用語
以下は、本開示で使用される用語の用語集である。
記憶媒体−様々な種類の非一時的メモリデバイス又は記憶デバイスのうちの任意のもの。用語「記憶媒体」は、インストール媒体、例えば、CD−ROM、フロッピーディスク若しくはテープデバイス、DRAM、DDR RAM、SRAM、EDO RAM、Rambus RAMなどの、コンピュータシステムメモリ又はランダムアクセスメモリ、フラッシュ、磁気媒体、例えばハードドライブ、又は光記憶装置などの、不揮発性メモリ、レジスタ、又はその他の同様の種類のメモリ要素などを含むことが意図されている。記憶媒体は、他の種類の非一時的メモリ、並びにそれらの組合せも含んでもよい。加えて、記憶媒体は、プログラムが実行される第1のコンピュータシステム内に位置してもよく、又はインターネットなどのネットワークを通じて第1のコンピュータシステムに接続する、第2の異なるコンピュータシステム内に位置してもよい。後者の例では、第2のコンピュータシステムは、実行のために、プログラム命令を第1のコンピュータシステムに提供することができる。用語「記憶媒体」は、異なる位置、例えば、ネットワークを通じて接続された異なるコンピュータシステム内に存在することができる2つ以上の記憶媒体を含んでもよい。記憶媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行することができる(例えば、コンピュータプログラムとして具現化された)プログラム命令を記憶してもよい。
キャリア媒体−上述のような記憶媒体、並びにバス、ネットワークなどの物理的伝送媒体、及び/又は電気信号、電磁信号、若しくはデジタル信号などの信号を伝送する他の物理的伝送媒体。
プログラム可能ハードウェア要素−プログラム可能相互接続を介して接続された複数のプログラム可能機能ブロックを備える、様々なハードウェアデバイスを含む。例としては、FPGA(Field Programmable Gate Array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)、PLD(Programmable Logic Device、プログラム可能論理デバイス)、FPOA(Field Programmable Object Array、フィールドプログラマブルオブジェクトアレイ)、及びCPLD(Complex PLD、複合PLD)を含む。プログラム可能な機能ブロックは、細かい粒度(fine grained)のもの(組合せロジック又はルックアップテーブル)から粗い粒度(coarse grained)のもの(演算論理装置又はプロセッサコア)にまで及ぶことができる。プログラム可能ハードウェア要素はまた、「再構成可能論理」と称されることがある。
コンピュータシステム−パーソナルコンピュータシステム(PC)、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク装置、インターネット装置、携帯情報端末(PDA)、テレビシステム、グリッドコンピューティングシステム、又はその他のデバイス若しくはデバイスの組合せを含む様々な種類のコンピューティング又は処理システムのうちのいずれか。一般的に、用語「コンピュータシステム」は、記憶媒体からの命令を実行する少なくとも1つのプロセッサを有する任意のデバイス(又はデバイスの組合せ)を包含するように広義に定義することができる。
ユーザ機器(UE)(又は「UEデバイス」)−移動式又は携帯式であり、無線通信を実行する様々な種類のコンピュータシステムデバイスのうちのいずれか。UEデバイスの例としては、携帯電話若しくはスマートフォン(例えば、iPhone(登録商標)、Android(登録商標)ベースの電話)、ポータブルゲームデバイス(例えば、Nintendo DS(登録商標)、PlayStation Portable(登録商標)、Gameboy Advance(登録商標)、iPhone(登録商標))、ラップトップ、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ、スマートグラス)、PDA、ポータブルインターネットデバイス、音楽プレーヤ、データ記憶デバイス、又は他のハンドヘルドデバイスなどが挙げられる。一般に、用語「UE」又は「UEデバイス」は、ユーザによって容易に持ち運ばれ、無線通信が可能なあらゆる電子、コンピューティング及び/又は電気通信デバイス(又はデバイスの組合せ)を包含するように広義に定義することができる。
基地局−用語「基地局」は、その通常の意味の全範囲を有し、少なくとも、固定場所に設置され、無線電話システム又は無線システムの一部として通信するために使用される無線通信局を含む。
処理要素−ユーザ機器又はセルラネットワークデバイスなどのデバイス内で機能を実行することが可能な、様々な要素又は要素の組合せを指す。処理要素は、例えば、プロセッサ及び関連するメモリ、個別のプロセッサコアの一部又は回路、プロセッサコア全体、プロセッサアレイ、ASIC(特定用途向け集積回路)などの回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラム可能なハードウェア要素、並びに上述のものの任意の様々な組合せを含んでもよい。
チャネル−送信側(送信機)から受信機に情報を伝達するために使用される媒体。用語「チャネル」の特性は、異なる無線プロトコルによって異なる場合があるため、用語「チャネル」は、本明細書で使用されるとき、その用語が関連して使用されるデバイスの種類の規格に合致する方式で使用されていると、見なすことができる点に留意されたい。いくつかの規格では、チャネル幅は、(例えば、デバイス性能、帯域条件等に応じて)可変とすることができる。例えば、LTEは、1.4MHz〜20MHzのスケーラブルなチャネル帯域幅をサポートすることができる。対照的に、Bluetoothのチャネル幅が1MHzであり得るのに対して、WLANのチャネル幅は22MHzであり得る。他のプロトコル及び規格は、異なるチャネルの定義を含み得る。更に、いくつかの規格は、複数の種類のチャネル、例えば、アップリンク若しくはダウンリンクのための異なるチャネル、及び/又は、データ、制御情報などの異なる用途のための異なるチャネルを定義し、使用することができる。
帯域−「帯域」という用語は、その通常の意味の全範囲を有しており、少なくとも、チャネルが使用される又は同じ目的のために確保しておくスペクトルの部分(例えば、無線周波数スペクトル)が含まれる。
自動的に−ユーザ入力が、アクション又は動作を直接指定若しくは実行することなく、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステムによって実行されるソフトウェア)又はデバイス(例えば、回路機構、プログラム可能ハードウェア要素、ASICなど)によって、それらのアクション又は動作が実行されることを指す。したがって、用語「自動的」は、ユーザが入力を提供して操作を直接実行するような、ユーザによって手動で実行され又は指定される操作とは対照的である。自動手順は、ユーザが提供する入力によって開始されてもよいが、「自動的に」実行される後続のアクションは、ユーザによって指定されるものではなく、すなわち、実行するべき各アクションをユーザが指定する「手動」では実行されない。例えば、ユーザが、各フィールドを選択し、情報を明示する入力を提供することによって(例えば、情報のタイピング、チェックボックスの選択、ラジオボタンの選択などによって)、電子フォームに記入することは、コンピュータシステムが、ユーザアクションに応じて、フォームを更新しなければならない場合であっても、手動でフォームに記入することである。フォームは、コンピュータシステムによって自動的に記入されてもよく、この場合、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステム上で実行されるソフトウェア)は、そのフィールドに対する回答を指定する何らのユーザ入力なしに、そのフォームのフィールドを分析して、フォームに記入する。上述のように、ユーザは、フォームの自動記入を呼び出すことができるが、フォームの実際の記入には関与しない(例えば、ユーザがフィールドに対する回答を手動で指定することはなく、むしろ、それらは自動的に全て記入される)。本明細書は、ユーザが取った動作に応じて自動的に実行される様々な動作の例を提供する。
おおよそ−ほとんど正確又は正確である値を指す。例えば、「おおよそ」は、正確な(又は所望の)値の1〜10パーセント以内の値を指すことができる。但し、実際の閾値(又は許容差)は、用途に依存し得ることに留意すべきである。例えば、いくつかの実施形態では、「おおよそ」は、ある特定の又は所望の値の0.1%以内を意味することがあり、他の様々な実施形態では、閾値は、所望により、又は特定の用途によって必要に応じて、例えば、2%、3%、5%、等であることがある。
同時−タスク、プロセス、又はプログラムが少なくとも部分的に重なり合うように実行される、並列の実行又は実施を指す。例えば、同時並行性は、各計算要素上でタスクが並列に(少なくとも部分的に)実行される「強」若しくは厳密並列処理を使用して、又は、例えば、実行スレッドの時分割多重化によって、インターリーブ方式でタスクが実行される「弱並列処理」を使用して、実施することができる。
