JP2021064136A - 車両用周辺監視装置及び車両用周辺監視方法 - Google Patents

車両用周辺監視装置及び車両用周辺監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車両の周辺を監視するために複数の周辺監視センサを用いる場合であっても、周辺監視センサを用いた障害物の位置の検出精度を高めつつ、駐車している車両を発進させる際に水平方向における周辺監視センサの検出範囲間の死角に存在する障害物への近接をより回避しやすくする。【解決手段】第1ソナー21,第2ソナー22での検出結果から障害物の検出点の位置を特定する第1位置特定部101,第2位置特定部102と、逐次特定する検出点の位置群について、自車の位置の変化に応じて位置を更新する位置更新部131と、駐車時に、更新された検出点の位置群を不揮発性メモリ142に記憶する記憶処理部132と、駐車後の発進時に、不揮発性メモリ142に記憶しておいた検出点の位置群を用いて、発進時に第1ソナー21,第2ソナー22間の死角に存在する検出点の位置を推定する位置推定部15とを備える。【選択図】図1

Description

本開示は、車両用周辺監視装置及び車両用周辺監視方法に関するものである。
従来、駐車している車両を発進させる際に、車両の周辺を監視する自律センサである周辺監視センサを用いて障害物の有無を確認する技術が知られている。特許文献1には、運転者が車両を発進させるための操作を行ったことを検出した場合に、車両周囲状況認識部において車両周囲の検出を行って、運転者が注意を払うべき領域を設定し、その領域の内部で移動物体の検出を行う技術が開示されている。
特許第6231345号公報
車両の周辺を監視するためにカメラ,ソナー等の周辺監視センサを複数用いる場合であっても、個々の周辺監視センサには検出範囲が存在するため、車両の周辺であっても個々の周辺監視センサの検出範囲の間に死角が生じる場合がある。なお、障害物の位置の検出精度を高めるためには、カメラであってもソナー等の測距センサであっても、検出範囲を絞って分解能を高くする必要がある。よって、障害物の位置の検出精度を高めようとするほどこの死角は生じやすくなる。このような死角が存在する場合、周辺監視センサを複数用いたとしても、車両を発進させる際に周辺監視センサの検出範囲間の死角に存在する障害物については認識できず、この障害物への近接を回避することが難しくなる。
この開示のひとつの目的は、車両の周辺を監視するために複数の周辺監視センサを用いる場合であっても、周辺監視センサを用いた障害物の位置の検出精度を高めつつ、駐車している車両を発進させる際に水平方向における周辺監視センサの検出範囲間の死角に存在する障害物への近接をより回避しやすくすることを可能にする車両用周辺監視装置及び車両用周辺監視方法を提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、開示の更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本開示の車両用周辺監視装置は、水平方向における互いの検出範囲間に死角が存在する複数の周辺監視センサ(20,21,22)を搭載した車両で用いられ、周辺監視センサでの検出結果から車両に対する障害物の検出点の位置を特定する検出点位置特定部(101,102)と、検出点位置特定部で逐次特定する検出点の位置群について、車両の位置の変化に応じて位置を更新する位置更新部(131)と、車両の駐車時に、位置更新部で更新された検出点の位置群を、車両の駐車中に記憶を消去しないメモリ(142)に記憶する記憶処理部(132)と、車両の駐車後の発進時に、記憶処理部でメモリに記憶しておいた検出点の位置群を用いて、発進時に複数の周辺監視センサのいずれを用いても検出できない、死角に存在する検出点の位置を推定する位置推定部(15)とを備える。
上記目的を達成するために、本開示の車両用周辺監視方法は、水平方向における互いの検出範囲間に死角が存在する複数の周辺監視センサ(20,21,22)を搭載した車両で用いられ、周辺監視センサでの検出結果から車両に対する障害物の検出点の位置を特定し、逐次特定する検出点の位置群について、車両の位置の変化に応じて位置を更新し、車両の駐車時に、更新された検出点の位置群を、車両の駐車中に記憶を消去しないメモリ(142)に記憶し、車両の駐車後の発進時に、メモリに記憶しておいた検出点の位置群を用いて、発進時に複数の周辺監視センサのいずれを用いても検出できない、死角に存在する検出点の位置を推定する。
これらによれば、水平方向における互いの検出範囲間に死角が存在する複数の周辺監視センサでの検出結果から車両に対する障害物の検出点の位置を特定し、逐次特定する検出点の位置群について、車両の位置の変化に応じて位置を更新する。よって、駐車時には死角に存在する検出点であっても、過去に検出できた検出点であれば、更新した位置によって駐車時の車両に対する位置を表すことが可能になる。よって、周辺監視センサの検出範囲を絞って障害物の位置の検出精度を高めようとする場合であっても、この更新した位置によって駐車時の車両に対する位置を表すことが可能になる。また、車両の駐車時に、更新された障害物の検出点の位置群を、車両の駐車中に記憶を消去しないメモリに記憶するので、更新されたこの位置群を駐車後の発進時まで記憶しておくことが可能になる。よって、車両の駐車後の発進時に、メモリに記憶しておいた障害物の検出点の位置群を用いることで、発進時に複数の周辺監視センサのいずれを用いても検出できない、水平方向における互いの検出範囲間の死角に存在する障害物の検出点の位置を推定することが可能になる。発進時に特定できないこの死角に存在する障害物の検出点の位置を推定することが可能になると、この障害物への近接を回避しやすくなる。その結果、車両の周辺を監視するために複数の周辺監視センサを用いる場合であっても、周辺監視センサを用いた障害物の位置の検出精度を高めつつ、駐車している車両を発進させる際に水平方向における周辺監視センサの検出範囲間の死角に存在する障害物への近接をより回避しやすくすることが可能になる。
車両用システム1及び周辺監視ECU10の概略的な構成の一例を示す図である。 自車への周辺監視センサ20の設け方の一例について説明するための図である。 同一障害物の検出点の位置群が第1ソナー21及び第2ソナー22で検出できるか否かの判定の例を説明するための図である。 発進時における第1ソナー21及び第2ソナー22の検出範囲間死角の領域の検出点の位置の推定の方法の一例を説明するための図である。 発進時における第1ソナー21及び第2ソナー22の検出範囲間死角の領域の検出点の位置の推定の方法の一例を説明するための図である。 発進時における第1ソナー21及び第2ソナー22の検出範囲間死角の領域の検出点の位置の推定の方法の一例を説明するための図である。 発進時における第1ソナー21及び第2ソナー22の検出範囲間死角の領域の検出点の位置の推定の方法の一例を説明するための図である。 発進時における第1ソナー21及び第2ソナー22の検出範囲間死角の領域の検出点の位置の推定の方法の一例を説明するための図である。 周辺監視ECU10での周辺監視関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。 実施形態1の構成による効果を説明するための図である。 車両用システム1a及び周辺監視ECU10aの概略的な構成の一例を示す図である。
図面を参照しながら、開示のための複数の実施形態を説明する。なお、説明の便宜上、複数の実施形態の間において、それまでの説明に用いた図に示した部分と同一の機能を有する部分については、同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。同一の符号を付した部分については、他の実施形態における説明を参照することができる。
<車両用システム1の概略構成>
