JP2021078463A - Co2供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼器の着火と消火の頻度の増加を抑えつつ、CO2濃度の変化幅を抑えることができ得るCO2供給装置を提供する。【解決手段】CO2供給装置1は、燃焼によりCO2を含む燃焼ガスを発生させる燃焼器と、栽培室内のCO2濃度が開始濃度以下のときに燃焼器を動作させ、栽培室内のCO2濃度が停止濃度以上のときに燃焼器を停止させる制御部151と、を備える。ここで、開始濃度と停止濃度との間が複数の濃度帯に分割される。そして、制御部151は、CO2濃度が高い濃度帯ほど燃焼器の出力が低くなるように燃焼器を制御する。【選択図】図3
Description
本発明は、温室、ビニールハウス等の栽培室内に植えられた植物にCO2を供給するCO2供給装置に関する。
従来、温室、ビニールハウス等の栽培室内に植えられた農作物等の植物にCO2(炭酸ガス)を供給するCO2供給装置において、燃焼器の燃焼により発生した、CO2を含む燃焼ガスを栽培室内に排出させるようにしたものが知られている。たとえば、このようなCO2供給装置の一例が、特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載の炭酸ガス発生装置(CO2供給装置)では、バーナノズル(燃焼器)を備える燃焼筒と送風ファンとが送風ダクト内に配置され、バーナノズルの燃焼により発生した燃焼ガスが送風ファンによって温室内に送り込まれる。
このようなCO2供給装置において、植物が消費しきれないような過度なCO2が供給されないようにするため、栽培室内でCO2濃度を検出し、検出したCO2濃度に基づいて燃焼ガスの発生量を調整するような構成を採ることが考えられる。
CO2の供給量を調整するような構成として、炭酸ガスボンベの炭酸ガスを栽培ベッドに定植されたイチゴに対して施用するようにした炭酸ガス施用装置において、炭酸ガス濃度が設定下限濃度以下となったことを炭酸ガス濃度計が検知すると、炭酸ガスボンベの電磁弁を開けて炭酸ガスを施用し、炭酸ガス濃度が設定上限濃度以上となったことを炭酸ガス濃度計が検知すると、炭酸ガスボンベの電磁弁を閉めることが特許文献2に記載されている。
上記のような燃焼式のCO2供給装置においても、特許文献2の炭酸ガス施用装置と同様、CO2濃度が下限濃度以下になったときに燃焼器を動作させ、CO2濃度が上限濃度以上になったときに燃焼器を停止させるような制御を行うことが考えられる。しかしながら、このような構成が採られた場合、以下のような課題が生じ得る。
上限濃度と下限濃度との間の幅が大きい場合、栽培室内のCO2濃度の変化幅が大きくなる。この場合、CO2濃度の変化が大きくなる環境は植物にとってストレスとなるため、植物の生育に影響が出ることが懸念される。
一方で、上限濃度と下限濃度との間の幅を小さくすれば、CO2濃度の変化幅は抑えられる。しかしながらこの場合、燃焼器の着火と消火の頻度が増えるため、燃焼器の耐久性の低下が懸念される。
そこで、本発明は、燃焼器の着火と消火の頻度の増加を抑えつつ、CO2濃度の変化幅を抑えることができ得るCO2供給装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、栽培室内にCO2を含む燃焼ガスを放出し、前記栽培室内の植物にCO2を供給するCO2供給装置に関する。本態様に係るCO2供給装置は、燃焼によりCO2を含む燃焼ガスを発生させる燃焼器と、前記栽培室内のCO2濃度が下限濃度以下のときに前記燃焼器を動作させ、前記栽培室内のCO2濃度が上限濃度以上のときに前記燃焼器を停止させる制御部と、を備える。ここで、前記上限濃度と前記下限濃度との間が複数の濃度帯に分割される。そして、前記制御部は、前記CO2濃度が高い前記濃度帯ほど前記燃焼器の出力が低くなるように前記燃焼器を制御する。
たとえば、前記上限濃度と前記下限濃度との間に中間濃度が設定され得る。そして、この場合に、前記制御部は、前記CO2濃度が前記下限濃度以下のときに第1出力で前記燃焼器を動作させ、前記第1出力での前記燃焼器の動作中に前記CO2濃度が前記中間濃度以上になると前記燃焼器の出力を前記第1出力より低い第2出力に切り替える。さらに、前記制御部は、前記第2出力での前記燃焼器の動作中に、前記CO2濃度が前記上限濃度以上になると前記燃焼器を停止させ、前記CO2濃度が前記下限濃度以下になると前記燃焼器の出力を前記第1出力に切り替える。さらに、前記制御部は、前記燃焼器の停止中に前記CO2濃度が前記中間濃度以下になると前記第2出力で前記燃焼器を動作させる。
上記の構成によれば、CO2濃度の変化幅を、そのときの栽培室内でのCO2の消費量に応じた濃度帯の範囲に収めることができるので、CO2濃度の変化幅を小さく抑えることができる。また、CO2濃度が上限濃度に到達して燃焼器が停止するのは、CO2の消費量が少ない場合であり、このときは、最も高濃度の濃度帯の下限、たとえば、セーブ濃度までCO2濃度が低下するのに長く時間を要するので、その下限において燃焼器が動作を再開するまでの時間が長くなる。よって、燃焼器の点火と消火の頻度の増加を抑えることができる。
本発明の第2の態様は、栽培室内にCO2を含む燃焼ガスを放出し、前記栽培室内の植物にCO2を供給するCO2供給装置に関する。本態様に係るCO2供給装置は、燃焼によりCO2を含む燃焼ガスを発生させる燃焼器と、目標濃度と前記栽培室内のCO2濃度との差分に応じて前記燃焼器の出力を調整する制御部と、を備える。
上記の構成によれば、栽培室内のCO2濃度が目標濃度に近づくと、燃焼によるCO2の供給量と栽培室内でのCO2の消費量との間で均衡がとれるようになり、目標濃度に近い範囲においてCO2濃度がほぼ一定に保たれるようになる。よって、CO2濃度の変化幅を抑えることができるとともに、燃焼器の点火と消火の頻度も抑えることができる。
