JP2021072030A - タッチパネル装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また下記特許文献2には、X、Y方向の電極配線において電極が交差する部分を設けないようにした、いわゆるシングルレイヤ電極構造が開示されている。
これにより、基準セルに対し第2方向に配置された送信配線の配線幅と、基準セルより第1方向の反対方向の検出領域に対し第2方向に配置された送信配線の配線幅とが均一となる。
タッチ位置の検出においては、静電容量の重心値を検出することで検出領域の密度以上の解像度の位置検出ができるようになされており、その重心値検出の基準となる検出領域をここでいう基準セルとする。
これにより、送信配線の抵抗値が所定の値になるように、並列配置される1又は複数の送信配線について、基準セルに対し第2方向に並ぶ位置より第1方向の反対方向に延設された部分の配線幅が設定される。
これにより、基準セルに対し第2方向に並ぶ位置より第1方向と反対方向に延設された部分の送信配線の配線幅と、基準セルに対し第2方向に並ぶ位置より第1方向に延設された部分の送信配線の配線幅とが同じになる。
即ち、送信電極の配線隣接部に隣接する送信配線の基準セルに対し第2方向に並ぶ位置より第1方向の反対方向に延設された部分の配線幅が、送信電極の配線隣接部における電極幅よりも狭くなる。
即ち、送信配線の抵抗値が150kΩ以下の値になるように、並列配置される1又は複数の送信配線について、基準セルに対し第2方向に並ぶ位置より第1方向の反対方向に延設された部分の配線幅が設定される。
<1.タッチパネル装置の構成>
<2.センシング動作>
<3.シングルレイヤ構造>
<4.タッチパネルの配線設計>
[4−1.送信配線の配信設計の比較例]
[4−2.本実施の形態における送信配線の配信設計]
<5.変型例>
<6.まとめ>
実施の形態のタッチパネル装置1の構成例を図1に示す。
タッチパネル装置1は、各種機器においてユーザインターフェース装置として装着される。ここで各種機器とは、例えば電子機器、通信機器、情報処理装置、製造設備機器、工作機械、車両、航空機、建物設備機器、その他非常に多様な分野の機器が想定される。タッチパネル装置1は、これらの多様な機器製品においてユーザの操作入力に用いる操作入力デバイスとして採用される。
図1ではタッチパネル装置1と製品側MCU(Micro Control Unit)6を示しているが、製品側MCU6とは、タッチパネル装置1が装着される機器における制御装置を示しているものである。タッチパネル装置1は製品側MCU6に対してユーザのタッチパネル操作の情報を供給する動作を行うことになる。
タッチパネル駆動装置3はセンサIC(Integrated Circuit)4とMCU5を有する。
このタッチパネル駆動装置3は、タッチパネル側接続端子部31を介してタッチパネル2と接続される。この接続を介してタッチパネル駆動装置3はタッチパネル2の駆動(センシング)を行う。
また操作入力デバイスとして機器に搭載される際には、タッチパネル駆動装置3は製品側接続端子部32を介して製品側MCU6と接続される。この接続によりタッチパネル駆動装置3は製品側MCU6にセンシングした操作情報を送信する。
図2に、送信回路41、受信回路42、マルチプレクサ43とタッチパネル2の接続状態を模式的に示す。
タッチパネル2は、タッチ面を形成するパネル平面に、送信側の電極としてのn本の送信信号線21−1から21−nが配設される。
また同じくパネル平面に、受信側の電極としてのm本の受信信号線22−1から22−mが配設される。
なお送信信号線21−1・・・21−n、受信信号線22−1・・・22−mを特に区別しない場合は、総称として「送信信号線21」「受信信号線22」と表記する。
図では送信信号線21と受信信号線22の間で生じる静電容量を一部のみ例示している(容量C22,C23,C32,C33)が、タッチ操作面の全体に、送信信号線21と受信信号線22の間で生じる静電容量(例えば交差位置における容量)が存在し、タッチ操作により容量変化が生じた位置が受信回路42により検出されることとなる。
受信回路42は、マルチプレクサ43により選択された受信信号線22−1・・・22−mからの受信信号を受信する。本実施の形態では、マルチプレクサ43が各タイミングで2本ずつ隣接する受信信号線22を選択していく。