以下、本開示の実施形態1について図面を用いて説明する。図1に示す車両用システム1は、車両で用いられる。車両用システム1は、図1に示すように、周辺監視ECU10、周辺監視センサ20、車両状態センサ30、及び警報装置40を含んでいる。車両用システム1を用いる車両は、必ずしも自動車に限るものではないが、以下では自動車に用いる場合を例に挙げて説明を行う。
周辺監視センサ20は、自車の周辺を監視する自律センサである。周辺監視センサ20は、自車周辺の物体(つまり、障害物)を検出するために用いられる。周辺監視センサ20としては、例えば、自車周囲の所定範囲を撮像する周辺監視カメラ、自車周囲の所定範囲に探査波を送信するミリ波レーダ,ソナー,LIDAR等の測距センサがある。測距センサは、探査波を送信し、探査波の到達範囲内の障害物で反射されるその探査波の反射波を受信することで障害物の存在及び障害物までの距離を検出するために用いられるセンサである。
測距センサでは、探査波の反射波の受信情報がセンシング結果となる。周辺監視カメラは、撮像した画像に対して画像認識処理を用いて障害物の存在を検出することができる。周辺監視カメラでは、撮像画像がセンシング結果となる。また、周辺監視カメラは、撮像した画像をもとに、自車に対する障害物の距離(以下、障害物距離)を検出することができる。一例としては、障害物距離は、撮像画像中の障害物が認識された箇所の縦方向のピクセル位置から算出することで検出すればよい。周辺監視センサ20としては、例えば自車の全周囲を検出範囲とするように複数種類の周辺監視センサ20を組み合わせて用いる構成としてもよい。一例として、周辺監視カメラと測距センサとを組み合わせて用いてもよい。
周辺監視センサ20は、複数であって、水平方向における互いの検出範囲間に死角が存在するものとする。以下では、周辺監視センサ20として複数のソナーを用いる場合を例に挙げて説明を行う。
ここで、図2を用いて、自車への周辺監視センサ20の設け方の一例について説明を行う。図2では、周辺監視センサ20として第1ソナー21と第2ソナー22との2つのセンサを用いる場合を例に挙げて説明を行う。図2のHVが自車を示している。図2のSAFが第1ソナー21の検出範囲を示している。図2のSARが第2ソナー22の検出範囲を示している。以降の図についても同様である。
第1ソナー21は、自車前部の右側面に搭載される。第1ソナー21は、自車前部の右側方に存在する障害物を検出するために用いられる。第2ソナー22は、自車後部の右側面に搭載される。第2ソナー22は、自車後部の右側方に存在する障害物を検出するために用いられる。
ここでは、第1ソナー21,第2ソナー22が自車の右側面に配置される例を示すが、必ずしもこれに限らない。第1ソナー21,第2ソナー22は、自車の左側面,左右側面等に配置される構成としてもよい。第1ソナー21,第2ソナー22は、自車の前方の障害物を検出するために自車の前面に配置される構成としてもよい。第1ソナー21,第2ソナー22は、自車の後方の障害物を検出するために自車の後面に配置される構成としてもよい。また、配置される数も複数であれば2つに限らない。以降では、便宜上、第1ソナー21,第2ソナー22の2つのソナーが自車の右側面の前後に並べて配置される場合を例に挙げて以降の説明を続ける。
例えば、第1ソナー21は、自車の前部バンパの右側面に配置される。第2ソナー22は、後部バンパの右側面に配置される。第1ソナー21,第2ソナー22をバンパに配置するのは、ソナーの取り付け場所は、振動が収束しやすい材質であることが要件となるためである。第1ソナー21,第2ソナー22は、例えば指向性の中心線が自車HVの車軸方向と平行になるように設けられる。本実施形態の例では、第1ソナー21の検出範囲SAFと第2ソナー22の検出範囲SARとは、自車HVの前後方向に沿って、自車の右側方に前後に並ぶ。第1ソナー21,第2ソナー22の指向性の中心線は、自車HVの車軸方向から例えば40°程度まで傾いて配置されていてもよい。また、第1ソナー21,第2ソナー22の指向性は、障害物の位置の検出精度を高くするため、想定されている車速範囲での使用において探査波の送受信を良好に行うことができる程度の広さがありさえすれば、より狭い方が好ましい。
車両状態センサ30は、自車の走行状態,操作状態等の各種状態を検出するためのセンサ群である。車両状態センサ30としては、車速センサ,操舵センサ,加速度センサ,ヨーレートセンサ,シフトポジションセンサ,パーキングブレーキスイッチ等がある。車速センサは、自車の車速を検出する。操舵センサは、自車の操舵角を検出する。加速度センサは、自車の前後加速度,横加速度等の加速度を検出する。加速度センサは負方向の加速度である減速度も検出するものとすればよい。ヨーレートセンサは、自車の角速度を検出する。シフトポジションセンサは、自車のシフトポジションを検出する。パーキングブレーキスイッチは、自車のパーキングブレーキのオンオフに応じた信号を出力する。
警報装置40は、自車のドライバに向けて警報を行う。警報装置40としては、例えば表示装置,ブザー等がある。表示装置を警報装置として用いる場合には、表示によってドライバに警報を行う構成とすればよい。表示装置は、例えばディスプレイに画像,アイコン,テキスト等を表示することでドライバに警報を行う。表示装置としては、例えばCID(Center Information Display)を用いる構成とすればよい。CIDは、例えば車両のセンタクラスタに配置される。なお、表示装置としては、ナビゲーション装置のディスプレイ,HUD(Head-Up Display)等の他のディスプレイを用いる構成としてもよい。ブザーを警報装置として用いる場合には、鳴動することによってドライバに警報を行う構成とすればよい。
なお、警報装置として表示装置及びブザー以外の装置を用いて、ドライバに警報を行う構成としてもよい。例えば、音声出力装置から出力する音声によってドライバに警報を行う構成としてもよい。また、ステアリングホイール,シートバック等の車両のうちのドライバが接触する部位に設けられた振動子の振動によってドライバに警報を行う構成としてもよい。他にも、LED等の発光素子の発光によってドライバに警報を行う構成としてもよい。
周辺監視ECU10は、例えばプロセッサ、メモリ、I/O、これらを接続するバスを備え、メモリに記憶された制御プログラムを実行することで自車周辺の障害物の監視に関する処理(以下、周辺監視関連処理)を実行する。ここで言うところのメモリは、コンピュータによって読み取り可能なプログラム及びデータを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)である。また、非遷移的実体的記憶媒体は、半導体メモリ又は磁気ディスクなどによって実現される。この周辺監視ECU10が車両用周辺監視装置に相当する。なお、周辺監視ECU10の詳細については、以下で述べる。
<周辺監視ECU10の概略構成>
続いて、図1を用いて、周辺監視ECU10の概略構成を説明する。図1に示すように、周辺監視ECU10は、障害物検出部11、変化量特定部12、検出結果管理部13、メモリ14、位置推定部15、進路特定部16、回避判定部17、及び警報処理部18を機能ブロックとして備えている。なお、周辺監視ECU10が実行する機能の一部又は全部を、1つ或いは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。また、周辺監視ECU10が備える機能ブロックの一部又は全部は、プロセッサによるソフトウェアの実行とハードウェア部材の組み合わせによって実現されてもよい。
