JP2021074043A - 衣類乾燥機 - Google Patents

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召航 温
Shoko On
召航 温
田中 俊行
Toshiyuki Tanaka
俊行 田中
賢 磯永
Masaru Isonaga
賢 磯永
金田 至功
Yoshinori Kaneda
至功 金田
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Abstract

【課題】循環風路のフィルタにおける圧力損失の低減を図ることが可能な衣類乾燥機を提供する。【解決手段】衣類乾燥機において、循環風路内のフィルタは、その循環風路内の空気の流れと交差する第1フィルタ面と当該空気の流れの上流側へ延びる第2フィルタ面とで側面L字状をなす構成とされ、或いは前記第1フィルタ面側から前記第2フィルタ面側に至る全体が弓なりに湾曲した曲面として構成され、前記整流板は、前記循環風路の屈曲部分に対応して屈曲した形状をなすとともに、当該整流板における下流側の端部に、前記第2フィルタ面側へ向けて傾斜した傾斜部を有する。【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、衣類乾燥機に関する。
従来より、衣類乾燥機として、例えば衣類の洗濯機能と乾燥機能を備えた洗濯乾燥機が知られている。洗濯乾燥機においては、乾燥室として機能する水槽の外側に循環風路を設け、その水槽内の空気を、循環風路を通して送風装置の送風作用により循環させるとともに、当該循環風の除湿と加熱を、ヒートポンプの蒸発器と凝縮器により行う構成としている。
この種のものでは、外箱内の限られたスペース内にヒートポンプを配置する必要があり、その配置構成についての工夫が求められる。例えば循環風路は、ヒートポンプの圧縮機を避けるようにして屈曲させたり狭くしたりする必要があるが、これに伴い風路抵抗が増大する。そこで、循環風路における蒸発器の上流側に風向板を設けて、蒸発器へ空気を流れやすくし、風路抵抗の増大を抑制するようにしたものが供されている(例えば特許文献1参照)。
特開2017−483号公報
ところで、循環風路には、循環風に含まれる糸屑等のリントを捕獲するためのフィルタが設けられている。係るフィルタにおいて、上記したスペース上の制約を受ける一方、捕獲されたリントはフィルタ表面に堆積していくことから、循環風がフィルタを通過する際の圧力損失がより増大する虞がある等、解決すべき特有の課題を内在する。
そこで、循環風路のフィルタにおける圧力損失の低減を図ることが可能な衣類乾燥機を提供する。
実施形態の衣類乾燥機は、給気口及び排気口を有する外槽と、前記外槽内に回転可能に設けられる回転槽と、前記外槽の外側において前記給気口と前記排気口との間を連通させるように設けられた循環風路と、前記回転槽内の空気を前記循環風路を通して循環させるファン装置と、前記循環風路内を流れる空気を除湿及び加熱する除湿加熱手段と、前記循環風路内を流れる空気に含まれるリントを捕獲するフィルタと、前記循環風路の屈曲部分であって、前記フィルタの上流側に位置する屈曲部分に設けられ、前記フィルタへ向かう空気の流れを整える整流板と、を備え、前記フィルタは、前記循環風路内の空気の流れと交差する第1フィルタ面と当該空気の流れの上流側へ延びる第2フィルタ面とで側面L字状をなす構成とされ、或いは前記第1フィルタ面側から前記第2フィルタ面側に至る全体が弓なりに湾曲した曲面として構成され、前記整流板は、前記循環風路の屈曲部分に対応して屈曲した形状をなすとともに、当該整流板における下流側の端部に、前記第2フィルタ面側へ向けて傾斜した傾斜部を有する。
洗濯乾燥機の内部を模式的に示す縦断右側面図 洗濯乾燥機の内部をヒートポンプとともに模式的に示す背面図 排気ダクトとフィルタダクトの部分を拡大して示す縦断左側面図 図3のIV−IV線に沿う断面図(整流板上流側) 図3のV−V線に沿う断面図(整流板下流側) シミュレーション(その1)で用いた整流板を示す縦断左側面図 シミュレーションによる整流板の効果を表す流体解析結果を示す図(その1) 整流板が無い場合における循環風路内の流体解析結果を示す図 シミュレーションによる整流板の効果を表す流体解析結果を示す図(その2) 整流板が無い場合における循環風路内の流体解析結果を示す図
