JP2021077221A - 顧客満足度推定装置および顧客満足度推定方法 - Google Patents

顧客満足度推定装置および顧客満足度推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】顧客満足度(CS)アンケートによりCSを評価する際の手間やコストを軽減する顧客満足度推定装置及び顧客満足度推定方法を提供する。【解決手段】CS推定システムは、複数の異なる主体(証券会社4a〜4c〜)が実施した顧客満足度アンケートの結果を、顧客(顧客群2)の情報に対応付けてアンケート結果DBに登録する手段と、アンケート結果データベースに保持される情報を機械的に学習することにより、顧客の情報を説明変数とし顧客満足度アンケートの質問項目に対する回答を目的変数とするモデル104を生成する手段と、生成されたモデルの説明変数として、ある主体の顧客の情報を用いることによって、ある主体が実施した顧客満足度アンケートには含まれないが他の主体が実施した顧客満足度アンケートには含まれる非重複質問項目に対する回答を推定する手段と、非重複質問項目に対する回答の推定の結果をある主体に提供する手段と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、顧客満足度推定装置および顧客満足度推定方法に関する。
企業は、自社の商品やサービスに対する顧客満足度(Customer Satisfaction、CS)を評価するためにCSアンケートを実施する。有名なCSの指標としてはネットプロモータスコア(Net Promoter Score、NPS)が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
https://www.emotion-tech.co.jp/resource/2015/nps-vs-cs-whitepaper、令和1年10月8日検索
CSアンケートでは、アンケート内容を回答者に届け、回答者による回答を回収するという作業が発生する。CSアンケートの質問項目を新たに追加したり、新規獲得顧客のCSを評価する場合、新たにCSアンケートを実施する必要があり、手間とコストがかかる。手間やコストを嫌ってCSアンケートを実施しないでいると、その間の顧客の変化を察知できず、顧客を逃してしまったり機会を逸してしまう虞がある。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、CSアンケートによりCSを評価する際の手間やコストを軽減できる技術の提供にある。
本発明のある態様は、顧客満足度推定装置に関する。この顧客満足度推定装置は、複数の異なる主体が実施した顧客満足度アンケートの結果を、顧客の情報に対応付けてアンケート結果データベースに登録する手段と、アンケート結果データベースに保持される情報を機械的に学習することにより、顧客の情報を説明変数とし顧客満足度アンケートの質問項目に対する回答を目的変数とするモデルを生成する手段と、生成されたモデルの説明変数として、ある主体の顧客の情報を用いることによって、当該ある主体が実施した顧客満足度アンケートには含まれないが他の主体が実施した顧客満足度アンケートには含まれる質問項目である非重複質問項目に対する回答を推定する手段と、非重複質問項目に対する回答の推定の結果をある主体に提供する手段と、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、CSアンケートによりCSを評価する際の手間やコストを軽減できる。
実施の形態に係るCS推定サービスのスキームを示す模式図である。 A証券会社が実施するCSアンケートの一例を示す模式図である。 B証券会社が実施するCSアンケートの一例を示す模式図である。 C証券会社が実施するCSアンケートの一例を示す模式図である。 図1のCS推定システムにより提供される回答の推定結果の利用シーンを説明するための模式図である。 図1のCS推定システムのハードウエア構成図である。 図1のCS推定システムの機能および構成を示すブロック図である。 図7の回答推定部における一連の処理の流れを示すフローチャートである。 図7のA証券アンケート結果DBの一例を示すデータ構造図である。 図7のB証券アンケート結果DBの一例を示すデータ構造図である。 図7のC証券アンケート結果DBの一例を示すデータ構造図である。 図1のCS推定システムにおける一連の処理の流れを示すフローチャートである。 説明変数の別の例を示す図である。 CSアンケートの回答に影響を与えうる要因を表現する特徴量の説明図である。
