JP2021066300A - 樹脂ガラス窓 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度変化により樹脂ガラスが伸縮する際の変形態様を制御することができる樹脂ガラス窓を提供すること。【解決手段】樹脂ガラス窓1aは、樹脂ガラス2と、ガラスラン3と、フレーム4とを有する。フレーム4は、樹脂ガラス2の外周を囲うように配置されている。ガラスラン3は、フレーム4と樹脂ガラス2との間に介設されている。樹脂ガラス2は、その厚み方向から見た外周形状において、1つの基準角21と、基準角21を形成する2つの基準辺221、222とを有する。それぞれの基準辺221、222には、基準角21の近傍において外周端位置から内方に凹むように形成された切欠凹部23を有する。ガラスラン3は、樹脂ガラス2の外周端面24に対向する底面部32と、底面部32から樹脂ガラス2の表面上及び裏面上に延設されたリップ部とを有する。嵌入凸部31は、底面部32から突出形成され、樹脂ガラス2の切欠凹部23に嵌入されている。【選択図】図6
Description
本発明は、樹脂ガラス窓に関する。
例えば、車両等の開口部に設けられる窓として、無機ガラスに代えて樹脂ガラスを採用した樹脂ガラス窓の開発がなされてきている。樹脂ガラス窓は、樹脂ガラスと、その外周を囲うフレームと、両者の間に介在させるガラスラン(あるいはモール)とにより構成することができる。樹脂ガラスの採用は、無機ガラスよりも軽量であるために車両の軽量化等に非常に有利である一方、樹脂ガラスの熱線膨張係数が無機ガラスよりも大きいため、温度変化に伴う寸法変化を構造的にどのように吸収するかがひとつの課題となっている。そして、その課題を解決するための構成が種々提案されている。
例えば、特許文献1は、自動車の天井部の開口部に配置される樹脂製スライドウインドに関するものである。そこには、樹脂ガラスの外周部とフレームとの間に配設されたモールに薄肉部を設け、主にこの部分の変形により樹脂ガラスの温度変化に伴う伸縮を吸収する構成が示されている。この構成を採用すれば、モールが変形可能な範囲で樹脂ガラスの伸縮を任意の方向で許容する構成を実現することが可能となる。
一方、樹脂ガラス窓を備えた車両や設備の外観意匠性の向上を考えたとき、樹脂ガラス窓とその周囲とに互いに関連するような模様や図柄を設けることが考えられる。この場合に、樹脂ガラスが無秩序な方向に伸縮すると、その樹脂ガラスに描かれた模様や図柄が移動または変化することとなり、樹脂ガラスの部分とその周囲との外観の統一性が崩れるなどの不具合が生じることが考えられる。樹脂ガラス窓2枚を隣接して配置した場合にも同様の不具合が生じることが考えられる。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、温度変化により樹脂ガラスが伸縮する際の変形態様を制御することができる樹脂ガラス窓を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、板状の樹脂ガラスと、該樹脂ガラスの外周を囲うように配置されたフレームと、該フレームと上記樹脂ガラスとの間に介設されたガラスランと、を有する樹脂ガラス窓であって、
上記樹脂ガラスは、その厚み方向から見た外周形状において、1つの基準角と該基準角を形成する2つの基準辺とを有し、それぞれの上記基準辺には、上記基準角の近傍において外周端位置から内方に凹むように形成された切欠凹部を有しており、
上記ガラスランは、上記樹脂ガラスの外周端面に対向する底面部と、該底面部から上記樹脂ガラスの表面上及び裏面上に延設されたリップ部とを有すると共に、上記底面部から突出形成され、上記樹脂ガラスの上記切欠凹部に嵌入された嵌入凸部を有する、樹脂ガラス窓にある。
上記樹脂ガラスは、その厚み方向から見た外周形状において、1つの基準角と該基準角を形成する2つの基準辺とを有し、それぞれの上記基準辺には、上記基準角の近傍において外周端位置から内方に凹むように形成された切欠凹部を有しており、