以下、本実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に示す洗濯乾燥機1は、ドラム10内の衣類を洗濯する洗濯機としての機能と、ドラム10内の衣類を乾燥する衣類乾燥機としての機能を備えた、いわゆる横軸型のドラム式洗濯機である。
洗濯乾燥機1において外郭をなす外箱2は、矩形箱状をなしている。外箱2の前面部2aは、やや前下がりの傾斜状に形成されており、前面部2aには、図示しない洗濯物出入口を開閉する扉3が設けられている。詳しい図示は省略するが、外箱2における天板部2bの前部には、電源オンオフキーや表示部を備えた操作パネル4(図1参照)が設けられている。前記表示部は、ユーザのタッチ操作を受け付けるタッチパネルを有し、ユーザに対する種々の表示や、運転コース等の設定を行うことができる。
図1、図2に示すように、外箱2の内部には、ドラム10と、このドラム10を収容する水槽5が設けられている。ドラム10は、内部に衣類を収容することが可能な有底円筒状をなす回転槽であり、水槽5は、水を溜めることが可能な有底円筒状をなす外槽である。
水槽5は、その軸線が前後方向を向く横向きで、且つやや前上がりの傾斜状態で、図示しないサスペンションにより弾性的に支持されている。水槽5の前面開口部は、ベローズ6を介して前記洗濯物出入口に接続されている。図示は省略するが、外箱2内の上部には、水槽5内へ給水するための給水機構が設けられており、この給水機構は、給水ホースを介して水道の蛇口に接続されている。
水槽5の後側底部には排水口7が設けられている。排水口7には、排水弁8を介して排水管9が接続されている。排水弁8が閉鎖された状態で前記給水機構から水槽5内に水が供給された場合、その水は水槽5内に貯留される。排水弁8が開放されることに伴い、水槽5内に貯留されていた水は、排水管9を通して機外へ排出される。
ドラム10は、水槽5と同様の前記傾斜状態で、所謂横軸周りに回転可能に配置されている。ドラム10の前面開口部は、水槽5の前面開口部及び洗濯物出入口に連通しており、扉3を開放することで、洗濯物出入口から、水槽5とドラム10の各前面開口部を通してドラム10に対して衣類を出し入れすることができる。ドラム10には、図1に示すように多数の脱水孔10aが設けられている。なお、脱水孔10aは、洗濯運転時には通水用の孔部、乾燥運転時の通風孔の孔部として機能する。
水槽5の背面側には、例えばDCブラシレスモータからなるドラムモータ11が設けられている。ドラムモータ11の回転軸は、水槽5の背面を貫通してドラム10の背面に連結されており、ドラム10は、ドラムモータ11により直接回転駆動される。
図1に示すように、水槽5における前側上部の右寄り部位には、空気を排出するための排気口12が設けられ、図2に示す背面側上部の左寄り部位には、乾燥風を供給するための給気口13が設けられている。そして、図1、図2に示すように、外箱2内部には、水槽5の外側において給気口13と排気口12との間を連通させる循環風路15が設けられている。循環風路15は、その入口側が水槽5の排気口12に接続され、出口側が給気口13に接続されている。
循環風路15は、排気ダクト16、フィルタダクト17、後部排気ダクト18、ヒートポンプダクト19、及び給気ダクト20をこの順に連通接続したダクトとして構成されている。図1に示すように、排気ダクト16は、ゴム等の可撓性を有する材料から形成された蛇腹部16aを有する円筒状に形成され、その下端部が前記排気口12に接続され、上端部がフィルタダクト17の入口部に接続されている。フィルタダクト17は、外箱2内の右側上部を後方に延びて設けられ、その後端部に、後部排気ダクト18の上端部が接続されている(図1、図2参照)。フィルタダクト17内には、乾燥風から糸屑等のリントを捕獲するためのフィルタ装置21が設けられている。なお、図3に示す排気ダクト16及びフィルタダクト17の拡大図は、後述する流体解析結果を表す左側面視(図7等参照)に合わせた左側面図で示しているが、それら排気ダクト16及びフィルタダクト17について詳しくは後述する。
