以下、図面を参照しながら、本発明の各実施形態を詳細に説明する。[第1実施形態] 図1に、本発明の一実施形態であるスロットマシン10の外観斜視図を示す。スロットマシン10の筐体は、各種装置を収容する本体部12と、本体部12の前面側(遊技者側)に開閉可能に設けられた前面扉14とによって構成されている。この前面扉14のほぼ中央部には、フロントパネル20が設けられ、その略中央には表示窓21が形成されている。本体部12の内部には3個のリール40L,40C及び40Rが回転自在に設けられ、各リールの外周面に印刷された図柄を表示窓21から視認できるようになっている。
リール40L,40C及び40Rは、各回転軸が水平方向の同一直線上に並ぶように設置されている。各リールの形状はリング状になっており、その外周面には均等に区分された20個の図柄領域に、各々1つずつ図柄が印刷された帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに表示窓21から、各リールに印刷された20個の図柄のうち各リールの回転方向に沿って連続する3つの図柄が視認可能となっている。これにより、表示窓21には3[図柄]×3[リール]=合計9つの図柄が停止表示される。ここで、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに表示される連続する3つの図柄のうち、最も上側の図柄が停止表示される位置(停止表示位置ともいう)を上段U、中央の図柄が停止表示される位置を中段M、最も下側の図柄が停止表示される位置を下段Dという。
また、左リール40Lの下段D、中リール40Cの中段M及び右リール40Rの上段Uを横切る1本の入賞ラインL(有効ラインとも称する。)が定められている。この入賞ラインLは、予め定められた複数種類の役(後述する)に対応する図柄組合せが停止表示されたか否かを判定する際の基準となるラインである。すなわち、リール40L,40C及び40Rが停止したときに、入賞ラインLが通過する停止表示位置(左リール40Lの下段D、中リール40Cの中段M及び右リール40Rの上段U)に停止表示された3つの図柄からなる組合せが、いずれかの役に対応していればその役が入賞したことになる。なお、以下では、単に「図柄組合せが停止表示された」または「図柄(または図柄組合せ)が揃った」と記載されている場合は、その図柄組合せが入賞ラインLに沿って停止表示されたことを意味する。また、左リール40Lの下段D、中リール40Cの中段M及び右リール40Rの上段Uのことを、「入賞停止位置」ともいう。
フロントパネル20には、表示窓21の他に遊技に関する各種情報を遊技者へ知らせるための各種ランプおよび表示器が設けられている。表示窓21の下側には、図1中、左から順に、ベット数(賭け枚数)表示ランプ26a,26b,26c、クレジット数表示器(「貯留枚数表示器」ともいう。)27、および、獲得枚数表示器28が設けられている。ベット数表示ランプ26a,26b,26cは、1回の遊技にベットされるメダルの枚数を表示するものである。ここでは、1枚のメダルがベットされるとベット数表示ランプ26aのみが点灯し、2枚のメダルがベットされるとベット数表示ランプ26aおよび26bが点灯し、3枚のメダルがベットされるとベット数表示ランプ26a,26b,26cが点灯する。
なお、フロントパネル20には、図示は省略しているが上述した各種ランプの他に、遊技開始表示LED、投入表示LED、再遊技表示LEDおよび清算表示LEDといった、遊技の進行に関する状態を表す各種LEDが設けられている。遊技開始表示LEDは、スタートスイッチ36の操作が許可されているか否かを示し、点灯は操作が許可されていることを示し、消灯は許可されていないことを示す。投入表示LEDは、セレクタ80内のブロッカのオン/オフ状態を示しており、点灯はブロッカがオン状態(メダル投入可能)であり、消灯はブロッカがオフ状態(メダル投入不可)であることを示す。再遊技表示LEDは、後述する再遊技が実行可能なときに点灯し、当該再遊技が終了したときに消灯する。清算表示LEDは、後述する清算スイッチ33が操作されたことにより、クレジットされていたメダルが払い出されている間点灯する。
スロットマシン10で遊技を行うためにベットするメダルは、遊技媒体の一種である。遊技媒体は、メダルに限らず、遊技球(いわゆるパチンコ球)であってもよいし、磁気カード、非接触式ICカードまたはICチップを内蔵したコインなどの記録媒体に記録された価値を示す情報であってもよい。スロットマシン10は、規定数(本実施形態では3枚)のメダルがベットされると1回の遊技が可能となり、入賞ラインLが有効ラインとされる。クレジット数表示器27は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10にクレジット(貯留)されている(より具体的には、後述する主制御手段100内の記憶したデータを書き換え可能な不揮発性メモリ(RWM:リードライトメモリ)に記憶されている)メダルの枚数を表示する。本実施形態では、クレジットすることができるメダルの上限数は50枚である。獲得枚数表示器28は、2桁の7セグメント表示器からなり、遊技の結果に応じて遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する。
上述したフロントパネル20の下側には、スロットマシン10の全幅に亘って概略水平に形成され、遊技者方向に突出した操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の前面右側には、本体部12に対して前面扉14を施錠または開錠するドアキー31が設けられている。本実施形態では、ドアキー31に台鍵(図示略)を差し込み、時計回りに回す(前面扉14に向かって右に回転させる)と前面扉14が開錠され、反時計回りに回す(前面扉14に向かって左に回転させる)とエラー状態の解除(リセット)を行うことができる。操作パネル部30の上面右側には、スロットマシン10へメダルを投入するためのメダル投入口32が設けられている。また、スロットマシン10の内部には、メダルを選別する為のセレクタ(後述する)が設けられ、セレクタが備えているメダルセンサ(投入センサ)が、メダル投入口32から投入されたメダルを検出すると、後述する主制御手段100へメダル検出信号を出力する。主制御手段100は、入力されたメダル検出信号に基づいて、投入されたメダル枚数のカウントや、メダル投入時の不正行為などの異常検出を行っている。
操作パネル部30の上面左側には、クレジットされているメダルをスロットマシン10にベットする(換言すると、賭数を設定する)ためのベットスイッチ34,35が設けられている。1−ベットスイッチ34は、1回操作されるごとにクレジットされているメダルのうち1枚だけを遊技の賭けの対象としてベットする。最大ベットスイッチ35は、クレジットされているメダルのうち、現在の遊技においてベットすることができる最大枚数(規定枚数)のメダルを、遊技の賭けの対象としてベットする。ここで、スロットマシン10においては、規定枚数が3枚になっている。また、規定枚数までメダルがベットされている状態でメダル投入口32にメダルが投入されると、その投入されたメダルはクレジットに記憶される。なお、規定枚数のメダルがベットされ、かつ、クレジットに記憶された枚数が上限値(50枚)に達した状態でメダル投入口32にメダルが投入されたときは、そのメダルは後述するメダル払出口60から受け皿61に戻される。
メダル投入口32と、最
大ベットスイッチ35との間には、遊技者がスロットマシン10へ情報を入力するための選択スイッチ38および決定スイッチ39が設けられている。選択スイッチ38は、上下左右の方向を指定する上スイッチ、下スイッチ、左スイッチおよび右スイッチの4つのスイッチで構成されている。そして、操作されたスイッチに対応して、上方向、下方向、左方向または右方向のいずれかが指定される。決定スイッチ39は、光が透過する部材で形成され、その内部にはLEDなどの光源が設けられている。また、決定スイッチ39の上面(操作面)には“PUSH”の文字が印刷されている。選択スイッチ38および決定スイッチ39は、演出の内容等を決定することが可能なスイッチであることから、これらスイッチをまとめて演出スイッチとも称する。
操作パネル部30の正面左側には、スタートスイッチ36が傾動可能に設けられている。スタートスイッチ36は、遊技者がスロットマシン10に規定枚数のメダルがベットされると操作が有効となる。ただし、後述する再遊技に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃った(入賞した)ときは、次の遊技(再遊技)において、再遊技役(「リプレイ役」ともいう。)が入賞した遊技でベットされていたベット数が自動的にベットされ、ベット数表示ランプ26a,26b,26cが規定枚数分だけ点灯し、次の遊技を行うためのスタートスイッチ36の操作が有効となる。なお、この状態でメダル投入口32へメダルが投入された場合、そのメダルを受け皿61に返却するようにしてもよいし、クレジットの上限値に達するまで貯留するようにしてもよい。
