JP2021071480A - 表面欠陥検査方法、表面欠陥検査装置、鋼板の製造方法、鋼板の品質管理方法及び鋼板の製造設備 - Google Patents

表面欠陥検査方法、表面欠陥検査装置、鋼板の製造方法、鋼板の品質管理方法及び鋼板の製造設備 Download PDF

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【課題】微小な凹凸欠陥を精度よく検出することができる欠陥検出方法及び装置を提供すること【解決手段】表面欠陥評価方法は、平板状の物体Sの表面の凹凸欠陥を評価する方法であって、物体Sの表面に測定光を照射したときに,物体Sから反射する反射光の反射位置から物体Sの基準面に対する傾き情報を検出する傾き検出ステップと、検出ステップで検出された傾き情報に基づき表面傾きマップを生成する表面傾きマップ生成ステップと、表面傾きマップを用いて物体の表面の凹凸欠陥を検出する欠陥評価ステップとを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、平板状の物体の表面に生じた縞状の凹凸欠陥を検出する表面欠陥検査方法、表面欠陥検査装置、鋼板の製造方法、鋼板の品質管理方法及び鋼板の製造設備に関する。
近年、素材製造プロセスにおいて、素材表面の外観の美麗さに対する評価が厳しくなっている。例えば、乗用車や配電盤などに使用される鋼板は、強度・靱性などの機能面に加え、表面に微小な凹凸や疵がないことが要求される。これは外観の良し悪しのみに着目した評価基準である。したがって機能的に全く問題がなくとも、外観が悪いだけで製品として不適合品と判定されることも少なくない。
外観上問題となる欠陥の中には、縞状の凹凸欠陥がある。縞状の凹凸欠陥は、表面に生じるうねり状の凹凸欠陥であって、ある特定の方向に凹凸の変動が生じるものを意味する。例えば、鋼板製造プロセスにおける熱延後の鋼板の酸洗処理工程において、鋼板表面に「腰折れ」と呼ばれる微小な縞状凹凸欠陥が生じることがある。腰折れは、高さ約10μmオーダー、ピッチ約10mmオーダーの微小な凹凸を有する縞状欠陥であり、鋼板搬送方向に沿って発生する。この腰折れは塗装や鍍金により鏡面性が向上すると顕在化し、外観上問題となることが多い。
従来から、縞状凹凸欠陥を検出する技術として、光の照射や反射を利用したものが存在する(例えば特許文献1〜4参照)。特許文献1には、移動する鋼板などの表面に線状レーザー光を照射し、被測定位置をエリアイメージングセンサで撮像し、撮像された線状光の形状から表面の凹凸情報を取得する方法が開示されている。特許文献2には、平行光を被測定対象に照射して反射光をスクリーンに投影し、その明暗パターンに対し演算を行うことで、被測定対象の縞状凹凸欠陥を検出する方法が開示されている。特許文献3には、鋼板表面に波長10.6μm以上の光を照射し、微小凹凸欠陥の各点から鏡面反射された光の集束・発散によって得られる明点・暗点に基づいて、凹欠陥・凸欠陥をそれぞれ検出する方法が開示されている。特許文献4には、鏡面乃至半鏡面の測定対象に映りこんだ複数のパターンを撮影し、映り込んだパターンのゆがみから表面の凹凸を計測する方法が開示されている。
また、縞状凹凸欠陥の外観の評価を示す方法はこれまでにも検討されてきている(例えば特許文献5、6参照)。特許文献5には、塑性変形由来のうねり形状であるストレッチャーストレインの評価手法に関し、三次元計測データを取得することでうねり形状の可視化を行う方法が開示されている。特許文献6には、圧延性の縞状欠陥であるリジングマークの客観的評価手法について、対象表面の凹凸計測結果のパワースペクトルを算出して強度の平均値と最大値の差からリジングマークの検出を行う方法が開示されている。
特開平2010−71722号公報 特開平05−256630号公報 特開2011−174942号公報 特開2008−224341号公報 特開平9−79841号公報 特開2017−181389号公報
しかしながら、特許文献1〜4のいずれの手法であっても、上述した腰折れによる凹凸の検出が困難である。例えば、酸洗後の鋼板は、表面が粗く拡散反射が支配的であって、腰折れによる凹凸は微小かつ広域にわたり、かつ凹凸形状のピッチは一定ではない。このため、特許文献1〜4のような局所的な外観変化に基づいて疵を検出する表面検査装置では、うねりの曲率が大きい場合には検出できるが、微小な凹凸欠陥の検出は困難である。また、特許文献5ではストレッチャーストレインのうねり形状可視化を行ったのみであり、定量的な評価までは行っていない。特許文献6では、パワースペクトルに着目することから、連続的に出現する縞状凹凸欠陥の検出に優れるものの、単独で発生した縞状凹凸欠陥の検出は困難である。また、いずれも対象の表面凹凸に着目した評価手法である。縞状凹凸欠陥の中には、前述した腰折れなどによる凹凸を直接検出することが困難な欠陥も存在する。
そこで、本発明は、微小な凹凸欠陥を精度よく検出することができる表面欠陥検査方法、表面欠陥検査装置、鋼板の製造方法、鋼板の品質管理方法及び鋼板の製造設備を提供することを目的とする。
本発明は、これら課題を解決するために以下の構成を有する。
[1] 平板状の物体の表面の凹凸欠陥を検出する表面欠陥検査方法であって、
前記物体の表面に測定光を照射する照射ステップと、
前記測定光が前記物体から反射した反射光から、前記物体の傾き情報を検出する傾き検出ステップと、
前記検出ステップで検出された傾き情報に基づき、前記物体の表面傾きの分布を示すマップを生成する表面傾きマップ生成ステップと、
前記マップに基づき前記物体の表面の凹凸欠陥を評価する欠陥評価ステップと、
を有する表面欠陥検査方法。
[2] 前記欠陥評価ステップは、
前記表面傾きマップから傾きの統計量を算出し、該傾きの統計量に基づいて、縞状凹凸欠陥の重篤度を判定する重篤度判定ステップと、
を有する[1]に記載の表面欠陥検査方法。
[3] 前記欠陥評価ステップは、
前記表面傾きマップから等値線図を生成する等値線図生成ステップと、
等値線と圧延方向に平行で所定の長さを有する線分との交差回数をカウントする、圧延方向交差回数カウントステップと、
等値線と幅方向に平行で所定の長さを有する線分との交差回数をカウントする、幅方向交差回数カウントステップと、
圧延方向交差回数および幅方向交差回数の比較に基づいて重篤度を判定する、重篤度判定ステップと、
を有する[1]に記載の表面欠陥検査方法。
[4] 平板状の物体の表面の凹凸欠陥を検出する表面欠陥検査装置であって、
前記物体の表面に測定光を照射したときの反射光を取得する受光部と、
前記物体からの反射光から前記物体の傾き情報を検出する傾き検出部と、
前記傾き検部で検出された傾き情報に基づき、前記物体の表面傾きの分布を示すマップを生成する表面傾きマップ生成部と、
前記マップに基づき前記物体の表面の凹凸欠陥を評価する欠陥評価部と、
を有することを特徴とする表面欠陥検査装置。
[5] 鋼板の製造ステップと、
[1]乃至[3]のいずれかに記載の表面欠陥検査方法によって、前記製造ステップにおいて製造された鋼板の表面を検査する検査ステップと、
を含むことを特徴とする鋼板の製造方法。
[6] [1]乃至[3]のいずれかに記載の表面欠陥検査方法によって、鋼板の表面を検査する検査ステップと、