図1及び図2−通信システム
図1は、いくつかの実施形態に係る、簡略化した例示的な無線通信システムを示す。図1のシステムは、あり得るシステムの単なる一例にすぎず、本開示の特徴は、所望に応じて種々のシステムの任意のものにおいて実施されてよいことに留意されたい。
図示のように、例示的な無線通信システムは、1つ以上のユーザデバイス106A、106B等から106Nまでと、伝送媒体を介して通信する基地局102Aを含む。本明細書では、ユーザデバイスの各々を「ユーザ機器」(UE)と呼ぶことがある。したがって、ユーザデバイス106は、UE又はUEデバイスと呼ばれる。
基地局(BS)102Aは、無線基地局装置(base transceiver station、BTS)又はセルサイト(「セルラ基地局」)であってもよく、UE 106A〜106Nとの無線通信を可能にするハードウェアを含み得る。
基地局の通信エリア(又はカバレッジ領域)は「セル」と呼ばれ得る。基地局102A及びUE106は、無線通信技術又は電気通信規格とも呼ばれる、GSM、UMTS(例えば、WCDMA(登録商標)、又はTD−SCDMAエアインタフェイスに関連付けられた)、LTE、LTE−Advanced(LTE−A)、5G新無線(new radio)(5G NR)、HSPA、3GPP2 CDMA2000(例えば、1xRTT、1xEV−DO、HRPD、eHRPD)などの、種々の無線アクセス技術(RAT)のいずれかを使用して、伝送媒体を介して通信するように構成することができる。基地局102AがLTEのコンテキストにおいて実装される場合、それは代わりに「eNodeB」又は「eNB」と呼ばれることがあることに留意されたい。基地局102Aが5G NRのコンテキストにおいて実装される場合、それは、代わりに「gNodeB」又は「gNB」と呼ぶ場合があることに留意されたい。
図に示すように、基地局102Aはまた、ネットワーク100(例えば、種々の可能性の中で、セルラサービスプロバイダのコアネットワーク、公衆交換電話網(public switched telephone network)(PSTN)などの電気通信ネットワーク、及び/又はインターネット)と通信する機能を備えることもできる。したがって、基地局102Aは、ユーザデバイス間の通信、及び/又は、ユーザデバイスとネットワーク100との間の通信を円滑化することができる。具体的には、セルラ基地局102Aは、音声、SMS、及び/又はデータサービスなどの様々な電気通信能力をUE106に提供することができる。
基地局102A及び同一の又は異なるセルラ通信規格に従って動作する他の同様の基地局(基地局102B〜102Nなど)は、したがって、1つ以上のセルラ通信規格を介して、地理的エリアにわたって、UE 106A〜106N及び同様のデバイスに、連続性のある又はほぼ連続性のある重複するサービスを提供することができる、セルのネットワークとして提供されることができる。
図1に示すように、基地局102Aは、UE 106A〜106Nに対して、「サービングセル(serving cell)」として機能することができる一方、各UE106は、「隣接セル(neighboring cell)」と呼ぶことができる1つ以上の他のセル(基地局102B〜102N及び/又は任意の他の基地局によって提供され得る)から信号を受信する(場合によってはその通信範囲内にある)こともまたできる。このようなセルはまた、ユーザデバイス間、及び/又はユーザデバイスとネットワーク100との間の通信を円滑化することができる。このようなセルとしては、「マクロ」セル、「マイクロ」セル、「ピコ」セル、及び/又は様々な他の任意の粒度のサービスエリアサイズを提供するセルを挙げることができる。例えば、図1に例示する基地局102Aと102Bはマクロセルであってもよく、その一方で、基地局102Nは、マイクロセルであってもよい。他の構成も可能である。
いくつかの実施形態では、基地局102Aは、次世代基地局、例えば、5G新無線(5G NR)基地局、又は「gNB」であってよい。いくつかの実施形態では、gNBは、レガシー発展型パケットコア(evolved packet core)(EPC)ネットワーク及び/又はNRコア(NR core)(NRC)ネットワークに接続することができる。加えて、gNBセルは、1つ以上の遷移及び受信点(transition and reception points)(TRP)を含むことができる。加えて、5G NRに従って動作可能なUEが、1つ以上のgNB内の1つ以上のTRPに接続されてもよい。
UE106は、複数の無線通信規格を用いて通信することができることに留意されたい。例えば、UE106は、少なくとも1つのセルラ通信プロトコル(例えば、GSM、UMTS(例えば、WCDMA又はTD−SCDMAエアインタフェイスに関連付けられた)、LTE、LTE−A、5G NR、HSPA、3GPP2 CDMA2000(例えば、1xRTT、1xEV−DO、HRPD、eHRPD)など)に加えて、無線ネットワークプロトコル(例えば、Wi−Fi)及び/又はピアツーピア無線通信プロトコル(例えば、Bluetooth、Wi−Fiピアツーピアなど)を使用して通信するように構成されてもよい。UE106はまた、あるいは代替的に、1つ以上のグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS、例えばGPS又はGLONASS)、1つ以上のモバイルテレビ放送規格(例えば、ATSC−M/H又はDVB−H)、及び/又は、所望であれば、任意の他の無線通信プロトコル、を使用して通信するように構成され得る。無線通信規格(2つより多くの無線通信規格を含む)の他の組合せもまた可能である。
図2は、いくつかの実施形態に係る、基地局102と通信するユーザ機器106(例えば、デバイス106A〜106Nのうちの1つ)を示している。UE106は、携帯電話、ハンドヘルドデバイス、コンピュータ若しくはタブレット、又は実質上あらゆる種類の無線デバイス、などのセルラ通信能力を有するデバイス、であってもよい。
UE106は、メモリに記憶されたプログラム命令を実行するように構成されているプロセッサを含んでもよい。UE106は、そのような記憶された命令を実行することにより、本明細書に記載された方法の実施形態のいずれかを実行してもよい。代替として又は加えて、UE106は、本明細書に記載された方法の実施形態のいずれか、又は本明細書に記載された方法の実施形態の内のいずれかの部分を実行するように構成されたFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などのプログラム可能なハードウェアを含んでもよい。
UE106には、1つ以上の無線通信プロトコル又は技術を使用して通信するための1つ以上のアンテナを含み得る。いくつかの実施形態では、UE106は、例えば、単一の共有無線機(single shared radio)を使用して、CDMA2000(1xRTT/1xEV−DO/HRPD/eHRPD)若しくはLTEを用いて、及び/又は、単一の共有無線機を使用して、GSM若しくはLTEを用いて、通信するように構成することができる。共有無線機は、無線通信を実行するための、単一のアンテナに連結することができるか、又は複数のアンテナ(例えば、MIMOの場合)に連結することができる。一般に、無線機は、ベースバンドプロセッサ、アナログRF信号処理回路(例えば、フィルタ、ミキサ、発振器、増幅器等を含む)、又は、デジタル処理回路(例えば、デジタル変調並びにその他のデジタル処理に関する)の任意の組合せを含んでもよい。同様に、無線機は、前述のハードウェアを使用して、1つ以上の受信及び送信チェーンを実装することができる。例えば、UE106は、上述した複数の無線通信技術間で、受信及び/又は送信チェーンの1つ以上の部品を共有し得る。
いくつかの実施形態では、UE106は、無線通信プロトコルであって、そのプロトコルを用いてUE106が通信するように構成された、無線通信プロトコル毎に別個の送信及び/又は受信チェーン(例えば、別々のアンテナ及び他の無線構成要素を含む)を含んでもよい。別の可能性として、UE106は、複数の無線通信プロトコルの間で共有される1つ以上の無線機、及び単一の無線通信プロトコルによって独占的に使用される1つ以上の無線機を含み得る。例えば、UE106は、LTE又は5G NR(あるいは、LTE又は1xRTT又はLTE又はGSM)のいずれかを使用して通信するための共有無線機と、Wi−Fi及びBluetoothのそれぞれを使用して通信するための別々の無線機とを含み得る。他の構成も可能である。
図3−UEのブロック図
