JP2021066152A - 量子ドット保護フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】蛍光体層に対する密着性が高く、優れたバリア層と全光線で90%以上の透過率を有し、さらに、フィルム表面強度(硬度)が鉛筆硬度でF〜2Hの範囲に入る量子ドット保護フィルムを提供することを目的とする。【解決手段】マットフィルムと、バリアフィルムと、アクリル樹脂組成物であるプライマー層とをこの順に積層し、プライマー層が蛍光体層に接する面に配置されている量子ドット保護フィルムにおいて、マットフィルムには、第1のPETフィルム上にフィラーと、アクリル樹脂とを含むマット層が形成され、バリアフィルムには、第2のPETフィルム上にバリア層が形成されており、マットフィルムとバリアフィルムを接着剤を介して積層し、さらにバリアフィルム最外面にはアクリル樹脂組成物であるプライマー層が積層され、そのプライマー層の膜厚が0.3〜1.1μmであることを特徴とする量子ドット保護フィルムである。【選択図】図1

Description

本発明は、量子ドット保護フィルムに関する。
液晶ディスプレイは、電圧の印加に基づき、液晶パネルにて領域ごとに光を透過又は遮断することで映像を表示する。したがって、液晶ディスプレイに映像を表示するためには、液晶パネルの背面にバックライトが必要となる。
ところで、近年量子ドットを用いたナノサイズの蛍光体が製品化されている。量子ドットとは、発光性の半導体ナノ粒子で、直径の範囲は1〜20nmである。量子ドットのユニークな光学特性及び電子特性は、生物学及び医学診断の分野における蛍光イメージングに加え、フラットパネルディスプレイ又は多彩な色の照明(電飾)等、数多くの用途に活用されつつある。
量子ドット蛍光体を含むバックライトは、輝度および色再現性に優れているため、ディスプレイへの採用が望まれている。従来の液晶ディスプレイより、厚み、消費電力、コスト及び製造プロセス等を増やすことなく、色調を向上させ、人が識別できる色の65%までを表現することが可能である。
また、このような量子ドット蛍光体は、酸素又は水蒸気と接触して長時間が経過することにより、蛍光体としての性能が低下することがある。このため、量子ドット蛍光ユニットではしばしば、基材にガスバリア層(ガスバリアフィルム)が形成された量子ドット保護フィルムが、量子ドット蛍光体の保護材として、量子ドット蛍光体を含む蛍光体層の片面または両面上に配置された構造を有している。
量子ドット保護フィルム上に形成されたバリアフィルムは、プラスチックフィルム等の基材の表面に蒸着等によって薄膜を形成して、水分や気体の透過を防ぐフィルムである。
例えば、特許文献1では、アクリル樹脂およびエポキシ樹脂に量子ドットを分散させた蛍光体層の両面に量子ドット保護フィルムを貼り合わせることで、蛍光体層への酸素又は水蒸気の侵入を防止している。
国際公開第2014−113562号公報
ところで、量子ドット保護フィルムに、キズ、シワおよび異物等が存在すると、ディスプレイ表示上のところで、量子ドット保護フィルムに、キズ、シワ及び異物等が存在すると、ディスプレイ表示上の輝度ムラとして見えることがある。このため、一般に量子ドット保護フィルムには、キズ、シワ及び異物等のない優れた外観が要求される。それだけでなく、量子ドットが劣化するとダークスポットと呼ばれる非発光領域が発生することがある。ダークスポットはキズ、シワ及び異物と同様に、ディスプレイ表示上の輝度ムラとして見えてしまうため、量子ドット保護フィルムにはダークスポットが発生しないよう高いバリア性が要求される。
さらに量子ドット保護フィルムは、透明性も要求される。透明性はバックライトユニットの輝度の維持に影響するため、非常に重要な特性の一つである。透明性の指標である透過率が、全光線で90%以上であることが望ましいとされる。
しかしながら、特許文献1に記載されたような無機材料である量子ドットを分散させた蛍光体層は、量子ドット保護フィルムとの密着性が悪く、蛍光体層と量子ドット保護フィルムとの間に剥がれを生じる恐れがあった。また、特許文献1に限らず、蛍光体と量子ドット保護フィルムとを積層した構造を有する光学積層体において、量子ドット保護フィルムの剥がれは透過率の低下、輝度ムラなどの光学的性能低下に多大な影響を及ぼすため、量子ドット保護フィルムと蛍光体層の密着性が求められる。
また、透明性に関しては、たとえ量子ドット保護フィルムの剥がれがなくても、全光線で90%以上の特性を維持するのは、現状の構成では難しい。量子ドット保護フィルムはバリアフィルムの他に、拡散シートとしての役割もあるため、基材のPETフィルムの上にフィラーを含有したマット層を積層してなる積層構成が一般的であり、全光線透過率は90%に満たない状況である。
