JP2021064310A - コントローラの設定調整装置、設定調整方法およびプログラム - Google Patents

コントローラの設定調整装置、設定調整方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】プロセス量をフィードバック制御するコントローラのより適切なパラメータ設定調整が可能な設定調整装置を提供する。【解決手段】設定調整装置1は、ボイラを有するプラントにおけるプロセス量をフィードバック制御するコントローラに設定される設定パラメータの設定調整装置であって、プラントの現負荷値を取得する現負荷取得部21と、設定パラメータの現設定値を取得する現設定取得部22と、現負荷値が取得された際のプロセス量の計測値と目標値との偏差、および現設定値の下で偏差に応じてコントローラから操作端へ出力された操作量を取得する入出力取得部23と、取得された現負荷値、偏差、現設定値、および操作量に基づいて、設定パラメータの新設定値を決定する新設定決定部3と、決定された新設定値をコントローラに送信する送信部4と、を備える。【選択図】図3

Description

本開示は、コントローラの設定パラメータの自動調整に関する。
例えば特許文献1には、プラント出力のばらつきを考慮しつつ、目的や制約条件に応じて、例えば比例積分制御器のゲインなどとなる制御パラメータを自動的に最適化する装置が開示されている。プラント出力のばらつきを再現可能な制御対象モデルによるシミュレーション解析により得られる模擬計測信号に基づいて、プラント運転特性が所望の性能となるような最適な制御パラメータを探索する。そして、調整後の制御パラメータおよび計測信号に基づいて操作信号を計算し、入出力インターフェース部を介して制御対象プラントへ送信する。これによって、バルブなどの制御対象装置が動作する。また、非特許文献1には、ニューラルネットワークの一種である小脳演算モデル(CMAC)を用いた、PIDコントローラのPIDゲインの調整手法が開示されている。
特許第6400511号公報
黒住亮太、山本透、「小脳演算モデルを用いたインテリジェントPID制御系の一設計」、[online]、平成17年4月1日、電気学会論文誌.C,電子・情報・システム部門誌、[令和元年6月24日検索]、インターネット<URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieejeiss/125/4/125_4_607/_pdf>
例えばボイラを有する発電プラントなどのプラントは負荷(出力)に応じた時定数を有するため、PID制御における比例ゲインや積分ゲイン、微分ゲインといった設定パラメータの最適な設定値は負荷に応じて異なる。また、プロセス量は常に一定ではなく変化するため、プロセス量の目標値を中心とした変動の許容度を低くしようと制御する(制御強度を高める)ほど、プロセス量の上記の変動に従って操作端を大きく制御する必要がある。例えば、負荷変化時は動特性を優先するためにプロセス量の制御強度を高くし、負荷が一定になった場合に燃料変動を抑制するために制御強度を低くするようなボイラの運用をする場合には、制御強度を変えてコントローラによる制御を行うことになるが、制御強度によっても設定パラメータの最適な設定値は異なる。なお、制御強度とは、各制御における目標値(プロセス値)変動と操作端変動の優先度の指標であり、制御強度が強いということは目標値(プロセス値)変動を優先して抑制するために操作端変動を許容することをいう。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、プロセス量をフィードバック制御するコントローラのより適切なパラメータ設定調整が可能な設定調整装置を提供することを目的とする。
本発明の少なくとも一実施形態に係る設定調整装置は、
ボイラを有するプラントにおけるプロセス量をフィードバック制御するコントローラに設定される設定パラメータの設定調整装置であって、
前記プラントの現負荷値を取得するよう構成された現負荷取得部と、
前記設定パラメータの現設定値を取得するよう構成された現設定取得部と、
前記現負荷値が取得された際の前記プロセス量の計測値と目標値との偏差、および前記現設定値の下で前記偏差に応じて前記コントローラから操作端へ出力された操作量を取得するよう構成された入出力取得部と、
取得された前記現負荷値、前記偏差、前記現設定値、および前記操作量に基づいて、前記設定パラメータの新設定値を決定するよう構成された新設定決定部と、
決定された前記新設定値を前記コントローラに送信するよう構成された送信部と、を備える。
また、本発明の少なくとも一実施形態に係る設定調整方法は、
ボイラを有するプラントにおけるプロセス量をフィードバック制御するコントローラに設定される設定パラメータの設定調整方法であって、
前記プラントの現負荷値を取得する現負荷取得ステップと、
前記設定パラメータの現設定値を取得する現設定取得ステップと、
前記現負荷値が取得された際の前記プロセス量の計測値と目標値との偏差、および前記現設定値の下で前記偏差に応じて前記コントローラから操作端へ出力された操作量を取得する入出力取得ステップと、
取得された前記現負荷値、前記偏差、前記現設定値、および前記操作量に基づいて、前記設定パラメータの新設定値を決定する新設定決定ステップと、
決定された前記新設定値を前記コントローラに送信する送信ステップと、を備える。
また、本発明の少なくとも一実施形態に係る設定調整プログラムは、
ボイラを有するプラントにおけるプロセス量をフィードバック制御するコントローラに設定される設定パラメータの設定調整プログラムであって、
コンピュータに、
前記プラントの現負荷値を取得する現負荷取得部と、
前記設定パラメータの現設定値を取得する現設定取得部と、
前記現負荷値が取得された際の前記プロセス量の計測値と目標値との偏差、および前記現設定値の下で前記偏差に応じて前記コントローラから操作端へ出力された操作量を取得する入出力取得部と、
取得された前記現負荷値、前記偏差、前記現設定値、および前記操作量に基づいて、前記設定パラメータの新設定値を決定する新設定決定部と、
決定された前記新設定値を前記コントローラに送信する送信部と、を実現させるプログラムである。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、プロセス量をフィードバック制御するコントローラのより適切なパラメータ設定調整が可能な設定調整装置が提供される。
本発明の一実施形態に係る設定調整装置を備えるプラントの制御システムを概略的に示す図である。 本発明の一実施形態に係るコントローラを概略的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る設定調整装置の機能ブロックを示す図である。 本発明の一実施形態に係るプロセス量の計測値の分散、操作量の分散、制御強度との関係を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る新設定決定部の機能ブロックを示す図である。 本発明の一実施形態に係る線形補間を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る画面表示を例示する図である。 本発明の一実施形態に係る設定調整方法を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る設定調整装置1を備えるプラントの制御システム7を概略的に示す図である。図2は、本発明の一実施形態に係るコントローラ8を概略的に示す図である。