送信回路41、受信回路42によるセンシング動作については後述する。
またインターフェース・レジスタ回路44には、受信回路42により検出された検出値(説明上「RAW値」ともいう)を記憶し、MCU5が取得できるようにしている。
また受信回路42は、センシング動作の際に、マルチプレクサ43によって選択された受信信号線22に対して駆動電圧AVCCを印加することも行う。
電源回路45の構成については後に詳述する。
またMCU5は受信回路42からのRAW値をインターフェース・レジスタ回路44から読み出すことで取得する。そしてMCU5は、RAW値を用いて重心値を算出し、算出した重心値に基づいた座標計算を行い、ユーザのタッチ操作位置情報としての座標値を製品側MCU6に送信する処理を行う。
以上の構成のタッチパネル装置1によるセンシング動作について説明する。
まず図3によりタッチパネル2に対する送信回路41,受信回路42の動作を説明する。図ではタッチパネル2において2つの送信信号線21−2、21−3と、2つの受信信号線22−2、22−3を示している。
本実施の形態の場合、先の図2に示したような送信信号線21、受信信号線22に対して、送信回路41と受信回路42が、それぞれ隣接する2本ずつ送信、受信を行っていくことでタッチ操作の検出を行うものとなる。つまり一対の送信信号線21と一対の受信信号線22の2本×2本を基本セルとして、順次セル単位で検出走査を行う。図3では、その1つのセル部分を示していることになる。
なお、駆動電圧AVCC1は、図1の電源回路45が生成する駆動電圧AVCC自体、もしくは駆動電圧AVCCに基づく電圧である。
この場合、送信回路41は、ドライバ411からの送信信号T+は図示のように、アイドル(Idle)期間をロウレベル(以下「Lレベル」と表記)とする。例えば0Vとする。そして続くアクティブ(Active)期間にはハイレベル(以下「Hレベル」と表記)とする。この場合、Hレベルの信号として具体的には駆動電圧AVCC1の印加を行う。
また送信回路41は、もう一つのドライバ412からの送信信号T−は、アイドル期間をHレベル(駆動電圧AVCC1の印加)とし、続くアクティブ期間はLレベルとする。
ここで、アイドル期間は受信信号R+、R−の電位を安定させる期間であり、アクティブ期間は受信信号R+、R−の電位変化をセンシングする期間となる。
受信回路42は、コンパレータ421、基準容量部422、スイッチ423,425、計測用容量部424、演算制御部426を備えている。
2つの受信信号線22からの受信信号R+、R−はコンパレータ421で受信される。コンパレータ421は、受信信号R+、R−の電位を比較して、その比較結果をHレベル又はLレベルで演算制御部426に出力する。
また計測用容量部424の一端には駆動電圧AVCC2が印加されている。この計測用容量部424の他端はスイッチ425の端子Taを介してコンパレータ421の−入力端子に接続されている。
スイッチ423、425は、アクティブ期間には端子Taが選択される。従ってアクティブ期間にはコンパレータ421の+入力端子(受信信号線22−3)、−入力端子(受信信号線22−2)に駆動電圧AVCC2が印加される。
アクティブ期間となるとスイッチ423、425が端子Taを選択することで、受信信号線22−3,22−2に駆動電圧AVCC2が印加される。これにより受信信号R+、R−の電位がΔV上昇する。非タッチの状態では、このΔVの電位上昇は、受信信号R+、R−共に発生する。
一方、送信回路41側では、アクティブ期間となると、上述のように送信信号T+が立ち上がり、送信信号T−が立ち下がる。これにより、タッチ操作があった場合には、受信信号R+、R−の電位上昇の程度が変化する。
仮に容量C22に影響を与えるA1位置がタッチされた場合、受信信号R−の電位がアクティブ期間において破線で示すようにΔVHだけ上昇する。
また仮に容量C32が変化するA2位置がタッチされた場合、受信信号R−の電位がアクティブ期間において破線で示すΔVLだけ上昇する。
これらのように当該セルに対するタッチ操作位置に応じて、受信信号R−の電位変化量が受信信号R+の電位変化量(ΔV)よりも大きくなったり小さくなったりする。
コンパレータ421はこのような受信信号R+、R−を比較することになる。
