[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本実施形態に係る遊技機について説明する。なお、本実施形態では、遊技機としてパチスロ機を例に挙げて説明する。
[1.パチスロ機の構造]
まず、図1及び図2を参照して、パチスロ機1の構造について説明する。なお、図1は、パチスロ機1の外部構造を示す図であり、図2は、パチスロ機1の内部構造を示す図である。また、説明の便宜上、以下の外部構造の説明において、内部構造の一部を説明する場合があり、内部構造の説明において、外部構造の一部を説明する場合がある。
[1−1.外部構造]
[1−1−1.筐体]
パチスロ機1は、矩形箱状の筐体2により構成されている。また、筐体2は、遊技機本体として前面側に矩形状の開口を有する金属製のキャビネットGと、キャビネットGの前面上部に配置された上ドア機構UDと、キャビネットGの前面下部に配置された下ドア機構DDとを有している。
キャビネットGは、中間支持板G1と、左右一対の側面壁G2と、背面壁G3と、上面壁G4と、底面壁G5とを有している。なお、図1及び図2においては、背面壁G3及び底面壁G5の図示を省略している。また、キャビネットGの上面壁G4には、左右方向に所定の間隔を空けて、上下方向に貫通する2つの開口G4aが形成されている。そして、この2つの開口G4aそれぞれを塞ぐように木製の板部材G4bが上面壁G4に取付けられている。
なお、板部材G4bは、パチスロ機1を遊技店に設置する際に遊技島(不図示)に固定するために用いられるが、このような固定の方法が確保される限り、金属材や樹脂材で構成することもできるし、上面壁G4と一体に形成することもできる。また、キャビネットGについて一定の強度が確保される限り、各構成部材の一部又は全部を木材や樹脂材で構成することもできる。
また、キャビネットGは、その内部において、中間支持板G1を挟んで上側に、前方に開口する上側開口部G101が形成されており、中間支持板G1を挟んで下側に、前方に開口する下側開口部G102が形成されている。すなわち、キャビネットG内は、中間支持板G1を挟んで上部空間と下部空間とに仕切られており、中間支持板G1は、キャビネットG内を上部空間と下部空間とに仕切る仕切板として機能している。上部空間は、キャビネットG内の上ドア機構UDの後側となる空間であり、後述のメイン表示装置210等が収容される。また、下部空間は、キャビネットG内の下ドア機構DDの後側となる空間であり、後述のリールユニットRUや主制御基板71等が収容される。
なお、キャビネットGは、必ずしも中間支持板G1を含んで構成されていなくともよい。すなわち、キャビネットG内において各装置等が適切に収容される限り、上部空間と下部空間を仕切らない構成としてもよい。また、キャビネットGは、単に「箱体」や「本体」と称することもできるし、上ドア機構UD及び下ドア機構DDを支持、あるいは固定する枠体として機能するため、「本体枠」、「支持体」、「支持枠」、あるいは「固定枠」等と称することもできる。
[1−1−2.前面扉]
上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGの開口の形状及び大きさに対応するように形成され、キャビネットGにおける開口の上部空間及び下部空間を閉塞可能に設けられている。すなわち、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、パチスロ機1の前面側に設けられた前面扉(フロントドア)として機能している。
また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDのそれぞれは、例えば、左側の側面壁G2に設けられたヒンジ等の開閉機構(不図示)によって、キャビネットGに対して開閉自在に取付けられている。なお、上ドア機構UD及び下ドア機構DDのいずれか一方については上述の開閉機構によって開閉自在とし、他方については一方のドア機構が開放状態となったときにのみ着脱可能となるように構成することもできる。
上ドア機構UDは、その中央部に設けられた演出表示窓UD1と、演出表示窓UD1の上部に設けられた上部ランプ23とを有している。演出表示窓UD1は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、その背面側に設けられた後述のメイン表示装置210を構成するスクリーン装置Cに表示された演出画像を視認可能としている。なお、本実施形態では、演出表示窓UD1を介して演出表示を行うメイン表示装置210を、メイン演出表示部21として説明する場合がある。
下ドア機構DDは、その上部の略中央部に設けられたメイン表示窓4と、メイン表示窓4の背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたリールユニットRUとを有している。
リールユニットRUは、3個のリール3L(左リール),3C(中リール),3R(右リール)を主体に構成されている。各リール3L,3C,3Rは、例えば、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のリール帯から構成され、リール帯には、複数(例えば、20個)の図柄がリールの回転方向に沿って所定の間隔を空けて描かれている。また、各リール3L,3C,3Rは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。メイン表示窓4は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、各リール3L,3C,3Rの周面上の図柄について少なくとも一部(例えば、3個)を視認可能としている。また、各リール3L,3C,3Rの内部には、少なくともメイン表示窓4から図柄が視認される位置に光源(後述のランプ・LED類に含まれるリールランプ)が設けられ、少なくとも各リール3L,3C,3Rが回転中であるときにはこれらを内部から一定の輝度で照明することで、図柄の視認性を確保している。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4の左側に設けられたサブ演出表示部22と、メイン表示窓4の右側に設けられた演出用ボタン10bとを有している。サブ演出表示部22は、後述のサブ表示装置220に表示された演出画像を表示する。なお、サブ演出表示部22をタッチパネルとして構成し、演出表示を行う機能のみならず、演出用ボタンの1つとして機能させることもできる。演出用ボタン10bは、遊技者の演出用の操作(演出操作)を受付ける操作部である。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4の下方に形成された略水平面の台座部において、左側に設けられたMAXベットボタン6a,1ベットボタン6b,精算ボタン9と、略中央部に設けられた演出用ボタン10aと、右側に設けられたメダル投入口5とを有している。
MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bは、パチスロ機1の内部に預けられている(クレジットされている)メダルを使用するための遊技者の遊技操作(ベット操作。「投入操作」や「掛け操作」等と称することもできる)を受付ける操作部である。MAXベットボタン6aが操作された場合、現在のベット数が最大ベット数(例えば、3枚)未満であり、クレジットされているメダルがその差分以上ある場合には、最大ベット数のメダルがベットされる。一方、クレジットされているメダルがその差分以上ない場合には、メダルはベットされない。また、1ベットボタン6bが操作された場合、現在のベット数が最大ベット数未満であり、クレジットされているメダルが1枚以上ある場合には、1枚のメダルがベットされる。
精算ボタン9は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための遊技者の遊技操作(精算操作)を受付ける操作部である。なお、クレジットされているメダルがない状態で精算ボタン9が操作された場合、投入され、あるいは払出されるメダルに関し、クレジット可能数(例えば、50枚)の範囲内において、当該メダルをクレジットするクレジットモード(Cモード)と、当該メダルをクレジットしないペイモード(Pモード)とのいずれかのモードを選択可能とするための遊技者の遊技操作(C/Pモード選択操作)を受付可能としてもよい。すなわち、精算ボタン9をいわゆるC/Pボタンとして機能させることもできる。演出用ボタン10aは、遊技者の演出用の操作(演出操作)を受付ける操作部である。
メダル投入口5は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投入されるメダルを受入れる。受入れたメダルは、後述のセレクタ31によって検出されるとともに、適正なメダルであるか否かが判定される。受入れた1枚のメダルが適正なものでない場合、受入れたメダルが後述のメダル払出口11から返却される。また、受入れた1枚のメダルが適正なものである場合、現在のベット数が最大ベット数未満である場合には、1枚のメダルがベットされる。現在のベット数が最大ベット数であり、クレジットされているメダルがクレジット可能数に到達していない場合には、1枚のメダルがクレジットされる。一方、クレジットされているメダルがクレジット可能数に到達している場合には、受入れたメダルが後述のメダル払出口11から返却される。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4と上述の台座部との間に設けられた情報表示装置14を有している。情報表示装置14は、複数のランプ(LED)や7セグメントLEDを含んで構成され、その点灯態様により遊技に関する情報を表示する。
また、下ドア機構DDは、上述の台座部の下方において、左側に設けられたスタートレバー7と、略中央部に設けられた3個のストップボタン8L,8C,8Rと、右側に設けられた施錠機構15とを有している。スタートレバー7は、所定の角度範囲で傾動自在に取付けられ、遊技を開始させるための遊技者の遊技操作(開始操作)を受付ける操作部である。各ストップボタン8L,8C,8Rは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の遊技操作(停止操作)を受付ける操作部である。
施錠機構15は、例えば、キーシリンダー錠から構成され、下ドア機構DDが閉鎖状態であるとき、遊技店側の管理者(例えば、遊技店の店員等。以下同じ)が鍵穴にドアキー(不図示)を挿入した状態で右に回すと解錠し、下ドア機構DDが開放状態となる。なお、施錠機構15には、ドア機構の開閉を管理する機能のみならず、リセットスイッチとしての機能をもたせてもよい。例えば、遊技店側の管理者が鍵穴にドアキーを挿入した状態で左に回した場合には、後述のリセットスイッチ53と同様のリセット操作を検出可能としてもよい。また、本実施形態では、下ドア機構DDが開放状態となったとき、これに連動して上ドア機構UDも開放状態となるように構成することもできるし、上ドア機構UDに対応する施錠機構を別途設けるようにし、それぞれ独立して開閉を管理可能とすることもできる。
また、下ドア機構DDは、その下部の中央部に設けられた腰部パネル13と、腰部パネル13の下方に設けられたメダル受皿12と、メダル受皿12の上方に設けられたメダル払出口11と、メダル払出口11の左右に設けられた透音孔24a,24bとを有している。
腰部パネル13は、例えば、機種の名称を表すロゴやモチーフを表すキャラクタ等の機種情報が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光源(後述のランプ・LED類に含まれる腰部ランプ)から構成される。メダル受皿12は、メダル払出口11から払出されたメダルを貯留する。メダル払出口11は、パチスロ機1の内部から払出される(あるいは返却される)メダルを外部に排出する。なお、メダル払出口11から排出されるメダルは、後述のホッパー装置32から払出されたものと、後述のセレクタ31からキャンセルシュート(不図示)を通って返却されたものとがある。透音孔24a,24bは、それぞれの背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたスピーカ35a,35b(スピーカ35aは図2において符号省略)から出力される効果音やBGM等の音声をパチスロ機1の前面側に向かって透過する。
なお、本実施形態では、キャビネットG内が上部空間と下部空間とに仕切られていることに対応して上ドア機構UD及び下ドア機構DDを設けることとしているが、キャビネットGにおける開口を適切に開閉可能とする限り、単一のドア機構として構成することもできるし、3つ以上のドア機構として構成することもできる。また、前後方向に二重に構成されたドア機構(例えば、外扉と内扉等)として構成することもできる。また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、単に「扉」や「ドア」と称することもできるし、キャビネットGにおける開口を開閉可能とする部材として機能するため、「開閉部材」、「扉部材」、あるいは「ドア部材」等と称することもできる。
[1−1−3.変動表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、各リール3L,3C,3R及びメイン表示窓4を備える。各リール3L,3C,3Rは、スタートレバー7が操作されると(遊技者によって開始操作が行われると)、後述のステッピングモータ51L,51C,51Rが駆動制御されることにより回転を開始する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が変動表示される。また、各リール3L,3C,3Rは、各ストップボタン8L,8C,8Rが操作されると(遊技者によって停止操作が行われると)、後述のステッピングモータ51L,51C,51Rが駆動制御されることによりそれぞれの回転を停止する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が停止表示される。
すなわち、各リール3L,3C,3R及びメイン表示窓4は、複数の図柄を複数列に変動表示(及び停止表示)可能な変動表示部(手段)、あるいは複数の図柄を変動表示(及び停止表示)可能な複数の変動表示部(手段)を構成する。なお、変動表示部(手段)は、「図柄表示部(手段)」や「可変表示部(手段)」等と称することもできる。また、図柄は、「絵柄」や「柄」等と称することもできるし、遊技者が視認により識別可能な情報であればよいことから、その意味において「識別情報」等と称することもできる。
また、メイン表示窓4は、各リール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、それぞれについて連続して配置された3個の図柄がその枠内に表示されるように構成されている。すなわち、メイン表示窓4は、各列において上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する(メイン表示窓4の枠内には、3行×3列の態様で図柄が表示される)。なお、メイン表示窓4は、「図柄表示領域」や「窓部」等と称されることがある。
また、メイン表示窓4には、有効ラインが定義される。有効ラインは、遊技者の停止操作に応じて全ての列の図柄が停止表示されたときに、規定された図柄の組合せが表示されたか否かを判定するためのラインである。その意味において、有効ラインは、「入賞ライン」や「判定ライン」等と称することもできる。また、有効ラインは、各列の各領域のいずれかを結ぶラインとして構成される。すなわち、メイン表示窓4が3行×3列の態様で図柄を表示するように構成される場合、最大27通りの有効ラインを定義することが可能である。もっとも、実際には、そのうちの一又は複数通りのラインを有効ラインとして定義し、他のラインは有効ラインではない無効ラインとして定義することができる。
なお、例えば、リール3Lの中段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの中段領域を結ぶラインは「センターライン」、リール3Lの上段領域、リール3Cの上段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶラインは「トップライン」、リール3Lの下段領域、リール3Cの下段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶラインは「ボトムライン」、リール3Lの下段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶラインは「クロスアップライン」、リール3Lの上段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶラインは「クロスダウンライン」等と称され、これらは各列の各領域を一直線で結ぶラインであることから、これらのうちの一又は複数通りのラインが有効ラインとして定義されることが多い。もっとも、上述のとおり、各列の各領域を折れ線で結ぶ、いわゆる変則ラインを有効ラインとして定義することもできる。
また、有効ラインが有効化されるためには、遊技者の開始操作に先立って、今回の遊技に必要な分の(遊技開始可能枚数分の)メダルがベットされている必要があるが、有効化される有効ライン数は、ベット数にかかわらず同じであってもよいし、ベット数に応じて変動してもよい。例えば、上述の「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」の3通りのラインが有効ラインとして定義されているとした場合、前者の場合には、ベット数が1〜3のいずれであっても「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」が有効化されるようにする。一方、後者の場合には、ベット数が1であれば「センターライン」のみが有効化され、ベット数が2であれば「センターライン」及び「トップライン」が有効化され、ベット数が3(最大ベット数)であれば「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」が有効化されるようにする。
なお、本実施形態では、変動表示部が、3個のリール3L,3C,3Rと、各列において3個ずつの図柄を表示可能とするメイン表示窓4とを有することで、3行×3列の態様で図柄を表示するものとしていたが、変動表示部における図柄表示態様はこれに限られない。例えば、リール数を1個、2個、あるいは4個以上とし、また、例えば、各列における図柄の表示数を1個、2個、あるいは4個以上とすることで上述の態様とは異なる態様で図柄を表示することもできる。また、この場合、定義可能な有効ライン数も適宜増減する。
また、本実施形態では、変動表示部が、各リール3L,3C,3Rを回転させることによって図柄を変動表示するものとしていたが、変動表示部の構成はこれに限られない。例えば、後述のメイン表示装置210やサブ表示装置220と同様の画像表示装置を用いた構成としてもよいし、その他の表示装置(例えば、有機ELや7セグメントLED等)を用いた構成としてもよい。また、例えば、その他の物理的装置(例えば、ベルト等)を用いた構成としてもよい。また、変動表示部の配置や大きさ等は適宜変更可能である。
また、本実施形態では、変動表示部が、後述の主制御回路100によって制御される、遊技に直接関連するメイン側表示部として機能とするものとしていたが、これとともに、後述の副制御回路200によって制御される、遊技に直接関連しない演出に関連するサブ側表示部としての変動表示部を設けるようにしてもよい。なお、サブ側表示部は、例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220を用いた構成とすることができる。すなわち、遊技者の開始操作(あるいは、その他開始条件の成立)に応じて図柄を変動表示させ、遊技者の停止操作(あるいは、その他停止条件の成立)に応じて図柄を停止表示させる変動表示部として、メイン側表示部のみならず、サブ側表示部を設けるようにしてもよい。なお、この場合、遊技者が変動表示部について遊技に直接関連するものであるか否かを識別可能とするため、メイン側表示部の近傍には、「回胴」ないし「メインリール」といった文字が表示された識別表示を付しておき、当該変動表示部がメイン側表示部であることを識別可能とすればよい。なお、このような識別表示は、メイン表示装置210やサブ表示装置220において表示されるようにしてもよい。
[1−1−4.メダル投入口]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投入されるメダルを受け入れるメダル投入口5を備える。なお、メダル投入口5及び後述のセレクタ31は、MAXベットボタン6aや1ベットボタン6bと同様に、1回の遊技に必要なメダル数をベットする機能を有することから、このような投入動作は、例えば、ベット操作と換言することもできる。したがって、メダル投入口5は、遊技者のベット操作を検出可能なベット操作検出部(手段)であるともいえる。なお、メダル投入口の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
なお、本実施形態では、遊技に使用し、あるいは遊技結果に応じて付与される遊技価値として、遊技媒体としてのメダルを用いることを一例として説明しているが、このように用いられる遊技価値はこれに限られない。例えば、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を用いることもできる。また、遊技価値は、単に「価値」、あるいは「遊技用価値」等と称することもできる。
[1−1−5.操作部]
パチスロ機1は、遊技者が操作可能な操作部として、例えば、以下に示す各操作部を備える。なお、以下に示す各操作部はあくまで一例であって、これらとは異なる操作部を備える構成としてもよいし、これらのうち必ずしも必須のものでない操作部については、これを備えない構成としてもよい。
[1−1−5−1.ベットボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、その内部に預けられている(クレジットされている)メダルを使用するための遊技者のベット操作を受付けるMAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bを備える。また、このようなベット操作は、後述のベットスイッチ6Sによって検出される。したがって、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6b、並びにベットスイッチ6Sは、遊技者のベット操作を検出可能なベット操作検出部(手段)を構成する。なお、ベットボタンは、あくまで遊技者のベット操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bを設けているが、1ベットボタン6bを設けることなくMAXベットボタン6aのみを設けるようにしてもよい。また、2枚のメダルがベットされる2ベットボタンを別途設けるようにしてもよい。
[1−1−5−2.スタートレバー]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技を開始させるための遊技者の開始操作を受付けるスタートレバー7を備える。また、このような開始操作は、後述のスタートスイッチ7Sによって検出される。したがって、スタートレバー7及びスタートスイッチ7Sは、遊技者の開始操作を検出可能な開始操作検出部(手段)を構成する。なお、スタートレバーは、あくまで遊技者の開始操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1−1−5−3.ストップボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の停止操作を受付ける各ストップボタン8L,8C,8Rを備える。また、このような開始操作は、後述のストップスイッチ8Sによって検出される。したがって、各ストップボタン8L,8C,8R及びストップスイッチ8Sは、遊技者の停止操作を検出可能な停止操作検出部(手段)を構成する。なお、ストップボタンは、あくまで遊技者の停止操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1−1−5−4.精算ボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための遊技者の精算操作(返却操作)を受付ける精算ボタン9を備える。また、このような精算操作は、後述の精算スイッチ9Sによって検出される。したがって、精算ボタン9及び精算スイッチ9Sは、遊技者の精算操作を検出可能な精算操作検出部(手段)を構成する。なお、精算ボタンは、あくまで遊技者の精算操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1−1−5−5.演出用ボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技者の演出操作を受付ける演出用ボタン10a,10bを備える。なお、このような演出操作は、それぞれの演出用ボタンに対応して設けられた検出スイッチ(不図示)によって検出される。したがって、演出用ボタン10a,10b及び当該検出スイッチは、遊技者の演出操作を検出可能な演出操作検出部(手段)を構成する。なお、演出用ボタンは、あくまで遊技者の演出操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、2個の演出用ボタン10a,10bを設けているが、これらのいずれも設けることなく構成することもできるし、これらのうちいずれかのみを設けるように構成することもできる。また、3個以上の演出用ボタンを設けるように構成することもできる。
なお、演出用ボタンの主な用途としては、特定の演出(例えば、後述の操作連動演出)実行時に演出態様を変化させること、後述のユーザーメニューにおいて選択・決定操作を行うこと等である。したがって、用途に応じた演出用ボタンを設けるように構成することもできる。例えば、前者の用途では演出用ボタン10a,10bが使用されるものとし、後者の用途では上述のタッチパネルを使用するように構成することもできる。なお、後者の用途で用いるために、別の演出用ボタンとして、選択・決定操作を受付可能なジョグダイヤルや十字キー等を設けるように構成することもできる。
[1−1−6.メダル払出口]
上述のとおり、パチスロ機1は、パチスロ機1の内部から払出される(あるいは返却される)メダルを外部に排出するメダル払出口11を備える。なお、入賞が発生してメダルを払出す場合、メダル払出口11は、後述のホッパー装置32から払出されたメダルを遊技者に付与するものであることから、遊技者に特典を付与する特典付与手段の一部であるともいえる。また、メダル払出口の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1−1−7.メダル受皿]
上述のとおり、パチスロ機1は、メダル払出口11から払出されたメダルを貯留するメダル受皿12を備える。すなわち、メダル受皿12は、付与された遊技価値を貯留可能な貯留部(手段)を構成する。なお、メダル受皿の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1−1−8.腰部パネル]
上述のとおり、パチスロ機1は、例えば、機種情報が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための腰部ランプから構成される腰部パネル13を備える。なお、腰部パネル13は、基本的にはそのパチスロ機1がどういった機種であるかを遊技者にわかりやすく示すものであるが、例えば、腰部ランプの点灯態様により、あるいは、腰部パネル13そのものを画像表示装置等で構成することにより演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成することもできる。
[1−1−9.情報表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、その点灯態様により遊技に関する情報を表示する情報表示装置14を備える。すなわち、情報表示装置14は、遊技に関する情報を表示可能な情報表示部(手段)を構成する。
情報表示装置14は、例えば、インサートランプと、スタートランプと、リプレイランプと、ベット数ランプと、クレジットランプと、払出数ランプと、指示モニタと、リミットランプ等を含んで構成される。
インサートランプは、点灯することでメダルの投入が可能であることを表示する。スタートランプは、点灯することでスタートレバー7の操作にともなって遊技の開始が可能であることを表示する。リプレイランプは、点灯することで再遊技の作動によりメダルが自動投入されたことを表示する。ベット数ランプは、点灯することでベットされたメダル数を表示する。クレジットランプは、その点灯態様によりクレジットされているメダル数を表示する。払出数ランプは、その点灯態様により遊技結果に応じて払出されたメダル数(払出数)を表示する。
また、指示モニタは、報知ランプ(停止操作表示部)と、区間ランプ(状態表示部)と、を含んで構成される。報知ランプは、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下(例えば、AT状態)において、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で点灯することで、停止操作の情報を表示する。なお、「報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様」とは、例えば、押し順(本実施形態では、これを「打順」として説明する場合がある)「1st(第1停止操作をリール3Lに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「1」を表示し、押し順「2nd(第1停止操作をリール3Cに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「2」を表示し、押し順「3rd(第1停止操作をリール3Rに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「3」を表示する等の態様のことである。なお、報知ランプは、クレジットランプや払出数ランプとは必ずしも別に設けられていなくともよい。例えば、クレジットランプ又は払出数ランプのいずれかを用いて、停止操作の情報を表示してもよい。
このように、本実施形態では、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下においては、後述の副制御回路200によって制御されるサブ側報知手段(例えば、メイン演出表示部21)のみならず、後述の主制御回路100によって制御されるメイン側報知手段としての指示モニタにおいても停止操作の情報が報知される。なお、メイン側報知手段における報知の態様と、サブ側報知手段における報知の態様とは、互いに異なる態様であってもよい。すなわち、メイン側報知手段では、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない。例えば、押し順「1st」を報知する場合、指示モニタにおいて数値「1」が表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もある。一方、サブ側報知手段では、停止操作の情報を直接的に報知すればよい。例えば、押し順「1st」を報知する場合、メイン演出表示部21では、リール3Lに対して第1停止操作を行わせるための指示情報を直接的に報知すればよい。
また、区間ランプは、点灯することで現在の状態が後述の有利区間中であることを表示する。区間ランプは、例えば、後述の非有利区間から有利区間に移行するとき、当該有利区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで点灯し、当該有利区間が終了して非有利区間に移行するとき、当該非有利区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで消灯する。なお、区間ランプの点灯タイミングはこれに限られない。例えば、非有利区間又は有利区間における後述の演出区間(通常有利区間)から最初に有利区間における後述の増加区間(AT状態)に移行するとき、当該増加区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで点灯するものとしてもよい。すなわち、区間ランプは、演出区間であるか増加区間であるかを問わず有利区間中であることを報せるものであってもよいし、少なくとも最初の増加区間の開始からこれを含めた有利区間が終了するまでの期間を報せるものであってもよい。
また、リミットランプは、その点灯態様により後述のリミット処理が実行されたこと、あるいはその可能性を表示する。例えば、リミット処理が実行された場合に点灯することで遊技者に有利な状態(例えば、AT状態)がリミット処理の実行によって強制的に終了されたことを報せる。また、例えば、リミット処理の実行が近い場合に点滅することで当該有利な状態がリミット処理の実行によって強制的に終了される可能性が高いことを報せる。なお、これら以外にも点灯、点滅又は消灯の契機を設けることで、リミット処理に関するその他の情報を適宜報せることもできる。
[1−1−10.演出表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、演出画像を表示するメイン演出表示部21及びサブ演出表示部22を備える。メイン演出表示部21及びサブ演出表示部22は、演出表示を行うことが可能な演出表示部(手段)を構成する。また、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。
メイン演出表示部21は、演出表示窓UD1を介して演出表示を行うメイン表示装置210を含んで構成される。また、メイン表示装置210は、キャビネットG内の中間支持板G1上に交換可能に載置された表示ユニットAとして構成される。表示ユニットAは、画像表示用の照射光を出射する照射ユニットBと、照射ユニットBからの照射光が照射されることにより画像を出現させるスクリーン装置Cとを有するいわゆるプロジェクションマッピング装置である。なお、本実施形態では、メイン表示装置210をこのように構成することで、高度で、かつ迫力のある演出表示を可能としているが、メイン表示装置210の構成はこれに限られない。すなわち、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能であればよく、液晶表示装置や有機EL等の画像表示装置や7セグメントLED等の表示装置として構成することもできるし、サブリール等の変動表示装置やドット表示装置として構成することもできる。また、このような観点より、その形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、例えば、いわゆる出目によって楽しませることを主体とする遊技性である等の場合には、メイン演出表示部21を設けないように構成することもできる(サブ演出表示部22も同様)。
サブ演出表示部22は、サブ表示装置220を含んで構成される。また、サブ表示装置220は、液晶表示装置として構成される。なお、サブ表示装置220もメイン表示装置210と同様に、他の画像表示装置や表示装置として構成することができるし、変動表示装置やドット表示装置として構成することもできる。また、このような観点より、その形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。また、メイン演出表示部21は、大画面で構成されていることから、押し順の報知や当り報知、あるいは連続演出等といった今回の遊技と密接に関連する演出を主として表示し、サブ演出表示部22は、小画面で構成されていることから、遊技履歴等といった今回の遊技とはそこまで密接に関連しない演出を主として表示するといったように、目的に応じて表示内容を分けて表示することが可能である。また、本実施形態では、メイン演出表示部21及びサブ演出表示部22の2個の演出表示部を設けるように構成しているが、これらのいずれも設けることなく構成することもできるし、これらのうちいずれかのみを設けるように構成することもできる。また、3個以上の演出表示部を設けるように構成することもできる。
[1−1−11.ランプ]
上述のとおり、パチスロ機1は、一例として挙げた上部ランプ23のように、その発光態様(点灯、点滅、あるいは消灯のみならず、フルカラーLEDとして構成される場合にはその輝度や発光色を含む)によって演出を行うことが可能な一又は複数のランプ(発光手段)を備える。また、このような発光手段は、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。なお、このような観点より、その数、形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。
なお、後述のランプ・LED類に含まれるその他のランプとしては、例えば、上ドア機構UDの両側端面や下ドア機構DDの両側端面に設けられたサイドランプや各操作部内に設けられた操作部ランプ等を挙げることができる。なお、後者は、それぞれの操作部が操作可能であるか否かを遊技者に報せる機能を含むことから、このような機能を発揮させる場合には演出内容に応じて発光態様を変動させず、一義的な発光態様によって発光するように制御することができる。
[1−1−12.スピーカ]
上述のとおり、パチスロ機1は、効果音やBGM等の音声を出力するスピーカ35a,35bを備える。スピーカ35a,35bは、音声の出力によって演出を行うことが可能な音声出力手段を構成する。また、遊技者に対し聴覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。なお、このような観点より、その数、形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。
[1−1−13.その他演出装置]
なお、パチスロ機1では、上述の各種演出装置(演出実行手段)以外の演出装置を設けることもできる。例えば、いわゆる役物といった可動演出装置、振動により演出を行う振動演出装置、あるいは空気を噴射することで演出を行うエアー演出装置等の演出装置を設け、演出を実行することも可能である。すなわち、遊技者の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)のいずれかに訴えかけることができる(遊技者に演出が実行されていることを認識可能とさせる)演出を実行可能な演出装置であれば、それらのうちいずれを用いることもできる。したがって、本実施形態において「演出を実行する」とは、特段の説明がない限り、上述の各種演出装置(演出実行手段)のうち、一又は複数の演出装置のいずれの演出装置を用いて演出を実行してもよいこと示している。
[1−2.内部構造]
[1−2−1.セレクタ]
セレクタ31(図2において符号省略)は、メダル投入口5から投入されたメダルの流下路であって、下ドア機構DDの背面側に設けられている。セレクタ31は、例えば、後述のメダルセンサ31Sと、振分装置とを有している。
メダルセンサ31Sは、メダル投入口5から投入されたメダルを検出するとともに、検出されたメダルが適切なメダルであるか否かを判定する。振分装置は、メダルセンサ31Sにより、検出されたメダルが適切なメダルであると判定された場合であって、メダルの受入れが可能な状態である場合、当該メダルが後述のホッパー装置32側に案内されるように駆動制御される。なお、この場合、ベット数あるいはクレジット数が1加算される。一方、振分装置は、メダルセンサ31Sにより、検出されたメダルが適切なメダルでないと判定された場合、及びメダルの受入れが可能な状態でない場合、当該メダルがキャンセルシュートを通ってメダル払出口11から返却されるように駆動制御される。メダルセンサ31Sによるメダルの検出に異常が発生した場合にはセレクタエラーが発生する。なお、この場合、異常の発生要因(例えば、メダル詰まり)を解消した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
すなわち、セレクタ31は、投入された遊技媒体を検出可能な遊技媒体検出部(手段)を構成する。また、セレクタ31は、投入された遊技媒体が適正であるか否かを判定可能な判定手段を構成する。また、セレクタ31は、投入された遊技媒体が適正である場合には内部に貯留する一方、投入された遊技媒体が適正でない場合には外部に排出する振分手段を構成する。また、セレクタ31の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1−2−2.ホッパー装置]
ホッパー装置32は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。ホッパー装置32は、例えば、メダル投入口5から投入され、セレクタ31によって案内されたメダルを貯留するバケット部と、バケット部の底部に設けられ、バケット部に貯留されたメダルを撹拌するとともに、1枚ずつ排出部に案内するディスク部と、ディスク部によって案内されたメダルを1枚ずつ排出する排出部と、排出部から排出されたメダルをカウントするカウントセンサとを有している。
バケット部は、一定数のメダルを貯留可能に構成される。一定数を超えたメダルは、上面側に設けられた案内通路を通って後述のメダル補助収納庫33に案内される。なお、バケット部に貯留されたメダルが空となった場合にはホッパーエンプティエラーが発生する。なお、この場合、メダルを補充した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
ディスク部は、中心から放射状にメダル形状のくり抜き部が複数形成され、駆動信号にしたがって中心軸が回転駆動されることで、くり抜き部に嵌ったメダルを1枚ずつ排出部に案内する。なお、ディスク部が回転することでバケット部に貯留されたメダルが撹拌される。また、ディスク部の回転に異常が発生した場合にはホッパージャムエラーが発生する。なお、この場合、異常の発生要因(例えば、メダル詰まり)を解消した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
カウントセンサは、排出部から排出されたメダルを検出するとともに、その枚数をカウントする。例えば、1枚のメダルを払出す場合、ディスク部が回転を開始し、続いてカウントセンサが1枚のメダルの払出をカウントしたことに応じてディスク部の回転が停止する。このようにして、適正枚数のメダルが払出されるようにしている。
すなわち、ホッパー装置32は、遊技媒体を払出可能な遊技媒体払出部(手段)を構成する。また、上述のとおり、遊技者に特典を付与する特典付与手段の一部であるともいえる。また、ホッパー装置32の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1−2−3.メダル補助収納庫]
メダル補助収納庫33は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。メダル補助収納庫33は、例えば、ホッパー装置32のバケット部から案内されたメダルを収納する収納部と、収納部の近傍に設けられ、収納部に収納されたメダルの容量を検出するメダル補助収納庫スイッチ33Sとを有している。
収納部は、一定数のメダルを収納可能に構成される。メダル補助収納庫スイッチ33Sにより、当該一定数以上のメダルが収納されたと判定された場合にはメダル補助収納庫エラーが発生する。なお、この場合、収納部に収納されたメダルを少なくとも一定数未満に減らした上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
すなわち、メダル補助収納庫33は、余剰の遊技媒体を貯留可能な余剰遊技媒体貯留部(手段)を構成する。なお、メダル補助収納庫33の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1−2−4.電源装置]
電源装置34は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。電源装置34は、例えば、電源基板34aと、電源スイッチ34bとを有しており、電源スイッチ34bがオンされることに応じてパチスロ機1に電力を供給する。なお、電源装置34は、家庭用電気製品等と同じく電源ケーブル(不図示)から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。すなわち、電源装置34は、必要な電力を遊技機に供給可能な電源部(手段)を構成する。なお、電源装置34の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
なお、本実施形態では、後述の設定用鍵型スイッチ52やリセットスイッチ53が主制御基板71(より詳細には後述の主制御基板ケース上)に設けられるように構成しているが、これらのスイッチを電源装置34に設けるように構成することもできる。
[1−2−5.基板]
パチスロ機1は、各種制御に必要な基板として、例えば、以下に示す各基板を備える。なお、以下に示す各基板はあくまで一例であって、これらとは異なる基板を備える構成としてもよいし、これらのうち必ずしも必須のものでない基板については、これを備えない構成としてもよい。
[1−2−5−1.主制御基板]
主制御基板71は、キャビネットG内において、リールユニットRUの背面側に取付けられている。なお、主制御基板71は、遊技に関する制御を行う遊技制御基板であり、その状態が視認可能となるように透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製の主制御基板ケース(不図示)内に収容されている。主制御基板71の電気的構成については後述する。
なお、主制御基板71の仕様には種々の制約があり、基本的に各種電子部品がDIP実装されて構成されるものとなっているが、各種電子部品の一部又は全部についてSMT実装(表面実装)されて構成されるものとしてもよい。また、この場合、テスターやオシロスコープを用いて動作確認を行うためのテストポイントを設けるようにしてもよい。また、各種電子部品の一部又は全部について6平方mmを超えない小さい電子部品を使用してもよい。また、主制御基板71の基板面を多層化して構成してもよい。
[1−2−5−2.副制御基板]
副制御基板72は、キャビネットG内において、中間支持板G1の裏面側に取付けられている。なお、副制御基板72は、演出に関する制御を行う演出制御基板であり、樹脂製の副制御基板ケース(不図示)内に収容されている。なお、副制御基板ケースは、主制御基板ケースと同様に透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製のケースとして構成することもできるし、不透明(あるいは略不透明)に構成された他の材料を用いたケースとして構成することもできる。副制御基板72の電気的構成については後述する。
[1−2−5−3.その他基板]
(主中継基板)
主中継基板73(図2において符号省略)は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、主中継基板73に接続された各種デバイス等と主制御基板71との間、及び主制御基板71と副制御基板72との間を中継するための中間制御基板である。なお、主中継基板73は、制御効率や配線効率の便宜から主制御基板71とは別の基板として構成されたものであるため、特段の支障がなければ主中継基板73の機能を全て主制御基板71にもたせ、主中継基板73を設けない構成とすることもできる。また、このような観点より、主中継基板73をさらに複数の中継基板に分割し、制御効率や配線効率の向上を図るようにしてもよい。すなわち、主中継基板として複数の基板を設けるようにしてもよい。
(副中継基板)
副中継基板74は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、副中継基板74に接続された各種デバイス等と副制御基板72との間、及び主制御基板71と副制御基板72との間を中継するための中間制御基板である。なお、副中継基板74は、制御効率や配線効率の便宜から副制御基板72とは別の基板として構成されたものであるため、特段の支障がなければ副中継基板74の機能を全て副制御基板72にもたせ、副中継基板74を設けない構成とすることもできる。また、このような観点より、副中継基板74をさらに複数の中継基板に分割し、制御効率や配線効率の向上を図るようにしてもよい。すなわち、副中継基板として複数の基板を設けるようにしてもよい。
(外部集中端子板)
外部集中端子板55は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下部空間の奥側)に取付けられており、例えば、メダル投入信号、メダル払出信号、外部信号1〜4及びセキュリティ信号等の信号をパチスロ機1の外部へ出力する。なお、外部信号1〜4は、その出力開始条件及び出力終了条件を適宜設定可能であり、その遊技性に応じてパチスロ機1の内部状態(例えば、ボーナス状態やAT状態)の遷移を外部に報せることを可能としている。そして、外部集中端子板55は、通常、外部のデータ表示機やホールコンピュータに接続されることから、これらの機器においても、パチスロ機1におけるメダルの投入・払出状況やエラーの発生状況のみならず、そのような内部状態の遷移状況が認識可能となっている。
(試験機用インターフェースボード)
試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302は、ともにパチスロ機1の検定試験(試射試験)において、遊技に関する各種信号を試験機に出力する際に用いられる中継基板である(なお、販売用のリリース製品としてのパチスロ機1にはこれらの中継基板は搭載されていないので、販売用の主制御基板71には、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302に接続するために必要な各種電子部品もまた実装されていない)。例えば、遊技に係る主要な動作(例えば、内部抽籤、リール停止制御等)を制御するための試験信号は、試験機用第1インターフェースボード301を介して出力され、また、主制御基板71で決定された押し順ナビに係る試験信号等は、試験機用第2インターフェースボード302を介して出力される。
[2.パチスロ機の電気的構成]
続いて、図3を参照して、パチスロ機1の電気的構成について説明する。なお、図3は、パチスロ機1の電気的構成を示すブロック図である。
上述のとおり、パチスロ機1は、主制御基板71と、副制御基板72と、主中継基板73と、副中継基板74とを有している。主制御基板71と主中継基板73、主中継基板73と副中継基板74、及び副中継基板74と副制御基板72は、それぞれ電気的に接続されている。また、主制御基板71と副制御基板72は、主中継基板73及び副中継基板74を介して、主制御基板71から副制御基板72に対して一方向のシリアル通信が可能となるように電気的に接続されている。
主制御基板71には、遊技に関する制御を行う遊技制御部としての主制御回路100が実装されている。主制御回路100は、例えば、メインCPU101、メインROM102、メインRAM103、クロックパルス発生回路(不図示)、乱数回路(不図示)等を含んで構成される。メインROM102には、メインCPU101により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、副制御回路200に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。メインRAM103には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。クロックパルス発生回路は、メインCPU101作動用のクロックパルス信号を生成する。乱数回路は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535又は0〜255等)を発生させる。メインCPU101は、生成されたクロックパルス信号に基づいて各種制御プログラムを実行する。また、発生された乱数の中から必要に応じて一又は複数の値を乱数値として抽出する。このようにして、遊技動作全般に係る制御を行う。
副制御基板72には、演出に関する制御を行う演出制御部としての副制御回路200が実装されている。副制御回路200は、例えば、サブCPU201、サブRAM203等を含んで構成される。また、副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202が接続されている。ロムカートリッジ基板202には、サブCPU201により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、各種演出データ(例えば、メイン表示装置210に係る映像データや駆動データ、サブ表示装置220に係る映像データ、ランプ・LED群に係るランプデータ、スピーカ群に係るサウンドデータ等)等が記憶される。サブRAM203には、制御プログラムの実行により決定された演出内容や各種演出データを登録する格納領域や、主制御基板71から送信される各種制御指令(コマンド)に係るデータを格納する格納領域等が設けられる。なお、演出に係る演出用乱数値については、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜32767等)の中から、サブCPU201内で発生及び抽出が行われるようにしてもよいし、主制御回路100と同様に乱数回路を設けることでその発生及び抽出が行われるようにしてもよい。また、ロムカートリッジ基板202ではなく、副制御回路200内にサブROMが含まれるようにし、各種制御プログラム等はサブROMに記憶されるように構成してもよい。また、ロムカートリッジ基板202に各種演出データを記憶させ、副制御回路200内のサブROMに各種制御プログラム及び各種データテーブルを記憶させるように構成してもよい。また、副制御回路200には、GPU等の画像専用のマイクロプロセッサ(例えば、「VDP」とも称される)が含まれるようにし、これによってメイン表示装置210やサブ表示装置220で表示される映像を生成(編集)するように構成してもよい。
主制御基板71には、ステッピングモータ51L,51C,51R、設定用鍵型スイッチ52、リセットスイッチ53、役比モニタ装置54、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34が電気的に接続されている。また、主制御基板71には、主中継基板73を介して、ドア開閉監視スイッチ56、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14が電気的に接続されている。なお、仮に試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302が搭載される場合には、例えば、主中継基板73を介して主制御基板71に電気的に接続される。
なお、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
各ステッピングモータ51L,51C,51Rは、それぞれ所定の減速比をもったギアを介して各リール3L,3C,3Rに接続され、その駆動により各リール3L,3C,3Rを回転及び停止させる。なお、各ステッピングモータ51L,51C,51Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、各リール3L,3C,3Rが一定の角度で回転することから、メインCPU101は、各ステッピングモータ51L,51C,51Rに対してパルスを出力した回数をカウントし、このカウント結果に基づいて各リール3L,3C,3Rの図柄位置を管理する。また、各リール3L,3C,3Rには、このような管理を行うための初期位置を定めるリールインデックス(不図示)と、リールインデックスの位置を検出するためのインデックスセンサ(不図示)が設けられる。
設定用鍵型スイッチ52は、パチスロ機1の設定値(例えば、6段階の設定1〜設定6)を変更するとき(設定変更)、もしくは、パチスロ機1の設定を確認するとき(設定確認)に使用される。ここで、設定値は、遊技に関する遊技者の有利さの度合いを示すものであり、通常は、設定値が低いほど(例えば、設定1に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に低くなり、設定値が高いほど(例えば、設定6に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に高くなる。設定用鍵型スイッチ52は、例えば、遊技店側の管理者が鍵穴に設定キー(不図示)を挿入して初期位置から左に回すとオン状態となり、左に回した状態から初期位置に戻すとオフ状態となる。なお、パチスロ機1の電源がオフ状態のとき、設定用鍵型スイッチ52をオン状態としてから電源をオン状態とすると設定変更が可能な状態となり、パチスロ機1の電源がオン状態のままで設定用鍵型スイッチ52をオン状態とすると設定確認が可能な状態となる。
リセットスイッチ53は、遊技店側の管理者によるリセット操作を検出可能としている。リセット操作は、各種のエラー状態を解除するための操作である。また、リセットスイッチ53は、設定変更が可能な状態において、遊技店側の管理者による設定値決定操作を検出可能としている。なお、設定変更が可能な状態においてリセットスイッチ53が操作されると、操作される度に設定値が順次1ずつ増加する(設定6まで到達すると次は設定1に戻る)。このようにして、設定値決定操作が行えるようになっている。また、このように決定された設定値は、その後スタートレバー7が1回操作されると確定する。すなわち、スタートスイッチ7Sは、遊技店側の管理者による設定値確定操作を検出可能としている。このように、設定変更を行う場合には、設定用鍵型スイッチ52をオン状態とし、リセットスイッチ53を操作して設定値を選択し、スタートレバー7を操作して選択した設定値を確定させた後、設定用鍵型スイッチ52をオフ状態とするといった設定変更操作が必要となっている。なお、これは、設定変更操作の一例であり、他の操作によって設定変更を行い得るように構成することもできる。また、設定変更や設定確認に際しては、例えば、上述のクレジットランプあるいは払出数ランプにおいて現在の設定値が表示されるものすればよい。
役比モニタ装置54は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、主制御基板ケースの内部に設けられる。役比モニタ装置54は、メインCPU101によって集計・算出された遊技に関する各種割合情報を順次表示する。これらの割合情報は、遊技店の管理者がパチスロ機1に不正改造がないかを確認する際等に使用される。なお、役比モニタ装置54は、主制御基板71上に実装されるようにしてもよいし、主制御基板71に接続された他の基板(例えば、割合表示基板)上に実装されるようにしてもよい。また、キャビネットG内であれば、他の場所に設けられるようにしてもよい。例えば、主制御基板ケース上に設けられるようにしてもよい。また、役比モニタ装置54における表示を開始させ、あるいはその内容を切替えるための管理スイッチをキャビネットG内に設けるようにし、これが操作された場合に上述の各種割合情報が表示されるようにしてもよい。また、このような管理スイッチを使用することを前提として、例えば、情報表示装置14を役比モニタ装置54と兼用して用いる構成としてもよい。また、電源投入直後又は電源投入から所定時間(例えば、10秒程度。主制御回路100及び副制御回路200の立ち上げに要する時間を考慮したバッファとなる時間)の経過後に、役比モニタ装置54の4桁の7セグメントLEDが正常に機能していることを確認可能とするため、例えば、「8.8.」といったようなテストパターン(全てのセグ及びデシマルのLEDが点灯するパターン)で所定期間点灯(ないし点滅)させる構成とすることが望ましい。
役比モニタ装置54では、例えば、上位2桁にはその割合情報の種類が表示され、下位2桁にはその割合情報を示す値(%)が表示される。ここで、役比モニタ装置54に表示される各種割合情報には、例えば、累計の特定区間割合情報、直近6000ゲーム間の連続役物割合情報及び役物割合情報、累計の連続役物割合情報及び役物割合情報等がある。
特定区間割合情報とは、対象の遊技数(例えば、「累計」であれば175000ゲーム。「直近6000ゲーム」であれば6000ゲーム。以下同じ)の遊技区間のうち、遊技者に有利な停止操作の情報の報知が行われていた遊技区間(例えば、AT状態)の遊技数(あるいは、単に有利区間中の遊技数であってもよい)の割合を示す情報である。また、連続役物割合情報とは、対象の遊技数の遊技区間において払出されたメダル数のうち、第一種特別役物(RB)の作動中(第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)が作動している状態における第一種特別役物(RB)の作動中を含む)に払出されたメダル数の割合を示す情報である。また、役物割合情報は、対象の遊技数の遊技区間において払出されたメダル数のうち、第一種特別役物(RB)、第二種特別役物(CB)、及び普通役物(SB)の作動中に払出されたメダル数の割合を示す情報であり、ここでの第一種特別役物(RB)の作動中とは、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)が作動している状態における第一種特別役物(RB)の作動中を含む概念であり、また、第二種特別役物(CB)の作動中とは、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)が作動している状態における第二種特別役物(CB)の作動中を含む概念である。
なお、遊技者に有利な停止操作の情報の報知が行われていた遊技区間(例えば、AT状態)を役物の作動中、あるいは役物連続作動装置の作動中としてとらえ、それぞれの割合情報において集計・算出の対象とすることもできる。すなわち、役比モニタ装置54は、必要な割合情報を適切に表示するものであればよく、表示可能な各種割合情報はこれらに限定されない。また、例えば、第一種特別役物(RB)が搭載されていない機種において連続役物割合情報を表示する場合、あるいは有利区間機能(AT機能)が搭載されていない機種において特定区間割合情報を表示する場合等、該当する数値情報(対応情報)が存在しない機種においては、当該項目の表示時に、4桁の7セグメントLEDのうちの数値情報(割合を示す%情報)を表示する下2桁の7セグメントLEDにおいて、例えば、「− −」といったように、中央の縦棒2本を点灯表示させる等の非対応情報用識別表示を行うことで、対応情報が存在しない機種である点を確認者が一目で認識可能とすることが望ましい。
ドア開閉監視スイッチ56は、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの背面側に設けられるように構成してもよいし、キャビネットG側に設けられるように構成してもよい。また、上ドア機構UDにも同様のドア開閉監視スイッチが設けられるように構成してもよい。ドア開閉監視スイッチ56は、下ドア機構DDが開放状態となったときにオン状態となり、閉鎖状態となったときにオフ状態となることで、下ドア機構DDの開閉を監視する。なお、ドア開閉監視スイッチ56がオン状態となるとドア開放エラーが発生する。この場合、下ドア機構DDを閉鎖状態とすると当該エラー状態が解除される。
副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202、メイン表示装置210、サブ表示装置220が電気的に接続されている。また、副制御基板72には、副中継基板74を介して、24hドア監視ユニット61、演出用ボタン10a,10b等の演出用ボタン群、上部ランプ23等のランプ・LED類、スピーカ35a,35b等のスピーカ群が電気的に接続されている。
なお、ロムカートリッジ基板202、メイン表示装置210、サブ表示装置220、演出用ボタン群、ランプ・LED類及びスピーカ群についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
24hドア監視ユニット61は、ドア開閉監視スイッチ56と同様に、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの開閉を監視するという機能を有する点においてはドア開閉監視スイッチ56と同じであるが、このような監視を副制御回路200側でも行い得るようにすることで、さらに下ドア機構DDの開閉履歴を一定期間保存することができるようにしている。なお、この開閉履歴は、後述のホールメニューから確認することができる。したがって、例えば、営業時間外であって、遊技店の管理者が退出した後に開放履歴があった場合や、営業時間内において長時間にわたって開放された開閉履歴があった場合には、これにより不正行為が行われた可能性が高いことを認識できるようになっている。
[3.パチスロ機の機能フロー]
続いて、図4を参照して、パチスロ機1の機能フローについて説明する。なお、図4は、パチスロ機1の機能フローを説明するための図である。
遊技者によりパチスロ機1にメダルが投入され(ベット操作が行われ)、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、予め定められた範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの乱数値(本実施形態では、これを「内部抽籤用乱数値」として説明する場合がある)が抽出される。
内部抽籤手段(後述の内部抽籤処理を行うメインCPU101)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、有効ライン上に表示されることが許可される図柄の組合せが事前に決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「はずれ」に係るものとが設けられる。なお、メダルの払い出しに係る役を「小役」と称し、再遊技(リプレイ)の作動に係る役を「リプレイ役」と称し、ボーナス(ボーナス状態)の作動に係る役を「ボーナス役」と称する。また、内部当籤し得る役(すなわち、成立が許可される図柄の組合せ)は、単に「役」と称されることがある。また、内部当籤役は、「当籤役」、「事前決定結果」、あるいは「導出許容条件」等と称されることがある。また、内部抽籤手段は、「役決定手段」、「当籤役決定手段」、「事前決定手段」、あるいは「導出許容条件決定手段」等と称されることがある。
また、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者によりリール(各リール3L,3C,3R)に対応するストップボタン(各ストップボタン8L,8C,8R)が操作される(停止操作が行われる)と、リール停止制御手段(後述のリール停止制御処理を行うメインCPU101)は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミング(あるいはその押し順を含む)とに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。なお、開始操作を行うための操作手段は、スタートレバー7のようにレバー形状をしたものに限られず、遊技者が開始操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。また、停止操作を行うための操作手段は、各ストップボタン8L,8C,8Rのようにボタン形状をしたものに限られず、遊技者が停止操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。
パチスロ機1では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転にともなって移動する図柄の数を「滑り駒数」という。そして、本実施形態では、規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数(最大滑り駒数)を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4駒分)の規定時間内に、その図柄の組合せが有効ライン上に極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが有効ライン上に表示されないようにリールの回転を停止させる。なお、リールの回転が停止したときに表示された図柄は、「停止表示」、あるいは「表示結果」等と称されることがある。また、リールの回転が停止したときに図柄が表示されることは、「停止表示の導出」、あるいは「表示結果の導出」等と称されることがある。
また、リール停止制御手段は、リールが回転してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合には、遊技者が停止操作を行っていない場合でも、自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の停止操作を介さずにリールが停止することとなるため、いずれかの内部当籤役が決定されている場合であっても、いずれの入賞に係る図柄の組合せも有効ラインに沿って表示されていないようにリールの回転を停止させることが望ましい。
このようにして、複数のリールの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述の入賞作動判定処理を行うメインCPU101)は、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)であるか否かの判定を行う。すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立したか否かの判定を行う。そして、表示された図柄の組合せが、入賞判定手段により入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)である(すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立した)と判定されると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられ、あるいは、それを契機として各種の制御が行われる。パチスロ機1では、一例として、以上のような一連の流れで1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、入賞判定手段は、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、単に予め定められた複数の図柄の組合せのうちのいずれかの図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよいし、内部抽籤手段によって決定された内部当籤役に係る図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよい。すなわち、前者では、内部当籤役と切り離して、入賞に係る図柄の組合せであるか否かを判定するものであってもよい。この場合、リール停止制御手段によって適切に停止制御が行われる限り、誤入賞の発生の防止は十分に担保され得ることから、誤入賞検知に係る制御負担を低減させることが可能となる。一方、後者では、入賞に係る図柄の組合せが、入賞が許可されていた図柄の組合せであるか否かも判定可能とすることで、リールの不具合等により誤入賞が発生した場合に、その誤入賞を検知することができるため、セキュリティ性を向上させることが可能となる。
また、パチスロでは、前述した一連の遊技動作の流れの中で、表示装置(例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220等)による映像の表示、各種ランプ(例えば、上部ランプ23等)による光の出力、スピーカ(例えば、スピーカ35a,35b等)による音の出力、或いは、これらの組合せを利用して様々な演出が行われる。すなわち、これらは演出を実行する演出実行手段である。なお、演出実行手段により実行される演出の内容は、主制御回路100側(メイン側)で決定される場合もあれば、副制御回路200側(サブ側)で決定される場合もある。すなわち、これらはそのいずれもが演出内容決定手段となり得る。
例えば、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、内部抽籤用乱数値とは別に、演出用乱数値が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応付けられた複数種類の演出内容の中から今回実行する演出を抽籤によって(あるいは予め定められた決定条件にしたがって)決定する。
次いで、演出内容決定手段により演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機1では、例えば、内部当籤役に対応付けられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(狙うべき図柄の組合せや操作すべき押し順等と換言することもできる)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[4.パチスロ機の遊技性に関する基本仕様]
続いて、パチスロ機1の遊技性に関する基本仕様について説明する。
[4−1.図柄配置]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数の図柄が変動表示及び停止表示されることで遊技が行われる仕様となっている。したがって、主制御回路100は、各リール3L,3C,3Rにおいて、どの図柄がどの位置に配置されているかを把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、少なくとも各リール3L,3C,3Rそれぞれの各図柄位置にある図柄の種類を識別するためのデータが記憶されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の図柄配置テーブル(図9参照)を用いている。
図柄配置テーブルには、各リール3L,3C,3Rそれぞれの回転方向における各図柄位置を示す図柄位置データ(例えば、「0」〜「19」)が規定されている。また、各図柄位置データに対して図柄の種類を特定するためのデータ(例えば、図柄コード)が対応付けられている。また、図柄配置テーブルでは、リールインデックスが検出されたときにメイン表示窓4の枠内における各リールの中段領域に位置する図柄の位置を「0」と規定している。なお、各列の図柄数、図柄の種類数、あるいは最大滑り駒数等は適宜変更して規定可能である。
[4−2.図柄組合せ]
上述のとおり、パチスロ機1では、表示された図柄の組合せが遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、表示された図柄の組合せに応じて、各種特典を付与したり、現在の状態から相対的に有利な状態に移行させたり、現在の状態から相対的に不利な状態に移行させたりすることを可能としている。したがって、主制御回路100は、このような図柄の組合せについて把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような図柄の組合せを特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の図柄組合せテーブル(図11〜図14参照)を用いている。
図柄組合せテーブルには、有効ライン上に表示され得る図柄の組合せのうちで予め定められた複数の図柄の組合せの種類を示すデータ(例えば、「表示役」あるいは「入賞作動フラグ」)が規定されている。なお、それぞれの図柄の組合せを構成する図柄は、例えば、上述の図柄コード等を用いて特定することができる。また、各図柄の組合せに対して特典等の種類を示すデータ(例えば、「払出等」)が対応付けられている。また、図柄組合せテーブルは、基本的に後述の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域(図17参照)と対応するデータ構成となっている。なお、図柄の組合せの種類数、あるいは特典の付与内容等は適宜変更して規定可能である。
[4−3.内部当籤役]
上述のとおり、パチスロ機1では、いずれの図柄の組合せが表示されることが許可されるか(事前に決定されるか)が遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、遊技者の停止操作に先立って(事前に)、内部当籤役(すなわち、表示され得る図柄の組合せの種類(あるいは、付与され得る特典の種類))を決定することを可能としている。したがって、主制御回路100は、このような内部当籤役について把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような内部当籤役を特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の内部抽籤テーブル(図10参照)を用いている。
内部抽籤テーブルには、予め定められた複数の内部当籤役の種類を示すデータ(例えば、「No.」あるいは「当籤番号」)と、各遊技状態において各内部当籤役が決定される抽籤値とが規定される。なお、抽籤値は、設定された設定値によっても変動する場合がある。また、各内部当籤役に対して表示が許可される(対応する)図柄の組合せの種類が対応付けられている。なお、パチスロ機1では、1つの内部当籤役に対して複数の図柄の組合せを対応付けることを可能としており、このような内部当籤役が決定された場合、いずれの図柄の組合せが表示されるかは停止制御によって決定されるものとなっている。
ここで、例えば、本実施形態の後述の内部抽籤処理(図26参照。より詳細には、S64の内部当籤役決定処理)では、まず、乱数回路によって予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)から抽出された乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次加算更新する。次いで、抽籤結果(抽籤値+乱数値)が65535を超えたか否か(抽籤結果がオーバーフローしたか否か)の判定を行う。そして、所定の内部当籤役において、当該判定の結果が65535を超えた場合、当該内部当籤役に当籤させる(当該内部当籤役を決定する)。もっとも、全ての内部当籤役について当該判定を行っても65535を超えるものがなかった場合、今回の遊技における内部当籤役は「はずれ」となる。なお、これはあくまで内部抽籤処理の一例であり、抽籤値(当籤確率)に応じて適切な抽籤が行われる限り、その抽籤処理の手法は種々の手法を採用することができる。例えば、抽出された乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次減算更新し、次いで、減算結果(抽籤結果)が0を下回ったか否か(抽籤結果がアンダーフローしたか否か)を判定して、内部当籤役を決定してもよい。
このように、内部抽籤テーブルにおいては、規定されている抽籤値の数値が大きい内部当籤役ほど決定される確率(当籤確率)が高くなる。なお、各内部当籤役の当籤確率は、「各当籤番号に規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:65536)」によって表すことができる。
[4−4.停止制御]
上述のとおり、パチスロ機1では、内部当籤役の決定によって表示されることが許可された図柄の組合せのうち、遊技者の停止操作によって最終的にいずれの図柄の組合せを表示させるかが遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、決定された内部当籤役の種類のみならず、遊技者の停止操作タイミングや押し順(「停止操作態様」や「停止操作手順」とも称される)によって最終的に表示される図柄の組合せの種類を変動させる(決定する)制御(停止制御)を行うことを可能としている。したがって、主制御回路100は、各内部当籤役に対して、遊技者の停止操作態様に応じてどのような態様で停止制御を行うかを把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような停止制御の態様を特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として停止テーブルや引込優先順位テーブル(不図示)等を用いている。
停止テーブルには、各リール3L,3C,3Rの各図柄位置データに対して、図柄の移動量を示すデータ(例えば、「滑り駒数」)が規定されている。例えば、所定の内部当籤役が決定された遊技において所定の停止テーブルが選択されたとする。次いで、回転中のリール3Lに対して停止操作が行われたとする。このとき、停止開始位置(停止操作が行われたときのリール3Lの中段領域の図柄位置データ)が「0」であったとする。そして、所定の停止テーブルにおいて、図柄位置データ「0」に規定された滑り駒数が「4」であったとする。そうすると、主制御回路100は、4図柄分移動した図柄位置(図柄位置データ「4」の位置)でリール3Lを停止させる(停止予定位置が「4」となる)ように制御を行う。このように、停止テーブルには、停止させる位置を直接的に決定することを可能とするデータ(滑り駒数)が規定されている。なお、このようなデータ構成もあくまで一例である。また、このような停止テーブルを用いて停止制御を行うことは、一般的に「テーブル制御」と称される。
引込優先順位テーブルには、表示されることが許可された図柄の組合せが複数ある場合に、いずれの図柄の組合せを優先的に表示させるか(引込むか)を示すデータ(例えば、「引込優先順位」)が規定されている。例えば、所定の内部当籤役が決定された遊技において所定の引込優先順位テーブルが選択されたとする。ここで、所定の内部当籤役は、図柄組合せAと図柄組合せBの表示を許可するものとし、所定の引込優先順位テーブルは、図柄組合せAよりも図柄組合せBを優先的に表示させるように引込優先順位が規定されているものとする。次いで、回転中のリール3Lに対して停止操作が行われたとする。このとき、停止開始位置が「0」であったとする。
そうすると、主制御回路100は、停止開始位置を含めた最大滑り駒数(例えば、「4」)の範囲内の各図柄位置について、図柄組合せAを構成する図柄と図柄組合せBを構成する図柄があるかどうかを検索する。双方の図柄がなければ、予め定められたルール(例えば、より近い位置で停止させる、より遠い位置で停止させる等)にしたがって停止させる位置を決定する。図柄組合せAを構成する図柄のみがあれば、当該図柄に対応する位置で停止させることを決定する。図柄組合せBを構成する図柄のみがあれば、当該図柄に対応する位置で停止させることを決定する。双方の図柄があれば、図柄組合せAよりも図柄組合せBを優先的に表示させるのであるから、図柄組合せBを構成する図柄に対応する位置で停止させることを決定する。なお、引込優先順位は、選択された引込優先順位テーブルにしたがって、対象となるリールの回転中に全図柄位置について格納されるようにしてもよいし、対象となるリールに対して停止操作が行われたときに、停止開始位置を含めた最大滑り駒数の範囲内の各図柄位置について格納されるようにしてもよい。また、このようなデータ構成もあくまで一例である。また、このような引込優先順位テーブルを用いて停止制御を行うことは、一般的に「コントロール制御」と称される。
なお、本実施形態では、「テーブル制御」のみを行うことによって停止制御を実行する構成とすることもできるし、「コントロール制御」のみを行うことによって停止制御を実行する構成とすることもできる。あるいは、まず「テーブル制御」を行うことによって停止させる位置を仮決定し、次に「コントロール制御」を行うことによってより適切な停止位置があるかを検索し、検索結果によっては停止させる位置を変更することを可能とする停止制御を実行する構成とすることもできる。
このように、パチスロ機1では、最終的に有効ライン上に表示される図柄の組合せがどの図柄の組合せとなるかは、例えば、以下の3つの要素に基づいて決定される。
第1の要素は、決定された内部当籤役(内部抽籤処理の抽籤結果)である。例えば、内部抽籤処理の結果が「はずれ」であった場合、いずれかのリプレイ役に係る図柄の組合せ、小役に係る図柄の組合せ又はボーナス役に係る図柄の組合せが最終的に有効ライン上に表示されることはない。なお、「はずれ」は、内部当籤役の1つであると捉えることもできるし、内部当籤役が決定されなかった抽籤結果であると捉えることもできる。
第2の要素は、遊技者の停止操作タイミング(遊技者がいずれかのストップボタンを操作したときの図柄の位置(押下位置))である。例えば、本実施形態においては、最大滑り駒数として図柄4個分が定められているため、内部抽籤処理の結果、いずれかの内部当籤役に当籤していたとしても、表示が許可されている図柄の組合せを構成する図柄が有効ライン(複数ある場合には各有効ライン)に対して図柄4個分を超えて配置されていた場合には、遊技者の停止操作タイミングによっては当該図柄の組合せが表示されない場合がある。これをいわゆる「取りこぼし」という。
第3の要素は、遊技者の押し順(遊技者がストップボタンを操作した順番)である。例えば、本実施形態においては、複数の図柄の組合せが対応付けられた内部当籤役が決定される場合があり、この場合には、遊技者の押し順に応じて最終的に有効ライン上に表示される図柄の組合せが変動する場合がある。なお、このような内部当籤役を「押し順役」といい、それがリプレイ役の場合には「押し順リプレイ」と称されることがあり、小役の場合には「押し順小役」と称されることがある。
[4−5.遊技状態]
パチスロ機1では、遊技者の有利度合いを変動させるため、あるいは企図した遊技性とするために、遊技を行う状態として種々の遊技状態を設けることが可能となっている。以下、その遊技状態の一例について説明する。
[4−5−1.ボーナス状態]
パチスロ機1では、ボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、ボーナス状態に移行させる(ボーナス状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなボーナス状態を設けないように構成することもできる。また、複数種類のボーナス役を設けることで、複数のボーナス状態を設けるように構成することもできる。ボーナス役に当籤すると、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまで複数回の遊技にわたって当該ボーナス役が内部当籤役として持越された状態(持越状態)が発生する。このようなボーナス役は「持越役」と称されることがある。また、このような持越状態は「(ボーナス)フラグ間」や「(ボーナス)内部中」等と称されることがある。
ボーナス状態は、ボーナス状態が作動していない状態(非ボーナス状態)に対して小役の抽籤態様(当籤確率やその内容、あるいは停止制御の態様等も含む。以下同じ)を変動させることが可能な状態となっている(リプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態ともなっているため、ボーナス状態を後述のRT状態の一態様として捉えることもできる)。したがって、このような抽籤態様が遊技者に相対的に有利な抽籤態様となる場合には、ボーナス状態は非ボーナス状態よりも有利な遊技状態となる。一方、このような抽籤態様が遊技者に相対的に不利な抽籤態様となる場合には、ボーナス状態は非ボーナス状態よりも不利な遊技状態となる。
ボーナス役としては、例えば、第一種特別役物(RB)、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)、第二種特別役物(CB)(ただし持越役ではない)、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)、及び普通役物(SB)(ただし持越役ではない)等を挙げることができる。また、例えば、各ボーナス役に対応するボーナス状態は以下のように構成される。RB状態は、予め定められた任意の入賞回数(例えば、上限は8回)又は予め定められた任意の遊技回数(例えば、上限は12回)の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。BB状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は285枚)を超えるメダルの払出があった場合に終了する遊技状態として構成される。
CB状態は、1回の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。MB状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は153枚)を超えるメダルの払出があった場合、あるいはMB状態中にRBやSBに当籤した場合に終了する遊技状態として構成される。SB状態は、1回の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。
なお、ボーナス状態の作動条件は、ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことのみに限られない。例えば、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)の作動中においては、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)の作動開始時、第一種特別役物の作動中ではない場合の遊技開始時、あるいは第一種特別役物の作動終了時等において自動的に第一種特別役物(RB)を作動させるように構成することもできる。すなわち、RBに係る図柄の組合せを規定することなく、BBの作動中は常にRBの作動中となるように制御することもできる。ここで、BB作動中のRBは「JAC」等と称されることがあり、このように自動的にBB作動中のRBが作動する仕様は「オートJAC」等と称されることがある。また、BBの作動中においては、規定されたRBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことをもってRBの作動中となるように制御することもできる。このように対応する図柄の組合せの表示に基づいてRBが作動する仕様は「マニュアルJAC」等と称されることがある。また、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)と、第二種特別役物(CB)との関係も同様である。すなわち、CBに係る図柄の組合せを規定することなく、MBの作動中は常にCBの作動中となるように制御することもできるし、MBの作動中においては、規定されたCBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことをもってCBの作動中となるように制御することもできる。
[4−5−2.RT状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、RT状態に移行させる(RT状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなRT状態を設けないように構成することもできる。また、複数のRT状態を設けるように構成することもできる。RT状態は、RT状態が作動していない状態(非RT状態)に対してリプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態となっている。したがって、このような抽籤態様が遊技者に相対的に有利な抽籤態様となる場合には、RT状態は非RT状態よりも有利な遊技状態となる。一方、このような抽籤態様が遊技者に相対的に不利な抽籤態様となる場合には、RT状態は非RT状態よりも不利な遊技状態となる。また、複数のRT状態を設ける場合、当該複数のRT状態間についても同様である。なお、この場合、リプレイ役の抽籤態様(特に、当籤確率)が遊技者に相対的に有利なRT状態は「高RT状態」や「高確率再遊技状態」等と称され、リプレイ役の抽籤態様(特に、当籤確率)が遊技者に相対的に不利なRT状態は「低RT状態」や「低確率再遊技状態」等と称されることがある。
RT状態は、例えば、以下のいずれの移行条件の成立によって移行させることができる。また、複数のRT状態を設ける場合、当該複数のRT状態間についても同様である。
(1)RB、BB又はMBに当籤したとき
(2)RB、BB又はMBに係る図柄の組合せが表示されたとき
(3)RB状態、BB状態又はMB状態が終了したとき
(4)RB、BB又はMBに当籤しておらず(持越されておらず)、RB状態、BB状態又はMB状態中でもない場合において、特定の図柄の組合せが表示されたとき
(5)(3)又は(4)の移行条件成立後に予め定められた回数の遊技が行われたとき
[4−5−3.AT状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、AT状態に移行させる(AT状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなAT状態を設けないように構成することもできる。また、複数のAT状態を設けるように構成することもできる。AT状態は、例えば、上述の押し順役に当籤したときに、遊技者に有利な停止操作の情報が報知されることにより、AT状態が作動していない状態(非AT状態)よりも有利な状態として構成される遊技状態である。
なお、複数のAT状態を設ける場合、それぞれのAT状態の遊技期間(当該期間の延長(あるいは「上乗せ」ともいう。以下同じ)を可能とする場合には延長のされやすさ等を含む)、停止操作の情報が報知される報知対象役の種類、あるいは停止操作の情報の報知が発生する発生確率等をそれぞれ異なるものとすることで、遊技者の有利度合いを変動させることができる。また、AT状態の移行条件及び終了条件は、遊技性に応じて適宜設定可能である(ただし後述のリミット処理の実行による終了を除く)。また、AT状態は、あたかも上述のボーナス状態と同様に扱われる場合があり、この場合には「疑似ボーナス状態」等と称されることがある。
また、AT状態の遊技期間は、当該期間が適切に管理される限り、ゲーム数(遊技回数)によって管理されるようにしてもよく(ゲーム数管理)、所定ゲーム数を1セットとし、セット数によって管理されるようにしてもよい(セット数管理)。また、AT状態中の払出数や純増数(差枚数)によって管理されるようにしてもよい(払出数管理、差枚数管理)。また、AT状態においてメダルの払出に影響を与える報知(例えば、押し順小役当籤時の押し順ナビ)を行った回数(ナビ回数)によって管理されるようにしてもよい(ナビ回数管理)。また、AT状態が延長される場合も同様である。また、AT状態に移行したときに付与される遊技期間と、AT状態が延長されるときに付与される遊技期間とは異なる管理手法によって管理されるようにしてもよい。また、複数のAT状態を設ける場合、同じ管理手法によって管理されるようにしてもよく、異なる管理手法によって管理されるようにしてもよい。
[4−5−4.ART状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、上述の高RT状態とAT状態を組合せたART状態に移行させる(ART状態を作動させる)ことが可能となっている。すなわち、ART状態とは、高RT状態において行われるAT状態を意味するものであるから、RT状態として少なくとも低RT状態と高RT状態とを設け、高RT状態に移行させる(あるいは低RT状態に移行することが回避される)制御が行われる点でAT状態と相違するものの、基本的な制御はAT状態と同様である(遊技者に有利な停止操作の情報が報知される結果として高RT状態に移行する(あるいは低RT状態に移行することが回避される)ものであれば、AT状態と同義であるともいえる)。なお、ART状態の移行条件が成立した場合、まずAT状態に移行し、その後高RT状態に移行することでART状態に移行するものであってもよいし、高RT状態及びAT状態に同時(あるいは略同時)に移行することでART状態に移行するものであってもよい。
[4−5−5.その他遊技状態]
なお、パチスロ機1では、上述の各種遊技状態以外の遊技状態を設けることもできる。例えば、後述の有利区間中の各モード(図5及び図6参照)であるが、これらも遊技者が遊技を行う状態であって、疑似ボーナス状態としてのAT状態に移行するか否かの有利度合いを変動させ得るものであることから、これらを遊技状態として捉えることができる。また、同様の観点より、例えば、ボーナス状態に移行するか否かの有利度合いを変動させ得る遊技状態を設けることができる。例えば、ボーナス役に当籤している(持越されている)場合に、停止制御によってボーナス役に係る図柄の組合せが表示されやすい遊技状態と、これよりも当該ボーナス役に係る図柄の組合せが相対的に表示されにくい遊技状態とを設けることで、遊技者の有利度合いを変動させ得るように構成することもできる。また、例えば、ボーナス役が所定の確率で当籤する(当籤しやすい)遊技状態と、当該ボーナス役が当該所定の確率よりも低い確率で当籤する(相対的に当籤しにくい)遊技状態とを設けることで、遊技者の有利度合いを変動させ得るように構成することもできる。
また、AT状態に移行するか否か(AT状態において当該AT状態の遊技期間を延長するか否かも含み得る。以下同じ)の有利度合いを変動させ得る手法としては、以下のような手法を採用することもできる。例えば、内部当籤役として「特定役」が決定され得るようにする。当該特定役は、遊技者の停止操作態様(停止操作タイミングであってもよいし、押し順であってもよいし、これらの組合せであってもよい)に応じて付与されるメダル数が変動するものとする(例えば、停止操作態様が適切(正解)であれば8枚の払出、不適切(不正解)であれば1枚の払出又は払出なし)。
そして、特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技においてAT状態に移行するか否かの有利度合いを有利なものに変動させるか否かの決定(直接AT状態に移行させるか否か、あるいは直接当該AT状態の遊技期間を延長するか否かの決定も含み得る。以下「有利決定」として説明する)を行わない。一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行う。あるいは、上述の特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技において当該有利決定を行う。一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行わない。
このように、遊技者が特定の遊技方法で遊技を行った場合に、その遊技結果として今回の遊技において有利決定が行われる場合と、当該有利決定が行わない(有利決定が行われることが制限される)場合とがあるように構成することもできる。なお、今回の遊技と次回の遊技で遊技者が替わる場合もあり、このような制限が次回の遊技以降も継続する場合には、(次の)遊技者が著しい不利益を被るおそれがあることから、このような制限は今回の遊技限りとし、次回の遊技以降には継続しないものとすることが望ましい。また、このような制限は「ペナルティ」と称されることがある。
[4−6.遊技区間]
パチスロ機1では、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するために、上述の遊技状態とは異なる概念で遊技を行う状態として種々の遊技区間を設けることが可能となっている。以下、その遊技区間の一例について説明する。なお、遊技区間は、大別すると非有利区間と有利区間から構成される。
(非有利区間)
非有利区間は、遊技者に有利な停止操作態様の報知が可能でない遊技期間として構成され、以下の要件を備える。なお、以下の要件はあくまで一例であり、少なくともいずれかの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。
(1)遊技者に対して有利な停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)を行うことはできない。したがって、上述のAT状態やART状態に制御することはできない。
(2)設定値が変更(設定変更)された場合、あるいは後述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合、初期状態として非有利区間が設定される。
(3)有利区間において後述のリミット処理が実行された場合(すなわち、有利区間中の遊技の進行にともなって更新される所定値(例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタや有利区間払出数カウンタの値)が規定値(例えば、1500ゲームや2400枚)となった場合)、初期状態として非有利区間が設定される。なお、当該所定値を参照し、当該所定値が規定値となる前であっても特定の更新値となっている場合にはそれを条件として非有利区間が設定されるようにしてもよい。また、有利区間中に所定終了条件が成立して終了決定された場合(例えば、有利区間終了抽籤が行われるように構成した場合であって、これに当籤した場合等)にはそれを条件として非有利区間が設定されるようにしてもよい。
(4)非有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、有利区間に移行させるか否かの判定処理等)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能であって、導出された結果表示(図柄の組合せ)や非有利区間(あるいは移行前の有利区間)中のゲーム数等の内部当籤役以外の各種パラメータを参照した処理を行うことはできない。なお、いずれの内部当籤役が決定されたかは、当籤番号等の直接的に内部当籤役を示すデータを参照することもできるし、内部当籤役のデータから生成あるいは変換されたサブフラグ(複数の役を1つの判定対象データとしたもの)等の間接的に内部当籤役を示すデータを参照することもできる。
(5)非有利区間は基本的に1の状態であり、非有利区間内で複数の状態を設定することはできない。例えば、有利区間終了後の非有利区間を非有利区間A、設定変更後の非有利区間を非有利区間Bというように異なる状態として設定することはできない。
(有利区間)
有利区間は、遊技者に有利な停止操作態様の報知が可能である遊技期間として構成され、以下の要件を備える。なお、以下の要件はあくまで一例であり、少なくともいずれかの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。
(1)遊技者に対して有利な停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)を行うことができる。したがって、上述のAT状態やART状態に制御することができる。
(2)設定値が変更(設定変更)された場合、あるいは後述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合、その初期状態として有利区間を設定することはできない。
(3)有利区間において後述のリミット処理が実行された場合、当該有利区間を終了させる必要がある。
(4)有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、有利区間中に遊技状態(モード)を移行させるか否か、あるいは特定の遊技状態(モード)を延長させるか否かの判定処理等)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみならず、導出された結果表示(図柄の組合せ)や有利区間中のゲーム数等の内部当籤役以外の各種パラメータを参照した処理を行うことができる。なお、参照可能な各種パラメータの他の例としては、例えば、上述の各種パラメータに応じて付与可能なポイント等の特典情報、ボーナス状態の種類、RT状態の種類、いずれかのリールの停止操作タイミング、あるいは押し順等を挙げることができる。
(5)有利区間内で複数の状態を設定することができる。例えば、遊技者にとって不利な通常状態、AT状態へ移行しやすいCZ状態、あるいは報知にしたがって停止操作を行った場合にメダル増加の期待値がプラスとなるAT状態等の状態を設定可能である。また、例えば、通常状態においてCZ状態移行が決定されたことに応じ、実際にCZ状態に移行するまでの待機状態として設定され、CZ状態への移行が示唆される前兆演出が行われ得るCZ前兆状態、あるいは通常状態若しくはCZ状態においてAT状態移行が決定されたことに応じ、実際にAT状態に移行するまでの待機状態として設定され、AT状態への移行が示唆される前兆演出が行われ得るAT前兆状態等の状態も遊技性に応じて設定可能である。
(6)非有利区間及び有利区間のいずれの区間であるかを報知可能な区間ランプ(状態表示部)の点灯により、有利区間中であることを報知することができる(区間ランプが消灯していれば非有利区間中であることを報知することができる)。なお、区間ランプの点灯開始タイミングについては、上述のとおり、ある程度任意のタイミングに設定することが可能である。基本的に非有利区間から有利区間に移行したときに点灯を開始し、非有利区間に移行するまで点灯を継続するものとしてもよいし、非有利区間から有利区間に移行した(有利区間が開始された)が、移行した有利区間が通常状態であれば点灯を開始せず、最初にAT状態となったときから点灯を開始するものとしてもよい。なお、移行した有利区間がAT状態であれば、そのときから点灯を開始すればよい。
[4−7.リミッタ]
パチスロ機1では、有利区間が長く継続し過ぎることに起因して射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するために、有利区間が連続して継続する期間について上限(制限)を設けることが可能となっている。このような上限は「リミッタ」と称される。また、本実施形態では、このようなリミッタにより有利区間を終了することを、リミット処理の実行、あるいはリミッタの作動として説明している。以下、そのリミッタの一例について説明する。
(ゲーム数リミッタ)
ゲーム数リミッタは、有利区間中のゲーム数(遊技回数)が「1500」回となったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成されている。例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間が開始されたときからカウントを開始し、1回の遊技が消化される度に1ずつカウントを加算していく。そして、有利区間ゲーム数カウンタの値が規定値(例えば、「1500」以上)となったことに基づいて(例えば、AT状態の遊技期間が残存する場合であっても)有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。なお、ゲーム数リミッタが作動するゲーム数は、上限である「1500」回以下のゲーム数であれば任意のゲーム数を設定可能である。また、このようなゲーム数リミッタの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。また、有利区間中のゲーム数に応じて段階的に射幸性を抑制していくものであってもよい。
(払出数リミッタ)
払出数リミッタは、有利区間中のメダルの払出数が「2400」枚となったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成されている。例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、有利区間が開始されたときからカウントを開始し、メダルの払出がある度に対応する枚数分(より詳細には、払出数からベット数を減じた純増数分)カウントを加算していく。そして、有利区間払出数カウンタの値が規定値(例えば、「2400」以上)となったことに基づいて(例えば、AT状態の遊技期間が残存する場合であっても)有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。なお、払出数リミッタが作動する払出数は、上限である「2400」枚以下の払出数であれば任意の払出数を設定可能である。また、このような払出数リミッタの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。また、有利区間中のメダルの払出数に応じて段階的に射幸性を抑制していくものであってもよい。