上記ガラスランは、上記樹脂ガラスの外周端面に対向する底面部と、該底面部から上記樹脂ガラスの表面上及び裏面上に延設されたリップ部とを有すると共に、上記底面部から突出形成され、上記樹脂ガラスの上記切欠凹部に嵌入された嵌入凸部を有する、樹脂ガラス窓にある。
上記樹脂ガラス窓において、基準角を形成する2つの基準辺は、上記切欠凹部を有する。そして、切欠凹部には、ガラスランの嵌入凸部が嵌入されている。そのため、温度変化に伴って樹脂ガラスが伸縮する場合には、樹脂ガラスがガラスランとの間において相対的に移動しようとしたときに、少なくとも樹脂ガラスの切欠凹部と嵌入凸部との係合位置においては、基準辺に沿った変形移動が抑制される。また、上記係合位置は、2つの基準辺における基準角から近傍の位置に存在している。そのため、温度変化に伴う樹脂ガラスの伸縮が生じた際の基準角の相対的移動も抑制され、樹脂ガラスの伸縮移動は、実質的に基準角から離れるほど大きくなるよう制御される。
上記樹脂ガラス窓は、このような構成を有しているため、樹脂ガラスに模様や図柄を描いた場合には、基準角に近い位置では、温度変化に伴う模様や図柄の変化が小さく、基準角から離れるほどその変化が大きくなる傾向となる。そのため、たとえば、2枚の樹脂ガラス窓を並列させて配置する場合においては、互いの基準角を隣接させ、かつ、それぞれ一方の基準辺同士を平行に隣接させることによって、少なくともその隣接した基準辺同士の伸縮状態は互いに追従しあう状態になり、これらに描かれた模様や図柄にズレが生じにくくなる。
また、上記樹脂ガラス窓とその周囲とに模様や図柄を描く場合においては、樹脂ガラスの基準角近傍での模様や図柄の変化量が小さく、基準角から離れるほど大きくなることをあらかじめ考慮することができる。そのため、上記樹脂ガラス窓を設置する位置での模様や図柄の選択を従来よりも容易に行うことができる。
以上のように、上記樹脂ガラス窓は、温度変化により樹脂ガラスが伸縮する際の変形態様を制御することができ、上述したような種々の作用効果を得ることができる。
上記樹脂ガラス窓は、例えば、車両や建築物の窓あるいは出入口などの開口部に配設することができる。例えば、バスその他の大型車両の窓や出入口のように、比較的広い面積の開口部に樹脂ガラス窓を適用する場合には、自ずと樹脂ガラスの面積も大きくなるため、上述した効果がより顕著となる。
上記樹脂ガラス窓を構成する上記フレームは、樹脂ガラスの端面と、表面と裏面の少なくとも一方に対向するように、断面L字状又は断面コ字状の構造とすることができる。また、断面コ字状の場合、後述する実施例のように、略断面L字状のものを組み合わせることも可能である。なお、フレームは、鋼あるいはアルミニウム合金等のある程度剛性の高い材料により構成することができる。
上記ガラスランは、上述したごとく、樹脂ガラスの外周端面に対向する底面部と、該底面部から上記樹脂ガラスの表面上及び裏面上に延設されたリップ部とを有する構成とする。これにより、一対のリップ部によって樹脂ガラスの表裏を挟持することによって、樹脂ガラスの相対的な伸縮移動を許容しながら樹脂ガラスを保持することができる。
上記ガラスランは、上記樹脂ガラスの上記基準辺以外の外周辺の外周端面に対向する上記底面部の少なくとも一部に、上記樹脂ガラスの伸縮に伴う相対的なスライドに追従して進退可能な可変部を有しているものとすることができる。ガラスランは、可撓性を有する材料より作製されるため、上記底面部自体の伸縮によって樹脂ガラスの伸縮にある程度追従することは可能であるが、構造的に進退可能な上記可変部を設けることにより、樹脂ガラスの伸縮量が大きくても、これに追従することが可能となる。特に、樹脂ガラスの基準辺以外の外周辺に位置する外周端面は、基準角から離れた端部となって比較的大きく進退するため、これらの基準辺以外の外周辺の外周端面に対向する位置に上記可変部を設けることが有効である。
上記可変部は、上記底面部を、中空部を有する管状とすることにより形成されているものとすることができる。この場合には、中空部を潰す方向に管状部分を変形させることによって、許容できる伸縮追従量を高めることができる。
(実施例1)