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上重要ではない部材の一部は省略して表示する。
図1は、実施の形態に係るCS推定サービスのスキームを示す模式図である。このスキームは、顧客群2と、証券会社群4と、実施の形態に係るCS推定システム10と、を含む。証券会社群4に含まれるA証券会社4aは、A証券会社4aに証券口座を有している顧客にCSアンケートを実施し、その回答を得る。A証券会社4aは、顧客ごとに、得られた回答を顧客の情報に対応付けてアンケート回答データベース(DB)40aに登録する。A証券会社4aは、インターネットなどのネットワークを介してCS推定システム10に、アンケート回答DB40aに保持されるアンケート結果を提供する。A証券会社4aは情報提供の見返りに、CS推定システム10から、自社のCSアンケートに未回答の顧客の回答の推定結果や、他社のCSアンケートには含まれるが自社のCSアンケートには含まれない質問項目(以下、非重複質問項目と称す)に対する自社の顧客の回答の推定結果を取得する。証券会社群4に含まれるB証券会社4b、C証券会社4cについても同様である。
CS推定システム10は、証券会社群4に含まれる各証券会社から個別にアンケート結果を収集してアンケート結果DB102に格納する。CS推定システム10は、アンケート結果DB102に蓄積された情報を機械的に学習することにより、顧客の情報を説明変数としCSアンケートの質問項目に対する回答を目的変数とするモデル104を生成する。CS推定システム10は、証券会社群4に含まれる証券会社から回答の推定要求を受けると、推定対象の顧客の情報をモデル104に入力し、その出力を回答の推定結果として取得する。CS推定システム10は、得られた回答の推定結果を要求元に提供する。
図1には3つの証券会社と3人の顧客とが示されているが、これは一例であって顧客の人数も証券会社の数も2以上であればよく、それ以外に限定はない。
本実施の形態に係るCS推定システム10を利用すると、証券会社は、(1)自社のCSアンケートに含まれない質問項目に対する自社の顧客の回答の推定結果、および(2)自社のCSアンケートの結果が得られていない自社の顧客(以下、未回答顧客と称す)の回答の推定結果、を得ることができる。これにより、そのような回答を得るために実際にCSアンケートを実施する手間を削減することができる。
図2は、A証券会社4aが実施するCSアンケート42aの一例を示す模式図である。CSアンケート42aは、QA1〜QA5の五つの質問項目を含む。QA1は「あなたは弊社の証券サービスを友人や同僚に薦める可能性は、どのくらいありますか?」という質問であり、回答者はAA1において0〜10の11段階評価で回答することを求められる。0が「全く思わない(Not at all likely)」、5が「どちらでもない(Neutral)」、10が「非常にそう思う(Extremely likely)」である。このQA1はNPRを算出するための項目である。NPSの算出方法は以下の通りである。9〜10点を付けた回答者を「推奨者」、7〜8点を「中立者」、0〜6点を「批判者」と分類し、回答者全体に占める推奨者の割合(%)から、批判者の割合(%)を引いて出てきた数値をNPSの値とする。
QA2は「担当営業員の評価」という質問項目であり、回答者はAA2において0〜10の11段階評価で回答することが求められる。QA3は「電話応対の評価」という質問項目であり、回答者はAA3において0〜10の11段階評価で回答することが求められる。QA4は「ウェブサイトの評価」という質問項目であり、回答者はAA4において0〜10の11段階評価で回答することが求められる。QA5は「企業イメージの評価」という質問項目であり、回答者はAA5において0〜10の11段階評価で回答することが求められる。
図3は、B証券会社4bが実施するCSアンケート42bの一例を示す模式図である。CSアンケート42bは、QB1〜QB4の四つの質問項目を含む。QB1、QB2、QB3、QB4はそれぞれQA1、QA2、QA3、QA5と同じである。
図4は、C証券会社4cが実施するCSアンケート42cの一例を示す模式図である。CSアンケート42cは、QC1〜QC4の四つの質問項目を含む。QC1、QC2、QC3はそれぞれQA1、QA2、QA4と同じである。QC4は「法令遵守の評価」という質問項目であり、回答者はAC4において0〜10の11段階評価で回答することが求められる。
