JP2021058893A - 熱間ダイス鋼の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】歩留まりと製造性に優れる熱間ダイス鋼の製造方法の提供。【解決手段】予め加熱炉にて加熱された棒材の周囲に複数の金敷を同時に押し当てて縮径し鍛伸する熱間鍛造工程を含む熱間ダイス鋼の製造方法である。加熱炉から取り出した棒材の1パス目の縮径量を2パス目の縮径量よりも小さくするよう金敷の移動を制御し、1パス目において棒材の表層のスケールを剥離させつつ金敷の下部へ落下させるようにすることを特徴とする。【選択図】 図2
Description
本発明は、棒材の周囲に複数の金敷を同時に押し当てて縮径し鍛伸する熱間鍛造工程を含む熱間ダイス鋼の製造方法に関する。
超合金やTi合金などの難加工合金材の加工方法において、鋳塊を分塊鍛造して棒材とし、加熱炉で再加熱後、棒材の周囲を複数の金敷で縮径しながら長手方向に鍛伸して丸棒に鍛造する方法が知られている。かかる方法に用いられる高速四面鍛造装置(NFP鍛造装置)では、周上に配置され半径方向に同期して移動する4つの金敷の間に、加熱された棒材を長手方向に1方向に通過させる。かかる1パスの工程を複数パス繰り返して、1度の加熱工程で所定の径まで棒材を丸棒に鍛伸することができる。
例えば、特許文献1では、分塊鍛造した被鍛造材を加熱し、四面鍛造装置によって鍛伸する加工方法における鍛伸制御の方法を開示している。被鍛造材内部の所定位置における温度変化を金敷の打撃毎に逸失する熱量の式によって予測し、この予測された被鍛造材内部の温度を所定の温度範囲とするように四面鍛造装置の制御を行うとしている。具体的には、直径260mmの分塊鍛造したTi−6Al−4V合金からなる被処理材を加熱炉で950℃に加熱した後、四面鍛造装置に導入し、鍛造を行う。このときの送り出し速度を1パス目が4.6m/分、2パス目が4.7m/分、3パス目が5.5m/分とし、被鍛造材の直径を1パス目で230mm、2パス目で200mm、3パス目で170mmと各パスで同じ縮径量とすべきことが上記した熱量の式から得られるとしている。
ところで、上記した高速四面鍛造装置を用いて熱間ダイス鋼の丸棒の加工が検討された。ここで、比較的硬い熱間ダイス鋼では、高速四面鍛造装置を用いた鍛伸工程後に、鋼材の表面に疵が生じ易く、かかる疵を最終的に切削加工等によって除去する必要があり、歩留まりと製造性の低下が問題となっていた。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、歩留まりと製造性に優れる熱間ダイス鋼の製造方法を提供することにある。
上記したような、四面鍛造装置を用いた鍛伸工程後における鋼材表面の疵については、分塊工程時に生じた疵が鍛伸工程で長手方向に延ばされたもの、及び、鍛伸工程以前に発生した酸化スケールを鍛伸工程で鋼材に食い込ませたものに分類されることを見いだし、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は、予め加熱炉にて加熱された棒材の周囲に複数の金敷を同時に押し当てて縮径し鍛伸する熱間鍛造工程を含む熱間ダイス鋼の製造方法であって、前記加熱炉から取り出した前記棒材の1パス目の縮径量を2パス目の縮径量よりも小さくするよう前記金敷の移動を制御し、前記1パス目において前記棒材の表層のスケールを剥離させつつ前記金敷の下部へ落下させるようにすることを特徴とする。
かかる発明によれば、加熱炉から熱間鍛造工程に使用される鍛造装置へのセット時に最も多く発生する鋼材表層のスケールについて、1パス目の鍛伸における縮径量を抑えることで、スケールを棒材に食い込ませることなく、金敷の下部へ落下させ得るのである。これにより、熱間鍛造工程後における鋼材表面の疵を低減できるとともに、疵抑制のための特別な工程が不要で、製造性にも優れるのである。
上記した発明において、縦軸及び横軸にそれぞれ前記棒材の径及びパス回数を与えたグラフにおいて、前記1パス目から前記2パス目の擬曲線から、前記2パス目以降の擬曲線に連続して接続する径変化の擬曲線が上に凸となっていることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、鍛造装置における金敷の移動の制御を簡便に定義出来て、製造性に優れるのである。
