JP2021068440A - 軸流冷却ファン回転方向の自動検出のための方法 - Google Patents

軸流冷却ファン回転方向の自動検出のための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】流体流シミュレーションにおいて用いるための軸流ファンの回転方向を決定するためのコンピュータ関連技法を提供すること。【解決手段】技法は、コンピュータ処理システムによって、複数のファンブレードを有する軸流ファンの3次元表現のデジタルデータを受信することと、コンピュータ処理システムによって、軸流ファンの3次元表現のデータから、軸流ファンの2次元投影から軸流ファンの単一のブレードの少なくとも単一の中心線を決定することと、コンピュータ処理システムによって、ファン回転の初期値に基づいてファン回転方向の実際の値を計算することと、を伴う。【選択図】図1

Description

優先権の主張
本出願は、2019年10月17日に出願された「Method for Automatic Detection of Axial Cooling Fan Rotation Direction」と題する米国仮特許出願第62/916,313号に対する合衆国法典第35編第119条(e)に基づく優先権を主張するものであり、この文献の内容は全体が引用により本明細書に組み入れられる。
本明細書は、物理的流体流などの物理的プロセスのコンピュータシミュレーションに関する。
高レイノルズ数の流れは、多数の離散的空間位置の各々で巨視的な物理量(例えば、密度、温度、流速)を表す変数に関して高精度な浮動小数点算術演算を実行することによる、ナビエ−ストークス微分方程式の離散解を生成することによってシミュレートされてきた。別の手法は、この微分方程式を格子ガス(またはセル)オートマトンとして一般的に知られるものに置き換え、その場合、ナビエ−ストークス方程式を解くことで与えられる巨視的レベルのシミュレーションは、格子上のサイト間を動いている粒子に対して演算を行う微視的レベルのモデルで置き換えられる。
いくつかの流体シミュレーションは、ブレードおよびモータを有する軸流冷却ファン(axial cooling fan)によって生じる流体流をシミュレートすることを伴う。ブレードおよびモータは合わせて、冷却および換気のために周囲の流体を動かす。数値流体シミュレーションにおける軸流ファンの回転方向の決定は、簡単でないプロセスとなる可能性がある。数値シミュレーションのための軸流ファン回転方向の従来の決定は、多くの場合に、関連する専門知識を有する人物による3Dシミュレーション領域におけるファンの視覚的調査を必要とする。そのような手動の手法は、特に、軸流ファン設計の多数の変動を考慮すると、誤りがもたらされる場合がある。そのような誤りをシミュレーションが完了した後にしか発見できないことに起因して、そのような誤りの結果は、シミュレーション実行のコストを増大させ得る多数のシミュレーション再実行を行うことを含む場合があり、結果として、製造設計期限に間に合わない場合がある。
一態様によれば、コンピュータ実装方法が、コンピュータ処理システムによって、複数のファンブレードを有する軸流ファンの3次元表現のデジタルデータを受信することと、コンピュータ処理システムによって、軸流ファンの3次元表現のデータから、軸流ファンの2次元投影から軸流ファンの単一のブレードの少なくとも単一の中心線を決定することと、コンピュータ処理システムによって、ファン回転の初期値に基づいてファン回転方向の実際の値を計算することと、を含む。
以下は、上記の態様の範囲内の数ある特徴の中でも、本明細書に記載される特徴のうちのいくつかである。
ファン回転方向の実際の値を計算することは、コンピュータ処理システムによって、受信データを、ファンブレードセグメントに対応する第1の区画と、モータセグメントに対応する第2の区画とに分割することを含む。ファン回転方向の実際の値を計算することは、コンピュータ処理システムによって、分割されたデータから、視野角に基づいて目標ブレードセグメントを決定することと、コンピュータ処理システムによって、目標ブレードセグメントから中心線を抽出することと、コンピュータ処理システムによって、ブレードの縁部の傾斜を計算して、中心線の前縁側領域または後縁側領域を決定することと、コンピュータ処理システムによって、計算された傾斜に従って実際のファン回転方向を設定することと、を含む。
ファンブレードセグメントを決定することは、軸流ファン直径を計算してパラメータを正規化することと、計算された軸流ファン直径に従ってリングを生成することと、リングおよび計算されたファン直径にブール関数を適用することによって、軸流ファンの重なり合った部分を識別することと、リングおよびファン形状に対しブール演算を行って重なり合った部分を分離することと、を含む。
実際のファン回転方向を計算することは、システムに、軸流ファンの中心から複数の光線を径方向に投影させることを含む。実際のファン回転方向を計算することは、システムによって、投影光線が軸流ファンの2次元表現の固体面に交わる時点ごとに非ゼロ信号を記録することを更に含む。実際のファン回転方向を計算することは、システムによって、非ゼロ信号からブレードの中心線を計算することと、各ブレードに対し傾斜計算を行い、ブレードの前縁部および後縁部を決定することと、決定された前縁部および後縁部に従ってファン回転方向を決定することと、を更に含む。
態様は、決定されたファン回転方向に従って、軸流ファンの表現を含む流量における物理的流体流プロセスをシミュレートすることを更に含み、実際のファン回転方向は、回転方向を、前縁側領域が流体に最初に入る方向として、または後縁側領域が流体に最後に入る回転方向として設定することによって決定される。
更なる態様によれば、コンピュータシステムは、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサに作動的に結合されたメモリとを備える。システムは、実行可能なコンピュータ命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体も含み、この実行可能なコンピュータ命令は、コンピュータシステムに、複数のファンブレードを有する軸流ファンの3次元表現のデジタルデータを受信させ、軸流ファンの3次元表現のデータから、軸流ファンの2次元投影から軸流ファンの単一のブレードの少なくとも単一の中心線を決定させ、ファン回転の初期値に基づいてファン回転方向の実際の値を計算させる。
以下は、上記の態様の範囲内の数ある特徴の中でも、本明細書に記載される特徴のうちのいくつかである。
実際の値を計算する命令は、受信データを、ファンブレードセグメントに対応する第1の区画と、モータセグメントに対応する第2の区画とに分割する命令を含む、コンピュータシステム。ファン回転方向を計算するコンピュータシステム命令は、分割されたデータから、視野角に基づいて目標ブレードセグメントを決定する命令と、目標ブレードセグメントから中心線を抽出する命令と、ブレードの縁部の傾斜を計算して、中心線の前縁側領域および後縁側領域を決定する命令と、計算された傾斜に従って実際のファン回転方向を設定する命令と、を更に含む。
単一のブレードの中心線を決定する命令は、軸流ファン直径を計算してパラメータを正規化する命令と、計算された軸流ファン直径に従ってリングを生成する命令と、リングおよび計算されたファン直径にブール関数を適用することによって、軸流ファンの重なり合った部分を識別する命令と、リングおよびファン形状に対しブール演算を行って重なり合った部分を分離する命令と、を含む。
ファン回転方向を計算する命令は、システムに、軸流ファンの中心から複数の光線を径方向に投影させる命令を更に含む。ファン回転方向を計算する命令は、投影光線が軸流ファンの2次元表現の固体面に交わる時点ごとに非ゼロ信号を記録する命令を更に含む。ファン回転方向を計算する命令は、システムによって、非ゼロ信号からブレードの中心線を計算する命令と、各ブレードに対し傾斜計算を行い、ブレードの前縁部および後縁部を決定する命令と、決定された前縁部および後縁部に従ってファン回転方向を決定する命令と、を更に含む。
更なる態様によれば、非一時的コンピュータ可読媒体上にコンピュータプログラム製品が記憶され、命令を含み、この命令は、コンピュータシステムに、複数のファンブレードを有する軸流ファンの3次元表現のデジタルデータを受信させ、軸流ファンの3次元表現のデータから、軸流ファンの2次元投影から軸流ファンの単一のブレードの少なくとも単一の中心線を決定させ、ファン回転の初期値に基づいてファン回転方向の実際の値を計算させる。
以下は、上記の態様の範囲内の数ある特徴の中でも、本明細書に記載される特徴のうちのいくつかである。
実際の値を計算する命令は、受信データを、ファンブレードセグメントに対応する第1の区画と、モータセグメントに対応する第2の区画とに分割する命令を含む。ファン回転方向を計算する命令は、分割されたデータから、以下の命令、すなわち、計算された軸流ファン直径に従ってリングを生成する命令と、リングおよび計算されたファン直径にブール関数を適用することによって、軸流ファンの重なり合った部分を識別する命令と、リングおよびファン形状に対しブール演算を行って重なり合った部分を分離する命令とによって、視野角に基づいて目標ブレードセグメントを決定する命令と、目標ブレードセグメントから中心線を抽出する命令と、ブレードの縁部の傾斜を計算して、中心線の前縁側領域および後縁側領域を決定する命令と、計算された傾斜に従って実際のファン回転方向を設定する命令と、を更に含む。
単一のブレードの中心線を決定する命令は、システムに、軸流ファンの中心から複数の光線を径方向に投影させる命令を含む。単一のブレードの中心線を決定する命令は、投影光線が軸流ファンの2次元表現の固体面に交わる時点ごとに非ゼロ信号を記録する命令を含む。
更に他の態様は、自動的に計算されたファン回転方向プロセスを用いて流体シミュレーションを行うための方法、コンピュータシステムおよびコンピュータプログラム製品を含む。