図1に示すように、プラントの制御システム7は、例えば発電プラント(火力発電所)などのボイラを有するプラントを制御するためのシステムである。例えば火力発電所では、ボイラ91で生成した過熱蒸気(主蒸気)を蒸気タービン92に供給することによる蒸気タービン92の回転駆動を通して、蒸気タービン92の回転軸に接続された発電機93を回転駆動して発電を行う(図1参照)。このようなプラントを制御する制御システム7は、図1に示すように、制御装置71と、この制御装置71に通信可能に、あるいはハードワイヤード(配線)で接続され、上記の制御装置71が備えるコントローラ8(図2参照)の設定パラメータCを自動で調整する設定調整装置1と、を備える。
以下、火力発電所を例にプラントの制御システム7を説明する。
制御装置71は、例えばプラントの自動制御および現場との入出力処理を実行するDCSなど、プラントの運転を制御するよう構成された装置である。この制御装置71は、上述したような発電過程において、プラントに設置された圧力計、温度計、酸素計などの各種のセンサ73から、上記の主蒸気圧力や、蒸気温度、ボイラの内部の空気(O)流量などの制御に必要な各種のプロセス量の計測値PVを取得する。そして、制御装置71は、取得したプロセス量の計測値PVが目標値SVになるように、プラントに設置されたバルブやファン、モータ、ポンプなどの操作端74を操作するフィードバック制御など、プラントの運転で必要となる各種の制御を実行する。
より具体的には、制御装置71は、上述したようなフィードバック制御などを行うよう構成された1以上(通常は複数)のコントローラ8(図2詐称)を備えている。例えば、コントローラ8は、主蒸気圧力を制御するためのPIコントローラや、蒸気温度を制御するためのPIコントローラ、空気流量(O)を制御するためのPIコントローラなどであり、様々なプロセス量を制御するコントローラを有している。なお、これらのコントローラ8は、PIDコントローラであっても良い。
例えばフィードバック制御を実行するコントローラ8は、図2に示すように、プロセス量の目標値SVおよび計測値PVの偏差Dが0となるように、操作端74の操作量MVを演算する。そして、操作量MVを操作端74に送信し、操作端74の有するアクチュエータを操作量MVで制御する。この制御によって生じる操作端74の例えば弁開度の変化に伴ってプロセス量の計測値PVも変化するが、この変化後のプロセス量の計測値PVが再度コントローラ8に入力され、上述したような制御が繰り返されることで、フィードバック制御が行われる。
この際、コントローラ8による上記の演算による演算値(操作量MV)は、コントローラ8に設定されている比例ゲインK、積分ゲインK、微分ゲインKなどの設定パラメータCに応じた値となる。すなわち、例えばコントローラ8がPID制御を行う場合には、操作量MVは、P制御、I制御およびD制御を、それぞれ比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインでそれぞれ重み付けして加算する演算により得られるので、これらの設定パラメータCの値によって、同じ偏差Dが入力されても演算結果が異なってくる。なお、P制御は、入力された偏差Dの大きさに比例した修正出力を出す制御である。I制御は、過去の偏差Dの累積値(積分)の大きさに比例した修正出力を出す制御である。D制御は、偏差Dの変化速度の大きさに比例した修正出力を出すD制御の各々の修正出力を出す制御である。
このような各種の設定パラメータCの設定値は、プラントの運用開始前に例えばプラントの最適な運転が実現されるように決定されるが、プラント(ボイラ)の運用開始後には、経年変化などにより時定数が変化し得る。また、燃料性状が変化すると、ボイラにおける燃焼状態が変化するなどによって、時定数にも変化が生じ得る。よって、設定パラメータCの調整が行われない場合には、運転初期には設定パラメータCにより最適な運転が行われていたとしても、最適な運転が行われないような場合が生じ得る。このため、設定調整装置1によるコントローラ8の設定パラメータCを調整(自動調整)するように構成する。
以下、上記の設定調整装置1について、図3〜図4を用いて説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る設定調整装置1の機能ブロックを示す図である。図4は、本発明の一実施形態に係るプロセス量の計測値PVの分散、操作量MVの分散、制御強度αとの関係を説明するための図である。
設定調整装置1は、上述したように、ボイラ91を有するプラントにおける任意のプロセス量をフィードバック制御するコントローラ8に設定される設定パラメータCを調整する装置である。この設定調整装置1は、例えば周期的などの調整実行タイミングが到来する度に、以下で説明するように、プラントの運転状態(現負荷値Lp)や、コントローラ8の制御状況(後述する入力情報Ip)を取得し、設定パラメータCの新設定値Crを演算し、コントローラ8に適用する。
このため、図3に示すように、設定調整装置1は、現負荷取得部21と、現設定取得部22と、入出力取得部23と、制御強度取得部24と、新設定決定部3と、送信部4と、を備える。図3に示すように、設定調整装置1は、制御強度取得部24をさらに備えても良い。
これらの機能部について、図3に示す実施形態を例にそれぞれ説明する。
なお、設定調整装置1は、例えばコンピュータで構成されており、プロセッサ11(CPUなど)や、ROMやRAMといったメモリなどの記憶装置mを備えている。そして、主記憶装置にロードされたプログラム(設定調整プログラム)の命令に従ってプロセッサ11が動作(データの演算など)することで、設定調整装置1が備える各機能部を実現する。また、設定調整装置1は、制御装置71が備えるフィードバック制御を実行する複数のコントローラ8のうちの対象となるコントローラ8毎に設けられているものとする。
現負荷取得部21は、プラント(ボイラ)の現負荷値Lpを取得するよう構成された機能部である。現負荷値Lpは、設定調整装置1による上記の設定パラメータCの調整実行時の負荷値L(負荷指標値)である。この負荷値LはMW(メガワット)などの電力値であっても良いし、主蒸気流量であっても良い。また、100%や80%などの仕様上の最大負荷に対する割合の値であっても良い。また、現負荷取得部21は、現負荷値Lpを、通信やオペレータによる入力などを通して外部から取得する。例えば、現負荷取得部21は、上述した制御装置71や、プラントの操作および監視を行うヒューマンマシンインタフェース(HMI)となるオペレータステーション(OPS)といった操作端末76などの他の装置から通信により現負荷値Lpを取得しても良い。
このように、設定パラメータCの新設定値Crを決定するにあたって現負荷値Lpを取得するのは、負荷値Lに応じて最適な値が異なるからである。例えば発電プラントなどのプラント(ボイラ)は負荷(出力)に応じた時定数を有するため、コントローラ8の設定パラメータCの最適な設定値(K、K、Kの各値)は負荷に応じて異なる。また、プロセス量は常に一定ではなく変化するため、プロセス量の目標値SVを中心とした変動の許容度を低くしようと制御する(制御強度αを高める)ほど、プロセス量の上記の変動に従って操作端74を大きく(細かく)制御する必要がある。このため、負荷変化時(過渡状態)には動特性を優先させるためにプロセス量の制御強度αを高くし、負荷が一定になった場合には燃料変動を抑制するために制御強度αを低くするようなボイラの運用をするような場合には、制御強度αを変えてコントローラ8による制御を行うことになるが、制御強度αによっても設定パラメータCの最適な設定値は異なる。