障害物検出部11は、周辺監視センサ20でのセンシング結果を用いて自車の周辺の障害物を検出する。障害物検出部11は、自車周辺の障害物の存在及び自車に対する位置を検出する。自車に対する位置については、周辺監視センサ20でのセンシング結果を用いて特定できる周辺監視センサ20から障害物までの距離と、自車に対する周辺監視センサ20の検出方向をもとに特定できる障害物の方向と、自車の基準点に対する周辺監視センサ20の取り付け位置とから検出すればよい。自車の基準点は、適宜定められる構成とすればよい。一例としては、後輪軸の車幅方向中央となる位置を基準点とすればよい。他にも、自車の両側面から等距離にある車両の中心線上において、車両前端から後端までの距離が等しい点を基準点としてもよい。自車に対する障害物の位置は、自車の基準点を原点とするXY座標系における座標として表す構成とすればよい。このXY座標系は、X軸とY軸とを路面に平行な水平面内にとっているものとする。
なお、自車に対する周辺監視センサ20の検出方向,自車の基準点に対する周辺監視センサ20の取り付け位置(以下、センサ位置)等の情報は、予め周辺監視ECU10の不揮発性メモリに記憶しておいたものを用いる構成とすればよい。また、障害物の方向については、周辺監視センサ20が測距センサである場合には、反射波を受信する素子を2つ備えることで、同一の探査波に対する反射波を各素子で受信した時刻の差に基づいて障害物の方向を検出する構成としてもよい。
障害物検出部11で検出する自車に対する障害物の位置は、障害物の検出点の位置とする。検出点は、周辺監視センサ20が測距センサの場合には、探査波を障害物が反射した反射点にあたる。検出点は、周辺監視センサ20が周辺監視カメラの場合には、画像認識した障害物の例えば特徴点にあたる。障害物検出部11は、障害物の検出点の位置を逐次検出する。
本実施形態では、障害物検出部11は、第1位置特定部101及び第2位置特定部102をサブ機能ブロックとして備える。この障害物検出部11、第1位置特定部101、及び第2位置特定部102が検出点位置特定部に相当する。第1位置特定部101は、第1ソナー21でのセンシング結果を用いて、第1ソナー21の検出範囲内で検出した障害物の自車に対する位置を特定する。第2位置特定部102は、第2ソナー22でのセンシング結果を用いて、第2ソナー22の検出範囲内で検出した障害物の自車に対する位置を特定する。第1位置特定部101及び第2位置特定部102は、障害物の自車に対する位置として、前述したような障害物の検出点(以下、単に検出点)の位置を特定する。第1位置特定部101で特定する検出点の位置も、第2位置特定部102で特定する検出点の位置も、同じXY座標系上の座標として表されることになる。
なお、第1ソナー21及び第2ソナー22で探査波を送信してからその探査波を受信する一連の処理(つまり、センシング)は、例えば周辺監視ECU10からセンシングを実施するように指示する制御信号が入力されている状態において所定の周期で周期的に実行されるものとする。障害物検出部11は、1つのソナーでの1回のセンシングに対して1つの検出点を検出する構成とすればよい。なお、ソナー以外のカメラ等の周辺監視センサ20を用いる場合は、1回のセンシングに対して複数の検出点を検出する構成としてもよい。センシングを実施する条件は、例えば所定速度未満としてもよい。ここで言うところの所定速度は、任意に設定可能な値であって、例えば40km/h等の低速とすればよい。
変化量特定部12は、車両状態センサ30で逐次検出される自車の走行状態をもとに、所定期間における自車位置の変化量を特定する。自車位置は、自車の基準点とすればよい。例えば、変化量特定部12は、障害物の検出点の位置を検出するために周期的に行われる周辺監視センサ20のセンシングの周期ごとの自車位置の変化量を特定すればよい。一例として、変化量特定部12は、車速センサで逐次検出する自車の車速と舵角センサで逐次検出する自車の操舵角とから、自車位置の変化量を特定する。
検出結果管理部13は、障害物検出部11で検出された少なくとも1つの検出点についての情報を、検出点管理データとして管理する。検出点管理データは、現在の自車位置に対する検出点の相対位置を、自車の基準点を原点としたXY座標系で表したデータである。検出点管理データは、自車位置の変化若しくは検出点の追加に伴って逐次更新される。検出結果管理部13は、例えば自車から一定距離以上離れた検出点については、検出点管理データから除外すればよい。検出結果管理部13は、位置更新部131、記憶処理部132、及び区分処理部133をサブ機能ブロックとして備える。
位置更新部131は、第1位置特定部101及び第2位置特定部102で逐次特定する検出点の位置群について、自車の位置の変化に応じて位置を更新する。位置更新部131は、一例として、位置更新部131は、変化量特定部12が特定した自車位置の変化量に応じた位置の変化を検出点の位置にも施すことで、XY座標系での検出点の位置を更新すればよい。これによって、検出点が周辺監視センサ20の検出範囲から外れた場合でも、自車位置に対する各検出点の相対位置が逐次特定され続ける。
記憶処理部132は、検出点管理データをメモリ14に記憶する。メモリ14は、書き換え可能な記憶媒体によって実現すればよい。メモリ14は、揮発性メモリ141及び不揮発性メモリ142を備える。記憶処理部132は、自車が駐車するまでの走行時は、検出点管理データを揮発性メモリ141に記憶する構成とすればよい。自車が駐車したことは、例えば車両状態センサ30のうちのシフトポジションセンサでシフトポジションが駐車位置となったことを検出したことをもとに検出結果管理部13が特定すればよい。他にも、車両状態センサ30のうちのパーキングブレーキスイッチの信号がオンになったことをもとに検出結果管理部13が特定してもよい。なお、揮発性メモリ141に記憶される検出点管理データは、自車の内燃機関又はモータジェネレータを始動させるためのスイッチ(以下、パワースイッチ)がオフになった場合に揮発性メモリ141への電源供給がオフになって消去されるものとする。
記憶処理部132は、揮発性メモリ141に記憶されている検出点と位置が異なる新たな検出点が第1位置特定部101及び第2位置特定部102で特定された場合に、この検出点の位置を揮発性メモリ141に記憶する。また、記憶処理部132は、位置更新部131での検出点の位置の更新によって位置が更新された検出点については、揮発性メモリ141に記憶されているその検出点の位置を、更新された位置に書き換える。なお、第1ソナー21及び第2ソナー22のうちの一方のソナーで検出した検出点の位置を更新した位置が、他方のソナーで検出した検出点の位置と一致する場合は、同一の検出点として管理すればよい。ここで言うところの一致とは、誤差程度の値を含む略一致とすればよい。
前述の制御プログラム,車体形状情報,検出範囲情報等は、不揮発性メモリ142に予め格納されている構成とすればよい。車体形状情報とは、自車の車体形状に関する情報である。車体形状情報としては、例えば自車の車高,車幅,車長の情報が挙げられる。また、車体形状情報には、自車の基準点に対する車体各部の位置,各車輪,センサ位置も含んでいる。検出範囲情報とは、周辺監視センサ20の検出範囲の情報である。例えば検出範囲情報は、XY座標系での第1ソナー21及び第2ソナー22の検出範囲を示す情報とすればよい。検出範囲は、XY座標系での各ソナーについてのセンサ位置を起点として広がる範囲として表されるものとすればよい。
記憶処理部132は、自車の駐車時に、位置更新部131で更新された検出点の位置群を不揮発性メモリ142に記憶する。つまり、記憶処理部132は、自車の駐車時に、その時点で揮発性メモリ141に記憶されている検出点管理データを不揮発性メモリ142に記憶する。なお、不揮発性メモリ142に記憶される検出点管理データは、自車のパワースイッチがオフになった場合でも消去されないものとする。
区分処理部133は、複数の検出点が、同一の障害物に対する検出結果であるとみなせる場合には、それらを互いに関連付けることによって、1つのまとまり(以下、グループ)として管理する区分処理を行う。例えば、検出点間の距離が同一障害物の検出点か否かを区分するための距離未満である場合に、同一障害物に対する検出点であるとすればよい。また、複数の検出点を時系列順に並べた点群において、楕円,放物線といった関数で近似できる部分に属する検出点を、同一障害物に対する検出点としてもよい。