本態様に係るCO2供給装置において、前記制御部は、前記CO2濃度が前記目標濃度以上になると、前記燃焼器を停止させ、前記燃焼器の停止により、前記CO2濃度が前記目標濃度よりも低い開始濃度以下になると、前記燃焼器を動作させるような構成とされ得る。
上記の構成によれば、燃焼器の動作の再開後直ちに、CO2濃度が目標濃度以上となって燃焼器が停止してしまうことを防止でき、燃焼器の点火と消火の頻度が増加することを防止できる。
以上のとおり、本発明によれば、燃焼器の着火と消火の頻度の増加を抑えつつ、CO2濃度の変化幅を抑えることができ得るCO2供給装置を提供できる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、CO2供給装置1が設置された栽培室2を模式的に示す図である。
CO2供給装置1は、温室、ビニールハウス等の栽培室2に設置され、栽培室2内で育成される農作物等の植物にCO2(二酸化炭素)を供給し、植物の光合成を促進させる。CO2供給装置1は、燃焼式の熱源機10と、空冷式の放熱機20と、ダクトユニット30とを備える。熱源機10は栽培室2内に設置され、放熱機20は栽培室2の外、即ち屋外に設置される。ダクトユニット30は、熱源機10に接続され、植物群落の中、即ち、植物の近傍へと延びる。ダクトユニット30により、植物の近くにCO2が導かれる。なお、図1の例では、栽培室2は、植物が栽培される部屋と熱源機10が設置される部屋とに区切られていない。即ち、熱源機10は、植物が栽培される部屋に設置される。しかしながら、栽培室2は、上記2つの部屋に区切られていてもよい。この場合、熱源機10が設置された部屋から植物が栽培される部屋へとダクトユニット30が延びることになる。
図2は、CO2供給装置1の構成を示す概略図である。
熱源機10は、ほぼ方形の箱型形状を有する筐体100を備える。筐体100内には缶体101が配置され、この缶体101内に燃焼器102と熱交換器103が収容される。燃焼器102には、供給管104が接続される。供給管104は、缶体101および筐体100の外に出て、燃料、たとえば灯油が貯留された燃料タンク(図示せず)に繋がる。供給管104には、供給ポンプ105が設けられる。また、燃焼器102には、気化ヒータ106とイグナイタ107が設けられる。
熱交換器103は、燃焼器102の後段(下方)に設けられる。熱交換器103には、往き管108と戻り管109が接続される。往き管108と戻り管109は、缶体101および筐体100の外に出て放熱機20側へと延びる。戻り管109には、循環ポンプ110が設けられる。
缶体101には、その上端の給気口101aに燃焼ファン111が連結される。燃焼ファン111は、たとえば、遠心ファンであり、ケーシング112と、ケーシング112内に配置されるファン113と、ファン113を回転させるモータ114とを含む。ケーシング112には、給気ダクト115が接続される。給気ダクト115の給気口115aは、筐体100の天面100aから突出する。なお、燃焼ファン111は、燃焼器102とユニット化されて缶体101内に配置されてもよい。
缶体101には、その下端の排気口101bに排気ダクト116が連結される。排気ダクト116は、筐体100内の下部で折り返された後に上方へと延び、その排気口116aが筐体100の天面100aから突出する。
筐体100の天面100aには、ほぼ方形の箱型形状を有するダクトフード117が被せられ、天面100aから突出する給気口115aと排気口116aがダクトフード117により覆われる。ダクトフード117には、4つの側面にそれぞれ開口部118が設けられる。ダクトフード117内には、熱源機10の外部の空気が各開口部118を通じて取り込まれる。取り込まれた空気は、排気口116aから排出された燃焼ガスの冷却と、燃焼器102による燃焼ガスの生成とに用いられる。各開口部118には、網目を有するカバー部材119が設けられる。カバー部材119により、開口部118を通じてダクトフード117内に流入する空気から埃等を除去でき、また、開口部118を通じたダクトフード117内への虫等の侵入を防止できる。
放熱機20は、筐体200内に、熱交換器201と、熱交換器201を冷却するための冷却ファン202を備える。熱交換器201には、熱源機10側から延びる往き管108と戻り管109が接続される。冷却ファン202は、たとえば、軸流ファンであり、ケーシング203と、ケーシング203内に配置されるファン204と、ファン204を回転させるモータ205とを含む。
熱源機10および放熱機20は、それぞれに対応して栽培室2の床面に設けられた一対の架台41、42に設置される。
ダクトユニット30は、供給ダクト310と、供給ファン320とを含む。供給ダクト310は、吸気ダクト330と、排気ダクト340と、複数の分岐ダクト350とで構成される。吸気ダクト330は、一端がダクトフード117の天面に設けられた出口117aに接続され、他端が供給ファン320に接続される。排気ダクト340は、一端が供給ファン320に接続される。複数の分岐ダクト350は、排気ダクト340から分岐する。各分岐ダクト350には、栽培室2内の植物に対応する位置に、複数の放出口351が形成される。
供給ファン320は、たとえば、遠心ファンであり、ケーシング321と、ケーシング321内に配されたファン322と、ファン322を回転させるモータ323とを含む。ケーシング321は吸込口321aと吐出口321bを有し、吸込口321aが吸気ダクト330に接続され、吐出口321bが排気ダクト340に接続される。モータ323には、当該モータ323に過電流が流れたことを検出する過電流センサ324が設けられる。供給ファン320では、モータ323に過電流が流れると、モータ323が停止してファン322が停止する。
CO2供給装置1は、熱源機10、放熱機20およびダクトユニット30に加えて、操作盤50と、CO検出ユニット60と、CO2濃度センサ70と、を備える。
操作盤50は、制御部(後述する)等により構成される操作盤本体51と、操作盤本体51が収容される制御ボックス52とを含む。制御ボックス52は、たとえば樹脂製であり、前面に扉52aを有する。扉52aが開かれると、制御ボックス52の内部にアクセスが可能となる。
