JP2021074539A - 脊椎固定用インプラント - Google Patents

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純次 川原田
重行 宮▲崎▼
Shigeyuki Miyazaki
重行 宮▲崎▼
卓也 正岡
Takuya Masaoka
卓也 正岡
将也 中尾
Masaya Nakao
将也 中尾
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Abstract

【課題】脊椎間における補助的又は補強的な固定性能と可動性能とを適切に達成することのできる、新規な脊椎固定用インプラントを提供する。【解決手段】第一の椎骨固定部14と、第二の椎骨固定部16と、第一の椎骨固定部14と第二の椎骨固定部16とを連結する連結部18とを有する脊椎固定用インプラント10において、連結部18が第一の椎骨固定部14と第二の椎骨固定部16との接近又は離隔方向で伸縮可能とされている。【選択図】図1

Description

本発明は、椎骨間に跨がって装着される脊椎固定用インプラントに関するものである。
従来から、椎間板変性症、骨折等による外傷、腫瘍、湾曲等による変形等の疾患において、椎骨(脊椎)間を強固に固定するための脊椎固定用インプラントが用いられている。例えば、特開2017−38930号公報(特許文献1)には、スクリューが異なる脊椎に対してそれぞれねじ込まれて固定されると共に、それらスクリュー間に掛け渡すようにロッドを配して固定する脊椎固定用インプラントが提案されている。
かかる特許文献1に開示された従来構造の脊椎固定用インプラントでは、患者の椎骨間を強固に連結固定して椎骨間の動きを実質的に阻止するものであって、椎骨間のずれ等による不具合を抑えるようになっている。
特開2017−38930号公報
ところが、特許文献1に記載の如き脊椎固定用インプラントでは、脊椎間を強固に固定し過ぎることで、脊椎間における可動性が殆ど損なわれてしまうおそれがある。これにより、患者の状態等によっては、インプラントの挿入後、例えば体幹の可動域が減少したり、インプラントを挿入した脊椎に近接する他の脊椎間への負担が増大することで、新たな苦痛や病変などが発生するおそれもあった。
本発明の解決課題は、脊椎間における補助的又は補強的な固定性能と可動性能とを適切に達成することのできる、新規な脊椎固定用インプラントを提供することにある。
以下、本発明を把握するための好ましい態様について記載するが、以下に記載の各態様は、例示的に記載したものであって、適宜に互いに組み合わせて採用され得るだけでなく、各態様に記載の複数の構成要素についても、可能な限り独立して認識及び採用することができ、適宜に別の態様に記載の何れかの構成要素と組み合わせて採用することもできる。それによって、本発明では、以下に記載の態様に限定されることなく、種々の別態様が実現され得る。
第1の態様は、第一の椎骨固定部と、第二の椎骨固定部と、該第一の椎骨固定部と該第二の椎骨固定部とを連結する連結部とを有する脊椎固定用インプラントにおいて、前記連結部が前記第一の椎骨固定部と前記第二の椎骨固定部との接近又は離隔方向で伸縮可能とされているものである。
本態様の脊椎固定用インプラントによれば、連結部が第一及び第二の椎骨固定部の接近又は離隔方向で伸縮変形可能とされていることから、第一及び第二の椎骨固定部により固定される脊椎は、例えば連結部が伸長又は収縮した分だけ接近移動又は離隔移動することができて、固定性と可動性とを両立して達成することができる。
第2の態様は、前記第1の態様に係る脊椎固定用インプラントにおいて、前記連結部が、前記第一の椎骨固定部に固定される第一の固定部材と、前記第二の椎骨固定部に固定される第二の固定部材と、該第一の固定部材と該第二の固定部材とを接続する接続部材とを、含んで構成されているものである。
本態様の脊椎固定用インプラントによれば、第一及び第二の固定部材と接続部材との材質をそれぞれ選択することもできて、第一及び第二の固定部材を硬質の材質により形成することで第一及び第二の椎骨固定部との固定強度の向上を図ることもできるし、接続部材を第一及び第二の固定部材よりも軟質の材質により形成することで、連結部の伸縮変形を、連結部による固定性能を確保しつつ実現することもできる。
第3の態様は、前記第2の態様に係る脊椎固定用インプラントにおいて、前記接続部材が弾性体により構成されているものである。
本態様の脊椎固定用インプラントによれば、接続部材の弾性変形により連結部の伸縮変形が実現され得る。
第4の態様は、前記第2の態様に係る脊椎固定用インプラントにおいて、前記第一の固定部材と前記第二の固定部材との少なくとも一方が、前記接続部材に対して長さ方向で移動可能に連結されているものである。
本態様の脊椎固定用インプラントによれば、接続部材に対して第一及び/又は第二の固定部材が移動することで連結部の伸縮変形が実現され得る。
第5の態様は、前記第4の態様に係る脊椎固定用インプラントであって、前記第一の固定部材と前記第二の固定部材の少なくとも一方における前記接続部材への連結部分において、連結される一方の側に設けられたスリットに対して連結される他方の側に設けられた突起が差し入れられて、該スリット内での該突起の移動が許容されることで、前記連結部が伸縮可能とされているものである。
本態様の脊椎固定用インプラントによれば、例えばスリットの長さ方向端部に第一及び/又は第二の固定部材から突出する突起が当接することで第一及び/又は第二の固定部材の移動端が規定されることから、接続部材からの第一及び/又は第二の固定部材の抜落ちが防止され得る。また、スリットの内壁と突起とが当接することで接続部材と第一及び/又は第二の固定部材との中心軸回りの相対回転を防止することもできて、第一の固定部材と第二の固定部材とが中心軸回りで相対的に回転することに伴う脊椎の捩れ等を制限したり抑制したりすることも可能になる。
第6の態様は、第一の椎骨固定部と、第二の椎骨固定部と、該第一の椎骨固定部と該第二の椎骨固定部とを連結する連結部とを有する脊椎固定用インプラントであって、前記連結部における変形剛性が、前記第一の椎骨固定部への取付部位と前記第二の椎骨固定部への取付部位に比して、連結方向の中間部分において小さくされているものである。
本態様の脊椎固定用インプラントによれば、連結部における変形強度を部分的に異ならせることができて、第一の椎骨固定部や第二の椎骨固定部への取付部位では比較的剛性が大きくされて、固定強度が十分に確保される。また、連結部における中間部分では比較的剛性が小さくされて、連結部の曲げ及び/又は伸縮変形が許容されることから、インプラント装着状態下での脊椎(椎骨)の可動性も確保され得る。
第7の態様は、椎骨間を連結して補強する脊椎固定用インプラントであって、連結方向の伸縮が許容されており、且つ伸縮方向のばね定数が1N/mm〜1000N/mmの範囲内に設定されているものである。
