JP2021061753A - 切断器具 - Google Patents

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信雄 斯波
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Abstract

【課題】切断時の作業負荷の軽減とともに、枝葉等の被切断物の切断面を良好にできる切断器具を提供することを課題とする。【解決手段】対向かつ平行状態で配設した刃先を備えた切断器具であって、前記刃先は柄体の長手方向に直交する方向に斜めに取り付けられ、前記刃先を前記長手方向に往復動させることにより被切断物を容易に切断可能とし、さらに一方の刃先を横斜め方向に往復動させてさらに切り味を鋭くさせた切断器具により課題解決できた。【選択図】図1

Description

本発明は、植木の剪定や、野菜や食材・果物・花卉の管理や収穫等で使用される切断器具に関する。
従来から、例えば、高所にある植木の剪定に高枝鋏が多く使用されている。特許文献1には、伸縮棒体の先部に取り付けられた固定刃と可動刃体にそれぞれ固定枝受け部と可動枝受け部を設け、枝を固定枝受け部と可動枝挟み部の間に挟んだ状態で切断し、切断後も鋏の解放動作をしなければ枝を挟んだ状態で保持できるように可動挟み部に板バネを配置している技術が開示されている。
特開2004−242527
特許文献1に記載の発明は、剪定鋏を伸縮棒の先部に取り付けて高枝を剪定し、剪定後も固定枝受け部と可動枝挟み部との間に枝を保持した状態を維持できるように枝挟み面が固定枝受け部から遠ざかる回転に対し抵抗付勢する発条を付設している。そして、枝を切断する剪定鋏にリンク機構で手の把持動作を長手方向の往復動に変換して可動刃の搖動動作に変換している。従って、手の握力を一定とした場合、可動刃の切断力が柄側に対して切っ先側が小さくなるので、可動刃で枝を切断するときには柄側から切っ先側に刃先と枝との切断箇所が移動するに従い作業負荷を大きくしないと枝葉(特に太い枝)を良好に切断できないという問題があった。
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、切断時の作業負荷の軽減とともに、枝葉等の被切断物の切断面を良好にできる切断器具を提供することを課題とする。
請求項1に記載の切断器具は、対向かつ平行状態で配設した略同一長さの端部ラインを形成した第一部材と第二部材の対向している端部ライン同士で被切断物を切断可能な切断器具であって、前記第一部材は第一柄体の先端部に前記第一柄体の長手方向である縦方向に対して横方向に突出され、前記第一部材の端部ラインが前記縦方向に直交する方向に対して予め定めた角度で斜めに形成され、前記第二部材は第二柄体の先端部に前記第二柄体の長手方向である縦方向に対して横方向に突出され、前記第二部材の端部ラインが前記縦方向に直交する方向に対して予め定めた角度で斜めに形成され、前記第一柄体と前記第二柄体のそれぞれの縦方向を平行とし、前記第一部材が第一端部ラインに刃先を形成する刃部の形態を有し、前記第二部材が第二端部ラインに刃先を有する刃部又は前記第一部材の刃部の刃先と当接可能な当接面を有する当接部の形態を有し、前記第一部材及び/又は第二部材が前記第一柄体又は第二柄体の長手方向である縦方向にスライドするスライド手段を有し、
前記縦方向の往復スライド中、前記第一部材の第一端部ラインと前記第二部材の第二端部ラインのそれぞれの前記端部ライン同士を略平行に維持可能な構成にし、前記第一部材の刃部と前記第二部材の刃部の組み合わせの第一の形態の場合は、一方又は両方が前記縦方向に往復スライドすることにより、前記第一部材の刃部と前記第二部材の刃部の互いの刃先同士が摺接して被切断物を切断可能とし、
前記第一部材の刃部と前記当接部の組み合わせの第二の形態の場合は、一方又は両方が前記縦方向に往復スライドし前記第一部材の刃先が前記当接部に当接することにより被切断物を切断可能としたことを特徴とする。
請求項2に記載の切断器具は、請求項1において、前記第一の形態の場合は、前記第一部材の刃部と前記第二部材の刃部のうちのいずれか一つをそれぞれの前記端部ラインである刃先線の方向と略同一の方向である横斜め方向に往復スライドさせる横斜めスライド手段を設け、前記第二の形態の場合は、前記第一部材の刃部を前記第一端部ラインである刃先線の方向と略同一の方向である横斜め方向に往復スライドさせる横斜めスライド手段を設けることを特徴とする。
請求項1に記載の発明は、前記第一部材と前記第二部材のうちの一方または両方が、刃先が鋭利な刃部を使用することを想定している。前記第一部材が刃部で前記第二部材が刃部の第一の形態でともに刃先が鋭利な刃部の組み合わせの場合、平行状態にある前記往復スライド方向に直行する方向から予め定めた角度で斜めに設けた刃部を第一柄体又は第二柄体の長手方向である縦方向に往復スライド運動させたことにより、直径を無視できるほど小さくした仮想の被切断物が刃の上を動いた軌跡から生じる仮想刃先角度は刃先に直角に切断したときの刃先の角度より鋭利になり、被切断物を挟む分力と同時に、接線方向に働く分力が生じるため引き切り動作が生じ、切断時の作業負荷の軽減とともに、切断面を良好にすることができる。
また、前記第一部材が刃部で前記第二部材が当接部の組み合わせの第二の形態の場合、前記第一部材の刃部と前記当接部の関係は包丁とまな板のような関係といえる。ただ、当接部が固くて変形しない場合、当接部と前記第一部材の第一端部ラインとの角度が僅かでも違うと切り残しが発生することになる。そこで角度の違いを吸収できるよう当接部の端面に木材やプラスチックのような柔らかい材質を使ったり、当接面を支える部材がバネのように変形して切り残しが発生しない工夫が必要である。
請求項2に記載の発明は、前記第一の形態の場合は第一部材の刃部又は第二部材の刃部を、又は、第二の形態の場合は第一部材の刃部を、切断時に前記横斜め方向にスライドさせることにより鋭利な刃先を有する刃部の仮想刃先角度が更に鋭くなり、前記横斜め方向にスライドさせない場合より引き切り効果を高めることができる。
