JP2021059497A - ふきとり用化粧料 - Google Patents

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【課題】ふきとり時に肌に負担をかけることなく、角質を取り除くことができるふきとり用化粧料を提供する。【解決手段】次の成分(A)水溶性セルロース誘導体(B)ポリエチレングリコール(C)塩基性物質(D)モノ2−エチルヘキシルグリセリルエーテルを含有し、且つpHが8.0〜11.0であることを特徴とするふきとり用化粧料。【選択図】図1

Description

本発明はふきとり用化粧料に関する。更に詳しくは、ふきとり時に肌に負担をかけることなく、角質を取り除くことを目的とする化粧料に関する。
皮膚の老化において、正常な新陳代謝においては垢となって落屑されるはずの角質層(以後老化角質と称する)が、落屑せず滞留する現象がしばしば見られるようになる。この老化角質は固く乾燥した状態をしており、保湿能も著しく低下しているものである。また老化角質には排泄されるべきメラニン色素も含まれている。それ故、老化角質が落屑せず滞留すると、角質層全体としても固く肥厚した状態となり、皮膚は潤いや滑らかさを失い、更には透明感の低下したくすみのある外観へと変化する。
上記のような状況から、老化角質を除去することにより皮膚に本来の潤い、滑らかさを取り戻し、くすみを改善することができることが考えられる。この効果を目的とした化粧料がふきとり用化粧料である。ふきとり用化粧料の使用方法は限定されないが、一般的にコットンなどの化粧用具に含ませて肌をふきとる使用方法をとることが多い。
一般的な洗顔料による洗顔は、洗浄成分の働きで、肌に蓄積した皮脂やメイクなど油溶性の汚れを中心に様々な汚れを落とすことを目的としている。この洗浄成分による洗顔の際には、コレステロールや皮脂など、種々の皮膚中成分が除去されることが知られている(非特許文献1)。また、一般的にクレンジングやメイク落としと呼ばれる化粧料は、油性成分であるメイクアップ化粧料を肌から除去する目的で作られていることが知られている。一方、ふきとり用化粧料は一般的な洗浄料およびクレンジングとは異なり、コレステロールや皮脂など油性の汚れを除去する目的はなく、水溶性の汚れ、特に老化角質を取り除く作用を有するものである(非特許文献2)。
従来、角質除去効果を有する化粧料として、アルカリ性化粧料(特許文献1)が知られている。アルカリ性化粧料は、水酸化カリウムや炭酸カリウム等の塩基性物質を配合することによって、老化角質に対して水及び水溶性成分の浸透性を高め、老化角質を取り除きやすい状態にする作用がある。しかしながら、アルカリ性の化粧料は、皮膚刺激を生じる場合があり、安全性の懸念があった。
また、ケミカルピーリングで使用されるα−ヒドロキシ酸等の角質軟化成分を配合する方法(特許文献2)が用いられてきた。しかしながら、化学的な溶解作用による角質除去は、皮膚刺激が強く、かゆみや赤みなどが生じる問題があった。
別の方法では、角質除去効果を有する植物抽出物の配合(特許文献3)、油剤であるピバリン酸イソデシルの配合(特許文献4)が試みられてきた。これら角質除去効果を有する植物抽出物や油剤による角質除去は、皮膚に対する刺激は弱いものの、角質除去効果については、未だ十分な効果が得られていない。
水溶性セルロース誘導体は、高分子成分の一種である。一般的に化粧料に用いられる高分子成分としては、水溶性セルロース誘導体以外に、キサンタンガムなどの天然多糖類、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10―30))クロスポリマーなどの合成系陰イオン性化合物、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの疎水化セルロース誘導体等が挙げられる。これら高分子成分は、製剤に粘度を付与することでふきとり時の物理的摩擦の低減や、油性成分の分離防止を目的に用いられてきたが、老化角質に対して作用し、老化角質を取り除きやすい状態にする効果は知られていない。
一方、ポリエチレングリコールは、皮膚外用剤の保湿力向上(特許文献5)、洗浄用組成物の起泡性向上(特許文献6)等の目的で用いられてきた。また、モノ2-エチルヘキシルグリセリルエーテルは、パラベン類の代わりとなる抗菌作用(特許文献7)の目的で用いられてきた。しかし、これら成分の単独及び組み合わせにおいて、ふきとり時に肌に負担をかけることなく、さらに老化角質を取り除きやすくする効果は知られておらず、示唆すらされていなかった。