前記検査ステップにより得られた検査結果から、前記鋼板の品質管理を行う品質管理ステップと、
を含むことを特徴とする鋼板の品質管理方法。
[7] 鋼板を製造するための製造設備と、
前記製造設備により製造された鋼板の表面を検査する[4]に記載の表面欠陥検査装置と、
を備えることを特徴とする鋼板の製造設備。
本発明によれば、反射光の受光位置を用いて、測定光の測定位置の基準面に対する傾き情報を検出し、この傾き情報に基づき、前記物体の表面の凹凸欠陥を検出する。このように、凹凸欠陥に起因する受光位置の変動を傾きとして把握することができるため、急激な凹凸の変動がなく、凹凸形状のピッチが一定ではない微小な縞状凹凸欠陥であっても、精度よく欠陥評価を行うことができる。
本発明の表面欠陥評価装置の好ましい実施形態を示す模式図である。 本発明の表面欠陥評価装置の好ましい実施形態を示す模式図である。 本発明の表面欠陥評価装置の好ましい実施形態を示す模式図である。 本発明の表面欠陥評価装置の好ましい実施形態を示すブロック図である。 物体の表面に形成された縞状凹凸欠陥の一例を示す模式図である。 反射光画像が取得される様子を示す模式図である。 測定光の入射角、反射光の反射角及びスクリーンにおける変位量の関係図を示す模式図である。 受光部において撮像された反射光画像の一例を示す模式図である。 評価マップ生成部において生成される表面傾きマップの一例を示す図である。 表面傾きマップから重篤度を算出する様子を示す模式図である。 表面傾きマップ及び重篤度分布の一例を示す写真である。 本発明における縞状凹凸欠陥の検出方法の好ましい実施形態を示すフローチャートである。 傾き計測実験に使用した機器の配置を示す。 物体の傾きと検出した傾き情報との関係を示すグラフである。 測定光の入射角と反射率の関係を示したグラフである。 各サンプル点No.1〜No.14における重篤度の平均値を示すグラフである。 本発明の表面欠陥検出装置の別の構成を示す概要図である。 本発明における表面欠陥検出装置における光源の別の形態の上面図を示す模式図である。 図12の傾きへの変換処理(ステップST2)の一例を示すフローチャートである。 図12の欠陥評価(ステップST4)の第一の手法の一例を示すフローチャートである。 図12の欠陥評価(ステップST4)の第二の手法の一例を示すフローチャートである。 傾きが同じ点を結んだ等値線図の例を示す図である。 図21における等級判定の一例を示すフローチャートである。 3つのサンプルとテスト材の等値線図を算出した結果を示す。 圧延方向交差回数カウントおよび幅方向交差回数カウントによって得られた交差回数をまとめた表である。 本発明の表面欠陥評価装置の別の実施形態を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1から図3は、本発明の表面欠陥検査装置の好ましい実施形態を示す模式図である。図4は、本発明の表面欠陥検査装置の好ましい実施形態を示すブロック図である。図1の表面欠陥検査装置1は、例えば工場における搬送中の鋼板Sの表面に生じる縞状の凹凸欠陥(例えば「腰折れ」)を検出するものである。なお、図1においては、物体Sは、例えば帯状の鋼板であって、搬送ロール2上を移動しながら縞状凹凸欠陥の評価が行われる。この表面欠陥検査装置1は、物体Sに測定光L1を照射し、物体Sからの反射光L2の反射位置に基づいて表面の傾きを計測し、縞状凹凸欠陥の検出および重篤度の判定を行う。具体的には、表面欠陥検査装置1は、照射部を構成する光源11、スクリーン12およびカメラ13、表面傾きマップ生成部21および欠陥評価部22、表示装置30を備える。
光源11は、例えばラインレーザー光源からなり、物体Sの幅方向(矢印Y方向)に線状の測定光L1を物体Sへ照射する。さらに、ラインレーザー光源は、テレセントリック光学系を有し、平行な線状光で、光の進行方向に沿って線の長さが変化しない平行光を照射することが好適である。光源11は、所定の入射角度θ1で測定光L1を物体Sの照射領域IPに照射する。照射領域IPは、太さを持った線状の領域となる。
図5は、物体Sの表面に形成された縞状凹凸欠陥の一例を示す模式図である。図5において、照射領域IPの太さは、縞状凹凸欠陥のピッチよりも十分に短く、かつ縞状凹凸欠陥UDのピッチの1/5以下程度になる範囲で設定される。例えば、ピッチが10mmの縞状凹凸欠陥UDを検出する場合、照射領域IPの太さは2mmとできる。また、照射領域IPの長さは、太さの10倍以上に設定される。例えば、太さを2mmとすると、80mmとできる。
図3のスクリーン12は、スクリーン12は平面であり、好ましくは幅方向(矢印X方向)に延びる長辺が、上下方向(矢印Z方向)に延びる短辺より長い矩形状に形成されてことが好ましい。また、スクリーン12の表面をカメラ13で撮影して得られる画像から、投影光L3の投影位置が識別できることが好ましい。このため、スクリーン12が反射光L2を透過せず拡散反射するような材質を持つ場合は、カメラ13はスクリーン12における反射光L2の拡散反射光を撮影する。この場合のカメラ13の位置は、スクリーン12に関して、照射領域IPと同じ側であることが好ましい。
また、図26に示すように、スクリーン12が反射光L2を透過させるような材質を持つ場合は、カメラ13はスクリーン12における反射光L2の透過光を撮影する。この場合のカメラ13の位置は、スクリーン12に関して、照射領域IPと反対側であることが好ましい。
カメラ13は、反射光画像、すなわち、スクリーン12に投影された投影光L3の画像、を受光部13aにより取得し、取得した反射光画像に基づき傾き検出部13bで傾きに変換する。ここで、受光部13aは所定のフレームレート(サンプリング周波数)でスクリーン12の撮影を行い、反射光画像を取得していく。図6は、反射光画像が取得される様子を示す模式図である。図6において、物体Sは順次矢印Y方向に沿って搬送されていく中で、照射領域IPからの反射光L2の投影光L3を撮影していく。つまり、受光部13aは、物体S上の異なる位置から取得した反射光画像BPを所定のフレームレートで取得していく。
傾き検出部13bは、受光部13aから送信されたスクリーン12および投影光L3の画像から、投影光L3の画像上での投影位置を検出し、検出された投影光L3の画像上での投影位置から、投影光L3のスクリーン12上での投影位置を検出し、検出された投影光L3のスクリーン12上での投影位置から、物体Sの基準面に対する傾きを検出する。受光部13aは、例えば複数の光センサを二次元状に配置したエリアイメージングセンサからなる。傾き検出部13bは、受光部13aにより撮像された反射光画像BPから表面の傾きを示す傾き情報にデータ変換して出力する。物体Sの表面に縞状の凹凸欠陥がある場合(図7参照)、凹凸欠陥がない物体Sの表面(以下、「基準面Pref」という)に対する凹凸の傾き(角度)に応じて、反射光L2の反射角度が上下方向(矢印Z方向)に変動する。その結果、投影光L3は、スクリーン12上において、傾きに応じた長さだけ基準面Prefから上下にずれた位置に投影される。そこで、傾き検出部13bは、上下方向の投影光L3のずれ情報から傾き情報を検出して出力する。