図2、図3、図4に示されるCSアンケート42a、42b、42cに含まれる質問項目の間の関係は以下の通りである。
・QA1=QB1=QC1
・QA2=QB2=QC2
・QA3=QB3
・QA4=QC3
・QA5=QB4
・QC4:A証券会社4aのCSアンケート42a、B証券会社4bのCSアンケート42bのいずれにも対応する質問項目なし。
A証券会社4aのCSアンケート42aとB証券会社4bのCSアンケート42bとの関係では、QA1、QA2、QA3、QA5はA証券会社4aおよびB証券会社4bが実施したCSアンケート42a、42bにおいて共通して含まれる質問項目(以下、共通質問項目と称す)である。QA4は、B証券会社4bが実施したCSアンケート42bには含まれないがA証券会社4aが実施したCSアンケート42aには含まれる非重複質問項目である。
A証券会社4aのCSアンケート42aとC証券会社4cのCSアンケート42cとの関係では、QA1、QA2、QA4は共通質問項目であり、QA3、QA5、QC4はそれぞれ非重複質問項目である。
このように、QA3、QA4、QA5はそれぞれ、共通質問項目でありかつ非重複質問項目でもある。すなわち、3社以上のCSアンケートを考慮した場合、そのうち2社のCSアンケートには含まれるが残りの1社のCSアンケートには含まれない質問項目は、共通質問項目かつ非重複質問項目となる。
図5は、図1のCS推定システム10により提供される回答の推定結果の利用シーンを説明するための模式図である。(1)アンケート結果DB102に蓄積された情報を学習することにより得られるモデル104を用いて顧客のCSを予測する。(2)予測されたCSが低下傾向にある顧客を特定し、営業員にアラートを出す。(3)営業員は、特定された顧客にアプローチする。このように、実際にCSアンケートを行わなくても予測により顧客のCSを把握することができるので、ケアが必要な顧客により素早くアプローチすることができるようになり、顧客の離反率を低減できる。
図6は、図1のCS推定システム10のハードウエア構成図である。CS推定システム10は、メモリ110と、プロセッサ112と、通信インタフェース114と、ディスプレイ108と、入力インタフェース118と、を備える。これらの要素はそれぞれバス120に接続され、バス120を介して互いに通信する。なお、CS推定システム10は1台のサーバで実現されてもよいし、図6の構成を有する複数のサーバを含んでもよい。
メモリ110は、データやプログラムを記憶するための記憶領域である。データやプログラムは、メモリ110に恒久的に記憶されてもよいし、一時的に記憶されてもよい。プロセッサ112は、メモリ110に記憶されているプログラムを実行することにより、CS推定システム10の各種機能を実現する。通信インタフェース114は、CS推定システム10の外部との間でデータの送受信を行うためのインタフェースである。通信インタフェース114は、インターネットなどのネットワークと接続され、ネットワークを介して、各証券会社のサーバやデータベースとデータをやりとりする。ディスプレイ108は、各種情報を表示するためのデバイスである。入力インタフェース118は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。
図7は、本実施の形態に係るCS推定システム10の機能および構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
CS推定システム10は、アンケート結果収集部122と、モデル管理部124と、回答推定部126と、推定結果提供部128と、アンケート結果DB102と、を備える。アンケート結果DB102は各証券会社用の別個のデータベースを含む。具体的には、アンケート結果DB102は、A証券会社4a用のA証券アンケート結果DB102aと、B証券会社4b用のB証券アンケート結果DB102bと、C証券会社4c用のC証券アンケート結果DB102cと、を含む。後述するが、A証券アンケート結果DB102a、B証券アンケート結果DB102b、C証券アンケート結果DB102cは共通の構造を有する。