本発明の切断器具の1形態である実施例1の構成説明図である。 図1の実施例1の刃先角度の説明図で、(a)が刃部における切断方向と刃先角度との関係の説明図で、(b)が異なる切断方向の断面を重ねた刃先角度の説明をする説明図である。 本発明の切断器具を電動化した場合の実施例2の構成説明図である。 本発明の切断器具の第二部材を横斜め方向に往復動させた場合の実施例3の構成説明図である。 第一部材の刃部と第二部材の刃部のそれぞれの端部ラインである刃先にかかる力の説明図である。 図4の実施例3の第一部材と第二部材の動きの説明図で、(a)が第一部材と第二部材が離隔した状態の説明図で、(b)が第一部材と第二部材が摺接した状態の説明図である。 第一部材と第二部材の組み合わせの説明図で、(a)は第一部材が縦方向に往復動し第二部材が固定状態の切断器具を示す図で、(b)は第一部材が固定状態で第二部材が縦方向に往復動する切断器具を示す図である。 第一部材と第二部材の組み合わせの説明図で、(a)は第一部材及び第二部材がともに縦方向に往復動する切断器具を示す図で、(b)は第一部材が縦方向に往復動し第二部材が横斜め方向に往復動する切断器具を示す図で、(c)は第一部材が横斜め方向に往復動し第二部材が縦方向に往復動する切断器具を示す図ある。 第一部材が縦方向及び横斜め方向に往復動し第二部材が固定状態の切断器具を示す図である。 第一部材の端部ラインと第一柄体の、及び、第二部材の端部ラインと第二柄体の長手方向(縦方向)に対する基台側でかつ切っ先側の傾斜角度が鈍角の場合の説明図である。 端部ラインである刃先の組み合わせの説明図で、(a)は第一部材と第二部材の刃先が片刃同士の組合せの説明図で、(b)は第一部材の刃先が両刃で第二部材が当接部の組み合せの説明図で、(c)は一部材の刃先が片刃で第二部材が当接部の組み合せの説明図である。 縦方向と横斜め方向の往復動の形態の組み合わせの説明図で、第一部材が縦方向に往復動し第二部材が横斜め方向に往復動する形態の説明図である。 図12における、切断時に横斜め方向に動く第二部材の刃部の移動方向と仮想刃先角度の説明図で、(a)は縦方向の移動速度と横斜め方向の移動速度、合成速度の説明図で、(b)はそれぞれの方向の仮想刃先角度を重ね合わせたとした場合の説明図である。 図13における仮想刃先角度を抜粋した説明図である。 縦方向と横斜め方向の往復動の形態の組み合わせの説明図で、第一部材と第一柄体の、及び、第二部材と第二柄体の基台部側でかつ切っ先側の角度を鋭角に傾斜され、第一部材が横斜め方向に往復動し第二部材が縦方向に往復動する形態の説明図である。 縦方向と横斜め方向の往復動の形態の組み合わせの説明図で、第一部材と第一柄体の、及び、第二部材と第二柄体の基台部側でかつ切っ先側の角度を鈍角に傾斜され、第一部材が横斜め方向に往復動し第二部材が縦方向に往復動する形態の説明図である。 縦方向と横斜め方向の往復動の形態の組み合わせの説明図で、第一部材と第一柄体の、及び、第二部材と第二柄体の基台部側でかつ切っ先側の角度を鈍角に傾斜され、第一部材が縦方向に往復動し第二部材が横斜め方向に往復動する形態の説明図である。
本発明の切断器具1は、身の丈までの高さの枝葉の被切断物10の剪定等に使用される園芸鋏や、身の丈より高いところの枝葉の被切断物10の剪定に使用される高枝鋏や、定置型の切断機であって植物や食材等の被切断物10を切断する切断機に利用できる。
本発明の切断器具1は、図7〜図10に示すように、対向かつ平行状態で配設した略同一長さの端部ライン7aを形成した第一部材2と第二部材3の対向している端部ライン7b同士で被切断物10を切断可能な切断器具1であって、前記第一部材2は第一柄体4の先端部に前記第一柄体4の長手方向である縦方向Aに対して横方向に突出され、前記第一部材2の端部ライン7aが前記縦方向Aに直交する方向に対して予め定めた角度で斜めに形成され、前記第二部材3は第二柄体5の先端部に前記第二柄体5の長手方向である縦方向Aに対して横方向に突出され、前記第二部材3の端部ライン7bが前記縦方向Aに直交する方向に対して予め定めた角度で斜めに形成され、前記第一柄体4と前記第二柄体5のそれぞれの縦方向Aを平行とし、前記第一部材2が第一端部ライン7aに刃先を形成する刃部6aの形態を有し、前記第二部材3が第二端部ライン7bに刃先を有する刃部6b又は前記第一部材2の刃部6aの刃先と当接可能な当接面を有する当接部6cの形態を有し、前記第一部材2及び/又は第二部材3が前記第一柄体4又は第二柄体5の長手方向である縦方向Aにスライドするスライド手段8を有し、前記縦方向Aの往復スライド中、前記第一部材2の第一端部ライン7aと前記第二部材3の第二端部ライン7bのそれぞれの前記端部ライン同士を略平行に維持可能な構成にし、前記第一部材2の刃部6aと前記第二部材3の刃部6bの組み合わせの第一の形態の場合は、一方又は両方が前記縦方向Aに往復スライドすることにより、前記第一部材2の刃部6aと前記第二部材3の刃部6bの互いの刃先同士が摺接して被切断物10を切断可能とし、前記第一部材2の刃部6aと前記当接部6cの組み合わせの第二の形態の場合は、一方又は両方が前記縦方向Aに往復スライドし前記第一部材2の刃先が前記当接部6cに当接することにより被切断物10を切断可能としている。
前記切断器具1は、例えば図7〜図10に示すように、第一部材2と第二部材3を有し、前記第一部材2の第一端部ライン7aと前記第二部材3の第二端部ライン7bとは、略同一長さであり、対向状態でかつ平行状態で配設されている。第一部材2と第二部材3のそれぞれの端部ライン7a、7bを摺接又は当接させることにより被切断物10を切断することができる。
前記第一部材2は、図7〜図10に示すように、第一柄体4の先端部に前記第一柄体4の長手方向である縦方向Aに対して前記第一柄体4の横方向に突出され、前記第二部材3は第二柄体5の先端部に前記第二柄体5の長手方向である縦方向Aに対して前記第一部材2と同じ方向の横方向に突出され、前記第一柄体4と前記第二柄体5のそれぞれの縦方向Aが平行になるように配設されている。