区分処理部133は、揮発性メモリ141に記憶されている検出点について区分処理を行う構成としてもよいし、不揮発性メモリ142に記憶されている検出点について区分処理を行う構成としてもよい。揮発性メモリ141に記憶されている検出点について区分処理を行う構成を採用する場合、記憶処理部132は、自車の駐車時に、前述のグループについての情報も不揮発性メモリ142に記憶すればよい。一方、不揮発性メモリ142に記憶されている検出点について区分処理を行う構成を採用する場合には、自車の駐車後の発進時に、区分処理部133が、不揮発性メモリ142に記憶されている検出点に対して区分処理を行えばよい。
揮発性メモリ141に記憶されている検出点について区分処理を行う構成を採用する場合には、前述のグループについての情報も不揮発性メモリ142に記憶する分だけ、書き込みの負荷増大等の問題が生じる。また、書き込みの負荷増大によって自車の駐車時の書き込み時間が増加すると、自車の駐車時の電力消費増大の問題が生じる。よって、不揮発性メモリ142に記憶されている検出点について区分処理を行う構成を採用することが好ましい。
検出結果管理部13は、グループ化された検出点の点群から、検出している障害物の輪郭形状を特定できる場合には、この輪郭形状をなす領域を1つの障害物が存在する領域としてもよい。また、特定した輪郭形状よりも自車から見て奥側の領域を、その障害物が存在する領域と見なしてもよい。障害物の輪郭形状は、同一障害物に対する複数の検出点を母集団として算出される線形近似曲線で表されればよい。その他、障害物の輪郭形状は、同一障害物に対する複数の検出点を時系列順に接続したものであってもよい。
位置推定部15は、自車の駐車後の発進時に、記憶処理部132で不揮発性メモリ142に記憶しておいた検出点の位置群を用いて、発進時に第1ソナー21及び第2ソナー22のいずれを用いても検出できない、第1ソナー21及び第2ソナー22の検出範囲間の死角(以下、検出範囲間死角)に存在する検出点の位置を推定する。自車の発進時であることは、例えばパワースイッチがオンになったことを検出したことをもとに位置推定部15が特定すればよい。また、自車の発進時であることは、車両状態センサ30のうちのシフトポジションセンサでシフトポジションが前進位置若しくは後退位置となったことを検出したことをもとに位置推定部15が特定すればよい。他にも、車両状態センサ30のうちのパーキングブレーキスイッチの信号がオフになったことをもとに位置推定部15が特定してもよい。
位置推定部15は、区分処理部133で同じグループに区分された、記憶処理部132で不揮発性メモリ142に記憶した検出点の位置群について、発進時において複数の周辺監視センサ20で検出できるか否かを判定する。本実施形態の例では、第1ソナー21及び第2ソナー22で検出できるか否かを判定する。第1ソナー21で検出点を検出できることは、第1位置特定部101で検出点の位置を特定できることと言い換えることもできる。第2ソナー22で検出点を検出できることは、第2位置特定部102で検出点の位置を特定できることと言い換えることもできる。区分処理部133で同じグループに区分された、記憶処理部132で不揮発性メモリ142に記憶した検出点の位置群とは、同一障害物の検出点の位置群である。例えば、位置推定部15は、記憶処理部132で不揮発性メモリ142に記憶した検出点の位置群と、不揮発性メモリ142に予め記憶されている検出範囲情報が示す検出範囲とを比較し、位置群の一部でも検出範囲に含まれるか否かで検出できるか否かを判定する。
ここで、図3を用いて、同一障害物の検出点の位置群が第1ソナー21及び第2ソナー22で検出できるか否かの判定の例を示す。図3の白丸が、記憶処理部132で不揮発性メモリ142に記憶した検出点を表している。図3のAに示すように、記憶処理部132で不揮発性メモリ142に記憶した検出点の位置群が第1ソナー21の検出範囲SAF及び第2ソナー22の検出範囲SARの両方に含まれる場合に、両ソナーで検出できると判定する。図3のBに示すように、記憶処理部132で不揮発性メモリ142に記憶した検出点の位置群が第1ソナー21の検出範囲SAF及び第2ソナー22の検出範囲SARの一方にしか含まれない場合に、一方のソナーでしか検出できないと判定する。図3のCに示すように、記憶処理部132で不揮発性メモリ142に記憶した検出点の位置群が第1ソナー21の検出範囲SAF及び第2ソナー22の検出範囲SARのいずれにも含まれない場合に、いずれのソナーでも検出できないと判定する。
位置推定部15は、同一障害物の検出点の位置群が両ソナーで検出できると判定する場合(図4のD,図5のG参照)には、以下のようにする。位置推定部15は、第1ソナー21及び第2ソナー22から例えば複数回センシングを行わせる。そして、それぞれのソナーで検出できると判定した検出点と同一の検出距離に、実際のセンシングで検出点を検出した場合(図4のE,黒丸参照)に、両ソナーを用いても検出できない検出範囲間死角の領域の検出点の位置を、不揮発性メモリ142に記憶していた検出点の位置から推定する(図4のF,白丸参照)。ここでは、白抜きなしの丸を黒丸と表現している。以降についても同様である。なお、例えば複数回センシングに対して、ソナーで検出できると判定した検出点と同一の検出距離に一定回数以上検出点を検出した場合に、検出点を検出したものとすればよい。以降についても同様である。また、ここで言うところの同一とは、誤差程度も含む略同一とすればよい。以降についても同様である。
言い換えると、位置推定部15は、同一障害物の検出点の位置群について、その位置群に含まれる検出点と同一と判定される検出点が、発進時に両ソナーのいずれを用いても検出される場合に、発進時に両ソナーのいずれを用いても検出できない検出点については、不揮発性メモリ142に記憶しておいた位置をその検出点の位置と推定する。
図4の例の場合、位置推定部15は、推定した検出点の位置を不揮発性メモリ142から読み出し、揮発性メモリ141に検出点の位置として書き込めばよい。また、第1ソナー21及び第2ソナー22で実際に検出できた検出点の位置は、記憶処理部132によって揮発性メモリ141に書き込まれるものとすればよい。
一方、それぞれのソナーで検出できると判定した検出点と同一距離に、実際のセンシングでは、第2ソナー22でしか検出点を検出しなかった場合(図5のH,黒丸参照)に、検出範囲間死角の領域の検出点の位置を、不揮発性メモリ142に記憶していた検出点の位置から推定しない(図5のI参照)。
言い換えると位置推定部15は、同一障害物の検出点の位置群について、その位置群に含まれる検出点と同一と判定される検出点が、発進時に第1ソナー21及び第2ソナー22のいずれかのみを用いて検出される場合に、発進時に両ソナーのいずれを用いても検出できない検出点については、不揮発性メモリ142に記憶しておいた位置をその検出点の位置と推定しない。
図5の例の場合、不揮発性メモリ142に記憶していた死角部分の検出点の位置は揮発性メモリ141に書き込まれず、第2ソナー22を用いて実際に検出できた検出点の位置が、記憶処理部132によって揮発性メモリ141に書き込まれる。
以上の構成によれば、同一障害物の検出点の位置群が両ソナーで検出できると判定する場合には、その位置群に含まれる検出点と同一と判定される検出点が、発進時に両ソナーのいずれを用いても検出されない限り、検出範囲間死角の領域の検出点の位置を、不揮発性メモリ142に記憶していた検出点の位置から推定しない。同一障害物の検出点の位置群が、発進時に両ソナーのいずれを用いても検出される場合、検出範囲間死角の領域の検出点の位置は、不揮発性メモリ142に記憶していた検出点の位置である信頼度が高いと推定される。よって、信頼度が高いと推定される場合に限って、検出範囲間死角の領域の検出点の位置を、不揮発性メモリ142に記憶していた検出点の位置から推定し、検出点の位置の推定精度を上げることが可能になる。