アンケート結果収集部122は、A証券会社4a、B証券会社4b、C証券会社4cのそれぞれが保持するアンケート回答DBから、ネットワークを介して、CSアンケートの結果を取得する。アンケート結果収集部122は、取得したCSアンケートの結果を、顧客の情報に対応付けてアンケート結果DB102に登録する。特に、アンケート結果収集部122はA証券会社4aのアンケート回答DBから取得したCSアンケートの結果をA証券アンケート結果DB102aに登録する。アンケート結果収集部122はB証券会社4bのアンケート回答DBから取得したCSアンケートの結果をB証券アンケート結果DB102bに登録する。アンケート結果収集部122はC証券会社4cのアンケート回答DBから取得したCSアンケートの結果をC証券アンケート結果DB102cに登録する。
モデル管理部124は、アンケート結果DB102に保持される情報を機械的に学習することにより、顧客の情報を説明変数としCSアンケートの質問項目に対する回答を目的変数とするモデルを生成する。本実施の形態では、モデル管理部124は、A証券会社4a用の別個のA証券アンケート結果DB102aに保持される情報を機械的に学習することにより、A証券会社4aのモデルであるA証券モデル130を生成する。モデル管理部124は、B証券会社4b用の別個のB証券アンケート結果DB102bに保持される情報を機械的に学習することにより、B証券会社4bのモデルであるB証券モデル132を生成する。モデル管理部124は、C証券会社4c用の別個のC証券アンケート結果DB102cに保持される情報を機械的に学習することにより、C証券会社4cのモデルであるC証券モデル134を生成する。
モデル管理部124は、共通質問項目かつ非重複質問項目であるQA4およびQA5のそれぞれについて、証券会社横断的な共通モデルを生成する。QA4は、A証券会社4aが実施したCSアンケート42aおよびC証券会社4cが実施したCSアンケート42cにおいて共通して含まれる共通質問項目であり、かつB証券会社4bが実施したCSアンケート42bには含まれない非重複質問項目である。QA5は、A証券会社4aが実施したCSアンケート42aおよびB証券会社4bが実施したCSアンケート42bにおいて共通して含まれる共通質問項目であり、かつC証券会社4cが実施したCSアンケート42cには含まれない非重複質問項目である。
モデル管理部124は、QA4について、A証券アンケート結果DB102aおよびC証券アンケート結果DB102cに保持される情報を機械的に学習することにより、顧客の情報を説明変数とし、QA4に対する回答を目的変数とする共通モデルであるQA4用モデル136を生成する。モデル管理部124は、QA5について、A証券アンケート結果DB102aおよびB証券アンケート結果DB102bに保持される情報を機械的に学習することにより、顧客の情報を説明変数とし、QA5に対する回答を目的変数とする共通モデルであるQA5用モデル138を生成する。
モデル管理部124は、決定木、ランダムフォレスト、ロジスティック回帰、サポートベクタマシン、ナイーブベイズ分類器、k近傍法、k平均法、アダブースト、ニューラルネットワーク、マルコフ連鎖などの公知の機械学習のアルゴリズムを用いてもよい。
モデル管理部124は、自動でまたはユーザ要求に応じて、各モデルを更新する。例えば、モデル管理部124は、周期的に、例えば1週間や1ヶ月に一度、アンケート結果DB102を再学習することにより各モデルを更新する。
図8は、図7の回答推定部126における一連の処理の流れを示すフローチャートである。回答推定部126は、証券会社からネットワークを介して、またはCS推定システム10のユーザから入力手段を介して、回答推定要求を受け付ける(S802)。回答推定要求は、要求元の証券会社と推定対象の質問項目と推定対象の顧客とをそれぞれ特定する情報を含む。例えば、A証券会社4aのCSアンケート42aのQA1に対するA証券会社4aの顧客「甲」の回答が推定対象である場合、回答推定要求は(証券会社=A証券会社、質問項目=QA1、顧客=A証券会社の「甲」)の組を含む。あるいはまた、A証券会社4aのCSアンケート42aのQA4に対するB証券会社4bの顧客「乙」の回答が推定対象である場合、回答推定要求は(証券会社=B証券会社、質問項目=QA4、顧客=B証券会社の「乙」)の組を含む。
回答推定部126は、回答推定要求を解析することによって、モデル管理部124で管理されるどのモデルを用いるかを決定する。まず回答推定部126は、推定対象の質問項目が、要求元の証券会社のCSアンケートの質問項目に含まれるか否かを判定する(S804)。これは、推定対象の質問項目が、要求元の証券会社にとって非重複質問項目か否かを判定することと同義である。含まれる場合(S804のY)、回答推定部126は要求元の証券会社のモデルを選択し、それを用いて回答の推定を行う(S806)。この場合の推定対象の顧客は、要求元の証券会社が実施したCSアンケートの結果が得られていない要求元の証券会社の顧客すなわち未回答顧客である。回答推定部126は、要求元の証券会社のモデルの説明変数として当該未回答顧客の情報を用いることによって、推定対象の質問項目に対する当該未回答顧客の回答を推定する。