上記した発明において、前記棒材を前記加熱炉に与える前にその周面を熱間切削しておくことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、分塊工程時に生じた疵が熱間鍛造工程で長手方向に延ばされて疵として残存することを抑制できるのである。
本発明による1つの実施例としての熱間ダイス鋼の製造方法について、図1及び図2を用いて説明する。
図1に示すように、熱間ダイス鋼は高速四面鍛造装置10によって棒材1として製造される。熱間ダイス鋼は、鋳造及び分塊鍛造を経た上で、断面を八角形などの多角形とする棒材1として高速四面鍛造装置10による熱間鍛造工程に供される。
高速四面鍛造装置10は、周囲の4方向から金敷2を棒材1に同時に押し当てつつ棒材1を縮径して鍛伸する装置である。4つの金敷2は、棒材1をそれぞれ中心方向へ押圧するよう同期して移動する。
熱間鍛造工程において、棒材1は予め加熱炉にて所定の鍛造温度まで加熱され、高速四面鍛造装置10に一端部から挿入される。棒材1は、さらに金敷2による圧縮を受けながら中心軸の周りに回転させられ、断面を円形とするように縮径される。この縮径を、一端部から他端部に向けて移動させつつ繰り返す(特に図1(b)参照)。このようにして、棒材1を一端部から他端部まで続けて縮径させて、1パスを終了する。2パス目以降も同様に一端部から他端部まで縮径をして、所定のパス数を繰り返して鍛伸する。このとき、予定した直径まで縮径して鍛伸できるように各パスでの縮径量を定めておく。なお、高速四面鍛造装置10では、加熱炉による加熱を1回としてかかる所定数のパスを全て完了させ、熱間鍛造工程中の再加熱は行わない。このように、本実施例の熱間鍛造工程は鍛伸工程である。
図2には、縦軸に棒材の1パス毎の鍛造後の径、横軸にパス回数としたグラフを示した。
ここで、「従来例」として示すように、従来の方法では、1パス目で最大の縮径量として、以下、前のパスと同一以下の縮径量が設定されていた。ここでは、1パス目で70mm、2パス目で65mmの縮径量としていた。上記したように高速四面鍛造装置10による熱間鍛造工程では再加熱を行わない。そのため、比較的短時間で全てのパスを完了しなくてはならない。そこで、比較的高温である1パス目を最大の縮径量として時間効率を高くするとともに、最終パスで最小の縮径量として正確な寸法を得られるようにした。なお、図中、1パス目以降に「断面形状:丸」とあるように、熱間鍛造工程前では八角形の断面形状だった棒材を1パス目で略円形の断面形状の棒材とし、以降は断面形状において略円形を維持した。
しかし、この従来の方法では鍛伸後の粗加工(皮むき)により表面疵を発見することが多かった。そして、この表面疵の除去のために歩留まりや製造性を低下させてしまっていた。この表面疵を調査したところ、スケールの巻き込みによるものであった。また、高速四面鍛造装置10を用いた鍛伸では、押圧する部分が周方向に多いため、2面を押圧する通常の鍛造に比べてスケールの落下量が少なくなり易いと考えられた。加えて、加熱炉から取り出して高速四面鍛造装置10までの移動の際の温度低下によって棒材表層におけるスケールの発生量が著しく多いことも判った。つまり、ここで発生したスケールを熱間鍛造工程にて巻き込んでいる可能性が高いと思われた。
そこで、本発明者らは、スケールの巻き込みを減じるべく鋭意検討し、本実施例の熱間鍛造の方法を見出した。すなわち、同図に「本実施例」として示すように、1パス目の縮径量を2パス目の縮径量よりも小さくするよう金敷2の移動を制御した。ここでは、1パス目で20mm、2パス目で60mmの縮径量とした。このような寸法変化となるよう熱間鍛造工程を棒材1の製造において実施したところ、スケールの巻き込みによる表面疵の発生割合を減少させることができた。
詳細には、熱間鍛造工程前の寸法を八角形断面で490mm(図2参照)とした棒材について従来例及び本実施例の両者でそれぞれ30本ずつ鍛伸した。その結果、表面疵の残存による不適合率は、従来例であれば30本中4本の13.3%であったのに対し、本実施例によれば30本中2本の6.6%と半減させることができた。なお、1パス目のスケールの機外への落下量を調べたところ、従来例の250kgに対して本実施例では290kgと15%程度多くなったことも確認された。これから推定される1パス目終了後の表層スケールの棒材への残存量は従来例で50kg、本実施例で10kgである。つまり、1パス目でより多くの表層スケールを剥離させて金敷2の下へ落下させ、これによって表層スケールの巻き込み量を減じることができたのである。
