短状態中よりも短くなっている。つまり、時短状態中の特図変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の特図変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図25に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1612)、本処理を終える。ステップS1612でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1302)におけるステップS1406又はS1412でセットされる変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)により演出制御基板120に送られる。
[特別図柄変動中処理]図27に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図10参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1801でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1802)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1803)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1804)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図28に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる停止時間、図10参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。経過していなければ(S1901でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1901でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1902)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1903)。大当たりフラグがONであれば(S1903でYES)、当選した大当たりの種別に応じた開放パターン(詳しくは図7(B)参照)をセットする(S1904)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1904に続いて、遊技状態リセット処理を行う(S1905)。遊技状態リセット処理(S1905)ではまず、確変フラグがONであれば確変フラグをOFFにして、時短フラグがONであればOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1906)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1907)。そして特別動作ステータスを「4」にセットして(S1908)、本処理を終える。
また、ステップS1903において大当たりフラグがONでなければ(S1903でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1909)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図29に示すように、遊技状態管理処理(S1902)ではまず、確変フラグがONか否か判定する(S2001)。ONであれば(S2001でYES)、高確率状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントして(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFにして(S2004)、ステップS2005に進む。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。
ステップS2005では、時短フラグがONか否か判定する。ONであれば(S2005でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントして(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2007)。「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFにして(S2008)、ステップS2009に進む。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2009に進む。ステップS2009では、現在の遊技状態の情報(確変フラグ及び時短フラグがON又はOFFの何れであるかの情報)、確変カウンタの値及び時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、ステップS2010に進む。
ステップS2010では、確変大当たり1、確変大当たり3、通常大当たり1、通常大当たり3(図7(A)参照)に当選したか否かを判定する。なおこれらの大当たりは、大当たり遊技が開始されるときに特別ゲーム状態に移行することができる大当たりである。ステップS2010の判定結果がNOであれば、本処理を終える。一方、ステップS2010の判定結果がYESであれば、特別ゲーム状態に移行することになるため、ステップS2011に進む。
ステップS2011では、特別ゲーム状態表示器点灯処理により、特別ゲーム状態表示器85を点灯させる。続いて、特別ゲーム移行コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2012)。この特別ゲーム移行コマンドは、出力処理(S101)により払出制御基板170に送信される。これにより後述するように、払出制御基板170の払出制御用マイコン171は、特別ゲーム状態が開始したことを把握する。続いて、特別ゲームスタートコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2013)。この特別ゲームスタートコマンドは、出力処理(S101)により演出制御基板120に送信される。これにより後述するように、演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、表示画面50aにて特別ゲーム状態開始演出(図41(B)参照)を実行する。
続いて、当選した大当たりの種類に応じて、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数の値を、特別ゲームカウンタにセットして(S2014)、本処理を終える。具体的に、確変大当たり1の場合には特別ゲームカウンタに「200」をセットし、確変大当たり3の場合には特別ゲームカウンタに「300」をセットし、通常大当たり1の場合には特別ゲームカウンタに「200」をセットし、通常大当たり3の場合には特別ゲームカウンタを「200」にセットする(図7(A)参照)。
[特別電動役物処理(大当たり遊技)]図30に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞口14の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口14の開放中か否かを判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口14を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たり遊技のオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口14を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、大当たりの種類に応じた開放パターン(図7(B)参照)に従って大入賞口14を開放させる(S2204)。
続くステップS2205では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2205)では、ステップS2204での大入賞口14の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口14の開放がなされることはない。そのため、このステップS2205では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理(S1307)のステップS2202において、大入賞口14の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口14の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2206)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口14への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり10個)に達したこと、又は、大入賞口14を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口14を開放してから所定の開放時間(図7(B)参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口14の閉鎖条件が成立していなければ(S2206でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口14の閉鎖条件が成立している場合には(S2206でYES)、大入賞口14を閉鎖(閉塞)する(S2207)。そしてステップS2207の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了するか否かを判定する(S2208)。1回のラウンド遊技が終了しない場合には(S2208でNO)、本処理を終える。一方、1回のラウンド遊技が終了する場合には(S2208でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2209)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2210)。「0」でなければ(S2210でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2210でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2211)、大当たりのエンディングを開始する(S2212)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2213)、処理を終える。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディング時間が経過したか否かを判定する(S2214)。エンディング時間が経過していなければ(S2214でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2214でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2215)、大当たりフラグをOFFし(S2216)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2217)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)において、特別動作処理(図22参照)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、後述の遊技状態設定処理(S2218)を行って、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図31に示すように、遊技状態設定処理(S2218)ではまず、大当たりの種類が確変大当たり(確変大当たり1、確変大当たり2、確変大当たり3、確変大当たり4、図7(A)参照)であるか否かを判定する(S2301)。確変大当たりでなければ(S2301でNO)、時短フラグをONして(S2306)、通常大当たり1又は通常大当たり2であるか否かを判定する。つまり特図1の抽選で当選した通常大当たりであるか否かを判定する。通常大当たり1又は通常大当たり2であれば(S2307でYES)、時短カウンタに「50」をセットして(S2308)、ステップS2310に進む。こうして、通常大当たり1又は通常大当たり2に当選した場合には、大当たり遊技後に時短回数が50回である低確時短状態に制御される。一方、通常大当たり1又は通常大当たり2でなければ(S2307でNO)、特図2の抽選で当選した通常大当たり3又は通常大当たり4であるため、時短カウンタに「100」をセットして(S2309)、ステップS2310に進む。こうして、通常大当たり3又は通常大当たり4に当選した場合には、大当たり遊技後に時短回数が100回である低確時短状態に制御される。
一方、ステップS2301において確変大当たりであれば、確変フラグをONするとともに(S2302)、時短フラグをONにする(S2303)。そして確変カウンタに「10000」をセットすると共に(S2304)、時短カウンタに「10000」をセットして(S2305)、ステップS2310に進む。こうして、確変大当たりに当選した場合には、次回の大当たりに当選するまで高確時短状態に制御される。つまり、確変カウンタの値及び時短カウンタの値が「10000」から「0」になるまで特別図柄の変動表示が実行されることがほぼあり得ないため、確変フラグ及び時短フラグが次回の大当たり遊技が開始されるまでOFFされることがない。なお確変カウンタを設けずに確変フラグだけを用いて、高確率状態が次の大当たりに当選するまで継続するようにしても良い。
ステップS2310では、現在の遊技状態の情報(確変フラグ及び時短フラグがON又はOFFの何れであるかの情報)、確変カウンタの値及び時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、ステップS2311に進む。
ステップS2311では、確変大当たり2、確変大当たり4、通常大当たり4(図7(A)参照)に当選したか否かを判定する。なおこれらの大当たりは、大当たり遊技が終了したときに特別ゲーム状態に移行することができる大当たりである。ステップS2311の判定結果がNOであれば、本処理を終える。一方、ステップS2311の判定結果がYESであれば、特別ゲーム状態に移行することになるため、ステップS2312に進む。