CO検出ユニット60は、CO警報器61と、検出ボックス62と、サンプリング管63とを含む。検出ボックス62は、サンプリング管63を介して供給ファン320のケーシング321における吐出口321bの近傍に接続される。供給ダクト310を流れる燃焼ガスの一部が、サンプリングガスとして、サンプリング管63を通じて検出ボックス62内に導入される。CO警報器61は、検出ボックス62に取り付けられる。CO警報器61は、CO濃度センサを有し、検出ボックス62内に導入されたサンプリングガス中のCO(一酸化炭素)の濃度をCO濃度センサにより検出する。CO警報器61は、検出されたCO濃度が許容値を超える場合に警報信号を出力する。
CO2濃度センサ70は、栽培室2内において、供給ダクト310の放出口351と離れた位置に設けられ、栽培室2内、特に、植物の周囲のCO2濃度を検出する。
熱源機10の筐体100の外側面には、設置具80が設けられる。操作盤50と、CO警報器61が取り付けられた検出ボックス62は、設置具80に固定されることにより、熱源機10の近傍に設置される。
図3は、CO2供給装置1の構成を示すブロック図である。
熱源機10は、図2の構成の他、制御部151と、燃焼ファン駆動部152と、供給ポンプ駆動部153と、ヒータ駆動部154と、イグナイタ駆動部155と、循環ポンプ駆動部156とを備える。
制御部151は、たとえば、マイクロコンピュータであり、燃焼ファン駆動部152、供給ポンプ駆動部153、ヒータ駆動部154、イグナイタ駆動部155、循環ポンプ駆動部156等を制御する。
燃焼ファン駆動部152は、制御部151からの制御信号に従って、燃焼ファン111(モータ114)を駆動する。供給ポンプ駆動部153は、制御部151からの制御信号に従って、供給ポンプ105を駆動する。ヒータ駆動部154は、制御部151からの制御信号に従って、気化ヒータ106を駆動する。イグナイタ駆動部155は、制御部151からの制御信号に従って、イグナイタ107を駆動する。循環ポンプ駆動部156は、制御部151からの制御信号に従って、循環ポンプ110を駆動する。
放熱機20は、図2の構成の他、制御部251と、ファン駆動部252と、回転数センサ253とを備える。
制御部251は、たとえば、マイクロコンピュータである。制御部251には、回転数センサ253が検出した冷却ファン202の回転数に基づく回転数信号が入力される。制御部251は、ファン駆動部252等を制御する。
ファン駆動部252は、制御部251からの制御信号に従って、冷却ファン202(モータ205)を駆動する。たとえば、ファン駆動部252は、回転数センサ253で検出された回転数に基づいてモータ205に供給する電流を調整する。
操作盤50は、制御部501と、操作部502と、供給ファン駆動部503とを備える。制御部501、操作部502および供給ファン駆動部503は、操作盤本体51に含まれる。
制御部501は、たとえば、マイクロコンピュータであり、供給ファン駆動部503等を制御する。操作部502は、CO2供給運転を開始させるための開始ボタン、CO2供給運転を停止させるための停止ボタン等の操作ボタンを含み、操作された操作ボタンに応じた操作信号を制御部501に出力する。供給ファン駆動部503は、制御部501からの制御信号に従って、供給ファン320(モータ323)を駆動する。
制御部501は、信号線等を介して、供給ファン320の過電流センサ324、CO警報器61、CO2濃度センサ70等と接続される。供給ファン320のモータ323に過電流が流れてモータ323が異常停止すると、過電流センサ324から検出信号が制御部501へ出力される。また、制御部501には、CO警報器61から警報信号が入力され、CO2濃度センサ70からCO2濃度に応じた検出信号が入力される。さらに、制御部501は、信号線等を介して、熱源機10の制御部151および放熱機20の制御部251と通信可能に接続される。
CO2供給装置1は、CO2供給運転を行う。CO2供給運転は、操作盤50からの指令に基づいて、熱源機10と放熱機20とが動作することにより実行される。CO2供給運転のため、CO2供給装置1では、CO2供給運転の開始の基準となるCO2濃度である開始濃度と、CO2供給運転の停止の基準となるCO2濃度である停止濃度と、これら開始濃度と停止濃度との中間のCO2濃度であるセーブ濃度とが予め設定されており、操作盤50の制御部501に、これらのCO2濃度が保持されている。開始濃度、停止濃度およびセーブ濃度は、それぞれ、本発明の「下限濃度」、「上限濃度」および「中間濃度」に相当する。
CO2供給運転において、熱源機10の制御部151は、CO2濃度センサ70により検出された栽培室2内のCO2濃度が開始濃度以下のときに燃焼器102を動作(燃焼)させ、栽培室2内のCO2濃度が停止濃度以上のときに燃焼器102を停止させる。また、セーブ濃度によって開始濃度と停止濃度の間が2つの濃度帯に分割され、制御部151は、CO2濃度が高い濃度帯ほど燃焼器102の出力を低くする。
以下、CO2供給運転について説明する。
図4は、操作盤50の制御部501により実行されるCO2供給運転の運転制御を示すフローチャートである。
操作部502による操作が行わることにより、CO2供給運転が開始される。
操作盤50において、制御部501は、CO2濃度センサ70により検出されたCO2濃度を監視し、CO2濃度が開始濃度以下になると(S101:YES)、CO2供給運転を開始させるための開始信号を熱源機10へ送信する(S102)。開始信号は、放熱機20にも送信される。これにより、後述する熱源機10と放熱機20の動作により、栽培室2内にCO2が供給され、栽培室2内のCO2濃度が上昇する。
制御部501は、引き続きCO2濃度を監視し、CO2濃度がセーブ濃度以上になったか否かを判定する(S103)。そして、CO2濃度がセーブ濃度以上になると(S103:YES)、制御部501は、CO2供給運転を抑えるためのセーブ信号を熱源機10へ送信する(S104)。これにより、熱源機10では、燃焼器102の出力が低くされ、栽培室2内へのCO2の供給量が減少する。
