JP2021072751A - 電動機 - Google Patents
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Abstract
【課題】エアギャップを小さくすることなく電動機の性能を向上させることができる電動機を提供する。【解決手段】電動機1は、回転軸21及び回転軸21を囲むように配置された複数の電機子巻線22を有する回転子20と、回転軸21の軸心方向に複数の電機子巻線22と対向する固定子10とを備え、回転子20は、複数の電機子巻線22の固定子10側とは反対側に配置された磁性板23を有する。【選択図】図1
Description
本開示は、電動機に関する。
電動機は、電気掃除機等の家庭用電気機器分野をはじめとして、自動車等の電装分野にも広く用いられている。例えば、二輪自動車又は四輪自動車等の車両には、ラジエータ等の冷却ファンを駆動するために電動機が用いられている。
近年、車両に用いられる車載用の電動機は、低コスト化に加えて、小型化及び軽量化が要求されている。特に、二輪自動車におけるラジエータの冷却ファンに用いられる電動機は、小型化及び軽量化が要求されている。このため、車載用の電動機としては、厚みが薄い扁平型のブラシ付きコアレスモータ(フラットモータ)が用いられている。
従来、この種の電動機として、特許文献1には、電機子巻線を有するコアレスの回転子と、略ドーナツ形状のマグネットからなる固定子と、回転軸を回転自在に保持する第1軸受け及び第2軸受けとを備える扁平型のブラシ付きコアレスモータが開示されている。
従来のフラットモータでは、第1軸受けを保持する鋼板製の第1ブラケットと第2軸受けを保持する鋼板製の第2ブラケットとで構成される筐体の中に、エアギャップを介して回転子及び固定子が配置されている。
回転子と固定子との間のエアギャップは、透磁率μが4π×10−7[H/m]の低透磁率領域である。そこで、このエアギャップを小さくすることで、電動機の性能を向上させることができる。しかしながら、回転子と固定子との間のエアギャップを小さくし過ぎると、エアギャップに異物が噛み込んで回転子ロックが発生するおそれがある。
本開示は、回転子と固定子との間のエアギャップを小さくすることなく電動機の性能を向上させることができる電動機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示に係る電動機の一態様は、回転軸及び前記回転軸を囲むように配置された複数の電機子巻線を有する回転子と、前記回転軸の軸心方向に前記複数の電機子巻線と対向する固定子とを備え、前記回転子は、前記複数の電機子巻線の前記固定子側とは反対側に配置された磁性板を有する。
本開示に係る電動機によれば、性能に優れた扁平型の電動機を実現することができる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
実施の形態に係る電動機1の全体の構成について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る電動機1の断面図である。
実施の形態に係る電動機1の全体の構成について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る電動機1の断面図である。
電動機1は、固定子10(ステータ)と、固定子10の磁力により回転する回転子20(ロータ)と、回転子20が有する回転軸21を支持する第1軸受け31及び第2軸受け32と、第1軸受け31を保持する第1ブラケット41と、第2軸受け32を保持する第2ブラケット42とを備える。なお、電動機1は、ブラシ付き電動機である。したがって電動機1は、さらに、回転子20の回転軸21に取り付けられた整流子50と、整流子50に摺接するブラシ60とを備える。
また、本実施の形態における電動機1は、直流電動機の一種であり、固定子10として磁石を用いるとともに、回転子20として電機子巻線22(回転子巻線)を有する電機子を用いている。また、電動機1は、二輪自動車又は四輪自動車等の車両に搭載される扁平型のブラシ付きコアレスモータ(フラットモータ)である。したがって、固定子10及び回転子20は、いずれもコア(鉄心)を有しておらず、電動機1は、全体として厚みが薄くて軽い構成になっている。