なお、ステップS806では要求元の証券会社のモデルを選択しているが、これに限られず、例えば、推定対象の質問項目の回答を推定できる他の証券会社のモデルや共通モデルを選択してもよい。
ステップS804で含まれないと判定された場合(S804のN)、そのような推定対象の質問項目は非重複質問項目である。この場合、回答推定部126は、他の証券会社のCSアンケートにおいて、推定対象の顧客から推定対象の質問項目に対する回答があるか否かを判定する(S808)。例えば、推定対象の顧客が要求元の証券会社および他の証券会社の両方に証券口座を開設している場合(推定対象の顧客が要求元の証券会社の顧客であると共に他の証券会社の顧客でもある場合)、ステップS808でYESと判定される可能性がある。
ステップS808で回答があると判定された場合(S808のY)、回答推定部126は、当該他の証券会社のCSアンケートで得られた推定対象の質問項目に対する回答を推定の結果とする(S810)。この場合、他の証券会社のCSアンケートの結果から得られる推定対象の質問項目に対する推定対象の顧客の回答が、そのまま推定対象の質問項目に対する回答の推定結果として要求元の証券会社に提供されることとなる。
ステップS808で回答がないと判定された場合(S808のN)、回答推定部126は、推定対象の質問項目が共通質問項目であるか否かを判定する(S812)。共通質問項目であると判定された場合(S812のY)、回答推定部126は、共通モデルのなかから適切なモデル、すなわち推定対象の共通質問項目用の共通モデルを選択する(S814)。共通質問項目でないと判定された場合(S812のN)、回答推定部126は、各社のモデルのなかから適切なモデル、すなわち推定対象の質問項目を含むCSアンケートを実施した他の証券会社のモデルを選択する(S816)。回答推定部126は、ステップS814またはステップS816で選択されたモデルの説明変数として、推定対象の顧客の情報を用いることによって、推定対象の質問項目に対する回答を推定する(S818)。回答推定部126は、モデルの出力を推定の結果として取得する(S820)。
図7に戻り、推定結果提供部128は、回答推定部126による回答の推定結果を要求元の証券会社に提供する。
図9は、図7のA証券アンケート結果DB102aの一例を示すデータ構造図である。A証券アンケート結果DB102aは、A証券会社4aが自社の顧客に対して実施したCSアンケート42aの結果を、顧客の情報に対応付けて保持する。顧客の情報は、証券口座の番号と、氏名と、住所と、年齢と、性別と、預かり資産額と、累積の売買額と、営業店の担当者による顧客への接触の回数と、を含む。これらのうち、年齢と、性別と、預かり資産額と、累積の売買額と、営業店の担当者による接触回数と、はモデルの説明変数である。CSアンケート42aの結果は質問項目ごとに対応する顧客の回答を保持する。この回答はモデルの目的変数である。
図10は、図7のB証券アンケート結果DB102bの一例を示すデータ構造図である。
図11は、図7のC証券アンケート結果DB102cの一例を示すデータ構造図である。
図9、図10、図11に示されるように、A証券アンケート結果DB102a、B証券アンケート結果DB102b、C証券アンケート結果DB102cは共通の構造を有する。
図9に示されるA証券アンケート結果DB102aにおいて、口座番号「a004」および氏名「加藤甲」で特定される顧客は、A証券会社4aが実施したCSアンケート42aに回答していない未回答顧客である。回答推定部126は、A証券会社4aから、この未回答顧客「加藤甲」によるQA1、QA2、QA3、QA4、QA5への回答の推定要求を受け付けると、A証券モデル130を選択する。回答推定部126は、未回答顧客「加藤甲」の情報を選択されたA証券モデル130に入力することで、未回答顧客「加藤甲」によるQA1、QA2、QA3、QA4、QA5への回答を推定する。図9の例では、例えば、AA1=8、AA2=6、AA3=7、AA4=9、AA5=8などの推定結果が得られてもよい。
