JP2021059321A - 車両の運転支援システム - Google Patents
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Abstract
Description
その一方で、自動車などの車両に乗車した乗員についての乗員監視装置についての研究も進められている。特許文献1は、乗員を監視して警報出力などを実行する技術を開示する。
これらの技術が有機的に連携できるようにすることにより、自動車といった車両の利便性および安全性が高まることが期待される。
しかしながら、乗員を撮像デバイスにより撮像することに基づいて乗員の状態を監視する場合、撮像デバイスの撮像画像に基づく判断となるため、たとえば以下のような課題がある。
たとえば車両では、その走行環境に応じて、たとえば乗員の顔に強い光が当たったり、車内が真っ暗となったりすることがある。この場合、乗員監視装置は、撮像画像に基づいて乗員の顔の状態を正しく判断できなくなる可能性がある。そして、乗員監視装置の判断結果に基づいて制御を実行する車両の運転支援システムも、正しい判断に基づく制御が実行できなくなる可能性がある。
図1の自動車1は、車両の一例である。自動車1は、車体2の中央に、乗員が着座するシート4が配置されている車室3が設けられる。自動車1に乗ったドライバなどの乗員は、シート4に着座して自動車1の走行を操作する。これにより、自動車1は、自動運転または手動運転により走行することができる。自動車1は、乗員による走行についての操作に基づいて走行する場合、運転支援を実行してよい。このような自動車1は、自動運転についての走行と、手動運転による走行との双方を支援する。
自動車1では、走行制御装置により、ドライバなどの乗員による運転によらない自動運転や、乗員による運転を支援することが求められる。また、自動車1では、乗員監視装置81により、乗車した乗員を識別して監視することが求められている。これらの技術が有機的に連携することにより、たとえばドライバを特定して、そのドライバに応じた高度な運転支援が実現可能になると考えられる。自動車1の利便性および安全性が高まると期待される。
図2には、自動車1の制御系10を構成する複数の制御装置が、それぞれに組み込まれる制御ECU(Electronic Control Unit)により代表して示されている。
操舵ECU12は、車ネットワーク25を通じて暗号化データを受信し、自動車1に設けられる不図示のステアリング装置を制御する。これにより、自動車1は、進行方向を変えることができる。
制動ECU13は、車ネットワーク25を通じて暗号化データを受信し、自動車1に設けられる不図示のブレーキ装置を制御する。これにより、走行する自動車1は、減速し、停車できる。また、制動ECU13は、車ネットワーク25を通じて駆動ECU11と通信して、駆動源の回転を抑制したり、トランスミッションのギア比を変更したりして、走行する自動車1を減速させてもよい。
操作デバイス52は、表示デバイス51の表示画面に重ねられるタッチパネル、複数のキーを有してよい。UIECU20は、表示に関する暗号化データを受信すると、表示デバイス51に画像を表示させる。UIECU20は、表示デバイス51の表示に応じた操作デバイス52の操作に基づいて、たとえばナビゲーションデータなどを生成し、車ネットワーク25を通じてドライブECU14などへ出力してよい。
マイクロホン62は、自動車1の車内の音を記録する。
タイマ63は、時刻、時間を計測する。
メモリ64は、乗員監視のためのプログラム、設定データ、などを記録する。
乗員監視装置81の制御部としての乗員監視ECU17は、内カメラ61の撮像画像、マイクロホン62の記録音声に基づいて、自動車1に乗車しているドライバを含む乗員を監視する。
乗員監視ECU17は、たとえば内カメラ61の撮像画像に基づいて、自動車1に乗車している乗員を識別する。
乗員監視ECU17は、識別した乗員についての自動車1の設定情報を、車ネットワーク25を通じてドライブECU14などへ出力してよい。
乗員監視ECU17は、識別した乗員または乗車しているドライバなどの運行責任者についての状態を監視し、必要に応じて警報要求を生成して車ネットワーク25を通じて出力する。乗員監視ECU17は、たとえば乗員の目の開き程度などに基づいて居眠りを判断したり、たとえば乗員の顔や目の向きに基づいてわき見を判断したりして、居眠りまたはわき見の状態にあると判断した場合に警報要求を生成して出力してよい。
メータパネル71は、車室3の内面、たとえば乗員の前にあるダッシュボードに設けられる。メータパネル71は、警告を表示する液晶パネル、発光素子、を有する。
スピーカ72は、車室3の内面に、たとえばドア、ダッシュボード、ピラー、ルーフ、などに設けられる。