本明細書に記載の技法は、軸流ファン回転方向の従来の決定に伴って生じ得る問題の多くを回避する。これらの技法は、3Dシミュレーション領域における軸流ファンの視覚的調査の必要性をなくし、これにより、ユーザが既知の手動の技法に必要とされる専門知識を有する必要をなくすことができる。開示される技法は、手動の技法に伴って生じる場合がある誤りを回避する。開示される技法は、軸流ファン設計の多数の変形形態と共に用いることができる。開示される技法は、シミュレーション再実行数およびその付随物を低減することができ、シミュレーション実行のコストを大幅に減らすことができ、製品設計期限に間に合うのに役立つことができる。
軸流ファン回転方向を決定するためのプロセスを含む流体流のシミュレーションのためのシステムを、圧縮性流れのための乱流境界層モデルを用いたシミュレーション例と共に示す図である。 決定されたファン方向および乱流境界層モデルを用いた格子ボルツマンモデルシミュレーションの定式化のための動作を示すフローチャートである。 衝撃波面に遭遇しているときの流れ方向の変化を示す図である(従来技術)。 3つの直交方向に沿った成分に分解された圧力勾配を示す図である(従来技術)。 乱流境界層モデルの態様を示すフローチャートである(従来技術)。 2つのLBMモデルの速度成分を示す図である(従来技術)。 2つのLBMモデルの速度成分を示す図である(従来技術)。 物理的プロセスシミュレーションシステムが辿る軸流ファン回転方向手順のフローチャートである。 マイクロブロックの斜視図である(従来技術)。 格子構造の図である(従来技術)。 格子構造の図である(従来技術)。 可変分解能技法を示す図である(従来技術)。 可変分解能技法を示す図である(従来技術)。 表面のファセットによって影響を受ける領域を示す図である(従来技術)。 軸流ファン回転方向を決定するための自動化プロセスを示す流れ図である。 図14の自動化プロセスを理解する際に有用な図である。 図14の自動化プロセスを理解する際に有用な図である。 図14の自動化プロセスを理解する際に有用な図である。 図14の自動化プロセスを理解する際に有用な図である。 図14の自動化プロセスを理解する際に有用な図である。 図14の自動化プロセスを理解する際に有用な図である。
以下は、圧縮性流れのための乱流境界層モデルを用いて、LBM流体シミュレーション例において適用されるようなファン回転方向を決定するための自動化プロセスの例示的な適用である。しかしながら、LBM流体シミュレーションの使用および乱流境界層モデルの使用は、ファン回転方向を決定するための自動化プロセスの使用の単なる例示的な例である。数値流体力学技法などの他のシミュレーション技法、例えば、k−ω乱流モデルのせん断応力輸送定式が用いられてもよい。
例えば、文献の内容全体が引用により本明細書に組み入れられる、「COMPUTER SIMULATION OF PHYSICAL PROCESS」と題する米国特許出願第11/463,673号(現在、米国特許7,558,714号として発行されている)に記載されているように、ファン回転方向を決定するための自動化プロセスを、シミュレーションエンジン34によって実行される流体流シミュレーションのために用いることができる。
以下で図9において論考される手順において、ファン回転方向を決定してシミュレーション空間を構成するための自動化プロセスを用いる流れシミュレーションプロセスが記載される。図10〜図14などの続く図面において、これらの図面の各々は、従来技術としてラベル付けされている。なぜなら、これらの図面は上記で参照した特許に現れるためである。しかしながら、上記の特許に現れるこれらの図面は、シミュレーション空間を構成するために、本明細書において論考されるファン回転方向を決定するための自動化プロセスを用いた流れシミュレーションに対して行われる変更を考慮に入れていない。なぜなら、本明細書に記載の自動化プロセスは上記で参照した特許に記載されていないためである。
LBMベースの物理的プロセスシミュレーションシステムにおいて、流体流は離散速度ciの集合において評価された分布関数値fiによって表される。分布関数の動力学は以下の式によって管理され、ここで、fi(0)は平衡分布関数として知られ、以下のように定義される。
Figure 2021068440
この式は、分布関数fiの時間発展を記述するよく知られた格子ボルツマン方程式である。左辺はいわゆる「流動プロセス」に起因した分布の変化を表す。流動プロセスは、流体のポケットがグリッド位置において開始し、その後、速度ベクトルのうちの1つに沿って次のグリッド位置に移動するときのものである。その時点において、「衝突係数」、すなわち、開始流体ポケットに対する近隣流体ポケットの影響が計算される。流体は別のグリッド位置にしか移動することができず、このため、全ての速度の全ての成分が共通速度の倍数になるように適切な速度ベクトルの選択が必要である。
第1の式の右辺は、流体ポケット同士の衝突に起因する分布関数の変化を表す上述した「衝突演算子」である。ここで用いられる衝突演算子の特定の形態は、Bhatnagar、GrossおよびKrock(BGK)に起因する。この衝突演算子は、二次方程式によって与えられる規定値に分布関数を近づけ、「平衡」形態となる。
このシミュレーションから、質量ρおよび流体速度uなどの従来の流体変数が単純和として得られる。ここで、ciおよびwiの集合的な値はLBMモデルを定義する。LBMモデルは、スケーラブルコンピュータプラットフォーム上に効率的に実装して、時間的に非定常な流れおよび複雑な境界条件のために高いロバスト性で実行することができる。
ボルツマン方程式から流体系の動きの巨視的式を取得する標準技術は、完全なボルツマン方程式の逐次近似を取るチャップマン−エンスコッグ法(Chapman−Enskog method)である。
流体系では、密度のわずかな乱れは音速で伝わる。ガス系では、音速は一般的に温度によって決まる。流れにおける圧縮率の影響の重要性は、特性速度と音速との比率によって測定され、これはマッハ数として知られている。
ここで図1を参照すると、高速かつ圧縮性の流れについての圧力勾配方向の影響34bを組み込む乱流境界層モデルを含むシステム10が記載される。この実装におけるシステム10は、クライアントサーバアーキテクチャまたはクラウドベースアーキテクチャに基づき、超並列コンピューティングシステム12(スタンドアロンまたはクラウドベース)として実装されるサーバシステム12と、クライアントシステム14とを含む。サーバシステム12は、メモリ18と、バスシステム11と、インタフェース20(例えば、ユーザインタフェース/ネットワークインタフェース/ディスプレイまたはモニタインタフェースなど)と、処理デバイス24とを含む。メモリ18内には、メッシュ準備エンジン32およびシミュレーションエンジン34が存在する。
図1では、メッシュ準備エンジン32をメモリ18内に示しているが、メッシュ準備エンジンは、サーバ12とは異なるシステム上で実行されるサードパーティアプリケーションとすることもできる。メッシュ準備エンジン32は、メモリ18内で実行されるか、それともサーバ12とは異なるシステム上で実行されるかにかかわらず、シミュレーションエンジン34によってシミュレーションのためにモデル化されている物理的物体に従って、ユーザ指定のメッシュ定義30を受け取り、メッシュを準備して、準備されたメッシュをシミュレーションエンジン34に送信(および/または記憶)する。シミュレーションエンジン34は、衝突相互作用モジュール34aと、境界モジュール34bと、移流粒子衝突相互作用モジュール34cとを含む。
本明細書に論考される例において、物理的物体は、軸流ファンを含む換気システムである。しかしながら、軸流ファンを含む物理的物体は、任意の形状をとることができ、特に平坦なおよび/または湾曲した表面を有することができるため、換気システムの使用は単なる例示である。更に、いくつかの実施態様において、流体流は、軸流ファンが位置決めされる流体環境内にあることができる。システム10は、2Dおよび/または3Dメッシュ(デカルト座標および/または曲線)、例えば、換気システムの場合32a、軸流ファンの場合32bと、座標系と、ライブラリとを記憶するデータリポジトリ38にアクセスする。
軸流ファン回転方向を決定するための自動化プロセス55も含まれる。このプロセスは、メッシュ準備プロセスの一部とすることができるか、別個のプロセスとすることができるか、またはシミュレーションプロセスに含めることができる。このプロセス55の十分な論考は図15A〜図15Fに示される。メッシュ準備エンジン32に関して、軸流ファン回転方向を決定するための自動化プロセス55(方向決定プロセス55)は、メモリ18において実行することができるか、またはサーバ12と異なるシステム上で実行することができ、サーバは、シミュレーションエンジン34によって用いられる(または、ファン回転方向が決定される必要がある他の用途のために用いることができる)方向決定プロセス55の結果を受信する(および/または記憶する)。シミュレーションエンジン34での使用は単なる使用例である。
ここで図2を参照すると、軸流ファンのメッシュ表現32b、および物理的物体としての換気メッシュ32a表現に関して流体流をシミュレートするためのプロセス40が示される。プロセス40は、シミュレートされている物理的物体、すなわち換気システムのためのメッシュ32a(またはグリッド)を、例えばクライアントシステム14から受信する(42)か、またはデータリポジトリ38から索出する。他の実施形態では、外部システムまたはサーバ12が、ユーザ入力に基づいて、シミュレートされている物理的物体のためのメッシュ32aを生成する。プロセス40はまた、軸流ファンのための3次元表現を、例えばクライアントシステム14から受信する(42)か、またはデータリポジトリ38から索出し、軸流ファン回転方向を決定するための方向決定プロセス55を起動することによって、または自動化プロセス55を実行した別のシステム/プロセスから、計算された軸流ファン回転方向を供給されることによって、軸流ファン回転方向を決定する(41)。すなわち、いくつかの実施形態では、外部システムまたはサーバ12のいずれかが、軸流ファン回転方向を決定するための方向決定プロセス55を実行し、決定された方向をシミュレーションプロセス40への入力として提供する。