固定子10は、回転子20に作用する磁力を発生させる。固定子10は、電機子である回転子20とともに磁気回路を構成している。固定子10は、全体としてドーナツ状であり、周方向に沿って回転子20とのエアギャップ面にN極とS極とが交互に均等に存在するように構成されている。本実施の形態において、固定子10は、トルクを発生するための磁束を作る界磁であり、例えばマグネットによって構成されている。一例として、固定子10は、永久磁石によって構成されている。
回転子20は、回転軸21を有しており、回転軸21の軸心Cを中心として回転する。回転子20は、固定子10に作用する磁力を発生させる。本実施の形態において、回転子20が発生する主磁束の向きは、回転軸21の軸心Cの方向である。
回転子20は、固定子10とエアギャップを介して配置されている。具体的には、回転子20の表面と固定子10の表面との間には微小なエアギャップ(例えば0.5mm程度)が存在する。本実施の形態において、回転子20は、回転軸21の軸心Cの方向において固定子10と対向している。つまり、固定子10と回転子20とは、エアギャップを介して回転軸21の軸心Cの方向に並んでいる。
回転子20が有する回転軸21は、回転子20が回転する際の中心となるシャフトである。回転軸21は、例えば金属棒である。回転軸21の出力側の部位である第1部位21aは、第1軸受け31に支持されている。一方、回転軸21の反出力側の部位である第2部位21bは、第2軸受け32に支持されている。つまり、第1軸受け31及び第2軸受け32は、一対の軸受けとして、回転軸21を回転自在に支持している。一例として、第1軸受け31及び第2軸受け32は、ベアリングである。
本実施の形態において、回転軸21の出力側の端部(出力軸)は、第1ブラケット41及び第1軸受け31から突出している。回転軸21の出力側の端部には、例えば回転ファン等の負荷が取り付けられる。一方、回転軸21の反出力側の端部(反出力軸)は、第2ブラケット42及び第2軸受け32から突出していない。
なお、回転子20の詳細な構成については、後述する。
第1ブラケット41は、第1軸受け31を保持している。具体的には、第1軸受け31は、第1ブラケット41に設けられた凹部41aに固定されている。本実施の形態において、第1ブラケット41は、磁性材料によって構成されている。具体的には、第1ブラケット41は、冷間圧延鋼板(SPC材)等の鉄系材料からなる磁性材料によって構成されている。なお、第1ブラケット41の材質は、鉄系材料の磁性材料に限るものではなく、フェライト、ニッケル又はコバール等の鉄系以外の磁性材料であってもよい。また、第1ブラケット41の材質は、磁性材料に限るものではなく、アルミニウム等の非磁性材料の金属材料であってもよい。なお、第1ブラケット41の材質は、金属材料に限るものではなく、第2ブラケット42と同様に、樹脂材料であってもよい。
第1ブラケット41が金属材料によって構成されている場合、第1ブラケット41は、金属板に曲げ加工を施すことで所定の形状に形成することができる。本実施の形態において、第1ブラケット41は、冷間圧延鋼板によって構成されており、この冷間圧延鋼板に曲げ加工を施すことで、鍔を有する薄い有底筒状のケース(つまりハット状)となるように形成されている。このとき、有底筒状のケースの底部に、第1軸受け31が収納される凹部41aも形成される。
第2ブラケット42は、第2軸受け32を保持している。具体的には、第2軸受け32は、第2ブラケット42に設けられた凹部42aに固定されている。本実施の形態において、第2ブラケット42は、樹脂材料によって構成されている。具体的には、第2ブラケット42は、絶縁性の樹脂材料を用いて一体に成形されている。一例として、第2ブラケット42は、ABS樹脂又はPBT樹脂等によって構成されている。また、本実施の形態において、第2ブラケット42は、第1ブラケット41よりも幅広の鍔を有する薄い有底筒状のケース(つまりハット状)となるように形成されている。なお、第2ブラケット42は、樹脂材料に限るものではなく、第1ブラケット41と同様に、金属材料によって構成されていてもよい。
本実施の形態における電動機1は、第1ブラケット41と第2ブラケット42とで筐体が構成されている。具体的には、第1ブラケット41と第2ブラケット42とは、電動機1の外郭をなす外郭筐体を構成している。そして、この外郭筐体の中に固定子10と回転子20とが配置されている。