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特開平11−322570号公報 特開2004−123662号公報 特開2008−174525公報 特開2014−62062号公報 特開平8−20520号公報 特開平9−13096号公報 特開2007−84464号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、ふきとり時に肌に負担をかけることなく、老化角質を取り除くことができるふきとり用化粧料を提供することを課題とする。
本発明者らは、課題について鋭意研究した結果、アルカリ性の条件下で、水溶性セルロース誘導体が老化角質に対して作用し、老化角質を取り除きやすい状態にする効果を見出した。さらに、ポリエチレングリコールおよびモノ2−エチルヘキシルグリセリルエーテルを組み合わせたときにふきとり行為時の摩擦を軽減し、皮膚刺激を生じさせない効果を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1)第1発明としては、
(A)水溶性セルロース誘導体
(B)ポリエチレングリコール
(C)塩基性物質
(D)モノ2−エチルヘキシルグリセリルエーテル
を含有し、且つpHが8.0〜11.0であることを特徴とするふきとり用化粧料。
(2)第2発明としては、
前記(A)水溶性セルロース誘導体が、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースであることを特徴とする第1発明に記載のふきとり用化粧料。
(3)第3発明としては、
前記(A)水溶性セルロース誘導体が、20℃における2%水溶液粘度が4000mPa・s以下であることを特徴とする第1発明〜第2発明いずれかに記載のふきとり用化粧料。
(4)第4発明としては、
前記(B)ポリエチレングリコールの質量平均分子量が400〜20000である第1発明〜第3発明に記載のふきとり用化粧料。
本発明によれば、ふきとり時に肌に負担をかけることなく、老化角質を取り除くことができる。これにより皮膚に本来の潤い、滑らかさを取り戻し、くすみを改善することが期待できる。
人工皮膚の概略図
本発明に用いる成分(A)水溶性セルロース誘導体は、セルロース分子内の水酸基の一部を他の基に置換することによって誘導体化し水溶性としたものであり、例えば分子内の結晶性部分を非晶性状態に転換させるためエーテル化剤などの誘導化剤で処理し、セルロースを水溶性にすることによって得られる。具体的には、メチルセルロース、エチルセルロースなどのC1−4アルキルセルロース、;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシC2−4アルキルセルロース;ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのヒドロキシC2−4アルキルC1−4アルキルセルロースなどが挙げられる。最も好ましい水溶性セルロース誘導体は、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースである。また、水溶性セルロース誘導体の粘度は特に限定されないが、20℃における2%水溶液が4000mPa・s以下であることが好ましい。本発明においては、市販品では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである「商品名:メトローズ60SH−400(信越化学工業株式会社製)」、メチルセルロースである「商品名:メトローズSM−400(信越化学工業株式会社製)」、ヒドロキシエチルセルロースである「商品名:HEC CF−G(住友精化株式会社製)」、ヒドロキシプロピルセルロースである「商品名:NISSO HPC M(日本曹達株式会社製)」等を使用することができる。
本発明に用いる成分(A)水溶性セルロース誘導体は、分枝の有無を問わず長鎖アルキル基、特に炭素数12〜26の疎水基でヒドロキシル基の一部を置換した疎水化セルロース誘導体を含まない。これらが含まれると、肌への摩擦が大きくなり皮膚刺激を誘発するため好ましくない。そのような成分としては特開平3−12401号に記載の方法により製造できるものであり、水溶性セルロース誘導体に炭素数12〜26のアルキル基を有するグリシジルエーテルを反応させて、前記水溶性セルロース誘導体内のヒドロキシル基を炭素数12〜26の疎水基で置換することで作製できるものが挙げられる。具体例としては、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースである「商品名:サンジェロース60L(大同化成工業株式会社製)」などが挙げられる。