位置推定部15は、それぞれのソナーで検出できると判定した検出点と同一の検出距離に、実際のセンシングでは一方のソナーでしか検出点を検出していない段階では、例えばそのソナーで検出している検出点の位置だけを復帰させればよい。つまり、そのソナーで検出している検出点の位置だけを、記憶処理部132が揮発性メモリ141に先に書き込む。一方のソナーでしか検出点を検出していない段階とは、第1ソナー21及び第2ソナー22の複数回のセンシングが終了するタイミングに差があり、一方のソナーについてのみ、検出点を検出したか否かが明らかになっている状況を指す。
続いて、位置推定部15は、遅れてもう一方のソナーでも、そのソナーで検出できると判定した検出点と同一の検出距離に検出点を検出した段階で、そのソナーで検出している検出点の位置と、検出範囲間死角の領域の検出点の位置とを復帰させればよい。つまり、そのソナーで検出している検出点の位置を、記憶処理部132が揮発性メモリ141に書き込むとともに、記憶処理部132が不揮発性メモリ142に記憶されていた検出範囲間死角の領域の検出点の位置を揮発性メモリ141に書き込む。
また、位置推定部15は、同一障害物の検出点の位置群について、その位置群に含まれる検出点と同一と判定される検出点が、発進時に第1ソナー21及び第2ソナー22のいずれを用いても検出されない場合には、発進時に両ソナーのいずれを用いても検出できない検出点については、不揮発性メモリ142に記憶しておいた位置をその検出点の位置と推定しない。この場合、第1ソナー21,第2ソナー22を用いて実際に検出できた検出点の位置が、記憶処理部132によって揮発性メモリ141に書き込まれる構成とすればよい。
位置推定部15は、同一障害物の検出点の位置群が第1ソナー21及び第2ソナー22のうちの一方のソナーでのみ検出できると判定する場合(図6のJ,図7のM参照)には、以下のようにする。ここでは、第2ソナー22でのみ検出できると判定する場合を例に挙げて説明を行う。位置推定部15は、第2ソナー22から例えば複数回センシングを行わせる。そして、第2ソナー22で検出できると判定した検出点と同一の検出距離に、実際のセンシングで検出点を検出した場合(図6のK,黒丸参照)に、両ソナーを用いても検出できない検出範囲間死角の領域の検出点の位置を、不揮発性メモリ142に記憶していた検出点の位置から推定する(図6のL,白丸参照)。
言い換えると、位置推定部15は、同一障害物の検出点の位置群について、その位置群に含まれる検出点と同一と判定される検出点が、発進時に第2ソナー22を用いて検出される場合に、発進時に両ソナーのいずれを用いても検出できない検出点についても、不揮発性メモリ142に記憶しておいた位置をその検出点の位置と推定する。
図6の例の場合、位置推定部15は、推定した検出点の位置を不揮発性メモリ142から読み出し、揮発性メモリ141に検出点の位置として書き込めばよい。また、第2ソナー22を用いて実際に検出できた検出点の位置は、記憶処理部132によって揮発性メモリ141に書き込まれるものとすればよい。
一方、第2ソナー22で検出できると判定した検出点と同一の検出距離に、実際のセンシングでは、第2ソナー22を用いて検出点を検出しなかった場合(図7のN,バツ印,黒丸参照)に、検出範囲間死角の領域の検出点の位置を、不揮発性メモリ142に記憶していた検出点の位置から推定しない(図5のI参照)。図7では、第2ソナー22で検出できると判定した検出点の位置(図7のNのバツ印参照)とは異なる位置(図7の黒丸参照)に第2ソナーを用いて検出点が検出される場合の例を示している。なお、第2ソナー22を用いて検出点自体が検出されなかった場合も、検出範囲間死角の領域の検出点の位置を、不揮発性メモリ142に記憶していた検出点の位置から推定しない。
言い換えると位置推定部15は、同一障害物の検出点の位置群について、その位置群に含まれる検出点と同一と判定される検出点が、発進時に第2ソナー22を用いて検出されない場合には、発進時に両ソナーのいずれを用いても検出できない検出点については、不揮発性メモリ142に記憶しておいた位置をその検出点の位置と推定しない。
図7の例の場合、不揮発性メモリ142に記憶していた死角部分の検出点の位置は揮発性メモリ141に書き込まれず、第2ソナー22を用いて実際に検出できた検出点の位置が、記憶処理部132によって揮発性メモリ141に書き込まれるものとすればよい。
位置推定部15は、同一障害物の検出点の位置群が両ソナーのいずれでも検出できないと判定する場合(図8のP参照)には、以下のようにする。位置推定部15は、第1ソナー21及び第2ソナー22から例えば複数回のセンシングを行わせず(図8のQ参照)、両ソナーを用いても検出できない検出範囲間死角の領域の検出点の位置を、不揮発性メモリ142に記憶していた検出点の位置から推定する(図8のR,白丸参照)。
言い換えると、位置推定部15は、同一障害物の検出点の位置群について、その位置群に含まれる検出点が、発進時に両ソナーのいずれの検出範囲にも含まれないことをもとに、発進時に両ソナーのいずれを用いても検出できない検出点については、不揮発性メモリ142に記憶しておいた位置をその検出点の位置と推定する。
また、位置推定部15は、同一障害物の検出点の位置群が発進時における両ソナーのいずれでも検出できないと判定する場合であっても、それらの検出点の自車に対する距離が所定距離以上の場合には、不揮発性メモリ142に記憶しておいた位置をそれらの検出点の位置と推定しない構成とすることが好ましい。これは、近接回避の緊急度のより低い、より遠位の検出点については、誤った位置を推定しない正確さを重視しても構わないためである。ここで言うところの所定距離は、近接回避の緊急度の高低を区分するための距離であって、例えば50cmとすればよい。
一方、位置推定部15は、同一障害物の検出点の位置群が発進時における両ソナーのいずれでも検出できないと判定する場合であって、それらの検出点の自車に対する距離が所定距離未満の場合には、不揮発性メモリ142に記憶しておいた位置をそれらの検出点の位置と推定する構成とすればよい。これは、近接回避の緊急度のより高い、より近位の検出点については、正確性よりも安全性を重視することが好ましいためである。なお、自車に対する距離は、自車の外面と検出点とのうちの、お互いの距離が最も近くなる点間の距離とすればよい。自車の基準点に対する外面の位置については、例えば不揮発性メモリ142に記憶しておいた自車の車体形状情報から特定すればよい。
進路特定部16は、自車の進路を特定する。自車の進路は、車両状態センサ30のうちの舵角センサで検出する自車の操舵角と車速センサで検出する自車の車速とから特定される自車の基準点の予測軌跡とすればよい。また、自車の進路は、車両状態センサ30のうちの舵角センサで検出する自車の操舵角が示す、自車の基準点に対する方向であってもよい。
回避判定部17は、進路特定部16で特定した自車の進路に応じて、検出結果管理部13で検出点が管理されている障害物(以下、対象障害物)の回避の要否を逐次判定する。一例として、進路特定部16で特定した自車の進路から推測される自車の通過領域内に揮発性メモリ141に記憶される検出点の位置が含まれる場合に、対象障害物の回避が必要と判定すればよい。通過領域とは、自車の進路に沿って定まる自車の通過に必要と推定される領域である。一方、この通過領域内に揮発性メモリ141に記憶される検出点の位置が含まれない場合に、対象障害物の回避が不要と判定すればよい。回避判定部17は、自車の通過領域については、自車の進路と前述の車体形状情報のうちの自車の車幅の情報とから推定すればよい。なお、通過領域の幅は、自車の車幅にマージンを持たせたものとしてもよい。
回避判定部17は、自車の進路に加え、障害物に対するTTC(Time To Collision),障害物距離等も条件として障害物の回避の要否を判定することが好ましい。これは、近接の可能性が低い障害物の回避を必要と誤判定しにくくするためである。障害物に対するTTCについては、障害物距離と、車両状態センサ30のうちの車速センサで検出する自車の車速とから算出すればよい。