整流子50は、回転軸21に取り付けられている。したがって、整流子50は、回転軸21とともに回転する。本実施の形態において、整流子50は、回転子20の第2軸受け32側に設けられている。整流子50は、回転軸21を囲むように円環状に配列された複数の整流子片51を有する。複数の整流子片51は、回転軸21の回転方向に互いに絶縁分離されている。複数の整流子片51の各々は、電機子巻線22と電気的に接続されている。
整流子50には、ブラシ60が接触する。具体的には、ブラシ60は、整流子50が有する複数の整流子片51の各々と接触する。ブラシ60は、回転子20が有する電機子巻線22に電力を供給するための給電ブラシである。ブラシ60が整流子片51に接触することで、電源端子を介してブラシ60に供給される電機子電流が、整流子片51を介して電機子巻線22に流れる。一例として、ブラシ60は、カーボンによって構成された導電性を有するカーボンブラシであり、長尺状の略直方体である。
本実施の形態において、ブラシ60は、一対設けられている。一対のブラシ60は、整流子50を挟持するように対向して配置されている。ブラシ60は、トーションバネ等のブラシバネからの押圧力を受けて整流子50(整流子片51)に摺接するとともに整流子50との摩耗により回転軸21の軸心Cに向かう方向(径方向)に移動可能に配置されている。なお、図示しないが、ブラシ60は、例えば第2ブラケット42に保持されたブラシ箱に収納されている。
以上のように構成される電動機1では、ブラシ60に供給される電流が電機子電流(駆動電流)として整流子50を介して回転子20の電機子巻線22に流れることで、回転子20(電機子巻線22)に磁束が発生する。そして、この回転子20に生じた磁束と固定子10から生じる磁束との相互作用によって生成された磁気力が回転子20を回転させるトルクとなる。このとき、整流子片51とブラシ60とが接する際の位置関係によって電流が流れる方向が切り替えられる。このように、電流が流れる方向が切り替えられることで、固定子10と回転子20との間に発生する磁力の反発力と吸引力とで一定方向の回転力が生成され、回転子20が回転軸21を中心として回転する。
次に、回転子20の詳細な構成について、図1を参照しつつ、図2〜図6を用いて詳細に説明する。図2は、実施の形態に係る電動機1に用いられる回転子20を出力側から見たときの斜視図である。図3は、同回転子20を反出力側から見たときの斜視図である。図4は、モールド樹脂24を除外してみたときの同回転子20の斜視図である。図5は、モールド樹脂24を除外してみたときの同回転子20の上面図である。図6は、同回転子20の分解斜視図である。
図1〜図6に示すように、回転子20は、回転軸21と、複数の電機子巻線22と、磁性板23と、モールド樹脂24とを有する。
図2、図4及び図5に示すように、複数の電機子巻線22は、回転軸21を囲むように配置されている。具体的には、複数の電機子巻線22は、平面視において、回転軸21の回転方向に沿って円環状に配置されている。本実施の形態では、11個の電機子巻線22が配置されている。
複数の電機子巻線22の各々は、導電線が平面状に巻回されたコイル層を有する薄形の巻線コイルである。複数の電機子巻線22のうちのいくつかは、均圧線(渡り線)によって互いに接続されていてもよい。また、各電機子巻線22は、整流子50が有する整流子片51と電気的に接続されている。この場合、各電機子巻線22は、均圧線によって整流子片51と接続されている。なお、均圧線は、電機子巻線22のコイル層(本巻線)と一体に構成されている。つまり、均圧線と電機子巻線22とは、途中でカットされることなく連続する1本の導電線である。この場合、均圧線は、1本の導電線のうち、2つの電機子巻線22同士を接続する部分(渡り線)の一部であってもよいし、電機子巻線22を巻き始める前の部分であってもよいし、電機子巻線22を巻き終わった後の部分であってもよい。
各電機子巻線22を構成する導電線は、銅線等の芯線と芯線を被膜する絶縁膜とを有する電線である。本実施の形態において、各電機子巻線22は、導電線が同一平面上に略扇状の四角形に巻回されたコイル層によって構成されている。具体的には、各電機子巻線22は、1層又は複数層のコイル層によって構成されている。本実施の形態において、各電機子巻線22は、1層のコイル層のみからなる単コイルである。