スタートスイッチ36の操作が有効になった状態で、遊技者がスタートスイッチ36を傾動操作すると、3つのリール40L,40C及び40Rが回転を開始する。これにより、リール40L,40C及び40Rの各外周面に印刷された図柄は、原則として、表示窓21内を上から下へと変動(スクロール)表示されるが、後述するフリーズ演出中は、図柄が下から上へと変動表示される場合がある。
操作パネル部30の正面中央部には、リール40L,40C及び40Rに対応してストップスイッチ37L,37C及び37Rが設けられている。ここで、ストップスイッチ37L、37C及び37Rは、いわゆる自照式の押しボタンスイッチであり、押しボタンの部分が発光するとともに、その発光色が変化し得る構造になっている。例えば、ストップスイッチの操作が無効(受付られない状態)になっているときは、そのストップスイッチの押しボタン部分が赤い発光色となり、操作が有効(受付可能な状態)になっているときは青い発光色となる。ストップスイッチ37L、37C及び37Rは、リール40L、40C及び40Rの回転速度が所定の定常回転速度(例えば、80回転/分。単に「定速」ともいう。)に達したことを条件として、遊技者の操作が有効となる。なお、遊技者のストップスイッチに対する操作が無効になっている間は、ストップスイッチを赤く発光させる代わりに、消灯するようにしてもよい。
また、遊技中に左ストップスイッチ37Lが押動操作されると、当該遊技において左リール40Lのリール停止制御が行われて回転が停止し、中ストップスイッチ37Cが押動操作されると、中リール40Cのリール停止制御が行われて回転が停止し、右ストップスイッチ37Rが押動操作されると、右リール40Rのリール停止制御が行われて回転が停止する。なお、以下では、全リールが回転を開始してから最初のストップスイッチの操作を第1停止操作といい、2番目の操作を第2停止操作といい、最後の操作を第3停止操作という。リール40L、40C及び40Rが停止するときは、各リールの外周面に設定された20個の図柄領域のうち表示窓21に停止表示された連続する3つの図柄領域の各中心位置が、表示窓21内に設定された上段U、中段Mおよび下段Dの各中央位置に一致するように停止する。ここで、図柄領域の中心位置と、停止表示位置の中央位置とが一致する位置を定位置という。
操作パネル部30の左側には、清算スイッチ33が設けられており、メダルのベット受付期間内に操作されると、ベットされているメダル及びクレジットされていたメダルがすべて払い戻され、クレジット数表示器27に表示されている値が「0」になる。ここで、「清算」の文言は「精算」と表記してもよい。メダルのベット受付期間は、例えば、全てのリールが停止してから(メダルが払い出される場合は、メダルの払い出しが終了してから)、規定枚数のメダルがベットされてスタートスイッチ36の操作が有効となるまでの間とする。上述した清算スイッチ33は、1回操作すると、ベットされたメダルとクレジットされていた全てのメダルが払い戻されるようになっているが、例えば、ベットされているメダルおよびクレジットベットされているメダルがあるときに清算スイッチ33が操作された場合は、ベットされていたメダルのみを払い戻し、この状態(メダルがベットされていない状態)で、再度、清算スイッチ33が操作された場合に、クレジットされているメダルを全て払い出すようにしてもよい。また、ある遊技で再遊技役が入賞し、次の遊技で再遊技を行うことになったときに清算スイッチ33が操作された場合は、クレジットされているメダルのみを払い戻し、再遊技はそのまま実行可能な状態にするとよい。
操作パネル部30の下側には、スロットマシン10の機種名やモチーフとして採用されたキャラクタなどが描かれた下部パネル50が配設されている。下部パネル50の左側には左サイドランプ52Lが、右側には右サイドランプ52Rが設けられている。サイドランプ52L,52Rは、遊技待機中や遊技結果に応じて所定のパターンに従って点滅する装飾用のランプである。下部パネル50の下方略中央には、遊技者に対してメダルを払い出すためのメダル払出口60が設けられている。
例えば、リール40L、40C及び40Rが停止したときに、入賞ラインLに沿って停止表示された3つの図柄の組合せが入賞役(「小役」ともいう。)に対応していた場合、その入賞役に対応した枚数のメダルがクレジットに記憶されるか、またはスロットマシン10の内部に設置されたメダル払出装置が作動(具体的にはホッパーモータが駆動)して、メダル払出装置のホッパーに貯留されているメダルのうち、入賞した入賞役に対応する枚数のメダルが払い出される。また、メダルがクレジットされている状態で清算スイッチ33が操作されると、クレジットされていたメダルが払い出される。そして、メダル払出口60から払い出されたメダルは受け皿61に貯留される。メダル払出口60の右側および左側には、各々、スロットマシン10内部に収納されたスピーカ64R,64L(後述する)から発せられた音を外部へ通すための透音孔62R,62Lが設けられている。
フロントパネル20の上部には、液晶ディスプレイパネルから構成される画像表示装置70が設けられている。なお、画像表示装置70は、液晶ディスプレイパネルに限らず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる表示装置を用いることが可能である。この画像表示装置70は、後述するシステムメニュー画面や、システムメニュー画面で選択された画像、遊技履歴、遊技待機中に表示されるデモ用の画像(いわゆるデモ画面)、役抽選の結果やストップスイッチの操作態様(操作タイミングまたは操作順序など)を報知するための演出画像、スロットマシン本来の遊技の進行(メダルベット→スタートスイッチ36の操作→リールの回転→ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作→全リール回転停止)に応じた演出画像等を表示することができる。
画像表示装置70の上方には、リール40L,40C,40Rが停止し、何らかの役が入賞した場合や、遊技によってメダルが払い出されやすい状態(遊技者にとって有利な状態)になっている場合などに応じて、所定のパターンで点滅する演出用ランプ72が設けられている。演出用ランプ72の左側には、左装飾ランプ72Lが、右側には右装飾ランプ72Rが設けられている。装飾ランプ72L,72Rは、サイドランプ52L,52Rと同様、遊技待機中や遊技結果に応じて所定のパターンに従って点滅する装飾用のランプである。
<スロットマシンの内部構造の説明> 次に、図2を参照して、スロットマシン10の内部構造について説明する。なお、図2において、図1に示した各部と同じものについては同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図2は前面扉14を開けた状態を示しており、前面扉14の裏側(筐体内部側)と、本体部12の内側とを図示している。
図2において、前面扉14の上方、図1に示した表示装置70の裏側には、スロットマシン10で行われる遊技の演出を制御する副制御手段200がケースに収容された状態で取り付けられている。副制御手段200は、後述する副制御基板と画像制御基板とによって構成される。これら各制御基板には、プリント基板上に実装されたCPUやその他IC等の電子部品を含む回路が構成されている。表示窓21の下側には、前述したセレクタ80が設けられており、図1に示したメダル投入口32へ投入されたメダルを選別している。例えば、投入されたメダルの外形寸法や材質などが所定の規格に合わなかった場合は、そのメダルを図1のメダル払出口60に連接する返却通路81aへと導き、受け皿61へ排出する。
これに対して、投入されたメダルの外形寸法や材質などが所定の規格に適合していた場合は、そのメダルを後述するメダル払出装置83のホッパー83a(メダルを貯留する容器)へ送るための受入通路81bへ導く。また、セレクタ80は、第1投入センサ48a、第2投入センサ48bおよびメダル通路センサ49を備えており、これらのセンサによって受入通路81bへ導かれるメダルの検出や、メダルの投入に関する異常を検出している。例えば、第1投入センサ48aおよび第2投入センサ48bによってメダルが検出される時間差や検出される順序などに基づいて、投入されたメダルに関する異常を判断している。また、メダル通路センサ49が所定時間以上、メダルを検出し続けた場合は、セレクタ80内でメダル詰まりが発生したと判断している。なお、前面扉14の下側には、図1に示した透音孔62R,62Lに対応する位置に、各々スピーカ64R,64Lが取り付けられている。
次に本体部12の内部において、正面右上には、前面扉14の開閉を検出するドアスイッチ44が取り付けられている。ここで、図2ではドアスイッチ44が本体部12側に設けられているが、前面扉14側に設けてもよい。また、本体部12の背板上方には、遊技の制御を行う主制御手段100がケースに収容された状態で取り付けられている。主制御手段100は、CPU、ROM(リード・オンリー・メモリ)、RWM(リード・ライト・メモリ。)、乱数生成手段(乱数回路)およびタイマカウント手段(タイマ回路)、I/Oポートが1つのチップ内に構成されたものである。この主制御手段100は主制御基板とも呼ばれ、主制御手段100の機能を実現するための回路は一枚のプリント基板上に構成されている。このプリント基板上には、設定値を表示するための7セグメント表示器(設定値表示器)87が実装されている。この設定値は後述する役抽選において、所定役の当選確率を設定するものであり、一般に、「1」から「6」までの6通りの設定が可能になっている。