図3は、いくつかの実施形態に係る、通信デバイス106の例示的な簡略化したブロック図を示す。図3の通信デバイスのブロック図は、あり得る通信デバイスの単なる一例にすぎないことに留意されたい。実施形態によれば、通信デバイス106は、他のデバイスの中でもとりわけ、ユーザ機器(UE)デバイス、モバイルデバイス若しくは移動局、無線デバイス若しくは無線ステーション、デスクトップコンピュータ若しくはコンピューティングデバイス、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、又はポータブルコンピューティングデバイス)、タブレット、及び/又はデバイスの組合せであってよい。図示のように、通信デバイス106は、コア機能を実行するように構成された構成要素300のセットを含むことができる。例えば、この構成要素のセットは、システムオンチップ(SOC)として実装することができ、様々な目的のための部分を含むことができる。あるいは、この構成要素のセット300は、種々の目的のための別個の構成要素又は構成要素のグループとして実装されてもよい。構成要素300のセットは、通信デバイス106の様々な他の回路に(例えば、通信可能に、直接的又は間接的に)結合されてもよい。
例えば、通信装置106には以下が含まれていてもよい。種々のタイプのメモリ(例えば、NANDフラッシュ310など)、入出力インターフェース、例えばコネクタI/F320(例えば、コンピュータシステム、ドック、充電ステーション、入力デバイス、例えばマイクロフォン、カメラ、キーボード、出力装置、例えばスピーカなどに接続するため)、ディスプレイ360(通信装置106と一体化していてもよいし、又は外部にあってもよい)、セルラ通信回路330、例えば、5G NR、LTE、GSM等に対する、短中距離無線通信回路329(例えば、ブルートゥース(登録商標)及びWLAN回路)。いくつかの実施形態では、通信デバイス106は、例えばイーサネット用のネットワークインタフェースカードなどの有線通信回路(図示せず)を含むことができる。
セルラ通信回路330は、(例えば、通信によって、直接又は間接的に)、図示したように、例えばアンテナ335及び336などの1つ以上のアンテナに結合することができる。また短中距離無線通信回路329も、(例えば、通信によって、直接又は間接的に)、図示したように、例えばアンテナ337及び338などの1つ以上のアンテナに結合することができる。代替的に、短中距離無線通信回路329は(例えば、通信によって、直接又は間接的に)アンテナ335及び336に結合することを、アンテナ337及び338に(例えば、通信によって、直接又は間接的に)結合することに加えて又はその代わりに行ってもよい。近/中距離無線通信回路329及び/又はセルラ通信回路330には、多重入出力(multiple-input multiple output)(MIMO)構成などの複数の空間ストリームを受信及び/又は送信するための、複数の受信チェーン及び/又は複数の送信チェーンが含まれていてもよい。
いくつかの実施形態では、セルラ通信回路330には、複数のRATに対して、専用の受信チェーン(専用プロセッサ及び/又は無線機を含み、及び/又は専用プロセッサ及び/又は無線機に、例えば通信を介して、直接又は間接的に結合されている)が含まれていてもよい(例えば、LTEに対して第1の受信チェーン、及び5G NRに対して第2の受信チェーン)。加えて、いくつかの実施形態では、セルラ通信回路330は、特定のRAT専用の無線機間で切り替えることができる単一の送信チェーンを含むことができる。例えば、第1の無線機は、第1のRAT、例えばLTEに専用であってもよく、専用の受信チェーン及び追加の無線機と共有される送信チェーンと通信でき、追加の無線機は、例えば、第2のRAT、例えば、5G NRに専用で、専用の受信チェーン及び共有の送信チェーンと通信することができる第2の無線機であってよい。
通信デバイス106はまた、1つ以上のユーザインタフェース要素を含む、及び/又はそれと共に使用するように構成することができる。ユーザインタフェース要素は、ディスプレイ360(タッチスクリーンディスプレイであってもよい)、キーボード(個別のキーボードであってもよいし、タッチスクリーンディスプレイの一部として実装されてもよい)、マウス、マイクロフォン、及び/若しくはスピーカ、1つ以上のカメラ、1つ以上のボタン、並びに/又はユーザに対する情報の提供及び/又はユーザ入力の受け取り若しくは解釈が可能な様々な他の要素のいずれかなど、様々な要素のいずれかを含んでもよい。
通信デバイス106は、1つ以上のUICC(Universal Integrated Circuit Card)(単数又は複数))345などの、SIM(加入者識別モジュール)機能を含む1つ以上のスマートカード345を更に含んでもよい。
図示されるように、SOC300は、通信デバイス106に対するプログラム命令を実行することができるプロセッサ(単数又は複数)302と、グラフィック処理を実行し、ディスプレイ360に表示信号を提供することができる表示回路304とを含んでもよい。プロセッサ(単数又は複数)302は、メモリ管理ユニット(MMU)340に結合してもよく、MMU340は、プロセッサ(単数又は複数)302からアドレスを受信し、それらのアドレスを、メモリ(例えば、メモリ306、読み出し専用メモリ(ROM)350、NANDフラッシュメモリ310)内の位置に変換し、並びに/又は表示回路304、近距離無線通信回路229、セルラ通信回路330、コネクタI/F320、及び/若しくはディスプレイ360などの、その他の回路若しくはデバイスに変換するように構成されてもよい。MMU340は、メモリ保護及びページテーブル変換又は設定を実行するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、MMU340はプロセッサ(単数又は複数)302の一部として含まれてもよい。
本明細書で説明するように、通信装置106には、省電力に対するスケジューリングプロファイルを、通信装置106がネットワークに通信するための前述の特徴を実施するためのハードウェア及びソフトウェアコンポーネントが含まれていてもよい。通信デバイス106のプロセッサ302は、例えば、記憶媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することによって、本明細書に記載される機能の一部又は全てを実行するように構成してもよい。あるいは(又は加えて)、プロセッサ302は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などのプログラムマブルハードウェア要素として、又はASIC(特定用途向け集積回路)として構成してもよい。あるいは(又は追加して)、通信デバイス106のプロセッサ302は、他の構成要素300、304、306、310、320、329、330、340、345、350、360のうちの1つ以上と連携して、本明細書で説明する機能の一部又は全てを実施するように構成することができる。
加えて、本明細書で説明するように、プロセッサ302は、1つ以上の処理要素を含むことができる。したがって、プロセッサ302は、プロセッサ302の機能を実行するように構成された1つ以上の集積回路(IC)を含むことができる。加えて、各集積回路は、プロセッサ(単数又は複数)302の機能を実行するように構成された回路(例えば、第1の回路、第2の回路等)を含むことができる。
更に、本明細書で説明するように、セルラ通信回路330及び近距離無線通信回路329は、それぞれ1つ以上の処理要素を含むことができる。換言すれば、セルラ通信回路330に1つ以上の処理要素を含ませることができ、同様に、1つ以上の処理要素を近距離無線通信回路329に含めることができる。このように、セルラ通信回路330は、セルラ通信回路330の機能を実行するように構成された1つ以上の集積回路(IC)を含むことができる。加えて、各集積回路は、セルラ通信回路230の機能を実行するように構成された回路(例えば、第1の回路、第2の回路等)を含むことができる。同様に、近距離無線通信回路329は、近距離無線通信回路32の機能を実行するように構成された1つ以上のICを含むことができる。加えて、各集積回路は、近距離通信回路329の機能を実行するように構成された回路(例えば、第1の回路、第2の回路等)を含むことができる。
図4−基地局のブロック図
図4は、いくつかの実施形態に係る、基地局102の例示的なブロック図を示す。図4の基地局は、可能性がある基地局の一例にすぎないことに留意されたい。図に示すように、基地局102は、基地局102に対するプログラム命令を実行し得るプロセッサ(単数又は複数)404を含んでもよい。プロセッサ(単数又は複数)404はまた、プロセッサ(単数又は複数)404からアドレスを受信し、そのアドレスをメモリ(例えばメモリ460、及び読み出し専用メモリ(ROM)450)内、又は他の回路若しくはデバイスの領域に変換するように構成され得るメモリ管理ユニット(MMU)440に結合されてもよい。
基地局102は、少なくとも1つのネットワークポート470を含んでもよい。ネットワークポート470は、電話網に接続するように構成されてよく、図1及び図2において上述したように、UEデバイス106などの複数のデバイスに、その電話網への接続を提供してもよい。
ネットワークポート470(又は追加のネットワークポート)は、更に又は代替的に、セルラネットワーク、例えばセルラサービスプロバイダのコアネットワークに接続するように構成されていてもよい。このコアネットワークは、UEデバイス106などの複数のデバイスに、移動性に関連するサービス及び/又は他のサービスを提供することができる。一部の場合には、ネットワークポート470は、コアネットワークを介して電話網に連結することができ、かつ/又はコアネットワークは、(例えば、セルラサービスプロバイダによってサービス提供される他のUEデバイスとの間で)電話網を提供することができる。