また、各電機子巻線22を構成する導電線は、自己融着線であってもよい。この場合、コイル層として所定形状に巻回した自己融着線を加熱して融着被膜を溶融させることで、自己融着した融着被膜によって一体化した各電機子巻線22を形成することができる。この場合、自己融着した融着被膜は、絶縁性を有する絶縁層となる。なお、自己融着線を加熱する場合、プレスしつつ加熱するとよい。
複数の電機子巻線22の各々は、電流が流れることで固定子10に作用する磁力を発生するように巻回されている。各電機子巻線22が発生する主磁束の向きは、回転軸21の軸心Cの方向である。具体的には、複数の電機子巻線22は、コイル開口部22aが回転軸21の軸心Cの方向を向くように平面状に配列されている。したがって、図1に示すように、複数の電機子巻線22は、回転軸21の軸心Cの方向にエアギャップを介して固定子10と対向するように配置されている。つまり、固定子10は、回転軸21の軸心Cの方向に複数の電機子巻線22と対向している。図5及び図6に示すように、本実施の形態において、複数の電機子巻線22は、平面視において、隣り合う2つの電機子巻線22のコイル開口部22a同士が重なるように配置されている。つまり、隣り合う2つの電機子巻線22は、互いのコイル開口部22aがオーバーラップしている。また、図4に示すように、複数の電機子巻線22は、回転軸21の周方向の同じ側の部分が順に重なるようにして配置されている。
図1及び図4に示すように、複数の電機子巻線22の各々は、磁性板23に対面している。磁性板23は、複数の電機子巻線22の固定子10側とは反対側に配置されている。磁性板23は、磁性材料によって構成された薄板である。磁性板23は、透磁率の高い材料によって構成されているとよい。本実施の形態において、磁性板23は、例えば冷間圧延鋼板(SPC材)等の鉄系材料によって構成されているが、これに限らない。また、磁性板23の外形の平面視形状は、円形である。具体的には、磁性板23は、ドーナツ状の円板である。
図1及び図2に示すように、磁性板23と複数の電機子巻線22とは、モールド樹脂24によって一体に成形されている。モールド樹脂24は、例えばフェノール樹脂又は不飽和ポリエステル(BMC)等の絶縁性の熱硬化性樹脂によって構成されている。この場合、磁性板23と複数の電機子巻線22とを回転軸21とともに液状の熱硬化性樹脂によってモールドして、その後熱硬化性樹脂を固化させることによって樹脂モールドされた回転子20を成形することができる。
本実施の形態において、成型後のモールド樹脂24の外形の平面視形状は、円形である。また、図1及び図2に示すように、平面視において、モールド樹脂24の直径は、円形の磁性板23の直径よりも小さい。つまり、磁性板23の直径は、モールド樹脂24の直径よりも大きい。
また、図1〜図3に示すように、磁性板23は、複数の電機子巻線22の位置を規制する複数の突起23aを有する。突起23aは、回転子20を組み立てる際に電機子巻線22の位置合わせ用のガイドとして機能する。具体的には、各突起23aは、隣り合う2つの電機子巻線22のコイル開口部22a同士が重なった部分である重なり部22a1に位置している。突起23aは、例えば、バーリング加工を応用したプレス加工を磁性板23に施すことで形成することができる。本実施の形態において、複数の突起23aの数は、複数の電機子巻線22と同じ数である。
次に、本実施の形態に係る電動機1の特徴について、本開示に至った経緯を含めて、図7の比較例の電動機1Xと比較して説明する。図7は、比較例の電動機1Xの断面図である。
図7に示される電動機1Xは、第1軸受け31を保持する鋼板製の第1ブラケット41と第2軸受け32を保持する鋼板製の第2ブラケット42Xとの2つの磁性材料部品で構成された筐体の中に、エアギャップを介して回転子20X及び固定子10が配置されている。また、図7の電動機1Xでは、さらに、第2ブラケット42Xを外側から覆うように樹脂カバー43Xが設けられている。
一般的に、電動機では、回転子と固定子との間のエアギャップを小さくすることで、電動機の性能を向上させることができるが、エアギャップを小さくし過ぎると、エアギャップに異物が噛み込んで回転子ロックが発生するおそれがある。