演算制御部426は、インターフェース・レジスタ回路44に書き込まれた設定情報に従って、スイッチ423,425のオン/オフや計測用容量部424の容量値の切替処理を行う。またコンパレータ421の出力を監視し、後述の処理でRAW値を算出する。演算制御部426で算出されたRAW値はインターフェース・レジスタ回路44に書き込まれることでMCU5が取得可能とされる。
本実施の形態におけるタッチパネル2の電極配置構造について、図4及び図5を参照して説明する。本実施の形態ではタッチパネル2の電極配置構造としてシングルレイヤ電極構造が採用される。図4はタッチパネル2の電極配置構造を模式的に示した図である。
以下、図4に示す方向を上下左右方向として説明する。図5から図12においても同様である。なお、本願発明の請求項における第1方向とは下方向を、第1方向の反対方向は上方向を、第2方向は右方向を、第2方向と反対方向は左方向を示している。
基板100上に配置されたセンサセル110の静電容量の変化により、指等の導電体が接触している位置を検出することができる。ここでは、1つのセンサセル110が、図2の送信信号線21と受信信号線22の交差する部分に相当する。
センサセル110Xは、検出領域50、ダミー電極群60、複数の送信配線70、受信配線80、余剰領域90を有している。
送信電極51は、第1のコ字状部51a、第1突出部51b、第2突出部51c、配線隣接部51dを有している。
第1のコ字状部51aは右側に開口するコ字状に形成され、第1突出部51bが第1のコ字状部51aの上端部51eから下方向に突出して形成されている。第2突出部51cは第1突出部51bの左側に離間して設けられ、第1のコ字状部51aから下方向に突出して形成される。配線隣接部51dは、第1のコ字状部51aの下端部51fから上方向に突出して形成される。配線隣接部52dの右側には送信配線70が隣接して配置され、配線隣接部52dと送信配線70の間には隙間が設けられている。
第2のコ字状部52aは左側に開口するコ字状に形成され、第3突出部52bが第2のコ字状部52aの下端部52dから上方向に突出して形成されている。第4突出部52cは第3突出部52bの右側に離間して設けられ、第2のコ字状部51aから上方向に突出して形成される。
また、送信電極51と受信電極52の隣接部分にはそれぞれ隙間が設けられている。その結果、送信電極51と受信電極52の間で静電容量が発生する。
ダミー電極群60は、各ダミー電極が駆動回路等の電圧源と電気的に接続されていない状態であって、かつグランド等に接続されていないフローティング状態でパターン形成されている。
ダミー電極60は、検出領域50、送信配線70、受信配線80と離間して配置される。
各列における下端部のセンサセル110には、上方向に配置されたセンサセル110の数だけ送信配線70が並列配置されており、上方向のセンサセル110に進むに従って、センサセル110に配置する送信配線70の数は1つずつ少なくなる。
送信回路41は、マルチプレクサ43により選択された送信配線70に対してセンシング動作のための送信信号を出力することができる。
受信配線80は検出領域50の左側に配置され、第2のコ字状部52aの上端部52eと結線されている(図5参照)。受信配線80は検出領域50の送信電極51と離間して配置される。
受信配線80は、列における上下方向の各センサセル110ごとの受信電極52と共通に結線された一本の配線として下方向に引き出される。下方向に引き出された受信配線80は、図2に示すようなマルチプレクサ43を介して受信回路42に接続される。
これにより、受信回路42は、マルチプレクサ43により選択された受信配線80からのセンシング動作のための受信信号を受信することができる。従って、タッチ操作などにより容量変化が生じた位置が受信回路42により検出されることになる。
このようなセンサセル110を用いたシングルレイヤ構造によれば、送信電極51と受信電極52を交差させる際に挿通を防ぐための絶縁層を形成することなく、同一平面上に配置することで静電容量を発生させることができる。
以下、タッチパネル2における配線設計の詳細について説明する。
本実施の形態におけるタッチパネル2の配線設計について、図7から図12を用いて説明する。本実施の形態では送信配線70の配線設計の工夫について説明する。
ここでは配線設計の一例として、図4に示す集合マトリクスにおける列の上下方向に連続する5つのセンサセル110からなるセンサセル群120を抽出して説明する。