なお、図1において、カメラ13内に傾き検出部13bが設けられている場合について例示しているが、傾き検出部13bがカメラ13とは別に設けられていてもよい。この場合、カメラ13は受光部13aにおいて撮像された反射光画像を傾き検出部13bに送信し、傾き検出部13bによって、画素情報から傾き情報へのデータ変換が行われる。
また、傾き検出部13bが、カメラ13と欠陥検出部20の両方に設けられており、その機能が分担されるような構成でもよい。この場合、カメラ13の内部に設けられた傾き検出部は、投影光L3の画像上での投影位置を検出する。カメラ13の外部に設けられた傾き検出部は、検出された投影光L3の画像上での投影位置の情報から物体Sの基準面に対する傾きを検出する。
続いて、表面傾きマップ生成部21および欠陥評価部22について説明をする。表面傾きマップ生成部21および欠陥評価部22は、演算処理装置においてプログラムを実行させることにより構築される。演算処理装置は、1以上のプロセッサを含んで構成される。プロセッサは、特定のプログラムを読み込み特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および、特定の処理に特化した専用のプロセッサの少なくとも1つを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC;Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD;Programmable Logic Device)を含んでよい。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。演算処理装置は、1つまたは複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-chip)、および、SiP(System In a Package)の少なくとも1つを含んでよい。
また演算処理装置は記憶部を備えている。この記憶部には、例えば、各種情報、および、表面欠陥検査装置1を動作させるためのプログラムを記憶し、表面傾きマップ生成部21および欠陥評価部22を構築するプログラムが含まれる。また、必要に応じて、傾き検出部13bとして動作させるプログラムが含まれる。記憶部は、例えば、半導体メモリまたは磁気メモリなどで構成される。演算処理装置は、この記憶部から読みだしたプログラムに従って、表面傾きマップ生成部21と欠陥評価部22として機能する。また、上述したように、傾き検出部13bがカメラ13とは別に構成されている場合、傾き検出部13bは演算処理装置において構築される。このような機能を有する装置としては、例えば、市販のコンピュータがあげられる。
表面傾きマップ生成部21は、傾き検出部13bで得られた傾き情報に基づいて、表面傾きの分布を表す表面傾きマップを生成する。上述のように、カメラ13は所定のフレームレートで反射光画像を取得し、取得した反射光画像から順次傾き情報を算出する。表面傾きマップ生成部21は、送られてくる傾き情報を搬送方向(矢印Y方向)に並べることで、表面傾きマップSMPを生成する。生成された表面傾きマップSMPは欠陥の評価のために欠陥評価部22に送信される。
欠陥評価部22は、傾き生成部21から送信される表面傾きマップSMPに基づき、欠陥の重篤度を判定する。判定された欠陥重篤度は、例えば表示装置30に送られ、表示される。判定された欠陥の重篤度を表示装置30に表示する際は、表面傾きマップSMPとともに表示するのが好適である。
図12は、本発明における縞状凹凸欠陥の検査方法の好ましい実施形態を示すフローチャートである。なお、物体Sは所定の搬送速度で移動しながらオンラインで凹凸欠陥の評価をする場合について例示する。まず、照射ステップにおいて、物体Sの表面に測定光L1が照射される(ステップST1)。続いて、検出ステップにおいて、物体Sの表面からの反射光L2がスクリーン12上に投影光L3として投影され、カメラ13によって反射光画像が取得され、さらに、傾き検出部13bにおいて、反射位置の変動が表面傾きに変換される(ステップST2)。続く、表面傾きマップ生成ステップにおいて、得られた表面傾きは表面傾きマップ生成部21へ送られ、表面傾きマップSMPを生成する(ステップST3)。続く、欠陥評価ステップにおいて、表面傾きマップ生成部21にて生成された表面傾きマップSMPは、欠陥評価部22に送られ欠陥の評価が行われる(ステップST4)。具体的な評価手法は後述する。以上、ステップST1からステップST4までが、縞状凹凸欠陥の検査方法の好ましい実施形態となる
ステップST2における傾きへの変換処理の一例について説明する。ステップST2における傾きへの変換処理の詳細なフローを図19に示す。ステップST2は、反射光画像上における投影光L3の位置を検出するステップST2−1、スクリーン12上における投影光L3の位置を検出するステップST2−2、および、検査位置IPにおける傾きを検出するステップST2−3、の3ステップから構成される。
まず、ST2−1について説明する。図8は、受光部において撮像された反射光画像の一例を示す模式図である。投影光L3は、実際には物体S上に照射された測定光L1は、鏡面反射と拡散反射との両方を起こす。このため、スクリーン12及び反射光画像BP内には白部と灰色部とで示されるような反射光強度分布ができる。このうち、光強度は、照射領域IPで反射した正反射光が投影された位置で最も大きくなる。
そこで、傾き検出部13bは、正反射光の位置と基準面Prefとのなす角度を傾き情報として検出する。正反射光の位置を求める方法としては、スクリーン12上の反射光強度分布が形成された方向に対し、重心位置を取る方法、最大値を取る座標を求める方法、もしくは一定強度以上の領域を抽出しその両端の中点の座標を用いる方法がある。
図6に示すように、反射光画像上の座標軸をとる。ただし、原点を画像の左上にとり、u軸は画像の幅方向に平行で画像右向きが正の向きである軸であり、v軸は画像の高さ方向に平行な軸で画像下向きが正の向きである軸である。正反射光の位置が重心位置から求められる場合、反射光画像上の位置(U,v)における反射光強度をI(U,v)としたとき、正反射光の位置は、位置u=Uにおける反射光分布の重心位置として式(1)に従って計算される。
Figure 2021071480
正反射光の位置が一定強度以上の領域を抽出し、その両端の中点の座標を用いて検出される場合、正反射光の位置は下記式(2)で求められる。
Figure 2021071480
ただし、V(U)、V(U)はそれぞれ、上記領域の両端のv座標である。
次にステップST2−2について説明する。上記式(2)で求められた正反射光の位置は、公知の変換手法によって実際のスクリーン上の位置Yに変換される。ここで位置Yの原点は適切に設定されるものとする。変換の方法の例として、カメラをピンホールモデルでモデル化し、設計されたカメラ−スクリーン間の配置に基づいて、画像上の各画素とスクリーン上の各点との対応関係の理論式をあらかじめ導出すればよい。他の変換の方法の例として、スクリーン上の計測に影響しない位置に、所定の間隔で点を配置し、画像に写りこんだ複数の点から補間することによって反射位置を決定してもよい。なお、変換の方法は上記手法に限られるものではない。