そこで、本発明者は、図7に示される電動機1Xについて、回転子20Xと固定子10とのエアギャップを小さくすることなく電動機1Xの性能を向上させることを検討した。その結果、図7の電動機1Xにおける鋼板製の第2ブラケット42Xを回転子20Xの一部として利用することで、電動機の性能を向上させることができるのではないかという知見を得た。
本発明者は、この知見をもとにさらに鋭意検討した結果、図7の電動機1Xにおける鋼板製の第2ブラケット42Xに曲げ加工を施すことなく第2ブラケット42Xをドーナツ状の平板とし、これを電機子である回転子20Xと一体化するという着想を得た。
この着想をもとにして、図1に示される構成の電動機1が得られた。具体的には、本実施の形態に係る電動機1は、回転軸21と、回転軸21を囲むように配置された複数の電機子巻線22と、複数の電機子巻線22の固定子10側とは反対側に配置された磁性板23とを有する回転子20と、回転軸21の軸心Cの方向に複数の電機子巻線22と対向する固定子10とを備えている。
この構成により、厚みが薄い外郭形状を維持しつつ、電動機としての性能を向上させることができる。つまり、性能に優れた扁平型の電動機を実現することができる。
具体的には、図7の電動機1Xでは、鋼板製の第2ブラケット42Xが回転子20Xのバックヨークとして機能しているものの、回転子20Xと第2ブラケット42Xとの間にはエアギャップが存在している。これに対して、本実施の形態における電動機1では、回転子20そのものがバックヨークとして磁性板23を備えているので、図7の電動機1Xのように回転子20Xの電機子巻線22と第2ブラケット42X(バックヨーク)との間にはエアギャップが存在せず、電機子巻線22と磁性板23(バックヨーク)との距離を限りなくゼロに近づけることができる。したがって、本実施の形態における電動機1は、図7の電動機1Xと比べて、トルク定数を高めることができるので、電動機の性能を向上させることができる。なお、本発明者らの実験結果によれば、図1に示される構成の電動機1は、図7に示される構成の電動機1Xに比べて、トルク定数が約11%向上した。
しかも、本実施の形態における電動機1は、図7の電動機1Xと同様に、回転軸21の軸心Cの方向に複数の電機子巻線22と固定子10とが並べられている。つまり、電機子巻線22及び固定子10の主磁束の方向は、回転軸21のスラスト方向となっている。これにより、図7の電動機1Xと同様に、厚みが薄い外郭形状を有する扁平型の電動機1を維持することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る電動機1によれば、性能に優れた扁平型の電動機1を実現することができる。
特に、本実施の形態における電動機1における回転子20は、コアを有していないコアレスの電機子であるが、磁性板23を回転子20に組み込むことで、電動機の性能を向上させることができる。
また、本実施の形態における電動機1において、複数の電機子巻線22の各々は、導電線が平面状に巻回された巻線コイルであって、磁性板23に対面している。
この構成により、さらに全体の厚みを薄くすることができるので、より薄型の電動機1を実現することができる。
また、本実施の形態における電動機1において、磁性板23は、鉄系材料によって構成されている。
この構成により、低コストで磁性板23の透磁率を高くすることができるので、より性能に優れた扁平型の電動機1を低コストで作製することができる。
また、本実施の形態における電動機1において、磁性板23は、複数の電機子巻線22の位置を規制する複数の突起23aを有する。
図7の電動機1Xにおける回転子20Xの組立工程では、位置決めピン等の治具を用いて複数の電機子巻線22を所定の位置に整列させているので、作業が煩雑であり、回転子20Xの組立時の作業効率が悪くなる。しかも、位置決めピンを用いた作業方法では、電機子巻線22の位置精度が低くなり、所望の電動機の性能を得ることができない場合がある。これに対して、本実施の形態における電動機1では、位置決めピンの代替え手段として、磁性板23に複数の電機子巻線22の位置を規制する複数の突起23aが設けられている。これにより、回転子20に組み込んだ磁性板23を利用して複数の電機子巻線22の位置合わせをすることができるので、回転子20の組立時の作業効率が向上するとともに、電機子巻線22の位置精度が向上する。したがって、電動機1の低コスト化及び性能の安定化を図ることができる。