また、外観に関しては、構成するフィルムを例えクリーンルーム環境で作製したとしても、製造工程において、他部材と接触することでフィルム表面にキズ、シワが発生することがあるので、キズ、シワ及び異物等の低減にはフィルム表面の強度(硬度)も重要である。
本発明は、上記諸々の課題に鑑みてなされたものであり、蛍光体層に対する密着性が高く、優れたバリア層と全光線で90%以上の透過率を有し、さらに、フィルム表面強度(硬度)が鉛筆硬度でF〜2Hの範囲に入る量子ドット保護フィルムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、マットフィルムと、ガスバリア性を有するバリアフィルムと、アクリル樹脂組成物であるプライマー層とをこの順に積層し、前記プライマー層が蛍光体層に接する面に配置されている量子ドット保護フィルムにおいて、
前記マットフィルムには、第1のPETフィルム上にフィラーと、アクリル樹脂とを含むマット層が形成され、前記バリアフィルムには、第2のPETフィルム上にバリア層が形成されており、マットフィルムのマット層が形成されていない面と、バリアフィルムの一方の面とを接着剤を介して積層し、さらにバリアフィルムの最外面にはアクリル樹脂組成物である前記プライマー層が積層され、そのプライマー層の膜厚が0.3〜1.1μmであることを特徴とする量子ドット保護フィルムである。
また、請求項2に記載の発明は、前記マット層側を出射面として測定したヘイズ値(曇り度)が3〜15%であることを特徴とする請求項1に記載の量子ドット保護フィルムである。
また、請求項3に記載の発明は、前記量子ドット保護フィルムは、JISK7361−1に従い測定した全光線透過率が90%以上を有することを特徴とする請求項1または2に記載の量子ドット保護フィルムである。
また、請求項4に記載の発明は、前記マット層は、平均粒子径が0.5μm以上10.0μm以下であるフィラーを含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の量子ドット保護フィルムである。
また、請求項5に記載の発明は、JISK5600−5−4に従い測定した鉛筆硬度がF〜2Hの範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の量子ドット保護フィルムである。
本発明によれば、バックライトを構成した場合に、バリア性に優れ、全光線透過率が90%以上の特性を有し、さらにフィルム表面強度(硬度)が鉛筆硬度でF〜2Hの範囲に入る量子ドット保護フィルムを提供することが可能となる。
本発明に係る量子ドット保護フィルムの一実施形態を示す模式断面図。 量子ドット保護フィルムを構成するマットフィルムの模式断面図。 全光線透過光(1)の挙動を説明する図。 全光線透過光(2)の挙動を説明する図。 全光線透過光(3)の挙動を説明する図。 全光線透過光(4)の挙動を説明する図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[量子ドット保護フィルム]
図1は、本発明の量子ドット保護フィルム100の一実施例を示す模式断面図である。本発明において、量子ドット保護フィルム100は、マットフィルム3と、ガスバリア性を有するバリアフィルム25と、アクリル樹脂組成物であるプライマー層30とをこの順に積層し、プライマー層30が蛍光体層50に接する面に配置されている。プライマー層30は、蛍光体層50との密着性を向上させるために積層される。
前記マットフィルム3には、第1のPETフィルム2上にフィラーと、アクリル樹脂とを含むマット層1が形成され、バリアフィルム25には、第2のPETフィルム24上にバリア層23が形成されており、マットフィルム3のマット層1が形成されていない面と、バリアフィルムの一方の面とを接着層10を介して積層し、さらにバリアフィルムの最外面24aにはアクリル樹脂組成物であるプライマー層30が積層され、そのプライマー層30の膜厚が0.3〜1.1μmであり、マットフィルム3側を出射面として測定したヘイズ値が3〜15%である。
量子ドット保護フィルム100の全光線透過率は90%以上であることが好ましい。全光線透過率が90%以上であることにより、少ない電力使用で表示装置における明るさを確保しやすくなる。また、全光線透過率が90%未満であると、光源からの光のロスが大きくなり、表示装置において十分な明るさが確保できないか、又は、明るさを確保するためにより明るい光源を使用せざるを得なくなることがある。