最後にステップST2−3について説明する。図7は、測定光の入射角、反射光の反射角及びスクリーンにおける変位量の関係図を示す模式図である。図7(b)のように、物体Sへの測定光L1の照射領域IPからスクリーン12までの反射光L2の光路長をDとする。また、図7(a)のように、物体Sが照射領域IPのY−Z断面において微小な傾きαを有している。測定光L1と基準面Prefとのなす角度をθとすると、物体Sと測定光L1のなす角度はθ+αとなり、物体Sと反射光L2のなす角度もθ+αとなる。さらに物体Sがα傾いていることから、基準面Prefに対する反射光L2のなす角度はθ+2αとなる。以上から、基準面Prefから測った照射光の角度θと反射した光の角度φの間には、次式(3)の関係が成立する。
Figure 2021071480
したがって、表面の傾きαにより反射方向は基準面Prefに対する反射角度から2α変動する。次に、図7(b)に示すように、基準面Prefからの基準反射光をL2(Pref)とした場合、反射光L2の進行方向は、基準反射光L2(Pref)に対して角度2αだけ変動する。その結果、距離Dの位置では反射光L2に直交する方向にDsin(2α)だけ変位する。一方で、基準反射光L2(Pref)とスクリーン12のなす角度をΨとし、スクリーン12上での投影光L3の投影位置のずれをΔY(=Y−Y0)とすると、図7(c)に示すように、Dsin(2α)の変位は、ΔYを用いてΔYcos(90°+2α−Ψ)とあらわせる。ここで、傾きがない場合の反射光L2とスクリーン13とが交わる位置をY0とし、傾きがある場合の反射光L2とスクリーン13とが交わる位置をYとした。
反射光L2の進行方向の変位が2通り(図7(b)において、太矢印の方向とそれから180度回転した方向)あることから、下記関係式(4)が成立する。ここで、関係式cos(90°+θ)=sinθ、および加法定理sin(α−β)=sinαcosβ−cosαsinβを利用した。
Figure 2021071480
式(4)において、|α|<<1であることから、sin2α≒2α、cos2α≒1と近似される。したがって、式(4)は次の式(5)のように書き換えられる。
Figure 2021071480
特にΨ≒90°の場合は次式(6)のように書き換えられる。
Figure 2021071480
そして、下記式(7)より、スクリーン12上の位置変動ΔYから、照射領域IPのY−Z断面における表面の傾きαが算出される。
Figure 2021071480
式(7)からわかるように、凹凸欠陥に起因した傾きαによる変動範囲は光路長Dを調整することで任意に設定することができる。たとえば、傾きαが1mradのときの位置変動ΔYを1mmにする場合、D=500mmとすればよい。
なお、式(7)において、傾きαの絶対値を使用する必要がなく、傾きαに比例する量が得られれば十分な場合は、上式第2項を無視し、投影光L3の位置Yを利用した第1項のみを算出してもよい。以上がステップST2における傾きへの変換処理である。
続いて図12のステップST3における表面傾きマップの生成処理の一例について説明する。表面傾きマップは、ステップST2において得られる物体Sの表面傾き情報を時系列順に並べ、実際に計測を行った位置Yに対応するように配置することで生成する。ステップST1からST3において、物体Sは、図2のY方向に所定の搬送速度で移動しており、ステップST1において測定光L1の物体Sへの照射は例えば連続的に行われ、ステップST2においてカメラ13は所定のフレームレート(サンプリング周波数)でスクリーン12の撮影を行う。物体Sは順次搬送されていくため、結果として、表面傾きマップ生成部21へは、物体Sの異なる位置Yから取得した傾き情報が順次送られることになる。ここで、搬送速度が一定の場合は、物体S上を等間隔に計測することになるため、ST2にて得られる表面傾き情報をY方向に等間隔に配置することで表面傾きマップSMPを生成することができる。また、搬送速度が変化する場合には、表面傾きマップ生成部21は図示しない速度センサから搬送速度情報を取り込むことで、物体SのY方向の位置を特定することができるため、ST2にて得られる表面傾き情報を、上述の通り、特定したY方向の位置に配置することで表面傾きマップSMPを生成することができる。一方で、搬送速度が変化する場合には、表面傾きマップ生成部21は図示しない速度センサから搬送速度情報を取り込むことで、搬送距離に応じて撮像タイミングを設定することもできる。これによって、一定の位置毎の傾き計測を実施することができる。
また、表面傾きマップSMPを視覚的に理解しやすくするために、カラーマップ等に変換することも好適である。図9は、ステップST3において生成される表面傾きマップの一例を示す図である。図9では、表面傾きマップSMPにおいて、傾き情報を例えばグレースケールの階調と対応づけて表現している。表面の傾き情報とグレースケール階調との対応付けは、表面傾きの計測範囲を0度を中心として例えば±数度の範囲と定め、最小値から最大値をグレースケールの0からn階調に対応付けることで実現できる。nは各画素の階調を何ビットで表現するかで定まり、例えば8ビットであれば256階調となりnは255である。また、表面角度の上下限範囲は最大5度程度を想定しており、1〜3度が好適例である。したがって、表面傾きマップSMPにおいて、色が白い、もしくは黒い領域は傾きがあることを意味する。図9においてはグレースケールの濃淡が縞状に現れており、縞状の凹凸が発生していることを検出することができることが分かる。なお、表面傾きマップSMPがグレースケールで表現された場合について例示しているが、傾き情報毎に着色する色を変える等を行うようにしても良い。以上がステップST3における表面傾きマップの生成処理の説明である。
次に、ステップST4における欠陥評価処理について説明する。ここでは、欠陥評価部22が取得した表面傾きマップSMPから、欠陥の重篤度を判定する具体的な手法について述べる。欠陥評価の重篤度の判定基準の指標として、表面の傾きの変動の大きさと、表面傾きの変動の方向性があげられる。前者に関しては、表面の凹凸変動が顕著であるほど、表面の傾きの変動もまた顕著であると予想されることから、指標として適切であるといえる。また、後者に関しては、縞状凹凸欠陥が特定の方向のみに変動し、それ以外の方向、例えば特定の方向と直交する方向には、ほとんど変動しないと予想されることから、指標として適切であるといえる。
したがって、欠陥評価ステップには以下の二つの手法が好適であると考えられる。すなわち、欠陥評価の第一の手法として、表面傾きマップSMPから算出された傾きの平均値、標準偏差、最大値等に基づいて重篤度が判定される方法があげられる。また、欠陥評価の第二の手法として、表面傾きマップSMPから圧延方向に沿った表面傾きの変化と、圧延方向に直交する方向に沿った表面傾きの変化と、を比較し、それら表面傾きの変化の相違から重篤度が判定される方法があげられる。
以下、欠陥評価の第一の手法について説明する。図10は、表面傾きマップSMPから欠陥評価の第一の手法に基づいて重篤度を算出する様子を示す模式図である。また、図20は欠陥評価の第一の手法における評価のフローを示したものである。欠陥評価の第一の手法は、表面傾きマップSMPから予め定めた所定のサイズの検査領域を切り出す切り出しステップST4−1−1と、切り出された検査領域内の傾きの統計量に基づいて、縞状凹凸欠陥の重篤度を判定する重篤度判定ステップST4−1−2と、のステップからなる。