いくつかの実施形態では、基地局102は、次世代基地局、例えば、5G新無線(5G NR)基地局、又は「gNB」であってよい。そのような実施形態では、基地局102は、レガシー発展型パケットコア(EPC)ネットワーク及び/又はNRコア(NRC)ネットワークに接続することができる。加えて、基地局102は、5G NRセルと見なすことができ、1つ以上の遷移及び受信点(TRP)を含むことができる。加えて、5G NRに従って動作可能なUEが、1つ以上のgNB内の1つ以上のTRPに接続されてもよい。
基地局102は、少なくとも1つのアンテナ434を含んでもよく、場合によっては複数のアンテナを含んでもよい。少なくとも1つのアンテナ434が、無線送受信機として動作するように構成されていてもよく、無線機430を介してUEデバイス106と通信するように更に構成されていてもよい。アンテナ434は、無線機430と通信チェーン432を介して通信する。通信チェーン432は、受信チェーン、送信チェーン、又はその両方であってもよい。無線機430は、5G NR、LTE、LTE−A、GSM、UMTS、CDMA2000、Wi−Fiなどを含むがこれらには限定されない種々の無線通信規格によって、通信するように構成することができる。
基地局102は、複数の無線通信規格を使用して無線通信するように構成することができる。いくつかの例では、基地局102は、複数の無線機を備えることができ、これによって、基地局102は、複数の無線通信技術に従って通信することができる。例えば、一つの可能性として、基地局102は、LTEに従って通信を実行するためのLTE無線機、並びに、5G NRに従って通信するための5G NR無線機を備えてもよい。このような場合、基地局102は、LTE基地局及び5G NR基地局の両方として動作することができる。別の可能性として、基地局102は、マルチモード無線機を備えることができる。このマルチモード無線機は、複数の無線通信技術(例えば、5G NR及びWi−Fi、LTE及びWi−Fi、LTE及びUMTS、LTE及びCDMA2000、UMTS及びGSM、等)のうちのいずれかに従って、通信を行うことができる。
本明細書で更にこの後に説明するように、BS102は、本明細書で説明する機能を実施する又は実施をサポートするためのハードウェア並びにソフトウェアの構成要素を含むことができる。基地局102のプロセッサ404は、例えば、記憶媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することによって、本明細書に記載する方法の一部又は全てを実行する又は実行をサポートするように構成することができる。あるいは、プロセッサ404は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などのプログラム可能なハードウェア要素として、又はASIC(特定用途向け集積回路)若しくはこれらの組合せとして、構成されていてもよい。あるいは(又は加えて)、BS102のプロセッサ404は、他の構成要素430、432、434、440、450、460、470のうちの1つ以上と共に、本明細書で説明する特徴の一部若しくは全てを実装する又は実装をサポートするように構成されていてもよい。
加えて、本明細書で説明するように、プロセッサ(単数又は複数)404は、1つ以上の処理要素からなることができる。換言すれば、プロセッサ(単数又は複数)404に1つ以上の処理要素を含めることができる。したがって、プロセッサ(単数又は複数)404は、プロセッサ(単数又は複数)404の機能を実行するように構成された1つ以上の集積回路(IC)を含むことができる。加えて、各集積回路は、プロセッサ(単数又は複数)404の機能を実行するように構成された回路(例えば、第1の回路、第2の回路等)を含んでいてもよい。
更に、本明細書で説明するように、無線機430は、1つ以上の処理要素からなることができる。換言すれば、無線機430に1つ以上の処理要素を含めることができる。したがって、無線機430は、無線機430の機能を実行するように構成された1つ以上の集積回路(IC)を含むことができる。加えて、各集積回路は、無線機430の機能を実行するように構成された回路(例えば、第1の回路、第2の回路等)を含むことができる。
ハンドオーバに対する典型的な移動性向上の概略
前述したように、LTEにおける現在のハンドオーバ手順では待ち時間(latency)が導入されて、ハンドオーバ失敗が発生する傾向があり得る。後述する種々の技術によって、種々の通信規格におけるハンドオーバ失敗及び待ち時間が減る場合がある。ハンドオーバの失敗は、種々の状況(例えば、サービングセル状態が急速に悪化したために、UEによるハンドオーバコマンドの受信が妨げられること)によって生じ得る。待ち時間は、RF再チューニング(例えば、ターゲットセルに対して用いる周波数のため)、ターゲットセルにおけるDL同期化、L2リセット、及び/又はターゲットセルにおけるUL同期化(例えば、RACH手順を用いて)によって生じ得る。
概して言えば、ハンドオーバ失敗を回避して待ち時間を減らすために種々の技術を用いてもよい。例えば、RACHなしハンドオーバであれば、ターゲットセルにおけるUL同期化にとって必要な時間が減り得る。メークビフォアブレーク(make before break)(MBB)技術によって、RF再チューニング及びDL/UL同期化にとって必要な時間が減る場合がある。これは、例えば、複数のRFチェーンを伴うUEを用いて、ソースセルとの関係が切れる前にターゲットセルに対する接続をセットアップすることによって行う。同様に、二重接続(DC)技術を用いて、ハンドオーバ前にソースセル及びターゲットセルの両方に接続してもよい。最後に、データ損失を減らすハンドオーバに対する冗長性を得るためにMBB技術を用いてもよい。
本開示によって、DCベースの移動性に関連する技術(図7A〜10Bを参照)、及びMBBハンドオーバに関連する技術(図11A〜11Cを参照)が提供される。
DCベースのハンドオーバ及びセキュリティ構成の概略
図5は、いくつかの実施形態による典型的なDCベースのハンドオーバ手順を例示する通信の図である。例示した実施形態では、通信が、UE502、マスタgNB(M−gNB)504、セカンダリgNB(S−gNB)506、移動性管理エンティティ(MME)508、及びサービングゲートウェイ(SGW)510のうちのどれかの間で行われる。なおいくつかの実施形態では、基地局とUEとの間の通信は無線で行うが、基地局間の通信は例えばXnリンクを用いて行ってもよい。
例示した実施形態では、515において、S−gNBは二重接続を始めるように構成されている。例えば、UE502及びM−gNBは、515の前に単一接続を用いて通信してもよい。例示した実施形態では、S−gNB506の構成後に、SGW510からのDLデータがSGW510からM−gNB504に到達する。M−gNBはUE502にデータを送り、またS−gNBにデータを転送する。S−gNBはUE502にデータの全部又は一部を様々な送信を介して送る。これによってデータ損失が減ることが、例えば、複数の基地局を介してデータを通信することによってあり得る。
例示した実施形態では、520において、M−gNB504は、例えば、状態が悪化していると示す測定レポートに基づいて、役割変更決定を行う。この役割変更決定によって、ハンドオーバプロセスが始まり得る。その結果、S−gNB506がマスタgNBになり、潜在的にgNB504が解放されてハンドオーバは終了する。M−gNB504は役割変更リクエストをS−gNB506に送って、役割変更応答を受信する。M−gNB506は次に、RRC接続再設定(RRCConnectionReconfiguration)メッセージをUE502に送って、RRC接続再設定完了メッセージを受信する。図示するように、RRC接続再設定の後でさえ、データをM−gNBに送って、転送してもよい。
その後に、S−gNB506は経路切り替えリクエストをMME508に送る。MME508では、ユーザプレート更新リクエストをサービングゲートウェイSGW510に応答可能なように送る。次にサービングゲートウェイはエンドマーカーを送って、経路切り替えが起こる時を示す(例えば、シーケンス番号(SN)を用いて)。ユーザプレーン更新応答及び経路切り替えリクエスト確認応答(ACK)の後に、gNB504はSNステータスレポート及びエンドマーカーをgNB506に送る。次にgNB506は、それ自身のPDCP層を用いてSGWからのデータを処理することを始める(525)。図示するように、経路切り替え後に、SGW510はDLデータをgNB506に送るように構成されており、gNB506はデータをUE502に送り、またデータをgNB504にも転送してUE502に対して多様な送信を行う(なお、本明細書で説明する種々の転送されたデータは、多様な経路を介してUE502に送るときに複製されてもよいし、そうでなくてもよい)。