シミュレーションプロセス46は、格子ボルツマン方程式(LBE)に従って粒子分布の進展をシミュレートする。プロセスは、索出されたメッシュから幾何学量を事前に計算し(44)、索出されたメッシュに対応する事前計算された幾何学量を用いて動的格子ボルツマンモデルシミュレーション46を実行する。プロセス46は、衝突動作を実行し(46a)、(そして、衝突動作から、近傍メッシュ位置から到来する分布の集合を収集し、)境界モデル化に従って物理的境界における流れを評価し(46b)、流れが物理的表面に当たるとき、スカラソルバ46cを適用することによってスカラ処理を行うことができ、LBMメッシュ内の次のセルへの粒子の移流46dを行う。
境界モデル化
ここで図3を参照すると、衝撃波面に遭遇しているときの流れの方向の変化が示される。表面との相互作用を正しくシミュレートするために、各ファセットは4つの境界条件を満たす。第1に、ファセットが受け取る粒子の合計質量は、ファセットが移動させる粒子の合計質量に等しくなければならない(すなわち、ファセットへの正味質量流束がゼロに等しくなければならない)。第2に、ファセットが受け取った粒子の合計エネルギーは、ファセットが移動させた粒子の合計エネルギーに等しくなければならない(すなわち、ファセットへの正味エネルギー流束はゼロに等しくなければならない)。これらの2つの条件は、各エネルギーレベル(すなわち、エネルギーレベル1および2)での正味質量流束がゼロに等しくなるよう求めることによって満たすことができる。
境界層モデルは、固体壁において生じる運動量流束を統括する通例の非滑り境界条件に対応する壁せん断応力(摩擦)を以下のようにモデル化することができる。
Figure 2021068440
ここで、勾配値は、壁(y=0)において取得され、u*は、いわゆる摩擦速度(=壁せん断応力の二乗根
Figure 2021068440
であり、ρは流体質量密度である)であり、v0は、流れの分子動粘性である。この勾配の正確な計算は、速度場を壁まで非常に小さなスケールで分解することを必要とし、実用的でない。乱流モデル化の主な任務は、壁における速度勾配を直接計算することなく壁せん断応力を近似することである。これは、乱流および計算流体力学の分野において乱流境界層モデル化(または壁モデル化)として知られている。
乱流境界層モデルの定式化は、「壁の法則」として知られる乱流の基本現象の基礎にある。すなわち、固体壁が十分に平坦であり、壁からの距離の観点で測定された広範囲の位置にわたって、乱流の流れが壁に沿って完全に付着している場合、乱流の流れの時間平均された速度プロファイルは、特定の、すなわち「普遍」形態を有する。
この「普遍」形態は、壁せん断応力などの局所的な固有物理特性によるスケール変換の下で保持される。このため、以下の式を、速度プロファイルのために用いることができる。
Figure 2021068440
ここで、U(y)は、壁からの距離yにおいて測定された固体壁に沿った平均流体速度値であり、Bは定数である(経験的に、約5の値を有することがわかっている)。量y+は、以下のように定義される、壁からの次元なしの距離である。
Figure 2021068440
定数κはいわゆるフォンカルマン定数である(経験的に、約0.41の値であることがわかっている)。対数関数形態は、概ね50から数百以上の広範囲のy+値について有効である。基本壁モデル関数形態(式1)は、粘性底層および遷移底層を含む、より広範囲のy+値、0<y+<50をカバーするように拡張することができる。拡張形態は以下に与えられる。
U(y)=u*F(y+) (式2)
一般的に、y+≧50の場合、
Figure 2021068440
であり、5<y+<50の場合、遷移プロファイル形態が用いられることが受容されている。
しかしながら、この「壁の法則」は、一般的に、境界層流が完全に平坦な固定壁に沿って完全に付着しており、壁に対し平行な粘性変動が、壁に対し法線方向のものと比較して無視することができるときにのみ適用可能であり、これは平衡条件として知られる。式(式1)は、速度プロファイル(壁からの距離の関数としての速度)と、表面摩擦との関係を定義する。これは、乱流境界層モデル化の物理特性に関する観測である、壁における(解決不可能な)速度勾配情報を必要とすることなく表面摩擦を決定するための基礎をもたらす。壁せん断応力ベクトルは、流速方向の反対方向において流体に作用する固体面による有効力を定義する。
Figure 2021068440
ここで、
Figure 2021068440
は、流速方向900における単位ベクトルである。
しかしながら、固体壁(衝撃波面902)は多くの場合に平坦でない。したがって、「壁の法則」を、例えば壁曲率によって生じる流動方向における流れの変動が存在する非平衡状況に拡張することが望ましい。乱流境界層プロファイルに対する曲率のリーディングオーダーの影響が圧力勾配の存在であることがわかっている。基本壁モデルの様々な拡張が行われた。これらは、一般的には、圧力勾配に比例する項を含めるような式(式1)の変更である。
1つのそのような拡張が、その全体が引用により本明細書に組み入れられる、米国特許(米国特許第5910902号)に記載されている。この特許は、圧力勾配の影響下での境界層プロファイルの自己相似性の引数に基づいて、特定の方式を用いて基本壁モデル(式1)を圧力勾配の影響を含めるように高度に拡張したものを記述している。この拡張の一般的な形態は以下のように書かれる。
Figure 2021068440
ここで、ξ(x)は、xの次元のない正の関数である。dp/dsは、流動方向(局所的な流体速度に対し平行)の圧力勾配成分、
Figure 2021068440
を表し、ここで、
Figure 2021068440
は、流動方向における単位ベクトルである。この手法は、境界層流分離の正確な予測を含む、任意の形状の物体の周りの流れの正確なシミュレーションを可能にする。
既存の乱流境界層モデル化(上記の米国特許第5910902号に記載されているものを含む)は、圧力勾配方向が境界層における速度方向に対し平行であることを仮定する。すなわち、式(4)のような式(2)に対する拡張は、流動方向の圧力勾配成分の寄与のみを考慮に入れるのに対し、垂直な圧力成分を無視する。これは、流れの方向における幾何学的湾曲の影響に対処するのに妥当であるが、固体面に沿った流れが湾曲方向と常に同じ方向にあるわけではないことがある。例えば、主軸が流れの方向に対し角度(0<θ<90)を形成する円筒を検討する。この形状の結果として、得られる圧力勾配は、流れ方向に対し平行でも垂直でもしない。したがって、非平行境界層流に対する湾曲の影響を適切に捕捉するために、既存の乱流境界層モデル化に対する一般化が必要とされる。
上記で暗に示したように、図4を参照すると、圧力勾配は、3つの直交する方向70、すなわち、壁に対し法線方向の方向と、壁に対し共に接線方向であるが、一方の方向は、境界層における平均速度に対し平行な「流動方向(stream−wise)」の方向であり、他方の方向は壁に対し垂直な「広がり方向(span−wise)」の方向である、2つの方向とに沿った成分に分解することができる。一般的に、従来の拡張された壁モデルでは、流動方向の圧力勾配成分寄与が含まれるのに対し、広がり方向の成分は無視されるかまたは認識されない。
本明細書に記載の乱流境界層モデル化は、圧力勾配方向と流速方向との間の関係を扱うために異なる方式で開始する。圧力勾配を上述した3つの方向(壁に対し法線方向、2つの接線方向、すなわち「流動方向」および「広がり方向」)に分解するのではなく、プロセスは境界層流速を3つの方向に分解する。
速度は壁に対し接線方向であるため、壁に対し法線方向の速度成分はゼロであり、このため、実際には、2つの速度方向、すなわち、圧力勾配の壁接線部分に対し平行な第1の方向、および圧力勾配の壁接線部分に対し垂直な第2の方向のみが存在する。
したがって、速度ベクトルUは以下のように表すことができる。
Figure 2021068440
ここで、
Figure 2021068440
904および
Figure 2021068440
は、それぞれ圧力勾配方向の壁接線部分に対し平行な、および垂直な、壁接線単位ベクトルである。速度成分は以下によって表される。
Figure 2021068440

Figure 2021068440
境界層速度をこれらの2つの成分に分解すると、その2つの異なる方向に基づいて適切な壁モデル化を適用することは簡単である。圧力勾配に対し垂直な速度成分の場合、基本的な壁の法則が(式2)におけるように採用され、すなわち以下となる。
b(y)=u*bF(y+) (式7a)
ここで、摩擦速度u*bは、圧力勾配方向に対し垂直な表面摩擦に対応する。対照的に、圧力勾配に対し平行な速度成分について、拡張された壁モデル形態(式(4))が用いられる。
Figure 2021068440
したがって、圧力勾配効果は、境界層速度の平行成分にのみ適用される。上記において、u*pは、圧力勾配方向に対し平行な表面摩擦に対応する。
加えて、以前に定義し理解されたものと比較して、流動方向の圧力勾配dp/ds904のより慎重な定義が提供される。上記で論考したように、従来の理解において、dp/dsは、流動方向における圧力勾配成分であり、すなわち、境界層速度の方向における圧力勾配の投影である。
Figure 2021068440
従来の理解と対照的に、dp/dsは、本明細書において、固体面に対し接線方向の圧力勾配の成分として定義する。これは一般的に、速度方向と同じでない。明示的に、この解釈によるdp/dsは以下のように定義される。
Figure 2021068440
ここで、
Figure 2021068440
は、固体面に対し法線方向の単位ベクトルであり、単位ベクトル
Figure 2021068440
は、表面に対し接線方向の投影された圧力勾配の方向にある((式5)において定義された単位ベクトル
Figure 2021068440
に等しい)。
新たなdp/dsの絶対値は、一般的に、従来の定義におけるものよりも大きい。なぜなら、
Figure 2021068440
であるためである。結果として、得られる圧力勾配効果は、新たに拡張された壁モデルにおいてわずかにより強力である。より重要なことに、一般的に、境界層速度は、圧力勾配(の接線部分)に対し平行でないため、結果として得られる表面摩擦力は、もはや速度方向に対し平行でない。