図10に示されるB証券アンケート結果DB102bにおいて、「ウェブサイトの評価」(QA4)という質問項目は、B証券会社4bのCSアンケート42bには含まれないので非重複質問項目であり、かつ、A証券会社4aのCSアンケート42aおよびC証券会社4cのCSアンケート42cには含まれるので共通質問項目でもある。回答推定部126は、B証券会社4bから、B証券会社4bの顧客によるQA4(「ウェブサイトの評価」)への回答の推定要求を受け付けると、顧客「佐藤花子」および顧客「田中一」についてはそれぞれC証券アンケート結果DB102cに保持される顧客「佐藤花子」のQC3(AC3)=6およびA証券アンケート結果DB102aに保持される顧客「田中一」のQA4(AA4)=0を推定結果とする。回答推定部126は、顧客「山田二」についてはQA4用モデル136を選択する。回答推定部126は、顧客「山田二」の情報を選択されたQA4用モデル136に入力することで、顧客「山田二」によるQA4への回答を推定する。なお、図8のステップS808を省略し、B証券会社4bの全ての顧客についてQA4用モデル136を選択、適用してもよい。
図9に示されるA証券アンケート結果DB102aにおいて、「法令遵守の評価」(QC4)という質問項目は、A証券会社4aのCSアンケート42aには含まれないので非重複質問項目であり、かつ、C証券会社4cのCSアンケート42cには含まれている。回答推定部126は、A証券会社4aから、A証券会社4aの顧客によるQC4(「法令遵守の評価」)への回答の推定要求を受け付けると、C証券モデル134を選択する。回答推定部126は、A証券会社4aの各顧客の情報を選択されたC証券モデル134に入力することで、A証券会社4aの顧客によるQC4への回答を推定する。
以上の構成によるCS推定システム10の動作を説明する。
図12は、図1のCS推定システム10における一連の処理の流れを示すフローチャートである。CS推定システム10は、各証券会社からCSアンケートの結果を収集し、アンケート結果DB102に蓄積する(S202)。CS推定システム10は、アンケート結果DB102に蓄積された情報を機械的に学習することによりモデル104を生成する(S204)。あるいはまた、CS推定システム10は、アンケート結果DB102に蓄積された新しい情報を機械的に再度学習することにより、既に生成されているモデル104を更新する。
CS推定システム10は、回答推定要求がなければ(S206のN)、処理をステップS202に戻す。CS推定システム10は、回答推定要求があった場合(S206のY)、適用するモデルを選択する(S208)。CS推定システム10は、選択されたモデルを用いて質問項目への回答を推定する(S210)。CS推定システム10は、回答の推定結果を証券会社に提供する(S212)。
上述の実施の形態において、保持部の例は、ハードディスクや半導体メモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶する半導体メモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解される。
本実施の形態に係るCS推定システム10によると、自社実施のCSアンケートにはない質問項目に対する回答を、実際に新たなCSアンケートを実施することなく、得ることができる。これにより、CSアンケートを実施する手間を省くことができる。
また、本実施の形態に係るCS推定システム10では、各社用のデータベースの構造を共通化したので、機械学習により得られたある証券会社のモデルを、他の証券会社の顧客による回答の推定に用いることができる。
また、本実施の形態に係るCS推定システム10では、未回答顧客による回答を推定により補完することができる。さらに、回答の推定結果と実際の回答との比較も可能であり、推定結果からの相違による気づきを提供することができる。
以上、実施の形態に係るCS推定システム10の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解される。
実施の形態では、証券会社が実施するCSアンケートへの回答を推定する場合を説明したが、これに限られず、実施の形態に係る技術的思想は、商品やサービスを提供し、CSアンケートを実施する任意の主体に適用可能である。主体は、例えば銀行やメーカやIT企業などであってもよい。
実施の形態では、年齢と、性別と、預かり資産額と、累積の売買額と、営業店の担当者による接触回数と、をモデルの説明変数の例として説明したが、これに限られない。図13は、説明変数の別の例を示す図である。図13に示される変数のなかからどの変数を説明変数として採用するかは、実験やシミュレーションにより定めてもよい。図14は、CSアンケートの回答に影響を与えうる要因を表現する特徴量の説明図である。このように、CSアンケートにおいて低評価となる原因を表現する特徴量を追加していくことによって、モデルの精度を高めることができる。