本態様の脊椎固定用インプラントによれば、ばね定数が適切に設定されることで、脊椎の固定をより確実に達成しつつ、脊椎に対して仮に想定され得る最大の圧縮力が加わったとしても、脊椎の動きを過度に抑制することが回避され得る。
第8の態様は、第一の椎骨固定部と、第二の椎骨固定部と、該第一の椎骨固定部と該第二の椎骨固定部とを連結する連結部とを有する脊椎固定用インプラントであって、前記連結部において、伸びと曲げの少なくとも一方の変形が許容されていると共に、許容された変形方向でのストッパ機構を有しているものである。
本態様の脊椎固定用インプラントによれば、ストッパ機構により伸び及び/又は曲げの最大変形量が規定されることから、例えば想定され得る以上の外力が脊椎に及ぼされたとしても、脊椎の想定以上の変位が抑制されて、脊椎の保護性能が向上され得る。
第9の態様は、前記第8の態様に係る脊椎固定用インプラントであって、前記連結部において、前記第一の椎骨固定部と前記第二の椎骨固定部とが弾性体からなる接続部材を有していると共に、前記伸びの変形方向において前記ストッパ機構が設けられているものである。
第10の態様は、前記第9の態様に係る脊椎固定用インプラントであって、前記ストッパ機構が、前記第一の椎骨固定部と前記第二の椎骨固定部とを接続する可撓性で且つ前記接続部材よりも最大変形剛性が大きいストッパ部材を用いて構成されているものである。
第11の態様は、第一の椎骨固定部と、第二の椎骨固定部と、該第一の椎骨固定部と該第二の椎骨固定部とを連結する連結部とを有する脊椎固定用インプラントであって、(ア)前記第一の椎骨固定部に固定される第一の固定部材と、(イ)前記第二の椎骨固定部に固定される第二の固定部材と、(ウ)前記連結部において、前記第一の固定部材と前記第二の固定部材とを、伸び及び曲げの弾性変形に基づいて、相対変位を許容しつつ接続する第一の接続部材と、(エ)前記連結部において、前記第一の固定部材と前記第二の固定部材とを、曲げ方向の相対変位を許容しつつ連結せしめて、且つ、離隔方向の相対的な変位量を前記第一の接続部材よりも伸び方向で大きな変形剛性をもって制限する第二の接続部材とを、有しているものである。
第12の態様は、前記第11の態様に係る脊椎固定用インプラントであって、前記第二の接続部材が前記第一の接続部材によって覆われているものである。
本発明に係る脊椎固定用インプラントによれば、脊椎間における補助的又は補強的な固定性能と可動性能とを適切に達成することが可能になる。
本発明の第1の実施形態としての脊椎固定用インプラントを脊椎(椎骨)に固定した状態を説明するための説明図 図1に示された脊椎固定用インプラントのA矢視図 図1に示された脊椎固定用インプラントを構成する連結部を示す平面図 図3におけるIV−IV断面の要部を拡大して示す縦断面図 図4におけるV−V断面を拡大して示す横断面図 図3に示された連結部を構成する固定部材を示す正面図 図3に示された連結部を構成する接続部材を示す斜視図 本発明の第2の実施形態としての脊椎固定用インプラントを構成する連結部を示す正面図 本発明の第3の実施形態としての脊椎固定用インプラントを構成する連結部を示す平面図 図9に示された連結部の分解斜視図 本発明の第4の実施形態としての脊椎固定用インプラントを構成する連結部を示す平面図 図11に示された連結部の正面図 図11におけるXIII−XIII断面図 図11に示された連結部を構成する第一及び第二の固定部材の単品を示す正面図 図11に示された連結部を構成するストッパ部材の第一及び第二の固定部材への取付状態を示す斜視図 図11に示された連結部を構成するストッパ部材における固定部の単品を示す斜視図
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1,2には、本発明の第1の実施形態としての脊椎固定用インプラント10が、隣り合う脊椎(椎骨)12,12間で固定されている状態が示されている。かかる脊椎固定用インプラント10が、脊椎12,12間に設けられることで、脊椎12,12が強固に固定されるようになっている。
なお、一般には、脊椎12,12の固定に際しては、脊椎(脊柱)の延びる方向と直交する方向(図1中の紙面直交方向)で略平行に配置される1組(2つ)の脊椎固定用インプラント10が用いられるが、これらは同様の構造のものが採用され得ることから、以下の説明では、1つの脊椎固定用インプラント10を示して説明する。
より詳細には、脊椎固定用インプラント10は、一方の脊椎(椎骨)12aに固定される第一の椎骨固定部14と、他方の脊椎(椎骨)12bに固定される第二の椎骨固定部16とを備えている。そして、これら第一の椎骨固定部14と第二の椎骨固定部16とが連結部18により連結されることで、両脊椎12a,12bが相互に固定されている。
なお、第一の椎骨固定部14と第二の椎骨固定部16とは略同様の構造とされていることから、以下の説明では、第一の椎骨固定部14について説明すると共に、第二の椎骨固定部16については、図中に、第一の椎骨固定部14と同一の符号を付すものとする。
第一の椎骨固定部14は、脊椎12aにおける椎弓20を通じて椎体22にねじ込まれるスクリュー部24を備えている。このスクリュー部24は、頭部24aがハウジング26に支持されていると共に、当該ハウジング26には、連結部18の長さ方向端部(後述する固定部材30)が挿通されている。
また、かかる固定部材30には押え部材28が重ね合わされており、ハウジング26が部分的に押え部材28を外方から覆うことで、ハウジング26からのスクリュー部24、固定部材30、押え部材28の脱落が防止されている。これにより、両脊椎12a,12bに第一及び第二の椎骨固定部14,16が固定されていると共に、第一及び第二の椎骨固定部14,16に連結部18の長さ方向両端部(後述する第一の固定部材30a、第二の固定部材30b)が固定されている。
連結部18は、図3〜5に示されるように、全体として略ストレートに延びており、長さ方向両端部分に設けられた固定部材30,30が、接続部材32によって接続されている。即ち、連結部18は、第一の椎骨固定部14に固定される第一の固定部材30aと、第二の椎骨固定部16に固定される第二の固定部材30bと、これら第一及び第二の固定部材30a,30bを接続する接続部材32とを含んで構成されている。
なお、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bとは同一の部材であり、接続部材32の長さ方向両端部に対して相互に反転して接続されるものであることから、以下の説明では、第一の固定部材30aについて説明すると共に、第二の固定部材30bについては、図中に、第一の固定部材30aと同一の符号を付すものとする。
第一の固定部材30aは、図6にも示されるように、全体として略ストレートに延びる略円形のロッド形状とされており、金属や硬質の合成樹脂等の高剛性の部材により好適に形成される。また、第一の固定部材30aにおいて、接続部材32に接続される側(図6中の右側)の端面には、第一の固定部材30aの長さ方向内方に延びる凹部34が形成されている。