現設定取得部22は、上記同様に、設定パラメータCの現設定値Cpを取得するよう構成された機能部である。同様に、現設定値Cpは、設定調整装置1による上記の設定パラメータCの調整実行時の各種のゲイン(K、K、Kの各値)の値であり、上記の現負荷値Lpが取得される際の設定パラメータCの値である。例えば、コントローラ8がPIコントローラである場合には、現設定値Cpは、比例ゲインKおよび積分ゲインKの各々の値を含んでも良い。コントローラ8がPIDコントローラである場合には、現設定値Cpは、比例ゲインK、積分ゲインKおよび微分ゲインKの各々の値を含んでも良い。なお、現設定値Cpは、制御の種類(PI、PIDなど)に応じて、制御に用いられる複数のゲインの一部のみを含んでも良い。
入出力取得部23は、現負荷取得部21によって現負荷値Lpが取得された際のプロセス量の計測値PVと目標値SVとの偏差D、および設定パラメータCの現設定値Cpの下で、この偏差Dに応じてコントローラ8から出力された操作端74への操作量MVを取得するよう構成された機能部である。つまり、現負荷値Lpおよび設定パラメータCの現設定値Cpを取得したのと同一の調整実行タイミングにおける現負荷値Lp、偏差D、設定パラメータCの現設定値Cp、およびこれらの条件下でコントローラ8による演算結果(操作量MV)を取得する。なお、偏差Dについては、入出力取得部23は、計測値PVおよび目標値SVを取得し、その偏差Dを算出することにより取得しても良いし、制御装置71側において計測値PVおよび目標値SVから算出された偏差Dを直接取得(受信)しても良い。
制御強度取得部24は、設定パラメータCの調整の目標を定める制御強度αを取得するよう構成された機能部である。プラントの運転状態に応じて最適と言えるような制御をコントローラ8に行わせるための設定パラメータCの設定値(つまり、各ゲインの組合せ)は複数通り存在し得る(図4参照)。制御強度αによって、そのような複数通りの設定値の組合せのうちのどの組合せを選択するかが指定されることになり、上記の調整の目標が方向付けられる。制御強度αの値は、例えば0(0%)から(100%)の範囲などで指定可能とされても良い。また、制御強度αの値は固定値であっても良いし、オペレータなどの指示値や、負荷値L(現負荷値Lp)に基づくなどして手動または自動で変更可能な可変値であっても良い。また、制御強度αの値は、記憶装置mの所定の記憶領域に記憶されるよう構成されることで、制御強度取得部24は、記憶装置mから制御強度αの値を取得しても良い。
より詳細には、設定パラメータCの設定値に応じて操作量MVと計測値PVとが定まるので、コントローラ8による制御状況は、図4に示すような操作量MVの分散を横軸に、プロセス量の計測値PVの分散を縦軸に取ったグラフGにおけるいずれかの点にプロットされる。そして、このグラフGにおいて、コントローラ8による制御が最適となるような最適曲線が定められた場合に、制御強度αは、どの最適点を目標とするかを定めるのに用いられる。例えば、ある現設定値Cpにおいて観測される計測値PVおよび操作量MVの各々の時間推移に基づいてそれぞれ分散を求めた結果、図4に示すように、最適曲線から外れたプロット点p1に位置していたとする。この際、制御強度αに基づいて定められる目標が最適曲線上のプロット点p2とすると、設定調整装置1は、プロット点p1がプロット点p2になるように、設定パラメータCの新設定値Crを決定する。このように、制御強度αの値に応じて、目標とする最適曲線上の位置が変わる。
また、図4に示すように、制御強度αを高くするほどプロセス量の計測値PV(偏差D)の分散は小さくなるが、操作量MVの分散は大きくなる。逆に、制御強度αを低くするほどプロセス量の計測値PV(偏差D)の分散は大きくなるが、操作量MVの分散は小さくなる。例えば主蒸気圧力と燃料量との関係で説明すると、制御強度αを高めることにより主蒸気圧力の目標値SVからの変動は抑制される一方で燃料供給量の変動が大きくなる傾向となる。逆に、制御強度αを低くすることにより主蒸気圧力の目標値SVからの変動は大きくなる一方で燃料供給量の変動は抑制される傾向となる。
すなわち、この制御強度αは、各制御におけるプロセス量の目標値変動と操作端変動の優先度の指標であるが、プロセス量の目標値を中心とした変動の許容度を定める指標でもある。例えば制御強度αを高くするほど、プロセス量の計測値PVの目標値SVから変動をより抑制するような制御が行われる。すなわち、常に変化するプロセス量の変化量をより感度良く打ち消すように操作量MVが演算される。このため、図4のプロット点p3では、プロセス量の計測値PVの変動はより抑制される傾向になるが、操作量MVをより大きく変化させることから操作量MVの変動がより大きくなる傾向になる。つまり、プロセス量の制御性能は良好になるが、制御安定性が低下する。逆に、制御強度αを低くするほど、プロセス量の計測値PVの目標値SVからの変動をより許容するような制御が行われる。すなわち、常に変化するプロセス量の変化がより許容されるように操作量MVが演算される。このため、図4のプロット点p4では、プロセス量の計測値PVの変動はより大きくなる傾向になるが、操作量MVの変動はより抑制される傾向になる。つまり、制御安定性は高くなるが、プロセス量の制御性能は悪化する。
新設定決定部3は、上述した各機能部によりそれぞれ取得された現負荷値Lp、偏差D、現設定値Cp、操作量MVおよび制御強度αに基づいて、設定パラメータCの新設定値Crを決定するよう構成された機能部である。換言すれば、新設定決定部3は、上記の現負荷値Lp、偏差D、現設定値Cp、操作量MVおよび制御強度αを入力情報Ipとして、入力情報Ipに応じた設定パラメータCの新設定値Crを出力する。
例えば、幾つかの実施形態では、図3に示すように、新設定決定部3は、上述したコントローラ8によるフィードバック制御の実行により得られる、プラントの任意の負荷値L、この任意の負荷値Lの下での上記の目標値SVおよび計測値PVあるいは上記の偏差D、設定パラメータCの設定値、この設定値の下での上記の偏差Dに応じた操作量MV、および操作端74を操作量MVで操作した後のプロセス量の計測値PVの変化量の間の関係性を学習した学習モデルM(学習済みモデル)に基づいて、設定パラメータCの新設定値Crを決定しても良い。なお、上記の関係性には、制御強度αが含まれていても良い。
すなわち、学習モデルMは、現負荷値Lpの取得時などの今回の調整実行タイミングよりも過去の複数の時点において得られた、上記の負荷値Lと、目標値SVおよび計測値PVあるいはこの両者から算出される偏差Dと、設定パラメータCの設定値と、操作量MVと、この条件におけるプロセス量の計測値PVの変化量とを対応付けた複数のデータを教師データとして学習(機械学習)することで得られる、上記の関係性を学習(機械学習)により規定したモデルである。そして、この学習モデルMに基づいて、上記の入力情報Ipに対する設定パラメータCの新設定値Cr(出力情報)を決定する。例えば、制御装置71の運用中に学習期間を設けて上記のデータを収集し、この収集したデータに基づいて学習モデルMを作成しても良い。後述する評価指標値Eに基づいて、学習期間を開始するなどして再学習を実行しても良い。