前記第一部材2は前記第一柄体4に対して横方向に突出され、その横方向に突出された前記第一部材2の第二部材3側の第一端部ライン7aが前記縦方向Aに直交する方向に対して、基台部80側で切っ先35側の角度を予め定めた角度θ1(例えば図7に示す。)又はθ3(例えば図10に示す。)で斜めに形成され、前記斜めに形成された第一端部ライン7aは刃先を形成しており、第一部材2の刃部6aは図11(a)、(c)に示すように片刃、又は、図11(b)に示すように両刃の形態を有する。ここで前記第一端部ライン7aの刃先の先端が切っ先35である。
前記第一柄体4は前記第一部材2と、前記スライド手段8、前記スライド手段9及び前記基台部80のうちの一つ以上と、を連結する部位であって、前記第一柄体4の側面視の形状は、例えば図7(a)に示すような縦方向Aと略同一方向の直線状、あるいは略コ字状(図示なし)や横にした略U字状(図示なし)などの屈曲形状があり、前記第一部材2と、前記スライド手段8、前記スライド手段9及び前記基台部80のうちの一つ以上と、を連結する形状であればいずれの形状でもよい。前記第一部材2に前記屈曲形状の前記第一柄体4を組み合わせた形態は側面視で前記第一柄体4が後方に膨れた形態となる。
また、前記第二部材3は、図7〜図10に示すように、前記第二柄体5に対して前記第一部材2と同じ方向の横方向に突出され、その横方向に突出された前記第二部材3の第一部材2側の第二端部ライン7bが前記縦方向Aに直交する方向に対して、基台部80側で切っ先35側の角度を予め定めた角度θ2(例えば図7に示す。)又はθ4(例えば図10に示す。)で斜めに形成され、前記斜めに形成された第二端部ライン7bに刃先を形成した刃部6bの形態(例えば図11(a)に示す。)又は前記第二端部ライン7bに前記第一部材2の刃部6aの刃先と当接可能な当接面を有する当接部6cの形態(例えば図11(b)、(c)に示す。)がある。ここで前記第二端部ライン7bの刃先の先端が切っ先35である。
前記第二柄体5は前記第二部材3と、前記スライド手段8、前記スライド手段9及び前記基台部80のうちの一つ以上と、を連結する部位であって、前記第二柄体5の側面視の形状は、例えば図7(a)に示すような縦方向Aと略同一方向の直線状、あるいは略コ字状(図示なし)や横にした略U字状(図示なし)などの屈曲形状があり、前記第二部材3と前記スライド手段8、前記スライド手段9及び前記基台部80のうちの一つ以上と、を連結する形状であればいずれの形状でもよい。前記第二部材3に前記屈曲形状の前記第二柄体5を組み合わせた形態は側面視で前記第二柄体5が後方に膨れた形態となる。
前記第一部材2が前記第一柄体4の長手方向である縦方向Aにスライドするスライド手段8、及び/又は、前記第二部材3が前記第二柄体5の長手方向である縦方向Aにスライドするスライド手段8を有し、前記縦方向Aの往復スライド中、前記第一部材2の第一端部ライン7aと前記第二部材3の第二端部ライン7bのそれぞれの前記端部ライン7a、7b同士を略平行に維持可能な構成にしている。これにより、前記第一部材2の刃部6aの刃先と前記第二部材3の刃部6bの刃先同士が摺接し被切断物10を切断でき、又は、前記第一部材2の刃部6aの刃先が前記第二部材3の当接部6cに当接し被切断物10を切断できる。
前記端部ライン7a、7bが刃先を形成する前記第一の形態の場合は、前記第一部材2の刃部6aと前記第二部材3の刃部6bのそれぞれの前記刃先が摺接する場合であり、切れ刃の刃先形状は図11(a)に示すように片刃がよい。さらに、刃元から徐々に切っ先35に向かって摺接していくように構成されていることが望ましい。また、図11(b)、(c)に示すように、前記第一部材2の刃部6aの刃先と前記第二部材3の当接部6cが当接する前記第二の形態の場合は、切れ刃の刃先形状は片刃でも両刃でもよい。
本発明の切断器具1は、対向する前記第一部材2の刃部6aの刃先である端部ライン7aと、前記第二部材3の刃部6bの刃先又は当接部6cの端部ライン7bを略平行に、かつ前記第一部材2の刃部6aと、前記第二部材3の刃部6b又は前記当接部6cを縦方向Aに直交する方向に対して、例えば図7〜図10に示すように予め定めた角度θ1〜θ4のいずれかで斜めに設けていることにより、本発明の切断器具1は、斜めに設けた刃部6a及び/又は6bを第一又は第二柄体の長手方向である縦方向Aに往復スライド動作させることによって、包丁の引き切り動作と同じ動作を再現させている。なお、図7に示すように前記角度θ1と角度θ2は略同一角度であって端部ライン7a、7bは縦方向Aに対して基台部80側でかつ切っ先35側の角度は鋭角を形成し、図10に示すように前記角度θ3と角度θ4は略同一角度であって端部ライン7a、7bは縦方向Aに対して基台部80側でかつ切っ先35側の角度は鈍角を形成している。
次に、本発明の切断機器1の刃先角度について説明する。前記切断機器1の第一部材2(刃部6a)の端部ライン7aの刃先や第二部材3(刃部6b)の端部ライン7bの刃先を縦方向Aに対して横斜め方向に構成しているので、製作された刃部6a、6bの前記端部ライン7a、7bと直交する断面における刃先角度より、切断時には鋭利な仮想刃先角度を有することを説明する。
図1、図2(a)に示すように、第一部材2の第一端部ライン7aや第二部材3の第二端部ライン7bが、前記縦方向Aに直交する方向に対して予め定めた角度θ(θ1やθ2が該当する。)で斜めに形成されるということは、端部ライン7a又は7bに前記直交方向に測った刃先角度をαとすると、θ傾いたときの仮想刃先角度βは刃部を縦方向Aのスライド方向に切断したときの断面の刃先の角度である。
図2(a)は縦方向Aにスライドしない第二部材3の刃部6bのみを拡大し、例えば刃先の任意の点Pにおける、刃部6bに直角に切断した断面図(E−E断面)と、縦方向Aのスライド方向に切断した断面図(F−F断面)を示している。ここで、t:板厚、D:切り刃の幅、L:スライド方向に測定した切り刃の幅、α:刃先に直角方向の刃先の角度、β:仮想刃先角度(スライド方向の断面の刃先の角度)である。