障害物距離は、自車の外面と障害物の検出点とのうちの、お互いの距離が最も近くなる点間の距離とすればよい。なお、障害物距離は、自車の基準点と障害物の検出点とのうちの、お互いの距離が最も近くなる点間の距離としてもよい。他にも、自車の周辺監視センサ20の設置位置と障害物の検出点とのうちの、お互いの距離が最も近くなる点間の距離としてもよい。
回避判定部17は、自車の通過領域内に揮発性メモリ141に記憶される検出点の位置が含まれる場合であって、且つ、障害物に対するTTCがTTC用の閾値未満の場合に障害物の回避が必要と判定すればよい。一方、いずれかの条件を満たさない場合に障害物の回避が不要と判定すればよい。ここで言うところのTTC用の閾値とは、障害物の回避を、余裕をもって行うことが可能な時間か否かを区分するための値であって、任意に設定可能である。
回避判定部17は、自車の通過領域内に揮発性メモリ141に記憶される検出点の位置が含まれる場合であって、且つ、障害物距離が回避距離未満の場合に障害物の回避が必要と判定すればよい。一方、いずれかの条件を満たさない場合に障害物の回避が不要と判定すればよい。ここで言うところの回避距離は、障害物の回避を、余裕をもって行うことが可能な距離か否かを区分するための値であって、任意に設定可能である。回避距離は、例えば自車の車速が高くなるのに応じて長くなる構成とすればよい。
警報処理部18は、回避判定部17で障害物の回避が必要と判定した場合に、警報装置40から警報を行わせる。警報処理部18は、回避判定部17で障害物の回避が不要と判定した場合には、警報装置40から警報を行わせない。
<周辺監視ECU10での周辺監視関連処理>
ここで、図9のフローチャートを用いて、周辺監視ECU10での周辺監視関連処理の流れの一例について説明を行う。コンピュータによって周辺監視関連処理に含まれるステップが実行されることが、車両用周辺監視方法が実行されることに相当する。図9のフローチャートは、自車のパワースイッチがオンになる駐車後の発進時に開始する構成とすればよい。図9の例では、周辺監視関連処理の開始後、例えば第1ソナー21及び第2ソナー22でのセンシングが逐次行われるものとする。
ステップS1では、不揮発性メモリ142に検出点の位置群が記憶済みの場合(S1でYES)には、ステップS2に移る。不揮発性メモリ142に記憶済みの検出点の位置群は、前回の駐車時に位置更新部131で更新された検出点の位置群を記憶処理部132で記憶したものである。一方、不揮発性メモリ142に検出点の位置群が記憶済みでない場合(S1でNO)には、ステップS11に移る。
ステップS2では、区分処理部133が、不揮発性メモリ142に記憶されている検出点について、同一の障害物の検出点同士をグループ化する区分処理を行う。ステップS3では、位置推定部15が、S2で同じグループに区分された検出点の位置群について、第1ソナー21及び第2ソナー22の両ソナーで検出できるか否かを判定する。そして、両ソナーで検出できると判定した場合(S3でYES)には、ステップS4に移る。一方、両ソナーで検出できると判定しなかった場合(S3でNO)には、ステップS7に移る。
ステップS4では、位置推定部15が、第1ソナー21及び第2ソナー22の両ソナーから複数回センシングを行わせる。そして、S3でそれぞれのソナーで検出できると判定した検出点と同一の検出距離に、実際のセンシングによって両ソナーで検出点を検出した場合(S4でYES)には、ステップS5に移る。一方、S3でそれぞれのソナーで検出できると判定した検出点と同一の検出距離に、両ソナーでは検出点を検出しなかった場合(S4でNO)には、ステップS13に移る。なお、両ソナーでは検出点を検出しなかった場合のうち、一方のソナーでしか、検出できると判定した検出点と同一の検出距離に検出点を検出しなかった場合には、第1位置特定部101若しくは第2位置特定部102がその検出点の位置を特定する。そして、特定した検出点の位置を、記憶処理部132が揮発性メモリ141に記憶する。
ステップS5では、S4で検出した検出点について、第1ソナー21で検出した検出点については、第1位置特定部101がその検出点の位置を特定する。また、第2ソナー22で検出した検出点については、第2位置特定部102がその検出点の位置を特定する。そして、特定した検出点の位置を、記憶処理部132が揮発性メモリ141に記憶し、ステップS6に移る。
ステップS6では、位置推定部15が、両ソナーを用いても検出できない検出範囲間死角の領域の検出点の位置を、不揮発性メモリ142に記憶していた検出点の位置から推定する。そして、推定した検出点の位置を不揮発性メモリ142から読み出し、揮発性メモリ141に検出点の位置として書き込み、ステップS13に移る。つまり、不揮発性メモリ142の記憶から、検出範囲間死角の領域の検出点の位置を復帰させ、ステップS13に移る。
ステップS7では、S2で同じグループに区分された検出点の位置群について、第1ソナー21及び第2ソナー22のうちのいずれか一方のみで検出できると判定した場合(S7でYES)には、ステップS8に移る。一方、第1ソナー21及び第2ソナー22のいずれでも検出できないと判定した場合(S7でNO)には、ステップS10に移る。
ステップS8では、位置推定部15が、第1ソナー21及び第2ソナー22の両ソナーから複数回センシングを行わせる。そして、第1ソナー21及び第2ソナー22のうちの一方のみのソナー(以下、対象ソナー)で検出できると判定した検出点と同一の検出距離に、実際のセンシングによって対象ソナーで検出点を検出した場合(S8でYES)には、ステップS9に移る。一方、対象ソナーで検出できると判定した検出点と同一の検出距離に、対象ソナーでは検出点を検出しなかった場合(S8でNO)には、ステップS13に移る。なお、対象ソナーでは検出点を検出しなかった場合のうち、検出できると判定した検出点と異なる検出距離に検出点を検出した場合には、第1位置特定部101若しくは第2位置特定部102がその検出点の位置を特定する。そして、特定した検出点の位置を、記憶処理部132が揮発性メモリ141に記憶する。
ステップS9では、S8で検出した検出点について、第1ソナー21で検出した検出点については、第1位置特定部101がその検出点の位置を特定する。また、第2ソナー22で検出した検出点については、第2位置特定部102がその検出点の位置を特定する。そして、特定した検出点の位置を、記憶処理部132が揮発性メモリ141に記憶し、S6に移る。
ステップS10では、位置推定部15が、不揮発性メモリ142に記憶済みの検出点の位置群のうち、検出範囲間死角に位置する検出点の、自車に対する距離を特定する。そして、その距離が所定距離未満の場合(S10でYES)には、S6に移る。一方、その距離が所定距離以上の場合(S10でNO)には、ステップS13に移る。
ステップS11では、第1ソナー21及び第2ソナー22から複数回センシングを行わせる。そして、実際のセンシングによって少なくともいずれかのソナーで検出点を検出した場合(S11でYES)には、ステップS12に移る。一方、いずれのソナーでも検出点を検出しなかった場合(S11でNO)には、ステップS15に移る。
ステップS12では、S11で検出した検出点について、第1ソナー21で検出した検出点については、第1位置特定部101がその検出点の位置を特定する。また、第2ソナー22で検出した検出点については、第2位置特定部102がその検出点の位置を特定する。そして、特定した検出点の位置を、記憶処理部132が揮発性メモリ141に記憶し、S13に移る。
ステップS13では、変化量特定部12が、自車位置の変化量を特定した場合(S13でYES)には、ステップS14に移る。一方、変化量特定部12が、自車位置の変化量を特定していない場合(S13でNO)には、ステップS15に移る。