更に、凹部34の外周側には、第一の固定部材30aの径方向で貫通する貫通孔36が形成されており、凹部34の内部空間と外部空間とを相互に連通している。本実施形態では、複数(8つ)の貫通孔36が設けられており、同一円周上において、周方向で略等間隔に設けられている。なお、かかる貫通孔の数は2つ〜8つとされることが好適であるが、限定されるものではない。また、複数の貫通孔が設けられる場合、これらの貫通孔は同一円周上になくてもよい。
また、接続部材32は、図7にも示されるように、全体として略ストレートに延びる略円柱形状とされており、ゴムやエラストマ等の弾性体により構成されている。なお、本実施形態では、接続部材32がインサート成形により形成されることから、接続部材32が第一及び第二の固定部材30a,30bを有しない単品状態で存在することはないが、分かり易さのために、図7では、接続部材32を、第一及び第二の固定部材30a,30bを除いた単品状態で示す。
接続部材32の長さ方向両端面には、長さ方向内方に延びる凹部38,38が形成されており、当該凹部38,38の底面からは長さ方向外方に突出する凸部40,40が形成されている。更に、凸部40には、外周側に突出する円柱状部42が設けられており、凹部38の外周側に位置して凹部38を構成する外周筒部44と凸部40とが、円柱状部42により相互に繋がっている。本実施形態では、複数(8つ)の円柱状部42が設けられており、同一円周上において、周方向で略等間隔に設けられている。なお、円柱状部は、後述するように固定部材における貫通孔に対応して形成されるものであり、数や位置、形状(円柱でなくても良い)等は限定されるものではない。
さらに、凹部38の内径寸法は、第一及び第二の固定部材30a,30bの外径寸法と略等しくされている。また、凸部40は、第一及び第二の固定部材30a,30bの端部に設けられる凹部34の形状と略対応した形状とされていると共に、円柱状部42は、第一及び第二の固定部材30a,30bに設けられた貫通孔36と略対応した形状とされている。
ここにおいて、本実施形態の連結部18は、接続部材32の成形キャビティ内に予め形成しておいた第一及び第二の固定部材30a,30bをセットして、接続部材32をインサート成形により形成することで、両固定部材30a,30bと接続部材32とが一体的に形成されている。これにより、第一及び第二の固定部材30a,30bの凹部34内に接続部材32の成形材料が充填されて凸部40が形成されると共に、貫通孔36内にも接続部材32の成形材料が充填されて円柱状部42が形成されるようになっている。
この結果、接続部材32の長さ方向両端部に対して、第一及び第二の固定部材30a,30bの端部が埋設状態で固定されて、接続部材32からの第一及び第二の固定部材30a,30bの脱落や、接続部材32と第一及び第二の固定部材30a,30bとの中心軸回りの相対回転が防止されている。
なお、接続部材32のばね定数は、患者の容体などに応じて適宜に設定可能であって限定されるものではないが、例えば1N/mm以上とされることが好適であり、より好適には10N/mm以上、更に好適には50N/mm以上とされる。接続部材32のばね定数が1N/mmより小さい場合、脊椎12a,12bの補強や補助による固定効果が十分に得られ難くなるおそれがある。
また、接続部材32のばね定数は、例えば1000N/mm以下とされることが好適であり、より好適には500N/mm以下、更に好適には250N/mm以下とされる。接続部材32のばね定数が1000N/mmより大きい場合、脊椎12a,12b間に外力が及ぼされた際に、連結部18が脊椎12a,12bの動きに合わせて追従変形しにくくなって、脊椎12a,12bの動きが過度に制限されるおそれがある。
なお、上述のように、脊椎12a,12bの固定には、一般に2つの脊椎固定用インプラント10が左右で対をなすように装着されて用いられることから、脊椎12a,12bの固定の際における接続部材32,32の合計のばね定数は各接続部材32の2倍となり、2N/mm〜2000N/mmの範囲内に設定されることが好適である。
更に、接続部材32の曲げ剛性は限定されるものではないが、例えば100MPa・mm4 以上とされることが好適であり、より好適には500MPa・mm4 以上、更に好適には1000MPa・mm4 以上とされる。即ち、接続部材32の曲げ剛性が小さすぎる場合、接続部材32による椎骨間の補強性能が充分に得られ難くなるおそれがある。更にまた、接続部材32の曲げ剛性は、例えば1000GPa・mm4 以下とされることが好適であり、より好適には800GPa・mm4 以下、更に好適には500GPa・mm4 以下とされる。即ち、接続部材32の曲げ剛性が大きすぎる場合、脊椎12a,12bの変位に追従しての接続部材32の変形がしがたくなって脊椎12a,12bの変位が過度に制限されるおそれがある。
ちなみに、上記の機械的特性を実現するに際して、耐荷重の強度性能や耐久性、製造加工性などを考慮すると、接続部材32のヤング率は、0.01GPa以上が好適であり、より好適には0.05GPa以上、或いは0.1GPa以上とされ得る。また、接続部材32のヤング率は、3GPa以下が好適であり、より好適には1GPa以下、或いは0.5GPa以下とされ得る。
以上の如き構造とされた本実施形態の脊椎固定用インプラント10では、第一の椎骨固定部14と第二の椎骨固定部16とを連結する連結部18が、弾性体からなる接続部材32を含んで構成されており、脊椎12a,12bの接近及び離隔変位に合わせて、接続部材32が、第一及び第二の椎骨固定部14,16の接近及び離隔方向で伸縮変形することから、脊椎12a,12bの動きが制限されることが回避される。
特に、連結部18において、長さ方向両端部は、中間部の接続部材32よりも変形剛性の大きい固定部材30a,30bで構成されていることから、第一及び第二の椎骨固定部14,16との固定強度も十分に確保され得る。
次に、図8には、本発明の第2の実施形態としての脊椎固定用インプラントに採用される連結部50が示されている。なお、本実施形態の脊椎固定用インプラントにおいて、第一及び第二の椎骨固定部14,16の構造や、第一及び第二の椎骨固定部14,16と第一及び第二の固定部材52a,52bとの固定構造は、前記実施形態と同様の構造が採用され得ることから、第一及び第二の椎骨固定部14,16の説明は省略する。また、以下の説明において、前記実施形態と実質的に同一の部材及び部位には、図中に、前記実施形態と同一の符号を付すことにより詳細な説明を省略する。