なお、設定値表示器87の設置場所としては、主制御手段100のプリント基板上に限らず、例えば前面扉14の裏側に設定値表示器87を実装したプリント基板を取り付けてもよい。また、前述したクレジット表示器27や獲得枚数表示器28に設定値を表示可能に構成してもよい。設定値表示器87は設定値を表示可能な表示手段に相当し、クレジット表示器27や獲得枚数表示器28に設定値を表示可能にした場合は、これらの表示器も表示手段に相当
する。
本体部12の下方には、図2中、左側から順に、電源ユニット82、メダル払出装置83およびメダル補助収容庫84が配設されている。電源ユニット82は、入力されたAC100Vを複数種類の直流電圧に変換し、スロットマシン10が備える各種装置に供給する。また、電源ユニット82の正面パネル面において、上方左側には、スロットマシン10の電源をオン/オフするためのロッカースイッチである電源スイッチ82aが設けられている。また、電源スイッチ82aの右側には、いわゆる設定値の変更を可能にするためのキースイッチ82bが設けられている。電源スイッチ82aの下側には、押しボタン式の設定/リセットスイッチ82cが設けられている。この設定/リセットスイッチ82cは、後述する各種異常が検知されたことによって遊技の制御が強制的に停止された場合に、再び遊技の制御を開始させる際に操作されるものである。
なお、図1に示したドアキー31において台鍵を反時計回りに回した場合も、設定/リセットスイッチ82cを操作した場合と同様の作用を呈する。また、上述したキースイッチ82bおよび設定/リセットスイッチ82cは、いずれもオフ状態(第1の状態)とオン状態(第2の状態)とに切り替え可能な切替手段に相当する。また、ドアキー30についても、台鍵が中立している状態(第1の状態)と、台鍵を左に回してエラーを解除す得る状態(第2の状態)とに切り替え可能な切替手段に相当する。また、キースイッチ82bおよび設定/リセットスイッチ82cは、本体部12内に設けられた電源ユニット82に取り付けられているが、前面扉14の裏側に取り付けてもよい。このように、キースイッチ82bおよび設定/リセットスイッチ82cは、本体部12および前面扉14からなる筐体の内部に設けられているため、前面扉14が閉じられた状態では操作が困難になっている。また、「操作が困難」とは、例えば、前面扉14が閉められた状態では、針金や棒状の部材等を使った不正行為によって操作しなければならない、または、前面扉14が開いていることを不正行為によってドアスイッチ44が検出できない状態にした上で、前面扉14を開けて操作しなければならない、といった意味合いも含んでいる。
メダル払出装置83は、遊技の結果、小役が入賞したとき、または、クレジットしていたメダルを遊技者へ返却するときに、メダルを払い出す装置である。具体的には、メダル払出装置83の内部に設けられた円盤状のディスク(図示略)がホッパーモータ46によって回転すると、前述したホッパー83aに貯留されたメダルが、排出口83bから一枚ずつ飛び出すようになっている。一方、前面扉14の裏面には、メダル払出口61につながっている払出通路81cが設けられており、排出口83bから飛び出したメダルが、払出通路81cに穿設されたメダル孔81dに飛び込むことで、受け皿61へメダルが払い出される。メダル払出装置83内において、排出口83bの近傍には、排出されるメダルを検知する第1払出センサ47aおよび第2払出センサ47bが設けられている。主制御手段100は、これら払出センサの出力信号に基づいて、払い出したメダルを計数すると共に、メダルの払い出しに関する異常を検出する。
メダル補助収容庫84は、メダル払出装置83のホッパー83aに大量のメダルが貯留されたことなどにより、ホッパー83aから溢れたメダルを受けるための箱である。メダル補助収容庫84の奥側の垂直壁面には、開口Kの近くに2つ、底面の近くに1つ、計3つの丸穴84aが穿設されている。そして、メダル補助収容庫84を、本体部12内の所定の位置に置いたときに、本体部12に取り付けられている2本の棒状電極85aと、1本の棒状電極85bとが、各々対応する丸穴84aを通して、メダル補助収容庫84内に貫入される。そして、メダル補助収容庫84内にメダルが蓄積されていき、メダルが棒状電極85aの位置まで蓄積されると、メダル自身の導電性によって棒状電極85aと85bとの間が電気的に導通する。主制御手段100は、この導通を検知することで、貯留されているメダルが上限に達したことを検知している。なお、図2に示した棒状電極は、開口Kの近くに2本、底面の近くに1本の計3本になっているが、これに限らず、開口Kの近くに1本、底面の近くに1本の計2本であってもよいし、開口Kの近くに2本、底面の近くに2本の計4本であってもよい。
本体部12内、ドアスイッチ44の下側には、外部集中端子基板86が設置されている。外部集中端子基板86は、スロットマシン10で行われている遊技に関する情報を含んだ信号を、外部の各種機器(いわゆるホールコンピュータや、遊技場に設置された遊技履歴表示装置など)に対して出力するための中継基板である。本体部12内の略中央には、リール40L,40C,40Rを内包するリールユニットが設置されている。リール40L,40C,40Rの内側には、各々対応するリールを回転させるためのステッピングモータ42L,42C,42Rと、対応するリールの基準位置(後述する)を検出するための回胴センサ43L,43C,43Rが設けられている。
[図柄および図柄配列の説明] 次に、図3を参照して、リール40L、40C及び40Rの各外周面に貼り付けられるリールテープに印刷された図柄の配列について説明する。リール40L、40C及び40Rの各外周面には、図3(a)に示すように20個の図柄が印刷されている。各図柄は、リールテープの長手方向において、20等分に区画された各図柄領域に1つの図柄が印刷されている。また、各図柄領域に表示される図柄の種類には、図3(b)に示すように、数字の7を赤色および白色で表した「赤7」図柄および「白7」図柄と、“BAR”の文字が描かれた「バー」図柄と、黄色のベルをモチーフとした「ベル」図柄と、青色のプラムをモチーフとした「リプレイA」図柄および濃い青色のプラムをモチーフとした「リプレイB」図柄と、緑色のスイカをモチーフとした「スイカA」図柄および「スイカB」図柄と、赤いサクランボをモチーフとした「チェリー」図柄と、樹木をモチーフにした「ブランク」図柄とがある。
また、リール40L、40C及び40Rの各々に貼り付けられるリールテープの各図柄領域には、図3(a)に示すように「0」〜「19」の図柄番号が予め定められており、各図柄番号に対応する図柄の種別コードが、主制御手段100のROMに記憶されている。各リールの図柄番号および対応する種別コードは、スロットマシン10が、各リールについて、表示窓21の各停止表示位置(上段U、中段M、下段D)に表示された図柄を認識する場合などに参照される。図3(a)に示す各リールテープは、図柄番号「0」と「1」の間を切り離して展開した状態を示しており、各リールテープをリール40L、40C及び40Rの外周面に貼り付けたときは、図柄番号「0」と「1」の図柄が連続することになる。
[図柄組合せと条件装置との対応の説明] 次に、上述した図柄配列の各リールが停止したときに、入賞ライン上に表示された図柄組合せと、条件装置との対応について図4〜図7を参照して説明する。図4〜図7に示す図柄組合せは、それらの図柄組合せが入賞ライン上に揃うと、遊技者に対して特典が付与されるものを図示している。遊技者に対して付与される特典には、再遊技、入賞およびBBの3種類があり、これらの特典に対して予め定められた図柄組合せが対応付けられている。ここで、図4(a)に示す図柄組合せはBBを付与可能なボーナスの図柄組合せに対応し、図4(b)および図5に示す図柄組合せは再遊技を付与可能な再遊技役(リプレイ役)の図柄組合せに対応し、図6および図7に示す図柄組合せは入賞を付与可能な小役の図柄組合せに対応している。
上述した特典のうち、再遊技は、対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うと、次の遊技に限ってメダルを投入することなく再び遊技(再遊技)を行うことができる特典である。また、入賞は、対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うと、その図柄組合せに応じた枚数のメダルが遊技者に払い出される特典である。BBは、対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うと、次の遊技から所定の終了条件が成立するまで、遊技者に有利なRB遊技が繰り返し行われるBB遊技(ボーナス遊技)を行う特典である。BB遊技の終了条件は、BB遊技中に払い出されたメダル枚数が予め定められた枚数(本実施形態では456枚)を越えると成立する。
BB遊技中に実行されるRB遊技は、極めて高確率で入賞役が入賞する遊技であり、RB遊技中に8回を超えない回数のうち予め定められた回数の入賞、またはRB遊技が開始してから12回の遊技を超えない遊技回数のうち予め定められた遊技回数が行われると終了する。RB遊技が終了すると、BB遊技の終了条件が成立していなければ、そのまま次の遊技からRB遊技が開始される。なお、RB遊技中にBB遊技の終了条件が成立した場合は、RB遊技の途中であってもそのRB遊技およびBB遊技は終了する。