ステップS2312では、特別ゲーム状態表示器点灯処理により、特別ゲーム状態表示器85を点灯させる。続いて、特別ゲーム移行コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2313)。この特別ゲーム移行コマンドは、出力処理(S101)により払出制御基板170に送信される。これにより後述するように、払出制御基板170の払出制御用マイコン171は、特別ゲーム状態が開始したことを把握する。続いて、特別ゲームスタートコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2314)。この特別ゲームスタートコマンドは、出力処理(S101)により演出制御基板120に送信される。これにより後述するように、演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、表示画面50aにて特別ゲーム状態開始演出(図41(B)参照)を実行する。
続いて、当選した大当たりの種類に応じて、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数の値を、特別ゲームカウンタにセットして(S2315)、本処理を終える。具体的に、確変大当たり2の場合には特別ゲームカウンタに「100」をセットし、確変大当たり4の場合には特別ゲームカウンタに「200」をセットし、通常大当たり4の場合には特別ゲームカウンタに「100」をセットする(図7(A)参照)。
7.払出制御用マイコン171の動作
[払出タイマ割り込み処理]次に図32〜図34に基づいて払出制御用マイコン171の動作について説明する。払出制御用マイコン171は、払出制御基板170に数msec(例えば4msec)周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図32に示すように、払出制御用マイコン171は、まず後述する入力処理を実行する(S3001)。次いで、払出用RAM174にセットした信号(コマンド等)を遊技制御基板100に出力する出力処理を実行する(S3002)。なお本パチンコ遊技機PY1では、封入式パチンコであって賞球払出装置が設けられていないため、払出制御用マイコン171は賞球払出装置の賞球モータを駆動する賞球モータ制御処理を実行する必要がない。出力処理(S3002)の後、その他の処理を実行して(S3003)、本処理を終える。
[入力処理]図33に示すように、入力処理(S3001)ではまず、払出制御用マイコン171は、カードユニットCUから貸球情報信号を受信したか否かを判定する(S3101)。受信していなければ(S3101でNO)、ステップS3103に進む。一方、受信していれば(S3101でYES)、貸球情報信号に含まれる情報に基づいて遊技者に貸し出す貸球数を、遊技者の持ち球数に設定する持ち球数設定処理を実行して(S3102)、ステップS3103に進む。また持ち球数設定処理(S3102)では、貸球情報信号に含まれる情報に基づいて遊技者に貸し出す貸球数を、持ち球数表示器180にて既に表示されている持ち球数に対して加算した状態で表示する。
ステップS3103では、発射球検出センサ16aによる検出信号を受信したか否かを判定する。受信していなければ(S3103でNO)、遊技者が遊技球を発射させた状況でないため、ステップS3106に進む。一方、受信していれば(S3103でYES)、特別ゲーム状態フラグがOFFであるか否かを判定する(S3104)。特別ゲーム状態フラグは、払出制御用マイコン171が現時点で特別ゲーム状態に設定されている否かを判断するためのものであり、ONであれば特別ゲーム状態に設定されていることを意味する。特別ゲーム状態フラグがOFFであれば(S3104でYES)、持ち球数表示器180にて表示している持ち球数を「1」だけ減少させる持ち球数減算処理を実行して(S3105)、ステップS3106に進む。これに対して、特別ゲーム状態フラグがOFFでない(S3014でNO)、つまり特別ゲーム状態に設定されていれば、持ち球数減算処理(S3105)をパスして、ステップS3106に進む。こうして特別ゲーム状態に設定されている場合には、持ち球数減算処理(S3105)をパスして持ち球数が減算されないため、遊技者はフリー(無料)で遊技を実行することが可能である。
ステップS3106では、戻り球検出センサ17aによる検出信号を受信したか否かを判定する。受信していなければ(S3106でNO)、戻り流路MRを遊技球が通過しておらず、ファール球が生じていない。よってこの場合には、直ちにステップS3107に進む。一方、受信していれば(S3106でYES)、ファール球が生じている。よってこの場合には、持ち球数表示器180にて表示している持ち球数を「1」だけ増加させる持ち球数加算処理を実行して(S3107)、ステップS3108に進む。こうしてファール球が生じても、遊技者の持ち球数が実質的に減少することがなくて、遊技者に不利益が生じるのを防ぐことが可能である。
ステップS3108では、遊技制御基板100から賞球コマンドを受信したか否かを判定する。受信していなければ(S3108でNO)、図34に示すステップS3111に進む。一方、受信していれば(S3108でYES)、賞球コマンドに含まれる情報(賞球数の情報、どの入賞口に入賞したかを判別可能な情報)を解析する賞球コマンド解析処理を実行する(S3109)。次いで、賞球コマンドの解析結果に基づいて、持ち球数表示器180にて表示している持ち球数を増加させる持ち球数加算処理を実行して(S3110)、図34に示すステップS3111に進む。
図34に示すように、ステップS3111では、遊技制御基板100から特別ゲーム移行コマンドを受信したか否かを判定する。受信していなければ(S3111でNO)、特別ゲーム状態に移行するタイミングでないため、ステップS3113に進む。一方、受信していれば(S3111でYES)、特別ゲーム状態フラグをONにして(S3112)、ステップS3113に進む。ステップS3113では、遊技制御基板100から特別ゲーム終了コマンドを受信したか否かを判定する。受信していなければ(S3113でNO)、特別ゲーム状態を終了タイミングでないため、ステップS3115に進む。一方、受信していれば(S3113でYES)、特別ゲーム状態フラグをOFFにして(S3114)、ステップS3115に進む。ステップS3115では、その他の処理(その他のセンサによる検出信号に基づく処理など)を実行して、本処理を終える。
8.演出制御用マイコン121の動作
[サブ制御メイン処理]次に図35〜図40に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、演出用ROM123から図35に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、演出用RAM124の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、演出用RAM124の初期化をせずにステップS4004に進む。即ち電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであっても演出用RAM124内容が正常でない場合には(S4002でNO)、演出用RAM124を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったが演出用RAM124内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、演出用RAM124を初期化しない。なお、演出用RAM124を初期化すれば、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン抽選乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、コマンドに従い画像表示装置50を用いて各種の演出(変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出等)を実行する。なお、画像制御基板140による各種の演出の実行に伴って演出制御基板120は、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声を出力したり、サブドライブ基板162を介して盤ランプ54や枠ランプ212を発光させたり、盤可動体55kを駆動させたりする。演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)は、遊技制御基板100から送られたストローブ信号(STB信号)が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されることに基づいて行われる。つまり、ストローブ信号が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されなければ、受信割り込み処理(S4008)は行われない。図36に示すように、受信割り込み処理(S4008)では、遊技制御基板100から送信されてきた各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する(S4101)。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図37に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、入力部検知センサ40a(図6参照)、セレクトボタン検知センサ42aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ54や枠ランプ212を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理(S4010)におけるその他の処理(S4305)で作成したランプデータをサブドライブ基板162に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ54や枠ランプ212を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理を行う(S4203)。駆動制御処理(S4203)では、SPリーチや大当たり演出中等の演出に合うタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データ(盤可動体駆動データ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。
駆動制御処理(S4203)の後、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図38に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。
続いて、1msタイマ割り込み処理(S4009)の入力処理(S4201)で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。そして、スイッチ状態取得処理(S4302)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
続いて、音声制御処理(S4304)を行う。音声制御処理(S4304)では、音声データ(スピーカ610からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板161への出力や、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ610から出力される。そして、各種の演出用の乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4305)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図39に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信していればモードステータス設定処理を行う(S4402)。モードステータス設定処理(S4402)では、受信した遊技状態指定コマンドを解析して、遊技状態指定コマンドに含まれる遊技状態の情報に基づいて、モードステータスの値を設定する。モードステータスの値は、通常遊技状態であれば「1」に設定され、高確高ベース状態であれば「2」に設定され、低確時短状態であれば「3」に設定される。こうして演出制御用マイコン121は、現時点での遊技状態を把握することが可能である。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4404)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンド(特図1変動停止コマンド又は特図2変動停止コマンド)を受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S4406)。変動演出終了処理(S4406)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S4408)。オープニング演出選択処理(S4408)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S4410)。ラウンド演出選択処理(S4410)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4412)。エンディング演出選択処理(S4412)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特別ゲームスタートコマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していれば特別ゲーム開始演出選択処理を行う(S4414)。特別ゲーム開始演出選択処理(S4414)では、特別ゲーム状態開始演出を実行するための特別ゲーム状態開始演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、特別ゲーム状態開始演出コマンドを受信した画像制御基板140の画像用CPU141は、図41(B)に示すように、表示画面50aの上部にて「特別ゲーム突入」を示す特別ゲーム突入画像FG1を表示させる。また画像制御基板140の画像用CPU141は、特別ゲーム状態開始演出を実行した場合、特別ゲーム突入画像FG1を表示し終えてから特別ゲーム終了画像FG4の表示を開始するまで、表示画面50aの左上部にて特別ゲーム中演出として「特別ゲーム中」を示す特別ゲーム中画像FG3(図41(C)〜図41(I)参照)を表示するようになっている。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から残特別ゲームコマンドを受信したか否か判定し(S4415)、受信していれば残特別ゲーム演出選択処理を行う(S4416)。残特別ゲーム演出選択処理(S4416)では、残特別ゲームコマンドを解析して、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数を把握する。そして、そのアウト球数の情報を含む残特別ゲーム状態演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、残特別ゲーム状態演出コマンドを受信した画像制御基板140の画像用CPU141は、例えば図41(G)に示すように、表示画面50aの右上部にて「残70球」を示す残り球数画像FG2を表示する。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特別ゲームエンドコマンドを受信したか否か判定し(S4417)、受信していれば特別ゲーム終了演出選択処理を行う(S4418)。特別ゲーム終了演出選択処理(S4418)では、特別ゲーム状態終了演出を実行するための特別ゲーム状態終了演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、特別ゲーム状態終了演出コマンドを受信した画像制御基板140の画像用CPU141は、図41(J)に示すように、表示画面50aの上部にて「特別ゲーム終了」を示す特別ゲーム終了画像FG4を表示させる。