例示した実施形態では、530において、gNB504(今ではセカンダリgNB)を解放して、ハンドオーバが完了する。その後に、二重接続が終了したので、DLデータを単にgNB506を介してUE502に送る。
図6は、いくつかの実施形態による経路切り替えに対応する典型的なPDCP再配置例示するブロック図である。例示した例では、図の左側部分は経路切り替え前の構成を表し、図の右側部分は経路切り替え後の構成を表す。概して言えば、DC通信は、経路切り替え前はソースgNBのPDCPエンティティを使用し、経路切り替え後はターゲットgNBのPDCPエンティティを使用する。
例示した実施形態では、ソースgNB602は、PDCPエンティティA610、RLC層A620、MAC層A622、及びPHY層A624を実装する。例示した実施形態では、ターゲットgNB604は、PDCPエンティティB640、RLC層B630、MAC層B632、及びPHY層B634を実装する。例示した実施形態では、UE106はまた、PDCPモジュール652、654、656、及び658とともに、各gNB(要素620、622、624、630、632、及び634)に対する別個のRLC、MAC、PHY層A及びBも実装する。
例示した実施形態では、各PDCPエンティティは、シーケンス番号付け及び並べ換え用のモジュール612/642、ヘッダ圧縮及び解凍用のモジュール614/644、暗号化及び解読用のモジュール616/646、ヘッダ付加及び除去用のモジュール618/648を実装している。
概して言えば、各gNBのPDCPエンティティは、異なるセキュリティ構成(例えば、異なる暗号キー(CK)及び完全性キー(integrity key)(IK))を有していてもよい。マスタgNBがセカンダリgNBになる役割変更の際、新しいマスタgNBの暗号キーを用いるのは、それがDC通信に対する分割データ無線ベアラ(DRB)のアンカー(anchor)になるときである。
いくつかの実施形態では、この切り替えはUE106に対する課題を示す場合がある。例えば、UEは、ネットワークと同期するために、ネットワークがCK1(ソースeNBの暗号キー)からCK2(ターゲットgNBの暗号キー)に切り替わったことを知る必要があってもよい。
いくつかの実施形態では、アクティベーション時間は決定され、通信され、セキュリティ構成をいつ切り替えるかを決定するために用いられる。これらの実施形態については図7A〜7Eを参照して詳細に説明する。いくつかの実施形態では、切り替えは暗号化失敗に基づいて自動的に検出される。これらの実施形態については図8〜10Bを参照して以下で詳細に説明する。いくつかの実施形態では、切り替えを明示的に信号で伝えて、開示した技術によってシグナリングを検証する(例えば、サービス妨害攻撃を軽減又は回避するため)。
種々の実施形態では、NR技術に関連して説明した技術を他の通信規格(例えば、LTE)に適用してもよく、逆もまた同様である。更に、本明細書で説明した種々の技術は独立に用いてもよいし、又は組合せてもよい(例えば、所与のデバイスの異なる動作モードで、又は同じ動作モードでさえ)。更に、二重接続に関して説明した種々の技術を、任意の適切な数の基地局とのマルチ接続に適用してもよい。したがって、二重接続に言及しても、開示した技術を2つの基地局又は2つのセルに限定することは意図していない。同様に、セキュリティ構成切り替えの種々の説明は、例えば、暗号キー及び完全性キーを指す。これらのキータイプは説明の目的上含まれており、他の実施形態においてセキュリティ構成によって特定される情報の種類を限定することは意図していない。
セキュリティ構成の典型的なアクティベーション時間ベースの同期化
図7A〜7Eは、いくつかの実施形態によるセキュリティ構成切り替えの典型的なアクティベーション時間ベースの同期化を例示する通信図である。例示した例では、UE106、gNB1 704、gNB2 706、アクセス及び移動性管理機能(AMF)708、並びにユーザプレーン機能(UPF)710のいずれかの間の通信を示す。
図7A〜7Eの実施形態では、マスタ基地局はDLデータに対するアクティベーションSNを決定して通信し、UEはULデータに対するアクティベーションSNを決定して通信する。次にこれらのSN表示を用いて、セキュリティ構成をいつ切り替えるかを決定する。なお、アクティベーションSNは、経路切り替えに対するエンドマーカーに対応してもよいし、そうでなくてもよい。図7C〜7Eに示すのは、アクティベーションSN前後及び経路切り替えの完了前後の状況における暗号化の例である。
図7Aを参照して、UEは、715において二重接続構成におけるマスタ基地局としてのgNB1及びセカンダリ基地局としてのgNB2への接続を始める。ハンドオーバを予測してDC構成を入力してもよいし、又は他の理由でUEが二重接続で動作していてもよい。図7Aは、このシナリオにおいて、DLデータ処理を例示する上部と、ULデータ処理を例示する下部とを含む。
DLデータの場合(gNB1のPDCPを用いる)、gNB1はUPF710からDLユーザデータを受信する。720において、gNB1は、CK1を暗号化に対して使用し、そのIKを完全性保護(integrity protection)に対して使用する。gNB1は次に、暗号化データをUE106に送って、それをgNB2に送る。gNB2は次に、データの全部又は一部をUE106に転送する。722において、UE106は、両方の受信データセットを解読して、gNB1のセキュリティ構成を用いて完全性チェックを実行する。
ULデータの場合(gNB1のPDCPを用いる)、724において、UE106は、暗号化して、CK1を用いて完全性保護(IP)を実行する。UE106は、暗号化されたULユーザデータをgNB1及びgNB2の両方に送る。gNB2はそのデータをgNB1に転送し、gNB1は、726において、そのセキュリティ構成を用いて両方のデータセットを解読してIPチェックを行い、ULユーザデータをUPF710に送る。こうして、図7Aに、マスタセルグループ(MCG)ベアラとセカンダリセルグループ(SCG)ベアラとを二重接続構成で用いた分割データ無線ベアラを示す。
図7Bは、図7Aで説明した通信を続ける。730において、測定イベントがトリガされて、gNB1は役割切り替えリクエストをgNB2に応答可能なように送り、gNB2は応答を送る。測定イベントをUE106がトリガして、例えば、gNB1に対する低信号レベルを示してもよい。
例示した実施形態では、役割切り替えに基づいて、gNB1はまたDLアクティベーションSNを計算してもよい。基地局は種々の要因に基づいてアクティベーションSNを決定してもよい。例えば、経路切り替えの待ち時間、DLスループット、及び現在のネットワーク負荷、並びに/又は他のパラメータである。以下で更に詳細に述べるように、機能は他の状況では影響され得ないが、決定したアクティベーションSNが実際の経路切り替え完了に一致したときに理想的性能が実現してもよい。説明したパラメータによって、経路切り替えがいつ完了するかを基地局が推定できてもよい。例えば、経路切り替え待ち時間を、gNBとコアネットワークとの間で行われている手順及び/又は過去の経路切り替え間隔に基づいて決定してもよい。DLスループットは更に、経路切り替えの間にいくつのSNが交換される可能性があるかを知らせてもよい。
例示した実施形態では、gNB1は、決定したDLアクティベーションSNとターゲットgNB2の暗号キー(CK2)を特定する情報とをRRC接続再設定メッセージでUEに送る。734において、UE106はDLアクティベーションSN及びCK2を記憶する。
例示した実施形態では、736において、UE106はULアクティベーションSNを計算する。UEは、種々の要因(例えば、ULスループット推定など)に基づいてULアクティベーションSNを決定してもよい。
なお、DL及びULアクティベーションSNを決定することによって、L2リセットが回避され得る(例えば、UE及びgNBは、どのPDCP SNが暗号キー切り替えに対応するかを知っているため、同期化に対するリセットは必要ではない)。この結果、ハンドオーバ待ち時間が減り得る。
例示した実施形態では、UE106は、ULアクティベーションSNとDLアクティベーションSNとを伴うRRC接続再設定完了メッセージをgNB2に送る。738において、gNB2は、UL及びDLアクティベーションSNを記憶する。gNB2は次に、739において、アクティベーションSNステータスレポートにおいてULアクティベーションSNをgNB1に送る。gNB1はULアクティベーションSNを記憶する。なお、この時点で、UE106、gNB1、及びgNB2は全て、UL及びDLアクティベーションSNの知識を有している。更に、UEは2つのgNBに対する両暗号キーの知識を有している。なお説明の目的上、アクティベーションSNを通信するための開示した技術が含まれているが、本開示の範囲を限定することは意図していない。例えば、いくつかの実施形態では、基地局はULアクティベーションSNを決定してもよい。別の例として、いくつかの実施形態では、UE106はULアクティベーションSNをgNB1に直接通信してもよい。
例示した実施形態では、gNB2は、経路切り替えリクエストをAMF708に送る。AMF708は、ユーザプレーンデータ要求をUPF710に送る。UPF710は、ユーザプレーンデータ応答によって応答して、エンドマーカーをgNB1に送る。