本実施形態の連結部50においても、長さ方向両端部分の第一及び第二の固定部材52a,52bが、中間部分に位置する接続部材54により接続されている。本実施形態では、接続部材54が、金属や合成樹脂から形成された弾性体としてのコイルスプリングとされており、接続部材54の長さ方向一方の端部が、第一の固定部材52aに形成された、有底の又は貫通した穴部56aに差し入れられて、必要に応じて接着等により固定されている。また、接続部材54の長さ方向他方の端部が、第二の固定部材52bに形成された、有底の又は貫通した穴部56bに差し入れられて、必要に応じて接着等により固定されている。
なお、本実施形態の接続部材54におけるばね定数は限定されるものではないが、例えば前記実施形態における接続部材32のばね定数と同様の値が好適に採用され得る。
本実施形態の連結部50を採用した脊椎固定用インプラントにおいても、脊椎12a,12bの変位に追従して接続部材54が伸縮変形し得ることから、前記第1の実施形態と同様の効果が発揮され得る。
次に、図9,10には、本発明の第3の実施形態としての脊椎固定用インプラントに採用される連結部60が示されている。本実施形態においても、連結部60の長さ方向両端部分に第一及び第二の固定部材62a,62bが設けられていると共に、両固定部材62a,62bが、長さ方向中間部分の接続部材64により接続されている。
本実施形態の第一及び第二の固定部材62a,62bは、全体として略円形のロッド形状とされており、外周面に、有底の又は貫通した穴部70a,70bが設けられている。特に、本実施形態では、第一の固定部材62aの外周面において径方向で対向する位置に一対の穴部70a(図10中では一方の穴部70aのみ図示)が設けられていると共に、第二の固定部材62bの外周面において径方向で対向する位置に一対の穴部70b(図10中では一方の穴部70bのみ図示)が設けられている。
また、本実施形態の接続部材64は、略円筒形状とされており、周壁66の一部には、接続部材64の長さ方向に延びるスリット68が、周壁66を厚さ方向で貫通して形成されている。なお、本実施形態では、周壁66において、一対のスリット68(図10中では一方のスリット68のみ図示)が径方向で対向して形成されている。
そして、第一及び第二の固定部材62a,62bにおける穴部70a,70bと接続部材64におけるスリット68とを周方向で位置合わせした状態で、接続部材64の長さ方向両側から第一及び第二の固定部材62a,62bが差し入れられていると共に、各穴部70a,70bに対してスリット68を通じて突起としてのピン72が圧入される等して挿入されて固定されている。これにより、ピン72が、第一及び第二の固定部材62a,62bの外周面から突出してスリット68内に位置している。
すなわち、本実施形態では、スリット68内におけるピン72の移動に伴って接続部材64に対して第一及び第二の固定部材62a,62bが移動可能とされている。したがって、ピン72がスリット68の長さ方向端部に当接することで、それ以上の第一及び/又は第二の固定部材62a,62bの長さ方向外方への移動が防止されており、接続部材64からの第一及び第二の固定部材62a,62bの脱落が防止され得る。また、第一の固定部材62aと第二の固定部材62bとが相互に当接することで、それ以上の第一及び第二の固定部材62a,62bの長さ方向内方への移動が防止されるが、例えばスリットの内周面に突部等を設けて当該突部とピンとが当接することで、第一の固定部材と第二の固定部材とが当接する以前に、第一及び/又は第二の固定部材の長さ方向内方への移動が防止されてもよい。更に、ピン72がスリット68の内壁に当接することで接続部材64と第一及び第二の固定部材62a,62bとの中心軸回りの相対回転も防止される。
特に、本実施形態では、接続部材64の内径寸法が第一及び第二の固定部材62a,62bの外径寸法より僅かに大きくされていると共に、スリット68の最大幅寸法がピン72の外径寸法より僅かに大きくされており、接続部材64に対する第一及び第二の固定部材62a,62bの移動の際の摺動抵抗が小さくされている。これにより、脊椎12a,12bの変位に追従して連結部60の長さがスムーズに調節され得る。
なお、本実施形態の接続部材64は、ゴムやエラストマ等の弾性体により形成することも可能であるが、金属や硬質の合成樹脂等により形成されることが好適である。即ち、接続部材64を硬質の材質で形成することで接続部材64の変形が抑制されて、スリット68からピン72が抜け出て接続部材64から第一及び第二の固定部材62a,62bが脱落することが回避され得る。
以上の如き構造とされた本実施形態の脊椎固定用インプラントでは、接続部材64の長さ方向両端部分に、第一及び第二の固定部材62a,62bが、接続部材64の長さ方向で移動可能に設けられていることから、連結部60が伸縮変形可能とされている。それ故、本実施形態の脊椎固定用インプラントにおいても、前記実施形態と同様の効果が発揮され得る。
特に、本実施形態では、ピン72がスリット68の長さ方向端部に当接することで、接続部材64に対する第一及び/又は第二の固定部材62a,62bの長さ方向外方への移動端が規定されている。これにより、連結部60の伸び方向の変形量を制限するストッパ機構74の1つが、ピン72とスリット68の長さ方向端部とが相互に当接することにより構成されている。また、第一及び第二の固定部材62a,62bが相互に当接することで長さ方向内方への移動端が規定されて、これにより、連結部60の伸び方向の変形量を制限するストッパ機構74の別の1つが構成される。かかるストッパ機構74を設けることにより、例えば連結部60の最大長や最少長を予め設定することも可能となり、脊椎12a,12bに想定以上の外力が及ぼされた際にも、脊椎12a,12bの変位量を所定の範囲内に抑えることもできる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はかかる実施形態における具体的な記載によって限定的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良などを加えた態様で実施可能である。
例えば、前記実施形態では、第一及び第二の椎骨固定部14,16がそれぞれスクリュー部24を備えており、当該スクリュー部24を脊椎12a,12bにねじ込むことで脊椎12a,12bと第一及び第二の椎骨固定部14,16が固定されていたが、このような態様に限定されるものではなく、従来公知の脊椎と脊椎固定用インプラントとの固定構造が採用され得る。即ち、脊椎(椎骨)と脊椎固定用インプラントとの固定は、例えばクランプ機構を利用したものや、椎骨への融着を利用したもの、それらを併用したものとうであってもよい。
また、前記実施形態では、第一及び第二の椎骨固定部14,16がそれぞれハウジング26を備えており、当該ハウジング26に対して連結部18,50,60の長さ方向両端部分の固定部材30,52,62が固定されることで第一及び第二の椎骨固定部14,16と連結部18,50,60とが固定されていたが、このような態様に限定されるものではなく、例えば第一及び第二の脊椎固定部のスクリュー部が、連結部における固定部材を貫通して脊椎にねじ込まれてもよい。