また、同図のグラフは各パス終了時点での棒材1の直径をプロットして直線で結んだ折れ線グラフである。この、本実施例の折れ線を滑らかな曲線と見立てた擬曲線において、1パス目から2パス目(1パス目開始前から2パス目終了後まで)の擬曲線は上に凸となった。つまり、金敷2の移動を制御することで、このように2パス目以降の擬曲線に連続して接続する1パス目から2パス目の径変化の擬曲線を上に凸となるようにして、表層スケールの巻き込みを減じることができる。特に、本実施例では、従来例と同一の総パス数で同一形状の丸棒を得るよう鍛伸した上で、上記したように不適合率を減少できた。なお、従来例であれば、上記したように前のパスと同一以下の縮径量を設定されており、同様の擬曲線では下に凸となる。
以上のように、本実施例における熱間ダイス鋼の製造方法によれば、表層スケールの巻き込みを減じて表面疵の発生を抑制し、歩留まりと製造性に優れる。このような製造方法は、棒材の周囲に複数の金敷を同時に押し当てて縮径し鍛伸する熱間鍛造であれば、鋼種によらずに用いることができる。
なお、棒材1を加熱炉で加熱する前に、棒材1の周面を熱間切削しておくと、分塊鍛造時に生じた疵を除去できて、疵の残存を抑制でき得て好ましい。
以上、本発明の代表的な実施例を説明したが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、種々の代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
1 棒材
2 金敷
10 高速四面鍛造装置
2 金敷
10 高速四面鍛造装置
Claims (3)
- 予め加熱炉にて加熱された棒材の周囲に複数の金敷を同時に押し当てて縮径し鍛伸する熱間鍛造工程を含む熱間ダイス鋼の製造方法であって、
前記加熱炉から取り出した前記棒材の1パス目の縮径量を2パス目の縮径量よりも小さくするよう前記金敷の移動を制御し、前記1パス目において前記棒材の表層のスケールを剥離させつつ前記金敷の下部へ落下させるようにすることを特徴とする熱間ダイス鋼の製造方法。 - 縦軸及び横軸にそれぞれ前記棒材の径及びパス回数を与えたグラフにおいて、前記1パス目から前記2パス目の擬曲線から、前記2パス目以降の擬曲線に連続して接続する径変化の擬曲線が上に凸となっていることを特徴とする請求項1記載の熱間ダイス鋼の製造方法。
- 前記棒材を前記加熱炉に与える前に、その周面を熱間切削しておくことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱間ダイス鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019182700A JP2021058893A (ja) | 2019-10-03 | 2019-10-03 | 熱間ダイス鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019182700A JP2021058893A (ja) | 2019-10-03 | 2019-10-03 | 熱間ダイス鋼の製造方法 |
Publications (1)
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JP2021058893A true JP2021058893A (ja) | 2021-04-15 |
Family
ID=75381077
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2019182700A Pending JP2021058893A (ja) | 2019-10-03 | 2019-10-03 | 熱間ダイス鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2021058893A (ja) |
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2019
- 2019-10-03 JP JP2019182700A patent/JP2021058893A/ja active Pending
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