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S4419)として上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば客待ちコマンドの受信に基づいて客待ち演出を行うための処理や、普通図柄変動開始コマンドの受信に基づいて普図変動演出を行うための処理)を行って、受信コマンド解析処理(S4301)を終える。
[変動演出開始処理]図40に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドを解析する(S4501)。変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理や特図2大当たり判定処理(図24参照)でセットされた特図停止図柄データの情報や、特図1変動パターン選択処理や特図2変動パターン選択処理(図25及び図26参照)でセットされた変動パターンの情報、現在の遊技状態を指定する情報等が含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン121が取得した情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
次に演出制御用マイコン121は、現時点で設定されているモードステータスの値を参照する(S4502)。続いて、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の選択を行う(S4503)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
続いて演出制御用マイコン121は、変動演出パターン選択処理を実行する(S4504)。具体的に変動演出パターン選択処理(S4504)では、変動演出パターン乱数を取得すると共に、演出モードの種類(モードステータスの値)および変動パターンの種類に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン抽選乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。こうして変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、演出ボタン演出(SW演出)の有無、演出ボタン演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
続いて演出制御用マイコン121は、予告演出選択処理を実行する(S4505)。予告演出選択処理(S4505)では、予告演出決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
その後、選択した演出図柄と変動演出パターンと予告演出とを開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S4506)、本処理を終える。ステップS4606でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板140に送信されると、表示画面50aにて特別図柄の変動表示に同期した変動演出が開始される。
9.演出例
次に本パチンコ遊技機PY1の演出例1について説明する。先ず前提条件として、通常遊技状態で左打ちをしているときに、特図1の抽選が実行されて、10R確変大当たり1(図7(A)参照)に当選したこととする。この場合、特図1が変動表示を経て停止表示されることに伴って、図41(A)に示すように、表示画面50aにて演出図柄EZが「777」で停止表示する。なお図41(A)では、通常遊技状態を示す背景画像として昼を示す昼背景画像Haが表示画面50aに表示されている。この場合、10R確変大当たり1への当選により、特図1_大当たり図柄1の停止表示が終了すると、大当たり遊技が開始されると共に、特別ゲーム状態に移行することになる。
このとき図41(B)に示すように、表示画面50aの上部を除く部分ではオープニング演出(オープニング画像OP1の表示)が実行されると共に、表示画面50aの上部にて特別ゲーム状態開始演出として「特別ゲーム突入」を示す特別ゲーム突入画像FG1が表示される。これにより遊技者には、大当たり遊技が実行される高揚感と共に、特別ゲーム状態への移行を獲得できたことによる高揚感を与えることが可能である。そして特別ゲーム状態開始演出が終了すると、図41(C)に示すように、表示画面50aの左上部にて特別ゲーム中演出として「特別ゲーム中」を示す特別ゲーム中画像FG3が表示される。これにより遊技者は、現時点において特別ゲーム状態に設定されていることを把握することが可能である。
また特別ゲーム状態開始演出が終了すると、図41(C)に示すように、表示画面50aの右上部にて「残200球」を示す残り球数画像FG2が表示される。これにより遊技者は、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数が200球であることを把握することが可能である。言い換えれば、200球分のアウト球数(発射球数)だけフリー(無料)で遊技ができることを把握することが可能である。
そして、図41(D)に示すように、1ラウンド目のラウンド演出(1ラウンド演出画像RU1の表示)が表示画面50aの上部を除く部分で開始される。このとき遊技者は、右打ちにて遊技球を右遊技領域6Rに向けて発射する。これにより、遊技球が排出口センサ15aによって検出されると、表示画面50aの右上部では、「残199球」を示す残り球数画像FG2が表示される。こうして、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数が減っていき、遊技者は特別ゲーム状態への終了に徐々に近づいていくのを把握することが可能である。
その後、図41(E)に示すように、10ラウンド目のラウンド演出(10ラウンド演出画像RU10の表示)が表示画面50aの上部を除く部分で実行される際に、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数が70球であったこととする。このとき、表示画面50aの右上部では、「残70球」を示す残り球数画像FG2が表示されている。続いて、図41(F)に示すように、表示画面50aの上部を除く部分ではエンディング演出(エンディング画像ED1の表示)が実行される。
その後、大当たり遊技が終了する際に、図41(G)に示すように、表示画面50aの上部を除く部分では、「ラッシュモード」を示すラッシュモード移行画像RA1が表示される。これにより遊技者に、大当たり遊技後に高確時短状態に移行するのを把握させることが可能である。こうして大当たり遊技の終了時点では、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数が70球になっている。従って、大当たり遊技の実行中は常に特別ゲーム状態になっていることで、10R大当たり遊技で獲得した賞球数(1500発)全てを持ち球数として増加することが可能である。即ち、遊技者が発射した遊技球の数が持ち球数から減算されないことで、10R大当たり遊技にも拘わらず実質的に1300〜1400発程度しか獲得していないような事態を防ぐことが可能である。
そして、高確時短状態に移行すると、図41(H)に示すように、高確時短状態を示す背景画像として夜を示す夜背景画像Hbが表示画面50aに表示される。よって遊技者は、右打ちにて遊技球を右遊技領域6Rに向けて発射する。これにより、遊技球が排出口センサ15aによって検出されると、表示画面50aの右上部では、「残69球」を示す残り球数画像FG2が表示される。こうして、大当たり遊技が終了した後でも特別ゲーム状態が継続していて、遊技者に大当たり遊技から高確時短状態という長い期間に渡ってフリーで遊技させることが可能である。
その後、高確時短状態に制御されているときに特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数が1球になったとする。この場合、図41(I)に示すように、表示画面50aの右上部では、「残1球」を示す残り球数画像FG2が表示される。続いて、右遊技領域6Rを流下し終えた遊技球が排出口センサ15aによって検出されると、特別ゲーム状態が終了する。このとき図41(J)に示すように、表示画面50aの上部にて特別ゲーム状態終了演出として「特別ゲーム終了」を示す特別ゲーム終了画像FG4が表示される。これにより遊技者には、特別ゲーム状態が終了したことを把握させることが可能である。
10.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態(第1形態)のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技中に特別ゲーム状態に設定される場合がある。従って、遊技者は特別ゲーム状態において遊技球を第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10に入球させることで、持ち球数を減らさずに賞球を獲得することが可能である。従って、持ち球数が加算されるだけの状態(期間)があるという斬新な興趣性を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、特図1_大当たり図柄1、特図1_大当たり図柄2、特図1_大当たり図柄3、特図2_大当たり図柄1、特図2_大当たり図柄2、特図2_大当たり図柄3、特図2_大当たり図柄4に当選した場合に(図7(A)参照)、特別ゲーム状態に移行することができる。従って、これらの大当たり図柄に当選した場合には、大当たりを引き当てた高揚感だけでなく、特別ゲーム状態を獲得できたことによる高揚感を遊技者に与えることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、上述した大当たり図柄に当選した場合には特別ゲーム状態に移行できる一方で、特図1_大当たり図柄4に当選した場合には(図7(A)参照)、特別ゲーム状態を獲得することができない。こうして、当選した大当たりの種類に応じて、特別ゲーム状態への移行の有無が異なることで、遊技者が当選した大当たりの種類に対して抱く関心を大きくすることが可能である。更に、図7(A)に示すように、当選した大当たりの種類に応じて、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数が異なる。例えば、特図2_大当たり図柄1に当選した場合には、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数が300球であるのに対して、特図2_大当たり図柄4に当選した場合には、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数が100球である。よって、当選した大当たりの種類に応じて、特別ゲーム状態を継続できる期間が異なることで、遊技者が当選した大当たりの種類に対して抱く関心を大きくすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、特図1_大当たり図柄1、特図1_大当たり図柄3、特図2_大当たり図柄1、特図1_大当たり図柄3に当選した場合には(図7(A)参照)、大当たり遊技の開始タイミングで特別ゲーム状態が開始される(図12(A)、図13(A)、図14(A)、図15(A)参照)。従ってこの場合には、持ち球数を一切減ることなく大当たり遊技での賞球を獲得できるという斬新な大当たり遊技を堪能させることが可能である。また特図1_大当たり図柄2、特図2_大当たり図柄2に当選した場合には(図7(A)参照)、高確時短状態の開始タイミング(大当たり遊技の終了タイミング)で特別ゲーム状態が開始される(図12(B)、図14(B)参照)。従ってこの場合には、持ち球数が一切減ることなく高確率状態で次回への大当たりへの当選を狙うことができるという斬新な高確時短状態を堪能させることが可能である。更に特図2_大当たり図柄4に当選した場合には(図7(A)参照)、低確時短状態の開始タイミング(大当たり遊技の終了タイミング)で特別ゲーム状態が開始される(図15(B)参照)。従ってこの場合には、ベースが「1」を超えつつ時短状態で大当たりへの当選を狙うという斬新な低確時短状態を堪能させることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、特図1の抽選で大当たりに当選した場合には、85%の振分率で特別ゲーム状態に移行することができて、当該特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数は200球又は100球である。これに対して、特図2の抽選で大当たりに当選した場合には、100%の振分率で特別ゲーム状態に移行することができて、当該特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数は300球、200球、又は100球である(図7(A)参照)。こうして、特図2の抽選で大当たりに当選した場合には、特図1の抽選で大当たりに当選した場合よりも、特別ゲーム状態に移行し易くて、且つ特別ゲーム状態が長く継続し易い。よって、主に特図2の抽選が実行される高確時短状態又は低確時短状態での遊技興趣を、主に特図1の抽選が実行される通常遊技状態での遊技興趣と比べて、より一層高めることが可能である。