制御部501は、引き続きCO2濃度を監視し、CO2濃度が停止濃度以上になったか否かを判定するとともに(S105)、CO2濃度が開始濃度以下になったか否かを判定する(S106)。CO2濃度が停止濃度以上になった場合(S105:YES)、制御部501は、CO2供給運転を停止させるための停止信号を熱源機10へ送信する(S107)。停止信号は、放熱機20にも送信される。これにより、熱源機10と放熱機20の動作が停止し、栽培室2内へのCO2の供給が停止する。
その後、制御部501は、引き続きCO2濃度を監視し、CO2濃度がセーブ濃度以下になると(S108:YES)、S104の処理に戻って、セーブ信号を熱源機10へ送信する。このとき、放熱機20には、開始信号が送信される。これにより、熱源機10と放熱機20が再び動作し、栽培室2内へのCO2の供給が再開される。このときの燃焼器102の出力は、停止前の出力である。
一方、S106において、制御部501は、CO2濃度が開始濃度以下になったと判定すると(S106:YES)、S102の処理に戻って、開始信号を熱源機10へ送信する。これにより、熱源機10では、燃焼器102の出力が、セーブ信号が送信される前の出力に戻され、栽培室2内へのCO2の供給量が増加する。
図5は、熱源機10の制御部151により実行されるCO2供給運転の運転制御を示すフローチャートである。
熱源機10において、制御部151は、操作盤50からの開始信号を監視する(S201)。栽培室2内のCO2濃度が開始濃度以下になることにより、操作盤50から開始信号を受けると(S201:YES)、制御部151は、燃焼ファン111を動作させる(S202)。これにより、給気ダクト115を通じて取り込まれた空気が、缶体101内の燃焼器102に供給される。さらに、制御部151は、供給ポンプ105、気化ヒータ106およびイグナイタ107を動作させることにより、燃焼器102を動作させる(S203)。即ち、燃焼器102に燃料タンクから供給管104を通じて燃料が供給され、供給された燃料が気化ヒータ106により気化された状態でイグナイタ107により点火が行われることで、燃焼器102が燃焼する。このとき、燃焼器102の出力は、第1出力とされる。第1出力は、たとえば、燃焼器102が出力可能な最大出力とされる。燃焼器102の出力は、燃料の供給量などを調整することにより調整できる。
燃焼器102の燃焼により、CO2を含む高温の燃焼ガスが発生する。燃焼ガスは、缶体101内を下方へ流れ、熱交換器103を通過する。制御部151は、循環ポンプ110を動作させる。これにより、熱交換器103と、往き管108と、放熱機20の熱交換器201と、戻り管109との間で熱媒である水が循環する。熱交換器103を通過する燃焼ガスと熱交換器103内を流れる水との間で熱交換が行われ、燃焼ガスから吸熱されて燃焼ガスが冷却される。熱交換器103での燃焼ガスの冷却は一次冷却となる。一次冷却された燃焼ガスは、排気ダクト116内を流れて、排気口116aからダクトフード117内へ排出される。
操作盤50では、開始信号が送信されるときに制御部501が供給ファン320を動作させる。ダクトフード117内へ排出された燃焼ガスが、供給ダクト310内に取り込まれる。このとき、ダクトフード117の開口部118から外部、即ち熱源機10の周囲の空気が取り込まれ、取り込まれた空気と燃焼ガスとが混ざり合う。そして、空気が混合された後の燃焼ガスが供給ダクト310に取り込まれる。空気が混合されることにより燃焼ガスが冷却される。ダクトフード117での燃焼ガスの冷却は二次冷却となる。二次冷却されて供給ダクト310内に流入した燃焼ガスは、供給ダクト310、即ち吸気ダクト330および排気ダクト340を流れる。排気ダクト340を流れた燃焼ガスは、各分岐ダクト350へ流入し、分岐ダクト350を流れて放出口351から栽培室2内に放出される。これにより、燃焼ガスに含まれるCO2が植物に供給される。
放熱機20では、燃焼ガスとの熱交換で温まり往き管108を流れてきた水が熱交換器201へ流入する。制御部251は、操作盤50からの開始信号を受けて冷却ファン202を動作させる。これにより、栽培室2の外の空気が冷却風として熱交換器201に送られる。熱交換器201内を流れる水と冷却風との間で熱交換が行われ、水が冷却される。冷却された水は、戻り管109を通って熱源機10へと戻る。熱交換器201での水との熱交換により熱を奪った風は、放熱機20の外、即ち、栽培室2の外に排出される。
制御部151は、燃焼器102を第1出力で動作させた後、操作盤50からのセーブ信号を監視する(S204)。栽培室2内のCO2濃度がセーブ濃度以上になることにより、操作盤50からセーブ信号を受けると(S204:YES)、制御部151は、燃焼器102の出力を第1出力から第2出力へと切り替えて、燃焼器102を第2出力で動作させる(S205)。第2出力は、第1出力より低い出力であり、たとえば、第1出力の50%の出力とされる。これにより、燃焼ガスの発生量が低減して栽培室2内へのCO2の供給量が低減する。
次に、制御部151は、操作盤50からの停止信号および開始信号を監視する(S206、S207)。栽培室2内のCO2濃度が停止濃度以上になることにより、操作盤50から停止信号を受けると(S206:YES)、制御部151は、燃焼器102を停止させるとともに(S208)、燃焼ファン111を停止させる(S209)。これにより、燃焼ガスの発生が停止して栽培室2内へのCO2の供給が停止する。
その後、制御部151は、操作盤50からのセーブ信号を監視する(S210)。栽培室2内のCO2濃度がセーブ濃度以下になることにより、操作盤50からセーブ信号を受けると(S210:YES)、制御部151は、S205の処理に戻り、燃焼器102を第2出力で動作させる。これにより、栽培室2内へのCO2の供給が、停止前の低い供給量により再開される。