この学習モデルMは、小脳演算モデル(CMAC)などのニューラルネットワークであっても良いし、他の学習手法により上記の関係性を学習したモデルであっても良い。また、設定調整装置1は、記憶装置mに記憶するなどして学習モデルMを備えても良いし、学習モデルMを他の装置(不図示)が備えることで、新設定決定部3が入力情報Ipをこの他の装置に送信し、学習モデルMによる算出結果を受信することで、上記の決定を行っても良い。
既に述べたように、コントローラ8から出力される任意の偏差Dに対する操作端74の操作量MVは、設定パラメータCの設定値に応じて異なる。さらに、コントローラ8から出力される操作量MVが異なれば、プロセス量の計測値PVの変化量も異なる。換言すれば、同一の偏差Dに対するプロセス量の制御結果は、コントローラ8の設定パラメータCに応じて変わる。よって、上記の関係性に基づいて作成された学習モデルMなどの関係性を用いて、設定パラメータCの最適な新設定値Crを決定することが可能となる。
送信部4は、上述した新設定決定部3によって決定された新設定値Crをコントローラ8に送信するよう構成された機能部である。コントローラ8は、受信した新設定値Crで設定パラメータCの現設定値Cpを更新(上書きなど)するなどして新設定値Crを設定することで、新たな設定パラメータCの設定値の下でフィードバック制御を実行するようになる。
図1〜図3に示す実施形態では、現負荷取得部21、現設定取得部22、入出力取得部23および制御強度取得部24は、新設定決定部3にそれぞれ接続されており、取得した情報を新設定決定部3に出力する。新設定決定部3は、送信部4に接続されており、入力情報Ipに基づいて決定した設定パラメータCの新設定値Crを送信部4に出力する。送信部4は、入力された新設定値Crを、対応するコントローラ8に送信する。なお、上述した機能部は、同一のコンピュータ上で動作しても良いし、異なるコンピュータ上に機能分散されても良い。
また、図1に示す実施形態では、制御システム7は、プラント等に設置された複数のフィールド機器(センサ73や操作端74など)が接続される制御ネットワークN1と、上述したOPS76などのプラント等の制御や監視、管理を行うための各種のコンピュータ装置が接続される制御情報ネットワークN2とを備えている。なお、プラント等に設置された複数のフィールド機器(後述するセンサ73や操作端74など)は、通常、不図示のPLC(Programable Logic Controller)などを介して、制御ネットワークN1に接続される。
そして、制御ネットワークN1には、設定調整装置1および制御装置71が接続されており、両者の双方向の通信が可能となっている。そして、設定調整装置1は、制御ネットワークN1を介することで、制御装置71から上記の入力情報Ipを通信により取得すると共に、制御装置71に対して設定パラメータCの新設定値Crを送信するようになっている。なお、設定調整装置1は、フィールド機器から直接、プロセス量の計測値PVを取得しても良い。また、設定調整装置1は、制御情報ネットワークN2に接続されることにより制御情報ネットワークN2を介するなど、他の通信ネットワークを介して、設定パラメータCの調整のための通信を制御装置71と行っても良い。または、設定調整装置1は、ハードワイヤード(配線)で制御装置71に接続されても良い。
上記の構成によれば、例えばPI、PIDコントローラ8などの比例ゲインK、積分ゲインK、微分ゲインKなどとなる設定パラメータCを、例えばボイラなどとなるプラントの現負荷値Lpを考慮して決定する。コントローラ8によるプロセス量の計測値PVの目標値SVへの一致度合いは制御強度αに応じて定まるが、任意の制御強度αに応じた設定パラメータCの最適値はプラントの負荷値Lに応じて変化する。よって、上述したようなコントローラ8の設定パラメータCの設定値をプラントの現負荷値Lpを考慮して決定すると共に、決定された設定パラメータCの新設定値Crに従ってコントローラ8が制御を行うことで、プロセス量の制御をより適切に実行することができる。
次に、学習モデルMを用いる新設定決定部3についての幾つかの実施形態について、図5〜図6を用いて説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る新設定決定部3の機能ブロックを示す図である。また、図6は、本発明の一実施形態に係る線形補間を説明するための図である。
幾つかの実施形態では、上述した学習モデルMは、予め定めた相互に異なる複数の任意の負荷値L(以下、基準負荷値L)の下での上記の関係性をそれぞれ学習した複数の学習モデルMを含んでも良い。そして、上述した現負荷取得部21によって取得された現負荷値Lpが基準負荷値Lとは異なる値である場合には、現負荷値Lpに対応する設定パラメータCの新設定値Crを、少なくとも2つの基準負荷値L、およびこの各々の基準負荷値Lの下で作成された学習モデルMを用いて算出した少なくとも2つの新設定値Crに基づいて、現負荷値Lpを補間することにより決定しても良い。
すなわち、上述した学習モデルMは、プラント(ボイラ91)の負荷値Lが第1値L1である場合の上記の関係性を学習した第1学習モデルMaと、その負荷値Lが第2値L2である場合の上記の関係性を学習した第1学習モデルMaと、を含む。また、新設定決定部3は、第1学習モデルMaおよび第2学習モデルMbでそれぞれ算出された新設定値Crである第1新設定値C1および第2新設定値C2を取得する取得部31と、第1値L1および第1新設定値C1と第2値L2および第2新設定値C2とに基づいた補間を行うことで、第1値L1および第2値L2とは異なる値を有する負荷値Lに応じた新設定値Crを算出する補間部32と、上述した現負荷取得部21によって取得された現負荷値Lpが第1値L1および第2値L2とは異なる値を有する場合には、補間部32によって算出された新設定値Crを出力する補間値出力部33と、を有する。図5に示す実施形態では、新設定決定部3は、さらに、学習モデルM(CMAC)も備えている。
つまり、現負荷取得部21によって取得された現負荷値Lpが基準負荷値Lとは異なる値である場合には、新設定決定部3は、複数の基準負荷値Lに応じて作成された複数の学習モデルMによる算出結果を用いて、現負荷値Lpに対するおける設定パラメータCの新設定値Cr(比例ゲインK、積分ゲインK、および微分ゲインKの組合せ)を決定する。
具体的には、取得された現負荷値Lpに最も近い2つの基準負荷値Lを上記の第1値L1および第2値L2としても良い。あるいは、取得された現負荷値Lpよりも値が大きい側の基準負荷値L、および、この現負荷値Lpよりも値が小さい側の基準負荷値Lのうちから、それぞれ最も値が近い基準負荷値Lを選択して上記の第1値L1および第2値L2としても良い。
また、3以上の複数の基準負荷値L基づいて例えば回帰分析などにより求めることが可能な、任意の負荷値Lに対する比例ゲインK、積分ゲインK、および微分ゲインKの値(各新設定値Cr)を算出可能な関数f(L)を用いて、基準負荷値Lではない負荷値L、あるいは基準負荷値Lおよび基準負荷値Lではない負荷値Lの両方に対する新設定値Crを求めるようにしても良い。なお、取得された現負荷値Lpが基準負荷値Lと同じであれば、その基準負荷値Lの下で作成された学習モデルMの算出結果を用いて、現負荷値Lpに対するおける設定パラメータCの新設定値Crを算出しても良い。