なお、以下では図柄組合せを表す場合、左リール、中リール、右リールの順に各リールにおける図柄の名称を記し、カギ括弧で括ることとする。例えば図3(a)に示すBB遊技に対応する図柄組合せは「白7−白7−白7」と表す。
また、図4〜図7に示す図柄組合せには、各々条件装置が対応付けられている。条件装置は、対応付けられた図柄組合せを入賞ライン上に揃えるために必要な条件とされている装置であり、条件装置が作動することで、その条件装置に対応する図柄組合せを入賞ライン上に揃えることが可能となる。どの条件装置が作動するかは、後述する役抽選によって定められる。そして、図4(a)に示すように、BB遊技に対応する図柄組合せ「白7−白7−白7」には、「BB01」という条件装置が対応付けられている。また、図4(b)および図5に示す再遊技の図柄組合せに対応する条件装置には、「再遊技01」〜「再遊技13」があり、それぞれの条件装置に1つまたは複数の図柄組合せが対応付けられている。
図6または図7に示す入賞(小役)の図柄組合せに対応する条件装置には、「入賞01」〜「入賞24」があり、再遊技役の条件装置と同様に、それぞれの条件装置に1つまたは複数の図柄組合せが対応付けられている。ここで、条件装置「入賞01」〜「入賞03」および「入賞24」に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃った場合は、9枚のメダルが払い出される。また、条件装置「入賞04」〜「入賞08」に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃った場合は、1枚のメダルが払い出される。さらに、条件装置「入賞09」〜「入賞23」に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃った場合は、8枚のメダルが払い出される。
[制御手段の説明] 次に、図8に示す機能ブロック図を参照して、スロットマシン10の制御を行う制御手段について説明する。スロットマシン10の制御手段は、遊技の進行を制御する主制御手段100と、遊技の演出を制御する副制御手段200とによって構成されている。主制御手段100は、遊技者の操作に応じて遊技を進行させる制御を行い、副制御手段200は、主制御手段100から送信された情報に基づいて遊技の進行に伴って実行される演出や各種情報の報知を制御する。なお、主制御手段100と副制御手段200との間でやりとりされる情報の送信は、主制御手段100から副制御手段200への一方向に限られており、副制御手段200から何らかの情報が主制御手段100へ直接送信されることはない。
≪主制御手段の説明≫<主制御手段およびその周辺のハードウェア構成> 主制御手段100は、CPU、ROM(リード・オンリー・メモリ。記憶手段ともいう。)、RWM(リード・ライト・メモリ。記憶手段ともいう。)、乱数生成手段(乱数回路)およびタイマカウント手段(タイマ回路)、I/Oポートが1つのチップ内に構成されたものである。この主制御手段100
は主制御基板とも呼ばれ、主制御手段100の機能を実現するための回路は一枚の基板上に構成されている。ここで、上述したCPUは、演算を行うためのアキュムレータ(Aレジスタ)と、複数の汎用レジスタ(Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、LレジスタおよびQレジスタ)と、フラグレジスタとを備えている。これらのレジスタはいずれも1バイト(8ビット)で構成されている。また、汎用レジスタのうち、BおよびCレジスタ、DおよびEレジスタ、HおよびLレジスタは、それぞれペアで用いて16ビット(2バイト)のレジスタとして使用することができる。なお、2つの汎用レジスタをペアで使用する場合は、各レジスタを表す2つのアルファベットをまとめて表記する。たとえば、HレジスタとLレジスタをペアで使用する場合は、HLレジスタと表記する。
また、フラグレジスタは各ビットがCPUによる演算結果に関する状態を示すフラグになっているものであるが、本実施形態のフラグレジスタには、キャリーフラグ、ゼロフラグおよび第2ゼロフラグが含まれている。ここで、キャリーフラグは、演算(加算)を行ったときに桁上がりが生じた場合、および演算(減算)を行ったときに桁下がりが生じた場合に「1」となるフラグである。ゼロフラグは、演算結果が「0」になったときに「1」となるフラグである。第2ゼロフラグは、ゼロフラグが「1」になったとき、および、所定の演算(LD命令)を行ったときに「1」となるフラグである。なお、図8において、図1および図2に示した各部と同じ構成については同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。
乱数生成手段(乱数回路)は、各種抽選を行う際に使用される乱数を生成し、タイマカウント手段(タイマ回路)は、CPUなどが作動するためのクロック信号の計数値に基づいて割込要求信号を生成する。また、I/Oポートは、操作手段300、各種ランプ類、ステッピングモータ42L,42C,42R、回胴センサ43L,43C,43R、ドアスイッチ44、ブロッカ45、ホッパーモータ46、払出センサ47a,47b、投入センサ48a,48b、メダル通路センサ49および外部集中端子基板86といった各部構成に対する信号を出力し、各部構成からの信号を入力する。各種ランプ類には、図1に示したものの他、例えば上述した主制御基板に実装された設定値表示器87が含まれている。この設定値表示器87は、1つの7セグメント表示器からなり、後述する設定確認モード中や設定変更モード中において、現在の設定値を数値(1〜6)によって表示する。
ここで、ステッピングモータ42L,42C,42Rは、主制御手段100から出力される励磁信号にしたがって、対応するリール40L,40C,40Rを回転または停止させる。回胴センサ43L,43C,43Rは、リール40L,40C,40Rに各々対応して設けられており、対応するリールの基準位置に設けられたインデックス(被検出部材)を検出すると、その検出信号を主制御手段100に対して出力する。これにより主制御手段100は、当該インデックスの検出位置を基準としてステッピングモータのステップ数をカウントすることに基づいて、リールの回転位置(ひいては表示窓21に表示されている図柄)を判断することができる。ここで、本実施形態ではステッピングモータの駆動制御をタイマ割込処理で行っているため、ステッピングモータのステップ数をタイマ割込処理の実行回数に基づいてカウントしてもよい。例えば、本実施形態では、ステッピングモータが定速に達しているときには、タイマ割込処理を1回実行するごとにステッピングモータを1ステップだけ回動させている。したがって、上述した基準位置を検出するごとにタイマ割込処理の実行回数のカウント値をクリアした場合、ステッピングモータが定速に達しているときは、タイマ割込処理の実行回数が基準位置からのステップ数となる。
ホッパーモータ46は、メダル払出装置83(図2参照)に設けられ、貯留しているメダルを主制御手段100から出力される駆動信号にしたがってメダル払出口60から排出させる。払出センサ47a,47bは、ホッパーモータ46が駆動することによって払い出されるメダルを検出し、その検出信号を主制御手段100へ出力する。ブロッカ45は、セレクタ80(図2参照)内に設置され、主制御手段100からのオン/オフ信号にしたがってメダル流路の形成または解除する。なお、ブロッカ45がオンのときはメダル流路が形成され、メダル投入口32から投入されたメダルはメダル払出装置83のホッパー83aに貯留される。一方、ブロッカ45がオフのときはメダル流路が形成されず、メダル投入口32から投入されたメダルはメダル払出口60から排出される。ドアスイッチ44は前面扉14の開閉を検出し、その検出信号を主制御手段100へ出力する。
外部集中端子基板86は、スロットマシン10が現在行われている遊技に関する情報を外部の遊技情報表示装置やホールコンピュータなどの外部装置に対して主制御手段100から出力される各種信号を中継する。ここで、外部集中端子基板86から出力される信号には、スタートスイッチ36の操作に基づいて遊技に賭けられた(ベットされた)ベット数と同数のパルス信号が出力されるメダル投入信号、入賞役が入賞したことに基づいて払い出されたメダルの枚数と同数のパルス信号が出力されるメダル払出信号、BB遊技中にオン状態となるBB信号、後述する有利区間中にオン状態となる有利区間信号等がある。
外部集中端子基板86は、出力する各信号ごとにリレー回路を設け、これらリレー回路を開閉することで対応する信号のオン/オフ状態を切り替えているが、リレー回路の代わりに例えばフォトカプラを用いてもよい。