図2に示すように、後部排気ダクト18は、水槽5の後方を下方に延び、その下端がヒートポンプダクト19の右端部(同図で左端側)に接続されている。ヒートポンプダクト19は、外箱2下部の後方寄りの位置にて右左方向に延び、その左端側(同図で右端側)にファン装置23が設けられている。ファン装置23は、例えばファンケーシング24内に遠心ファン23a及びこれを駆動するファンモータ23bを備えている。ファンケーシング24の出口部に、給気ダクト20の下端部が接続されている。給気ダクト20は、外箱2内の左側に位置して水槽5後方を上方に延び、その上端部が前記給気口13に接続されている。
図2に示すように、ヒートポンプダクト19内には、ヒートポンプ26を構成する蒸発器27と凝縮器28が配設されている。ヒートポンプ26は、圧縮機29と、凝縮器28と、減圧手段たる絞り弁30と、蒸発器27とを、冷媒配管31によりサイクル接続した冷凍サイクルとして構成されている。ヒートポンプ26において、蒸発器27は乾燥風から湿気を除去する除湿手段、凝縮器28は乾燥風を加熱する加熱手段として機能し、それら蒸発器27及び凝縮器28は除湿加熱手段に相当する。
即ち、ヒートポンプ26は、乾燥運転時に圧縮機29が駆動されることにより、圧縮機29から吐出された高温高圧の冷媒が凝縮器28に流入し、凝縮器28で放熱して凝縮される。凝縮器28で液化した冷媒は、絞り弁30を通って減圧され、蒸発器27に流入する。蒸発器27での熱交換により気化した冷媒は、圧縮機29に戻される。圧縮機29に戻された冷媒は、再び圧縮され高温高圧となって吐出されるという循環が行われる。
上記したヒートポンプ26の駆動とともに、ファン装置23が駆動されることにより、図1、図2に矢印100で示すように、水槽5(ドラム10)内の空気が、排気口12から排気ダクト16、フィルタダクト17、後部排気ダクト18を通ってヒートポンプダクト19に至る。このとき、フィルタダクト17を通る空気は、これに含まれるリントがフィルタ装置21により捕獲される。
また、後部排気ダクト18を通った空気は、ヒートポンプダクト19内を流れて蒸発器27及び凝縮器28を順に通った後、給気ダクト20に流れ、給気口13及び脱水孔10aを通ってドラム10内に供給されるという循環が行われる。こうして、ドラム10内の衣類から湿気を奪って多量の蒸気を含んだ空気が、ヒートポンプダクト19内の蒸発器27部分を通って冷却されることにより、蒸気が凝縮されて除湿され、その除湿空気が凝縮器28部分を通ることにより加熱されて乾いた温風となり、再びドラム10内に供給され、衣類の乾燥に供される。
図示は省略するが、ヒートポンプ26や循環風路15の要部には、冷媒の温度や乾燥風の温度を検出するための複数個の温度センサ群が設けられている。また、外箱2の内部には図示しない制御装置が設けられており、この制御装置によって温度センサ群の検出温度に基づきヒートポンプ26及びファン装置23を駆動させるとともにドラム10を回転させて、乾燥運転を実行する。
ここで、フィルタダクト17の構成について、図3の左側面図(図1の紙面の裏側から見た図)を参照しながら説明する。同図3に示すように、フィルタダクト17は、全体として前後に長い角筒状をなしており、内部に前後方向に延びる風路が構成されている。フィルタダクト17は、前から順つまり上流側から順に、先端部34、フィルタ室35、後部ダクト部36を有している。
このうち、先端部34は、先端が丸みを帯びた形状をなし、その下面に円形の開口が形成されており、その開口に前記排気ダクト16の上端が接続されている。これにより、先端部34と排気ダクト16とは、相互に略直角乃至鈍角をなす角度で連通接続され、それらが接続される先端部34の部分(図3の符号37の部分)を屈曲部分37として内部の風路を屈曲させる。係る循環風路15の屈曲部分37には、後述する整流板38が収容される。
フィルタ室35は、フィルタダクト17においてフィルタ装置21が着脱可能に装着される部分である。フィルタ室35は、前端に先端部34内に連通する入口35aを有するとともに、上面側にフィルタ装置21装着用の上側開口部35bを有する。外箱2の天板部2bには、上側開口部35bの上方の位置に、開口部2cが形成されている。図3に示すように、外箱2の開口部2c周縁とフィルタ室35の上側開口部35b周縁とは、上下の段差部2dによって繋げられている。これら開口部2c及び上側開口部35bは、夫々フィルタ装置21の外形に対応した矩形状の開口部とされている。