これによって、あらゆる現負荷値Lpに対応する学習モデルMを生成することなく、限られた数の負荷値Lに対して学習することで、あらゆる現負荷値Lpに対して適切な新設定値Crを算出することが可能となる。
図5に示す実施形態では、複数の学習モデルMは、それぞれ、ニューラルネットワークの一種である小脳演算モデル(CMAC)で作成されている。学習モデルMは、例えば100%、80%、60%、40%などの各々負荷帯からそれぞれ1つずつ選択された4つの基準負荷値Lについてそれぞれ作成された合計で4つの学習モデルMを含んでいる。そして、取得された現負荷値Lpに対して、例えば、複数の基準負荷値Lのうちの例えば現負荷値Lpに最も値が近い2つの基準負荷値Lを選択し、その2つの基準負荷値Lに応じた学習モデルMから出力された新設定値Crを算出し、その間を線形補間することで、現負荷値Lpを補間している。具体的には、上記の線形補間のための関数f(L)を求め、この関数f(L)に現負荷値Lpを代入することで現負荷値Lpを算出しても良い。この際、選択されなかった基準負荷値Lに対応する新設定値Crは算出しなくても良い。
具体的には、例えば現負荷値Lpが90%の場合には、図6に示すように、100%(図6のL2)および80%(図6のL3)の基準負荷値Lの下で作成された学習モデルMを用いて、その各々の基準負荷値Lに対する設定パラメータCの新設定値Crをそれぞれ算出する。これによって、図6に示すように、(L1、K1)、(L2、K2)の2点が得られる。図6に示す例示は比例ゲインKについてであるが、その2点を結んだ直線lと、現負荷値Lpとが交わる交点における比例ゲインKの値であるK3を新設定値Crに含まれる比例ゲインKの値とする。なお、他の積分ゲインKおよび微分ゲインKについても同様となる。
上記の構成によれば、現負荷値Lpに対応して作成された学習モデルMがない場合には、現負荷値Lpに近い負荷値Lで作成された学習モデルMを用いて算出された少なくとも2つの新設定値Crに基づいて、現負荷値Lpに応じた新設定値Crを算出する。これによって、プラントのあらゆる負荷値Lに応じた設定パラメータCの新設定値Crを適切に算出することができる。
次に、設定調整装置1の備える他の構成について、図7を用いて説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る画面表示を例示する図である。
幾つかの実施形態では、図3に示すように、設定調整装置1は、計測値PV、目標値SV、偏差D、操作量MV、制御強度α、設定パラメータCの現設定値Cp、設定パラメータCの新設定値Cr、および、上述した制御強度αに基づいて定められる調整の目標に対する評価を示す評価指標値Eを含む複数の数値情報のうちの少なくとも1つの数値情報の最新値または時間推移と、上記の計測値PVの分散指標値および操作量MVの分散指標値の関係を示すグラフGと、設定パラメータCの調整の実行状況の情報(制御使用状況S)と、のうちの少なくとも1つを表示装置14に出力するよう構成された出力部5をさらに備える。この表示装置14は、例えば、OPS76の備えるディスプレイであっても良い。
ここで、上記の評価指標値Eは、既に説明した図4における現状(p1)から最適点(p2)までの距離dと相関がある値であり、制御性を評価した点数などの評価値である。この距離dが短いほど最適なので、距離dが短いほど評価指標値Eは高く、距離dが長いほど評価指標値Eは低い。具体的には、評価指標値Eは、制御性能評価指数(CPI)であっても良い。上記の分散指標値は、例えば標準偏差値、分散値など、計測値PVや操作量MVのばらつき度合いが分かる指標であれば良い。また、上記の制御使用状況Sは、設定調整装置1(最適化機能)が使用されているか否かを示す情報である。
図3に示す実施形態では、図7に示すように、設定調整装置1は、出力部5により、上記の全ての数値情報の最新値および時間推移と、上記のグラフGと、設定パラメータCの調整の実行の有無と、を例えば1画面上にまとめて表示するなど、同時に出力するようになっている。時間推移は、最新から規定時間分(例えば1時間、2時間など)が表示されるようになっている。グラフGは、現在値ボタンをクリック(タップ)することで最新値が表示され、過去値ボタンをクリック(タップ)すると過去値や過去の推移が表示されるようになっている。また、評価指標値Eは、制御性能評価指数(CPI)であり、分散指標値は標準偏差となっている。また、主要なプロセス量が表示されるようになっている(図7では、主蒸気量流量(Lp)、総燃料量、ボイラ出口主蒸気温度)。なお、図7に示す実施形態では、コントローラ8がPIコントローラであるため、比例ゲインKおよび積分ゲインKについてのみ最新値および時間推移が表示されている。また、図7に示されるNは評価区間、Mはノイズ次数、BorderはPID更新閾値、Deadtimeはむだ時間であり、PID OPTIMIZERの内部処理用のパラメータである。P、Iは、それぞれ、コントローラ8に現在設定されている比例ゲインK、積分ゲインKの各々の値である。
そして、出力部5は、数値情報の時間推移を、横軸を時間、縦軸を数値情報の値としたグラフで表示されるように出力するようになっている。また、図7に示すように、出力部5は、数値情報の最新値については、新設定決定部3(設定調整装置1)またはコントローラ8の少なくとも一方を表す図形Fに関連付けて、この図形Fとともに表示装置14に表示されるように出力しても良い。より詳細には、出力部5は、新設定決定部3またはコントローラ8の少なくとも一方を表す図形F(第1図形Fa)と、上記の数値情報の第1図形Faとの入出力関係を表す図形F(第2図形Fb)と、をさらに出力するよう構成されている。そして、出力部5は、上記の数値情報が上記の第1図形Faおよび第2図形Fbに関連付けられた状態で表示装置14に表示されるように、数値情報、第1図形Faおよび第2図形Fbを出力する。
図7に示す実施形態では、出力部5からの情報の出力の結果、表示装置14には、新設定決定部3(設定調整装置1)を表す第1図形Fa(PID OPTIMIZER)およびコントローラ8を表す第1図形Fa(PID)の両方の図形Fが表示されている。また、各第1図形Faには、矢印で表された複数の第2図形Fbが隣接(接触)して表示されている。この矢印である第2図形Fbは、第1図形Faで表される対象(3、8)へ入力される数値情報あるいは対象から出力される数値情報に応じて、向きが異なっている。そして、各第1図形Faで示される対象(3、8)へ入力される数値情報あるいは対象から出力される数値情報の種類を示すラベル表示およびその最新値が、第2図形Fbに隣接して表示されている。これによって、表示された各数値情報が、第1図形Faで表される対象への入力値情報なのか、出力情報であるのかの種別、およびその最新値の把握の容易化を図ることが可能である。また、新設定決定部3(設定調整装置1)を表す図形Fについては、稼働状態が正常であるか異常であるかが表示されるようになっている(図7の表示は正常)。
また、本実施形態では、設定調整装置1は、使用許可条件が成立すると最適化機能をON(実行開始)に切り替え、使用許可条件が成立しない場合にOFFに切り替える自動モードと、オペレータなどの操作によって最適化機能のONまたはOFFする手動モードを有している。例えば、使用許可条件は、評価指標値Eが閾値以下となった場合などであっても良い。このため、制御使用状況Sは、最適化機能の実行の有無、使用許可条件の成立の有無、実行中のモードを含んでおり、それらが表示されるようになっている。図7に示す実施形態では、自動モードおよび許可条件が共にONであり、最適化機能(ボイラマスタ最適化モード)がONになっている。