また、本実施の形態における電動機1において、複数の電機子巻線22は、平面視において、隣り合う2つの電機子巻線22のコイル開口部22a同士が重なるように配置されており、磁性板23の突起23aは、隣り合う2つの電機子巻線22のコイル開口部22a同士が重なった部分である重なり部22a1に位置している。
この構成により、電機子巻線22の位置合わせをさらに容易に行うことができる。しかも、隣り合う2つの電機子巻線22のコイル開口部22a同士が重なった部分である重なり部22a1に、磁性材料からなる突起23aが挿入されることで、各電機子巻線22の2の有効磁束が増加するので、トルク定数をさらに向上させることができる。したがって、さらに性能に優れた扁平型の電動機1を実現することができる。
また、本実施の形態における電動機1において、磁性板23及び複数の電機子巻線22は、モールド樹脂24によって一体に成形されている。
この構成により、回転子20の組み立てを容易に行うことができるとともに、低コストで回転子20を作製することができる。
また、本実施の形態における電動機1において、磁性板23及びモールド樹脂24は、平面視形状が円形であり、磁性板23の直径は、モールド樹脂24の直径よりも大きい。
このように、成型後のモールド樹脂24の直径よりも磁性板23の直径を大きく設定しておくことで、電動機1の性能に影響を与えることなく、回転子20の重量バランスの調整を行うことができる。具体的には、磁性板23よりも外方に突出したモールド樹脂24の外周部の一部を削ることで、回転子20の重量バランスの調整(マイナスバランス調整)を行うことができる。
また、本実施の形態に係る電動機1は、第1軸受け31を保持する磁性材料からなる第1ブラケット41と、第2軸受け32を保持する樹脂材料からなる第2ブラケット42とを備える。
この構成により、図7の電動機1Xにおいてバックヨークとなる第2ブラケット42Xを回転子に組み込んだとしても、樹脂製の第2ブラケット42Xによって第2軸受け32を保持することができる。
しかも、図7の電動機1Xのように樹脂カバー43Xを別途設ける必要がなくなるので、図7の電動機1Xにおける第2ブラケット42Xに設けられた第2軸受け32を収納する凹部の底部分(底部の厚み部分)を無くすことができる。したがって、本実施の形態における電動機1は、図7の電動機1Xと比べて、性能に優れているだけではなく、厚みを薄くることができる。
なお、本実施の形態における電動機1において、固定子10は、磁石である。
これにより、低コスト及び小型の電動機1を容易に実現することができる。
(変形例)
以上、本開示に係る電動機について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
以上、本開示に係る電動機について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態において、磁性板23は、一枚の板であったが、これに限らない。具体的には、磁性板23は、分割された複数の磁性片によって構成されていてもよい。ただし、磁性板23を一枚の板で構成した方が電動機1の性能の個体バラツキを抑制することができる。
また、上記実施の形態において、電動機1は、扁平型のブラシ付きコアレスモータであったが、これに限らない。例えば、電動機1は、ブラシレスモータであってもよいし、固定子10及び回転子20の一方又は両方がコアを有するモータであってもよい。
また、上記実施の形態において、固定子10は、磁石によって構成されていたが、これに限らない。例えば、固定子10は、固定子巻線と固定子コアとによって構成されていてもよい。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
本開示の技術は、自動車等の電装分野及び家庭用電気機器分野の製品をはじめとして、電動機が搭載される種々の製品に広く利用することができる。
1、1X 電動機
10 固定子
20、20X 回転子
21 回転軸
21a 第1部位
21b 第2部位
22 電機子巻線
22a コイル開口部
22a1 重なり部
23 磁性板
23a 突起
24 モールド樹脂
31 第1軸受け
32 第2軸受け
41 第1ブラケット