操作手段300は、図1に示したスロットマシン10の前面扉に設けられた各種スイッチの他に、図2に示した電源スイッチ82a、キースイッチ82bおよび設定/リセットスイッチ82cを含む。電源スイッチ82aはスロットマシン10内の各装置に供給する電力をオン/オフするスイッチである。キースイッチ82bは鍵穴を有し、当該鍵穴に挿入した設定変更用の鍵(設定キー)を回動することでオンまたはオフとなるスイッチである。設定/リセットスイッチ82cはエラーが検出されたときにそのエラー状態から復帰(リセット)したり、設定値を変化させたり(後述する設定値データは変更せず、設定値表示器87に表示されている値を変更させるように構成することも可能)する際に操作される押しボタン式のスイッチである。ここで、本実施形態では、リセットと設定値の変更とを、1つの押しボタン式スイッチで可能としていたが、リセットと、設定値の変更とを別々のスイッチによって可能にしてもよい。
(主制御手段の入力ポートの説明) 次に図11を参照して、主制御手段100において、上述した各部から入力される信号を受け付ける入力ポートの種類と、各入力ポートに入力される信号の内容について説明する。主制御手段100は、各々8ビット(ビット0〜7)の信号を受け付ける入力ポート0〜入力ポート2の3つの入力ポートを備えている。
まず、図11(a)を参照して入力ポート0に入力される信号について説明する。入力ポート0のビット0には設定/リセットスイッチ信号が負論理(アクティブ・ロー)で入力される。すなわち、設定/リセットスイッチ82cがオンにされると、設定/リセットスイッチ信号の電圧がローレベルとなり、オフにされるとハイレベルとなる。入力ポート0のビット1には設定キースイッチ信号が正論理(アクティブ・ハイ)で入力される。すなわち、キースイッチ82bがオンにされると、設定キースイッチ信号の電圧がハイレベルとなり、オフにされるとローレベルとなる。入力ポート0のビット2にはドアスイッチ信号が正論理で入力される。すなわち、前面扉14が閉鎖されているときはドアスイッチ44がオフになって、ドアスイッチ信号の電圧がローレベルとなり、前面扉14が開放されているときはドアスイッチ44がオンとなって、ドアスイッチ信号がハイレベルとなる。
入力ポート0のビット5には電源断検知信号が負論理で入力される。すなわち、電源ユニット82において、電源電圧が正常値であるときは、電源断検知信号の電圧はハイレベルになっているが、電源電圧が所定値を下回る(電源断を検知する)とローレベルとなる。入力ポート0のビット6には満杯検知信号が負論理で入力される。すなわち、図2に示した棒状電極85aと棒状電極85bとが電気的に導通していない状態では満杯検知信号はハイレベルとなり、棒状電極85aと棒状電極85bとが導通すると、満杯検知信号がローレベルとなる。
なお、入力ポート0のビット3、ビット4、ビット7は未使用であり、外部から信号は供給されない。
次に、図11(b)を参照して入力ポート1に入力される信号について説明する。入力ポート1のビット0〜2にはストップスイッチセンサ3〜1信号が正論理で入力される。ここで、ビット0に入力されるストップスイッチセンサ3信号は右ストップスイッチ37Rに対応し、ビット1に入力されるストップスイッチセンサ2信号は中ストップスイッチ37Cに対応し、ビット2に入力されるストップスイッチセンサ1信号は左ストップスイッチ37Lに対応している。各ストップスイッチセンサ信号は、対応するストップスイッチが操作されるとハイレベルとなり、操作されていないときはローレベルとなる。
入力ポート1のビット3には3枚投入センサ信号が正論理で入力される。すなわち、最大ベットスイッチ35が操作されると、3枚投入センサ信号の電圧がハイレベルになり、操作されていないときはローレベルになる。入力ポート1のビット4には1枚投入スイッチ信号が負論理で入力される。すなわち、前面扉14が閉鎖されているときはドアスイッチ44がオンになって、1−ベットスイッチ34が操作されると、1枚投入スイッチ信号の電圧がローレベルになり、操作されていないときはハイレベルになる。
入力ポート1のビット5には清算スイッチ信号が負論理で入力される。すなわち、清算スイッチ33が操作されると、清算スイッチ信号の電圧がローレベルになり、操作されていないときはハイレベルになる。入力ポート1のビット6にはスタートスイッチセンサ信号が負論理で入力される。すなわち、スタートスイッチ36が傾動操作されると、スタートスイッチセンサ信号の電圧がローレベルになり、傾動操作されていないときはハイレベルになる。
なお、入力ポート1のビット7は未使用であり、外部から信号は供給されない。
次に、図11(c)を参照して入力ポート2に入力される信号について説明する。入力ポート2のビット0〜2には回胴センサ(第1〜第3回胴)信号が正論理で入力される。ここで、ビット0に入力される回胴センサ(第1回胴)信号は左回胴センサ43Lに対応し、ビット1に入力される回胴センサ(第2回胴)信号は左回胴センサ43Cに対応し、ビット2に入力される回胴センサ(第3回胴)信号は右回胴センサ43Rに対応している。各回胴センサ信号は、各回胴センサが対応するリールの基準位置を検出するとハイレベルとなり、基準位置を検出していないときはローレベルとなる。
入力ポート2のビット3には払出センサ2信号が正論理で入力される。すなわち、第2払出センサ47bがメダルを検出すると、払出センサ2信号の電圧がハイレベルになり、メダルを検出していないときはローレベルになる。入力ポート2のビット4には払出センサ1信号が負論理で入力される。すなわち、第1払出センサ47aがメダルを検出すると、払出センサ1信号の電圧がローレベルになり、メダルを検出していないときはハイレベルになる。
入力ポート2のビット5には投入センサ2信号が負論理で入力される。すなわち、第2投入センサ48bがメダルを検出すると、投入センサ2信号の電
圧がローレベルになり、メダルを検出していないときはハイレベルになる。入力ポート2のビット6には投入センサ1信号が負論理で入力される。すなわち、第1投入センサ48aがメダルを検出すると、投入センサ1信号の電圧がローレベルになり、メダルを検出していないときはハイレベルになる。入力ポート2のビット7にはメダル通路センサ信号が負論理で入力される。すなわち、メダル通路センサ49がメダルを検出すると、メダル通路センサ信号の電圧がローレベルになり、メダルを検出していないときはハイレベルになる。
なお、これら入力ポート0〜2に入力される信号の割り当てや論理は、適宜変更することができる。例えば、入力ポート0のビット2に対応するドアスイッチ信号を、ビット3に対応させてもよく、また、ドアスイッチ信号を負論理に、すなわち前面扉14が閉鎖されているときはドアスイッチ44がオンになって、ドアスイッチ信号の電圧がハイレベルとなり、前面扉14が開放されているときはドアスイッチ44がオフとなって、ドアスイッチ信号がローレベルとなるように構成してもよい。
<主制御手段の機能ブロック> 図8に戻り、主制御手段100は、当選役決定手段110と、フリーズ制御手段120と、リール制御手段130と、状態制御手段140と、報知遊技制御手段150と、入賞判定手段160と、異常検出手段170と、制御コマンド送信手段180と、外部信号送信手段190と、を含んでいる。以下に説明する各手段の機能は、主制御手段100を構成するCPUが、ROMに記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
(当選役決定手段の説明) 当選役決定手段110は、主制御手段100に含まれる乱数生成手段が発生する乱数(数値範囲:0〜65535)に基づく抽選(役抽選)によって当選役を決定する。決定された当選役を、「当選役決定手段に基づく抽選結果」ともいう。図9に、当選役の種類(換言すると、役抽選の抽選対象)と、各当選役が決定されたときに作動する条件装置とを示す。また、図9において、A欄は役物当選番号の値を示し、B欄は入賞・再遊技当選番号の値を示している。役物当選番号および入賞・再遊技当選番号は、役抽選の結果を示す情報であり、これら当選番号に基づく情報が副制御手段200へ送信される。
図9において、当選役「BB01」(以下、「BB役、特別役」ともいう)には条件装置「BB01」が対応し、役抽選でBB役が当選役に決定される(換言すると「BB役が当選する」)と、条件装置「BB01」が作動し、図柄組合せ「白7−白7−白7」を入賞ライン上に揃えることが可能な状態となる。また、BB役が当選したことによって役物当選番号が1となる。
次に、当選役「再遊技−A」、「再遊技−B1」〜「再遊技−B5」、「再遊技−C1」〜「再遊技−C5」、「再遊技−D1」〜「再遊技−D3」、「再遊技−E」、「再遊技−F」、「再遊技−G1」〜「再遊技−G3」、「再遊技−H1」〜「再遊技−H3」、「再遊技−I」(以下、まとめて「再遊技役、リプレイ役」ともいう)の各々には、条件装置「再遊技01」〜「再遊技13」のうちいずれかが対応付けられている。ここで、再遊技−Eには条件装置「再遊技07」のみが対応付けられているが、それ以外の再遊技役には複数の条件装置が対応付けられている。そして、複数の条件装置が対応付けられた再遊技役が当選した場合は、対応付けられたすべての条件装置が作動する。例えば、再遊技−Aが当選したときは、条件装置「再遊技01」および「再遊技02」が作動する。
また、当選役「入賞−A1」〜「入賞−A6」、「入賞−B1」〜「入賞−B6」、「入賞−C1」〜「入賞−C6」、「入賞−D」、「入賞−E1」〜「入賞−E6」、「入賞−F」、「入賞−G」、「入賞−H」、「入賞−I」(以下、まとめて「入賞役、小役」ともいう)の各々には、条件装置「入賞01」〜「入賞24」のうちいずれかが対応付けられている。ここで、各入賞役にはそれぞれ複数の条件装置が対応付けられている。そして、複数の条件装置が対応付けられた入賞役が当選した場合は、対応付けられたすべての条件装置が作動する。例えば、入賞−A1が当選したときは、条件装置「入賞01」、「入賞04」および「入賞05」が作動する。