上記全てを組み合わせると、結果として、壁せん断応力の新たな表現が以下のように与えられる。
Figure 2021068440
*pは一般的にu*bに等しくないため、壁せん断力方向は、流速方向に対し平行でないことがわかる。この特徴は、全ての以前の乱流境界層モデルにおいて欠落していると考えられる。したがって、説明された拡張壁モデルが、従来の壁モデルよりも、平坦でない固体壁表面について大幅な改善を示し、したがって、「壁の法則」を、例えば壁湾曲によって生じる流動方向における流れの変動が存在する非平衡状況に拡張することが予期される。開示された壁モデルの非平行な表面摩擦力の影響は、湾曲した表面に対する壁に近い衝撃の存在に起因した境界層転回現象のより正確な予測をもたらすことができる。
図5を参照すると、乱流境界層モデルが評価される。乱流境界層モデルは、境界層流速度を決定する(82)。3つの方向が存在するが、壁に対し法線方向の速度成分がゼロであるとみなされ、このため、実際には、2つの方向、すなわち、圧力勾配の壁接線部分に対し平行な第1の方向、および圧力勾配の壁接線部分に対し垂直な第2の方向のみが決定される。これについては式6aおよび式6b(上記)を参照されたい。
式6aおよび式6b(上記)の境界層速度の2つの成分を用いて、乱流境界層モデルは、拡張壁モデル形態において、壁せん断応力方向が流速方向と平行でない壁せん断応力として上記で式9に与えられた圧力勾配に対し平行な速度成分を適用することによって、これらの速度成分に基づいて圧力勾配を計算する(84)。
図6を参照すると、第1のモデル(2D−1)100は、21個の速度を含む2次元モデルである。これらの21個の速度のうち、1つ(105)は、移動していない粒子を表し、4つの速度からなる3つの組は、格子のxまたはy軸に沿った正または負の方向における、正規化速度(r)(110〜113)、正規化速度の2倍(2r)(120〜123)、または正規化速度の3倍(3r)(130〜133)で移動している粒子を表し、4つの速度からなる2つの組は、x格子軸およびy格子軸の双方に対し、正規化速度(r)(140〜143)、正規化速度の2倍(2r)(150〜153)で移動している粒子を表す。
図7にも示されているように、第2のモデル(3D−1)200は39個の速度を含む3次元モデルであり、各速度は図7の矢印のうちの1つによって表される。これらの39の速度のうち、1つは、移動していない粒子を表し、6つの速度からなる3つの組は、格子のx、yまたはz軸に沿った正または負の方向における、正規化速度(r)、正規化速度の2倍(2r)、または正規化速度の3倍(3r)で移動している粒子を表し、8つは、3つのx、y、z格子軸全てに対し正規化速度(r)で移動している粒子を表し、12個は、x、y、z格子軸のうちの2つに対し正規化速度の2倍(2r)で移動している粒子を表す。
101個の速度を含む3D−2モデル、および37個の速度を含む2D−2モデルのようなより複雑なモデルも用いることができる。速度は、それぞれ表1および表2に文書化された各軸に沿った成分によってより明確に記述される。
101個の速度からなる3次元モデル3D−2の場合、1つは、移動していない粒子を表し(グループ1)、6つの速度からなる3つの組は、格子のx、yまたはz軸に沿った正または負の方向における、正規化速度(r)、正規化速度の2倍(2r)、または正規化速度の3倍(3r)で移動している粒子を表し(グループ2、4および7)、8つからなる3つの組は、3つのx、y、z格子軸全てに対し正規化速度(r)、正規化速度の2倍(2r)、または正規化速度の3倍(3r)で移動している粒子を表し(グループ3、8および10)、12個は、x、y、z格子軸のうちの2つに対し正規化速度の2倍(2r)で移動している粒子を表し(グループ6)、24個は、x、y、z格子軸のうちの2つに対し正規化速度(r)および正規化速度の2倍(2r)で移動し、残りの軸に対して移動していない粒子を表し(グループ5)、24個は、x、y、z格子軸のうちの2つに対し正規化速度(r)で移動し、残りの軸に対して正規化速度の3倍(3r)で移動している粒子を表す(グループ9)。
37個の速度からなる2次元モデル2D−2について、1つは、移動していない粒子を表し(グループ1)、4つの速度からなる3つの組は、格子のxまたはy軸に沿った正または負の方向における、正規化速度(r)、正規化速度の2倍(2r)、または正規化速度の3倍(3r)で移動している粒子を表し(グループ2、4および7)、4つの速度からなる2つの組は、xおよびy格子軸の双方に対し正規化速度(r)または正規化速度の2倍(2r)で移動している粒子を表し、8個の速度は、xおよびy格子軸のうちの1つに対し正規化速度(r)で移動し、他方の軸に対し正規化速度の2倍(2r)で移動している粒子を表し、8個の速度は、xおよびy格子軸のうちの1つに対し正規化速度(r)で移動し、他方の軸に対して正規化速度の3倍(3r)で移動している粒子を表す。
上記で説明されたLBMモデルは、2次元および3次元の双方における流れの数値シミュレーションのための特定のクラスの効率的でロバストな離散速度動力学モデルを提供する。この種のモデルは、離散速度の特定の集合と、これらの速度に関連付けられた重みとを含む。速度は、速度空間においてデカルト座標のグリッド点と一致し、これにより、特に格子ボルツマンモデルとして知られる種類の離散速度モデルの正確で効率的な実施を容易にする。そのようなモデルを用いて、流れは高い忠実度でシミュレートすることができる。
図8を参照すると、物理プロセスシミュレーションシステムが、手順300に従って動作して、軸流ファンが配設される流体流などの物理プロセスをシミュレートする。シミュレーションの前に、決定された軸流ファン回転方向が、(図14および図15A〜図15Fにおけるような)軸方向の冷却ファン回転方向を自動的に計算するプロセスの実行から受信され、流体シミュレーションに適用される(301)。流体シミュレーションの一部として、シミュレーション空間がボクセルの集合としてモデル化される(ステップ302)。通常、シミュレーション空間は、コンピュータ支援設計(CAD)プログラムを用いて生成される。例えば、CADプログラムを用いて、換気システム内に位置する軸流ファンを描くことができる。その後、CADプログラムによって生成されたデータを処理して適切な分解能を有する格子構造を追加し、シミュレーション空間内の物体および表面を考慮する。
格子の分解能は、シミュレートされているシステムのレイノルズ数に基づいて選択することができる。レイノルズ数は、流れの粘度(v)、流れにおける物体の特性長(L)および流れの特性速度(u)に関連する。
Re=uL/v 式(I−3)
物体の特性長は、物体の大規模な特徴を表す。例えば、マイクロデバイスの周囲の流れをシミュレートする場合には、マイクロデバイスの高さを特性長とみなすことができる。軸流ファンの周りの流れの場合、ファンの直径は、特性長とみなされ得る。小さな物体領域(例えば、ファンとシュラウドとの間の間隙領域)の周囲の流れに関心があるとき、シミュレーションの分解能を高めるか、または関心領域の周囲に高分解能の領域を使用することができる。格子の分解能が高まるにつれてボクセルの次元は減少する。
状態空間はfi(x,t)として表され、ここで、fiは、時点tにおいて3次元ベクトルxによって示される格子サイトにおける状態iの単位体積当たりの要素または粒子の数(すなわち、状態iの粒子の密度)を表す。既知の時間増分では、粒子の数が単純にfi(x)として参照される。格子サイトの全ての状態の組合せは、f(x)として示される。
状態の数は、各エネルギーレベル内の考えられる速度ベクトル数によって決まる。速度ベクトルは、x、yおよびzの3次元を有する空間内の整数の線形速度からなる。多重種シミュレーションでは状態の数が増加する。
各状態iは、特定のエネルギーレベル(すなわち、エネルギーレベル0、1または2)における異なる速度ベクトルを表す。各状態の速度ciは、以下のように3次元の各次元における「速度」と共に示される。
i=(cix,ciy,ciz) 式(I−4)
エネルギーレベルゼロの状態は、どの次元においても動いていない停止した粒子を表し、すなわちcstopped=(0,0,0)である。エネルギーレベル1の状態は、3次元のうちの1つの次元において±1の速度を有し、他の2つの次元においてゼロ速度を有する粒子を表す。エネルギーレベル2の状態は、3次元全てにおいて±1の速度を有する粒子、または3次元のうちの1つの次元において±2の速度を有し、他の2つの次元においてゼロ速度を有する粒子を表す。
3つのエネルギーレベルの考えられる順列を全て生成すると、全部で39個の可能な状態(1つのエネルギー0状態、6つのエネルギー1状態、8つのエネルギー3状態、6つのエネルギー4状態、12個のエネルギー8状態および6つのエネルギー9状態)が得られる。
各ボクセル(すなわち、各格子サイト)は、状態ベクトルf(x)によって表される。状態ベクトルは、ボクセルの状態を完全に定め、39個のエントリを含む。39個のエントリは、1つのエネルギー0状態、6つのエネルギー1状態、8つのエネルギー3状態、6つのエネルギー4状態、12個のエネルギー8状態および6つのエネルギー9状態に対応する。システムは、この速度集合を使用することによって、達成された平衡状態ベクトルのためのマクスウェル−ボルツマン統計を生成することができる。
プロセスがメッシュ内で物理的物体またはデバイスの表面に対応する位置に遭遇するときのシミュレーション中、プロセスは、上記で論考したように、圧力勾配を境界層流速度に分解する乱流境界層モデルの下で評価することによって上記関数を実行する。
ここで図9を参照すると、マイクロブロックが示されている。ボクセルは、処理効率のためにマイクロブロックと呼ばれる2×2×2の体積にグループ化される。これらのマイクロブロックは、ボクセルの並行処理を可能にして、データ構造に関連するオーバーヘッドを最小化するように編成される。マイクロブロック内のボクセルの略語はNi(n)として定義され、ここで、nは、マイクロブロック内の格子サイトの相対的位置を表し、n∈{0,1,2,...,7}である。