さらに、前記第1の実施形態では、第一及び第二の固定部材30a,30bと接続部材32とがインサート成形により一体的に形成されていたが、第一及び第二の固定部材と接続部材とは別体として形成されて後固着されてもよい。なお、前記第1の実施形態では、第一及び第二の固定部材30a,30bに円形の貫通孔36が形成されており、当該貫通孔36内に接続部材32の成形材料が充填されることで接続部材32に円柱状部42が形成されていたが、第一及び第二の固定部材に形成される貫通孔は真円形状に限定されるものではなく、例えば楕円や長円、半円、三角形や四角形等の多角形状が、単独で、又は相互に組み合わされて採用され得る。これにより、接続部材において形成される柱状部の断面形状も貫通孔の形状に合わせて変更され得る。
更にまた、前記第2の実施形態では、接続部材54が、金属や合成樹脂からなるコイルスプリングにより構成されていたが、金属や合成樹脂製の板ばねにより構成されてもよい。
また、前記第3の実施形態では、接続部材64に対して第一及び第二の固定部材62a,62bの両方が移動可能に設けられていたが、例えば第一及び第二の固定部材のうちの一方が接続部材に対して固定的に設けられて、他方が接続部材に対して移動可能に設けられていてもよい。
さらに、前記第3の実施形態では、接続部材64に一対のスリット68が設けられると共に、第一及び第二の固定部材62a,62bに一対のピンが設けられていたが、これらスリット及びピンは、接続部材と第一及び第二の固定部材において1つずつ設けられてもよいし、3つずつ以上設けられてもよい。更にまた、接続部材にピンを設けると共に、第一及び第二の固定部材にスリットを設けてもよい。
なお、前記第3の実施形態では、スリット68の長さ方向端部が、ピン72の外周面形状に略対応する半円形状とされていたが、三角形や四角形等の多角形状であってもよい。
また、前記実施形態では、連結部が、長さ方向両端部分の固定部材と、両固定部材を接続する接続部材とを含んで構成されていたが、このような態様に限定されるものではない。即ち、連結部は、例えば第一及び第二の脊椎固定部の接近及び/又は離隔方向で伸縮変形可能な1つの部材により構成されてもよい。或いは、例えば前記第1の実施形態では、第一及び第二の椎骨固定部の何れか一方が固定部材30に固定されると共に、第一及び第二の椎骨固定部の何れか他方では固定部材30を設けることなく接続部材32に固定されてもよい。
さらに、前記第1及び第2の実施形態では、接続部材32,54が何れも弾性体により構成されていたが、例えば接続部材は、ある程度の撓みを有すると共に、防水処理等が施された糸や紙、布、紐等であってもよい。即ち、接続部材は弾性を有する必要はなく、例えば可撓性や伸縮性などの可変形の特性を有していてもよい。
更にまた、前記第3の実施形態では、連結部60が伸び方向に変形可能とされており、伸び方向の変形量を制限するストッパ機構74が構成されていたが、例えば連結部における接続部材が、前記第1の実施形態のように弾性体で構成されて曲げ変形も許容される場合、曲げ方向の変形量を制限するストッパ機構が構成されてもよい。かかる曲げ方向のストッパ機構は、例えば接続部材に外挿されるシース部材を長さ方向で断続的に設けて、接続部材が曲がった際に曲がりの曲率中心側においてシース部材における内周端が当接することで接続部材の曲げ方向の変形量が制限されるようになっていてもよい。
また、前記第3の実施形態において、第一及び/又は第二の固定部材62a,62bの外周面と接続部材64の内周面との間に所定大きさの隙間を設定することで第一及び/又は第二の固定部材62a,62bと接続部材64との間で屈曲する曲げ方向の変形を許容することも可能であり、その場合には、例えば隙間の大きさ等を調節することで、曲げの許容量を設定することができる。要するに、第一及び/又は第二の固定部材62a,62bと接続部材64との屈曲した際の相互の当接によってストッパ機構を構成できる。
さらに、上述のように、第一及び/又は第二の固定部材62a,62bの外周面と接続部材64の内周面との間に隙間を設けて曲げ方向の変形を許容する場合には、当該隙間にゴム等からなる弾性体層を設けることで、曲げ方向にばね特性を付与することも可能である。
更にまた、前記第3の実施形態において、第一の固定部材62aと第二の固定部材62bとの間を引張コイルスプリング、圧縮コイルスプリング、エラストマ等の弾性体で連結することも可能である。
ここにおいて、上述のように第一の固定部材62aと第二の固定部材62bとの間を連結する接続部材において弾性体を採用する態様であって、更に前述のように、伸び方向の変形量を制限するストッパ機構を採用した態様を、第4の実施形態としての脊椎固定用インプラントに採用される連結部80として、図11〜13に例示する。即ち、本実施形態は、既に記載した発明内容の範囲内であるが、本発明をより明確に把握できるように、敢えて実施形態として記載するものである。
なお、本実施形態において、前記第1の実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、第1の実施形態と同一の符号を図中に付することによって、詳細な説明を省略する。
すなわち、本実施形態の連結部80は、第1の実施形態と同様に第一の固定部材30aと第二の固定部材30bを備えており、これら第一の固定部材30aと第二の固定部材30bの間には、弾性体により構成された接続部材32が設けられている。かかる接続部材32は、第1の実施形態と同様に、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bの各対向する軸方向端部に対して、インサート成形等により各貫通孔36内に充填されて固定的に取り付けられている。因みに、図11中のA−A断面は、第1の実施形態における図5と同じに表される。そして、この接続部材32は、連結部80において、第一の椎骨固定部に固定される第一の固定部材30aと第二の椎骨固定部に固定される第二の固定部材30bとを、伸び及び曲げの弾性変形に基づいて、相対変位を許容しつつ接続するものである。
なお、本実施形態では、第一の固定部材30aおよび第二の固定部材30bの各対向する軸方向端部の形状が、第1の実施形態と異なっている。具体的には、第1の実施形態における端部の凹部34が設けられておらず、代わりに、第一の固定部材30aおよび第二の固定部材30bの各対向する軸方向端部82が、貫通孔36までは至らない軸方向所定長さに亘って、周方向の略半分を切り欠いたような略半円状断面をもって伸びている。
これにより、図14に示されているように、第一の固定部材30aおよび第二の固定部材30bの各対向する軸方向端部82には、切欠状部84によって、軸直角方向で所定幅をもって広がって軸方向に延びる平坦状面86が形成されている。また、軸方向端部82には、かかる平坦状面86の略中央に開口して平坦状面86の法線方向に所定深さで延びる締結穴88が形成されている。