図7C、7D、及び7Eに、アクティベーションSN及び経路切り替え完了の異なるタイミングを伴う典型的な状況を例示する。図7Cに例示するのは、アクティベーションSNに到達して、経路切り替えは依然として待ち状態である状況に対する技術である。図7Dに例示するのは、アクティベーションSNに到達しておらず、経路切り替えは完了している状況に対する技術である。図7Eに例示するのは、アクティベーションSNに到達して、経路切り替えは完了している状況に対する技術である。なお、アクティベーションSNを経路切り替え完了に一致させる精度が高くなると、7Eの状況で費やされる時間が長くなり得る。
図7Cを参照して、740において、アクティベーションSNに到達したが、経路切り替えは依然として待ち状態である。アクティベーションSNに到達したので、gNB2セキュリティ構成の暗号キー(CK2)を用いなければならないが、gNB1は依然としてDC接続に対するアンカーとして機能する。例示した実施形態では、741において、DLデータの場合、gNB1はDLデータPDUをgNB2に転送する。gNB2は、CK2を用いて両方のデータセット(UE106に直接送られるデータとgNB1を介して転送されるデータ)に対して暗号化及びIPを行う。UE106は、アクティベーションSNに到達しているという認識に基づいて、CK2を用いてgNB1及びgNB2の両方から得たデータを解読してIPチェックを行う。
例示した実施形態では、ULデータの場合、746において、UE106は、CK2を用いて暗号化及びIPを行い、データをgNB1及びgNB2の両方に送る(2つの基地局に送られたデータは重複していてもよいしそうでなくてもよい)。748において、gNB1は、データをgNB2に転送して解読及びIPチェックを行う。750及び752において、gNB2は、CK2を用いて両方のデータセットを解読してIPチェックを行い、解読データをgNB1に送り返してコアネットワークに送る。
図7Dを参照して、760において、アクティベーションSNに到達していないが、経路切り替えは完了している。アクティベーションSNに到達していないので、gNB1セキュリティ構成の暗号キー(CK1)を用いなければならないが、gNB2は今ではDC接続に対するアンカーとして機能する。例示した実施形態では、DLデータの場合、761において、gNB2は、DLデータPDUをgNB1に転送する。762において、gNB2は、CK1を用いてPDUを暗号化してIPを行って、データをUE106及びgNB2 706に送る(次にgNB2はデータをUE106に転送する)。764において、UE106は、アクティベーションSNにまだ到達していないという認識に基づいて、CK1を用いてデータを解読してIPチェックを行う。
例示した実施形態では、ULデータの場合、766において、UE106は、CK1を用いて暗号化及びIPを行い、データをgNB1及びgNB2の両方に送る。768において、gNB2は、データをgNB1に転送して、769において、gNB1は、CK1を用いてデータを解読してIPチェックを行う。gNB1は次に、解読されてIPチェックされたデータをgNB2に送って、コアネットワークに送る。
図7Eを参照して、770において、アクティベーションSNに到達して、経路切り替えは完了している。図示したように、この状況では暗号化及びIPチェックは従来のDC接続に従って進んでもよく、アンカーgNB2が、コアネットワークからのデータ及びコアネットワークに対するデータに対して暗号化/解読及びIPチェックを行う。
この時点で、gNB2は、二重接続を解放することを示すRRC接続再設定メッセージをUE106に送ってもよい。UE106は、DC構成からgNB1を解放してもよく、RRC接続再設定完了メッセージをgNB2に送り返してもよい。gNB2は次に、gNB2にDCを解放するように通知して、確認応答を受信してもよい。この時点で、gNB1からgNB2へのハンドオーバは完了してもよい。
図7A〜7Eの開示した二重接続技術は優位なことに、従来技術と比べて待ち時間を減らす場合があり、及び/又はハンドオーバエラーを減らす場合がある。更に、開示した技術によって、セキュリティ構成切り替えの同期化が容易になり得る。
いくつかの実施形態では、アクティベーションSNを決定する代わりに、gNB1は、新しい暗号キーCK2を即座にアクティブ化して、RRC再設定完了メッセージを受信した後に送信される全てのDL PDCP PDUを暗号化してもよい。これらの実施形態では、UE106は、RRC再設定完了メッセージの送信の成功を示すRLC ACKを受信することに応じて、新しいDL PDCP PDUに対するCK2をアクティブ化してもよい。ULの場合、いくつかの実施形態では、UEは、RRC再設定完了メッセージの送信の成功を示すRLC ACKに応じて、新しいUL PDCP PDUに対してCK2をアクティブ化してもよい。
いくつかの実施形態では、方法は、第1のセルラ基地局によって、モバイルデバイスと通信することを含み、通信は、モバイルデバイスに対する少なくとも第2の基地局とのマルチ接続構成を使用し、第1の基地局はマルチ接続構成におけるマスタである。いくつかの実施形態では、本方法は更に、第2の基地局との役割切り替えに応じて、第2の基地局のセキュリティ構成に切り替えるダウンリンクアクティベーションシーケンス番号(SN)を決定することと、ダウンリンクアクティベーションSNをモバイルデバイスに送信することと、を含む。いくつかの実施形態では、本方法は更に、ダウンリンクアクティベーションSNに到達する前に、第2の基地局から転送されたダウンリンクデータを受信して、第1の基地局のセキュリティ構成に基づいて転送されたデータを処理し、ダウンリンクアクティベーションSNに到達することに応じて、第2の基地局のセキュリティ構成を用いて処理したダウンリンクデータをモバイルデバイスに送る。
いくつかの実施形態では、第2の基地局のセキュリティ構成を用いて処理したダウンリンクデータをモバイルデバイスに送ることは、ダウンリンクアクティベーションSNに到達した後であり、かつ役割切り替えが完了する前に、モバイルデバイスに対応付けられるダウンリンクデータを、第2の基地局のセキュリティ構成に基づいて処理するために、第2の基地局に転送して、第2の基地局から処理されたデータを受信してモバイルデバイスに送ることを含む。いくつかの実施形態では、第2の基地局のセキュリティ構成を用いて処理したダウンリンクデータをモバイルデバイスに送ることは、ダウンリンクアクティベーションSNに到達した後であり、かつ役割切り替えが完了した後に、第2の基地局のセキュリティ構成に基づいて処理した、モバイルデバイスに対応付けられるダウンリンクデータを第2の基地局から受信して、処理されたデータをモバイルデバイスに送ることを含む。
いくつかの実施形態では、本方法は、アップリンクアクティベーションSNを受信することと、アップリンクアクティベーションSNの前に、第1の基地局のセキュリティ構成を用いてモバイルデバイスからのアップリンクデータを解読することと、アップリンクアクティベーションSNの後に、アップリンクデータをモバイルデバイスから第2の基地局に、第2の基地局のセキュリティ構成を用いて解読するために、転送することと、を更に含む。いくつかの実施形態では、第1の基地局及び第2の基地局のセキュリティ構成は、暗号キー及び完全性キーをそれぞれ特定する。いくつかの実施形態では、ダウンリンクアクティベーションSNを決定することは、推定された経路切り替え待ち時間、ダウンリンクスループットパラメータ、又はネットワーク負荷パラメータのうちの1つ以上に基づいて行う。
いくつかの実施形態では、装置(例えば、ベースバンドプロセッサ又はモバイルデバイス)は、1つ以上の処理要素を含み、これら処理要素は、マルチ接続構成による第1及び第2の基地局と通信し、第1の基地局はマスタ基地局として働き、第1及び第2の基地局の間の役割切り替え手順を開始する第1の基地局に測定レポートを送り、第1の基地局からダウンリンクアクティベーションSNを受信して、ダウンリンクアクティベーションSNを記憶し、アクティベーションSNの前に、第1の基地局のセキュリティ構成を用いて第1及び第2の基地局からのダウンリンクデータを処理し、アクティベーションSNの後に、第2の基地局のセキュリティ構成を用いて第1及び第2の基地局からのダウンリンクデータを処理する、ように構成されている。
セキュリティ構成切り替えの自動検出に対する典型的な技術
図8は、いくつかの実施形態による12ビットシーケンス番号を伴うPDCPデータPDUフォーマット例を例示する図である。いくつかの実施形態では、マルチ接続構成におけるUE106及び/又は1つ以上の基地局は、暗号化失敗に基づいてセキュリティ構成切り替えを自動的に検出してもよい。
例示した実施形態では、各行は8ビットに対応する。このフォーマットは、3GPP TS28.323において、例えば、図6.2.2.2−1及びセクション6.2.2、6.3.3、及び6.3.4を参照して記述される。例示した例では、各PDCPデータPDUは、対応するPDCP PDUが、PDCPデータPDU又はPDCP制御PDU、3つの予約ビット、12ビットPDCP SN、データペイロード、及び任意的な4バイトMAC−iペイロードであるか否かを示すD/Cビットを含む。完全性保護が有効であるときに、MAC−iペイロードを発生させて、現在のセキュリティ構成に対する完全性キーを用いて検証してもよい。いくつかの実施形態では、PDCP PDUのデータ部分は暗号化するが、SDAPヘッダ及びMAC−iは暗号化しない(含まれている場合)。