本発明に用いる成分(B)ポリエチレングリコールは、エチレングリコールが重合してなるポリエーテルである。ポリエチレングリコールの平均分子量は特に限定されないが、質量平均分子量400〜20000であることが好ましい。本発明においては、異なる平均分子量を有するものを2種以上組み合わせて用いることもできる。なお、ポリエチレングリコールの平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリエチレングリコールを用いて作成した検量線から求められるポリエチレングリコール換算の質量平均分子量である。本発明においては、自体公知の方法により所望の平均分子量のポリエチレングリコールを合成して用いてもよいが、「PEG#1540」(日油株式会社製)(質量平均分子量1540)、「PEG#20000」(日油株式会社製)(質量平均分子量20000)等の市販の製品を用いることもできる。
本発明に用いる成分(C)の塩基性物質は、水に溶解したときに弱塩基性または強塩基性を呈する物質であり、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸グアニジン、アルギニン等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。これらの中でも、特に炭酸ナトリウムが好ましい。
本発明のふきとり用化粧料においては、これら塩基性物質の配合によりpHを8.0〜11.0と調整すると、角質除去効果が良好で、かつ過度の皮膚刺激を生じることもないのでより好ましいものとなる。
本発明に用いる成分(D)モノ2−エチルヘキシルグリセリルエーテルは、下記構造式(1)で表わされる化合物である。
Figure 2021059497
一般式(1)で表わされる化合物を製造する方法としては、公知のいずれの方法を用いてもよく、例えば、2−エチルヘキサノールとエピクロルヒドリンを反応させた後、得られた2−エチルヘキシルグリシジルエーテルを加水分解する方法等が挙げられる。本発明で使用できる2−エチルヘキシルグリセリルエーテルの配合量は特に限定されないが、0.01〜1質量%であることが好ましい。例えば、市販品である「SENSIVA SC−50」(シャルケ・アンド・マイヤー株式会社)等を使用することができる。
本発明のふきとり用化粧料には、上記必須成分の他、必要に応じて本発明の効果を阻害しない質的、量的範囲内で、水、界面活性剤、成分B以外の多価アルコール、低級アルコール、増粘剤、成分A以外の水溶性高分子、成分D以外の防腐剤、キレート剤、薬効成分、油剤、シリコーン、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料、色素等、通常化粧品に用いられている成分も配合することができる。
本発明のふきとり用化粧料の使用方法は特に限定されないが、例えば化粧用コットンなどの化粧用具に含ませ、肌をふきとる使用方法が挙げられる。そのため、本発明のふきとり用化粧料は、化粧用具に含ませることができる液状であることが好ましい。
本発明において粘度の測定は、B型粘度計:VISCOMETER TVB−10M(東京計器社製、測定条件:粘度にあわせてローターおよび回転数、測定時間を変更する)を用いた。20℃の状態で測定を行い、ローターはサンプルの粘度範囲に合わせM1〜M4ローターを用いて適宜、6〜60rpmの回転数で測定時間60秒の値を測定した。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。配合量は組成物全量に対する質量%である。
実施例および比較例について、下記表1〜表6に示す処方のふきとり用化粧料を用いて効果試験を行った。
[ふきとり用化粧料の製法]
表中の成分Aを80℃以上に加熱したEの精製水中で分散させた後、常温まで冷却した。次に成分B、成分C、成分D、成分Eを順次投入し溶解させ、ふきとり用化粧料を得た。尚、表中成分A’、成分B’、成分C’、成分D’は、それぞれ成分A、成分B、成分C、成分Dに準じて投入した。また、成分A’が分散しにくい場合は適宜1,3−BG、界面活性剤となじませて配合した。
(摩擦力)
[評価方法]
実施例及び比較例で作製した化粧料を用い、表面性測定器(新東科学株式会社製:TYPE-14)を用いて、静摩擦係数(μS)を測定した。指の曲率を模したR50mmの人工皮膚ホルダーに、直径30mmの円状にカットしたふきとり用コットン(ピュアタッチコットン:株式会社ナリス化粧品社製:310g/m)を挟み、コットンに化粧料1.5mlを滴下した。このホルダーを測定器のアームにセットし、水平荷重として50g重の分銅を置いた。測定器の移動台には下記で述べる人工皮膚をセットした。移動速度3,000mm/minにて、静摩擦係数を測定した。