なお、BB役が当選して条件装置「BB01」が作動すると、BB役が入賞するまで条件装置「BB01」の作動状態が維持され、役物当選番号の値も1を維持する。この状態を「内部中」または「ボーナスフラグ持越し中」という。これとは逆にBB役が当選していない状態(換言すると、条件装置「BB01」が作動していない状態)を「非内部中」または「ボーナスフラグ非持越し中」という。
これに対して、役抽選で再遊技役または入賞役が当選したときは、当選した役に対応する条件装置が作動するが、当選が決定された遊技が終了すると、作動した条件装置は非作動状態に戻る。また、再遊技役または入賞役が当選役に決定されると、その当選役に対応する値(図9のB欄参照)が入賞・再遊技当選番号となるが、このとき役物当選番号の値が変更されることはない。このように、役物当選番号と入賞・再遊技当選番号とは、それぞれ独立して定められる。
次に、各当選役の当選確率を定めた抽選テーブルについて図10を参照して説明する。図10に示す抽選テーブルは、各当選役について、主制御手段100が有する乱数生成手段によって発生し得る乱数値の全数(65536個)のうち、当選とされる乱数値の数(以下、「置数」という。)を示している。したがって、各当選役に対応付けられた置数を65536で割った値が、その当選役の当選確率となる。
また、図10に示すように、本実施形態では、非RT(RT0とも称する)およびRT1〜5という6つのRT状態が定められており、各RT状態に応じて上述した当選役の当選確率が異なっている。ここで、RT0〜3は役抽選でBB役が当選していない状態(非内部中)であり、RT4はBB役が当選しているが入賞していない状態(内部中)であり、RT5はBB遊技中である。RT状態は、予め定められた移行条件に応じて移行するようになっており、移行条件の成立判断や移行先は、後述するRT状態移行手段142によって制御される。
また、各RT状態における抽選対象となる役については、RT0ではBB役、再遊技−A、入賞−A〜Hが当選する可能性があり、RT1では、BB役、再遊技−A,B1〜B5,E,F、入賞−A〜Hが当選する可能性がある。RT2では、BB役、再遊技−A,C1〜C5,E,F、入賞−A〜Hが当選する可能性がある。RT3では、BB役、再遊技−D1〜D3,E,F,G1〜G3,H1〜H3、入賞−A〜Hが当選する可能性がある。RT4では、BB役、再遊技−A、入賞−A〜Hが当選する可能性がある。RT5では再遊技−Iまたは入賞−Iが必ず当選する(当選確率100%)ようになっている。
ここで、RT0〜RT3において、BB01に対応付けられた74の置数のうち、20は後述する入賞−Fと共に当選する置数であり、30は後述する入賞−Gと共に当選する置数である。したがって、BB01が単独で当選する置数は24となる。また、入賞−Fに対応付けられた596の置数のうち、20はBB01と共に当選する置数であるから、入賞−Fが単独で当選する置数は572となる。また、入賞−Gに対応付けられた160の置数のうち、30はBB01と共に当選する置数であるから、入賞−Gが単独で当選する置数は130となる。
上述した各役にはそれぞれ対応する当選番号が付与されており、役抽選によっていずれか1つの当選役が決定されると、決定された当選役に対応する当選番号が役抽選の結果としてRWMの所定の記憶領域に記憶される。ここで、当選番号には役物当選番号と入賞・再遊技当選番号とがあり、図10に示した抽選テーブルの各当選役に付与されており、BB01に対しては役物当選番号1が付与されている(図10のA欄参照)。また、再遊技−A〜Iおよび入賞−A1〜Iに対しては、入賞・再遊技当選番号1〜52が付与されている(図10のB欄参照)。また、役物当選番号0はBB01が当選していない状態を示し、入賞・再遊技当選番号0は役抽選の結果がハズレだったことを示している。
役抽選で再遊技役または入賞役が当選したときは、当選した役に対応する入賞・再遊技当選番号が、入賞・再遊技当選番号の記憶領域(記憶手段(RWM)の「所定の記憶領域」ともいう。)に記憶される。入賞・再遊技当選番号の記憶領域に記憶された当選番号は、少なくとも遊技が終了してから次の遊技が開始されるまでの間に初期値「0」に更新される。
また、役抽選でBB役が当選していない間は、役物当選番号の記憶領域に「0」が記憶されており、BB役が当選すると役物当選番号の記憶領域に「1」が記憶される。この状態はBB役が入賞するまで維持され、BB役が入賞してからBB遊技が終了するまでの間に、初期値「0」に更新される。
また、各RT状態のうち、RT0〜RT2における再遊技役の(合成)当選確率はいずれも約1/7.33、RT3における再遊技役の当選確率は約1/1.53、RT4における再遊技役の当選確率は約1/1.94、RT5における再遊技役の当選確率は約1/1024になっている。非内部中では、RT3における再遊技役の当選確率が、他のRT状態よりも飛躍的に上昇するため、メダルの消費を抑えつつ遊技を行うことができる。これにより、RT3では、少ない投資でBB役が当選するチャンスが増すので、遊技者に有利な状態になっているといえる。
さらに本実施形態では、図10に示す抽選テーブルとは別に、各当選役の当選確率が異なる抽選テーブルを5つ備えており、図2に示したキースイッチ82bおよび設定/リセットスイッチ82cによって、遊技に使用する抽選テーブルを指定することができる。すなわち、各抽選テーブルには予め1〜6(後述する設定値データの0〜5に対応)の番号のうち、固有の番号が1つ付与されており、設定変更キー82bおよび設定/リセットスイッチ82cによって設定された設定値(0〜5)に対応する抽選テーブルが遊技に使用される。
(フリーズ制御手段の説明) 図8に戻り、フリーズ制御手段120は、所定の条件が成立すると、スタートスイッチ36が操作された後に遊技の進行を遅延させる、いわゆるフリーズ演出を実行にする。本実施形態におけるフリーズ演出の実行タイミングは、スタートスイッチ36が操作されてからリールが回転を開始するまでの間や、リールが回転を開始してからストップスイッチの操作が受け付け可能となるまでの間、ストップスイッチの操作が受け付け可能になってから各ストップスイッチが操作されるまでの間、全リールの回転が停止してから次の遊技を開始することができる状態になるまでの間、などがある。
また、本実施形態ではフリーズ演出として、リール40L,40C,40Rを適宜回転させることで、遊技の興趣を向上させるための演出(リール演出)も備えており、フリーズ制御手段120は、フリーズ演出を実行するか否かを決定するだけでなく、実行するリール演出の種類も決定する場合がある。リール演出の種類としては、例えば、通常回転とは逆方向にリールを回転させたり、リールを所定図柄数だけ回転させて特定の図柄組合せを表示したり、複数のリールのうち所定のリールを停止状態にして他のリールを回転状態にしたり、リールの回転速度を変化させたり、遊技者の操作に応じてリールの動作を変化させたりすることが考えられる。また、フリーズ制御手段120によりフリーズを実行するための所定の条件としては、抽選によって所定の結果が得られること、BB遊技やAT遊技等の遊技者にとって有利な遊技が開始したこと、または、これら遊技が終了したことなどが挙げられる。
フリーズ演出を行うフリーズ期間は、いわゆるウエイト期
間(前回の遊技でリールが回転を開始してから次遊技でリールの回転開始が可能になるまでの最短時間。例えば4.1秒間)の経過後に設定してもよいし、ウエイト期間を含んで設定してもよい。ウエイト期間を含んだ場合は、ウエイト期間中にフリーズ演出が終了するか否かを判断して、終了する場合は、ウエイト期間経過後にフリーズ期間を設定する態様や、フリーズ演出終了後に残りのウエイト期間を再開する態様が挙げられる。または、予めウエイト期間よりも長い期間のフリーズ期間を設けることで、このような判断処理を省略することができる。
(リール制御手段の説明) リール制御手段130は、リール40L,40C,40Rを回転/停止させるステッピングモータ42L,42C,42Rを駆動制御する。すなわち、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたことに基づいてステッピングモータ42L,42C,42Rの回転を開始し、リール40L,40C,40Rの回転速度が前述した定速に達すると、以下、定速を維持する。そして、ストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリール(より正確にはステッピングモータ)について停止制御を行う。
このとき、リール制御手段130は、ストップスイッチが操作されてから対応するリールの回転を190ミリ秒以内に停止させる。これにより、本実施形態のように各リールに20図柄が設けられたリールを、定速(80回転/分)の状態から190ミリ秒以内にリールの回転を停止させるとすると、80(回転)/60(秒)×0.19(秒)×20(図柄)=約5.067図柄分が回動するまでにリールを停止させればよい。ただし、リール制御手段130は、ストップスイッチが操作されたときに入賞ラインLが通過する停止表示位置(入賞停止位置)を通過中の図柄は、その入賞停止位置に停止させない。