フィルタ室35には、図3に示すフィルタダクト17内の風路を仕切るように、固定側フィルタ39が設けられている。固定側フィルタ39は、合成樹脂製の枠体39bと、その枠体39bの開口部を塞ぐように設けられる不織布製のフィルタ体39aとを備え、矩形板状の底面部と、その底面部の後辺から上方に上がる矩形板状の背面部とを一体に有した側面L字状をなす板状に構成されている。固定側フィルタ39は、背面部の上端を、上側開口部35bの後辺部に一致させ、底面部が、フィルタダクト17の底面部からやや浮き上がった状態で取付固定されている。これにより、固定側フィルタ39の内側にフィルタ装置21が配置される空間、つまりフィルタ室35が形成される。
フィルタ装置21は例えば、略下半部に位置する合成樹脂製のホルダ体40と、ホルダ体40上部に位置する合成樹脂製の蓋体41とを一体的に有している。ホルダ体40は、前面が開口した形態の薄型矩形箱状をなし、底面部から背面部にかけて開口部が形成されているとともに、その開口部を塞ぐようにして、例えば不織布製のフィルタ体42が設けられている。蓋体41は、周壁部全体が前記開口部2cの段差部2dに対応した段差状に構成された薄型矩形箱状をなし、ホルダ体40の上端に接続されている。蓋体41の上面には、手掛け用の穴部41aが形成されているとともに、その穴部41aを閉塞するフラップ43が開閉可能に設けられている。
これにより、フィルタ装置21は、図3に示すように蓋体41が段差部2d内に嵌め込まれて装着されることにより、フィルタ室35における固定側フィルタ39の上方に収容される。この収容状態では、ホルダ体40の前面開口が、フィルタ室35の入口35aに合わさって循環風路15に連続し、フィルタ装置21のフィルタ体42と固定側フィルタ39のフィルタ体39aとの二重構造となる。
この場合、フィルタ装置21のフィルタ体42において、フィルタ室35の入口35aと対向する矩形板状の背面部を第1フィルタ面42aとし、当該フィルタ面42a下辺から入口35a下辺側に至る矩形板状の底面部を第2フィルタ面42bとする。即ち、フィルタ体42は側面L字状をなしており、図3に示すように後方へ向かう空気の流れと略直交する第1フィルタ面42aと、その空気の流れの上流側へ延びる第2フィルタ面42bと、を一体的に有するフィルタとして構成されている。以下、フィルタ体42を「フィルタ42」と称する。
なお、ユーザは、蓋体41の手掛け用の穴部41aに手を掛けて持ち上げることにより、フィルタ装置21を外箱2から取外して清掃等を行うことができる。
図3に示すフィルタダクト17における後部ダクト部36は、その前端が、フィルタ室35の固定側フィルタ39の底面部及び背面部に連通し、そこから後方に行くに従ってやや下降傾斜するように延びている(図1参照)。後部ダクト部36の後端下面には、図1や図2に破線で示す円筒状の接続部36aが設けられ、その接続部36aに、後部排気ダクト18の上端が嵌合状態に接続されている。
さて、本実施形態の循環風路15には、フィルタ装置21の上流側の屈曲部分37に位置させて整流板38が複数(例えば3つ)設けられている。複数の整流板38に係る構成について、図4以降の図面も参照しながら詳述する。ここで、図4は、図3のIV−IV線に沿う屈曲部分37上流側の断面図を示し、図5は、図3のV−V線に沿う屈曲部分37下流側の断面図を示すものとする。また、以下では、複数の整流板38を相互に区別するために、各整流板38を屈曲部分37の内側から順に「整流板381,382,383」とも称する。
図3に示す整流板381〜383は何れも、例えば合成樹脂材料からなる板材で形成されており、フィルタダクト17先端部34と排気ダクト16とのなす屈曲部分37の角度に対応して、略直角乃至鈍角に屈曲した側面L字状をなしている。また、整流板381〜383は、何れも屈曲部分37の上流側の位置からフィルタ室35の入口35aよりも下流側の位置まで延びている。
そして、整流板381〜383は、循環風路15内を複数の通風路に仕切るように、当該風路15の内壁に接触した状態で設けられている(図4、図5参照)。この場合、整流板381〜383は、屈曲部分37の上流側から下流側にわたって並行し、且つ当該整流板381〜383夫々の幅方向(図4では上下方向、図5では左右方向)両端側が、循環風路15の内壁に対して接触するように配設されている。