図10Aおよび図10Bを参照すると、表面S(図10A)が、シミュレーション空間(図10B)内にファセットFαの集合として表されている。
S={Fα} 式(I−5)
ここで、αは、特定のファセットを列挙する指数である。ファセットはボクセル境界に制限されず、比較的少数のボクセルにファセットが影響を与えるように、典型的にはファセットに隣接するボクセルのサイズと同程度またはそれよりもわずかに小さなサイズを有する。ファセットには、表面動力学を実装する目的で特性が割り当てられる。特に、各ファセットFαは、単位法線(nα)と、表面積(Aα)と、中心位置(xα)と、ファセットの表面動特性を表すファセット分布関数(fi(α))とを有する。
図11を参照すると、シミュレーション空間の異なる領域内で異なるレベルの分解能を用いて処理効率を改善することができる。通常は、物体352の周囲の領域650に最も関心があり、したがってこの領域を最高分解能でシミュレートする。粘度の影響は物体からの距離と共に減少するので、減少レベルの分解能(すなわち、拡大されたボクセル体積)を用いて、物体352から増加する距離に配置された領域350、354をシミュレートする。
同様に、図12に示すように、低レベルの分解能を用いて物体372のそれほど重要でない特徴の周囲の領域370をシミュレートする一方で、最高レベルの分解能を用いて物体372の最も重要な特徴(例えば、前端面および後端面)の周囲の領域374をシミュレートすることもできる。中心から外れた領域376は、最低レベルの分解能および最大ボクセルを用いてシミュレートされる。
ファセットの影響を受けるボクセルの識別
再び図9を参照すると、シミュレーション空間がモデル化されると(ステップ302)、1つまたは複数のファセットの影響を受けるボクセルが識別される(ステップ304)。ボクセルは、複数の形でファセットの影響を受ける場合がある。まず、1つまたは複数のファセットが交わるボクセルは、交わっていないボクセルに比べて体積が減少するという点で影響を受ける。この理由は、ファセットと、ファセットが表す表面の下にある材料とがボクセルの一部を占有するからである。分数係数(fractional factor)Pf(x)は、ファセットの影響を受けないボクセルの部分(すなわち、流れをシミュレートする対象である流体または他の材料が占有できる部分)を示す。交わっていないボクセルでは、Pf(x)が1に等しい。
ファセットへの粒子の移動またはファセットからの粒子の受け取りを行うことによって1つまたは複数のファセットと相互作用するボクセルも、ファセットの影響を受けるボクセルとして識別される。ファセットが交わる全てのボクセルは、ファセットから粒子を受け取る少なくとも1つの状態と、ファセットに粒子を移動させる少なくとも1つの状態とを含むようになる。ほとんどの場合、更なるボクセルもこのような状態を含む。
図13を参照すると、ファセットFαは、非ゼロの速度ベクトルciを有する各状態iについて、速度ベクトルciとファセットの単位法線nαとのベクトルドット積(|cii|)の大きさによって定義される高さと、ファセットの表面積Aαによって定義される底面とを有する平行六面体Gによってその体積Vが次式に等しくなるように定められた領域から粒子を受け取り、またはこの領域に粒子を移動させる。
=|ciα|Aα 式(I−6)
ファセットFαは、状態の速度ベクトルがファセットの方に向いている(|cii|<0)とき、体積Vから粒子を受け取り、状態の速度ベクトルがファセットから離れる方に向いている(|cii|>0の)とき、この領域に粒子を移動させる。以下で論考するように、内角などの非凸面特徴の近傍で起こり得る状態である、別のファセットが平行六面体Gの一部を占有するときには、この式は修正されなくてはならない。
ファセットFαの平行六面体Gは、複数のボクセルの一部または全部に重なり合うことができる。ボクセルの数またはその一部は、ボクセルのサイズに対するファセットのサイズと、状態のエネルギーと、格子構造に対するファセットの配向とに依存する。影響を受けるボクセルの数は、ファセットのサイズと共に増加する。したがって、上述したように、通常、ファセットのサイズは、ファセットの近くに位置するボクセルのサイズと同程度またはそれよりも小さくなるように選択される。
平行六面体Gが重なり合ったボクセルの部分N(x)は、V(x)として定義される。この項を使用すると、ボクセルN(x)とファセットFαとの間を移動する状態iの粒子の流束Γ(x)は、ボクセルの状態iの粒子の密度(Ni(x))と、ボクセルが重なり合った領域の体積(V(x))とを乗算したものに等しい。
Γ(x)=Ni(x)V(x) 式(I−7)
平行六面体Gに1つまたは複数のファセットが交わるとき、以下の条件が当てはまる。
=ΣVα(x)+ΣV(β) 式(I−8)
ここで、第1の加算は、Gが重なり合った全てのボクセルを計上し、第2項は、Gに交わる全てのファセットを計上する。平行六面体Gに別のファセットが交わらないとき、この式は以下のように変形する。
=ΣV(x) 式(I−9)
シミュレーションの実行
1つまたは複数のファセットの影響を受けるボクセルが識別されると(ステップ304)、タイマを初期化してシミュレーションを開始する(ステップ306)。シミュレーションの各時間増分中、粒子と表面ファセットとの相互作用を計上する移流段階(ステップ308〜316)によってボクセルからボクセルへの粒子の移動がシミュレートされる。衝突段階(ステップ318)が、各ボクセル内の粒子の相互作用をシミュレートする。その後、タイマが増分される(ステップ320)。増分されたタイマが、シミュレーションが完了したことを示していない(ステップ322)場合には、移流段階と衝突段階と(ステップ308〜320)が繰り返される。増分されたタイマが、シミュレーションが完了したことを示す(ステップ322)場合には、シミュレーションの結果が記憶および/または表示される(ステップ324)。
軸流ファンの回転方向を自動的に決定するプロセス
図14は、方向決定プロセス55の例示的な実施形態を示すのに対し、図15A〜図15Fは、方向決定プロセス55から導出された軸流ファンの態様の図を示し、これは、方向決定プロセス55を理解するのに有用である。
軸流ファン特性
一時的に図15Aを参照すると、この図は、典型的な軸流冷却ファン440を図式的に示す。図15Aにおいて、軸流冷却ファンの前面図が左側に表示され、軸流冷却ファンの上面図が図15Aの右側に表示されている。前面図(図15Aの左側)および上面図(図15Aの右側)には、軸流冷却ファンのブレード442およびモータ(部分)444が示されている。翼と同様に、ファンブレードは、流体と最初に接触する前縁部446と、流体が離れる後縁部448とを有する。ファンが中心平面450に沿って回転するとき、流体は、前縁部446から後縁部448に向かって流れる。バルク流体は、452によって示される方向に移動する。
図15Aは、流体流がファンブレードの軸流ファン前縁部から軸流ファン後縁部までどのように移動するかを示す。軸流ファンは、前縁部が後縁部の前に流体流に遭遇している(すなわち、前縁部が流体流に最初に遭遇している)方向に回転する。以下の論考は、ファンブレードのいずれの側がファンブレードの前縁側であるかを決定しようとする。ファンブレードの前縁側が決定されると、軸流ファン回転方向は、後縁側が流体に最初に触れる方向となる(代替的に、中心線の後縁側領域を決定するプロセスが用いられてもよく、実際のファン回転方向は、後縁側領域が流体に最後に入る回転方向となる)。
ここで図14を参照すると、軸流冷却ファン回転方向を自動的に決定する方向決定プロセス55の実施形態が示される。プロセス55は、単一のブレードのプロファイルビュー(図15Bを参照)を含む軸流ファンの2D(2次元)領域表現(図15Aを参照)に「投影される」軸流ファンの複雑な3D(3次元)形状を分析する画像処理方法を用いる。単一のブレードのプロファイルビューのみを含む画像を自動的に生成し、プロファイル分析を自動的に実行するために、方向決定プロセス55は、例えば、コンピュータ支援設計(CAD)アプリケーション(図示せず)から、ファンブレードおよびファンモータのための所定の識別子(例えば、名称等)を有する3Dデジタル軸流ファン形状表現をインポートする(402)。方向決定プロセス55は、インポートされた表現を、ファンブレードおよびファンモータに分割し(404)、ファンブレードおよびモータを対応するセグメントに割り当てる。
方向決定プロセス55は、プロセス55のための初期回転方向値として用いられる、推定初期ファン回転方向(時計回りまたは反時計回り)を受信する(406)。方向決定プロセス55は、物理的単位(例えば、測定単位)で表現されるファン直径を計算する(408)ことを含む正規化プロセスを含む。方向決定プロセス55の正規化は、ファンを、水密の円筒形回転体の体積内に封入する。物理的単位でのファンの直径が、封入する液密円筒形回転体体積のサイズを測定することから計算される(408)。計算されたファン直径値を用いて、プロセスがファンのサイズに依拠しないように他のパラメータを正規化する。
方向決定プロセス55は、カッターリング、例えば中空の円筒形リング502を生成する(410)。リング502(図15E)とファン形状(例えば、上記で論考したようなCAD表現の3D表現)との間でブール演算が行われ(412)、それによって重なり合った部分504が取得される。通常、これらの重なり合った部分を得るために、リング502およびファン形状でブール「AND」演算を行うことができる。これらの重なり合った部分は、ファンブレードの他の領域の残りの部分である。目的は、単一のブレードの外側領域506(図15B)のみを分離することである。この目的を達成するために、これらの残りの部分は、ステップ414において、各残りの部分が一意のIDを有するように自動的に分割される。プロセスは、自動的に分割された複数の残りの部分のうちの1つの残りの部分を示し、全ての他の残りの部分を隠す。性能の目的で製造者によってファンブレードに取り付けられたリングを有する軸流ファンの場合、カッターリング、例えば中空の円筒形リング502によって用いられる切断位置は、それに応じて調整され、ファンブレードに取り付けられたリングがブレード形状ビューに影響を及ぼさないようにされる。