樹脂ガラス窓の実施例につき、図1〜図7を参照して、説明する。
本例の樹脂ガラス窓1a及び1bは、図1に示すごとく、大型の車両5において、車体側面の開口部に2つ並列して配置されたものである。同図において左側に配置された樹脂ガラス窓1aは、図2に示すごとく、板状の樹脂ガラス2と、樹脂ガラス2の外周を囲うように配置されたフレーム4と、フレーム4と樹脂ガラス2との間に介設されたガラスラン3とを有する。
樹脂ガラス窓の実施例につき、図1〜図7を参照して、説明する。
本例の樹脂ガラス窓1a及び1bは、図1に示すごとく、大型の車両5において、車体側面の開口部に2つ並列して配置されたものである。同図において左側に配置された樹脂ガラス窓1aは、図2に示すごとく、板状の樹脂ガラス2と、樹脂ガラス2の外周を囲うように配置されたフレーム4と、フレーム4と樹脂ガラス2との間に介設されたガラスラン3とを有する。
樹脂ガラス窓1aの樹脂ガラス2は、図2、図3、図6に示すごとく、その厚み方向Zから見た外周形状において、1つの基準角21と基準角21を形成する2つの基準辺221、222とを有する。それぞれの基準辺221、222には、基準角21の近傍において外周端位置から内方に凹むように形成された切欠凹部23を有している。ガラスラン3は、図4、図5、図7に示すごとく、樹脂ガラス2の外周端面24に対向する底面部32と、底面部32から樹脂ガラス2の表面261上及び裏面262上に延設されたリップ部33とを有する。また、ガラスラン3は、図5、図6に示すごとく、底面部32から突出形成され、樹脂ガラス2の切欠凹部23に嵌入された嵌入凸部31を有する。
以下、さらに詳説する。
本明細書において、樹脂ガラス2の厚み方向Zを、適宜、Z方向という。また、Z方向から見た樹脂ガラス窓1aの長手方向であって、Z方向と直交する方向を、適宜、Y方向という。また、Z方向から見た樹脂ガラス窓1aの短手方向であって、Z方向とY方向の両方に直交する方向を、適宜、X方向という。
また、本明細書において、裏面262とは、車両5の室内と対向する樹脂ガラス2の面を意味し、表面261とは、その反対側の面であって、車両5の外部と対向する樹脂ガラス2の面を意味する。
本明細書において、樹脂ガラス2の厚み方向Zを、適宜、Z方向という。また、Z方向から見た樹脂ガラス窓1aの長手方向であって、Z方向と直交する方向を、適宜、Y方向という。また、Z方向から見た樹脂ガラス窓1aの短手方向であって、Z方向とY方向の両方に直交する方向を、適宜、X方向という。
また、本明細書において、裏面262とは、車両5の室内と対向する樹脂ガラス2の面を意味し、表面261とは、その反対側の面であって、車両5の外部と対向する樹脂ガラス2の面を意味する。
樹脂ガラス2は、図2に示すごとく、Z方向から見ると矩形である板状を呈する。樹脂ガラス2は、例えば、ポリカーボネートからなる。なお、本例では、樹脂ガラス2の形状が矩形の例を示したが、三角形、五角形等の他の多角形形状にすることも可能であり、かつ、角や辺が丸味をおびる形状とすることも可能である。
樹脂ガラス2は、図2に示すごとく、2つの基準辺221、222を有する。樹脂ガラス窓1aにおいて、Y方向に沿って形成されている基準辺221は、隣り合って設置されている樹脂ガラス窓1bと隣接している。他方の基準辺222は、X方向に沿って形成されている。
また、本例において、樹脂ガラス2は、図3、図6に示すごとく、基準辺221、222のそれぞれにおいて、1つの切欠凹部23を有する。切欠凹部23は、外周端面24の一部を、内側に向かって後退させることにより形成される。いずれの基準辺221、222についても、基準角21の近傍に、切欠凹部23を有している。
切欠凹部23は、それぞれの基準辺221、222において、少なくとも、それぞれの基準辺221、222の1/2の長さの距離よりも基準角21に近い側に形成される。また、切欠凹部23は、それぞれの基準辺221、222において、それぞれの基準辺221、222の1/4の長さの距離よりも基準角21に近い側に形成されていることが好ましい。本例では、基準角21から約30mmの位置に切欠凹部23が形成されている。
