JP2021072385A - 炭素−銅焼結複合部材、及び、炭素−銅焼結複合部材の製造方法 - Google Patents

炭素−銅焼結複合部材、及び、炭素−銅焼結複合部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】比強度に優れ、熱伝導部材として特に適した炭素−銅焼結複合部材、及び、この炭素−銅焼結複合部材の製造方法を提供する。【解決手段】炭素質相21と、この炭素質相21からなるマトリックス内に分散された銅又は銅合金からなる銅相22と、を有する炭素−銅焼結複合部材20であって、焼結時の加圧方向に沿った断面において、銅相22の最大長Lmaxとその対角幅LWとの比Lmax/LWで定義される針状比の平均が2.0以上5.0以下の範囲内とされ、銅相22の面積率が5%以上35%以下の範囲内であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

この発明は、例えば、比強度及び熱伝導性に優れた炭素−銅焼結複合部材、及び、この炭素−銅焼結複合部材の製造方法に関するものである。
例えば、パワーモジュール及びLEDモジュール等のように、発熱体(パワー半導体素子及びLED素子)を搭載する各種装置においては、発熱体から発生した熱を効率良く放熱するためにヒートスプレッダやヒートシンク、及びそれらを利用した放熱システムを備えており、これらの発熱体(素子、及び、素子を搭載した基板等)とヒートスプレッダやヒートシンク、及びそれらを利用した放熱システムとの間に、熱伝導板が配設されることがある。
従来、上述の熱伝導板としては、銅やアルミニウム等の熱伝導性に優れた金属部材が用いられていたが、近年では、より熱拡散性に優れた炭素質部材が注目されている。
例えば、特許文献1には、黒鉛/グラフェン複合材が開示されている。しかしながら、この黒鉛/グラフェン複合材等の炭素質部材においては、熱伝導性に優れているものの機械的強度が低く、従来の金属部材の代替として適用することが困難であった。
そこで、特許文献2には、金属と黒鉛の複合材料が提案されている。この特許文献2においては、20〜80体積%の鱗状黒鉛粉末と、銅、アルミニウムまたはそれらの合金からなる群から選択されるマトリックスと、を含むものとされている。また、炭素繊維またはカーボンナノファイバーを含有することでさらなる強度向上を図っている。
再公表WO2018/074493号公報 再公表WO2009/051094号公報
ところで、上述の特許文献2に記載された金属と黒鉛の複合材料においては、金属のマトリックスに黒鉛粉末が分散した組織となっており、金属の割合が多く、複合材としての比重が大きくなり、重量が増加してしまう。上述のヒートスプレッダやヒートシンク、及びそれらを利用した放熱システム等においては、軽量化が要求されており、これらに搭載する熱伝導板等に適用することが困難であった。一方、金属の割合を減少させた場合には、強度を確保できなくなるおそれがあった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、比強度に優れ、熱伝導部材として特に適した炭素−銅焼結複合部材、及び、この炭素−銅焼結複合部材の製造方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明の炭素−銅焼結複合部材は、炭素質相と、この炭素質相からなるマトリックス内に分散された銅又は銅合金からなる銅相と、を有する炭素−銅焼結複合部材であって、焼結時の加圧方向に沿った断面において、前記銅相の最大長Lmaxとその対角幅Lとの比Lmax/Lで定義される針状比の平均が2.0以上5.0以下の範囲内とされ、前記銅相の面積率が5%以上35%以下の範囲内であることを特徴としている。
この構成の炭素−銅焼結複合部材においては、炭素質相からなるマトリックス内に分散された前記銅相の面積率が5%以上35%以下の範囲内とされているので、比重が必要以上に大きくなることなく強度を十分に向上させることができ、比強度の向上を図ることが可能となる。