41a、42a 凹部
42、42X 第2ブラケット
43X 樹脂カバー
50 整流子
51 整流子片
60 ブラシ
10 固定子
20、20X 回転子
21 回転軸
21a 第1部位
21b 第2部位
22 電機子巻線
22a コイル開口部
22a1 重なり部
23 磁性板
23a 突起
24 モールド樹脂
31 第1軸受け
32 第2軸受け
41 第1ブラケット
41a、42a 凹部
42、42X 第2ブラケット
43X 樹脂カバー
50 整流子
51 整流子片
60 ブラシ
Claims (11)
- 回転軸及び前記回転軸を囲むように配置された複数の電機子巻線を有する回転子と、
前記回転軸の軸心方向に前記複数の電機子巻線と対向する固定子とを備え、
前記回転子は、前記複数の電機子巻線の前記固定子側とは反対側に配置された磁性板を有する、
電動機。 - 前記複数の電機子巻線の各々は、導電線が平面状に巻回された巻線コイルであって、前記磁性板に対面している、
請求項1に記載の電動機。 - 前記磁性板は、前記複数の電機子巻線の位置を規制する複数の突起を有する、
請求項1又は2に記載の電動機。 - 前記複数の電機子巻線は、平面視において、隣り合う2つの電機子巻線のコイル開口部同士が重なるように配置されている、
請求項2に記載の電動機。 - 前記磁性板は、前記隣り合う2つの電機子巻線のコイル開口部同士が重なった部分に位置する突起を有する、
請求項4に記載の電動機。 - 前記磁性板及び前記複数の電機子巻線は、モールド樹脂によって一体に成形されている、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動機。 - 前記磁性板及びモールド樹脂の外形の平面視形状は、円形であり、
前記磁性板の直径は、前記モールド樹脂の直径よりも大きい、
請求項6に記載の電動機。 - 前記磁性板は、鉄系材料によって構成されている、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の電動機。 - 前記回転軸の出力側の部位を支持する第1軸受けと、
前記回転軸の反出力側の部位を支持する第2軸受けと、
前記第1軸受けを保持する磁性材料からなる第1ブラケットと、
前記第2軸受けを保持する樹脂材料からなる第2ブラケットと、を備える、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の電動機。 - 前記回転子は、コアを有していない、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の電動機。 - 前記固定子は、磁石である、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の電動機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019199860A JP2021072751A (ja) | 2019-11-01 | 2019-11-01 | 電動機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019199860A JP2021072751A (ja) | 2019-11-01 | 2019-11-01 | 電動機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021072751A true JP2021072751A (ja) | 2021-05-06 |
Family
ID=75713866
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019199860A Pending JP2021072751A (ja) | 2019-11-01 | 2019-11-01 | 電動機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021072751A (ja) |
-
2019
- 2019-11-01 JP JP2019199860A patent/JP2021072751A/ja active Pending
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