上記の構成によれば、新設定値Crで動作している制御状況など、コントローラ8の制御状況を可視化することがで、コントローラ8の動作の監視の容易化を図ることができる。また、上記の図形Fと共に表示することで、オペレータによるコントローラ8や新設定決定部3の入出力情報の把握の容易化を図ることができる。
以下、上述した設定調整装置1が行う処理に対応する設定調整方法について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の一実施形態に係る設定調整方法を示す図である。
設定調整方法は、ボイラ91を有するプラントにおける任意のプロセス量をフィードバック制御するコントローラ8に設定される設定パラメータCを調整する方法である。図8に示すように、設定調整方法は、現負荷取得ステップと、現設定取得ステップと、入出力取得ステップと、新設定決定ステップと、送信ステップと、を備える。図8に示すように、設定調整方法は、制御強度取得ステップをさらに備えても良い。これらの各ステップについて、図8のステップ順に説明する。なお、この設定調整方法は、周期的などの調整実行タイミングが到来する度に実行しても良い。
図8のステップS1において、現負荷取得ステップと、現設定取得ステップと、入出力取得ステップと、制御強度取得ステップと、を実行する。すなわち、ステップS1では、入力情報Ip(既出)を取得する。これらの、現負荷取得ステップ、現設定取得ステップ、入出力取得ステップ、および制御強度取得ステップは、既に説明した、現負荷取得部21、現設定取得部22、入出力取得部23、および制御強度取得部24が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
ステップS2において、新設定決定ステップを実行する。新設定決定ステップは、ステップS1の実行により取得された現負荷値Lp、偏差D、現設定値Cp、操作量MVおよび制御強度αに基づいて、設定パラメータCの新設定値Crを決定するステップである。例えば、新設定決定ステップでは、上述した学習モデルMに基づいて、設定パラメータCの新設定値Crを決定しても良い。この新設定決定ステップは、既に説明した新設定決定部3が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
ステップS3において、送信ステップを実行する。送信ステップは、上記の新設定決定ステップ(S2)の実行によって決定された新設定値Crをコントローラ8に送信するステップである。この送信ステップは、既に説明した送信部4が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
幾つかの実施形態では、図8に示すように、設定調整方法は、さらに、上述した計測値PV、目標値SV、偏差D、操作量MV、制御強度α、設定パラメータCの現設定値Cp、設定パラメータCの新設定値Cr、および、上述した制御強度αに基づいて定められる調整の目標に対する評価を示す評価指標値Eを含む複数の数値情報のうちの少なくとも1つの数値情報の最新値または時間推移と、上記の計測値PVの分散指標値および操作量MVの分散指標値の関係を示すグラフGと、設定パラメータCの調整の実行状況の情報(制御使用状況S)と、のうちの少なくとも1つを表示装置14に出力する出力ステップをさらに備えている。この出力ステップは、既に説明した出力部5が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。図8では、ステップS4において出力ステップを実行している。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
<付記>
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る設定調整装置(1)は、
ボイラ(91)を有するプラントにおけるプロセス量をフィードバック制御するコントローラ(8)に設定される設定パラメータ(C)の設定調整装置(1)であって、
前記プラントの現負荷値(Lp)を取得するよう構成された現負荷取得部(21)と、
前記設定パラメータ(C)の現設定値(Cp)を取得するよう構成された現設定取得部(22)と、
前記現負荷値(Lp)が取得された際の前記プロセス量の計測値(PV)と目標値(SV)との偏差(D)、および前記現設定値(Cp)の下で前記偏差(D)に応じて前記コントローラ(8)からへ出力された操作量(MV)を取得するよう構成された入出力取得部(23)と、
取得された前記現負荷値(Lp)、前記偏差(D)、前記現設定値(Cp)、および前記操作量(MV)に基づいて、前記設定パラメータ(C)の新設定値(Cr)を決定するよう構成された新設定決定部(3)と、
決定された前記新設定値(Cr)を前記コントローラ(8)に送信するよう構成された送信部(4)と、を備える。
上記(1)の構成によれば、例えばPI、PIDコントローラ(8)などの比例ゲイン(K)、積分ゲイン(K)、微分ゲイン(K)などとなる設定パラメータ(C)を、例えばボイラ(91)などとなるプラントの現在の現負荷値(Lp)を考慮して決定する。コントローラ(8)の設定パラメータ(C)の最適値はプラントの負荷値(L)に応じて変化する。よって、上述したようなコントローラ(8)の設定パラメータ(C)の設定値をプラントの現負荷値(Lp)を考慮して決定すると共に、決定された設定パラメータ(C)の新設定値(Cr)に従ってコントローラ(8)が制御を行うことで、プロセス量の制御をより適切に実行することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記新設定決定部(3)は、
前記コントローラ(8)による前記フィードバック制御の実行により得られる、前記プラントの任意の負荷値(L)、前記任意の負荷値(L)の下での前記目標値(SV)および前記計測値(PV)あるいは前記偏差(D)、前記設定パラメータ(C)の設定値、前記設定値の下での前記偏差(D)に応じた前記操作量(MV)、および前記操作端(74)を前記操作量(MV)で操作した後の前記計測値(PV)の変化量の間の関係性を学習した学習モデル(M)に基づいて、前記設定パラメータ(C)の前記新設定値(Cr)を決定する。
上記(2)の構成によれば、コントローラ(8)のフィードバック制御の実行の結果得られる、任意の負荷値における、偏差(D)、設定パラメータ(C)の設定値、操作量(MV)、プロセス量の変化量(制御量)の実績データを学習(機械学習)するなどして得られる、上記の各種の情報間の関係性(学習モデル(M))を用いて設定パラメータ(C)の新設定値(Cr)を決定する。コントローラ(8)から出力される任意の偏差(D)に対する操作端(74)の操作量(MV)は、設定パラメータ(C)の設定値に応じて異なる。さらに、コントローラ(8)から出力される操作量(MV)が異なれば、プロセス量の計測値(PV)の変化量も異なる。換言すれば、同一の偏差(D)に対するプロセス量の制御結果は、コントローラ(8)の設定パラメータ(C)に応じて変わる。よって、上記の関係性に基づいて作成された学習モデル(M)を用いて、設定パラメータ(C)の最適な新設定値(Cr)を決定することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記学習モデル(M)は、