一方、S207において、栽培室2内のCO2濃度が開始濃度以下になることにより、操作盤50から開始信号を受けると(S207:YES)、制御部151は、S203の処理に戻り、燃焼器102を第1出力で動作させる。これにより、燃焼ガスの発生量が増加して栽培室2内へのCO2の供給量が増加する。
図6は、CO2供給運転が行われたときの栽培室2内のCO2濃度の変化を模式的に示す図である。図6では、CO2の消費が早い(消費量が多い)場合の濃度変化が実線で示されており、CO2の消費が遅い(消費量が少ない)場合の濃度変化が破線で示されている。光合成が活発になる時間帯はCO2の消費が早くなり、光合成が緩慢になる時間帯はCO2の消費が遅くなる。
図6の実線に示すように、CO2の消費が早い場合、栽培室2内のCO2濃度がセーブ濃度に達して燃焼器102の出力が第1出力から第2出力に切り替わると、CO2供給量がCO2消費量を下回ってCO2濃度が低下する。これにより、CO2濃度が開始濃度まで低下すると、燃焼器102の出力が第2出力から第1出力に切り替わり、CO2供給量がCO2消費量を上回ってCO2濃度が上昇する。
一方、図6の破線に示すように、CO2の消費が遅い場合、栽培室2内のCO2濃度がセーブ濃度に達して燃焼器102の出力が第1出力から第2出力に切り替わってもCO2供給量がCO2消費量を上回ったままとなり、CO2濃度が上昇を続ける。これにより、CO2濃度が停止濃度に達すると、燃焼器102が停止する。CO2濃度が低下し、セーブ濃度まで達すると、燃焼器102が第2出力で動作を再開する。これにより、CO2供給量がCO2消費量を上回ってCO2濃度が上昇する。
このように、CO2の消費が早い場合は、CO2濃度は開始濃度とセーブ濃度との間の低濃度帯の間を変化する。また、CO2の消費が遅い場合は、CO2濃度はセーブ濃度と停止濃度との間の高濃度帯の間を変化する。時間帯の変化などによってCO2の消費状態が大きく変化したときには、CO2濃度の変化が、高濃度帯から低濃度帯へ移ったり低濃度帯から高濃度帯へ移ったりする。
なお、CO2供給運転が行われている間、過電流センサ324によって供給ファン320の過電流の検出が行われる。また、CO警報器61により燃焼不良の検出が行われる。
CO2供給運転中に供給ファン320が過電流により停止し、過電流センサ324から検出信号が入力された場合、操作盤50の制御部501は、運転を中止するための中止信号を熱源機10と放熱機20へ送信する。
また、燃焼器102の燃焼不良によりCOが発生し、燃焼ガスに多くのCOが含まれるようになった場合、供給ダクト310から検出ボックス62に送られるサンプリングガス中のCO濃度が高くなり、CO警報器61において許容値を超えるCO濃度が検出される。これにより、CO警報器61から警報信号が入力されると、制御部501は、中止信号を熱源機10と放熱機20へ送信する。
中止信号により、熱源機10および放熱機20が動作を停止し、CO2供給運転が中止される。供給ファン320や燃焼器102の異常が解消された後は、再び操作部502による操作が行われて、CO2供給運転が再開されることになる。
<実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、図6に示すように、CO2濃度の変化幅を、そのときの栽培室2内でのCO2の消費量に応じた濃度帯の範囲に収めることができるので、CO2濃度の変化幅を小さく抑えることができる。また、CO2濃度が停止濃度に到達して燃焼器102が停止するのは、CO2の消費が遅い(消費量が少ない)場合であり、このときは、CO2濃度がセーブ濃度まで低下するのに長く時間を要するので、燃焼器102が動作を再開するまでの時間が長くなる。よって、燃焼器102の点火と消火の頻度の増加を抑えることができる。
本実施の形態によれば、図6に示すように、CO2濃度の変化幅を、そのときの栽培室2内でのCO2の消費量に応じた濃度帯の範囲に収めることができるので、CO2濃度の変化幅を小さく抑えることができる。また、CO2濃度が停止濃度に到達して燃焼器102が停止するのは、CO2の消費が遅い(消費量が少ない)場合であり、このときは、CO2濃度がセーブ濃度まで低下するのに長く時間を要するので、燃焼器102が動作を再開するまでの時間が長くなる。よって、燃焼器102の点火と消火の頻度の増加を抑えることができる。
なお、従来のように、CO2濃度が開始濃度(下限濃度)以下のときに燃焼器102を動作させ、CO2濃度が停止濃度(上限濃度)以上のときに燃焼器102を停止させるような構成において、開始濃度と停止濃度との間の幅が小さくされて、本実施の形態のセーブ濃度と停止濃度との間の幅と同じにされた場合、CO2の消費が早い(消費量が多い)と、CO2濃度が停止濃度となって燃焼器102が停止した後、短い時間でCO2濃度が開始濃度まで低下して燃焼器102の動作が再開されてしまうため、燃焼器102の点火と消火の頻度が増加してしまう。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
<変更例1>
上記実施の形態では、開始濃度と停止濃度との間に1つのセーブ濃度が設定され、開始濃度と停止濃度との間が、低濃度帯と高濃度帯の2つの濃度帯に分割された。しかしながら、開始濃度と停止濃度との間に複数のセーブ濃度が設定され、開始濃度と停止濃度との間が3つ以上の濃度帯に分割されてもよい。
上記実施の形態では、開始濃度と停止濃度との間に1つのセーブ濃度が設定され、開始濃度と停止濃度との間が、低濃度帯と高濃度帯の2つの濃度帯に分割された。しかしながら、開始濃度と停止濃度との間に複数のセーブ濃度が設定され、開始濃度と停止濃度との間が3つ以上の濃度帯に分割されてもよい。
本変更例では、開始濃度と停止濃度との間に、第1セーブ濃度と第2セーブ濃度の2つのセーブ濃度が設定され、開始濃度と停止濃度との間が、低濃度帯と中濃度帯と高濃度帯の3つの濃度帯に分割される。熱源機10の制御部151は、CO2濃度が高い濃度帯ほど燃焼器102の出力を低くする。