D/L=cos(θ’)、tan(α’)=t/D、tan(β’)=t/Lであるから、α’とβ’の関係は以下の式(1)で求められる。ここで、α、β、θは度単位の場合で、α’、β’、θ’はラジアン単位で、度の単位からラジアン単位への変換はRADIANS関数を使用すれば良い。
tan(β’)=tan(α’)・cos(θ’) ・・・・ 式(1)
例えば、α=10°、20°のとき、傾き角θが例えば、25°、85°のときのβを求めるために式1に代入して見ると、
α=10°でθ=25°のときは、tan(α’)=tan(RADIANS(10°))が0.1736で、cos(θ’)=cоs(RADIANS(25°))が0.9063であるから、乗算した値である0.1573は約tan9°となるので、β≒9°となる。
同様に計算すると、α=10°でθ=85°のときβ≒1°となる。また、α=20°でθ=25°のときβ≒18°、θ=85°のときβ≒1.8°となる。
式1から得られる仮想刃先角度βの変化の割合は、刃先角度αにあまり影響されずにθ=25°のとき約1割小さくなり、θ=85°のとき約9割小さい値になっていることがわかる。したがって仮想刃先角度βが傾き角θを例えば、25°から85°に変えると約1割減から9割減まで鋭くなることになる。刃先角度αと仮想刃先角度βの違いを、図2(a)におけるE-E断面とF−F断面で重ねてわかりやすくした説明図を図2(b)に示す。
以上から、縦方向Aに直交する方向に対して斜めの角度θ1及び角度θ2で斜めに形成した場合は、縦方向Aに往復スライド運動させたことにより、被切断物10が刃の上を動いた軌跡から生じる仮想刃先角度βは、例えば図2(b)に示すように、刃先に直角に切断したときの刃先の角度より鋭利になるとともに、図5に示すように第一部材2や第二部材3の刃先にかかる力FAを分解すると、被切断物10を挟む分力FNと同時に、被切断物10の表面に接線方向に動く分力FBが生じることがわかり、前記分力によって引き切り動作が生じ、切断時の作業負荷の軽減とともに、切断面を良好にすることができる。
よって、切断時の仮想刃先角度βは刃先に直角方向に測った刃先角度αよりcos(θ’)分鋭利な刃物で引き切り切断される、と表現できる。縦方向Aのスライド方向に対する刃部の傾き角θが刃先角度α、βに及ぼす影響について説明したが、実際に刃部6a、6bをスライド方向に対してすなわち縦方向Aと直交する方向に対してどの程度時計回り方向または反時計回り方向に傾けるかは、作業性や切れ味、刃物の管理等を加味しながら任意に設定する。
前記第一部材2の刃部6aと前記第二部材3の刃部6bの組み合わせの第一の形態の場合は、図11(a)に示すように一方又は両方が前記縦方向Aに往復スライドすることにより、前記第一部材2の刃部6aと前記第二部材3の刃部6bの互いの刃先同士が間隔のある対向状態から接近しさらに摺接して被切断物10を切断し、前記第一部材2の刃部6aと第二部材3の前記当接部6cの組み合わせの第二の形態の場合は、図11(b)、(c)に示すように一方又は両方が前記縦方向Aに往復スライドすることにより、前記第一部材2の刃部6aの刃先が前記当接部6cに向かって間隔のある対向状態から接近しさらに当接することにより被切断物10を切断する。
次に、前記第一の形態の場合は、前記第一部材2の刃部6aと前記第二部材3の刃部6bのうちのいずれか一つを前記端部ライン7a又は7bである刃先線の方向と略同一の方向である横斜め方向Bに往復スライドさせ、前記第二の形態の場合は、前記第一部材2の刃部6aを前記第一端部ライン7aである刃先線の方向と略同一の方向である横斜め方向Bに往復スライドさせる。
次に、横斜め方向Bに往復スライドにより引き切り効果が高まることを説明する。図12や図13は、切断時(被切断物10である枝葉を第一部材2の刃部6aと第二部材3の刃部6bとで挟み込む動作をしているとき)において、第二部材3の第二端部ライン7bと被切断物10との接点における各方向の移動速度と合成速度を説明するための説明図であるが、縦方向Aの移動救度VAが実際には第一部材2が移動するのとは反対方向に記載されているが、被切断物10から見ると第一部材2に押されて、結果的には第二部材3が縦方向に移動救度VAで移動しているのと同じことになるためである。
したがって図12、図13は、第二部材3の第二端部ライン7bと被切断物10との接点Pにおける縦方向の移動救度VAと第二部材3の刃部6bの刃先に沿った横斜め方向B(B1)の移動速度VB1、VB2と、合成速度VG1、VG2の関係説明図である
図12や図13において、第一部材2の刃部6aが縦方向Aで第二部材3に向かってスライドし、第二部材3が第二端部ライン7bである刃先の方向である横斜め方向B(B1)に往復スライドするときに、第二端部ライン7bの刃先の根元方向b2にスライドするときと第二端部ライン7bの刃先の切っ先方向b1にスライドをするときとで比較してどちらの方向が第二部材3の刃部6bを固定状態とした場合よりも引き切り効果が強くなるかを説明する。
例えば枝葉である被切断物10からみると、第一部材2の刃先から受ける力は第一部材2側方向であって、そのスライド速度はVAと大きさが同じで方向が反対方向であるが、第二部材3の刃先が速度VAで移動しているようにみえる。そして、第二部材3が第二端部ライン7bである刃先の方向である横斜め方向B(B1)に往復スライドするので、その速度は刃先が根元方向b2にスライドするときは速度VB2となり、刃先が切っ先方向b1にスライドするときは速度VB1となる。ここで、速度VB1と速度VB2は大きさが同じで方向は反対である。
すると、枝葉である被切断物10は、第二部材3が切っ先方向b1に横斜め方向Bにスライドするときは合成速度VG1で切断され、第二部材3が根元方向b2に横斜め方向Bにスライドするときは合成速度VG2で切断される。図13(a)、(b)に示すように、合成速度の大きい方が仮想刃先角度β、γ1、γ2は小さくなる(VG2>VG1のとき、VG2の仮想刃先角度γ2<VG1の仮想刃先角度γ1)ことがわかり、言い換えれば横斜め方向に移動させる場合は合成速度が大きくなる方向に移動させた方がよく切れるようになるといえる。