なお本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、特別ゲーム状態に設定されているときに、大当たり遊技が開始されても、当該特別ゲーム状態が終了することはない。即ち、遊技者には、大当たり遊技の実行とは無関係に、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数分だけ確実にフリーで遊技させることが可能である。但し本形態では、特別ゲーム状態に設定されているときに、特別ゲーム状態の移行条件の成立に基づいて別の特別ゲーム状態が開始される場合、実行中の特別ゲーム状態が終了する一方、別の特別ゲーム状態が開始されるようになっている。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、特別ゲーム状態に移行した場合には、図41(B)に示すように、表示画面50aの上部にて特別ゲーム状態開始演出として特別ゲーム突入画像FG1が表示される。これにより遊技者には、特別ゲーム状態の開始タイミングを容易に把握させることが可能である。また特別ゲーム状態に設定されている場合には、図41(C)〜図41(I)に示すように、表示画面50aの左上部にて特別ゲーム中演出として特別ゲーム中画像FG3が表示される。これにより遊技者には、現時点で特別ゲーム状態に設定されていることを容易に把握させることが可能である。また図41(C)(D)に示すように、表示画面50aの左上部にて残特別ゲーム状態演出として残り球数画像FG2が表示される。これにより遊技者には、特別ゲーム状態があとどのくらい継続するのかを把握させ易くすることが可能である。また特別ゲーム状態が終了する場合には、図41(J)に示すように、表示画面50aの上部にて特別ゲーム状態終了演出として特別ゲーム終了画像FG4が表示される。これにより遊技者には、特別ゲーム状態の終了タイミングを容易に把握させることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、上述した特別ゲーム状態開始演出、特別ゲーム中演出、残特別ゲーム状態演出、特別ゲーム状態終了演出は、変動演出や大当たり演出が実行される画像表示装置50で実行される。従って、基本的に遊技中、画像表示装置50に注視している遊技者には、特別ゲーム状態開始演出、特別ゲーム中演出、残特別ゲーム状態演出、特別ゲーム状態終了演出を見逃さないようにすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、特別ゲーム状態が開始されてから終了するまでの間、特別ゲーム状態表示器85が点灯する。従って遊技者は、表示器類8を視認することによっても、特別ゲーム状態に設定されているか否かを判断することが可能である。
11.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
<第2形態>
上記形態(第1形態)では、図7(A)に示すように、特別ゲーム状態に移行した場合に、当該特別ゲーム状態に移行してからアウト球数が100球、200球、又は300球に達すると、特別ゲーム状態が終了した。即ち、特別ゲーム状態の終了条件が、アウト球数が特定数に達することであった。これに対して第2形態では、図42(A)に示すように、特別ゲーム状態に移行した場合に、当該特別ゲーム状態に移行してから500秒、300秒、又は150秒が経過すると、特別ゲーム状態が終了するように設定されている。即ち、特別ゲーム状態の終了条件が、所定時間が経過することになっている。以下、第2形態について詳細に説明する。
第2形態において、特図1の抽選にて当選可能な大当たりには、図42(A)に示すように、10R確変大当たり5、10R確変大当たり6、5R通常大当たり5、5R通常大当たり6の4種類がある。10R確変大当たり5に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_大当たり図柄5」が停止表示され、10R確変大当たり6に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_大当たり図柄6」が停止表示され、5R通常大当たり5に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_大当たり図柄7」が停止表示され、5R通常大当たり6に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_大当たり図柄8」が停止表示される。
また特図2の抽選にて当選可能な大当たりには、図42(A)に示すように、10R確変大当たり7、10R確変大当たり8、5R通常大当たり7、5R通常大当たり8の4種類がある。10R確変大当たり7に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_大当たり図柄5」が停止表示され、10R確変大当たり8に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_大当たり図柄6」が停止表示され、5R通常大当たり7に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_大当たり図柄7」が停止表示され、5R通常大当たり8に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_大当たり図柄8」が停止表示される。
図42(A)に示すように、10R確変大当たり5に当選した場合には、大当たり遊技の開始タイミングで特別ゲーム状態に移行する。この場合、特別ゲーム状態に移行してから300秒が経過するまで、当該特別ゲーム状態が継続する。また10R確変大当たり6に当選した場合には、大当たり遊技の終了タイミング(高確時短状態の開始タイミング)で特別ゲーム状態に移行する。この場合、特別ゲーム状態に移行してから150秒が経過するまで、当該特別ゲーム状態が継続する。また5R通常大当たり5に当選した場合には、大当たり遊技の開始タイミングで特別ゲーム状態に移行する。この場合、特別ゲーム状態に移行してから300秒が経過するまで、当該特別ゲーム状態が継続する。また5R通常大当たり6に当選した場合には、特別ゲーム状態に移行することはない。
図42(A)に示すように、10R確変大当たり7に当選した場合には、大当たり遊技の開始タイミングで特別ゲーム状態に移行する。この場合、特別ゲーム状態に移行してから500秒が経過するまで、当該特別ゲーム状態が継続する。また10R確変大当たり8に当選した場合には、大当たり遊技の終了タイミング(高確時短状態の開始タイミング)で特別ゲーム状態に移行する。この場合、特別ゲーム状態に移行してから300秒が経過するまで、当該特別ゲーム状態が継続する。また5R通常大当たり7に当選した場合には、大当たり遊技の開始タイミングで特別ゲーム状態に移行する。この場合、特別ゲーム状態に移行してから300秒が経過するまで、当該特別ゲーム状態が継続する。また5R通常大当たり8に当選した場合には、大当たり遊技の終了タイミング(低確時短状態の開始タイミング)で特別ゲーム状態に移行する。この場合、特別ゲーム状態に移行してから150秒が経過するまで、当該特別ゲーム状態が継続する。
以上の説明から分かるように、第2形態では、特図1_大当たり図柄5、特図1_大当たり図柄6、特図1_大当たり図柄7、特図2_大当たり図柄5、特図2_大当たり図柄6、特図2_大当たり図柄7、特図2_大当たり図柄8(所定の識別図柄)を引き当てた場合に、特別ゲーム状態に移行することができる。この場合、遊技者には、特別ゲーム状態に移行してから500秒、300秒、又は150秒という所定時間に限って、持ち球数が減少せずにフリー(無料)で遊技を楽しむという斬新な興趣性を提供することが可能である。
また第2形態では、通常遊技状態においては、図42(A)に示すように、特図1_大当たり図柄6(10R確変大当たり6、第1の所定の識別図柄)を引き当てれば、150秒(第1の所定時間)に限って、特別ゲーム状態を楽しむことができる。その一方で、特図1_大当たり図柄5(10R確変大当たり5、第2の所定の識別図柄)を引き当てれば、300秒(第2の所定時間)に限って、特別ゲーム状態を楽しむことができる。こうして、高確時短状態に移行可能であって且つ特別ゲーム状態に移行可能な特図1_大当たり図柄5、又は特図1_大当たり図柄6であっても、特別ゲーム状態を長く楽しむことができる特図1_大当たり図柄5の方をより引き当てたいという斬新な興趣性を提供することが可能である。
また第2形態では、高確時短状態においては、図42(A)に示すように、特図2_大当たり図柄6(10R確変大当たり8)を引き当てれば、300秒に限って、特別ゲーム状態を楽しむことができる。その一方で、特図2_大当たり図柄5(10R確変大当たり7)を引き当てれば、500秒に限って、特別ゲーム状態を楽しむことができる。こうして、高確時短状態に移行可能であって且つ特別ゲーム状態に移行可能な特図2_大当たり図柄5、又は特図2_大当たり図柄6であっても、特別ゲーム状態を長く楽しむことができる特図2_大当たり図柄5の方をより引き当てたいという斬新な興趣性を提供することが可能である。
ところで第2形態では、図42(B)に示すように、10R大当たり(10R確変大当たり5、10R確変大当たり6、10R確変大当たり7、10R確変大当たり8)では、1Rから10Rまで大入賞口14を1R当たり最大10.0秒にわたってしか開放せず、第1形態の10R大当たりのように最大25.0秒(図7(B)参照)まで開放しない。また図42(B)に示すように、5R大当たり(5R通常大当たり5、5R通常大当たり6、5R通常大当たり7、5R通常大当たり8)でも、1Rから5Rまで大入賞口14を1R当たり最大10.0秒にわたってしか開放せず、第1形態の5R大当たりのように最大25.0秒(図7(B)参照)まで開放しない。これらは以下の理由に基づく。
例えば、10R確変大当たり5に当選した場合、大当たり遊技の開始タイミングから300秒が経過するまで特別ゲーム状態が継続する。ここで仮に、大入賞口14を1R当たり最大で25.0秒まで開放する場合を想定する。この場合、遊技者が右打ちを継続している場合、遊技球は約0.6秒ごとに発射されるため、最大入賞個数である10球の遊技球が大入賞口14に入賞する最短時間は6秒になる。しかしながら現実的には、右打ちされた全ての遊技球が大入賞口14に入球できるわけではないため、最大入賞個数である10球の遊技球が大入賞口14に入賞する時間はおおよそ8〜9秒になるのが一般的である。
ここで遊技者が或るラウンドにおいて、例えば前半の12.5秒において左打ちをして、第1始動口11に遊技球を入球させて、後半の12.5秒において右打ちをして、大入賞口14に遊技球を入球させる場合が考えられる。この場合、特別ゲーム状態に設定されているため、前半の12.5秒においては第1始動口11への入球による賞球を獲得しつつ、後半の12.5秒においては大入賞口14への入球による賞球も獲得できてしまう。このように、特別ゲーム状態に設定されているラウンド遊技において、大入賞口14の開放時間が必要以上に長い場合には、左打ちが実行されることで、過剰に遊技者に特典(賞球)を与えることになってしまう。
そこで第2形態では、ラウンド遊技において、遊技者に右打ちを継続させるため、大入賞口14を1R当たり最大で10.0秒までしか開放しないようにしている。これにより、特別ゲーム状態に設定されているラウンド遊技において、左打ちにより第1始動口11への入球を狙うという攻略的な遊技を防ぐことが可能である。即ち、特別ゲーム状態に設定されているラウンド遊技において、遊技者が大入賞口14への入球に基づく賞球だけを獲得するようにして、第1始動口11への入球に基づく賞球も獲得できるような事態を防ぐことが可能である。
なお第2形態では、大入賞口14を1R当たり最大で10.0秒まで開放できるようにしたが、大入賞口14の1R当たりの最大開放時間は10.0秒に限定されるものではなく、左打ちを防止できるような時間であれば適宜変更可能である。例えば、1R当たりの大入賞口14への最大入賞個数がX個である場合、大入賞口14の1R当たりの最大開放時間を、X×0.6秒×2倍の時間以下になるように設定すると良い。よって第2形態を例にすれば、1R当たりの大入賞口14への最大入賞個数が10個であるため、10×0.6秒×2倍である12秒以下にすると良い。
次に第2形態の残特別ゲーム状態演出(終了条件示唆演出)について説明する。第2形態の残特別ゲーム状態では、例えば特別ゲーム状態が終了するまでに要する時間が300秒である場合には、図43(B)に示すように、表示画面50aの右上部にて「残300秒」を示す残り時間画像FG5が示される。そして残り時間画像FG5では、時間(秒数)の経過に伴って、表示されている時間が1秒ずつ減少して示される。これにより遊技者には、特別ゲーム状態があとどのくらい継続するのかを把握させ易くすることが可能である。
続いて第2形態の演出例2について、図43に基づいて説明する。先ず前提条件として、通常遊技状態で左打ちをしているときに、特図1の抽選が実行されて、10R確変大当たり5(図42(A)参照)に当選したこととする。以下では、図41(A)に示す演出例1との相違点を中心に説明する。10R確変大当たり5への当選により、特図1_大当たり図柄5が停止表示された後、図43(A)に示すように、表示画面50aの上部を除く部分ではオープニング演出(オープニング画像OP1の表示)が実行されると共に、表示画面50aの上部にて特別ゲーム状態開始演出として「特別ゲーム突入」を示す特別ゲーム突入画像FG1が表示される。
そして特別ゲーム状態開始演出が終了すると、図43(B)に示すように、表示画面50aの左上部にて特別ゲーム中演出として「特別ゲーム中」を示す特別ゲーム中画像FG3が表示される。更にこのときには、表示画面50aの右上部にて残特別ゲーム状態演出として「残300秒」を示す残り時間画像FG5が表示される。これにより遊技者は、特別ゲーム状態が終了するまでに要する時間が300秒であることを把握することが可能である。言い換えれば、あと300秒だけフリー(無料)で遊技ができることを把握することが可能である。