システムは、「閲覧者」に最も近い残りの部分を計算し(416)、選択されたファンブレードを他の残りの部分と分離する(418)。代替的な実施形態は、目標となるブレード部分を選択するためのフィルタとして、「閲覧者」に対し最も近いブレード部分ではなく、最も遠いブレード部分を選ぶこと、最も左側もしくは最も右側のブレード部分を選ぶこと、または基準ベクトル、例えば想定されるファン回転軸ベクトルに対する角度を指定することを含む。
方向決定プロセス55は、仮想視認位置および視認方向を、ファン直径および向きの関数として計算し(420)、目標となるブレードプロファイル508(図15E)を閲覧する所望の角度が達成されるようにする。図14における他の項目のうちの少なくともいくつかについて、項目418および420のシーケンスは交換可能である。任意の事象において、ステップ422において、最適な視野角を有する1つのブレードのプロファイルのみを示す画像が出力される。
図15Cを参照すると、図式的に示されるように、中心線がシステムによって抽出される。中心線抽出技法470は、分離されたブレード442aの位置を表すデータ(上縁部および下縁部、前縁部および後縁部、ならびに基準、例えば水平面/線に対する角度)を取得し、そのデータから、ビュー内の縁部から等距離にあり、前縁領域472aおよび後縁領域472bを等距離で横切る線として中心線472を決定し、単一軸流ファンブレードプロファイルを分析するための数値分析プロセス(図14)を単純化する。
数値分析プロセスを更に単純化するために、中心線抽出技法470が、軸流ファンのブレードの表現から、ブレードプロファイルビュー424の中心線472を抽出する。中心線472の前縁側領域472aおよび後縁側領域472bにおける中心線472の傾斜
Figure 2021068440
を比較して、ファン回転方向および流体移動方向を決定することができる。すなわち、ブレードプロファイルビューの、傾斜のより低い値を有する、例えばより「平坦な」側が、ファンブレードビューの後縁側として指定される。軸流ファンは、特定の方向(時計回りまたは反時計回り)に回転し、決定された後縁側が流体に最初に「触れる」ようにされる。計算された方向は、方向決定プロセス55からの実際の結果である。
いくつかの例において、チェックステップが実行される(426)。424からの計算結果が、受信した(406)初期回転値と同じである場合、ステップ428においてプロセスは終了することができる。結果が推測された回転値と同じでない場合、推測値は誤りであり、ファン回転方向は、推測値の方向と反対の方向であり、ステップ430において、システムは、回転方向を「フリップする」、すなわち変更することができ、換言すれば、システムは、上述したように、方向決定プロセス55からの実際の結果として、計算された回転方向を提供する。流体移動方向も、局所座標系において同時に決定される。計算された流体移動ベクトルは、必要に応じて任意の他の座標系に変換することができる。この手法は、ブレードプロファイルの向きと独立している。このように、方向決定プロセス55は、ファンブレード縁部の上側部分510aおよび下側部分510bの平均値を計算することによって、出力された画像の中心線510(図15E)の出力された画像位置情報から回転方向を計算する。このため、この計算は、ブレードプロファイル全体ではなく、中心線510の形状のみを分析することによって単純化される。
図15Bは、典型的な軸流冷却ファンブレードの前縁部および後縁部の特性を示す。効率を最大限にし、性能を最適化するために、図15Bに示すような典型的な軸流冷却ファンブレード442aは、その前縁側443aが、後縁側443cの場合と比較して、ファン回転面443bに対しより「平坦である」ように設計される。すなわち、角度443eは角度443fよりも小さい。角度443eは、前縁側における平均されたブレードプロファイル中心線442aと、回転面464に対し平行な仮想線462との間の角度によって定義される。同様に、443fは、前縁部における平均されたブレードプロファイル中心線466と、回転面464に対し平行な仮想線460との間の角度によって定義される。この構成において、前縁部は、流体を通過するときにより少ない流体抵抗を受けることになり、後縁部は、流れ方向について設計された方へ移動する流れを誘導することになる。
ブレードの分離のための残りの方法
図15Dは、ファン画像(図15A)から生成された中空の円筒形リング502を示す。中空の円筒形リング502のサイズは、上記で論考したファン直径の関数である。図15Dは、重なり合った部分504が取得されるようにリング502とファン形状(例えば、上記で論考したCAD表現)との間のブール演算を行った結果も示す。通常、これらの重なり合った部分を得るために、リング502およびファン形状でブール「AND」演算を行うことができる。これらの重なり合った部分は、ファンブレードの外側領域の残りの部分である。目的は、単一のブレードプロファイル508の外側領域506(図15E)のみを分離することである。この中心線510は、示されるように、上縁部510aと下縁部510bとの間、および前縁部と後縁部との間の等距離の線として計算される。
図14において上記で論考したように、1つのファンブレードの1つの外側領域を分離するために、これらの残りの部分は、ステップ474において、各残りの部分が一意のIDを有するように自動的に分割される。プロセスは、自動的に分割された複数の残りの部分のうちの1つの残りの部分を示し、全ての他の残りの部分を隠す。
レイトレーシング方法
図15Eを参照すると、単一の軸流冷却ファンブレード画像を得るためのレイトレーシングプロセス520を用いる代替的な実施形態が示される。記載されたファンブレードプロファイルを取得するためのこのレイトレーシングプロセス520は、図15Fに示すように、ファン528の中心524から、軸流ファンの表現を通じて複数の光線522(本明細書において用いられるとき、1つまたは複数の光線は、幾何学的概念であり、例えば、1つの方向に無限に延びる単一の端点(または起点)を有する線である)を放出するシステムを伴う。これらの光線は、径方向に伝播する円形波530を形成する。トレーシングプロセスは、波がファンのブレードのような固体部分に当たらない場合はいつでも、システムにゼロ値または信号を記憶させ、システムは、波がブレードのような固体部分に当たる場合はいつでも、非ゼロ値または信号を記録する。生成される信号は図15Fに提示される。
図15Fを参照すると、レイトレーシングプロセス500によって生成される例示的な画像が、軸流ファンの全てのブレードのプロファイルを示す。このプロセスにおいて、全てのブレードプロファイルが記録され、ブレードの中心線が自動的に計算される。例えば、532はブレード530の中心線を表す。図15Cに記載されている傾斜計算は、全ての単一のブレードに対し行われる。前縁側および後縁側は、全てのブレードからの結果を評価することによって決定される。回転方向は、投票法を用いることによって、例えば、回転方向と一致するブレードプロファイル数の最大値を求めることによって決定される。図15Dにおいて論考したのと同様に、この最大値を用いて、初期回転方向が正しいかまたは誤りであったかを評価する。
開示された実施形態は、既存の解決策を上回る以下の利点のうちの1つまたは複数を提供することができる。既存の解決策が、通常、手動プロセスであるのに対し、このプロセスは自動化される。自動化プロセスは、推定を行う人物の技能に大きく依拠し得る手動の視覚推定手法と比較して、相対的に高い精度を有することができる。プロセスは、調査者の専門レベルおよびファンの複雑度に依拠してより長時間かかり得る手動プロセスと比較して、相対的に迅速に回転方向を決定することができる。開示される実施形態は、検出された回転方向を用いて局所座標系における気流方向を自動的に計算し、この情報を数値シミュレーションに渡すことができる。手動推定手法は、同様に、数値シミュレーションのための気流方向の手動入力を必要とする。
本明細書で説明した主題および機能動作の実施形態は、(本明細書に開示した構造およびこれらの構造的同等物を含む)デジタル電子回路、有形的に具体化されたコンピュータソフトウェアもしくはファームウェア、コンピュータハードウェア、またはこれらのうちの1つもしくは複数の組合せで実装することができる。本明細書で説明した主題の実施形態は、1つまたは複数のコンピュータプログラム(すなわち有形の非一時的プログラムキャリア上に符号化された、データ処理装置が実行するための、またはこれらのデータ処理装置の動作を制御するためのコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュール)として実装することができる。コンピュータ記憶媒体は、機械可読記憶装置、機械可読記憶基板、ランダムまたはシリアルアクセスメモリデバイス、またはこれらのうちの1つもしくは複数の組合せとすることができる。
「データ処理装置」という用語はデータ処理ハードウェアを意味し、データを処理する全ての種類の装置、デバイスおよび機械を含み、一例としてプログラマブルプロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサもしくはコンピュータを含む。この装置は、(例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)などの)専用論理回路とすることもできるか、またはこれを更に含むこともできる。この装置は、ハードウェアに加えて、任意に、(例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはこれらのうちの1つもしくは複数の組合せを構成するコードなどの)コンピュータプログラムの実行環境を形成するコードを含むこともできる。