そして、図15に示されているように、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bは、かくの如き軸方向端部82,82を、軸方向で所定距離を隔てて突き合わせるようにして、略同一中心軸上に配列されている。また、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bの各軸方向端部82,82間には、ストッパ部材90が配設されている。なお、図15は、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bとにストッパ部材90を組み付けた状態であって、接続部材32の配設前の状態を示す。
かかるストッパ部材90は、可撓性を有する可変形の特性を有するものが好ましく、弾性の有無は問わないが、連結部80に要求される曲げや伸びの特性を大きく損なわないものが採用され得る。即ち、弾性体からなる接続部材32によって発現される、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bとの相対的な曲げ方向の変位が、ストッパ部材90の装着状態下でも大きく損なわれずに許容されることが望ましい。
一方、ストッパ部材90は、少なくとも許容すべき最大付近の伸び領域、即ち第一の固定部材30aと第二の固定部材30bとの離隔方向において設定される相対的変位の最大許容量に近い領域では、接続部材32よりも伸び方向の変形剛性が大きくされている。即ち、ストッパ部材90は、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bにおける軸方向の相対的な最大許容離間距離を、椎骨間で想定される入力条件下で実質的に制限し得るだけの伸び方向の剛性乃至は強度を発揮し得るようになっている。なお、ストッパ機構を構成するストッパ部材90の最大変形剛性は、一般にストッパ部材90の変形量に応じて変形剛性が増大することから、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bにおける軸方向の相対的な最大許容離間距離が最大値に達した差異に発揮される。
このようなストッパ部材90としては、前述の実施形態において接続部材として例示した可撓性をもった可変形の特性を有する材料を採用することが可能であり、より具体的に理解できるように例示すると、ストッパ部材90は、前述のようにある程度の撓みを許容する糸状,紙状,布状,紐状のものであって良く、例えば糸状の金属線等を縒り合わせ等したワイヤー構造体や、必要に応じて繊維等で補強された硬質剛性樹脂の線材や繊維束、金属や硬質樹脂等からなるチェーン状構造体などが、適宜に採用可能である。
特に本実施形態のストッパ部材90の具体的構造では、本体を為すワイヤ状部92の両端部分に固定部94,94が取り付けられている。かかるワイヤ状部92は、例えば線状体乃至は繊維状体の複数本を、必要に応じて縒り合わせたり組紐状や編紐状に編組等することによって適切な湾曲性能や伸縮性能を調整しつつ、引張方向の最大強度乃至は最大剛性を確保して、引張方向で大きなストッパ機能を発揮して最大伸び量が想定入力条件下で精度よく規定され得るようにしたものなどが、好適に採用され得る。
かかるワイヤ状部92の両端に取り付けられる固定部94は、図16に単品状態で示されているように、金属や硬質樹脂などによって形成されて、中央に挿通孔95を有するリング板形状とされており、第一及び第二の固定部材30a,30bの平坦状面86の上に全体が納まる程度の外周形状とされている。また、固定部94には、リング板形状の周方向の一部において外周に向かって開口する嵌着穴96を備えた固着部が設けられている。
さらに、この嵌着穴96へ、ワイヤ状部92の端部が嵌め入れられて、必要に応じてかしめ固定されたり、接着や溶着等されて、固着されている。これにより、ワイヤ状部92長さ方向の両端には、それぞれ、固定部94が固着されている。
そして、固定部94,94が、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bの各軸方向端部82,82の平坦状面86,86に重ね合わされて、挿通孔95に挿通されたリベットやボルトなどの締結部材98が締結穴88に対して螺合や圧入等により固定されている。その結果、図15に示されているように、ワイヤ状部92が、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bの各軸方向端部82,82へ締結部材98,98で固定されて、それら第一及び第二の固定部材30a,30b間に跨がって配されており、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bがストッパ部材90によって接続されている。
図15に示す如き、ストッパ部材90で一体的に接続連結された第一の固定部材30aと第二の固定部材30bの接続体は、その後、例えば第1の実施形態と同様に、接続部材32の成形キャビティ内にセットして、接続部材32をインサート成形することによって、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bとストッパ部材90と接続部材32とが一体化された構造となっている。なお、このような成形により、接続部材32は、形成と同時に、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bの各貫通孔36内に充填されて各円柱状部42が形成され、接続部材32の両端部分が第一の固定部材30aと第二の固定部材30bの各軸方向端部82,82へ固定的に連結されている。
かかる接続部材32の成形により得られた本実施形態の連結部80は、図11〜13に示すように、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bとが、弾性体からなる接続部材32によって相対的に曲げ方向および伸縮方向への変位を許容されて連結されていると共に、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bとの離隔方向への相対的な最大変位量が、ストッパ部材90によって制限的に設定されている。なお、ストッパ部材90は、可撓性を有していることから、接続部材32によって許容される第一の固定部材30aと第二の固定部材30bとの曲げ方向の相対変位を大きく損なうものでない。また、ストッパ部材90は、それ自体がある程度の伸縮変形を有しており、及び/又は、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bとの間に外力が及ぼされていない初期状態において予め所定量の湾曲や弛みがもたせてあったり予め所定量の圧縮状態への予変形が及ぼされていたりすることによって伸長方向への変形が許容されていることが望ましい。その結果、ストッパ部材90は、接続部材32によって許容される第一の固定部材30aと第二の固定部材30bとの離隔方向(接続部材32の伸び方向)の相対変位を大きく損なうものでもない。