これにより、屈曲部分37近傍には、その内側から順に、第1通風路a-A、第2通風路b-B、第3通風路c-C、第4通風路d-Dが区画形成される。これら4つの通風路a-A,b-B,c-C,d-Dは、相互に独立した空間を形成するものとする。なお、図4に示す符号「a,b,c,d」は、通風路a-A,b-B,c-C,d-D夫々の上流側(入口側)の部分を表し、図5に示す符号「A,B,C,D」は、通風路a-A,b-B,c-C,d-D夫々の下流側(出口側)の部分を表すものとする。
ここで、整流板381〜383は、これの上流側部分を見たとき、つまり図4の円筒状をなす排気ダクト16の軸線方向から見て、屈曲部分37の内側(同図の左側)ほど通風面積が狭まるように仕切る配置となっている。具体的には、通風面積は風の流れる方向に直交する面積であって、第1通風路a-Aにおける上流側の部分aの通風面積をSa、第2通風路b-Bにおける上流側の部分bの通風面積をSb、第3通風路c-Cにおける上流側の部分cの通風面積をSc、第4通風路d-Dにおける上流側の部分dの通風面積をSdとしたとき、Sa<Sb<Sc<Sdの関係となるように、整流板381〜383の間隔を設けている。
これに対し、整流板381〜383は、これの下流側部分つまり図5の矩形枠状をなすフィルタ室35の入口35aでは、通風面積が均等となるように仕切る配置となっている。これにより、第1通風路a-Aにおける下流側の部分Aの通風面積をSA、第2通風路b-Bにおける下流側の部分Bの通風面積をSB、第3通風路c-Cにおける下流側の部分Cの通風面積をSC、第4通風路d-Dにおける下流側の部分Dの通風面積をSDとしたとき、SA=SB=SC=SDの関係となるように、整流板381〜383を等間隔としている。
こうして、図3に示すように、整流板381〜383において略上下方向を指向する上流側の部分では、屈曲部分37外側(同図で右側)ほど仕切る間隔が広くなるように構成される一方、前後方向を指向する下流側の部分では、仕切る間隔を等間隔とするように構成されている。
また、図3に示すように、整流板381〜383における下流側の部分は、フィルタ室35の入口35aよりも当該フィルタ室35内方まで突出するように延設されている。このうち、第4通風路d-Dを仕切る整流板383の突出長を最も大きくしているが、整流板381〜383のフィルタ室35内方への突出長は適宜変更してもよい(後述の図6参照)。
そして、第1通風路a-Aを仕切る整流板381において、その下流側の端部は傾斜部45とされている。傾斜部45は、整流板381におけるフィルタ室35内に位置して、後方に向かうに従い下方へ傾斜するように形成されている。これにより、整流板381は、第1通風路a-Aを通してフィルタ室35へ向かう空気の流れを、傾斜部45により第2フィルタ面42b側へ向かわせるように偏向させる。
続いて、上記構成の作用について、図7と図8、図9と図10を夫々対比しながら説明する。説明の便宜上、図8及び図10は、整流板381〜383の効果を検証するために、本実施形態と異なり当該整流板が無いとした場合における説明図として用いるものとする。また、図7〜図10は、シミュレーションによる流体解析、具体的には、循環風路15の排気ダクト16及びフィルタダクト17における流速(m/s)の解析結果を示している。
なお、図7のシミュレーションで用いた整流板381´〜383´は、図6に示すように、夫々の下流側端部(図7の楕円で囲った部分)がフィルタ室35内方まで突出していない点でのみ、図3の整流板381〜383と相違する。図9のシミュレーションで用いた整流板391´〜393´は、これにより仕切られる通風路a-A,b-B,c-C,d-Dにおける下流側の部分A,B,C,Dの通風面積SA,SB,SC,SDが同じ(SA=SB=SC=SD)だけでなく、上流側の部分a,b,c,dの通風面積Sa,Sb,Sc,Sdも同じ(Sa=Sb=Sc=Sd)で、上流側から下流側にわたって均等に仕切る配置となるように延設されている点でのみ、図3の整流板381〜383と相違する。また、図9のシミュレーションで用いたフィルタダクト17の先端部34´は、図3の丸みを帯びた先端部34と異なり、角張った屈曲部分37´を形成するものとする。
ここで、上記のようにヒートポンプ26及びファン装置23を駆動させるとともに、ドラム10を回転させて乾燥運転を実行するとき、循環風路15内には、図1、図2等に矢印100で示した空気の流れが形成される。