欠陥評価部22は、表面傾きマップSMPの任意のサンプル点を選び、選んだサンプル点を中心とする検査領域ERを抽出し、抽出した検査領域ERから任意のサンプル点における重篤度を求める。なお、任意のサンプル点は、例えば表示装置30に表示された表面傾きマップSMP上においてユーザにより選択された点であってもよいし、欠陥評価部22により自動的に選択された点であってもよい。
検査領域ERは、矩形とするのが簡便であり、その辺の一方は縞状凹凸欠陥の方向に平行であることが好ましい。ここで、検査領域ERは、少なくとも縞状凹凸欠陥による凹や凸が1つ以上含む大きさとするため、検査領域ERは所定の設定サイズ(a×b)を有する。まず、矢印Y方向の長さbについて、検査領域ER内に縞状凹凸欠陥が1つ以上含まれるためには、個々の縞状凹凸欠陥の凸部の幅wの2倍以上の長さに設定するのが好ましく、より好ましくは4〜6倍程度の長さに設定するのがよい。
次に矢印X方向の長さaについて、一般に、縞状凹凸欠陥はその方向に一様ではない。たとえば鋼板上に発生する腰折れ欠陥では、図5に示すように縞状凹凸欠陥は一部のみに集中して発生する場合があり、必ずしも鋼板の幅方向(矢印X方向)に一様に発生するものではない。したがって、長さaは縞状凹凸欠陥の欠陥方向の代表的な長さよりも十分短く設定するのが好ましい。
このように、長さaは、腰折れの代表的な縞長さ(40mm以上)よりも十分に小さくなるように設定し、長さbは腰折れの代表ピッチ(約10mm)の2倍以上となるように設定されるものである。例えば、検査領域ERは、a=20mm、b=40mmに設定される。
ここで、前処理として切り出された領域内の傾きに対し、2次元の周波数フィルタを用いたフィルタリング処理を行ってもよい。フィルタリング処理では、縞模様を強調するため、圧延方向に対しては縞模様周期の変動を抽出するようなバンドパスフィルタを、幅方向に対しては、縞模様を連結するようなローパスフィルタを、それぞれ適用するのが好ましい。また、この前処理は領域を切り出す前に実施してもよい。
欠陥評価部22は、検査領域ER内における各位置の傾き情報の平均値、標準偏差もしくは最大値に基づいて重篤度を判定する。具体的には、図10に示すような座標軸を設定し、任意のサンプル点(Xp,Yp)を選び、サンプル点(Xp,Yp)を中心とした検査領域ERが設定される。そして、検査領域ER内の位置(x,y)における表面傾きマップ上の値(=傾き情報)p(x,y)の平均値a(Xp,Yp)が以下の式(8)によって計算される。
Figure 2021071480
標準偏差s(Xp,Yp)は以下の式(9)で計算する。
Figure 2021071480
最大値m(Xp,Yp)は、検査領域ER内の位置(x,y)における表面傾きマップ上の値(=傾き情報)p(x,y)の最大値とする。
さらに、欠陥評価部22は、表面傾きマップSMP上から複数のサンプル点を選び、各サンプル点の重篤度を算出する。このように、縞状凹凸欠陥の重篤度を異なる検査領域ER毎に求めることで、点(X,Y)における重篤度を二次元的に可視化した重篤度分布を作成する。
なお、評価に用いる計算式は、検査領域ER内における縞状凹凸欠陥の重篤度を表現できるものであれば、上記の3つに限られるものではない。また、サンプル点の選定は、表面傾きマップ上の物体Sのすべての位置で行っても良い。また、離散した位置で行うことがより好ましい。例えば、表面傾きマップSMPを検査領域ERの設定サイズで格子状に分割し、分割した検査領域ER毎にそれぞれ重篤度が算出されるようにしてもよい。
さらに、重篤度分布は縞状凹凸欠陥の等級評価に応用することが可能である。たとえば、欠陥評価部22には重篤度を分類するための閾値が設定されており、その閾値を超える領域を縞状凹凸欠陥と判定することができる。また、欠陥評価部22にはあらかじめ等級に対応する複数の閾値が設定されており、例えば検査対象上の重篤度分布の最大値と閾値を比較することで、検査対象の等級を決定してもよい。
図11は、表面傾きマップ及び重篤度分布の一例を示す図である。図11において、凹凸欠陥のパターンが異なる3つのサンプル1〜3について例示した。また、重篤度分布は、例えば表面傾きマップを検査領域ERの設定サイズで格子状に分割し、複数の検査領域ER毎に重篤度が算出され、重篤度に応じて着色されたものである。腰折れが重篤な領域を黒で示し、それ以外の領域を白で示した。図11からわかるように、サンプル1の左半分の領域など重篤な縞状凹凸欠陥が見られる領域では重篤度が高い値を示している。また、サンプル2の中央のように、縞状凹凸欠陥が連続的に発生していない場合でも周囲と比較して重篤度が高く表示されている。このように、表面傾きマップだけでなく、重篤度を算出することにより、腰折れの発生をより簡便に評価することができる。以上が欠陥評価の第一の手法に関する説明である。
続いて、欠陥評価の第二の手法について説明する。欠陥評価の第二の手法は、計測された表面傾きの変化が、圧延方向、および、幅方向に異なることを利用した判定手法である。表面に縞状の凹凸欠陥が存在する場合、表面傾きマップSMP上では、圧延方向に変動が大きく、幅方向には変動が少ない、といった特徴を持つことが期待される。一方で、表面に縞状の凹凸欠陥が存在しない場合、表面傾きマップSMP上では、圧延方向、幅方向の変動が同程度に生じるものと考えられる。この違いを定量的に比較することで、縞状凹凸の重篤度を判定する。
図21に、欠陥評価の第二の手法における評価のフローを示す。評価フローは、表面傾きマップSMPから表面傾きの等値線図を生成する等値線図生成ステップST4−2−1と、得られた等値線図から予め定めた所定のサイズの検査範囲を設定する検査範囲設定ステップST4−2−2と、等値線と圧延方向に平行な検査範囲との交差回数NLをカウントする、圧延方向交差回数カウントステップST4−2−3と、等値線と幅方向に平行な検査範囲との交差回数NCをカウントする、幅方向交差回数カウントステップST4−2−4と、圧延方向交差回数NL、および、幅方向交差回数NCを比較し、重篤度を判定する、重篤度判定ステップST4−2−5と、のステップからなる。
等値線図生成ステップST4−2−1では、得られた表面傾きマップSMPに対し、傾きが同じ点を結んだ等値線図を作成する。図22に等値線図の例を示す。例えば図22においてC1で示した等値線は、計測により表面傾きが0mradと判定された点を結んだ曲線である。
等値線図を作成する際には、等値線の値の間隔を適切に設定すること、および、等値線の上限値または下限値を設定することが好ましい。等値線の値の間隔は、以下の2つの条件を満たすように設定する。第一の条件は、表面縞模様形状の特徴を把握できる程度に狭い間隔であることである。例えば検査対象が腰折れの場合は、第一の条件を満たすために、等高線間隔が10mrad以下であることが好ましい。第二の条件は、表面粗さや計測誤差に起因するノイズの影響を受けない程度に広い間隔であることである。第二の条件を満たすためには等高線間隔が0.5mrad以上であることが好ましい。また、等値線の値の上限値または下限値は、補正で除去しきれなかった大局的なうねりや、ノイズ起因の異常値の影響を排除するうえで好ましい。上限値または下限値は、対象欠陥で発生する確率が低い値を排除するように設定することが好ましい。例えば検査対象が腰折れの場合は、上限を+5mrad以上に、下限を−5mrad以下に、それぞれ設定することが好ましい。図22に示した等値線図は、等値線の値の間隔を5mradに、上下限値を±5mradに設定したものである。