いくつかの実施形態では、更新されたキーインデックスを示すRRC再設定メッセージの後に、RRCエンティティは、PDCPエンティティに対して両方のキー設定を構成する(例えば、ソースgNBからのCK1/IK1とCK2/IK2)。これらの実施形態では、PDCPエンティティは、暗号化失敗が検出される第1のPDCP SNまで、CK1/IK1を用いてPDCP PDUを解読及び暗号化し続けてもよい。暗号化失敗を検出することに応じて、いくつかの実施形態では、PDCPエンティティは、CK2/IK2を用いてPDCP PDUを解読することを試みる。CK2/IK2を用いて成功した場合、PDCPエンティティは、セキュリティ構成切り替えが起きたと考えて、そのPDCP SNの後にターゲットキーを用いることに切り替えてもよい。PDCPエンティティは、PDCPが全てのPDUを順番に(切り替えPDUまで)受信したら、古いキーCK1/IK1を解放してもよい。例えば、任意の欠けているPDCP PDUを依然として、CK1/IK1を用いて解読する必要があってもよい。
暗号化失敗を種々の技術の1つ以上を用いて検出してもよい。いくつかの実施形態では、完全性保護が有効である場合、暗号化失敗が検出されるのは完全性保護が失敗したときである(例えば、MAC−iが、完全性チェックに対してIK1を正しく用いていない)。いくつかの実施形態では、完全性保護が有効でない場合、暗号化失敗の検出は、解読したデータペイロードのフォーマットの検査に基づいて行ってもよい。いくつかの実施形態では、他の開示した技術と組合せて、明示的なシグナリングを用いて暗号切り替えを決定してもよい。本明細書で説明した暗号化失敗を検出するための種々の技術のいずれかを、単独で又は組合せて用いてもよい。
したがって、いくつかの実施形態では、例えば、完全性保護が、DCベースの移動性構成にいる間に1つ以上(又は全て)のDRB及びSRBエンティティ上で有効であるか、又は完全性保護が1つ以上(又は全て)の構成されたDRB上で有効であるならば、図8〜10Bの完全性ベースの暗号検出失敗技術を用いてもよい。
図9は、いくつかの実施形態による、完全性が無効である場合に代替技術を用いた典型的な完全性ベースの切り替え検出を行うための方法を例示するフロー図である。例示した実施形態では、PDCPデータPDUを受信した後の910において、PDCPエンティティは、このDRB/SRB上で完全性が有効であるか否かを判定する。そうでない場合は、915において、代替技術を用いて暗号化失敗を検出する。代替技術の一例は、解読データを分析して、それが既知のフォーマットに一致するか(例えば、トランスポートプロトコルにおける典型的なIPv4又はIPv6ヘッダ又はいくつかの他の典型的なフィールドが、リンク上で用いられているか)否かをチェックする。別の代替技術としては、暗号化されていない新しいビット、フィールド、又はヘッダフィールドを挿入して、暗号化キー切り替えを明示的に示すことを挙げてもよい。
例示した実施形態では、920において、キーインデックスを1(例えば、CK1/IK1に対応する)に設定する。例示した実施形態では、925において、PDCPエンティティはCK[インデックス]を用いてPDCP PDUを解読する。最初の繰り返しでは、これはCK[1]であるが、以後の繰り返しでは、例えば、950における増加に基づいて、マルチ接続構成における他の基地局のキーを用いる。
例示した実施形態では、930において、PDCPエンティティはIK[インデックス]を用いてPDCP PDUに対するMAC−iを計算する。935において、完全性が合格した(例えば、計算したMAC−iが受信したMAC−iと一致する)場合、現在キーに対してインデックスを用いる(例えば、第1の繰り返しにおいて完全性が合格するならばCK1/IK1、又は以後の繰り返しではCKn/IKn)。935において、完全性が合格しなかった場合、950において、インデックスを増加させて、940において、PDCPエンティティが、増加したインデックスがマルチ接続設定に対する有効なインデックスであるか否かを判定する。そうでない場合は、945において、実際の暗号化エラーを検出する。そうである場合には、別の繰り返しを行って、セキュリティ構成切り替えが起きたか否かを判定する。
図10A及び10Bは、いくつかの実施形態による典型的な暗号化失敗ベースのセキュリティ構成切り替えを例示する通信図である。例示した実施形態では、コアネットワークは、次世代コア(NGC)1002とユーザプレーンゲートウェイ(UP−GW)1004とを含む。例示した実施形態では、1010において、UE106は、DC構成におけるマスタとしてのgNB1及びセカンダリとしてのgNB2に接続されている。測定イベント1012に応じて、gNB1は役割切り替えを開始して、gNB2にリクエストを送る。例示した実施形態では、RRC再設定リクエストはターゲットgNB2のCK(CK2)を含む。1014において、UEは新しいCKを記憶して、そして新しいCK/IKを用いてRRC再設定完了メッセージを送る。経路切り替え後に、DLユーザデータはCK2を用いて暗号化されて、UE106に到達する。例示した実施形態では、1016において、UE106は、CK1を用いて解読失敗を検出する(例えば、図9の方法を用いて)。1018において、UE106は新しいCKを試みて解読成功を検出し、そしてUL及びDL DRBに対するCK2/IK2に切り替える。
図10Bに示すように、例えば、1020において、UE106は、CK2を用いてULユーザデータを暗号化して両方のgNBに送り、gNB2がCK2を用いてULデータを解読する。前述したように、gNB1をその後に解放してもよい。
いくつかの実施形態では、アップリンクSRB PCDCP PDUは、RRC再設定メッセージを介してキーを受信したら(RRCエンティティがターゲットgNBにおいて終了するとき)、新しいターゲットCK/IKキーを用いることに切り替わる。いくつかの実施形態では、ネットワークは、RRC再設定メッセージの後に何らかの更なるSRBデータを送ることが、UE RRCエンティティからRRC再設定完了メッセージを受信するまでできない。いくつかの実施形態では、このRRC再設定完了メッセージ自体をターゲットCK/IKキーを用いて暗号化する。
いくつかの実施形態では、アップリンクDRB PDCP PDUは2つの技術例のうちの1つを用いてDRB当たりベース(per DRB basis)で切り替わる。第1の技術では、ネットワークは、キーを含んだRRC再設定完了メッセージに対するHARQ AckをMAC層で受信した後に、時間間隔Tを設定してもよい。これらの実施形態では、PDCPエンティティは、T1が満了したら新しいキーセットに切り替わるように設定されている。
第2の技術では、PDCP送信エンティティは、新しい暗号/完全性キーを用いていると検出される最初のDL PDCP PDUを受信したら、新しいキーセットに切り替わってもよい。ULのみのトラフィックの場合には、デバイスRRCエンティティは、UL PDCPがキー設定を切り替えるための最新の可能なPDCP SNを示すアクティベーションSNを与えてもよい。これには、デバイスが、例えば、DL暗号化キー切り替え検出に基づいて、UL内のPDCPキーをもっと早くに自由に切り替えられるという意味が含まれていてもよい。
いくつかの実施形態では、これらの技術は優位なことに、モバイルデバイスと基地局との間のキースイッチオーバの同期化を可能にして、ハンドオーバ待ち時間を減らし、及び/又はハンドオーバエラーを減らしてもよい。
いくつかの実施形態では、装置(例えば、ベースバンドプロセッサ又はモバイルデバイス)は1つ以上の処理要素を含み、これら処理要素は、第1の基地局からプロトコルデータユニットを受信し、第1の基地局は、マルチ接続構成によりモバイルデバイスが接続される基地局の組に含まれ、プロトコルデータユニットは、基地局の組内での第1の基地局から第2の基地局へハンドオーバするRRC接続再設定の後に受信され、第1の基地局の暗号キーを用いてプロトコルデータユニットを解読することを試み、プロトコルデータユニットの解読に失敗することに応じて、第2の基地局の暗号キーを用いてプロトコルデータユニットを解読することを試み、第2の基地局の暗号キー用いたプロトコルデータユニットの解読に成功することに応じて、基地局の組との以後のマルチ接続通信に対して、第2の基地局のセキュリティ構成に切り替える、ように構成されている。
いくつかの実施形態では、プロトコルデータユニット解読ができないことは、PDUに対する完全性失敗を検出することに基づく。いくつかの実施形態では、プロトコルデータユニット解読ができないことは、解読データ内の予想されるフォーマットが検出できないことに基づく。
明示的に信号で伝えられたセキュリティ構成切り替えに対する典型的なセキュリティ技術