警報ECU18は、たとえば車ネットワーク25へ警告要求が出力されると、それを取得し、警告要求に対応する警告音、警告表示、警告メッセージを、メータパネル71およびスピーカ72から出力する。これにより、車室3にいる乗員は、自動車1が発する警告を認識し、その警告に対応することができる。
しかしながら、乗員を内カメラ61により撮像することに基づいて乗員の状態を判断する場合、内カメラ61の撮像画像に基づく判断となるため、たとえば以下のような課題がある。
たとえば自動車1では、その走行環境に応じて、たとえば乗員の顔に強い光が当たったり、車内が真っ暗となったりすることがある。この場合、乗員監視ECU17は、撮像画像に基づいて乗員の状態を正しく判断できなくなる可能性がある。特に、撮像画像において面積が小さい目などについて、その向きや開き具合などを判断する場合、乗員の顔に強い光が当たったり、車内が真っ暗となったりすると、撮像画像においてそれらを判断することが困難となる可能性が高い。そして、乗員監視ECU17の判断結果に基づいて警告や制御を実行する自動車1も、正しい判断に基づく適切な警告や制御を実行できなくなる可能性がある。
このため、乗員監視ECU17には、上述したような不適切な撮像画像についても、可能な限り乗員の状態を判断することが求められる。このような画像判断を可能とするためには、撮像画像においてはっきりと映っていない乗員のたとえば顔や目を、乗員の顔や目として判断して、乗員の状態を判断することが考えられる。乗員監視ECU17による乗員の状態の判断基準は、撮像画像においてはっきりと映っている乗員の顔や目について判断をする場合と比べて、甘く調整することになる。このため、このような調整をした判断では、その調整の結果として、たとえば、乗員がたとえば自動車1を運転可能な正しい運転状態にあるにもかかわらず、誤って不適切な運転状態であると判断してしまう可能性についての危惧が高まる。この他にもたとえば、乗員がたとえば自動車1を運転可能な正しい運転状態にないにもかかわらず、誤って適切な運転状態にあると判断してしまう可能性についての危惧が高まる。
このように乗員監視装置81の乗員監視ECU17には、内カメラ61の撮像画像に基づいて、その撮像画像の質が良くない場合であっても、乗員の乗車状態を適切に判断して、自動車1が警告や制御を適切に実行できるようにすることが求められる。
また、自動車1の運転支援システム80では、たとえば自動運転中の誤った判断や過敏な判断により乗員に対してハンズオンなどの所定の動きや操作を頻繁にまたは過度に要求することがないように、警告を出力し過ぎないようにすることが求められる。
このように自動車1の運転支援システム80では、さらに改善することが求められる。
図3の運転支援システム80は、乗員監視装置81、警報装置87、走行制御装置89、ハンズオンセンサ44、を有する。乗員監視装置81、警報装置87、および走行制御装置89は、車ネットワーク25により接続されている。
ハンズオンセンサ44は、ハンドル31を操作する乗員の手による静電容量や圧力の変化を検出するものであり、これにより自動車1を手動運転するために乗員が操作するハンドル31について乗員が手をのせて操作可能な状態にあるか否かを検出することができる。
このように、連続ロス判断部85は、内カメラ61から出力されるはずの複数の撮像画像について顔認識部82により顔が継続的に認識できない状態が一定数以上または一定期間以上において継続的に繰り返し発生すると、警報要求を生成して出力する。
走行制御部90は、警報装置87の警報出力の後、または乗員監視装置81の警報要求の出力の後に、ハンズオンセンサ44の検出に基づいて、乗員が操作部材を操作可能な状態にあるか否かを判断する。そして、乗員が操作部材を操作可能な状態にあるとは判断できない場合、走行制御部90は、警報の内容に応じて予め定められた自動車1の走行制御を実行する。走行制御部90は、たとえば走行中の自動車1を減速させ、安全性のある路肩などに自動車1を停車する。
乗員監視ECU17は、図4の処理を繰り返し実行する。
乗員の顔などを認識できない場合、乗員監視ECU17は、処理をステップST8へ進める。
なお、乗員監視ECU17は、ステップST6の居眠り判断を、ステップST5のわき見判断の前に実行してもよい。
乗員監視ECU17は、直近で連続して発生しているロス画像の画像数と、連続ロス判断期間に相当する判断閾値とを比較する。そして、直近で連続して発生しているロス画像の画像数が判断閾値以上である場合、乗員監視ECU17は、処理をステップST10へ進める。それ以外の場合、乗員監視ECU17は、処理をステップST9へ進める。
警報ECU18は、警報装置87の警報部88として、図5の処理を繰り返し実行する。