また、例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、有利区間の開始時から最もメダル数の絶対値が減った地点を最下点(起点)として、直近の最下点からのプラス分をカウントする(すなわち、払出がなかった場合にはカウントを減算していく等)ように構成してもよい。すなわち、払出数リミッタは、有利区間中においてメダルが増加することとなったとき(例えば、AT状態が開始されたとき)から最大「2400」枚のメダルの払出があったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成することもできる。また、例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、上述の純増数ではなく、単に実払出数(すなわち、払出数からベット数を減じないもの)をカウントするものであってもよい。
なお、パチスロ機1は、ゲーム数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、払出数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、ゲーム数リミッタと払出数リミッタの双方を用いて有利区間のリミット処理を実行してもよい。なお、双方のリミッタを用いる場合、有利区間が開始してから何れか一方のリミッタの作動条件を満たした場合に、有利区間を終了させることが望ましい。
また、リミッタの種類も、上述のゲーム数リミッタ及び払出数リミッタのみに限られない。例えば、AT状態中の押し順小役のナビ回数(すなわち、メダルの払出に係る役について遊技者に有利な停止操作の情報が報知された回数)が所定回数(例えば、「400」回)となったときにリミット処理が実行されるナビ回数リミッタを設けるようにしてもよい。すなわち、射幸性を適切に抑制することができる限り、遊技に関する各種の条件を用いてリミット処理を実行することが可能である。
[4−8.外部信号]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数種類の外部信号を外部に出力可能な仕様となっている。例えば、ボーナス状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、ボーナス状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においてもこれに連動したボーナス状態中演出を行うことができる。また、例えば、BB状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、BB状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とし、MB状態が開始されたことに基づいて外部信号2をオン状態とし、MB状態が終了されたことに基づいて当該外部信号2をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においても上述のボーナス状態中演出を行うのみならず、ボーナス回数をその種類別にカウントすることができる。
また、例えば、AT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、AT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においてもこれに連動したAT状態中演出を行うことができる。また、例えば、所定のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、所定のAT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とし、特定のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号2をオン状態とし、特定のAT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号2をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においても上述のAT状態中演出を行うのみならず、AT回数をその種類別にカウントすることができる。
また、例えば、AT状態をセット数管理のAT状態として構成し、最初の1セット目のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、2セット目以降は当該セットが開始される度に外部信号2をオン状態とすれば、外部のデータ表示機においてもAT状態の初当り回数と、AT状態の延長回数とをカウントすることができる。なお、各外部信号についてオン状態とするタイミングとオフ状態とするタイミングは適宜設定可能である。すなわち、外部のデータ表示機やホールコンピュータ等によって状況が適切に認識される限り、各外部信号の出力態様は適宜設定可能である。例えば、オフ状態からオン状態となって再度オフ状態なるまでの期間は、所定時間、1回の遊技の間、状態が変化するまで等の種々の条件を採用することができる。
[4−9.コマンド]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数種類のコマンドを主制御回路100から副制御回路200に送信可能な仕様となっている。なお、パチスロ機1では、主制御回路100と副制御回路200とが相互に通信を行うことはできず、主制御回路100から副制御回路200の一方向にのみ通信を行うことが要件となっている。したがって、主制御回路100は、パチスロ機1における状態の変化等を報せるための情報(コマンド)を適時副制御回路200に送信する必要がある。以下にこのようなコマンドの一例について説明する。
主制御回路100は、副制御回路200に対し、例えば、設定変更操作が行われたときには初期化コマンドを送信する。初期化コマンドは、設定値や遊技状態等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、ベット操作が行われたときにはメダル投入コマンドを送信する。メダル投入コマンドは、ベット数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。また、例えば、開始操作が行われたときにはスタートコマンドを送信する。スタートコマンドは、内部当籤役や遊技状態等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、ロック演出が行われるときにはロックコマンドを送信する。ロックコマンドは、ロック演出の内容等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、各リール3L,3C,3Rの回転が開始するときにはリール回転開始コマンドを送信する。リール回転開始コマンドは、リールの回転が開始されたこと等を特定するパラメータを含んで構成される。
また、例えば、停止操作が行われたときにはリール停止コマンドを送信する。リール停止コマンドは、停止されるリールや当該リールが停止される位置等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、全てのリールが停止され、表示役(入賞作動フラグ)が確定したときには入賞作動コマンドを送信する。入賞作動コマンドは、表示役の種類や付与される特典の内容等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、有利区間を開始するときには有利区間開始コマンドを送信する。有利区間開始コマンドは、有利区間を開始することやモード(遊技状態)等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、有利区間を終了するときには有利区間終了コマンドを送信する。有利区間終了コマンドは、有利区間を終了することやその終了要因等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、精算操作が行われたときには精算コマンドを送信する。精算コマンドは、返却数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。なお、これらはあくまで一例であり、これら以外のコマンドを必要に応じて送信することもできるし、これらのうち不要なコマンドについては送信しないようにすることもできる。
[4−10.演出]
上述のとおり、パチスロ機1では、遊技の興趣を高めるため、有益な情報を遊技者に報せるため、あるいは企図した遊技性とするために、種々の演出を種々の演出装置を用いて実行することが可能となっている。以下、そのような演出の一例について説明する。
[4−10−1.メイン側演出]
パチスロ機1では、主制御回路100側(メイン側)の制御により、例えば、以下のような演出を行い得る。なお、上述のとおり、パチスロ機1では、指示モニタによって停止操作の情報の報知を行うことを可能としているが、これも広義の意味において演出に含まれる。
(ロック演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、遊技の進行を所定期間停止させる(遊技者の遊技操作を所定期間無効にする)演出を行い得る。このような演出は、「ロック演出(あるいは単に「ロック」)」と称される他、「フリーズ演出(あるいは単に「フリーズ」)」等とも称される。なお、このようなロック演出が行われないように構成することもできるし、複数種類のロック演出を行い得るように構成することもできる。
また、無効とする対象の遊技操作は、例えば、開始操作であってもよいし、停止操作であってもよいし、他の操作であってもよい。例えば、開始操作が所定期間無効にされる場合には、全ての停止操作が行われた後の所定期間において遊技の進行が停止される。また、例えば、停止操作が所定期間無効にされる場合には、開始操作が行われた後の所定期間において遊技の進行が停止される。また、複数種類のロック演出を設ける場合には、ロック演出ごとに、遊技の進行が停止される期間(遊技者の遊技操作を無効にする期間)や無効とする遊技操作の種類等が設定されるようにすればよい。
(リール演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、上述のロック演出の実行中において各リール3L,3C,3Rの演出表示態様(変動表示態様のみならず、停止表示態様との組合せを含む)による演出を行い得る。このような演出は、「リール演出」と称される他、「図柄演出」等とも称される。なお、このようなリール演出が行われないように構成することもできるし、複数種類のリール演出を行い得るように構成することもできる。また、「ロック演出を行う(実行する)」という場合には、これに加えてリール演出が行われる場合と行われない場合のいずれもが含まれるものとする。
リール演出は、要するに、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作によらずして各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。したがって、回転速度や最大滑り駒数等を考慮することなく、このような演出動作を行わせる動作パターンを設定することができる。また、動作パターンを複数設定すれば、複数種類のリール演出を設けることができる。また、複数種類のリール演出と複数種類のロック演出との組合せによって、さらに多岐にわたる演出パターンを設定することができる。なお、リール演出に用いられるのは、各リール3L,3C,3Rのうちの任意の1個のみでもよいし、任意の2個であってもよいし、3個全てであってもよい。
(疑似遊技)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、上述のロック演出の実行中において疑似的な遊技を行わせる演出を行い得る。このような演出は、「疑似遊技」と称される。なお、このような疑似遊技が行われないように構成することもできるし、複数種類の疑似遊技を行い得るように構成することもできる。また、「ロック演出を行う(実行する)」という場合には、これに加えて疑似遊技が行われる場合と行われない場合のいずれもが含まれる。
疑似遊技は、要するに、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作を疑似的に受付け、これによって各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。すなわち、上述のリール演出について、さらに遊技者の遊技操作を介在させて演出を行うものである。なお、例えば、MAXベットボタン6a、1ベットボタン6b、スタートレバー7、各ストップボタン8L,8C,8R、及び精算ボタン9等は、基本的に遊技操作に使用されること目的として設けられるものであることから、これ以外の目的で使用されることは本来的には望ましくない。しかしながら、疑似遊技においては、実際の遊技中であると遊技者が誤認しないための措置がなされることを前提として、これらの操作を受付けることを可能としている。
ここで、疑似遊技の流れについて、一例を挙げて説明する。疑似遊技は、例えば、以下のような流れで行われる。
(1)遊技者の実際の開始操作(ここで実行条件が成立して疑似遊技開始)
(2)疑似的に各リールが回転(疑似遊技中)
(3)疑似的に停止操作を受付け、これによって各リールが仮停止(疑似遊技中)
(4)ランダム遅延処理を経てから実際に各リールが回転開始(疑似遊技が終了して実際の遊技開始)
なお、ランダム遅延処理とは、例えば、上述の(3)の状況で特定の図柄が並んで表示された状態となり、そのまま上述の(4)の状況で各リールが通常回転を開始すると、遊技者が特定の図柄を目印として停止操作しやすくなってしまう(いわゆる「目押し」の補助となってしまう)場合があることから、これを是正するために各リールそれぞれに対してランダムに遅延期間を発生させてから回転を開始させるための処理である(このような遅延期間は「再配置期間」とも称される)。また、上述の(3)及び(4)の状況で各リールが仮停止している場合には、完全に停止していると誤認されないように、各ステッピングモータの励磁制御における位相信号は必ず所定時間(例えば、500ms)未満としてリールを順方向と逆方向とに交互に変化させるようにすることが望ましい。
上述の措置の1つとしては、例えば、上述の(3)の状況で任意の図柄の組合せが仮停止した場合(3個目のリールが仮停止して全てのリールが仮停止した場合)、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、各リールを上下に微振動させる(揺動させる)ことが挙げられる。なお、位相信号が上述の所定時間未満で変化するものである限り、1個目のリールが仮停止したとき、2個目のリールが仮停止したときには、このような揺動は行われないようにしてもよい。
また、上述の措置の1つとしては、例えば、疑似遊技中であることを報せるための疑似遊技ランプを設け、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、当該疑似遊技ランプを点灯させることが挙げられる。なお、疑似遊技ランプは、遊技者の遊技操作を受付ける操作部よりも上方、かつ遊技中に視認可能な位置に設置されることが望ましい。また、疑似遊技ランプは、他の用途に使用しない独立したランプであり、当該疑似遊技ランプの表示部全体は単色の縁で覆われていることが望ましい。また、疑似遊技ランプは、当該疑似遊技ランプの説明部分を含めた表示範囲が一定の表面積(例えば、1辺が10mmを超え、かつ表面積が642平方mmを超えること等)を有することが望ましい。また、疑似遊技ランプの説明部分は、当該疑似遊技ランプが疑似遊技中であることを報せるためのランプであることが認識できる記載(例えば、「FREEPLAY」、「疑似遊技演出中」、あるいは「リール自動演出中」等の記載)であることが望ましく、また、このような記載部分は、表面積の1/3以上を占めることが望ましい。なお、疑似遊技ランプを制御するのは、主制御回路100であってもよいし、副制御回路200であってもよい。
また、上述の措置の1つとしては、例えば、疑似遊技中であることを報せるための疑似遊技中表示を、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、メイン表示装置210又はサブ表示装置220(あるいはその双方)で行うことが挙げられる。なお、疑似遊技中表示は、遊技者の遊技操作を受付ける操作部よりも上方、かつ遊技中に視認可能な位置に表示されることが望ましい(本実施形態では、メイン表示装置210及びサブ表示装置220のいずれもが操作部よりも上方となっているため、いずれを使用してもよい)。また、疑似遊技中表示は、その説明部分を含めた表示範囲が一定の表面積(例えば、1辺が10mmを超えること、表示画面が7インチ未満である場合には表面積が642平方mmを超えること、表示画面が7インチ以上である場合には表面積が画面全体の8.2%以上となること等)を有することが望ましい。また、疑似遊技中表示の説明部分は、当該疑似遊技中表示が疑似遊技中であることを報せるための表示であることが認識できる記載(例えば、「FREEPLAY」、「疑似遊技演出中」、あるいは「リール自動演出中」等の記載)であることが望ましく、また、隠蔽等されることなく遊技者が読み取れる大きさであることが望ましい。
また、例えば、疑似遊技中(例えば、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間)は、指示モニタにおいて停止操作の情報が報知されないように構成する(当該遊技で指示モニタに停止操作の情報を表示する必要がある場合には、ランダム遅延処理が開始されるタイミングで表示を開始する)ことが望ましい。このようにすれば、疑似遊技中において実際の遊技中であると遊技者が誤認してしまうことをさらに抑制することができる。なお、上述のいずれかの措置がなされていれば、疑似遊技中において、サブ側の演出装置(例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220)では停止操作の情報が報知されるようにしてもよい。また、同様に、疑似遊技中において、サブ側の演出装置では疑似遊技の遊技結果にしたがった(疑似的な遊技操作に連動した)演出が行われるようにしてもよい。
また、実際の遊技では、試験機用第1インターフェースボード301を介して遊技者の遊技操作、あるいは当該遊技操作が可能な状態となったことに対応する試験信号が出力されるが、疑似遊技中は、遊技者の疑似的な遊技操作あるいは当該疑似的な遊技操作が可能な状態となったことに対応する試験信号は出力されない。したがって、疑似遊技中は、試験機側で疑似遊技中であることを認識可能とするための試験信号(疑似遊技信号)が出力されるようにしてもよい。なお、試験機用第1インターフェースボード301は、主制御基板71から疑似遊技信号を受信した場合、疑似遊技進行制御用の信号を主制御基板71に出力することで、主制御基板71側で疑似遊技が進行されるようにしてもよい(すなわち、試験機用第1インターフェースボード301に疑似遊技進行機能をもたせてもよい)。また、試験機用第1インターフェースボード301にこのような疑似遊技進行機能をもたせる場合、当該機能のオン・オフを切替え可能な切替スイッチを設けるようにしてもよい。これにより、パチスロ機1の検定試験(試射試験)において、疑似遊技の演出内容を確認するか否かを任意に設定することが可能となる。
[4−10−2.サブ側演出]
パチスロ機1では、副制御回路200側(サブ側)の制御により、例えば、以下のような演出を行い得る。なお、上述のとおり、パチスロ機1では、メイン表示装置210等によって停止操作の情報の報知を行うことを可能としているが、これも広義の意味において演出に含まれる。
(通常演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、今回の遊技において完結する(すなわち、1ゲームで終了する)演出を行い得る。このような演出は、「通常演出」と称される他、「単発演出」等とも称される。なお、このような通常演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の通常演出を行い得るように構成することもできる。
(連続演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、複数回の遊技にわたって連続する(すなわち、複数ゲームの間継続する)演出を行い得る。このような演出は、「連読演出」と称される他、「継続演出」等とも称される。なお、このような連続演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の連続演出を行い得るように構成することもできる。
(操作連動演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、遊技者の演出操作に応じて演出内容を変化させることが可能な演出を行い得る。このような演出は、「操作連動演出」と称される他、「ボタン演出」等とも称される。なお、このような操作連動演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の操作連動演出を行い得るように構成することもできる。また、操作連動演出は、通常演出として構成することもできるし、連続演出として構成することもできる。また、演出操作は、演出用ボタン群に対する操作のみならず、各種遊技操作を含むものとすることができる。
なお、上述の各種演出は、種々の用途に用いることができる。例えば、設定値、内部当籤役、遊技状態、遊技区間、特典の付与内容、特典が付与されるまでの期間等の示唆ないし報知を行うために用いることができる。また、これらの有利度合いの示唆ないし報知を行うために用いることができる。また、これらの用途もあくまで一例である。
(その他演出)
パチスロ機1では、上述の各種演出以外の演出を行うこともできる。例えば、上述の用途以外に用いられるものとして、遊技者又は遊技店に対する各種の報知(例えば、のめり込み防止報知や忘れ物防止報知、エラー状態報知、デモ状態報知等)も広義の意味において演出に含まれる。なお、のめり込み防止報知は、例えば、有利区間が終了したときに、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、忘れ物防止報知は、例えば、有利区間が終了したときや精算操作が行われたときに、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、エラー状態報知は、エラーが発生してから解消されるまで、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、デモ状態報知は、遊技されていない期間が所定期間となったときや精算操作が行われたときに、空き台であること等が報知されるものとすることができる。
[5.第1の遊技機]
続いて、図5〜図22を参照して、パチスロ機1の遊技性に関する仕様の一具体例について、これを「第1の遊技機」として説明する。なお、本実施形態において第1の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において他の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において第1の遊技機として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
まず、第1の遊技機では、有効ラインが、上述の「センターライン」の1ラインのみと定義される。また、第1の遊技機では、遊技状態として、非ボーナス状態と、ボーナス状態とが設けられる。また、非ボーナス状態は、後述の「F_2BB」(2枚ベット状態でのみ当籤可能なボーナス役。以下、単に「2BB」として説明する場合がある)が持越されている2BBフラグ間と、後述の「F_3BB」(3枚ベット状態でのみ当籤可能なボーナス役。以下、単に「3BB」として説明する場合がある)が持越されている3BBフラグ間と、いずれのボーナス役も当籤していない(持越されていない)非フラグ間とを含んで構成される。また、ボーナス状態は、2BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する2BB状態と、3BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する3BB状態とを含んで構成される。
また、第1の遊技機では、2枚のメダルをベットした状態(2枚ベット状態)と、3枚のメダルをベットした状態(3枚ベット状態)とで遊技を行うことが可能となっている。なお、「ベット」とは、遊技に供するため、遊技者が2枚又は3枚のメダルをメダル投入口5に対して投入すること、遊技者がMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してクレジットから2枚又は3枚分のメダルを掛けること、及びリプレイ役の入賞によって自動的に2枚又は3枚分のメダルが掛けられることのいずれもが含まれる。
[5−1.第1の遊技機の遊技性]
続いて、図5〜図8を参照して、第1の遊技機における遊技の流れについて説明する。なお、図5は、第1の遊技機における非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図であり、図6は、第1の遊技機における各モードの一例を説明するための図であり、図7及び図8は、第1の遊技機における各種テーブルの一例を示す図である。
図5に示すように、第1の遊技機では、遊技者が遊技を行う状態として、非有利区間及び有利区間に大別され、有利区間には、さらに演出区間(有利区間・通常遊技)及び増加区間(有利区間・疑似ボーナス)が設けられる。非有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。演出区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である点は非有利区間と同様であるが、後述するように、モード移行が行われる点において非有利区間とは異なる。
すなわち、非有利区間は、有利区間での遊技が終了したとき、設定変更操作が行われたとき、その他の初期化条件が成立したとき、あるいは工場出荷時等の場合に制御される初期状態としての制御状態であり、演出区間は、モード移行等によって増加区間移行(付与)の期待度を変動可能とし、遊技者が通常遊技を行う通常状態としての制御状態である。
一方、増加区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される遊技状態(AT状態)であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。すなわち、増加区間は、遊技者がメダルを増加させることができる有利状態としての制御状態である。なお、演出区間と増加区間とはともに有利区間であり、これらの区間を相互に移行することで一連の有利区間として構成されるものである。
なお、第1の遊技機では、図7の(a)に示すように、非有利区間において、内部当籤役(後述の図10参照)に応じた二次情報(サブフラグ)としての非有利区間サブフラグが決定される。なお、サブフラグは、主制御回路100による遊技性に関する各種抽籤(有利区間に関連する各種処理)において、同様の役割(抽籤対象役であるか否かやその当籤確率等)を担う内部当籤役をグループ化して同じ情報を割り当てることで、そのグループを識別可能とするための情報である。これにより、内部当籤役ごとに各種データテーブルを設ける必要がなくなることから、データ量を圧縮することができ、メインROM102の容量の圧迫を回避することができる。非有利区間では、この非有利区間サブフラグを用いた抽籤が行われる。
非有利区間サブフラグ「リプベル」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)、「F_リプレイB」(No.「4」)、及び「F_ベル123A1」〜「F_ベル321B2」(No.「10」〜No.「33」)のいずれかであるときに決定される。非有利区間サブフラグ「弱チェ」は、内部当籤役が「F_チェリー」(No.「5」)であるときに決定される。非有利区間サブフラグ「スイカ」は、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるときに決定される。非有利区間サブフラグ「確定役」は、内部当籤役が「F_確定チェリー」(No.「6」)及び「F_リーチ目」(No.「8」)のいずれかであるときに決定される。非有利区間サブフラグ「中チェ」は、内部当籤役が「F_中段チェリー」(No.「7」)であるときに決定される。なお、非有利区間においても、有利区間と同様に、当籤時サブフラグと入賞時サブフラグが決定され得るように構成することもできる。また、これらの対応関係も上述のものに限られない。
また、第1の遊技機では、図7の(a)に示すように、有利区間において、内部当籤役(後述の図10参照)に応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間当籤時サブフラグが決定される。さらに、有利区間においては、表示された図柄の組合せに応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間入賞時サブフラグが決定される。有利区間では、これらの有利区間当籤時サブフラグ及び有利区間入賞時サブフラグを用いた抽籤が行われる。
有利区間当籤時サブフラグ「ベル」は、内部当籤役が「F_ベル123A1」〜「F_ベル321B2」(No.「10」〜No.「33」)のいずれかであるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「弱チェ」は、内部当籤役が「F_チェリー」(No.「5」)であるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「スイカ」は、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「確定役」は、内部当籤役が「F_確定チェリー」(No.「6」)及び「F_リーチ目」(No.「8」)のいずれかであるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」は、内部当籤役が「F_中段チェリー」(No.「7」)であるときに決定される。
有利区間入賞時サブフラグ「通リプ1」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)及び「F_リプレイB」(No.「4」)のいずれかであるとき、「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示された場合(すなわち、入賞役が「右上がりリプ」である場合)に決定される。有利区間入賞時サブフラグ「通リプ2」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)及び「F_リプレイB」(No.「4」)のいずれかであるとき、「平行リプ」の図柄の組合せが表示された場合(すなわち、入賞役が「平行リプ」である場合)に決定される。
ここで、第1の遊技機では、後述するように、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では、「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示され、2BBフラグ間及び非フラグ間では、「平行リプ」の図柄の組合せが表示されるようになっている。
すなわち、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定され、2BBフラグ間及び非フラグ間では有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定されるようになっている。そして、第1の遊技機では、このように有利区間入賞時サブフラグが異なる場合、後述する各種抽籤(例えば、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルを用いた疑似ボーナス移行抽籤や図8(f)に示すモード移行抽籤テーブルを用いたモード移行抽籤)における有利度合いを変動させるようにしている。
なお、第1の遊技機では、例えば、3BBフラグ間であるか、あるいは2BBフラグ間であるかに応じて、有利区間入賞時サブフラグが変動する役として「F_リプレイA」(No.「3」)を例に挙げて説明しているが、有利区間入賞時サブフラグが変動する態様はこれに限られない。例えば、後述するように、内部当籤役が「F_ベル123B1」(No.「12」)であるとき、3BBフラグ間である場合と、2BBフラグ間である場合とで停止制御を異ならせることにしているので、このような役に当籤した場合、メダルの払出数を変動させず(あるいは変動させるようにしてもよい)、表示される図柄の組合せが異なるようにし、これによって異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
また、例えば、後述するように、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるとき、いずれのフラグ間(非フラグ間)であるかにかかわらず、押下位置(停止操作タイミング)が適切であれば「スイカ」の図柄の組合せが表示され、押下位置が適切でなければ取りこぼしが発生して「スイカこぼし」の図柄の組合せが表示されるようにしているので、このような役に当籤した場合、取りこぼしが発生することなく入賞させることができた場合と、取りこぼしが発生した場合とで異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
また、例えば、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では、停止操作が特定の態様(この特定の態様は、例えば、停止操作が予め定義された打順(正解押し順)で行われる態様、押下位置(停止操作のタイミング)が適切である態様、及びこれらの組合せの態様、いずれの態様であってもよい)で行われた場合には「平行リプ」の図柄の組合せが表示され、特定の態様で行われなかった場合には「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示されるようにし、これにより異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
すなわち、第1の遊技機では、特定役に関し、ベット数、遊技状態、停止操作の態様、あるいはこれらのうちいずれかの組合せによって、最終的な停止表示態様が異なる場合があることを可能とし、異なった停止表示態様に応じて異なる二次情報を決定可能とし、それによって有利度合いを変動可能とする態様全てを適用することができる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。非有利区間では、遊技毎に、有利区間移行抽籤が行われる。具体的には、図7の(b)に示す有利区間移行抽籤テーブルが参照され、内部当籤役が決定され、当該内部当籤役に応じて非有利区間サブフラグが決定された以降の当該遊技中の所定のタイミングで、非遊技区間サブフラグに応じて、移行先モード等が決定される。なお、この決定に際しては、有利区間に移行した際のモードの種別のみが決定される場合(図5中、「有利区間開始」)と、当該モードの種別のみならず疑似ボーナスに移行することも決定される場合(図5中、「有利区間開始+疑似ボーナス開始」)とがある。もっとも、非有利区間においては、疑似ボーナスに移行することが決定されない仕様とすることもできる。
ここで、図6を参照して、第1の遊技機における各モードについて説明する。第1の遊技機において、モードは、演出区間(通常遊技)における増加区間(疑似ボーナス)移行(付与)の期待度を変動させるための制御情報(遊技状態や制御状態と言い換えてもよい)であり、演出区間(通常遊技)においては、このモードにしたがって、疑似ボーナス移行の有無が決定されたり、有利区間を維持させたり、有利区間を終了させて非有利区間に移行させることが決定されたりするようになっている。
スタートモードは、非有利区間から有利区間(演出区間)に移行するときに滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、図示は省略しているが、スタートモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。天井ゲーム数は、疑似ボーナスに移行しない期間が一定期間となったとき、強制的に疑似ボーナスに移行させるために用いられる。それゆえ、天井ゲーム数が少ないほど遊技者に有利であり、天井ゲーム数が多いほど遊技者に不利となる。
通常Aモードは、遊技者が遊技を行う上で最も滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、通常Aモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。また、図6中、「疑似ボーナス後約999G」とあるのは、疑似ボーナス終了後に、後述の終了Aモード又は終了Bモードに移行し、当該モードにて疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われ、一度非有利区間に移行した後、非有利区間から有利区間に移行する際にこの通常Aモードが選択された場合、見かけ上の天井ゲーム数は、「965ゲーム」+終了Aモード又は終了Bモードでの遊技期間「32ゲーム」+非有利区間から有利区間に移行するのに要したゲーム数となるため、これを表現したものである。以下、通常Bモード、天国準備モード、チャンスモードにおいても同様である。
通常Bモードは、遊技者が遊技を行う上で比較的滞在しやすく、相対的に不利なモードではあるが、通常Aモードよりは有利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、通常Bモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。
天国準備モードは、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低い(後述の図7の(c)参照)ものの、天井ゲーム数は「466ゲーム」に設定され、また、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後は天国モードに移行することが確定するため(後述の図8の(f)参照)、その意味において相対的に有利なモードとなっている。
チャンスモードは、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「222ゲーム」に設定されているため、その意味において相対的に有利なモードとなっている。もっとも、天国モードに移行する期待度は高いものとはなっていない(後述の図8の(f)参照)。
終了Aモードは、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後に天国モード(天国準備モードを含む)に移行しない場合に滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は最も低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。当該終了Aモードでは、疑似ボーナス終了後に疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われると、有利区間そのものが終了し、非有利区間に移行する。
終了Bモードは、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後に天国モード(天国準備モードを含む)に移行しない場合に滞在しやすく、相対的に不利なモードではあるが、終了Aモードよりは有利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。当該終了Bモードでは、終了Aモードと同様、疑似ボーナス終了後に疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われると、有利区間そのものが終了し、非有利区間に移行する。なお、終了Aモード及び終了Bモードは、「終了モード」と総称することもできる。
保障モードは、天国Cモードが終了した場合に滞在するモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定されているため、その意味において相対的に有利なモードとなっている。もっとも、天国モードに移行する期待度は高いものとはなっていない(後述の図8の(f)参照)。すなわち、天国Cモードが終了したとき、それによる興趣の低下を防止するため、一定期間は相対的に有利な状態を維持(保障)しようするモードとして位置付けられる。
天国Aモードは、疑似ボーナスが連荘する(AT状態が、AT状態中に延長(上乗せ)の決定が行われることによって継続する仕様の場合には、当該延長(上乗せ)することも含み得る。以下同じ)ことが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)が中程度に設定された相対的に有利なモードとなっている。なお、図6においては図示を省略しているが、例えば、この天井モードループ率には設定差を設けるようにすることもできる。例えば、設定値が奇数(1,3,5)であるとき、天井モードループ率が75%程度となり、設定値が偶数(2,4,6)であるとき、天井モードループ率が67%程度となるように抽籤値を設定することもできるし、単に設定値が高いほど天井モードループ率も高くなるように抽籤値を設定することもできる。後述の天国Bモード及び天国Cモードにおいても同様であり、天井モードループ率に設定差を設けることもできる。
天国Bモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)が高く設定された相対的に有利なモードとなっている。すなわち、天井モードループ率の点で、天国Aモードよりもさらに有利なモードとなっている。
天国Cモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)がかなり高く設定された相対的に有利なモードとなっている。すなわち、天井モードループ率の点で、天国Aモード及び天国Bモードよりもさらに有利なモードとなっている。なお、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードは、「天国モード」と総称することができる。
なお、上述の各モードは、あくまでも一例を示すものであり、モードの構成はこれに限られない。上述の各モード以外のモードを設定することもできるし、上述の各モードのうち一部のモードを設定しないようにすることもできる。
また、ここまで、非有利区間は有利区間に比べて相対的に有利度が低い状態として説明したが、非有利区間と有利区間との関係はこのような態様に限定されない。例えば、非有利区間である場合のほうが、有利区間において少なくとも1つ以上のモードが設定されている場合よりも増加区間への移行割合が高かったり、増加区間への移行に要する平均ゲーム数が短くしたりする等の仕様、あるいは非有利区間が最も増加区間にしやすい仕様とすることもできる。このようにすることで、設定変更後等の非有利区間であることが確定する状態においても遊技を行うインセンティブが生まれるため、開店時からでも遊技を開始する動機づけとなる。また、疑似ボーナス終了後32ゲームを経過したときに区間ランプの点灯が終了した場合であっても、最も不利な状態となることが確定しないため、このようなときでも遊技が継続される動機づけとなる。また、ここまで、演出区間は遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態であるとして説明したが、増加区間と比べて不利な態様(例えば、報知の頻度を下げたり、報知の対象となる役を変更したりする等)であれば、停止操作の情報が報知される遊技状態とすることもできる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。演出区間(通常遊技)では、まず、遊技毎に、有利区間当籤時サブフラグを参照して、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルが参照され、内部当籤役が決定され、当該内部当籤役に応じて有利区間当籤時サブフラグが決定された以降の当該遊技中の所定のタイミングで、有利区間当籤時サブフラグに応じて、疑似ボーナスに移行させるか否かが決定される。なお、図7の(c)中、「非当籤」は、疑似ボーナスに移行させないことを意味し、「当籤(今回遊技)」は、今回の遊技から疑似ボーナスに移行させることを意味し、「当籤(次回遊技)」は、次回の遊技から疑似ボーナスに移行させることを意味する。
なお、第1の遊技機では、「当籤(今回遊技)」が決定された場合には今回遊技の開始時に、「当籤(次回遊技)」が決定された場合には次回遊技の開始時に、遊技操作(停止操作)が一定期間無効とされるとともに、当該無効期間において、メイン表示窓4に「赤7」図柄が揃って表示されるリール演出(「赤7揃い」演出)が行われた後、疑似ボーナスが開始され、「赤7揃い」演出が行われた遊技で、停止操作の情報を報知する必要がある場合には、少なくとも当該無効期間が終了して遊技操作(停止操作)が有効となるとき(それ以前でもよいが、上述のランダム遅延処理が開始されるよりも前のタイミングではないとき)に、停止操作の情報の報知が行われるようになっている。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定され、モード移行抽籤(当籤時)が行われた場合、後述の疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)、モード移行抽籤(入賞時)、及びモード移行抽籤(天井時)は行われない。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、遊技ごとに(より詳細には、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」に当籤した遊技において)、有利区間入賞時サブフラグを参照して、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルが参照され、入賞役が決定され、当該入賞役に応じて有利区間入賞時サブフラグが決定された以降の当該遊技中(次回遊技開始前)の所定のタイミングで、有利区間入賞時サブフラグに応じて、疑似ボーナスに移行させるか否かが決定される。
なお、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルでは、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合よりも、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合のほうが、疑似ボーナスに移行させることが決定される割合が高くなっている。もっとも、「通リプ2」を「通リプ1」よりも優遇させる態様はこれに限られない。例えば、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合には、所定確率で疑似ボーナスに移行させることが決定され得るが、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定され得ないようにしてもよい。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間入賞時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定され、モード移行抽籤(入賞時)が行われた場合、後述のモード移行抽籤(天井時)は行われない。
なお、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルでは、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合よりも、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合のほうが、遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定される割合が高くなっている。もっとも、「通リプ2」を「通リプ1」よりも優遇させる態様はこれに限られない。例えば、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合には、所定確率で遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定され得るが、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合には、遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定され得ないようにしてもよい。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、天井ゲーム数を更新し(加算方式でも減算方式でもよい)、天井ゲーム数が現在のモードに対応付けられた(あるいは、有利区間移行時等において予め決定された)天井ゲーム数に達した場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定される。この場合、必ず「当籤(今回遊技)」が決定されるようにすることもできるし、必ず「当籤(次回遊技)」が決定されるようにすることもできる。また、抽籤によりこれらのいずれが決定されるようにすることもできる。
演出区間(通常遊技)において、天井ゲーム数の到達により、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(天井時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモードに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。
なお、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)及び疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)に係る処理は、サブフラグの種類が異なるだけで、あとは同一の処理内容であることから、同一の抽籤テーブルや制御フローを用いて制御することができる。また、モード移行抽籤(当籤時)及びモード移行抽籤(入賞時)に係る処理は、サブフラグの種類が異なるだけで、あとは同一の処理内容であることから、同一の抽籤テーブルや制御フローを用いて制御することができる。
また、仮に、疑似ボーナスの当籤の種類として「当籤(今回遊技)」を設けないのであれば、有利区間入賞時サブフラグが決定されるタイミングでは、有利区間当籤時サブフラグも決定済みであり、また、天井ゲーム数も更新済みとすることができるため、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)及び天井到達時の疑似ボーナス移行処理を1回の処理でまとめて行うこともできる。また、同様に、モード移行抽籤(当籤時)、モード移行抽籤(入賞時)及びモード移行抽籤(天井時)を1回の処理でまとめて行うこともできる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。上述のとおり、演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナスに移行させることが決定され、疑似ボーナスが開始された場合(図5中、「疑似ボーナス開始」)、増加区間(疑似ボーナス)に移行する。また、上述のとおり、演出区間(通常遊技)において、終了Aモード又は終了Bモードに制御され、疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が消化された場合(図5中、「有利区間終了(終了A・B経由)」)、非有利区間に移行する。また、後述の図16に示すリミット処理の条件が成立した場合には、有利区間は強制的に終了されることになり(図5中、「有利区間終了(リミット処理)」)、その結果、非有利区間に移行する。
増加区間(疑似ボーナス)では、当該疑似ボーナスが開始されるときに、天井短縮抽籤が行われる。具体的には、図8の(e)に示す天井短縮抽籤テーブルが参照され、現在のモードに応じて、当該疑似ボーナス終了後の天井ゲーム数を短縮するか否かが決定される。なお、図8の(e)中、「非当籤」は、天井ゲーム数を短縮させないことを意味し、「当籤(天井ゲーム数=0更新)」は、当該疑似ボーナス終了後、モードにかかわらず、セットされる天井ゲーム数を「0」とする(短縮させる)ことを意味する。なお、天井短縮抽籤は、疑似ボーナスが開始されるときのみならず、疑似ボーナス中は毎遊技行われるようにすることもできる。
天井短縮抽籤の結果、天井ゲーム数を短縮させないことが決定された場合、疑似ボーナスが終了したときに、後述の1G連ストックも保有していない場合には、現在のモードに応じて天井ゲーム数がセットされ(終了モードの場合には、32ゲーム経過後に有利区間が終了する(これにともなってクリアされる)ためセットされないが、ここで天井ゲーム数が仮セットされるようにしてもよい)、疑似ボーナスが終了し(図5中、「疑似ボーナス終了」)、演出区間(通常遊技)に移行する。一方、天井短縮抽籤の結果、天井ゲーム数を短縮させることが決定された場合、疑似ボーナスが終了したときに、天井ゲーム数として「0ゲーム」がセットされる。これにより、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることとなる。なお、この場合、天井ゲーム数の到達により疑似ボーナスが開始されたことになるため、上述のモード移行抽籤(天井時)が行われる。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに(より詳細には、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」又は「中チェ」が決定された遊技において)、モード移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、上記以外の有利区間当籤時サブフラグが決定された場合にも、移行先モードが決定されるようにしてもよいが、この場合、原則として現在のモードよりも相対的に不利なモードが移行先モードとして決定されないようにするため、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルとは抽籤値が異なる別のモード移行抽籤テーブルが参照されるようにしてもよい。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに(より詳細には、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」に当籤した遊技において)、モード移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間入賞時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この場合、上記と同様、原則として現在のモードよりも相対的に不利なモードが移行先モードとして決定されないようにするため、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルとは抽籤値が異なる別のモード移行抽籤テーブルが参照されるようにしてもよい。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに、1G連抽籤が行われる。具体的には、図7の(d)に示す1G連抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグ又は有利区間入賞時サブフラグに応じて、1G連を発生させるか否かが決定される。なお、図7の(d)中、「非当籤」は、1G連を発生させないことを意味し、「当籤(1G連+1)」は、1G連を発生させる権利(1G連ストック)が1個付与される(1G連ストックカウンタが1加算される)ことを意味する。なお、1G連ストックは、1G連ストックカウンタによって複数個(最大255個)ストック(貯留)されることが可能となっている。したがって、1回の疑似ボーナス中に複数個の1G連ストックが付与される場合もある。また、1回の1G連抽籤で、複数個の1G連ストックが付与され得るように、1G連抽籤テーブルを構成することもできる。
疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上である場合(すなわち、1G連ストックを保有している場合)には、1G連ストックが1つ消化され(1G連ストックカウンタが1減算され)、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることとなる。なお、この場合、1G連ストックという権利に応じた疑似ボーナスの開始となるため、上述のモード移行抽籤は行われない。一方、疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上でない場合(すなわち、1G連ストックを保有していない場合)、上述の天井短縮抽籤にも当籤していない場合には、現在のモードに応じて天井ゲーム数がセットされ(終了モードの場合には、32ゲーム経過後に有利区間が終了する(これにともなってクリアされる)ためセットされないが、ここで天井ゲーム数が仮セットされるようにしてもよい)、疑似ボーナスが終了し(図5中、「疑似ボーナス終了」)、演出区間(通常遊技)に移行する。
なお、天井短縮抽籤に当籤し、1G連ストックも保有している場合、天井短縮抽籤の結果が優先され、天井短縮に応じた疑似ボーナスが実行された後、1G連ストックに応じた疑似ボーナスが実行されるようにしてもよいし、1G連ストックが優先され、1G連ストックに応じた疑似ボーナスが実行された後、天井短縮に応じた疑似ボーナスが実行されるようにしてもよい。後者の場合、天井短縮があることを持越せる情報を別途記憶しておけばよい。
第1の遊技機では、増加区間(疑似ボーナス)の構成として、「55ゲーム」間継続し、最大275枚獲得可能としたものを一例として挙げているが、疑似ボーナスの構成はこれに限られない。例えば、当該疑似ボーナスを「疑似BB(ビッグボーナス)」として構成し、他に「22ゲーム」間継続し、最大110枚獲得可能とした疑似ボーナスである「疑似RB(レギュラーボーナス)」を搭載するようにしてもよい。この場合、上述の疑似ボーナス移行抽籤、天井到達時、1G連抽籤において、疑似ボーナスに移行させること(権利を付与すること)が決定される際には、その種類(例えば、「疑似BB」とするのか、「疑似RB」とするのか)が所定確率(例えば、50%ずつ)で決定されるようにすればよい。なお、「疑似RB」は、「疑似BB」との間で価値が異なる(より詳細には、「疑似BB」よりも価値が低い)ものとすればよいため、例えば、継続ゲーム数は「疑似BB」と同じであるが、ベルナビ率(停止操作の情報が報知される報知確率)を低いものとすることで、最大獲得可能枚数に差をつけ、価値が異なるようにすることもできる。また、「疑似RB」を開始させる際には、メイン表示窓4に「BAR」図柄が揃って表示されるリール演出、あるいは「赤7−赤7−BAR」が表示されるリール演出が行われるようにすればよい。さらに、増加区間は疑似ボーナスとして構成されるものに限られない。例えば、継続する遊技数(遊技期間)を変化させることが可能なAT状態やART状態として構成することもできる。
また、疑似ボーナス中に、後述の図16に示すリミット処理の実行条件が成立した場合には、有利区間は強制的に終了されることになり(図5中、「リミット処理による有利区間終了」)、その結果、非有利区間に移行する。
なお、第1の遊技機において、上述の遊技の流れは、基本的に3枚ベット状態で遊技が行われることを前提としたものである。したがって、2枚ベット状態で遊技が行われる場合には、例えば、図7の(a)〜(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤は行われず、また、天井ゲーム数も更新されない。また、疑似ボーナス中に2枚ベット状態で遊技が行われた場合、2枚ベット状態ではメダルが増加しないように構成されていることから、疑似ボーナス中が増加区間とはならない。すなわち、第1の遊技機では、2枚ベット状態で遊技を行うと基本的に遊技者は不利となるように構成されている。
ここで、2枚ベット状態で遊技が行われる場合には、有利区間(AT)に関する抽籤(例えば、図7の(a)〜(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤)や処理(例えば、天井ゲーム数の更新等)は行われないものの、上述のゲーム数リミッタ用の有利区間ゲーム数カウンタや、上述の払出数リミッタ用の有利区間払出数カウンタの更新は行われるものとすることが望ましい。これらのリミッタは、有利区間の滞在ゲーム数や獲得枚数の上限を制限することで射幸性を適切に抑制する機能を有するものであることから、仮に、2枚ベット状態ではこれらのカウンタが更新されないものとすると、2枚ベット状態での遊技が介在することで設定された有利区間の滞在ゲーム数や獲得枚数の上限を超えてしまう場合が生じ、その結果適切に射幸性を抑制できない場合が生じ得るためである。それゆえ、リミッタ用のカウンタは、ベット数不問で毎ゲーム更新可能に構成されることが望ましい。
また、第1の遊技機において、上述の遊技の流れは、基本的に非ボーナス状態で遊技が行われることを前提としたものである。したがって、ボーナス状態(2BB状態及び3BB状態)で遊技が行われる場合には、例えば、図7の(a)〜(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤は行われず、また、天井ゲーム数も更新されない。また、疑似ボーナス中にボーナス状態となった場合、ボーナス状態は非ボーナス状態(より詳細には非ボーナス状態の3枚ベット状態)よりもメダルの増加期待値が低い状態として構成されていることから、疑似ボーナス中が増加区間とはならない場合もある。すなわち、第1の遊技機では、ボーナス状態で遊技を行うと遊技者は不利となる場合があるように構成されている。
それゆえ、第1の遊技機では、2BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行うことが推奨される構成となっている(本実施形態では、2BBフラグ間の3枚ベット状態を「推奨遊技状態」として説明し、その他の状態を「非推奨遊技状態」として説明する場合がある)。すなわち、第1の遊技機では、2BBは2枚ベット状態でのみ当籤するボーナス役であり、2BBフラグ間において2BBに係る図柄の組合せは2枚ベット状態でのみ入賞し、3枚ベット状態では入賞しない構成となっている。また、3BBは3枚ベット状態でのみ当籤するボーナス役であり、3BBフラグ間において3BBに係る図柄の組合せは3枚ベット状態でのみ入賞し、2枚ベット状態では入賞しない構成となっている。また、2BBフラグ間では3BBが当籤する場合はなく、3BBフラグ間では2BBが当籤する場合はない構成となっている。
そして、第1の遊技機では、これらの構成を用いて、例えば、非フラグ間の2枚ベット状態で2BBを当籤させて(2BBを入賞させず)2BBフラグ間とした後、3枚ベット状態で遊技を行えば、ボーナス役を入賞させるか否かを気にすることなく、上述の推奨遊技状態で遊技を行うことが可能となっている。
上述のとおり、第1の遊技機では、疑似ボーナス中において、天井短縮抽籤が行われる。ここで、図8の(e)に示す天井短縮抽籤テーブルをみると、現在のモードが、保障モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードのいずかのモードであるとき、1/8(32/256)の確率で天井短縮抽籤に当籤する一方、その他のモードであるときには天井短縮抽籤に当籤しないようになっている。すなわち、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードの場合には、その「32ゲーム」が「0ゲーム」に短縮される場合があり、天井ゲーム数がそれよりも多いモードの場合には、天井ゲーム数が短縮される場合がないようになっている。
なお、天井ゲーム数が「32ゲーム」よりも多いモードの場合であっても、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードの場合よりも低い確率(例えば、1/64)で、天井ゲーム数が短縮されることが決定されるようにしてもよい。
また、天井ゲーム数を短縮する態様も上述のものに限られない。例えば、「32ゲーム」をそれより少ない所定ゲーム(0〜31ゲーム)に短縮すれば、同様の作用効果を発揮できることから、天井短縮抽籤に当籤したときに短縮するゲーム数がさらに決定されるようにしてもよいし、天井短縮抽籤において、何ゲーム分短縮するのかを予め決定するようにしてもよい。
また、天井短縮抽籤が行われる契機も上述のものに限られない。例えば、疑似ボーナス中には、遊技ごとに天井短縮抽籤が行われるようにしてもよい。また、有利区間(通常遊技)において、現在のモードが、保障モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードのいずかのモードであるときには、遊技ごとに天井短縮抽籤が行われるようにしてもよい。これらの場合には、有利区間当籤時サブフラグや有利区間入賞時サブフラグが参照されて、天井短縮抽籤に当籤するか否かが決定されるようにすればよい。
また、上述のとおり、第1の遊技機では、疑似ボーナス中において、1G連抽籤が行われる。ここで、図7の(d)に示す1G連抽籤テーブルをみると、現在のモードがいずれのモードであっても、1G連ストックが付与される場合があるようになっている。すなわち、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードであるか否かにかかわらず、疑似ボーナスを継続させるための権利が付与可能となっている。
なお、当該権利を付与する態様は上述のものに限られない。例えば、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードであるときには、天井短縮抽籤が行われることを考慮して1G連抽籤が行われないようにし、天井ゲーム数が「32ゲーム」よりも多いモードであるときに1G連抽籤が行われるようにすることで、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制してもよい。
また、1G連抽籤が行われる契機も上述のものに限られない。例えば、疑似ボーナス以外の有利区間(演出区間)においても、1G連抽籤が行われるようにし、その結果ストックされた1G連ストックは、次の疑似ボーナスにおいて消化されるようにしてもよい。
なお、図5〜図8においては図示を省略しているが、第1の遊技機では、疑似ボーナスの開始時、あるいは疑似ボーナス中において、現在のモードが天国モードであるとき、有利な状態であることを示唆するための特別ボーナス中演出が所定確率で実行されるようになっている。したがって、特別ボーナス中演出が実行された場合、天井短縮抽籤が実行されることを期待させることができる。また、この特別ボーナス中演出は、天井短縮抽籤に当籤したときには100%の確率で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、例えば、疑似ボーナスの開始時に特別ボーナス中演出が実行された場合、少なくとも天国モードに滞在していることが示唆され、さらに天井短縮抽籤にも当籤したかもしれないとの期待感を抱かせることができる。また、この特別ボーナス中演出は、疑似ボーナス中に1G連抽籤に当籤したときにも、所定確率であるいは100%の確率で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、(1)天国モードのみ、(2)天国モード+天井短縮当籤、(3)天国モード+1G連当籤、(4)天国モード+天井短縮当籤+1G連当籤、(5)1G連当籤のみ、等の様々な可能性を示唆することでき、遊技の興趣を向上させることができる。
このように、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)が終了してから所定期間(例えば、32ゲーム)内に再度有利状態に制御されることが確定している場合(例えば、天国モードの場合)、その期間をさらに短縮できる場合があることから、一連の有利区間の遊技期間が制限される場合(例えば、リミット処理が実行される場合)であっても、遊技者がなるべく有利度合いの高い状態で遊技を行えるようにして遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、有利状態が終了してから所定期間内に再度有利状態に制御されることが確定していない場合(例えば、終了モードの場合)であっても、権利(例えば、1G連ストック)の付与によって再度有利状態が開始される場合があることから、遊技者の期待感を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
また、図5〜図8においては図示を省略しているが、第1の遊技機では、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合(すなわち、「F_確定チェリー」又は「F_リーチ目」が内部当籤役として決定された場合)であって、上述のモード移行抽籤の結果、天国Cモードに移行することが決定された場合には、1/2の確率(この確率は任意である)で特別ロック演出が実行可能となっている。なお、遊技者は、有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」が決定された場合(すなわち、「F_中段チェリー」が内部当籤役として決定された場合)にも、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合と同様の恩恵を受けることができることから、有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」が決定された場合には、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合と同様に、特別ロック演出を実行可能としてもよい。
ここで、「確定役」は、疑似ボーナス移行も確定する役であることから(図7の(c)参照)、遊技者は特別ロック演出が実行されると、疑似ボーナス移行及び天国Cモード移行があったことが認識できるようになっており、遊技者にとって非常に興趣が高まるようになっている。特別ロック演出は、例えば、遊技開始時に約20秒間にわたって遊技操作(停止操作)が無効とされる演出として構成される。なお、この間には、各リールが振動したり、逆回転したりする特別リール演出が行われるようにしてもよいし、メイン演出表示部21において、通常は表示されない特別映像等が表示されるようにしてもよい。また、通常は出力されない特別楽曲が出力されるようにしてもよい。むろん、これらの組合せによって演出を行うこともできる。また、遊技操作は無効とされないが、遊技者が次の遊技操作を行うまで、これらの演出が行われるようにすることもできる(すなわち、演出を最後まで実行させるか、あるいは中途でキャンセルして遊技を進行させるかの決定を遊技者に委ねることもできる)。
ただし、第1の遊技機では、後述の図16に示すように、例えば、天国Cモードに滞在していたとしても、リミット処理の実行によって有利区間が強制的に終了される場合があることから、上述の特別ロック演出を何度も実行することが望ましくない場合もある。
そこで、第1の遊技機では、同じ一連の有利区間内では、特別ロック演出は一度しか実行されないようになっている。具体的には、一連の有利区間内において、最初に特別ロック演出を実行することが決定された場合には特別ロック演出が実行されるが、それ以降同じ一連の有利区間内では、同じ条件が成立した場合であっても特別ロック演出が実行されないように制御する。なお、手法としては、一度特別ロック演出が実行された場合、その旨を示す情報を格納しておき、それ以降同じ一連の有利区間内において当該情報が格納されている場合には、そもそも特別ロック演出を実行するか否かの決定が行われないようにしてもよいし、当該決定は行われるが、当該情報が格納されている場合にはその決定結果が実行することを示すものであっても、実行しないことを示すものに書き換えるようにしてもよい。そして、格納された当該情報は、有利区間が終了するときにクリアされるようにすればよい。
なお、特別ロック演出の実行が制限される態様は上述のものに限られない。例えば、特別ロック演出の実行が制限される上限の回数を「1回」ではなく、「2回」や「3回」として定めてもよい。すなわち、特別ロック演出の実行は制限されるが、その上限は複数回として定めてもよい。これは、特別ロック演出1回あたりの出玉の期待値に応じて適宜設定することができる。
また、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われる条件も上述のものに限られない。すなわち、上記では、「確定役」の当籤を契機として、モード移行が行われ、当該モードが天国Cモードであったことを条件として、特別ロック演出が実行されるか否かの決定を行うようにしているが、例えば、「確定役」の当籤以外の契機によっても天国Cモードに移行する場合があることから(図8の(f)参照)、これらの場合にも特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われるものとし、所定確率(「確定役」の当籤を契機とする場合と同じ確率であってもよいし、異なる確率であってもよい)で特別ロック演出が実行されることが決定されるようにしてもよい。
また、例えば、「確定役」の当籤を契機として、まず、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われるものとし、特別ロック演出が実行されることが決定された場合に、天国Cモードに移行させるようにしてもよい。すなわち、天国Cモードに移行することが決定されたことに応じて特別ロック演出が実行されるようにしてもよいし、特別ロック演出が実行されることが決定されたことに応じて天国Cモードに移行させるようにしてもよい。
また、例えば、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われる条件として、有利区間中の遊技の進行度合いを採用してもよい。例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタないし制御用ゲーム数カウンタの値が「750」未満であるとき、あるいは後述の有利区間払出数カウンタないし制御用払出数カウンタの値が「1201」未満であるときには、上記のように特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われ、後述の有利区間ゲーム数カウンタないし制御用ゲーム数カウンタの値が「750」以上となったとき、あるいは後述の有利区間払出数カウンタないし制御用払出数カウンタの値が「1201」以上となったときには、以降同じ一連の有利区間においては、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われないようにすることもできる。
このように、第1の遊技機では、一連の有利区間の遊技期間が一定期間に制限される(後述の図16参照)。そして、同じ一連の有利区間内においては、遊技者にとって有利度合いの高い制御情報(例えば、天国Cモード)が複数回設定される場合であっても、その都度特別演出(例えば、特別ロック演出)が行われることがないように制御される。したがって、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、一連の有利区間内においては、特定役(例えば、「確定役」)の当籤を契機として、有利状態(例えば、疑似ボーナス)に制御されることが確定するとともに、遊技者にとって有利度合いの高い制御情報(例えば、天国Cモード)が設定される場合がある。そして、同じ一連の有利区間内においては、このような場合が複数回発生する場合であっても、その都度特別演出(例えば、特別ロック演出)が行われることがないように制御される。したがって、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、決定された内部当籤役に応じた二次情報(例えば、有利区間当籤時サブフラグ)を決定可能であるとともに、表示される図柄の組合せに応じた二次情報(例えば、有利区間入賞時サブフラグ)を決定可能とし、それぞれ決定された二次情報に応じて、遊技者の停止操作に関する情報が報知される有利状態(例えば、疑似ボーナス)を付与するか否かを決定可能としている。
このように、第1の遊技機では、内部当籤役が決定された際のみならず、図柄の組合せが表示された際にも有利状態の付与に関する期待感を与えることができるため、有利状態の付与に関する遊技性を多様化することができる。
また、第1の遊技機では、決定された内部当籤役に対応する情報と、表示された図柄の組合せに対応する情報と、をともに共通の二次情報として管理しているため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制することができる。
また、第1の遊技機では、ベットされた遊技価値が第1の量(例えば、3枚)である場合、第1特別役(例えば3BB)を当籤可能とする一方、第2特別役(例えば、2BB)を当籤可能としない。また、ベットされた遊技価値が第2の量(例えば、2枚)である場合、第2特別役を当籤可能とする一方、第1特別役を当籤可能としない。また、特定役(例えば、「F_リプレイA」)に当籤した場合、第1特別許可状態(例えば3BBフラグ間)であれば所定図柄の組合せ(例えば、「右上がりリプ」)を表示させ、第2特別許可状態(例えば2BBフラグ間)であれば特定図柄の組合せ(例えば、「平行リプ」)を表示させることを可能としている(後述の図15参照)。
そして、第1の遊技機では、所定図柄の組合せが表示された場合と、特定図柄の組合せが表示された場合と、で異なる二次情報を決定可能としている。すなわち、第1の遊技機では、いずれの特別許可状態となっているかに応じて、同じ特定役が決定された場合であっても有利状態の付与に関する決定内容を変動させることができるため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制しつつ、その遊技性をさらに多様化することができる。
また、第1の遊技機では、少なくとも特定役に当籤した場合であって特定図柄の組合せが表示された場合に、有利状態を付与するか否かを決定可能とする。
ここで、第1の遊技機では、所定図柄の組合せと特定図柄の組合せとは、ともに再遊技に係る図柄の組合せであることから、いずれが表示された場合であっても再遊技の作動という同じ特典が付与されることとなる。
なお、同じ特典を付与する態様は上述のものに限られない。例えば、特定役を遊技価値の付与に係る特定小役として構成する。そして、特定小役に当籤した場合、例えば、第1特別許可状態であれば、1枚(この値は任意であり、ベットされた遊技価値以下の他の値であってもよいし、ベットされた遊技価値を超える値であってもよい)の遊技価値が付与される所定図柄の組合せ(「右上がりリプ」に相当する遊技価値の付与に係る図柄の組合せ)を表示させ、第2特別許可状態であれば、所定図柄の組合せが表示された場合と同数の遊技価値が付与される特定図柄の組合せ(「平行リプ」に相当する遊技価値の付与に係る図柄の組合せ)を表示させるようにしてもよい。
また、所定図柄の組合せと特定図柄の組合せとをともに「はずれ」の図柄の組合せ(もっとも、有利状態を付与するか否かを決定可能とするため、純粋な「はずれ」の場合とは異なる図柄の組合せであることは識別可能な図柄の組合せとする)として構成するようにしてもよい。この場合であっても、価値が同じである点にかわりはない。
このように、第1の遊技機では、いずれの特別許可状態となっているかに応じて、同じ特定役が決定された場合であっても有利状態の付与に関する決定内容を変動させることができるため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制しつつ、その遊技性を多様化することができる。また、特定役が決定された遊技では、いずれの特別許可状態となっていても同じ特典が付与されることから、遊技性を変動させる場合であっても、遊技者が直接的な不利益を被ってしまうこと防止することができる。
また、第1の遊技機では、特定役に当籤した場合、第2特別許可状態である場合に、特定の態様で停止操作が行われるときには特定図柄の組合せを表示させることを可能とし、特定の態様で停止操作が行われないときには特定図柄の組合せを表示させることを可能しないように構成してもよい。
そして、少なくとも特定役に当籤した場合であって特定図柄の組合せが表示された場合に、有利状態を付与するか否かを決定可能としてもよい。特定役が内部当籤役として決定された場合、特定図柄の組合せが表示されたときと、特定図柄の組合せが表示されなかったときとで有利状態の付与に関する有利度を異ならせることを可能としてもよい。
また、特定役に当籤した場合、第1特別許可状態である場合には、停止操作態様にかかわらず所定図柄の組合せを表示させ、第2特別許可状態である場合に、特定の態様で停止操作が行われるときには特定図柄の組合せを表示させ、特定の態様で停止操作が行われないときには所定図柄の組合せを表示させるようにしてもよい。
この場合、特定役は、少なくとも1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが適切である場合(本実施形態では、これを「押下位置○」や「押下位置正解」等として説明する場合がある)に特定図柄の組合せが表示され、停止操作のタイミングが適切でない場合(本実施形態では、これを「押下位置×」や「押下位置不正解」等として説明する場合がある)に所定図柄の組合せが表示されるものとして構成することができる。これにより、遊技者の停止操作(のタイミング)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上述のとおり、特定役は特定小役として構成することも可能であり、この場合、少なくとも1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが適切である場合(押下位置○の場合)に特定図柄の組合せが表示されて所定数の遊技価値が付与され、停止操作のタイミングが適切でない場合(押下位置×の場合)に所定図柄の組合せが表示されて特定数の遊技価値が付与されるものとして構成することができる。なお、この場合、所定数は特定数と同じ(すなわち、同じ特典)としてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも多い遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも少ない遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、特定図柄の組合せ及び所定図柄の組合せの少なくともいずれかを取りこぼしが発生したときの図柄の組合せとしてもよい。すなわち、所定数及び特定数のいずれかを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、遊技者の停止操作(のタイミング)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるのみならず、直接的な特典の内容も変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、また遊技性をさらに多様化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役が1種類であると、停止操作のタイミングが適切となるタイミングも限定されてしまうため、停止操作のタイミングが適切となるタイミングが異なる複数の特定役を設けることが望ましい。例えば、1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが第1のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第1のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第1特定役と、停止操作のタイミングが第1のタイミングとは異なる第2のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第2のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第2特定役と、停止操作のタイミングが第1のタイミング及び第2のタイミングとは異なる第3のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第3のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第3特定役と、が設けられ、これらが同じ当籤確率で当籤するようにすればよい。
また、この場合、特定役は、打順が適切である場合(正解押し順の場合)に特定図柄の組合せが表示され、打順が適切でない場合(不正解押し順の場合)に所定図柄の組合せが表示されるものとして構成することができる。これにより、遊技者の停止操作(の手順)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役は、上述のとおり特定小役として構成することも可能であり、この場合、打順が適切である場合(正解押し順の場合)に特定図柄の組合せが表示されて所定数の遊技価値が付与され、打順が適切でない場合(不正解押し順の場合)に所定図柄の組合せが表示されて特定数の遊技価値が付与されるものとして構成することができる。なお、この場合、所定数は特定数と同じ(すなわち、同じ特典)としてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも多い遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも少ない遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、特定図柄の組合せ及び所定図柄の組合せの少なくともいずれかを、取りこぼしが発生したときの図柄の組合せとしてもよい。すなわち、所定数及び特定数のいずれかを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、遊技者の停止操作(の手順)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるのみならず、直接的な特典の内容も変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、また遊技性をさらに多様化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役が1種類であると、適切となる打順も限定されてしまうため、適切となる打順が異なる複数の特定役を設けることが望ましい。例えば、左第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、中・右第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第1特定役と、中第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、左・右第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第2特定役と、右第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、左・中第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第3特定役とが設けられ、これらが同じ当籤確率で当籤するようにすればよい。
ここまで、特定役に当籤した単位遊技において、停止操作態様(停止操作のタイミングや打順のうち、少なくとも一方又は両方)に起因して、非有利区間における有利区間への移行判定処理や、有利区間における有利状態の付与に関する判定処理(疑似ボーナス移行抽籤やモード移行抽籤、その他有利区間における遊技状況の有利度を変化させるための処理を含む)を変化させることを述べたが、このような変化のうち、遊技者に相対的に不利となる(結果的に不利となる場合がある)変化は上述のペナルティと捉えることができる。したがって、そのような変化が発生した場合には、注意喚起をするための任意の演出(警告報知)を発生可能な構成としてもよい。
また、第1の遊技機では、特定役に当籤した場合、所定図柄の組合せが表示された場合よりも、特定図柄の組合せが表示された場合のほうが、有利状態が付与される可能性が高くなっている。すなわち、3枚ベットすることを前提とすれば、第2特別許可状態(例えば、2BBフラグ間)は、第1特別許可状態(例えば、3BBフラグ間)よりも有利状態の付与が優遇される状態である。
また、第1の遊技機では、所定役(例えば、後述の「押し順ベルB」)に当籤した場合、第1特別許可状態であれば打順不問で付与図柄の組合せ(例えば、8枚の払出となる図柄の組合せ)が表示される一方、第2特別許可状態であれば、打順が予め定義された正解押し順であった場合には付与図柄の組合せが表示されるが、打順が予め定義された正解押し順でなかった場合には付与図柄の組合せは表示されず、遊技価値が付与されない取りこぼしとなるか、又は付与図柄の組合せが表示された場合よりも少ない量の遊技価値しか付与されない図柄の組合せ(例えば、1枚の払出となる図柄の組合せ)が表示されるように構成されている。すなわち、有利状態の作動を考慮しなければ、第1特別許可状態は、第2特別許可状態よりも遊技価値の付与が優遇される状態である。
すなわち、遊技者が、非推奨遊技状態であっても3BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行えば、有利状態の付与確率は優遇されないものの、有利状態が作動していないときの遊技価値の付与確率は優遇されるため、有利状態が作動しているときと作動していないときとの傾斜値の差が相対的に少ない状態で遊技を進めることができる。このように、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は少なくなるものの、遊技者の遊技価値が減りにくいといった状態は、例えば、「安定状態」と定義することができる。
一方、遊技者が、推奨遊技状態で遊技を行えば、有利状態の付与確率は優遇されるものの、有利状態が作動していないときの遊技価値の付与確率は優遇されないため、有利状態が作動しているときと作動していないときとの傾斜値の差が相対的に多い状態で遊技を進めることができる。このように、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は高くなるものの、遊技者の遊技価値が減りやすいといった状態は、例えば、「荒波状態」と定義することができる。
ここで、安定状態と荒波状態の2つの状態を創出する手法は上述のものに限られない。例えば、「安定状態」では、上述の疑似ボーナス移行抽籤において、疑似ボーナスの移行確率を「荒波状態」よりも高める一方、上述のモード移行抽籤において、天国モードの移行確率を「荒波状態」よりも低める。また、「荒波状態」では、上述の疑似ボーナス移行抽籤において、疑似ボーナスの移行確率を「安定状態」よりも低める一方、上述のモード移行抽籤において、天国モードの移行確率を「安定状態」よりも高める。このようにすれば、「安定状態」では、疑似ボーナスに初当りしやすいが、連荘しにくいという状態を創出でき、「荒波状態」では、疑似ボーナスに初当りしにくいが、連荘しやすいという状態を創出できる。なお、所定役の停止制御については、上述のとおり、2BBフラグ間と3BBフラグ間とで変動するものとしてもよいし、これとは異なる(すなわち、3BBフラグ間で優遇しない)ものとしてもよい。
[5−2.第1の遊技機の図柄配置構成]
続いて、図9を参照して、第1の遊技機の図柄配置構成について説明する。図9は、第1の遊技機の図柄配置テーブルの一例を示す図である。図9に示すように、第1の遊技機では、「赤7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「赤ブランク」、「黄ブランク」、「白ブランク1」及び「白ブランク2」の10種類の図柄が、各リール3L,3C,3Rそれぞれにおいて図9に示す位置に配置されている。また、図柄コード表に示すように、各図柄には図柄コード1〜10が割り当てられている。
[5−3.第1の遊技機の内部当籤役構成]
続いて、図10〜図15を参照して、第1の遊技機の内部当籤役構成について説明する。図10は、第1の遊技機の内部抽籤テーブルの一例を示す図である。また、図11〜図14は、第1の遊技機の図柄組合せテーブルの一例を示す図である。また、図15は、第1の遊技機の内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係の一例を示す図である。すなわち、以下では、第1の遊技機において抽籤される内部当籤役の種類や、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に停止操作態様(すなわち、打順や停止操作タイミング等)に応じていずれの図柄の組合せ(表示役、入賞役、停止表示態様、表示結果等と換言することもできる)が表示されるのか等について説明する。
まず、第1の遊技機では、後述の内部抽籤処理(図26参照)において、図10に示す各内部当籤役が、図10に示す確率(抽籤値/確率分母:65536)で当籤する。なお、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に表示が許可される図柄の組合せは、図10中、「対応する図柄組合せ」に示したとおりである。また、図11〜図14中、「BB」はボーナス役に係る図柄の組合せを示し、「REP」は、リプレイ役に係る図柄の組合せを示し、「FRU」は、小役に係る図柄の組合せを示している。
「F_2BB」は、非ボーナス状態(より詳細には、非フラグ間)において、2枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定可能である一方、3枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定されないように構成されている。2枚ベット状態で、「F_2BB」が当籤した遊技、あるいは2BBフラグ間で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば「BB01」が表示され、2BB状態(2BBに基づくボーナス状態)に移行する。一方、2BBフラグ間であっても3枚ベット状態では「BB01」が表示される場合はない。
「F_3BB」は、非ボーナス状態(より詳細には、非フラグ間)において、3枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定可能である一方、2枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定されないように構成されている。3枚ベット状態で、「F_3BB」が当籤した遊技、あるいは3BBフラグ間で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば「BB02」が表示され、3BB状態(3BBに基づくボーナス状態)に移行する。一方、3BBフラグ間であっても2枚ベット状態では「BB02」が表示される場合はない。
なお、2BB状態及び3BB状態では、図10中、「ボーナス状態」の列の抽籤値が参照され、内部当籤役が決定される(遊技開始可能枚数は3枚ベットのみ)。2BB状態及び3BB状態中は、常に第一種特別役物であるRBが作動している状態(RB状態)に制御される。なお、RB状態は、作動してから2回の入賞が発生又は2回の遊技が行われた場合に一旦終了して再び作動するといった制御が繰り返される。また、第1の遊技機において、2BB状態の終了条件は、2BB状態において1枚を超えるメダルが払出されたことと規定されており、3BB状態の終了条件は、3BB状態において176枚を超えるメダルが払出されたことと規定されている。
ここで、2BB状態又は3BB状態が終了したときには、特殊モード移行処理が行われる。例えば、ボーナス状態に移行したとき(ボーナス状態中は、モード移行が行われないため、ボーナス状態が終了したときと同義)のモード、すなわち、現在のモードが「スタートモード」であれば、移行先のモードは「スタートモード」となる。また、現在のモードが「通常Aモード」「通常Bモード」「天国準備モード」「チャンスモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「通常Aモード」となる。また、現在のモードが「終了Aモード」「終了Bモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「終了Aモード」となる。また、現在のモードが「保障モード」「天国Aモード」「天国Bモード」「天国Cモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「保障モード」となる。
「F_リプレイA」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、非フラグ間及び2BBフラグ間では、停止操作態様にかかわらず「REP64」〜「REP72」のいずれか(これらは、「リプレイ」図柄を下段一直線、あるいは中段一直線に表示させるものであることから、これらを「平行リプ」と総称することができる。また、「REP64」〜「REP71」は、「下段リプ」と総称することができ、「REP72」は、「中段リプ」と称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、3BBフラグ間では、停止操作態様にかかわらず「REP73」(これは、「リプレイ」図柄を右上がりに表示させるものであることから、これを「右上がりリプ」と称することができる)が表示され、再遊技が付与される。
「F_リプレイB」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、いずれの状態であっても停止操作態様にかかわらず「平行リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP28」、「REP60」〜「REP63」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を下段に表示させるものであることから、これらを「チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、「REP57」〜「REP59」)が表示され、再遊技が付与される。
「F_確定チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」〜「打順4」のいずれかである場合、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP42」〜「REP56」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を下段に表示させるものであって、例えば、「REP42」のように、他のリールにおいて遊技者が期待を高めることができる図柄も表示されることから、これらを「確定チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、上述の「チェリーリプ」や「REP29」〜「REP41」)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_中段チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」〜「打順4」のいずれかである場合、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP15」〜「REP19」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を中段に表示させるものであることから、これらを「中段チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、「REP20」〜「REP27」)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_リーチ目」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」〜「打順4」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「REP01」〜「REP14」のいずれか(これらは、慣習上、遊技者にとって有利な状態への移行を確定報知する(ないし示唆する)ことが可能な図柄の組合せとして構成されており、これらを「リーチ目リプ」を総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_スイカ」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、各リールについて押下位置○であれば、「FRU10」〜「FRU12」のいずれか(これらは、「スイカ」図柄を並んで表示させるものであることから、これらを「スイカ」と総称することができる)が表示され、3枚ベット状態であれば3枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば、「FRU08」及び「FRU09」のいずれか(これらは、「スイカ」図柄を並んで表示されるものでないため、これらを「スイカこぼし」と総称することができる)が表示され、1枚のメダルが払出される。なお、押下位置×の場合、取りこぼしを発生させてメダルの払出が0枚となるように構成することもできる。
「F_ベル123A1」、「F_ベル123A2」、「F_ベル132A1」、「F_ベル132A2」、「F_ベル213A1」、「F_ベル213A2」、「F_ベル231A1」、「F_ベル231A2」、「F_ベル312A1」、「F_ベル312A2」、「F_ベル321A1」、及び「F_ベル321A2」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、これらは、「押し順ベルA」と総称することができる。
図15に示すように、「押し順ベルA」は6択(「打順1」〜「打順6」のうちいずれか1つの打順が正解押し順となっている)の押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、「右下がりベル」(「FRU03」)、「上段ベル」(「FRU01」及び「FRU02」)、「中段ベル」(「FRU04」)、「右上がりベル」(「FRU05」)、「小山ベル」(「FRU06」)、及び「下段ベル」(「FRU07」)のいずれかの「ベル」が表示され、3枚ベット状態であれば8枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、第1停止操作が正解していれば、残りの停止操作において1/2の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」(「FRU13」〜「FRU116」)のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。また、第1停止操作が正解していなければ、残りの停止操作において1/8の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_ベル123B1」、「F_ベル123B2」、「F_ベル132B1」、「F_ベル132B2」、「F_ベル213B1」、「F_ベル213B2」、「F_ベル231B1」、「F_ベル231B2」、「F_ベル312B1」、「F_ベル312B2」、「F_ベル321B1」、及び「F_ベル321B2」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、これらは、「押し順ベルB」と総称することができる。
図15に示すように、「押し順ベルB」は、2枚ベット状態、及び3枚ベット状態の3BBフラグ間においては押し順小役となっていない。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「ベル」が表示され、3枚ベット状態であれば8枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。
また、図15に示すように、「押し順ベルB」は、3枚ベット状態の3BBフラグ間以外の状態(3枚ベット状態の非フラグ間、3枚ベット状態の2BBフラグ間)においては押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、上述のいずれかの「ベル」が表示され、8枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、第1停止操作が正解していれば、残りの停止操作において1/2の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。また、第1停止操作が正解していなければ、残りの停止操作において1/8の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_RB役8枚」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「ベル」が表示され、8枚のメダルが払出される。
「F_RB役1枚」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「1枚役」(より詳細には、「FRU117」〜「FRU120」が追加されている)が表示され、1枚のメダルが払出される。
なお、図10に示す内部抽籤テーブル、図11〜図14に示す図柄組合せテーブル、及び図15に示す内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係はあくまで一例であり、これらに示した態様に限定されるものではない。
例えば、第1の遊技機では、純粋な「はずれ」のとき、「BB01」が表示可能な2ベット状態において、「BB01」を取りこぼして「はずれ」となったとき、「BB02」が表示可能な3ベット状態において、「BB02」を取りこぼして「はずれ」となったとき、2BBフラグ間において3ベット状態であることに起因して「はずれ」となったとき、3BBフラグ間において2ベット状態であることに起因して「はずれ」となったとき、「押し順小役」を取りこぼして「はずれ」となったとき等、様々な状態で「はずれ」が発生することがある。そこで、これらのうち一部又は全部の場合にそれぞれ「はずれ」として表示される図柄の組合せを異ならせるため、これら異なる図柄の組合せを図柄組合せテーブルにおいて予め規定しておき、決定された内部当籤役に応じてこれらも「対応する図柄の組合せ」として表示が許可されるようにすることで、状態等に応じて表示される「はずれ」に係る図柄の組合せを異ならせるようにすることもできる。
[5−4.第1の遊技機のリミット処理構成]
続いて、図16を参照して、第1の遊技機のリミット処理構成について説明する。図16は、第1の遊技機における各リミット処理の一例を説明するための図である。図16に示すように、第1の遊技機では、通常リミット処理(ゲーム数)、通常リミット処理(払出数)、特殊リミット処理(ゲーム数)、特殊リミット処理(払出数)、準リミット処理(ゲーム数)、及び準リミット処理(払出数)の各リミット処理が実行されるようになっている。なお、これは、実行可能なリミット処理の一例であり、これらの各リミット処理以外のリミット処理が実行されるようにすることもできるし、これらの各リミット処理のうち一部のリミット処理は実行されないようにすることもできる。