このとき、図8、図10に示すように整流板が無いと、循環風路15のうち特には屈曲部分37、37´の外周側(図8の先端部34上面側や図10の先端部34´上面側)の風圧が、内周側に比して高くなる一方、その内周側の流速が速くなって、主としてフィルタ室35上部を通る、偏った風の流れが形成されることが分かる。この傾向は、循環風路15において丸みを帯びた図8の屈曲部分37と、角張った図10の屈曲部分37´とで共通して見られ、何れも屈曲部分37、37´の内周側の流速が外周側の流速に比して高く、圧力損失も一層大きくなるものと言える。圧力損失は、流速の二乗に比例するからである。また、フィルタ室35内では、主として第1フィルタ面42a上部を通る偏った風の流れが形成され、第1フィルタ面42a上部にリントが堆積することとなり、その結果圧力損失がより大きく、又、フィルタの目詰まりが生じやすくなる。
これに対し、図7の整流板381´〜383´は、屈曲部分37の上流側(排気ダクト16側)において内周側ほど通風面積を狭めるように仕切り、屈曲部分37の下流側(フィルタ室35入口35a側)で通風面積を均等に仕切るように延設されている。このため、図7と図8との対比から明らかなように、整流板381´〜383´により、屈曲部分37の内周側ほど流速を相対的に遅くして、その内周側と外周側との間で流速を均一化するように整流するとともに、フィルタ室35入口35aから第1フィルタ面42aへと偏りの無い風の流れが形成されていることが分かる。これは例えば、屈曲部分37内周側の第1通風路a-Aにおいて、入口が相対的に狭く(図4の上流側の部分a参照)、出口が相対的に広くなるため(図5の上流側の部分A参照)、その分流速を遅くする効果が表れているものと言える。これにより、フィルタ室35内では、第1フィルタ面42aに対して空気が略直交し、第1フィルタ面42a全体でリントを捕獲するように空気を偏りなく通すことができ、圧力損失も低減する。
図9の整流板391´〜393´は、屈曲部分37´の上流側から下流側にわたって通風面積を均等にしているため、整流板381´〜383´よりも内周側の流速を弱める効果が小さいものの、フィルタダクト17内の空気の流速分布が均一化されていることが分かる。また、内側の整流板381´における下流側の傾斜部45により、第1通風路a-Aを通る空気を、第2フィルタ面42b側へ偏向させている、これにより、フィルタ室35内では、第2〜第4通風路b-B〜d-Dを通る空気を第1フィルタ面42aに空気を偏りなく通すように向かわせ、第1通風路a-Aを通る空気を第2フィルタ面42bへ向かわせて、フィルタ面42a,42b全体でリントを捕獲することができるものといえる。
以上説明したように、本実施形態のフィルタ42は例えば、循環風路15内の空気の流れと交差する第1フィルタ面42aと当該空気の流れの上流側へ延びる第2フィルタ面42bとで側面L字状をなす構成とされ、整流板38は、図3に整流板381〜383として例示したように、循環風路15の屈曲部分37に対応して屈曲した形状をなすとともに、当該整流板381における下流側の端部に、第2フィルタ面42b側へ向けて傾斜した傾斜部45を有する。
これによれば、循環風路15の屈曲部分37からフィルタ42へ向かう空気が整流板381〜383によって整えられ、その流速分布の均一化を図ることができ、第1フィルタ面42a全体を通すように空気を導くことが可能となる。また、整流板381の傾斜部45により空気の向きを第2フィルタ面42bへ向かうように変化させることができるとともに、第1フィルタ面42aへリントが部分的・集中的に堆積することによる圧力損失の増大をも抑制することができる。これにより、総じて屈曲部分37及びフィルタ42における圧力損失を低減することができ、乾燥効率を向上させることができる。
前記フィルタ42が装着され、循環風路15を流れる空気が通過するフィルタ室35を備え、整流板381〜383は、屈曲部分37の上流側の位置からフィルタ室35の入口35aにわたる下流側の位置まで延設されている。
これによれば、整流板381〜383は、循環風路15において圧力損失の要因となる屈曲部分37の上流側からフィルタ室35の入口35aにわたって、整流作用を効果的に得ることができる。また、整流板381の傾斜部45によって、フィルタ室35の入口35a付近で第2フィルタ面42bへ偏向する空気の流れを形成することができる。