また、樹脂ガラス2は、図2に示すごとく、基準辺221、222以外の2つの外周辺251、252を有する。これら2つの外周辺251、252のうち、一方の外周辺251は、Y方向に沿って形成され、他方の外周辺252は、X方向に沿って形成されている。樹脂ガラス2は、基準辺221、222以外の外周辺251、252には、切欠凹部23を有していない。
また、樹脂ガラス2の外周は、図4、図5、図7に示すごとく、樹脂ガラス2を表裏両面から挟持するように、ガラスラン3によって覆われている。ガラスラン3は、図3に示すごとく、複数の直線部34と複数の角部35とを有する。角部35は、Z方向から見ると、L字状を呈する。角部35は、それぞれ、樹脂ガラス2の4つの角を覆っている。また、直線部34は、樹脂ガラス2の4つの辺であって、角部35によって覆われていない部分を覆っている。本例のガラスラン3は、4つの角部35及び4つの直線部34を有する。直線部34と角部35とは、ゴム弾性を有する樹脂材料、つまり、可撓性を有するエラストマーから構成されている。直線部34は、例えば、上記樹脂材料を押出成形することによって作製することができる。また、角部35は、上記樹脂材料を型成形することによって作製することができる。
本例において、ガラスラン3の2つの嵌入凸部31は、図3に示すごとく、基準角21を覆うように設置された一つの角部35に形成されている。嵌入凸部31は、図3、図5、図6に示すごとく、樹脂ガラス2の基準辺221、222に形成されている切欠凹部23に嵌入している。つまり、樹脂ガラス2とガラスラン3とは、切欠凹部23と嵌入凸部31とによって、係合している。
嵌入凸部31は、図5、図6に示すごとく、ガラスラン3の底面部32から、樹脂ガラス2の面方向に突出形成されている。嵌入凸部31の突出量は、例えば、樹脂ガラス2の季節変動に伴った温度変化による最大変化幅を考慮して定めることができる。例えば、図6に示すごとく、X方向又はY方向における一方側に突出した嵌入凸部31の突出量は、樹脂ガラス2のX方向又はY方向における最大変化幅よりも大きくすることができる。
底面部32は、図4、図6、図7に示すごとく、樹脂ガラス2の外周端面24と当接している。また、ガラスラン3は、図4、図5、図7に示すごとく、底面部32のZ方向における両端部から、樹脂ガラス2の表面261上及び裏面262上に延設されたリップ部33を有する。リップ部33は、底面部32から、樹脂ガラス2の面方向に延設されている。つまり、樹脂ガラス2の表面261と裏面262とは、一対のリップ部33によって挟持されている。また、嵌入凸部31は、図5に示すごとく、リップ部33が延設される方向に沿って突出形成されている。
また、リップ部33は、図4、図5、図7に示すごとく、複数の突出部331を有する。突出部331は、樹脂ガラス2の表面261上及び裏面262上に向かって突出している。突出部331は、その先端部が樹脂ガラス2の表面261及び裏面262と当接している。
また、ガラスラン3は、図7に示すごとく、樹脂ガラス2の基準辺221、222以外の外周辺251、252の外周端面24に対向する底面部32の少なくとも一部に、樹脂ガラス2の伸縮に伴う相対的なスライドに追従して進退可能な可変部321を有している。本例において、可変部321は、基準辺221、222以外の外周辺251、252の外周端面24に対向する底面部32全体に設けられている。
また、可変部321は、図7に示すごとく、底面部32を、中空部322を有する管状とすることにより形成されている。
また、ガラスラン3は、図4〜図7に示すごとく、突き当て部36を有する。突き当て部36は、図4、図5、図7に示すごとく、底面部32のZ方向における両端部から、リップ部33が延設される方向とは反対の方向に向かって延設されている。突き当て部36は、その延設方向において、フレーム4と当接している。
フレーム4は、図2に示すごとく、樹脂ガラス2の外周を覆っている。フレーム4は、Z方向から見ると、角環状を呈する。フレーム4は、図4、図5、図7に示すごとく、ガラスラン3を介して、樹脂ガラス2の外周を覆っている。つまり、フレーム4は、樹脂ガラス2と接することなく、樹脂ガラス2の外周を覆っている。