検査範囲設定ステップST4−2−2では、ステップST4−2−1で作成した等値線図から任意のサンプル点が選ばれ、選ばれたサンプル点を中心とする線分状の検査範囲が抽出される。なお、任意のサンプル点は、ステップST4−2−1で作成された等値線図の内、例えば表示装置30に表示された表面傾きマップSMP上においてユーザにより選択された点であってもよいし、欠陥評価部22により自動的に選択された点であってもよい。
検査範囲は、任意のサンプル点、すなわち、重篤度を判定する箇所、を中心とした2本の線分である。2本の線分のうち一方は、重篤度を判定する箇所を中心として圧延方向に引かれた線分LLである。また、2本の線分のうち他方は、重篤度を判定する箇所を中心として幅方向に引かれた線分LCである。この2本の線分は、両方とも、ステップST4−2−1で作成された等値線図上にある。重篤度を判定する箇所を中心として圧延方向に引かれた線分LL、および、重篤度を判定する箇所を中心として幅方向に引かれた線分LCの長さについては後述する。
続く圧延方向交差回数カウントステップST4−2−3において、ステップST4−2−1で得られた等値線図の等値線と、ステップST4−2−2で得られた線分LLとの交点の個数をカウントする。線分LLの長さは、縞状凹凸欠陥のピッチに対し、十分長く設定することが好ましい。例えば検査対象が腰折れの場合、線分LLの長さは20mm以上とるのが好ましい。また、線分LLの中点は、欠陥の重篤度を判定したい位置に一致するように、線分LLが配置されている。以下、圧延方向交差回数をNLとする。
続く幅方向交差回数カウントステップST4−2−4において、等値線図に描画された等値線と、ステップST4−2−2で得られた線分LCとの交点の個数をカウントする。線分LCの長さは、検査対象の表面粗さに対し、十分長く設定することが好ましい。さらに、圧延方向に引かれた線分LLの長さと同等程度、または、同一であることが好適である。例えば検査対象が腰折れの場合、線分LCの長さは、圧延方向に引かれた線分LLに合わせて、20mm以上とるのが好ましい。また、線分LCの中点は、欠陥の重篤度を判定したい位置に一致するように、線分LCが配置されている。以下、幅方向交差回数をNCとする。
2線分LL,LCの長さは一連の評価を実施する間は、一定の長さに設定することが好ましい。また、線分LLの長さと線分LCの長さは、必ずしも同一である必要はないが、直観的な解釈の容易さから同じ長さであることが好ましい。また、重篤度を判定する点は、計測対象となる鋼板のうち、最も縞状凹凸欠陥が顕著に表れている点を選択するのが好適である。
最後に、圧延方向交差回数NLと幅方向交差回数NCを比較する。具体的な比較方法には、複数の方法がある。第一の比較方法は、検査対象から得られる圧延方向交差回数NLと幅方向交差回数NCの差を、各重篤度の基準サンプルから得られる圧延方向交差回数NL‘と幅方向交差回数NC’の差と比較することである。この場合は、計測対象の差の値NL−NCを計測対象の重篤度とみなし、基準サンプルの差の値NL‘−NC’を基準サンプルの重篤度とみなして、これらを比較し、NL−NC>NL‘−NC’ならば、計測対象は基準サンプルよりも重度であると判定する。
第二の比較方法は、検査対象から得られる圧延方向交差回数NLと幅方向交差回数NCの比を、各重篤度の基準サンプルから得られる圧延方向交差回数NL‘と幅方向交差回数NC’の比と比較することである。この場合は、計測対象の差の値NL/NCを計測対象の重篤度とみなし、基準サンプルの差の値NL‘/NC’を基準サンプルの重篤度とみなして、これらを比較し、NL/NC>NL‘/NC’ならば、計測対象は基準サンプルよりも重度であると判定する。
上記の比較方法以外でも、重度の欠陥ほど圧延方向交差回数NLが増大し、一方で幅方向交差回数NCは増減しないことを念頭にした判定を行うものであれば、比較方法として好適である。また、第一の比較方法においては、線分LLと線分LCの長さは同一であることが好ましい。
具体的な評価方法の例として、第二の比較方法を例にとり、評価方法を説明する。重篤度としては、重度、軽度の2重篤度を想定する。いずれの重篤度よりも軽度のものは無害として判定する。重度の基準サンプルから得られる圧延方向交差回数をNL1、幅方向交差回数をNC1とする。また、軽度の基準サンプルから得られる圧延方向交差回数をNL2、幅方向交差回数をNC2とする。これらに対し、評価対象から得られる圧延方向交差回数をNL0、幅方向交差回数をNC0とする。
図23は、図21のステップST4−2−5における等級判定の一例を示すフローチャートである。あらかじめ評価対象に対する圧延方向交差回数NL0と幅方向交差回数をNC0の比NL0/NC0を算出する(ステップST4−2−5−1)。次に、重度欠陥基準サンプルとの比較を行う。重度欠陥の基準サンプルに対する圧延方向交差回数NL1と幅方向交差回数をNC1の比NL1/NC1を算出する(ステップST4−2−5−2)。そしてこれら比の値を比較し、NL0/NC0>NL1/NC1を満たす場合は重度欠陥と判定する。NL0/NC0≦NL1/NC1を満たす場合は、次のステップST4−2−5−4に進む(ステップST4−2−5−3)。
前のステップST4−2−5−3においてNL0/NC0≦NL1/NC1を満した場合は、軽度欠陥の基準サンプルとの比較を行う。軽度欠陥の基準サンプルに対する圧延方向交差回数NL2と幅方向交差回数をNC2の比NL2/NC2を算出する(ステップST4−2−5−4)。そしてこれら比の値を比較し、NL0/NC0>NL2/NC2を満たす場合は軽度欠陥と判定する。NL0/NC0≦NL2/NC2を満たす場合は、欠陥基準サンプルよりも欠陥の程度が軽度であると判断し、無害であると判断する(ステップST4−2−5−5)。
以上は重篤度の判定基準の数が2つの場合を例示したが、重篤度の判定基準の数がより多い場合も、同様に判定回数を増やすことで対処可能である。また、図25から明らかなように、欠陥の基準サンプルには各重篤度に分類される欠陥の中でも、最も軽度寄りの限界サンプルを選択することが好適である。
さらに、前述の例では検査対象、および、欠陥基準サンプルのそれぞれから1点ずつにおける重篤度を計算し、等級判定の根拠として用いたが、検査対象、および、欠陥基準サンプルから2点以上において計算された重篤度を等級判定の根拠として用いてもよい。この場合は、同一の対象から計算された重篤度の平均値、最大値をそのサンプルの代表的な重篤度とみなし、比較を行うことが好適である。以上が欠陥評価の第二の手法に関する説明である。
上記実施形態によれば、計測対象に測定光L1を照射し、測定光L1の測定位置の基準面Prefに対する傾き情報を検出し、この傾き情報に基づき、物体の表面の凹凸欠陥を検出する。さらに、物体の位置毎に傾き情報を表した表面傾きマップSMPを生成し、計測対象の重篤度を判定することができる。