通常リミット処理(ゲーム数)は、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上となったとき(すなわち、有利区間中の遊技が連続して1500回行われたとき)に実行される。なお、有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから遊技回数の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、有利区間ゲーム数カウンタは、ベット数が2枚及び3枚のいずれの場合にもその計数を行う。また、有利区間ゲーム数カウンタは、2BB状態及び3BB状態においてもその計数を行う。
通常リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)と、演出区間中であるか、増加区間(疑似ボーナス)中であるかにかかわらず、有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、有利区間に関する情報(例えば、演出区間や増加区間に制御するための情報、現在のモードに係る情報、疑似ボーナスの遊技期間に係る情報、天井ゲーム数や天井短縮の有無に係る情報、1G連ストックカウンタの値等の当該有利区間中に得られた各種情報や当該有利区間を制御するために必要であった各種情報)も全てクリア(初期化)される。
通常リミット処理(払出数)は、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上となったとき(すなわち、有利区間中に払出されたメダル数が2400枚を超えたとき)に実行される。なお、有利区間払出数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから払出されたメダル数(ここでは、例えば、「純増数(差枚数)」)の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、有利区間払出数カウンタは、ベット数が2枚及び3枚いずれの場合にもその計数を行う。また、有利区間払出数カウンタは、2BB状態及び3BB状態においてもその計数を行う。また、有利区間払出数カウンタは、例えば、有利区間中に「はずれ」や「取りこぼし」が発生した際、実払出数(例えば、「−2枚」又は「−3枚」等)にしたがって適宜計数する値が減算される。したがって、有利区間が開始してからメダルが増加せず減少していった等の場合には、負の値となることもある(あるいは、負の値となる場合には常に「0」が維持されるように構成することもできる)。すなわち、有利区間払出数カウンタは、有利区間中の払出されたメダル数の最下点から定義された最高点(差枚数:2400枚)までを計数することが可能となっている。
通常リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、演出区間中であるか、増加区間(疑似ボーナス)中であるかにかかわらず、有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
特殊リミット処理(ゲーム数)は、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上となったとき(すなわち、有利区間中の遊技が連続して1445回行われたとき)に実行される。なお、制御用ゲーム数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから遊技回数の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、制御用ゲーム数カウンタは、ベット数が3枚であるときにその計数を行い、ベット数が2枚であるときにはその計数を行わない。また、制御用ゲーム数カウンタは、非ボーナス状態であるときにその計数を行い、2BB状態及び3BB状態であるときにはその計数を行わない。もっとも、制御用ゲーム数カウンタを、有利区間ゲーム数カウンタと同様の構成とすることもできる。
特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)と、疑似ボーナス中であれば(すなわち、増加区間中であれば)、当該疑似ボーナスを途中で強制的に終了させることなく、疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
一方、疑似ボーナス中でなければ(すなわち、演出区間中であれば)、まず、疑似ボーナスに強制的に移行させる。すなわち、疑似ボーナス移行抽籤に当籤しなくとも、この特殊リミット処理(ゲーム数)の実行によって疑似ボーナスに移行させる。そして、移行させた疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
ここで、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)有利区間ゲーム数カウンタの値は「1500」であるのに対し、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)制御用ゲーム数カウンタの値は「1445」である点に着目すると、第1の遊技機では、疑似ボーナス中の最大遊技数(継続可能期間)は「55ゲーム」となっていることから(図5参照)、この差は、疑似ボーナス中の遊技可能期間が考慮されたものとなっている。
すなわち、通常リミット処理(ゲーム数)は、遊技の射幸性が過度に高くなってしまう抑制するため、有利区間において予め定められた規制期間分の遊技が行われた場合に実行されるものであるが、例えば、疑似ボーナスが開始された直後やその途中にこの通常リミット処理(ゲーム数)が実行されてしまうと、遊技者は不信感や喪失感等を抱き、遊技の興趣を低下させてしまう場合がある。そこで、第1の遊技機では、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)を実行することで、疑似ボーナスが途中で終了して遊技者が不信感や喪失感等を抱いてしまうことを防止している。
なお、このような観点からは、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)タイミングは上述のものに限られない。例えば、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間2回あたりの継続可能期間(55ゲーム×2セット=110ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、若干の猶予期間を与えるために、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)+猶予期間(2ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、疑似ボーナスに移行する前に前兆状態を経由する等の仕様の場合であって、この前兆状態の最大遊技数が「4ゲーム」である場合、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)+最大前兆期間(4ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。すなわち、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)タイミングは、通常リミット処理(ゲーム数)が実行されるタイミングよりも前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよく、個別の遊技仕様等に応じて適宜設定可能であるものとする。
特殊リミット処理(払出数)は、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上となったとき(すなわち、有利区間中に払出されたメダル数が2125枚を超えたとき)に実行される。なお、制御用払出数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから払出されたメダル数(ここでは、例えば、「純増数(差枚数)」)の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、制御用払出数カウンタは、ベット数が3枚であるときにその計数を行い、ベット数が2枚であるときにはその計数を行わない。また、制御用払出数カウンタは、非ボーナス状態であるときにその計数を行い、2BB状態及び3BB状態であるときにはその計数を行わない。
また、制御用払出数カウンタは、有利区間中に「はずれ」が発生した際、実払出数(例えば、「−3枚」等)にしたがって適宜計数する値が減算される。もっとも、制御用払出数カウンタは、有利区間中に「取りこぼし」発生した際(少なくとも、メダルの払出数の最大値から差分が発生した際)には、「取りこぼし」(あるいは、差分)が生じなかったものとして、メダルの払出数を計数する。具体的には、例えば、3枚ベットで「押し順ベルA」に当籤した遊技において、打順が適切である場合にはメダルの払出数(最大値)は「8枚」(差枚数としては「+5枚」)となる一方、打順が適切でない場合、押下位置が適切であればメダルの払出数は「1枚」(差枚数としては「−2枚」)となり、押下位置が適切でなければ取りこぼしが発生してメダルの払出数は「0枚」(差枚数としては「−3枚」)となるが、制御用払出数カウンタは、当該遊技においていずれの場合であっても、差枚数「+5枚」を計数する。
また、例えば、2BB状態や3BB状態が作動する等して、有利区間払出数カウンタの値が制御用払出数カウンタの値よりも大きくなった場合には、制御用払出数カウンタの値は、有利区間払出数カウンタの値に補正される。なお、制御用払出数カウンタを、有利区間払出数カウンタと同様の構成とすることもできる。
特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、疑似ボーナス中であれば(すなわち、増加区間中であれば)、当該疑似ボーナスを途中で強制的に終了させることなく、疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
一方、疑似ボーナス中でなければ(すなわち、演出区間中であれば)、まず、疑似ボーナスに強制的に移行させる。すなわち、疑似ボーナス移行抽籤に当籤しなくとも、この特殊リミット処理(払出数)の実行によって疑似ボーナスに移行させる。そして、移行させた疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
ここで、通常リミット処理(払出数)が実行される(作動する)有利区間払出数カウンタの値は「2401」であるのに対し、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)制御用ゲーム数カウンタの値は「2126」である点に着目すると、第1の遊技機では、疑似ボーナス中の最大獲得枚数(付与可能遊技価値量)は「275枚」となっていることから(図5参照)、この差は、疑似ボーナス中の付与可能遊技価値量が考慮されたものとなっている。
すなわち、通常リミット処理(払出数)は、遊技の射幸性が過度に高くなってしまう抑制するため、有利区間において予め定められた規制遊技価値量分の遊技価値が付与された場合に実行されるものであるが、例えば、疑似ボーナスが開始された直後やその途中にこの通常リミット処理(払出数)が実行されてしまうと、遊技者は不信感や喪失感を抱き、遊技の興趣が低下してしまう場合がある。そこで、第1の遊技機では、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間1回あたりの付与可能遊技価値量(275枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(払出数)を実行することで、疑似ボーナスが途中で終了して遊技者が不信感や喪失感を抱いてしまうことを防止している。
なお、このような観点からは、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)タイミングは上述のものに限られない。例えば、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間2回あたりの付与可能遊技価値量(275枚×2セット=550枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(払出数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、若干の猶予期間を与えるために、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間1回あたりの付与可能遊技価値量(275枚)+猶予期間に相当する遊技価値量(8枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。すなわち、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)タイミングは、通常リミット処理(払出数)が実行されるタイミングよりも前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよく、個別の遊技仕様等に応じて適宜設定可能であるものとする。
準リミット処理(ゲーム数)は、制御用ゲーム数カウンタの値に、1G連カウンタの値(天井短縮抽籤に当籤して「天井短縮あり」となっている場合にはさらに「1」を加算する)に「55」(すなわち、疑似ボーナスの継続可能期間)を乗じた値を加算し、加算結果が「1390」以上となったときに実行される。例えば、1G連カウンタの値が「1」であり、「天井短縮あり」となっている場合、後者の値は「55×2=110」となるから、制御用ゲーム数カウンタの値が「1280」となったときに準リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)こととなる。
準リミット処理(払出数)は、制御用払出数カウンタの値に、1G連カウンタの値(天井短縮抽籤に当籤して「天井短縮あり」となっている場合にはさらに「1」を加算する)に「275」(すなわち、疑似ボーナスの付与可能遊技価値量)を乗じた値を加算し、加算結果が「1851」以上となったときに実行される。例えば、1G連カウンタの値が「1」であり、「天井短縮あり」となっている場合、後者の値は「275×2=550」となるから、制御用払出数カウンタの値が「1301」となったときに準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)こととなる。なお、準リミット処理(ゲーム数)と準リミット処理(払出数)とは、ともに同じ内容の規制を行うものであるから、一方の作動条件が成立して作動した後は、もう一方の作動条件が成立したとしても重複して作動する必要ないものとなっている。
準リミット処理(ゲーム数)、又は準備リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、以後の一連の有利区間において、疑似ボーナス中は、上述の1G連抽籤及び天井短縮抽籤が実行されなくなる。すなわち、増加区間における遊技期間の延長が抑制される。なお、増加区間における遊技期間の延長が抑制される手法はこれに限られない。例えば、上述の1G連抽籤において、1G連の当籤確率が通常よりも低くなるようにしてもよいし、上述の天井短縮抽籤において、天井短縮の当籤確率が通常よりも低くなるようにしてもよい。すなわち、上述の1G連抽籤及び天井短縮抽籤そのものは実行されるが、これらの抽籤に当籤しにくくなるようにしてもよい。また、例えば、準リミット処理(ゲーム数)の実行後の演出区間では、疑似ボーナス移行抽籤において当籤となる抽籤値を低くして、疑似ボーナスに移行しにくくしてもよい。あるいは、モード移行抽籤において遊技者に有利なモード移行が決定される抽籤値を低くして、疑似ボーナスが連荘しにくくしてもよい。
また、準リミット処理(ゲーム数)、又は準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、以後の一連の有利区間において、演出区間中は、「確定役」(図7の(a)参照)の当籤時に特殊処理が行われるようになっている。以下、この特殊処理について、「確定役」が「F_確定チェリー」(以下、単に「確定チェリー」として説明する場合がある)である場合を例に挙げて説明する。
準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、演出区間中(増加区間中であってもよい)に「確定チェリー」が当籤すると、疑似ボーナス移行抽籤において「当籤(次回遊技)」が決定される(図7の(c)参照)。また、第1の遊技機では、左リール3Lの「チェリー」図柄が遊技者にとって期待度の高い図柄となっているので、停止操作の情報が報知されない遊技にあっては、遊技者は左第1停止で、かつ「チェリー」図柄を狙って(目安として「BAR」図柄を狙って)して停止操作を行うことが一般的な手順となっている。したがって、一般的な手順で遊技が行われる場合、「確定チェリー」当籤時には、まず、左第1停止で左リール3Lの下段に「チェリー」図柄が停止される。なお、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」が当籤した場合には、左第1停止(「打順1」及び「打順2」)をすべき旨の報知が行われるようにしてもよい。また、「当籤(次回遊技)」は、次回遊技から疑似ボーナスが開始されるものに限られず、次回遊技以降の遊技から疑似ボーナスが開始されるものであってもよい。
ここで、技量のある遊技者は、さらに「弱チェ」であるか「確定チェリー」であるかを判別するために、例えば、中リール3C及び右リール3Rにおいても「BAR」図柄を狙って停止操作を行う。その結果、各リールの中段に「BAR」図柄が揃い、「確定チェリー」に当籤したことが認識できる(例えば、図11中、「REP42」参照)。一方、技量のない遊技者は、例えば、中リール3C及び右リール3Rにおいて「BAR」図柄を狙って停止操作を行わない、あるいは行えないことにより、停止表示態様からは「弱チェ」であるか「確定チェリー」であるかを判別できない場合がある(例えば、図11中、「REP28」参照)。
なお、第1の遊技機では、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」に当籤した場合であって、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合、特別入賞音が出力されるようになっている。また、「確定チェリー」に当籤した場合であって、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せは表示されなかったが、「チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合にも、特別入賞音が出力されるようになっている。なお、特別入賞音の出力は、100%の確率で行われるようにしてもよいし、所定確率(例えば、50%の確率)で行われるようにしてもよい。
いずれにしても、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」に当籤した場合には、次回遊技の開始時において「赤7揃い」演出が行われて疑似ボーナスが開始されることが報知され、疑似ボーナスが開始されることとなる。
一方、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかが作動した後、演出区間中(増加区間中であってもよい)に「確定チェリー」が当籤すると、疑似ボーナス移行抽籤において一旦、「当籤(次回遊技)」は決定されるものの(図7の(c)参照)、特殊処理の実行により、この決定結果が「当籤(今回遊技)」に書き換えられる。そして、今回遊技の開始時において「赤7揃い」演出が行われて疑似ボーナスが開始されることが報知され、疑似ボーナスが開始されることとなる。
このとき、今回遊技においては、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せ(「チェリーリプ」の図柄の組合せを含む)を表示させず、「中段リプ」の図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報の報知(特殊報知)が行われる。例えば、第1の遊技機では、右第1停止(「打順5」及び「打順6」)をすべき旨の特殊報知が行われる(図15参照)。これにより、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないときには、「確定チェリーリプ」表示→次回遊技から疑似ボーナス開始といった遊技の流れであったものが、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかの作動後にあっては、今回遊技から疑似ボーナス開始→特殊報知にしたがって停止操作が行われることにより「中段リプ」表示という遊技の流れに変更される。なお、特殊報知は、メイン(主制御基板71)側の制御によって行われるようにしてもよいし、結果として疑似ボーナスに移行することにかわりなく遊技者が不利益を被らないという観点から、サブ(副制御基板72)側のみの制御によって行われるようにしてもよい。
なお、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかが作動した後、「確定チェリー」に当籤した場合であって、特殊報知が行われたにもかかわらず、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合には、特別入賞音は出力さない。
また、第1の遊技機では、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合、基本的には停止操作の手順が報知されない。このため、停止操作の手順が報知されて「中段リプ」が表示されるのが上述の特殊報知が行われた場合のみであるとすると、このような状態が発生した場合には、いずれかの準リミット処理が作動したことを遊技者に明確に認識されてしまい、その結果遊技の興趣を低下させてしまう可能性もある。したがって、有利区間中においては、いずれかの準リミット処理が作動しているか否かにかかわらず(あるいは、いずれかの準リミット処理の作動後からであってもよい)、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合に、所定確率で特殊報知と同様の報知が行われるようにしてもよい。このようにすれば、特殊報知が行われることに対して遊技者が不自然に感じてしまうこと防止することができる。また、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合に特殊報知と同様の報知が行われるのは、疑似ボーナス移行抽籤に当籤した場合としてもよい。また、この場合、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合の疑似ボーナス移行抽籤では、所定確率で「当籤(今回遊技)」が決定され得るようにしてもよい。
ここまで、通常リミット処理、特殊リミット処理、及び準リミット処理を作動させるため、「ゲーム数」及び「払出数」を用いて有利区間の遊技期間を監視することを例に挙げて説明したが、各リミット処理が実行される条件は上述のものに限られず、適宜変更可能であるものとする。例えば、各リミット処理が実行されるとした、有利区間ゲーム数カウンタの値、有利区間払出数カウンタの値、制御用ゲーム数カウンタの値、制御用払出数カウンタの値、並びに1G連カウンタの値及び天井短縮の有無(すなわち、準リミット処理を作動させるための変数)等は、遊技仕様や市場動向等に応じて適宜変更可能である。
また、有利区間の遊技期間を監視するための手法も上述のものに限られない。例えば、有利区間の遊技期間を監視するために「ナビ回数」を用いるとしたならば、上記と同様に、通常リミット処理(ナビ回数)や特殊リミット処理(ナビ回数)、あるいは準リミット処理(ナビ回数)が実行されるようにすることもできる。すなわち、有利区間の遊技期間を監視するために値を計数可能な要素(パラメータ)であればどのような要素も採用することができ、採用した要素に対して、通常リミット処理が実行される値と、特殊リミット処理が実行される値と、準リミット処理が実行される値と、を規定することで、上述のものと同様に、各リミット処理が実行されるものとすることができる。
上述のとおり、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)及び特定状態(例えば、演出区間)は一連の有利区間として制御され、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間(例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量(例えば、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上)となったときには、この一連の有利区間が強制的に終了されるが、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間よりも短い特定期間(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量よりも少ない特定量(例えば、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上)となったときに、有利状態である場合には、特定状態に移行するときに、一連の有利区間を終了させるようにしている。
すなわち、第1の遊技機では、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)及び特定状態(例えば、演出区間)は一連の有利区間として制御され、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間(例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量(例えば、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上)となったときには、この一連の有利区間が強制的に終了されるが、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間よりも短い特定期間(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量よりも少ない特定量(例えば、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上)となったときに、有利状態でない場合には有利状態に移行させ、移行させた有利状態が終了して特定状態に移行するときに、一連の有利区間を終了させるようにしている。
すなわち、第1の遊技機では、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。また、このようにして一連の有利区間を終了させる際には、有利状態でなければ有利状態に移行させた上で終了させるようにしている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、特定期間又は特定量は、有利状態の継続可能期間(例えば、「55ゲーム」)又は付与可能遊技価値量(例えば、「275枚」)を考慮して設定されているため、遊技者の感情に配慮しつつも、遊技者に付与される遊技価値量が極端に規制されることを防止することができる。
また、第1の遊技機では、有利状態は付与された権利(例えば、「1G連ストック」及び「天井短縮」)によって延長される場合があるが、一連の有利区間における遊技期間が、特定期間よりも短く、付与された権利数に応じて設定された特別期間となったとき(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が準リミット処理(ゲーム数)が実行される値となったとき)、又は一連の有利区間において付与された遊技価値量が、特定量よりも少なく、付与された権利数に応じて設定された特別量となったとき(例えば、制御用払出数カウンタの値が準リミット処理(払出数)が実行される値となったとき)には、以後の一連の有利区間において権利の付与が抑制されるようになっている。これにより、例えば、遊技者が消費しきれないほどの権利が付与され、このような状態で一連の有利区間が強制的に終了される結果、遊技者が不信感や喪失感等を抱いてしまうことを防止できるので、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、上述の「特定量」や「特別量」を計数する上では、例えば、遊技者の操作ミスや指示の無視等に起因して、本来付与されるはずであった遊技価値量と実際に付与された遊技価値量との間で差分が生じた場合であっても、この差分を考慮せず、本来付与されるはずであった遊技価値量を基準として計数が行われるようになっている。これにより、このような遊技者の行為によって一連の有利区間が必要以上に延長されてしまうことや、このような行為を行った遊技者と行っていない遊技者との間で不公平が生じてしまうことを防止することができるので、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、権利の付与が抑制されている状態(例えば、準リミット処理作動後の状態)において有利状態への移行が確定する確定役(例えば、「確定チェリー」)に当籤したときには、この確定役の当籤が明確に認識できる特別図柄の組合せ(例えば、「確定チェリーリプ」)を表示させないための特殊報知が行われるようになっている。これにより、例えば、確定役の当籤が無駄な当籤であった等といった感情を遊技者が抱いてしまうことを防止できる。すなわち、権利の付与が抑制されている状態では有利状態が開始された契機を遊技者に明確に認識させないようにすることで、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。なお、特殊報知を行うのはいずれの演出実行手段を用いてもよい。
また、第1の遊技機では、特殊報知が行われる場合、本来次回遊技から開始されるはずであった有利状態を、今回遊技から開始するようにしている。これにより、遊技者に自然な流れで特殊報知にしたがった停止操作を行わせることができるので、このような特殊報知を行う場合であっても、遊技者が違和感等を抱いてしまうことを防止できる。
また、第1の遊技機では、権利の付与が抑制されていない状態で、確定役に当籤して特別図柄の組合せが表示された場合には特別報知(例えば、特別入賞音の出力)を行うことを可能とする一方、権利の付与が抑制されている状態で、確定役に当籤して特別図柄の組合せが表示された場合には特別報知を行うことを可能としないようになっている。これにより、例えば、確定役の当籤が無駄な当籤であった等といった感情を遊技者が抱いてしまうことを防止できる。すなわち、権利の付与が抑制されている状態では有利状態が開始された契機を遊技者に明確に認識させないようにすることで、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。なお、特別報知を行うのはいずれの演出実行手段を用いてもよい。
また、第1の遊技機では、確定役に当籤したか否か、特別図柄の組合せが表示されたか否か、及び特殊報知が行われたか否かに応じて、特別報知を行うか否かを決定するようにしている。これにより、特別報知が行われる状況をより適切に管理することができる。
また、第1の遊技機では、有利区間ゲーム数カウンタ及び有利区間払出数カウンタは、ベットされた遊技価値量にかかわらず計数を行う結果、3枚ベット状態のみならず2枚ベット状態においても、通常リミット処理(ゲーム数)及び通常リミット処理(払出数)が実行されることを可能としている。
また、第1の遊技機では、制御用ゲーム数カウンタ及び制御用払出数カウンタは、3枚ベット状態では計数を行うが、2枚ベット状態では計数を行わない。したがって、3枚ベット状態では、特殊リミット処理(ゲーム数)及び特殊リミット処理(払出数)が実行されることを可能としているが、2枚ベット状態では、特殊リミット処理(ゲーム数)及び特殊リミット処理(払出数)が実行されることを可能としていない。したがって、2枚ベット状態では、通常リミット処理(ゲーム数)又は通常リミット処理(払出数)の実行によって、疑似ボーナス中であっても一連の有利区間が強制的に終了してしまう場合がある。
なお、第1の遊技機では、3枚ベット状態と2枚ベット状態とでは、例えば、小役の当籤確率、及びメダルの払出数が異なる結果(図10〜図15参照)、3枚ベット状態で遊技を行う場合よりも2枚ベット状態で遊技を行う場合のほうが、遊技者に不利となっている。もっとも、このように、2枚ベット状態で遊技を行う場合のほうが遊技者に不利となる手法はこれに限られない。例えば、疑似ボーナス中に2枚ベット状態で遊技が行われた場合には、停止操作の手順が報知されないようすることで、遊技者に不利となるように構成してもよい。
このように、第1の遊技機では、第1の量(例えば、「3枚」)の遊技価値がベットされて遊技が行われた場合には、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。一方、第2の量(例えば、「2枚」)の遊技価値がベットされて遊技が行われた場合には、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了される場合があることから、これによって遊技者に企図された遊技方法で遊技を行わなかったことを気付かせることができるので、遊技者に対して企図された遊技方法で遊技を行うことを促すことができる。
なお、一連の有利区間において、第1の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる場合よりも、第2の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる場合のほうが、遊技者にとって不利となっているので、このような注意喚起を可能にすることで、遊技者により有利な状態で遊技を行うべきであることも促すことができ、遊技者が企図しない遊技方法で遊技を行うことに起因して遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
[5−5.第1の遊技機の格納領域構成]
続いて、図17〜図22を参照して、第1の遊技機の格納領域構成について説明する。図17は、第1の遊技機の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域の一例を示す図である。また、図18は、第1の遊技機の持越役格納領域の一例を示す図である。また、図19は、第1の遊技機の遊技状態フラグ格納領域の一例を示す図である。また、図20は、第1の遊技機のモードフラグ格納領域の一例を示す図である。また、図21は、第1の遊技機の作動ストップボタン格納領域の一例を示す図である。また、図22は、第1の遊技機の押下順序格納領域の一例を示す図である。
(当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域)
まず、図17を参照して、当籤フラグ格納領域(内部当籤役格納領域)、入賞作動フラグ格納領域(表示役格納領域)、及び図柄コード格納領域の構成について説明する。なお、第1の遊技機では、当籤フラグ格納領域と、入賞作動フラグ格納領域と、図柄コード格納領域とが同じデータ構成となっている。
上述の各格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される格納領域1〜26で構成される。なお、各格納領域に格納されるデータは、図17中の「データ」欄の1バイトデータのみであるが、図17では、説明の便宜上、各格納領域のビットに対応付けられた図柄組合せを示す「コンビネーション」(図17中では、リール3Lの図柄、リール3Cの図柄及びリール3Rの図柄の順で記載)及びその内容(図11〜図14参照)も併せて記載する。
当籤フラグ格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、内部当籤役に対応する図柄の組合せの種類(すなわち、今回の遊技において表示されることが許可された図柄の組合せの種類)を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において2BBに当籤した場合(持越されている場合)、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
入賞作動フラグ格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、表示役に対応する図柄の組合せの種類(すなわち、今回の遊技において有効ライン上に表示された図柄の組合せの種類)を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において2BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
図柄コード格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、少なくともいずれかのリールの回転中において、今回の遊技において未だ有効ライン上に表示可能となっている図柄の組合せの種類を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において少なくともいずれかのリールが回転しているときに、2BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示され得るものとなっている場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
(持越役格納領域)
続いて、図18を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。持越役格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。
内部抽籤処理の結果、「F_2BB」(2BB)又は「F_3BB」(3BB)のボーナス役が内部当籤役として決定されたときには、これらのボーナス役は、持越役として持越役格納領域に格納される(対応するビットに「1」が格納される)。持越役格納領域に格納された持越役は、対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまでクリアされずに保持される。また、持越役格納領域に持越役が格納されている間、内部抽籤処理によって決定された内部当籤役(小役・リプレイ役)に加えて、持越役(ボーナス役)が当籤フラグ格納領域に格納される。
(遊技状態フラグ格納領域)
続いて、図19を参照して、遊技状態フラグ格納領域の構成について説明する。遊技状態フラグ格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。例えば、現在の遊技状態が2BB状態である場合、格納領域のビット0に「1」が格納される。
なお、第1の遊技機では、RT状態が設けられていないので、図19に示す遊技状態フラグ格納領域にはRT状態の種類を示す領域は設けられていないが、例えば、RT状態が設けられている場合には、現在のRT状態に対応する格納領域のビットに「1」が格納される。なお、第1の遊技機では、有利区間中の遊技状態(モード)の種類を示すデータを別途後述のモードフラグ格納領域に格納するものとしているが、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。また、非有利区間及び有利区間の遊技区間についても同様である。図示しない有利区間フラグ格納領域を設けて管理することもできるし、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。また、AT状態やART状態等の遊技状態についても同様である。図示しないAT状態(ART状態)フラグ格納領域を設けて管理することもできるし、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。
(モードフラグ格納領域)
続いて、図20を参照して、モードフラグ格納領域の構成について説明する。モードフラグ格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される格納領域1及び格納領域2で構成される。例えば、現在のモードがスタートモードである場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。また、例えば、現在のモードが天国Aモードである場合、格納領域2のビット0に「1」が格納される。なお、第1の遊技機では、疑似ボーナス状態もモードの1つとして管理している。
(作動ストップボタン格納領域)
次に、図21を参照して、作動ストップボタン格納領域の構成について説明する。作動ストップボタン格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。なお、作動ストップボタン格納領域のビット0〜2は、すでに操作されたストップボタンの種類(停止したリールの種類)を示すデータを格納し、ビット4〜6は、未だ操作されていないストップボタンの種類(回転中のリールの種類)を示すデータを格納する。
例えば、ストップボタン8Lが今回押されたストップボタン、すなわち、作動ストップボタンである場合には、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納される。また、例えば、ストップボタン8Lが未だ押されていないストップボタン、すなわち、有効ストップボタンである場合には、ビット4に「1」が格納される。メインCPU101は、作動ストップボタン格納領域に格納されているデータに基づいて、今回押されたストップボタンと未だ押されていないストップボタンとを識別する。
(押下順序格納領域)
次に、図22を参照して、押下順序格納領域の構成について説明する。押下順序格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。なお、押下順序は、ストップボタンが押された順序、すなわち、押し順(打順)を示すものである。
例えば、全てのリールが回転中であるときには、押下順序格納領域のビット0〜5に「1」が格納される。次いで、ストップボタン8Lが押されたときには(「左」第1停止であるから)、ビット0及び1には「1」が格納されたままとなるが、ビット2〜5には「0」が格納されるようになる。次いで、ストップボタン8Cが押されたときには(「左」第1停止、「中」第2停止であることから)、ビット0には「1」が格納されたままとなるが、ビット1には「0」が格納されるようになる。メインCPU101は、押下順序格納領域に格納されているデータに基づいて、今回の遊技の押し順を識別する。
[6.主制御回路による処理]
続いて、図23〜図32を参照して、主制御回路100のメインCPU101が各プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。なお、以下に示す各種処理の説明では、第1の遊技機の仕様を用いてその処理内容の一具体例を説明する場合があるが、以下に示す各種処理の処理内容はこれに限定されるものではない。
[6−1.メイン処理]
まず、図23を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行されるメイン処理(主要動作処理)について説明する。なお、図23は、メイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。また、図23においては、メイン処理の開始に先立って実行される電源投入時処理についても併せて示している。
まず、メインCPU101は、パチスロ機1に電力が供給されると(電源が投入されると)、電源投入時処理を行う(S1)。この処理では、電源投入時に必要な各種処理を行う。なお、電源投入時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この処理では、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでの指定格納領域は、例えば、当籤フラグ格納領域や入賞作動フラグ格納領域等の1回の単位遊技(ゲーム)ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU101は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、例えば、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、及びスタートスイッチ7S等の入力状態をチェックし、遊技開始時に必要な各種処理を行う。なお、メダル受付・スタートチェック処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、乱数値取得処理を行う(S4)。この処理では、内部抽籤用乱数値(例えば、0〜65535の範囲)や遊技性に関する各種抽籤で用いられる演出用乱数値(その他抽籤用乱数値)(例えば、0〜65535の範囲、あるいは0〜255の範囲)等を抽出し、抽出した各種乱数値をメインRAM103に設けられた乱数値格納領域(不図示)に格納する。なお、各種乱数値の取得態様は上述のものに限られない。それぞれ予め定められた数値範囲(例えば、0〜65535の範囲、0〜32767の範囲、0〜255の範囲、あるいは0〜127の範囲等)から必要な個数の乱数値を適宜取得することができる。
続いて、メインCPU101は、内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、現在の遊技状態等に応じた内部抽籤テーブルや内部抽籤用乱数値に基づいて内部当籤役を決定するために必要な各種処理を行う。なお、内部抽籤処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、遊技開始時状態制御処理を行う(S6)。この処理では、各種遊技状態について、遊技を開始するときに、(例えば、決定された内部当籤役等に基づいて)移行条件が成立する場合には成立した移行条件にしたがって遊技状態を移行させるため、あるいは現在の遊技状態の遊技期間を管理するために必要な各種処理を行う。なお、遊技開始時状態制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、スタートコマンド生成格納処理を行う(S7)。この処理では、副制御回路200に送信するスタートコマンドのデータを生成し、生成したデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域(不図示)に格納する。なお、通信データ格納領域に格納されたデータは、後述の通信データ送信処理(図32のS204参照)において主制御回路100から副制御回路200に送信される。また、その他のコマンドのデータの生成、格納、及び送信手法も基本的に同様である。
続いて、メインCPU101は、遊技開始時メイン側演出制御処理を行う(S8)。この処理では、遊技を開始するときに、主制御回路100側(メイン側)の制御による各種演出を行う場合、当該演出を行うために必要な各種処理を行う。例えば、遊技開始時にロック演出が行われる場合には当該ロック演出の実行を制御する。また、これが疑似遊技を含むものであれば当該疑似遊技の進行(あるいは疑似遊技に関する報知)を制御する。また、例えば、AT状態であって指示モニタによって停止操作の情報を報知する場合にはその報知態様を制御する。また、詳細は省略するが、ロック演出が行われる場合には、この処理においてロックコマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、リール停止初期設定処理を行う(S9)。この処理では、内部当籤役や遊技状態等に基づいて、今回の遊技で使用する停止テーブルの種類や引込優先順位テーブルの種類等の停止制御に必要な各種情報を設定する。
続いて、メインCPU101は、リール回転開始処理を行う(S10)。この処理では、全てのリールの回転開始を要求する。そして、全てのリールの回転開始が要求されると、後述のリール制御処理(図32のS203参照)により、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動が制御され、各リール3L,3C,3Rの回転が開始される。回転を開始した各リールは、その回転速度が一定速度に達するまで加速制御され、その後、当該一定速度が維持される。また、詳細は省略するが、この処理においてはリール回転開始コマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S11)。この処理では、回転中のリール(この場合は全てのリール)の各図柄(図柄位置)に対して、設定された内部当籤役と設定された引込優先順位テーブルとを参照して引込優先順位を示すデータを取得し、引込優先順位データ格納領域(不図示)に格納する。なお、図示は省略するが、この処理に先立って後述の図柄コード格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、リール停止制御処理を行う(S12)。この処理では、決定された内部当籤役(あるいはこれに応じて設定された各種停止制御に係る情報)と各ストップボタン8L,8C,8Rの停止操作態様と基づいて該当するリールの回転を停止させるために必要な各種処理を行う。なお、リール停止制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、入賞作動判定処理を行う(S13)。この処理では、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されたいずれかの図柄の組合せであるか否かを判定する。例えば、入賞作動フラグ格納領域において「1」が格納されているビットがあるか否かを判定する。また、詳細は省略するが、この処理においては入賞作動コマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、メダル払出・再遊技作動処理を行う(S14)。この処理では、上述の入賞作動判定処理において判定された図柄の組合せが、小役に係る図柄の組合せであればこれに対応するメダル数を払出し、リプレイ役に係る図柄の組合せであれば次回の遊技において再遊技を作動させるために必要な各種処理を行う。なお、例えば、上述の入賞作動判定処理において判定された図柄の組合せがリプレイ役に係る図柄の組合せである場合には、今回の遊技におけるベット数と同数の値を後述の自動投入メダルカウンタにセットする処理を行う。また、この処理では、払出すメダル数に応じたメダル払出信号を外部集中端子板55から出力する。
続いて、メインCPU101は、遊技終了時状態制御処理を行う(S15)。この処理では、各種遊技状態について、遊技が終了するときに、(例えば、表示された図柄の組合せ等に基づいて)移行条件が成立する場合には成立した移行条件にしたがって遊技状態を移行させるため、あるいは現在の遊技状態の遊技期間を管理するために必要な各種処理を行う。なお、遊技終了時状態制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、遊技終了時メイン側演出制御処理を行う(S16)。この処理では、遊技が終了するときに、主制御回路100側(メイン側)の制御による各種演出を行う場合、当該演出を行うために必要な各種処理を行う。例えば、遊技終了時にロック演出が行われる場合には当該ロック演出の実行を制御する。また、これが疑似遊技を含むものであれば当該疑似遊技の進行(あるいは疑似遊技に関する報知)を制御する。また、詳細は省略するが、ロック演出が行われる場合には、この処理においてロックコマンド生成格納処理が行われる。
このように、パチスロ機1では、上述のS2〜S16の処理が行われることで1回の単位遊技が制御され、また、これらの処理が繰り返されることで遊技の進行が制御される。なお、必要に応じてこれらの処理以外の処理が適宜行われるように構成することもできるし、これらの処理のうち一部の処理については行われないように構成することもできる。すなわち、上述の各種処理はあくまで一例である。
(電源投入時処理)
続いて、図24を参照して、上述のメイン処理のS1において行われる電源投入時処理について説明する。なお、図24は、電源投入時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、図示しない電源投入時の初期化処理を行った後、メインRAM103の書込みテストを行い、当該テストの結果、メインRAM103への書込みが正常に行われたか否かを判定する(S21)。すなわち、メインCPU101は、メインRAM103に異常が発生していないか否かを判定する。
メインCPU101は、メインRAM103への書込みが正常に行われたと判定した場合(S21がYES)、設定用鍵型スイッチ52がオン状態であるか否かを判定する(S22)。すなわち、メインCPU101は、設定変更が可能な状態であるか否かを判定する。
メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオン状態であると判定した場合(S22がYES)、設定変更時の初期化処理を行う(S23)。この処理では、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでの指定格納領域は、例えば、持越役格納領域、遊技状態フラグ格納領域やモードフラグ格納領域等の設定変更時にデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU101は、初期化コマンド生成格納処理を行う(S24)。この処理では、副制御回路200に送信する設定変更処理が開始されたことを示す初期化コマンドのデータを生成し、生成したデータを通信データ格納領域に格納する。
続いて、メインCPU101は、設定変更処理を行う(S25)。この処理では、上述の設定値決定操作や設定値確定操作を受付けることにより、メインRAM103が初期化された後、新たな設定値がメインRAM103の設定値格納領域(不図示)に設定(格納)される。続いて、メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となったか否かを判定する(S26)。すなわち、メインCPU101は、新たに設定値が設定された後、設定変更が可能な状態が終了したか否かを判定する。
メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となっていないと判定した場合(S26がNO)、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となるまで処理を待機する。一方、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となったと判定した場合(S26がYES)、初期化コマンド生成格納処理を行う(S27)。この処理では、副制御回路200に送信する設定変更処理が終了したことを示す初期化コマンドのデータを生成し、生成したデータを通信データ格納領域に格納する。そして、メインCPU101は、この処理の後、電源投入時処理を終了する。
メインCPU101は、S22において、設定用鍵型スイッチ52がオン状態でないと判定した場合(S22がNO)、バックアップデータが正常であるか否かを判定する(S28)。すなわち、メインCPU101は、パチスロ機1への電力の供給が断たれたとき(電断時)にバックアップされた各種情報が正常であるか否かを判定する。
メインCPU101は、バックアップデータが正常であると判定した場合(S28がYES)、遊技復帰処理を行う(S29)。この処理では、パチスロ機1を電断前の状態に復帰させる処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、電源投入時処理を終了する。
メインCPU101は、S21において、メインRAM103への書込みが正常に行わなかったと判定した場合(S21がNO)、及びS28において、バックアップデータが正常でないと判定した場合(S28がNO)、電源投入時エラー処理を行う(S30)。なお、この電源投入時エラー処理によって発生したエラーは、上述のリセット操作によっては解消されず、新たに設定値が設定されたことに応じて解消するものとなっている。したがって、メインCPU101は、電源投入時エラー処理の後、一度パチスロ機1の電源がオフとなり、その後、新たに設定値が設定されるまで(上述のS22〜S26の処理が行われるまで)通常の処理(図23のS2以降)に移行しない。
(メダル受付・スタートチェック処理)
続いて、図25を参照して、上述のメイン処理のS3において行われるメダル受付・スタートチェック処理について説明する。なお、図25は、メダル受付・スタートチェック処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S41)。すなわち、メインCPU101は、前回の単位遊技でリプレイ役に入賞したか(再遊技が作動したか)否かを判定する。
メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S41がNO)、自動投入処理を行う(S42)。この処理では、前回の単位遊技で投入されたメダルと同数のメダルが自動投入される。また、詳細は省略するが、自動投入が行われる場合には、この処理においてメダル投入コマンド生成格納処理が行われる。また、この処理では、メダル投入信号を外部集中端子板55から出力する。
メインCPU101は、S41において、自動投入メダルカウンタの値が「0」であると判定した場合(S41がYES)、及びS42の処理の後、メダル補助収納庫スイッチチェック処理を行う(S43)。この処理では、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっているか(すなわち、メダル補助収納庫33に一定数以上のメダルが収納されているか)否かを判定し、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっていると判定した場合にはメダル補助収納庫エラーを発生させる。この場合、当該エラーが解消されるまで処理が待機される。また、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっていないと判定した場合には、この処理を終了する。
続いて、メインCPU101は、メダル投入状態チェック処理を行う(S44)。この処理では、現在のベット数やクレジット数のチェックを行うとともに、メダルの受付が禁止されているか、あるいはセレクタエラーが発生しているか等も判定し、メダルの受付が可能であれば、メダルの受付が可能な状態(ベット操作を受付可能な状態)とする(メダルの受付を許可する)。なお、セレクタエラーが発生している場合には、当該エラーが解消されるまで処理が待機される。
続いて、メインCPU101は、メダルの受付が可能な状態であるか否かを判定する(S45)。メインCPU101は、メダルの受付が可能な状態であると判定した場合(S45がYES)、メダル投入チェック処理を行う(S46)。この処理では、メダルセンサ31Sの検出結果やベットスイッチ6Sの検出結果に基づいてベット数やクレジット数を更新する。また、詳細は省略するが、ベット操作が行われた場合には、この処理においてメダル投入コマンド生成格納処理が行われる。また、この処理では、メダル投入信号を外部集中端子板55から出力する。
続いて、メインCPU101は、メダルの投入又はクレジットが可能な状態であるか否かを判定する(S47)。すなわち、メインCPU101は、ベット数が「3」枚であって、かつクレジット数も「50」枚となっていないか否かを判定する。メインCPU101は、メダルの投入又はクレジットが可能な状態でない(すなわち、ベット数が「3」枚であって、かつクレジット数も「50」枚となっている)と判定した場合(S49がNO)、メダルの受付を禁止する(S48)。すなわち、メインCPU101は、メダルの受付が可能でない状態(ベット操作を受付可能としない状態)とする。
メインCPU101は、S45において、メダルの受付が可能な状態でないと判定した場合(S45がNO)、S47において、メダルの投入又はクレジットが可能な状態であると判定した場合(S47がYES)、及びS48の処理の後、投入枚数が遊技開始可能枚数であるか否かを判定する(S49)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、現在のベット数が「2」又は「3」枚であるか否かが判定される。
メインCPU101は、投入枚数が遊技開始可能枚数であると判定した場合(S49がYES)、スタートスイッチ7Sがオン状態となったか否かを判定する(S50)。すなわち、メインCPU101は、遊技者によって開始操作が行われたか否かを判定する。
メインCPU101は、スタートスイッチ7Sがオン状態となったと判定した場合(S50がYES)、メダルの受付を禁止する(S51)。そして、メインCPU101は、この処理の後、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
メインCPU101は、S49において、投入枚数が遊技開始可能枚数でないと判定した場合(S49がNO)、及びS50において、スタートスイッチ7Sがオン状態となっていないと判定した場合(S50がNO)、処理をS44に戻す。
(内部抽籤処理)
続いて、図26を参照して、上述のメイン処理のS5において行われる内部抽籤処理について説明する。なお、図26は、内部抽籤処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、設定値・メダル投入枚数チェック処理を行う(S61)。この処理では、今回の単位遊技における設定値及びベット数のチェックを行う。続いて、メインCPU101は、設定値、ベット数及び遊技状態等に応じた内部抽籤テーブルをセットする(S62)。続いて、メインCPU101は、乱数値格納領域から内部抽籤用乱数値を取得する(S63)。すなわち、メインCPU101は、上述のメイン処理のS4で取得した内部抽籤用乱数値のデータを取得する。なお、この処理において、設定値が「1」〜「6」以外又はベット数が「1」〜「3」以外であると判定された場合には、メインCPU101は、重篤なエラーが発生したと判断し、上述の電源投入時エラー処理(図24のS30参照)を実行する。
続いて、メインCPU101は、内部当籤役決定処理を行う(S64)。この処理では、取得した内部抽籤用乱数値を、セットされた内部抽籤テーブルに規定された各内部当籤役の抽籤値を用いて順次更新(例えば、加算更新)し、更新結果が所定結果となったか(例えば、オーバーフローしたか)否かを判定する。所定結果となった場合にはその内部当籤役を今回の単位遊技の内部当籤役として決定する。なお、全ての内部当籤役について判定しても所定結果とならなかった場合には、今回の単位遊技の結果は「はずれ」となる(内部当籤役として「はずれ」が決定される)。
続いて、メインCPU101は、内部当籤役が決定されたか否かを判定する(S65)。メインCPU101は、内部当籤役が決定されなかったと判定した場合(S65がNO)、処理をS64に戻す。すなわち、メインCPU101は、判定対象となる内部当籤役を順次更新し(内部抽籤用乱数値も順次更新し)、全ての内部当籤役について判定が行われるまで(あるいは、その中途で内部当籤役が決定されるまで)S64の処理を繰り返す。
メインCPU101は、内部当籤役が決定されたと判定した場合(S65がYES)、決定された内部当籤役が持越非対象役であるか(すなわち、持越役であるボーナス役でなく、小役又はリプレイ役であるか)否かを判定する(S66)。メインCPU101は、決定された内部当籤役が持越非対象役であると判定した場合(S66がYES)、当籤フラグ格納領域を更新する(S67)。この処理では、S64の処理で決定された内部当籤役に基づいて当籤フラグ格納領域のデータを更新する。すなわち、メインCPU101は、当籤フラグ格納領域において、決定された内部当籤役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S66において、決定された内部当籤役が持越非対象役でないと判定した場合(S66がNO)、及びS67の処理の後、決定された内部当籤役が持越対象役であるか(すなわち、持越役であるボーナス役であるか)否かを判定する(S68)。
メインCPU101は、決定された内部当籤役が持越対象役であると判定した場合(S68がYES)、持越役格納領域のデータが「0」であるか否かを判定する(S69)。すなわち、メインCPU101は、未だいずれのボーナス役も持越されていないか否かを判定する。メインCPU101は、持越役格納領域のデータが「0」であると判定した場合(S69がYES)、持越役格納領域を更新する(S70)。この処理では、S64の処理で決定された内部当籤役に基づいて持越役格納領域のデータを更新する。すなわち、メインCPU101は、持越役格納領域において、決定された内部当籤役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S68において、決定された内部当籤役が持越対象役でないと判定した場合(S68がNO)、S69において、持越役格納領域のデータが「0」でないと判定した場合(S69がNO)、及びS70の処理の後、再度、持越役格納領域のデータが「0」であるか否かを判定する(S71)。
メインCPU101は、持越役格納領域のデータが「0」でないと判定した場合(S71がNO)、当籤フラグ格納領域を更新する(S72)。この処理では、持越役格納領域に格納されているデータを当籤フラグ格納領域のデータに反映させる。すなわち、メインCPU101は、ボーナス役が持越されている(あるいは今回の単位遊技で当籤した)場合、当籤フラグ格納領域において、当該ボーナス役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S71において、持越役格納領域のデータが「0」であると判定した場合(S71がYES)、及びS72の処理の後、サブフラグ等設定処理を行う(S73)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、内部当籤役に基づいて非有利区間サブフラグや有利区間当籤時サブフラグが設定される。なお、この処理では、例えば、AT状態であるとき、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報等が設定されるようにしてもよい。そして、メインCPU101は、この処理の後、内部抽籤処理を終了する。
(遊技開始時状態制御処理)
続いて、図27を参照して、上述のメイン処理のS6において行われる遊技開始時状態制御処理について説明する。なお、図27は、遊技開始時状態制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、遊技状態移行条件成立チェック処理を行う(S81)。この処理では、遊技を開始するときに、いずれかの遊技状態からいずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かのチェックを行う。例えば、所定のボーナス役に当籤したことに基づいて所定のRT状態としてのフラグ間に移行させる場合、この処理において所定のボーナス役に当籤したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、フラグ間はRT状態として(すなわち、遊技状態フラグ格納領域に格納される遊技状態として)構成されていないため、ここでのチェックは不要となる。また、例えば、特定の移行条件の成立から特定の遊技数の遊技を行ったことにより開始又は終了する特定のRT状態がある場合、この処理においてこの特定の遊技数を管理することもできる。
続いて、メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かを判定する(S82)。メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したと判定した場合(S82がYES)、遊技状態フラグ格納領域を更新する(S83)。すなわち、メインCPU101は、成立した移行条件にしたがって遊技状態をセットする。続いて、メインCPU101は、セットされた遊技状態に応じた設定処理を行う(S84)。この処理では、遊技状態が移行したことに応じて、例えば、当該遊技状態の遊技期間を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。
メインCPU101は、S82において、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立していないと判定した場合(S82がNO)、及びS84の処理の後、現在の遊技区間が非有利区間であるか否かを判定する(S85)。メインCPU101は、現在の遊技区間が非有利区間であると判定した場合(S85がYES)、有利区間開始条件成立チェック処理を行う(S86)。この処理では、遊技を開始するときに、非有利区間から有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の開始条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述の有利区間移行抽籤を行い、この抽籤結果が有利区間を開始させるものであるか否かがチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したか否かを判定する(S87)。メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立していないと判定した場合(S87がNO)、遊技開始時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したと判定した場合(S87がYES)、有利区間開始時の設定処理を行う(S88)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を開始させる(セットする)。この処理では、有利区間が開始したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)のカウントを開始する(すなわち、一連の有利区間の遊技期間の監視を開始する)等の設定処理を適宜行う。
続いて、メインCPU101は、モードフラグ格納領域を更新する(S89)。すなわち、メインCPU101は、開始された有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述の有利区間移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S90)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、セットされた移行先モードにしたがい、疑似ボーナスに移行する場合にはその遊技期間として「55ゲーム」が設定され、終了モードに移行する場合にはその遊技期間として「32ゲーム」が設定され、それ以外のモードに移行する場合にはそれぞれに対応する天井ゲーム数が設定される。また、各種抽籤(図7及び図8等参照)における抽籤値(抽籤テーブル)が設定される。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技開始時状態制御処理を終了する。
メインCPU101は、S85において、現在の遊技区間が非有利区間でない(すなわち、有利区間である)と判定した場合(S85がNO)、有利区間中遊技開始時処理を行う(S91)。なお、有利区間中遊技開始時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、有利区間終了条件成立チェック処理を行う(S92)。この処理では、遊技を開始するときに、有利区間から非有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の終了条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間中のゲーム数に基づいて各種リミット処理の作動条件を満たしたか(図16参照)、あるいは現在のモードが終了モードである場合において32ゲームが経過したか等がチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する(S93)。メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したと判定した場合(S93がYES)、有利区間終了時の初期化処理を行う(S94)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を終了させて非有利区間をセットする。この処理では、有利区間が終了したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中のモード(遊技状態)、及び当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)等に関する情報(すなわち、有利区間に関する情報)を全てクリアする初期化処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技開始時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立していないと判定した場合(S93がNO)、遊技開始時状態制御処理を終了する。
(有利区間中遊技開始時処理)
続いて、図28を参照して、上述の遊技開始時状態制御処理のS91において行われる有利区間中遊技開始時処理について説明する。なお、図28は、有利区間中遊技開始時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、各種カウンタ更新処理(遊技開始時)を行う(S101)。この処理では、例えば、有利区間中のゲーム数に基づいて各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中の各種モード(遊技状態)等の遊技期間を管理する各種カウンタ、あるいはその他有利度合いを管理する各種カウンタを所定の更新条件(例えば、1ゲームにつき1ずつ減算(加算)する等)にしたがって更新する。
続いて、メインCPU101は、特定モード(AT状態)中であるか否かを判定する(S102)。メインCPU101は、特定モード中であると判定した場合(S102がYES)、AT期間管理処理(遊技開始時)を行う(S103)。この処理では、例えば、遊技開始時において、AT状態の遊技期間の延長(例えば、ゲーム数延長やセット数上乗せ等)を可能とする場合に、このような延長の実行条件が成立するか否かを判定したり、この判定結果に基づいて当該遊技期間を延長したりする等の処理を行う(仮に、AT状態の遊技期間短縮を可能とする場合には当該短縮に関する処理を行う)。また、この処理では、延長されるか否かにかかわらずAT状態の遊技期間を管理してもよいし、AT状態の遊技期間は上述のS101の処理において管理し、この処理では延長に関する処理のみが行われるようにしてもよい。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づいて上述の1G連抽籤が行われ、1G連抽籤が行われ、この抽籤結果にしたがって疑似ボーナスを延長させるための処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、ナビ設定処理を行う(S104)。この処理では、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報やスタートコマンドに含ませる停止操作の情報に対応する情報等を設定する。なお、この処理では、ナビを発生させるか否かを決定可能としてもよい。すなわち、AT状態において報知対象役が当籤した場合に、必ずしもナビが発生しない場合があってもよく、この処理においてナビ発生の可否を所定条件(例えば、報知対象役の種類や予め定められたナビ発生確率)にしたがって決定するようにしてもよい。
メインCPU101は、S102において、特定モード中でないと判定した場合(S102がNO)、及びS104の後、モード移行条件が成立したか否かを判定する(S105)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって移行先モードが決定されたか否かを判定する。
メインCPU101は、モード移行条件が成立したと判定した場合(S105がYES)、モードフラグ格納領域を更新する(S106)。すなわち、メインCPU101は、移行した有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S107)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述のS90の処理と同様の処理が行われる。そして、メインCPU101は、この処理の後、有利区間中遊技開始時処理を終了する。また、メインCPU101は、モード移行条件が成立していないと判定した場合(S105がNO)、有利区間中遊技開始時処理を終了する。
なお、図27に示す遊技開始時状態制御処理と図30に示す遊技終了時状態制御処理、及び図28に示す有利区間中遊技開始時処理と図31に示す有利区間中遊技終了時処理は、基本的にほとんど同様の処理構成となっている。これは、遊技を開始するとき、又は遊技が終了するときのいずれで処理を行ってもよいもの(例えば、遊技状態やモードの移行等、決定された内部当籤役を参照する処理であるが、処理結果が今回の遊技が終了するまで(あるいは、次回の遊技が開始されるまで)に反映されればよい処理等)については、いずれか一方で行われればよいことを意味し、双方で同様の処理が重複して行われることを意味するものではない。したがって、このような処理については、遊技を開始するとき、又は遊技が終了するときのいずれで行われるようにしてもよい。
これに対し、遊技を開始するときに処理が行われる必要があるもの(例えば、上述のナビ設定処理等)については、遊技を開始するときに行われるものとし、また、遊技が終了するときに処理が行われる必要があるもの(例えば、表示された図柄の組合せを参照する処理等)については、遊技が終了するときに行われるものとすればよい。また、例えば、遊技開始後であって遊技終了前の所定時期に処理が行われる必要があるもの、あるいは処理を行ったほうがよいもの(例えば、第1停止操作の停止操作態様を参照する処理等)については、そのときに行われるものとすればよい。
(リール停止制御処理)
続いて、図29を参照して、上述のメイン処理のS12において行われるリール停止制御処理について説明する。なお、図29は、リール停止制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、全てのリールの回転速度が所定の一定速度(例えば、80回転/1分)に到達したか(すなわち、定速回転しているか)否かを判定する(S111)。メインCPU101は、全てのリールが定速回転していないと判定した場合(S111がNO)、全てのリールが定速回転するまで処理を待機する。一方、全てのリールが定速回転していると判定した場合(S111がYES)、各リールの停止を許可する(S112)。すなわち、メインCPU101は、各ストップボタンを有効化する。また、これにともなって作動ストップボタン格納領域が更新される(第1の遊技機の場合、例えば、作動ストップボタン格納領域のビット4〜6に「1」が格納される)。
続いて、メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されたか否かを判定する(S113)。メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されていないと判定した場合(S113がNO)、有効なストップボタンが操作されるまで処理を待機する。なお、自動停止制御を行う場合には、この待機時間を計測し、計測結果が所定時間となったときに自動停止制御を行うように構成することができる。
メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されたと判定した場合(S113がYES)、作動ストップボタン格納領域及び押下順序格納領域を更新する(S114)。なお、第1の遊技機の場合、例えば、リール3Lに対して第1停止操作が行われた場合(ストップボタン8Lが押された場合)には、この処理では、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納され、ビット4が「0」に更新される。また、押下順序格納領域のビット2〜5が「0」に更新される。
続いて、メインCPU101は、作動ストップボタンから制御対象リールを決定する(S115)。この処理では、例えば、ストップボタン8Lが押された場合、リール3Lを制御対象リールとして決定する。
続いて、メインCPU101は、図柄カウンタから停止開始位置を格納する(S116)。図柄カウンタは、図柄位置データ(例えば、「0」〜「19」)を把握するためのカウンタとして構成される。この処理では、例えば、ストップボタン8Lが押された場合、ストップボタン8Lが押されたときのリール3Lの中段領域の図柄位置データを停止開始位置として格納する。
続いて、メインCPU101は、滑り駒数決定処理を行う(S117)。この処理では、例えば、上述の停止テーブルに規定された滑り駒数や上述の引込優先順位データ格納領域のデータ等を参照し、最も適切な滑り駒数(図柄の移動量)を決定する。
続いて、メインCPU101は、停止開始位置及び滑り駒数から停止予定位置を格納する(S118)。この処理では、上述のS116の処理で格納された停止開始位置と、上述のS117の処理で決定された滑り駒数から最終的に図柄が停止する位置の図柄位置データを停止予定位置として格納する。
続いて、メインCPU101は、リール停止コマンド生成格納処理を行う(S119)。この処理では、副制御回路200に送信するリール停止コマンドコマンドのデータを生成し、生成したデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に格納する。なお、リール停止コマンドは、停止予定位置のみならず、停止開始位置や滑り駒数が特定できるパラメータを含んで構成することができる。
続いて、メインCPU101は、図柄コード格納処理を行う(S120)。この処理では、すでに停止予定位置が決定されたリールにおける停止予定位置の図柄の種類(図柄コード)も参照しながら、図柄コード格納領域を更新する。続いて、メインCPU101は、有効なストップボタンがあるか否かを判定する(S121)。すなわち、メインCPU101は、未だ回転中のリールがあるか(全てのリールに対して停止操作が行われていないか)否かを判定する。
メインCPU101は、有効なストップボタンがあると判定した場合(S121がYES)、制御変更処理を行う(S122)。この処理では、ここまでの遊技者の停止操作態様に応じて、例えば、上述のリール停止初期設定処理で設定された停止テーブルや引込優先順位テーブル等の変更が必要である場合に、このような停止制御に必要な各種情報を再設定する。
続いて、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S123)。この処理では、回転中のリールの各図柄(図柄位置)に対して、すでに停止予定位置が決定されたリールにおける停止予定位置の図柄の種類も参照しながら、設定された内部当籤役と設定された引込優先順位テーブルとを参照して引込優先順位を示すデータを取得し、引込優先順位データ格納領域に格納する。そして、メインCPU101は、この処理の後、処理をS113に戻す。また、メインCPU101は、有効なストップボタンがないと判定した場合(S121がNO)、リール停止制御処理を終了する。
(遊技終了時状態制御処理)
続いて、図30を参照して、上述のメイン処理のS15において行われる遊技終了時状態制御処理について説明する。なお、図30は、遊技終了時状態制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、遊技状態移行条件成立チェック処理を行う(S131)。この処理では、遊技が終了するときに、いずれかの遊技状態からいずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かのチェックを行う。例えば、所定の図柄の組合せが表示されたことに基づいて所定のRT状態や所定のボーナス状態に移行させる場合、この処理において所定の図柄の組合せが表示されたか否かのチェックを行う。また、所定のRT状態や所定のボーナス状態である場合、この処理においてこれらの遊技状態の終了条件が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB又は3BBに係る図柄の組合せが表示されたか否かのチェックを行う。また、例えば、2BB状態又は3BB状態である場合、メダルの払出によってこれらの遊技状態の終了条件が成立したか否かのチェックを行う。
続いて、メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かを判定する(S132)。メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したと判定した場合(S132がYES)、遊技状態フラグ格納領域を更新する(S133)。すなわち、メインCPU101は、成立した移行条件にしたがって遊技状態をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB又は3BBに係る図柄の組合せが表示された場合、遊技状態フラグ格納領域のビット0又はビット1に「1」を格納し、2BB状態又は3BB状態をセットする。また、例えば、2BB状態又は3BB状態である場合に、これらの遊技状態の終了条件が成立した場合には、遊技状態フラグ格納領域のビット0又はビット1を「0」に更新する。
続いて、メインCPU101は、セットされた遊技状態に応じた設定処理を行う(S134)。この処理では、遊技状態が移行したことに応じて、例えば、当該遊技状態の遊技期間を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB状態がセットされた場合であればその終了条件としての払出数に「1」を設定し、3BB状態がセットされた場合であればその終了条件としての払出数に「176」を設定する。
メインCPU101は、S132において、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立していないと判定した場合(S132がNO)、及びS134の処理の後、現在の遊技区間が非有利区間であるか否かを判定する(S135)。メインCPU101は、現在の遊技区間が非有利区間であると判定した場合(S135がYES)、有利区間開始条件成立チェック処理を行う(S136)。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS86の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したか否かを判定する(S137)。メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立していないと判定した場合(S137がNO)、遊技終了時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したと判定した場合(S137がYES)、有利区間開始時の設定処理を行う(S138)。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS88の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、モードフラグ格納領域を更新する(S139)。すなわち、メインCPU101は、開始された有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS89の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S140)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS90の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
メインCPU101は、S135において、現在の遊技区間が非有利区間でない(すなわち、有利区間である)と判定した場合(S135がNO)、有利区間中遊技終了時処理を行う(S141)。なお、有利区間中遊技終了時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、有利区間終了条件成立チェック処理を行う(S142)。この処理では、遊技が終了するときに、有利区間から非有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の終了条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間中の払出数に基づいて各種リミット処理の作動条件を満たしたか(図16参照)、あるいは現在のモードが終了モードである場合において32ゲームが経過したか等がチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する(S143)。メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したと判定した場合(S143がYES)、有利区間終了時の初期化処理を行う(S144)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を終了させて非有利区間をセットする。この処理では、有利区間が終了したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中のモード(遊技状態)、及び当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)等に関する情報(すなわち、有利区間に関する情報)を全てクリアする初期化処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技終了時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立していないと判定した場合(S143がNO)、遊技終了時状態制御処理を終了する。
(有利区間中遊技終了時処理)
続いて、図31を参照して、上述の遊技終了時状態制御処理のS141において行われる有利区間中遊技終了時処理について説明する。なお、図31は、有利区間中遊技終了時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、各種カウンタ更新処理(遊技終了時)を行う(S151)。この処理では、例えば、有利区間中の払出数に基づいて各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中の各種モード(遊技状態)等の遊技期間を管理する各種カウンタ、あるいはその他有利度合いを管理する各種カウンタを所定の更新条件(例えば、払出数、所定の図柄の組合せの表示回数や停止操作態様等)にしたがって更新する。
続いて、メインCPU101は、特定モード(AT状態)中であるか否かを判定する(S152)。メインCPU101は、特定モード中であると判定した場合(S152がYES)、AT期間管理処理(遊技終了時)を行う(S153)。この処理では、例えば、遊技終了時において、AT状態の遊技期間の延長(例えば、ゲーム数延長やセット数上乗せ等)を可能とする場合に、このような延長の実行条件が成立するか否かを判定したり、この判定結果に基づいて当該遊技期間を延長したりする等の処理を行う(仮に、AT状態の遊技期間短縮を可能とする場合には当該短縮に関する処理を行う)。また、この処理では、延長されるか否かにかかわらずAT状態の遊技期間を管理してもよいし、AT状態の遊技期間は上述のS151の処理において管理し、この処理では延長に関する処理のみが行われるようにしてもよい。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づいて上述の1G連抽籤が行われ、この抽籤結果にしたがって疑似ボーナスを延長させるための処理が行われる。
メインCPU101は、特定モード中でないと判定した場合(S152がNO)、及びS153の後、モード移行条件が成立したか否かを判定する(S154)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって移行先モードが決定されたか否かを判定する。
メインCPU101は、モード移行条件が成立したと判定した場合(S154がYES)、モードフラグ格納領域を更新する(S155)。すなわち、メインCPU101は、移行した有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S156)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述のS140の処理と同様の処理が行われる。そして、メインCPU101は、この処理の後、有利区間中遊技終了時処理を終了する。また、メインCPU101は、モード移行条件が成立していないと判定した場合(S154がNO)、有利区間中遊技終了時処理を終了する。
[6−2.定期割込処理]
まず、図32を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行される定期割込処理について説明する。なお、図32は、定期割込処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ここで、本実施形態では、定期割込処理の周期(1割込時間)を「1.1172ms」としている。もっとも、定期割込処理の周期はこれに限られない。例えば、これとは異なる周期で定期割込処理が実行されるようにしてもよいし、あるいは、これと同じ周期が設定されていても、一部又は全部の処理について実際に処理が行われる割込回数を「2」以上とすることにより、結果的にこれとは異なる周期で定期割込処理が実行されるようにしてもよい。
まず、メインCPU101は、レジスタの退避処理を行う(S201)。続いて、メインCPU101は、入力ポートチェック処理を行う(S202)。この処理では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)各種センサやスイッチの入力状態(オン状態又はオフ状態)のチェックを行う。例えば、前回の割込時の入力状態と今回の割込時の入力状態とを比較し、入力状態に変化があったか否かのチェックを行い、入力状態に変化があった場合、メインRAM103の入力ポート格納領域0(不図示)にその変化を格納し、変化にかかわらない入力状態についてはそのままメインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)に格納する。
続いて、メインCPU101は、リール制御処理を行う(S203)。この処理では、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動を制御し、各リール3L,3C,3Rの回転及び停止を制御する。続いて、メインCPU101は、通信データ送信処理を行う(S204)。この処理では、通信データ格納領域に格納された各コマンドの各パラメータを副制御回路200に送信する。なお、この処理では、通信データ格納領域にコマンドデータが格納されていない場合、入力ポート格納領域0及び入力ポート格納領域1に格納されているデータを入力状態コマンドとして副制御回路200に送信する。
なお、本実施形態では、各種コマンドデータが一旦通信データ格納領域に格納された後、定期割込処理において副制御回路200に送信する構成としているが、例えば、各種コマンドデータを通信データ格納領域に格納することなく、主制御回路100内に設けられた通信回路(不図示)に直接格納して副制御回路200に送信する構成としてもよい。また、本実施形態では、詳細な説明は省略しているが、各種コマンドデータがシリアル通信によって副制御回路200に送信される構成としているが、例えば、各種コマンドデータがパラレル通信によって副制御回路200に送信される構成としてもよい。
続いて、メインCPU101は、7セグLED駆動処理を行う(S205)。この処理では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)、例えば、情報表示装置14等の表示内容を制御する。続いて、メインCPU101は、タイマ更新処理を行う(S206)。この処理では、主制御回路100で管理される各種タイマを更新する。
続いて、メインCPU101は、エラー検知処理を行う(S207)。この処理では、上述のS202でチェックされた入力状態等に基づいて、各種エラー状態が発生しているか否かを検知する。続いて、メインCPU101は、ドア開閉チェック処理を行う(S208)。この処理では、例えば、ドア開閉監視スイッチ56の入力状態に基づいて、下ドア機構DD開閉状態のチェックを行う。なお、各種エラー状態が発生している場合、及びドア開閉監視スイッチ56の入力状態が開状態(オフ状態)の場合、外部集中端子板55からセキュリティ信号が出力される。
続いて、メインCPU101は、レジスタの復帰処理を行う(S209)。そして、メインCPU101は、この処理の後、定期割込処理を終了する。
[7.副制御回路による処理]
続いて、図33を参照して、副制御回路200のサブCPU201が各プログラムを用いて実行するサブ側制御処理の概要について説明する。図33は、サブ側制御処理の概要の一例を示すフローチャートである。
なお、パチスロ機1では、不正行為や不正改造防止の観点より、主制御回路100側(主制御基板71及び主制御基板ケースを含む)には種々の制約が設けられているが、副制御回路200側(副制御基板72及び副制御基板ケースを含む)にはそれほどの制約は設けられていない。したがって、副制御基板72(及び副制御回路200)は、接続される演出装置の種類、その数、あるいはその演出装置によって行われる演出の種類等と、製造コスト等との兼ね合いに応じて種々の構成を用いることが可能となっている。図33において「概要」としているのはそのためである。
まず、サブCPU201は、電源投入時にはメインCPU101と同様、電源投入時処理を行う(S301及びS302)。この処理では、電源投入時に異常が発生しているか否かを検知したり、サブRAM203に格納されているデータを初期化したり、また、後述の各種演出実行制御処理を行うために必要な各種タスクを起動させたりする等の処理が行われる。
また、サブCPU201は、主制御回路100から送信されたコマンドを受信した場合、コマンド受信時演出実行制御処理を行う(S303及びS304)。この処理では、例えば、初期化コマンドを受信した場合、受信した初期化コマンドのパラメータの情報を参照し、設定変更がされていればサブ側でも適宜初期化処理が実行され、設定変更されていなければサブ側でも電断前の状態に復帰させる処理が実行される。
また、例えば、スタートコマンドを受信した場合、受信したスタートコマンドのパラメータの情報を参照し、非AT状態であれば、内部当籤役や遊技状態等を示唆ないし報知する演出の内容を(必要に応じて抽籤により)決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、AT状態であれば、これに加え、有利な停止操作態様を報知する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
また、例えば、ロックコマンドを受信した場合、受信したロックコマンドのパラメータの情報を参照し、ロック演出の内容と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、例えば、リール停止コマンドを受信した場合、受信したリール停止コマンドのパラメータの情報を参照し、停止開始位置や停止予定位置(あるいは、単に何番目の停止操作が行われたか等)と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、例えば、入賞作動コマンドを受信した場合、受信した入賞作動コマンドのパラメータの情報を参照し、特典が付与される場合に、付与される特典と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
また、サブCPU201は、副制御基板72に接続された(副中継基板74を介して接続されたものを含む)、例えば、演出用ボタン10a,10bが操作された場合、演出ボタン操作時演出実行制御処理を行う(S305及びS306)。この処理では、例えば、操作連動演出の実行中に、当該演出に沿った演出用ボタンが操作された場合、操作連動演出の内容が変化するように各種演出装置を制御する。また、例えば、非遊技中に、後述のユーザーメニュー呼出のために演出用ボタンが操作された場合、ユーザーメニューを表示するための制御を行う。また、ユーザーメニューの表示中に、選択・決定操作のために演出用ボタンが操作された場合、これらの操作にしたがった制御を行う。
また、サブCPU201は、上述の契機以外の契機が成立した場合、その他演出実行制御処理を行う(S307)。この処理では、例えば、遊技に関する操作及びユーザーメニューに関する操作が行われていない非操作期間が所定期間(例えば、30秒程度)となった場合、デモ状態報知に係る演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
[8.パチスロ機のその他の機能]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技を制御する各種機能及び演出を制御する各種機能、並びにこれらの機能を実現するための各種構成を備えるものであるが、例えば、以下に示すようなその他の機能を備えることもできる。なお、以下では、遊技者側のその他の機能の一例と、遊技店側のその他の機能の一例について説明する。
[8−1.遊技者側]
例えば、遊技者の演出操作によってユーザーメニューが表示され、当該ユーザーメニューにおいて所望のメニューが選択され、さらに、選択されたメニューについて適宜選択・決定操作が行われると、遊技者は各種情報を得たり、各種設定を行ったりすることが可能となっている。
例えば、「配列・配当表」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における図柄配列と、規定された図柄組合せ及びその入賞時の配当(特典の内容)等を示す遊技情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「音量・光量調整」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における各種表示装置の輝度、スピーカ群から出力される音の音量、あるいはランプ・LED群の光量等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「カスタム」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における演出態様(例えば、演出に用いられるキャラクタの種類(当該キャラクタ(表示態様)自体の種類、当該キャラクタに対応する音声の種類、あるいは当該キャラクタに係る衣装やアイテム(個別表示態様)の種類等も含む)、演出発生確率(演出発生時の期待度の種類等も含む)、あるいは示唆ないし報知の態様(演出実行タイミング等も含む)等)が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「ユニメモ」が選択・決定された場合には、遊技者の携帯端末(例えば、携帯電話やスマートフォン等)を利用した情報提供サービスを受けること可能となっている。このような情報提供サービスでは、例えば、遊技者がログイン操作して遊技を開始し(ログイン操作なしに遊技を開始させた場合でもよい)、遊技終了時にログアウト操作することで、遊技履歴情報(例えば、累計何ゲーム遊技したか、有利な遊技状態を何回発生させたか、最高獲得枚数は何枚かなど種々の遊技の結果に応じた情報)を確認、あるいは取得できる。
また、例えば、遊技履歴情報には、遊技の結果(開放条件の成立)に応じて、遊技中に表示可能となったキャラクタの種類や出力可能となった楽曲の種類を示す情報、遊技者の携帯端末上で表示可能となったキャラクタの種類や出力可能となった楽曲の種類を示す情報など、付帯する特典に関する情報も含まれる。
なお、このような情報提供サービスにおけるログイン・ログアウトの手法は種々の手法を採用することができる。例えば、遊技者の端末を利用し、遊技者に演出表示部上に表示される二次元コードを読み取らせることでログイン・ログアウトが行われるようにしてもよいし、また、遊技者にパスワードを入力させ、あるいはパスワードを記憶させる(具体的には、例えば、遊技終了時のログアウト時には、二次元コードにかえて、4ケタ〜10ケタ程度の文字列を次回入力用パスワードとして表示可能とし、それを遊技者が紙媒体でメモしたり、携帯端末で写真として撮影したり等によって取得可能とし、次回の遊技開始前のログイン時には、このようにして取得されたパスワードを入力可能とする)ことでログイン・ログアウトが行われるようにしてもよい。また、これらの手法を適宜組み合わせてログイン・ログアウトが行われるようにすることもできる。
[8−2.遊技店側]
例えば、遊技店側の管理者の設定確認操作(設定変更操作、あるいは遊技店側の管理者によるその他の操作であってもよい)によってホールメニューが表示され、当該ホールメニューにおいて所望のメニューが選択され、さらに、選択されたメニューについて適宜選択・決定操作が行われると、遊技店側の管理者は各種情報を得たり、各種設定を行ったりすることが可能となっている。
例えば、「時刻設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における日時等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、日時は、例えば、上述のサブ側電源投入時処理(図33のS302参照)において自動的に更新されるように構成することもできる。
また、例えば、「トータルメダル情報」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)の投入枚数及び払出枚数等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。なお、このようなメニューは、ユーザーメニューにおけるメニューとして構成することもできる。