タッチパネル2における送信配線70の配線設計の比較例について、図7から図9を用いて説明する。
比較例においてセンサセル群120Xは、図7に示すように、センサセル110a,110b,110c,110d,110eから構成されている。
センサセル110a〜110eは、下端部から上方向に順に配置され、センサセル110aの送信電極51には送信配線70aが、センサセル110bの送信電極51には送信配線70bが、センサセル110cの送信電極51には送信配線70cが、センサセル110dの送信電極51には送信配線70dが、センサセル110eの送信電極51には送信配線70eが、それぞれ結線されている。
ここでは、各センサセル110の送信電極51の配線隣接部51dの上端を基準とし、当該上端から左右方向に延ばした基準線上にある各送信配線70の配線幅を、各センサセル110における各送信配線70の配線幅として説明する。
まずセンサセル110bの送信配線70dの配線幅L2は、センサセル110aの送信配線70dの配線幅L1よりも大きくされている(L1<L2)。また、センサセル110cの送信配線70dの配線幅L3は、センサセル110bの送信配線70dの配線幅L2よりも大きくされている(L2<L3)。
つまり、上方向のセンサセル110へ進むほど、送信配線70dの配線幅は次第に大きくなる(L1<L2<L3)。これは他の送信配線70においても同様である。
従って、送信配線70における配線抵抗をできるだけ軽減するため、比較例における送信配線70は、上方向のセンサセル110に進むに従って、配線数が減る分、そのスペースを利用して配線幅を大きくするように設計されている。
図8では、センサセル110bにおいて、配線隣接部51dに隣接する送信配線70cの配線幅L2が、配線隣接部51dの電極幅L4よりも大きくされている(L4<L2)。
以降、上方向に連続するセンサセル110においても配線隣接部51dに隣接する送信配線70の配線幅は、配線隣接部51dの電極幅よりも大きくなる。
そこで比較例では、余剰領域93に光学的な見栄えを考慮してフローティング状態でパターン形成されているダミー電極を配置している。
ところで、配線抵抗を軽減するために送信配線70の配線幅を大きくし過ぎると、却って、タッチ位置の検出精度の低下を招くおそれがある。というのも、各列に配置された各センサセル110に対応する並列配置された複数の送信配線70では、互いに隣接する送信配線70のそれぞれに、論理を逆とする信号波形の送信信号T+、T−が供給されることになり、送信配線70間の容量によって信号波形を打ち消し合う作用が生じるおそれがあるためである。このような作用は、特に送信配線70の配線幅が大きくなるほど顕著に生じうる。
本実施の形態におけるタッチパネル2の送信配線70の配線設計について、図10から図12を用いて説明する。
本実施の形態におけるセンサセル群120Yは、図10に示すように、センサセル110A,110B,110C,110D,110Eから構成されている。
センサセル110A〜110Eは、下端部から上方向に順に配置され、センサセル110Aの送信電極51には送信配線70Aが、センサセル110Bの送信電極51には送信配線70Bが、センサセル110Cの送信電極51には送信配線70Cが、センサセル110Dの送信電極51には送信配線70Dが、センサセル110Eの送信電極51には送信配線70Eが、それぞれ結線されている。
本実施の形態においても、各センサセル110の配線隣接部51dの上端から左右方向に延ばした基準線上にある各送信配線70の配線幅を、各センサセル110における各送信配線70の配線幅として説明する。
ここで基準セルは、静電容量の重心値検出の基準となる検出領域50のことである。タッチ位置の検出においては、静電容量の重心値を検出することで検出領域50の密度以上の解像度の位置検出ができるようになされており、その重心値検出の基準となるセンサセル110をここでいう基準セルとする。
まずセンサセル110Bの送信配線70Dの配線幅L6は、センサセル110Aの送信配線70Dの配線幅L5よりも大きくされている(L5<L6)。
このように、基準セルを有するセンサセル110Bまでは、上方向のセンサセル110へ進むほど、送信配線70Dの配線幅は次第に大きくなる。一方、基準セルを有するセンサセル110Bの上方に隣接するセンサセル110Cの送信配線70Dの配線幅L7は、センサセル110bの送信配線70dの配線幅L6と同じである(L6=L7)。