また、基準辺221、222を覆っているフレーム4は、図2に示すごとく、Z方向から見ると、基準辺221、222以外の外周辺251、252を覆っているフレーム4よりも、幅方向の大きさが小さい。また、外側をフレーム4によって覆われているガラスラン3も、フレーム4と同様に、基準辺221、222を覆っている側は、基準辺221、222以外の外周辺251、252を覆っている側よりも、幅方向の大きさが小さい。
フレーム4は、図4〜図7に示すごとく、第1フレーム部41と、第2フレーム部42とによって構成されている。第1フレーム部41及び第2フレーム部42は、図4、図5、図7に示すごとく、断面形状が略L字状を呈する。
第1フレーム部41及び第2フレーム部42は、ガラスラン3によって外周を覆われた樹脂ガラス2を、表裏両面から挟持するように組み付けられる。つまり、樹脂ガラス2の外周を覆っているガラスラン3は、第1フレーム部41の挟持部411と、第2フレーム部42の挟持部421とによって、Z方向の両側から挟持されている。また、第1フレーム部41と第2フレーム部42とは、それぞれ、Z方向に沿って形成された固定部412、422を有する。そして、第1フレーム部41と第2フレーム部42のそれぞれの固定部412、422同士をネジ40によって締結固定することにより、樹脂ガラス窓1aが組み付けられる。
また、第1フレーム部41と第2フレーム部42とによって囲われた空間には、図5に示すごとく、樹脂ガラス2の切欠凹部23と、ガラスラン3の嵌入凸部31とが配置されている。
また、樹脂ガラス窓1aは、図1に示すごとく、被設置部51である車体側面において、他の樹脂ガラス窓1bと隣接するように設置されている。樹脂ガラス窓1a及び樹脂ガラス窓1bは、両者の境界部を基準として線対称の構造を有している。なお、本明細書及び図面において、樹脂ガラス窓1aと樹脂ガラス窓1bとの共通する部分については、共通の名称及び符号を用いる。
樹脂ガラス窓1a及び樹脂ガラス窓1bは、図2に示すごとく、それぞれの基準角21及び一方の基準辺221同士が互いに隣接した状態で配置されている。また、それぞれの一方の基準辺221同士は、互いに平行となるように、隣接している。樹脂ガラス窓1a及び樹脂ガラス窓1bは、車体側面51に対して、X方向であって、互いに離れる方向に、スライド可能に取り付けられている。
次に、本実施例の作用効果につき説明する。
上記樹脂ガラス窓1aにおいて、基準角21を形成する2つの基準辺221、222は、切欠凹部23を有する。そして、切欠凹部23には、ガラスラン3の嵌入凸部31が嵌入されている。そのため、温度変化に伴って樹脂ガラス2が伸縮する場合には、樹脂ガラス2がガラスラン3との間において相対的に移動しようとしたときに、少なくとも樹脂ガラス2の切欠凹部23と嵌入凸部31との係合位置においては、基準辺221、222に沿った変形移動が抑制される。また、上記係合位置は、2つの基準辺221、222における基準角21から近傍の位置に存在している。そのため、温度変化に伴う樹脂ガラス2の伸縮が生じた際の基準角21の相対的移動も抑制され、樹脂ガラス2の伸縮移動は、実質的に基準角21から離れるほど大きくなるよう制御される。
上記樹脂ガラス窓1aにおいて、基準角21を形成する2つの基準辺221、222は、切欠凹部23を有する。そして、切欠凹部23には、ガラスラン3の嵌入凸部31が嵌入されている。そのため、温度変化に伴って樹脂ガラス2が伸縮する場合には、樹脂ガラス2がガラスラン3との間において相対的に移動しようとしたときに、少なくとも樹脂ガラス2の切欠凹部23と嵌入凸部31との係合位置においては、基準辺221、222に沿った変形移動が抑制される。また、上記係合位置は、2つの基準辺221、222における基準角21から近傍の位置に存在している。そのため、温度変化に伴う樹脂ガラス2の伸縮が生じた際の基準角21の相対的移動も抑制され、樹脂ガラス2の伸縮移動は、実質的に基準角21から離れるほど大きくなるよう制御される。