その後、大当たり遊技が終了して高確時短状態に移行していて、図43(B)に示す時点から299秒が経過したこととする。このときには、図43(C)に示すように、表示画面50aの右上部にて残特別ゲーム状態演出として「残1秒」を示す残り時間画像FG5が表示される。そして更に1秒が経過すると、図43(D)に示すように、表示画面50aの上部にて特別ゲーム状態終了演出として「特別ゲーム終了」を示す特別ゲーム終了画像FG4が表示される。これにより遊技者には、特別ゲーム状態が終了したことを把握させることが可能である。
なお第2形態において、10R確変大当たり5、10R確変大当たり6、5R通常大当たり5、5R通常大当たり6、10R確変大当たり7、10R確変大当たり8、5R通常大当たり7、5R通常大当たり8に当選した場合、上記以外においては、第1形態で説明した10R確変大当たり1、10R確変大当たり2、5R通常大当たり1、5R通常大当たり2、10R確変大当たり3、10R確変大当たり4、5R通常大当たり3、5R通常大当たり4に当選した場合とそれぞれ同様であるため、説明を省略する。
<その他の変形例>
上記各形態では、特別ゲーム状態への移行を煽る特別ゲーム移行煽り演出が実行されることがなかった。これに対して、図44に示すように、特別ゲーム移行煽り演出が実行されるようにしても良い。以下では、図44に基づいて、特別ゲーム移行煽り演出が実行される場合の演出例について説明する。前提条件として、通常遊技状態で左打ちをしているときに、特図1の抽選が実行されて、10R確変大当たり1又は5R通常大当たり2(図7(A)参照)に当選したこととする。
この場合、図44(A)に示すように、演出図柄EZが変動表示を経て「555」を示す大当たり態様にて仮停止表示する。ここで仮停止表示とは、演出図柄EZが確定的に停止表示しているわけではなく、僅かに揺れている状態で停止表示していることを意味する。なお図44(A)に示す時点では、遊技者がどの大当たりに当選したのかが分からないようになっている。そして、図44(B)に示すように、表示画面50aの上部では図柄昇格煽り演出として「昇格チャレンジ」を示す昇格チャレンジ画像CAが表示されて、表示画面50aの上部を除く部分では特別ゲーム移行煽り演出として「特別ゲームに突入できるか?」を示す特別ゲーム移行煽り画像SSが表示される。
次に、図44(C)に示すように、「成功」又は「失敗」の何れが示されるのかを煽る成否煽り画像SFが表示される。そして、10R確変大当たり1に当選している場合には、図44(D−1)に示すように、表示画面50aにて成功演出として「成功」を示す成功画像SUが表示される。これにより遊技者には、演出図柄EZの昇格が成功すると共に、特別ゲーム状態への移行を獲得できたことを把握させることが可能である。その後、図44(E−1)に示すように、表示画面50aでは昇格した演出図柄EZとして「777」を示す大当たり態様の演出図柄EZが確定的に停止表示する。これにより遊技者には有利な大当たりの種類を獲得できたことによる高揚感を与えることが可能である。また表示画面50aの上部では、「特別ゲーム突入」を示す特別ゲーム突入画像FG1が表示される。これにより遊技者に特別ゲーム状態が開始されるのを把握させることが可能である。
一方、5R通常大当たり2に当選している場合には、図44(D−2)に示すように、表示画面50aにて失敗演出として「失敗」を示す失敗画像FAが表示される。これにより遊技者には、演出図柄EZの昇格が失敗すると共に、特別ゲーム状態への移行を獲得できなかったことを把握させることが可能である。その後、図44(E−2)に示すように、表示画面50aでは昇格しない演出図柄EZとして「555」を示す大当たり態様の演出図柄EZが確定的に停止表示する。また表示画面50aの上部では、「特別ゲーム非突入」を示す特別ゲーム非突入画像FFが表示される。これにより遊技者には、当選した大当たりの種類が昇格しないで特別ゲームも獲得しないのを把握させることになる。
なお図44(E−2)に示す状態では、演出図柄EZが「555」で仮停止表示していて、その後、復活演出として図44(E−1)に示すように、演出図柄EZが「777」の大当たり態様で確定的に停止表示すると共に、特別ゲーム突入画像FG1が表示されるようにしても良い。この場合には、遊技者を一旦落胆させた後に、大当たりの種類の昇格と特別ゲーム状態の獲得を把握させることになるため、大きな高揚感を与えることが可能である。
上記各形態では、特別ゲーム状態に設定されているときに遊技制御用マイコン101が、特別ゲーム状態表示器85を用いて特別ゲーム状態に設定されていることを示唆するようにした。即ち、特別ゲーム状態表示器85を点灯させるようにした。これに対して、図45に示すように、特別ゲーム状態に設定されているときに払出制御用マイコン171(払出用CPU172)が、持ち球数表示器180(表示手段)を用いて特別ゲーム状態に設定されていることを示唆するようにしても良い。
ここで図45に示すように、持ち球数表示器180は、第1点灯領域181から第6点灯領域186までの6つの点灯領域を備えた7セグメント表示器である。第1点灯領域181は、第1点灯部LB1から第8点灯部LB8までの8つの点灯部を有し、第2点灯領域182は、第9点灯部LB9から第16点灯部LB16までの8つの点灯部を有し、第3点灯領域183は、第17点灯部LB17から第24点灯部LB24までの8つの点灯部を有し、第4点灯領域184は、第25点灯部LB25から第32点灯部LB32までの8つの点灯部を有し、第5点灯領域185は、第33点灯部LB33から第40点灯部LB40までの8つの点灯部を有し、第6点灯領域186は、第41点灯部LB41から第48点灯部LB48までの8つの点灯部を有している。
持ち球数表示器180において、第8点灯部LB8、第16点灯部LB16、第24点灯部LB24、第32点灯部LB32、第40点灯部LB40、第48点灯部LB48は、持ち球数(数字)が示される際の点灯とは無関係な点灯部(デシマルポイント)である。よって払出制御用マイコン171は、図45に示すように、特別ゲーム状態に設定されているときにのみ、第48点灯部LB48を点灯させるようにしている。よって、第48点灯部LB48が点灯(特定表示)しているときに、遊技者には持ち球数の表示とは関係ないことを認識させつつ、特別ゲーム状態に設定されていることを把握させることが可能である。こうして、持ち球数表示器180を見る遊技者に対して、持ち球数を把握させると共に、特別ゲーム状態に設定されているか否かも同時に把握させることが可能である。
上記各形態では、大当たり遊技状態、高確時短状態(高確率状態且つ時短状態)、低確時短状態(通常確率状態且つ時短状態)において、特別ゲーム状態に設定される場合がった。しかしながら、その他の遊技状態において、特別ゲーム状態に設定される場合があるようにしても良い。例えば、高確率状態且つ非時短状態(高確非時短状態)において、特別ゲーム状態に設定される場合があるようにしても良い。この場合、特定の大当たり図柄が停止表示されることに基づいて、特別ゲーム状態への移行を獲得できるようにしても良い。
ここで、高確非時短状態において特別ゲーム状態に設定される場合には、以下のように構成しても良い。先ず、特別図柄の抽選において、小当たりに当選することがあるように設定して、小当たりに当選した場合には、大入賞口が1.8秒以下で開放する小当たり遊技が実行されるようにする。そして、高確非時短状態においては、通常遊技状態よりも小当たり遊技の実行により大入賞口に遊技球が入球し易い小当たりラッシュ状態になるように構成する。この構成において、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)において特別ゲーム状態に設定されると、遊技者には持ち球数を減らすことなく小当たりラッシュ状態に基づく賞球数を獲得させることが可能である。即ち、持ち球数が全く減ることがなくて、小当たり遊技の実行で獲得した賞球数をそのまま持ち球数に加算できる斬新な小当たりラッシュ状態を提供することが可能である。
上記第1形態では、例えば特図1_大当たり図柄1に当選した場合(図7(A)参照)、10ラウンドのラウンド遊技の全てにおいて、特別ゲーム状態になるように設定されていた。これに対して、一部のラウンドのラウンド遊技においてのみ特別ゲーム状態に設定されるようにしても良い。例えば10ラウンドのラウンド遊技において、前半の1〜5ラウンドまでのラウンド遊技においては特別ゲーム状態に設定されていて、後半の6〜10ラウンドまでのラウンド遊技においては特別ゲーム状態に設定されないようにしても良い。
上記各形態では、大当たり図柄が停止表示することに基づいて、特別ゲーム状態に移行するようにした(図7(A)、図42(A)参照)。しかしながら、大当たり図柄以外の特別図柄の停止表示に基づいて、特別ゲーム状態に移行するようにしても良い。例えば、大当たりと判定されていないことを示す特別ハズレ図柄(特定のハズレ図柄)が停止表示されることに基づいて、特別ゲーム状態に移行するようにしても良い。この場合、例えば通常遊技状態に制御されているときに特別ハズレ図柄の停止表示が終了したタイミングで、特別ゲーム状態に移行しても良い。この場合には、大当たりに当選していない状況にも拘わらず特別ゲーム状態が開始されることで、なかなか大当たりを引き当てることができない遊技者に対して斬新な興趣性を提供することが可能である。言い換えれば、大当たり遊技状態とは無関係に特別ゲーム状態に移行するという斬新な興趣性を提供することが可能である。
又は、特別図柄の抽選で小当たりに当選して、特定の小当たり図柄が停止表示されることに基づいて、特別ゲーム状態に移行するようにしても良い。この場合、小当たりを引き当てることによる遊技者の関心を高めることが可能である。なお、特定の小当たり図柄の停止時間が経過したタイミング(小当たり遊技が開始されたタイミング)から特別ゲーム状態に移行するようにしても良く、特定の小当たり図柄が停止表示した後で、小当たり遊技が終了したタイミングから特別ゲーム状態に移行するようにしても良い。ここで、小当たり遊技が実行されている状態を、小当たり遊技状態(特別遊技状態)と呼ぶ。
また例えば、大当たり図柄が停止表示された後に、遊技球がゲート(通過領域)を通過することに基づいて大当たり遊技が実行される遊技機(いわゆる権利タイプ)として構成した場合に、大当たり図柄が停止表示された後に、遊技球がゲートを通過することに基づいて特別ゲーム状態に移行するようにしても良い。
上記各形態では、高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成した。しかしながら、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)への遊技球の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成しても良い。そしてV確機として構成した場合、大入賞口内の特定領域への遊技球の通過に基づいて、特別ゲーム状態に移行するようにしても良い。この場合、遊技球が特定領域を通過したタイミングで特別ゲーム状態に移行しても良く、遊技球が特定領域を通過した後で大当たり遊技が終了したタイミングで特別ゲーム状態に移行するようにしても良い。
なお遊技機のタイプは適宜変更可能である。例えば、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成しても良い。また、いわゆる転落機(高確率状態が終了する否かを抽選する遊技機)としても構成しても良い。またいわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプ(2種タイプ)の遊技機として構成してもよい。
上記第1形態では、特別ゲーム状態の終了条件が当該特別ゲーム状態に移行してからのアウト球数が特定数に達することであった。また上記第2形態では、特別ゲーム状態の終了条件が当該特別ゲーム状態に移行してから所定時間が経過することであった。しかしながら、上記した特別ゲームの終了条件とは異なる終了条件にしても良い。例えば、例えば特別ゲーム状態に移行してから特別図柄の変動回数(特図1の変動回数と特図2の変動回数との合計変動回数、特図1の変動回数、特図2の変動回数)が所定回数に達すると、特別ゲーム状態が終了するようにしても良い。
また例えば転落機として構成した場合、高確率状態が終了するか否かの抽選において、高確率状態が終了することを示す転落図柄を引いたことに基づいて、特別ゲーム状態が終了するようにしても良い。又は、大当たり遊技が開始されるときに、特別ゲーム状態が終了するようにしても良い。或いは、通常遊技状態よりも有利な遊技状態(大当たり遊技状態、高確時短状態、低確時短状態、高確非時短状態)が終了するときに、特別ゲーム状態が終了するようにしても良い。
また例えば、大当たり図柄が停止表示された後に、遊技球がゲート(通過領域)を通過することに基づいて大当たり遊技が実行される遊技機(いわゆる権利タイプ)として構成した場合に、大当たり図柄が停止表示された後に、遊技球がゲートを通過したときに特別ゲーム状態が終了するようにしても良い。
上記各形態では、特別ゲーム状態に設定されているときに、特別ゲーム状態の移行条件の成立に基づいて別の特別ゲーム状態が開始される場合、実行中の特別ゲーム状態が終了する一方、別の特別ゲーム状態が開始されるようにした。しかしながら、特別ゲーム状態に設定されているときに、特別ゲーム状態の移行条件の成立に基づいて別の特別ゲーム状態が開始される場合、実行中の特別ゲーム状態が終了した後で、別の特別ゲーム状態が開始されるようにしても良い。この場合に、特別ゲーム状態の終了条件が上乗せさせるようにしても良い。
例えば、第1形態の変形例として、特図1の抽選で10R確変大当たり1に当選して、大当たり遊技が開始されるときに特別ゲーム状態に移行したこととする。この場合、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数は200球である。ここで、大当たり遊技後で高確時短状態に制御されているときに、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数は50球になっていることとする。このときに、特図2の抽選で10R確変大当たり3に当選すると、大当たり遊技が開始されるときに特別ゲーム状態に移行することになるが、この場合の特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数は350球(50球+300球)になる。こうして、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数が上乗せされるという斬新な興趣性を提供することが可能である。