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、モジュール、ソフトウェアモジュール、スクリプトまたはコードと呼ぶことまたは記述することもできるコンピュータプログラムは、コンパイラ型言語またはインタープリタ型言語、宣言型言語または手続き型言語を含むあらゆる形のプログラミング言語で書くことができ、スタンドアロンプログラム、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくはコンピュータ環境で使用するのに適した他のユニットとしての形態を含む任意の形態で展開することができる。コンピュータプログラムは、必須ではないが、ファイルシステム内のファイルに対応することができる。プログラムは、(例えば、対象プログラム専用の単一のファイル内の、または複数の連動するファイル(例えば、1つまたは複数のモジュール、サブプログラム、またはコードの一部を記憶するファイル)内の、マークアップ言語リソースに記憶された1つまたは複数のスクリプトなどの)他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で実行されるように展開することも、または1つのサイトに位置する、もしくは複数のサイトに分散して通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することもできる。
本明細書に記載するプロセスおよび論理フローは、入力データを操作し出力を生成することによって機能を実施するために1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラマブルコンピュータによって実行することができる。このプロセスおよび論理フローはまた、専用論理回路(例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路))によって実行することができ、装置もまた、専用論理回路として実装することができる。
コンピュータプログラムの実行に適したコンピュータは、汎用もしくは専用のマイクロプロセッサもしくはその両方、または任意の他の種類の中央処理ユニットに基づくことができる。一般に、中央処理ユニットは、読出し専用メモリもしくはランダムアクセスメモリまたはその両方から命令およびデータを受け取ることになる。コンピュータに欠くことのできない要素は、命令を実施または実行するための中央処理ユニットと、命令およびデータを記憶するための1つまたは複数のメモリデバイスとである。一般に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つまたは複数の大容量記憶装置(例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、または光ディスク)を含むか、もしくはそれらからデータを受信するまたはそれらにデータを転送するために動作可能に接続されるか、またはその両方となるが、コンピュータはこのようなデバイスを有する必要はない。更に、コンピュータは、別のデバイス(例えば、いくつか例を挙げると、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、携帯オーディオまたはビデオプレーヤ、ゲームコンソール、全地球測位システム(GPS)受信機、または可搬型記憶装置(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ))に組み込むことができる。
コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するのに適したコンピュータ可読媒体は、例として半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイス)、磁気ディスク(例えば、内部ハードディスクまたはリムーバブルディスク)、光磁気ディスク、ならびにCD−ROMおよびDVD−ROMディスクを含めて、媒体およびメモリデバイス上の不揮発性メモリの全形態を含む。プロセッサおよびメモリを専用論理回路で補完する、またはその中に組み込むことができる。
ユーザとの対話を実現するために、本明細書に記載する主題の実施形態は、ユーザに情報を表示するための表示デバイス(例えば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、ユーザがコンピュータに入力を与えることのできるキーボードおよびポインティングデバイス(例えば、マウスまたはトラックボール)とを有するコンピュータ上に実装することができる。他の種類のデバイスを用いて、同様にユーザとの対話を実現することができ、例えば、ユーザに与えられるフィードバックは、感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)の任意の形態とすることができ、ユーザからの入力は、音響、音声、または触覚入力を含めて、任意の形態で受け取ることができる。更に、コンピュータは、ユーザが使用するデバイスとの間で文書を送受信することによって、例えば、ウェブブラウザから受信された要求に応えてユーザデバイス上のウェブブラウザにウェブページを送信することによって、ユーザと対話することができる。
本明細書に記載する主題の実施形態は、バックエンドコンポーネントを(例えば、データサーバとして)含むか、もしくはミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバ)を含むか、もしくはフロントエンドコンポーネント(例えば、本明細書に記載する主題の実施態様とユーザが対話できるグラフィカルユーザインタフェースまたはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)を含むか、または1つもしくは複数のこのようなバックエンド、ミドルウェア、もしくはフロントエンドのコンポーネントの任意の組合せを含む、計算システムに実装することができる。本システムのコンポーネントは、デジタル通信の任意の形態または媒体(例えば、通信ネットワーク)で相互接続することができる。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(LAN)およびワイドエリアネットワーク(WAN)(例えば、インターネット)が含まれる。
計算システムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは一般に、互いに遠く離れており、典型的には通信ネットワークを介して対話する。クライアントおよびサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行されて互いにクライアント−サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。いくつかの実施形態では、サーバはデータ(例えば、HTMLページ)をユーザデバイスに送信し(例えば、ユーザデバイスと対話するユーザにデータを見せる、およびそのユーザからユーザ入力を受け取るために)、これがクライアントとして機能を果たす。ユーザデバイスで生成されたデータ(例えば、ユーザ対話の結果)をサーバでユーザデバイスから受信することができる。
本明細書は多くの具体的な実施態様の詳細を含むが、任意の発明の範囲に関するまたは請求可能なものの範囲に関する限定としてではなく、むしろ、特定の発明の特定の実施形態に特有とすることのできる特徴の記述として解釈するべきである。別個の実施形態に関連して本明細書に記載される特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態に関連して記載される様々な特徴は、複数の実施形態において別々に、または任意の適切な組合せで実施することもできる。更に、特定の組合せで機能するものとして特徴を前述し、そういうものとして初めに請求することさえできるが、請求された組合せに由来する1つまたは複数の特徴を場合によりその組合せから削除することができ、請求された組合せを部分的組合せまたは部分的組合せの変形形態に向けることができる。
同様に、図面では特定の順序で操作を描写するが、これを、所望の結果を達成するにはこのような操作を示された特定の順序でもしくは逐次的な順序で実行するべきである、または図示の操作全てを実行するべきであるということを要求するものとして理解するべきではない。特定の状況では、マルチタスクおよび平衡処理が有利な場合がある。更に、前述の実施形態における様々なシステムモジュールおよびコンポーネントの分離は、全ての実施形態でこのような分離が必要とされるものと理解するべきでなく、記載するプログラムコンポーネントおよびシステムは一般に、単一のソフトウェア製品に統合することができ、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化することができると理解するべきである。
主題の特定実施形態を記載した。他の実施形態が、次に述べる特許請求の範囲に入る。例えば、特許請求の範囲に列挙する動作を異なる順序で実行し、それでもなお、所望の結果を達成することができる。一例として、添付図面に描写したプロセスは、所望の結果を達成するために、図示する特定の順序、または逐次的な順序を必ずしも必要としない。場合によって、マルチタスクおよび平衡処理が有利であり得る。
10 システム
11 バスシステム
12 サーバシステム、超並列コンピューティングシステム、サーバ
14 クライアントシステム
18 メモリ
20 インタフェース
24 処理デバイス
30 メッシュ定義
32 メッシュ準備エンジン
32a 換気メッシュ
32b 軸流ファンのメッシュ表現
34 シミュレーションエンジン
34a 衝突相互作用モジュール
34b 圧力勾配方向の影響、境界モジュール
34c 移流粒子衝突相互作用モジュール
38 データリポジトリ
40 シミュレーションプロセス
46 シミュレーションプロセス、動的格子ボルツマンモデルシミュレーション
46c スカラソルバ
46d 移流
55 方向決定プロセス、自動化プロセス
70 方向
350 領域
352 物体
354 領域
370 領域
372 物体
374 領域
376 領域
424 ブレードプロファイルビュー
440 軸流冷却ファン
442 ブレード
442a 軸流冷却ファンブレード、ブレードプロファイル中心線
443a 前縁側
443b ファン回転面
443c 後縁側
443e 角度
443f 角度