2 顧客群、 4 証券会社群、 10 CS推定システム、 102 アンケート結果DB、 104 モデル。

Claims (10)

  1. 複数の異なる主体が実施した顧客満足度アンケートの結果を、顧客の情報に対応付けてアンケート結果データベースに登録する手段と、
    前記アンケート結果データベースに保持される情報を機械的に学習することにより、顧客の情報を説明変数とし顧客満足度アンケートの質問項目に対する回答を目的変数とするモデルを生成する手段と、
    生成されたモデルの説明変数として、ある主体の顧客の情報を用いることによって、当該ある主体が実施した顧客満足度アンケートには含まれないが他の主体が実施した顧客満足度アンケートには含まれる質問項目である非重複質問項目に対する回答を推定する手段と、
    非重複質問項目に対する回答の推定の結果を前記ある主体に提供する手段と、を備える顧客満足度推定装置。
  2. 前記推定する手段は、生成されたモデルの説明変数として、ある主体が実施した顧客満足度アンケートの結果が得られていない当該ある主体の顧客である未回答顧客の情報を用いることによって、当該ある主体が実施した顧客満足度アンケートに含まれる質問項目に対する未回答顧客の回答を推定する請求項1に記載の顧客満足度推定装置。
  3. 前記複数の異なる主体のそれぞれが保持するデータベースから、ネットワークを介して、顧客満足度アンケートの結果を取得する手段をさらに備える請求項1または2に記載の顧客満足度推定装置。
  4. 前記提供する手段は、ある主体の顧客と他の主体の顧客とが同じである場合、他の主体が実施した顧客満足度アンケートの結果から得られる非重複質問項目に対する当該顧客の回答を、非重複質問項目に対する回答の推定の結果として前記ある主体に提供する請求項1から3のいずれか一項に記載の顧客満足度推定装置。
  5. 前記アンケート結果データベースは各主体用の別個のデータベースを含み、当該別個のデータベースは共通の構造を有する請求項1から4のいずれか一項に記載の顧客満足度推定装置。
  6. 前記生成する手段は、各主体用の別個のデータベースに保持される情報をそれぞれ機械的に学習することにより、その主体のモデルを生成し、
    前記推定する手段は、ある主体の顧客の情報を他の主体のモデルの説明変数として用いることによって、非重複質問項目に対する当該ある主体の顧客の回答を推定する請求項5に記載の顧客満足度推定装置。
  7. 前記生成する手段は、前記アンケート結果データベースに保持される情報を機械的に学習することにより、顧客の情報を説明変数とし、2つ以上の主体が実施した顧客満足度アンケートにおいて共通して含まれる質問項目である共通質問項目に対する回答を目的変数とするモデルを生成し、
    非重複質問項目は、ある主体が実施した顧客満足度アンケートには含まれない共通質問項目である請求項1から5のいずれか一項に記載の顧客満足度推定装置。
  8. 主体は証券会社であり、
    顧客の情報は、年齢と、性別と、預かり資産額と、売買額と、顧客への接触の回数と、を含む請求項1から7のいずれか一項に記載の顧客満足度推定装置。
  9. 顧客満足度アンケートの質問項目は、ネットプロモータスコア(Net Promoter Score)を算出するための項目を含む請求項1から8のいずれか一項に記載の顧客満足度推定装置。
  10. 複数の異なる主体が実施した顧客満足度アンケートの結果を、顧客の情報に対応付けてアンケート結果データベースに登録することと、
    前記アンケート結果データベースに保持される情報を機械的に学習することにより、顧客の情報を説明変数とし顧客満足度アンケートの質問項目に対する回答を目的変数とするモデルを生成することと、
    生成されたモデルの説明変数として、ある主体の顧客の情報を用いることによって、当該ある主体が実施した顧客満足度アンケートには含まれないが他の主体が実施した顧客満足度アンケートには含まれる質問項目である非重複質問項目に対する回答を推定することと、
    非重複質問項目に対する回答の推定の結果を前記ある主体に提供することと、を含む顧客満足度推定方法。
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