警報ECU18は、警報要求に基づいてハンズオンの警報を出力することなく、図5の処理を終了する。乗員がハンズオン状態でない場合、警報ECU18は、処理をステップST24へ進める。
ドライブECU14は、走行制御装置89の走行制御部90として、図6の処理を繰り返し実行する。
走行情報には、たとえば、乗員監視装置81のハンズオンの警報要求、警報装置87のハンズオン警報の出力の有無、ハンズオンセンサ44の検出値、自動走行の可否を判断するための情報、が含まれてよい。自動走行の可否を判断するための情報には、たとえば乗員の状態の情報、外カメラ43の撮像画像、周辺の他の移動体の情報、ナビゲーションデータやそれに基づく進路の情報、が含まれてよい。
警報部88は、車ネットワーク25を通じてハンズオン要求を取得して出力する。これにより、乗員は、手でハンドル31を握ることができる。
顔が認識できない撮像画像については、顔認識部82が許可信号を出力しないため、わき見判断部83と居眠り判断部84とは、それぞれの処理を実行しない。これ対して、連続ロス判断部85と頻発ロス判断部86とは、ロス画像が継続的に発生することに基づいて、それぞれの処理を実行する。
図7において、時間は左から右へ流れる。
図7(A)は、撮像画像の取得周期を示している。各矢印が、内カメラ61が撮像画像を出力する1周期に対応している。乗員監視ECU17は、矢印で示される撮像周期ごとに、内カメラ61から撮像画像を取得する処理を実行する。
図7(B)は、取得した撮像画像についての顔認識部82による認識結果の出力信号である。この例では、顔認識部82は、最初の2つの撮像画像については、出力信号として、認識OKの許可信号を出力する。その後の3つの撮像画像については、顔認識部82は、出力信号として、認識NGの不許可信号を出力する。さらにその後の3つの撮像画像については、出力信号として、認識OKの許可信号を出力する。
図7(C)は、連続的な画像ロスに基づいて連続ロス判断部85が出力する警報要求の出力信号である。
この例では、連続ロス判断部85は、3以上の画像ロスが連続的に生じる場合、警報要求を出力する。3以上の撮像画像が連続的に出力される期間が、連続ロスの判断期間となる。カウント値の判断閾値は、3である。
図7(D)は、図7(A)と同様に、撮像画像の取得周期を示している。
図7(E)は、取得した撮像画像についての顔認識部82による認識結果の出力信号である。この例では、顔認識部82は、最初の1つの撮像画像については、出力信号として、認識OKの許可信号を出力する。次の1つの撮像画像については、出力信号として、認識NGの不許可信号を出力する。その後は、撮像画像ごとの出力信号として、認識OKの許可信号と、認識NGの不許可信号とを交互に出力している。
図7(F)は、断続的な画像ロスに基づいて頻発ロス判断部86が出力する警報要求の出力信号である。
この例では、頻発ロス判断部86は、直近の7以上の頻発ロスの判断期間において、4以上の画像ロスが断続的に生じる場合、警報要求を出力する。カウント値の判断閾値は、4である。
また、頻発ロスの判断期間は、連続ロスの判断期間より長い。頻発ロスの判断期間でのカウント値の判断閾値は、連続ロスの判断期間でのカウント値の判断閾値より大きい。これにより、連続的な画像ロスがたとえば4以上で発生している場合に、連続ロス判断部85より先に頻発ロス判断部86が警報要求を出力しないようにできる。連続ロス判断部85は、頻発ロス判断部86による警報要求の出力に影響されることなく独自の判断により有意な警報要求を出力できる。
たとえば乗員判断部において高精度の判断ができない状態の目の撮像画像については、顔認識部82により乗員の顔の一部である目が認識できないと判断するようにすることで、画像から直接的に目の状態を判断できないような画像や状況である場合にはロス判断部の判断により警報要求を生成して出力できる。内カメラ61の撮像画像の中の、乗員判断部では判断に困るような低品質の撮像画像についてはロス判断部の判断により警報要求を生成できるようになる。乗員は、ロス判断部の判断に基づく警報により、乗員判断部の判断に基づく警報の場合と同様に対処することができる。乗員判断部とロス判断部とにより多層化されている直接的および間接的な乗員の運転状態の判断により、本来的に警報要求を生成すべき状況においては、警報を出力することができる。本来的に警報要求を生成すべき状況において、警報要求が生成されなくなってしまう事態の発生を、効果的に抑制できる。