全光線透過率が90%を満たさない要因は、基材フィルムであるPETフィルム自体の全光線透過率が90%に満たないこと(89%程度)、バリアフィルム25の内部での反射による光学干渉の増加により光学的に透過光に悪影響を与えたりすること、マット層1が高ヘイズであるため反射、拡散されることなどが考えられる。フィルムにキズ、シワ、異物などの欠陥があったり、ピンホール、剥がれがあっても透過率は低下する。またフィルムに上記欠陥がある場合、劣化因子が局所的に内部に侵入し、その周囲から表示品質が低下し輝度ムラという現象が発生するということが考えられる。
また、ヘイズ値とは、フィルムの濁度を表す指標であり、全光線透過光に対する拡散透
過光の割合である。拡散透過率及び全光線透過率はそれぞれヘイズメーター等で測定することができる。
[プライマー層]
プライマー層30は、量子ドット保護フィルム100と蛍光体層50との密着性を向上させ、長期間にわたって外観不良の発生を抑制し且つ優れた発光効率を維持するために設けられる層である。プライマー層30は、蛍光体層50に隣接し、蛍光体層50との密着性を向上させる機能を有するアクリル系樹脂であって、反応性炭素−炭素二重結合を有する樹脂と、反応性炭素−炭素二重結合を有さず1級水酸基を有する樹脂と、ポリイソシアネート化合物と、光開始剤を含有するものである。上記特定の構造を有する二種類の樹脂と、ポリイソシアネートとを含有することで、プライマー層中に緻密な架橋構造が形成され、プライマー層30と蛍光体層50との間に優れた密着性が得られる。これによって、蛍光体層と量子ドット保護フィルムとの間の剥がれが生じ難く、水分や酸素が侵入して蛍光体層50の発光特性が劣化することを防ぐことができる。
加えて、反応性炭素−炭素二重結合を有さず1級水酸基を有する樹脂を含むことにより、プライマー層30中に水酸基が含まれ、この水酸基の存在により、特に蛍光体層50がエポキシ樹脂やポリイソシアネートを含む樹脂を用いて形成されている場合において、プライマー層30と蛍光体層50との密着性がより向上する。
プライマー層30の膜厚は0.3〜1.1μmが好ましい。0.3μm未満であれば、蛍光体層50との架橋構造が弱く、優れた密着性が得られない。また、プライマー界面での反射成分が増えるため十分な透過率が得られない。1.1μmより厚い場合は、優れた透過率は得られるが、製造コストが増大するため、好ましくない。
[マットフィルム]
図2に、マットフィルム3の模式断面図を示す。マット層1は主に光を拡散させる機能を有する層であり、バインダー樹脂1b内にフィラー1aを分散混合してなるインキ状の塗液を塗布〜乾燥硬化してなる構成である。マット層1に含有される少なくとも一部のフィラー1aがマット層1の第1のPETフィルムと反対側の表面に突出している。マット層1中の複数のフィラー1aのうちの少なくとも一部がマット層1の表面に突出していることにより、マット層1は表面に凹凸形状を有することができる。マット層1が第1のPETフィルムと反対側の表面に凹凸形状を有し、凹凸面を有することにより、光を拡散することができる。
なお、フィラー1aがマット層1の表面上に「突出する」とは、マット層1のフィラー1aのない部分の表面を基準面として、フィラー1aの表面の少なくとも一部の領域が当該基準面外側に位置していればよい。突出したフィラー1aの表面はむき出しになっていてもよく、バインダー樹脂1b等で覆われていてもよい。
マット層1はバインダー樹脂1bを含有している。バインダー樹脂1bは光学的透明性に優れた樹脂であり、熱可塑性樹脂の成形体であってもよい。バインダー樹脂を構成する樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。この中では、透明性が高いアクリル系樹脂が好ましい。
なお、フィラー1aの平均粒子径は0.5μm以上10.0μm以下であり、1.0μ
m以上10.0μm以下であることが好ましく、2.0μm以上8.0μm以下であることがより好ましい。フィラー1aの平均粒子径が0.5μm以上であると、マット層1とこれと接する他の部材とのブロッキング(貼り付き)の発生を抑制し易くなる。一方、フィラー1aの平均粒子径が10.0μm以下であると、突出したフィラー1aによってマット層1の表面の凹凸形状を小さく制御し易くなるので、マット層1の凹凸面と接する他の部材が傷付くことを抑制し易くなる。