例えば、第2形態の変形例として、特図1の抽選で10R確変大当たり5に当選して、大当たり遊技が開始されるときに特別ゲーム状態に移行したこととする。この場合、特別ゲーム状態が終了するまでに要する時間は300秒である。ここで、大当たり遊技後で高確時短状態に制御されているときに、特別ゲーム状態が終了するまでに要する時間は100秒になっていることとする。このときに、特図2の抽選で10R確変大当たり7に当選すると、大当たり遊技が開始されるときに特別ゲーム状態に移行することになるが、この場合の特別ゲーム状態が終了するまでに要する時間は600秒(100秒+500秒)になる。こうして、特別ゲーム状態が終了するまでに要する時間が上乗せされるという斬新な興趣性を提供することが可能である。
上記各形態では、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が、特別ゲーム状態に移行し易いように設定されていた(図7(A)、図42(A)参照)。しかしながら、特図2の抽選よりも特図1の抽選の方が、特別ゲーム状態に移行し易いように設定しても良い。即ち、通常遊技状態よりも有利な遊技状態(高確時短状態、低確時短状態、高確非時短状態)での遊技よりも、通常遊技状態での遊技の方が、特別ゲーム状態に移行し易いように設定しても良い。この場合には、通常遊技状態での遊技者の遊技意欲を高めることが可能である。
上記各形態では、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が、特別ゲーム状態に移行した場合に当該特別ゲーム状態が継続し易いように設定されていた(図7(A)、図42(A)参照)。しかしながら、特図2の抽選よりも特図1の抽選の方が、特別ゲーム状態に移行した場合に当該特別ゲーム状態が継続し易いように設定しても良い。即ち、通常遊技状態よりも有利な遊技状態(高確時短状態、低確時短状態、高確非時短状態)での遊技よりも、通常遊技状態での遊技の方が、特別ゲーム状態に移行した場合に当該特別ゲーム状態が継続し易いようにしても良い。この場合には、通常遊技状態での遊技者の遊技意欲を高めることが可能である。
上記各形態では、特別ゲーム状態に設定されているときに特別図柄の抽選で特定の大当たりに当選した場合と、特別ゲーム状態に設定されていないときに特別図柄の抽選で特定の大当たりに当選した場合とでは、特定の大当たりの当選に基づく特典は変わらないように設定されていた。しかしながら、特別ゲーム状態に設定されているときに特別図柄の抽選で特定の大当たりに当選した場合には、特別ゲーム状態に設定されていないときに特別図柄の抽選で特定の大当たりに当選した場合よりも、特定の大当たりの当選に基づく特典が大きい(例えば時短回数が多い、高確率状態に移行し易い)ように設定しても良い。又は特別ゲーム状態に設定されているときに特別図柄の抽選で特定の大当たりに当選した場合には、特別ゲーム状態に設定されていないときに特別図柄の抽選で特定の大当たりに当選した場合よりも、特定の大当たりの当選に基づく特典が少ない(例えば時短回数が少ない、高確率状態に移行し難い)ように設定しても良い。
上記各形態では、大当たり遊技の開始タイミング又は大当たり遊技の終了タイミングで特別ゲーム状態に移行するようにした。しかしながら特別ゲーム状態に移行するタイミングは、上記したタイミングに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、特別ゲーム状態に移行可能な特定の特別図柄(特定の識別図柄)を引き当てた場合に、その後、特定回数の特別図柄の変動表示及び停止表示が終了したタイミングや、特定秒数が経過したタイミングで特別ゲーム状態に移行するようにしても良い。
上記各形態では、パチンコ遊技機PY1を、内部に封入する遊技球が遊技領域6を流下した後に循環して再び遊技領域6に進入可能な遊技機(所謂「封入式パチンコ」)として構成した。しかしながら封入式パチンコとして構成しないで、非封入式パチンコとして構成しても良い。この場合、非封入式パチンコでは、入賞口への遊技球の入球に基づいて上皿に遊技球を払い出す賞球払出装置が設けられている。その上で、賞球払出装置とは別に上皿に遊技球を送ることが可能な送球部(送球手段)を設ける。そして特別ゲーム状態に設定されているときには、送球部が排出口センサ15aの検出に基づいて遊技球を上皿に送るようにしても良い。この場合には、賞球払出装置とは別の送球部が上皿に遊技球を送ることで、賞球(払い出し)しているわけではないと解釈し得る。つまり、賞球払出装置とは別の送球部を用いることで、入賞口への遊技球の入球によらずに遊技者が遊技球を獲得している状況でないと解して、特別ゲーム状態を実現しても良い。なお上記した送球部は、払出制御基板170とは異なる制御基板としても良いし、物理的に遊技球を送り込む装置として考えても良い。
上記各形態では、持ち球数を表示する持ち球数表示器180(表示手段)が、図1に示すように、前扉23の下部の中央に設けられていた。しかしながら、持ち球数表示器180の配置は、前扉23の下部に限られるものではなく、遊技者の視認可能な部位であれば、適宜変更可能である。例えば、遊技盤1(例えば遊技領域6の中央)に持ち球数表示器180が設けられていても良い。但し、持ち球数表示器180の表示制御を行う払出制御基板170が、遊技機枠2に設けられているため、配線の都合上、持ち球数表示器180も遊技機枠2に設けられていることが好ましい。
上記各形態では、払出制御用マイコン171(持ち球数制御手段)が、持ち球数のカウントを行って、持ち球数表示器180における持ち球数の表示制御を行った。しかしながら、遊技制御用マイコン101が、持ち球数のカウントを行って、持ち球数表示器180における持ち球数の表示制御を行うようにしても良い。
上記各形態では、持ち球数を表示する表示手段が、7セグメントで構成された持ち球数表示器180であった。しかしながら、表示手段は、持ち球数を表示できるものであれば、適宜変更可能である。例えば、画像表示装置50やサブ液晶表示装置を利用して、持ち球数を表示するようにしても良い。この場合、遊技制御用マイコン101(持ち球数制御手段)が持ち球数のカウントを行って、演出制御用マイコン121が画像表示装置50やサブ液晶表示装置にて持ち球数の表示制御を行えば良い。
上記第1形態では、図7(A)に示すように、特別ゲーム状態に移行した場合に、当該特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数が300、200、100という特定数であった。しかしながら、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数は、図7(A)に示す特定数(300、200、100)に限られるものではなく、適宜変更可能である。
上記第2形態では、図42(A)に示すように、特別ゲーム状態に移行した場合に、当該特別ゲーム状態が終了するまでに要する時間が500秒、300秒、150秒という所定時間であった。しかしながら、特別ゲーム状態が終了するまでに要する時間は、図42(A)に示す所定時間(500秒、300秒、150秒)に限られるものではなく、適宜変更可能である。
上記各形態では、特図1の抽選で大当たりに当選した場合には、85%の振分率で特別ゲーム状態に移行することができて、特図2の抽選で大当たりに当選した場合には、100%の振分率で特別ゲーム状態に移行することができた(図7(A)、図42(A)参照)。しかしながら特図1の抽選で大当たりに当選した場合、特図2の抽選で大当たりに当選した場合に、特別ゲーム状態に移行することができる振分率は、上記した値に限られるものではなく適宜変更可能である。例えば、特図1の抽選で大当たりに当選した場合には特別ゲーム状態に移行することができなくて、特図2の抽選で大当たりに当選した場合に所定の振分率で特別ゲーム状態に移行できるようにしても良い。その反対に、特図2の抽選で大当たりに当選した場合には特別ゲーム状態に移行することができなくて、特図1の抽選で大当たりに当選した場合に特定の振分率で特別ゲーム状態に移行できるようにしても良い。
上記第1形態では、特別ゲーム状態に設定されている場合に、当該特別ゲーム状態に設定されていることを示す特別ゲーム中演出(特別ゲーム状態報知)として、表示画面50aにて「特別ゲーム中」を示す特別ゲーム中画像FG3(図41(C)〜図41(I)参照)を表示した。しかしながら、特別ゲーム状態に設定されていることを認識可能であれば、その他の表示態様を表示画面50aに示すようにしても良い。また画像表示装置50以外の演出手段を用いて、特別ゲーム状態に設定されていることを示しても良い。例えば、スピーカ610(音出力手段)から「特別ゲーム中」という音声を出力したり、枠ランプ212や盤ランプ54(発光手段)を所定の発光態様で発光させることで、特別ゲーム状態に設定されていることを示しても良い。
上記第1形態では、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数を示唆する残特別ゲーム状態演出(終了条件示唆演出)として、表示画面50aにて「残〜球」を示す残り球数画像FG2(図41(C)〜図41(I)参照)を表示した。しかしながら、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数を把握可能であれば、その他の表示態様を表示画面50aに示すようにしても良い。例えば、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数が200球である場合に、20個の球体が表示画面50aに表示されていて、10球のアウト球が排出口センサ15aに検出される度に、球体が1つずつ非表示になるようにしても良い。また画像表示装置50以外の演出手段を用いて、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数を示唆するようにしても良い。例えば、スピーカ610(音出力手段)から「残り〜球」という音声を出力したり、枠ランプ212や盤ランプ54(発光手段)を所定の発光態様で発光させることで、特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数を示唆するようにしても良い。
上記第2形態では、特別ゲーム状態が終了するまでに要する時間を示唆する残特別ゲーム状態演出(終了条件示唆演出)として、表示画面50aにて「残〜秒」を示す残り時間画像FG5(図43(B)〜図43(C)参照)を表示した。しかしながら、特別ゲーム状態が終了するまでに要する時間を把握可能であれば、その他の表示態様を表示画面50aに示すようにしても良い。例えば、特別ゲーム状態が終了するまでに要する時間が300秒である場合に、30個の球体が表示画面50aに表示されていて、10秒経過する度に、球体が1つずつ非表示になるようにしても良い。また画像表示装置50以外の演出手段を用いて、特別ゲーム状態が終了するまでに要する時間を示唆するようにしても良い。例えば、スピーカ610(音出力手段)から「残り〜秒」という音声を出力したり、枠ランプ212や盤ランプ54(発光手段)を所定の発光態様で発光させることで、特別ゲーム状態が終了するまでに要する時間を示唆するようにしても良い。
上記第1形態では、特別ゲーム開始演出として、表示画面50aにて「特別ゲーム突入」を示す特別ゲーム突入画像FG1(図41(B)参照)を表示した。しかしながら、特別ゲーム状態の開始を把握可能であれば、その他の表示態様を表示画面50aに示すようにしても良い。また画像表示装置50以外の演出手段を用いて、特別ゲーム状態の開始を示唆するようにしても良い。
上記第1形態では、特別ゲーム終了演出として、表示画面50aにて「特別ゲーム終了」を示す特別ゲーム終了画像FG4(図41(J)参照)を表示した。しかしながら、特別ゲーム状態の終了を把握可能であれば、その他の表示態様を表示画面50aに示すようにしても良い。また画像表示装置50以外の演出手段を用いて、特別ゲーム状態の終了を示唆するようにしても良い。
上記第2形態では、特別ゲーム状態に設定されているときに、持ち球数表示器180(表示手段)は、図45に示すように、特定表示として第48点灯部LB48を点灯させた。しかしながら、特別ゲーム状態に設定されていることを示唆しているのであれば、持ち球数表示器180での態様(点灯態様)は、適宜変更可能である。
上記各形態では、大入賞口(大入賞装置)は1つ(大入賞口14)だけあったが、複数(例えば2つ)あってもよい。この場合には、第1大入賞口と、第1大入賞口に入賞した遊技球を検出可能な第1大入賞口センサと、第2大入賞口と、第2大入賞口に入賞した遊技球を検出可能な第2大入賞口センサとが設けられている遊技機になる。
12.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
遊技領域に配置されている入球口(第1始動口11、第2始動口12)と、
持ち球数を表示可能な表示手段(持ち球数表示器180)と、
前記遊技領域に遊技球が発射される場合に前記持ち球数を減算可能であり、遊技球が前記入球口に入球する場合に前記持ち球数を加算可能な持ち球数制御手段(払出制御用マイコン171)と、を備え、
前記遊技領域に遊技球が発射される際に前記持ち球数が減算されない特別ゲーム状態に設定される場合がある(図12〜図15参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特別ゲーム状態に設定されると、遊技球が遊技領域に発射されても、持ち球数が減算されない。従って遊技者は、特別ゲーム状態において遊技球を入球口に入球させることで、持ち球数を減らさずに入球口への入球に基づく賞球を獲得することが可能である。従って、持ち球数が加算されるだけの状態があるという斬新な興趣性を提供することが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記遊技領域に向けて発射された遊技球が当該遊技領域に進入しない場合に通過する通過流路(戻り流路MR)と、
前記通過流路を通過する遊技球を検出可能な検出手段(戻り球検出センサ17a)と、を備え、
前記持ち球数制御手段は、
前記検出手段による検出に基づいて、前記持ち球数を加算可能である(ステップS3107の持ち球数加算処理を実行可能である)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技球が遊技領域に向けて発射されると、表示手段にて持ち球数が減算されるものの、その遊技球が遊技領域に進入しない場合がある。この場合、その遊技球は通過流路を通過して、検出手段によって検出される。これにより、表示手段にて持ち球数が加算される。従って、遊技者にとって、遊技球が遊技領域を流下しないにも拘わらず、持ち球数が減ってしまうという不利益が生じるのを回避することが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A1又は手段A2に記載の遊技機において、
前記入球口には、第1入球口(第1始動口11)と、第2入球口(第2始動口12)と、があり、