図7は、変更例1に係る、操作盤50の制御部501により実行されるCO2供給運転の運転制御を示すフローチャートである。
操作盤50において、制御部501は、CO2濃度が開始濃度以下になると(S301:YES)、開始信号を熱源機10へ送信する(S302)。これにより、熱源機10と放熱機20が動作して、栽培室2内にCO2が供給され、栽培室2内のCO2濃度が上昇する。制御部501は、CO2濃度が第1セーブ濃度以上になると(S303:YES)、第1セーブ信号を熱源機10へ送信する(S304)。これにより、熱源機10では、燃焼器102の出力が低くされ、栽培室2内へのCO2の供給量が減少する。
次に、制御部501は、CO2濃度が第2セーブ濃度以上になったか否かを判定するとともに(S305)、CO2濃度が開始濃度以下になったか否かを判定する(S306)。CO2濃度が第2セーブ濃度以上になった場合(S305:YES)、制御部501は、第2セーブ信号を熱源機10へ送信する(S307)。これにより、熱源機10では、燃焼器102の出力がさらに低くされ、栽培室2内へのCO2の供給量がさらに減少する。
一方、制御部501は、CO2濃度が開始濃度以下になったと判定すると(S306:YES)、S302の処理に戻って、開始信号を熱源機10へ送信する。これにより、熱源機10では、燃焼器102の出力が、第1セーブ信号が送信される前の出力に戻され、栽培室2内へのCO2の供給量が増加する。
制御部501は、第2セーブ信号を送信すると、CO2濃度が停止濃度以上になったか否かを判定するとともに(S308)、CO2濃度が第1セーブ濃度以下になったか否かを判定する(S309)。CO2濃度が停止濃度以上になった場合(S308:YES)、制御部501は、停止信号を熱源機10へ送信する(S310)。これにより、熱源機10と放熱機20の動作が停止し、栽培室2内へのCO2の供給が停止する。
その後、制御部501は、CO2濃度が第2セーブ濃度以下になると(S311:YES)、S307の処理に戻って、第2セーブ信号を熱源機10へ送信する。これにより、熱源機10と放熱機20が再び動作し、栽培室2内へのCO2の供給が再開される。このときの燃焼器102の出力は、停止前の出力である。
一方、S309において、制御部501は、CO2濃度が第1セーブ濃度以下になったと判定すると(S309:YES)、S304の処理に戻って、第1セーブ信号を熱源機10へ送信する。これにより、熱源機10では、燃焼器102の出力が、第2セーブ信号が送信される前の出力に戻され、栽培室2内へのCO2の供給量が増加する。
図8は、変更例1に係る、熱源機10の制御部151により実行されるCO2供給運転の運転制御を示すフローチャートである。
熱源機10において、制御部151は、操作盤50から開始信号を受けると(S401:YES)、燃焼ファン111を動作させる(S402)。さらに、制御部151は、燃焼器102を第1出力で動作させる(S403)。これにより、栽培室2内へCO2が供給される。
次に、制御部151は、栽培室2内のCO2濃度が第1セーブ濃度以上になることにより、操作盤50から第1セーブ信号を受けると(S404:YES)、燃焼器102の出力を第1出力から第3出力へと切り替えて、燃焼器102を第3出力で動作させる(S405)。第3出力は、第1出力より低い出力であり、たとえば、第1出力の60%の出力とされる。これにより、燃焼ガスの発生量が低減して栽培室2内へのCO2の供給量が低減する。
次に、制御部151は、操作盤50からの第2セーブ信号および開始信号を監視する(S406、S407)。栽培室2内のCO2濃度が第2セーブ濃度以上になることにより、操作盤50から第2セーブ信号を受けると(S406:YES)、制御部151は、燃焼器102の出力を第3出力から第4出力へと切り替えて、燃焼器102を第4出力で動作させる(S408)。第4出力は、第3出力より低い出力であり、たとえば、第1出力の30%の出力とされる。これにより、燃焼ガスの発生量がさらに低減して栽培室2内へのCO2の供給量がさらに低減する。
一方、栽培室2内のCO2濃度が開始濃度以下になることにより、操作盤50から開始信号を受けると(S407:YES)、制御部151は、S403の処理に戻り、燃焼器102を第1出力で動作させる。これにより、燃焼ガスの発生量が増加して栽培室2内へのCO2の供給量が増加する。
制御部151は、燃焼器102の出力を第4出力に切り替えると、操作盤50からの停止信号および第1セーブ信号を監視する(S409、S410)。栽培室2内のCO2濃度が停止濃度以上になることにより、操作盤50から停止信号を受けると(S409:YES)、制御部151は、燃焼器102を停止させるとともに(S411)、燃焼ファン111を停止させる(S412)。これにより、燃焼ガスの発生が停止して栽培室2内へのCO2の供給が停止する。
その後、制御部151は、栽培室2内のCO2濃度が第2セーブ濃度以下になることにより、操作盤50から第2セーブ信号を受けると(S413:YES)、S408の処理に戻り、燃焼器102を第4出力で動作させる。これにより、栽培室2内へのCO2の供給が、停止前の低い供給量により再開される。
一方、S410において、栽培室2内のCO2濃度が第1セーブ濃度以下になることにより、操作盤50から第1セーブ信号を受けると(S410:YES)、制御部151は、S405の処理に戻り、燃焼器102を第3出力で動作させる。これにより、燃焼ガスの発生量が増加して栽培室2内へのCO2の供給量が増加する。
図9は、変更例1に係る、CO2供給運転が行われたときの栽培室2内のCO2濃度の変化を模式的に示す図である。図9では、CO2の消費が早い(消費量が多い)場合の濃度変化が実線で示されており、CO2の消費が普通(消費量が普通)の場合の濃度変化が破線で示されており、CO2の消費が遅い(消費量が少ない)場合の濃度変化が一点鎖線で示されている。