これにより、計測対象である縞状凹凸欠陥の計測、および、判定を行うのに必要な圧延方向の傾き変動を計測することができる。ここでは、一定の粗度を持つ計測対象表面に対し、レーザー反射光の位置に基づき計測を行うため、スクリーンに投影された反射光は散乱され、広がりを持つと考えられる。そこで、上述した方法で反射位置を正しく推定することができる。さらに、散乱光が幅方向に重畳することで計測と無関係な幅方向の変動を平均化する効果が期待されることから、酸洗材のような表面粗さを持つ対象の計測に好適な条件であると考えられる。
また、光源11と物体Sから適正なリフトオフを確保できる点でも、本発明の機器構成は好適である。縞状凹凸欠陥を検出するためには、圧延方向の変動のみが計測できればよい。直接高さを計測し、その結果に基づき圧延方向の変動を算出する場合は、幅方向の変動を本質的に含むことになるため、圧延方向の変動のみを抽出する際にノイズが混入する可能性があるほか、形状が微小であるため、測定装置を対象の至近まで近づけることがあ好ましい。一方で上記傾き計測手法では、圧延方向の傾き変動のみを、対象と測定装置との間に合理的な距離を保ちながら計測することができる。
また、欠陥評価手法、特に第二の重篤度判定手法は、上記傾き計測と組合せて実施することにより、効果的に縞状凹凸欠陥を検出することができる。上述のような幅方向散乱により、計測に必要のない幅方向の変動を極力含まない形状情報を取得することができるため、本発明により効果的かつ安定して縞状欠陥を検出し、その重篤度を判定することができる。
本発明の実施形態は、上記実施形態に限定されず、種々の変更を加えることができる。図17は本発明の表面欠陥検査装置の別の構成を示す概要図である。図18において、表面欠陥検査装置100は、反射光L2を投影するスクリーン12を設けておらず、カメラ13が直接反射光L2を受光する位置に設置されている。この場合であっても、カメラ13の受光部13aにおいて撮像される反射光画像には、凹凸欠陥による受光位置の変動が現れているため、反射光画像から傾き情報を検出することができる。
さらに、図18は本発明における光源の別の形態の上面図を示す模式図である。図18の表面欠陥検査装置200においては、光源211は光線が拡大する点光源からなっている。この場合、スクリーン12に投影される反射光の像は、幅方向(矢印Y方向)に広がってしまうが、平行光からなる光源11を用いる場合に比べて安価に実装することができる。なお、この場合であっても図17に示すようにスクリーン12を用いず、直接カメラ13で反射光L2を受光するようにしてもよい。
また、本発明を鋼板の製造設備を構成する検査装置として適用してもよい。すなわち、本発明に係る表面欠陥検査装置1によって、公知または既存の製造設備によって製造された鋼板の表面を検査するようにしてもよい。
また、本発明を鋼板の製造方法に含まれる検査ステップとして適用してもよい。すなわち、公知または既存の製造ステップにおいて製造された鋼板の表面を検査するようにしてもよい。このような鋼板の製造設備及び鋼板の製造方法によれば、従来目視で実施していた検査工程を自動化することで検査に要する時間を削減することが可能となり、鋼板を高効率に歩留りよく製造することができる。
さらに、本発明を鋼板の品質管理方法に適用し、鋼板の表面を検査することにより、鋼板の品質管理を行うようにしてもよい。具体的には、本発明で鋼板の表面欠陥の有無を検出ステップで判定し、検査ステップで得られた判定結果から、鋼板の品質管理を行うことができる。上記判定結果は鋼板形状に基づく定量的な指標として、等級判定に客観性と再現性を付与することが可能である。検査ステップでは、本発明を用いて鋼板の表面を検査し、鋼板の表面欠陥の有無及び等級についての結果を得る。次に続く品質管理ステップでは、検査ステップにより得られた、鋼板の表面欠陥の有無及び等級に関する結果に基づき、製造された鋼板が予め指定された基準を満たしているかどうかを判定し、鋼板の品質を管理する。このような鋼板の品質管理方法によれば、客観的かつ再現性のある等級に裏打ちされた高品質の鋼板を提供することができる。
[実施例]
上記表面欠陥評価方法を用いて物体Sに対し表面の傾き計測実験を行った。図13に実験に使用した機器の配置を示す。物体Sは、縞状微小凹凸欠陥を有する酸洗材サンプルであり、物体Sには腰折れと呼ばれる微小な縞状凹凸形状の欠陥が発生している。また、光源11として、波長660nm、線長80mm、作動距離190mm、作動距離における線幅2mm以下のものを使用した。
はじめに、傾き情報の計測が正しくできるかどうか検証するため、物体Sとしてミラーを設置し、実際の物体Sの傾きと、傾き検出部13bにおいて算出される傾き情報との相関を調べた。物体Sの下に厚みゲージを挟むことで物体Sを傾け、厚みゲージの厚みと物体Sの位置から物体Sの傾きを算出した。図14は、物体Sの傾きと検出した傾き情報との関係を示すグラフである。図14において、計測結果の近似直線は傾き1.09の一次関数であらわせることがわかり、物体Sの傾きを傾き情報として正しく検出できることがわかった。
次に、必要な入射角を検討するための検討を行った。なお、鏡面性の高さを示すパラメータgは、下記式(10)によって算出される。
Figure 2021071480
式(10)において、σは表面粗さのRMS値、λは照射光の波長である。数式(10)で求められるパラメータgの値が小さいほど鏡面性が高く、少なくともg≦1を満たすことが好ましい。物体Sの表面粗さを計測したところ0.98[μm]であり、入射角が87°以上の時に、g≦1となることが分かった。
次に、物体Sにポイントレーザーを複数の入射角で照射し、反射光の光量をパワーメーターで計測した。また、パワーメーターにポイントレーザーの光を直接入射して光量を測定し、この値と各入射角における反射光量の比から反射率を算出した。なお、いずれの測定においても、光路長は同一となるようにした。
図15は測定光の入射角と反射率の関係を示したグラフである。図15に示すように、入射角が大きくなるほど、物体S上における反射率が向上することが分かる。また、上記実験装置で入射角を変化させ確認したところ、反射率が0.2以上となるとき、物体Sの表面における反射光L2の投影光L3をカメラ13で撮像できることが分かった。この条件を満たす入射角は実験により86°であることが分かったため、以降、この実験においては入射角を86°で固定した。
以上の条件のもと、さらに、本評価実験では、物体Sにおける縞状凹凸欠陥の例として酸洗板上に発生する腰折れ欠陥を用いた。腰折れ発生個所の切り板サンプルから重度の腰折れが発生している部分と、軽度な腰折れの発生している部分をサンプルNo.1〜No.14として14か所選択し、表面傾きの計測を行った。得られた表面傾きデータを用いて、本発明の手法で縞状凹凸欠陥の重篤度計算を行い、傾き計測結果と比較した。
以上の条件のもと、リニアステージ50を用いて物体Sを水平方向に移動させ、スクリーン12に反射光を投影した。照射領域IPからスクリーンまでの距離は1150mmに設定されている。リニアステージ50は物体Sを水平方向(矢印Y方向)に200mmの距離を40mm/sで移動させる。カメラ13は撮像素子の1画素のサイズが9.5μm、使用したレンズの焦点距離は8mm、スクリーン12からカメラ13までの距離は1550mmに設定されている。なお、スクリーン12は鉛直に設置されており、スクリーン12と反射光L2とのなす角Ψは90°であった。