すなわち、横斜め方向に移動することにより、縦方向Aに直交する方向から角度θ(図12におけるθ2が該当する。)だけ傾いていた傾き角が更に、図13(a)の角度δだけ大きくなったことになりδは式2から求められる。
tan(δ’)=D/(VA+C)
=VB2・cos(θ’)/(VA+VB2・sin(θ’)) ・・・・式2
ここで、C=VB2・sin(θ’)、D=VB2・cos(θ’)と表される。
刃先を含む切り刃付近の形状等は、図14に示すように板厚(t)一定で、切り刃の幅(D)も一定であるとする。
また、式1と同様、刃の厚さをt、刃先に直角方向(図13(a)における点P−点U方向)に測った切り刃の幅をD、刃先角度をα、図13(b)及び図14における点P−点W2方向の切り刃の幅H2とすると、仮想刃先角度γ2と各値との間には式1からtan(α’)=t/D、tan(γ2’)=t/H2、cos(θ2’+δ’)=D/H2が成り立ち、γ2’は以下の式で求めることができる。
tan(γ2’)=t/H2=tan(α’)・cos(θ2’+δ’) ・・・式3
以上から、式2、式3に適当な値を代入する。例えばVA=20、VB2=10(VAとVB2の比例関係をみるので単位を記載しない。)を代入してみると、θ=25°の場合はδ≒20.5°、θ=80°の場合はδ≒3.3°となり、VAやVB2が同じでも、θが小さい場合はδが相対的に大きくなることがわかる。また式3に上で求められたδ及びαに適当な値を代入すればγ2を求めることができ、横移動させたときの効果の見積もりが可能となる。
図12に示す形態の他の形態として、例えば図15に示すように縦方向Aに対して基台部80側でかつ切っ先35側の角度が鋭角で横方向に傾斜された第一部材2がスライド手段9により横斜め方向Bに往復動し、縦方向Aに対して基台部80側でかつ切っ先35側の角度が鋭角で横方向に傾斜された第二部材3がスライド手段8により縦方向Aに往復動する形態の場合は、切断時に第一部材2の刃先が切っ先方向b1にスライドするときの合成速度VG1が大きく切断力が高い。
また、図16に示すように縦方向Aに対して基台部80側でかつ切っ先35側の角度が鈍角で横方向に傾斜された第一部材2がスライド手段9により横斜め方向Bに往復動し、縦方向Aに対して基台部80側でかつ切っ先35側の角度が鈍角で横方向に傾斜された第二部材3がスライド手段8により縦方向Aに往復動する形態の場合は、切断時に第一部材2の刃先が根元方向b2にスライドするときの合成速度VG2が大きく切断力が高い。したがって、切断時の縦方向Aの移動方向と横斜め方向Bの移動方向を同期させることができるなら、横移動方向は合成速度が大きい方向で同期させることが望ましい。
また、図17に示すように縦方向Aに対して基台部80側でかつ切っ先35側の角度が鈍角で横方向に傾斜された第一部材2がスライド手段8により縦方向Aに往復動し、縦方向Aに対して基台部80側の角度でかつ切っ先35側が鈍角で横方向に傾斜された第二部材3がスライド手段9により横斜め方向Bに往復動する形態の場合は、切断時に第二部材3の刃先が切っ先方向b1にスライドするときの合成速度VG1が大きく切断力が高い。
次に、本発明の切断機器1の往復動の方向(縦方向A、横斜め方向B)をもとにした形態を説明する。往復動の方向をもとにした形態は、図7(a)に示すように第一部材2がスライド手段8により縦方向Aに往復動し第二部材3は固定状態の形態、図7(b)に示すように第一部材2が固定状態で第二部材3はスライド手段8により縦方向Aに往復動する形態がある。
また、図8(a)に示すように第一部材2及び第二部材3がそれぞれに設けたスライド手段8により縦方向Aに往復動する形態がある。さらに、図8(b)に示すように第一部材2がスライド手段8により縦方向Aに往復動し第二部材3はスライド手段9により横斜め方向Bに往復動する形態、図8(c)に示すように第一部材2がスライド手段9により横斜め方向Bに往復動し第二部材3はスライド手段8により縦方向Aに往復動する形態がある。
次に、図9に示すように第一部材2がスライド手段8により縦方向Aに往復動しかつスライド手段9により横斜め方向Bに往復動し第二部材3は固定状態の形態、又は、図示していないが第一部材2は固定状態で第二部材3がスライド手段8により縦方向Aに往復動しかつスライド手段9により横斜め方向Bに往復動する形態がある。
なお、図7〜図9に示すように、前記第一部材2の端部ライン7aが前記縦方向Aに直交する方向に対して予め定めた角度θ1又はθ2で斜めに形成され、縦方向Aと第一部材2又は第二部材3の端部ライン7a又は7bとの基台部80側でかつ切っ先35側の縦方向Aとのなす角度は鋭角である場合を示している。
さらに、図10に示すように、縦方向Aと第一部材2又は第二部材3との基台部80側でかつ切っ先35側の角度が鈍角である場合もあり、図示はしていないが、図8〜図10に示す形態と同じように第一部材2と第二部材2の往復動の方向を有する種々の形態がある。
次に、第一部材2と第二部材3の往復動の方向の形態と、第一部材2と第二部材3の組み合わせが前記第一の形態又は前記第二の形態の場合との組み合わせを説明する。
前記第一の形態の場合は、図7(a)、(b)に示すように、対向する前記第一部材2の刃部6aと前記第二部材3の刃部6bのうちの一方が縦方向Aに往復スライド動作をし、他方が固定状態のA形態、図8(a)に示すように、対向する前記第一部材2の刃部6aと前記第二部材3の刃部6bともに縦方向Aに往復スライド動作をするB形態、並びに、図8(b)、(c)に示すように、対向する前記第一部材2の刃部6aと前記第二部材3の刃部6bのうちの一方が縦方向Aに往復スライド動作をし、他方が刃先の方向と同一方向の横斜め方向Bの往復スライドをするC形態がある。