従って、本実施形態の連結部80によっても、前述の各実施形態の連結部と同様に、脊椎固定用インプラント10に用いられて、脊椎の動きを過度に制限することなく、椎骨間における補助的乃至は補強的な作用を発揮し得ることとなる。特に本実施形態の連結部80によれば、伸長方向への過度な変形が安定して且つ精度良く制限されることから、例えば所定範囲内での椎骨間の可動領域では柔軟な可動性能を発揮させつつ、可動域を適切に且つ精度良く安定して制限することが容易になって、看者の負担を更に軽減させることも可能となる。
なお、上述の説明から明らかなように、本実施形態で採用されるストッパ部材90は、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bとを連結する接続部材として把握することも可能である。それにより、本実施形態では、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bとが、前述の第1〜3の実施形態に記載した特性の異なる複数種類の接続部材を併せて採用しただけの態様の一つとして捉えることも可能である。このような捉え方をすると、本実施形態の連結部80は、接続部材32を第一の接続部材とし、ストッパ部材90を第二の接続部材として、これら第一及び第二の接続部材が第一の固定部材30aと第二の固定部材30bとの間に並設されている態様として理解され得る。
ここにおいて、第一の接続部材である接続部材32は、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bとを、伸び及び曲げの弾性変形に基づいて、相対変位を許容しつつ伸縮(離隔/接近)及び屈曲乃至は湾曲可能に接続するものであり、一方、第二の接続部材であるストッパ部材90は、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bとを、曲げ方向の相対変位を許容しつつ連結せしめて、且つ、離隔方向の相対的な変位量を、少なくとも許容される最大離隔距離に近い領域において、接続部材32よりも伸び方向で大きな変形剛性をもって制限するものとされている。
因みに、上述の第4の実施形態では、第二の接続部材であるストッパ部材90が、第一の接続部材である弾性体からなる接続部材32の内部に埋設状態で配されており、ストッパ部材90の全体が接続部材32によって覆われた構造とされている。それ故、ストッパ部材90の生体への接触が防止されることから、ストッパ部材90の材料等の設計自由度の向上が図られ得る。また、ストッパ部材90の形状等に関しても、突起やエッジなどが生体へ直接に接触して局所的なストレスを与えることが接続部材32による被覆で回避され得ることから、設計自由度が向上され得る。なお、第一及び第二の固定部材30a,30bの全体の表面を、接続部材32で覆うようにすることも可能である。
なお、第4の実施形態では、図13に示されているように、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bの軸方向対向間の全体に接続部材32が充填状態とされており、かかる接続部材32が、各切欠状部84を埋めるようにして各軸方向端部82を覆っている。また、接続部材32の内部には、ストッパ部材90が埋設されており、かかる接続部材32が、軸方向両端の固定部94,94や締結部材98,98を含む全体に亘って接続部材32で被覆されている。
尤も、接続部材32の内部に、適宜の空間を形成することも可能である。かかる空間は、例えばろう材などからなる消失型を利用して接続部材32の成形と同時に形成したり、接続部材32の成形後のレーザー照射などの後加工によって形成することも可能である。なお、別途に予め形成した接続部材32を、第一の固定部材30aと第二の固定部材30bに対して、機械的又は化学的に固着して組み付けることも可能であり、接続部材32の内部に形成される空間の有無や、数、大きさ、部位、形状などは限定されるものでない。そして、接続部材32の内部に空間を形成することにより、軽量化や材料削減などの効果が図られる他、空間の大きさや位置などを調節することにより、接続部材32やストッパ部材90の変形特性、ひいては連結部80の弾性変形などの特性を調節設定することも可能になる。即ち、空間を形成することで接続部材32自体の自由表面を大きくして弾性変形しやすくすることができると共に、空間の位置や大きさ、形状などを調節することにより、特定方向での変形特性を他の方向に対して異ならせる等のチューニングも可能になる。また、ストッパ部材90を接続部材32に埋設配置する際、空間を形成することで、ストッパ部材90の接続部材32による変形拘束の程度を調節して、より細かな特性チューニング等も実現可能となる。更にまた、接続部材32の形状も、任意に設計変更可能であり、例えば括れの外周面形状や適宜の凹凸を有する外周面形状なども採用可能であって、外周面形状の設定によって弾性変形などの特性をチューニングすることも可能である。
なお、ストッパ部材90の軸方向端部の第一及び第二の固定部材30a,30bに対する固定構造は限定されるものでない。例えば、ストッパ部材90を構成するワイヤ状部92の端部を、固定部94等を用いることなく、固定部材30a,30bに対して直接に溶着や圧着、カシメ固定,リベット固定などによって固着することも可能であり、ワイヤ状部92の端部を鉤状にして固定部材30a,30bに設けた係止孔などへフックのように引っ掛けて固定することなども可能である。また、ワイヤ状部92の端部を、固定部材30a,30bの軸方向に貫通させて、先端部にダボ状の大径部を設けることで固定部材30a,30bから抜け出し不能に固定しても良い。
なお、前記第1及び第2の実施形態では、連結部18,50において弾性変形可能な接続部材32,54がそれぞれ1つずつ設けられていたが、連結部において変形可能な接続部材は、連結部の長さ方向で複数設けられてもよい。同様に、前記第3の実施形態では、連結部60において1つの接続部材64と当該接続部材64の長さ方向両端に第一及び第二の固定部材62a,62bが設けられていたが、例えば2つ以上の接続部材が設けられて、これら接続部材の長さ方向の端部に略円形ロッド状の部材が移動可能に連結されてもよい。また、上述のように、本発明に係る脊椎固定用インプラントは、左右方向で2つ配されることとなるが、これら2つの脊椎固定用インプラントは、左右方向で相互に連結されてもよい。更に、かかる連結部分には、1つ又は複数の変形可能な部材が配されてもよく、例えば2つの脊椎固定用インプラントが、左右方向で相対変位可能とされてもよい。
なお、本発明に係る脊椎固定用インプラントの連結部は、曲げ方向と伸び/縮み方向との少なくとも一方の変形が可能であればよい。