そして、前記銅相の最大長Lmaxとその対角幅Lとの比Lmax/Lで定義される針状比の平均が2.0以上5.0以下の範囲内とされているので、銅相によって強度を十分に向上させることができるとともに、成形時のクラックの発生を抑制できる。
ここで、本発明の炭素−銅焼結複合部材においては、前記炭素質相は、グラフェンを含有することが好ましい。
この場合、炭素質相がグラフェンを含有しているので、特定の面方向における熱伝導性をさらに向上させることが可能となり、熱伝導性にさらに優れた炭素−銅焼結複合部材を得ることができる。
本発明の炭素−銅焼結複合部材の製造方法は、上述の炭素−銅焼結部材を製造する炭素−銅焼結複合部材の製造方法であって、炭素質粉と扁平銅粉と混合した混合粉末を得る混合粉末形成工程と、この混合粉末を加圧して成形体を得る成形工程と、得られた前記成形体を非酸化雰囲気で焼結する焼結工程と、を有し、前記混合粉末形成工程では、前記混合粉末中における前記扁平銅粉の割合を5体積%以上20体積%以下の範囲内とし、前記焼結工程では、前記成形体の焼結温度を500℃以上1080℃以下の範囲内とすることを特徴としている。
この構成の炭素−銅焼結複合部材の製造方法によれば、前記混合粉末形成工程において、前記混合粉末中における前記扁平銅粉の割合を5体積%以上20体積%以下の範囲内としているので、比重が必要以上に大きくなることなく強度を十分に向上させることができ、比強度の向上を図ることができる。
そして、前記焼結工程において、前記成形体の焼結温度を500℃以上1080℃以下の範囲内としているので、扁平銅粉同士の焼結を促進させて強度を十分に向上させることができるとともに、扁平銅粉の溶融を抑制することができる。
ここで、本発明の炭素−銅焼結複合部材の製造方法においては、前記扁平銅粉のかさ密度が0.5g/cm以上2.0g/cm以下の範囲内であることが好ましい。
この場合、前記扁平銅粉のかさ密度が0.5g/cm以上2.0g/cm以下の範囲内とされているので、炭素部材粉との比重差が比較的小さく、均一に混合することができるとともに、成形体におけるクラックの発生を抑制することができる。
本発明によれば、比強度に優れ、熱伝導部材として特に適した炭素−銅焼結複合部材、及び、この炭素−銅焼結複合部材の製造方法を提供することが可能となる。
本発明の実施形態である炭素−銅焼結複合部材の概略説明図である。 本発明の実施形態である炭素−銅焼結複合部材の製造方法を示すフロー図である。 本発明の実施形態である炭素−銅焼結複合部材の製造方法において使用される炭素質粉(グラフェン粉)の観察写真である。 本発明の実施形態である炭素−銅焼結複合部材の製造方法において使用される扁平銅粉の観察写真である。
以下に、本発明の実施形態について添付した図面を参照して説明する。なお、以下に示す各実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
まず、図1から図4を参照して本発明の実施形態である炭素−銅焼結複合部材について説明する。
本実施形態である炭素−銅焼結複合部材20は、図1に示すように、炭素質相21と、この炭素質相21からなるマトリックス内に分散された銅又は銅合金からなる銅相22と、を有しており、焼結時の加圧方向に沿った断面において、銅相22の最大長Lmaxとその対角幅Lとの比Lmax/Lで定義される針状比の平均が2.0以上5.0以下の範囲内とされ、銅相22の面積率が5%以上35%以下の範囲内とされている。
炭素質相21は、黒鉛、グラファイト、グラフェン、カーボンファイバー等の各種炭素質材料で構成されたものとされている。
本実施形態においては、炭素質相21は、単層又は多層のグラフェンが堆積してなるグラフェン集合体もしくは扁平形状の黒鉛粒子からなる炭素質材料とされている。
銅相22は、銅又は銅合金で構成されており、本実施形態では、純度99.9mass%以上の純銅で構成されたものとされている。この銅相22は、後述するように、扁平銅粉が互いに焼結することによって形成されたものとされている。
そして、銅相22が炭素質相21のマトリックス内に分散することにより、炭素−銅焼結複合部材20の強度向上が図られている。