前記第2入球口に遊技球が入球する場合には、前記第1入球口に遊技球が入球する場合よりも、前記特別ゲーム状態に移行し易いように設定されている(図7(A)、図42(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2入球口に遊技球が入球する場合には、第1入球口に遊技球が入球する場合よりも、特別ゲーム状態に移行し易い。従って、遊技球が第2入球口に入球するときに、特別ゲーム状態を獲得する期待感を高めることが可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A1又は手段A2に記載の遊技機において、
前記入球口には、第1入球口(第1始動口11)と、第2入球口(第2始動口12)と、があり、
前記第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて移行する前記特別ゲーム状態は、前記第1入球口に遊技球が入球したことに基づいて移行する前記特別ゲーム状態よりも、当該特別ゲーム状態が継続し易いように設定されている(図7(A)、図42(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて移行する特別ゲーム状態は、第1入球口に遊技球が入球したことに基づいて移行する特別ゲーム状態よりも、特別ゲーム状態が継続し易い。従って、遊技球が第2入球口に入球するときには、第1入球口に入球するときよりも、特別ゲーム状態の獲得による期待感を高めることが可能である。
ところで、特開2007−676号公報に記載の遊技機のように、封入式パチンコでは、内部に封入された遊技球が循環して外部に排出されることがないため、遊技場にとっては遊技球の管理がし易いというメリットがある。しかしながら、遊技者にとっては、遊技球を触ることができなくなる点が変化しただけであり、興趣性に大きな変化がない。従って、封入式パチンコに基づく斬新な興趣性が求められていた。そこで手段A1〜A4に係る発明は、特開2007−676号公報に記載の遊技機に対して、遊技領域に遊技球が発射される際に持ち球数が減算されない特別ゲーム状態に設定される場合がある点で相違している。これにより、斬新な興趣性を提供することが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
遊技領域に配置されている入球口(第1始動口11、第2始動口12)と、
持ち球数を表示可能な表示手段(持ち球数表示器180)と、
前記遊技領域に遊技球が発射される場合に前記持ち球数を減算可能であり、遊技球が前記入球口に入球する場合に前記持ち球数を加算可能な持ち球数制御手段(払出制御用マイコン171)と、
通常遊技状態、又は前記通常遊技状態よりも遊技者に有利な特典遊技状態(高確率状態(高確時短状態、高確非時短状態)、時短状態(高確時短状態、低確時短状態))、或いは当たりと判定されることに基づいて遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に制御可能な遊技状態制御手段(遊技制御用マイコン101)と、を備え、
前記特典遊技状態において前記遊技領域に遊技球が発射される際に前記持ち球数が減算されない特別ゲーム状態に設定される場合がある(図12(B)、図14(B)、図15(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特典遊技状態において特別ゲーム状態に設定されると、遊技球が遊技領域に発射されても、持ち球数が減算されない。従って遊技者は、特典遊技状態によって有利になっているだけでなく、特別ゲーム状態によって持ち球数を減らさずに入球口への入球に基づく賞球を獲得することが可能である。従って、特典遊技状態が更に有利な状態になるという斬新な興趣性を提供することが可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
当たりであるかの判定結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示可能な識別図柄表示手段(特図表示器81)を備え、
前記特典遊技状態は、前記通常遊技状態よりも前記識別図柄の変動表示の時間が短くなり易い時短状態であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、時短状態によってスピーディーな遊技を行うことができるだけでなく、特別ゲーム状態によって持ち球数を減らさずに入球口への入球に基づく賞球を獲得することが可能である。従って、時短状態が更に有利な状態になるという斬新な興趣性を提供することが可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機において、
前記入球口には、入球のし易さが変化可能な可変入球口(第2始動口12)があり、
前記特典遊技状態は、前記通常遊技状態よりも遊技球が前記可変入球口に入球し易い電サポ制御状態(高ベース状態)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電サポ制御状態によって可変入球口への頻繁な入球による賞球を獲得できるだけでなく、特別ゲーム状態によって持ち球数を減らさずに可変入球口への入球による賞球を獲得することが可能である。従って、電サポ制御状態が更に有利な状態になるという斬新な興趣性を提供することが可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記特典遊技状態は、前記通常遊技状態よりも当たりと判定される確率が高い高確率状態であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、高確率状態によって当たりに当選し易いだけでなく、特別ゲーム状態によって持ち球数を減らさずに入球口への入球に基づく賞球を獲得することが可能である。従って、高確率状態が更に有利な状態になるという斬新な興趣性を提供することが可能である。
ところで、特開2007−676号公報に記載の遊技機のように、封入式パチンコでは、内部に封入された遊技球が循環して外部に排出されることがないため、遊技場にとっては遊技球の管理がし易いというメリットがある。しかしながら、遊技者にとっては、遊技球を触ることができなくなる点が変化しただけであり、興趣性に大きな変化がない。従って、封入式パチンコに基づく斬新な興趣性が求められていた。そこで手段B1〜B4に係る発明は、特開2007−676号公報に記載の遊技機に対して、特典遊技状態において遊技領域に遊技球が発射される際に持ち球数が減算されない特別ゲーム状態に設定される場合がある点で相違している。これにより、斬新な興趣性を提供することが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段C>
手段C1に係る発明は、
遊技領域に配置されている入球口(第1始動口11、第2始動口12)と、
持ち球数を表示可能な表示手段(持ち球数表示器180)と、
前記遊技領域に遊技球が発射される場合に前記持ち球数を減算可能であり、遊技球が前記入球口に入球する場合に前記持ち球数を加算可能な持ち球数制御手段(払出制御用マイコン171)と、
当たりと判定されることに基づいて遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に制御可能な遊技状態制御手段(遊技制御用マイコン101)と、を備え、
前記特別遊技状態において前記遊技領域に遊技球が発射される際に前記持ち球数が減算されない特別ゲーム状態に設定される場合がある(図12(A)、図13(A)、図14(A)、図15(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特別遊技状態において特別ゲーム状態に設定されると、遊技球が遊技領域に発射されても、持ち球数が減算されない。従って遊技者は、特別遊技状態によって有利になっているだけでなく、特別ゲーム状態において持ち球数を減らさずに賞球を獲得することが可能である。従って、特別遊技状態が更に有利な状態になるという斬新な興趣性を提供することが可能である。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記特別ゲーム状態は、少なくとも前記特別遊技状態の開始から当該特別遊技状態の終了まで設定される場合がある(図12(A)、図13(A)、図14(A)、図15(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特別遊技状態の開始から当該特別遊技状態の終了まで、特別ゲーム状態に設定されることで、特別遊技状態で獲得する賞球数の全てを持ち球数としてそのまま加算することが可能である。
手段C3に係る発明は、
手段C1又は手段C2に記載の遊技機において、
前記遊技状態制御手段は、通常遊技状態又は、前記特別遊技状態の後に前記通常遊技状態よりも遊技者に有利な特典遊技状態(高確率状態(高確時短状態、高確非時短状態)、時短状態(高確時短状態、低確時短状態))に制御可能であり、
前記特別ゲーム状態は、前記特別遊技状態と前記特典遊技状態とに跨って設定される場合がある(図12(A)、図13(A)、図14(A)、図15(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特別ゲーム状態は、特別遊技状態だけでなく、特別遊技状態と特典遊技状態とに跨って設定される場合がある。この場合、遊技者にとっては、特別遊技状態と特典遊技状態という2つの有利な状態において、長い間持ち球を減らさずに遊技を実行することが可能である。
ところで、特開2007−676号公報に記載の遊技機のように、封入式パチンコでは、内部に封入された遊技球が循環して外部に排出されることがないため、遊技場にとっては遊技球の管理がし易いというメリットがある。しかしながら、遊技者にとっては、遊技球を触ることができなくなる点が変化しただけであり、興趣性に大きな変化がない。従って、封入式パチンコに基づく斬新な興趣性が求められていた。そこで手段C1〜C3に係る発明は、特開2007−676号公報に記載の遊技機に対して、特別遊技状態において遊技領域に遊技球が発射される際に持ち球数が減算されない特別ゲーム状態に設定される場合がある点で相違している。これにより、斬新な興趣性を提供することが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段D>
手段D1に係る発明は、
遊技領域に配置されている入球口(第1始動口11、第2始動口12)と、
持ち球数を表示可能な表示手段(持ち球数表示器180)と、
前記遊技領域に遊技球が発射される場合に前記持ち球数を減算可能であり、遊技球が前記入球口に入球する場合に前記持ち球数を加算可能な持ち球数制御手段(払出制御用マイコン171)と、
当たりであるかの判定結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示を経て停止表示可能な識別図柄表示手段(特図表示器81)と、を備え、
前記遊技領域に遊技球が発射される際に前記持ち球数が減算されない特別ゲーム状態に設定される場合があり(図12、図13、図14、図15参照)、
前記特別ゲーム状態は、前記識別図柄のうち特定の識別図柄が変動表示を経て停止表示することに基づいて、移行可能である(図12、図13、図14、図15参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特別ゲーム状態に設定されると、遊技球が遊技領域に発射されても、持ち球数が減算されない。従って遊技者は、特別ゲーム状態において遊技球を入球口に入球させることで、持ち球数を減らさずに入球口への入球に基づく賞球を獲得することが可能である。そしてこの特別ゲーム状態は、特定の識別図柄が変動表示を経て停止表示することに基づいて、移行することができる。従って遊技者には、特別ゲーム状態を獲得するために特定の識別図柄を引き当てたいという斬新な興趣性を提供することが可能である。
手段D2に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機において、
当たりと判定されることに基づいて遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に制御可能な遊技状態制御手段(遊技制御用マイコン101)を備え、
前記特定の識別図柄は、当たりと判定されていることを示す識別図柄(特図1_大当たり図柄1、特図1_大当たり図柄2、特図1_大当たり図柄3、特図2_大当たり図柄1、特図2_大当たり図柄2、特図2_大当たり図柄3、特図2_大当たり図柄4、図7(A)参照)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、当たりと判定された場合に、特定の識別図柄が変動表示を経て停止表示することがある。従ってこの場合、遊技者には、特別遊技状態と共に、特別ゲーム状態を獲得したことによる大きな高揚感を与えることが可能である。
手段D3に係る発明は、
手段D2に記載の遊技機において、
前記特別ゲーム状態は、前記特別遊技状態が開始されるときに移行可能である(図12(A)、図13(A)、図14(A)、図15(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の識別図柄を引き当てると、特別遊技状態が開始されると共に、特別ゲーム状態に移行する。従って、特別遊技状態において、特別ゲーム状態により持ち球を全く減らさずに、多くの賞球を獲得することができる。こうして、特別遊技状態で予定よりも賞球を獲得できない事態が生じるのを防ぐことが可能である。
手段D4に係る発明は、
手段D2に記載の遊技機において、
前記特別ゲーム状態は、前記特別遊技状態が終了したときに移行可能である(図12(B)、図14(B)、図15(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の識別図柄を引き当てると、先ず特別遊技状態によって多くの賞球を獲得することができる。その後、特別ゲーム状態によって、持ち球数を減らさずに入球口への入球に基づく賞球を獲得することができる。こうして、特別遊技状態から特別ゲーム状態までの一連の長い有利な状態を堪能することが可能である。
手段D5に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機において、
当たりと判定されることに基づいて遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に制御可能な遊技状態制御手段(遊技制御用マイコン101)を備え、