また、前記実施形態では、脊椎(脊柱)の長さ方向で隣接する脊椎(椎骨)12a,12bに第一及び第二の椎骨固定部14,16が固定されていたが、例えば脊椎(脊柱)の長さ方向で隣接する、又は隣接しない3つ以上の脊椎(椎骨)に対して椎骨固定部が設けられてもよく、かかる3つ以上の椎骨固定部のうちの2つにより第一及び第二の椎骨固定部が構成されてもよい。この場合、第一及び第二の椎骨固定部を構成しない椎骨固定部は、他の椎骨固定部に対して、伸縮及び/又は曲げ変形可能な連結部で連結されてもよいし、伸縮及び曲げ変形不能に連結(即ち、剛結構造をもって連結)されてもよいし、連結されなくてもよい。
なお、第一及び第二の椎骨固定部と連結部とは、例えば別体として形成されて後固定されることで一体的に形成されてもよい。または、例えば連結部が、ゴムや軟質の合成樹脂からなる場合、連結部の成形キャビティ内に第一及び第二の椎骨固定部をセットして連結部をインサート成形により形成することで、第一及び第二の椎骨固定部と連結部とが一体的に形成されてもよい。或いは、例えば第一及び第二の椎骨固定部が硬質の合成樹脂から形成されると共に、連結部が軟質の合成樹脂から形成される場合などには、第一及び第二の椎骨固定部と連結部とは、二色成形等により一体的に形成されてもよい。
また、第一の椎骨固定部と第二の椎骨固定部とは、前記実施形態の如き連結部によって連結される他、ユニバーサルジョイント構造をもって連結されてもよい。即ち、連結部は、ユニバーサルジョイント構造を含んで構成されてもよく、例えば伸縮及び/又は曲げ変形可能なばねやゴム、エラストマ等が併せて採用されてもよい。
さらに、本発明に係る脊椎固定用インプラントにおいて、部材の内部に空間等が存在するような場合、特に前記第2の実施形態のようにコイルスプリングを採用することでコイルスプリングの内部(伸縮領域)に空間が存在するような場合には、生体組織が当該空間等へ侵入することを避ける構造が望ましい。具体的には、当該空間等を埋める充填剤を採用したり、外部を覆うチューブ等のカバー部材を採用することも可能である。
10 脊椎固定用インプラント
12 脊椎(椎骨)
12a 一方の脊椎
12b 他方の脊椎
14 第一の椎骨固定部
16 第二の椎骨固定部
18 連結部
20 椎弓
22 椎体
24 スクリュー部
24a 頭部
26 ハウジング
28 押え部材
30 固定部材
30a 第一の固定部材
30b 第二の固定部材
32 接続部材
34 凹部
36 貫通孔
38 凹部
40 凸部
42 円柱状部
44 外周筒部
50 連結部
52 固定部材
52a 第一の固定部材
52b 第二の固定部材
54 接続部材
56a,56b 穴部
60 連結部
62 固定部材
62a 第一の固定部材
62b 第二の固定部材
64 接続部材
66 周壁
68 スリット
70a,70b 穴部
72 ピン(突起)
74 ストッパ機構
80 連結部
82 軸方向端部
84 切欠状部
86 平坦状面
88 締結穴
90 ストッパ部材
92 ワイヤ状部
94 固定部
95 挿通孔
96 嵌着穴
98 締結部材

Claims (12)

  1. 第一の椎骨固定部と、第二の椎骨固定部と、該第一の椎骨固定部と該第二の椎骨固定部とを連結する連結部とを有する脊椎固定用インプラントにおいて、
    前記連結部が前記第一の椎骨固定部と前記第二の椎骨固定部との接近又は離隔方向で伸縮可能とされている脊椎固定用インプラント。
  2. 前記連結部が、前記第一の椎骨固定部に固定される第一の固定部材と、前記第二の椎骨固定部に固定される第二の固定部材と、該第一の固定部材と該第二の固定部材とを接続する接続部材とを、含んで構成されている請求項1に記載の脊椎固定用インプラント。
  3. 前記接続部材が弾性体により構成されている請求項2に記載の脊椎固定用インプラント。
  4. 前記第一の固定部材と前記第二の固定部材との少なくとも一方が、前記接続部材に対して長さ方向で移動可能に連結されている請求項2に記載の脊椎固定用インプラント。
  5. 前記第一の固定部材と前記第二の固定部材の少なくとも一方における前記接続部材への連結部分において、
    連結される一方の側に設けられたスリットに対して連結される他方の側に設けられた突起が差し入れられて、該スリット内での該突起の移動が許容されることで、前記連結部が伸縮可能とされている請求項4に記載の脊椎固定用インプラント。
  6. 第一の椎骨固定部と、第二の椎骨固定部と、該第一の椎骨固定部と該第二の椎骨固定部とを連結する連結部とを有する脊椎固定用インプラントであって、
    前記連結部における変形剛性が、前記第一の椎骨固定部への取付部位と前記第二の椎骨固定部への取付部位に比して、連結方向の中間部分において小さくされている脊椎固定用インプラント。
  7. 椎骨間を連結して補強する脊椎固定用インプラントであって、
    連結方向の伸縮が許容されており、且つ伸縮方向のばね定数が1N/mm〜1000N/mmの範囲内に設定されている脊椎固定用インプラント。
  8. 第一の椎骨固定部と、第二の椎骨固定部と、該第一の椎骨固定部と該第二の椎骨固定部とを連結する連結部とを有する脊椎固定用インプラントであって、
    前記連結部において、伸びと曲げの少なくとも一方の変形が許容されていると共に、許容された変形方向でのストッパ機構を有している脊椎固定用インプラント。
  9. 前記連結部において、
    前記第一の椎骨固定部と前記第二の椎骨固定部とが弾性体からなる接続部材を有していると共に、
    前記伸びの変形方向において前記ストッパ機構が設けられている請求項8に記載の脊椎固定用インプラント。
  10. 前記ストッパ機構が、前記第一の椎骨固定部と前記第二の椎骨固定部とを接続する可撓性で且つ前記接続部材よりも伸び方向の最大変形剛性が大きいストッパ部材を用いて構成されている請求項9に記載の脊椎固定用インプラント。
  11. 第一の椎骨固定部と、第二の椎骨固定部と、該第一の椎骨固定部と該第二の椎骨固定部とを連結する連結部とを有する脊椎固定用インプラントであって、
    前記第一の椎骨固定部に固定される第一の固定部材と、
    前記第二の椎骨固定部に固定される第二の固定部材と、
    前記連結部において、前記第一の固定部材と前記第二の固定部材とを、伸び及び曲げの弾性変形に基づいて、相対変位を許容しつつ接続する第一の接続部材と、
    前記連結部において、前記第一の固定部材と前記第二の固定部材とを、曲げ方向の相対変位を許容しつつ連結せしめて、且つ、離隔方向の相対的な変位量を前記第一の接続部材よりも伸び方向で大きな変形剛性をもって制限する第二の接続部材と
    を、有している脊椎固定用インプラント。
  12. 前記第二の接続部材が前記第一の接続部材によって覆われている請求項11に記載の脊椎固定用インプラント。
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