そのため、基準セルに到達するまでは配線抵抗を軽減するために送信配線70の配線幅をある程度広げ、基準セル到達後は必要以上に配線幅を広げないことで、配線抵抗によるタッチ位置の検出精度の低下を軽減しつつ、隣接する送信配線70の容量によって信号波形を打ち消し合う作用を軽減することで、タッチパネル2の上部のタッチ位置の検出精度の維持又は向上を図ることができる。
またセンサセル110Bに並列配置された送信配線70C〜70Eのそれぞれの配線幅L6が同じになるように形成されている。
これにより、基準セルを有するセンサセル110B以降の上方向に連続する各センサセル110においては、各送信配線70の配線幅は均一となる(L6=L7,L7≦L8)。従って、隣接する送信配線70の容量により信号波形を打ち消し合う作用を軽減することができ、タッチパネル2の上部のタッチ位置の検出精度の維持又は向上を図ることができる。
センサセル110Aに並列配置された送信配線70B〜70Eのそれぞれの配線幅L5が同じになるように形成されている。
図11において、例えば送信配線70Dの配線幅が上下方向で均一であるとすると、配線幅L5、配線幅L6、配線幅L7の大きさが同じになる(L5=L6=L7)。他の送信配線70についても同様である。
左右方向に隣接する2つのセンサセル110において、一方のセンサセル110の送信配線70と、他方のセンサセル110の受信配線80との間に余剰領域90を設けることで、当該送信配線70と当該受信配線80を電気的に分離し、互いの電気的な干渉を避けることができる。
また残留した電荷が当該ダミー電極からグランドに放出されるため、センシング動作における信号値の絶対値や再現性に影響を与えることによるタッチ位置の検出精度の低下を防止することができる。
なお、本実施の形態におけるタッチパネル2の送信配線70の配線設計は、以下の態様を採ることもできる。
本実施の形態におけるセンサセル110は、センサセル110X以外の構造をとることができる。
例えば、図13に示すセンサセル110Zのように、ダミー電極群60を配置せずに、検出領域50Aを上下方向に拡張して配置することもできる。これにより、検出領域50Aでの送信電極51と受信電極52の隣接する領域が増加し、検出領域50Aにおける静電容量の変化量を向上させることができる。従って、センサセル110Zの構造を用いることで、タッチパネル2の感度を向上させることができる。
例えば、基準セルを有するセンサセル110より上方向のセンサセル110の送信配線70の配線幅を均一にするにあたり、上端部のセンサセル110Eの検出領域50に結線された送信配線70Eの配線抵抗が、所定値以下となるように、基準セルを設定することが考えられる。
ここで送信配線70Eの配線抵抗に基づいて基準セルを設定するのは、上端部のセンサセル110Eに結線された送信配線70Eの配線長が最も長いためである。つまり、最も配線抵抗が高くなる送信配線70Eの配線抵抗が所定値以下となるように基準セルを設定することで、同列の他のセンサセル110に結線された送信配線70の配線抵抗も所定値以下となるためである。
また、ここでいう所定の値は、基準セルのセンサセル110Bにおける送信配線70Cの配線抵抗が、所定の抵抗値以下、例えば150kΩ以下、若しくは100kΩ以下となるように設定された値である。
以上の実施の形態のタッチパネル2(タッチパネル装置)は、送信電極51と受信電極52の対により構成された検出領域50と、送信電極51に接続され、検出領域50との接続部分から下方向に延設される送信配線70と、受信電極52に接続される受信配線80と、を備え、複数の検出領域50のうちの1の検出領域50を基準セルとしたときに、少なくとも基準セルより上方向に連続して1又は複数の検出領域50が配置され、基準セルに接続された送信配線70と、基準セルよりも上方向に配置された1又は複数の検出領域50に対応する1又は複数の送信配線70とが、基準セルに対して上下方向と直交する右方向側に並列配置され、当該並列配置される1又は複数の送信配線70は、基準セルに対し右方向に並ぶ位置より上方向に延設された部分の配線幅が均一であるものである(図10、図11参照)。
即ち、基準セルに対し右方向に配置された送信配線70の配線幅と、基準セルより上方向の検出領域50に対し右方向に配置された送信配線70の配線幅とが均一となる。