このため、ストップスイッチが操作されたときに、入賞停止位置を通過している図柄の1つ上流側に位置する図柄から、4つ上流側に位置する図柄までのうち、いずれかの図柄を入賞停止位置に停止させることができる。ここで、「ストップスイッチが操作されたときに、入賞停止位置を通過している図柄の1つ上流側に位置する図柄から、4つ上流側に位置する図柄まで」の範囲を「停止制御範囲」ともいう。
リール制御手段130は、当選役決定手段110によっていずれかの当選番号が決定されたときは、その当選番号に対応する当選役の図柄組合せが入賞ラインLに停止するようにリールの回転を停止させる(いわゆる引込制御を行う)。ただし、当選役の図柄組合せ構成する図柄が停止制御範囲内に無かったときは、当選役以外の役が入賞しないようにリールを停止させる(いわゆる蹴飛ばし制御を行う)。
図4〜図7に示した各図柄組合せにおいて、再遊技01〜07、09および入賞01〜06に対応する図柄組合せは、図3に示す各リールの図柄配置および停止制御範囲の関係上、必ず入賞ラインL上に揃えることができるため、取りこぼし(当選役に対応する図柄組合せを入賞ラインL上に)は無い。これに対して、BB01、再遊技08および入賞07〜24に対応する図柄組合せは、取りこぼす可能性がある。ここで、「取りこぼし」とは、当選役(より具体的には作動した条件装置)に対応する図柄組合せを入賞ラインL上に揃えることができなかった状態をいい、この場合、遊技結果はハズレとなる。
ただし、入賞07〜24のように取りこぼしが生じ得る図柄組合せであっても、複数の条件装置が作動する当選役であれば、いずれかの条件装置に対応する図柄組合せを揃えられる当選役もある。すなわち、取りこぼしが起こり得る図柄組合せの条件装置を、複数組み合わせて作動させることで、当選役の取りこぼしを無くすことができる。例えば、図9に示す入賞−H(入賞・再遊技当選番号51)が当選役に決定された場合は、入賞07および入賞08の条件装置が作動する。このとき、入賞07に対応する図柄組合せと、入賞08に対応する図柄組合せとは、個々の図柄組合せを見れば取りこぼしが起こり得るが、双方の図柄組合せをひとまとめにして勘案すれば、いずれか一方の条件装置に対応する図柄組合せを必ず入賞ラインLに揃えることができる(すなわち、入賞−Hを必ず入賞させることができる)。
また、図9に示した再遊技−B1〜D3(入賞・再遊技当選番号2〜14)、再遊技−G1〜I(入賞・再遊技当選番号17〜23)、入賞A1〜C6(入賞・再遊技当選番号24〜41)、および入賞E1〜E6(入賞・再遊技当選番号43〜48)のいずれかが当選役に決定された場合、リール制御手段130は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序(以下、「押し順」ともいう。)に応じて優先的に引込制御を行う図柄組合せを異ならせる。例えば、抽選によってある当選役が決定されたときに、第1の条件装置および第2の条件装置が作動したとすると、ストップスイッチ37L,37C,37Rが順押し(左→中→右)で操作された場合は、第1の条件装置に対応する図柄組合せについて優先的に引込制御を行うが、逆押し(右→中→左)で操作された場合は、第2の条件装置に対応する図柄組合せについて優先的に引込制御を行う。
このように、ストップスイッチの押し順に応じて引込制御を行う図柄組合せが異なる役を押し順役ともいい、特に再遊技−B1〜D3および再遊技−G1〜G3のような役を押し順リプレイ、入賞−A1〜A6,B1〜B6,C1〜C6およびE1〜E6のような役を押し順ベルともいう。また、役抽選による抽選結果が押し順役の当選だった場合は、その抽選結果を「特定抽選結果」ともいう。
例えば、入賞A1〜A6のいずれかが当選したときに、各当選役に対して予め定められている押し順でストップスイッチ37L,37C,37Rが操作された場合は、リール制御手段130は、メダルの払出枚数が9枚の条件装置に対応した図柄組合せを優先的に引込制御する。これと同様に、入賞B1〜B6および入賞C1〜C6のいずれかが当選したときも、各当選役に対して予め定められている押し順でストップスイッチ37L,37C,37Rが操作された場合は、リール制御手段130は、メダルの払出枚数が9枚の条件装置に対応した図柄組合せを優先的に引込制御する。
また、入賞−E1または入賞−E2が当選役に決定されたときに、ストップスイッチが順押し(左→中→右)またはハサミ押し(左→右→中)された(すなわち、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作された)場合は、入賞09〜12の条件装置のいずれかに対応する図柄組合せを優先的に引込制御する。これにより、入賞09〜12の条件装置のいずれかに対応する図柄組合せが、必ず入賞ラインL上に揃うことになる。これに対して、左ストップスイッチ37L以外のストップスイッチが第1停止操作された場合は、入賞13または入賞17の条件装置に対応する図柄組合せについて優先的に引込制御を行う。このとき、遊技者が入賞13または入賞17の条件装置に対応する図柄組合せを入賞ラインL上に揃えられなかった(すなわち、取りこぼした)場合は、リール制御手段130は、いずれの条件装置にも対応しない特殊な図柄組合せを入賞ラインL上に揃える。
同様に、入賞−E3またはE4が当選役に決定されたときに、遊技者が中ストップスイッチ37Cを第1停止操作した場合は、入賞13〜16のいずれかの図柄組合せが入賞ラインLに必ず揃う。これに対して、遊技者が中ストップスイッチ37C以外のストップスイッチを第1停止操作したときに、入賞09(入賞−E3当選時)または入賞10(入賞−E4当選時)の図柄組合せを取りこぼした場合は、いずれの条件装置にも対応しない特殊な図柄組合せを入賞ラインL上に揃える。
また、入賞−E5またはE6が当選役に決定されたときに、遊技者が右ストップスイッチ37Rを第1停止操作した場合は、入賞17〜20のいずれかの図柄組合せが入賞ラインLに必ず揃う。これに対して、遊技者が右ストップスイッチ37R以外のストップスイッチを第1停止操作したときに、入賞11もしくは入賞15(入賞−E5当選時)または入賞12もしくは入賞16(入賞−E6当選時)の図柄組合せを取りこぼした場合は、いずれの条件装置にも対応しない特殊な図柄組合せを入賞ラインL上に揃える。
入賞−Fが当選役に決定された場合は、押し順に関係なく入賞22に対応する図柄組合せについて優先的に引込制御が行われる。このとき、遊技者が入賞22に対応する図柄組合せを取りこぼした場合は、作動した他の条件装置(入賞07,08,21)に対応する図柄組合せを入賞ラインL上に揃えられない可能性があり、この場合、入賞−Fを取りこぼすことになある。同様に、入賞−Gが当選役に決定された場合は、押し順に関係なく入賞21に対応する図柄組合せについて優先的に引込制御が行われる。このとき、遊技者が入賞21に対応する図柄組合せを取りこぼした場合は、作動した他の条件装置(入賞07,08,22,23)に対応する図柄組合せを入賞ラインL上に揃えられない可能性があり、この場合、入賞−Gを取りこぼす場合がある。
また、入賞−Iが当選役に決定された場合は、押し順に関係なく入賞24に対応する図柄組合せについて優先的に引込制御が行われる。そして、遊技者が入賞24に対応する図柄組合せを取りこぼした場合、リール制御手段130は、作動している他の条件装置(例えば入賞01)に対応する図柄組合せを入賞ラインLに揃えるリール停止制御を行い、入賞−Iを必ず入賞させる。
(状態制御手段の説明) 図8に戻り、状態制御手段140は、RT状態制御手段142および遊技状態制御手段144を有している。RT状態制御手段142は、前述したRT状態(RT0〜RT5)の移行を制御するものであり、初期状態をRT0として、各RT状態において所定の条件を満たすと、他のRT状態へ移行させる。本実施形態では、RT0のときに前述した特殊な図柄組合せ(入賞−E1〜E6が当選したときに取りこぼすと表示される可能性がある特殊な図柄組合せ)が表示されると、RT状態がRT1へ移行する。RT1において再遊技05に対応する図柄組合せが揃うとRT2へ移行し、RT2において再遊技06に対応する図柄組合せが揃うとRT3へ移行する。また、RT2およびRT3において、再遊技03もしくは再遊技04に対応する図柄組合せ、または、上述した特殊な図柄組合せが揃った場合は、現在のRT状態からRT1へ移行させる。
ここで、RT0からRT1への移行、RT1からRT2への移行、およびRT2からRT3への移行を「昇格」といい、RT2またはRT3からRT1へ移行することを「転落」ともいう。また、RT状態が移行しないことを「維持」ともいう。
また、非内部中、すなわちRT0〜3のいずれかのRT状態において、当選役決定手段110によってBB01が当選役に決定され、BB01に対応する図柄組合せが揃わなかったときはRT状態をRT4へ移行させる。RT0〜4においてBB01に対応する図柄組合せが揃うとRT状態をRT5へ移行させる。そして、RT5においてBB遊技の終了条件が成立すると、RT状態制御手段142はRT状態をRT0へ移行させる。ここで、BB遊技の終了条件は、前述したように、BB遊技中に払い出されたメダル枚数が、456枚を越えたときに成立する。