ステップS14では、位置更新部131が、揮発性メモリ141に記憶されている検出点管理データとしての検出点の位置群について、S13で特定した変化量に応じた位置の変化を施すことで、XY座標系での検出点の位置を更新する。
ステップS15では、検出結果管理部13が自車の駐車を特定した場合(S15でYES)には、ステップS16に移る。一方、検出結果管理部13が自車の駐車を特定していない場合(S15でNO)には、S13に戻って処理を繰り返す。
ステップS16では、記憶処理部132が、揮発性メモリ141に記憶されている検出点管理データを不揮発性メモリ142に記憶し、周辺監視関連処理を終了する。なお、不揮発性メモリ142に記憶される検出点管理データは、例えば次回の駐車時に新たな検出点管理データが記憶される際に上書きによって消去される構成とすればよい。
<実施形態1のまとめ>
実施形態1の構成によれば、発進時に第1ソナー21及び第2ソナー22を用いて検出されない、検出範囲間死角の領域の障害物であっても、位置推定部15で推定することが可能になる。よって、検出範囲間死角の領域の障害物であっても、位置推定部15で推定する検出点の位置を用いて、回避判定部17が回避の要否を判定することが可能になる。従って、検出範囲間死角の領域の障害物であっても、回避が必要な場合には警報装置40から警報を行わせることが可能になる。その結果、車両の周辺を監視するために複数の周辺監視センサ20を用いる場合であっても、周辺監視センサ20を用いた障害物の位置の検出精度を高めつつ、駐車している車両を発進させる際に水平方向における周辺監視センサ20の検出範囲間死角に存在する障害物への近接をより回避しやすくすることが可能になる。
ここで、図10を用いて、実施形態1の構成による効果についての説明を行う。図10のSが従来技術の例を示しており、Tが実施形態1の例を示している。図10のObが障害物を表している。図10の黒丸が、自車HVの発進時において周辺監視センサ20で検出される障害物Obの検出点を表している。図10の白丸が、自車HVの発進時において実施形態1の位置推定部15で位置が推定される検出点を表している。
従来技術では、自車HVの駐車時までに周辺監視センサ20で検出した検出点の位置は揮発性メモリ141にしか記憶しないため、駐車時に一旦消去されてしまう。よって、自車HVの発進時には、周辺監視センサ20で実際に検出できる検出点の位置しか認識できない。従って、水平方向における周辺監視センサ20の検出範囲間死角に存在する障害物への近接を自車HVが回避できるように支援を行うことが難しくなる(図10のS参照)。
これに対して、実施形態1の構成によれば、検出範囲間死角の領域の障害物であっても、位置推定部15で推定することが可能になる。よって、検出範囲間死角に存在する障害物への近接を自車HVが回避できるように支援を行うことがより容易になる(図10のT参照)。
なお、実施形態1では、駐車時以外は検出点管理データを揮発性メモリ141に記憶しておく構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、駐車時以外も検出点管理データを不揮発性メモリ142に記憶しておく構成としてもよい。ただし、駐車時以外は検出点管理データを揮発性メモリ141に記憶しておく構成の方が好ましい。これは、駐車時に検出点を記憶した障害物が駐車中に移動している場合がある等、駐車時に記憶した検出点を発進時に用いてもよいか検証してから復帰させる作業が容易になるためである。
また、実施形態1では、検出点管理データを記憶しておく揮発性メモリ141及び不揮発性メモリ142が周辺監視ECU10に備えられる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、自車の外部に設けられたサーバと通信するシステムを搭載している場合には、検出点管理データをこのサーバのメモリに記憶させてもよい。この場合、起動と共にこのサーバと通信して、自車の情報を取得する。
また、自車の駐車時に検出点管理データを不揮発性メモリ142に記憶する構成に限らない。例えば、自車の駐車中に記憶を消去しないメモリであれば、自車の駐車時に検出点管理データを揮発性メモリに記憶する構成としてもよい。自車の駐車中に記憶を消去しない揮発性メモリの例としては、常時電源を有する装置に備えられる揮発性メモリが挙げられる。
(実施形態2)
実施形態1の構成に限らず、以下の実施形態2の構成としてもよい。ここで、実施形態2について図11を用いて説明する。図11に示す車両用システム1aは、周辺監視ECU10の代わりに周辺監視ECU10aを含む点を除けば、実施形態1の車両用システム1と同様である。
周辺監視ECU10aは、位置推定部15の代わりに位置推定部15aを備える点を除けば、実施形態1の周辺監視ECU10と同様である。位置推定部15aは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態1の位置推定部15と同様である。以下では、位置推定部15aでの、位置推定部15と異なる処理について説明を行う。実施形態2でも、便宜上、周辺監視センサ20として第1ソナー21と第2ソナー22との2つのセンサを用いる場合を例に挙げて説明を行う。
位置推定部15aは、同一障害物の検出点の位置群が両ソナーで検出できると判定する場合には、以下のようにする。位置推定部15は、第1ソナー21及び第2ソナー22から例えば複数回センシングを行わせる。そして、それぞれのソナーで検出できると判定した検出点と同一の検出距離に、実際のセンシングでは一方のソナーでしか検出点を検出していない段階で、両ソナーを用いても検出できない検出範囲間死角の領域の検出点の位置を、不揮発性メモリ142に記憶していた検出点の位置から推定する。ここで言うところの同一とは、誤差程度も含む略同一とすればよい。
言い換えると、位置推定部15aは、同一障害物の検出点の位置群について、その位置群に含まれる検出点と同一と判定される検出点が、発進時に第1ソナー21及び第2ソナー22のいずれかを用いて検出される場合に、発進時に両ソナーのいずれを用いても検出できない検出点については、不揮発性メモリ142に記憶しておいた位置をその検出点の位置と推定する。
以上の構成によっても、発進時に第1ソナー21及び第2ソナー22を用いて検出されない、検出範囲間死角の領域の障害物を、位置推定部15で推定することが可能になる。よって、車両の周辺を監視するために複数の周辺監視センサ20を用いる場合であっても、周辺監視センサ20を用いた障害物の位置の検出精度を高めつつ、駐車している車両を発進させる際に水平方向における周辺監視センサ20の検出範囲間死角に存在する障害物への近接をより回避しやすくすることが可能になる。
一方、位置推定部15aは、同一障害物の検出点の位置群が両ソナーで検出できると判定する場合であって、それぞれのソナーで検出できると判定した検出点と同一距離に、実際のセンシングでは、いずれのソナーでも検出点を検出しなかった場合に、検出範囲間死角の領域の検出点の位置を、不揮発性メモリ142に記憶していた検出点の位置から推定しない。
言い換えると、位置推定部15aは、同一障害物の検出点の位置群について、その位置群に含まれる検出点と同一と判定される検出点が、発進時にそれらの複数の周辺監視センサのいずれを用いても検出されない場合には、発進時に第1ソナー21及び第2ソナー22のいずれを用いても検出できない検出点については、不揮発性メモリ142に記憶しておいた位置をその検出点の位置と推定しない。
(実施形態3)
前述の実施形態では、警報によって障害物への近接の回避を支援する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、自動で車両の操舵制御を行ったり、ステアリングトルクを増加させたりすることで障害物への近接の回避を支援する構成としてもよい。
(実施形態4)
また、前述の実施形態の構成に限らず、周辺監視ECU10,10aの機能を複数の制御装置で分担して担う構成としてもよい。