マット層1は、バインダー樹脂1b及びフィラー1aを含む塗布液を第1のPETフィルムの表面上に塗布し、乾燥硬化させることで形成することができる。塗布方法としては、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、及びダイコーター等による塗布方法が挙げられる。
本発明によれば、上記平均粒子径0.5μm以上10.0μm以下のフィラー1aの量を調整することにより、表面硬度およびマット層側を出射面として測定したヘイズ値を変化させることができ、このヘイズ値を3〜15%に調整し、プライマー層の膜厚が0.3〜1.1μmの範囲の場合のみ、全光線透過率は90%以上となり、表面硬度もF〜2Hの範囲に入ることが確認できた。
[バリアフィルム]
図1の模式断面図を見てわかるように、バリアフィルム25には、第2のPETフィルム24上にバリア層23が形成されており、マットフィルム3のマット層1が形成されていない面と、バリアフィルムの一方の面とを接着剤10を介して積層し、さらにバリアフィルムの最外面24aにはアクリル樹脂組成物であるプライマー層30が積層される。
バリアフィルム25の最重要機能である蛍光体層保護のためのバリア層23は、気体の侵入を遮断できる層である。バリア層23は無機薄膜層を含むことが好ましい。無機薄膜層は無機化合物を含み、金属又は金属酸化物を含むことが好ましい。上記金属としては、例えば、アルミニウム、銅、及び銀が挙げられる。また上記金属酸化物は、例えば、珪素酸化物、アルミニウム酸化物、及びマグネシウム酸化物等からなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物であることができ、安価であり、水蒸気等の侵入を遮断するバリア性能に優れる点から、珪素酸化物であることが好ましい。珪素酸化物はSiOxで表され、式中のxは1.5以上2.0以下であることが好ましい。xが1.5以上、より好ましくは1.7以上であると、透明性が向上する傾向がある。また、xが2.0以下であると、バリア性に優れる傾向がある。
無機薄膜層は、例えば、蒸着法又はスパッタ法によって形成され、蒸着法によって形成された無機蒸着薄膜層であることが好ましい。無機薄膜層の厚さは、10〜300nmであることが好ましく、20〜100nmであることがより好ましい。無機薄膜層の厚さが10nm以上であることにより、均一な膜が得られやすく、ガスバリア性が得られやすくなる傾向がある。一方、無機薄膜層の厚さが300nm以下であることにより、無機薄膜層に柔軟性を保持させることができ、成膜後に折り曲げ、引っ張り等の外力により、亀裂等が生じにくくなる傾向がある。
[接着層]
接着層10は、図1に示すように、マットフィルム3とバリアフィルム25とを貼り合わせて積層するために、マットフィルム3とバリアフィルム25との間に設けられている。接着層10としては、高分子フィルム用の接着剤又は粘着剤として一般的なものを使用することができ、マットフィルム3及びバリアフィルム25の貼り合わせる側の表面に応じて適宜選択される。接着層10の材料の候補としては、エポキシ系、ポリエステル系、アクリル系、ゴム系、フェノール系、及びウレタン系等の接着剤又は粘着剤が挙げられる。
[蛍光体層]
蛍光体層50は外部からのエネルギーを光に変換して発光する層であり、電界の印加や励起光の入射によって発光を生じるものを言う。蛍光体層50は、少なくとも1種類以上の蛍光体(図示せず)を含む。また、蛍光体層50はエポキシ樹脂を含有する。蛍光体層50がエポキシ樹脂を含有することで、プライマー層30との優れた密着性を得ることができる。
蛍光体は、封止のための樹脂材料に分散される。樹脂材料としては、その代表例として、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の樹脂等が挙げられる。
蛍光体層50は、蛍光体と樹脂材料と必要に応じて溶剤とを含む混合液を量子ドット保護フィルム100のプライマー層30上に塗布して塗膜を形成し、必要に応じて、別に作製したもう1枚の量子ドット保護フィルム100をプライマー層30が蛍光体層50を向くように積層し、塗膜を硬化させることで形成することができる。塗膜の硬化は、特に限定されないが、例えば、15〜100℃で10分〜24時間の条件で硬化させることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
量子ドット保護フィルムを用いてバックライトを構成した場合に、量子ドット保護フィルムに要求されている、全光線透過率90%以上を有し、表面硬度が、鉛筆硬度値においてF〜2Hの範囲に入る量子ドット保護フィルムを得るための因子を、プライマー層の膜厚とヘイズ値として、各因子の水準を振ったサンプルを作製し、全光線透過率と鉛筆硬度値を測定した。