図9の実線に示すように、CO2の消費が早い場合、栽培室2内のCO2濃度が第1セーブ濃度に達して燃焼器102の出力が第1出力から第3出力に切り替わると、CO2供給量がCO2消費量を下回ってCO2濃度が低下する。これにより、CO2濃度が開始濃度まで低下すると、燃焼器102の出力が第3出力から第1出力に切り替わり、CO2供給量がCO2消費量を上回ってCO2濃度が上昇する。
一方、図9の破線に示すように、CO2の消費が普通の場合、栽培室2内のCO2濃度がセーブ濃度に達して燃焼器102の出力が第1出力から第3出力に切り替わってもCO2供給量がCO2消費量を上回ったままとなり、CO2濃度が上昇を続ける。これにより、CO2濃度が第2セーブ濃度に達すると、燃焼器102の出力が第3出力から第4出力に切り替わる。CO2供給量がCO2消費量を下回ってCO2濃度が低下する。これにより、CO2濃度が第1セーブ濃度まで低下すると、燃焼器102の出力が第4出力から第3出力に切り替わり、CO2供給量がCO2消費量を上回ってCO2濃度が上昇する。
一方、図6の一点鎖線に示すように、CO2の消費が遅い場合、栽培室2内のCO2濃度が第1セーブ濃度に達して燃焼器102の出力が第1出力から第3出力に切り替わり、さらに、CO2濃度が第2セーブ濃度に達して燃焼器102の出力が第3出力から第4出力に切り替わってもCO2供給量がCO2消費量を上回ったままとなり、CO2濃度が上昇を続ける。これにより、CO2濃度が停止濃度に達すると、燃焼器102が停止する。CO2濃度が低下し、第2セーブ濃度まで達すると、燃焼器102が第4出力で動作を再開する。これにより、CO2供給量がCO2消費量を上回ってCO2濃度が上昇する。
このように、CO2の消費が早い場合は、CO2濃度は開始濃度と第1セーブ濃度との間の低濃度帯の間を変化する。また、CO2の消費が普通の場合は、CO2濃度は第1セーブ濃度と第2セーブ濃度との間の中濃度帯の間を変化する。さらに、CO2の消費が遅い場合は、CO2濃度は第2セーブ濃度と停止濃度との間の高濃度帯の間を変化する。時間帯の変化などによってCO2の消費状態が大きく変化したときには、CO2濃度の変化が3つの濃度帯の間で移り替わる。
本変更例の構成によっても、上記実施の形態と同様の効果が奏される。特に、本変更例では、上記実施の形態よりも、燃焼器102の制御は複雑になるものの、CO2濃度の変化幅を抑えることができる。
このように、濃度帯の分割数を増やすほど、CO2濃度の変化幅を抑えることができる一方、燃焼器102の制御は複雑になる。よって、このような点を考慮し、セーブ濃度の設定数、即ち、濃度帯の分割数を決めることが望ましい。
<変更例2>
栽培室2内のCO2濃度を検出し、この検出結果に基づいて燃焼器102の出力を調整する制御方法として、上記実施の形態および上記変更例1とは、異なる方法、即ち、以下に説明する比例制御の方法を用いることができる。
栽培室2内のCO2濃度を検出し、この検出結果に基づいて燃焼器102の出力を調整する制御方法として、上記実施の形態および上記変更例1とは、異なる方法、即ち、以下に説明する比例制御の方法を用いることができる。
本変更例では、栽培室2内のCO2濃度の目標となる目標濃度が設定される。そして、熱源機10の制御部151は、目標濃度と栽培室2内のCO2濃度との差分に応じて燃焼器102の出力を調整する。
本変更例では、操作盤50の制御部501が、CO2濃度センサ70により検出されたCO2濃度を、そのまま熱源機10の制御部151へ受け渡す(送信する)。なお、CO2濃度センサ70が、制御部501ではなく制御部151に接続されるようにして、検出されたCO2濃度が、直接、制御部151に入力されるようにしてもよい。
図10は、変更例2に係る、熱源機10の制御部151により実行されるCO2供給運転の運転制御を示すフローチャートである。
熱源機10において、制御部151は、CO2濃度センサ70により検出されたCO2濃度を取得する(S501)。そして、制御部151は、取得したCO2濃度が目標濃度以上でなければ(S502:NO)、目標濃度と取得したCO2濃度との差分を算出する(S503)。
制御部151は、算出した差分に基づいて燃焼器102の出力を決定する(S504)。燃焼器102の出力は、差分が大きいほど大きくされる。出力の決定には、差分範囲ごとに対応する出力値が決められたルックアップテーブルや所定の関係式を用いることができる。制御部151は、決定した出力で燃焼器102を動作させる(S505)。
取得したCO2濃度が目標濃度以上とならない限り、S501ないしS505の処理が繰り返される。S501ないしS505の処理の繰り返し周期は、CO2濃度の変動に追従して適正に燃焼器102の出力を調整できるように、適宜、決められるとよい。
一方、取得したCO2濃度が目標濃度以上であった場合(S502:YES)、燃焼器102が燃焼中であれば(S506:YES)、制御部151は、燃焼器102を停止させる(S507)。その後、制御部151は、定期的にCO2濃度を取得し(S508)、取得したCO2濃度が、燃焼を再開させるための開始濃度以下になると(S509:YES)、S503の処理へと移行して、再び、燃焼器102の動作を再開させる。なお、開始濃度は、目標温度よりも低い濃度であり、燃焼器102の動作の再開後、直ちにCO2濃度が目標濃度以上となってしまわないような濃度に設定される。
なお、図10のフローチャートには示されていないが、燃焼器102の動作の開始に伴って燃焼ファン111の動作が開始され、燃焼器102の停止に伴って燃焼ファン111が停止される。
上記の制御が行われた場合、栽培室2内のCO2濃度が目標濃度に近づくと、燃焼によるCO2の供給量と栽培室2内でのCO2の消費量との間で均衡がとれるようになり、目標濃度に近い範囲においてCO2濃度がほぼ一定に保たれるようになる。
よって、本変更例の構成によれば、CO2濃度の変化幅を抑えることができるとともに、燃焼器102の点火と消火の頻度も抑えることができる。