[評価基準]
静摩擦係数を4段階に分け、評価値とした。なお、この4段階は専門パネラーによる官能評価で明確に差を認知できる評価幅である。
◎:1.3未満(肌に対する摩擦が特に少なく、非常に優れている)
〇:1.3以上〜1.4未満(肌に対する摩擦が少なく、優れている)
△:1.4以上〜1.5未満(肌に対する摩擦が感じられる)
×:1.5以上(肌に対する摩擦が多い)
図1は測定に用いた人工皮膚の概略図である。50mm×90mm×10mmの平板に皮溝皮丘の紋様を有する人工皮膚を3Dプリンターにより造形した。人工皮膚は、同図(A)に示すような紋様を有し、各紋様は、1辺が0.6mmの正方形で、0.15mmの幅の皮溝(断面は底辺がやや狭まったほぼ矩形状である。)及び0.025mmの皮溝深さとなるように造形した。
(老化角質除去)
[評価方法]
実施例及び比較例で作製した化粧料を用い、ふきとった際に除去した老化角質の量をタンパク質定量で確認した。化粧水を1mLずつコットンに含ませ、温水で洗浄した背部にコットンで5cm×14cmの面積を20回一定方向にふきとった。このとき、一定の力でふきとるように行った。ふきとったコットンをチューブに入れ、そこに8Mの尿素 を1.5mL加え、37℃で一晩インキュベートし、タンパク質を抽出した。抽出液をシリンジで搾り出し、試料液を回収して、BCA法にてタンパク質定量を行い、ふきとれたタンパク質量を測定した。96Cell Culture Clusterに回収したサンプル液40μLを加え、試薬A(1%ビシンコニン酸、2%NaCO、0.16%酒石酸、0.4%NaOH、0.95%NaHCO水溶液)と試薬B(4%CuSO・5HO水溶液)を50:1の割合で混合し、200μLずつ添加した。37℃で30分インキュベートした後、540nmの吸光度を測定した。同時に、牛血製アルブミン(BSA)を濃度0.4mg/mLから2倍希釈ずつ3段階希釈して検量線を作成した。この検量線からタンパク溶解量を算出した。この方法を用いれば、数値が高いほどふきとれたタンパク質量が多く、老化角質の除去効果が高いと判断出来る。
[評価基準]
タンパク質定量結果を4段階に分け、評価値とした。
◎:0.28mg以上(老化角質除去効果が特に高く、非常に優れている)
〇:0.24mg以上〜0.28mg未満(老化角質除去効果が高い)
△:0.20mg以上〜0.24mg未満(老化角質除去効果がほとんどない)
×:0.20mg未満(老化角質除去効果がない)
(皮膚刺激)
[評価方法]
実施例処方及び比較例処方で調製した化粧水を用い、過去にふきとり用化粧料で皮膚トラブルを経験したことのあるモニター10名に1週間使用してもらい、かゆみや赤みなどの皮膚トラブルの有無についてアンケートを行い、安全性の評価を行った。
[安全性の評価基準]
〇:皮膚トラブルが有ったと回答したモニターが、10名中0名だった。
△:皮膚トラブルが有ったと回答したモニターが、10名中1〜2名だった。
×:皮膚トラブルが有ったと回答したモニターが、10名中3名以上だった。
Figure 2021059497
表1によると、実施例1−1〜1−8では、水溶性セルロース誘導体を使用することで、肌に過度の摩擦を生じることなく、老化角質の除去効果の高いふきとり用化粧料を得ることができた。一方、比較例1−1〜1−5では、水溶性セルロース誘導体以外の高分子成分を用いており、摩擦は低減するが、老化角質の除去効果は得られなかった。また比較例1−6では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースに長鎖アルキル基を疎水基として導入した疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いた場合、老化角質の除去効果は得られたが、肌への摩擦が大きく、かつ皮膚刺激を生じた。疎水化処理したセルロース誘導体の場合、疎水基があることで皮膚との親和性が増し、化粧料を含ませたコットンと肌との摩擦を助長すると考えられた。
Figure 2021059497
表2によると、実施例2−1〜2−5では、ポリエチレングリコールを使用することで、肌に過度の摩擦を生じることなく、老化角質の除去効果の高いふきとり用化粧料を得ることができた。一方、比較例2−1〜2−3では、ポリエチレングリコール以外のポリアルキレングリコール、又はポリアルキレングリコール誘導体を用いており、老化角質の除去効果は示すが、肌への摩擦が大きく、かつ皮膚刺激を生じた。
Figure 2021059497