次に、第二の形態の場合は、図7(a)、(b)に示すように、対向する前記第一部材2の刃部6aと第二部材3の当接部6cのうちの一方が縦方向に往復スライド動作をし、他方が固定状態のD形態、図9に示すように、第一部材2の刃部6aが縦方向A及び第一端部ライン7bである刃先の方向と同一方向の横斜め方向Bの往復スライドをし、前記当接部6cが固定状態のE形態がある。
次に、本発明の切断機器1が設けられた実施例1について説明する。図1に示
すように、対向する前記第一部材2の刃部6aと前記第二部材3の刃部6bのうちの一方が縦方向Aに往復スライド動作をし、他方が固定状態のA形態の実施例であり、剪定挟みの実施例である。
本発明の切断機器1が剪定挟みの場合は、前記第一部材2を構成要素とする第一剪定体20、前記第二部材3を構成要素とする第二剪定体30、及び、スライド手段8である駆動機構40aで構成される。
第一剪定体20は、柄である第一柄体4と、その先端部に取り付けられた第一部材2を備える。前記第一部材2は、前記第一柄体4の長手方向である縦方向Aに対して横方向に突出され、前記第一部材2の第一端部ライン7aが前記縦方向Aに直交する方向に対して予め定めた角度θ1で斜めに形成されている。
第二剪定体30は、第一柄体4の長手方向に沿って平行に配置された柄となる第二柄体5と、第二柄体5の先端部に設けられ、長手方向である縦方向Aに対して前記第二柄体5の先端から横方向に突出された第二部材3を備える。そして、前記第二部材3の刃部6bは、第一部材2の刃部6aとの間に被切断物10である枝葉が挿入される間隔を形成できるように配置されている。そして、前記第二部材3の第二端部ライン7bが前記縦方向Aに直交する方向に対して予め定めた角度θ2で斜めに形成されている。
前記角度θ1と前記角度θ2を略同じ角度に設定し、第一部材2の第一端部ライン7aと第二部材3の第二端部ライン7bが略平行になるように設定している。前記第一端部ライン7a及び第二端部ライン7bとも刃先を形成している。前記角度θ1と前記角度θ2を略同じ角度に設定するとは、前記角度θ1と前記角度θ2との開き角を略平行で、しかも刃元から切っ先の方向に摺接の接点が移動していけることが刃物の交錯を避けるうえで必要であり、目安としては切断時の押し出し力が切断力の1割以下になるように前記角度θ1とθ2の差を5°以内に設定することが好ましい。
スライド手段8に該当する駆動機構40は、人力により動作するハンドル部を有する駆動機構40aである。前記ハンドル部を有する駆動機構40aは、第二柄体5の基端部80aに設けられ、第一部材2の第一端部ライン7aと第二部材3の第二端部ライン7bが、第一柄体4および第二柄体5の長手方向である縦方向Aに沿って相対的に摺接するような往復移動を行わせる。
駆動機構40aであるハンドル部は、グリップ部42と引き金部41とで構成される。グリップ部42は基端部80aに固定され、手で把持できる大きさに設定される。引き金部41は一方の端部がグリップ部42に、第一軸ピン43で回動自在に軸支され、その近傍部が第一柄体4の端部に第二軸ピン44(ピン穴は動作時に抵抗にならないように、第一軸ピン43方向に長い長円形状をしていても良い)によって軸支される。
実施例1の切断機器1である剪定鋏は次のように操作することができる。まず、第一部材2の第一端部ライン7aと第二部材3の第二端部ライン7bとを離隔した状態とし、その間に切断したい枝葉である被切断物10を挿入する。次に、引き金部41をグリップ部42側に引き付ける。これにより、第一柄体4が縦方向Aにスライドして、それに伴って第一部材2の刃部6aが第二部材3の刃部6bに向かってスライドし、その刃先が第二部材3の第二端部ライン7bの刃先に重合するようにして摺接する。これにより、第一部材2の刃部6aと第二部材3の刃部6bとの間に挿入された枝葉である被切断物10を、軽い力で容易に切断することができる。こうした操作を繰り返すことにより、枝葉を良好に切断することができる。
なお、グリップ部42と引き金部41との間にスプリングを架設することにより、枝葉を切断した後、引き金部41を自動的に元の位置に戻すことができる。
実施例1の剪定鋏は、第一部材2の第一端部ライン7aの角度θ1と第二部材3の第二端部ライン7bの角度θ2を略同一の角度に設定し、第一部材2の刃部6aの刃先である第一端部ライン7aと第二部材3の刃部6bの刃先である第二端部ライン7bを平行に配置したので、両者の間には図5で説明したように切断力FNに加えて、接線方向の力FBが作用するいわゆる引き切り力が効果的に生じる。従って、この二つの力によって、枝葉を良好に切断することができる。
また、駆動機構40aを、グリップ部42と引き金部41とで構成したので、モーターなどの動力を使用することなく、手の操作によって枝葉等の被切断物10を良好に切断することができる。
次に、本発明の切断器具1が剪定鋏の場合でスライド手段8の駆動機構40bが電動式の場合の実施例2を説明する。実施例2は、A形態の場合であり、図3に示すように、駆動モーター(図示なし)の回転軸61の回転をカム溝形成部50と偏心カム62の組合せで第一柄体4の縦方向Aの往復動に変換(クロススライダ偏心カム機構)した例で、実施例1とは、第一部材2や第一柄体4を構成要素とする第一剪定体20、第二部材3や第二柄体5を構成要素とする第二剪定体30の構成は略同じであるが、前記第一剪定体20の駆動機構40bが異なる。
前記駆動機構40bは、いわゆるクロススライダ偏心カム機構であり、前記第一柄体4の基台部80cに設けられたカム溝形成部50と、前記第二柄体5の基台部80bに設けられた偏心カム回転部60を主な構成としている。そして、下方から上方に向かって、前記第二剪定体30、第一剪定体20、上部蓋70の順に装着される。そして、前記第二剪定体30の基台部80bの孔71aと前記上部蓋70の孔71bに貫通させた締結手段で締結され、前記基台部80bの第二剪定体30の孔72aと前記上部蓋70の孔72bに貫通させた締結手段で締結され、前記第二剪定体3の基台部80bの孔73aと前記上部蓋70の孔73bに貫通させた締結手段で締結される。なお、前記第一柄体4には前記第二剪定体30の基台部80bの孔73aと前記上部蓋70の孔73bに貫通させる締結手段の挿通用の長孔74が設けられている。