この他にもたとえば、内カメラ61が故障などすると、内カメラ61から撮像画像を取得できなくなる。このような場合、顔認識部82は、撮像画像において顔が認識できない場合と同様に、許可信号を出力しない。その結果、連続ロス判断部85や頻発ロス判断部86といったロス判断部は、内カメラ61から撮像画像を取得できない状況の継続に基づいて、警報要求を生成できる。本実施形態では、乗員の状態だけでなく、内カメラ61の画像に基づく乗員支援機能が正しく機能できていないことについても、警報によりそれを乗員に知らせることができる。
なお、乗員監視装置81、および警報装置87により構成される自動車1の乗員警報装置についても、上述したものと同様の効果を期待できる。
この他にもたとえば、乗員監視装置81と警報装置87とは、1つの自動車1の乗員警報装置として一体的に自動車1に設けられ、その全体が車ネットワーク25に接続されてよい。この場合の乗員監視装置81は、警報部88などを有することになる。
Claims (9)
- 車両の乗員を撮像している第一撮像画像を出力可能な撮像デバイスと、
乗員に対して警報を出力する警報部と、
前記撮像デバイスおよび前記警報部を用いた制御を実行可能な制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記撮像デバイスから取得する前記第一撮像画像について、乗員の顔の少なくとも一部の認識処理を実行する顔認識部、
前記撮像デバイスが出力可能な前記第一撮像画像の中の、前記顔認識部により顔の少なくとも一部が認識できる第二撮像画像に基づいて乗員の運転状態を判断して、乗員が運転可能な状態ではない場合には第一警報要求を生成する乗員判断部、および、
前記撮像デバイスが出力可能な前記第一撮像画像の中の、前記顔認識部により顔の少なくとも一部が認識できない第三撮像画像が複数で発生する場合には、第二警報要求を生成するロス判断部、
として機能し、
前記警報部は、
前記乗員判断部の前記第一警報要求と、前記ロス判断部の前記第二警報要求とに基づいて、乗員に対して警報を出力する、
車両の運転支援システム。
- 前記乗員判断部は、前記第一撮像画像における乗員の顔の目の状態に基づいてわき見または居眠りを判断する、
請求項1記載の、車両の運転支援システム。
- 前記ロス判断部は、少なくとも、前記乗員判断部が乗員の運転状態を判断することができない前記第一撮像画像については、顔が認識できない前記第三撮像画像として、顔が認識できない前記第三撮像画像が複数で発生しているか否かを判断する、
請求項1または2記載の、車両の運転支援システム。
- 前記ロス判断部は、前記撮像デバイスから前記第一撮像画像を取得できない場合には、前記顔認識部により顔が認識できない前記第三撮像画像が発生しているものとして、顔が認識できない前記第三撮像画像が複数で発生しているか否かを判断する、
請求項1から3のいずれか一項記載の、車両の運転支援システム。
- 前記ロス判断部は、
前記撮像デバイスが出力可能な前記第一撮像画像について前記顔認識部により顔が認識できないことが継続的に発生する場合、前記第二警報要求を生成する、
請求項1から4のいずれか一項記載の、車両の運転支援システム。
- 前記ロス判断部として、
前記顔認識部により顔が認識できない状態が連続的に継続して発生すると、前記第二警報要求としての、第三警報要求を生成する第一ロス判断部と、
前記顔認識部により顔が認識できない状態が断続的に繰り返すように継続して発生すると、前記第二警報要求としての、第四警報要求を生成する第二ロス判断部と、を有し、
前記警報部は、
前記第二警報要求としての、前記第一ロス判断部の前記第三警報要求と、前記第二ロス判断部の前記第四警報要求とに基づいて、乗員に対して警報を出力する、
請求項1から5のいずれか一項記載の、車両の運転支援システム。
- 前記第二ロス判断部は、断続的に繰り返し生じていることを、前記第一ロス判断部が連続性を判断する期間より長い期間において判断する、
請求項6記載の、車両の運転支援システム。
- 前記車両を運転する際に乗員が操作する操作部材について乗員が操作可能な状態にあるか否かを検出する検出部、を有し、
前記警報部は、
前記乗員判断部の前記第一警報要求または前記ロス判断部の前記第二警報要求が生成された場合、前記検出部の検出結果に基づいて乗員が前記操作部材を操作可能な状態にあるか否かを判断し、
前記操作部材に対する操作が可能な状態にあるとは判断できない場合、乗員に対して前記操作部材に対する操作を要求する警報を出力する、
請求項1から7のいずれか一項記載の、車両の運転支援システム。
- 前記車両の走行を制御する走行制御装置、を有し、
前記走行制御装置は、前記警報部が警報を出力した後に、乗員が前記操作部材に対して操作可能な状態にあると前記検出部の検出結果が変化しない場合、前記車両を減速または停止する、
請求項1から8のいずれか一項記載の、車両の運転支援システム。
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