表3では、塩基性物質を用いpHを調整した効果を確認した。実施例3−1〜3−2では、皮膚刺激を生じることなく、老化角質の除去効果の高いふきとり用化粧料を得ることができることが示された。一方、比較例3−1では、pHが8.0より低くなると十分な老化角質除去効果は得られず、また比較例3−2では、pHが11.0より高くなると皮膚刺激を生じた。
Figure 2021059497
表4によると、比較例4−1では、モノ2−エチルヘキシルグリセリルエーテルの代わりに、2-エチルヘキシルアルコールと同じ炭素数で直鎖のカプリル酸とグリセリンのモノエステルであるカプリル酸グリセリルを、比較例4−2では、イソステアリルアルコールとグリセリンのモノエーテルであるイソステアリルグリセリルを用いた。その結果、老化角質の除去効果は示すが、肌への摩擦が大きく、かつ皮膚刺激を生じた。
Figure 2021059497
表5によると、実施例5−1〜5−3では、A、B、およびD成分の配合量を変動させてふきとり用化粧料を調製した。それぞれの変動範囲で良好な組成物が得られた。
Figure 2021059497
表6によると、比較例6−1、6−3では、水溶性セルロース誘導体を使用しない、あるいは塩基性物質を使用せずpHが8.0以下の場合、肌に過度の摩擦を生じることないが、十分な老化角質除去効果は得られない。一方、比較例6−2、6−4では、ポリエチレングリコールを使用しない、あるいはモノ2−エチルヘキシルグリセリルエーテルを使用しない場合、老化角質の除去効果は示すが、肌への摩擦が大きく、かつ皮膚刺激を生じた。
表1〜6の結果から、実施例のふきとり用化粧料は、皮膚刺激を生じることなく、肌への摩擦低減と老化角質の除去効果を両立した組成物が得られた。本発明を用いることで、ふきとり時に肌に負担をかけることなく、老化角質を取り除くふきとり用化粧料を提供できる。
常法にて、各処方の組成物を作製した。いずれの処方においても本発明の効果を奏することが確認された。
(1)ふきとり用化粧料:処方例1
成分名 配合量
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(粘度400mPa・s) 0.05
メチルセルロース(粘度400mPa・s) 0.05
ポリエチレングリコール(平均分子量:1540) 1
炭酸水素Na 0.05
炭酸Na 0.025
モノ2−エチルヘキシルグリセリルエーテル 0.2
1,3−BG 2
PPG−6デシルテトラデセス−30 0.1
防腐剤 適量
精製水 残分
合計 100
(2)ふきとり用化粧料:処方例2
成分名 配合量
ヒドロキシエチルセルロース(粘度450mPa・s) 0.2
ポリエチレングリコール(平均分子量:4000) 3
アルギニン 0.05
モノ2−エチルヘキシルグリセリルエーテル 0.4
1,3−BG 8
グリセリン 4
ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 0.2
PEG−50水添ヒマシ油 0.5
PPG−6デシルテトラデセス−30 0.5
防腐剤 適量
精製水 残分
合計 100
(3)ふきとり用化粧料:処方例3
成分名 配合量
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(粘度10000mPa・s) 0.1
ポリエチレングリコール(平均分子量:20000) 2
水酸化K 0.05
モノ2−エチルヘキシルグリセリルエーテル 0.3
1,3−BG 5
ポリソルベート20 1
ヒアルロン酸Na 0.05
ポリアクリル酸Na 0.05
エタノール 5
EDTA−2Na 適量
防腐剤 適量
精製水 残分
合計 100
本発明を用いることで、ふきとり時に肌に負担をかけることなく、老化角質を取り除くふきとり用化粧料を提供できる。

Claims (4)

  1. 次の成分
    (A)水溶性セルロース誘導体
    (B)ポリエチレングリコール
    (C)塩基性物質
    (D)モノ2−エチルヘキシルグリセリルエーテル
    を含有し、pHが8.0〜11.0であるふきとり用化粧料。
  2. 前記(A)水溶性セルロース誘導体が、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選ばれる一種または二種以上である請求項1に記載のふきとり用化粧料。
  3. 前記(A)水溶性セルロース誘導体が、20℃における2%水溶液粘度が4000mPa・s以下である請求項1〜2いずれかに記載のふきとり用化粧料。
  4. 前記(B)ポリエチレングリコールの質量平均分子量が400〜20000である請求項1〜3いずれかに記載のふきとり用化粧料。
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