そして、撮像結果の画像の1画素に対応するスクリーン12上の長さを算出したところ、1.84mmであった。カメラ13を用いてスクリーン12に投影された投影光L3を撮像し、傾き情報を算出した。その後、コンピュータにより得られた結果を時系列順に並べて表面傾きマップを生成し、表示装置30に表示を行った。実験の結果、重度の腰折れが発生している場合に限り、スクリーン12上における反射光位置の変動が見られ、得られた表面傾きマップからは、表面傾きが圧延方向に変動し、かつ、幅方向にはほとんど変化しないことが観測された。計測結果は、サンプル表面に縞状の凹凸が発生していることを意味し、実際目視および触覚によって調べたサンプル表面の縞状凹凸と整合するパターンが得られたことが分かった。したがって、上述した表面傾きを検出することが可能であり、搬送中の帯状の物体Sに対する表面検査方法として有用であることが示された。さらに、算出された重篤度マップの中から着目点を中心とする圧延方向長さ40mm、幅方向長さ20mmの矩形領域を切り出し、重篤度の評価値の平均値を算出した。
図16は各サンプル点No.1〜No.14における重篤度の平均値を示すグラフである。なお、サンプル点No.1〜7は軽度に分類されたサンプル点、サンプル点No.8〜14は重度に分類されたサンプル点である。図16から、オペレータによる現状の判定と重篤度が示す指標とが整合していることが確認された。本実施例では、ラボにおけるサンプル試験の例を示したが、実際の製造ラインで測定した結果を用いても同様である。
上記、表面欠陥検査装置で取得した画像に対して、欠陥評価の第二の手法による欠陥評価を行った。図11で取得した3サンプルの表面傾きマップに対し、等値線図を作成し、圧延方向交差回数NLと幅方向交差回数NCの比較を行い、重篤度との相関を確認した。また、テスト材として、3つのサンプル以外の1つのテスト材に対しても、同じ操作を実施して重篤度判定を行い、判定能力を検証した。
図24は上述した3つのサンプルとテスト材の等値線図を算出した結果を示す図である等値線図の値の間隔は5mradに、上下限は±5mradに設定した。図24には、サンプルiの等値線図に圧延方向に平行な線分LLi(i=1〜4)、幅方向に平行な線分LCi(i=1〜4)を記載した。LCiの長さ、および、LCiの長さは、計測対象上での長さに換算したとき、50mmとなるように設定した。ここでは、両線分の長さが計測対象上で同じ長さになるように設定した。図24に示すように、3サンプルの等値線図は、重篤度に応じて特徴的なパターンが見られることが分かった。すなわち、重篤な欠陥に対しては等値線が幅方向に延び、軽微な欠陥に対しては等値線に方向性がなくランダムに伸びていることがわかった。
図25に、圧延方向交差回数カウントおよび幅方向交差回数カウントによって得られた交差回数をまとめた表を示す。図25に示すように、重篤度が重度になるにしたがって、圧延方向交差回数NLのほうが、幅方向交差回数NCに対して増大し、圧延方向交差回数NLと幅方向交差回数NCの比、および、差は、欠陥が重篤であるほど上昇することがわかる。また、重篤度「中」の材と重篤度「軽」の間で、NLとNCの差が1しかないことから、この場合はNLとNCの比を重篤度の判定に使用するのが好ましいと考えられる。また、重篤度「中」に分類されるテスト材に対し、圧延方向交差回数NLと幅方向交差回数NCの比、および、差を計算し、それを図25に示した。NLとNCの比を前述の3サンプルと比較すると、重篤度「中」に近い値1.7をとることが分かった。これは当該サンプルの重篤度が「中」であることと整合する。以上から、本手法によって欠陥の重篤度を判定できることがわかる。
1 表面欠陥検査装置
2 搬送ロール
11、211 光源
12 スクリーン
13 撮像装置(カメラ)
13a 受光部
13b 傾き検出部
21 表面傾きマップ生成部
22 欠陥評価部
30 表示装置
50 リニアステージ
ER 検査領域
IP 測定位置
BP 反射光画像
L1 測定光
L2 反射光
L3 投影光
Pref 基準面
S 物体
SMP 表面傾きマップ
UD 縞状凹凸欠陥

Claims (7)

  1. 平板状の物体の表面の凹凸欠陥を検出する表面欠陥検査方法であって、
    前記物体の表面に測定光を照射する照射ステップと、
    前記測定光が前記物体から反射した反射光から、前記物体の傾き情報を検出する傾き検出ステップと、
    前記検出ステップで検出された傾き情報に基づき、前記物体の表面傾きの分布を示すマップを生成する表面傾きマップ生成ステップと、
    前記マップに基づき前記物体の表面の凹凸欠陥を評価する欠陥評価ステップと、
    を有する表面欠陥検査方法。
  2. 前記欠陥評価ステップは、
    前記表面傾きマップから傾きの統計量を算出し、該傾きの統計量に基づいて、縞状凹凸欠陥の重篤度を判定する重篤度判定ステップと、
    を有する請求項1に記載の表面欠陥検査方法。
  3. 前記欠陥評価ステップは、
    前記表面傾きマップから等値線図を生成する等値線図生成ステップと、
    等値線と圧延方向に平行で所定の長さを有する線分との交差回数をカウントする、圧延方向交差回数カウントステップと、
    等値線と幅方向に平行で所定の長さを有する線分との交差回数をカウントする、幅方向交差回数カウントステップと、
    圧延方向交差回数および幅方向交差回数の比較に基づいて重篤度を判定する、重篤度判定ステップと、
    を有する請求項1に記載の表面欠陥検査方法。
  4. 平板状の物体の表面の凹凸欠陥を検出する表面欠陥検査装置であって、
    前記物体の表面に測定光を照射したときの反射光を取得する受光部と、
    前記物体からの反射光から前記物体の傾き情報を検出する傾き検出部と、
    前記傾き検部で検出された傾き情報に基づき、前記物体の表面傾きの分布を示すマップを生成する表面傾きマップ生成部と、
    前記マップに基づき前記物体の表面の凹凸欠陥を評価する欠陥評価部と、
    を有することを特徴とする表面欠陥検査装置。
  5. 鋼板の製造ステップと、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表面欠陥検査方法によって、前記製造ステップにおいて製造された鋼板の表面を検査する検査ステップと、
    を含むことを特徴とする鋼板の製造方法。
  6. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表面欠陥検査方法によって、鋼板の表面を検査する検査ステップと、
    前記検査ステップにより得られた検査結果から、前記鋼板の品質管理を行う品質管理ステップと、
    を含むことを特徴とする鋼板の品質管理方法。
  7. 鋼板を製造するための製造設備と、
    前記製造設備により製造された鋼板の表面を検査する請求項4に記載の表面欠陥検査装置と、
    を備えることを特徴とする鋼板の製造設備。
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