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。また、本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された1つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと1つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された1つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
1,1a 車両用システム、10,10a 周辺監視ECU(車両用周辺監視装置)、11 障害物検出部、12 変化量特定部、13 検出結果管理部、14 メモリ、15,15a 位置推定部、20 周辺監視センサ、21 第1ソナー(周辺監視センサ)、22 第2ソナー(周辺監視センサ)、30 車両状態センサ、40 警報装置、101 第1位置特定部(検出点位置特定部)、102 第2位置特定部(検出点位置特定部)、131 位置更新部、132 記憶処理部、133 区分処理部、141 揮発性メモリ、142 不揮発性メモリ

Claims (7)

  1. 水平方向における互いの検出範囲間に死角が存在する複数の周辺監視センサ(20,21,22)を搭載した車両で用いられ、
    前記周辺監視センサでの検出結果から前記車両に対する障害物の検出点の位置を特定する検出点位置特定部(101,102)と、
    前記検出点位置特定部で逐次特定する前記検出点の位置群について、前記車両の位置の変化に応じて位置を更新する位置更新部(131)と、
    前記車両の駐車時に、前記位置更新部で更新された前記検出点の位置群を、前記車両の駐車中に記憶を消去しないメモリ(142)に記憶する記憶処理部(132)と、
    前記車両の駐車後の発進時に、前記記憶処理部で前記メモリに記憶しておいた前記検出点の位置群を用いて、発進時に複数の前記周辺監視センサのいずれを用いても検出できない、前記死角に存在する前記検出点の位置を推定する位置推定部(15)とを備える車両用周辺監視装置。
  2. 前記検出点の位置群を、同じ障害物についての前記検出点のまとまりと推定されるグループ別に区分する区分処理部(133)を備え、
    前記位置推定部(15)は、
    前記区分処理部で同じグループに区分された、前記記憶処理部で前記メモリに記憶した前記検出点の位置群について、
    発進時において複数の前記周辺監視センサの検出範囲に含まれる場合には、
    その位置群に含まれる前記検出点と同一と判定される前記検出点が、発進時にそれらの複数の周辺監視センサのいずれを用いても検出される場合に、発進時にそれらの周辺監視センサのいずれを用いても検出できない前記検出点については、前記記憶処理部で前記メモリに記憶しておいた位置をその検出点の位置と推定する一方、
    その位置群に含まれる前記検出点と同一と判定される前記検出点が、発進時にそれらの複数の周辺監視センサのいずれかのみを用いて検出される場合には、発進時にそれらの周辺監視センサのいずれを用いても検出できない前記検出点については、前記記憶処理部で前記メモリに記憶しておいた位置をその検出点の位置と推定しない請求項1に記載の車両用周辺監視装置。
  3. 前記検出点の位置群を、同じ障害物についての前記検出点のまとまりと推定されるグループ別に区分する区分処理部(133)を備えるものであって、
    前記位置推定部(15)は、
    前記区分処理部で同じグループに区分された、前記記憶処理部で前記メモリに記憶した前記検出点の位置群について、
    発進時において複数の前記周辺監視センサのうちの1つの周辺監視センサの検出範囲にのみ含まれる場合には、
    その位置群に含まれる前記検出点と同一と判定される前記検出点が、発進時にその周辺監視センサを用いて検出される場合に、発進時に複数の前記周辺監視センサのいずれを用いても検出できない前記検出点については、前記記憶処理部で前記メモリに記憶しておいた位置をその検出点の位置と推定する一方、
    その位置群に含まれる前記検出点と同一と判定される前記検出点が、発進時にその周辺監視センサを用いて検出できない場合には、発進時に複数の前記周辺監視センサのいずれを用いても検出できない前記検出点については、前記記憶処理部で前記メモリに記憶しておいた位置をその検出点の位置と推定しない請求項1又は2に記載の車両用周辺監視装置。
  4. 前記検出点の位置群を、同じ障害物についての前記検出点のまとまりと推定されるグループ別に区分する区分処理部(133)を備え、
    前記位置推定部(15a)は、
    前記区分処理部で同じグループに区分された、前記記憶処理部で前記メモリに記憶した前記検出点の位置群について、
    発進時において複数の前記周辺監視センサの検出範囲に含まれる場合には、
    その位置群に含まれる前記検出点と同一と判定される前記検出点が、発進時にそれらの複数の周辺監視センサのいずれかを用いて検出される場合に、発進時にそれらの周辺監視センサのいずれを用いても検出できない前記検出点については、前記記憶処理部で前記メモリに記憶しておいた位置をその検出点の位置と推定する一方、
    その位置群に含まれる前記検出点と同一と判定される前記検出点が、発進時にそれらの複数の周辺監視センサのいずれを用いても検出されない場合には、発進時にそれらの周辺監視センサのいずれを用いても検出できない前記検出点については、前記記憶処理部で前記メモリに記憶しておいた位置をその検出点の位置と推定しない請求項1に記載の車両用周辺監視装置。
  5. 前記位置推定部は、前記記憶処理部で前記メモリに記憶した前記検出点の位置群が、発進時における複数の前記周辺監視センサの検出範囲のいずれにも含まれないことをもとに、前記記憶処理部で前記メモリに記憶しておいた前記検出点の位置群を、発進時に複数の前記周辺監視センサのいずれを用いても検出できない、前記死角に存在する前記検出点の位置と推定する請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用周辺監視装置。
  6. 前記位置推定部は、
    前記記憶処理部で前記メモリに記憶した前記検出点の位置群が、発進時における複数の前記周辺監視センサの検出範囲のいずれにも含まれない場合であって、且つ、発進時における前記車両に対する距離が所定距離未満の場合に、前記記憶処理部で前記メモリに記憶しておいた前記検出点の位置群を、発進時にそれらの周辺監視センサのいずれを用いても検出できない、前記死角に存在する前記検出点の位置と推定する一方、
    前記記憶処理部で前記メモリに記憶した前記検出点の位置群が、発進時における複数の前記周辺監視センサの検出範囲のいずれにも含まれない場合であって、且つ、発進時における前記車両に対する距離が所定距離以上の場合には、前記記憶処理部で前記メモリに記憶しておいた前記検出点の位置群を、発進時にそれらの周辺監視センサのいずれを用いても検出できない、前記死角に存在する前記検出点の位置と推定しない請求項5に記載の車両用周辺監視装置。
  7. 水平方向における互いの検出範囲間に死角が存在する複数の周辺監視センサ(20,21,22)を搭載した車両で用いられ、
    前記周辺監視センサでの検出結果から前記車両に対する障害物の検出点の位置を特定し、
    逐次特定する前記検出点の位置群について、前記車両の位置の変化に応じて位置を更新し、
    前記車両の駐車時に、更新された前記検出点の位置群を、前記車両の駐車中に記憶を消去しないメモリ(142)に記憶し、
    前記車両の駐車後の発進時に、前記メモリに記憶しておいた前記検出点の位置群を用いて、発進時に複数の前記周辺監視センサのいずれを用いても検出できない、前記死角に存在する前記検出点の位置を推定する車両用周辺監視方法。
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