前記負荷値(L)が第1値(L1。例えば図6のL1)である場合の前記関係性を学習した第1学習モデル(M)と、
前記負荷値(L)が第2値(L2。例えば図6のL2)である場合の前記関係性を学習した第2学習モデル(M)と、を含み、
前記新設定決定部(3)は、
前記第1学習モデル(M)および前記第2学習モデル(M)でそれぞれ算出された前記新設定値(Cr)である第1新設定値(C1。例えば比例ゲインKを示す図6のK1)および第2新設定値(C2。例えば比例ゲインKを示す図6のK2)を取得する取得部(31)と、
前記第1値(L1)および前記第1新設定値(C1)と前記第2値(L2)および前記第2新設定値(C2)とに基づいた補間(例えば図6の直線l)を行うことで、前記第1値(L1)および前記第2値(L2)とは異なる値を有する前記負荷値(例えば図6に示すLp)に応じた前記新設定値(Cr)を算出する補間部(32)と、
前記現負荷取得部(21)によって取得された前記現負荷値(Lp)が前記第1値(L1)および前記第2値(L2)とは異なる値を有する場合には、前記補間部(32)によって算出された前記新設定値(Cr)を出力する補間値出力部(33)と、を有する。
上記(3)の構成によれば、現負荷値(Lp)に対応して作成された学習モデル(M)がない場合には、現負荷値(Lp)に近い負荷値(L)で作成された学習モデル(M)を用いて算出された少なくとも2つの新設定値(Cr)に基づいて、現負荷値(Lp)に応じた新設定値(Cr)を決定する。これによって、プラントのあらゆる負荷値(L)に応じた設定パラメータ(C)の新設定値(Cr)を適切に決定することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)〜(3)の構成において、
前記学習モデル(M)を、さらに備える。
上記(4)の構成によれば、設定調整装置(1)は、学習モデル(M)を備える。これによって、通信状況などに影響されることなく、新設定値(Cr)の決定を迅速かつ安定的に行うことができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(2)〜(4)の構成において、
前記設定パラメータ(C)の調整の目標を定める制御強度(α)を取得するよう構成された制御強度(α)取得部(24)をさらに備え、
前記関係性は、前記制御強度(α)をさらに含む。
上記(5)の構成によれば、新設定決定部(3)は、上述した各機能部によって取得された前記現負荷値(Lp)、前記偏差(D)、前記現設定値(Cp)、前記操作量(MV)および前記制御強度(α)に基づいて、これらについての関係性を学習した学習モデル(M)を用いるなどして、前記設定パラメータ(C)の新設定値(Cr)を決定する。コントローラ(8)によるプロセス量の計測値(PV)の目標値(SV)への一致度合いは制御強度(α)に応じて定まる。よって、制御強度(α)に応じた、設定パラメータ(C)の最適値を求めることができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の構成において、
前記現負荷値(Lp)、前記計測値(PV)、前記目標値(SV)、前記偏差(D)、前記操作量(MV)、前記制御強度(α)、前記現設定値(Cp)、前記新設定値(Cr)、および前記制御強度(α)に基づいて定められる前記調整の目標に対する評価を示す評価指標値(例えば図7のCPI)を含む複数の数値情報のうちの少なくとも1つの前記数値情報の最新値(例えば図7のxx.xなど)または時間推移(例えば図7のCPI)と、前記計測値(PV)の分散指標値および前記操作量(MV)の分散指標値の関係を示すグラフ(例えば図7のグラフG)と、前記設定パラメータ(C)の調整の実行状況の情報と、のうちの少なくとも1つを表示装置(14。例えば図1のOPS76のディスプレイ)に出力するよう構成された出力部(5)をさらに備える。
上記(6)の構成によれば、新設定値(Cr)で動作している制御状況など、コントローラ(8)の制御状況を可視化することがで、コントローラ(8)の動作の監視の容易化を図ることができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の構成において、
前記出力部(5)は、前記新設定決定部(3)または前記コントローラ(8)の少なくとも一方を表す第1図形(Fa。例えば図7のPID OPTIMIZERや、PIDと共に表されたブロック図形)と、前記数値情報の前記第1図形(Fa)との入出力関係を表す第2図形(Fb。例えば図7の矢印の線)と、をさらに出力するよう構成されており、
前記数値情報は前記第1図形(Fa)および前記第2図形(Fb)に関連付けられた状態で前記表示装置(14)に表示されるように、前記数値情報、前記第1図形(Fa)および前記第2図形(Fb)を出力する。
上記(7)の構成によれば、オペレータによるコントローラ(8)や新設定決定部(3)の入出力情報の把握の容易化を図ることができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(7)の構成において、
前記コントローラ(8)は、P制御、I制御、D制御の少なくとも1つを実行するよう構成されたコントローラ(8)であり、
前記設定パラメータ(C)は、前記P制御のゲイン(K)、前記I制御のゲイン(K)、前記D制御のゲイン(K)の少なくとも1つを規定するパラメータを含む。
上記(8)の構成によれば、フィードバック制御を規定する、P制御のゲイン(K)、I制御のゲイン(K)、D制御のゲイン(K)といった設定パラメータ(C)を適切に調整することができる。
(9)本発明の少なくとも一実施形態に係る設定調整方法は、
ボイラ(91)を有するプラントにおけるプロセス量をフィードバック制御するコントローラ(8)に設定される設定パラメータ(C)の設定調整方法であって、
前記プラントの現負荷値(Lp)を取得する現負荷取得ステップ(図7のS1)と、
前記設定パラメータ(C)の現設定値(Cp)を取得する現設定取得ステップ(図7のS1)と、
前記現負荷値(Lp)が取得された際の前記プロセス量の計測値(PV)と目標値(SV)との偏差(D)、および前記現設定値(Cp)の下で前記偏差(D)に応じて前記コントローラ(8)から操作端(74)へ出力された操作量(MV)を取得する入出力取得ステップ(図7のS1)と、
取得された前記現負荷値(Lp)、前記偏差(D)、前記現設定値(Cp)、および前記操作量(MV)に基づいて、前記設定パラメータ(C)の新設定値(Cr)を決定する新設定決定ステップ(図7のS2)と、
決定された前記新設定値(Cr)を前記コントローラ(8)に送信する送信ステップ(図7のS3)と、を備える。
上記(9)の構成によれば、上記(1)と同様の効果を奏する。
(10)本発明の少なくとも一実施形態に係る設定調整プログラムは、
ボイラ(91)を有するプラントにおけるプロセス量をフィードバック制御するコントローラ(8)に設定される設定パラメータ(C)の設定調整プログラムであって、
コンピュータに、
前記プラントの現負荷値(Lp)を取得する現負荷取得部(21)と、
前記設定パラメータ(C)の現設定値(Cp)を取得する現設定取得部(22)と、