図8、図10で示したように、整流板がない循環風路15の屈曲部分37,37´における内側は外側よりも流速が高くなる。これに対し、本実施形態の整流板381〜383は、循環風路15内を複数に仕切る配置であって、その整流板381〜383の上流端側において屈曲部分37の内側ほど通風面積が狭まるように不均等に仕切り、その整流板381〜383の下流端側において均等に仕切る配置となるように構成されている。
これによれば、整流板381〜383により屈曲部分37、37´の内側ほど流速を抑えるように仕切ることができ、圧力損失を効果的に低減することができる。
本発明は、上記した各実施形態にのみ限定されるものではなく、洗濯乾燥機としては、少なくとも乾燥機能があれば洗濯機能がないものでもよい。
フィルタ42は、側面L字状のフィルタ体に限らず、循環風路15内の空気の流れと交差する第1フィルタ面42a側から当該空気の流れの上流側へ延びる第2フィルタ面42b側に至る全体が弓なりに湾曲した側面円弧状の曲面のフィルタ体で構成してもよい。また、フィルタ装置21は、フィルタ42ごと着脱される構成としたが、フィルタ42がフィルタ室35に対して装着可能に構成されていればよく、固定側フィルタ39も含め着脱可能に構成してもよい。
整流板は、図6の整流板381´〜383´の如く、フィルタ室35の入口35aまで延設されていればよく、当該入口35aに臨む整流板381´の下流側の端部に、第2フィルタ面42b側へ向けて傾斜した傾斜部45を設けるようにしてもよい。
循環風路15の屈曲部分は、図3や図7等に例示したように丸みを帯びた外形でも、角張った外形でもよい。
図9の整流板391´〜393´として説明したように、整流板は、必ずしも屈曲部分の内側ほど通風面積が狭まるように不均等に仕切る必要はなく、屈曲部分の上流側から下流側にわたって均等に仕切るようにしてもよい。また、整流板は、循環風路15内を複数に仕切るように構成されていればよく、整流板の個数を増減する等、適宜変更しうるものである。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、1は洗濯乾燥機(衣類乾燥機)、5は水槽(外槽)、10はドラム(回転槽)、12は排気口、13は給気口、15は循環風路、21はファン装置、27は蒸発器(除湿加熱手段)、28は凝縮器(除湿加熱手段)、35はフィルタ室、35aは入口、38,381,382,383,381´,382´,383´,383´,391´,392´,393´は整流板、42はフィルタ体(フィルタ)、42aは第1フィルタ面、42bは第2フィルタ面、45は傾斜部を示す。

Claims (3)

  1. 給気口及び排気口を有する外槽と、
    前記外槽内に回転可能に設けられる回転槽と、
    前記外槽の外側において前記給気口と前記排気口との間を連通させるように設けられた循環風路と、
    前記回転槽内の空気を前記循環風路を通して循環させるファン装置と、
    前記循環風路内を流れる空気を除湿及び加熱する除湿加熱手段と、
    前記循環風路内を流れる空気に含まれるリントを捕獲するフィルタと、
    前記循環風路の屈曲部分であって、前記フィルタの上流側に位置する屈曲部分に設けられ、前記フィルタへ向かう空気の流れを整える整流板と、を備え、
    前記フィルタは、前記循環風路内の空気の流れと交差する第1フィルタ面と当該空気の流れの上流側へ延びる第2フィルタ面とで側面L字状をなす構成とされ、或いは前記第1フィルタ面側から前記第2フィルタ面側に至る全体が弓なりに湾曲した曲面として構成され、
    前記整流板は、前記循環風路の屈曲部分に対応して屈曲した形状をなすとともに、当該整流板における下流側の端部に、前記第2フィルタ面側へ向けて傾斜した傾斜部を有する衣類乾燥機。
  2. 前記フィルタが装着され、前記循環風路を流れる空気が通過するフィルタ室を備え、
    前記整流板は、前記屈曲部分の上流側の位置から前記フィルタ室の入口にわたる下流側の位置まで延設されている請求項1記載の衣類乾燥機。
  3. 前記整流板は、前記循環風路内を複数に仕切る配置であって、その整流板の上流端側において前記屈曲部分の内側ほど通風面積が狭まるように不均等に仕切り、その整流板の下流端側において均等に仕切る配置となるように延設されている請求項1または2記載の衣類乾燥機。
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