前記カム溝形成部50には、略円状の偏心カム62を嵌入させる、縦方向Aの幅が前記偏心カム62の直径と略同じ長さで前記縦方向Aに直交する横方向が前記直径と偏心量の2倍の和を超える長さの楕円状の制御用ガイド穴51が設けられている。また、前記第一柄体4の横方向の移動を防止するガイド54が第二剪定体30の第二柄体5上に設けられている。
前記偏心カム回転部60は、駆動モーター(図示せず)の回転軸61と、前記回転軸61に軸支させた偏心カム62を備え、前記駆動モーターが駆動すると回転軸61が回転し、これにより前記回転軸61に偏心させて固定された偏心カム62の中心が摺円63上を回転する。
前記駆動モーター(図示なし)が駆動し、前記駆動モーターの回転軸61が回転すると前記偏心カム62が偏心しながら回転し、前記偏心カム62の中心部位の軌跡は摺円63上を周回する。偏心カム62が前記制御用ガイド穴51内を周壁に沿って移動することにより、前記第一柄体4が横規制ガイド54で横方向を規制されて縦方向Aに往復動をする。
実施例2の構成の切断機器1である剪定鋏は次のように操作することができる。まず、第一部材2の刃部6aと第二部材3の刃部6bとの間に挿入される被切断物10である枝葉を切断するために、偏心カム62を前記駆動モーターの動力によって連続的に回転させる。これによって、偏心カム62が偏心回転し、これに応じてカム溝形成部50が縦方向Aに往復動して刃部6aが刃部6bに断続的に摺接する。前記断続的な摺接と離隔の繰り返しをさせながら被切断物10の枝葉を挿入して切断する。これにより、多くの枝葉を連続的に切断することができる。
実施例2の剪定鋏は、実施例1と同様に図5に示すように切断力FNに加えて、接線方向の力FBが作用するいわゆる引き切り力の作用によって、被切断物10の枝葉を良好に切断することができる。また、駆動機構40bをモーターで駆動するようにしたので、被切断物10を、作業負荷を軽減して、良好かつ容易に切断することができる。
実施例1又は実施例2の切断器具1である剪定鋏の作用は、一般的な理論として次のように説明することができる。ここでは、図5に示すように、縦方向Aに直交する方向に対して角度θ1で配置された第一部材2の刃部6aの端部ライン7a、及び、縦方向Aに直交する方向に対して角度θ2で配置された第二部材3の刃部6bの端部ライン7bを縦方向Aで摺接させて被切断物10の枝葉を切断する場合の力のかかり方について説明する。
縦方向Aに力FAで被切断物10を挟んだ場合、力FAは、端部ライン7a、7bに直交する方向の力FNと、刃部6a、6bのそれぞれの端部ライン7a、7bに平行な力FBに分解することができる。端部ライン7a、7bにおける力FNは、被切断物10を挟む力で、第一部材2の刃部6aの端部ライン7a、及び、第二部材3の刃部6bの端部ライン7bとも方向が反対で同じ大きさであり、ともに被切断物10の切断にかかわる力である。
一方、端部ライン7a、7bに平行な力FBは、端部ライン7aと端部ライン7bの間隔だけ離れた平行状態で方向が反対で同じ大きさであることから、被切断物10である枝葉の表面を接線方向に作用し、切断力FNと合わさって引き切り動作することがわかる。
次に、本発明の切断器具1が剪定鋏の場合で電動式の場合の実施例3を説明する。実施例3はC形態の場合であり、図4に示すように、上側から下側に向かって蓋体部70、第一剪定体20、第二剪定体30の組み合わせで装着される。そして、前記第二剪定体30の基台部80dの孔71aと前記上部蓋70の孔71bに貫通させた締結手段で締結され、前記基台部80dの第二剪定体30の孔72aと前記上部蓋70の孔72bに貫通させた締結手段で締結され、前記第二剪定体3の基台部80dの孔73aと前記上部蓋70の孔73bに貫通させた締結手段で締結される。なお、前記第一柄体4には前記第二剪定体30の基台部80dの孔73aと前記上部蓋70の孔73bに貫通させる締結手段の挿通用の長孔74が設けられている。
第二剪定体30の第二部材3の刃部6bが横斜め方向B2に往復動し、第一剪定体20の第一部材2の刃部6aが縦方向Aに往復動する。そして、第一部材2の端部ライン7aの刃先と第二部材3の端部ライン7bの刃先を摺接させて被切断物10を切断する。
前記第一剪定体20は、縦方向Aを長手方向とする第一柄体4と、前記第一柄体4の先端で縦方向Aに直交する方向に対して角度θ3で構成された第一部材2と、第一柄体4の基台部80fを備えている。前記第一柄体4にはガイド棒88が第二剪定体30側に突設され、前記第一柄体4の横方向移動を規制する横規制ガイド54は上部蓋70の柄に設けられ、移動方向が規制されている。
第一柄体4の基台部80fは、同一半径の円弧の両端を連通させた略楕円状の溝を形成したガイド溝92を形成している。前記円弧の直径の大きさは第二剪定体30の基台部80dの摺動棒82の回転時の軌跡の直径とほぼ同じ大きさである。前記ガイド溝92には第二剪定体30の摺動棒82が嵌入される。
前記第二剪定体30は、縦方向Aを長手方向とする第二柄体5と、前記第二柄
体5の先端で縦方向Aに直交する方向に対して角度θ4で配置された第二部材3と、第二柄体4の基台部80dを備えている。
前記基台部80dには、駆動モーター(図示せず)の回転軸81と、前記回転軸81に一端を固定させ他端に摺動棒82を突設させたレバー棒体83を備えている。前記駆動モーターが駆動すると回転軸81が回転し、これにより前記回転軸81に取り付けられたレバー棒体83が回転し、前記レバー棒体83に突設された摺動棒82が回転する。これによって、前記ガイド溝92に嵌入された前記摺動棒82が摺円93の軌跡で回転することにより、前記第一柄体4及び前記第一部材2が縦方向Aに往復動する。
前記第二柄体5の先端部に横斜め方向B2のガイド部85を形成し、前記ガイド部85はサイドガイド部85bと底板部85aを備えている。第二部材3の基台部80eは前記ガイド部85のサイドガイド部85bに両側を規制されて装着される。前記第二部材3の基台部80eには縦方向Aと横斜め方向Bへの移動量に関連した長さから導かれた長さを長手方向とした長穴状のガイド溝87が形成されている。前記ガイド溝87には前記第一柄体4から突設されたガイド棒88が嵌入される。