以下に、焼結時の加圧方向に沿った断面における銅相22の最大長Lmaxとその対角幅Lとの比Lmax/Lで定義される針状比、及び、銅相22の面積率を上述のように規定した理由について説明する。
(銅相の針状比)
焼結時の加圧方向に沿った断面における銅相22の針状比が2.0未満である場合には、銅相22同士が焼結によって結合されておらず、強度向上の効果を十分に得ることができないおそれがある。一方、銅相22の針状比が5.0を超える場合には、焼結時に用いる扁平銅粉のアスペクト比を大きくする必要があり、炭素−銅の混合粉末の成形工程においてプレス成形時の弾性変形(スプリングバック)が大きくなり、成形体にクラックが生じるおそれがあった。
以上のことから、本実施形態では、焼結時の加圧方向に沿った断面における銅相22の針状比を2.0以上5.0以下の範囲内とした。
ここで、銅相22の針状比の下限は2.2以上とすることが好ましく、2.4以上とすることがさらに好ましい。一方、銅相22の針状比の上限は4.0以下とすることが好ましく、3.0以下とすることがさらに好ましい。
(銅相の面積率)
焼結時の加圧方向に沿った断面における銅相22の面積率が5%未満である場合には、銅相22による強度向上の効果を十分に得ることができないおそれがある。一方、銅相22の面積率が35%を超える場合には、重量が増加して比強度が低下し、高強度化と軽量化の両立が不十分となるおそれがある。
以上のことから、本実施形態では、焼結時の加圧方向に沿った断面における銅相22の面積率を5%以上35%未満の範囲内とした。なお、この面積率を体積%で換算すると、銅相22は5体積%以上20体積%未満の範囲内となる。
ここで、銅相22の面積率の下限は8.0%以上とすることが好ましく、10.0%以上とすることがさらに好ましい。一方、銅相22の面積率の上限は25%以下とすることが好ましく、20%以下とすることがさらに好ましい。
次に、本実施形態である炭素−銅焼結複合部材の製造方法について、図2に示すフロー図を参照して説明する。
(混合粉末形成工程S01)
まず、炭素質粉と扁平銅粉と混合して混合粉末を得る。混合方法に特に制限はなく、各種混合方法を適宜選択して用いることができる。
そして、この混合粉末形成工程S01においては、混合粉末中における扁平銅粉の割合を5体積%以上20体積%以下の範囲内とする。
なお、混合粉末中における扁平銅粉の割合の下限は6.0体積%以上とすることが好ましく、7.5体積%以上とすることがさらに好ましい。一方、混合粉末中における扁平銅粉の割合の上限は17.5体積%以下とすることが好ましく、15体積%以下とすることがさらに好ましい。
ここで、図3に、本実施形態で用いるグラフェン粉の観察結果を示す。また、図4に、本実施形態で用いる扁平銅粉の観察結果を示す。
なお、炭素質粉としては、特に限定はなく、黒鉛粉、グラフェン粉、カーボンファイバー等を適宜選択することができる。
扁平銅粉は、銅又は銅合金からなり、図4に示すように、銅粒子が一方向に潰された形状とされている。
ここで、本実施形態においては、扁平銅粉のかさ密度は0.5g/cm以上2.0g/cm以下の範囲内であることが好ましい。扁平銅粉のかさ密度を0.5g/cm以上とすることにより、扁平銅粉を製造するためプレス成形時の弾性変形(スプリングバック)が大きくなることをさらに抑制することができる。一方、扁平銅粉のかさ密度を2.0g/cm以下とすることにより、炭素質粉との比重差を小さくすることができ、炭素質粉と扁平銅粉とをさらに均一に混合することが可能となる。
なお、扁平銅粉のかさ密度の下限は0.6g/cm以上であることがさらに好ましく、0.7g/cm以上であることがより好ましい。一方、扁平銅粉のかさ密度の上限は1.75g/cm以下であることがさらに好ましく、1.5g/cm以下であることがより好ましい。
(成形工程S02)
次に、上述の混合粉末を成形型に充填し、これを一軸加圧して成形体を得る。
なお、成形工程S02における加圧荷重の下限は200MPa以上とすることが好ましく、250MPa以上とすることがさらに好ましい。一方、成形工程S02における加圧荷重の上限は700MPa以下とすることが好ましく、600MPa以下とすることがさらに好ましい。
(焼結工程S03)