また、例えば、「設定変更・確認履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)の設定変更操作及び設定確認操作回数等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。また、例えば、「エラー情報履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)のエラー発生日時やその内容等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「監視履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)のドア開放日時やその期間等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。また、例えば、「警告設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における各種警告報知の態様や頻度等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「省電力モード設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における省電力機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このようなメニューは、ユーザーメニューにおけるメニューとして構成することもできる。また、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「打ち止め設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における打ち止め機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、打ち止め機能は、所定の作動条件が成立した場合に、遊技店の管理者の解除操作(例えば、リセット操作)がなされるまで遊技不能状態とする機能をいう。また、所定の作動条件は、例えば、有利区間が上述のリミット処理の実行によって強制的に終了したときに成立するようにしてもよいし、特定の状態(例えば、ボーナス状態や増加区間、あるいは有利区間(演出区間を含む)のいずれか)が終了したときに成立するようにしてもよい。また、打ち止め機能がオン状態に設定された場合、これに連動して後述の自動精算機能もオン状態に設定されるようにしてもよい。
また、例えば、「自動精算設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における自動精算機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、自動精算機能は、所定の作動条件が成立した場合に、自動的にクレジットが精算される(すなわち、クレジットされていた遊技価値全てが自動的に返却される)機能をいう。また、所定の作動条件は、例えば、有利区間が上述のリミット処理の実行によって強制的に終了したときに成立するようにしてもよいし、特定の状態(例えば、ボーナス状態や増加区間、あるいは有利区間(演出区間を含む)のいずれか)が終了したときに成立するようにしてもよい。また、自動精算機能がオン状態に設定された場合、これに連動して上述の打ち止め機能もオン状態に設定されるようにしてもよい。
なお、打ち止め機能や自動精算機能の設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。もっとも、この場合、いたずらに受付可能とする操作部を増加させることも望ましくないので、特定の操作部(例えば、ストップボタン)のみを当該設定に係る操作を受付ける操作部の一部として使用することができるものとしてもよい。
[9.拡張例]
ここまで、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機として、パチスロ機1を一例に挙げて説明したが、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機はこれに限定されない。例えば、いわゆる「パチンコ機」や「スロットマシン」等と称される遊技機にも適用可能であり、同様の作用効果が得られる。すなわち、本実施形態に係る発明は、遊技者の遊技動作(操作)に応じて遊技を行う(遊技制御を行う)ことが可能な遊技機であれば、その全てに適用することができる。また、パチスロ機1を含む遊技機について、その構成やその機能等も上述のものに限定されず、種々の変更・拡張が可能である。以下、あくまで一例であるが、このような拡張例について説明する。
(メダルレス遊技機)
本実施形態のパチスロ機1では、遊技者のベット操作(すなわち、手持ちのメダルをメダル投入口5に対して投入してベットする操作、あるいは、クレジットされたメダルをMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してベットする操作)があることを開始条件の1つとして遊技を開始し、遊技が終了したときにメダルの払出がある場合には、ホッパー装置32を駆動させてメダル払出口11からメダルを払出し、あるいは、クレジットされる形態について説明したが、パチスロ機1の構成はこれに限られない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技価値がベットされ、それに基づいて遊技が行われ、その遊技の結果に基づいて特典が付与(例えば、遊技価値が付与される)形態全てについて、本実施形態に係る発明を適用可能である。すなわち、遊技者の動作によって物理的にメダルが投入され(掛けられ)、メダルが払出される形態のみならず、パチスロ機1の内部で、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理し(あるいは、電磁的でなくとも、少なくとも遊技者が遊技価値に直接接触できない態様で管理し)、メダルレスで遊技を可能とするものにも適用可能である。ここでは、このようなパチスロ機1を「メダルレス遊技機」と称する。なお、メダルレス遊技機は、「管理遊技機」や「封入式遊技機」等と称されることがある。
なお、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理するのは、主制御回路100(主制御基板71)自体であってもよいし、主制御回路100(主制御基板71)に装着される(接続される)遊技価値管理装置(以下では、このような管理装置を「メダル数制御基板」として説明する場合がある)であってもよい。以下では、この遊技価値管理装置が設けられる一例を説明する。
遊技価値管理装置は、少なくともROM及びRWM(あるいは、RAM)を備え、パチスロ機1に設けられる装置であって、通信装置(以下では、このような通信装置を「接続端子板」として説明する場合がある)を介して外部の遊技価値提供装置(以下では、このような遊技価値提供装置を「通信専用ユニット」として説明する場合がある)と双方向通信可能に接続される。遊技価値管理装置は、外部の遊技価値提供装置との間で必要な通信を行うことにより、遊技価値の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技価値のベット操作を行う上で必要な遊技価値を提供する動作)、遊技価値の付与動作(すなわち、遊技価値の付与に係る役に入賞(当該役が成立)した等の場合に遊技者に対して付与に係る遊技価値を提供する動作)、及びこれらの動作によって提供された遊技価値を電磁的に記録する動作等を行い得るものとする。なお、遊技価値提供装置は、「遊技価値(遊技媒体)取扱装置」、「遊技価値(遊技媒体)貸出装置」あるいは「サンド」等と称されることがある
また、外部の遊技価値提供装置は、外部の出玉管理装置(出玉管理サーバ)に接続されており、遊技価値管理装置は、外部の出玉管理装置に対し、通信装置及び外部の遊技価値提供装置を介して出玉管理情報を送信可能に構成される。ここで、出玉管理情報は、外部の出玉管理装置が出玉の管理を可能とするために必要な各種の情報で構成される。なお、出玉管理情報の一例については後述する。また、外部の遊技価値提供装置と外部の出玉管理装置との間は、例えば、インターネット回線によって接続される。
ここで、「出玉」とは、直接的には払出された遊技媒体数を意味するものであるが、本実施形態では、例えば、払出数からベット数を減じた差枚数(純増数)等の遊技者に対する特典の付与度合い(例えば、遊技者がどの程度プラスとなったか(遊技店がどの程度マイナスとなったか)、あるいは遊技者がどの程度マイナスとなったか(遊技店がどの程度プラスとなったか等)や、有利状態(例えば、ボーナス状態、AT状態、あるいは一連の有利区間等)の継続度合い、あるいはこれらの組合せによって想定される射幸性の程度等も含む概念となっている。
また、例えば、パチスロ機1の前面側に、保有する遊技価値数を表示する保有遊技価値数表示装置(不図示)を設けることとし、遊技価値管理装置は、その遊技価値数の管理結果に基づいてこの保有遊技価値数表示装置に表示される遊技価値数を管理するようにしてもよい。すなわち、遊技価値管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技価値の総数を電磁的方法により記録するのみならず、当該記録結果の表示を制御可能なものとして構成してもよい。なお、この場合、遊技価値管理装置は、遊技者が、記録された遊技価値数を示す信号を外部の遊技価値提供装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合以外には記録された遊技価値数を減ずることができない性能を有し、また、記録された遊技価値数を示す信号は、通信装置を介してでなければ送信できない性能を有することが望ましい。
なお、遊技価値管理装置は、外部の遊技価値提供装置を用いて遊技者の遊技価値を電磁的に管理する機能のみならず、遊技者の物理的動作によってベットされる遊技価値数やパチスロ機1の物理的動作によって払出される遊技価値数を管理する機能を有していてもよい。すなわち、従来のパチスロ機1における実際のメダルの投入や払出の管理をも可能とするものであってもよい。このようにすれば、パチスロ機1を従来の手法によって制御することもできるし、上述のメダルレス遊技機のような手法によって制御することもできるため、パチスロ機1がいずれの仕様となった場合であっても共通の構成とすることができる。また、この場合、遊技価値管理装置が、上述のセレクタ31やホッパー装置32を直接的に制御する方式を採用することもできるし、これらが主制御回路100(主制御基板71)によって制御され、その制御結果が送信されることにより間接的に制御する方式を採用することもできる。
また、パチスロ機1には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段や返却(精算)操作手段等のメダルレス遊技機の動作に必要な各種操作手段が設けられるものとすればよい。また、遊技価値提供装置には、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等の各種装置に加え、遊技者が操作可能な貸出操作手段や返却操作手段等のメダルレス遊技機の動作に必要な各種操作手段が設けられるものとすればよい(いずれも不図示)。なお、挿入可能な記録媒体には、遊技店で当日発行される非会員記録媒体のみならず、遊技店の会員が保有する会員記録媒体も含まれる。非会員記録媒体に記録された遊技価値は当日限り有効となる(翌日以降は無効となる)が、会員記録媒体に記録された遊技価値は翌日以降も有効となる。
この場合の遊技の流れの一例を説明する。例えば、まず、遊技者は遊技価値提供装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金する。遊技価値提供装置は、遊技者のいずれかの貸出操作手段への操作に応じて、所定数の有価価値を減算し、減算した有価価値に対応する遊技価値をパチスロ機1に提供する。そして、遊技者は遊技を行い、さらに遊技価値が必要となった場合には上記操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果によって所定数の遊技価値を獲得してから遊技を終了する際には、遊技者はいずれかの返却操作手段を操作する。遊技価値管理装置は、遊技者のいずれかの返却操作手段への操作に応じて、遊技価値提供装置に対し遊技価値数を送信する。遊技価値提供装置は、送信された遊技価値数を記録した記録媒体を排出する。遊技価値管理装置は、遊技価値数を送信したときに自身が記憶する遊技価値数をクリアする。遊技者は、排出された記録媒体を景品に交換するために景品交換所等に持っていくこともできるし、また、排出された記録媒体を他のパチスロ機1に対応する遊技価値提供装置に挿入することで、台移動して遊技を続けることもできる。また、排出された記録媒体が会員記録媒体であれば、翌日以降も有効であるため、ここで遊技をやめることもできる。
なお、上記の一例では、遊技者の返却操作に応じて、遊技価値管理装置が遊技価値提供装置に対して全遊技価値数を送信するものとしていたが、遊技者の返却操作の態様により、遊技者が所望する遊技価値数のみを送信可能に構成してもよい。すなわち、遊技者が保有する遊技価値を分割できるようにしてもよい。また、遊技価値提供装置は、送信された遊技価値数を記録媒体に記録して排出するものとしていたが、上述の非接触通信アンテナ等を用いて遊技者の携帯端末にこれと同様の価値となる情報を送信してもよいし、また、同等の価値となるものを遊技者に提供するものである限り、例えば、現金又は現金等価物を排出するようにしてもよい。
また、パチスロ機1又は遊技価値提供装置において、遊技者が操作可能なロック操作手段を設け、このロック操作手段への操作に応じて、遊技価値管理装置と遊技価値提供装置との間で通信できない状態(ロック状態)に制御可能としてもよい。なお、この場合、パチスロ機1又は遊技価値提供装置において、例えば、暗証番号の設定(及び設定した暗証番号の入力)、ワンタイムパスワードの発行(及び発行したワンタイムパスワードの入力)、あるいは生体認証等の認証処理が行い得るようにし、当該認証処理の結果が正常である場合に当該ロック状態が解除されるように構成すればよい。
ここまで説明したメダルレス遊技機によれば、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、例えば、メダル投入口5やメダル払出口11等の一部の外部構造、あるいはセレクタ31やホッパー装置32等の一部の内部構造についてはこれを設ける必要がなくなることから、遊技機の原価や製造コストを削減することができるのみならず、遊技機の消費電力を減らすことができる。また、遊技機の内部にアクセスすることがより困難となることから、遊技機に対する不正行為を防止することができる。さらに、遊技者が遊技媒体に直接的に接触しないことから、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
(メダルレス遊技機の構成例)
続いて、図34を参照して、パチスロ機1をメダルレス遊技機として構成した場合の構成例について説明する。図34は、メダルレス遊技機の構成の一例を示す図である。なお、以下では、主として、メダル数制御基板(遊技価値管理装置)が設けられた場合の構成例について説明する。
上述のとおり、メダル数制御基板は、主制御基板71に接続され、遊技者が保有するメダル数(遊技価値数)を管理する。また、メダル数制御基板は、接続端子板(通信装置)を介して通信専用ユニット(遊技価値提供装置)に接続される。また、メダル数制御基板は、接続端子板及び通信専用ユニットを介し、出玉管理装置に対して出玉管理情報を送信する。また、メダル数制御基板には、メダル数制御回路(不図示)が搭載される。また、メダル数制御回路は、例えば、メダル数制御CPU(不図示)と、メダル数制御ROM(不図示)と、メダル数制御RWM(不図示)とを含んで構成される。
なお、出玉管理装置は、例えば、遊技機メーカが加入する組合(の情報センタ)が管理する出玉管理用のサーバであり、送信された出玉管理情報が出玉管理装置に蓄積されることで、各遊技機の射幸性が適切なものであるか否か(出玉性能)を監視可能にする目的で設けられるものである。
したがって、このような観点より、メダル数制御基板及び接続端子板は、主制御基板71と同様にパチスロ機1において重要な機能を担うものであることから、不正行為や不正改造を防止できる態様でパチスロ機1の内部に設けられている必要がある。図34に示す構成例1及び構成例2は、そのような態様の一例を示している。
<構成例1>
図34に示す構成例1は、メダル数制御基板及び接続端子板が、主制御基板71と同様に、主制御基板ケース内に収容されていることを示している。ここで、主制御基板ケースには、通常、その開放(あるいは取り外し)を困難とするため、あるいは開放された痕跡(あるいは開放された回数)を認識できるようにするための種々の封印処理が施されている(例えば、かしめによる封印や封印シールの貼付、あるいはかしめを切断した記録を記載するかしめシールの貼付等)。
したがって、メダル数制御基板及び接続端子板を主制御基板ケース内に収容すれば、主制御基板71と同様のセキュリティ効果を得ることができ、不正行為や不正改造を適切に防止できる。
<構成例2>
図34に示す構成例2は、メダル数制御基板及び接続端子板が、上述の構成例1とは異なり、主制御基板ケースとは別体に設けられたメダル数制御基板ケース内に収容されていることを示している。なお、メダル数制御基板ケースは、主制御基板ケースと同様に透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製のケースとして構成されるものとし、その内部に収容されたメダル数制御基板及び接続端子板が、容易に視認可能な状態で収容されるものとする。
ここで、構成例2のメダル数制御基板ケースでは、主制御基板ケースと同様の封印処理が施される構成とすることもできるし、少なくともその一部の封印処理のみが施される構成とすることもできる。例えば、メダル数制御基板ケースでは、主制御基板ケースと同様にかしめによる封印は行われるが、封印シールは貼付されないといった構成としてもよい。また、例えば、主制御基板ケースでは、予め定められたかしめシールを使用することが義務付けられるが、メダル数制御基板ケースでは、かしめシールとして任意のシールを使用することができるようにしてもよい。
<蓄積データ例>
図34に示す蓄積データ例は、出玉管理装置に蓄積される各種データの一例を示している。すなわち、メダル数制御基板が、接続端子板及び通信専用ユニットを介して出玉管理装置に送信する出玉管理情報の一例を示している。なお、これはあくまで一例であり、図34に示す各種の情報のうち、その一部を送信しない構成とすることもできるし、図34に示す各種の情報以外の情報を送信する構成とすることもできる。
また、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングも任意であるし、通信専用ユニットが出玉管理装置に情報を送信するタイミングも任意である。出玉管理装置により、少なくとも一単位(例えば、遊技店の1営業日)ごとに各遊技機の出玉性能を監視可能とする態様であれば、いずれのタイミングで送信されるようにしてもよい。例えば、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングと、通信専用ユニットが出玉管理装置に情報を送信するタイミングとは異なるタイミングであってもよい。また、例えば、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングは、情報の種類に応じて異なるタイミングであってもよい。
蓄積データ「総投入枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積投入枚数である。例えば、メダル数制御基板は、再遊技の作動によってベットされたものを除き、遊技者のベット操作によってベットされた遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、再遊技の作動によって付与されたものを除き、遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「MY」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位中に発生した最大差枚数(要するに、一単位中において最も遊技価値が増加した期間で得られた差枚数。これを「MY」と称する)である。例えば、メダル数制御基板は、このような最大差枚数を算出し、算出した情報を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「役物総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数であって、かつ、各種役物の作動中に払出された累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、各種役物の作動中に遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、各種役物の作動中の単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「連続役物総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数であって、かつ、連続役物(RB。BB作動中のRBを含む)の作動中に払出された累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、連続役物の作動中に遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、連続役物の作動中の単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
また、メダル数制御基板は、役比モニタ装置54に表示可能な各種の情報を所定のタイミング(例えば、役比モニタ装置54での算出時点)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報を所定のタイミング(例えば、メダル数制御基板からの送信時点)で出玉管理装置に送信する。なお、蓄積データ「役物比率」は、例えば、上述の役物割合情報に相当し、蓄積データ「連続役物比率」は、例えば、上述の連続役物割合情報に相当し、蓄積データ「有利区間比率」は、例えば、上述の特定区間割合情報に相当し、蓄積データ「指示込役物比率」は、例えば、AT状態中も集計・算出の対象とした上述の役物割合情報に相当し、蓄積データ「役物等状態比率」は、例えば、各種役物の作動中も集計・算出の対象とした上述の特定区間割合情報に相当するものである。
蓄積データ「遊技回数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積遊技回数である。例えば、メダル数制御基板は、遊技が行われた遊技数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「主制御チップID番号」は、各遊技機の主制御回路100の個体識別番号(「CPUID」ともいう。これを「チップID番号」と称する)である。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この個体識別番号を含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの個体識別番号を含む情報を送信する。
蓄積データ「主制御チップメーカコード」は、各遊技機の主制御回路100のメインROM102の管理エリアに記録されたメーカコードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、このメーカコードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこのメーカコードを含む情報を送信する。
蓄積データ「主制御チップ製品コード」は、各遊技機の主制御回路100のメインROM102の管理エリアに記録された製品コードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この製品コードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの製品コードを含む情報を送信する。
蓄積データ「メダル数制御チップID番号」は、各遊技機のメダル数制御回路の個体識別番号である。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この個体識別番号を含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの個体識別番号を含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
蓄積データ「メダル数制御チップメーカコード」は、各遊技機のメダル数制御回路のメダル数制御ROMの管理エリアに記録されたメーカコードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、このメーカコードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこのメーカコードを含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
蓄積データ「メダル数制御チップ製品コード」は、各遊技機のメダル数制御回路のメダル数制御ROMの管理エリアに記録された製品コードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この製品コードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの製品コードを含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
このように、出玉管理装置は、遊技機から送信された各種の情報(出玉管理情報)を蓄積可能としている。また、出玉管理情報には、遊技機の個体を識別可能な複数の個体識別情報(例えば、上述の「主制御チップID番号」〜「メダル数制御チップ製品コード」)が含まれる。したがって、出玉管理装置は、これらの個体識別情報によって送信元の遊技機を特定することができるとともに、例えば、あるときから、「主制御チップID番号」と「メダル数制御チップID番号」との対応関係が異なるものとなった場合には、いずれかの制御基板が交換された可能性(すなわち、不正行為や不正改造が行われた可能性)を認識することができる。
また、出玉管理情報には、一単位あたりの出玉性能を識別可能な複数の出玉情報(例えば、上述の「総投入枚数」〜「遊技回数」)が含まれる。したがって、出玉管理装置は、これらの出玉情報によって送信元の遊技機の射幸性が適切な範囲のものとなっているかを認識することができる。例えば、あるときから、「総払出枚数」や「指示込役物比率」が著しく高い値となった場合には、不正行為や不正改造が行われた可能性、あるいはそもそもの仕様設計に何らかの不備があった可能性等を認識することができる。
そして、出玉管理装置によって上述のような可能性が認識された場合には、遊技店あるいは遊技機メーカ等にその結果が知らされ、適切な対処が行われることが期待できる。すなわち、複数の管理遊技機と、管理遊技機から送信された出玉管理情報を出玉管理装置に送信する遊技価値提供装置(通信専用ユニット)と、送信された出玉管理情報に基づいて各管理遊技機の出玉性能を管理する出玉管理装置とを含む管理システムが構築されることで、管理下にある全ての管理遊技機を適切に管理することを可能としている。
<変形例1>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、メダル数制御基板によって、遊技者の保有する遊技価値数が管理されるように構成することができる。したがって、このような管理状況、あるいはその他の情報を遊技店の管理者が把握できるように、メダル数制御基板には、メダル数モニタ装置(不図示)が設けられるようにしてもよい。
メダル数モニタ装置は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、メダル数制御基板ケースの内部に設けられる。メダル数モニタ装置は、メダル数制御CPU(あるいは、メインCPU101であってもよい)によって集計・算出された遊技価値数に関する各種の情報(例えば、上述の出玉管理情報の一部又は全部)を順次表示する。なお、メダル数モニタ装置によって役比モニタ装置54の表示内容が全て表示されるのであれば、役比モニタ装置54を設けないようにしてもよい。あるいは、役比モニタ装置54をメダル数モニタ装置と兼用して用いる構成としてもよい。
また、メダル数モニタ装置は、メダル数制御基板上に実装されるようにしてもよいし、メダル数制御基板に接続された他の基板(例えば、接続端子板)上に実装されるようにしてもよい。また、キャビネットG内であれば、他の場所に設けられるようにしてもよい。例えば、メダル数制御基板ケース上に設けられるようにしてもよい。また、メダル数モニタ装置における表示を開始させ、あるいはその内容を切替えるための管理スイッチをキャビネットG内に設けるようにし、これが操作された場合に各種の情報が表示されるようにしてもよい。また、このような管理スイッチを使用することを前提として、例えば、情報表示装置14をメダル数モニタ装置と兼用して用いる構成としてもよい。
なお、メダル数モニタ装置は、自身に関連する各種エラー状態が発生したとき、発生したエラー状態の種類を表示するものとしてもよい。例えば、主制御基板71との通信エラーが発生した場合、接続端子板との通信エラーが発生した場合、遊技価値提供装置との通信エラーが発生した場合、あるいはメダル数制御RWMに異常が発生した場合等の場合には、これに対応する数値を表示するものとしてもよい。なお、この場合、表示された数値がいずれのエラー状態に対応するものであるかを遊技店の管理者が容易に認識可能とするため、メダル数制御基板ケース又はその近傍に、その対応関係を示す説明部(シールの貼付や印字等)を設けるようにすればよい。
<変形例2>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、メダル数制御基板は接続端子板を介して外部に出玉管理情報を送信するように構成することができる。ここで、本実施形態では、外部に情報を送信するものとして他に外部集中端子板55が設けられている。したがって、接続端子板と外部集中端子板55とを、例えば、以下のように構成することができる。
例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを共通の端子板として構成する。これにより、部品点数を削減することができるのみならず、外部に向けた配線も削減することができるため、セキュリティ効果を高めることができる。
また、例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを1つのユニットとして構成する。また、例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを少なくともキャビネットG内において近傍に配置する。これにより、接続時の作業効率を高めることができる。また、配線の長さを一定のものとすることができ、また、配線箇所を限定することもできるため、セキュリティ効果を高めることができる。
<変形例3>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、出玉管理装置に対して出玉管理情報が送信されるように構成することができる。また、出玉管理装置では、送信された出玉管理情報によって各メダルレス遊技機の出玉性能を適切に管理することができる。したがって、このようにして出玉性能が適切に管理され得ることを前提として、上述のリミッタを設けないようにしてもよい。すなわち、一定の規制条件が成立したことに基づいて有利区間を強制的に終了させる機能を有しないものとしてもよい。
また、出玉性能を適切に管理する機能をメダル数制御基板にもたせるようにし、このようにして出玉性能が適切に管理され得ることを前提として、上述のリミッタを設けないようにしてもよい。すなわち、一定の規制条件が成立したことに基づいて有利区間を強制的に終了させる機能を有しないものとしてもよい。
例えば、メダル数制御基板が、出玉監視用RWM(上述のメダル数制御RWMであってもよいし、別のRWMであってもよい)を含んで構成されるようにする。出玉監視用RWMは、例えば、設定変更時には初期化されるが、有利区間終了時には初期化されないようにして出玉を監視する。そして、監視した出玉が一定の閾値を超えた場合には、例えば、有利区間自体は強制的に終了させないが、ナビ発生確率を低下させたり、AT状態が延長される確率を低下させたり、あるいはAT状態自体は終了させたりして出玉性能を低下させる制御を行い得るものとする。このようにしても、出玉性能を適切に管理することが可能となる。なお、この場合、このような制御結果を出玉管理情報として出玉管理装置に送信可能としてもよい。すなわち、メダル数制御基板と出玉管理装置との双方において、各メダルレス遊技機の出玉性能を管理し得る構成としてもよい。
(パチスロ機の主制御基板の構成例)
続いて、図35を参照して、パチスロ機1の主制御基板71の構成例について説明する。図35は、主制御基板71の構成の一例を示す図である。なお、以下では、主として、主制御基板71のリユース(再利用)の構成例について説明する。
上述のとおり、パチスロ機1では、主制御基板71の仕様には種々の制約があり、その1つとして、主制御基板71上には、製造業者名及び基板管理番号を印字することが必要となっている。製造業者名は、パチスロ機1を製造する遊技機メーカ名であり、管理番号は、主制御基板71の型式を特定するための番号である。
<構成例1>
図35に示す構成例1は、主制御基板71において、製造業者名及び基板管理番号を従来のように文字にて印字していることを示している。ここで、図35に示す構成例1では、まず、株式会社BBによって当該主制御基板71が搭載されたパチスロ機1(以下、「機種A」として説明する)が製造されたものとする。このとき、当初は、下段の製造業者名「株式会社BB」及び基板管理番号「BB−00−11−22」しか印字されていない。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1(以下、「機種B」として説明する)を製造しようとした場合、株式会社AAは、印字されていた下段の製造業者名及び基板管理番号をレーザー刻印で削除し、違うスペースに自社に係る製造番号及び基板管理番号(例えば、図35に示す構成例1の上段の製造業者名「株式会社AA」及び基板管理番号「AA−00−11−22」)を新たに印字しなければならない。
そして、その後、機種Bが遊技店から撤去され、仮に、例えば、株式会社BBが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1(以下、「機種C」として説明する)を製造しようとした場合、株式会社BBは、印字されていた上段の製造業者名及び基板管理番号をレーザー刻印で削除し、違うスペースに自社に係る製造番号及び基板管理番号を新たに印字しなければならないわけであるが、図35に示す構成例1ではもう空きスペースがないため、ハードウェア的にはまだ十分にリユースが可能であるにもかかわらず、上述のような制約のために当該主制御基板71をリユースできない場合があるという問題があった。
なお、これは、当初から複数の製造業者名及び基板管理番号を印字していた場合であっても同様である。例えば、株式会社AAと株式会社BBの双方に係る製造番号及び基板管理番号が予め印字されていたとしても、機種Aを製造する時点で株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号はレーザー刻印で削除されてしまうからである。よって、株式会社BBではリユースできる可能性はあるものの、株式会社AAではリユースできなくなってしまう。これに対し、以下の構成例2及び構成例3では上述のような問題を解消することが期待できる。すなわち、主制御基板71のような遊技の制御に用いる基板について、そのリユース性を高めることができる。
<構成例2>
図35に示す構成例2は、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することを示している。なお、図35に示す構成例2では、製造業者名及び基板管理番号を含む符号の一例として、二次元コードであるQRコード(登録商標)を用いているが、JANコード(バーコード)や他のコードを用いることができる。すなわち、符号(コード)は、確認者が何らかの手段(例えば、携帯端末等)によって一義的に製造業者名及び基板管理番号を特定可能な情報を含むものであれば、どのようなものであってもよい。
図35に示す構成例2では、まず、株式会社BBによって機種Aが製造されたものとしたとき、右から1番目の符号が印刷される。右から1番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが機種Bを製造しようとしたとき、右から2番目の符号が印刷され、右から1番目の符号はレーザー刻印で削除される。右から2番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。
その後、機種Bが遊技店から撤去され、例えば、株式会社BBが機種Cを製造しようとしたとき、右から3番目の符号が印刷され、右から2番目の符号はレーザー刻印で削除される。右から3番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Cが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1を製造しようとしたときであっても、株式会社AAは、右から3番目の符号をレーザー刻印で削除し、右から4番目の符号を印刷し、右から4番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれるようにすれば、さらに新たなパチスロ機1に当該主制御基板71をリユースすることが可能となる。
すなわち、図35に示す構成例2では、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することで、主制御基板71の表面において、製造業者名及び基板管理番号の1個あたりの印字(印刷)スペースを節約することができるので、図35に示す構成例1と比べて、そのリユース性を高めることが可能となっている。
<構成例3>
図35に示す構成例3は、上述の構成例2と同様に、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することを示している。なお、図35に示す構成例3では、当初から複数(例えば、4個)の符号が印刷されている。例えば、株式会社AA分及び株式会社BB分がそれぞれ2個ずつ印刷されているものとする。また、主制御基板71の表面(あるいは、これに対応する主制御基板ケース上であってもよい)において、各符号に対応する箇所を、例えば、帯状部材等によってかしめることにより、符号を読み取り不可能な状態に固定することを可能としている。また、例えば、帯状部材等を切断することにより、固定を解除して符号を読み取り可能な状態とすることを可能としている。
図35に示す構成例3では、まず、株式会社BBによって機種Aが製造されたものとしたとき、右から1番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から2番目〜4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から1番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが機種Bを製造しようとしたとき、右から2番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から1番目、3番目及び4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から2番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。
その後、機種Bが遊技店から撤去され、例えば、株式会社BBが機種Cを製造しようとしたとき、右から3番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から1番目、2番目及び4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から3番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Cが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1を製造しようとしたときであっても、株式会社AAは、右から4番目の符号のみを読み取り可能な状態とし、右から1番目〜3番目の符号を読み取り不可能な状態とすれば、さらに新たなパチスロ機1に当該主制御基板71をリユースすることが可能となる。
また、図35に示す構成例3では、少なくとも1つの符号を読み取り可能な状態とし、それ以外の符号読み取り不可能な状態とすればよいのであるから、さらなるリユースも可能であり、また、より多くの遊技機メーカでリユースすることも可能である。なお、図35に示す構成例3においても、かしめ穴だけを設けておき、リユースの度にかしめ穴に対応する箇所に符号を印刷していくように構成することもできる。
[第2実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
図36〜図40に示すように、パチスロ機1は、いわゆるパチスロ機である。パチスロ機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークン等の他、遊技者に付与された又は付与される、遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技可能なものであるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
なお、以後の説明において、パチスロ機1から遊技者に向かう側(方向)をパチスロ機1の前側(前方向)と称し、前側とは逆側を後側(後方向、奥行方向)と称し、遊技者から見て右側及び左側をパチスロ機1の右側(右方向)及び左側(左方向)とそれぞれ称する。また、前側及び後側を含む方向は、前後方向又は厚み方向と称し、右側及び左側を含む方向は、左右方向又は幅方向と称する。前後方向(厚み方向)及び左右方向(幅方向)に直交する方向を上下方向又は高さ方向と称する。
図36及び図37に示すように、パチスロ機1の外観は、矩形箱状の筐体2により構成されている。筐体2は、遊技機本体として前面側に矩形状の開口を有する金属製のキャビネットGと、キャビネットGの前面上部に配置された上ドア機構UDと、キャビネットGの前面下部に配置された下ドア機構DDとを有している。
また、キャビネットGの上面壁G4には、左右方向に関して所定間隔隔てて、上下方向に貫通する2つの開口G41が形成されている。そして、この2つの開口G41それぞれを塞ぐように木製の板部材G42が上面壁G4に取り付けられている。
図38に示すように、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGの開口の形状及び大きさに対応するように形成されている。上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGにおける開口の上部及び下部を閉塞可能に設けられている。上ドア機構UDは、上側表示窓UD1を中央部に有している。上側表示窓UD1には、光を透過する透明パネルUD11が設けられている。
下ドア機構DDには、上部の略中央部に、矩形状の開口部として形成されたメイン表示窓DD4が設けられている。メイン表示窓DD4の裏面側には、キャビネットGの内部側から取り付けられたリールユニットRUが装着されている。さらに、リールユニットRUの背面には、主制御基板MSが取り付けられている。
リールユニットRUは、複数種類の図柄が各々の外周面に描かれた3個のリールRL(左リール),RC(中リール),RR(右リール)を主体に構成されている。これらのリールRL,RC,RRは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。リールRL,RC,RRは、メイン表示窓DD4を通じて、各リールRL,RC,RRの動作や各リールRL,RC,RR上に描かれている図柄が視認可能となる。
メイン表示窓DD4には、その表面部に、矩形状のアクリル板等からなる透明パネルDD41が取り付け固定されており、遊技者等がリールユニットRUに触れることができないようになっている。メイン表示窓DD4の下方には、略水平面の第1,第2,第3台座部DD2a,DD2b,DD2cが形成されている。メイン表示窓DD4の右側に位置する第1台座部DD2aには、メダルを投入するためのメダル投入口DD5が設けられている。メダル投入口DD5は、遊技者によりメダルが投入される開口である。メダル投入口DD5から投入されたメダルは、クレジットされるか又はゲームに賭けられる。
メイン表示窓DD4の左側に位置する第2台座部DD2bには、クレジットされているメダルを賭けるための、有効ライン設定手段としての最大BETボタンDD8(MAXBETボタンともいう)が設けられている。最大BETボタンDD8が押されると、メダルの投入枚数として「3」が選択される。
メイン表示窓DD4の前面側に位置する第3台座部DD2cには、液晶表示装置DD20が設けられている。液晶表示装置DD20は、液晶表示パネル(液晶パネル)のパネル面にタッチ式の位置入力装置としてのタッチセンサパネルが配されてなる、いわゆるタッチパネルとなっている。なお、タッチセンサパネルとしては、例えば、人体の一部(指先等)や静電ペン等の接触を検知して、その検知信号を出力する静電容量方式のものであってもよく、又は、ペン先等の堅い物質の接触を検知して、その検知信号を出力する方式のもの、あるいは、その他の方式のものや構造のもの(インセル構造等)であってもよい。
液晶表示装置DD20は、SUI(スマート・ユーザ・インターフェイス)として機能するもので、その表示画面上に、例えば、遊技の進行に伴って遊技回数等の遊技情報が表示されるとともに、遊技者による選択又は入力を求めるためのメッセージや入力キー等が表示される。
なお、液晶表示装置DD20においては、その表示画面上に、例えば、遊技の進行に伴って、遊技に関する演出に応じた内容(演出情報)を表示することも可能である。また、液晶表示装置DD20としては、例えば、演出役物としての機能を有するアタッチメントや、専用のアタッチメントとして、ジョグダイヤル又はプッシュボタン等を装着できるようにしてもよい。また、液晶表示装置DD20は、その機能を、後述する表示ユニットA等に振り分けることにより、省略することもできる。
最大BETボタンDD8の前面側には、遊技者の操作によりリールRL,RC,RRを回転駆動させるとともに、メイン表示窓DD4内で図柄の変動表示を開始させるスタートレバーDD6が設けられている。スタートレバーDD6は、所定の角度範囲で傾動自在に取り付けられる。
スタートレバーDD6の右側で、液晶表示装置DD20の前面側には、遊技者の押下操作(停止操作)により3個のリールRL,RC,RRの回転をそれぞれ停止させるための3個のストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rが設けられている。
最大BETボタンDD8の左側には、C/PボタンDD13が設けられている。C/PボタンDD13は、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるものである。このC/PボタンDD13の切り換えにより払出しが選択されている状態(非クレジット状態)においては、下ドア機構DDの下部側のコインガードプレート部に設けたメダル払出口DD14(キャンセルシュート)からメダルが払出され、払出されたメダルは、メダル受け部DD15に溜められる。
スタートレバーDD6、及び、ストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rの下部側には、腰部パネルDD18(腰部導光板)が配置されている。腰部パネルDD18は、アクリル板等を使用した化粧用パネルとして構成される。腰部パネルDD18には、パチスロ機1の機種を表す名称や種々の模様等が印刷により描かれている。
また、メダル払出口DD14の左側にはスピーカDD25Lが、右側にはスピーカDD25Rが、それぞれ設けられている。スピーカDD25L,DD25Rは、遊技者に遊技に関する種々の情報を声や音楽等の音により報知する。また、メイン表示窓DD4の左側及び右側には、第1サブ表示装置DD19L及び第2サブ表示装置DD19Rがそれぞれ配置されている。これらのサブ表示装置DD19L,DD19Rは、例えば入賞成立時のメダルの払出枚数やクレジットされている残メダル枚数を表示する。通常は、パチスロ機1にクレジットされるメダルの最大枚数は50枚であるため、50以下のクレジット枚数が表示される。なお、最大枚数の50枚のメダルがクレジシットされている状態では、投入されたメダルはそのままメダル払出口DD14より払出される。また、サブ表示装置DD19L,DD19Rは、タッチパネルを前面に備えていてもよい。
図39に示すように、キャビネットG内は、中間支持板G1により上部空間と下部空間とに仕切られている。すなわち、中間支持板G1は、キャビネットG内を上部空間と下部空間とに仕切る仕切板として機能している。上部空間は、キャビネットG内の上ドア機構UDの後側となる空間であり、表示ユニットA等が収容される。また、下部空間は、キャビネットG内の下ドア機構DDの後側となる空間であり、リールユニットRUや、パチスロ機1全体の動作を司る主制御基板MS、サブ制御装置SS(図46参照)等が収容される。主制御基板MSは、内部当籤役の決定、リールRL,RC,RRの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ機1における遊技の主な流れを制御する回路(主制御回路)を構成する。サブ制御装置SSは、映像の表示等による演出の実行を制御する回路(副制御回路)を構成する。
(表示ユニットA)
図40に示すように、表示ユニットAは、キャビネットG内の中間支持板G1上に交換可能に載置される。表示ユニットAは、映像表示用の照射光を出射する照射ユニットBと、照射ユニットBからの照射光が照射されることにより映像を出現させるスクリーン装置Cとを有したいわゆるプロジェクションマッピング装置である。
ここで、プロジェクションマッピング装置は、構造物や自然物等の立体物の表面に映像を投影するためのものであって、例えば、後述のスクリーンである役物に対して、その位置(投影距離や角度等)や形状に基づいて生成される、演出情報に応じた映像を投影することにより、高度で、かつ迫力のある演出を可能とする。
表示ユニットAは、前方に開口が形成された筐体A1を有する。この筐体A1は、照射ユニットBの上部を形成するプロジェクタカバーB1、及び、スクリーン装置Cのスクリーン筐体C10とで構成されている。スクリーン筐体C10は、底板C1、右側板C2、左側板C3、及び背板C4を有した箱方形状をなしている。プロジェクタカバーB1は、スクリーン筐体C10の上面に交換可能に取り付けられる。
(表示ユニットA:照射ユニットB)
図41に示すように、照射ユニットBは、照射光を前方に出射するプロジェクタ装置B2と、プロジェクタ装置B2の前方に配置され、プロジェクタ装置B2からの照射光を斜め下後方に配置されたスクリーン装置Cの方向に反射するミラー機構B3と、プロジェクタ装置B2及びミラー機構B3を収容したプロジェクタカバーB1とを有している。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタ装置B2)
プロジェクタ装置B2は、ケースB22によって外装されつつプロジェクタカバーB1に取り付けられ、キャビネットG内の後部に配置されている。プロジェクタ装置B2は、水平配置された平板状の上側台座B220及び下側台座B221を介してプロジェクタカバーB1に取り付けられている。ケースB22は、その上面全体が開口されている。これにより、下側台座B221の下面には、ケースB22に収容されたレンズユニットB21や光学機構B24(図47参照)が位置する。レンズユニットB21は、光学機構B24の複数のLED光源から出射してDMD(Digital Micromirror Device)で反射した照射光を、レンズ等を介して前方のミラー機構B3に向けて出射するように配置されている。このプロジェクタ装置B2の詳細については、図46〜図52を用いて後述する。
(表示ユニットA:照射ユニットB:ミラー機構B3)
図41に示すように、プロジェクタ装置B2の前方(照射光の出射方向)には、ミラー機構B3が配置されている。図42に示すように、ミラー機構B3は、ミラーホルダB31と、ミラーホルダB31に収容された光学ミラーB32と、光学ミラーB32の両端部をミラーホルダB31に固定するミラーストッパB33・B34とを有している。図43にも示すように、ミラーホルダB31は、前面が長方形状の板状に形成されている。ミラーホルダB31の各コーナー部には、角度調整穴B311が形成されていると共に、角度調整穴B311を中心にして凹部B312が前面に形成されている。また、上下方向の角度調整穴B311・B311間には、取付け穴B314・B314が上下対称に形成されている。
一方、また、ミラーホルダB31の後面には、ミラー保持部B313が形成されている。ミラー保持部B313は、中央部に形成されており、角度調整穴B311及び取付け穴B314に重複しないサイズで形成されている。ミラー保持部B313の左側及び右側には、ミラーストッパB33・B34がそれぞれ設けられている。ミラーストッパB33・B34は、角度調整穴B331・B341と、取付け穴B334・B344とをそれぞれ有している。ミラーストッパB33・B34における角度調整穴B331・B341及び取付け穴B334・B344は、ミラーホルダB31における角度調整穴B311・B311及び取付け穴B314・B314に対応するように配置されている。
ミラーストッパB33・B34は、一部がミラー保持部B313と重複するように形成されている。これにより、ミラーストッパB33・B34は、ミラー保持部B313に嵌合された光学ミラーB32の左右方向の両辺部に当接し、取付け穴B314・B334・B344によりミラーホルダB31にネジ締結されることによって、光学ミラーB32をミラーホルダB31に保持させている。
図44に示すように、上記のように構成されたミラー機構B3は、プロジェクタカバーB1におけるリフレクタ保持部B11の内側面に設けられている。リフレクタ保持部B11は、プロジェクタカバーB1の前面中央部に形成されており、上ドア機構UDを開いたときに前側に露出するように配置されている。リフレクタ保持部B11は、角度調整穴B111を有している。角度調整穴B111は、ミラー機構B3の角度調整穴B311に対応した位置に形成されている。
リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111には、図示しないネジが前面側から挿通されており、このネジは、ミラーホルダB31の角度調整穴B311を貫通する。そして、ミラーストッパB33・B34の角度調整穴B331・B341は、ネジが螺合可能なネジ穴として形成されており、ミラーホルダB31の角度調整穴B311を貫通したネジは、ミラーストッパB33・B34の角度調整穴B331・B341に螺合される。
そして、上記ネジが角度調整穴B331・B341との螺合が緩む方向に回転されると、リフレクタ保持部B11とミラーストッパB33・B34との距離が広がることとなる。一方、上記ネジが角度調整穴B331・B341との螺合が締まる方向に回転されると、リフレクタ保持部B11とミラーストッパB33・B34との距離が縮まることとなる。
上記のように、取付け穴B314・B334・B344を介してミラーホルダB31とミラーストッパB33・B34とがネジ締結されており、これにより、ミラーホルダB31とミラーストッパB33・B34との間に光学ミラーB32が挟持されている。このように、ミラーホルダB31と光学ミラーB32とミラーストッパB33・B34とは、ミラー機構B3として一体化されており、ネジの回転によりリフレクタ保持部B11とミラーストッパB33・B34との距離を変化させることにより、リフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離を増減することができる。そして、角度調整穴B311・331・B341がミラー機構B3のコーナー部に対応して4方向に配置されているため、各角度調整穴B311・331・B341の配置位置におけるリフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離を増減させることによって、プロジェクタ装置B2から出射された照射光の進行方向に対する光学ミラーB32の反射角度を微調整することを可能にしている。
また、リフレクタ保持部B11とミラーホルダB31との間には、図示しないバネが設けられている。バネは、後端面がミラーホルダB31の凹部B312に当接されており、前端面がリフレクタ保持部B11の内壁面(後壁面)に当接されることによって、リフレクタ保持部B11とミラーホルダB31とで挟持されている。そして、リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111から挿通されたネジが当該バネを貫通している。これにより、ネジの回転に伴ってリフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離が広がっても、バネの付勢力により、ネジ頭部がリフレクタ保持部B11の角度調整穴B111に当接することとなり、ネジ頭部が角度調整穴B111から飛び出してリフレクタ保持部B11とネジとの位置関係が崩れてしまうことを防止することができる。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタカバーB1)
図45に示すように、プロジェクタ装置B2及びミラー機構B3は、プロジェクタカバーB1に収容されている。なお、プロジェクタ装置B2の下面B2aは、その前部に、後方から前方に向けて上方に傾斜する傾斜面B2a1を有している。図43に示すように、プロジェクタカバーB1は、水平配置された上壁部B12と、上壁部B12の前側に配置されたリフレクタ保持部B11と、上壁部B12の左右方向において左右対称に配置された側壁部B13,B13とを有している。上壁部B12は、前部がキャビネットGよりも前方に突出している(図40参照)。上壁部B12の前部の中央部には、リフレクタ保持部B11が前方に突出した形態に形成されており、突出により形成された空間部に上述のミラー機構B3が角度調整可能に保持されている。
(表示ユニットA:スクリーン装置C)
上記のように構成された照射ユニットBは、スクリーン装置Cの上面にネジ締結により連結されている。例えば、プロジェクタカバーB1に形成されたネジ穴を介して、スクリーン装置Cの右側板C2及び左側板C3それぞれの上面にネジがねじ込まれている(図40参照)。これにより、表示ユニットAは、照射ユニットBとスクリーン装置Cとをユニット化して一体的に取り扱うことが可能になっている。
スクリーン筐体C10の内部には、照射ユニットBからの照射光の照射により映像を出現させる複数のスクリーン機構が照射対象を切替え可能に設けられている。具体的には、図45に示すように、複数のスクリーン機構として、固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及びリールスクリーン機構F1が設けられている。固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及びリールスクリーン機構F1は、それぞれ、基材にスクリーン塗料が塗布されることにより構成され、映像を出現させることが可能な投影面を有している。
固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及びリールスクリーン機構F1それぞれの投影面は、映像表現を多様化するために、互いに異なる形状をなしている。具体的に、固定スクリーン機構D及びフロントスクリーン機構E1の投影面が平坦であるのに対し、リールスクリーン機構F1の投影面は、側面視円弧形状となっている。また、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1は、プロジェクタ装置B2やミラー機構B3に対して相対的に位置が変位する可動式のスクリーンであり、それぞれ、フロントスクリーン駆動機構E2及びリールスクリーン駆動機構F2(図示せず)により駆動される。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタ装置B2の電気的及び光学的構成)
図46に示すように、プロジェクタ装置B2は、電気的な構成要素として、プロジェクタ制御基板B23、光学機構B24、及び中継基板CKを備えている。プロジェクタ装置B2には、中継基板CKを介して上述したサブ制御装置SSが接続される。サブ制御装置SSは、スクリーンや役物の演出動作に応じて、プロジェクタ制御基板B23を制御し、光学機構B24を介して、スクリーンや役物に照射光を投影することにより、視覚的な演出として映像を表示する。また、表示ユニットAの組み立て工程等においては、プロジェクタ装置B2の中継基板CKに調整用PC(パーソナルコンピュータ)1000が接続される。この調整用PC(パーソナルコンピュータ)1000は、プロジェクタ装置B2により投影される照射光の位置調整やピント初期設定を行うために用いられる。なお、本実施形態においては、プロジェクタ装置B2の調整機器として調整用PC1000を採用しているが、プロジェクタ装置B2の調整機器としては、調整用プログラム(アプリケーションソフト)がインストールされたタブレットPCやいわゆるスマートフォン、あるいは専用の端末装置であってもよい。
プロジェクタ制御基板B23は、制御LSI230、EEPROM(登録商標)231、DLP(登録商標)制御回路232、及びLEDドライバ233を備える。光学機構B24は、レンズユニットB21の周辺に配置される構成要素として、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色光を発するLED光源、DMD、レンズユニットB21の投射レンズ210についてフォーカス調整を行うためのフォーカス機構等を備える(図示せず)。
制御LSI230は、サブ制御装置SSの指令に基づいて、照射光を投影するようにDLP制御回路232を制御する。制御LSI230は、サブ制御装置SSの指令に基づいて、フォーカス機構を制御して投射レンズ210を光軸方向に移動させることにより、照射光の投影に際してフォーカス調整を行う。EEPROM231には、制御LSI230による制御プログラムやプロジェクタ装置B2の設定・調整に関わるデータが記憶されている。
プロジェクタ装置B2のDLPシステムは、主として、DLP制御回路232、LEDドライバ233、並びに光学機構B24のLED光源及びDMDにより構成される。
DLP制御回路232の制御により、DMDで所定方向に反射した光は、レンズユニットB21へと進み、投射レンズ210を透過することでミラー機構B3に入射し、最終的にミラー機構B3で反射することによって投影対象へと導かれる。これにより、投影対象となるスクリーンや役物に対して照射光が投影され、演出に応じた映像が形成される。
本実施形態において、プロジェクタ装置B2は、いわゆるDLPプロジェクタとして構成される。また、プロジェクタ装置B2は、ミラー機構B3によって照射光を折り返すことにより投影対象までの投影距離を稼ぐとともに、例えばコントラスト比を1000:1とすることによって、照射光の投影距離をできるだけ短くするようにしている。これにより、プロジェクタ装置B2を備えた表示ユニットAは、より安価かつ小型に構成されるとともに、パチスロ機1のキャビネットGにおける限られたスペースに対して容易に搭載される。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタ装置B2の機械的構成)
図47に示すように、プロジェクタ装置B2は、外装となる構成要素として、ケースB22、レンズユニットカバーB222、アンダーカバーB223、上側台座B220、及び下側台座B221を有する。ケースB22の前部開口B22kには、レンズユニットカバーB222が取り付けられる。ケースB22の下面には、アンダーカバーB223が覆うように配置される。アンダーカバーB223は、ステーB223aを介して下側台座B221に支持されるとともに、ケースB22の下面適部にも固定される。プロジェクタ装置B2は、上側台座B220及び下側台座B221を介してプロジェクタカバーB1の上壁部B12(図43参照)の下面に取り付けられる。本実施形態では、上壁部B12の下面に上側台座B220が固定されるとともに、ケースB22の上面開口を覆うようにその上端部に対して下側台座B221が取り付けられ、上側台座B220の下面に下側台座B221が連結される。このようなプロジェクタ装置B2の取り付け調整手順については後述する。
また、プロジェクタ装置B2は、内部の構成要素として、レンズユニットB21、LED光源を搭載したLED基板(図示せず)、DMDを搭載したDMD基板(図示せず)、複数のヒートシンク243R,243G,243B,243D、吸気用ファン244A,244B、排気用ファン245、及びプロジェクタ制御基板B23を有する。ケースB22には、レンズユニットカバーB222でレンズユニットB21の投射レンズ210が覆われつつレンズユニットB21が収容されるとともに、LED基板、DMD基板、複数のヒートシンク243R,243G,243B,243D、吸気用ファン244A,244B、排気用ファン245が収容される。プロジェクタ制御基板B23は、ケースB22の下面に固定される。
このようなプロジェクタ装置B2は、サブ制御装置SSから演出等の映像に係る映像データが送信され、スクリーンや役物に映像を投影するようにサブ制御装置SSによって制御される。一方、サブ制御装置SSは、スクリーン駆動機構E2,F2を制御することにより、スクリーン機構E1,F1を演出内容に応じて移動させる。
ここで、サブ制御装置SSは、演出によるスクリーン機構E1,F1の移動に応じてプロジェクタ装置B2を制御し、移動したスクリーン機構E1,F1の投影面や固定スクリーン機構Dの投影面に、映像が鮮明に投影されるようにフォーカス調整を行う。
ヒートシンク243R,243G,243Bは、LED基板の背面に部分的に接触している。ヒートシンク243Dは、DMD基板の背面に部分的に接触している。本実施形態において、ヒートシンク243R,243G,243B,243Dのフィン外形サイズとしては、ヒートシンク243R及びヒートシンク243Gが相対的に大きい一方、ヒートシンク243B及びヒートシンク243Dが相対的に小さくなっている。これらのヒートシンク243R,243G,243B,243Dは、LED基板及びDMD基板それぞれにおいて発生した熱を空気中に放散することにより、光学特性を大きく変化させるまで光学素子や基板の温度を上昇させないように効率よく放熱する。放熱部材であるヒートシンク243R,243G,243B,243Dは、放熱効果を高めるために導熱性の高いアルミニウム素材が用いられ、空気との接触面積を大きくするために複数の放熱フィンを有している。
吸気用ファン244Aは、ケースB22の右側前部の背面に近接するように配置され、ヒートシンク243Rに近接している。吸気用ファン244Bは、ケースB22の左側部の背面に近接するように配置され、ヒートシンク243Dに近接している。排気用ファン245は、ケースB22の後部の背面に近接するように配置され、ヒートシンク243Gに近接している。
吸気用ファン244Aが近接するケースB22の右側前部には、吸気口B22Aが設けられており、吸気口B22Aに対向してヒートシンク243Rが近接するケースB22の右側後部には、排気口B22Eが設けられている。吸気用ファン244Bが近接するケースB22の左側部の一部には、吸気口B22Bが設けられており、この吸気口B22Bと並ぶようにケースB22の左側部の他の部分には、ケースB22内の空きスペースを通じて3つのヒートシンク243G,243B,243Dまで空気が達するように吸気口B22Cが設けられている。排気用ファン245が近接するケースB22の後部には、排気口B22Dが設けられている。
すなわち、プロジェクタ装置B2のケースB22内においては、吸気口B22Aから吸気用ファン244Aによって強制的に吸気された後、ヒートシンク243Rから熱を奪いつつ排気口B22Eから排気される空気の流れが形成される。また、ケースB22内においては、吸気口B22Bから吸気用ファン244Bによって強制的に吸気された後、ヒートシンク243D、ヒートシンク243B、及びヒートシンク243Gから熱を奪いつつ排気口B22Dから排気用ファン245によって強制的に排気される空気の流れが形成される。さらに、ケースB22内においては、吸気口B22Cから吸気された後、主としてヒートシンク243Gやヒートシンク243Bから熱を奪いつつ排気口B22Dから排気用ファン245によって強制的に排気される空気の流れが形成される。
プロジェクタ制御基板B23は、アンダーカバーB223で覆われつつケースB22の下面に取り付けられる。プロジェクタ制御基板B23には、制御LSI230、EEPROM231、DLP制御回路232、及びLEDドライバ233等が搭載されている。プロジェクタ制御基板B23は、ケースB22内に配置されたLED基板及びDMD基板、さらにフォーカス機構と電気的に接続される。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタ装置B2の位置・姿勢調整)
図48〜図50に示すように、上側台座B220は、プロジェクタカバーB1の上壁部B12(図43参照)に固定される板金部材であり、矩形状の本体部2200、本体部2200の左右両側を下方及び外方に折り曲げることで形成され、本体部2200と段差を有して左右両側に延出する左端部2201a及び右端部2201b、並びに本体部2200の後側から後方へと部分的に延出する後端部2202を有する。本体部2200及び後端部2202には、下側台座B221を連結するための3つの連結孔2200Aが設けられている。これら3つの連結孔2200Aは、本体部2200に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されている。左端部2201a及び右端部2201bのそれぞれには、上壁部B12の下面にネジ締結によって固定するための複数の角孔2201cが設けられている。本実施形態において、角孔2201cは、左端部2201a及び右端部2201bのそれぞれに3つずつ配置され、前後方向に等間隔に設けられている。角孔2201cの縦横内径寸法は、これに挿入して締結される取付ネジT(図51参照)のネジ軸径よりも大きくなっている。
下側台座B221は、上側台座B220の本体部2200及び後端部2202に概ね対応する板金部材である。下側台座B221には、3つの連結孔2200Aに対応して上向きに突出するように3つの連結ネジ部2210が一体形成されている。これら3つの連結ネジ部2210も、下側台座B221に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されている。下側台座B221は、連結ネジ部2210のそれぞれにコイルバネ2211を外嵌しつつ連結ネジ部2210の先端を連結孔2200Aに挿通し、本体部2200や後端部2202との間にコイルバネ2211を挟んだ状態としつつ、上側台座B220の上面側から連結ネジ部2210の先端にワッシャー2212を介してナット2213を締結することにより、上側台座B220の下面に懸架された状態で連結される。また、図47に示すように、下側台座B221には、ケースB22をネジ止めするための複数のネジ孔2214、及びステーB223aをネジ止めするための複数のネジ孔2215が設けられている。下側台座B221は、ケースB22やステーB223aを介してアンダーカバーB223を支持した状態で上側台座B220の下面に連結される。
すなわち、図47〜図50に示すように、上側台座B220と下側台座B221とは、3箇所の連結部R1,R2,R3のそれぞれにおいて互いの間隔を調整可能に連結される。連結部R1,R2,R3のそれぞれは、上側台座B220の連結孔2200A、並びに下側台座B221の連結ネジ部2210、コイルバネ2211、ワッシャー2212、及びナット2213により構成される。
このような上側台座B220及び下側台座B221を用いることにより、プロジェクタ装置B2は、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対して位置決め調整かつ光軸調整可能に取り付けられる。
図51は、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対する上側台座B220の取付形態を示したものである。図51(a)の下図は、上側台座B220の角孔2201cに対して取付ネジTが挿入・締結された状態を示す図であり、図51(a)の上図は、図51(a)の下図に示すB−B’線に沿う断面図である。なお、図51は、上側台座B220の左端部2201aに形成された角孔2201cの周辺を示すが、左端部2201a及び右端部2201bにおけるその余の角孔2201cの周辺も同様である。
図51(a)に示すように、角孔2201cには、下方から取付ネジTが挿入されるとともに、角孔2201cのほぼ中央に取付ネジTが配置される。取付ネジTは、上壁部B12の上面及び左端部2201aの下面に添うように配置されたワッシャーWを介して、上壁部B12の上面側に位置するナットNと螺結される。これにより、上側台座B220の左端部2201aは、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対してネジ止めにより取り付けられる。上側台座B220の右端部2201bも、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対して同様のネジ止めにより取り付けられる。
ここで、図51(a)において符号Aで示す斜線部分は、取付ネジTのネジ軸と角孔2201cとの間に形成される隙間である。図51(a)では、取付ネジTのネジ軸が、角孔2201cのほぼ中央に配置され固定されている。このとき、取付ネジTのネジ軸は、符号Aの斜線部分の範囲(調整範囲)のなかで移動可能となる。すなわち、取付ネジTの角孔2201cに対する相対位置を、角孔2201cの開口範囲内において微調整することにより、上側台座B220の左端部2201aをプロジェクタカバーB1の上壁部B12に対して位置決め調整することができる。同様に、上側台座B220の右端部2201bも、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対して位置決め調整することができる。
図51(b)は、図51(a)に対して上側台座B220の左端部2201aを矢印Eの方向にずらした状態を示している。図51(b)の上図は、図51(b)の下図に示すD−D’線に沿う断面図である。この図51(b)に示す状態では、取付ネジTのネジ軸が角孔2201cの開口範囲内において相対的に左寄りに偏位さられ、符号Cに示す斜線部分の範囲(調整範囲)のなかで移動可能になっている。
このように、上側台座B220は、角孔2201cの開口範囲となる所定の調整範囲のなかで位置決め調整されつつ、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対して取り付けられる。すなわち、プロジェクタ装置B2は、上側台座B220の左端部2201a及び右端部2201bに設けられた複数の角孔2201cにより、上壁部B12に対する取り付け位置が左右方向及び前後方向に調整される。これにより、プロジェクタ装置B2から照射される光の方向は、基準方向として、左右方向に垂直で前後方向に一致するように容易に調整される。
図52は、上側台座B220に対する下側台座B221の連結構造を示したものである。図52は、連結部R2において、連結孔2200A、連結ネジ部2210、コイルバネ2211、ワッシャー2212、及びナット2213により、下側台座B221が上側台座B220に連結されている状態を示す断面図である。なお、図52は、1箇所の連結部R2を示すが、その余の連結部R1,R3も同様である。
下側台座B221の連結ネジ部2210は、上側台座B220の本体部2200の下面側から連結孔2200Aに挿入され、本体部2200の上面側に配置されたワッシャー2212を介してナット2213に螺結される。連結ネジ部2210には、コイルバネ2211が外嵌されており、このコイルバネ2211は、連結孔2200Aの周縁部において本体部2200の下面と下側台座B221の上面との間に狭持される。このようなコイルバネ2211により、上側台座B220と下側台座B221との連結部R2付近の部分は、互いに離反する方向(上下方向)に付勢されるので、連結ネジ部2210とナット2213との螺合部分における緩み防止が図られる。
このような連結部R2においては、ナット2213を締め付ける方向あるいは緩める方向に適宜回すことにより、コイルバネ2211で付勢されつつも上側台座B220と下側台座B221との間隔が変化させられる。具体的には、ナット2213を締め付ける方向に回すと、連結部R2における上側台座B220と下側台座B221との間隔が狭められることとなる。このとき、上側台座B220は、図52において図示しない上壁部B12に固定されている。そのため、下側台座B221の連結部R2付近の部分は、ナット2213を適宜締め付けることで上側台座B220に対して近づく方向に変位し、より上位へと高さ位置が調整されることとなる。一方、ナット2213を緩める方向に回すと、連結部R2における上側台座B220と下側台座B221との間隔が拡大されることとなる。すなわち、下側台座B221の連結部R2付近の部分は、ナット2213を適宜緩めることで上側台座B220に対して遠ざかる方向に変位し、より下位へと高さ位置が調整されることとなる。
他の連結部R1,R3においても、上記と同様にナット2213の締め付け量を適宜調整することにより、下側台座B221の連結部R1,R3付近の高さ位置を容易に調整することができる。このような連結部R1,R2,R3は、上側台座B220や下側台座B221に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように、具体的には互いに結んだ線が三角形をなすように配置されている。すなわち、下側台座B221は、3箇所の連結部R1,R2,R3のそれぞれにおいてナット2213の締め付け量により高さ位置を微調整することができるので、下側台座B221の姿勢を、前後方向、左右方向、及び上下方向のいずれ方向に対しても3次元空間内における傾き具合を調整することができる。
このような下側台座B221の姿勢調整は、下側台座B221に支持されたプロジェクタ装置B2からスクリーン等に対して光を照射しながら行われる。その際、スクリーン等には、照射光により映像が投影され、その映像を確認しながら下側台座B221の姿勢が調整される。これにより、プロジェクタ装置B2から照射される光の光軸方向は、スクリーン等の表面に適切な表示態様で映像が映し出されるように調整される。すなわち、光軸方向については、下側台座B221の姿勢調整により、映像の表示態様としていわゆる台形ひずみ等が生じないように前もって調整することができる。
光軸方向の調整等は、プロジェクタ装置B2に接続された調整用PC1000(図46参照)を用いて行われる。上側台座B220及び下側台座B221を介して上壁部B12に取り付けられたプロジェクタ装置B2は、工場での検査時等において、光軸方向の調整のほか、スクリーン等に対する表示映像のチェックが行われ、映像を投影表示するために必要な各種の調整が実施される。調整用PC1000は、調整作業に際して一時的にプロジェクタ装置B2の中継基板CKに接続される(図46参照)。調整用PC1000を操作すると、調整用PC1000から送信される所定のコマンドにより、プロジェクタ装置B2における照射光の投影位置やフォーカス調整等に関する光学パラメータが変更される。このようにして適切に調整された投影位置や光学パラメータは、水平方向及び垂直方向の調整値データとして、プロジェクタ装置B2のEEPROM231に記憶される(図46参照)。EEPROM231に記憶された水平方向及び垂直方向の調整値データは、工場出荷後の搬送等のためにプロジェクタ装置B2への電源供給が行われず、パチスロ機1が遊技場に設置された場合でも、そのまま使用することができる。
上述したことから明らかなように、プロジェクタ装置B2は、主に上側台座B220の上壁部B12に対する取り付け位置に応じて左右方向及び前後方向に位置決めされるとともに、下側台座B221の3次元空間内における姿勢に応じて光軸方向が調整される。
なお、本実施形態においては、上側台座B220と下側台座B221とを互いに連結するための連結部を3箇所に設けたが、少なくとも3箇所が同一直線上にないという条件を満たせば、4箇所以上に連結部を設けるようにしてもよい。また、本実施形態では、上側台座B220に連結孔2200Aを設けるとともに、下側台座B221に連結ネジ部2210を設けているが、これらの連結孔や連結ネジ部を上下反対に設けてもよい。連結ネジ部は、本実施形態のように台座と一体に形成されたものに限らず、一方の台座に対して固定可能なものであればよい。例えば、連結ネジ部としては、下側台座を貫通して固定されるボルトでもよい。
以上、本発明の一実施形態として、第2実施形態に係るパチスロ機1について説明した。第2実施形態に係るパチスロ機1は、以下の特徴を備えている。
(1−1) 映像を表示するための表示ユニット(表示ユニットA)と、
前記表示ユニット(表示ユニットA)を収容し、前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部(キャビネットG)に対して開閉可能に取り付けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記表示ユニット(表示ユニットA)は、
映像を投影することが可能なプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)から照射された光を反射させる反射ミラー(ミラー機構B3)と、
前記反射ミラー(ミラー機構B3)により反射された光に基づいて、前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)により投影された映像を表示可能なスクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、を備え、
前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)、前記反射ミラー(ミラー機構B3)、及び、前記スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)がユニット化されることにより構成されており、
前記反射ミラー(ミラー機構B3)は、前記開閉扉(上ドア機構UD)を開けた状態で前記表示ユニット(表示ユニットA)の外部から位置を調整することが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第2実施形態に係るパチスロ機1によれば、表示ユニットAは、プロジェクタ装置B2、ミラー機構B3、並びに、固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及び、リールスクリーン機構F1がユニット化されることにより構成されているが、ミラー機構B3は、上ドア機構UDを開けた状態で表示ユニットAの外部から位置を調整することが可能である。従って、表示ユニットAがパチスロ機1のキャビネットGに設置された後であっても、ミラー機構B3の位置を調整することが可能であるため、プロジェクタ装置B2により投影される映像の位置が適切でない場合であっても、投影位置を調整することができる。
(1−2) 前記(1−1)の遊技機であって、
前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)及び前記スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)は、前記表示ユニット(表示ユニットA)における所定の位置で固定されており、
前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)は、前記スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)の上方に配置される一方で、前方に光を照射することが可能であり、
前記反射ミラー(ミラー機構B3)は、前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)から照射された光を斜め下後方に反射させることが可能なように前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の前方に配置され、前記本体部(キャビネットG)の開口側に向けて露出した螺子における螺合の程度を変更することにより該光の反射方向を調整することが可能である。
第2実施形態に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ装置B2、並びに、固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及び、リールスクリーン機構F1は、表示ユニットAにおける所定の位置で固定されている。一方で、ミラー機構B3には、光の反射方向を調整するための螺子が設けられており、当該螺子は、キャビネットGの開口側に向けて露出している。従って、表示ユニットAがパチスロ機1のキャビネットGに設置された後であっても、上ドア機構UDを開けた状態で、螺子を緩めたり締めたりすることにより、光の反射方向(角度)を調整することができる。これにより、プロジェクタ装置B2により投影される映像の位置が適切でない場合であっても、投影位置を調整することができる。
(2−1) 照射光により映像を投影する投影装置(プロジェクタ装置B2)と、
前記投影装置により投影された映像を表示可能な複数の投影面と、
前記複数の投影面のうち少なくとも一の投影面を可動投影面として変位させる駆動機構(フロントスクリーン駆動機構E2、リールスクリーン駆動機構F2)と、
前記投影装置の上方に位置する上壁(上壁部B12)と、を備え、
前記複数の投影面は、表面加工が施され、
前記駆動機構は、前記投影装置に対して前記可動投影面を相対的に変位させるように構成されており、
前記投影装置と前記上壁との間には、上側台座(上側台座B220)及び下側台座(下側台座B221)が設けられ、
前記上側台座は、前記上壁に対して面内位置を調整可能に取り付けられるとともに、前記下側台座は、前記投影装置を支持しつつ、前記上側台座に対して3箇所以上で間隔を調整可能に取り付けられることを特徴とする遊技機。
第2実施形態に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ装置B2は、上壁部B12に対する上側台座B220の面内位置を適宜調整することにより、この上側台座B220を介して上壁部B12の適正な位置に取り付けられるとともに、そうして上壁部B12に位置決めされた上側台座B220に対して下側台座B221の上下間隔を3箇所以上の連結部R1,R2,R3で適宜調整することにより、この下側台座B221を介して支持される姿勢が適正となるように取り付けられる。したがって、プロジェクタ装置B2の面内配置位置及び空間内姿勢を上側台座B220及び下側台座B221を用いて簡単に調整することができ、ひいては映像視覚効果の高い高品位な映像を複数の投影面に映し出すことができる。
(2−2) 前記(2−1)の遊技機であって、
前記上側台座及び前記下側台座は、同一直線上にない3箇所以上の複数の連結部(連結部R1,R2,R3)で互いに連結され、
前記複数の連結部のそれぞれには、
前記上側台座及び前記下側台座のうちの一方から突出するとともに他方を貫通してネジ締結される連結ネジ部(連結ネジ部2210)と、
前記連結ネジ部に外嵌されるとともに前記上側台座と前記下側台座との間に配置されるコイルバネ(コイルバネ2211)と、が設けられることを特徴とする。
第2実施形態に係るパチスロ機1によれば、上側台座B220と下側台座B221とは、同一直線上にない3以上の連結部R1,R2,R3における互いの間隔が、連結ネジ部2210のネジ締結量を加減するだけで個別に調整可能とされるとともに、コイルバネ2211の弾性付勢力により調整後の間隔が一定に保たれるので、空間内の互いに直交する前後方向、左右方向、上下方向の3軸方向に対してプロジェクタ装置B2の各姿勢を微調整することができ、例えば上下方向、左右方向、前後方向のいずれの方向にもプロジェクタ装置B2を適正な姿勢で保持することができる。
[第3実施形態]
以上、第2実施形態について説明した。以下、第3実施形態について説明する。第3実施形態に係るパチスロ機1の基本的な構成は、第2実施形態に係るパチスロ機1と同じである。以下においては、第2実施形態に係るパチスロ機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第2実施形態における説明が第3実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<上側台座B220及び下側台座B221>
本実施形態に係る上側台座B220及び下側台座B221は、第2実施形態に係る上側台座B220及び下側台座B221とは異なる構成を有している。
図53は、上側台座及び下側台座の分解斜視図である。図54は、上側台座及び下側台座を組み付けた状態を示す平面図である。図55は、図54に示す上側台座及び下側台座を斜め前方から見た図である。図56は、図54に示す上側台座及び下側台座を斜め後方から見た図である。図57は、プロジェクタ機構の内部構成要素を収容するケースの斜視図である。図58は、下側台座にケースを取り付けた状態を示す斜視図である。
図53及び図54に示すように、上側台座B220は、平面視矩形状の板金部材に矩形状の開口を設けた形状を有している。図54に示すように、開口は、辺A、辺B、辺C、及び、辺Dに囲まれた略長方形の形状に形成されている。
上側台座B220の右側部分及び左側部分には、それぞれ、角孔2201cが設けられている。角孔2201cは、上側台座B220を中継板B300(図61参照)にネジ締結によって固定するための孔である。
第2実施形態では、プロジェクタ装置B2のプロジェクタカバーB1への取り付けにおいて、上側台座B220をプロジェクタカバーB1の上壁部B12にネジ締結することにより、プロジェクタ装置B2をプロジェクタカバーB1に直接固定することとして説明した。これに対し、本実施形態では、上側台座B220とプロジェクタカバーB1との間に、中継板B300を介在させることとしている。
角孔2201cの縦横内径寸法は、これに挿入して締結される取付ネジTのネジ軸径よりも大きくなっている。なお、図54には、上側台座B220を中継板B300に固定する際に使用される固定プレートB321も示されている。本実施形態において、中継板B300と上側台座B220とは、固定プレートB321及びキャップボルトを用いて締結される。第2実施形態では、固定プレートB321を示していなかったが、中継板B300と上側台座B220との締結に際しては、従来周知の部材を適宜選択して用いることができる。
また、上側台座B220には、下側台座B221を連結するための3つの連結孔2200Aが設けられている。3つの連結孔2200Aは、上側台座B220に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されている。
下側台座B221は、中央に矩形状の開口が形成された矩形状の本体部B221a、本体部B221aと段差を有して前方に延出する右側部B221b及び左側部B221c、並びに、本体部B221aと段差を有して後方に延出する後端部B221dを備える板金部材である。
図55に示すように、右側部B221bは、本体部B221aの前端右側を下方及び外方に折り曲げることで形成されている。左側部B221cは、本体部B221aの前端左側を下方及び外方に折り曲げることで形成されている。図56に示すように、後端部B221dは、本体部B221aの後端を下方に折り曲げるとともに、下方に折り曲げられた部分の一部を外方に折り曲げることで形成されている。右側部B221bと左側部B221cと後端部B221dとは、同一平面上に位置付けられるように形成されている。
右側部B221b、左側部B221c、及び、後端部B221dには、それぞれ、上側台座B220の3つの連結孔2200Aに対応して上向きに突出するように連結ネジ部2210が一体形成されている。3つの連結ネジ部2210は、右側部B221b、左側部B221c、及び、後端部B221dに沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されている。
第2実施形態と同様に、上側台座B220と下側台座B221とは、3つの連結孔2200A及び3つの連結ネジ部2210に対応する3箇所の連結部のそれぞれにおいて互いの間隔を調整可能に連結される。3箇所の連結部は、それぞれ、連結孔2200A、連結ネジ部2210、コイルバネ2211、ワッシャー2212、及び、ナット2213により構成される(図47参照)。
また、図53に示すように、下側台座B221には、ケースB22をネジ止めするための複数のネジ孔2214が設けられている。ケースB22としては、第2実施形態と同様の構成のものを採用することが可能であるが、本実施形態では、図57に示すように、直方体の箱形形状を有するケースB22を採用している。
第2実施形態と同様に、ケースB22には、プロジェクタ装置B2の内部構成要素であるレンズユニットB21(図47参照)、LED基板、DMD基板、ヒートシンク、吸気用ファン等が収容されている。ケースB22の下面には、プロジェクタ制御基板B23(図47参照)が固定されている。
ケースB22の前面に設けられた前部開口B22kには、レンズユニットカバーB222(図47参照)が取り付けられる。レンズユニットB21は、レンズユニットカバーB222で投射レンズ210(図47参照)が覆われた状態で、ケースB22に収容されている。
また、図示しないが、ケースB22には、左右方向における中央よりも左寄りの箇所(下側台座B221に取り付けた状態(図58参照)における左側部B221cの右端付近)に、2つの吸気用ファン244A・244Bが前後に並ぶように配設されている。2つの吸気用ファン244A・244Bの左側には、ヒートシンクが設けられている。
また、ケースB22の右側面には、吸気口B22Aが設けられており(図57参照)、ケースB22の左側面には、排気口B22Eが設けられている(図58参照)。これにより、ケースB22内においては、吸気口B22Aから吸気用ファン244A・244Bによって強制的に吸気された後、ヒートシンクから熱を奪いつつ排気口B22Eから排気される空気の流れが形成される。
図58に示すように、ケースB22は、下側台座B221に対してネジ締結により取り付けられて、その上端面(図57に示す上壁部B22F)が下側台座B221の本体部B221aの内側面に当接している。また、上側台座B220と下側台座B221とが連結された状態において、下側台座B221の本体部B221aは、上側台座B220よりも上方に位置している。これにより、ケースB22の上壁部B22Fも、上側台座B220よりも上方に位置付けられることになる。
この点、第2実施形態では、ケースB22の上端が下側台座B221に取り付けられており、上側台座B220は、それよりも上方に配置されていた。そのため、上側台座B220と下側台座B221との間に形成された空間内にケースB22を配置することができなかった。これに対し、本実施形態では、上側台座B220に開口を形成し、ケースB22の上端(上壁部B22F)が当該開口を上方に挿通するようにケースB22を配置することにより、ケースB22の上端(上壁部B22F)を上側台座B220よりも上方に位置付けることができるようになっている。これにより、ケースB22を配置するためのスペースを有効活用することが可能となっている。
なお、このように、第2実施形態と比較して、上側台座B220に対するケースB22(プロジェクタ装置B2)の相対的な位置を上方に移動させたことにより、ケースB22の前面に設けられた前部開口B22k(図57参照)の前方に、上側台座B220の一部が配置されることになる(図58参照)。すなわち、当該上側台座B220の一部が、前部開口B22kに対応するように設置された投射レンズ210(図47参照)の前方に配置された状態となる。これにより、投射レンズ210から出射された光が上側台座B220によって遮られるようにも思われる。
しかしながら、このようにして照射光が遮られることはない。すなわち、本実施形態において、照射光は、投射レンズ210の光軸よりも下側の部分から出射される。換言すれば、照射光の出射に際しては、投射レンズ210の下半分(投射レンズ210の上下方向における中央部を通る水平面よりも下側の部分)だけが使用される。このような投射レンズ210における光の出射位置は、従来公知のプロジェクタ(例えば、特開2008−058875号公報参照)とは異なっている。
このように、本実施形態では、照射光の出射に際して、投射レンズ210の上半分が使用されず、照射光は、投射レンズ210の光軸よりも下側の部分から出射されるところ、図58のように投射レンズ210の前方に配置された上側台座B220は、投射レンズ210の光軸よりも上方に存在する。従って、投射レンズ210から出射された光の進路は、上側台座B220よりも下方となり、上側台座B220によって照射光が遮られることはない。
また、下側台座B221を下方に折り曲げて、右側部B221b、左側部B221c、及び、後端部B221dを形成することで、右側部B221b、左側部B221c、及び、後端部B221dそれぞれの上方に上側台座B220が配置されるように、上側台座B220と下側台座B221とを連結することができる。これにより、上側台座B220及び下側台座B221の構成を第2実施形態から変更しつつも、3箇所の連結部の構成については、第2実施形態と同様の構成を採用することができる。
従って、プロジェクタ装置B2から照射される光の光軸方向等の調整についても、第2実施形態と同様の方法により行うことができる。このような光軸方向等の調整には、高度なコンピュータプログラムが必要であるところ、当該プログラムの開発には、多額のコストが発生する。本実施形態では、第2実施形態と同じプログラムを用いて光軸方向等の調整を行うことができるため、新たなコストの発生を抑えることが可能である。
また、本実施形態では、ケースB22が上壁部B22Fを有することとして説明しているが、第2実施形態のように、上側が開放されたケースB22(図47参照)を使用することとしてもよい。また、ケースB22の下側台座B221への取付方法としては、特に限定されず、第2実施形態のように、ステーB223a(図47参照)を用いることにより、ケースB22を下側台座B221に取り付けることとしてもよい。
以上で説明したように、本実施形態では、ケースB22の一部を上側台座B220よりも上方に配置することにより、第2実施形態と比較してケースB22を上方に移動させることが可能であり、ケースB22の下方領域に新たな空間を作り出すことができる。このような効果は、上側台座B220の構成を第2実施形態から変更したことにより得られるものであり、プロジェクタカバーB1については、第2実施形態と同様の構成を採用することができる。
もっとも、本実施形態では、他の効果も勘案して、第2実施形態とは異なる構成を有するプロジェクタカバーB1を採用している。以下、本実施形態に係るプロジェクタカバーB1について説明する。
<プロジェクタカバーB1>
図59は、プロジェクタカバーの上壁部を取り外した状態を示す斜視図である。図60は、上壁部を取り外した状態のプロジェクタカバーの平面図である。図61は、図60に示すプロジェクタカバーの矢視L−Lに沿う断面図と、プロジェクタカバーに取り付けられる中継板の斜視図とを分解して示す図である。図62は、上壁部を取り外した状態のプロジェクタカバーを斜め上方から見た図である。図63は、上壁部を取り外した状態のプロジェクタカバーの正面図である。図64は、図63に示すプロジェクタカバーの矢視M−Mに沿う断面図である。
図59に示すように、プロジェクタカバーB1は、概ね左右対称となる構造を備えており、その内部において、中継板取付部B301を有している。中継板取付部B301は、左右の側壁部B13・B13それぞれの内側面から内側に突出するように形成されている。中継板取付部B301は、段差を有するように形成されており、前方及び後方に形成された中継板取付面B301aと、中継板取付面B301aよりも上方に形成された位置調整面B301dと、前方及び後方それぞれの中継板取付面B301aと位置調整面B301dとを接続する接続部B301eとを有している。
中継板取付面B301aには、取付用孔B301bが形成されている。また、位置調整面B301dには、位置調整用孔B301cが形成されている。取付用孔B301bは、中継板B300を中継板取付部B301にネジ締結により取り付けるためのネジ孔である。位置調整用孔B301cは、中継板B300を中継板取付部B301に取り付けた際に上側台座B220の角孔2201c(図53参照)と対向するような位置に形成されている。
図61に示すように、中継板B300は、本体部B300A、本体部B300Aと段差を有して前方に延出する前側部B300B、及び、本体部B300Aと段差を有して後方に延出する後側部B300Cを備える。前側部B300Bは、本体部B300Aの前端を下方及び前方に折り曲げることで形成されている。後側部B300Cは、本体部B300Aの後端を下方及び後方に折り曲げることで形成されている。このように、中継板B300の形状は、プロジェクタカバーB1の中継板取付部B301に設けられた段差に対応した形状となっている。
本体部B300Aには、第1貫通孔B300aが形成されている。前側部B300B及び後側部B300Cには、それぞれ、第2貫通孔B300bが形成されている。第1貫通孔B300aは、中継板B300を上側台座B220に取り付ける際にキャップボルトが挿通する孔である。一方、第2貫通孔B300bは、中継板B300を中継板取付部B301にネジ締結により取り付ける際にネジが挿通する孔である。
また、図59に示すように、プロジェクタカバーB1の前方における左右両側には、上側が開放した開口B400(右開口B400a及び左開口B400b)が設けられている。右開口B400aは、上面視における形状が辺E〜J(図60参照)により構成される六角形に近似する形状となっている。
図62に示すように、辺E〜Jを上端として、各辺からそれぞれ下方に向けて連続する壁面(壁面B401e、壁面B401f、壁面B401g、壁面B401h、壁面B401i、及び、壁面B401j)が形成されている。辺Jから連続して形成される壁面B401j(図59参照)は、その他の壁面B401e〜B401iと比較して、上下方向の長さが短くなっている。なお、辺Eから連続して形成される壁面B401eは、プロジェクタカバーB1の内側において後方まで連続しており、プロジェクタカバーB1の内側面403(図64参照)の一部となっている。
また、図61に示すように、中継板取付部B301の位置調整面B301dの下方には空洞B402が形成されている。
図64は、接続部B301eを通る水平面(中継板取付面B301aよりも上方であって、位置調整面B301dよりも下方を通る面)で切断したときの断面図である。
図64に示すように、プロジェクタカバーB1の上側に向けて開放した開口B400(右開口B400a及び左開口B400b)と、中継板取付部B301の位置調整面B301dの下方に形成された空洞402とが、プロジェクタカバーB1の内部において連通している。
<プロジェクタカバーB1及びブラインドB500による空間の形成>
本実施形態では、プロジェクタカバーB1の下側に設けられる部材として、第2実施形態における多孔板B15(図45参照)に代わって、ブラインドB500が採用されている。
図65は、ブラインドの斜視図である。図66は、プロジェクタカバーの上壁部を取り外した状態の照射ユニットの平面図である。図67は、図66に示す照射ユニットの矢視N−Nに沿う断面において開口近傍用ファン及びダクトカバーを取り外した状態を示す図である。
図65に示すように、ブラインドB500は、概ね左右対称となる構造を備えており、略水平に形成された第1水平部B501と、第1水平部B501と連続して傾斜を有するように形成された第1傾斜部B502aと、第1傾斜部B502aと連続して略水平に形成された第2水平部B502bと、第2水平部B502bと連続して傾斜を有するように形成された第2傾斜部B502cと、第2傾斜部B502cと連続して略水平に形成された第3水平部B502dと、第3水平部B502dと左右方向の幅が同じになるように第3水平部B502dの後端から上方に向かって立設された後壁部B503と、ブラインドB500の外壁を構成する外壁部B504と、外壁部B504と対向している内壁部B505と、を有している。
外壁部B504は、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、第3水平部B502d、及び、後壁部B503と連続している。内壁部B505は、第1傾斜部B502a及び第2水平部B502bと連続している。なお、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、及び、第3水平部B502dは、外壁部B504近傍の一定範囲が隆起しており、当該範囲の内側部分よりも高くなるような構造を有している。
また、ブラインドB500は、平面視矩形状の小部屋B507を有している。小部屋B507は、上下方向に形成された前側壁部B507a、外側壁部B507b、及び、後側壁部B507d、並びに、内壁部B505によって囲まれた空間である。前側壁部B507aは、第2水平部B502bから立設されて、左右方向に延在している。外側壁部B507bは、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、及び、第3水平部B502dから立設されて、前後方向に延在し、後壁部B503と連続している。後側壁部B507dは、後壁部B503と略同一平面を形成するように立設されている。
このように、小部屋B507は、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、及び、第3水平部B502dに跨るように形成されているため、第2傾斜部B502c及び第3水平部B502dにおける左右方向の幅は、第1傾斜部B502aにおける左右方向の幅と比較して、前側壁部B507aにおける左右方向の幅の長さ分だけ、狭くなっている。なお、外側壁部B507bには、上方が開放されたU字状の切り欠き507cが形成されている。また、前側壁部B507a、外側壁部B507b、及び、後側壁部B507dの上端は、内壁部B505の上端縁B505aよりも低くなっている。
第1水平部B501には、その前端において上方に向かって僅かに立設された第1壁部B501aと、第1壁部B501aにおける内側部分から後方に向かって連続する第2壁部B501bと、第2壁部B501bから斜め後方に向かって連続する第3壁部B501cと、第3壁部B501cから後方に向かって連続する第4壁部B501dと、第4壁部B501dから内側に向かって連続する第5壁部B501eと、が形成されている。第5壁部B501eは、内壁部B505と連続している。
第3壁部B501cと第4壁部B501dと第5壁部B501eとによって囲まれた領域には、ブラインドB500をプロジェクタカバーB1にネジ締結により取り付けるためのネジ孔B506が形成されている。
図67に示すように、ブラインドB500がプロジェクタカバーB1の下側に取り付けられた状態において、ブラインドB500の第1壁部B501aの面は、プロジェクタカバーB1の壁面B401fと連続し、ブラインドB500の第2壁部B501bの面は、プロジェクタカバーB1の壁面B401gと連続し、ブラインドB500の第3壁部B501cの面は、プロジェクタカバーB1の壁面B401hと連続し、ブラインドB500の第4壁部B501dの面は、プロジェクタカバーB1の壁面B401iと連続している。
また、図67には現れていないが、ブラインドB500の第5壁部B501eの面は、プロジェクタカバーB1の空洞B402(図61参照)の前方に存在する面B402a(図64参照)と略同一平面上に配置されている。第5壁部B501eの上端と面B402aの下端との間には、一定の間隙が存在している。後述するように、当該間隙は、ダクトカバーB600(ダクトカバーB650)によって埋められる(図71参照)。さらに、ブラインドB500の外壁部B504の内側面は、プロジェクタカバーB1の内側面403(図64参照)と連続している。