446 前縁部
448 後縁部
450 中心平面
460 仮想線
462 仮想線
464 回転面
466 ブレードプロファイル中心線
470 中心線抽出技法
472 中心線
472a 前縁領域、前縁側領域
472b 後縁領域、後縁側領域
500 レイトレーシングプロセス
502 円筒形リング
504 重なり合った部分
506 外側領域
508 ブレードプロファイル
510 中心線
510a 上縁部、上側部分
510b 下縁部、下側部分
520 レイトレーシングプロセス
522 光線
524 中心
528 ファン
530 ブレード
530 円形波
650 領域
900 流速方向
902 衝撃波面

Claims (20)

  1. コンピュータ処理システムによって、複数のファンブレードを有する軸流ファンの3次元表現のデジタルデータを受信することと、
    前記コンピュータ処理システムによって、前記軸流ファンの3次元表現の前記データから、前記軸流ファンの2次元投影から前記軸流ファンの単一のブレードの少なくとも単一の中心線を決定することと、
    前記コンピュータ処理システムによって、ファン回転の初期値に基づいてファン回転方向の実際の値を計算することと、
    を含む、コンピュータ実装方法。
  2. 前記ファン回転方向の実際の値を計算することは、
    前記コンピュータ処理システムによって、受信データを、ファンブレードセグメントに対応する第1の区画と、モータセグメントに対応する第2の区画とに分割することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ファン回転方向の実際の値を計算することは、
    前記コンピュータ処理システムによって、前記分割されたデータから、視野角に基づいて目標ブレードセグメントを決定することと、
    前記コンピュータ処理システムによって、前記目標ブレードセグメントから中心線を抽出することと、
    前記コンピュータ処理システムによって、前記ブレードの縁部の傾斜を計算して、前記中心線の前縁側領域または後縁側領域を決定することと、
    前記コンピュータ処理システムによって、前記計算された傾斜に従って実際のファン回転方向を設定することと、
    を更に含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ファンブレードセグメントを決定することは、
    軸流ファン直径を計算してパラメータを正規化することと、
    前記計算された軸流ファン直径に従ってリングを生成することと、
    前記リングおよび前記計算されたファン直径にブール関数を適用することによって、前記軸流ファンの重なり合った部分を識別することと、
    前記リングおよびファン形状に対しブール演算を行って重なり合った部分を分離することと、
    を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記実際のファン回転方向を計算することは、
    前記システムに、前記軸流ファンの中心から複数の光線を径方向に投影させることを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記実際のファン回転方向を計算することは、
    前記システムによって、投影光線が前記軸流ファンの2次元表現の固体面に交わる時点ごとに非ゼロ信号を記録することを更に含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記実際のファン回転方向を計算することは、
    前記システムによって、前記非ゼロ信号から前記ブレードの中心線を計算することと、
    各ブレードに対し傾斜計算を行い、前記ブレードの前縁部および後縁部を決定することと、
    前記決定された前縁部および後縁部に従ってファン回転方向を決定することと、
    を更に含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記決定されたファン回転方向に従って、前記軸流ファンの前記表現を含む流量における物理的流体流プロセスをシミュレートすることを更に含み、
    前記実際のファン回転方向は、前記回転方向を、前縁側領域が流体に最初に入る方向として、または後縁側領域が前記流体に最後に入る回転方向として設定することによって決定される、請求項1に記載の方法。
  9. コンピュータシステムであって、
    1つまたは複数のプロセッサと、
    前記1つまたは複数のプロセッサに作動的に結合されたメモリと、
    実行可能なコンピュータ命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記実行可能なコンピュータ命令は、前記コンピュータシステムに、
    複数のファンブレードを有する軸流ファンの3次元表現のデジタルデータを受信させ、
    前記軸流ファンの3次元表現の前記データから、前記軸流ファンの2次元投影から前記軸流ファンの単一のブレードの少なくとも単一の中心線を決定させ、
    ファン回転の初期値に基づいてファン回転方向の実際の値を計算させる、
    コンピュータ可読記憶媒体と、
    を備える、コンピュータシステム。
  10. 前記実際の値を計算する命令は、
    受信データを、ファンブレードセグメントに対応する第1の区画と、モータセグメントに対応する第2の区画とに分割する命令を含む、請求項9に記載のコンピュータシステム。
  11. 前記ファン回転方向を計算する命令は、
    前記分割されたデータから、視野角に基づいて目標ブレードセグメントを決定する命令と、
    前記目標ブレードセグメントから中心線を抽出する命令と、
    前記ブレードの縁部の傾斜を計算して、前記中心線の前縁側領域および後縁側領域を決定する命令と、
    前記計算された傾斜に従って実際のファン回転方向を設定する命令と、
    を更に含む、請求項10に記載のコンピュータシステム。
  12. 前記単一のブレードの中心線を決定する命令は、
    軸流ファン直径を計算してパラメータを正規化する命令と、
    前記計算された軸流ファン直径に従ってリングを生成する命令と、
    前記リングおよび前記計算されたファン直径にブール関数を適用することによって、前記軸流ファンの重なり合った部分を識別する命令と、
    前記リングおよびファン形状に対しブール演算を行って重なり合った部分を分離する命令と、
    を含む、請求項11に記載のコンピュータシステム。
  13. 前記ファン回転方向を計算する命令は、
    前記システムに、前記軸流ファンの中心から複数の光線を径方向に投影させる命令を更に含む、請求項9に記載のコンピュータシステム。
  14. 前記ファン回転方向を計算する命令は、
    投影光線が前記軸流ファンの2次元表現の固体面に交わる時点ごとに非ゼロ信号を記録する命令を更に含む、請求項13に記載のコンピュータシステム。
  15. 前記ファン回転方向を計算する命令は、
    前記システムによって、非ゼロ信号から前記ブレードの中心線を計算する命令と、
    各ブレードに対し傾斜計算を行い、前記ブレードの前縁部および後縁部を決定する命令と、
    前記決定された前縁部および後縁部に従ってファン回転方向を決定する命令と、
    を更に含む、請求項9に記載のコンピュータシステム。
  16. 軸流ファン回転方向を決定するための実行可能なコンピュータ命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶されたコンピュータプログラム製品であって、前記命令は、コンピュータシステムに、
    複数のファンブレードを有する軸流ファンの3次元表現のデジタルデータを受信させ、
    前記軸流ファンの3次元表現の前記データから、前記軸流ファンの2次元投影から前記軸流ファンの単一のブレードの少なくとも単一の中心線を決定させ、
    ファン回転の初期値に基づいてファン回転方向の実際の値を計算させる、コンピュータプログラム製品。
  17. 前記実際の値を計算する命令は、
    受信データを、ファンブレードセグメントに対応する第1の区画と、モータセグメントに対応する第2の区画とに分割する命令を含む、請求項16に記載のコンピュータプログラム製品。
  18. 前記ファン回転方向を計算する命令は、
    前記分割されたデータから、以下の命令、すなわち、
    前記計算された軸流ファン直径に従ってリングを生成する命令と、
    前記リングおよび前記計算されたファン直径にブール関数を適用することによって、前記軸流ファンの重なり合った部分を識別する命令と、
    前記リングおよびファン形状に対しブール演算を行って重なり合った部分を分離する命令と、
    によって、視野角に基づいて目標ブレードセグメントを決定する命令と、
    前記目標ブレードセグメントから中心線を抽出する命令と、
    前記ブレードの縁部の傾斜を計算して、前記中心線の前縁側領域および後縁側領域を決定する命令と、
    前記計算された傾斜に従って実際のファン回転方向を設定する命令と、
    を更に含む、請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
  19. 前記単一のブレードの前記中心線を決定する命令は、
    前記システムに、前記軸流ファンの中心から複数の光線を径方向に投影させる命令を含む、請求項16に記載のコンピュータプログラム製品。
  20. 前記単一のブレードの前記中心線を決定する命令は、
    投影光線が前記軸流ファンの2次元表現の固体面に交わる時点ごとに非ゼロ信号を記録する命令と、
    前記システムによって、前記非ゼロ信号から前記ブレードの中心線を計算する命令と、
    各ブレードに対し傾斜計算を行い、前記ブレードの前縁部および後縁部を決定する命令と、
    前記決定された前縁部および後縁部に従ってファン回転方向を決定する命令と、
    を含む、請求項19に記載のコンピュータプログラム製品。
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