次に、得られた成形体を、非酸化雰囲気(真空雰囲気、不活性雰囲気、還元性雰囲気)で焼結する。
ここで、焼結工程S03における焼結温度は500℃以上1080℃以下の範囲内とすることが好ましい。焼結温度を500℃以上とすることにより、扁平銅粉同士の焼結を促進することが可能となる。一方、焼結温度を1080℃以下とすることにより、焼結時における扁平銅粉の溶融を抑制することができる。
なお、焼結工程S03における焼結温度の下限は550℃以上とすることがさらに好ましく、600℃以上とすることがより好ましい。一方、焼結工程S03における焼結温度の上限は1050℃以下とすることがさらに好ましく、1000℃以下とすることがより好ましい。
上述した各種工程により、本実施形態である炭素−銅焼結複合部材20が製造されることになる。
以上のような構成とされた本実施形態の炭素−銅焼結複合部材20においては、炭素質相21からなるマトリックス内に分散された銅相22の面積率が5%以上35%以下の範囲内とされているので、比重が必要以上に大きくなることなく強度を十分に向上させることができ、比強度を高くすることができ、高強度化と軽量化の両立を図ることが可能となる。
そして、銅相22の最大長Lmaxとその対角幅Lとの比Lmax/Lで定義される針状比の平均が2.0以上5.0以下の範囲内とされているので、銅相22によって強度を十分に向上させることができるとともに、内部でのクラックの発生を抑制できる。
また、本実施形態において、炭素質相21がグラフェンを含有する場合には、特定の面方向における熱伝導性をさらに向上させることが可能となり、熱伝導性にさらに優れた炭素−銅焼結複合部材20を構成することが可能となる。
本実施形態の炭素−銅焼結複合部材の製造方法においては、炭素質粉と扁平銅粉と混合した混合粉末を得る混合粉末形成工程S01と、この混合粉末を加圧して成形体を得る成形工程S02と、得られた成形体を非酸化雰囲気で焼結する焼結工程S03と、を有しており、混合粉末形成工程S01において、混合粉末中における扁平銅粉の割合を5体積%以上20体積%以下の範囲内としているので、比重が必要以上に大きくなることなく強度を十分に向上させることができ、比強度を向上させることができる。
また、焼結工程S03において、成形体の焼結温度を500℃以上1080℃以下の範囲内としているので、扁平銅粉同士の焼結を促進させて強度を十分に向上させることができるとともに、扁平銅粉の溶融を抑制することができる。
また、本実施形態において、扁平銅粉のかさ密度を0.5g/cm以上2.0g/cm以下の範囲内とした場合には、炭素質粉との比重差が比較的小さくなり、炭素質粉と扁平銅粉とを均一に混合することができるとともに、成形体におけるクラックの発生を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明の有効性を確認するために行った確認実験について説明する。
炭素質粉としてグラフェン粉(Zhengzhou Materials Genome Institute Co. LTD製、CP1002)、及び、鱗片状黒鉛粉(中越黒鉛工業所製CPS−6S)を準備した。また、銅粉として扁平銅粉(福田金属箔粉工業社製MS−800もしくはE−3)及び電解銅粉を準備した。なお、銅粉は、必要に応じてふるい分けを実施し、狙いのかさ密度となるように調整を行った。かさ密度の測定は、ホソカワミクロン社製パウダテスターPT−Xを用いて、原料のゆるみかさ密度を測定した。かさ密度の算出においては3回の測定の単純平均値を用いた。
これらの原料を、銅粉が表1に示す体積比となるように、かつ、合計で50gとなるように秤量し、ターブラシェーカーミキサー(Willy A. Bachofen社製 T2F)にて、10分間混合し、混合粉末を得た。
得られた混合粉末を、外径18mm、内径8mmのリング状の金型に、成形後高さが5mm程度となるよう充填し、成形圧力500MPaにて油圧プレスを用いて単軸圧縮により成形体を作成した。この時、スプリングバックによる割れを防止するため、金型に離型剤を塗布した。
そして、得られた成形体を、表1に示す雰囲気及び焼結温度、焼結時間にて焼結し、炭素−銅焼結複合部材を得た。