以上より、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって、空間P(図67参照)が形成される。空間Pは、上方がプロジェクタカバーB1によって覆われるとともに、下方がブラインドB500によって覆われている。また、空間Pの側方は、ブラインドB500の第1壁部B501a〜第5壁部B501e、内壁部B505、後壁部B503、及び、外壁部B504、並びに、プロジェクタカバーB1の壁面B401f〜B401i、空洞B402の前後方に存在する面B402a・B402b、及び、内側面403等によって囲まれている。
そして、空間Pは、その上方の一部が開口B400(図59参照)を介してプロジェクタカバーB1の外部空間と繋がっており、また、空洞B402を介してプロジェクタカバーB1の内部空間Q(図64参照)と繋がっている。プロジェクタカバーB1とブラインドB500とが組み付けられた状態において、空洞B402は、空間Pの一部となっている。
なお、図66及び図67に示すように、開口B400(右開口B400a及び左開口B400b)には、メッシュ構造を有するパンチングB450(右パンチングB450a及び左パンチングB450b)が設けられている。これにより、開口B400を介して空間Pに異物が侵入してしまうことを一定程度防止することができる。
<空気流路及び液体貯留空間の形成>
図68は、図65に示すブラインドに開口近傍用ファン及びダクトカバーを取り付けるとともに、ケースを配置した状態を示す斜視図である。図69は、図66に示す照射ユニットから右パンチングを取り外した状態を示す斜視図である。図70は、図67に示す照射ユニットに開口近傍用ファン及びダクトカバーを取り付けた状態を示す断面図である。図71は、図70に示す照射ユニットの断面において開口近傍用ファンを取り外した状態を示す右側面図である。
図68に示すように、ブラインドB500の右側上部には、ダクトカバーB600が略水平に配設されている。ダクトカバーB600は、平板状の部材であり、上面視における外形形状が、ブラインドB500の後壁部B503、外壁部B504、内壁部B505、並びに、小部屋B507の前側壁部B507a及び外側壁部B507b(図65参照)それぞれの上端縁を含んで構成される図形に近似する形状となっている。これにより、ダクトカバーB600は、ブラインドB500を上方から覆っている。
また、ブラインドB500の左側上部には、ダクトカバーB650が略水平に配設されている。ダクトカバーB650は、平板状の部材であり、上面視における外形形状は、ダクトカバーB600と異なっているが(図75参照)、ダクトカバーB600と同様に、ブラインドB500を上方から覆っている。
図70に示すように、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって形成される空間P(図67参照)は、ダクトカバーB600(ダクトカバーB650)よりも上方の空間P1とダクトカバーB600よりも下方の空間P2とに分けられる。分かりやすくするため、図70では、ダクトカバーB600を斜線で示している。
また、図68に示すように、ダクトカバーB600の上側前方には、開口近傍用ファンB700が載置されている。開口近傍用ファンB700は、吸気用のファンであり、開口近傍用ファンB700の前方に存在する空気を、空気通過部B710(図72参照)を通過させて、後方へと移動させることができるようになっている。
図69及び図70に示すように、ブラインドB500にプロジェクタカバーB1が取り付けられた状態において、開口近傍用ファンB700は、プロジェクタカバーB1の右開口B400aの近傍に位置付けられる。分かりやすくするため、図69及び図70では、開口近傍用ファンB700を網掛けで示している。
ここで、図示しないが、本実施形態では、表示ユニットAをキャビネットGに装着した際、照射ユニットBの前方部分がキャビネットGの前方へと突出し、照射ユニットBのうちキャビネットGから突出した部分は、上ドア機構UD(図36参照)に収容される。そして、上ドア機構UDの上面壁に形成された2つの開口(図示せず)が、それぞれ、プロジェクタカバーB1の2つの開口B400(右開口B400a及び左開口B400b)の真上に位置付けられる。
また、図70に示すように、空洞B402(2つある空洞B402のうちの右側の空洞B402)に近接するように、ケースB22の吸気口B22A(図57参照)が配置されている。図示しないが、ケースB22の排気口B22E(図58参照)についても、同様に、空洞B402(2つある空洞B402のうちの左側の空洞B402)に近接するように配置されている。
これにより、本実施形態では、上ドア機構UDの上面壁に形成された開口(2つある開口のうちの右側の開口)を介して、パチスロ機1の外部から上ドア機構UDの内部に空気が取り入れられる。この空気は、上ドア機構UDの内部を下向きに移動し、プロジェクタカバーB1の開口B400(右開口B400a)を介して、プロジェクタカバーB1の内部に取り入れられる。
プロジェクタカバーB1の内部に入った空気は、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって形成された空間P(2つある空間Pのうちの右側の空間P、図67参照)のうちダクトカバーB600よりも上方の空間P1(図70参照)を後方に移動した後、プロジェクタカバーB1の内側へと向きを変え、空洞B402(2つある空洞B402のうちの右側の空洞B402)を通過して、吸気口B22Aを介してケースB22の内部に入る。
ケースB22の内部に入った空気は、ケースB22内で発生した熱を奪いながら左方向に進み、排気口B22Eを介してケースB22を出る。
ケースB22を出た空気は、空洞B402(2つある空洞B402のうちの左側の空洞B402)を通過した後、進路を前向きに変えて、空間P(2つある空間Pのうちの左側の空間P)のうちダクトカバーB650よりも上方の空間P1を前方に移動する。そして、当該空気は、プロジェクタカバーB1の開口B400(左開口B400b)を介して、プロジェクタカバーB1の外部に出る。
プロジェクタカバーB1の外部に出た空気は、上ドア機構UDの内部を上向きに移動した後、上ドア機構UDの上面壁に形成された開口(2つある開口のうちの左側の開口)を介して、パチスロ機1の外部に放出される。
以上で説明した空気の流れのうち、プロジェクタカバーB1の内部における空気流路を、図64中に太い矢印で示している。また、空間P1における空気の流れを、図70中に矢印Aで示している。本実施形態では、このような空気流路を形成することにより、プロジェクタ装置B2において発生した熱をパチスロ機1の外部に排出することができる。
ここで、上述したように、上ドア機構UDの上面壁に形成された開口は、プロジェクタカバーB1の開口B400(右開口B400a及び左開口B400b)の真上に存在している。すなわち、上ドア機構UDの開口とプロジェクタカバーB1の開口B400とを上面視したとき、少なくとも一部が重なり合っている。
そのため、上ドア機構UDの開口から液体等の異物がパチスロ機1の中に入った場合、当該異物は、プロジェクタカバーB1の内部に侵入することになる。しかしながら、本実施形態によれば、そのような場合であっても、当該異物がケースB22の内部に侵入してしまうことを防止することが可能である。以下、上ドア機構UDの開口から液体Lが投入された場合を例として説明する。
上ドア機構UDの開口から投入された液体Lは、プロジェクタカバーB1の開口B400(右開口B400a)を通過して、ブラインドB500の第1水平部B501(図65参照)に落下する。
ここで、図67を用いて説明したように、ブラインドB500の第5壁部B501eの上端とプロジェクタカバーB1の空洞B402(図61参照)の前方に存在する面B402a(図64参照)の下端との間には、一定の間隙が存在し、ダクトカバーB600の厚みは、当該間隙の長さと略一致する。ダクトカバーB600は、第5壁部B501eの上端及び面B402aの下端の双方に当接して、当該間隙を埋めるように配置される。これにより、ブラインドB500の第1水平部B501とダクトカバーB600との間には、ブラインドB500の第5壁部B501eの高さ相当の隙間が形成されている。液体Lは、当該隙間を通過して、第1水平部B501から第1傾斜部B502aの方へと流れていく。
ブラインドB500の第1傾斜部B502a及び第2傾斜部B502cは、後方に向かうにつれて下降するような傾斜を有しているため、液体Lは、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、及び、第3水平部B502dを後方へと流れていく。このように、液体Lは、第1水平部B501、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、及び、第3水平部B502dの面上を流れる。このような液体Lの流れを、図70中に矢印Lで示している。
後方へと流れてきた液体Lは、後壁部B503に衝突し、後壁部B503と外壁部B504と外側壁部B507b(及び内壁部B505)とで囲まれた領域に貯留される(図71参照)。当該領域は、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって形成された空間P(図67参照)のうちダクトカバーB600よりも下方の空間P2(図70参照)に含まれる。分かりやすくするため、図71では、貯留された液体Lを網掛けで示している。
ここで、図70に示す空間P1とプロジェクタカバーB1の内部空間Q(図64参照)とは、図71に示す開口B510を介して繋がっている。図71に示すように、開口B510は、側面視における形状が辺K〜Nにより構成される長方形に近似する形状となっている。
開口B510の下端を構成する辺Kは、ブラインドB500の内壁部B505の上端縁B505a(図65参照)に対応している。そして、内壁部B505の上端縁B505a(開口510の下端)は、図65に示すように、第1水平部B501、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、及び、第3水平部B502d(液体Lの通り道)よりも上方に位置している。
また、図には明示されていないが、ダクトカバーB600は、その右端がブラインドB500の外壁部B504の上端縁上に載置され、且つ、その左端がブラインドB500の内壁部B505の外側面に当接するように配置され、これにより、その主面B610(図72参照)がブラインドB500の内壁部B505の上端縁B505aと略同一平面を形成している(図68参照)。これにより、プロジェクタカバーB1の内部空間Qと液体Lの貯留空間(空間P2)とが、ダクトカバーB600によって隔てられ、液体Lが開口B510を介してプロジェクタカバーB1の内部空間Q(ケースB22の内部)に侵入するということが起こり難くなっている。
<開口近傍用ファンの取付構造及び取付位置>
図72は、ダクトカバー及び開口近傍用ファンの分解斜視図である。図73は、プロジェクタカバー及び開口近傍用ファンを後方且つ下方から見た分解斜視図である。図74は、プロジェクタカバー及び開口近傍用ファンを前方且つ下方から見た部分拡大斜視図である。
図72に示すように、ダクトカバーB600は、主面B610と、ファン設置構造B620と、後側部B630と、配線用開口B640(B640a及びB640b)と、ネジ孔B650(B650a及びB650b)と、を備えている。
主面B610は、上面視矩形形状における左後方コーナー部を切り欠いた形状を有している。ファン設置構造B620は、開口近傍用ファンB700を設置するための構造であり、主面B610の前方右寄りに形成されている。後側部B630は、主面B610の右側後部から後方に延在するように形成されている。配線用開口B640は、プロジェクタカバーB1の外部に配置された各種機能部品(サブ制御装置SS等)とプロジェクタ装置B2等とを接続する配線を挿通させるための孔である。ネジ孔B650は、ダクトカバーB600をプロジェクタカバーB1にネジ締結により取り付けるための孔である。
ファン設置構造B620は、主面B610の前端において立設された前側係合部B621と、前側係合部B621よりも後方において主面B610から立設された左後側係合部B622及び右後側係合部B623と、主面B610から僅かに立設されて前後方向に延在する下側係合部B624(下側左係合部B624a、下側中係合部B624b、及び、下側右係合部B624c)と、を有している。
下側左係合部B624a及び下側中係合部B624bは、前側係合部B621の背面と左後側係合部B622の前面とを接続している。下側右係合部B624cは、前側係合部B621の背面と右後側係合部B623の前面とを接続している。
前側係合部B621の上端縁B621a、左後側係合部B622の上端縁B622a、及び、右後側係合部B623の上端縁B623aは、それぞれカーブ状に形成されている。開口近傍用ファンB700は、円状の空気通過部B710を有している。上端縁B621a、上端縁B622a、及び、上端縁B623aは、空気通過部B710の形状に対応する形状(円弧状)に形成されている。なお、分かりやすくするため、図72では、上端縁B621a及び上端縁B622aを斜線で示し、空気通過部B710を網掛けで示している。
図73に示すように、プロジェクタカバーB1内側の天井部から下方に突出するように、開口近傍用ファンB700を設置するための構造(ファン設置構造)が形成されている。具体的に、プロジェクタカバーB1は、開口B400の後端に沿って形成された前側係合部B421と、前側係合部B421よりも後方に形成された後側係合部B422と、前後方向に延在する上側係合部B423(上側左係合部B423a、上側中係合部B423b、及び、上側右係合部B423c)と、を有している。
上側係合部B423は、前側係合部B421の背面と後側係合部B422の前面とを接続している。プロジェクタカバーB1内側の天井部からの下方への突出長は、上側係合部B423よりも前側係合部B421及び後側係合部B422の方が長くなっている。
前側係合部B421の下端縁B421a及び後側係合部B422の下端縁B422aは、それぞれカーブ状に形成されている。下端縁B421a及び下端縁B422aは、開口近傍用ファンB700の空気通過部B710の形状に対応する形状(円弧状)に形成されている。なお、分かりやすくするため、図73では、下端縁B421a及び下端縁B422aを斜線で示している。
開口近傍用ファンB700は、以上で説明したダクトカバーB600のファン設置構造B620及びプロジェクタカバーB1のファン設置構造によって挟持される。
具体的に、ダクトカバーB600の前側係合部B621と左後側係合部B622との間隔、前側係合部B621と右後側係合部B623との間隔、及び、プロジェクタカバーB1の前側係合部B421と後側係合部B422との間隔は、それぞれ、開口近傍用ファンB700における前後方向の長さと略等しくなっている。
これにより、開口近傍用ファンB700の左側前面は、ダクトカバーB600の前側係合部B621の背面と当接し、開口近傍用ファンB700の左側背面は、ダクトカバーB600の左後側係合部B622の前面と当接し、開口近傍用ファンB700は、ダクトカバーB600の前側係合部B621と左後側係合部B622とによって挟持される。また、開口近傍用ファンB700の右側前面は、ダクトカバーB600の前側係合部B621の背面と当接し、開口近傍用ファンB700の右側背面は、ダクトカバーB600の右後側係合部B623の前面と当接し、開口近傍用ファンB700は、ダクトカバーB600の前側係合部B621と右後側係合部B623とによって挟持される。
また、開口近傍用ファンB700の前面は、プロジェクタカバーB1の前側係合部B421の背面と当接し、開口近傍用ファンB700の背面は、プロジェクタカバーB1の後側係合部B422の前面と当接し、開口近傍用ファンB700は、プロジェクタカバーB1の前側係合部B421と後側係合部B422とによって挟持される。
また、ダクトカバーB600の3つの下側係合部B624(下側左係合部B624a、下側中係合部B624b、及び、下側右係合部B624c)は、主面B610からの上方への突出長が互いに略等しくなっている。また、プロジェクタカバーB1の3つの上側係合部B423(上側左係合部B423a、上側中係合部B423b、及び、上側右係合部B423c)は、プロジェクタカバーB1内側の天井部からの下方への突出長が互いに略等しくなっている。そして、ダクトカバーB600の下側係合部B624とプロジェクタカバーB1の上側係合部B423との間隔は、開口近傍用ファンB700における上下方向の長さと略等しくなっている。
これにより、開口近傍用ファンB700の下面は、ダクトカバーB600の3つの下側係合部B624(下側左係合部B624a、下側中係合部B624b、及び、下側右係合部B624c)の上面と当接し、開口近傍用ファンB700の上面は、プロジェクタカバーB1の3つの上側係合部B423(上側左係合部B423a、上側中係合部B423b、及び、上側右係合部B423c)の下面と当接し、開口近傍用ファンB700は、ダクトカバーB600の下側係合部B624とプロジェクタカバーB1の上側係合部B423とによって挟持される。
以上のようにして、開口近傍用ファンB700は、前後方向及び上下方向から、ダクトカバーB600及びプロジェクタカバーB1によって挟持されることで、固定される。
開口近傍用ファンB700が固定された状態において、空気通過部B710の前面側周縁は、ダクトカバーB600における前側係合部B621の上端縁B621a及びプロジェクタカバーB1における前側係合部B421の下端縁B421aに沿うように位置付けられる(図69及び図74参照)。また、図示しないが、空気通過部B710の背面側外縁は、ダクトカバーB600における左後側係合部B622の上端縁B622a及び右後側係合部B623の上端縁B623a、並びに、プロジェクタカバーB1における後側係合部B422の下端縁B422aに沿うように位置付けられる。
すなわち、空気通過部B710は、正面視において、ダクトカバーB600の前側係合部B621、左後側係合部B622、及び、右後側係合部B623、並びに、プロジェクタカバーB1の前側係合部B421及び後側係合部B422と重畳していない。換言すれば、空気通過部B710は、ダクトカバーB600の前側係合部B621、左後側係合部B622、及び、右後側係合部B623、並びに、プロジェクタカバーB1の前側係合部B421及び後側係合部B422によって覆われていない。これにより、空気の通過部分の面積を最大限確保することができる。
一方で、空気通過部B710の周縁と、ダクトカバーB600における係合部の上端縁(上端縁B621a、上端縁B622a、及び、上端縁B623a)並びにプロジェクタカバーB1における係合部の下端縁(下端縁B421a及び下端縁B422a)とを合致させることにより、開口近傍用ファンB700とダクトカバーB600とが当接する部分の面積、及び、開口近傍用ファンB700とプロジェクタカバーB1とが当接する部分の面積を大きくすることが可能であり、これにより、開口近傍用ファンB700を安定的に固定することができる。
また、図74に示すように、プロジェクタカバーB1における前側係合部B421の前面は、右開口B400aの後端縁(図60に示す辺j)から下方に向けて形成された壁面B401j(図59参照)と一致している。これにより、開口近傍用ファンB700は、前側係合部B421の前後方向における厚み分だけ、右開口B400aの後端縁(図60に示す辺j)よりも後方に配置されることになる。従って、開口近傍用ファンB700は、右開口B400aよりも奥まった位置に存在するため、プロジェクタカバーB1の右開口B400aから液体が入ってきたとしても、当該液体が開口近傍用ファンB700に直接かかり難いようになっている。一方で、開口近傍用ファンB700が右開口B400aに近接して配置されているため、右開口B400aを介して、プロジェクタカバーB1の外部から空気を取り込みやすくなっている。これにより、プロジェクタ装置B2において発生した熱を効率よく排出することができる。
なお、ダクトカバーB600の左後側係合部B622と右後側係合部B623とが別個に構成されているのに対し、前側係合部B621は、左右の部位が分断されることなく繋がった形状となっている。これにより、プロジェクタカバーB1の右開口B400aから液体が入ってきたとしても、当該液体が後方へと侵入し難いようになっている。
また、プロジェクタカバーB1における右開口B400aの後端縁(図60に示す辺j)の長さと、ダクトカバーB600における前側係合部B621の左右方向の長さと、ダクトカバーB600における左後側係合部B622の左端から右後側係合部B623の右端までの長さと、プロジェクタカバーB1における前側係合部B421の左右方向の長さと、プロジェクタカバーB1における後側係合部B422の左右方向の長さと、開口近傍用ファンB700における左右方向の長さは、全て略等しくなっている。これにより、プロジェクタカバーB1の右開口B400aから空間P1(図70参照)に至るまでの途中スペース(空間P1を左右方向の鉛直面で切断したときの断面)が開口近傍用ファンB700によって略隙間なく埋められた状態となっている。この点においても、空気の通過部分の面積が最大限確保されており、プロジェクタ装置B2の冷却効率を高めることができる。
<液体の貯留及び排出>
図75は、ブラインド及びダクトカバーを取り付けた状態を左方から見た斜視図である。図76は、プロジェクタカバー、ブラインド、及び、ダクトカバーを後方から見た斜視図である。図77は、図76に示すプロジェクタカバー、ブラインド、及び、ダクトカバーの分解斜視図である。図78は、ブラインド及びダクトカバーの分解斜視図である。
なお、図78では、ブラインドB500を前方且つ上方から見る一方、ダクトカバーB600を後方且つ下方から見た様子を示している。
上述したように、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって形成された空間P(図67参照)のうちダクトカバーB600よりも下方の空間P2(図70参照)は、プロジェクタカバーB1の内部に入ってきた液体を貯留することが可能である(図71参照)。
図65を用いて説明したように、ブラインドB500には、第1水平部B501、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、第3水平部B502d、及び、小部屋B507が形成されている。これにより、貯留可能な液体の容量を増やしつつ、ブラインドB500の下方においてスクリーン装置C(図40参照)を配置するためのスペースを確保するとともに、ブラインドB500の強度を維持することが可能となっている。
特に、本実施形態では、小部屋B507の存在によりブラインドB500の強度を高めるとともに、小部屋B507にも液体を貯留することができるようになっている。すなわち、上述したように、小部屋B507には、切り欠き507cが形成されており、液体の貯留量が一定量を超えると、切り欠き507cから小部屋B507に液体が流入する。このようにして、リブとして設けられた小部屋B507に液体を貯留することにより、ブラインドB500内の空間を有効に活用している。
図75に示すように、ダクトカバーB650は、上面視矩形形状における左前方コーナー部を切り欠いた形状を有している。分かりやすくするため、図75では、ダクトカバーB650を斜線で示している。図68を用いて説明したように、ダクトカバーB600は、上面視において小部屋B507の前側壁部B507a及び外側壁部B507b(図65参照)に沿うように配置される。これに対し、ダクトカバーB650は、ダクトカバーB600よりも前後方向の長さが短く、ダクトカバーB650の後端は、小部屋B507よりも前方に位置付けられる。
もっとも、図示しないが、ダクトカバーB650の後端は、プロジェクタカバーB1の空洞B402(図61参照)の後方に存在する面B402b(図64参照)、すなわち、図71に示す開口B510の辺Nよりも後方に配置される。これにより、ダクトカバーB650は、ダクトカバーB600と同様に、プロジェクタカバーB1の内部空間Qと液体Lの貯留空間(空間P2)とを隔てており、液体Lが開口B510を介してプロジェクタカバーB1の内部空間Q(ケースB22の内部)に侵入するということが起こり難くなっている。
ここで、ブラインドB500に貯留された液体は、ブラインドB500からパチスロ機1の外部まで連通するチューブを備える排出機構を用いて排出される。当該チューブは、液体排出用孔Sを挿通させることにより、ブラインドB500内に挿入される。以下、液体排出用孔Sについて説明する。
図76に示すように、液体排出用孔Sは、照射ユニットBの背面側に設けられている。具体的に、図77及び図78に示すように、液体排出用孔Sは、プロジェクタカバーB1の配線用開口B411と、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511aと、ダクトカバーB600の後側部B630(図72参照)と、によって構成される。
配線用開口B411は、プロジェクタカバーB1の背面を構成する背面側壁部B410において、下方が開放した切り欠きとして形成されている。
配線用開口B510aは、ブラインドB500の背面を構成する第1背面側壁部B510において、上方が開放した切り欠きとして形成されている。配線用開口B511aは、ブラインドB500の第1背面側壁部B510の前方に形成された第2背面側壁部B511において、上方が開放した切り欠きとして形成されている。第2背面側壁部B511は、後壁部B503の上端から後方に向けて連続して形成された水平面B508の後端から立設するように形成されている。第1背面側壁部B510は、第2背面側壁部B511の下端から後方に向けて連続して形成された水平面B509の後端から立設するように形成されている。
ダクトカバーB600の後側部B630は、裏側の面B631と、面B631の左右両端縁から下方に突出した下方突出部B632a及び下方突出部B632bと、を有している。下方突出部B632aと下方突出部B632bとは、一定の距離を隔てて略平行となるように対向しており、下方突出部B632aと下方突出部B632bとの間には、スペースが形成されている。
プロジェクタカバーB1、ブラインドB500、及び、ダクトカバーB600が組み付けられた状態において、プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a、並びに、ダクトカバーB600の下方突出部B632aと下方突出部B632bとの間に形成されたスペースは、背面視において重畳し、これにより、液体排出用孔S(図76において2つ示される液体排出用孔Sのうち左側の液体排出用孔S)が形成される。なお、ダクトカバーB650には、後側部B630が形成されていないため(図75参照)、図76において2つ示される液体排出用孔Sのうち右側の液体排出用孔Sは、プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511aによって形成される。
液体排出用孔Sには、ブラインドB500に貯留された液体を排出するためのチューブが挿通されるとともに、照射ユニットB以外の各種機能部品(サブ制御装置SS等)とプロジェクタ装置B2等とを接続するための配線も挿通される。当該配線は、配線用開口B640a、B640b(図72参照)を挿通させることにより、プロジェクタ装置B2や開口近傍用ファンB700に接続される。
ここで、配線用開口B640a、B640bは、ダクトカバーB600の外側(右端近傍)に形成されており、配線用開口B640a、B640bの形成箇所は、プロジェクタカバーB1の内部空間Q(図64参照)に向けて開放された開口B510(図71参照)から離間した位置となっている。これにより、ブラインドB500に貯留された液体が配線用開口B640a、B640bを介してプロジェクタカバーB1の内部空間Q(ケースB22の内部)に侵入するということが起こり難くなっている。
以上、本発明の一実施形態として、第3実施形態に係るパチスロ機1について説明した。
従来、プロジェクタ等の投影装置により投影された映像をスクリーンに表示することにより演出を行うことが可能な遊技機が知られている(特開2012−147828号公報参照)。このような遊技機によれば、液晶表示装置と同程度の映像表現が可能であるとともに、液晶表示装置等と比較して、表示面が大型化した際のコストを低減させることができる。また、スクリーンの形状を適宜変更することにより、液晶表示装置では行うことのできない映像表現も可能となる。
しかしながら、投影装置は、液晶表示装置等と比較して、発熱しやすく、高温になりやすいため、発生した熱を放出しないと正常に機能しなくなってしまうという問題があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、映像を投影することが可能な投影装置で発生した熱を効率よく放出することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第3実施形態に係るパチスロ機1は、以下の特徴を備えている。
(3−1) スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタを囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)と、
前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンに表示された画像を視認可能にするための表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、
前記カバー部材の内部に配置されたファン(開口近傍用ファンB700)と、
前記カバー部材の内部空間を仕切る仕切部材(ダクトカバーB600)と、を備え、
前記カバー部材には、前記カバー部材の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、前記カバー部材の内部に形成された第1の空間(空間Q)に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されており、
前記仕切部材は、前記カバー部材の内部において前記第1の開口から連通する空間を第2の空間(空間P1)及び第3の空間(空間P2)に仕切っており、
前記第1の空間と前記第2の空間とは、前記第2の開口を介して連通しており、
前記ファンは、前記第2の空間に配置されており、
前記プロジェクタは、前記第1の空間に配置されている、
ことを特徴とする遊技機。
第3実施形態に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部空間(第1の空間(空間Q))に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されている。カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部において第1の開口(右開口B400a)から連通する空間は、仕切部材(ダクトカバーB600)によって第2の空間(空間P1)及び第3の空間(空間P2)に仕切られている。第1の空間(空間Q)と第2の空間(空間P1)とは、第2の開口(開口B510)を介して連通している。プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)は、第1の空間(空間Q)に配置されており、第2の空間(空間P1)には、ファン(開口近傍用ファンB700)が配置されている。これにより、第2の空間(空間P1)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間と内部空間との間で、空気を移動させることが可能であり、このような空気の流れを通じて、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を効率よく放出することができる。
一方で、第2の空間(空間P1)にはファン(開口近傍用ファンB700)が配置されているため、仮に、第1の開口(右開口B400a)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部に異物が混入した場合であっても、ファン(開口近傍用ファンB700)の存在によって、当該異物がプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の配置されている方(第1の空間(空間Q)側)へと侵入するということを起こり難くすることができる。さらに、第3の空間(空間P2)は、第2の空間(空間P1)(プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の存在する第1の空間(空間Q)と連通する空間)から仕切部材(ダクトカバーB600)によって隔離されているため、仮に、異物が第3の空間(空間P2)に入ってきた場合、当該異物が第3の空間(空間P2)から第2の空間(空間P1)に侵入してしまうことを防止することができる。これにより、遊技機の外部から侵入してきた液体等の異物からプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を保護して、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)が故障してしまう原因を除去することができるとともに、第1の開口(右開口B400a)を介した不正なアクセスを抑制して、セキュリティを向上させることができる。
(4−1) スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタを囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)と、
前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンに表示された画像を視認可能にするための表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、
前記カバー部材の内部に配置されたファン(開口近傍用ファンB700)と、を備え、
前記カバー部材には、前記カバー部材の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、前記カバー部材の内部に形成された第1の空間(空間Q)に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されており、
前記第1の空間と、前記カバー部材の内部において前記第1の開口から連通する第2の空間(空間P)とは、前記第2の開口を介して連通しており、
前記プロジェクタは、前記第1の空間に配置されており、
前記第2の空間には、前記ファンを設置するためのファン設置用部材(ダクトカバーB600)が設けられており、
前記ファンは、前記第2の空間において、前記カバー部材の内側部と前記ファン設置用部材とによって挟持されている、
ことを特徴とする遊技機。
第3実施形態に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部空間(第1の空間(空間Q))に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されている。第1の空間(空間Q)と第2の空間(空間P)(カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部において第1の開口(右開口B400a)から連通する空間)とは、第2の開口(開口B510)を介して連通している。プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)は、第1の空間(空間Q)に配置されており、第2の空間(空間P)には、ファン(開口近傍用ファンB700)が配置されている。これにより、第2の空間(空間P)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間と内部空間との間で、空気を移動させることが可能であり、このような空気の流れを通じて、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を効率よく放出することができる。とりわけ、第2の空間(空間P)には、ファン(開口近傍用ファンB700)を設置するためのファン設置用部材(ダクトカバーB600)が設けられており、ファン(開口近傍用ファンB700)は、第2の空間(空間P)において、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内側部とファン設置用部材(ダクトカバーB600)とによって挟持されている。この点、ファン(開口近傍用ファンB700)を設置するに当たり、ビスや爪等の構造を別途設けることとすれば、当該構造のために(左右方向に)新たにスペースが必要になる。これに対し、第3実施形態に係るパチスロ機1によれば、省スペースでファン(開口近傍用ファンB700)を設置することが可能であり、第2の空間(空間P)内における空気の通過可能部分のスペースを最大限確保することができる。その結果、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間と内部空間との間での空気の移動効率を高めることが可能であり、ファン(開口近傍用ファンB700)の機能を最大限活かしつつ、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効果を向上させることができる。
(4−2) 前記(4−1)の遊技機であって、
前記ファン設置用部材には、前記ファンにおける空気の通過可能部分(空気通過部B710)の形状に対応する形状を有するファン設置部(ファン設置構造B620)が形成されている、
ことを特徴とする。
第3実施形態に係るパチスロ機1によれば、ファン設置部(ファン設置構造B620)は、ファン(開口近傍用ファンB700)における空気の通過可能部分(空気通過部B710)の形状に対応する形状を有しているため、ファン設置部(ファン設置構造B620)によって空気の通過が妨げられてしまうことを防止することができる。これにより、ファン(開口近傍用ファンB700)の吸引力を最大限活かしつつ、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効果をさらに向上させることができる。
(5−1) スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタを囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)と、
前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンに表示された画像を視認可能にするための表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記カバー部材には、前記カバー部材の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、前記カバー部材の内部に形成された第1の空間(空間Q)に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されており、
前記第1の空間と、前記カバー部材の内部において前記第1の開口から連通する第2の空間(空間P)とは、前記第2の開口を介して連通しており、
前記プロジェクタは、前記第1の空間に配置されており、
前記第2の空間は、下方が閉塞することにより液体を貯留することが可能であり、
前記カバー部材には、さらに、前記カバー部材の外部に配置された機器と前記プロジェクタとを接続する配線を挿通させるための配線用開口(プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a)が形成されており、
前記第2の空間と前記カバー部材の外部空間とは、前記配線用開口を介して連通しており、
前記配線用開口は、前記第2の空間に貯留された液体を前記カバー部材の外部に排出するための機構(排出機構が備えるチューブ)を挿通させることが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第3実施形態に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部空間(第1の空間(空間Q))に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されている。第1の空間(空間Q)と第2の空間(空間P)(カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部において第1の開口(右開口B400a)から連通する空間)とは、第2の開口(開口B510)を介して連通している。プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)は、第1の空間(空間Q)に配置されている。これにより、第2の空間(空間P)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間と内部空間との間で、空気を移動させることが可能であり、このような空気の流れを通じて、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を効率よく放出することができる。
また、第3実施形態に係るパチスロ機1によれば、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部に配置された機器とプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)とを接続する配線を挿通させるための配線用開口(プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a)が形成されており、第2の空間(空間P)とカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間とは、配線用開口(プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a)を介して連通している。そして、第2の空間(空間P)は、下方が閉塞することにより液体を貯留することが可能である一方、第2の空間(空間P)に貯留された液体は、配線用開口(プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部に排出することが可能である。これにより、仮に、第1の開口(右開口B400a)を介して、遊技機の外部からカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部へと液体(遊技者が注ぎ込んだ飲み物等)が入ってきた場合であっても、当該液体を第2の空間(空間P)内に滞留させることが可能であり、当該液体が第2の空間(空間P)外の機器に侵入してしまうことを防止することができる。また、貯留された液体を配線用開口(プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a)から適宜排出することにより、液体の貯留量を一定限度以下に保つことが可能である。その結果、第2の空間(空間P)に液体が過剰に貯留されることに起因して、当該液体がプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の配置空間(第1の空間)に侵入してしまう、という事態を回避することができる。このようにして、第3実施形態に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)や他の機器が液体によって故障してしまうことを抑制することができる。なお、パチスロ機1の内部温度は、比較的高い(約60℃)ため、貯留された液体は、上記のような機構を用いて排出しなくても、放置しておけば自然に蒸発する。従って、当該排出機構を設けることは必須でなく、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、配線用開口(プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a)が形成されていなくてもよい。
(6−1) スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタを囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)と、
前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンに表示された画像を視認可能にするための表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、
前記カバー部材の内部に配置されたファン(開口近傍用ファンB700)と、を備え、
前記カバー部材には、前記カバー部材の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、前記カバー部材の内部に形成された第1の空間(空間Q)に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されるとともに、前記第1の開口の周縁の一部(図60に示す辺j)から前記カバー部材の内側に向けて連続する開口縁部(プロジェクタカバーB1の前側係合部B421)が形成されており、
前記第1の空間と、前記カバー部材の内部において前記第1の開口から連通する第2の空間(空間P)とは、前記第2の開口を介して連通しており、
前記プロジェクタは、前記第1の空間に配置されており、
前記ファンは、前記第2の空間において前記開口縁部に当接するように配置されている、
ことを特徴とする遊技機。
第3実施形態に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部空間(第1の空間(空間Q))に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されている。第1の空間(空間Q)と第2の空間(空間P)(カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部において第1の開口(右開口B400a)から連通する空間)とは、第2の開口(開口B510)を介して連通している。プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)は、第1の空間(空間Q)に配置されており、第2の空間(空間P)には、ファン(開口近傍用ファンB700)が配置されている。これにより、第2の空間(空間P)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間と内部空間との間で、空気を移動させることが可能であり、このような空気の流れを通じて、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を効率よく放出することができる。とりわけ、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、第1の開口(右開口B400a)の周縁の一部(図60に示す辺j)からカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内側に向けて連続する開口縁部(プロジェクタカバーB1の前側係合部B421)が形成されており、ファン(開口近傍用ファンB700)は、第2の空間(空間P)において開口縁部(プロジェクタカバーB1の前側係合部B421)に当接するように配置されている。これにより、仮に、第1の開口(右開口B400a)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部に液体等の異物(例えば、遊技者が注ぎ込んだ飲み物等)が混入した場合であっても、当該異物がファン(開口近傍用ファンB700)に直接接触してしまうことを防止することができる。一方で、ファン(開口近傍用ファンB700)の設置位置を可能な限り第1の開口(右開口B400a)に接近させることにより、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間と内部空間との間での空気移動をスムーズに行わせることができ、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効果を向上させることができる。
第3実施形態では、表示ユニットAをキャビネットGに装着した際、照射ユニットBの前方部分がキャビネットGの前方へと突出し、照射ユニットBのうちキャビネットGから突出した部分は上ドア機構UD(図36参照)に収容されることとして説明した。このように、照射ユニットBの前方部分がキャビネットGの前方へと突出する場合、図79に示すようにして上ドア機構UDがキャビネットGに取り付けられる構成を採用することが望ましい。
図79は、上ドア機構をキャビネットに取り付ける方法について説明するための図である。この構成によれば、引っ掛け部UD120は、上ドア機構UDから後方へと突出する部材であり、ネジ締結により上ドア機構UDに取り付けられる。一方、キャビネットGの側面壁G2の内側面には、内側に向けて突出する内面側突出部材G2a(例えば、側面壁G2の内側面にねじ込まれたネジ等)が設けられている。
上ドア機構UDをキャビネットGに取り付ける(上ドア機構UDをキャビネットGに対して閉じる)に当たっては、まず、上ドア機構UDの上壁の下側面を前面側突出部材G120の上面に載せつつ、引っ掛け部UD120の欠き込みを内面側突出部材G2aに引っ掛ける。この状態で下ドア機構DDをキャビネットGに対して閉じることで、下ドア機構DDによって上ドア機構UDが後方へと押し込まれる。これにより、上ドア機構UDも、キャビネットGに対して閉じられることになる。このような構成を採用することにより、上ドア機構UD及びキャビネットGの内部スペースを有効に活用することができる。
なお、第3実施形態では、上ドア機構UDの上面壁に形成された開口を介して、パチスロ機1の内部空間と外部空間との間で空気が流動することとして説明したが、本発明においては、キャビネットGの上面壁G4に形成された開口G41(図36参照)を介して空気を流動させることとしてもよい。この場合には、例えば、表示ユニットAをキャビネットGに装着した際、キャビネットGの上面壁G4に形成された開口G41がプロジェクタカバーB1の開口B400の真上に位置付けられるようにすればよい。
また、プロジェクタカバーB1の開口B400の上方に形成された開口(上ドア機構UD又はキャビネットGに形成された開口)からパチスロ機1の内部に侵入する異物の量をなるべく少なくするために、当該開口は、プロジェクタカバーB1の開口B400よりも小さい方がよく、当該開口には、異物の侵入を防止するための何らかの措置(例えば、パンチングB450と同様のメッシュ構造の設置)が施されていることが望ましい。
また、第3実施形態では、プロジェクタ装置B2(ケースB22の内部)に吸気用ファン244A・244Bが配設されるとともに、プロジェクタ装置B2の外部(プロジェクタカバーB1の内部空間)に開口近傍用ファンB700が配設されることとして説明した。本発明において、ファンの配置位置は、特に限定されず、プロジェクタ装置B2(ケースB22の内部)にのみファンを配設して、プロジェクタ装置B2の外部(プロジェクタカバーB1の内部空間)にはファンを配設しないこととしてもよい。逆に、プロジェクタ装置B2の外部(プロジェクタカバーB1の内部空間)にのみファンを配設して、プロジェクタ装置B2(ケースB22の内部)にはファンを配設しないこととしてもよい。
図80は、吸気用ファン及び排気用ファンの配置位置について説明するための図である。なお、この変形例では、プロジェクタカバーB1及びブラインドB500の構成が第3実施形態におけるこれらの構成と若干異なっている。基本的な構成は同様であるため、詳細な説明は省略するが、本変形例におけるブラインドB500には、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、第3水平部B502dの代わりに傾斜部B502が形成され、小部屋B507は形成されていない。また、ブラインドB500の後壁部B503は、第3実施形態よりも前方に位置付けられ、後壁部B503の前側の面は、プロジェクタカバーB1の空洞B402の後方に存在する面B402bと連続している。
吸気用ファンは、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって形成された空間P(2つある空間Pのうちの右側の空間P)中の所望の位置に配設することができる。
図80では、吸気用ファンの配置位置として、F(R1)で示す点線で囲まれた領域、F(R2)で示す点線で囲まれた領域、F(R3)で示す点線で囲まれた領域、及び、F(R4)で示す点線で囲まれた領域を例示している。
F(R1)で示す点線で囲まれた領域は、右側の開口B510(図71参照)近傍に位置しており、該領域に吸気用ファンが配設された場合、吸気用ファンは、ケースB22の右側面に設けられた吸気口B22A(図57参照)に近接する。これにより、プロジェクタカバーB1の外部から取り入れられた空気を、ケースB22の内部(プロジェクタ装置B2)へと効率的に送り込むことができる。
F(R2)で示す点線で囲まれた領域は、F(R1)で示す点線で囲まれた領域の右側領域であり、プロジェクタカバーB1の壁面B401iを後方へ延長した箇所である。F(R2)で示す点線で囲まれた領域に吸気用ファンが配設された場合、空間Pを後方に移動した空気の進行方向を、スムーズに内向きへと変えることができる。
F(R3)で示す点線で囲まれた領域は、F(R2)で示す点線で囲まれた領域の前方領域であり、プロジェクタカバーB1の壁面B401j(図59参照)の下側領域である。F(R3)で示す点線で囲まれた領域に吸気用ファンが配設された場合、開口B400を介してプロジェクタカバーB1の内部に取り入れられた空気を、スムーズに後方へと流すことができる。
F(R4)で示す点線で囲まれた領域は、F(R3)で示す点線で囲まれた領域の前方領域であり、開口B400の下方領域である。F(R4)で示す点線で囲まれた領域に吸気用ファンが配設された場合、プロジェクタカバーB1の内部への空気の取り入れをスムーズに行うことができる。
また、排気用ファンは、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって形成された空間P(2つある空間Pのうちの左側の空間P)中の所望の位置に配設することができる。
図80では、排気用ファンの配置位置として、F(L1)で示す点線で囲まれた領域、及び、F(L2)で示す点線で囲まれた領域を例示している。
F(L1)で示す点線で囲まれた領域は、左側の開口B510近傍に位置しており、該領域に排気用ファンが配設された場合、排気用ファンは、ケースB22の左側面に設けられた排気口B22E(図58参照)に近接する。これにより、プロジェクタ装置B2で発生した熱によって温められた空気を、プロジェクタ装置B2の外部へと効率的に送り出すことができる。
F(L2)で示す点線で囲まれた領域は、プロジェクタカバーB1の壁面B401jの下側領域である。F(L2)で示す点線で囲まれた領域に排気用ファンが配設された場合、ケースB22から出た空気の進行方向を、スムーズに前向きへと変えることができる。
以上、図80を用いて説明した吸気用ファン及び排気用ファンは、吸気用ファンと排気用ファンとの双方を配設することとしてもよいし、吸気用ファンのみを配設することとしてもよいし、排気用ファンのみを配設することとしてもよい。
また、吸気用ファンは、F(R1)で示す点線で囲まれた領域、F(R2)で示す点線で囲まれた領域、F(R3)で示す点線で囲まれた領域、及び、F(R4)で示す点線で囲まれた領域のうちの何れか1つの領域のみに配設することとしてもよいし、これらの領域のうちの2つ以上の領域に配設することとしてもよい。排気用ファンは、F(L1)で示す点線で囲まれた領域とF(L2)で示す点線で囲まれた領域とのうち、一方の領域のみに配設することとしてもよいし、双方の領域に配設することとしてもよい。
なお、第3実施形態では、プロジェクタカバーB1の内部において、図64中に太い矢印で示したような空気流路が形成されることとして説明した。しかし、プロジェクタカバーB1内の空気は、必ずしも、当該経路に完全に沿って流れる必要はない。
図64に示す空気流路以外に形成され得る空気流路について、図81を用いて説明する。図81は、プロジェクタカバーの内部において形成され得る空気流路を示す図である。
図81の矢印X1に示すように、例えば、プロジェクタ装置B2で発生した熱によって温められた空気が、吸気口B22Aを介してケースB22の外部に出るような流れがあってもよい。このようにして吸気口B22Aから流れ出た空気は、矢印X2に示すように、プロジェクタカバーB1の後方に移動してもよい。また、矢印X3に示すように、排気口B22Eを介してケースB22から出た空気が、後方へと向かうような空気の流れがあってもよい。
プロジェクタカバーB1の後方は開放しているため、矢印X2又は矢印X3に示すように後方に移動した空気は、プロジェクタカバーB1の外部へと排出される。プロジェクタカバーB1の後方からの空気の排出がスムーズに行われるようにするため、プロジェクタカバーB1の後方領域に排気用ファンを配設することとしてもよい。
また、第3実施形態では、空気流路と液体貯留空間とを仕切るために仕切部材(ダクトカバーB600及びダクトカバーB650)を配設することとして説明したが、本発明において、仕切部材(ダクトカバーB600及びダクトカバーB650)を設けることは必須ではない。
上記変形例に係るパチスロ機1によれば、傾斜部B502は、後方に向かうにつれて下降するような傾斜を有しているため、傾斜部B502の後方部分は、内壁部B505の上端縁B505a(開口510の下端)との上下方向の距離が、前方部分よりも長くなっており、液体Lは、そのような傾斜部B502の後方部分(開口510の下端から離れた領域)に貯留される。従って、ダクトカバーB600及びダクトカバーB650を設けなかったとしても、液体Rが開口B510を介してプロジェクタカバーB1の内部空間Q(ケースB22の内部)に侵入するという事態が発生してしまうことを防止することができる。
さらに、上記変形例に係るパチスロ機1は、以下の特徴を備えている。
(7−1) 映像を投影することが可能なプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタを囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)と、
前記プロジェクタにより投影された映像を表示可能なスクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、
前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンを視認可能な表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記カバー部材(プロジェクタカバーB1)には、上方に向けて開放した第1の開口(2つある開口B400のうちの右側の開口B400)及び第2の開口(2つある開口B400のうちの左側の開口B400)が形成されており、
前記カバー部材の内部において、前記第1の開口から連通して第1の空間(2つある空間Pのうちの右側の空間P)が形成される一方、前記第2の開口から連通して第2の空間(2つある空間Pのうちの左側の空間P)が形成されており、
前記第1の空間は、前記カバー部材の内部に形成された第3の開口(2つある開口B510のうちの右側の開口B510)により、上方とは異なる方向(左方向)に開放している一方、前記第2の空間は、前記カバー部材の内部に形成された第4の開口(2つある開口B510のうちの左側の開口B510)により、上方とは異なる方向(右方向)に開放しており、
前記第1の開口(右側の開口B400)と前記第3の開口(右側の開口B510)とが連通する一方、前記第2の開口(左側の開口B400)と前記第4の開口(左側の開口B510)とが連通しており、
前記プロジェクタは、前記第3の開口(右側の開口B510)と前記第4の開口(左側の開口B510)との間に配置されており、
前記カバー部材(ブラインドB500)は、前記第1の空間(右側の空間P)の下端を規定する下端部(水平部B501及び傾斜部B502)を備えるとともに、前記下端部は、前記第1の開口の直下部分から離れるにつれて下降するような傾斜を有する傾斜部(傾斜部B502)を備えており、
前記傾斜部の少なくとも一部は、前記第3の開口の下端(内壁部B505の上端縁B505a)よりも下方に位置している、
ことを特徴とする遊技機。
上記変形例に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1)には、上方に向けて開放した第1の開口(右側の開口B400)及び第2の開口(左側の開口B400)が形成されている。また、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の内部には、上方とは異なる方向(左右方向)に開放した第3の開口(右側の開口B510)及び第4の開口(左側の開口B510)が形成されている。第1の開口(右側の開口B400)と第3の開口(右側の開口B510)とは連通しており、これにより第1の空間(右側の空間P)が形成される一方、第2の開口(左側の開口B400)と第4の開口(左側の開口B510)とは連通しており、これにより第2の空間(左側の空間P)が形成されている。そして、このような第3の開口(右側の開口B510)と第4の開口(左側の開口B510)との間にプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)が配置されている。これにより、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の外部から第1の開口(右側の開口B400)を介して流入した空気は、第1の空間(右側の空間P)及び第3の開口(右側の開口B510)を経由して、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過した後、第4の開口(左側の開口B510)及び第2の空間(左側の空間P)を経由して、第2の開口(左側の開口B400)を介してカバー部材(プロジェクタカバーB1)の外部に放出される。当該空気は、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過する際、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を吸収することにより温められるところ、温度の高い空気は上方に向かう性質を有する。そのため、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過した空気は、第2の空間(左側の空間P)内を上昇し、第2の空間(左側の空間P)の上方に形成された第2の開口(左側の開口B400)からスムーズに排出されることとなる。その結果、このような空気の流れを通じて、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を効率よく放出することが可能となり、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効率を高めることができる。
また、上記変形例に係るパチスロ機1によれば、カバー部材(ブラインドB500)は、第1の空間(右側の空間P)の下端を規定する下端部(水平部B501及び傾斜部B502)を備えるとともに、下端部(水平部B501及び傾斜部B502)は、第1の開口(右側の開口B400)の直下部分から離れるにつれて下降するような傾斜を有する傾斜部(傾斜部B502)を備えている。従って、第1の開口(右側の開口B400)を介して、遊技機の外部からカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部へと液体(遊技者が注ぎ込んだ飲み物等)が入ってきた場合、当該液体は、第1の開口(右側の開口B400)の直下部分から離れるにつれて下降するように、傾斜部(傾斜部B502)を流れることになる。ここで、傾斜部(傾斜部B502)の少なくとも一部は第3の開口(右側の開口B510)の下端(内壁部B505の上端縁B505a)よりも下方に位置しているため、当該液体が傾斜部(傾斜部B502)を下降しながら流れて第3の開口(右側の開口B510)の下端(内壁部B505の上端縁B505a)よりも下方に到達すると、当該液体よりも第3の開口(右側の開口B510)の下端(内壁部B505の上端縁B505a)の方が上方に存在することになるため、当該液体は、第3の開口(右側の開口B510)を通過しにくく、当該液体がプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の配置されている方へと侵入するということが起こりにくい状態となる。このようにして、上記変形例に係るパチスロ機1によれば、遊技機の外部から侵入してきた液体等の異物からプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を保護することができる。
(7−2) 前記(7−1)の遊技機であって、
前記本体部の上面(キャビネットGの上面壁G4)には、前記第1の開口及び前記第2の開口のそれぞれの上方に、第5の開口(2つある開口G41のうちの右側の開口G41)及び第6の開口(2つある開口G41のうちの左側の開口G41)が形成されている、
ことを特徴とする。
上記変形例に係るパチスロ機1によれば、本体部(キャビネットG)の上面(上面壁G4)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の第1の開口(右側の開口B400)及び第2の開口(左側の開口B400)のそれぞれの上方に、第5の開口(右側の開口G41)及び第6の開口(左側の開口G41)が形成されている。これにより、本体部(キャビネットG)の第5の開口(右側の開口G41)を介して遊技機の外部上方から遊技機の内部に空気を取り入れ、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の第1の開口(右側の開口B400)を介してこの空気をカバー部材(プロジェクタカバーB1)の内部に流入させた後、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過した空気を、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の第2の開口(左側の開口B400)及び本体部(キャビネットG)の第6の開口(左側の開口G41)を介して遊技機の外部上方に放出することができる。このように、上記変形例に係るパチスロ機1では、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過して温められた空気の排出先が遊技機の外部上方となっているが、仮に、当該空気を遊技機の背面から排出することとすれば、遊技店に設置される島設備に熱がこもってしまい、遊技機の制御に悪影響を招来してしまうことが懸念される。また、遊技機の側面から空気を排出することとすれば、温められた空気が隣の遊技機に取り込まれることになり、隣接する遊技機間で温かい空気の悪循環が生じてしまう結果として、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効率を高めることができないと考えられる。さらに、遊技機の前方に空気を排出することとすれば、遊技者の顔に熱風が吹き付けられてしまう恐れがある。この点、上記変形例に係るパチスロ機1によれば、このような問題を生じさせることなく、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を放出するための空気の流れを作り出すことができる。
一方で、上記変形例に係るパチスロ機1によれば、本体部の上面(キャビネットGの上面壁G4)に形成された第5の開口(右側の開口G41)及び第6の開口(左側の開口G41)が、カバー部材(プロジェクタカバーB1)に形成された第1の開口(右側の開口B400)及び第2の開口(左側の開口B400)の上方に存在しているため、第5の開口(右側の開口G41)又は第6の開口(左側の開口G41)を介して遊技機の外部から内部に異物が入った場合、当該異物は、第1の開口(右側の開口B400)又は第2の開口(左側の開口B400)を介してカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部に侵入しやすくなっている。そのため、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部に入った異物がプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)にまで到達し、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)に悪影響を及ぼしてしまうことが懸念される。例えば、第5の開口(右側の開口G41)から遊技者が飲み物を注入したような場合、当該飲み物が第1の空間(右側の空間P)及び第3の開口(右側の開口B510)を通過してプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の内部にまで侵入すると、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)が故障してしまう恐れがある。この点、上記変形例に係るパチスロ機1によれば、第5の開口(右側の開口G41)及び第1の開口(右側の開口B400)を介して遊技機の外部からカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部へと液体が入ってきた場合であっても、当該液体は、上述したように傾斜部(傾斜部B502)に沿って流れるため、このような事態が発生してしまうことを防止することができる。
(7−3) 前記(7−1)又は(7−2)の遊技機であって、
前記傾斜部(傾斜部B502)及び前記傾斜部と連続する壁部(後壁部B503、外壁部B504、及び、内壁部B505)によって下方が閉塞した空間が形成されている、
ことを特徴とする。
上記変形例に係るパチスロ機1によれば、傾斜部(傾斜部B502)及び傾斜部(傾斜部B502)と連続する壁部(後壁部B503、外壁部B504、及び、内壁部B505)によって下方が閉塞した空間が形成されているため、傾斜部(傾斜部B502)を下降しながら流れてきた液体を当該空間に貯留することができる。これにより、貯留された液体の液面が第3の開口(右側の開口B510)の下端(内壁部B505の上端縁B505a)よりも下方に存在する限り、第3の開口(右側の開口B510)を介してプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の配置空間へと液体が侵入してしまうことを阻止することができる。
(8−1) 映像を投影することが可能なプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタを囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)と、
前記プロジェクタにより投影された映像を表示可能なスクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、
前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンを視認可能な表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記カバー部材(プロジェクタカバーB1)には、上方に向けて開放した第1の開口(2つある開口B400のうちの右側の開口B400)及び第2の開口(2つある開口B400のうちの左側の開口B400)が形成されており、
前記カバー部材の内部において、前記第1の開口から連通して第1の空間(2つある空間Pのうちの右側の空間P)が形成される一方、前記第2の開口から連通して第2の空間(2つある空間Pのうちの左側の空間P)が形成されており、
前記第1の空間は、前記カバー部材の内部に形成された第3の開口(2つある開口B510のうちの右側の開口B510)により、上方とは異なる方向(左方向)に開放している一方、前記第2の空間は、前記カバー部材の内部に形成された第4の開口(2つある開口B510のうちの左側の開口B510)により、上方とは異なる方向(右方向)に開放しており、
前記第1の開口(右側の開口B400)と前記第3の開口(右側の開口B510)とが連通する一方、前記第2の開口(左側の開口B400)と前記第4の開口(左側の開口B510)とが連通しており、
前記プロジェクタは、前記第3の開口(右側の開口B510)と前記第4の開口(左側の開口B510)との間に配置されている、
ことを特徴とする遊技機。
上記変形例に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1)には、上方に向けて開放した第1の開口(右側の開口B400)及び第2の開口(左側の開口B400)が形成されている。また、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の内部には、上方とは異なる方向(左右方向)に開放した第3の開口(右側の開口B510)及び第4の開口(左側の開口B510)が形成されている。第1の開口(右側の開口B400)と第3の開口(右側の開口B510)とは連通しており、これにより第1の空間(右側の空間P)が形成される一方、第2の開口(左側の開口B400)と第4の開口(左側の開口B510)とは連通しており、これにより第2の空間(左側の空間P)が形成されている。そして、このような第3の開口(右側の開口B510)と第4の開口(左側の開口B510)との間にプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)が配置されている。これにより、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の外部から第1の開口(右側の開口B400)を介して流入した空気は、第1の空間(右側の空間P)及び第3の開口(右側の開口B510)を経由して、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過した後、第4の開口(左側の開口B510)及び第2の空間(左側の空間P)を経由して、第2の開口(左側の開口B400)を介してカバー部材(プロジェクタカバーB1)の外部に放出される。当該空気は、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過する際、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を吸収することにより温められるところ、温度の高い空気は上方に向かう性質を有する。そのため、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過した空気は、第2の空間(左側の空間P)内を上昇し、第2の空間(左側の空間P)の上方に形成された第2の開口(左側の開口B400)からスムーズに排出されることとなる。その結果、このような空気の流れを通じて、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を効率よく放出することが可能となり、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効率を高めることができる。
(8−2) 前記(8−1)の遊技機であって、
前記プロジェクタは、第1の通気口(吸気口B22A)及び第2の通気口(排気口B22E)と、前記第1の通気口と前記第2の通気口との間に配置されたファン(吸気用ファン244A・244B)とを備え、
前記第1の通気口(吸気口B22A)と前記第3の開口(右側の開口B510)とが対向する一方、前記第2の通気口(排気口B22E)と前記第4の開口(左側の開口B510)とが対向するように、前記プロジェクタが配置されている、
ことを特徴とする。
上記変形例に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)には、第1の通気口(吸気口B22A)と第2の通気口(排気口B22E)とが設けられるとともに、第1の通気口(吸気口B22A)と第2の通気口(排気口B22E)との間にファン(吸気用ファン244A・244B)が備えられており、第1の通気口(吸気口B22A)が第3の開口(右側の開口B510)と対向し第2の通気口(排気口B22E)が第4の開口(左側の開口B510)と対向するようにプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)が配置されるため、ファン(吸気用ファン244A・244B)によって強制的に吸気することにより、上記のような空気の流れをスムーズに作り出すことができる。
(8−3) 前記(8−1)又は(8−2)の遊技機であって、
前記本体部の上面(キャビネットGの上面壁G4)には、前記第1の開口及び前記第2の開口のそれぞれの上方に、第5の開口(2つある開口G41のうちの右側の開口G41)及び第6の開口(2つある開口G41のうちの左側の開口G41)が形成されており、
前記プロジェクタは、前記スクリーンの上方に配置されるように、前記本体部に収容されている、
ことを特徴とする。
上記変形例に係るパチスロ機1によれば、本体部(キャビネットG)の上面(上面壁G4)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の第1の開口(右側の開口B400)及び第2の開口(左側の開口B400)のそれぞれの上方に、第5の開口(右側の開口G41)及び第6の開口(左側の開口G41)が形成されている。これにより、本体部(キャビネットG)の第5の開口(右側の開口G41)を介して遊技機の外部上方から遊技機の内部に空気を取り入れ、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の第1の開口(右側の開口B400)を介してこの空気をカバー部材(プロジェクタカバーB1)の内部に流入させた後、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過した空気を、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の第2の開口(左側の開口B400)及び本体部(キャビネットG)の第6の開口(左側の開口G41)を介して遊技機の外部上方に放出することができる。このように、上記変形例に係るパチスロ機1では、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過して温められた空気の排出先が遊技機の外部上方となっているが、仮に、当該空気を遊技機の背面から排出することとすれば、遊技店に設置される島設備に熱がこもってしまい、遊技機の制御に悪影響を招来してしまうことが懸念される。また、遊技機の側面から空気を排出することとすれば、温められた空気が隣の遊技機に取り込まれることになり、隣接する遊技機間で温かい空気の悪循環が生じてしまう結果として、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効率を高めることができないと考えられる。さらに、遊技機の前方に空気を排出することとすれば、遊技者の顔に熱風が吹き付けられてしまう恐れがある。この点、上記変形例に係るパチスロ機1によれば、このような問題を生じさせることなく、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を放出するための空気の流れを作り出すことができる。
また、上記変形例に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)は、スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)の上方に配置されるように本体部(キャビネットG)に収容され、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の配置位置が本体部の上面(キャビネットGの上面壁G4)に近くなっている。従って、本体部の上面(キャビネットGの上面壁G4)に形成された第5の開口(右側の開口G41)及び第6の開口(左側の開口G41)とプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)との距離も短く、それに伴い、第5の開口(右側の開口G41)及び第6の開口(左側の開口G41)とプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)との間に存在する部材や装置の数は比較的少なくなっている。そのため、第5の開口(右側の開口G41)から取り入れた空気をプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を経由して第6の開口(左側の開口G41)から排出するような流路を設計するに当たって、途中に存在する部材や装置を避けるために複雑な迂回経路を作る必要がなく、比較的容易に空気流路の設計を行うことができる。
以上、上述した実施形態では、本発明をパチスロ遊技機に適用した場合について説明した。以下、図82〜図86を用いて、本発明をパチンコ遊技機に適用した変形例について説明する。
図82は、パチンコ遊技機の外観を示す斜視図である。図83は、パチンコ遊技機の分解斜視図である。図84は、パチンコ遊技機の装飾ユニット及びフレーム部材を前方から示す分解斜視図である。
図82及び図83に示すように、パチンコ遊技機6100は、ガラスドア6111、木枠6112、ベースドア6113、遊技盤6114、皿ユニット6115、遊技球を発射する発射装置6122、各種の制御基板を含む基板ユニット6123、遊技価値としての遊技球を付与する球払出ユニットなどから構成されている。
上述したガラスドア6111は、ベースドア6113に対して開閉自在に軸着されている。また、このガラスドア6111の中央には、開口6116が形成されており、その開口6116には、透過性を有する保護ガラス6124が配設されている。また、上述した木枠6112は、その前方にベースドア6113が軸着される。
上述した皿ユニット6115は、ガラスドア6111の下方に位置するように、ベースドア6113に配設されている。皿ユニット6115には、その上方に上皿6125が、その下方に下皿6126が設けられている。上皿6125及び下皿6126には、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口6131A、6131Bが形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、遊技球が排出され、特に、上皿6125には、遊技領域6141に発射させるための遊技球が貯留されることとなる。
上述した発射装置6122は、皿ユニット6115の側方に位置するように、ベースドア6113に配設されている。この発射装置6122には、遊技者によって操作可能な発射ハンドル6132が配設されており、遊技者によって発射ハンドル6132が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。この発射ハンドル6132が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿6125に貯留された遊技球が遊技盤に順次発射される。
上述した遊技盤6114は、保護ガラス6124の後方に位置するように、ベースドア6113の前方に配設されている。遊技盤6114は、その前面に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域6141を有している。この遊技領域6141は、ガイドレールなどに囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。このように、発射装置6122によって発射された遊技球は、遊技盤上に設けられたガイドレールに案内されて遊技盤6114の上部に移動し、その後、遊技領域6141に設けられた複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤の上方から下方に向かって流下することとなる。
図82に示すように、ガラスドア6111の前面における上部領域には、装飾ユニット6258が設けられている。装飾ユニット6258は、パチンコ遊技機6100の前方に突出するように配置されている。
装飾ユニット6258の内部には空洞が形成されており、該空洞には、上述した実施形態で説明した照射ユニットBが配設されている。図82では、装飾ユニット6258の上方から装飾ユニット6258の内部を透視した状態を示している。
図83に示すように、遊技盤6114の背面側には、スクリーン装置C(図40参照)が配置されている。これにより、上述した実施形態と同様に、照射ユニットBのプロジェクタ装置B2から出射された光をスクリーン装置Cのスクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及び、リールスクリーン機構F1)に照射させることができるようになっている。
装飾ユニット6258は、フレーム部材6211(図84参照)の上部に取り付けられる。図示しないが、フレーム部材6211は、ガラスドア6111の背面側に固定されている。
図84に示すように、照射ユニットBは、フレーム部材6211の上部に取り付けられる。照射ユニットBがフレーム部材6211に取り付けられた状態でフレーム部材6211に対して装飾ユニット6258を取り付けることにより、装飾ユニット6258の内部空間に照射ユニットBが収納される。
また、フレーム部材6211の上部には、照射ユニットBの左右双方において、スピーカ6152とスピーカホルダ6152Aとが一体となって取り付けられている。一方、装飾ユニット6258には、右側及び左側にそれぞれ、スピーカ用孔6151A,6151Bが設けられている。スピーカ用孔6151A,6151Bは、メッシュ状の開口として形成されている。
フレーム部材6211に装飾ユニット6258が取り付けられた状態において、スピーカ用孔6151A,6151Bは、それぞれ、スピーカ6152の前方を覆っており、スピーカ用孔6151A,6151Bを介して、スピーカ6152から発生した音をパチンコ遊技機6100の外部に放出することができるようになっている。
ここで、スピーカ用孔6151Aは、パチンコ遊技機6100の外部から空気を取り込むための通気口としても機能する。図84に示すように、照射ユニットBの前部右側には、吸気用ファン6244が配設されている。これにより、スピーカ用孔6151Aを介して、パチンコ遊技機6100の外部前方から、パチンコ遊技機6100の内部に空気が取り入れられる。
この空気は、第3実施形態と同様に、プロジェクタカバーB1の開口B400R(2つある開口B400のうちの右側の開口B400)を介して、プロジェクタカバーB1の内部に取り入れられ、プロジェクタ装置B2で発生した熱を奪いながらプロジェクタカバーB1内を進行し、開口B400L(2つある開口B400のうちの左側の開口B400)を介して、プロジェクタカバーB1の外部に出る。
プロジェクタカバーB1の外部に出た空気は、フレーム部材6211に形成された貫通孔6245を通過して後方へと移動し、パチンコ遊技機6100の背面側から外部に放出される。
以上で説明した空気の流れを図82及び図84中に矢印で示している。第3実施形態では、パチスロ機1の外部上方から空気を取り入れ、パチスロ機1の外部上方へと空気を排出する場合について説明した。これに対し、本変形例では、パチンコ遊技機6100の外部前方から空気を取り入れ、パチンコ遊技機6100の外部後方へと空気を排出することとしている。このように、本発明において、プロジェクタを冷却するための空気を取り入れる方向及び排出する方向は、特に限定されず、プロジェクタの配置位置やプロジェクタ周辺の構造等に応じて適宜設計することができる。
なお、パチンコ遊技機は、パチスロ遊技機と比較して、遊技機の前後方向における奥行きが短いため、同じ島設備において一のパチンコ遊技機の背面側に他のパチンコ遊技機が設置されている場合、これらのパチンコ遊技機の間には比較的大きなスペースが存在する。従って、プロジェクタにより温められた空気をパチンコ遊技機の背面から排出したとしても、パチンコ遊技機の島設備においては、パチスロ遊技機の島設備ほど熱がこもってしまうことはないと考えられる。
以下、他の変形例として、パチンコ遊技機6100の外部右側から空気を取り入れ、パチンコ遊技機6100の外部左側へと空気を排出する場合について、図85を用いて説明する。図85は、パチンコ遊技機の外観を示す斜視図である。
図85に示すように、装飾ユニット6258の右側面には、開口6300Rが形成されている。これにより、開口6300Rを介して、パチンコ遊技機6100の外部右側から、パチンコ遊技機6100の内部に空気が取り入れられる。
この空気は、上述した変形例と同様に、プロジェクタカバーB1の開口B400R(2つある開口B400のうちの右側の開口B400)を介して、プロジェクタカバーB1の内部に取り入れられ、プロジェクタ装置B2で発生した熱を奪いながらプロジェクタカバーB1内を進行し、開口B400L(2つある開口B400のうちの左側の開口B400)を介して、プロジェクタカバーB1の外部に出る。
図には表れていないが、装飾ユニット6258の左側面にも、右側面と同様に、開口(開口6300L)が形成されている。これにより、開口B400LからプロジェクタカバーB1の外部に出た空気は、開口6300Lからパチンコ遊技機6100の外部に放出される。
このような空気の流れを図85中に矢印で示している。本変形例では、空気の排出方向を遊技機の側方としていることに起因して、温められた空気が隣の遊技機に取り込まれてしまう可能性があると考えられる。このような事態が発生することを防止するため、空気の排出方向を遊技機の側方とする場合には、例えば、装飾ユニット6258の左右方向の幅をもっと短くする等して、一のパチンコ遊技機における排気口(開口6300L)と、該パチンコ遊技機の隣に設置されたパチンコ遊技機における吸気口(開口6300R)とが、ある程度離れるように構成されていることが望ましい。
以下、図86を用いて、他の変形例について説明する。図86は、パチンコ遊技機の分解斜視図である。
上述した変形例では、照射ユニットBがフレーム部材6211に取り付けられることとして説明した。これに対し、図86に示す例において、照射ユニットBは、ベースドア6113に取り付けられている。また、スピーカ6152も、ベースドア6113に取り付けられている。このような変形例においても、上述した例と同様の空気流路を形成することができる。
図86では、照射ユニットBがベースドア6113の前側に取り付けられる様子を示しているが、照射ユニットBは、ベースドア6113の後側に取り付けることとしてもよい。本発明において、照射ユニットBは、遊技盤よりも前方に設置されてもよいし、遊技盤よりも後方に設置されてもよい。照射ユニットBを遊技盤よりも後方に設置する場合には、遊技盤の背面側にスペースを形成しつつ、当該スペースを利用することにより、照射ユニットBを配設することができる。
例えば、遊技盤の中央に開口部分を備え、その開口部分に照射ユニットの前部が貫通するように、ベースドア又は遊技盤、その他パチンコ遊技機の後方部材に照射ユニットを配設するようにしてもよい。その場合、従来から存在する一般的なパチンコ遊技機(遊技盤の中央に開口を備え、その開口を通じて遊技盤の後方にある液晶表示装置等を視認可能とする構成のパチンコ遊技機)の遊技盤をそのまま転用することも可能となる。例えば、液晶表示装置を取り払い、スクリーン機構を配設し、さらに遊技盤等の後方部材に照射ユニットを配設することにより、遊技盤の形状を従来のままにしつつ、照射ユニット及びスクリーン機構を搭載した新たな遊技機とすることが可能となる。そのような構成を採用する場合、照射ユニットの前方の一部は遊技盤よりも前方に突出しているため、パチンコ遊技機の後方のスペースをより大きく確保することができる。そうすることで、島設備の狭い遊技場において、島設備全体に照射ユニット付きのパチンコ遊技機を設置した際に、島設備内の温度上昇を低減させることが可能となる。さらに、遊技者から視認可能となる照射ユニットの前方(例えば、リフレクタ保持部B11辺り)に、機種に応じたロゴ等の装飾部材を配置したり、補助的な装飾を行う小型サイズの液晶表示装置、電飾基板等を配置したりすることにより、照射ユニットが遊技者から見えないように目隠しすることができ、さらに演出効果を高めることが可能となる。
なお、スクリーン装置Cは、照射ユニットBに取り付けられた状態で設置されてもよいし、照射ユニットBとは分離した状態で設置されてもよい。
以上で説明した変形例では、空気の排出方向を遊技機の後方又は側方としているが、第3実施形態と同様に、遊技機の上方から空気を排出することとしてもよい。空気の排出方向を上方とする場合には、例えば、装飾ユニット6258(ガラスドア6111)の上面に排気用の開口を形成すればよい。この場合において、照射ユニットBを遊技盤よりも後方に設置する場合には、空気の通路を確保するために、遊技盤にも適宜開口を形成すればよい。
本発明においては、空気を取り入れる方向及び排出する方向、並びに、空気を流す経路に応じて、空気流路上に存在する部材に対して、適宜開口を形成することが可能である。空気流路に応じて、管状のダクトを設けることとしてもよい。
また、空気の流れをスムーズにするために、吸気用ファン及び/又は排気用ファンを適宜配設することが可能である。例えば、空気を取り入れるための開口(例えば、図85の開口6300R)とプロジェクタカバーB1の開口B400Rとの間に吸気用ファン(例えば、図84の吸気用ファン6244)を配設したり、空気を排出するための開口(例えば、図85の開口6300L)とプロジェクタカバーB1の開口B400Lとの間に排気用ファンを配設したりすることが可能である。もっとも、照射ユニットBの内部に設けられたファンにより吸気や排気が充分に行われるのであれば、照射ユニットBの外部にはファンを配設しなくてもよい。
なお、上述した変形例では、図80で説明したプロジェクタカバーB1が採用されるものとして図示しているが、プロジェクタカバーの構成は特に限定されず、プロジェクタの冷却用の空気を取り入れるための開口、及び、当該空気を排出するための開口が形成されたプロジェクタカバーを適宜採用することができる。これらの開口は、プロジェクタカバーの前方や後方、上方や下方、側方等、任意の場所に形成することが可能であり、プロジェクタの冷却効率等を勘案して、開口の形成位置を適宜決定することができる。さらに、プロジェクタは、プロジェクタカバーによって覆われずに、露出した状態で遊技機の内部に配設されていてもよく、遊技機の外部から取り入れた冷却用の空気をプロジェクタに直接(プロジェクタカバーを経由することなく)当てるように構成することも可能である。
[第4実施形態]
以上、第2実施形態及び第3実施形態について説明した。以下、第4実施形態について説明する。第4実施形態に係るパチスロ機1の基本的な構成は、第2実施形態及び第3実施形態に係るパチスロ機1と同じである。以下においては、第2実施形態及び第3実施形態に係るパチスロ機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第2実施形態及び第3実施形態における説明が第4実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<表示ユニット9000>
図87は、表示ユニットの外観を示す斜視図である。図88は、表示ユニットの内部構造を示す斜視図である。図89は、図88に示す表示ユニットからプロジェクタ及びミラーを分解した状態を示す斜視図である。図90は、図87に示す表示ユニットからプロジェクタ及びミラーを分解した状態においてプロジェクタから光が投射されている様子を示す斜視図である。
図87に示す表示ユニット9000は、第2実施形態で説明した表示ユニットAと同様に、キャビネットG内の中間支持板G1(図40参照)上に交換可能に載置される。
図87〜図89に示すように、表示ユニット9000は、ユニット用筐体9010と、プロジェクタ9020と、ミラー9030と、キャビネット側スクリーン9040と、を備えている。
ユニット用筐体9010は、水平配置された底板9011と、底板9011の右端部に立設された右側板9012と、底板9011の左端部に立設された左側板9013と、底板9011の後端部に立設された背板9014と、を有している。底板9011に対して右側板9012と左側板9013と背板9014とがネジ締結により連結されることによって、前面側と上面側とが開放された箱形形状の筐体が形成されている。
背板9014には、プロジェクタ9020を設置するためのプロジェクタ設置用部材9015が取り付けられている。プロジェクタ9020は、プロジェクタ設置用部材9015の前方部に係合されることにより、ユニット用筐体9010内に設置される。
プロジェクタ9020は、第2実施形態で説明したプロジェクタ装置B2(図47参照)と同様の構成(例えば、投射レンズ210と同様の構成を有するレンズ等)を有しており、画像を含む光を投射することが可能である。プロジェクタ9020は、レンズが下側となるように設置され、これにより、プロジェクタ9020から投射された光は、下向きに進行する。
プロジェクタ設置用部材9015の下方には、ミラー9030を設置するためのミラー設置部9016が形成されている。ミラー設置部9016は、背板9014から底板9011にかけて傾斜する傾斜辺9016a及び9016bを有している。
ミラー9030は、第2実施形態で説明した光学ミラーB32(図42参照)と同様の構成を有しており、プロジェクタ9020から投射された光を反射することが可能である。ミラー9030は、ミラー設置部9016の傾斜辺9016a及び9016bに沿うように設置される。これにより、ミラー9030は、後方よりも前方の方が低くなるような傾斜を有する姿勢となる。
その結果、プロジェクタ9020から投射されて下向きに進行した光は、ミラー9030によって前方に向けて反射される(図90参照)。図90では、光の照射範囲を斜線で示している。なお、図90に示すプロジェクタ9020とミラー9030との相対的な位置関係は、図88に示す状態(プロジェクタ9020及びミラー9030がユニット用筐体9010内に設置された状態)におけるこれらの相対的な位置関係と同じとなっている。すなわち、図90は、図88に示す状態におけるプロジェクタ9020とミラー9030との相対的な位置関係を保ちつつ、これらを分解して示した図である。
底板9011の前方部には、キャビネット側スクリーン9040が嵌合されることにより、立設されている。これにより、プロジェクタ9020から投射された後ミラー9030によって前方に向けて反射された光は、キャビネット側スクリーン9040に対して後方(背面側)から入射する。
キャビネット側スクリーン9040は、正面視長方形の形状を有しており、全面にわたって均等な厚みを有するように形成されている。キャビネット側スクリーン9040は、後方から投影像が投影されることで表示される透過式のものであり、プロジェクタ9020から投射された光が入射する一様に平坦な背面側の入射面9040aと、入射面9040aに入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面9040bと、を有する。キャビネット側スクリーン9040は、例えば、透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として形成され、非投影時に乳白色、半透明、あるいはグレー色を呈する。
このようなキャビネット側スクリーン9040の入射面9040aに対して、プロジェクタ9020から投射された光が入射することによって、キャビネット側スクリーン9040の表示面9040bに、遊技に関する画像(静止画像や動画像)が表示される。なお、動画像とは、多数の静止画像から構成され、多数の静止画像が経時的に連続して変化することにより得られるものである。本明細書において、動画像と映像とは同義である。
<光の照射範囲とキャビネット側スクリーン9040との関係>
図91は、プロジェクタから投射された光の照射範囲とキャビネット側スクリーンとの関係を示す図である。
図91では、キャビネット側スクリーン9040(表示面9040b)を網掛けで示している。プロジェクタ9020から投射された光の照射範囲は、キャビネット側スクリーン9040よりも広くなっている。具体的に、プロジェクタ9020から投射された光は、キャビネット側スクリーン9040(入射面9040a)の全面(図91において網掛けで示す領域)に入射するとともに、キャビネット側スクリーン9040の周縁領域を通過する。図91では、プロジェクタ9020から投射された光の照射範囲のうち、キャビネット側スクリーン9040の周縁領域を斜線で示している。
プロジェクタ9020から投射された光のうち、キャビネット側スクリーン9040に入射せず、図91において斜線で示す領域を通過した光は、キャビネット側スクリーン9040の前方へと進行する。キャビネット側スクリーン9040の前方へと進行した光のうちの一部は、以下で説明するように、上ドア機構UDのドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060に入射することとなる(図96(b)及び(c)参照)。
<上ドア機構UD>
図92は、上ドア機構を後方から見た斜視図である。図93は、上ドア機構の分解斜視図である。図94は、上ドア機構を前方から見た斜視図である。図95は、遊技機の正面図である。
第2実施形態で説明したように、キャビネットGの内部は、中間支持板G1により上部空間と下部空間とに仕切られている(図40参照)。図92に示す上ドア機構UDは、第2実施形態に係る上ドア機構UD(図39参照)と同様に、キャビネットGにおける上部空間の前方に配置され、キャビネットGにおける開口の上部を閉塞することが可能なように設けられている。
図93に示すように、上ドア機構UDは、上ドア機構UDの骨格を成すパネルベースHHを有している。パネルベースHHの前面側には、パネル機構HA・HB・HC・HD・HE・HF・HGが設けられている。また、上ドア機構UDは、上側表示窓UD1(図38参照)を中央部(正面視においてキャビネット側スクリーン9040と重畳する位置)に有しており、上側表示窓UD1には、透明パネルUD11が設けられている。これにより、キャビネット側スクリーン9040に画像が表示された場合、当該画像が遊技者から視認可能となる。
図94及び図95に示すように、透明パネルUD11(上側表示窓UD1)の右側の若干奥まった位置には、ドア側右スクリーン9050が設けられている。透明パネルUD11(上側表示窓UD1)の左側の若干奥まった位置には、ドア側左スクリーン9060が設けられている。ドア側右スクリーン9050とドア側左スクリーン9060とは、略同一の形状を有している。
ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、平坦なスクリーンを湾曲させた形状(例えば、円筒を半分に割った半円筒形状)を有しており、第2実施形態で説明したリールスクリーン機構F1(図45参照)の側面視における形状と同様、上面視(底面視)における形状が円弧形状となっている。ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、全面にわたって均等な厚みを有するように形成されている。
ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、キャビネット側スクリーン9040と同様に、後方から投影像が投影されることで表示される透過式のものである。ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、例えば、透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として形成され、非投影時に乳白色、半透明、あるいはグレー色を呈する。
ドア側右スクリーン9050は、プロジェクタ9020から投射された光が入射する背面側の入射面9050aと、入射面9050aに入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面9050bと、を有する。ドア側左スクリーン9060は、プロジェクタ9020から投射された光が入射する背面側の入射面9060aと、入射面9060aに入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面9060bと、を有する。
ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、それぞれ、曲率中心が背面側となるように配置されている。すなわち、ドア側右スクリーン9050の入射面9050a及び表示面9050b、並びに、ドア側左スクリーン9060の入射面9060a及び表示面9060bは、プロジェクタ9020から投射された光の進行方向下流側に凸となっている。
図92では、上ドア機構UDが閉じられた状態におけるドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060と、キャビネットG内に配置されたキャビネット側スクリーン9040との位置関係を示している。図中、キャビネット側スクリーン9040は、仮想線で示している。
図92に示すように、ドア側右スクリーン9050の左端を構成する辺(図95に示す辺9050c)と、キャビネット側スクリーン9040の右端を構成する辺(図87に示す辺9040c)とは、近接(あるいは略当接)しており、ドア側右スクリーン9050の辺9050cがキャビネット側スクリーン9040の辺9040cよりも僅かに右側に位置している。また、ドア側左スクリーン9060の右端を構成する辺(図95に示す辺9060c)と、キャビネット側スクリーン9040の左端を構成する辺(図87に示す辺9040d)とは、近接(あるいは略当接)しており、ドア側左スクリーン9060の辺9060cがキャビネット側スクリーン9040の辺9040dよりも僅かに左側に位置している。
ドア側右スクリーン9050の辺9050c、ドア側左スクリーン9060の辺9060c、並びに、キャビネット側スクリーン9040の辺9040c及び辺9040dは、前後方向における位置が略同一となっている。すなわち、ドア側右スクリーン9050の後端(辺9050c)及びドア側左スクリーン9060の後端(辺9060c)は、それぞれ、キャビネット側スクリーン9040の表示面9040bと略同一平面上に位置している。ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、前方に凸となるように湾曲しているため、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、全体的に、キャビネット側スクリーン9040の前方に位置していることになる。
また、ドア側右スクリーン9050の下端を構成する辺(図95に示す辺9050d)、ドア側左スクリーン9060の下端を構成する辺(図95に示す辺9060d)、及び、キャビネット側スクリーン9040の下端を構成する辺(図87に示す辺9040e)は、上下方向における位置(高さ)が略同一となっている(これらの3つの辺は、略同一平面上に位置している)。また、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060の上下方向の長さ(辺9050c及び辺9060c)は、キャビネット側スクリーン9040の上下方向の長さ(辺9040c及び辺9040d)よりも長くなっている。これにより、ドア側右スクリーン9050、ドア側左スクリーン9060、及び、キャビネット側スクリーン9040は、下端が略同一高さに位置し、キャビネット側スクリーン9040よりもドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060の方が背の高い構成となっている。
<キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060への画像の表示>
図96(a)は、プロジェクタから投射された光の照射範囲とキャビネット側スクリーンとの関係を示す図である。図96(b)は、キャビネット側スクリーンに入射しなかった光がドア側右スクリーンに入射する様子を示す図である。図96(c)は、キャビネット側スクリーンに入射しなかった光がドア側左スクリーンに入射する様子を示す図である。図97及び図98は、キャビネット側スクリーン、ドア側右スクリーン、及び、ドア側左スクリーンに表示される画像について説明するための図である。
図96(a)では、図91において斜線で示した領域(プロジェクタ9020から投射された光の照射範囲のうち、キャビネット側スクリーン9040の周縁領域)を、便宜上3つの領域(領域I、領域II、及び、領域III)に分けて示している。領域Iは、キャビネット側スクリーン9040の右側に位置する領域である。領域IIは、キャビネット側スクリーン9040の左側に位置する領域である。領域IIIは、キャビネット側スクリーン9040の上側に位置する領域である。なお、図96(a)では、図91と同様、キャビネット側スクリーン9040(表示面9040b)を網掛けで示している。
上述したように、プロジェクタ9020から投射された光のうちの一部は、キャビネット側スクリーン9040の入射面9040aに入射する。これにより、キャビネット側スクリーン9040の表示面9040bに画像が表示される。
また、図96(b)に示すように、プロジェクタ9020から投射された光のうち、キャビネット側スクリーン9040に入射せず、図96(a)における領域Iを通過した光は、ドア側右スクリーン9050の入射面9050aに入射する。これにより、ドア側右スクリーン9050の表示面9050bに画像が表示される。
同様に、図96(c)に示すように、プロジェクタ9020から投射された光のうち、キャビネット側スクリーン9040に入射せず、図96(a)における領域IIを通過した光は、ドア側左スクリーン9060の入射面9060aに入射する。これにより、ドア側左スクリーン9060の表示面9060bに画像が表示される。
以上のようにして、キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060のそれぞれに、画像(遊技に関する静止画像や動画像)が表示される。本実施形態では、3つのスクリーン(キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060)に表示される各画像と、1つの画像データとが対応しており、1つの画像データを用いることにより3つのスクリーンのそれぞれに画像を表示することができる。
図97及び図98では、このような画像データについて示している。図97(a)において網掛けで示す領域(領域A)は、キャビネット側スクリーン9040に表示される画像を示す情報を含んでいる。図97(a)において斜線で示す領域(領域B)は、ドア側右スクリーン9050に表示される画像を示す情報を含んでいる。図97(a)において斜線で示す領域(領域C)は、ドア側左スクリーン9060に表示される画像を示す情報を含んでいる。図97(a)における残りの領域(領域D)は、画素値が0の情報を含んでいる。画素値とは、プロジェクタ9020の備える液晶パネルに形成された画素の光透過率に対応している。画素値が0であることは、光透過率が最小であることを示しており、画素値が0である領域に対応するスクリーンの表示面は黒色となる。
図97(b)では、画像データの一例を示している。図97(b)に示す画像データは、領域Aにおいて演出画像9100を示す情報を含み、領域Bにおいて花火画像9101を示す情報を含み、領域Cにおいて文字画像9102を示す情報を含んでいる。図中の斜線部分に対応する領域は、画素値が0の情報を含んでいる。このような画像データを用いることによって、キャビネット側スクリーン9040に演出画像9100が表示され、ドア側右スクリーン9050に花火画像9101が表示され、ドア側左スクリーン9060に文字画像9102が表示される。
なお、上述したように、本実施形態では、ドア側右スクリーン9050の後端(辺9050c)及びドア側左スクリーン9060の後端(辺9060c)と、キャビネット側スクリーン9040の表示面9040bとは、前後方向における位置が略同一となっている。これにより、キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060は、それぞれ、プロジェクタ9020からの前後方向における距離が概ね等しくなっており、焦点が大きくずれてしまうことがないようになっている。
図98(a)では、別の画像データの一例を示している。図98(a)に示す画像データは、領域Aにおいて演出画像9100を示す情報を含み、領域Bにおいて装飾用画像9110を示す情報を含み、領域Cにおいて装飾用画像9111を示す情報を含んでいる。図中の斜線部分に対応する領域は、画素値が0の情報を含んでいる。このような画像データを用いることによって、キャビネット側スクリーン9040に演出画像9100が表示され、ドア側右スクリーン9050に装飾用画像9110が表示され、ドア側左スクリーン9060に装飾用画像9111が表示される。
図98(b)では、さらに別の画像データの一例を示している。図98(b)に示す画像データは、領域Bにおいて装飾用画像9110を示す情報を含み、領域Cにおいて装飾用画像9111を示す情報を含んでいる。図中の斜線部分に対応する領域は、画素値が0の情報を含んでいる。このような画像データを用いることによって、ドア側右スクリーン9050に装飾用画像9110が表示され、ドア側左スクリーン9060に装飾用画像9111が表示される。
以上、本発明の一実施形態として、第4実施形態に係るパチスロ機1について説明した。
従来、プロジェクタを用いることにより演出を行うことが可能な遊技機が知られている(特開平6−035066号公報及び特開2009−240459号公報参照)。このような遊技機によれば、遊技用の映像がプロジェクタからスクリーン等の投影面に投影されることにより、液晶表示装置の代わりに、スクリーン等に映像が表示されるようになっている。
しかしながら、このようなプロジェクタからスクリーンに映像が投影される遊技機においては、スクリーンが平坦であることに起因して、演出表現が乏しくなってしまうという問題があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、多彩な演出表現を行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第4実施形態に係るパチスロ機1は、以下の特徴を備えている。
(9−1) スクリーン(キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ9020)と、を備え、
前記スクリーンは、前記プロジェクタにより投射された光が背面側から入射するように配置され、背面側から入射した光により前面側に画像を表示することが可能であり、
前記スクリーンとして、第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)、及び、正面視において前記第1スクリーンの側方又は上方若しくは下方に配置された第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)が設けられ、
前記プロジェクタ、前記第1スクリーン、及び、前記第2スクリーンは、前記プロジェクタにより投射された光のうちの一部が前記第1スクリーンに入射する一方で、前記プロジェクタにより投射された光のうち前記第1スクリーンに入射しない光のうちの少なくとも一部が前記第2スクリーンに入射するように配置されている、
ことを特徴とする遊技機。
第4実施形態に係るパチスロ機1によれば、第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)は、正面視において第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)の側方に配置されている。そして、プロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光のうちの一部を第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)に入射させる一方で、プロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光のうち第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)に入射しない光のうちの少なくとも一部を第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)に入射させることが可能である。
従って、第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)及び第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)にそれぞれ画像を表示することが可能であり、これらの画像は、遊技者から見た場合、左右に並ぶような位置関係で表示されることになる。これにより、このような2つのスクリーン(第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)及び第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060))に表示された画像を通じて、遊技者を視覚的に楽しませることが可能であり、多彩な演出表現を行うことができる。
(9−2) 前記(9−1)の遊技機であって、
前記第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)を収容し、前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記第1スクリーンに表示された画像を視認可能にするための表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)は、前記開閉扉に設けられている、
ことを特徴とする。
一般的に、遊技機の開閉扉には、機種に応じた装飾(造形)が施されているところ、このような装飾を施すには、多額のコストが発生する。そして、新たな機種を開発するごとに(プロジェクトごとに)、開閉扉の造形をして装飾替えを行おうとすれば、相応のコストが嵩んでしまうことになる。
この点、第4実施形態に係るパチスロ機1によれば、開閉扉(上ドア機構UD)に第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)が設けられており、第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)に画像(外観上装飾と類似するような画像)を表示することによって、当該機種特有の装飾を開閉扉(上ドア機構UD)に施さなくても、装飾を施した場合と同様の視覚的効果を得ることができる。従って、装飾を省略した簡易な開閉扉(上ドア機構UD)を採用することが可能であり、装飾にかかる費用を抑えることができる。そして、新たな機種を開発するに際しても、開閉扉(上ドア機構UD)の装飾替えを大々的に行う必要はなく、機種に応じた画像データ(当該機種特有の装飾と類似するような画像のデータ)を準備すればよい。これにより、第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)に表示する画像を当該新たな機種に応じたものにすれば、装飾替えと同様の効果を得ることが可能であり、コストの削減を図ることができる。
第4実施形態では、プロジェクタ9020から投射された光のうち、図96(a)における領域I(キャビネット側スクリーン9040の右側に位置する領域)を通過した光が、ドア側右スクリーン9050に入射し、プロジェクタ9020から投射された光のうち、図96(a)における領域II(キャビネット側スクリーン9040の左側に位置する領域)を通過した光が、ドア側左スクリーン9060に入射するように、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060がそれぞれ配置されていることとして説明した。すなわち、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060(第2スクリーン)が、正面視においてキャビネット側スクリーン9040(第1スクリーン)の側方に配置されていることとして説明した。
本発明において、第1スクリーン(キャビネット側スクリーン)と第2スクリーンとの位置関係は、この例に限定されず、第2スクリーンは、正面視において第1スクリーン(キャビネット側スクリーン)の上方又は下方に配置されることとしてもよい。例えば、透明パネルUD11(上側表示窓UD1)の上側にドア側上スクリーンを設けつつ、プロジェクタ9020から投射された光のうち、図96(a)における領域III(キャビネット側スクリーン9040の上側に位置する領域)を通過した光が、ドア側上スクリーンに入射するように、構成してもよい。また、透明パネルUD11(上側表示窓UD1)の下側にドア側下スクリーンを設けつつ、プロジェクタ9020から投射された光のうち、キャビネット側スクリーンの下側に位置する領域(例えば、図96(a)における領域IIIとキャビネット側スクリーン9040を挟んで対向する領域)を通過した光が、ドア側下スクリーンに入射するように、構成してもよい。本発明における第2スクリーンとしては、ドア側右スクリーン、ドア側左スクリーン、ドア側上スクリーン、及び、ドア側下スクリーンという4つのスクリーンを全て設けることとしてもよいし、4つのスクリーンのうちの任意の1つ、2つ、又は3つのスクリーンを設けることとしてもよい。なお、このようなキャビネット側スクリーンの側方に配置されたスクリーン(ドア側右スクリーン又はドア側左スクリーン)と、キャビネット側スクリーンの上方又は下方に配置されたスクリーン(ドア側上スクリーン又はドア側下スクリーン)とは、1つのスクリーンとして構成されていてもよい。例えば、ドア側右スクリーンとドア側左スクリーンとドア側上スクリーンとが、一体となるように構成されていてもよい。
本発明において、開閉扉(上ドア機構UD)における第2スクリーン(ドア側右スクリーン、ドア側左スクリーン、ドア側上スクリーン、及び、ドア側下スクリーン)の配置位置は、特に限定されない。すなわち、第2スクリーン(ドア側右スクリーン、ドア側左スクリーン、ドア側上スクリーン、及び、ドア側下スクリーン)は、正面視において、第1スクリーン(キャビネット側スクリーン)と近接する領域に設けられていてもよいし、第1スクリーン(キャビネット側スクリーン)からある程度離間した領域に設けられていてもよい。例えば、トップパネル機構HA、左上パネル機構HB、右上パネル機構HC、左横パネル機構HD、右横パネル機構HE(図95参照)等の配置位置の構造を変更して、当該位置に、ドア側上スクリーン、ドア側左スクリーン、ドア側右スクリーン等を設けることとしてもよい。これにより、これらのスクリーンの背面側にプロジェクタから投射された光を入射させて前面側に画像を表示させるようにすれば、これらのパネル機構の配置位置に相当する領域に、機種固有のデザインや機種情報を現すことができるとともに、画像データを適宜使用することにより、そのようなデザインや情報を容易に変更することができる。
なお、トップパネル機構HAは、上ドア機構UDの上端部に配置され、左横パネル機構HDは、上ドア機構UDの左端部に配置され、右横パネル機構HEは、上ドア機構UDの右端部に配置されているところ、これらの配置位置(上ドア機構UDの外周に沿った領域)に第2スクリーン(ドア側上スクリーン、ドア側左スクリーン、ドア側右スクリーン等)を設ける場合には、プロジェクタから投射された光の照射範囲(図91参照)を広くする必要がある。例えば、照射範囲を最大限広げ、(キャビネット側スクリーンが設けられていないと仮定した場合に)上ドア機構UD全体が照射されるような構成を採用することが可能である。照射範囲を広げるためには、例えば、ミラー9030の配置位置や傾斜を調整すればよい。プロジェクタ9020とミラー9030との相対的な位置関係を調整することにより、照射範囲を適宜変更することができ、キャビネット側スクリーンに入射せず前方へと進行した光が、トップパネル機構HA、左横パネル機構HD、右横パネル機構HE等の配置位置(上ドア機構UDの外周に沿った領域)にまで到達するように(上ドア機構UDの広い範囲に亘って光が照射されるように)設計することが可能である。このように、本発明においては、開閉扉(上ドア機構UD)のうち、正面視において第1スクリーン(キャビネット側スクリーン)と近接する部分のみが、プロジェクタから投射された光によって照射されることとしてもよいし、開閉扉(上ドア機構UD)の外周部分にかけてより広い範囲で照射されることとしてもよい。
第4実施形態では、画像データの例として、図97(a)に示す領域Aと領域Bと領域Cとが、それぞれ別個の画像(図97(b)の例では、演出画像9100、花火画像9101、及び、文字画像9102)を示す情報を含むような画像データについて説明した。本発明において使用する画像データは、この例に限定されず、例えば、領域Aと領域Bと領域Cとに跨るようにして1つの画像(例えば、演出画像9100)を示す情報を含んでいるような画像データを用いることとしてもよい。このような画像データを用いることによって、キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060にそれぞれ、1つの画像(例えば、演出画像9100)の一部が表示され、各スクリーンに表示された一部の画像が一体となることにより当該1つの画像(例えば、演出画像9100)が構成されることになる。このように、本発明においては、キャビネット側スクリーン、及び、その周縁領域(ドア側右スクリーン、ドア側左スクリーン、ドア側上スクリーン、ドア側下スクリーン等)に配置されたスクリーンに、それぞれ異なる画像を個別に表示してもよいし、各スクリーンに表示された画像が合わさることにより全体として1つの映像表現が行われることとしてもよい。
また、第4実施形態では、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060(第2スクリーン)がパチスロ機1の前面側に露出した状態で設けられている(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060の前面側には、他の部材が設けられていない)こととして説明した。これにより、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060に画像が表示された場合、当該画像は、遊技者から視認可能となる。もっとも、本発明においては、第2スクリーン(ドア側右スクリーン及びドア側左スクリーン)の前面側に透明パネルを設けることとしてもよい。透明パネルであれば、第2スクリーンに表示された画像を遊技者の視界から遮ることはなく、当該画像を遊技者が視認する上での支障はないと考えられる。一方で、第2スクリーンを透明パネルで覆うことにより、遊技機の剛性を担保し、第2スクリーンが破損してしまうことを防止することができる。透明パネルを設ける場合、透明パネルの形状は特に限定されないが、例えば、凹凸を有する透明パネルを採用することができる。これにより、第2スクリーン(ドア側右スクリーン及びドア側左スクリーン)に表示された画像に立体感を付与することが可能となり、開閉扉自体に立体的な装飾を施した場合に類似した外観を創出することができる。
また、第4実施形態では、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060の形状が、平坦なスクリーンを湾曲させた形状(上面視における形状が円弧形状)であることとして説明した。しかし、本発明における第2スクリーン(ドア側右スクリーン、ドア側左スクリーン、及び、ドア側上スクリーン)の形状は、特に限定されず、任意の形状を有するスクリーンを適宜採用することができる。例えば、第2スクリーンは、キャビネット側スクリーン9040のような平坦な形状のスクリーンであってもよいし、凹凸を有するスクリーンであってもよいし、丸みを帯びた形状のスクリーンであってもよいし、角張った形状のスクリーンであってもよい。
[第5実施形態]
以上、第2実施形態〜第4実施形態について説明した。以下、第5実施形態について説明する。第5実施形態に係るパチスロ機1の基本的な構成は、第2実施形態〜第4実施形態に係るパチスロ機1と同じである。以下においては、第2実施形態〜第4実施形態に係るパチスロ機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第2実施形態〜第4実施形態における説明が第5実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<光の照射範囲とスクリーンの配置位置>
図99は、上ドア機構及びキャビネットの縦断面図である。
図99では、プロジェクタ9020から投射された光の照射範囲を、一点鎖線を用いて示している。第4実施形態と同様に、プロジェクタ9020から投射された光は、下向きに進行した後、ミラー9030によって前方に向けて反射される(図90参照)。
第4実施形態では、このようにして前方に進行した光のうちの一部が、キャビネット側スクリーン9040(図88参照)に対して後方(背面側)から入射することとして説明した。これに対し、第5実施形態では、キャビネット側スクリーン9040が設けられておらず、プロジェクタ9020から投射された光は、全て上ドア機構UDに到達する。
後述するように、上ドア機構UDには、スクリーンシート1046、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057が設けられている(図102及び図103参照)。プロジェクタ9020から投射された光は、スクリーンシート1046、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057のそれぞれに対して後方(背面側)から入射し、これらのスクリーンシートの前面側(表示面)に画像が表示されることになる。以下、詳述する。
<上ドア機構UD>
図100は、上ドア機構を前方から見た斜視図である。図101は、上ドア機構を後方から見た斜視図である。
図100及び図101に示すように、上ドア機構UDには、スクリーンユニット1040、装飾ユニット1050、及び、間接照明ユニット1060が設けられている。以下、各ユニットについて説明する。
<スクリーンユニット1040>
図102は、上ドア機構の分解斜視図である。図103は、上ドア機構の分解斜視図である。図104は、透光板、スクリーンシート、下押さえ部材、上押さえ部材、及び、下フレームを後方から見た斜視図である。図105は、透光板及びスクリーンシートを後方から見る一方、下押さえ部材及び上押さえ部材を前方から見た斜視図である。図106は、上押さえ部材及び上フレームを下方から見た斜視図である。図107は、透光板、スクリーンシート、及び、下フレームを後方から見た斜視図である。
なお、図102では、上ドア機構UDの各構成要素を斜め前方から見た様子を示している。図103では、上ドア機構UDの各構成要素を斜め後方から見た様子を示している。図104では、透光板1045、スクリーンシート1046、下押さえ部材UD101、及び、上押さえ部材UD102については、これらが組み付けられた状態を示し、下フレームUD100については、単独で存在する様子を示している。図105では、透光板1045及びスクリーンシート1046については、これらが組み付けられた状態を示し、下押さえ部材UD101及び上押さえ部材UD102については、これらがそれぞれ単独で存在する様子を示している。図106では、上押さえ部材UD102及び上フレームUD110について、これらがそれぞれ単独で存在する様子を示している。図107では、透光板1045、スクリーンシート1046、及び、下フレームUD100について、これらが組み付けられた状態を示している。
図102及び図103に示すように、スクリーンユニット1040は、透光板1045と、スクリーンシート1046と、を備えている。
透光板1045は、透光性を有するアクリル板等の樹脂又はガラス板等を主たる素材とし、全面に亘って均等な厚みを有するように形成されている。透光板1045は、中央に位置する平面部1045aと、平面部1045aの左右双方の側縁から後方に向けて連続して形成された湾曲部1045bと、湾曲部1045bの後端から後方に向けて連続して形成された側面部1045cと、を備えている。平面部1045a及び側面部1045cは、平面形状に形成され、これらの表面は互いに略直交している。湾曲部1045bは、第4実施形態におけるドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060(図93参照)のように、平板を湾曲させた形状を有している。
スクリーンシート1046は、後方から投影像が投影されることで表示される透過式のスクリーンであり、第4実施形態におけるスクリーン(キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060)と同様に、プロジェクタ9020から投射された光が入射する背面側の入射面と、入射面に入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面と、を有する。スクリーンシート1046は、例えば、透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として、全面に亘って均等な厚みを有するように形成され、非投影時に乳白色、半透明、あるいはグレー色を呈する。
スクリーンシート1046は、中央に位置する平面部1046aと、平面部1046aの左右双方の側縁から後方に向けて連続して形成された湾曲部1046bと、を備えている。平面部1046aは、平面形状に形成され、湾曲部1046bは、平板を湾曲させた形状を有している。スクリーンシート1046の平面部1046a及び湾曲部1046bは、透光板1045の平面部1045a及び湾曲部1045bと、略同一の大きさ及び形状を有している。
スクリーンシート1046は、透光板1045の背面側に配置されている。具体的には、透光板1045の平面部1045aにおける背面側の表面と、スクリーンシート1046の平面部1046aにおける前面側の表面とが密着し、透光板1045の湾曲部1045bにおける背面側の表面と、スクリーンシート1046の湾曲部1046bにおける前面側の表面とが密着した状態となっている。
スクリーンシート1046の入射面(背面側の表面)に対して、プロジェクタ9020から投射された光が入射することによって、スクリーンシート1046の表示面(前面側の表面)に、遊技に関する画像(静止画像や動画像)が表示される。透光板1045は、透明に形成されており、透光板1045の前方には遊技者の視界を遮る構造が存在しないため、スクリーンシート1046に画像が表示された場合、当該画像は、遊技者から視認可能となる。
また、スクリーンシート1046は、平面部1046aと湾曲部1046bとを有しており、平面部1046aと湾曲部1046bとでは奥行き方向の位置が異なるため、平面部1046aと湾曲部1046bの双方に画像を表示することによって、スクリーンシート1046に表示された画像全体に立体感を付与することができる。また、透光板1045及びスクリーンシート1046は、それぞれ、湾曲部1045b及び湾曲部1046bがフォーミング(開放空間内成形)により形成されており、これにより、例えば、真空加工等により湾曲部を形成した場合と比較して、画像の変形を抑えることができる。
以上のように構成された透光板1045及びスクリーンシート1046は、下部が下押さえ部材UD101によって押さえ付けられ且つ上部が上押さえ部材UD102によって押さえ付けられた状態で、下フレームUD100及び上フレームUD110によって支持されている。
具体的に、図104に示すように、下フレームUD100は、コの字状の部材として形成されており、水平配置された底板UD100aと、底板UD100aの前端において上方に向かって僅かに突設された壁部UD100bと、底板UD100aの右端部において上下方向に延在する右側部UD100cと、底板UD100aの左端部において上下方向に延在する左側部UD100dと、を備えている。透光板1045及びスクリーンシート1046は、透光板1045が底板UD100a、右側部UD100c、及び、左側部UD100dに当接した状態で、底板UD100a上に載置される。この状態において、透光板1045の前面下部は、壁部UD100bに当接する。壁部UD100bは、透光板1045の前面下部全体が当接可能なように、透光板1045の平面部1045a、湾曲部1045b、及び、側面部1045cに対応する形状を有している。
図105に示すように、下押さえ部材UD101は、板状に形成されており、その前方側面(押さえ面UD101a)は、スクリーンシート1046に対応して、平面形状に形成された部分と湾曲形状に形成された部分とを有している。透光板1045及びスクリーンシート1046が下フレームUD100の底板UD100a上に載置された状態で、下押さえ部材UD101が下フレームUD100に固定されることにより、スクリーンシート1046の下部は、下フレームUD100の壁部UD100b及び透光板1045と、下押さえ部材UD101の押さえ面UD101aとの間に挟持され、押さえ面UD101aによって押さえ付けられる。なお、下押さえ部材UD101は、ネジ挿通孔UD101b(図104参照)を通したネジを下フレームUD100のネジ穴UD100eにねじ込むことにより、下フレームUD100に取り付けることができる。
また、図106に示すように、上フレームUD110は、正面視略四角形状の外形を有する部材として形成されており、左右方向に延在する底面UD110aと、底面UD110aにおける前方部から下方に僅かに突出した壁部UD110bと、を備えている。下フレームUD100に対して上フレームUD110が固定された状態で、透光板1045及びスクリーンシート1046は、透光板1045の上端縁が上フレームUD110の底面UD110aに当接し、透光板1045の前面上部が上フレームUD110の壁部UD110bに当接するように位置付けられる。壁部UD110bは、透光板1045の前面上部が一定範囲に亘って当接可能なように、透光板1045に対応する形状を有している。
上押さえ部材UD102の前方側面(押さえ面UD102a、図105参照)は、スクリーンシート1046に対応して、平面形状に形成された部分と湾曲形状に形成された部分とを有している。上押さえ部材UD102は、その上面が上フレームUD110の底面UD110aに当接した状態で、ネジ挿通孔UD102bを(図106参照)を通したネジを、上フレームUD110の底面UD110aに形成されたネジ穴UD110cにねじ込むことにより、上フレームUD110に取り付けられる。これにより、スクリーンシート1046の上部は、上フレームUD110の壁部UD110b及び透光板1045と、上押さえ部材UD102の押さえ面UD102aとの間に挟持され、押さえ面UD102aによって押さえ付けられる。
以上のようにして、スクリーンシート1046は、下部が下押さえ部材UD101によって押さえ付けられ且つ上部が上押さえ部材UD102によって押さえ付けられる。下押さえ部材UD101の押さえ面UD101a及び上押さえ部材UD102の押さえ面UD102aは、それぞれ、スクリーンシート1046の形状に対応して、湾曲形状に形成された部分を有している。これにより、透光板1045とスクリーンシート1046との間に隙間ができたり、スクリーンシート1046にシワが発生したりすることを抑制しつつ、スクリーンシート1046を透光板1045に密着させることが可能となり、遊技者から視認される画像が乱れてしまうことを防止することができる。
図107に示すように、透光板1045とスクリーンシート1046とが密着した状態において、これらを後方から見た場合、透光板1045の平面部1045a及び湾曲部1045bは、スクリーンシート1046の平面部1046a及び湾曲部1046bによって覆われている一方、透光板1045の側面部1045cは、スクリーンシート1046によって覆われず露出した状態となっている。
図示していないが、透光板1045及びスクリーンシート1046の背面側には、キャビネットGが配置される。従って、スクリーンシート1046の後端とキャビネットG(側面壁G2)の前端との間には、少なくとも透光板1045の側面部1045cにおける前後方向の長さに相当する隙間が存在することになる。分かりやすくするため、図107では、このような隙間を斜線で示している。
そして、透光板1045のうちスクリーンシート1046によって覆われる部分(平面部1045a及び湾曲部1045b)には、画像が表示される一方、透光板1045のうちスクリーンシート1046によって覆われず露出した部分(側面部1045c、すなわち、図107における斜線部分)には、画像が表示されない。これにより、遊技者に対して、キャビネットG(側面壁G2)の前端から前方向に離間した位置において、画像が浮き出ているような印象を与えることが可能であり、多彩な画像表現を実現することができる。
<装飾ユニット1050>
図108は、上フレーム、第1構造体、第2構造体、第3構造体、第4構造体、及び、スクリーンシートを後方から見た斜視図である。
なお、図108では、第1構造体1051、第2構造体1052、第3構造体1053、及び、第4構造体1054については、これらが組み付けられた状態を示し、上フレームUD110、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057については、これらがそれぞれ単独で存在する様子を示している。
図108に示すように、装飾ユニット1050は、中央に配置された第1構造体1051と、第1構造体1051の周囲に配置された第2構造体1052と、第2構造体1052に隣接する第3構造体1053と、第3構造体1053に隣接する第4構造体1054と、これらの構造体の背面側に配置されたスクリーンシート1056及びスクリーンシート1057と、を備えている。
第1構造体1051、第2構造体1052、第3構造体1053、及び、第4構造体1054は、ネジ締結により上フレームUD110に取り付けられる。スクリーンシート1056は、押さえ部材UD111によって押さえ付けられた状態で、第1構造体1051及び第2構造体1052の背面側に配置される。スクリーンシート1057は、押さえ部材UD111によって押さえ付けられた状態で、第3構造体1053の背面側に配置される。スクリーンシート1056とスクリーンシート1057とは、隣接するように配置され、隣接部において嵌合可能な形状を有している。第4構造体1054は、上フレームUD110のスピーカ収納部UD110dの背面側に配置され、スピーカ収納部UD110dの背面側には、第4構造体1054とともに、図示しないスピーカが配置される。
第1構造体1051は、透光性の素材(例えば、アクリル樹脂等)により形成され、所定の立体的形状(例えば、文字形状)に形成されている。第2構造体1052は、透光性の素材(例えば、アクリル樹脂等)により形成され、所定の立体的形状(例えば、炎を模した形状)に形成されている。第3構造体1053は、透光性の素材(例えば、アクリル樹脂等)により形成され、所定の立体的形状(例えば、鎖を模した形状)に形成されている。第4構造体1054は、透光性の素材(例えば、アクリル樹脂等)により形成され、所定の立体的形状(例えば、鎖を模した形状)に形成されている。
スクリーンシート1056及びスクリーンシート1057は、後方から投影像が投影されることで表示される透過式のスクリーンであり、スクリーンシート1046と同様に、プロジェクタ9020から投射された光が入射する背面側の入射面と、入射面に入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面と、を有する。スクリーンシート1056及びスクリーンシート1057は、例えば、透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として、全面に亘って均等な厚みを有するように形成され、非投影時に乳白色、半透明、あるいはグレー色を呈する。
スクリーンシート1056及びスクリーンシート1057の入射面(背面側の表面)に対して、プロジェクタ9020から投射された光が入射することによって、スクリーンシート1056及びスクリーンシート1057の表示面(前面側の表面)に、遊技に関する画像(静止画像や動画像)が表示される。
ここで、第3構造体1053は、その前面側にハーフミラー(マジックミラー)が形成された構成を有している。ハーフミラーは、従来公知の方法により、半透過膜シートを基板の表面に貼り付けたり、金属膜を金属蒸着させたりすることによって形成することが可能であり、入射する光のうちの一部を反射する一方、一部を透過する性質を有する。
スクリーンシート1057の前面側にこのようなハーフミラーを配置することにより、プロジェクタ9020から光が投射されていない場合には、第3構造体1053の周囲に存在する物体が映り、例えば、黒いメッキ加工の施されたパーツのような外観を呈することになる。第3構造体1053の周囲に存在する物体としては、例えば、図100に示すような鎖を模した形状の構造物を設けることができる。なお、鎖を模した形状の構造物は、第3構造体1053の近傍に設けてもよいし、第3構造体1053(ハーフミラー)自体を当該形状に形成してもよい。一方、プロジェクタ9020から光が投射されている場合には、スクリーンシート1057に表示された画像がハーフミラーに映ることになる。例えば、第3構造体1053の周囲に存在する物体や第3構造体1053の形状に類似する形状(鎖を模した形状)の物体が流れて動いているような画像をスクリーンシート1057に表示することによって、プロジェクタ9020から光が投射されていない場合に静止していた当該物体が動いているような演出を行うことが可能となる。このように、上記構成によれば、造形物及び当該造形物に関連する映像との双方によって、魅力的な演出を生み出すことができる。
また、スクリーンシート1056は、光を拡散するための拡散層、入射面側に凸となる形状を有する単位プリズムが複数配列されたプリズム層を有している。これにより、プロジェクタ9020から投射された光が拡散され、スクリーンシート1056の前面側に配置された造形物と相俟って、魅力的な演出を行うことができる。例えば、図100に示すように、第1構造体1051が「GOD」という文字形状に形成されている場合、「GOD」という文字に対応する画像をスクリーンシート1056に表示することによって、「GOD」という文字がキラキラ輝いているような外観を創出することができる。また、プロジェクタ9020から投射される光の中心(投射レンズの光軸近傍から出射される照射光)は、スクリーンシート1046へと入射するところ、スクリーンシート1056は、画角中心から離れた位置に配置されているが、集光効果の高いプリズム層を設けることにより、スクリーンシート1056に表示される画像の輝度が低下してしまうことを抑えることができる。なお、スクリーンシート1057と同様に、スクリーンシート1056の前面側にもハーフミラーを配置してもよい。
<間接照明ユニット1060>
図109は、透光板、スクリーンシート、下フレーム、LED基板、及び、導光部材を後方から見た斜視図である。図110は、透光板、スクリーンシート、下フレーム、及び、導光部材を前方から見た斜視図である。図111は、透光板、スクリーンシート、下フレーム、LED基板、及び、導光部材の断面を前方から見た斜視図である。
なお、図109では、透光板1045、スクリーンシート1046、下フレームUD100、LED基板1061、及び、導光部材1062について、これらが組み付けられた状態から導光部材1062を取り外した様子を示している。図110では、透光板1045、スクリーンシート1046、下フレームUD100、及び、導光部材1062について、これらが組み付けられた状態から下フレームUD100の位置を僅かにずらした様子を、導光部材1062近傍を拡大して示している。図111では、透光板1045、スクリーンシート1046、下フレームUD100、LED基板1061、及び、導光部材1062について、これらが組み付けられた状態を水平面で切断した様子を、導光部材1062近傍を拡大して示している。
図101に示すように、間接照明ユニット1060は、下フレームUD100の右側部UD100c及び左側部UD100dのそれぞれに沿うように配置されており、各間接照明ユニット1060は、左右対称な構成を有している。
図109に示すように、間接照明ユニット1060は、LED基板1061と、導光部材1062と、を備えている。
LED基板1061は、下フレームUD100の右側部UD100cの若干左側及び左側部UD100dの若干右側のそれぞれ(透光板1045の側面部1045cの若干内側)において、側面部1045cと略平行に配置されている。LED基板1061には、複数のLED1061aが上下方向に等間隔に設けられている。具体的に、右側部UD100c近傍に配置されたLED基板1061のLED1061aは、右方向に光を出射するように設置されており、左側部UD100d近傍に配置されたLED基板1061のLED1061aは、左方向に光を出射するように設置されている。LED基板1061は、側面視において、その一部が透光板1045の側面部1045cと重畳するように配置されているが、LED1061aの設置位置は、側面部1045cの後端よりも後方となっており、LED1061aから出射された光は、側面部1045cによって遮られないようになっている。なお、LED基板1061は、側面部1045cと若干離間して配置されている。
導光部材1062は、下フレームUD100の右側部UD100c及び左側部UD100dと略同一の高さを有する部材であり、内向きに開放する開口1062aが上下方向に複数形成されている。導光部材1062には、上部と下部のそれぞれにネジ孔1062bが形成されており、LED基板1061に形成されたネジ孔1061bを挿通したネジによって、LED基板1061に対して導光部材1062が固定される。これにより、LED1061aから出射された光が開口1062aを通過して導光部材1062の内部に入るようになっている。
また、導光部材1062は、その上部に形成されたネジ孔1062c及び下フレームUD100の右側部UD100c(左側部UD100d)に形成されたネジ孔UD100fを挿通したネジによって、下フレームUD100に対して固定される。
さらに、図110に示すように、導光部材1062には、前方向に開放する開口1062dが上下方向に複数形成されている。図109に示す開口1062aと図110に示す開口1062dとは、導光部材1062の内部において連通している。また、下フレームUD100の右側部UD100c(左側部UD100d)には、前後方向に貫通する開口UD100gが上下方向に複数形成されている。これにより、導光部材1062が下フレームUD100に取り付けられた状態において、導光部材1062の開口1062dと下フレームUD100の開口UD100gとが連通することになる。
図111に示すように、導光部材1062の内部は、LED1061aから出射された光の進行方向を変化させるリフレクタとなっている。LED1061aから出射された光は、導光部材1062の開口1062aを通過して導光部材1062の内部に入った後、横向きから前向きに進行方向を変えて、導光部材1062の開口1062dを通過し、右側部UD100c(左側部UD100d)の開口UD100gから前方向に放出される。図111中の矢印は、LED1061aから出射された光の進行方向を示している。
ここで、図111に示すように、下フレームUD100の右側部UD100c(左側部UD100d)は、透光板1045の側面部1045cに当接している。また、右側部UD100c(左側部UD100d)の後端と側面部1045cの後端とは、前後方向における位置が略同一であり、右側部UD100c(左側部UD100d)における前後方向の長さは、側面部1045cにおける前後方向の長さよりも短くなっている。また、図示しないが、下フレームUD100の右側部UD100c(左側部UD100d)の背面側には、キャビネットGが配置される。キャビネットG(側面壁G2)の前端は、右側部UD100c(左側部UD100d)の後端と近接(略当接)し、キャビネットGの側面壁G2と、右側部UD100c(左側部UD100d)とは、略同一平面上に位置付けられる。
間接照明ユニット1060は、周辺の部材と以上のような位置関係を有するように、透光板1045の側面部1045cに沿って配置されている。そして、LED1061aから出射された光は、透光板1045の側面部1045cに沿って、前方へと放出されることになる。図107を用いて説明したように、透光板1045の側面部1045cは、スクリーンシート1046によって覆われず、当該部分(図107における斜線部分)には画像が表示されないため、画像が浮き出ているような印象を遊技者に与えることができる。本実施形態では、このような画像が表示されない部分から(透光板1045の側面部1045cに沿って)LED1061aの光が放出されることに起因して、画像が表示される部分と画像が表示されない部分との境界を強調し、画像が浮き出ているような印象をより顕著に遊技者に与えることができる。
<上ドア機構UDのキャビネットGへの取り付け>
図112は、上ドア機構、引っ掛け部、及び、前面側突出部材を後方から見た斜視図である。図113は、上ドア機構、引っ掛け部、及び、前面側突出部材を側方から見た斜視図である。図114は、キャビネット、引っ掛け部、及び、前面側突出部材を側方から見た斜視図である。図115は、上ドア機構、キャビネット、引っ掛け部、及び、前面側突出部材の断面の右側面図である。図116は、上ドア機構を下方から見た斜視図である。図117は、上ドア機構及び下ドア機構を前方から見た斜視図である。図118は、上ドア機構及び下ドア機構を後方から見た斜視図である。
なお、図112では、上ドア機構UDから引っ掛け部UD120及び前面側突出部材G120を取り外した様子を示している。図113では、引っ掛け部UD120については、上ドア機構UDに取り付けられている様子を示し、前面側突出部材G120については、上ドア機構UDから取り外した様子を示している。図114では、引っ掛け部UD120及び前面側突出部材G120がキャビネットGに取り付けられている様子を示している。図115では、上ドア機構UDがキャビネットGに対して閉じられた状態における上ドア機構UD、キャビネットG、引っ掛け部UD120、及び、前面側突出部材G120を前後方向の鉛直面で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図115では、引っ掛け部UD120及び前面側突出部材G120を斜線で示している。図116では、上ドア機構UDの各構成要素が組み付けられた状態を示している。図117では、上ドア機構UDと下ドア機構DDとが組み付けられていない状態において、これらを互いに異なる方向から見た様子を示しており、下ドア機構DDの方が側方に近い角度から観察している。図118では、上ドア機構UD及び下ドア機構DDがキャビネットGに対して閉じられた状態を示している。
上ドア機構UDは、引っ掛け部UD120及び前面側突出部材G120により、キャビネットGに取り付けられる。
図112及び図113に示すように、引っ掛け部UD120は、上フレームUD110から後方へと突出する部材であり、主面UD120aには、下方が開放された欠き込みUD120bが形成されている。引っ掛け部UD120の主面UD120aと直交する面には、ネジ孔UD120cが形成されており、引っ掛け部UD120は、ネジ締結により上フレームUD110に取り付けられる。引っ掛け部UD120が上フレームUD110に対して固定されることにより、主面UD120aは、前後方向に沿って配置される。
前面側突出部材G120は、水平配置された主面G120aと、主面G120aの前端中央付近を上方に折り曲げることで形成された前端中央部G120bと、主面G120aの前端右側を上方に折り曲げることで形成された前端右側部G120cと、主面G120aの前端左側を上方に折り曲げることで形成された前端左側部G120dと、前端中央部G120bと前端右側部G120cとの間において主面G120aの前端を上方及び後方に折り曲げることで形成された右載置部G120eと、前端中央部G120bと前端左側部G120dとの間において主面G120aの前端を上方及び後方に折り曲げることで形成された左載置部G120fと、主面G120aの左端及び右端双方の後部を下方に折り曲げることで形成された後側部G120gと、を備えている。
前端右側部G120c及び前端左側部G120dは、前端中央部G120bよりも後方に形成されており、前端中央部G120b、前端右側部G120c、及び、前端左側部G120dの高さは、略同一である。また、右載置部G120e及び左載置部G120fは、それぞれ、前端右側部G120c及び前端左側部G120dよりも後方に形成されており、右載置部G120e及び左載置部G120fの高さは、略同一であり、これらの高さは、前端中央部G120b、前端右側部G120c、及び、前端左側部G120dの高さよりも高くなっている。また、右載置部G120e及び左載置部G120fは、水平配置された面を有している。
後側部G120gには、ネジ孔G120hが形成されており、前面側突出部材G120は、ネジ孔G120hを挿通したネジにより、キャビネットGの側面壁G2に内側から取り付けられる。図114及び図115に示すように、前面側突出部材G120がキャビネットGに対して固定されることにより、主面UD120aの前方部分(前端中央部G120b、前端右側部G120c、前端左側部G120d、右載置部G120e、及び、左載置部G120fを含む)は、キャビネットGから前方へと突出する。
一方、キャビネットGの側面壁G2の内側面には、内側に向けて突出する内面側突出部材G2a(例えば、側面壁G2の内側面にねじ込まれたネジ等)が設けられており、引っ掛け部UD120の欠き込みUD120bが内面側突出部材G2aに引っ掛けられる。これにより、引っ掛け部UD120は、キャビネットGに係止される。
図116に示すように、下フレームUD100は、底板UD100a(図104参照)の下側を向いた面として、下側面UD100hを備えている。下側面UD100hには、下方に突出する下方突出部UD100iが複数形成されている。下方突出部UD100iは、略直方体の形状を有しており、下側面UD100hの後端から前方に向けて延在している。下方突出部UD100iの後端には、ネジ穴UD100e(図104参照)が形成されている。
図117に示すように、下ドア機構DDは、その上部において左右方向に水平配置された上板DD100を備えている。図118に示すように、上ドア機構UD及び下ドア機構DDがキャビネットGに対して閉じられた状態において、上板DD100の後端縁DD100aは、下フレームUD100に形成された下方突出部UD100iの前端と近接(略当接)している。
上ドア機構UD及び下ドア機構DDが以上のように構成されていることにより、上ドア機構UDをキャビネットGに取り付ける(上ドア機構UDをキャビネットGに対して閉じる)に当たっては、まず、上フレームUD110の上壁の下側面を前面側突出部材G120の右載置部G120e及び左載置部G120fの上面に載せつつ、引っ掛け部UD120の欠き込みUD120bを内面側突出部材G2aに引っ掛ける。この状態で下ドア機構DDをキャビネットGに対して閉じることで、下ドア機構DDの上板DD100の後端縁DD100aが下フレームUD100の下方突出部UD100iに当たり、上ドア機構UDが後方へと押し込まれる。これにより、上ドア機構UDも、キャビネットGに対して閉じられることになる。
本実施形態では、以上のようにして上ドア機構UDを閉めることが可能であるため、上ドア機構UDには、キャビネットGと連結するためのヒンジが設けられていない。ヒンジが設けられている場合には、遊技機のサイド部分において画像を表示することが可能な範囲が制限されるところ、本実施形態に係るパチスロ機1においては、ヒンジが存在しない分だけ、上ドア機構UDにおける広い範囲を画像表示領域として確保することができる。具体的には、スクリーンシート1046の後端(透光板1045の左右双方の湾曲部1045bにおける後端)に亘るまでの範囲を、プロジェクタ9020から投射された光の左右方向における照射範囲に含めることが可能になる。これにより、大画面による迫力のある演出を行うことができる。
また、スクリーンシート1046、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057という3つのスクリーンが設けられているが、第4実施形態と同様に、各スクリーンに表示される画像を示す情報を1つの画像データに含めれば(図97及び図98参照)、当該1つの画像データを用いることにより3つのスクリーンのそれぞれに画像を表示することができる。
なお、以上のようにして上ドア機構UDが閉じられた状態においては、上ドア機構UDとキャビネットGとの間に僅かな隙間が形成されるが(図115参照)、当該隙間から異物が入ってきた場合であっても、前面側突出部材G120が存在することにより、当該異物がキャビネットGのより内部へと侵入してしまうことを防止することができる。
[第6実施形態]
以上、第2実施形態〜第5実施形態について説明した。以下、第6実施形態について説明する。第6実施形態に係るパチスロ機1の基本的な構成は、第2実施形態〜第5実施形態に係るパチスロ機1と同じである。以下においては、第2実施形態〜第5実施形態に係るパチスロ機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第2実施形態〜第5実施形態における説明が第6実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<光の照射範囲とスクリーンの配置位置>
図119は、上ドア機構及び下ドア機構を取り外した状態の遊技機を前方から見た斜視図である。図120は、プロジェクタ装置から光が投射されている様子を側方から見た斜視図である。
図119に示すように、キャビネットGの内部には、照射ユニットBが配置されている。第2実施形態(図41参照)と同様に、照射ユニットBは、照射光を出射するプロジェクタ装置B2と、プロジェクタ装置B2から出射された照射光を反射するミラー機構B3と、プロジェクタ装置B2及びミラー機構B3を収容するプロジェクタカバーB1と、を備えている。
プロジェクタカバーB1の構成は、第2実施形態と異なっており、リフレクタ保持部B11(図45参照)は、プロジェクタ装置B2の前方ではなく、プロジェクタ装置B2の上方に形成されている(図123参照)。第2実施形態と同様に、リフレクタ保持部B11の内側面には、ミラー機構B3が設けられており、ミラー機構B3は、プロジェクタ装置B2から投射された光を反射することが可能な光学ミラーB32(図42参照)を備えている。
本実施形態では、リフレクタ保持部B11の形状及び形成位置に対応して、ミラー機構B3(光学ミラーB32)が、前方よりも後方の方が低くなるような傾斜を有する姿勢で、プロジェクタ装置B2の上方に配置される。なお、ミラー機構B3自体の構成は、第2実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
プロジェクタ装置B2は、前方よりも後方の方が低くなるような傾斜(光学ミラーB32よりも急な傾斜)を有する姿勢で、プロジェクタカバーB1に対して固定されている。
これにより、プロジェクタ装置B2から投射されて上向きに進行した光は、ミラー機構B3(光学ミラーB32)によって前方に向けて反射される(図120参照)。図120では、光の照射範囲を斜線で示している。第5実施形態と同様に、ミラー機構B3(光学ミラーB32)によって反射されて前方に進行した光は、全て上ドア機構UDに到達する。上ドア機構UDは、第5実施形態と同様の構成を備えており、プロジェクタ装置B2から投射された光は、スクリーンシート1046、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057(図100〜図103参照)のそれぞれに対して後方(背面側)から入射し、これらのスクリーンシートの前面側(表示面)に画像が表示されることになる。
<照射光の進行方向の調節>
図121は、照射ユニットを側方から見た斜視図である。図122は、照射ユニットを後方から見た斜視図である。
第2実施形態で説明したように、プロジェクタ装置B2は、ケースB22によって外装されつつ、上側台座B220及び下側台座B221を介してプロジェクタカバーB1に取り付けられる(図47参照)。
具体的に、上側台座B220の右側部分及び左側部分には、それぞれ、角孔2201cが設けられている(図48参照)。上側台座B220は、角孔2201cに挿入された取付ネジT(図51参照)によって、プロジェクタカバーB1に取り付けられる。図51では、取付ネジTが角孔2201cの下方から挿入される様子を示しているが、本実施形態において、取付ネジTは、角孔2201cの上方から(ネジ頭部が上部背面側となるように)挿入される。なお、上側台座B220は、プロジェクタカバーB1ではなく、キャビネットGの内部に固定された他の部材に取り付けることとしてもよい。
また、下側台座B221には、ケースB22をネジ止めするための複数のネジ孔2214が設けられており(図47参照)、ケースB22は、下側台座B221に対して下方からネジ締結により取り付けられる。ケースB22の構成としては、特に限定されないが、本実施形態においては、直方体の箱形形状を有するケースB22(図57参照)を採用している。ケースB22には、プロジェクタ装置B2の内部構成要素であるレンズユニットB21(図47参照)、LED基板、DMD基板、ヒートシンク、吸気用ファン等が収容され、ケースB22の下面には、プロジェクタ制御基板B23(図47参照)が固定されている。
ここで、上側台座B220に形成された角孔2201cは、その縦横内径寸法が取付ネジTのネジ軸径よりも大きくなっている。これにより、プロジェクタ装置B2のプロジェクタカバーB1に対する取り付け位置を左右方向及び前後方向に調整することができるようになっている。プロジェクタ装置B2の取り付け位置を調整する方法の詳細については、図51を用いて説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
また、上側台座B220と下側台座B221とは、3つの連結孔2200A及び3つの連結ネジ部2210に対応する3箇所の連結部R1,R2,R3において連結される(図47及び図49参照)。これにより、上側台座B220と下側台座B221とは、連結部R1,R2,R3のそれぞれにおいて互いの間隔を調整することができるようになっている。連結部R1,R2,R3は、上側台座B220及び下側台座B221に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されており、連結部R1,R2,R3のそれぞれにおいて上側台座B220と下側台座B221との間隔を適宜変化させることによって、上側台座B220に対する下側台座B221の3次元空間内における傾き具合を調整することが可能である。各連結部R1,R2,R3において上側台座B220と下側台座B221との間隔を調整する方法の詳細については、図52を用いて説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
このような上側台座B220及び下側台座B221を用いることにより、プロジェクタカバーB1に対する上側台座B220の面内位置を適宜調整することが可能であり、プロジェクタ装置B2を適正な位置に配置することができる。また、上側台座B220に対する下側台座B221の傾きを適宜調整することが可能であり、下側台座B221に支持されたケースB22(プロジェクタ装置B2の内部構成要素であるレンズユニットB21等)の姿勢を適正なものとすることができる。このように、プロジェクタ装置B2は、キャビネットG内における位置や姿勢を変化させ、照射光の出射位置、進行方向、照射範囲を調整することが可能なように構成されている。
図121に示すように、上側台座B220及び下側台座B221は、プロジェクタカバーB1における後方に配置されている。プロジェクタカバーB1は、上側台座B220及び下側台座B221の後方が開放された形状となっている。これにより、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3が後方に向けて露出した状態となっている。また、図示しないが、上側台座B220の角孔2201cに挿入された取付ネジT(図51参照)も、後方に向けて露出した状態となっている。
図122に示すように、上側台座B220及び下側台座B221の上方には、プロジェクタカバーB1のリフレクタ保持部B11が配置されている。プロジェクタカバーB1は、リフレクタ保持部B11の上方及び後方が開放された形状となっている。
リフレクタ保持部B11には、角度調整穴B111(図44参照)が形成され、角度調整穴B111には、図示しないネジが上側(背面側)から挿通されている。第2実施形態で説明したように、当該ネジを緩めたり締めたりすることによって、リフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離を変化させることができる。これにより、リフレクタ保持部B11の内側面に保持された光学ミラーB32の位置(姿勢)を変化させ、プロジェクタ装置B2から出射された照射光の反射角度(反射後の照射光の進行方向)を調整することが可能である。
<操作用窓G10及び閉塞用蓋G100>
図123は、キャビネットの縦断面図である。図124は、照射ユニット、閉塞用蓋、及び、キャビネットの背面壁の分解斜視図である。図125は、閉塞用蓋を背面壁から取り外した状態における遊技機の背面図である。図126は、図125に示す遊技機における操作用窓周辺の部分拡大図である。図127は、閉塞用蓋及びキャビネットの背面壁の分解斜視図である。図128は、閉塞用蓋及びキャビネットの背面壁の分解斜視図である。図129は、閉塞用蓋を背面壁に取り付けた状態の遊技機における操作用窓周辺の部分拡大図である。
図123に示すように、照射ユニットBがキャビネットGの内部に配置された状態において、上側台座B220及び下側台座B221は、キャビネットGの後方に配置され、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3がキャビネットG(背面壁G3)に取り付けられた閉塞用蓋G100に対向するように位置付けられる。図示しないが、上側台座B220の角孔2201cに挿入された取付ネジTも、閉塞用蓋G100に対向するように位置付けられる。上側台座B220の後方には、他の部材が存在しない空間が形成されている。
また、キャビネットGの後方上部には、プロジェクタカバーB1のリフレクタ保持部B11が配置されている。リフレクタ保持部B11の上方及び後方には、他の部材が存在しない空間が形成されており、当該空間は、上側台座B220の後方空間と繋がっている。なお、図123では、プロジェクタ装置B2から投射された光の照射範囲を斜線で示している。
なお、照射ユニットBは、ネジ締結により背面壁G3に取り付けられる。図122に示すように、プロジェクタカバーB1の後部には、ネジを挿通させるためのネジ孔B100a〜dが形成されている。照射ユニットBが背面壁G3に取り付けられた状態においては、ネジ孔B100aの形成されている面B110a、ネジ孔B100bの形成されている面B110b、ネジ孔B100c、dの形成されている面B110cが、それぞれ、背面壁G3の内側面(前面側の面)に当接する。これらの面B110a〜cは、互いに分離して形成されており、これにより、プロジェクタカバーB1は、上側台座B220の後方空間、並びに、リフレクタ保持部B11の上方及び後方空間が開放された形状となっている。
図124に示すように、キャビネットGの背面壁G3には、操作用窓G10が形成されている。操作用窓G10は、キャビネットGの外部から内部を視認することが可能な開口として形成されている。操作用窓G10は、閉塞用蓋G100によって閉塞することができる。
図125に示すように、閉塞用蓋G100を背面壁G3から取り外した状態において、後方から正面視すると、操作用窓G10を介して、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3(特にナット2213、図52参照)、及び、上側台座B220の角孔2201cに挿入された取付ネジTの頭部(図示せず)が、操作用窓G10を介して見える。これにより、キャビネットGの外部からナット2213を操作することが可能であり、ナット2213を適宜回すことにより、プロジェクタ装置B2の姿勢を調整することができる。また、キャビネットGの外部から取付ネジTを操作することによって、上側台座B220に形成された角孔2201cの開口範囲内における取付ネジTの位置を移動させることが可能であり、プロジェクタ装置B2の位置を調整することができる。
また、図126に示すように、閉塞用蓋G100を背面壁G3から取り外した状態において、背面側下方から操作用窓G10付近を見上げると、操作用窓G10を介して、リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111に挿通されたネジの頭部(図示せず)も視認することができる。これにより、キャビネットGの外部から当該ネジを操作することが可能であり、当該ネジを適宜回すことにより、ミラー機構B3の姿勢を調整することができる。
以下、操作用窓G10及び閉塞用蓋G100の構造について説明する。図127では、操作用窓G10及び閉塞用蓋G100を斜め後方から見た様子を示している。図128では、操作用窓G10及び閉塞用蓋G100を斜め前方から見た様子を示している。
図127に示すように、操作用窓G10は、前後方向に貫通する貫通孔として横長の長方形状に形成された開口G10aと、開口G10aの周縁においてキャビネットGの背面壁G3の外側面(背面側の面)に対して凹んだ位置にロの字状の面を有するように形成された周縁部G10bと、周縁部G10bに形成された4つのネジ孔G10cと、周縁部G10bの外縁と背面壁G3の外側面とを接続する接続部G10dと、を備えている。図128に示すように、周縁部G10bは、前方からは見えないが、ネジ孔G10cは、背面壁G3を貫通しているため、前方からも確認することができ、図128では、開口G10aの側方にネジ孔G10cが形成されている様子が示されている。
以上のように構成された操作用窓G10は、換言すれば、背面壁G3の外側面に対して凹んだ凹部を形成するとともに、当該凹部の大部分を貫通させることにより開口を形成した形状を有している。当該開口が開口G10aに相当し、当該凹部のうち開口の形成されていない部分が周縁部G10bに相当する。なお、周縁部G10bは、背面壁G3の外側面と略平行な平坦面(鉛直方向の面)として形成されており、接続部G10dは、水平方向及び鉛直方向の平坦面として形成されている。
閉塞用蓋G100は、板状の部材として構成されており、横長の長方形状に形成された背面G100aと、背面G100aの反対側に形成された前面G100bと、前面G100bに設けられた4つのボス部G100cと、背面G100aの周縁から前方に向かうように形成された周縁部G100dと、を備えている。背面G100a及び前面G100bは、鉛直方向の平坦面として形成されている。
閉塞用蓋G100(背面G100a)の外形状は、操作用窓G10の周縁部G10bの外形状と略同一(周縁部G10bよりも僅かに小さな相似形状)であり、操作用窓G10の開口G10aよりも大きくなっている。これにより、閉塞用蓋G100を上記凹部に嵌合する(上記凹部を埋めるように閉塞用蓋G100を背面壁G3に取り付ける)ことで、操作用窓G10の開口G10aを閉塞することができるようになっている。
より詳細に説明すると、閉塞用蓋G100の周縁部G100dが操作用窓G10の接続部G10dに沿うように閉塞用蓋G100が配置された場合、操作用窓G10の4つのネジ孔G10cと閉塞用蓋G100の4つのボス部G100cとが、それぞれ重畳するとともに、各ネジ孔G10cが各ボス部G100cの前方に位置付けられる。この状態で、前面側(キャビネットGの内側)からネジ孔G10cを挿通させたネジを、ボス部G100cに形成された穴にねじ込むことによって、閉塞用蓋G100がキャビネットG(背面壁G3)に取り付けられる。これにより、操作用窓G10の開口G10aが閉塞用蓋G100によって閉塞される。そして、閉塞用蓋G100を背面壁G3に締結するためのネジは、キャビネットGの内側から(ネジ頭部がキャビネットGの内部に位置付けられるように)螺合されるため、キャビネットGの内部に対するセキュリティを確保することができる。
なお、プロジェクタ装置B2及びミラー機構B3の位置や姿勢を調整するに当たっては、上ドア機構UD及び下ドア機構DDを開いた状態で、閉塞用蓋G100と背面壁G3とを締結しているネジを前面側から操作して適宜回すことにより、当該ネジ締結を解除すればよい。これにより、閉塞用蓋G100を背面壁G3から取り外すことが可能であり、閉塞用蓋G100によって閉塞されていた操作用窓G10(開口G10a)を出現させることができる。この状態で、開口G10aを介して、キャビネットGの外部(背面側)から、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3や上側台座B220の角孔2201cに挿入された取付ネジT、プロジェクタカバーB1(リフレクタ保持部B11)の角度調整穴B111に挿通されたネジを操作すれば、プロジェクタ装置B2及びミラー機構B3の位置や姿勢を調整することができる。
ここで、閉塞用蓋G100において、前面G100bから周縁部G100dの前端までの長さ(前面G100bを基準とした場合における周縁部G100dの前方への突出長)と、前面G100bからボス部G100cの先端までの長さ(ボス部G100cの高さ)とは、等しくなっている。従って、閉塞用蓋G100の周縁部G100dの前端が操作用窓G10の周縁部G10bに当接するように閉塞用蓋G100が配置された場合、閉塞用蓋G100のボス部G100cの先端も、操作用窓G10の周縁部G10bに当接することになる。
図129では、このような状態で閉塞用蓋G100が配置されている様子を示している。図129中、網掛け部分は、閉塞用蓋G100(前面G100b)を示し、斜線部分は、背面壁G3(開口G10aの周縁)を示している。網掛け部分(閉塞用蓋G100の前面G100b)と斜線部分(開口G10aの周縁)との間には、スペースSが形成されており、当該スペースSの幅(前後方向の長さ)が、上記「周縁部G100dの前方への突出長」及び「ボス部G100cの高さ」に相当する。
このような構成を採用することにより、閉塞用蓋G100を背面壁G3に対して安定的に取り付けることができるとともに、閉塞用蓋G100(周縁部G100dの前端)と背面壁G3(操作用窓G10の周縁部G10b)との間に隙間ができてしまうことを回避し、当該隙間を通じて不正行為が行われてしまうことを防止することができる。
また、操作用窓G10の周縁部G10bは、接続部G10dの前後方向における長さ分だけ、背面壁G3の外側面に対して段差を有するように形成されているところ、閉塞用蓋G100の周縁部G100dの前後方向における長さ(背面G100aを基準とした場合における周縁部G100dの前方への突出長)は、操作用窓G10の接続部G10dの前後方向における長さと略一致する(操作用窓G10の接続部G10dの前後方向における長さよりも僅かに短くなっている)。閉塞用蓋G100の周縁部G100dの前後方向における長さ、及び、操作用窓G10の接続部G10dの前後方向における長さは、それぞれ、全周に亘って一定の長さとなっている。これにより、閉塞用蓋G100が背面壁G3に取り付けられた状態においては、閉塞用蓋G100の背面G100aが背面壁G3の外側面と略同一平面を構成し(背面壁G3の外側面よりも僅かに前方に位置付けられ)、閉塞用蓋G100の存在することが外観上認識され難くなっている。
以上、本発明の一実施形態として、第6実施形態に係るパチスロ機1について説明した。
従来、プロジェクタを用いることにより演出を行うことが可能な遊技機が知られている(特開平6−035066号公報及び特開2009−240459号公報参照)。このような遊技機によれば、遊技用の映像がプロジェクタからスクリーン等の投影面に投影されることにより、液晶表示装置の代わりに、スクリーン等に映像が表示されるようになっている。
しかしながら、従来、このようなプロジェクタが搭載される遊技機においては、プロジェクタが遊技機の内部にいったん固定されてしまうと、その後にプロジェクタに対して微調整を施すことが困難であった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、プロジェクタを内部に取り付けた状態でプロジェクタに対して調整を行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第6実施形態に係るパチスロ機1は、以下の特徴を備えている。
(10−1) スクリーン(スクリーンシート1046、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))と、
前記プロジェクタにより投射される光の進行方向を調節するための調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)と、
前記プロジェクタを収容する収容部(キャビネットG)と、を備え、
前記収容部には、前記調節部を外部から操作可能な位置に開口(操作用窓G10の開口G10a)が設けられるとともに、該開口を閉塞可能な閉塞部材(閉塞用蓋G100)が取り付けられている、
ことを特徴とする遊技機。
第6実施形態に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))を収容する収容部(キャビネットG)には、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))により投射される光の進行方向を調節するための調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を外部から操作可能な位置に開口(操作用窓G10の開口G10a)が設けられるとともに、該開口(操作用窓G10の開口G10a)を閉塞可能な閉塞部材(閉塞用蓋G100)が取り付けられている。従って、収容部(キャビネットG)から閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り外すことによって、閉塞部材(閉塞用蓋G100)で閉塞されている該開口(操作用窓G10の開口G10a)を出現させることが可能であり、該開口(操作用窓G10の開口G10a)を介して、収容部(キャビネットG)の外部から、調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を操作することができるようになる。これにより、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))を収容部(キャビネットG)の内部に固定した後であっても、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))を収容部(キャビネットG)の内部に取り付けた状態のまま、収容部(キャビネットG)の外部から調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を操作することによって、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))により投射される光の進行方向を調節することができる。
(10−2) スクリーン(スクリーンシート1046、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))と、
前記プロジェクタにより投射される光の進行方向を調節するための調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)と、
前記プロジェクタを収容し、前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンに表示された画像を視認可能にするための表示領域が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記本体部には、前記前面とは別途、前記調節部を外部から操作可能な位置に開口(操作用窓G10の開口G10a)が設けられるとともに、該開口を閉塞可能な閉塞部材(閉塞用蓋G100)が取り付けられている、
ことを特徴とする遊技機。
第6実施形態に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))を収容する本体部(キャビネットG)には、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))により投射される光の進行方向を調節するための調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を外部から操作可能な位置に開口(操作用窓G10の開口G10a)が設けられるとともに、該開口(操作用窓G10の開口G10a)を閉塞可能な閉塞部材(閉塞用蓋G100)が取り付けられている。従って、本体部(キャビネットG)から閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り外すことによって、閉塞部材(閉塞用蓋G100)で閉塞されている該開口(操作用窓G10の開口G10a)を出現させることが可能であり、該開口(操作用窓G10の開口G10a)を介して、本体部(キャビネットG)の外部から、調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を操作することができるようになる。これにより、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))を本体部(キャビネットG)の内部に固定した後であっても、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))を本体部(キャビネットG)の内部に取り付けた状態のまま、本体部(キャビネットG)の外部から調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を操作することによって、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))により投射される光の進行方向を調節することができる。
(10−3) 前記(10−2)の遊技機であって、
前記閉塞部材(閉塞用蓋G100)は、前記本体部の内側からの螺合により、前記本体部に取り付けられている、
ことを特徴とする。
第6実施形態に係るパチスロ機1によれば、閉塞部材(閉塞用蓋G100)は、本体部(キャビネットG)の内側からの螺合により、本体部(キャビネットG)に取り付けられている。従って、閉塞部材(閉塞用蓋G100)を本体部(キャビネットG)から取り外すためには、本体部(キャビネットG)の内側から螺合を解除することが必要である。これにより、本体部(キャビネットG)の外部から閉塞部材(閉塞用蓋G100)が取り外されてしまうことを回避することが可能であり、本体部(キャビネットG)の内部に対するセキュリティを確保しつつ、本体部(キャビネットG)の外部から不正行為が行われてしまうことを防止することができる。
なお、本発明において、閉塞部材(閉塞用蓋G100)を本体部(キャビネットG)に取り付ける方法は、特に限定されず、閉塞部材(閉塞用蓋G100)は、本体部(キャビネットG)の内側からの螺合により、本体部(キャビネットG)に取り付けられることとしてもよいし、本体部(キャビネットG)の外側からの螺合により、本体部(キャビネットG)に取り付けられることとしてもよい。また、閉塞部材(閉塞用蓋G100)は、螺合以外の方法により、本体部(キャビネットG)に取り付けられることとしてもよい。例えば、閉塞部材(閉塞用蓋G100)を本体部(キャビネットG)の壁面(背面壁G3の内側面又は外側面)に沿って摺動(スライド)可能にするためのガイド部材を、キャビネットG(背面壁G3)の内側又は外側にレール状に形成し、該ガイド部材上において閉塞部材(閉塞用蓋G100)を係止することとしてもよい。閉塞部材(閉塞用蓋G100)が該ガイド部材上を左右方向(又は前後方向)に摺動することにより、開口(操作用窓G10の開口G10a)が閉塞される閉塞状態と開口(操作用窓G10の開口G10a)が開放される開放状態とが切り替えられるように構成すれば、開放状態において本体部(キャビネットG)の外部から調節部を操作することが可能であり、第6実施形態と同様に、プロジェクタにより投射される光の進行方向を調節することができる。なお、このような効果に鑑みれば、本発明において、閉塞部材(閉塞用蓋G100)の構成は必須ではなく、本体部(キャビネットG)に閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り付けず、本体部(キャビネットG)に設けられた開口(操作用窓G10の開口G10a)が常時開放された状態となるように構成してもよい。
第6実施形態では、キャビネットGの背面壁G3に、操作用窓G10の開口G10aが形成されるとともに、閉塞用蓋G10が取り付けられることとして説明した。本発明においては、本体部(キャビネットG)を構成する任意の壁面(例えば、背面壁G3、側面壁G2、上面壁G4等)に、開口(操作用窓G10の開口G10a)を設けるとともに、閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り付けるように構成することが可能である。例えば、キャビネットGの背面壁G3に代えて、側面壁G2又は上面壁G4に、開口(操作用窓G10の開口G10a)を設けるとともに、閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り付けることとしてもよい。そのように構成する場合には、調節部(例えば、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3や、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)が側面壁G2又は上面壁G4近傍に配置されるようにすればよい。なお、上面壁G4に、開口(操作用窓G10の開口G10a)を設けるとともに閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り付ける場合、開口G41及び板部材G42(図36参照)をそれぞれ、操作用窓G10の開口G10a及び閉塞用蓋G10として採用してもよいし、開口G41及び板部材G42を形成しないこととしつつ、別途、操作用窓G10の開口G10a及び閉塞用蓋G10に対応する構成を採用することとしてもよい。
また、本体部(キャビネットG)の複数の壁面(例えば、背面壁G3、側面壁G2、及び、上面壁G4のうち、2つ又は3つの壁面)に、開口(操作用窓G10の開口G10a)を設けるとともに、閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り付けることとしてもよい。例えば、プロジェクタ装置B2の位置(姿勢)を調節するための調節部(例えば、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3や、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分等)を外部から操作可能なように、キャビネットGの背面壁G3に操作用窓G10の開口G10aを設けるとともに閉塞用蓋G10を取り付ける一方、ミラー機構B3の位置(姿勢)を調節するための調節部(例えば、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を外部から操作可能なように、キャビネットGの上面壁G4に操作用窓G10の開口G10aを設けるとともに閉塞用蓋G10を取り付けることとしてもよい。
また、本体部(キャビネットG)の1つの壁面(例えば、背面壁G3、側面壁G2、又は、上面壁G4)に、複数の開口(操作用窓G10の開口G10a)を設けるとともに、各開口を閉塞可能な閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り付けることとしてもよい。例えば、プロジェクタ装置B2の位置(姿勢)を調節するための調節部(例えば、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3や、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分等)を外部から操作可能なように、キャビネットGの背面壁G3の中央付近に第1の開口を設けるとともに第1の開口を閉塞可能な第1の閉塞用蓋を取り付ける一方、ミラー機構B3の位置(姿勢)を調節するための調節部(例えば、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を外部から操作可能なように、第1の開口よりも上方に第2の開口を設けるとともに第2の開口を閉塞可能な第2の閉塞用蓋を取り付けることとしてもよい。複数の開口を設ける場合、各開口を個別に閉塞可能な閉塞部材を開口の個数分だけ取り付けることとしてもよいし、複数の開口を同時に閉塞可能な閉塞部材を1つだけ取り付けることとしてもよい。
本体部(キャビネットG)の外部からこのような調節を行うに当たっては、調節のための操作を行いやすくするため、本体部(キャビネットG)の外部から開口(操作用窓G10の開口G10a)を正面視したときに、調節対象となる部材(例えば、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3におけるナット2213や、上側台座B220の角孔2201cに挿入された取付ネジT、リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111に挿通されたネジ等)が開口(操作用窓G10の開口G10a)を介して視認可能となるように、当該部材が配置されていることが望ましい(図125参照)。調節対象となる部材が複数設けられている場合には、本体部(キャビネットG)の外部から開口(操作用窓G10の開口G10a)を正面視したときに、これらの複数の部材が全て視認可能(例えば、上側台座B220全体が視認可能)となるように配置されていることが望ましい。調節対象となる部材が複数設けられる場合には、例えば、当該開口(操作用窓G10の開口G10a)を、これらの部材間の距離(最も離れている部材間の距離)よりも径の大きなものとするとよい。これにより、これらの部材に対する調節を行いやすくなる。もっとも、本体部(キャビネットG)の外部から開口(操作用窓G10の開口G10a)を正面視したときに、調節対象となる部材が開口(操作用窓G10の開口G10a)を介して視認可能となることは、必須ではない。例えば、本体部(キャビネットG)の外部から開口(操作用窓G10の開口G10a)を正面視したときに、調節対象となる部材(例えば、プロジェクタカバーB1(リフレクタ保持部B11)の角度調整穴B111に挿通されたネジ)が見えなかったとしても、角度を変えて本体部(キャビネットG)の内部を覗き込んだ場合に当該部材を視認することができるような場合には(図126参照)、当該部材と開口(操作用窓G10の開口G10a)との間に他の部材が存在しない空間が形成されていれば、当該部材を外部から操作することは可能である。本発明においては、調節対象となる部材(調節用のネジやナット等)と開口(操作用窓G10の開口G10a)とがこのような位置関係を有するように構成されていてもよい。
また、上述した実施形態では、キャビネットGの内部が中間支持板G1により上部空間と下部空間とに仕切られており、上部空間(上ドア機構UDの後側となる空間)に表示ユニットA(照射ユニットB)が収容される一方、下部空間(下ドア機構DDの後側となる空間)に制御基板(主制御基板MSやサブ制御装置SS等)が収容されることとして説明した(図40参照)。しかし、本発明において、本体部(キャビネットG)の内部は、上部空間と下部空間とに仕切られる必要はなく、プロジェクタ(照射ユニットB)が収容される空間と制御基板(主制御基板MSやサブ制御装置SS等)が収容される空間とを区別する必要もない。例えば、プロジェクタカバーB1のリフレクタ保持部B11(ミラー機構B3)の後方空間(図123参照)に制御基板(主制御基板MS又はサブ制御装置SS)を配置することとしてもよい。これにより、本体部(キャビネットG)内のスペースを有効に活用するとともに、制御基板(主制御基板MS又はサブ制御装置SS)から発生した熱が下部空間にこもってしまう現象を緩和することができる。なお、本発明における開閉扉は、複数の扉(上ドア機構UD及び下ドア機構DD)から構成されていてもよいし、1つの扉から構成されていてもよい。
[第7実施形態]
以上、第1実施形態〜第6実施形態について説明した。以下、第7実施形態について説明する。第7実施形態に係るパチスロ機1の基本的な構成は、第1実施形態〜第6実施形態に係るパチスロ機1と同じである。以下においては、第1実施形態〜第6実施形態に係るパチスロ機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態〜第6実施形態における説明が第7実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
なお、以上の説明において、例えば、「第1実施形態では、〜」や「第1実施形態のパチスロ機1では、〜」のように、第1実施形態に係るパチスロ機1に限定されるような記載であったとしても、第7実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第7実施形態に係るパチスロ機1にも適用することができる。同様に、以上の説明において、第2実施形態〜第6実施形態に係るパチスロ機1に限定するような記載についても、第7実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第7実施形態に係るパチスロ機1にも適用することができる。従って、第1実施形態〜第6実施形態に示した各構成(変形例で示した各構成及び拡張例で示した各構成も含む)を、第7実施形態で示した構成と部分的に置換したり組み合わせたりすることが可能である。
また、第1実施形態〜第6実施形態に係るパチスロ機1と異なる形状であったとしても、同様の機能を有する構成については、便宜上、同じ符号を付している場合がある。また、第1実施形態〜第6実施形態に係るパチスロ機1と同じ形状や同じ処理であったとしても、便宜上、異なる符合やステップ番号を付している場合もある。
<光の照射範囲とスクリーンの配置位置>
本実施形態では、第5実施形態と同様に、プロジェクタ9020から投射された光は、下向きに進行した後、ミラー9030によって前方に向けて反射される(図99参照)。そして、プロジェクタ9020から投射された光は、全て上ドア機構UDに到達する。
上ドア機構UDには、中央スクリーン3010が設けられている(図132及び図133参照)。プロジェクタ9020から投射された光は、中央スクリーン3010に対して後方(背面側)から入射し、中央スクリーン3010の前面側(表示面)に画像が表示されることになる。以下、詳述する。
<上ドア機構UD>
図130は、上ドア機構を前方から見た斜視図である。図131は、上ドア機構を後方から見た斜視図である。図132は、上ドア機構から中央スクリーンユニット及びフロントトップユニットを取り外した状態を前方から見た斜視図である。図133は、上ドア機構から中央スクリーンユニット及びフロントトップユニットを取り外した状態を後方から見た斜視図である。
図130及び図131に示すように、上ドア機構UDには、中央スクリーンユニット3000が設けられている。図132及び図133に示すように、中央スクリーンユニット3000は、中央スクリーン3010と後側透光板3050とを備えている。
中央スクリーン3010は、後方から投影像が投影されることで表示される透過式のスクリーンであり、第4実施形態におけるスクリーン(キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060)と同様に、プロジェクタ9020から投射された光が入射する背面側の入射面と、入射面に入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面と、を有する。中央スクリーン3010は、例えば、透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として、全面に亘って均等な厚みを有するように形成され、非投影時に乳白色、半透明、あるいはグレー色を呈する。中央スクリーン3010は、剛性を有する(可撓性を有しない)ように、立体成型により形成されている。
中央スクリーン3010は、第4実施形態におけるスクリーンシート1046(図102参照)のように、中央に位置する平面部3011と、平面部3011の左右双方の側縁から後方に向けて連続して形成された湾曲部3012と、を備えている。平面部3011は、平面形状に形成され、湾曲部3012は、第4実施形態におけるドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060(図94参照)のように、平板を湾曲させた形状を有している。
後側透光板3050は、透明なポリカーボネートを主たる素材とし、全面に亘って均等な厚みを有するように形成されている。後側透光板3050は、第4実施形態における透光板1045(図102参照)のように、中央に位置する平面部3051と、平面部3051の左右双方の側縁から後方に向けて連続して形成された湾曲部3052と、を備えている。平面部3051は、平面形状に形成され、湾曲部3052は、平板を湾曲させた形状を有している。
中央スクリーン3010は、上ドア機構UD(パチスロ機1)における最前面(最外面)に配置されている。これにより、中央スクリーン3010と遊技者との間には、他の部材が存在しない状態となる。後側透光板3050は、中央スクリーン3010の背面側に配置されており、中央スクリーン3010を裏側(キャビネットG側)から補強している。後側透光板3050の材料としては、中央スクリーン3010を補強することが可能であるものであれば、特に限定されず、ポリカーボネートの他、アクリル板、ABS等の樹脂、ガラス板等を適宜用いることができる。
後側透光板3050は透光性を有しているため、プロジェクタ9020から投射された光は、後側透光板3050を透過し、中央スクリーン3010の入射面(背面側の表面)に入射する。これにより、中央スクリーン3010の表示面(前面側の表面)に、遊技に関する画像(静止画像や動画像)が表示される。中央スクリーン3010の前方には遊技者の視界を遮る構造が存在しないため、中央スクリーン3010に画像が表示された場合、当該画像は、遊技者から視認可能となる。
また、上ドア機構UDの左側部分及び右側部分には、それぞれ、左サイド装飾ユニット3100L及び右サイド装飾ユニット3100Rが設けられており、上ドア機構UDの上側部分には、フロントトップユニット3200が設けられている。以下、各構成について、より詳細に説明する。
<中央スクリーン3010とサイド装飾部3110との配置関係>
図134は、中央スクリーンを前方から見た斜視図である。図135は、中央スクリーンにおける右サイド凹凸部近傍の部分拡大斜視図である。図136は、上ドア機構における右サイド装飾ユニット近傍の部分拡大斜視図である。図137は、図136に示す上ドア機構からサイド装飾部を取り外した状態を示す部分拡大斜視図である。図138は、右サイド装飾部を前方から見た斜視図である。図139は、右サイド装飾部を後方から見た斜視図である。図140は、右サイド装飾部の断面図である。図141は、中央スクリーン及び右サイド装飾部の断面図である。
図134に示すように、中央スクリーン3010の湾曲部3012(右湾曲部3012R)における後側部分(右側部分)には、右サイド凹凸部3020R(右上サイド凹凸部3021R、右中サイド凹凸部3022R、及び、右下サイド凹凸部3023R)が形成されている。また、中央スクリーン3010の湾曲部3012(左湾曲部3012L)における後側部分(左側部分)には、左サイド凹凸部3020L(左上サイド凹凸部3021L、左中サイド凹凸部3022L、及び、左下サイド凹凸部3023L)が形成されている。
中央スクリーン3010は、左右対称な構造を有しており、右サイド凹凸部3020R及び左サイド凹凸部3020Lも、互いに左右対称となっている。そこで、以下では、右サイド凹凸部3020R(右上サイド凹凸部3021R、右中サイド凹凸部3022R、及び、右下サイド凹凸部3023R)と左サイド凹凸部3020L(左上サイド凹凸部3021L、左中サイド凹凸部3022L、及び、左下サイド凹凸部3023L)とを区別せず、サイド凹凸部3020(上サイド凹凸部3021、中サイド凹凸部3022、及び、下サイド凹凸部3023)と表記することがある。
図135に示すように、上サイド凹凸部3021は、周囲の面に対して凹んだ凹部3021aと、凹部3021aに対して突出する突起3021bと、を有している。突起3021bは、凹部3021aに囲われるように形成されている。同様に、中サイド凹凸部3022は、周囲の面に対して凹んだ凹部3022aと、凹部3022aに対して突出する突起3022bと、を有している。突起3022bは、凹部3022aに囲われるように形成されている。下サイド凹凸部3023は、周囲の面に対して凹んだ凹部3023aと、凹部3023aに対して突出する突起3023bと、を有している。突起3023bは、凹部3023aに囲われるように形成されている。分かりやすくするため、図135では、凹部3021a、凹部3022a、及び、凹部3023aを黒で示している。
また、中央スクリーン3010は、湾曲部3012の後端から後方に向けて連続して形成された後側部3013を有している。後側部3013は、略平坦に形成されている。分かりやすくするため、図135では、後側部3013を斜線で示している。
図136及び図137に示すように、中央スクリーン3010の右湾曲部3012Rにおける右側には、右湾曲部3012Rに沿うように右サイド装飾部3110Rが配置されている。同様に、中央スクリーン3010の左湾曲部3012Lにおける左側には、左湾曲部3012Lに沿うように左サイド装飾部3110Lが配置されている。右サイド装飾部3110R及び左サイド装飾部3110Lは、それぞれ、右サイド装飾ユニット3100R及び左サイド装飾ユニット3100L(図130参照)の構成要素となっている。右サイド装飾部3110R及び左サイド装飾部3110Lは、互いに左右対称な構造を有している。本明細書では、右サイド装飾部3110Rと左サイド装飾部3110Lとを区別せず、サイド装飾部3110と表記することがある。
図138及び図139に示すように、サイド装飾部3110は、外側部3111及び内側部3112を有している。外側部3111及び内側部3112は、それぞれ、平板状に形成され、互いに略平行に配置されている。また、サイド装飾部3110は、内側部3112の前方部分から外側部3111とは反対側に向けて膨出する膨出部3113(上膨出部3114、中膨出部3115、及び、下膨出部3116)を有している。
図140では、中膨出部3115を通る水平面でサイド装飾部3110を切断した様子を示している。図140に示すように、中膨出部3115は、前面側に配置される前側部3115aと、前側部3115aの側縁から屈曲して形成された屈曲部3115bと、を有している。これにより、内側部3112と前側部3115aと屈曲部3115b(を延長した部分)とで囲まれた三角形形状の空間3115cが形成されている。
図141では、中膨出部3115を通る水平面で中央スクリーン3010及びサイド装飾部3110を切断した様子を示している。分かりやすくするため、図141では、上ドア機構UDが組み立てられた状態における中央スクリーン3010及びサイド装飾部3110を、これらの相対的な位置関係を維持しつつ、他の構成要素を削除して示している。また、中央スクリーン3010の切断面を斜線で示し、サイド装飾部3110の切断面を黒で示している。
図141に示すように、サイド装飾部3110の内側部3112が中央スクリーン3010の後側部3013と当接し、サイド装飾部3110の屈曲部3115bが中央スクリーン3010の中サイド凹凸部3022における凹部3022aと当接している。これにより、中央スクリーン3010の中サイド凹凸部3022における突起3022bがサイド装飾部3110の空間3115cに挿入されている。
同様に、詳細な図示を省略するが、サイド装飾部3110の上膨出部3114近傍は、中央スクリーン3010の上サイド凹凸部3021に対応する構造を有しており、サイド装飾部3110の下膨出部3116近傍は、中央スクリーン3010の下サイド凹凸部3023に対応する構造を有している。これにより、中央スクリーン3010の上サイド凹凸部3021における突起3021bがサイド装飾部3110の内側部3112と上膨出部3114とによって形成された空間に挿入されている。また、中央スクリーン3010の下サイド凹凸部3023における突起3023bがサイド装飾部3110の内側部3112と下膨出部3116とによって形成された空間に挿入されている。
以上より、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、サイド装飾部3110は、中央スクリーン3010の湾曲部3012及び後側部3013に沿って配置される。これにより、サイド装飾部3110は、中央スクリーン3010における後側部分を覆うような状態となる。ここで、本実施形態では、中央スクリーン3010の湾曲部3012に所定のモチーフ画像(パチスロ機1のモチーフを示す画像)が表示される。当該モチーフ画像は、柱に対応する画像(柱画像)であり、柱画像の大きさは、湾曲部3012の大きさに対応している。湾曲部3012の形状に起因して、当該柱画像は、立体的な外観を呈することになる。その結果、遊技者に対して、湾曲部3012の大きさ及び曲率と同等の大きさ及び曲率を有する柱が実際に存在するように見せることができるとともに、サイド装飾部3110が当該柱に乗り上げているように見せることができる。また、サイド装飾部3110の装飾(膨出部3113等)が当該柱に直接施されているような印象も遊技者に与えることができる。そして、遊技者と中央スクリーン3010との間には他の部材が存在しないため、当該柱を遊技者に直に触れさせることもできる。さらに、中央スクリーン3010における後側部分に表示された画像は、遊技者から歪んで見える可能性があるところ、サイド装飾部3110が当該部分を覆うことになるため、歪んだ画像を目隠しすることが可能であり、画像の見栄えが悪化してしまうことを防止することもできる。
<サイド装飾ユニット3100>
図142は、上ドア機構の正面図である。図143は、図142に示す上ドア機構の矢視A−Aに沿う断面図である。図144は、サイドLED基板及びライトガイドの斜視図である。図145は、サイドLED基板及びライトガイドの分解斜視図である。図146は、サイドLED及びライトガイドの斜視図である。図147は、ライトガイド及びサイドライトレンズの斜視図である。図148は、サイドライトレンズを後方から見た斜視図である。図149は、サイドライトレンズの断面図である。図150は、サイドライトレンズの断面図である。図151は、後側透光板、ライトガイド、及び、サイドライトレンズの斜視図である。図152は、サイド装飾部の斜視図である。図153は、サイド装飾部及びサイドライトレンズの斜視図である。図154は、中央スクリーン、後側透光板、及び、サイド遮光プレートの斜視図である。図155は、図154に示す状態からサイド遮光プレートを取り外した様子を示す斜視図である。図156は、図142に示す上ドア機構の矢視A−Aに沿う断面図である。図157は、上ドア機構を後方から見た斜視図である。図158は、図157に示す上ドア機構からサイドLED基板カバーを取り外した様子を示す斜視図である。
図142に示すように、中央スクリーン3010における右側部分には、右サイド装飾ユニット3100Rが配設されており、中央スクリーン3010における左側部分には、左サイド装飾ユニット3100Lが配設されている。右サイド装飾ユニット3100Rと左サイド装飾ユニット3100Lとは、左右対称な構造を有している。本明細書では、右サイド装飾ユニット3100Rと左サイド装飾ユニット3100Lとを区別せず、サイド装飾ユニット3100と表記することがある。
図143に示すように、サイド装飾ユニット3100は、サイド装飾部3110と、サイドLED基板3120と、ライトガイド3130と、サイドライトレンズ3140と、を備えている。分かりやすくするため、図143では、中央スクリーン3010の切断面及び後側透光板3050の切断面を網掛けで示し、サイド装飾部3110の切断面及びサイドLED基板3120の切断面を黒で示し、ライトガイド3130の切断面及びサイドライトレンズ3140の切断面を斜線で示している。
図144では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるサイドLED基板3120及びライトガイド3130を、これらの相対的な位置関係を維持しつつ、他の構成要素を削除して示している。図144及び図145に示すように、サイドLED基板3120の表面3121には、複数のサイドLED3122が設けられている。具体的には、サイドLED3122a、サイドLED3122b、サイドLED3122c、サイドLED3122d、サイドLED3122e、サイドLED3122f、及び、サイドLED3122gが、それぞれ、2つずつ設けられている。サイドLED3122は、基板表面の法線方向(概ね右方向)に光を出射するように設置されている。また、サイドLED3122は、フルカラーLEDであり、赤色、青色、及び、緑色を含む複数種類の色を発することが可能である。
ライトガイド3130は、第1導光部3131、第2導光部3132、第3導光部3133、第4導光部3134、第5導光部3135、第6導光部3136、及び、第7導光部3137を備え、これらが順次接続された構造を有している。また、ライトガイド3130は、高い光透過率(例えば、75%〜95%、望ましくは、80%〜90%程度)を有する材料(例えば、ポリカーボネート等の透明な合成樹脂)でできている。
第1導光部3131は、基体部3131aと、基体部3131aの後端から分岐した上側分岐部3131b及び下側分岐部3131cと、を有している。同様に、第2導光部3132は、基体部3132aと、基体部3132aの後端から分岐した上側分岐部3132b及び下側分岐部3132cと、を有している。第3導光部3133は、基体部3133aと、基体部3133aの後端から分岐した上側分岐部3133b及び下側分岐部3133cと、を有している。第4導光部3134は、基体部3134aと、基体部3134aから分岐した上側分岐部3134b及び下側分岐部3134cと、を有している。第5導光部3135は、基体部3135aと、基体部3135aから分岐した上側分岐部3135b及び下側分岐部3135cと、を有している。第6導光部3136は、基体部3136aと、基体部3136aから分岐した上側分岐部3136b及び下側分岐部3136cと、を有している。第7導光部3137は、基体部3137aと、基体部3137aから分岐した上側分岐部3137b及び下側分岐部3137cと、を有している。