よって、基準セルより上方向においては、送信配線70の配線幅をこれ以上大きくしないことで、隣接する互いに論理が逆の送信配線70が干渉し合うことを軽減することができる。これにより、タッチ位置検出精度の指標となるアキュラシー特性を改善し、向上させることで、タッチパネル2におけるタッチ位置検出精度を維持又は向上させることができる。特に、基準セルに対し右方向に並ぶ位置より上方向に延設された部分の配線幅を均一とすることで。タッチパネル2の上部のアキュラシー特性の改善が図られる。
これにより基準セルの位置決めが容易となり、より効率的に送信配線70の配線設計を行うことが可能となる。
タッチパネル2のアキュラシー特性を向上させるためには、必要以上に送信配線70の配線幅を大きくしないことが肝要であるが、配線幅が狭すぎることにより配線抵抗が高くなることもまた、アキュラシー特性を低下させる要因となる。
そこで、アキュラシー特性を低下させない送信配線70の配線抵抗値を考慮したうえで送信配線70の配線幅を設定することで、より効率的にアキュラシー特性を改善し、向上させることができる。
なお、並列配置される1又は複数の送信配線70は、配線抵抗値が150kΩ以下の値となる配線幅とすることが好ましい。さらに好ましくは、配線抵抗値を100kΩ以下とすることが望ましい。
これにより、基準セルに対し右方向に並ぶ位置より上方向に延設された部分の送信配線70の配線幅と、基準セルに対し右方向に並ぶ位置より下方向に延設された部分の送信配線70の配線幅とが同じになる。
各送信配線70の配線幅の不均一性を解消することで、隣接する送信配線70が干渉し合うことを軽減することができる。これにより、タッチパネル2のアキュラシー特性をより一層向上させることができ、タッチパネル2におけるタッチ位置検出精度を維持又は向上させることができる。
これにより、送信電極51と送信配線70の間の干渉等が軽減されることでタッチパネル2のアキュラシー特性をより一層向上させることができ、タッチパネル2におけるタッチ位置検出精度を維持又は向上させることができる。
従って、ダミー電極と隣接する送信配線70に対するダミー電極に残留した電荷による影響を軽減することができるため、タッチパネル2のアキュラシー特性をより一層向上させることができ、タッチパネル2におけるタッチ位置検出精度を維持又は向上させることができる。
21 送電信号線
22 受信信号線
50 検出領域
51 送信電極
52 受信電極
70 送信配線
80 受信配線
90 余剰領域
110 センサセル
Claims (7)
- 送信電極と受信電極の対により構成された検出領域と、
前記送信電極に接続され、前記検出領域との接続部分から第1方向に延設される送信配線と、
前記受信電極に接続される受信配線と、
を備え、
複数の前記検出領域のうちの1の検出領域を基準セルとしたときに、少なくとも前記基準セルより前記第1方向の反対方向に連続して1又は複数の前記検出領域が配置され、
前記基準セルに接続された送信配線と、前記基準セルよりも前記反対方向に配置された1又は複数の前記検出領域に対応する1又は複数の送信配線とが、前記基準セルに対して前記第1方向と直交する第2方向側に並列配置され、
前記並列配置される1又は複数の送信配線は、前記基準セルに対し前記第2方向に並ぶ位置より前記反対方向に延設された部分の配線幅が均一である
タッチパネル装置 - 前記基準セルは、静電容量の重心値検出の基準となる検出領域である
請求項1に記載のタッチパネル装置。 - 前記基準セルは、送信配線の抵抗値が所定の値になるように、前記基準セルから前記反対方向の送信配線の配線幅を規定する際の基準となる検出領域である
請求項1に記載のタッチパネル装置。 - 前記並列配置される1又は複数の送信配線は配線幅が均一である
請求項1から請求項3の何れかに記載のタッチパネル装置。 - 検出領域の前記送信電極の配線隣接部における電極幅が、隣接する送信配線の配線幅よりも大きくなる
請求項1から請求項4の何れかに記載のタッチパネル装置。 - 前記並列配置される1又は複数の送信配線は、配線抵抗値が150kΩ以下の値となる配線幅とされている
請求項3に記載のタッチパネル装置。 - 前記送信配線の第2方向側にグランド電極が隣り合うように配置される
請求項1から請求項6の何れかに記載のタッチパネル装置。
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