いくつかの実施形態では、明示的信号(例えば、PDCPヘッダ内のビット)を用いて、DCベースのハンドオーバ中のオリジナルからターゲットキーへのキー切り替えを示してもよい。例えば、図8のPDUヘッダに示す予約した(R)ビット(reserved bit)のうちの1つを、このような信号に対して用いてもよい。このヘッダをプレーンテキストで送ってもよいが、プレーンテキストはセキュリティ攻撃(例えば、UEに強制的にキーを切り替えさせて、ネットワークとの同期化を失わせる)を受けやすいことがある。これは、例えば、DLデータを損なうことによってサービス妨害に至ることがあり得る。いくつかの実施形態では、開示した技術によって、キー切り替えを示す第1のPDUが保護される。同様の技術を、種々の明示的なキー切り替えシグナリングロケーション、例えば、RRCシグナリング、新しいPDCP制御PDU、又は新しいMAC制御要素に対して用いてもよい。
いくつかの実施形態では、完全性が構成されている場合には、切り替えを明示的に示す第1のシーケンス内PDCP PDUに応じて、受信PDCPエンティティは、新しいキー(例えば、CK2)を用いて解読を実行し、新しいキーIK2を用いてMAC−iを計算するように構成されている。完全性失敗が起きた場合、PDCPエンティティは、PDCP PDUを廃棄して、キー切り替えインジケータを無視するように構成されている。これによって、切り替え信号の間違ったトグリングが検出されて、新しいキーに対する間違った切り替えが回避される場合がある。いくつかの実施形態では、t再並べ換えが満了して、RX_DELIV>=PDCP PDU SN(キー切り替えインジケータがトグルされる)及び完全性が成功した場合には、キーセットはそのDRBに対して切り替えられると考えられる。
いくつかの実施形態では、切り替えを明示的に示す第1のシーケンス内PDCP PDUに応じて、完全性が構成されていない場合には、受信PDCPエンティティは、新しいキーCK2を用いて解読を実行するように構成されている。PDCP PDUは、データペイロードを分析して(例えば、予想されるフォーマッティングを検出して)、暗号不一致が検出されたらPDUを廃棄してもよい。いくつかの実施形態では、受信エンティティを、暗号不一致の検出に応じて無線リンク失敗を起こすように構成してもよい。
したがって、いくつかの実施形態では、方法は、プロトコルデータユニットのプレーンテキスト部分において、第1の基地局のセキュリティ構成から第2の基地局のセキュリティ構成への切り替えを示す情報を受信することと、PDUに対して解読動作が成功したかどうかを判定することと、解読失敗を検出することに応じて、第2の基地局のセキュリティ構成への切り替えをやめることと、を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、暗号不一致を検出することに応じて無線リンク失敗を起こすことを含む。
経路切り替え後にソースgNBを保持することを伴う典型的な向上したMBBベースのハンドオーバ
いくつかの実施形態では、改善されたメークビフォアブレーク(MBB)技術を用いて、ネットワークを、経路切り替えが完了した後にソースgNBを保持するように構成する。この技術は、キー切り替えの同期化を必要としなくてもよく、優位なことに、ハンドオーバが完了した後にダイバシティを提供してハンドオーバ失敗を減らす場合がある。
図11A〜11Cは、いくつかの実施形態による経路切り替え後にソースgNBを保持するための典型的な技術を例示する通信図である。図11Aを参照して、例示した実施形態では、1022において、gNB1はマスタであり、gNB2はハンドオーバ設定である。図11Aの上部に示すのはDLデータに対する手順であり、下部が示すのはULデータに対する手順である。gNB1は、DLユーザデータを受信してそれをgNB2に送る。各gNBは、1024及び1026において、別個にそのデータ(重複していてもよいしそうでなくてもよい)を暗号化する。UE106は別個に、gNBからの通信をその対応するキーを用いて解読する。したがって、UEは、例示した例では2つのRLC肢上(on two RLC legs)でDL PDUを受信する。
例示した実施形態では、ULデータの場合、UE106は、異なるgNBに対するULデータを、それらの対応するキーを用いて別個に暗号化し、gNBは解読したULユーザデータをコアネットワークに送る。
図11Aの終わりで、UE106はgNB2に変更リクエストを送る。これは、例えば、gNB1に対する閾値測定値を満足するgNB1又はgNB2に対する低い測定閾値に基づいてもよい。図11Bを参照して、1040において、ネットワークは、経路切り替え手順を実行する。gNB2は次に、gNB変更応答を、分割DRBステータス及びgNB1が解放されていないという表示とともにUE106に送る。この表示によって、メイクビフォアブレークハンドオーバが成功した後にソースgNBがドロップされた従来技術に対して優位点が得られる場合がある。
図11BではDL及びULデータを図11Aと同様に処理し、別個の基地局に対して別個のキーを使用する。違う点は、図11BではgNB2がアンカーであることである。
図11Cを参照して、1062、1064、及び1066において、測定レポートに応じてgNB1を解放する手順を示す。gNB1が閾値を下回る状態に応じて測定レポートを送ってもよい。gNB1を解放した後に、UE106は、二重接続を用いることなくgNB2を介してコアネットワークと通信してもよい。なお、図11BのgNB変更応答においてgNB1を解放すべきであるとgNB2が示す状況では、UE106は、gNB変更応答に応じてgNB1肢を即座に解放してもよい。
いくつかの実施形態では、方法は、モバイルデバイスはまた、ハンドオーバ手順の間に第2のセキュリティ構成を用いて第2の基地局とも通信している一方、第1の基地局及び第1のセキュリティ構成を用いてモバイルデバイスと通信することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、第2の基地局がモバイルデバイスと通信するためのアンカー基地局になる役割切り替えの後に第1の基地局に接続されたままでいることを含む。
本明細書で用いる場合、用語「モジュール」は、特定の動作を実行するように構成された回路か、又は他の回路(例えば、プロセッサ)に特定の動作を実行するように命令を出す情報(例えば、プログラム命令)を記憶する物理的な非一時的コンピュータ可読媒体を指す。したがって、モジュールは複数の方法で実施してもよい。例えば、配線回路としてか、又は動作を実行するように1つ以上のプロセッサによって実行可能なプログラム命令が記憶されたメモリとしてである。ハードウェア回路としては、例えば、カスタム超大規模集積(VLSI)回路又はゲートアレイ、既製の半導体、例えば論理チップ、トランジスタ、又は他のディスクリート部品を挙げてもよい。またモジュールを、プログラマブルハードウェアデバイス、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイスなどにおいて実施してもよい。またモジュールは、特定の動作を実行するように実行可能なプログラム命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体の任意の好適な形態であってもよい。
本開示の実施形態は、様々な形態のうちのいずれかで実現することができる。例えば、いくつかの実施形態は、コンピュータにより実施される方法、コンピュータ可読記憶媒体、又はコンピュータシステムとして実現することができる。他の実施形態は、ASICなどのカスタム設計されたハードウェアデバイスの1つ以上を使用して、実現することができる。更なる他の実施形態は、FPGAなどの1つ以上のプログラム可能なハードウェア要素を使用して実現されてもよい。
いくつかの実施形態では、永続的コンピュータ可読メモリ媒体は、プログラム命令及び/又はデータを記憶するように構成されてもよく、プログラム命令は、コンピュータシステムによって実行されると、コンピュータシステムに、本方法を、例えば、本明細書に記載された方法の実施形態のうちのいずれか、又は、本明細書に記載された方法の実施形態の任意の組合せ、又は、本明細書に記載された方法の実施形態のうちのいずれかの任意のサブセット、又は、そのようなサブセットの任意の組合せを実行させる。
いくつかの実施形態では、デバイス(例えば、UE106)は、プロセッサ(又はプロセッサのセット)及び記憶媒体を含むように構成してもよい。ここで、記憶媒体は、プログラム命令を記憶し、プロセッサは、記憶媒体からプログラム命令を読み込み、実行するように構成されている。プログラム命令は、本明細書に記載された種々の方法の実施形態の任意のもの(又は、本明細書に記載された方法の実施形態の任意の組合せ、又は、本明細書に記載された方法の実施形態のいずれかの任意のサブセット、又は、このようなサブセットの任意の組合せ)を実施するために実行可能である。デバイスは、様々な形態のいずれかで実現されてもよい。
上述の実施形態は十分に詳細に記載されているが、上述の開示が十分に理解されれば、当業者には数多くの変形形態及び修正形態が明らかとなるであろう。以下の特許請求の範囲は、そのような変形形態及び修正形態の全てを包含すると解釈されることを意図している。