マットフィルム3の表面に、平均粒子径が0.5μm以上10.0μm以下であるフィラーを含有したマット層1のフィラーの量を調整して、マットフィルム3側を出射面として測定したヘイズ値が、「1.2%(マット無し)、4%、8%、15%、20%、30%」になるように調整した6種類サンプルを準備した。各サンプルとバリア層25を接着層10を介し貼り合わせた。
上記6種類のサンプルの各々のバリア層の上にプライマー層を塗布し、膜厚が「なし、0.1μm、0.3μm、0.7μm、1.1μm」となる量子ドット保護フィルムのサンプルを作製した。そして各サンプルの全光線透過率と鉛筆硬度値を測定した。各サンプルのヘイズ値(%)、プライマー層の膜厚値(μm)、全光線透過率(%)、鉛筆硬度の判定結果を表1に示す。
Figure 2021066152
この結果から次のことが理解できる。ヘイズが3〜15%に調整された時だけ、プライマー層の膜厚が高いほど全光線透過率は90%以上となり、表面硬度もF〜2Hの範囲に入った。
本発明では、量子ドット保護フィルムを用いてバックライトを構成した場合に、プライマー層の膜厚が、0.3〜1.1μmになるように調整し、前記マットフィルムの表面に
、平均粒子径が0.5μm以上10.0μm以下であるフィラーを含有したマット層のフィラーの量を調整して、前記マットフィルム側を出射面として測定したヘイズ値が3〜15%であるときに、量子ドット保護フィルムに要求されている、全光線透過率90%以上を有し、表面硬度が、鉛筆硬度値においてF〜2Hの範囲に入る量子ドット保護フィルムが得られることがわかった。
[考察]
全光線透過光の挙動を考察してみた。
(1)プライマー層の膜厚0.3〜1.1μm/ヘイズ値15%以下(マット層有り)
プライマー層で反射した光をマット層内で乱反射させ透過率を増加させることができる(図3参照)。
(2)プライマー層なし/ヘイズ値15%以下(マット層有り)
ヘイズ値が15%以下でもプライマー層がないと、バリアフィルムの最外面24aで反射成分が増えるため十分な透過率を確保できない(図4参照)。
(3)プライマー層の膜厚0.3〜1.1μm/マット層無し
マット層がないとプライマー層で反射した光を乱反射させて戻すことができない(図5参照)。
(4)プライマー層の膜厚0.3〜1.1μm/ヘイズ値20%以上(マット層有り)
マット層側のヘイズが高いと入射光のマット層での反射量が増えるため十分な透過率を確保できない(図6参照)。
1・・・マット層
2・・・第1のPETフィルム
3・・・マットフィルム
23・・・バリア層
24・・・第2のPETフィルム
24a・・・バリアフィルムの最外面
25・・・バリアフィルム
30・・・プライマー層
50・・・蛍光体層

Claims (5)

  1. マットフィルムと、ガスバリア性を有するバリアフィルムと、アクリル樹脂組成物であるプライマー層とをこの順に積層し、前記プライマー層が蛍光体層に接する面に配置されている量子ドット保護フィルムにおいて、
    前記マットフィルムには、第1のPETフィルム上にフィラーと、アクリル樹脂とを含むマット層が形成され、前記バリアフィルムには、第2のPETフィルム上にバリア層が形成されており、マットフィルムのマット層が形成されていない面と、バリアフィルムの一方の面とを接着剤を介して積層し、さらにバリアフィルムの最外面にはアクリル樹脂組成物である前記プライマー層が積層され、そのプライマー層の膜厚が0.3〜1.1μmであることを特徴とする量子ドット保護フィルム。
  2. 前記マット層側を出射面として測定したヘイズ値が3〜15%であることを特徴とする請求項1に記載の量子ドット保護フィルム。
  3. 前記量子ドット保護フィルムは、JISK7361−1に従い測定した全光線透過率が90%以上を有することを特徴とする請求項1または2に記載の量子ドット保護フィルム。
  4. 前記マット層は、平均粒子径が0.5μm以上10.0μm以下であるフィラーを含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の量子ドット保護フィルム。
  5. JISK5600−5−4に従い測定した鉛筆硬度がF〜2Hの範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の量子ドット保護フィルム。
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