図144に示すように、第1導光部3131における上側分岐部3131b及び下側分岐部3131cは、それぞれ、2つのサイドLED3122aと近接するように配置される。同様に、第2導光部3132における上側分岐部3132b及び下側分岐部3132cは、それぞれ、2つのサイドLED3122bと近接するように配置されている。第3導光部3133における上側分岐部3133b及び下側分岐部3133cは、それぞれ、2つのサイドLED3122cと近接するように配置されている。第4導光部3134における上側分岐部3134b及び下側分岐部3134cは、それぞれ、2つのサイドLED3122dと近接するように配置されている。第5導光部3135における上側分岐部3135b及び下側分岐部3135cは、それぞれ、2つのサイドLED3122eと近接するように配置されている。第6導光部3136における上側分岐部3136b及び下側分岐部3136cは、それぞれ、2つのサイドLED3122fと近接するように配置されている。第7導光部3137における上側分岐部3137b及び下側分岐部3137cは、それぞれ、2つのサイドLED3122gと近接するように配置されている。
これにより、サイドLED3122aから出射された光は、上側分岐部3131b及び下側分岐部3131cに入射する。図146に示すように、上側分岐部3131b及び下側分岐部3131cは、基体部3131aに対して屈曲している。これにより、上側分岐部3131b及び下側分岐部3131cに入射した光は、第1導光部3131の内部において進行方向を前向きに変えて、基体部3131aの前面3131dに到達する。同様に、サイドLED3122bから出射された光は、第2導光部3132における基体部3132aの前面3132dに到達する。サイドLED3122cから出射された光は、第3導光部3133における基体部3133aの前面3133dに到達する。サイドLED3122dから出射された光は、第4導光部3134における基体部3134aの前面3134dに到達する。サイドLED3122eから出射された光は、第5導光部3135における基体部3135aの前面3135dに到達する。サイドLED3122fから出射された光は、第6導光部3136における基体部3136aの前面3136dに到達する。サイドLED3122gから出射された光は、第7導光部3137における基体部3137aの前面3137dに到達する。
分かりやすくするため、図146では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるサイドLED3122a〜3122g及びライトガイド3130を、これらの相対的な位置関係を維持しつつ、他の構成要素を削除して示している。また、基体部3131a〜3137aの前面3131d〜3137dを斜線で示している。前面3131d〜3137dは、鉛直方向の略平坦な面として形成されており、その法線方向は前方向となっている。
図147では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるライトガイド3130及びサイドライトレンズ3140を、これらの相対的な位置関係を維持しつつ、他の構成要素を削除して示している。図147及び図148に示すように、サイドライトレンズ3140は、第1導光部3141、第2導光部3142、第3導光部3143、第4導光部3144、第5導光部3145、第6導光部3146、及び、第7導光部3147を備え、これらが順次接続された構造を有している。サイドライトレンズ3140は、透光性を有する素材により形成されている。
図149では、第1導光部3141を通る水平面でサイドライトレンズ3140を切断した様子を示している。図150では、第2導光部3142を通る水平面でサイドライトレンズ3140を切断した様子を示している。
図149に示すように、第1導光部3141は、板状に形成されて後方に突出する後方突出部3141aと、後方突出部3141aから連続して前方に突出するように形成された前方突出部3141bと、を有している。同様に、第4導光部3144は、板状に形成されて後方に突出する後方突出部3144aと、後方突出部3144aから連続して前方に突出するように形成された前方突出部3144bと、を有している。第7導光部3147は、板状に形成されて後方に突出する後方突出部3147aと、後方突出部3147aから連続して前方に突出するように形成された前方突出部3147bと、を有している。
図150に示すように、第2導光部3142は、板状に形成されて後方に突出する後方突出部3142aと、後方突出部3142aから連続して形成された分岐構造を経由して前方に突出する右側前方突出部3142b及び左側前方突出部3142cと、を有している。同様に、第3導光部3143は、板状に形成されて後方に突出する後方突出部3143aと、後方突出部3143aから連続して形成された分岐構造を経由して前方に突出する右側前方突出部3143b及び左側前方突出部3143cと、を有している。第5導光部3145は、板状に形成されて後方に突出する後方突出部3145aと、後方突出部3145aから連続して形成された分岐構造を経由して前方に突出する右側前方突出部3145b及び左側前方突出部3145cと、を有している。第6導光部3146は、板状に形成されて後方に突出する後方突出部3146aと、後方突出部3146aから連続して形成された分岐構造を経由して前方に突出する右側前方突出部3146b及び左側前方突出部3146cと、を有している。
図148では、第1導光部3141〜第7導光部3147における後方突出部3141a〜3147aの後端面3141d〜3147dを斜線で示している。図147に示すように、サイドライトレンズ3140の第1導光部3141〜第7導光部3147における後端面3141d〜3147dは、それぞれ、ライトガイド3130の第1導光部3131〜第7導光部3137における前面3131d〜3137dと対向するように配置される。
図151では、上ドア機構UDが組み立てられた状態における後側透光板3050、ライトガイド3130、及び、サイドライトレンズ3140を、これらの相対的な位置関係を維持しつつ、他の構成要素を削除して示している。図151に示すように、ライトガイド3130とサイドライトレンズ3140との間には、後側透光板3050の後側部3053が配置されている(図143参照)。ライトガイド3130の第1導光部3131〜第7導光部3137における前面3131d〜3137dは、後側透光板3050の後側部3053における背面側の面と略当接している。サイドライトレンズ3140の第1導光部3141〜第7導光部3147における後端面3141d〜3147dは、後側透光板3050の後側部3053における前面側の面と略当接している。
ここで、後側透光板3050は、高い光透過率(例えば、75%〜95%、望ましくは、80%〜90%程度)を有する材料(例えば、ポリカーボネート等の透明な合成樹脂)でできている。従って、サイドLED3122〜3122gから出射されてライトガイド3130の前面3131d〜3137dに到達した光は、サイドライトレンズ3140の後端面3141d〜3147dに入射する。なお、後側透光板3050の後側部3053は、後側透光板3050の後端を折り曲げることにより、平板状に形成された部分となっている。
サイドライトレンズ3140の後端面3141dに入射した光は、第1導光部3141の内部を進行し、前方突出部3141bに到達する。同様に、サイドライトレンズ3140の後端面3144dに入射した光は、第4導光部3144の内部を進行し、前方突出部3144bに到達する。サイドライトレンズ3140の後端面3147dに入射した光は、第7導光部3147の内部を進行し、前方突出部3147bに到達する。
また、サイドライトレンズ3140の後端面3142dに入射した光は、第2導光部3142の内部を進行し、右側前方突出部3142b及び左側前方突出部3142cに到達する。同様に、サイドライトレンズ3140の後端面3143dに入射した光は、第3導光部3143の内部を進行し、右側前方突出部3143b及び左側前方突出部3143cに到達する。サイドライトレンズ3140の後端面3145dに入射した光は、第5導光部3145の内部を進行し、右側前方突出部3145b及び左側前方突出部3145cに到達する。サイドライトレンズ3140の後端面3146dに入射した光は、第6導光部3146の内部を進行し、右側前方突出部3146b及び左側前方突出部3146cに到達する。
図152に示すように、サイド装飾部3110には、前後方向に貫通する光出射用開口3117(第1光出射用開口3117a、第2光出射用開口3117b、第3光出射用開口3117c、第4光出射用開口3117d、第5光出射用開口3117e、第6光出射用開口3117f、及び、第7光出射用開口3117g)が形成されている。第1光出射用開口3117a、第4光出射用開口3117d、及び、第7光出射用開口3117gとしては、それぞれ、1つの開口が設けられており、第2光出射用開口3117b、第3光出射用開口3117c、第5光出射用開口3117e、及び、第6光出射用開口3117fとしては、それぞれ、2つの開口が設けられている。
分かりやすくするため、図152では、光出射用開口3117a〜3117gを斜線で示している。なお、サイド装飾部3110は、第1光出射用開口3117aの周縁、第4光出射用開口3117dの周縁、及び、第7光出射用開口3117gの周縁から前方に突出する構造を有しており、これらの突出構造は、それぞれ、上膨出部3114、中膨出部3115、及び、下膨出部3116と連続するように形成されている。
第1光出射用開口3117a、第4光出射用開口3117d、及び、第7光出射用開口3117gの形状は、それぞれ、サイドライトレンズ3140の前方突出部3141b、前方突出部3144b、及び、前方突出部3147bの形状に対応している。また、2つの第2光出射用開口3117b、2つの第3光出射用開口3117c、2つの第5光出射用開口3117e、及び、2つの第6光出射用開口3117fの形状は、それぞれ、右側前方突出部3142b及び左側前方突出部3142c、右側前方突出部3143b及び左側前方突出部3143c、右側前方突出部3145b及び左側前方突出部3145c、並びに、右側前方突出部3146b及び左側前方突出部3146cの形状に対応している。
サイドライトレンズ3140は、サイド装飾部3110における外側部3111と内側部3112(図139参照)との間に配置される。図153に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、サイドライトレンズ3140の前方突出部3141b、右側前方突出部3142b及び左側前方突出部3142c、右側前方突出部3143b及び左側前方突出部3143c、前方突出部3144b、右側前方突出部3145b及び左側前方突出部3145c、右側前方突出部3146b及び左側前方突出部3146c、並びに、前方突出部3147bは、それぞれ、サイド装飾部3110の光出射用開口3117a〜3117gに嵌合し、これらの突出部によって、光出射用開口3117a〜3117gが閉塞される。以上より、サイドLED3122a〜3122gから出射された光は、光出射用開口3117a〜3117gを介して、サイドライトレンズ3140からパチスロ機1の外部へと放出される。なお、これらの突出部の前端面にはシボ加工が施されており、これにより、光出射用開口3117a〜3117gが満遍なく光るようになっている。
図154に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、中央スクリーン3010の後側部3013と後側透光板3050の後側部3053との間には、サイド遮光プレート3150が配設されている。図155に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、中央スクリーン3010の後端は、後側透光板3050の後端よりも前方に位置付けられており、後側透光板3050の後側部分が中央スクリーン3010によって覆われず露出した状態となっている。分かりやすくするため、図155では、当該露出した部分(露出部分3054)を斜線で示している。サイド遮光プレート3150は、当該露出部分3054を覆うように配置される。
サイド遮光プレート3150は、遮光性を有しており、光の通過が遮断されるようになっている。サイド遮光プレート3150は、ポリカーボネート等を素材としてできており、黒色に着色されている。分かりやすくするため、図156では、サイド遮光プレート3150の切断面を斜線で示している。サイド遮光プレート3150が配設されることにより、プロジェクタ9020から投射された光が後側透光板3050の露出部分3054を透過してサイドライトレンズ3140に侵入してしまうことを防止することができるようになっている。
なお、サイド遮光プレート3150の上端は、後側透光板3050の上端よりも若干低く、露出部分3054の上側部分は、サイド遮光プレート3150によって覆われず、なお露出した状態となっている。しかし、サイドライトレンズ3140の上端も、後側透光板3050の上端よりも低くなっており(サイド遮光プレート3150と略同じ高さとなっており)、当該露出部分を介して、プロジェクタ9020から投射された光がサイドライトレンズ3140に侵入してしまうことはない。
また、図156では、サイドLED基板カバー3160の切断面を黒で示し、遮蔽壁部材3300の切断面を網掛けで示している。サイドLED基板カバー3160には、サイドLED基板3120が設置される。図157及び図158に示すように、サイドLED基板カバー3160は、サイドLED基板3120及びライトガイド3130の側方に配置されて、サイド装飾部3110及び鍵受部材3320とともに、上ドア機構UD(パチスロ機1)における最外面を構成している。遮蔽壁部材3300については、後に詳述する。
<遮蔽壁部材3300>
図159は、遮蔽壁部材を前方から見た斜視図である。図160は、遮蔽壁部材における左側部周辺の部分拡大斜視図である。図161は、遮蔽壁部材を後方から見た斜視図である。図162は、上ドア機構を後方から見た斜視図である。図163は、図162に示す上ドア機構から遮蔽壁部材及びスピーカ用ハーネスプロテクタを取り外した状態を示す斜視図である。図164(a)は、本実施形態においてプロジェクタから光が投射されている様子を上方から見た模式図である。図164(b)は、他の実施形態においてプロジェクタから光が投射されている様子を上方から見た模式図である。図165は、遮蔽壁部材の正面図である。図166は、遮蔽壁部材及びライトガイドの部分拡大斜視図である。
図159〜図161に示すように、遮蔽壁部材3300は、概ね左右対称となる構造を備え、中央が開口した矩形環状の形状を有している。具体的に、遮蔽壁部材3300は、光通過用開口3301の周囲に配置された下側部3302、左側部3303、右側部3304、及び、上側部3305を備えている。
下側部3302は、下側面3302aを有している。下側面3302aは、下側部3302の上面(光通過用開口3301に面した面)を構成しており、略水平方向に形成されている。図示しないが、下側面3302aには、シボ加工が施されることにより、微細な凹凸が形成されている。シボ加工は、表面にシボ(皺模様)が形成される加工であり、光拡散処理として、当該加工が施されている。本明細書において、シボ加工により形成される凹凸の形状(皺模様)は、特に限定されず、梨地、木目、岩目、砂目、布目・絹目等の模様や、幾何学模様、平行な細い線が等間隔に並ぶような模様等を適宜形成することが可能である。
図160に示すように、左側部3303は、第1左側内壁面3303a、第2左側内壁面3303b、第3左側内壁面3303c、及び、第4左側内壁面3303dを備えている。第1左側内壁面3303a、第2左側内壁面3303b、第3左側内壁面3303c、及び、第4左側内壁面3303dは、左側部3303における右側の面(光通過用開口3301に面した面)を構成しており、略鉛直方向に形成されている。なお、分かりやすくするため、図160では、左側部3303を水平面で切断した様子を示している。
第1左側内壁面3303aは、左側部3303の前端面の右端から斜め後方に向けて連続して形成されている。第2左側内壁面3303bは、第1左側内壁面3303aの後端(右端)から第1左側内壁面3303aよりも急な傾斜で後方に向けて連続して形成されている。第3左側内壁面3303cは、第2左側内壁面3303bの後端から第1左側内壁面3303aよりも急な傾斜且つ第2左側内壁面3303bよりも緩やかな傾斜で後方に向けて連続して形成されている。第4左側内壁面3303dは、第3左側内壁面3303cの後端から第2左側内壁面3303bよりも急な傾斜で後方に向けて連続して形成されている。
また、左側部3303は、後端を右方に僅かに折り曲げることで形成された左側後端部3303eを有している。左側後端部3303eの前面3303fは、第4左側内壁面3303dの後端から右側に向けて連続して形成されている。前面3303fと第4左側内壁面3303dとは、略直交している。なお、第4左側内壁面3303dは、上方に向かうにつれて前後方向の長さが短くなっており、左側部3303の上部においては、第4左側内壁面3303dが形成されておらず、左側後端部3303eの前面3303fは、第3左側内壁面3303cと連続している。
同様に、詳細な説明は省略するが、右側部3304は、第1右側内壁面3304a、第2右側内壁面3304b、第3右側内壁面3304c、第4右側内壁面3304d、及び、右側後端部3304eを備えている。第1右側内壁面3304a、第2右側内壁面3304b、第3右側内壁面3304c、第4右側内壁面3304d、及び、右側後端部3304eは、それぞれ、第1左側内壁面3303a、第2左側内壁面3303b、第3左側内壁面3303c、第4左側内壁面3303d、及び、左側後端部3303eと左右対称となっている。
左側後端部3303e及び右側後端部3304eは、それぞれ、略鉛直方向に形成されている。分かりやすくするため、図161では、左側後端部3303eの背面3303g及び右側後端部3304eの背面3304gを斜線で示している。
図162及び図163に示すように、遮蔽壁部材3300の下側部3302は、中継基板3330及び中継基板カバー3331の上側に配置される。これにより、中継基板3330及び中継基板カバー3331は、下側部3302(下側面3302a)によって略完全に覆われる。遮蔽壁部材3300の下側部3302の前端縁3302bにおける前後方向の位置は、後側透光板3050の下側部3055の後端縁における前後方向の位置と略一致している。すなわち、下側部3302の前端縁3302bは、平面視において、下側部3055の後端縁と略一致しており、下側部3302及び下側部3055は、略隙間なく配置されている。なお、後側透光板3050の下側部3055は、平面部3051及び湾曲部3052の下端から後方に向けて連続して形成され、略水平に配置されている。
遮蔽壁部材3300の右側部3304は、右サイドLED基板3120R及び右側鍵受部材3320Rの左側に配置される。これにより、右サイドLED基板3120R及び右側鍵受部材3320Rは、右側部3304(第1右側内壁面3304a、第2右側内壁面3304b、第3右側内壁面3304c、及び、第4右側内壁面3304d)によって略完全に覆われる。
同様に、図示しないが、遮蔽壁部材3300の左側部3303は、左サイドLED基板3120L及び左側鍵受部材3320Lの右側に配置される。これにより、左サイドLED基板3120L及び左側鍵受部材3320Lは、左側部3303(第1左側内壁面3303a、第2左側内壁面3303b、第3左側内壁面3303c、及び、第4左側内壁面3303d)によって略完全に覆われる。
ここで、上述したように、プロジェクタ9020から投射された光(ミラー9030によって反射された光)は、前方(中央スクリーン3010の配置されている側)に向けて進行する(図99参照)。図164では、このような光の照射範囲を斜線で示している。
本実施形態では、図164(a)に示すように、ミラー9030によって反射された光の大部分は、遮蔽壁部材3300の光通過用開口3301を通過して、中央スクリーン3010に到達する。一方、ミラー9030によって反射された光のうちの一部は、遮蔽壁部材3300の左側部3303(左側後端部3303eの右側部分)及び右側部3304(右側後端部3304eの左側部分)に入射する。遮蔽壁部材3300は、透光性を有していないため、当該光は、左側部3303及び右側部3304を透過することができず、左側部3303及び右側部3304によって反射されるため、中央スクリーン3010には到達しない。
これに対し、図164(b)に示す他の実施形態は、遮蔽壁部材3300が設けられていない点を除いて、本実施形態と同じ構成を有している。この実施形態では、ミラー9030によって反射された光の進行が遮蔽壁部材3300によって妨げられることがないため、図164(b)に示す照射範囲は、図164(a)に示す照射範囲よりも広くなっている。具体的に、図164(a)では、領域I及び領域IIが照射範囲となっていないのに対し、図164(b)では、領域I及び領域IIが照射範囲となっている。領域I及び領域IIは、正面視において中央スクリーン3010の周縁に位置付けられる領域である。
領域Iには、左サイドLED基板3120L及び左側鍵受部材3320Lが配置されている。また、領域IIには、右サイドLED基板3120R及び右側鍵受部材3320Rが配置されている。そのため、他の実施形態では、プロジェクタ9020から投射された光の一部が、左サイドLED基板3120L及び左側鍵受部材3320L、並びに、右サイドLED基板3120R及び右側鍵受部材3320Rによって反射され、当該反射された光が中央スクリーン3010に入射するといった状況が発生し得る。これに対し、本実施形態では、領域I及び領域IIが照射範囲に含まれないため、プロジェクタ9020から投射された光の一部が、左サイドLED基板3120L及び左側鍵受部材3320L、並びに、右サイドLED基板3120R及び右側鍵受部材3320Rによって反射される(反射された光が中央スクリーン3010に入射する)といった事態を防止することができる。
図160に示すように、左側部3303は、前端を左方に僅かに折り曲げることで形成された左側前端部3303hを有している。同様に、右側部3304は、前端を右方に僅かに折り曲げることで形成された右側前端部3304hを有している。図165に示すように、左側前端部3303h及び右側前端部3304hには、前後方向に貫通するライトガイド用開口3306(第1ライトガイド用開口3306a、第2ライトガイド用開口3306b、第3ライトガイド用開口3306c、第4ライトガイド用開口3306d、第5ライトガイド用開口3306e、第6ライトガイド用開口3306f、及び、第7ライトガイド用開口3306g)が形成されている。
ライトガイド用開口3306a〜3306gは、正面視における形状が、ライトガイド3130の第1導光部3131〜第7導光部3137における基体部3131a〜3137aよりも僅かに大きくなっている。図166に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、ライトガイド用開口3306a〜3306gには、それぞれ、ライトガイド3130の第1導光部3131〜第7導光部3137における基体部3131a〜3137aの前部が挿入される。基体部3131a〜3137aの前面3131d〜3137dは、右側前端部3304h(左側前端部3303h)の前面3304i(前面3303i)と略同一平面上に位置付けられる。これにより、ライトガイド3130を透過した光は、ライトガイド用開口3306a〜3306gを介して、ライトガイド3130からサイドライトレンズ3140へと進行することになる。
<空気流路の形成>
図167は、遮蔽壁部材を後方から見た斜視図である。図168は、上ドア機構からトップフレームベースを取り外した状態を示す斜視図である。図169は、図168に示す状態から上部前後フレーム及びダクトシールを取り外した様子を示す斜視図である。図170は、上部前後フレームを後方から見た斜視図である。図171は、上部前後フレームを前方から見た部分拡大斜視図である。図172は、トップフレームベースを後方且つ下方から見た斜視図である。図173は、図172に示すトップフレームベースの部分拡大斜視図である。図174は、トップフレームベース及び上部前後フレームを後方から見た部分拡大斜視図である。図175は、トップフレームベース及び上部前後フレームの断面図である。図176は、上ドア機構からスピーカ用ハーネスプロテクタを取り外した状態を示す斜視図である。
図167に示すように、遮蔽壁部材3300の上側部3305には、右側通気用開口3307R及び左側通気用開口3307Lが形成されている。右側通気用開口3307R及び左側通気用開口3307Lは、それぞれ、前後方向に空気が通過可能なように形成されている。分かりやすくするため、図167では、右側通気用開口3307R及び左側通気用開口3307Lを斜線で示している。
また、図168に示すように、トップフレームベース3210は、上面壁3211を有している。トップフレームベース3210は、フロントトップユニット3200(図130参照)の構成要素であり、フロントトップユニット3200の骨格を構成する部材となっている。上面壁3211には、右側通気口3212R及び左側通気口3212Lがそれぞれ複数形成されている。トップフレームベース3210は、ポリカーボネート等を素材としてできており、左右対称な構造を有している。なお、トップフレームベース3210は、成形前に樹脂材料に顔料又は染料を混ぜて着色することにより、黒色が付されている。これにより、トップフレームベース3210は、光を透過させないようになっている。
トップフレームベース3210の下側には、上部前後フレーム3230が配置されている。図169及び図170に示すように、上部前後フレーム3230は、右側部3230R及び左側部3230Lが中央部3230Cにより接続された構造を有している。右側部3230Rには、上方に向けて開放した右側開口3231Rと、後方に向けて開放した右側開口3232Rと、が形成されている。左側部3230Lには、上方に向けて開放した左側開口3231Lと、後方に向けて開放した左側開口3232Lと、が形成されている。
右側開口3231Rと右側開口3232Rとは、右側部3230Rの内部に形成された右側空洞3233Rを介して連通しており、左側開口3231Lと左側開口3232Lとは、左側部3230Lの内部に形成された左側空洞3233Lを介して連通している。分かりやすくするため、図170では、開口3231(右側開口3231R及び左側開口3231L)並びに開口3232(右側開口3232R及び左側開口3232L)を斜線で示している。
トップフレームベース3210と上部前後フレーム3230との間には、ダクトシール3240(右側ダクトシール3240R及び左側ダクトシール3240L)が配置されている。右側ダクトシール3240R及び左側ダクトシール3240Lは、それぞれ、中央が大きく開口した矩形形状を有しており、上部前後フレーム3230における右側開口3231R及び左側開口3231Lの周縁に沿うように配設されている。ダクトシール3240としては、トップフレームベース3210と上部前後フレーム3230との間を密閉することが可能な緩衝部材(例えば、ゴムパッキン)を適宜採用することができる。
ここで、トップフレームベース3210の右側通気口3212R及び左側通気口3212Lは、それぞれ、上部前後フレーム3230の右側開口3231R及び左側開口3231Lを介して、右側空洞3233R及び左側空洞3233Lと連通している。右側空洞3233R及び左側空洞3233Lは、それぞれ、右側開口3232R及び左側開口3232Lを介して、遮蔽壁部材3300の右側通気用開口3307R及び左側通気用開口3307Lと連通している。
これにより、例えば、左側通気口3212L、左側空洞3233L、及び、左側通気用開口3307Lを介して、パチスロ機1の外部からキャビネットGの内部に空気が取り入れられる。この空気は、吸気口B22A(図57参照)を介してケースB22の内部に入る。ケースB22の内部に入った空気は、ケースB22内で発生した熱を奪いながら右方向に進み、排気口B22E(図58参照)を介してケースB22を出る。ケースB22を出た空気は、右側通気用開口3307R、右側空洞3233R、及び、右側通気口3212Rを介して、パチスロ機1の外部に放出される。
このようにして、プロジェクタ9020において発生した熱をパチスロ機1の外部に排出することができる。なお、第2実施形態では、ケースB22の右側に吸気口B22Aが設けられている一方、ケースB22の左側に排気口B22Eが設けられていることとして説明した。これに対し、本実施形態では、ケースB22の左側に吸気口B22Aが設けられている一方、ケースB22の右側に排気口B22Eが設けられている。
また、図170に示すように、上部前後フレーム3230の中央部3230Cには、フレームベース係合用溝3234(フレームベース係合用溝3234R及びフレームベース係合用溝3234L)が形成されている。フレームベース係合用溝3234は、周囲の面よりも凹んだ凹部として、前後方向に延在するように形成されている。フレームベース係合用溝3234Rとフレームベース係合用溝3234Lとは、略同一の構成を有しており、互いに略平行となるように設けられている。
図171に示すように、フレームベース係合用溝3234は、溝底部3234a、並びに、溝底部3234aと周囲の面とを接続する左側壁面3234b及び右側壁面3234cによって構成されている。フレームベース係合用溝3234は、中央部3230Cの前端から後方にかけて形成されているが、フレームベース係合用溝3234の後端は、中央部3230Cの後端よりも前方に位置付けられている。これにより、フレームベース係合用溝3234の左右(溝左側部3235及び溝右側部3236)は、フレームベース係合用溝3234の後部(溝後側部3237)によって接続されている。
また、フレームベース係合用溝3234の後端には、後方に向けて開放した溝後部開口3234dが形成されている。分かりやすくするため、図171では、フレームベース係合用溝3234Lの左側壁面3234bを黒で示し、フレームベース係合用溝3234Rの溝後部開口3234dを斜線で示している。
図172に示すように、トップフレームベース3210の上面壁3211の下面3211aには、前後フレーム係合用突起3213(前後フレーム係合用突起3213R及び前後フレーム係合用突起3213L)が形成されている。前後フレーム係合用突起3213は、周囲の面よりも突出する凸部として、前後方向に延在するように形成されている。前後フレーム係合用突起3213Rと前後フレーム係合用突起3213Lとは、略同一の構成を有しており、互いに略平行となるように設けられている。
前後フレーム係合用突起3213Rと前後フレーム係合用突起3213Lとの距離は、上部前後フレーム3230におけるフレームベース係合用溝3234Rとフレームベース係合用溝3234Lとの距離と略同一となっている。また、前後フレーム係合用突起3213R及び前後フレーム係合用突起3213Lの大きさは、フレームベース係合用溝3234R及びフレームベース係合用溝3234Lよりもやや小さくなっている。
図173に示すように、前後フレーム係合用突起3213は、前後フレーム係合用爪3213aを有している。前後フレーム係合用爪3213aは、前後フレーム係合用突起3213の後端において、その下部が後方に突出することにより形成されている。分かりやすくするため、図173では、前後フレーム係合用突起3213の側面を黒で示している。
図174に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、トップフレームベース3210の前後フレーム係合用爪3213aが上部前後フレーム3230の溝後部開口3234dから後方に突出している。なお、上部前後フレーム3230の中央部3230Cにおける下面のうち、フレームベース係合用溝3234の形成されている部分には、フレームベース係合用溝3234が凹んでいることに対応して下方に向けてコの字状に突出した構造3238が形成されている。
図175では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるトップフレームベース3210及び上部前後フレーム3230を前後方向の鉛直面(前後フレーム係合用突起3213R及びフレームベース係合用溝3234Rを通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図175では、トップフレームベース3210の切断面を斜線で示し、上部前後フレーム3230の切断面を黒で示している。
図175に示すように、トップフレームベース3210の前後フレーム係合用突起3213R及び前後フレーム係合用突起3213Lは、それぞれ、上部前後フレーム3230のフレームベース係合用溝3234R及びフレームベース係合用溝3234Lに挿入されている。この状態で、トップフレームベース3210の前後フレーム係合用爪3213aは、上部前後フレーム3230における溝後側部3237の下側に位置付けられている。
トップフレームベース3210の上面壁3211は、平板状に形成されており、支柱となる構造を基本的に有していないため、充分な強度が確保されていない。この点、前後フレーム係合用突起3213をフレームベース係合用溝3234に沿わせてスライドさせれば、トップフレームベース3210を上部前後フレーム3230に容易に取り付けることが可能であり、取り付けに際してトップフレームベース3210が破損してしまうことを防止することができる。そして、取り付け後は、上部前後フレーム3230によってトップフレームベース3210を支持し、上面壁3211が撓んでしまうことを防止することができる。
なお、図167に示すように、遮蔽壁部材3300の右側部3304と上側部3305との境界部分(右上角部3310R)は、光通過用開口3301側に膨出した構造を有している。右上角部3310Rには、スピーカ用開口3311が形成されている。分かりやすくするため、図167では、スピーカ用開口3311を斜線で示している。
スピーカ用開口3311の下方には、後方に向かうにつれて下降するような傾斜を有するスピーカ用傾斜部3312が設けられている。これにより、スピーカ用傾斜部3312の上方には、ハーネス配置用空間3313が形成されている。図176に示すように、ハーネス配置用空間3313には、スピーカ3410への接続用のハーネス3314が配置される。ハーネス3314は、スピーカ用開口3311を介してスピーカ3410に接続される。図176では、スピーカ3410の一部がスピーカ用開口3311を介して露出している様子が示されている。
スピーカ用開口3311の背面側には、スピーカ用ハーネスプロテクタ3315が配置される。スピーカ用ハーネスプロテクタ3315は、概ね前後方向の面と上下方向の面とによって所定の段差が形成された構造を有している。これにより、ハーネス配置用空間3313は、スピーカ用ハーネスプロテクタ3315によって閉塞され、ハーネス3314は、スピーカ用傾斜部3312及びスピーカ用ハーネスプロテクタ3315により構成される壁部によって取り囲まれた状態となる。
同様に、遮蔽壁部材3300の左側部3303と上側部3305との境界部分(左上角部3310L)には、スピーカ用開口3311及びスピーカ用傾斜部3312が形成されている。左上角部3310Lは、右上角部3310Rと左右対称な構造を有しているため、詳細な説明は省略する。なお、図176では、右上角部3310Rの背面側のスピーカ用ハーネスプロテクタ3315が取り外されている一方、左上角部3310Lの背面側のスピーカ用ハーネスプロテクタ3315は取り付けられている。
<トップフレームベース3210における画像の反射>
図177は、トップフレームベースを前方から見た斜視図である。図178は、トップフレームベースの底面図である。図179は、上ドア機構をやや下方から見た斜視図である。図180は、中央スクリーン及びトップフレームベースの断面図である。図181は、中央スクリーンにおける平面部及びトップフレームベースにおける下面壁の模式図である。
図177に示すように、トップフレームベース3210は、下面壁3214を備えている。下面壁3214は、平板状に形成されており、上面壁3211と略平行となっている。上面壁3211及び下面壁3214は、略水平に配置されている。分かりやすくするため、図177では、下面壁3214を斜線で示している。
図178に示すように、下面壁3214の下面3215は、画像反射面3216と装飾面3217とを有している。画像反射面3216は、弓形(円弧と、当該円弧の端部同士を結んだ弦とで囲まれた図形)の形状を有している。画像反射面3216は、凹状の溝ととして形成された模様3216aを除いて、シボ加工等は施されておらず、全体的に略平坦なツルツルの面となっている。装飾面3217は、画像反射面3216を囲っている部分であり、全体的に凹凸による装飾が施されている。
画像反射面3216は、反射塗料が塗布されることにより、光を反射することが可能となっている。従来公知のように、反射塗料は、透明性塗料とガラスビーズとを含んで構成されており、強い反射性能を有している。透明性塗料としては、任意の塗料(例えば、後述する遮光塗料と同じ樹脂材料)を用いることが可能である。塗装方法としては、特に限定されず、例えば、スプレー塗装を採用することが可能である。反射塗料には、黒色顔料(例えば、カーボンブラック)が含まれており、画像反射面3216は、黒色の外観を呈している。画像反射面3216の色は、特に限定されず、任意の色に塗装することが可能である。
図179に示すように、上ドア機構UDを下から見上げると(遊技者の目線から見ると)、画像反射面3216が視界に入る。図180では、上ドア機構UDが組み立てられた状態における中央スクリーン3010及びトップフレームベース3210を前後方向の鉛直面(画像反射面3216の左右方向における概ね中央部分を通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図180では、中央スクリーン3010(平面部3011)の切断面を黒で示し、トップフレームベース3210(下面壁3214)の切断面を斜線で示している。
図180に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態では、トップフレームベース3210の下面壁3214における後端縁3214a(弓形における弦に対応する部分)が中央スクリーン3010の平面部3011における前面側の面(表示面3011a)と略当接している。中央スクリーン3010の表示面3011aとトップフレームベース3210の画像反射面3216とは略直交するように配置されている。これにより、画像反射面3216は、表示面3011aの上部(上端よりも僅かに下方)から前方に向けて連続する面となっている。
図181では、上ドア機構UDを下から見上げた状態における中央スクリーン3010の平面部3011及びトップフレームベース3210の下面壁3214を模式的に示している。また、この模式図では、中央スクリーン3010の平面部3011に半円形状の画像(半円画像3011b)が表示されている様子を示している。半円画像3011bは、プロジェクタ9020により投影された画像である。
ここで、上記のように、画像反射面3216が光を反射することが可能であることに起因して、画像反射面3216に反射画像3216aが表示されている。反射画像3216aは、中央スクリーン3010における画像反射面3216との当接部分(下面壁3214における後端縁3214aの下端)を対称の軸として線対称な図形形状(半円形状)を有している。従って、半円画像3011b及び反射画像3216aを遊技者に見せることにより、円が表示されているかのように知覚させることができる。なお、図181では、半円画像3011b及び反射画像3216aをそれぞれ斜線で示している。
<中央スクリーン3010とトップフレームベース3210との配置関係>
図182は、中央スクリーンを前方且つ下方から見た斜視図である。図183は、中央スクリーンを後方且つ下方から見た斜視図である。図184は、中央スクリーンを後方且つ上方から見た斜視図である。図185は、トップフレームベースを後方且つ下方から見た斜視図である。図186は、図185に示すトップフレームベースの部分拡大斜視図である。図187〜図189は、中央スクリーン及びトップフレームベースの断面図である。
図182に示すように、中央スクリーン3010は、前面3014の上端から前方に向けて突出して形成された前方上端部3015を有している。前面3014は、平面部3011における前面側の表面(表示面3011a)と、湾曲部3012における前面側の表面3012aと、により構成される。前方上端部3015は、前面3014に対して略垂直に形成されている。
具体的に、前方上端部3015は、中央部3015a、第1左側部3015b、第2左側部3015c、第1右側部3015d、及び、第2右側部3015eを有している。中央部3015aは、中央スクリーン3010の中央において略水平に形成されている。第1左側部3015bは、中央部3015の左端から左下方に向けて連続して形成されている。第2左側部3015cは、第1左側部3015bの左端から左方に向けて連続して形成されている。第1右側部3015dは、中央部3015aの右端から右下方に向けて連続して形成されている。第2右側部3015eは、第1右側部3015dの右端から右方に向けて連続して形成されている。分かりやすくするため、図182では、前方上端部3015の下面3015fを黒で示している。
第1左側部3015bの近傍には、貫通孔3016Lが形成されており、第1右側部3015dの近傍には、貫通孔3016Rが形成されている。貫通孔3016(貫通孔3016L及び貫通孔3016R)は、中央スクリーン3010を前後方向に貫通するように形成されている。また、中央スクリーン3010は、前面3014の下端近傍から前方に向けて突出して形成された前方下端部3017を有している。前方下端部3017は、前方上端部3015と同様に、前面3014に対して略垂直に形成されている。
図183に示すように、中央スクリーン3010は、背面3018の上端から後方に向けて突出して形成された後方上端部3019を有している。背面3018は、平面部3011における背面側の表面と、湾曲部3012における背面側の表面と、により構成される。後方上端部3019は、背面3018に対して略垂直に形成されている。具体的に、後方上端部3019は、左側部3019a及び右側部3019bを有している。分かりやすくするため、図183では、後方上端部3019の下面3019cを黒で示している。
図184に示すように、左側部3019aの上面3019dは、第1左側部3015bの上面及び第2左側部3015cの上面と連続し、これらの面は一体となっている。同様に、右側部3019bの上面3019eは、第1右側部3015dの上面及び第2右側部3015eの上面と連続し、これらの面は一体となっている。また、中央スクリーン3010は、背面3018の下端から後方に向けて突出して形成された後方下端部3020を有している。後方下端部3020は、後方上端部3019と同様に、背面3018に対して略垂直に形成されている。
図185及び図186に示すように、トップフレームベース3210には、音放出用開口3218(音放出用開口3218L及び音放出用開口3218R)が形成されている。また、トップフレームベース3210には、スクリーン当接部3219が形成されている。分かりやすくするため、図185では、音放出用開口3218L及び音放出用開口3218Rを斜線で示している。また、図186では、スクリーン当接部3219を黒で示している。
スクリーン当接部3219の一部は、下面壁3214の後端縁3214aとなっており、スクリーン当接部3219は、後端縁3214a(スクリーン当接部3219C)と、後端縁3214aの左端から左方に向けて連続して形成された部分(スクリーン当接部3219L)と、後端縁3214aの右端から右方に向けて連続して形成された部分(スクリーン当接部3219R)と、により構成される。
音放出用開口3218Lの周辺右下部分には、スクリーン当接部3219Lよりも後方に突出するようにボス部3220Lが形成されている。同様に、音放出用開口3218Rの周辺左下部分には、スクリーン当接部3219Rよりも後方に突出するようにボス部3220Rが形成されている。また、ボス部3220(ボス部3220L及びボス部3220R)の近傍には、前後方向に貫通するネジ孔3221(ネジ孔3221L及びネジ孔3221R)が形成されている。
図187では、上ドア機構UDが組み立てられた状態における中央スクリーン3010及びトップフレームベース3210を前後方向の鉛直面(中央スクリーン3010の平面部3011の左右方向における概ね中央部分を通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図187では、中央スクリーン3010(平面部3011)の切断面を黒で示し、トップフレームベース3210(下面壁3214)の切断面を斜線で示している。
図187に示すように、トップフレームベース3210のスクリーン当接部3219C(後端縁3214a)は、中央スクリーン3010の前面3014と略当接している。この状態において、スクリーン当接部3219Cは、中央スクリーン3010における前方上端部3015(中央部3015a)の僅かに下方に位置付けられる。
図188では、上ドア機構UDが組み立てられた状態における中央スクリーン3010及びトップフレームベース3210を前後方向の鉛直面(中央スクリーン3010の右湾曲部3012Rを通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図188では、中央スクリーン3010(右湾曲部3012R)の切断面を黒で示し、トップフレームベース3210の切断面を斜線で示している。
図188に示すように、トップフレームベース3210のスクリーン当接部3219Rは、中央スクリーン3010の前面3014と略当接している。この状態において、スクリーン当接部3219Rは、中央スクリーン3010における前方上端部3015(第2右側部3015e)の僅かに下方に位置付けられる。同様に、図示しないが、トップフレームベース3210のスクリーン当接部3219Lは、中央スクリーン3010の前面3014と略当接している。この状態において、スクリーン当接部3219Lは、中央スクリーン3010における前方上端部3015(第2左側部3015c)の僅かに下方に位置付けられる。
このように、トップフレームベース3210のスクリーン当接部3219(スクリーン当接部3219L、スクリーン当接部3219C、及び、スクリーン当接部3219R)は、全体的に、中央スクリーン3010の前面3014と略当接している。そして、スクリーン当接部3219の上方には、中央スクリーン3010の前方上端部3015(中央部3015a、第1左側部3015b、第2左側部3015c、第1右側部3015d、及び、第2右側部3015e)が配設されている。これにより、仮に、トップフレームベース3210のスクリーン当接部3219と中央スクリーン3010の前面3014との間に僅かな隙間が生じている場合、当該隙間を通じて針金形状の器具を侵入させようとしたとしても、前方上端部3015が邪魔になって、当該侵入を阻止することができるようになっている。従って、当該隙間を通じてゴト行為が行われてしまうことを防止することができる。
図189では、上ドア機構UDが組み立てられた状態における中央スクリーン3010及びトップフレームベース3210を前後方向の鉛直面(中央スクリーン3010の貫通孔3016L及びトップフレームベース3210のボス部3220Lを通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図189では、中央スクリーン3010の切断面を斜線で示し、トップフレームベース3210の切断面を黒で示し、中央スクリーン3010における後方上端部3019(左側部3019a)及び前方上端部3015(第2左側部3015c)の上面を網掛けで示している。
図189に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、中央スクリーン3010の貫通孔3016Lとトップフレームベース3210のボス部3220Lとが重畳する。これにより、ボス部3220Lは、貫通孔3016Lに挿入されて、ボス部3220Lの後部が中央スクリーン3010の背面3018よりも僅かに後方へ突出した状態となる。貫通孔3016Lの径は、ボス部3220Lの径よりも若干大きくなっている。
同様に、図示しないが、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、中央スクリーン3010の貫通孔3016Rとトップフレームベース3210のボス部3220Rとが重畳する。これにより、ボス部3220Rは、貫通孔3016Rに挿入されて、ボス部3220Rの後部が中央スクリーン3010の背面3018よりも僅かに後方へ突出した状態となる。貫通孔3016Rの径は、ボス部3220Rの径よりも若干大きくなっている。
貫通孔3016(貫通孔3016L及び貫通孔3016R)、並びに、ボス部3220(ボス部3220L及びボス部3220R)は、後側透光板3050がトップフレームベース3210に対してネジ締結により取り付けられるに当たって用いられるものとなっている。これについては、後に詳述する。
<中央スクリーン3010と後側透光板3050との配置関係>
図190は、中央スクリーン及び後側透光板の断面図である。図191(a)は、本実施形態においてプロジェクタから投射された光が後側透光板に入射する様子を上方から見た模式図である。図191(b)は、他の実施形態においてプロジェクタから投射された光が後側透光板に入射する様子を上方から見た模式図である。図192は、中央スクリーン及び後側透光板の断面図である。図193は、後側透光板を後方から見た斜視図である。図194は、中央スクリーン及び後側透光板を後方から見た斜視図である。
図190では、中央スクリーン3010及び後側透光板3050が組み付けられた状態において、これらを水平面で切断した様子を示している。図191では、図190に示す中央スクリーン3010及び後側透光板3050の切断面を模式的に示している。図192では、図190に示す中央スクリーン3010及び後側透光板3050を部分的に拡大して示している。
図190に示すように、中央スクリーン3010の平面部3011における背面側の表面と後側透光板3050の平面部3051における前面側の表面とは密着している(又は、近接(略当接)している)が、中央スクリーン3010の湾曲部3012における背面側の表面と後側透光板3050の湾曲部3052における前面側の表面との間には、隙間が形成されている。分かりやすくするため、図190では、中央スクリーン3010及び後側透光板3050の切断面を黒で示している。
上述したように、プロジェクタ9020から投射された光は、下向きに進行した後、ミラー9030によって前方に向けて反射される(図99参照)。これにより、プロジェクタ9020から投射された光は、後側透光板3050に入射する。図191(a)では、ミラー9030によって反射されて直線Lに沿った方向に進行した光が後側透光板3050上の点Xに入射する様子を示している。ここでは、便宜上、後側透光板3050の湾曲部3052の一部が略平坦である(曲率が0である)こととして説明する。
このとき、点Xにおける湾曲部3052に対する接線(L1(X))の方向は、湾曲部3052の形成方向と略一致する。直線Lと直線L1(X)とは略直交し、直線Lと直線L1(X)とのなす角度αは、略90°となっている。すなわち、直線Lに沿った方向に進行した光の湾曲部3052に対する入射角(90°−α)は、略0°である。
これに対し、図191(b)に示す他の実施形態においては、後側透光板3050の平面部3051及び湾曲部3052は、中央スクリーン3010の平面部3011及び湾曲部3012と、略同一の大きさ及び形状を有している。これにより、中央スクリーン3010の平面部3011における背面側の表面と後側透光板3050の平面部3051における前面側の表面とが密着し、中央スクリーン3010の湾曲部3012における背面側の表面と後側透光板3050の湾曲部3052における前面側の表面とが密着している。
図191(b)に示す他の実施形態に係る後側透光板3050の湾曲部3052の曲率は、中央スクリーン3010の湾曲部3012の曲率と略同一となっている。図191(b)では、ミラー9030によって反射されて直線Lに沿った方向に進行した光が後側透光板3050上の点Yに入射する様子を示している。点Yは、他の実施形態に係る後側透光板3050の湾曲部3052上の点であり、直線L上において点Xよりも光の進行方向下流側の点である。点Yにおける湾曲部3052に対する接線(L1(Y))に対して垂直な直線(L2(Y))と直線Lとのなす角度β、すなわち、直線Lに沿った方向に進行した光の湾曲部3052に対する入射角は、本実施形態における当該入射角(90°−α)と比較して大きくなっている。
直線Lに沿った方向に進行した光の湾曲部3052に対する入射角が以上のようになっていることから、他の実施形態では、点Yにおいて反射した光が中央スクリーン3010の平面部3011側に進行しやすくなっている。これに対し、本実施形態では、このような反射を抑制し、反射された光が中央スクリーン3010に入射するといった状況が発生することを防止することができる。
図192に示すように、後側透光板3050の湾曲部3052Lにおける背面側の表面の左端部近傍においては、所定範囲に亘ってシボ加工が施されることにより、微細な凹凸が形成されている。図192では、シボ加工が施されている領域(シボ加工領域3052X)を黒で示している。上述したように、シボ加工は、表面にシボ(皺模様)が形成される加工であり、光拡散処理として、当該加工が施されている。
後側透光板3050は、左右対称な構造を有しており、図示しないが、後側透光板3050の湾曲部3052Rにおける背面側の表面の右端部近傍にも、同様のシボ加工が施されている。これにより、プロジェクタ9020から投射された光が反射によって中央スクリーン3010に入射するといった事態を効果的に防止することができる。
また、中央スクリーン3010の湾曲部3012又は後側部3013における背面側(パチスロ機1の内側)の表面(後側透光板3050のシボ加工領域3052X近傍)にも、同様のシボ加工を施すこととしてもよい。後側透光板3050に対するシボ加工及び中央スクリーン3010に対するシボ加工のうちの何れか一方又は双方のシボ加工を施さないようにしてもよい。
図193に示すように、後側透光板3050の上部には、ネジ孔3056L及びネジ孔3056Rが形成されている。図194に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、中央スクリーン3010の貫通孔3016L及び貫通孔3016Rが、それぞれ、後側透光板3050のネジ孔3056L及びネジ孔3056Rと重畳する。なお、分かりやすくするため、図194では、中央スクリーン3010の前方上端部3015(第1左側部3015b、第2左側部3015c、第1右側部3015d、及び、第2右側部3015e)を黒で示している。
<中央スクリーン3010の固定>
図195は、上ドア機構の断面図である。図196は、上ドア機構からアンダーフレームを取り外した状態を示す斜視図である。図197は、上ドア機構の断面図である。
図195では、上ドア機構UDを前後方向の鉛直面(中央スクリーン3010の貫通孔3016L、後側透光板3050のネジ孔3056L、及び、トップフレームベース3210のボス部3220Lを通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図195では、中央スクリーン3010の切断面及びネジ3090の切断面を網掛けで示し、後側透光板3050の切断面を斜線で示し、トップフレームベース3210の切断面を黒で示している。
図195に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、後側透光板3050のネジ孔3056Lとトップフレームベース3210のボス部3220Lとが重畳する。同様に、図示しないが、後側透光板3050のネジ孔3056Rとトップフレームベース3210のボス部3220Rとが重畳する。ネジ孔3056(ネジ孔3056L及びネジ孔3056R)を挿通させたネジ3090を、ボス部3220(ボス部3220L及びボス部3220R)に形成された穴にねじ込むことによって、後側透光板3050がトップフレームベース3210に取り付けられる。また、上述したように、中央スクリーン3010の前面3014は、トップフレームベース3210のスクリーン当接部3219(スクリーン当接部3219L、スクリーン当接部3219C、及び、スクリーン当接部3219R)と略当接している。これにより、中央スクリーン3010は、後側透光板3050とトップフレームベース3210との間に挟持された状態となる。
図196に示すように、上ドア機構UDの下部には、アンダーフレーム3070が配置される。具体的に、アンダーフレーム3070は、中央スクリーン3010における後方下端部3020の下面3020a及び後側透光板3050における下側部3055の下面3055aを覆うように配置される。
図197では、上ドア機構UDを前後方向の鉛直面(上ドア機構UDの左右方向における概ね中央部分を通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図197では、中央スクリーン3010の切断面を斜線で示し、後側透光板3050の切断面を網掛けで示し、アンダーフレーム3070の切断面を黒で示している。
図197に示すように、アンダーフレーム3070は、前端を上方に折り曲げることで形成された上側部3071を有している。上側部3071は、後方に向けて屈曲した構造を有しており、その後端縁3071aは、中央スクリーン3010の前面3014と略当接している。この状態において、後端縁3071aは、中央スクリーン3010における前方下端部3017の僅かに上方に位置付けられる。これにより、仮に、アンダーフレーム3070と中央スクリーン3010の前面3014との間に僅かな隙間が生じている場合、当該隙間を通じて針金形状の器具を侵入させようとしたとしても、前方下端部3017が邪魔になって、当該侵入を阻止することができるようになっている。従って、当該隙間を通じてゴト行為が行われてしまうことを防止することができる。
なお、前方下端部3017は、前面3014の下端よりも僅かに上方に形成されている。また、後側透光板3050の下側部3055は、段差を有するように構成されており、その前部は、中央スクリーン3010の後方下端部3020に載置されるように配置されている。
<スピーカユニット3400>
図198は、上ドア機構からトップサイドパネルを取り外した状態を示す正面図である。図199は、上ドア機構からトップサイドパネル及びスピーカグリルを取り外した状態を示す部分拡大斜視図である。図200は、上ドア機構からトップフレーム飾りを取り外した状態を示す部分拡大斜視図である。
図198及び図199に示すように、上ドア機構UDには、左側スピーカユニット3400L及び右側スピーカユニット3400Rが設けられている。左側スピーカユニット3400Lと右側スピーカユニット3400Rとは、左右対称な構造を有しているため、以下では、左側スピーカユニット3400Lについてのみ説明する。また、左側スピーカユニット3400Lと右側スピーカユニット3400Rとを区別せず、スピーカユニット3400と表記する。
スピーカユニット3400は、スピーカ3410と、スピーカグリル3420と、トップサイドパネル3430と、複数のスピーカユニット用LED3440と、スピーカサイドレンズ3450と、トップフレーム飾り3460と、を備えている。なお、図198では、左側スピーカユニット3400Lのトップサイドパネル3430が取り外されている一方、右側スピーカユニット3400Rのトップサイドパネル3430は取り付けられている。
スピーカグリル3420及びトップサイドパネル3430は、スピーカ3410の前方に配置される。スピーカグリル3420は、メッシュ構造(網目状の構造)を有しており、複数の孔3421が形成されている。トップサイドパネル3430には、中央に音放出用開口3431が形成されている。スピーカ3410から出力された音声は、これらの孔3421及び音放出用開口3431を通じて前方に放出されるようになっている。
スピーカユニット用LED3440としては、スピーカ3410に対して上ドア機構UD中央側に配置されたスピーカユニット用LED3440a、及び、スピーカ3410に対して上ドア機構UD外方側に配置されたスピーカユニット用LED3440bが設けられている。スピーカユニット用LED3440は、前方向に光を出射するように設置されている。また、スピーカユニット用LED3440は、フルカラーLEDであり、赤色、青色、及び、緑色を含む複数種類の色を発することが可能となっている。
トップサイドパネル3430は、透光性を有する素材により形成され、スピーカユニット用LED3440の前面側に配置されている。スピーカユニット用LED3440aから出射された光は、トップサイドパネル3430の内側部3432を透過して、パチスロ機1の外部へと放出される。また、スピーカユニット用LED3440bから出射された光は、トップサイドパネル3430の外側部3433を透過して、パチスロ機1の外部へと放出される。
トップサイドパネル3430の内側部3432には、光出射用開口3434が形成されている。光出射用開口3434は、スピーカサイドレンズ3450に対応する形状を有しており、スピーカサイドレンズ3450が光出射用開口3434に嵌合し、これにより、光出射用開口3434は閉塞されている。スピーカサイドレンズ3450は、透光性を有する素材により形成されている。図示しないが、スピーカサイドレンズ3450の背面側には、スピーカユニット用LED3440cが配設されている。スピーカユニット用LED3440cから出射された光は、スピーカサイドレンズ3450を透過して、パチスロ機1の外部へと放出される。
また、トップサイドパネル3430には、ネジ孔3435が形成されている。トップフレーム飾り3460は、ネジ孔3435の前面側に配置されている。図200に示すように、トップフレーム飾り3460の背面3461には、後方に突出するようにボス部3462が形成されている。図200では、トップフレーム飾り3460については後方から見た様子を示す一方、他の構成については前方から見た様子を示している。
上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、トップフレームベース3210のネジ孔3221(図185参照)とトップサイドパネル3430のネジ孔3435とトップフレーム飾り3460のボス部3462とが重畳する。ネジ孔3221及びネジ孔3435を挿通させたネジを、ボス部3462に形成された穴にねじ込むことによって、トップフレームベース3210がトップフレーム飾り3460に取り付けられる。当該ネジは、トップフレーム飾り3460の背面側に配置されて、遊技者からは見えないため、良好な見栄えを実現することができる。
<フロントトップユニット3200>
図201は、上ドア機構からトップセンターパネル及びトップレンズを取り外した状態を示す正面図である。図202は、図201に示す状態の上ドア機構の部分拡大正面図である。図203は、図201に示す状態の上ドア機構からトップリフレクタ及び矢印眼リフレクタを取り外した状態を示す部分拡大斜視図である。図204は、図203に示す状態の上ドア機構から、トップフレームベース及びトップインナーカバーを取り外した状態を示す部分拡大斜視図である。図205は、トップフレームベース、トップセンターLED基板、及び、センターLED基板ベースの断面図である。
上述したように、上ドア機構UDには、フロントトップユニット3200が設けられている(図130参照)。図201〜図204に示すように、フロントトップユニット3200は、トップセンターLED基板3250と、トップリフレクタ3260と、矢印眼リフレクタ3270(左矢印眼リフレクタ3270L及び右矢印眼リフレクタ3270R)と、トップレンズ3280と、トップセンターパネル3290と、を備えている。
トップセンターLED基板3250の表面3251には、複数のセンターLED3252が設けられている。センターLED3252は、基板表面の法線方向(前方向)に光を出射するように設置されている。センターLED3252は、フルカラーLEDであり、赤色、青色、及び、緑色を含む複数種類の色を発することが可能である。センターLED3252としては、センターLED3252a、センターLED3252b、センターLED3252c、センターLED3252d、センターLED3252e、センターLED3252f、及び、センターLED3252gが設けられている。
センターLED3252aは、トップセンターLED基板3250の中央に設けられている。センターLED3252b及びセンターLED3252cは、センターLED3252aの左側に設けられており、センターLED3252cの配置箇所は、センターLED3252bの配置箇所に囲まれた領域となっている。センターLED3252d及びセンターLED3252eは、センターLED3252aの右側に設けられており、センターLED3252eの配置箇所は、センターLED3252dの配置箇所に囲まれた領域となっている。センターLED3252fは、センターLED3252bの左側に設けられており、センターLED3252gは、センターLED3252dの右側に設けられている。
トップフレームベース3210は、上面壁3211と下面壁3214とを接続する接続部3222(第1接続部3222a、第2接続部3222b、第3接続部3222c、第4接続部3222d、第5接続部3222e、及び、第6接続部3222f)を有している。これにより、中央領域3223a、第1左側領域3223b、第1右側領域3223c、第2左側領域3223d、及び、第2右側領域3223eが区画されている。
中央領域3223aは、正面視において、上面壁3211と下面壁3214と第1接続部3222aと第2接続部3222bとによって囲まれた領域である。第1左側領域3223bは、正面視において、上面壁3211と下面壁3214と第1接続部3222aと第3接続部3222cとによって囲まれた領域である。第1右側領域3223cは、正面視において、上面壁3211と下面壁3214と第2接続部3222bと第4接続部3222dとによって囲まれた領域である。
第2左側領域3223dは、正面視において、上面壁3211と下面壁3214と第3接続部3222cと第5接続部3222eとによって囲まれた領域である。第2右側領域3223eは、正面視において、上面壁3211と下面壁3214と第4接続部3222dと第6接続部3222fとによって囲まれた領域である。なお、第5接続部3222e及び第6接続部3222fは、それぞれ、音放出用開口3218L及び音放出用開口3218Rの周縁の一部を構成している。
中央領域3223a、第1左側領域3223b、第1右側領域3223c、第2左側領域3223d、及び、第2右側領域3223eは、それぞれ、前後方向に貫通する空洞部分となっている。正面視において、センターLED3252aは中央領域3223aに位置付けられており、センターLED3252b及びセンターLED3252cは第1左側領域3223bに位置付けられており、センターLED3252d及びセンターLED3252eは第1右側領域3223cに位置付けられており、センターLED3252fは第2左側領域3223dに位置付けられており、センターLED3252gは第2右側領域3223eに位置付けられている。
トップセンターLED基板3250における左側部分の前面側には、左側トップインナーカバー3255Lが設けられている。左側トップインナーカバー3255Lは、第2左側領域3223dの外形形状と概ね合致しており、正面視において第2左側領域3223dと重畳するように配置される。同様に、トップセンターLED基板3250における右側部分の前面側には、右側トップインナーカバー3255Rが設けられている。右側トップインナーカバー3255Rは、第2右側領域3223eの外形形状と概ね合致しており、正面視において第2右側領域3223eと重畳するように配置される。
図205では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるトップフレームベース3210、トップセンターLED基板3250、及び、センターLED基板ベース3256を前後方向の鉛直面(第2右側領域3223eを通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図205では、トップフレームベース3210の切断面を斜線で示し、トップセンターLED基板3250及びセンターLED基板ベース3256の切断面を黒で示している。
図205に示すように、トップフレームベース3210には、センターLED基板ベース3256が取り付けられている。センターLED基板ベース3256は、上部がトップフレームベース3210の上面壁3211と略当接しており、下部がトップフレームベース3210の下面壁3214と略当接している。トップセンターLED基板3250は、センターLED基板ベース3256に設置されている。これにより、トップセンターLED基板3250は、トップフレームベース3210の上面壁3211と下面壁3214との間に、鉛直方向に(基板表面の法線方向が前方向となるように)配置されている。従って、センターLED3252は、前方向に光を出射することが可能となっている。
<トップリフレクタ3260>
図206は、トップリフレクタを前方から見た斜視図である。図207は、トップリフレクタの背面図である。図208は、トップリフレクタ及びトップセンターLED基板の正面図である。図209及び図210は、トップリフレクタ及びトップセンターLED基板の部分拡大斜視図である。図211は、トップリフレクタ、トップセンターLED基板、及び、トップフレームベースの部分拡大斜視図である。
図206及び図207に示すように、トップリフレクタ3260は、上面壁3261と、下面壁3262と、中央仕切部3263と、第1左側仕切部3264と、第1右側仕切部3265と、第2左側仕切部3266と、第2右側仕切部3267と、を備えている。
中央仕切部3263は、トップリフレクタ3260における左右方向中央において、上面壁3261と下面壁3262とを接続するように形成されている。第1左側仕切部3264は、中央仕切部3263の左側において、上面壁3261の後端と下面壁3262の後端とを接続するように形成されている。第1右側仕切部3265は、中央仕切部3263の右側において、上面壁3261の後端と下面壁3262の後端とを接続するように形成されている。第2左側仕切部3266は、第1左側仕切部3264の左端から左方に向けて連続して形成されている。第2右側仕切部3267は、第1右側仕切部3265の右端から右方に向けて連続して形成されている。
中央仕切部3263には、背面側に光出射用開口3268aが形成されており、第1左側仕切部3264には、背面側に光出射用開口3268b及び光出射用開口3268cが形成されており、第1右側仕切部3265には、背面側に光出射用開口3268d及び光出射用開口3268eが形成されており、第2左側仕切部3266には、背面側に光出射用開口3268fが形成されており、第2右側仕切部3267には、背面側に光出射用開口3268gが形成されている。
分かりやすくするため、図207では、光出射用開口3268a〜3268gを斜線で示している。光出射用開口3268aは、前面側にかけて中央仕切部3263を貫通している。光出射用開口3268b及び光出射用開口3268cは、前面側にかけて第1左側仕切部3264を貫通している。光出射用開口3268d及び光出射用開口3268eは、前面側にかけて第1右側仕切部3265を貫通している。光出射用開口3268fは、前面側にかけて第2左側仕切部3266を貫通している。光出射用開口3268gは、前面側にかけて第2右側仕切部3267を貫通している。
これにより、各光出射用開口3268a〜3268gに対応して、所定の広がりを有する空間(光通過空間3269a〜3269g)が形成されている。また、各光出射用開口3268a〜3268gの周縁部分は、トップセンターLED基板3250の表面3251と近接(略当接)している。
図208に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、センターLED3252a〜3252gは、それぞれ、光出射用開口3268a〜3268gと重畳するように位置付けられる。これにより、センターLED3252a〜3252gから出射された光は、それぞれ、光通過空間3269a〜3269gを通過することになる。ここで、一の光通過空間3269と他の光通過空間3269とは、トップリフレクタ3260に設けられた壁部によって隔てられている。以下、これについて説明する。
図209及び図210に示すように、中央仕切部3263は、三角柱形状の基体部3263aと、基体部3263aから前方に突出する突出部3263bと、を有しており、基体部3263aから突出部3263bにかけて連通する空洞3263cが形成されている。空洞3263cは、左側内壁部3263dと右側内壁部3263eと上側内壁部3263fとによって囲まれる空間となっている。分かりやすくするため、図209では、左側内壁部3263dの前端縁、右側内壁部3263eの前端縁、及び、上側内壁部3263fの前端縁を黒で示している。なお、これらの後端縁は、光出射用開口3268aの周縁を構成しており、左側内壁部3263dと右側内壁部3263eとは、これらの後端部において接続されている。
光通過空間3269aは、空洞3263cとして構成されている。これにより、光通過空間3269aは、基体部3263aの左側部分によって光通過空間3269bから隔てられており、基体部3263aの右側部分によって光通過空間3269dから隔てられている。
また、光通過空間3269bは、第1左側仕切部3264の傾斜壁部3264aによって囲まれた空間となっている。傾斜壁部3264aによって、一の光通過空間3269bの範囲が画定されており、当該一の光通過空間3269bは、他の光通過空間3269bから隔てられている。分かりやすくするため、図209では、一の光通過空間3269bを画定する傾斜壁部3264aの側面を斜線で示している。傾斜壁部3264aは、その後端縁により囲まれる部分(光出射用開口3268b)の面積よりも前端縁により囲まれる部分の面積の方が大きくなるように、前方に向かうにつれて広がるような傾斜を有して形成されている。
また、光通過空間3269cは、第1左側仕切部3264の矢印眼用周辺壁部3264bによって囲まれた空間となっている。矢印眼用周辺壁部3264bによって、光通過空間3269cは、光通過空間3269bから隔てられている。矢印眼用周辺壁部3264bによって規定される領域は、矢印眼用中央壁部3264cによって2つに区画されている。これにより、一の光通過空間3269cは、他の光通過空間3269cから隔てられている。
分かりやすくするため、図209では、矢印眼用周辺壁部3264bの前端縁3264dを黒で示し、光出射用開口3268cの周縁から連続する前面3264eを斜線で示し、矢印眼用中央壁部3264cの前面3264fを網掛けで示している。矢印眼用中央壁部3264cは、前面3264eよりも前方に突出するように形成されている。また、矢印眼用中央壁部3264cは、矢印眼用周辺壁部3264bと比較して、前後方向の長さが短くなっており、矢印眼用中央壁部3264cの前面3264fは、矢印眼用周辺壁部3264bの前端縁3264dよりも後方に位置付けられている。なお、矢印眼用中央壁部3264cには、第1左側仕切部3264を前後方向に貫通するネジ孔3264gが形成されている。
また、光通過空間3269fは、第2左側仕切部3266の傾斜壁部3266aによって囲まれた空間となっている。傾斜壁部3266aによって、一の光通過空間3269fの範囲が画定されており、当該一の光通過空間3269fは、他の光通過空間3269fから隔てられている。分かりやすくするため、図209では、一の光通過空間3269fを画定する傾斜壁部3266aの側面を斜線で示している。傾斜壁部3266aは、その後端縁により囲まれる部分(光出射用開口3268f)の面積よりも前端縁により囲まれる部分の面積の方が大きくなるように、前方に向かうにつれて広がるような傾斜を有して形成されている。
トップリフレクタ3260は、左右対称な構造を有しており、同様に、光通過空間3269dは、第1右側仕切部3265の傾斜壁部3265aによって囲まれた空間となっており、傾斜壁部3265aによって、一の光通過空間3269dは、他の光通過空間3269dから隔てられている。また、光通過空間3269eは、第1右側仕切部3265の矢印眼用周辺壁部3265bによって囲まれた空間となっており、矢印眼用周辺壁部3265bによって、光通過空間3269eは、光通過空間3269dから隔てられている。矢印眼用周辺壁部3265bによって規定される領域は、矢印眼用中央壁部3265cによって2つに区画されている。これにより、一の光通過空間3269eは、他の光通過空間3269eから隔てられている。また、光通過空間3269gは、第2右側仕切部3267の傾斜壁部3267aによって囲まれた空間となっており、傾斜壁部3267aによって、一の光通過空間3269gは、他の光通過空間3269gから隔てられている。
なお、図211に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、トップリフレクタ3260における上面壁3261の上面は、トップフレームベース3210における上面壁3211の下面と略当接し、トップリフレクタ3260における下面壁3262の下面は、トップフレームベース3210における下面壁3214の上面と略当接する。
これにより、光通過空間3269d及び光通過空間3269eの前方は、トップリフレクタ3260の上面壁3261と下面壁3262と中央仕切部3263の右側壁面3263gとトップフレームベース3210の第4接続部3222dとによって区画された空間となっている。分かりやすくするため、図211では、トップリフレクタ3260における上面壁3261の下面を斜線で示し、下面壁3262の上面を黒で示し、右側壁面3263gを網掛けで示している。同様に、図示しないが、光通過空間3269b及び光通過空間3269cの前方は、トップリフレクタ3260の上面壁3261と下面壁3262と中央仕切部3263の左側壁面3263hとトップフレームベース3210の第3接続部3222cとによって区画された空間となっている。
<矢印眼リフレクタ3270>
図212は、左矢印眼リフレクタを前方且つ右方から見た斜視図である。図213は、左矢印眼リフレクタの背面図である。図214は、左矢印眼リフレクタを後方から見た斜視図である。図215は、左矢印眼リフレクタの断面図である。図216及び図217は、センターLED、トップリフレクタ、及び、左矢印眼リフレクタの斜視図である。図218は、センターLED、トップリフレクタ、及び、左矢印眼リフレクタの断面図である。
左矢印眼リフレクタ3270Lと右矢印眼リフレクタ3270Rとは、左右対称な構造を有しているため、以下では、これらを区別せず、矢印眼リフレクタ3270として説明する。図212〜図214に示すように、矢印眼リフレクタ3270は、前方及び後方が開放した中空の立体形状を有している。
具体的に、矢印眼リフレクタ3270は、基体部3271と、前側部3272と、後側部3273と、を備えている。基体部3271は、矢印眼リフレクタ3270の大部分を占める構造となっている。前側部3272は、基体部3271の前端部から前方に突出するように形成されている。後側部3273は、基体部3271の後端部から後方に突出するように形成されている。
分かりやすくするため、図212では、基体部3271の前端縁3271a及び前側部3272の前端縁3272aを黒で示している。基体部3271の外壁面3271bと前側部3272の外壁面3272bとは、基体部3271の前端縁3271aにおいて段差を有するように形成されている。前側部3272の外壁面3272bは、基体部3271の前端縁3271aと前側部3272の前端縁3272aとを接続するように形成されている。
前側部3272の前端縁3272aにより規定される図形と、基体部3271の前端縁3271aにより規定される図形とは、概ね相似形状を有しており、前側部3272の前端縁3272aにより規定される図形の方が、基体部3271の前端縁3271aにより規定される図形よりも小さくなっている。また、前側部3272には、前方に向けて開放する前側開口3272cが形成されている。前側開口3272cの周縁は、前側部3272の前端縁3272aと一致している。
基体部3271の外壁面3271bと後側部3273の外壁面3273aとは、基体部3271の後端部3271cにおいて段差を有するように形成されている。また、後側部3273には、後方に向けて開放する第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cが形成されている。矢印眼リフレクタ3270の内部には空洞が形成されており、第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cは、前側開口3272cと連通している。
また、後側部3273は、第1後側開口3273bと第2後側開口3273cとの間に後側仕切部3273dを有している。後側仕切部3273dは、後側部3273の上部及び下部を接続するように、平板状に形成されている。後側仕切部3273dには、ネジ穴3273eが形成されている。分かりやすくするため、図213では、基体部3271の後端部3271cを黒で示し、第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cを斜線で示し、後側仕切部3273dの背面3273fを網掛けで示している。
第1後側開口3273bにおける周縁の一部には、後側仕切部3273dの背面3273fよりも後方に突出するように第1後側開口周縁部3273gが形成されている。また、第2後側開口3273cにおける周縁の一部には、後側仕切部3273dの背面3273fよりも後方に突出するように第2後側開口周縁部3273hが形成されている。第1後側開口周縁部3273gの側面及び第2後側開口周縁部3273hの側面は、後側部3273の外壁面3273aと一致している。分かりやすくするため、図214では、第1後側開口周縁部3273gの後端面3273i及び第2後側開口周縁部3273hの後端面3273jを斜線で示し、基体部3271の後端部3271cを黒で示している。
図215では、矢印眼リフレクタ3270を左右方向の鉛直面(基体部3271を通る面)で切断した様子を示している。図215に示すように、矢印眼リフレクタ3270の内壁面3270aは、前方に向かうにつれて広がるような傾斜を有して形成されている。これにより、矢印眼リフレクタ3270を左右方向の鉛直面(第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cとの前後方向の距離がXとなるような鉛直面)で切断したとき、その断面に対応する開口(断面開口3270X)は、Xの値が大きいほどその面積が大きくなる。
分かりやすくするため、図215では、矢印眼リフレクタ3270の切断面を斜線で示している。断面開口3270Xは、当該斜線により囲まれた部分である。なお、上述したように、矢印眼リフレクタ3270の外壁面(外壁面3271b、外壁面3272b、外壁面3273a)には、基体部3271と前側部3272との間及び基体部3271と後側部3273との間に、それぞれ段差が形成されているが、内壁面3270aは、このような段差を有することなく、基体部3271と前側部3272と後側部3273との間に連続的に形成されている。従って、前側部3272の厚み(外壁面3272bと内壁面3270aとの距離)は、基体部3271の厚み(外壁面3271bと内壁面3270aとの距離)よりも小さくなっている。図215では、基体部3271の厚みをdで示している。なお、基体部3271及び前側部3272は、それぞれ、略一様な厚みを有するように形成されている。
詳しくは後述するが、前側部3272の前端縁3272aは、トップレンズ3280の後面側に近接する(図224参照)。ここで、矢印眼リフレクタ3270自体は光を通さないため、矢印眼リフレクタ3270周辺のセンターLED3252を発光させてフロントトップユニット3200で発光演出を行う場合に、矢印眼リフレクタ3270の影(特に、矢印眼リフレクタ3270前端部の影)がトップレンズ3280及びトップセンターパネル3290越しに遊技者から見えてしまい、遊技機の美観の低下に繋がることが懸念される。しかし、本実施形態のように、矢印眼リフレクタ3270の前端側に段を設けて、前側部3272を基体部3271と比べて薄肉状にすることで、矢印眼リフレクタ3270前端部の面積を小さくすることが可能であり、結果として、発光演出時における矢印眼リフレクタ3270前端部の影を小さくすることができ、遊技機の美観を向上させるという効果を奏する。
また、矢印眼リフレクタ3270には、後側部3273の後側仕切部3273dから前方に突出するようにボス部3270bが形成されている。ボス部3270bは、円柱形状を有しており、ネジ穴3273eは、後側仕切部3273dを貫通して、ボス部3270bの一部にかけて形成されている。分かりやすくするため、図215では、後側仕切部3273dの前面3273kを黒で示し、ボス部3270bの前面を網掛けで示している。
なお、図示されるように、左矢印眼リフレクタ3270Lにおけるボス部3270bの前面には、「L」の文字が形成されている。これに対し、右矢印眼リフレクタ3270Rにおけるボス部3270bの前面には、「R」の文字が形成されている。これにより、左矢印眼リフレクタ3270Lと右矢印眼リフレクタ3270Rとを容易に区別することが可能となっている。
図216では、トップリフレクタ3260及び左矢印眼リフレクタ3270Lについて、これらを分解するとともに、トップリフレクタ3260については前方(概ね正面)から見た様子を示す一方、左矢印眼リフレクタ3270Lについては後方(概ね背面)から見た様子を示している。図217では、トップリフレクタ3260及び左矢印眼リフレクタ3270Lについて、これらが組み付けられた状態を前方から見た様子を示している。図218では、トップリフレクタ3260及び左矢印眼リフレクタ3270Lについて、これらが組み付けられた状態における断面を左方から見た様子を示している。また、図216〜図218では、センターLED3252とトップリフレクタ3260との相対的な位置関係を維持しつつ、センターLED3252、トップリフレクタ3260、及び、左矢印眼リフレクタ3270L以外の構成要素を削除して示している。
図216に示すように、トップリフレクタ3260の矢印眼用中央壁部3264cには、ネジ孔3264gが形成されている。上述したように、ネジ孔3264gは、第1左側仕切部3264を前後方向に貫通するように形成されている。同様に、図示しないが、トップリフレクタ3260の矢印眼用中央壁部3265cには、ネジ孔3265gが形成されている。ネジ孔3265gは、第1右側仕切部3265を前後方向に貫通するように形成されている。
上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、トップリフレクタ3260のネジ孔3264gと左矢印眼リフレクタ3270Lのネジ穴3273eとが重畳する。ネジ孔3264gを挿通させたネジを、ネジ穴3273eにねじ込むことによって、左矢印眼リフレクタ3270Lがトップリフレクタ3260に取り付けられる。同様に、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、トップリフレクタ3260のネジ孔3265gと右矢印眼リフレクタ3270Rのネジ穴3273eとが重畳する。ネジ孔3265gを挿通させたネジを、ネジ穴3273eにねじ込むことによって、右矢印眼リフレクタ3270Rがトップリフレクタ3260に取り付けられる。
これにより、左矢印眼リフレクタ3270L及び右矢印眼リフレクタ3270Rは、それぞれ、トップリフレクタ3260の前面側に配置される。このとき、左矢印眼リフレクタ3270Lの第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cが、それぞれ、トップリフレクタ3260における2つの光出射用開口3268cと重畳する。そして、第1後側開口3273bと光出射用開口3268cとが連通するとともに、第2後側開口3273cと光出射用開口3268cとが連通する。同様に、右矢印眼リフレクタ3270Rの第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cが、それぞれ、トップリフレクタ3260における2つの光出射用開口3268eと重畳する。そして、第1後側開口3273bと光出射用開口3268eとが連通するとともに、第2後側開口3273cと光出射用開口3268eとが連通する。
図218では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるセンターLED3252、トップリフレクタ3260、及び、左矢印眼リフレクタ3270Lを前後方向の鉛直面(左矢印眼リフレクタ3270Lの第2後側開口3273cを通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図218では、トップリフレクタ3260の切断面を斜線で示し、左矢印眼リフレクタ3270Lの切断面を網掛けで示し、左矢印眼リフレクタ3270Lの後側仕切部3273dにおける側面及び前面3273kをそれぞれ斜線及び黒で示している。
図218に示すように、左矢印眼リフレクタ3270Lにおける第2後側開口周縁部3273hの後端面3273jがトップリフレクタ3260における光出射用開口3268cの周縁部における前面3264eと略当接し、左矢印眼リフレクタ3270Lにおける後側仕切部3273dの背面3273fがトップリフレクタ3260における矢印眼用中央壁部3264cの前面3264fと略当接し、左矢印眼リフレクタ3270Lにおける基体部3271の後端部3271cがトップリフレクタ3260における矢印眼用周辺壁部3264bの前端縁3264dと略当接する。同様に、右矢印眼リフレクタ3270Rもトップリフレクタ3260と略当接する。
<センターLED3252からの光の出射>
以上で説明したように、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、センターLED3252aがトップリフレクタ3260の光出射用開口3268aと重畳する(図208参照)。これにより、センターLED3252aから出射された光は、トップリフレクタ3260の光通過空間3269a(図206参照)を通過して上ドア機構UDにおける前方部分へと進行する。光通過空間3269aは、トップリフレクタ3260における空洞3263c(左側内壁部3263dと右側内壁部3263eと上側内壁部3263fとによって囲まれる空間)となっている(図209参照)。
また、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、センターLED3252bがトップリフレクタ3260の光出射用開口3268bと重畳する(図208参照)。これにより、センターLED3252bから出射された光は、トップリフレクタ3260の光通過空間3269b(図206参照)を通過して上ドア機構UDにおける前方部分へと進行する。光通過空間3269bは、トップリフレクタ3260における傾斜壁部3264aによって囲まれた空間となっている(図209参照)。
また、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、センターLED3252cがトップリフレクタ3260の光出射用開口3268c並びに左矢印眼リフレクタ3270Lの第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cと重畳する(図208及び図217参照)。これにより、センターLED3252cから出射された光は、トップリフレクタ3260の光通過空間3269c(図206参照)並びに左矢印眼リフレクタ3270Lの内部空間(第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cと前側開口3272cとを連通させる空洞)を通過して、上ドア機構UDにおける前方部分へと進行する。光通過空間3269cは、トップリフレクタ3260における矢印眼用周辺壁部3264b及び矢印眼用中央壁部3264cによって囲まれた空間となっている(図209参照)。
また、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、センターLED3252dがトップリフレクタ3260の光出射用開口3268dと重畳する(図208参照)。これにより、センターLED3252dから出射された光は、トップリフレクタ3260の光通過空間3269d(図206参照)を通過して上ドア機構UDにおける前方部分へと進行する。光通過空間3269dは、トップリフレクタ3260における傾斜壁部3265aによって囲まれた空間となっている(図210参照)。
また、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、センターLED3252eがトップリフレクタ3260の光出射用開口3268e並びに右矢印眼リフレクタ3270Rの第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cと重畳する(図208及び図217参照)。これにより、センターLED3252eから出射された光は、トップリフレクタ3260の光通過空間3269e(図206参照)並びに右矢印眼リフレクタ3270Rの内部空間(第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cと前側開口3272cとを連通させる空洞)を通過して、上ドア機構UDにおける前方部分へと進行する。光通過空間3269eは、トップリフレクタ3260における矢印眼用周辺壁部3265b及び矢印眼用中央壁部3265cによって囲まれた空間となっている(図210参照)。
また、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、センターLED3252fがトップリフレクタ3260の光出射用開口3268fと重畳する(図208参照)。これにより、センターLED3252fから出射された光は、トップリフレクタ3260の光通過空間3269f(図206参照)を通過して上ドア機構UDにおける前方部分へと進行する。光通過空間3269fは、トップリフレクタ3260における傾斜壁部3266aによって囲まれた空間となっている(図209参照)。
また、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、センターLED3252gがトップリフレクタ3260の光出射用開口3268gと重畳する(図208参照)。これにより、センターLED3252gから出射された光は、トップリフレクタ3260の光通過空間3269g(図206参照)を通過して上ドア機構UDにおける前方部分へと進行する。光通過空間3269gは、トップリフレクタ3260における傾斜壁部3267aによって囲まれた空間となっている(図210参照)。
センターLED3252a〜3252gから出射された光は、以上のように進行するが、当該光の通過経路に位置するトップリフレクタ3260の壁面(左側内壁部3263d、右側内壁部3263e、上側内壁部3263f、傾斜壁部3264a、傾斜壁部3265a、傾斜壁部3266a、傾斜壁部3267a、右側壁面3263g、左側壁面3263h等)、及び、矢印眼リフレクタ3270の壁面(内壁面3270a、外壁面3271b、外壁面3272b等)は、光を反射するリフレクタとなっている。これにより、センターLED3252a〜3252gから出射された光は、これらの壁面によって反射されながら前方へと進行するようになっている。
なお、トップリフレクタ3260における第2左側仕切部3266の前面側には、左側トップインナーカバー3255Lが設けられており、トップリフレクタ3260における第2右側仕切部3267の前面側には、右側トップインナーカバー3255Rが設けられている(図203参照)。左側トップインナーカバー3255Lは、平板状に形成されており、その背面が第2左側仕切部3266の前面(傾斜壁部3266aの周縁部)と略当接するように配置されている。右側トップインナーカバー3255Rは、平板状に形成されており、その背面が第2右側仕切部3267の前面(傾斜壁部3267aの周縁部)と略当接するように配置されている。
これにより、センターLED3252fから出射された光は、左側トップインナーカバー3255Lの背面に入射する。左側トップインナーカバー3255Lは、透光性を有する素材により形成されており、当該光は、左側トップインナーカバー3255Lを透過して、左側トップインナーカバー3255Lの前方へと進行する。同様に、センターLED3252gから出射された光は、右側トップインナーカバー3255Rの背面に入射する。右側トップインナーカバー3255Rは、透光性を有する素材により形成されており、当該光は、右側トップインナーカバー3255Rを透過して、右側トップインナーカバー3255Rの前方へと進行する。
<トップレンズ3280>
図219は、トップフレームベース及びトップレンズの斜視図である。図220は、図219に示す状態からトップレンズを取り外した様子を示す斜視図である。図221は、トップレンズを後方且つ上方から見た斜視図である。図222は、トップセンターLED基板、トップリフレクタ、左矢印眼リフレクタ、右矢印眼リフレクタ、及び、トップレンズの斜視図である。図223及び図224は、トップセンターLED基板、トップリフレクタ、左矢印眼リフレクタ、右矢印眼リフレクタ、及び、トップレンズの断面図である。図225は、左矢印眼リフレクタ及びトップレンズの部分拡大斜視図である。図226は、左矢印眼リフレクタ及びトップレンズの断面図である。
図219及び図220に示すように、トップレンズ3280は、トップフレームベース3210における上面壁3211の前端縁3211bと下面壁3214の前端縁3214bと第5接続部3222eと第6接続部3222fとによって囲まれる図形の外形形状と概ね合致している。トップレンズ3280は、これらの前端縁3211b、前端縁3214b、第5接続部3222e、及び、第6接続部3222fに沿うように配置される。
これにより、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、トップフレームベース3210の中央領域3223a、第1左側領域3223b、第1右側領域3223c、第2左側領域3223d、及び、第2右側領域3223e(図204参照)は、トップレンズ3280によって前方から覆われている。
具体的に、トップレンズ3280は、左右対称な構造を有しており、中央部3281と、左側部3282と、右側部3283と、を備えている。中央部3281は、三角形形状を有して形成されている。左側部3282は、中央部3281の左端から左方に向けて連続するように形成されている。左側部3282は、左方に向かうにつれて後寄りとなるような傾斜を有している。右側部3283は、中央部3281の右端から右方に向けて連続するように形成されている。右側部3283は、右方に向かうにつれて後寄りとなるような傾斜を有している。
中央部3281の前面側には、中央前側凸部3281aが形成されている。中央前側凸部3281aは、周囲の面に対して僅かに前方に膨出する凸部として、左右方向中央において上下方向に延在している。また、中央部3281には、貫通孔3281b及び貫通孔3281cが形成されている。トップフレームベース3210の第1接続部3222a及び第2接続部3222bには、それぞれ、貫通孔3281b及び貫通孔3281cと重畳する箇所にネジ孔3224a及びネジ孔3224bが形成されている。
左側部3282は、左上側部3282aと、左上側部3282aの下端から後方に向けて屈曲した左下側部3282bと、を有している。左上側部3282a及び左下側部3282bは、それぞれ、略一様な厚みを有するように形成されている。左上側部3282aの前面側には、3つの左前側凸部3284(第1左前側凸部3284a、第2左前側凸部3284b、及び、第3左前側凸部3284c)が形成されている。第1左前側凸部3284a、第2左前側凸部3284b、及び、第3左前側凸部3284cは、それぞれ、周囲の面(前側主面3282c)に対して僅かに膨出する凸部として、くの字を反転させた形状を有している。
同様に、右側部3283は、右上側部3283aと、右上側部3283aの下端から後方に向けて屈曲した右下側部3283bと、を有している。右上側部3283a及び右下側部3283bは、それぞれ、略一様な厚みを有するように形成されている。右上側部3283aの前面側には、3つの右前側凸部3285(第1右前側凸部3285a、第2右前側凸部3285b、及び、第3右前側凸部3285c)が形成されている。第1右前側凸部3285a、第2右前側凸部3285b、及び、第3右前側凸部3285cは、それぞれ、周囲の面(前側主面3283c)に対して僅かに膨出する凸部として、くの字形状を有している。
また、左下側部3282bには、下方に向けて突出する左下突出部3282dが形成されている。左下突出部3282dには、周囲の面に対して僅かに膨出する左下前側凸部3282eが形成されている。また、右下側部3283bには、下方に向けて突出する右下突出部3283dが形成されている。右下突出部3283dには、周囲の面に対して僅かに膨出する右下前側凸部3283eが形成されている。上ドア機構UDが組み立てられた状態において、左下突出部3282d及び右下突出部3283dは、それぞれ、トップフレームベース3210における下面壁3214から下方に向けて突出する左下突出部3225a及び右下突出部3225bに嵌合される。
図221に示すように、中央部3281の背面側には、中央後側凹部3281dが形成されている。中央後側凹部3281dは、周囲の面(周縁部3281e)に対して僅かに窪む凹部として、左右方向中央において上下方向に延在している。中央後側凹部3281dの形成箇所は、中央前側凸部3281aの形成箇所と重畳している。これにより、トップレンズ3280を正面視したとき、中央後側凹部3281dの外縁は、中央前側凸部3281aの外縁と略一致している。分かりやすくするため、図221では、中央後側凹部3281dを斜線で示している。
また、左側部3282の背面側には、3つの左後側凹部3286(第1左後側凹部3286a、第2左後側凹部3286b、及び、第3左後側凹部3286c)が形成されている。第1左後側凹部3286a、第2左後側凹部3286b、及び、第3左後側凹部3286cは、それぞれ、周囲の面(後側主面3282f)に対して僅かに窪む凹部として、くの字形状を有している。これらの左後側凹部3286は、基本的に、左上側部3282aに形成されているが、第1左後側凹部3286aの下側における僅かな部分は、左下側部3282bに形成されている。
第1左後側凹部3286a、第2左後側凹部3286b、及び、第3左後側凹部3286cの形成箇所は、それぞれ、第1左前側凸部3284a、第2左前側凸部3284b、及び、第3左前側凸部3284cの形成箇所と重畳している。これにより、トップレンズ3280を正面視したとき、第1左後側凹部3286a、第2左後側凹部3286b、及び、第3左後側凹部3286cの外縁は、それぞれ、第1左前側凸部3284a、第2左前側凸部3284b、及び、第3左前側凸部3284cの外縁と略一致している。
また、第1左後側凹部3286aと第2左後側凹部3286bとの間には、2つの凸部(第1左後側凸部3288a及び第2左後側凸部3288b)が形成されており、第2左後側凹部3286bと第3左後側凹部3286cとの間には、2つの凸部(第3左後側凸部3288c及び第4左後側凸部3288d)が形成されている。第1左後側凸部3288a、第2左後側凸部3288b、第3左後側凸部3288c、及び、第4左後側凸部3288dは、それぞれ、周囲の面(後側主面3282f)に対して僅かに膨出する凸部として、隣り合う左後側凹部3286を接続するように形成されている。
同様に、右側部3283の背面側には、3つの右後側凹部3287(第1右後側凹部3287a、第2右後側凹部3287b、及び、第3右後側凹部3287c)が形成されている。第1右後側凹部3287a、第2右後側凹部3287b、及び、第3右後側凹部3287cは、それぞれ、周囲の面(後側主面3283f)に対して僅かに窪む凹部として、くの字を反転させた形状を有している。これらの右後側凹部3287は、基本的に、右上側部3283aに形成されているが、第1右後側凹部3287aの下側における僅かな部分は、右下側部3283bに形成されている。
第1右後側凹部3287a、第2右後側凹部3287b、及び、第3右後側凹部3287cの形成箇所は、それぞれ、第1右前側凸部3285a、第2右前側凸部3285b、及び、第3右前側凸部3285cの形成箇所と重畳している。これにより、トップレンズ3280を正面視したとき、第1右後側凹部3287a、第2右後側凹部3287b、及び、第3右後側凹部3287cの外縁は、それぞれ、第1右前側凸部3285a、第2右前側凸部3285b、及び、第3右前側凸部3285cの外縁と略一致している。
また、第1右後側凹部3287aと第2右後側凹部3287bとの間には、2つの凸部(第1右後側凸部3289a及び第2右後側凸部3289b)が形成されており、第2右後側凹部3287bと第3右後側凹部3287cとの間には、2つの凸部(第3右後側凸部3289c及び第4右後側凸部3289d)が形成されている。第1右後側凸部3289a、第2右後側凸部3289b、第3右後側凸部3289c、及び、第4右後側凸部3289dは、それぞれ、周囲の面(後側主面3283f)に対して僅かに膨出する凸部として、隣り合う右後側凹部3287を接続するように形成されている。
また、左下突出部3282dの背面側には、周囲の面に対して僅かに窪む左下後側凹部3282gが形成されている。また、右下突出部3283dの背面側には、周囲の面に対して僅かに窪む右下後側凹部3283gが形成されている。左下後側凹部3282g及び右下後側凹部3283gの形成箇所は、それぞれ、左下前側凸部3282e及び右下前側凸部3283eの形成箇所と重畳している。これにより、トップレンズ3280を正面視したとき、左下後側凹部3282g及び右下後側凹部3283gの外縁は、それぞれ、左下前側凸部3282e及び右下前側凸部3283eの外縁と略一致している。
図222〜図224に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、トップレンズ3280は、トップリフレクタ3260、左矢印眼リフレクタ3270L、及び、右矢印眼リフレクタ3270Rの前面側に配置されている。このとき、トップリフレクタ3260における左側内壁部3263dの前端縁、右側内壁部3263eの前端縁、及び、上側内壁部3263fの前端縁(図209参照)と、トップレンズ3280における中央部3281の周縁部3281eとが互いに略平行な面となり、これらの面が略当接する。
また、左矢印眼リフレクタ3270Lにおける前側部3272の前端縁3272a(図212参照)と、トップレンズ3280における左側部3282の後側主面3282fとが互いに略平行な面となり、これらの面が略当接する。同様に、右矢印眼リフレクタ3270Rにおける前側部3272の前端縁3272a(図212参照)と、トップレンズ3280における右側部3283の後側主面3283fとが互いに略平行な面となり、これらの面が略当接する。
図223では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるトップセンターLED基板3250、トップリフレクタ3260、左矢印眼リフレクタ3270L、右矢印眼リフレクタ3270R、及び、トップレンズ3280を水平面(矢印眼リフレクタ3270のボス部3270bを通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図223では、トップリフレクタ3260における中央仕切部3263の切断面を斜線で示し、左矢印眼リフレクタ3270Lの切断面を黒で示している。
図224では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるトップセンターLED基板3250、トップリフレクタ3260、左矢印眼リフレクタ3270L、右矢印眼リフレクタ3270R、及び、トップレンズ3280を前後方向の鉛直面(トップレンズ3280の第1左後側凸部3288a及び第2左後側凸部3288bを通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図224では、左矢印眼リフレクタ3270Lの切断面を網掛けで示し、トップレンズ3280の切断面を斜線で示している。