また、樹脂ガラス窓1aは、このような構成を有しているため、樹脂ガラス2に模様や図柄を描いた場合には、基準角21に近い位置では、温度変化に伴う模様や図柄の変化が小さく、基準角21から離れるほどその変化が大きくなる傾向となる。そのため、たとえば、2枚の樹脂ガラス窓1a、1bを並列させて配置する場合においては、互いの基準角21を隣接させ、かつ、それぞれ一方の基準辺221同士を平行に隣接させることによって、少なくともその隣接した基準辺221同士の伸縮状態は互いに追従しあう状態になり、これらに描かれた模様や図柄にズレが生じにくくなる。
また、上記樹脂ガラス窓1aとその周囲とに模様や図柄を描く場合においては、樹脂ガラス2の基準角21近傍での模様や図柄の変化量が小さく、基準角21から離れるほど大きくなることをあらかじめ考慮することができる。そのため、樹脂ガラス窓1aを設置する位置での模様や図柄の選択を従来よりも容易に行うことができる。
また、ガラスラン3は、基準辺221、222以外の外周辺251、252の外周端面24に対向する底面部32の少なくとも一部に、樹脂ガラス2の伸縮に伴う相対的なスライドに追従して進退可能な可変部321を有している。ガラスラン3は、可撓性を有する材料より作製されるため、底面部32自体の伸縮によって樹脂ガラス2の伸縮にある程度追従することは可能であるが、構造的に進退可能な可変部321を設けることにより、樹脂ガラス2の伸縮量が大きくても、これに追従することが可能となる。特に、基準辺221、222以外の外周辺251、252に位置する外周端面24は、基準角21から離れた端部となって比較的大きく進退するため、基準辺221、222以外のこれらの外周辺251、252の外周端面24に対向する位置に可変部321を設けることが有効である。
また、ガラスラン3は、基準辺221、222以外の外周辺251、252の外周端面24に対向する底面部32の全体に、可変部321を有している。それゆえ、樹脂ガラス2の伸縮に一層追従しやすい。
また、可変部321は、底面部32を、中空部322を有する管状とすることにより形成されている。それゆえ、中空部322を潰す方向に管状部分を変形させることによって、許容できる伸縮追従量を高めることができる。
また、基準角21を形成する2つの基準辺221、222は、上述のごとく、基準角21の近傍に切欠凹部23を有する。そして、切欠凹部23には、ガラスラン3の嵌入凸部31が嵌入されている。それゆえ、基準角21を基準として、樹脂ガラス2の相対的なスライド量を規制することができる。それゆえ、基準辺221、222において、樹脂ガラスの外周を覆っているガラスラン3及びフレーム4の幅を小さくすることができる。その結果、被設置部51に取り付けた際の美観を向上させることができる。
つまり、樹脂ガラス2は、それぞれの基準辺221、222の周辺において、実質的に基準角21から離れるほど、図2の矢印に示すごとく、それぞれの基準辺221、222に沿った方向における、ガラスラン3に対する相対的なスライド量が大きくなるよう制御される。また、それぞれの基準辺221、222の周辺において、それぞれの基準辺221、222と直交する方向であって、面方向における樹脂ガラス2の相対的なスライド量が小さくなるよう制御される。それゆえ、基準辺221、222の外周端面24に対向する底面部32に可変部321が形成されていなくても、樹脂ガラス2の伸縮に追従することができる。その結果、基準辺221、222において、ガラスラン3及びフレーム4の幅を小さくすることができる。
また、ガラスラン3は、表裏面両側から樹脂ガラス2を挟持することにより、樹脂ガラス2の相対的な伸縮移動を許容しながら樹脂ガラス2を保持することができる。それゆえ、ガラスラン3は、樹脂ガラス2のサイズが大きい場合であっても、樹脂ガラス2の温度変化による膨張収縮に追従しやすい。つまり、樹脂ガラス2とリップ部33との当接位置にて、樹脂ガラス2が摺動できるため、樹脂ガラス2の伸縮に追従しやすい。その結果、樹脂ガラス2のひずみが発生しにくい。