前記特定の識別図柄は、当たりと判定されていないことを示す特定のハズレ図柄(特別ハズレ図柄)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定のハズレ図柄が変動表示を経て停止表示することにより、特別ゲーム状態に設定される場合がある。よって、特別遊技状態とは無関係に、持ち球数が加算されるだけの状態に移行するという意外な興趣性を提供することが可能である。
ところで、特開2007−676号公報に記載の遊技機のように、封入式パチンコでは、内部に封入された遊技球が循環して外部に排出されることがないため、遊技場にとっては遊技球の管理がし易いというメリットがある。しかしながら、遊技者にとっては、遊技球を触ることができなくなる点が変化しただけであり、興趣性に大きな変化がない。従って、封入式パチンコに基づく斬新な興趣性が求められていた。そこで手段D1〜D5に係る発明は、特開2007−676号公報に記載の遊技機に対して、遊技領域に遊技球が発射される際に持ち球数が減算されない特別ゲーム状態に設定される場合があり、特別ゲーム状態は、識別図柄のうち特定の識別図柄が変動表示を経て停止表示することに基づいて、移行可能である点で相違している。これにより、斬新な興趣性を提供することが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段E>
手段E1に係る発明は、
遊技領域に配置されている入球口(第1始動口11、第2始動口12)と、
持ち球数を表示可能な表示手段(持ち球数表示器180)と、
前記遊技領域に遊技球が発射される場合に前記持ち球数を減算可能であり、遊技球が前記入球口に入球する場合に前記持ち球数を加算可能な持ち球数制御手段(払出制御用マイコン171)と、を備え、
前記遊技領域に遊技球が発射される際に前記持ち球数が減算されない特別ゲーム状態に設定される場合があり(図12、図13、図14、図15参照)、
前記特別ゲーム状態は、当該特別ゲーム状態に移行してから前記遊技領域を流下する遊技球の数が特定数(300、200、100、図7(A)参照)に達することに基づいて、終了可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特別ゲーム状態に設定されると、遊技球が遊技領域に発射されても、持ち球数が減算されない。従って遊技者は、特別ゲーム状態において遊技球を入球口に入球させることで、持ち球数を減らさずに入球口への入球に基づく賞球を獲得することが可能である。そしてこの特別ゲーム状態は、当該特別ゲーム状態に移行してから遊技領域を流下する遊技球の数が特定数に達することに基づいて終了する。従って遊技者には、特定数の遊技球に限って、フリー(無料)で遊技を楽しむという斬新な興趣性を提供することが可能である。
手段E2に係る発明は、
手段E1に記載の遊技機において、
当たりであるかの判定結果を示す識別図柄を変動表示を経て停止表示可能な識別図柄表示手段(特図表示器81)を備え、
前記特別ゲーム状態は、前記識別図柄のうち特定の識別図柄(特図1_大当たり図柄1、特図1_大当たり図柄2、特図1_大当たり図柄3、特図2_大当たり図柄1、特図2_大当たり図柄2、特図2_大当たり図柄3、特図2_大当たり図柄4、図7(A)参照)が変動表示を経て停止表示することに基づいて、移行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特別ゲーム状態は、特定の識別図柄が変動表示を経て停止表示することに基づいて、移行することができる。従って遊技者には、特定の識別図柄を引き当てれば、特定数の遊技球に限ってフリーで遊技を楽しむことができるという斬新な興趣性を提供することが可能である。
手段E3に係る発明は、
手段E2に記載の遊技機において、
前記特定の識別図柄には、第1の特定の識別図柄(特図1_大当たり図柄2)と、第2の特定の識別図柄(特図1_大当たり図柄1)、とがあり、
前記特別ゲーム状態は、
前記第1の特定の識別図柄が変動表示を経て停止表示することに基づいて移行した場合、当該特別ゲーム状態に移行してから前記遊技領域を流下する遊技球の数が第1の特定数(100)に達することに基づいて、終了可能である(図13(A)参照)一方、
前記第2の特定の識別図柄が変動表示を経て停止表示することに基づいて移行した場合、当該特別ゲーム状態に移行してから前記遊技領域を流下する遊技球の数が前記第1の特定数よりも多い第2の特定数(200)に達することに基づいて、終了可能である(図12(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1の特定の識別図柄を引き当てれば、第1の特定数の遊技球に限ってフリーで遊技を楽しむことができる。その一方、第2の特定の識別図柄を引き当てれば、第1の特定数よりも多い第2の特定数の遊技球に限ってフリーで遊技を楽しむことができる。こうして、特別ゲーム状態に移行可能な特定の識別図柄の中で、第1の特定の識別図柄よりも、第2の特定の識別図柄の方をより引き当てたいという斬新な興趣性を提供することが可能である。
ところで、特開2007−676号公報に記載の遊技機のように、封入式パチンコでは、内部に封入された遊技球が循環して外部に排出されることがないため、遊技場にとっては遊技球の管理がし易いというメリットがある。しかしながら、遊技者にとっては、遊技球を触ることができなくなる点が変化しただけであり、興趣性に大きな変化がない。従って、封入式パチンコに基づく斬新な興趣性が求められていた。そこで手段E1〜E3に係る発明は、特開2007−676号公報に記載の遊技機に対して、遊技領域に遊技球が発射される際に持ち球数が減算されない特別ゲーム状態に設定される場合があり、特別ゲーム状態は、当該特別ゲーム状態に移行してから遊技領域を流下する遊技球の数が特定数に達することに基づいて、終了可能である点で相違している。これにより、斬新な興趣性を提供することが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段F>
手段F1に係る発明は、
遊技領域に配置されている入球口(第1始動口11、第2始動口12)と、
持ち球数を表示可能な表示手段(持ち球数表示器180)と、
前記遊技領域に遊技球が発射される場合に前記持ち球数を減算可能であり、遊技球が前記入球口に入球する場合に前記持ち球数を加算可能な持ち球数制御手段(払出制御用マイコン171)と、を備え、
前記遊技領域に遊技球が発射される際に前記持ち球数が減算されない特別ゲーム状態に設定される場合があり(図12、図13、図14、図15参照)、
前記特別ゲーム状態は、当該特別ゲーム状態に移行してから所定時間(500秒、300秒、150秒、図42(A)参照)が経過することに基づいて、終了可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特別ゲーム状態に設定されると、遊技球が遊技領域に発射されても、持ち球数が減算されない。従って遊技者は、特別ゲーム状態において遊技球を入球口に入球させることで、持ち球数を減らさずに入球口への入球に基づく賞球を獲得することが可能である。そしてこの特別ゲーム状態は、当該特別ゲーム状態に移行してから所定時間が経過することに基づいて終了する。従って遊技者には、所定時間に限って、フリー(無料)で遊技を楽しむという斬新な興趣性を提供することが可能である。
手段F2に係る発明は、
手段F1に記載の遊技機において、
当たりであるかの判定結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示を経て停止表示可能な識別図柄表示手段(特図表示器81)を備え、
前記特別ゲーム状態は、前記識別図柄のうち所定の識別図柄(特図1_大当たり図柄5、特図1_大当たり図柄6、特図1_大当たり図柄7、特図2_大当たり図柄5、特図2_大当たり図柄6、特図2_大当たり図柄7、特図2_大当たり図柄8、図42(A)参照)が変動表示を経て停止表示することに基づいて、移行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特別ゲーム状態は、所定の識別図柄が変動表示を経て停止表示することに基づいて、移行することができる。従って遊技者には、所定の識別図柄を引き当てれば、所定時間に限ってフリーで遊技を楽しむことができるという斬新な興趣性を提供することが可能である。
手段F3に係る発明は、
手段F2に記載の遊技機において、
前記所定の識別図柄には、第1の所定の識別図柄(特図1_大当たり図柄6)と、第2の所定の識別図柄(特図1_大当たり図柄5)、とがあり、
前記特別ゲーム状態は、
前記第1の所定の識別図柄が変動表示を経て停止表示することに基づいて移行した場合、当該特別ゲーム状態に移行してから第1の所定時間(150秒)が経過することに基づいて、終了可能である一方、
前記第2の所定の識別図柄が変動表示を経て停止表示することに基づいて移行した場合、当該特別ゲーム状態に移行してから前記第1の所定時間よりも長い第2の所定時間(300秒)が経過することに基づいて、終了可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1の所定の識別図柄を引き当てれば、第1の所定時間に限ってフリーで遊技を楽しむことができる。その一方、第2の所定の識別図柄を引き当てれば、第1の所定時間よりも長い第2の所定時間に限ってフリーで遊技を楽しむことができる。こうして、特別ゲームに移行可能な所定の識別図柄の中で、第1の所定の識別図柄よりも、第2の所定の識別図柄の方をより引き当てたいという斬新な興趣性を提供することが可能である。
ところで、特開2007−676号公報に記載の遊技機のように、封入式パチンコでは、内部に封入された遊技球が循環して外部に排出されることがないため、遊技場にとっては遊技球の管理がし易いというメリットがある。しかしながら、遊技者にとっては、遊技球を触ることができなくなる点が変化しただけであり、興趣性に大きな変化がない。従って、封入式パチンコに基づく斬新な興趣性が求められていた。そこで手段F1〜F3に係る発明は、特開2007−676号公報に記載の遊技機に対して、遊技領域に遊技球が発射される際に持ち球数が減算されない特別ゲーム状態に設定される場合があり、特別ゲーム状態は、当該特別ゲーム状態に移行してから所定時間が経過することに基づいて、終了可能である点で相違している。これにより、斬新な興趣性を提供することが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段G>
手段G1に係る発明は、
遊技領域に配置されている入球口(第1始動口11、第2始動口12)と、
持ち球数を表示可能な表示手段(持ち球数表示器180)と、
前記遊技領域に遊技球が発射される場合に前記持ち球数を減算可能であり、遊技球が前記入球口に入球する場合に前記持ち球数を加算可能な持ち球数制御手段(払出制御用マイコン171)と、を備え、
前記遊技領域に遊技球が発射される際に前記持ち球数が減算されない特別ゲーム状態に設定される場合があり(図12、図13、図14、図15参照)、
前記特別ゲーム状態に設定されている場合に、当該特別ゲーム状態に設定されていることを示す特別ゲーム状態報知(特別ゲーム中演出、図41(C)〜図41(I)参照)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特別ゲーム状態に設定されると、遊技球が遊技領域に発射されても、持ち球数が減算されない。従って遊技者は、特別ゲーム状態において遊技球を入球口に入球させることで、持ち球数を減らさずに入球口への入球に基づく賞球を獲得することが可能である。そしてこの特別ゲーム状態では、当該特別ゲーム状態であることを示す特別ゲーム状態報知が実行される。従って遊技者には、持ち球数が加算されるだけの状態になっていることを把握させ易くして、斬新な興趣性を提供することが可能である。
手段G2に係る発明は、
手段G1に記載の遊技機において、
所定の演出手段(画像表示装置50)を用いて演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)を備え、
前記演出制御手段は、前記演出手段にて前記特別ゲーム状態報知を実行可能である(図41(C)〜図41(I)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特別ゲーム状態では、演出手段にて特別ゲーム状態報知が実行される。従って、既存の演出手段を用いつつ、特別ゲーム状態に設定されていることを演出として示すことが可能である。
手段G3に係る発明は、
手段G2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、前記特別ゲーム状態に設定されている場合に当該特別ゲーム状態が終了するまでに要する条件(特別ゲーム状態が終了するまでに要するアウト球数、特別ゲーム状態が終了するまでに要する時間)を示唆する終了条件示唆演出(残特別ゲーム状態演出、図41(C)〜図41(I)、図43(B)〜図43(C)参照)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特別ゲーム状態において当該特別ゲーム状態が終了するまでに要する条件を示唆する終了条件示唆演出が実行される。これにより遊技者には、持ち球数が加算されるだけの状態があとどのくらい継続するのかを把握させ易くすることが可能である。
手段G4に係る発明は、
手段G1に記載の遊技機において、
前記表示手段は、前記特別ゲーム状態報知として、前記特別ゲーム状態に設定されていることを示す特定表示(持ち球数表示器180の第48点灯部LB48の点灯)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特別ゲーム状態に設定されているときに、表示手段によって、特定表示と表示される。従って、表示手段を見れば、持ち球数を把握できると共に、特別ゲーム状態に設定されているか否かも把握することが可能である。
ところで、特開2007−676号公報に記載の遊技機のように、封入式パチンコでは、内部に封入された遊技球が循環して外部に排出されることがないため、遊技場にとっては遊技球の管理がし易いというメリットがある。しかしながら、遊技者にとっては、遊技球を触ることができなくなる点が変化しただけであり、興趣性に大きな変化がない。従って、封入式パチンコに基づく斬新な興趣性が求められていた。そこで手段G1〜G4に係る発明は、特開2007−676号公報に記載の遊技機に対して、遊技領域に遊技球が発射される際に持ち球数が減算されない特別ゲーム状態に設定される場合があり、特別ゲーム状態に設定されている場合に、当該特別ゲーム状態に設定されていることを示す特別ゲーム状態報知を実行可能である点で相違している。これにより、斬新な興趣性を提供することが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。