前記現負荷値(Lp)が取得された際の前記プロセス量の計測値(PV)と目標値(SV)との偏差(D)、および前記現設定値(Cp)の下で前記偏差(D)に応じて前記コントローラ(8)から操作端(74)へ出力された操作量(MV)を取得する入出力取得部(23)と、
取得された前記現負荷値(Lp)、前記偏差(D)、前記現設定値(Cp)、および前記操作量(MV)に基づいて、前記設定パラメータ(C)の新設定値(Cr)を決定する新設定決定部(3)と、
決定された前記新設定値(Cr)を前記コントローラ(8)に送信する送信部(4)と、を実現させるプログラムである。
上記(10)の構成によれば、上記(1)と同様の効果を奏する。
1 設定調整装置
11 プロセッサ
14 表示装置
m 記憶装置
21 現負荷取得部
22 現設定取得部
23 入出力取得部
24 制御強度取得部
3 新設定決定部
31 取得部
32 補間部
33 補間値出力部
4 送信部
5 出力部
7 制御システム
71 制御装置
73 センサ
74 操作端
76 操作端末
8 コントローラ
91 ボイラ
92 蒸気タービン
93 発電機
C 設定パラメータ
比例ゲイン
積分ゲイン
微分ゲイン
Cp 現設定値
Cr 新設定値
C1 第1新設定値
C2 第2新設定値
L 負荷値
L1 第1値
L2 第2値
Lp 現負荷値
基準負荷値
SV 目標値
PV 計測値
MV 操作量
D 偏差
Ip 入力情報
M 学習モデル
Ma 第1学習モデル
Mb 第2学習モデル
N1 制御ネットワーク
N2 制御情報ネットワーク
E 評価指標値
d 距離
G グラフ
S 制御使用状況
F 図形
Fa 第1図形
Fb 第2図形(矢印)
l 直線

Claims (10)

  1. ボイラを有するプラントにおけるプロセス量をフィードバック制御するコントローラに設定される設定パラメータの設定調整装置であって、
    前記プラントの現負荷値を取得するよう構成された現負荷取得部と、
    前記設定パラメータの現設定値を取得するよう構成された現設定取得部と、
    前記現負荷値が取得された際の前記プロセス量の計測値と目標値との偏差、および前記現設定値の下で前記偏差に応じて前記コントローラから操作端へ出力された操作量を取得するよう構成された入出力取得部と、
    取得された前記現負荷値、前記偏差、前記現設定値、および前記操作量に基づいて、前記設定パラメータの新設定値を決定するよう構成された新設定決定部と、
    決定された前記新設定値を前記コントローラに送信するよう構成された送信部と、を備える設定調整装置。
  2. 前記新設定決定部は、
    前記コントローラによる前記フィードバック制御の実行により得られる、前記プラントの任意の負荷値、前記任意の負荷値の下での前記目標値および前記計測値あるいは前記偏差、前記設定パラメータの設定値、前記設定値の下での前記偏差に応じた前記操作量、および前記操作端を前記操作量で操作した後の前記計測値の変化量の間の関係性を学習した学習モデルに基づいて、前記設定パラメータの前記新設定値を決定する請求項1に記載の設定調整装置。
  3. 前記学習モデルは、
    前記負荷値が第1値である場合の前記関係性を学習した第1学習モデルと、
    前記負荷値が第2値である場合の前記関係性を学習した第2学習モデルと、を含み、
    前記新設定決定部は、
    前記第1学習モデルおよび前記第2学習モデルでそれぞれ算出された前記新設定値である第1新設定値および第2新設定値を取得する取得部と、
    前記第1値および前記第1新設定値と前記第2値および前記第2新設定値とに基づいた補間を行うことで、前記第1値および前記第2値とは異なる値を有する前記負荷値に応じた前記新設定値を算出する補間部と、
    前記現負荷取得部によって取得された前記現負荷値が前記第1値および前記第2値とは異なる値を有する場合には、前記補間部によって算出された前記新設定値を出力する補間値出力部と、を有する請求項2に記載の設定調整装置。
  4. 前記学習モデルを、さらに備える請求項2または3に記載の設定調整装置。
  5. 前記設定パラメータの調整の目標を定める制御強度を取得するよう構成された制御強度取得部をさらに備え、
    前記関係性は、前記制御強度をさらに含む請求項2〜4のいずれか1項に記載の設定調整装置。
  6. 前記現負荷値、前記計測値、前記目標値、前記偏差、前記操作量、前記制御強度、前記現設定値、前記新設定値、および前記制御強度に基づいて定められる前記調整の目標に対する評価を示す評価指標値を含む複数の数値情報のうちの少なくとも1つの前記数値情報の最新値または時間推移と、前記計測値の分散指標値および前記操作量の分散指標値の関係を示すグラフと、前記設定パラメータの調整の実行状況の情報と、のうちの少なくとも1つを表示装置に出力するよう構成された出力部をさらに備える請求項5に記載の設定調整装置。
  7. 前記出力部は、前記新設定決定部または前記コントローラの少なくとも一方を表す第1図形と、前記数値情報の前記第1図形との入出力関係を表す第2図形と、をさらに出力するよう構成されており、
    前記数値情報は前記第1図形および前記第2図形に関連付けられた状態で前記表示装置に表示されるように、前記数値情報、前記第1図形および前記第2図形を出力する請求項6に記載の設定調整装置。
  8. 前記コントローラは、P制御、I制御、D制御の少なくとも1つを実行するよう構成されたコントローラであり、
    前記設定パラメータは、前記P制御のゲイン、前記I制御のゲイン、前記D制御のゲインの少なくとも1つを規定するパラメータを含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の設定調整装置。
  9. ボイラを有するプラントにおけるプロセス量をフィードバック制御するコントローラに設定される設定パラメータの設定調整方法であって、
    前記プラントの現負荷値を取得する現負荷取得ステップと、
    前記設定パラメータの現設定値を取得する現設定取得ステップと、
    前記現負荷値が取得された際の前記プロセス量の計測値と目標値との偏差、および前記現設定値の下で前記偏差に応じて前記コントローラから操作端へ出力された操作量を取得する入出力取得ステップと、
    取得された前記現負荷値、前記偏差、前記現設定値、および前記操作量に基づいて、前記設定パラメータの新設定値を決定する新設定決定ステップと、
    決定された前記新設定値を前記コントローラに送信する送信ステップと、を備える設定調整方法。
  10. ボイラを有するプラントにおけるプロセス量をフィードバック制御するコントローラに設定される設定パラメータの設定調整プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記プラントの現負荷値を取得する現負荷取得部と、
    前記設定パラメータの現設定値を取得する現設定取得部と、
    前記現負荷値が取得された際の前記プロセス量の計測値と目標値との偏差、および前記現設定値の下で前記偏差に応じて前記コントローラから操作端へ出力された操作量を取得する入出力取得部と、
    取得された前記現負荷値、前記偏差、前記現設定値、および前記操作量に基づいて、前記設定パラメータの新設定値を決定する新設定決定部と、
    決定された前記新設定値を前記コントローラに送信する送信部と、を実現させるプログラムである設定調整プログラム。
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