図225では、左矢印眼リフレクタ3270L及びトップレンズ3280について、これらを分解するとともに、左矢印眼リフレクタ3270Lについては前方から見た様子を示す一方、トップレンズ3280については後方から見た様子を示している。図226では、上ドア機構UDが組み立てられた状態における左矢印眼リフレクタ3270L及びトップレンズ3280を左右方向の鉛直面(左矢印眼リフレクタ3270Lの基体部3271を通る面)で切断した様子を示している。また、図226では、左矢印眼リフレクタ3270Lの切断面を網掛けで示し、トップレンズ3280における第1左後側凹部3286a、第2左後側凹部3286b、及び、第3左後側凹部3286cを斜線で示している。
図225及び図226に示すように、左矢印眼リフレクタ3270Lにおける前側部3272の前端縁3272aの外形形状は、トップレンズ3280における3つの左後側凹部3286により規定される仮想図形3286Xの形状と略一致する。仮想図形3286Xは、図225中のP、Q、R、及び、Sによって囲まれる図形である。図225では、左矢印眼リフレクタ3270Lの前端縁3272aを黒で示している。
具体的に、左矢印眼リフレクタ3270Lの前端縁3272aは、上前端縁3272pと下前端縁3272qと左前端縁3272rと右前端縁3272sとによって構成されている。上前端縁3272p及び下前端縁3272qは、それぞれ直線状に形成されている。左前端縁3272r及び右前端縁3272sは、それぞれくの字を反転させた形状に形成されている。
一方、トップレンズ3280における3つの左後側凹部3286は、それぞれ、その外縁が、直線状の上端縁3286p及び下端縁3286q、並びに、くの字状の左端縁3286r及び右端縁3286sにより構成されている。仮想図形3286Xは、3つの左後側凹部3286の上端縁3286pを結ぶ線分(P)と、3つの左後側凹部3286の下端縁3286qを結ぶ線分(Q)と、第3左後側凹部3286cの左端縁3286r(R)と、第1左後側凹部3286aの右端縁3286s(S)と、によって囲まれる図形である。
第1左後側凹部3286aの上端縁3286p、第2左後側凹部3286bの上端縁3286p、及び、第3左後側凹部3286cの上端縁3286pは、同一直線上に位置付けられている。また、第1左後側凹部3286aの下端縁3286q、第2左後側凹部3286bの下端縁3286q、及び、第3左後側凹部3286cの下端縁3286qは、同一直線上に位置付けられている。
上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、左矢印眼リフレクタ3270Lの上前端縁3272pがトップレンズ3280における3つの左後側凹部3286の上端縁3286pと略重畳し、左矢印眼リフレクタ3270Lの下前端縁3272qがトップレンズ3280における3つの左後側凹部3286の下端縁3286qと略重畳し、左矢印眼リフレクタ3270Lの左前端縁3272rがトップレンズ3280における第3左後側凹部3286cの左端縁3286rと略重畳し、左矢印眼リフレクタ3270Lの右前端縁3272sがトップレンズ3280における第1左後側凹部3286aの右端縁3286sと略重畳する。そして、左矢印眼リフレクタ3270Lの前端縁3272aは、トップレンズ3280における仮想図形3286Xの周縁に沿うように配置されて、後側主面3282fと略当接する。
以上より、左矢印眼リフレクタ3270Lの内部空間(第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cと前側開口3272cとを連通させる空洞)を通過した光(センターLED3252cから出射された光)は、トップレンズ3280の第1左後側凹部3286a、第2左後側凹部3286b、及び、第3左後側凹部3286cに入射する(図217参照)。
同様に、図示しないが、右矢印眼リフレクタ3270Rの内部空間(第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cと前側開口3272cとを連通させる空洞)を通過した光(センターLED3252eから出射された光)は、トップレンズ3280の第1右後側凹部3287a、第2右後側凹部3287b、及び、第3右後側凹部3287cに入射する。
また、トップリフレクタ3260における中央仕切部3263の空洞3263c(図209参照)を通過した光(センターLED3252aから出射された光)は、トップレンズ3280の中央後側凹部3281dに入射する(図216参照)。また、センターLED3252b、センターLED3252d、センターLED3252f、及び、センターLED3252gから出射された光は、トップレンズ3280における中央後側凹部3281dの形成領域、左後側凹部3286の形成領域、及び、右後側凹部3287の形成領域以外の領域に入射する。
センターLED3252aから出射された光の通過経路は、トップリフレクタ3260の壁面によって、他のセンターLED3252から出射された光の通過経路と仕切られている。これにより、センターLED3252a以外のセンターLED3252から出射された光がトップレンズ3280の中央後側凹部3281dに入射することがないようになっている。
また、センターLED3252cから出射された光の通過経路は、左矢印眼リフレクタ3270Lの壁面によって、他のセンターLED3252から出射された光の通過経路と仕切られている。これにより、センターLED3252c以外のセンターLED3252から出射された光がトップレンズ3280の左後側凹部3286に入射することがないようになっている。
同様に、センターLED3252eから出射された光の通過経路は、右矢印眼リフレクタ3270Rの壁面によって、他のセンターLED3252から出射された光の通過経路と仕切られている。これにより、センターLED3252e以外のセンターLED3252から出射された光がトップレンズ3280の右後側凹部3287に入射することがないようになっている。
トップレンズ3280は、透光性を有する素材により形成されており、トップレンズ3280に入射した光は、トップレンズ3280を透過する。そして、トップレンズ3280を透過した光は、トップレンズ3280の前面側に配置されているトップセンターパネル3290に入射する(あるいは、後述するように、トップセンターパネル3290に形成された開口を介してパチスロ機1の外部へと放出される)ことになる。
<トップセンターパネル3290>
図227は、トップセンターパネルを前方から見た斜視図である。図228は、トップセンターパネルの部分拡大正面図である。図229は、トップセンターパネルを後方且つ上方から見た斜視図である。図230は、トップセンターパネル及びトップレンズの背面図である。図231は、トップセンターパネル及びトップレンズの断面図である。図232は、トップセンターパネル及びトップレンズの正面図である。
図227及び図228に示すように、トップセンターパネル3290は、左右対称な構造を有しており、正面視における外形形状がトップレンズ3280と対応している(トップセンターパネル3290の方がトップレンズ3280よりも僅かに大きくなっている)。具体的に、トップセンターパネル3290は、中央部3291と、左側部3292と、右側部3293と、を備えている。
中央部3291は、三角形形状を有して形成されている。中央部3291には、中央開口3291aが形成されている。中央開口3291aは、前後方向に貫通する貫通口として、左右方向中央において上下方向に延在するように形成されている。中央開口3291aの形状は、トップレンズ3280における中央前側凸部3281aに対応する形状となっている。分かりやすくするため、図228では、中央開口3291aを網掛けで示している。
左側部3292は、中央部3291の左端から左方に向けて連続するように形成されている。左側部3292は、左方に向かうにつれて後寄りとなるような傾斜を有している。左側部3292は、左上側部3292aと、左上側部3292aの下端から後方に向けて屈曲した左屈曲部3292bと、左屈曲部3292bの下端から下方に向けて連続して形成された左下側部3292cと、を有している。左上側部3292aには、3つの左側開口3294(第1左側開口3294a、第2左側開口3294b、及び、第3左側開口3294c)が形成されている。
第1左側開口3294a、第2左側開口3294b、及び、第3左側開口3294cは、それぞれ、前後方向に貫通する貫通口として、くの字を反転させた形状を有している。第1左側開口3294a、第2左側開口3294b、及び、第3左側開口3294cの形状は、それぞれ、トップレンズ3280における第1左前側凸部3284a、第2左前側凸部3284b、及び、第3左前側凸部3284cに対応する形状となっている。分かりやすくするため、図228では、第1左側開口3294a、第2左側開口3294b、及び、第3左側開口3294cを斜線で示している。
右側部3293は、中央部3291の右端から右方に向けて連続するように形成されている。右側部3293は、右方に向かうにつれて後寄りとなるような傾斜を有している。右側部3293は、右上側部3293aと、右上側部3293aの下端から後方に向けて屈曲した右屈曲部3293bと、右屈曲部3293bの下端から下方に向けて連続して形成された右下側部3293cと、を有している。右上側部3293aには、3つの右側開口3295(第1右側開口3295a、第2右側開口3295b、及び、第3右側開口3295c)が形成されている。
第1右側開口3295a、第2右側開口3295b、及び、第3右側開口3295cは、それぞれ、前後方向に貫通する貫通口として、くの字形状を有している。第1右側開口3295a、第2右側開口3295b、及び、第3右側開口3295cの形状は、それぞれ、トップレンズ3280における第1右前側凸部3285a、第2右前側凸部3285b、及び、第3右前側凸部3285cに対応する形状となっている。
また、トップセンターパネル3290は、左下側部3292cから下方に向けて突出するように形成された左下突出部3292d、及び、右下側部3293cから下方に向けて突出するように形成された右下突出部3293dを有している。左下突出部3292dには、前後方向に貫通する貫通口として、左下開口3292eが形成されており、右下突出部3293dには、前後方向に貫通する貫通口として、右下開口3293eが形成されている。分かりやすくするため、図228では、左下開口3292eを斜線で示している。左下開口3292e及び右下開口3293eの形状は、それぞれ、トップレンズ3280における左下前側凸部3282e及び右下前側凸部3283eに対応する形状となっている。
また、トップセンターパネル3290には、溝部3296が複数形成されている。各溝部3296は、上部前後フレーム3230のフレームベース係合用溝3234(図171参照)と同様に、周囲の面よりも凹んだ凹部となっている。左側部3292及び右側部3293には、それぞれ、3つの溝部3296が設けられており、これらの溝部3296は、トップセンターパネル3290の前面3290a(前側の面)において所定の長さに亘って延在するように形成されている。分かりやすくするため、図227では、溝部3296を黒で示している。
図229に示すように、トップセンターパネル3290は、上端突出部3297を有している。上端突出部3297は、トップセンターパネル3290の上端において、後方に突出するように形成されている。分かりやすくするため、図229では、上端突出部3297の上面3297aを斜線で示している。
また、中央部3291の背面側には、ボス部3291b及びボス部3291cが形成されている。上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、ボス部3291b及びボス部3291cがそれぞれ、トップレンズ3280の貫通孔3281b及び貫通孔3281cに挿入されている。上述したように、トップレンズ3280の貫通孔3281b及び貫通孔3281cは、それぞれ、トップフレームベース3210のネジ孔3224a及びネジ孔3224bと重畳する(図220参照)。
トップフレームベース3210のネジ孔3224aを挿通させたネジをトップセンターパネル3290のボス部3291bに形成された穴にねじ込むとともに、トップフレームベース3210のネジ孔3224bを挿通させたネジをトップセンターパネル3290のボス部3291cに形成された穴にねじ込むことによって、トップフレームベース3210とトップレンズ3280とトップセンターパネル3290とが連結される。
図230〜図232に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、トップレンズ3280がトップセンターパネル3290の背面側に嵌合されたように配置される。これにより、トップレンズ3280における中央前側凸部3281a、3つの左前側凸部3284(第1左前側凸部3284a、第2左前側凸部3284b、及び、第3左前側凸部3284c)、3つの右前側凸部3285(第1右前側凸部3285a、第2右前側凸部3285b、及び、第3右前側凸部3285c)、左下前側凸部3282e、並びに、右下前側凸部3283eが、それぞれ、トップセンターパネル3290における中央開口3291a、3つの左側開口3294(第1左側開口3294a、第2左側開口3294b、及び、第3左側開口3294c)、3つの右側開口3295(第1右側開口3295a、第2右側開口3295b、及び、第3右側開口3295c)、左下開口3292e、並びに、右下開口3293eに嵌合し、トップレンズ3280におけるそれらの凸部によって、トップセンターパネル3290におけるそれらの開口が閉塞される。
なお、トップレンズ3280における前面側の面(中央前側凸部3281a、左前側凸部3284、右前側凸部3285、左下前側凸部3282e、右下前側凸部3283e等の凸部を除く部分)は、トップセンターパネル3290における背面側の面(中央開口3291a、左側開口3294、右側開口3295、左下開口3292e、右下開口3293e等の開口を除く部分)と対応する形状を有しており、これらの面が全体的に略当接することになる。
分かりやすくするため、図230では、トップレンズ3280の外縁を太線で示している。図231では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるトップレンズ3280及びトップセンターパネル3290を前後方向の鉛直面(トップレンズ3280の第1左前側凸部3284aを通る面)で切断した様子を示している。図231では、トップセンターパネル3290の切断面を網掛けで示し、トップレンズ3280の切断面を斜線で示している。また、図232では、トップレンズ3280の中央前側凸部3281a、3つの左前側凸部3284(第1左前側凸部3284a、第2左前側凸部3284b、及び、第3左前側凸部3284c)、3つの右前側凸部3285(第1右前側凸部3285a、第2右前側凸部3285b、及び、第3右前側凸部3285c)、左下前側凸部3282e、並びに、右下前側凸部3283eを斜線で示している。
<フロントトップユニット3200における発光演出>
以上より、トップレンズ3280における中央後側凹部3281dに入射した光(センターLED3252aから出射された光)は、トップセンターパネル3290における中央開口3291aを介して、トップレンズ3280における中央前側凸部3281aからパチスロ機1の外部へと放出される。
また、トップレンズ3280における3つの左後側凹部3286(第1左後側凹部3286a、第2左後側凹部3286b、及び、第3左後側凹部3286c)に入射した光(センターLED3252cから出射された光)は、トップセンターパネル3290における3つの左側開口3294(第1左側開口3294a、第2左側開口3294b、及び、第3左側開口3294c)を介して、トップレンズ3280における3つの左前側凸部3284(第1左前側凸部3284a、第2左前側凸部3284b、及び、第3左前側凸部3284c)からパチスロ機1の外部へと放出される。
また、トップレンズ3280における3つの右後側凹部3287(第1右後側凹部3287a、第2右後側凹部3287b、及び、第3右後側凹部3287c)に入射した光(センターLED3252eから出射された光)は、トップセンターパネル3290における3つの右側開口3295(第1右側開口3295a、第2右側開口3295b、及び、第3右側開口3295c)を介して、トップレンズ3280における3つの右前側凸部3285(第1右前側凸部3285a、第2右前側凸部3285b、及び、第3右前側凸部3285c)からパチスロ機1の外部へと放出される。
また、トップレンズ3280における中央後側凹部3281dの形成領域、左後側凹部3286の形成領域、及び、右後側凹部3287の形成領域以外の領域に入射した光(センターLED3252b、センターLED3252d、センターLED3252f、及び、センターLED3252gから出射された光)は、トップセンターパネル3290における中央開口3291aの形成領域、3つの左側開口3294(第1左側開口3294a、第2左側開口3294b、及び、第3左側開口3294c)の形成領域、並びに、3つの右側開口3295(第1右側開口3295a、第2右側開口3295b、及び、第3右側開口3295c)の形成領域以外の領域に入射する。
トップセンターパネル3290は、透光性を有する素材により形成されており、センターLED3252が発光していない状態で銀色を呈している。トップセンターパネル3290の前面3290a(図227参照)には、全体的に金属膜が蒸着されており、蒸着させる金属としては、例えば、スズ及びインジウムが用いられている。これにより、トップセンターパネル3290の光透過率は、20%程度となっている。なお、溝部3296(図171に示す溝底部3234aに相当する部分)においては、前面3290aにおける他の箇所と比較して、蒸着される金属膜が薄くなっている。これにより、溝部3296の光透過率は、相対的に高くなっている。
センターLED3252が発光している状態においては、トップセンターパネル3290に入射した光(センターLED3252b、センターLED3252d、センターLED3252f、及び、センターLED3252gから出射された光)がトップセンターパネル3290を透過し、当該光は、トップセンターパネル3290の前面3290aからパチスロ機1の外部へと放出される。これにより、センターLED3252b、センターLED3252d、センターLED3252f、及び、センターLED3252gの発光色に応じて、トップセンターパネル3290の色味が銀色から変化する。
ここで、上述したように、センターLED3252aから出射された光の通過経路、センターLED3252cから出射された光の通過経路、及び、センターLED3252eから出射された光の通過経路は、それぞれ、トップリフレクタ3260、左矢印眼リフレクタ3270L、及び、右矢印眼リフレクタ3270Rによって、他のセンターLED3252から出射された光の通過経路と仕切られている。また、センターLED3252b及びセンターLED3252fから出射された光の通過経路と、センターLED3252d及びセンターLED3252gから出射された光の通過経路とは、トップリフレクタ3260によって仕切られている。
以上より、フロントトップユニット3200は、正面視において、以下の領域に区分される。
(i)トップレンズ3280における中央前側凸部3281aの形成領域
(ii)トップレンズ3280における3つの左前側凸部3284の形成領域
(iii)トップレンズ3280における3つの右前側凸部3285の形成領域
(iv)上記(i)よりも左側の領域のうち上記(ii)を除く領域
(v)上記(i)よりも右側の領域のうち上記(iii)を除く領域
上記(i)の領域は、センターLED3252aから出射された光によって照射される。上記(ii)の領域は、センターLED3252cから出射された光によって照射される。上記(iii)の領域は、センターLED3252eから出射された光によって照射される。上記(iv)の領域は、センターLED3252b及びセンターLED3252fから出射された光によって照射される。上記(v)の領域は、センターLED3252d及びセンターLED3252gから出射された光によって照射される。
従って、センターLED3252a〜3252gから出射される光の色に応じて、上記(i)〜(v)の領域における色の見え方を異ならせることができる。例えば、遊技の状況に応じてセンターLED3252a〜3252gの発光色を異ならせることにより、上記(i)〜(v)の領域における色の見え方を変化させることができる。
例えば、第1の状態(例えば、通常状態)においては、センターLED3252b及びセンターLED3252fの発光色を第1の色(例えば、オレンジ色)とし、センターLED3252d及びセンターLED3252gの発光色を第2の色(例えば、白色)とし、第2の状態(例えば、第1のCZ状態)においては、センターLED3252b及びセンターLED3252fの発光色、並びに、センターLED3252d及びセンターLED3252gの発光色を、何れも第1の色(例えば、オレンジ色)とし、第3の状態(例えば、第1のCZ状態とは異なる第2のCZ状態)においては、センターLED3252b及びセンターLED3252fの発光色、並びに、センターLED3252d及びセンターLED3252gの発光色を、何れも第2の色(例えば、白色)とするように構成することが可能である。
これにより、第1の状態(例えば、通常状態)においては、上記(iv)の領域を第1の色(例えば、オレンジ色)を基調とした色味に見せる一方、上記(v)の領域を第2の色(例えば、白色)を基調とした色味に見せ、第2の状態(例えば、第1のCZ状態)においては、上記(iv)及び(v)の双方の領域を第1の色(例えば、オレンジ色)を基調とした色味に見せ、第3の状態(例えば、第2のCZ状態)においては、上記(iv)及び(v)の双方の領域を第2の色(例えば、白色)を基調とした色味に見せるといったことができる。
このとき、センターLED3252cの発光色は、センターLED3252b及びセンターLED3252fの発光色と同じ色としてもよいし異なる色としてもよい。例えば、遊技の状況に応じて、センターLED3252b及びセンターLED3252fの発光色と同じ色(例えば、オレンジ色)の光をセンターLED3252cから出射させる場合と、センターLED3252b及びセンターLED3252fの発光色と異なる色(例えば、青色)の光をセンターLED3252cから出射させる場合と、を切り替えることとしてもよい。
同様に、センターLED3252eの発光色は、センターLED3252d及びセンターLED3252gの発光色と同じ色としてもよいし異なる色としてもよい。例えば、遊技の状況に応じて、センターLED3252d及びセンターLED3252gの発光色と同じ色(例えば、白色)の光をセンターLED3252eから出射させる場合と、センターLED3252d及びセンターLED3252gの発光色と異なる色(例えば、青色)の光をセンターLED3252eから出射させる場合と、を切り替えることとしてもよい。
また、センターLED3252aの発光色は、他のセンターLED3252の発光色と同じ色としてもよいし異なる色としてもよい。例えば、センターLED3252aの発光色については、他のセンターLED3252の発光色と常に異なる色(例えば、緑色)となるように構成してもよい。
なお、上述したように、トップリフレクタ3260の傾斜壁部3264a、傾斜壁部3265a、傾斜壁部3266a、及び、傾斜壁部3267a(図209及び図210参照)、並びに、矢印眼リフレクタ3270の内壁面3270a(図215参照)は、前方に向かうにつれて広がるような傾斜を有して形成されている。これにより、センターLED3252から出射された光は、光源から拡散されながら前進し、トップレンズ3280乃至トップセンターパネル3290全体を満遍なく光らせることが可能となっている。
また、センターLED3252bから出射された光の一部は、トップレンズ3280における左下前側凸部3282eに導光されて、トップセンターパネル3290における左下開口3292eを介して、左下前側凸部3282eからパチスロ機1の外部へと放出される。同様に、センターLED3252dから出射された光の一部は、トップレンズ3280における右下前側凸部3283eに導光されて、トップセンターパネル3290における右下開口3293eを介して、右下前側凸部3283eからパチスロ機1の外部へと放出される。これにより、中央スクリーン3010に表示された半円画像3011b乃至トップフレームベース3210の画像反射面3216に表示された反射画像3216a(図181参照)とも相俟って、半円画像3011b乃至反射画像3216aがキャラクタの顔の輪郭であり、左下前側凸部3282e及び右下前側凸部3283eにおける発光がキャラクタの目であるかのように、遊技者に見せることができる。
また、センターLED3252b及びセンターLED3252fの発光色と同じ色(例えば、オレンジ色)の光を左側スピーカユニット3400Lにおけるスピーカユニット用LED3440a(図199参照)から出射させ、センターLED3252d及びセンターLED3252gの発光色と同じ色(例えば、白色)の光を右側スピーカユニット3400Rにおけるスピーカユニット用LED3440aから出射させるようにしてもよい。これにより、フロントトップユニット3200における発光演出とスピーカユニット3400における発光演出とを協働させることができる。これらの発光演出における一体感を高めるため、スピーカユニット3400の内側部3432(図199参照)に、トップセンターパネル3290と同様の金属膜を蒸着させることとしてもよい。
<フロントトップユニット3200における光漏れ対策>
図233は、トップフレームベース及びトップセンターパネルをやや上方から見た様子を分解して示す斜視図である。図234は、トップフレームベースにトップセンターパネルが取り付けられた状態をやや上方から見た様子を示す斜視図である。図235は、トップセンターパネルを後方且つやや下方から見た斜視図である。図236は、トップフレームベースを前方から見た部分拡大斜視図である。図237は、トップセンターパネルを後方且つやや上方から見た部分拡大斜視図である。図238は、トップフレームベース、トップレンズ、及び、トップセンターパネルの断面図である。図239は、トップレンズを下方から見た斜視図である。図240は、トップレンズの断面図である。図241は、トップセンターLED基板、トップフレームベース、トップレンズ、及び、トップセンターパネルの模式図である。図242は、トップフレームベース、トップレンズ、及び、トップセンターパネルの断面図である。
図233及び図234に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、トップセンターパネル3290は、トップフレームベース3210における上面壁3211の前端縁3211bと下面壁3214の前端縁3214bと第5接続部3222eと第6接続部3222fとによって囲まれる図形の外形形状と概ね合致している。トップセンターパネル3290は、これらの前端縁3211b、前端縁3214b、第5接続部3222e、及び、第6接続部3222fに沿うように配置される。
これにより、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、トップフレームベース3210の中央領域3223a、第1左側領域3223b、第1右側領域3223c、第2左側領域3223d、及び、第2右側領域3223e(図204参照)は、トップセンターパネル3290によって前方から覆われている。
トップフレームベース3210の上面壁3211は、上壁前側面3226を有している。上壁前側面3226の形状は、トップセンターパネル3290における上端突出部3297の形状と略一致している。上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、トップセンターパネル3290の上端突出部3297がトップフレームベース3210の上壁前側面3226の上側に配設されており、上壁前側面3226は、上端突出部3297によって覆われている。このとき、上端突出部3297の下面3297b(図235参照)が上壁前側面3226と略当接している。
また、トップフレームベース3210は、下面壁3214の前方部分から下方に突出して形成された下側当接面3227を有している。一方、図235に示すように、トップセンターパネル3290は、背面側の下端付近に下側当接面3298を有している。上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、トップフレームベース3210の下側当接面3227とトップセンターパネル3290の下側当接面3298とが略当接している。
分かりやすくするため、図233では、トップフレームベース3210の上壁前側面3226を斜線で示し、図234では、トップセンターパネル3290の上端突出部3297の上面3297aを斜線で示し、図235では、トップセンターパネル3290における上端突出部3297の下面3297b及び下側当接面3298を黒で示している。以下、トップフレームベース3210とトップセンターパネル3290との位置関係について、より詳細に説明する。
図236及び図237に示すように、トップフレームベース3210は、上壁前側面3226の後端から上方に向けて僅かに立設された上側当接面3228を有している。分かりやすくするため、図236では、上側当接面3228を黒で示している。上側当接面3228の上端は、上壁主面3211cと連続している。これにより、上壁主面3211cと上壁前側面3226とは、上側当接面3228により接続されており、上側当接面3228において段差を有している。
上壁主面3211c及び上壁前側面3226は、上面壁3211の上面を構成している。トップセンターパネル3290における上端突出部3297の後端縁3297cは、トップフレームベース3210の上側当接面3228に対応する形状を有している。また、トップセンターパネル3290の上端突出部3297は、トップフレームベース3210の上側当接面3228における上下方向の長さと同程度の(僅かに小さな)厚みを有するように形成されている。
これにより、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、トップセンターパネル3290における上端突出部3297の後端縁3297cがトップフレームベース3210の上側当接面3228と左右方向全体に亘って略当接している。そして、トップセンターパネル3290における上端突出部3297の上面3297aと、トップフレームベース3210の上壁主面3211cとが、略同一平面を構成するように位置付けられる。
また、トップフレームベース3210の下側当接面3227は、第1下側当接面3227a及び第2下側当接面3227bを有している。第1下側当接面3227aは、左下突出部3225aの左側及び右下突出部3225b(図220参照)の右側において、僅かに湾曲した曲面として、左右方向に延在するように形成されている。第2下側当接面3227bは、左下突出部3225aから右下突出部3225bにかけて形成されている。図236では、トップフレームベース3210の左側部分しか図示していないが、トップフレームベース3210の右側部分も同様の構造を有している。
また、トップフレームベース3210における下面壁3214の前端縁3214bは、第1下側当接面3227aの上端から前方に突出するように形成されている。分かりやすくするため、図236では、トップフレームベース3210の第1下側当接面3227aを斜線で示し、下面壁3214の前端縁3214b及び第2下側当接面3227bを黒で示している。
トップセンターパネル3290の下側当接面3298は、トップフレームベース3210の下側当接面3227に対応する形状を有しており、トップセンターパネル3290の下側当接面3298とトップフレームベース3210の下側当接面3227とは、左右方向全体に亘って略当接させることが可能となっている。
具体的に、図237に示すように、トップセンターパネル3290の下側当接面3298は、第1下側当接面3298a及び第2下側当接面3298bを有している。第1下側当接面3298aは、左下突出部3292dの左側及び右下突出部3293dの右側において、僅かに湾曲した曲面として、左右方向に延在するように形成されている。第2下側当接面3298bは、左下突出部3292dから右下突出部3293dにかけて形成されている。図237では、トップセンターパネル3290の左側部分しか図示していないが、トップセンターパネル3290の右側部分も同様の構造を有している。
左下側部3292c及び右下側部3293c(図227参照)の背面側における下端部近傍は、後方に向けて僅かに膨出した構造を有しており、当該膨出部分の背面が第1下側当接面3298aとなっている。分かりやすくするため、図237では、第1下側当接面3298aを斜線で示し、第2下側当接面3298bを黒で示している。上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、トップセンターパネル3290の第1下側当接面3298aがトップフレームベース3210の第1下側当接面3227aと略当接し、トップセンターパネル3290の第2下側当接面3298bがトップフレームベース3210の第2下側当接面3227bと略当接することになる。
図238では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるトップフレームベース3210、トップレンズ3280、及び、トップセンターパネル3290を前後方向の鉛直面(トップフレームベース3210の第1下側当接面3227a及びトップセンターパネル3290の第1下側当接面3298aを通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図238では、トップフレームベース3210の切断面を斜線で示し、トップレンズ3280の切断面を黒で示し、トップセンターパネル3290の切断面を網掛けで示している。
図238に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、トップフレームベース3210の第1下側当接面3227aとトップセンターパネル3290の第1下側当接面3298aとが略当接している。図238では、このようなトップフレームベース3210及びトップセンターパネル3290の下部におけるこれらの略当接部分(境界部)を境界部Aとして示している。トップレンズ3280の下端縁3280aは、境界部Aの近傍に位置付けられている。トップレンズ3280の下端縁3280aと境界部Aとの間において、トップフレームベース3210とトップセンターパネル3290とは当接しておらず、トップフレームベース3210とトップセンターパネル3290との間には、隙間Xが形成されている。
図239に示すように、トップレンズ3280の下端縁3280aには、黒色の遮光塗料が塗布されている。これにより、トップレンズ3280の下端縁3280aは、遮光性を有し、光の通過を遮断することが可能となっている。塗装方法としては、特に限定されず、例えば、マスキング治具を用いたスプレー塗装を採用することが可能である。図239では、トップレンズ3280の下端縁3280a(遮光塗料が塗布されている部分)を黒で示している。
図240に示すように、トップレンズ3280における前面側の面(前側主面3282c及び前側主面3283c)と背面側の面(後側主面3282f及び後側主面3282f)とは、互いに略平行となるように形成されている。下端縁3280aは、これらの面を接続する部分(図中太線で示す部分)として形成されている。なお、図240では、トップレンズ3280を前後方向の鉛直面で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図240では、トップレンズ3280の切断面を斜線で示している。
図241では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるトップセンターLED基板3250、トップレンズ3280、トップセンターパネル3290を前後方向の鉛直面で切断した様子を模式的に示している。分かりやすくするため、図241では、トップフレームベース3210の切断面を斜線で示し、トップセンターパネル3290の切断面を網掛けで示し、トップリフレクタ3260及び矢印眼リフレクタ3270については図示を省略している。
図241に示すように、センターLED3252から出射されてトップレンズ3280に入射した光の一部は、トップレンズ3280の内部において導光されて下端縁3280aに到達する。しかし、下端縁3280aは遮光性を有しているため、当該光は、下端縁3280aを通過することができない。従って、当該光が下端縁3280aを通過して隙間X及び境界部Aに形成されたごく僅かな隙間からパチスロ機1の外部に漏れ出してしまうことを防止することができる。
なお、図238に示すように、境界部Aの上方には、トップフレームベース3210における下面壁3214の前端縁3214bが配設されている。これにより、仮に、境界部Aに僅かな隙間が生じている場合、当該隙間を通じて針金形状の器具を侵入させようとしたとしても、前端縁3214bが邪魔になって、当該侵入を阻止することができるようになっている。従って、当該隙間を通じてゴト行為が行われてしまうことを防止することができる。
以上のように、トップレンズ3280の下端縁3280aは、遮光性を有するように黒色の遮光塗料が塗布されている(黒色塗装が施されている)が、トップレンズ3280の上端縁3280bは、このような黒色塗装が施されていない。以下、この点について説明する。
図238に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、トップフレームベース3210の上壁前側面3226とトップセンターパネル3290における上端突出部3297の下面3297bとが略当接し、トップフレームベース3210の上側当接面3228とトップセンターパネル3290における上端突出部3297の後端縁3297cとが略当接している。図238では、このようなトップフレームベース3210及びトップセンターパネル3290の上部におけるこれらの略当接部分(境界部)を境界部Bとして示している。また、トップレンズ3280の上端縁3280bと境界部Bとの間において、トップフレームベース3210とトップセンターパネル3290とは当接しておらず、トップフレームベース3210とトップセンターパネル3290との間には、隙間Yが形成されている。
ここで、境界部Aは、トップフレームベース3210の第1下側当接面3227aとトップセンターパネル3290の第1下側当接面3298aとが略当接している部分(上下方向の部分)のみで構成されており、トップフレームベース3210とトップセンターパネル3290との境界部の構造がシンプル(断面視において直線的な構造)になっている。これに対し、境界部Bは、トップフレームベース3210の上壁前側面3226とトップセンターパネル3290における上端突出部3297の下面3297bとが略当接している部分(前後方向の部分)と、トップフレームベース3210の上側当接面3228とトップセンターパネル3290における上端突出部3297の後端縁3297cとが略当接している部分(上下方向の部分)とにより構成されており、トップフレームベース3210とトップセンターパネル3290との境界部の構造が複雑で入り組んだもの(断面視において屈曲した構造)となっている。
従って、境界部Bは、境界部Aと比較して光が通り抜け難く、トップレンズ3280の上端縁3280bが遮光性を有していなくても、上端縁3280bを通過した光が隙間Y及び境界部Bに形成されたごく僅かな隙間からパチスロ機1の外部に漏れ出してしまう、といったことは起こり難くなっている。一方で、隙間Yを通過した光は、トップセンターパネル3290の上端突出部3297に入射し、これにより、上端突出部3297を光らせることが可能となっている。
なお、トップフレームベース3210とトップセンターパネル3290との境界部の構造が入り組んでいる場合、当該境界部から光が漏れ出し難いという観点からすると、例えば、トップレンズ3280における左下突出部3282dの下端縁及び右下突出部3283dの下端縁(図239参照)には、上記のような黒色塗装を施さないこととしてもよい。
図242では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるトップフレームベース3210、トップレンズ3280、及び、トップセンターパネル3290を前後方向の鉛直面(トップレンズ3280の左下前側凸部3282e及びトップセンターパネル3290の左下開口3292eを通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図242では、トップフレームベース3210の切断面を斜線で示し、トップレンズ3280の切断面を黒で示し、トップセンターパネル3290の切断面を網掛けで示している。
図242に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、トップフレームベース3210の第2下側当接面3227bとトップセンターパネル3290の第2下側当接面3298bとが略当接している。トップセンターパネル3290における第2下側当接面3298bの上側には、第2下側当接面3298bよりも後方に突出する下側後方突出部3299が形成されている。一方、トップフレームベース3210における第2下側当接面3227bの上側には、第2下側当接面3227bに対して凹んだ凹部3229が形成されている。そして、トップセンターパネル3290の下側後方突出部3299がトップフレームベース3210の凹部3229に収容された状態となっている。
このように、トップフレームベース3210の左下突出部3225aとトップセンターパネル3290の左下突出部3292dとの境界部は、入り組んだ構造となっており、当該境界部から光が漏れ出すということが起こり難くなっている。トップフレームベース3210の右下突出部3225bとトップセンターパネル3290の右下突出部3293dとの境界部についても同様である。そこで、これらの境界部近傍に配置されるトップレンズ3280の下端縁(左下突出部3282dの下端縁及び右下突出部3283dの下端縁)には、上記のような黒色塗装を施さないようにすることが可能であるが、もちろん黒色塗装を施すこととしてもよい。また、トップレンズ3280の上端縁3280bにも、黒色塗装を施すこととしてもよい。
なお、トップレンズ3280の下端縁3280aや上端縁3280bに遮光性を持たせるための方法は、塗装に限定されず、遮光性を有するシール(シート)を貼り付けることとしてもよいし、遮光性を有する別部材(例えば、図154に示すサイド遮光プレート3150のような部材)を下端縁3280aの下側乃至上端縁3280bの上側に配設することとしてもよい。
以上、本発明の一実施形態として、第7実施形態に係るパチスロ機1について説明した。
<付記A>
従来、光反射部を備える集光部材を用いて発光装飾部を強く発光させることで装飾効果を高めるようにした遊技機が知られている(特開2017−018631号公報参照)。
本発明者は、このような発光手段を備える遊技機について、鋭意検討を重ねる過程において、導光部材の構成に関して工夫を凝らすことにより、遊技機の美観を向上させることができるのではないかという考えに至った。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、発光手段を備える遊技機の美観を向上させることを目的とする。
この点、第7実施形態に係るパチスロ機1は、以下の特徴を備えている。
(A−1) 光を発することが可能な発光手段(センターLED3252)と、
前記発光手段から発せられる光を導光可能な導光部材(トップレンズ3280)と、
前記導光部材に対して前記発光手段から発せられた光の進行方向下流側に配置された第1部材(トップセンターパネル3290)と、を備え、
前記導光部材は、前記発光手段から発せられた光の進行を抑制する光抑制部(黒色塗装部)を備える、
ことを特徴とする遊技機。
本発明に係る遊技機を開発するに当たり、本発明者は、導光部材(トップレンズ3280)に対して発光手段(センターLED3252)から発せられた光の進行方向下流側に第1部材(トップセンターパネル3290)を配置したとき、当該光が意図しない箇所から漏れてしまう可能性を想定した。そして、本発明者は、このような光漏れを防止することが可能な措置を施すことにより、遊技機の美観を向上させることができるのではないかという着想に至った。この点、第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、導光部材(トップレンズ3280)には、発光手段(センターLED3252)から発せられた光の進行を抑制する光抑制部(黒色塗装部)が設けられている。このように構成することにより、第1部材(トップセンターパネル3290)周辺における発光を所望の態様で実現することが可能となり、これにより、本発明者は、遊技機の美観を向上させることができることに成功した。
光抑制部(黒色塗装部)に対して、発光手段(センターLED3252)から発せられた光の進行方向下流側には、所定の間隙が存在しており、仮に光抑制部(黒色塗装部)が設けられていなかったとしたら、当該間隙を通じて、発光手段(センターLED3252)から発せられた光が遊技機の外部に漏れ出してしまうことが懸念される。第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、光抑制部(黒色塗装部)の存在により、このような光漏れを防止することが可能となっている。上記所定の間隙は、光が通過可能な空間を有するものであれば特に限定されず、第1部材(トップセンターパネル3290)と他の部材(遊技機構成部品)との境界部に形成された隙間や、第1部材(トップセンターパネル3290)に設けられた孔(例えば、ネジ孔)等を挙げることができる。光漏れを防止することが可能な措置としては、黒色塗装(遮光塗料の塗布)に限定されず、遮光性を有するシール(シート)を貼り付けることとしてもよいし、遮光性を有する別部材を配設することとしてもよい。
(A−2) 前記(A−1)の遊技機であって、
前記第1部材と略当接するように配置された第2部材(トップフレームベース3210)を備え、
前記光抑制部は、前記導光部材における第1の位置(下端縁3280a)に設けられており、
前記第1の位置は、前記発光手段から発せられた光が透過可能な第2の位置(前側主面3282c及び前側主面3283c)よりも、前記第1部材と前記第2部材との境界部に近い、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、第2部材(トップフレームベース3210)は、第1部材(トップセンターパネル3290)と略当接するように配置されており、光抑制部(黒色塗装部)は、導光部材(トップレンズ3280)における第1の位置(下端縁3280a)に設けられており、第1の位置(下端縁3280a)は、発光手段(センターLED3252)から発せられた光が透過可能な第2の位置(前側主面3282c及び前側主面3283c)よりも、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)との境界部に近くなっている。これにより、発光手段(センターLED3252)から発せられて導光部材(トップレンズ3280)における第1の位置(下端縁3280a)に到達した光は、第1の位置(下端縁3280a)を通過することができないため、仮に、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)との境界部に僅かな隙間が生じている場合であっても、当該隙間から遊技機の外部に光が漏れ出してしまうことを防止することができる。
とりわけ、第2部材(トップフレームベース3210)は、黒色の外観を呈しているため、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)との境界部から光が漏れてしまうと、黒色の第2部材(トップフレームベース3210)とのコントラストにより、当該光漏れが目立ってしまい、遊技機の美観を大きく損ねてしまうことが懸念される。この点、第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、このような光漏れを防止することが可能であり、遊技機の美観を適切に維持することができる。
光漏れを防止することが可能な措置を施す位置(第1の位置)としては、特に限定されないが、例えば、導光部材(トップレンズ3280)の端縁(端部)に適宜当該措置を施すことが可能である。このとき、導光部材(トップレンズ3280)の端縁(端部)が第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)との境界部の近傍に位置付けられる(境界部に近接する)ように、導光部材(トップレンズ3280)を配設することが可能である。あるいは、導光部材(トップレンズ3280)の端縁(端部)が第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)との境界部に対向するように、導光部材(トップレンズ3280)を配設することとしてもよい。
第7実施形態では、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが境界部A及び境界部Bにおいてそれぞれ略当接しており、境界部Bが境界部Aと比較して入り組んだ構造となっていることとして説明した。具体的に、境界部Bは、トップフレームベース3210の上壁前側面3226とトップセンターパネル3290における上端突出部3297の下面3297bとが略当接している部分(第1の部分と呼ぶ)と、トップフレームベース3210の上側当接面3228とトップセンターパネル3290における上端突出部3297の後端縁3297cとが略当接している部分(第2の部分と呼ぶ)とにより構成されている。第1の部分及び第2の部分がそれぞれ平坦であるとすると、第1の部分における法線と第2の部分における法線とのなす角度は、90°程度となっている。
以上の事項をより汎用的に以下のように表現する。第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが第1の境界部(境界部A)及び第2の境界部(境界部B)においてそれぞれ略当接しているとき、第1の境界部(境界部A)上の任意の点における各法線のうち、所定方向(例えば、鉛直方向)に最も近い法線と最も遠い法線とのなす角度(各法線のなす角度の最大値)をθ1とし、第2の境界部(境界部B)上の任意の点における各法線のうち、所定方向(例えば、鉛直方向)に最も近い法線と最も遠い法線とのなす角度(各法線のなす角度の最大値)をθ2とする。例えば、第1の境界部(境界部A)が平坦な面同士が略当接することにより構成されている場合、θ1=0となる。また、第2の境界部(境界部B)が、第1の方向(例えば、前後方向)に延在する平坦な面同士が略当接する部分と第2の方向(例えば、上下方向)に延在する平坦な面同士が略当接する部分とによって構成されている場合、θ2は、第1の方向(例えば、前後方向)と第2の方向(例えば、上下方向)とのなす角度(例えば、90°)となる。
本発明においては、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが第1の境界部(境界部A)及び第2の境界部(境界部B)においてそれぞれ略当接しているとき、導光部材(トップレンズ3280)の端縁(端部)のうち、第1の境界部(境界部A)に近い端縁(端部)を光抑制部(黒色塗装部)とする一方、第2の境界部(境界部B)に近い端縁(端部)を光抑制部(黒色塗装部)とはしないように構成することが可能である。このような構成は、θ2がθ1よりも大きな値となる場合に、採用することとしてもよい。また、θ1がα以下(例えば、30°以下、15°以下、5°以下等)である場合に第1の境界部(境界部A)に近い端縁(端部)を光抑制部(黒色塗装部)とすることとしてもよい。また、θ2がβ以上(例えば、45°以上、60°以上、75°以上等)である場合に第2の境界部(境界部B)に近い端縁(端部)を光抑制部(黒色塗装部)としないこととしてもよい。
また、第1部材(トップセンターパネル3290)が第1部材側当接面X(例えば、第1下側当接面3298a)、第1部材側当接面Y(例えば、上端突出部3297の下面3297b)、及び、第1部材側当接面Z(例えば、上端突出部3297の後端縁3297c)を有し、第2部材(トップフレームベース3210)が第2部材側当接面X(例えば、第1下側当接面3227a)、第2部材側当接面Y(例えば、上壁前側面3226)、及び、第2部材側当接面Z(例えば、上側当接面3228)を有し、第1部材側当接面X、第1部材側当接面Y、及び、第1部材側当接面Zが、それぞれ、第2部材側当接面X、第2部材側当接面Y、及び、第2部材側当接面Zと略当接している場合において、第1部材側当接面Xと第2部材側当接面Xとの略当接部分を、第1の境界部(境界部A)として構成し、第1部材側当接面Yと第2部材側当接面Yとの略当接部分(第1の部分)及び第1部材側当接面Zと第2部材側当接面Zとの略当接部分(第2の部分)を、第2の境界部(境界部B)として構成することとしてもよい。これらの当接面が全て略平坦であるとき、第1部材側当接面Yにおける法線と第1部材側当接面Zにおける法線とのなす角度(第2部材側当接面Yにおける法線と第2部材側当接面Zにおける法線とのなす角度)は、上記θ2となる。また、第2部材側当接面Yにおける法線方向(第1部材側当接面Yにおける法線方向)と第2の境界部(境界部B)に近い端縁(例えば、上端縁3280b)における法線方向(当該端縁における光の出射方向)とのなす角度がγ以下(例えば、45°以下、30°以下、15°以下等)、あるいは0°(すなわち、これらの法線方向が略平行)となるように構成してもよい。
本明細書において、「略当接」とは、2つの部材が完全に当接している状態だけではなく、2つの部材が近接している状態を含む概念である。「近接」とは、2つの部材間の距離(間隙)がこれらの部材の大きさに対して充分に小さい状態を指す。例えば、2つの部材間の距離が一方の部材(例えば、小さい方の部材)の大きさ(例えば、左右方向の長さ)の1/20以下(又は、1/50以下、1/100以下等)である場合、これらの部材は近接していると言える。あるいは、2つの部材間の距離が5mm以下(又は、2mm以下、1mm以下、0.5mm以下等)である場合、これらの部材は近接していると言ってもよい。
(A−3) 前記(A−1)又は(A−2)の遊技機であって、
前記第1部材と略当接するように配置された第2部材(トップフレームベース3210)を備え、
前記導光部材の上下方向における端縁(上端縁3280b)近傍において、前記第1部材と前記第2部材とが上下に重なっている、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、第2部材(トップフレームベース3210)は、第1部材(トップセンターパネル3290)と略当接するように配置されており、導光部材(トップレンズ3280)の上下方向における端縁(上端縁3280b)近傍において、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが上下に重なっている。ここで、発光手段(センターLED3252)から発せられた光が導光部材(トップレンズ3280)における当該端縁(上端縁3280b)に到達したとき、当該端縁(上端縁3280b)における光の出射方向は、上方向乃至下方向となる。これに対し、仮に、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが上下に重なっている部分に僅かな隙間が生じている場合、当該隙間の延在方向は、前後方向乃至左右方向(上下方向とは異なる方向)となる。従って、導光部材(トップレンズ3280)における当該端縁(上端縁3280b)から出た光が当該隙間に侵入したとしても、光の進行方向と隙間の形成方向とが異なるため、当該光が当該隙間を通過することは困難である。これにより、当該隙間から遊技機の外部に光が漏れ出してしまうことを防止することができる。
第7実施形態では、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが上下に重なっている部分が、導光部材(トップレンズ3280)における上端縁(上端縁3280b)近傍に配置されることとして説明した。これにより、上方向への光漏れを防止することが可能となる。この点、上方向への光漏れは、台の手前に座る遊技者からは見え難いが、他の顧客から見える可能性があるところ、第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、このような他の顧客に対しても、良好な見栄えを実現することができる。
もっとも、本発明においては、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが上下に重なっている部分が、導光部材(トップレンズ3280)における下端縁(下端縁3280a)近傍に配置されることとしてもよい。また、第7実施形態では、第1部材(トップセンターパネル3290)が第2部材(トップフレームベース3210)の上側に配置されることとして説明した。本発明においては、第2部材(トップフレームベース3210)が第1部材(トップセンターパネル3290)の上側に配置されることとしてもよい。
本発明において、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが上下に重なっている部分は、上記第2の境界部(境界部B)を構成するものとしてもよい。また、本発明においては、導光部材(トップレンズ3280)の左右方向における端縁(左端縁又は右端縁)近傍において、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが左右に重なるように構成してもよい。この場合、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが左右に重なっている部分が、上記第2の境界部(境界部B)を構成するものとしてもよい。第2の境界部(境界部B)は、第1の境界部(境界部A)と比較して、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが略当接している部分の面積が大きくなるように構成してもよい。
第7実施形態では、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが第1の境界部(境界部A)及び第2の境界部(境界部B)においてそれぞれ略当接していることとして説明した。本発明において、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とは、第1の境界部(境界部A)と第2の境界部(境界部B)とのうち、一方の境界部においてのみ略当接させることとしてもよい。このとき、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが略当接する一の境界部は、第1の境界部(境界部A)であってもよいし、第2の境界部(境界部B)であってもよい。
(A−4) 前記(A−1)〜(A−3)の何れかの遊技機であって、
前記第1部材は、透光性を有しており、
前記発光手段から発せられる光の色として、複数の色が設けられており、
前記発光手段から第1の色(オレンジ色)の光が発せられているときと、前記発光手段から第2の色(白色)の光が発せられているときとで、前記第1部材の外観色が異なる、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、発光手段(センターLED3252)から第1の色(オレンジ色)の光が発せられているときと、発光手段(センターLED3252)から第2の色(白色)の光が発せられているときとで、第1部材(トップセンターパネル3290)の外観色が異なるように構成されている。これにより、遊技の状況に応じて発光手段(センターLED3252)から発せられる光の色を切り替えることを通じて、魅力的な発光演出を実現することができる。
本発明における発光手段としては、フルカラーLEDを用いることが望ましいが、単色LEDを用いることも可能である。
(A−5) 前記(A−1)〜(A−4)の何れかの遊技機であって、
前記第1部材は、第1開口部(第1左側開口3294a)及び第2開口部(第2左側開口3294b)を有しており、
前記第1開口部を介して前記導光部材の第1領域(第1左前側凸部3284a)が視認可能であり、
前記第2開口部を介して前記導光部材の第2領域(第2左前側凸部3284b)が視認可能である、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、第1部材(トップセンターパネル3290)は、第1開口部(第1左側開口3294a)及び第2開口部(第2左側開口3294b)を有しており、第1開口部(第1左側開口3294a)を介して導光部材(トップレンズ3280)の第1領域(第1左前側凸部3284a)が視認可能であり、第2開口部(第2左側開口3294b)を介して導光部材(トップレンズ3280)の第2領域(第2左前側凸部3284b)が視認可能である。これにより、第1開口部(第1左側開口3294a)及び第2開口部(第2左側開口3294b)を介して導光部材(トップレンズ3280)の第1領域(第1左前側凸部3284a)及び第2領域(第2左前側凸部3284b)における照射態様を遊技者に見せることが可能であり、斬新な発光演出を実現することができる。また、第1領域(第1左前側凸部3284a)及び第2領域(第2左前側凸部3284b)は、それぞれ、1個の導光部材(トップレンズ3280)の一部として構成されているところ、第1開口部(第1左側開口3294a)及び第2開口部(第2左側開口3294b)の各々に導光部材(レンズ)を嵌める必要がない(開口部ごとに導光部材(レンズ)を用意する必要がなく、全体として1個の導光部材(トップレンズ3280)を配置すれば足りる)ため、製造工程にかかる負担を軽減することができる。また、第1開口部(第1左側開口3294a)及び第2開口部(第2左側開口3294b)の各々に導光部材(レンズ)を嵌めた場合には、部品点数が増加し、それに伴い管理面の負担も増大してしまうと考えられるが、第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、そのような負担も軽減することができる。
本発明における第1開口部及び第2開口部としては、第1部材(トップセンターパネル3290)に形成された複数の開口(中央開口3291a、第1左側開口3294a、第2左側開口3294b、第3左側開口3294c、第1右側開口3295a、第2右側開口3295b、第3右側開口3295c、左下開口3292e、及び、右下開口3293e)のうちの任意の2つの開口を採用することが可能である。また、本発明における第1領域及び第2領域としては、導光部材(トップレンズ3280)に形成された複数の凸部(中央前側凸部3281a、第1左前側凸部3284a、第2左前側凸部3284b、第3左前側凸部3284c、第1右前側凸部3285a、第2右前側凸部3285b、第3右前側凸部3285c、左下前側凸部3282e、及び、右下前側凸部3283e)のうち、第1部材(トップセンターパネル3290)における2つの開口に対応する2つの凸部を採用することが可能である。
(A−6) 前記(A−1)〜(A−5)の何れかの遊技機であって、
前記第1部材は、開口部(左側開口3294及び右側開口3295)を有しており、
前記開口部を介して前記導光部材の特定領域(左前側凸部3284及び右前側凸部3285)が視認可能であり、
前記発光手段として、前記特定領域に対して光を発することが可能な第1発光手段(センターLED3252c及びセンターLED3252e)と、前記導光部材における前記特定領域以外の領域に対して光を発することが可能な第2発光手段(センターLED3252b及びセンターLED3252d)と、が設けられており、
前記第1発光手段から発せられる光の通過経路と前記第2発光手段から発せられる光の通過経路とを仕切る仕切部材(左矢印眼リフレクタ3270L及び右矢印眼リフレクタ3270R)を備える、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、第1部材(トップセンターパネル3290)は、開口部(左側開口3294及び右側開口3295)を有しており、開口部(左側開口3294及び右側開口3295)を介して導光部材(トップレンズ3280)の特定領域(左前側凸部3284及び右前側凸部3285)が視認可能である。また、発光手段(センターLED3252)として、特定領域(左前側凸部3284及び右前側凸部3285)に対して光を発することが可能な第1発光手段(センターLED3252c及びセンターLED3252e)と、導光部材(トップレンズ3280)における特定領域(左前側凸部3284及び右前側凸部3285)以外の領域に対して光を発することが可能な第2発光手段(センターLED3252b及びセンターLED3252d)と、が設けられており、第1発光手段(センターLED3252c及びセンターLED3252e)から発せられる光の通過経路と第2発光手段(センターLED3252b及びセンターLED3252d)から発せられる光の通過経路とは、仕切部材(左矢印眼リフレクタ3270L及び右矢印眼リフレクタ3270R)によって仕切られている。これにより、第1発光手段(センターLED3252c及びセンターLED3252e)及び第2発光手段(センターLED3252b及びセンターLED3252d)を用いて、導光部材(トップレンズ3280)における特定領域(左前側凸部3284及び右前側凸部3285)と他の領域とをそれぞれ個別に照射することが可能であるため、遊技の状況に応じて第1発光手段(センターLED3252c及びセンターLED3252e)及び第2発光手段(センターLED3252b及びセンターLED3252d)の発光態様をそれぞれ切り替えることを通じて、バリエーションに富んだ発光演出を実現することができる。
本発明における開口部としては、中央開口3291aを採用することも可能である。この場合、特定領域としては中央前側凸部3281aを採用し、第1発光手段としてはセンターLED3252aを採用し、第2発光手段としてはセンターLED3252b及びセンターLED3252dを採用し、仕切部材としてはトップリフレクタ3260を採用することが可能である。
(A−7) 前記(A−1)〜(A−6)の何れかの遊技機であって、
前記発光手段から発せられる光が通過可能な領域を区画する仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)を備え、
前記仕切部材の先端部(前側部3272)は、前記仕切部材における他の部分と比較して薄肉状に形成されている、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、発光手段(センターLED3252)から発せられる光が通過可能な領域が仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)によって区画されており、仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)の先端部(前側部3272)は、仕切部材における他の部分と比較して薄肉状に形成されている。これにより、仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)の存在に起因する影が生じ難く、見栄えの良い発光演出を実現することができる。
とりわけ、第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)の先端部(前側部3272)が導光部材(トップレンズ3280)と略当接しており、仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)の存在に起因する影が生じやすい配置関係となっている。仮に、先端部(前側部3272)が他の部分(基体部3271)と同程度の厚みを有していれば、そのような影が発生する可能性が高まってしまうと考えられる。この点、第7実施形態では、先端部(前側部3272)の厚みを他の部分(基体部3271)の厚みよりも小さくする(先細りする形状とする)ことにより、仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)と導光部材(トップレンズ3280)とが略当接する部分の面積を小さくしている。これにより、そのような影が生じてしまうことを抑制することが可能となっている。
なお、第7実施形態では、先端部(前側部3272)の厚みを他の部分(基体部3271)の厚みよりも小さくするために、これらの間に段部を設けることとして説明した。本発明においては、先端部(前側部3272)の厚みが他の部分(基体部3271)の厚みよりも小さくなれば他の形状を採用することも可能であり、例えば、仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)の壁面(外壁面又は内壁面)がテーパー状に先細りする形状となるように構成してもよい。
(A−8) 前記(A−1)〜(A−7)の何れかの遊技機であって、
前記発光手段から発せられる光が通過可能な領域を区画する仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)を備え、
前記仕切部材により区画される領域(断面開口3270Xの周縁壁部により囲まれる領域)は、第3の位置(光源に近い位置)と比較して、前記第3の位置よりも前記発光手段から発せられた光の進行方向下流側の第4の位置(光源から遠い位置)の方が大きい、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、発光手段(センターLED3252)から発せられる光が通過可能な領域が仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)によって区画されており、仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)により区画される領域(断面開口3270Xの周縁壁部により囲まれる領域)は、第3の位置(光源に近い位置)と比較して、第3の位置(光源に近い位置)よりも発光手段(センターLED3252)から発せられた光の進行方向下流側の第4の位置(光源から遠い位置)の方が大きくなっている。これにより、発光手段(センターLED3252)から発せられた光を拡散させながら前進させることが可能であり、導光部材(トップレンズ3280)の広い範囲を光らせることができるとともに、仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)の存在に起因する影も生じ難くすることができる。
このように、矢印眼リフレクタ3270は、発光手段(センターLED3252)から発せられた光の進行方向下流側(前方)に向かうにつれて広がるような傾斜を有しているところ、当該傾斜は、仮に矢印眼リフレクタ3270とトップリフレクタ3260とを一体成型した場合に、金型のテーパー面の傾斜(樹脂部品を金型から抜くための傾斜)とは逆の傾斜となる。そこで、矢印眼リフレクタ3270については、トップリフレクタ3260とは別部品として成型するのがよい。
本発明における発光手段として、LEDを用いる場合、LEDのタイプは特に限定されず、所謂表面実装型LEDを採用してもよいし、所謂砲弾型LEDを採用してもよい。表面実装型LEDとしては、凹状の収納部内に発光素子を載置し、発光素子を樹脂にて充填して形成したものを用いることができる。砲弾型LEDとしては、外面を構成する樹脂の形状を砲弾型に形成したものを用いることができる。砲弾型LEDは、砲弾型の封止樹脂を備えているため、一般的に、表面実装型LEDと比較して、指向性を有しており、照射範囲が狭くなっている。
上記のように、発光手段(センターLED3252)から発せられた光を拡散させながら前進させるという観点からすると、表面実装型LEDを用いるのが望ましい。これにより、導光部材(トップレンズ3280)乃至第1部材(トップセンターパネル3290)の広い範囲を光らせることができる。また、単位立体角あたりに含まれる光の量が少なくなるため、遊技者から見て光源の位置を分かり難くすることができる。この点、光源の位置(LEDの粒)が遊技者から丸見えになってしまうと見栄えが悪くなってしまうことが懸念されるところ、広角タイプのLEDを用いれば、このようなLEDの粒が目立ち難く、良好なデザイン性を確保することができる。
また、仮に導光部材(トップレンズ3280)を配設しなかったとしても、発光手段(センターLED3252)から発せられた光を第1部材(トップセンターパネル3290)に直接入射させることにより、第7実施形態と同様の発光演出を行うことは可能であるが、導光部材(トップレンズ3280)を配設することにより、LEDの粒をより目立ち難くすることができる。また、LEDの粒を目立ち難くするという観点からすると、導光部材(トップレンズ3280)の成形前に樹脂材料に顔料又は染料を混ぜることにより、導光部材(トップレンズ3280)を所定の色(例えば、乳白色)に着色することとしてもよい。同様に、第1部材(トップセンターパネル3290)の成形前に樹脂材料に顔料又は染料を混ぜることにより、第1部材(トップセンターパネル3290)を所定の色(例えば、乳白色)に着色することとしてもよい。これにより、導光部材(トップレンズ3280)乃至第1部材(トップセンターパネル3290)全体を満遍なくぼんやりと光らせることができる。
(A−9) 前記(A−1)〜(A−8)の何れかの遊技機であって、
前記第1部材は、透光性を有しており、外面に金属面が形成されている、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、第1部材(トップセンターパネル3290)は、透光性を有しており、外面に金属面が形成されている。これにより、発光手段(センターLED3252)から光が発せられていない状況においても、第1部材(トップセンターパネル3290)が金属光沢を有しているため、デザイン性に優れた外観を実現することができる。また、発光手段(センターLED3252)から光が発せられている状況においては、第1部材(トップセンターパネル3290)の外観色を変化させることが可能であり、遊技の状況に応じて色とりどりの第1部材(トップセンターパネル3290)を遊技者に見せることができる。
このように、第1部材(トップセンターパネル3290)は、金属面を備えたハーフミラーとして構成することが可能である。ハーフミラーは、光の透過率が50%であるものに限定されず、任意の透過率を有するハーフミラーを適宜採用することが可能である。透過率は、例えば、5%〜30%(例えば、20%)程度としてもよいし、30%〜60%程度としてもよい。蒸着させるスズやインジウム、あるいは、銀、アルミニウム等の量を適宜調整することにより、このようなハーフミラーを製造することができる。金属面を厚くするほど、透過率は低くなり、金属光沢が強まることになる。なお、金属面の形成方法は、特に限定されず、金属蒸着の他、例えば、メッキにより金属面をコーティングすることとしてもよい。金属面の色は、特に限定されず、用いる金属の種類に応じて任意の色を採用することが可能である。
第1部材(トップセンターパネル3290)における金属面の形成箇所は、特に限定されず、第1部材(トップセンターパネル3290)の外表面(外部から視認可能な面)における任意の箇所に金属面を形成することが可能である。例えば、トップセンターパネル3290における前面3290aの他、上端突出部3297の上面3297aに金属面を形成することとしてもよい。もちろん、第1部材(トップセンターパネル3290)の外表面に金属面を一切形成しないこととしてもよい。
(A−10) 前記(A−1)〜(A−9)の何れかの遊技機であって、
前記第1部材は、透光性を有しており、第1領域(前面3290a)と、前記第1領域よりも光透過率が高い第2領域(溝部3296)と、を有している、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、第1部材(トップセンターパネル3290)は、透光性を有しており、第2領域(溝部3296)は、第1領域(前面3290a)よりも光透過率が高くなっている。これにより、第2領域(溝部3296)は、第1領域(前面3290a)と比較して、発光手段(センターLED3252)から発せられた光を通過させやすく、当該領域を相対的に強く光らせることができる。このように、第1領域(前面3290a)と第2領域(溝部3296)との間で光の強さにコントラストを設けることを通じて、魅力的な発光演出を実現することができる。
第7実施形態において、第2領域(溝部3296)は、凹部として形成されており、第1領域(前面3290a)と比較して、第1部材(トップセンターパネル3290)における前後方向の厚みが小さくなっている。これにより、第2領域(溝部3296)は、発光手段(センターLED3252)から発せられた光を相対的に通過させやすくなっている。加えて、第2領域(溝部3296)は、その形状(溝引いてあること)に起因して、金属の蒸着量が少なく、金属膜が相対的に薄くなっている。これにより、第1領域(前面3290a)と第2領域(溝部3296)との光透過率の差がさらに大きくなっている。第2領域(溝部3296)には、金属膜が一切形成されないように構成してもよい。第1領域(前面3290a)と第2領域(溝部3296)との間に光透過率の差異を生じさせるための方法としては、特に限定されず、上記以外に例えば、第2領域(溝部3296)の色が第1領域(前面3290a)の色よりも光を透過させやすい色となるように構成してもよい。
また、第7実施形態では、第2領域(溝部3296)が所定の長さに亘って延在するように(線状に)形成されていることとして説明した。これにより、発光手段(センターLED3252)から光が発せられていない状況においても、第2領域(溝部3296)をデザイン目的で形成された線として見せることが可能であるため、違和感を与えてしまうことがない。このような観点から、第2領域(溝部3296)は、所定の模様として形成されていることが望ましい。模様の形状は、特に限定されず、線(直線又は曲線)状に形成されていてもよいし、幾何学模様であってもよいし、文字、図形、記号、又は、これらの組合せ等により構成されていてもよい。
このように、第1部材(トップセンターパネル3290)は、装飾性を備えた部材(装飾部材)として構成することが可能である。また、第2部材(トップフレームベース3210)も、装飾部材として構成することが可能である。
(A−11) 前記(A−1)〜(A−10)の何れかの遊技機であって、
前記光抑制部は、前記導光部材において塗装を施した部位である、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、光抑制部(黒色塗装部)は、導光部材(トップレンズ3280)において塗装を施した部位となっている。これにより、発光手段(センターLED3252)から発せられた光の進行を抑制すべき部位が複雑乃至細密な構造を有していたとしても、当該部位に塗装を施すことにより、簡易に且つ低コストで、光漏れを防止することが可能な措置を講じることができる。
第7実施形態では、黒色の遮光塗料が塗布されることにより光抑制部(黒色塗装部)が形成されていることとして説明した。遮光塗料としては、光を吸収する特性を有する従来公知の塗料を適宜採用することが可能である。例えば、遮光塗料は、樹脂材料及び着色剤を含む構成とすることが可能であり、樹脂材料としては、任意の塗料(アクリル樹脂塗料、水性アクリル樹脂塗料、ウレタン系塗料等)を用いることが可能である。着色剤としては、任意の顔料(例えば、カーボンブラック)又は染料を用いることが可能である。光抑制部の色は、黒に限定されず、例えばグレーであってもよい。遮光塗料に含まれる顔料乃至染料の種類と割合とを変えることにより、光抑制部を任意の色に構成することが可能である。着色剤は、複数種類の顔料乃至染料(黒色、白色、赤色、黄色、青色等)を含むものであってもよい。
なお、光漏れがより目立たないようにするため、第1部材(トップセンターパネル3290)の端縁(導光部材(トップレンズ3280)の光抑制部(黒色塗装部)近傍に配置される端縁)にも遮光塗料を塗布することとしてもよい。ただ、第1部材(トップセンターパネル3290)に金属面が形成されている場合には、塗装の作業中に金属膜が剥がれてしまう恐れがあるため、そのような第1部材(トップセンターパネル3290)への塗装は、あえて施さない方が望ましい。
<付記B>
従来、プロジェクタを用いることにより演出を行うことが可能な遊技機が知られている(特開平6−035066号公報及び特開2009−240459号公報参照)。このような遊技機によれば、遊技用の映像がプロジェクタからスクリーン等の投影面に投影されることにより、液晶表示装置の代わりに、スクリーン等に映像が表示されるようになっている。
本発明者は、このようなプロジェクタが搭載される遊技機について、鋭意検討を重ねる過程において、スクリーン周辺の配置構造に関して工夫を凝らすことにより、映像表現の迫力を高めることができるのではないかという考えに至った。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、映像表現の迫力を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第7実施形態に係るパチスロ機1は、以下の特徴を備えている。
(B−1) スクリーン(中央スクリーン3010)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ9020)と、
所定部材(後側透光板3050)と、を備え、
前記プロジェクタと前記スクリーンとは、前記プロジェクタにより投射された光が前記スクリーンの背面側に入射するように配置されており、
前記所定部材は、前記スクリーンに対して前記プロジェクタにより投射された光の進行方向上流側に配置されている、
ことを特徴とする遊技機。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ9020)とスクリーン(中央スクリーン3010)とは、プロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光がスクリーン(中央スクリーン3010)の背面側に入射するように配置されており、スクリーン(中央スクリーン3010)に対してプロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光の進行方向上流側に所定部材(後側透光板3050)が配置されている。このように構成することにより、本発明者は、スクリーン(中央スクリーン3010)を用いた映像表現の迫力を高めることができることを見出した。この点、所定部材(後側透光板3050)を配置することにより、スクリーン(中央スクリーン3010)が単独で設けられている場合と比較して、スクリーン(中央スクリーン3010)を補強し、遊技者により外力が加えられたとしてもスクリーン(中央スクリーン3010)を保護することが可能となっている。このような所定部材(後側透光板3050)に関しては、プロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光の進行方向下流側に配置することも考えられた。しかし、この場合、スクリーン(中央スクリーン3010)の前面側に所定部材(後側透光板3050)が存在するため、遊技者は所定部材(後側透光板3050)ごしに映像を見ることになる。そのため、映像がやや奥の方に存在するような印象を遊技者に与え、映像に対する遊技者の没入感が低下してしまうことが懸念された。これに対し、第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、そのような印象を払拭することが可能であり、映像表現の迫力を高めるとともに、映像に対する遊技者の没入感を高めることができる。
(B−2) 前記(B−1)の遊技機であって、
前記所定部材は、前記スクリーンの背面側から前記スクリーンを保護しており、
前記スクリーンは、遊技機の最外面を構成している、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、所定部材(後側透光板3050)は、スクリーン(中央スクリーン3010)の背面側からスクリーン(中央スクリーン3010)を保護しており、スクリーン(中央スクリーン3010)は、遊技機(パチスロ機1)の最外面を構成している。これにより、スクリーン(中央スクリーン3010)を増強することが可能であるとともに、遊技者とスクリーン(中央スクリーン3010)との間には何ら部材が存在しないため、スクリーン(中央スクリーン3010)に表示された画像を遊技者の目に直接入れることができ、映像表現の迫力や臨場感を一層高めることができる。
また、例えば、第5実施形態に係るパチスロ機1では、透光板1045がスクリーンシート1046の前面側に配置されているところ、このような態様を採用した場合、遊技店内の光(パチスロ機1の外部に存在する光)が透光板1045によって照り返されることに起因して、映像の見栄えが悪化してしまうことも懸念される。これに対し、第7実施形態に係るパチスロ機1では、所定部材(後側透光板3050)がスクリーン(中央スクリーン3010)の背面側に存在するため、このような照り返しを防止することが可能であり、映像の見栄えを良好なものとすることができる。また、第5実施形態に係るパチスロ機1では、特にパチスロ機1を横から見た際に透光板1045の存在が目立つことに起因して、(映像の見栄えだけでなく)パチスロ機1自体の見栄えも悪化してしまうことが懸念される。これに対し、第7実施形態に係るパチスロ機1では、スクリーン(中央スクリーン3010)の外側には他の部材が存在しないため、洗練された外観を実現することができる。
(B−3) 前記(B−1)又は(B−2)の遊技機であって、
前記スクリーンは、少なくとも一の端部近傍に、湾曲した形状の曲面部(湾曲部3012)を有する、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、スクリーン(中央スクリーン3010)は、少なくとも一の端部近傍に、湾曲した形状の曲面部(湾曲部3012)を有している。曲面部(湾曲部3012)に画像が表示されることにより、表示される画像に立体感を付与することが可能であり、リアリティに富んだ映像表現を実現することができる。
第7実施形態では、スクリーン(中央スクリーン3010)における左端部及び右端部の各近傍に曲面部(左湾曲部3012L及び右湾曲部3012R)が設けられていることとして説明した。本発明において、曲面部(湾曲部3012)の位置及び個数は、特に限定されない。例えば、スクリーン(中央スクリーン3010)における左端部及び右端部のうち、何れか一方の端部近傍にのみ曲面部(湾曲部3012)を設け、他方の端部近傍は平坦に形成することとしてもよい。また、スクリーン(中央スクリーン3010)における左右方向中央寄りの箇所に曲面部(湾曲部3012)を設けることとしてもよい。また、スクリーン(中央スクリーン3010)全体が曲面部(湾曲部3012)として構成されていてもよい。
(B−4) 前記(B−1)〜(B−3)の何れかの遊技機であって、
前記プロジェクタを制御することにより、演出を実行することが可能な演出実行手段(副制御回路200)を備え、
前記スクリーンは、所定の曲率を有する曲面部(湾曲部3012)を有し、
前記演出実行手段は、前記所定の曲率に対応する曲面が前記曲面部に存在するような視認態様で、該曲面に対応する画像を前記曲面部に表示させることが可能である、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、スクリーン(中央スクリーン3010)は、所定の曲率を有する曲面部(湾曲部3012)を有し、該所定の曲率に対応する曲面が曲面部(湾曲部3012)に存在するような視認態様で、該曲面に対応する画像を曲面部(湾曲部3012)に表示させることが可能となっている。これにより、スクリーン(中央スクリーン3010)の曲面部(湾曲部3012)に該曲面を有する物体が現に存在するかのようなリアリティに富んだ映像表現を実現することができる。
なお、曲率とは、曲線や曲面の曲がり具合を表す量であるが、局所的な曲がり具合を円に近似することができ、近似した円の半径を曲率半径という。例えば、半径rの円周の曲率は1/rであり、曲率半径はrである。曲線の曲がり具合がきついほど曲率は大きくなり、曲率半径は小さくなる。曲率半径は、曲線が円弧である場合には、当該円弧の半径で表すことができ、一方、円弧とは異なる曲線の場合には、曲線の曲がり具合を表す所定の関数により曲率半径を表すことができる。
(B−5) 前記(B−1)〜(B−4)の何れかの遊技機であって、
立体装飾部(サイド装飾部3110)を備え、
前記スクリーンは、湾曲した形状の曲面部(湾曲部3012)を有し、
前記立体装飾部は、正面視において、少なくとも一部が前記曲面部と重畳するように配置される、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、スクリーン(中央スクリーン3010)は、湾曲した形状の曲面部(湾曲部3012)を有し、正面視において、少なくとも一部が曲面部(湾曲部3012)と重畳するように立体装飾部(サイド装飾部3110)が配置されている。これにより、曲面部(湾曲部3012)に表示される画像に立体感を付与することが可能であり、当該立体感と立体装飾部(サイド装飾部3110)における立体的形状とが相俟って、画像と立体装飾部(サイド装飾部3110)との間に三次元的な一体感を創出することができる。
ここで、仮に、スクリーン(中央スクリーン3010)の前面側に透光部材(第5実施形態における透光板1045のような部材)が配置されているとすると、スクリーン(中央スクリーン3010)と立体装飾部(サイド装飾部3110)との間に当該透光部材が介在するため、曲面部(湾曲部3012)に表示される画像(柱画像)と立体装飾部(サイド装飾部3110)との一体感が崩れ、違和感が生じてしまうことが懸念される。これに対し、第7実施形態に係るパチスロ機1では、スクリーン(中央スクリーン3010)と立体装飾部(サイド装飾部3110)との間には他の部材が介在しないため、このような違和感を払拭することが可能であり、上記一体感を高めることができる。さらには、これらと左側スピーカユニット3400L及び右側スピーカユニット3400Rとの一体感も高めることが可能であり、パチスロ機1全体の外観を洗練されたものとすることができる。
第7実施形態では、スクリーン(中央スクリーン3010)における後側部分を覆うように立体装飾部(サイド装飾部3110)が配置されており、正面視において立体装飾部(サイド装飾部3110)の一部が曲面部(湾曲部3012)の一部と重畳することとして説明した。本発明において、立体装飾部(サイド装飾部3110)は、曲面部(湾曲部3012)の近傍に適宜配置することが可能であり、立体装飾部(サイド装飾部3110)は、曲面部(湾曲部3012)を全く覆っていなくてもよい。例えば、立体装飾部(サイド装飾部3110)を曲面部(湾曲部3012)と隣接するように配置し、立体装飾部(サイド装飾部3110)の表面と曲面部(湾曲部3012)の表面とが略連続する表面を構成するようにしてもよい。
(B−6) 前記(B−1)〜(B−5)の何れかの遊技機であって、
立体装飾部(サイド装飾部3110)を備え、
前記スクリーンは、湾曲した形状の曲面部(湾曲部3012)を有するとともに、前記立体装飾部の形状に対応して前記立体装飾部と対向する対向部(サイド凹凸部3020)を有し、
前記立体装飾部は、前記曲面部に沿うように配置される、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、スクリーン(中央スクリーン3010)は、湾曲した形状の曲面部(湾曲部3012)を有し、曲面部(湾曲部3012)に沿うように立体装飾部(サイド装飾部3110)が配置されている。これにより、曲面部(湾曲部3012)に表示される画像に立体感を付与することが可能であり、当該立体感と立体装飾部(サイド装飾部3110)における立体的形状とが相俟って、画像と立体装飾部(サイド装飾部3110)との間に三次元的な一体感を創出することができる。また、スクリーン(中央スクリーン3010)は、立体装飾部(サイド装飾部3110)の形状に対応して立体装飾部(サイド装飾部3110)と対向する対向部(サイド凹凸部3020)を有しているため、対向部(サイド凹凸部3020)に嵌合させるようにして立体装飾部(サイド装飾部3110)を配置することができる。これにより、立体装飾部(サイド装飾部3110)と曲面部(湾曲部3012)との相対的な位置関係を適切なものとすることが可能であり、上記一体感を確実に奏することができる。
第7実施形態では、スクリーン(中央スクリーン3010)の曲面部(湾曲部3012)に対向部(サイド凹凸部3020)が形成されていることとして説明した。本発明において、対向部(サイド凹凸部3020)の形成位置は、特に限定されず、例えば、曲面部(湾曲部3012)と連続する部分(例えば、後側部3013)に対向部(サイド凹凸部3020)を形成することとしてもよい。また、曲面部(湾曲部3012)と当該部分(例えば、後側部3013)に跨るように対向部(サイド凹凸部3020)を形成することとしてもよい。立体装飾部(サイド装飾部3110)は、当該部分(例えば、後側部3013)に沿うように配置することとしてもよい。また、第7実施形態では、対向部(サイド凹凸部3020)が凹部(凹部3021a、凹部3022a、及び、凹部3023a)並びに凸部(突起3021b、突起3022b、及び、突起3023b)の双方により構成されることとして説明した。本発明における対向部(サイド凹凸部3020)は、凹部のみで構成されていてもよいし、凸部のみで構成されていてもよい。また、対向部(サイド凹凸部3020)の個数は、もちろん限定されず、任意の数の対向部(サイド凹凸部3020)を適宜形成することが可能である。
(B−7) 前記(B−1)〜(B−6)の何れかの遊技機であって、
前記プロジェクタにより投射された光が前記所定部材を透過して漏れるのを抑制するように配設された遮光部材(サイド遮光プレート3150)を備える、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、遮光部材(サイド遮光プレート3150)が配設されることにより、プロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光が所定部材(後側透光板3050)を透過して漏れるのを抑制することが可能となっている。仮に、プロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光がスクリーン(中央スクリーン3010)以外の部分から漏れ出すと、当該部分が不自然に光って見栄えが悪くなってしまうところ、遮光部材(サイド遮光プレート3150)の存在により、このような事態が発生してしまうことを防止することができる。
(B−8) 前記(B−1)〜(B−7)の何れかの遊技機であって、
光を発することが可能な発光手段(サイドLED3122a〜3122g)と、
前記発光手段から発せられた光を導光する導光部材(サイドライトレンズ3140)と、
前記プロジェクタにより投射された光が前記導光部材に到達するのを抑制するように配設された遮光部材(サイド遮光プレート3150)と、を備える、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、遮光部材(サイド遮光プレート3150)が配設されることにより、プロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光が導光部材(サイドライトレンズ3140)に到達するのを抑制することが可能となっている。仮に、プロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光が導光部材(サイドライトレンズ3140)に侵入すると、発光手段(サイドLED3122a〜3122g)から発せられた光とプロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光とが混ざる結果、意図した発光演出を行うことができなくなってしまうことが懸念されるところ、遮光部材(サイド遮光プレート3150)の存在により、このような事態が発生してしまうことを防止することができる。
第7実施形態では、所定部材(後側透光板3050)のうちスクリーン(中央スクリーン3010)によって覆われない部分(隙間)を塞ぐように遮光部材(サイド遮光プレート3150)が配置されることとして説明した。光が当該隙間を通過して先に進行することを遮断することが可能であれば、遮光部材(サイド遮光プレート3150)の配置位置は、特に限定されない。具体的に、遮光部材(サイド遮光プレート3150)は、所定部材(後側透光板3050)よりもパチスロ機1の外方側に配置することとしてもよいし、所定部材(後側透光板3050)よりもパチスロ機1の内方側に配置することとしてもよい。
(B−9) 前記(B−1)〜(B−8)の何れかの遊技機であって、
前記スクリーンの近傍に配設される光反射部(画像反射面3216)を備え
前記光反射部は、前記スクリーンに表示された画像の少なくとも一部を反射することが可能である、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、スクリーン(中央スクリーン3010)の近傍に光反射部(画像反射面3216)が配設されており、光反射部(画像反射面3216)は、スクリーン(中央スクリーン3010)に表示された画像の少なくとも一部を反射することが可能となっている。これにより、スクリーン(中央スクリーン3010)に表示された画像と当該画像が光反射部(画像反射面3216)で反射されることにより光反射部(画像反射面3216)に映り込む画像とが合わさることで、スクリーン(中央スクリーン3010)だけでは遊技者に知覚させることのできない斬新な画像表現を実現することができる。
ここで、仮に、スクリーン(中央スクリーン3010)の前面側に透光部材(第5実施形態における透光板1045のような部材)が配置されているとすると、スクリーン(中央スクリーン3010)の表示面と光反射部(画像反射面3216)との間に当該透光部材が存在することになる。従って、透光部材の存在に起因して、反射部(画像反射面3216)に映り込む画像の見栄えが悪化してしまう(特に、スクリーン(中央スクリーン3010)の表示面と光反射部(画像反射面3216)との境界部分に筋のようなものが入ることにより画像の一体感が失われてしまう)ことが懸念される。これに対し、第7実施形態に係るパチスロ機1では、スクリーン(中央スクリーン3010)の表示面と光反射部(画像反射面3216)との間には他の部材が存在しないため、反射部(画像反射面3216)に映り込む画像を鮮明なものとし、スクリーン(中央スクリーン3010)に表示される画像と光反射部(画像反射面3216)に映り込む画像とを一体的に見せることができる。
また、第7実施形態では、反射塗料が塗布されることにより光反射部(画像反射面3216)が構成されていることとして説明した。本発明における光反射部(画像反射面3216)は、この例に限定されず、鏡として構成されていてもよいし、金属膜を蒸着させることにより構成されていてもよいし、光を反射するシートを貼付することにより構成されていてもよいし、鏡面加工を施す(研磨や切削により表面粗さを小さくする)ことにより構成されていてもよい。また、第7実施形態では、光反射部として画像反射面3216が形成されていることとして説明したが、画像反射面3216に加えて、装飾面3217も光反射部として構成してもよい。また、光反射部としては、スクリーン(中央スクリーン3010)の周縁(上端、下端、左端、右端等)近傍から前方に膨出した構成を適宜採用することが可能である。なお、上記第2部材(トップフレームベース3210)全体が反射性能を有していれば、光反射部を形成するための処理を特別に施すことなく、成形後の第2部材(トップフレームベース3210)における所定部位(例えば、下面壁3214の下面3215)をそのまま光反射部としてもよい。
(B−10) 前記(B−1)〜(B−9)の何れかの遊技機であって、
前記スクリーンの周縁の少なくとも一部に沿うように、前記スクリーンの表面から突出する突出部(前方上端部3015及び前方下端部3017)が形成されている、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、スクリーン(中央スクリーン3010)の周縁の少なくとも一部に沿うように、スクリーン(中央スクリーン3010)の表面から突出する突出部(前方上端部3015及び前方下端部3017)が形成されている。これにより、スクリーン(中央スクリーン3010)の表面と他の部材との間に隙間が生じているような場合、当該隙間を通じて針金形状の器具を侵入させようとしたとしても、突出部(前方上端部3015及び前方下端部3017)が邪魔になって、当該侵入を阻止することが可能である。従って、当該隙間を通じてゴト行為が行われてしまうことを防止することができる。また、突出部(前方上端部3015及び前方下端部3017)の存在によりスクリーン(中央スクリーン3010)の剛性を高めることが可能であり、組み立て作業等の際に力が加わった場合においても、スクリーン(中央スクリーン3010)が歪んでしまうことを抑制することができる。
第7実施形態では、スクリーン(中央スクリーン3010)の突出部として、前方上端部3015、前方下端部3017、後方上端部3019、後方下端部3020が設けられており、これらの突出部のうち、前方上端部3015及び前方下端部3017の存在によりゴト行為を防止することができることとして説明した。同様に、後方上端部3019や後方下端部3020に対して、針金形状の器具を侵入させることを阻止する機能を担わせ、これによりゴト行為を防止することが可能なように構成してもよい。
(B−11) 前記(B−1)〜(B−10)の何れかの遊技機であって、
前記スクリーンには、貫通孔(貫通孔3016L及び貫通孔3016R)が形成されており、
前記所定部材は、前記貫通孔を用いた螺子締結により固定されている、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、スクリーン(中央スクリーン3010)には、貫通孔(貫通孔3016L及び貫通孔3016R)が形成されており、所定部材(後側透光板3050)は、該貫通孔(貫通孔3016L及び貫通孔3016R)を用いた螺子締結により固定されている。これにより、所定部材(後側透光板3050)の固定を通じて、スクリーン(中央スクリーン3010)を適切な位置に配置することができる。
ここで、第5実施形態に係るパチスロ機1では、スクリーンシート1046が下押さえ部材UD101及び上押さえ部材UD102によって押さえ付けられている。これに対し、第7実施形態に係るパチスロ機1では、このような押さえ付けを行うことなく、所定部材(後側透光板3050)やトップフレームベース3210を介した螺子締結によりスクリーン(中央スクリーン3010)が固定されている。これにより、下押さえ部材UD101や上押さえ部材UD102のような部品が不要であり、コストを削減することができる。なお、第5実施形態におけるスクリーンシート1046は、可撓性を有する薄いシート状のスクリーンであるところ、湿度の変化によって伸縮が生じやすくなっている。そのため、螺子締結により他の部材と密着するように固定すると、伸縮に起因して破損してしまうことが懸念され、上記のような押さえ付けを行うことが望ましかった。これに対し、第7実施形態におけるスクリーン(中央スクリーン3010)は、ある程度の厚み(例えば、2mm)とともに剛性を有しており、湿度が変化しても伸縮はそれほど生じない。そのため、螺子締結を行ったとしても破損が生じ難いため、以上のような構成を採用することが可能となった。スクリーン(中央スクリーン3010)の厚みは、特に限定されないが、1mm〜5mm程度(あるいは、1.5mm〜3mm程度、又は、1.8mm〜2.5mm程度)とすることが望ましい。スクリーン(中央スクリーン3010)を薄くすると画像の解像度が上がるが、金型から外す際に破損してしまう可能性が高くなる。スクリーン(中央スクリーン3010)の厚みは、この点を考慮して適宜決定することが可能である。
<付記(その他)>
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(「メダル等」)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチおよびストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転およびその停止を行うリール制御部とを備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(「内部当籤役」)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、いわゆるパチスロと称される遊技機が知られている。
また、従来、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過したことなど、所定の可変表示開始条件の成立により、可変表示装置の表示領域上に識別情報を変動表示する制御を行い、変動表示が行われている識別情報を導出表示する制御を行う可変表示制御手段が備えられ、導出表示された識別情報が所定の組合せとなった場合に遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行するようにしたパチンコ遊技機が知られている。
しかしながら、従来のパチスロ遊技機やパチンコ遊技機では、本発明のような遊技機としての構成や機能を有さないことから、興趣の向上を効果的に図ることができなかった。本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
以上、第1実施形態〜第7実施形態について説明した。上述した実施形態では、本発明をパチスロ遊技機に適用した場合について説明したが、本発明は、他の遊技機(例えば、パチンコ遊技機やスロットマシン等)に適用することも可能である。
以上、本発明の第1実施形態〜第7実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
また、上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。また、要約書の目的は、特許庁及び一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判定し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、本発明の目的及び本発明の特有の効果を十分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。
上述した詳細な説明は、コンピュータで実行される処理を含むものである。以上での説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各処理は、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各処理では、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各処理における処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各処理における処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各処理を行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。