以上のごとく、本例によれば、温度変化により樹脂ガラス2が伸縮する際の変形態様を制御することができる樹脂ガラス窓1aを提供することができる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
例えば、実施例1においては、2つの樹脂ガラス窓1a、1bをX方向に並べた例を示したが、一つの樹脂ガラス窓1aを設置する場合でも、温度変化により樹脂ガラス2が伸縮する際の変形態様を制御でき、樹脂ガラス窓1aとその周囲に描かれた模様や図柄のズレを制御することができる。つまり、樹脂ガラス窓1aとその周囲とに模様や図柄を描く場合においては、樹脂ガラス2の基準角21近傍での模様や図柄の変化量が小さく、基準角21から離れるほど大きくなることをあらかじめ考慮することができる。そのため、樹脂ガラス窓1aを設置する位置での模様や図柄の選択を従来よりも容易に行うことができる。
また、実施例1において、嵌入凸部31は、ガラスラン3の角部35に形成されているが、直線部34に形成されていてもよい。
また、実施例1において、切欠凹部23は、それぞれの基準辺221、222において、それぞれ一つ形成されている。ただし、それぞれの基準辺221、222において、2つ以上の切欠凹部23が形成されていてもよい。また、嵌入凸部31に関しても、切欠凹部23の数に合わせ、それぞれの基準辺221、222に沿って、二つ以上設けられていても良い。
1a 樹脂ガラス窓
2 樹脂ガラス
21 基準角
221、222 基準辺
23 切欠凹部
24 外周端面
3 ガラスラン
31 嵌入凸部
32 底面部
33 リップ部
4 フレーム
2 樹脂ガラス
21 基準角
221、222 基準辺
23 切欠凹部
24 外周端面
3 ガラスラン
31 嵌入凸部
32 底面部
33 リップ部
4 フレーム
Claims (3)
- 板状の樹脂ガラスと、該樹脂ガラスの外周を囲うように配置されたフレームと、該フレームと上記樹脂ガラスとの間に介設されたガラスランと、を有する樹脂ガラス窓であって、
上記樹脂ガラスは、その厚み方向から見た外周形状において、1つの基準角と該基準角を形成する2つの基準辺とを有し、それぞれの上記基準辺には、上記基準角の近傍において外周端位置から内方に凹むように形成された切欠凹部を有しており、
上記ガラスランは、上記樹脂ガラスの外周端面に対向する底面部と、該底面部から上記樹脂ガラスの表面上及び裏面上に延設されたリップ部とを有すると共に、上記底面部から突出形成され、上記樹脂ガラスの上記切欠凹部に嵌入された嵌入凸部を有する、樹脂ガラス窓。 - 上記ガラスランは、上記樹脂ガラスの上記基準辺以外の外周辺の外周端面に対向する上記底面部の少なくとも一部に、上記樹脂ガラスの伸縮に伴う相対的なスライドに追従して進退可能な可変部を有している、請求項1に記載の樹脂ガラス窓。
- 上記可変部は、上記底面部を、中空部を有する管状とすることにより形成されている、請求項2に記載の樹脂ガラス窓。
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JP2019192381A JP2021066300A (ja) | 2019-10-23 | 2019-10-23 | 樹脂ガラス窓 |
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JP2019192381A JP2021066300A (ja) | 2019-10-23 | 2019-10-23 | 樹脂ガラス窓 |
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ID=75636430
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2019
- 2019-10-23 JP JP2019192381A patent/JP2021066300A/ja active Pending
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