第一柄体4が縦方向Aに往復動すると、前記ガイド棒88が縦方向Aに往復動する。前記ガイド棒88は前記ガイド溝87に嵌入されているので、前記第二部材3は前記サイドガイド部85bに規制されながら横斜め方向B2に往復動する。すなわち、前記第二部材3は図6(a)示すように前記第一部材3とは離隔した状態から、図6(b)に示すように第一部材2と摺接する状態となる。
前記ガイド部85、前記ガイド溝87及び前記ガイド棒88は、駆動機構40bとともに横斜め方向Bのスライド手段9を構成している。
以上により、駆動モーターが駆動すると、前記第一部材2の刃部6aが縦方向Aに往復動し、前記第二部材3の刃部6bが横斜め方向B2に往復動して、被切断物10を切断する。なお、前記ガイド溝87の形状は切断時には前記第二部材3の刃部6bが横斜め方向B2のb1方向に縦方向Aと同期して移動するように作られている。
なお、実施例3の駆動機構40bは変形クロススライダクランク機構であるが、摺円と同じ半径の円弧状のガイド溝92を備えているので、往復動の途中で休止区間92aを設けることができるので、連続的に往復運動をさせる場合、休止区間92aを設けた往復動は、休止区間92aで被切断物10である枝葉を挟み込むのに都合がよいという利点がある。
以上、横斜め方向Bに往復動する第二部材3の端部ライン7bの長さと縦方向Aに往復動する第一部材2の端部ライン7aの長さは略同じ長さとしてきたが、図6(B)から明らかなように第二部材3の端部ライン7bでない部分が第一部材2の端部ライン7aと交錯しており不都合が起こらないとも限らないので、横斜め方向Bに往復動する刃体の端部ラインは横斜め方向Bに往復動しない刃体の端部ラインより横方向Bの往復動分長くても許容範囲とする。
駆動源としては人力、モーター、エンジン、コンプレッサー等があり、駆動機構40で用いた回転運動を往復動に変換する機構としては他に、スライダクランク機構や、ネジとナットによる方法、ラックと歯車、エアシリンダー等の従来の技術の利用が考えられ、いずれの方法であってもよい。
以上、切断器具1としての小型・軽量化や切断時の横斜め方向Bの好ましい移動方向があることを考えて、横斜め方向Bの駆動を縦方向Aの動きから同期した動きを得る方法を記載したが、横斜め方向Bの駆動源を独自に単独に設けてもよく、駆動源を別にすることにより縦方向Aの1回の切断サイクル中に横斜め方向Bに複数回往復動作させることが可能となり、横斜め方向Bの移動量が同じでも切断時の横斜め方向Bの移動速度VBを大きくすることができるため仮想刃先角度が更に鋭くなり切断力の向上が期待できる。
なお、実際に試作しようとすると、被切断物10には大きさがあるため、お互いに向かい合った端部ライン7a、7b同士が摺接する以前から刃物は被切断物10に食い込んでいることになり、端部ライン7a、7b同士が摺接するのは略切断が終了していることになることを考えて設計する必要がある。
1 切断器具
2 第一部材
3 第二部材
4 第一柄体
5 第二柄体
6a 刃部
6b 刃部
6c 当接部
7a 端部ライン
7b 端部ライン
8 スライド手段
9 スライド手段
10 被切断物
20 第一剪定体
30 第二剪定体
35 切っ先
40 駆動機構
41 引き金部
42 グリップ部
43 第一軸ピン
44 第二軸ピン
45 基台部
50 カム溝形成部
51 制御用ガイド穴
54 横規制ガイド
60 偏心カム回転部
61 回転軸
62 偏心カム
70 上部蓋
80 基台部
A 縦方向
B1 横斜め方向
B2 横斜め方向

Claims (2)

  1. 対向かつ平行状態で配設した略同一長さの端部ラインを形成した第一部材と第二部材の対向している端部ライン同士で被切断物を切断可能な切断器具であって、
    前記第一部材は第一柄体の先端部に前記第一柄体の長手方向である縦方向に対して横方向に突出され、前記第一部材の端部ラインが前記縦方向に直交する方向に対して予め定めた角度で斜めに形成され、
    前記第二部材は第二柄体の先端部に前記第二柄体の長手方向である縦方向に対して横方向に突出され、前記第二部材の端部ラインが前記縦方向に直交する方向に対して予め定めた角度で斜めに形成され、
    前記第一柄体と前記第二柄体のそれぞれの縦方向を平行とし、
    前記第一部材が第一端部ラインに刃先を形成する刃部の形態を有し、前記第二部材が第二端部ラインに刃先を有する刃部又は前記第一部材の刃部の刃先と当接可能な当接面を有する当接部の形態を有し、前記第一部材及び/又は第二部材が前記第一柄体又は第二柄体の長手方向である縦方向にスライドするスライド手段を有し、
    前記縦方向の往復スライド中、前記第一部材の第一端部ラインと前記第二部材の第二端部ラインのそれぞれの前記端部ライン同士を略平行に維持可能な構成にし、
    前記第一部材の刃部と前記第二部材の刃部の組み合わせの第一の形態の場合は、一方又は両方が前記縦方向に往復スライドすることにより、前記第一部材の刃部と前記第二部材の刃部の互いの刃先同士が摺接して被切断物を切断可能とし、
    前記第一部材の刃部と前記当接部の組み合わせの第二の形態の場合は、一方又は両方が前記縦方向に往復スライドし前記第一部材の刃先が前記当接部に当接することにより被切断物を切断可能としたことを特徴とする切断器具。
  2. 前記第一の形態の場合は、前記第一部材の刃部と前記第二部材の刃部のうちのいずれか一つをそれぞれの前記端部ラインである刃先線の方向と略同一の方向である横斜め方向に往復スライドさせる横斜めスライド手段を設け、前記第二の形態の場合は、前記第一部材の刃部を前記第一端部ラインである刃先線の方向と略同一の方向である横斜め方向に往復スライドさせる横斜めスライド手段を設けることを特徴とする請求項1に記載の切断器具。
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