得られた成形体、及び、炭素−銅焼結複合部材について、以下の項目について評価を実施した。
(炭素−銅焼結複合部材における銅相の面積率/針状比)
得られた炭素−銅焼結複合部材から観察試料を採取し、プレス圧縮方向に対して垂直方向の断面をSEMにより撮影し、断面写真を、画像解析ソフトウェアWinROOFを用いて炭素質相内の銅相を特定し、銅相の面積率を算出するとともに、銅相の形状解析を行った。形状は、針状比(分散している銅組織の最大長/対角幅の比率)の50%累積値を平均値として評価した。評価結果を表2に示す。
(成型体/炭素−銅焼結複合部材の強度)
リング状の成形体及び炭素−銅焼結複合部材について、JIS Z 2507に準拠し、破壊荷重(N)及び断面積(mm)から圧環強さ(N/mm)を測定した。圧環強さの算出においてはサンプル5個の単純平均値を用いた。評価結果を表2に示す。
(成型体/炭素−銅焼結複合部材の密度)
成形体及び炭素−銅焼結複合部材の密度ρ(g/cm)は、重量w(g)、リング内径Di(cm)、リング外径D(cm)及びリング高さH(cm)を用いて下記の式から算出した。なおリング内径Di、リング外径D及びリング高さHはマイクロメータを用いて4カ所測定した値の単純平均値を用いた。
ρ=w/((D−Di)×π/4×H)
なお、密度測定に関しては対象となる成形体もしくは炭素−銅焼結複合部材において、寸法測定からの体積算出が困難な場合、JIS Z 8807に記載の固体の密度及び比重の測定方法を用いて算出することも可能である。
(炭素−銅焼結複合部材の比強度)
上述のようにして測定された炭素−銅焼結複合部材の圧環強さ(N/mm)を密度で除して、比強度(kN・m/kg)を算出した。評価結果を表2に示す。
Figure 2021072385
Figure 2021072385
比較例1においては、電解銅粉を用いていることから、銅相の針状比が1.6となり、焼結後の炭素−銅焼結複合部材の圧環強さ(N/mm)が低く、比強度も低くなった。
比較例2においては、混合粉末中の扁平銅粉の割合が4体積%とされており、銅相の面積率が4.8%と低く、焼結後の炭素−銅焼結複合部材の圧環強さ(N/mm)が低く、比強度も低くなった。
比較例3においては、混合粉末中の扁平銅粉の割合が25体積%とされており、銅相の面積率が37.9%と高く、重量が増加したため、比強度が低くなった。
以上のことから、本発明によれば、比強度に優れ、熱伝導部材として特に適した炭素−銅焼結複合部材、及び、この炭素−銅焼結複合部材の製造方法を提供可能であることが確認された。
20 炭素−銅焼結複合部材
21 炭素質相
22 銅相

Claims (4)

  1. 炭素質相と、この炭素質相からなるマトリックス内に分散された銅又は銅合金からなる銅相と、を有する炭素−銅焼結複合部材であって、
    焼結時の加圧方向に沿った断面において、前記銅相の最大長Lmaxとその対角幅Lとの比Lmax/Lで定義される針状比の平均が2.0以上5.0以下の範囲内とされ、前記銅相の面積率が5%以上35%以下の範囲内であることを特徴とする炭素−銅焼結複合部材。
  2. 前記炭素質相は、グラフェンを含有することを特徴とする請求項1に記載の炭素−銅焼結複合部材。
  3. 請求項1又は請求項2の炭素−銅焼結部材を製造する炭素−銅焼結複合部材の製造方法であって、
    炭素質粉と扁平銅粉と混合した混合粉末を得る混合粉末形成工程と、この混合粉末を加圧して成形体を得る成形工程と、得られた前記成形体を非酸化雰囲気で焼結する焼結工程と、を有し、
    前記混合粉末形成工程では、前記混合粉末中における前記扁平銅粉の割合を5体積%以上20体積%以下の範囲内とし、
    前記焼結工程では、前記成形体の焼結温度を500℃以上1080℃以下の範囲内とすることを特徴とする炭素−銅焼結複合部材の製造方法。
  4. 前記扁平銅粉のかさ密度が0.5g/cm以上2.0g/cm以下の範囲内であることを特徴とする請求項3に記載の炭素−銅焼結複合部材の製造方法。
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