さらに、CO2濃度が目標濃度以上となって燃焼器102が停止した場合は、目標濃度よりも低い開始濃度までCO2濃度が低下するのを待って燃焼器102の動作が再開されるようになされているので、燃焼器102の動作の再開後直ちに、CO2濃度が目標濃度以上となって燃焼器102が停止してしまうことを防止でき、燃焼器102の点火と消火の頻度が増加することを防止できる。
<その他の変更例>
上記実施の形態では、操作盤50の制御部501にCO2濃度センサ70が接続され、CO2濃度センサ70の検出濃度に基づいて、制御部501から開始信号、セーブ信号および停止信号が熱源機10に送信された。そして、熱源機10の制御部151は、開始信号、セーブ信号および停止信号に基づいて、燃焼器102を動作または停止させ、燃焼器102の動作中にその出力を調整した。しかしながら、熱源機10の制御部151に、直接、CO2濃度センサ70が接続されるようにしてもよい。この場合、制御部151は、CO2濃度センサ70の検出濃度に基づいて、燃焼器102を動作または停止させ、燃焼器102の動作中にその出力を調整する。即ち、図5の運転制御において、S201とS207の処理では、CO2濃度が開始濃度以下か否かが判定され、S204の処理では、CO2濃度がセーブ濃度以上か否かが判定され、S206の処理では、CO2濃度が停止濃度以上か否かが判定され、S210の処理では、CO2濃度がセーブ濃度以下か否かが判定される。
上記実施の形態では、操作盤50の制御部501にCO2濃度センサ70が接続され、CO2濃度センサ70の検出濃度に基づいて、制御部501から開始信号、セーブ信号および停止信号が熱源機10に送信された。そして、熱源機10の制御部151は、開始信号、セーブ信号および停止信号に基づいて、燃焼器102を動作または停止させ、燃焼器102の動作中にその出力を調整した。しかしながら、熱源機10の制御部151に、直接、CO2濃度センサ70が接続されるようにしてもよい。この場合、制御部151は、CO2濃度センサ70の検出濃度に基づいて、燃焼器102を動作または停止させ、燃焼器102の動作中にその出力を調整する。即ち、図5の運転制御において、S201とS207の処理では、CO2濃度が開始濃度以下か否かが判定され、S204の処理では、CO2濃度がセーブ濃度以上か否かが判定され、S206の処理では、CO2濃度が停止濃度以上か否かが判定され、S210の処理では、CO2濃度がセーブ濃度以下か否かが判定される。
また、上記実施の形態では、燃焼器102の燃料が灯油等の液体燃料であったが、プロパンガスなどの気体燃料であってもよい。
さらに、上記実施の形態では、2つの熱交換器103、201の間で循環する熱媒として水が用いられた。しかしながら、熱媒として水以外の液体、たとえば、不凍液が用いられてもよい。さらに、気体の熱媒が熱交換器103、201の間で循環するような構成とされてもよい。
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜変更可能である。
1 CO2供給装置
2 栽培室
102 燃焼器
151 制御部
2 栽培室
102 燃焼器
151 制御部
Claims (4)
- 栽培室内にCO2を含む燃焼ガスを放出し、前記栽培室内の植物にCO2を供給するCO2供給装置において、
燃焼によりCO2を含む燃焼ガスを発生させる燃焼器と、
前記栽培室内のCO2濃度が下限濃度以下のときに前記燃焼器を動作させ、前記栽培室内のCO2濃度が上限濃度以上のときに前記燃焼器を停止させる制御部と、を備え、
前記上限濃度と前記下限濃度との間が複数の濃度帯に分割され、
前記制御部は、前記CO2濃度が高い前記濃度帯ほど前記燃焼器の出力が低くなるように前記燃焼器を制御する、
ことを特徴とするCO2供給装置。 - 前記上限濃度と前記下限濃度との間に中間濃度が設定され、
前記制御部は、
前記CO2濃度が前記下限濃度以下のときに第1出力で前記燃焼器を動作させ、
前記第1出力での前記燃焼器の動作中に前記CO2濃度が前記中間濃度以上になると前記燃焼器の出力を前記第1出力より低い第2出力に切り替え、
前記第2出力での前記燃焼器の動作中に、前記CO2濃度が前記上限濃度以上になると前記燃焼器を停止させ、前記CO2濃度が前記下限濃度以下になると前記燃焼器の出力を前記第1出力に切り替え、
前記燃焼器の停止中に前記CO2濃度が前記中間濃度以下になると前記第2出力で前記燃焼器を動作させる、
ことを特徴とするCO2供給装置。 - 栽培室内にCO2を含む燃焼ガスを放出し、前記栽培室内の植物にCO2を供給するCO2供給装置において、
燃焼によりCO2を含む燃焼ガスを発生させる燃焼器と、
目標濃度と前記栽培室内のCO2濃度との差分に応じて前記燃焼器の出力を調整する制御部と、
を備えることを特徴とするCO2供給装置。 - 請求項3に記載のCO2供給装置において、
前記制御部は、
前記CO2濃度が前記目標濃度以上になると、前記燃焼器を停止させ、
前記燃焼器の停止により、前記CO2濃度が前記目標濃度よりも低い開始濃度以下になると、前記燃焼器を動作させる、
ことを特徴とするCO2供給装置。
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Cited By (1)
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WO2022234792A1 (ja) | 2021-05-06 | 2022-11-10 | 日本製鉄株式会社 | 骨格部材 |
-
2019
- 2019-11-22 JP JP2019211024A patent/JP2021078463A/ja active Pending
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WO2022234792A1 (ja) | 2021-05-06 | 2022-11-10 | 日本製鉄株式会社 | 骨格部材 |
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