なお、本実施形態では、RT0〜3のいずれかにおいて、BB01が当選役に決定された遊技でBB01に対応する図柄組合せが揃わなかった場合にRT4へ移行させていたが、これに限らず、特別役(例えばBB01)が当選役に決定された時点でRT4へ移行させてもよい。また、RT2またはRT3において、再遊技03または04の図柄組合せが表示されたときに、RT1へ移行(転落)するように制御していたが、いずれか一方(例えば再遊技03)の図柄組合せが表示されたときは、R
T1へ移行し、他方(例えば再遊技04)の図柄組合せが表示されたときは、現在のRT状態を維持するようにしてもよい。これにより、RT2において、例えば再遊技−C1が当選した場合、押し順に応じてRT1へ移行する場合(再遊技03の図柄組合せが表示された場合)と、RT2を維持する場合(再遊技04の図柄組合せが表示された場合)と、RT3へ移行する場合(再遊技06の図柄組合せが表示された場合)とが生じ得る。
遊技状態制御手段144は、役抽選および後述する有利区間抽選の結果などに基づいて、遊技状態の移行制御を行う。本実施形態における遊技状態には、再遊技役または入賞役が当選したときに、遊技者に有利な遊技結果が得られる押し順が報知される報知遊技(「AT遊技」ともいう。)が実施される有利区間(「AT遊技可能状態中」ともいう。)と、報知遊技が実施されない通常区間(「AT遊技不可能状態中」ともいう。)とがある。「有利な遊技結果」としては、例えば、メダルの払出枚数がより多い小役が入賞することや、RT状態が維持または昇格する再遊技役が入賞することなどがある。
そして通常区間の遊技において、役抽選で所定の当選役が決定されると、有利区間を開始するか否かを決定する有利区間抽選が行われ、有利区間抽選に当選したときは、有利区間を開始するための処理が行われる。ここで、上述した所定の当選役は、例えば、入賞−F,G,Hの3種類が該当する。なお、これら3種類の当選役は、設定値データ0〜5のすべてにおいて同一の置数が設定された当選役であり、役抽選で当選役に決定されたときは予め定められた確率(100%も含む)で有利区間抽選を行う。
但し、ボーナス内部中においては、リプレイ役に当せんする確率がRT0、RT1、RT2よりも高く設定されているRT4の状態となるため、上述した所定の当選役に基づく有利区間抽選は行わない。これは、ボーナス内部中(RT4)は、RT0、RT1、RT2よりもメダルの消費を少なくしつつ遊技ができることから、仮にボーナス内部中に上述した所定の当選役に基づく有利区間抽選を行ったとすると、敢えてボーナスを揃えないことでRT4の状態を引き延ばして上述した所定の当選役の当選を待つ、という遊技者の意図的な遊技操作によって生じる有利な状況を回避する(いわゆる攻略法を防止する)ためである。
(報知遊技制御手段の説明) 報知遊技制御手段150は、前述した有利区間に移行した場合(有利区間中のとき)には、当選役に応じて報知する押し順を決定し、報知することが可能となる。押し順の報知は、指示番号という数値を図1に示した獲得枚数表示器28に表示することによって行われる。具体的には、指示番号1は左→中→右(順押し)の押し順(押し順1)に対応し、指示番号2は左→右→中(ハサミ押し)の押し順(押し順2)に対応し、指示番号3は中→左→右(順中押し)の押し順(押し順3)に対応し、指示番号4は中→右→左(逆中押し)の押し順(押し順4)に対応し、指示番号5は右→左→中(逆ハサミ押し)の押し順(押し順5)に対応し、指示番号6は右→中→左(逆押し)の押し順(押し順6)に対応している。また、報知遊技制御手段150によって押し順を報知しない場合には、特定の押し順を表さない指示番号0が定められている。
指示番号を獲得枚数表示器28に表示するときは、獲得枚数表示器28の十の位(以下、「上位桁」ともいう)の7セグメント表示器に「=」を表示し、一の位(以下、「下位桁」ともいう)の7セグメント表示器に指示番号を表示する。本実施形態では、獲得枚数表示器28を、メダルの払出枚数の表示と、指示番号の表示とに兼用しているため、指示番号を表示する際には、メダルの払出枚数を表示するときには表示されない「=」を表示することで、表示されている情報の種類を遊技者が判断できるようにしている。なお、指示番号0については、獲得枚数表示器28の7セグメント表示器をすべて消灯させる。
本実施形態では、メダルの投入(ベットスイッチ34,35の操作による場合も含む)に応じて獲得枚数表示器28の表示を消灯(すなわち、すべてのセグメントが消灯した状態)し、スタートスイッチ36の操作に応じて指示番号が決定されると、その指示番号を表示する。そして、全リールが停止して入賞役が入賞した場合は、指示番号の表示を一旦消灯してから、払出枚数を表示する。
これに対して、後述する副制御手段200では、主制御手段100から送信される現在の遊技状態と、当選役に基づく情報(演出グループ番号)等に基づいて押し順の報知を行うことが可能となる。本実施形態では、副制御手段200による押し順の報知(押し順ナビ演出)は画像表示装置70を用いて行う。押し順ナビ演出の一例としては、画像表示装置70の画面内において、左ストップスイッチ37L、中ストップスイッチ37C、右ストップスイッチ37Rに対応する表示位置を定めておき、それぞれの表示位置において、対応するストップスイッチを何番目に操作すべきかを示す数字を表示する。例えば、指示番号1に対応する押し順を表示する場合は、画像表示装置70に「1・2・3」と表示する。この表示は、左ストップスイッチ37Lを最初に、中ストップスイッチ37Cを2番目に、右ストップスイッチ37Rを最後に表示することを意味する。
獲得枚数表示器28を用いて指示番号と払出枚数とを表示する場合、メダルの投入(ベットスイッチ34,35の操作による場合も含む)に応じて“00”を表示し、スタートスイッチ36の操作に応じて指示番号が決定されると、その指示番号を表示し、全リールが停止して入賞役が入賞した場合は、表示を一旦“00”に戻してから、払出枚数を表示するようにしてもよい。この場合、再びメダルが投入されたときに獲得枚数表示器28の表示を“00”することが好ましい。これに対して、入賞役が入賞しなかった場合は、全リールが停止した時点で獲得枚数表示器28の表示を“00”に戻して、次の遊技で指示番号が決定されるまではその状態を維持するようにしてもよい。
なお、上述した2つの例では、払出枚数を表示する前に、指示番号の表示から一旦消灯、または“00”を表示していたが、指示番号の表示から直接払出枚数の表示に変更してもよい。また、メダルの投入時等において獲得枚数表示器28に“00”を表示していたが、“00”に代えて「無灯」としても良い。
また、上述した例では、押し順によって遊技者に付与される利益に変化が生じない当選役が決定されたときは、報知する押し順を副制御手段200が決定してもよい。なお、上述した「利益」には、例えば、有利区間抽選を行うか否か、RT状態の昇格または維持、メダルの払出枚数などがある。ただし、押し順によって遊技者に付与される利益に変化が生じない当選役についても、主制御手段100が押し順を決定してもよく、その場合、決定した押し順を獲得枚数表示器28に表示してもよい。
さらに、有利区間中に所定の条件を満たした場合(例えば役抽選で所定の役が当選した場合)に、現在の有利区間を短縮(終了)するか否かを決定する短縮抽選(転落抽選)を行い、短縮抽選(転落抽選)に当選したときには有利区間を終了させたり、有利区間の終了を早めたりしてもよい。
(入賞判定手段の説明) 図8に戻り、入賞判定手段160は、リール40L,40C,40Rがすべて停止すると、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、図4〜図7に示した図柄組合せのいずれかに対応するか否かを判定する。これにより、BB役が入賞したと判定された場合は、次の遊技からBB遊技が開始され、再遊技役が入賞したと判定された場合は、次の遊技で再遊技が行われ、入賞役が入賞した場合は、入賞した入賞役に対応する枚数のメダルが払い出される。ここで、メダルの払い出しは、クレジット枚数の上限値(例えば50枚)に達するまでは、入賞した入賞役に対応するメダル枚数を現在のクレジット枚数に加算すし、クレジット枚数の上限値(例えば50枚)に達した後は、図1に示したメダル払出口60からメダルを排出するようにしてもよい。
(異常検出手段の説明) 異常検出手段170は、遊技中にスロットマシン10で発生し得る異常な状態や遊技の進行の障害となる事態を検出し、検出した異常または障害(以下、まとめて「エラー」ともいう。)に対応するエラーコードを、獲得枚数表示器28に表示するとともに、エラーコードの種類によっては後述する副制御手段200に対しても送信する。これにより、副制御手段200は、受信したエラーコードに対応するエラーメッセージを画像表示装置70に表示するとともに、スピーカ64L,64Rからエラー音を発生する。
異常検出手段170によって検出されるエラーの種類には、大別すると復帰不可能エラーと復帰可能エラーとがある。復帰不可能エラーには、電断復帰エラー、停止図柄組合せエラー、設定値エラーおよび乱数エラー等があり、復帰可能エラーには、メダル詰まりエラー、エンプティエラー、払い出しエラー、投入センサ通過エラー、メダル投入エラー、メダル滞留エラー、投入センサエラー、メダル通過エラーおよびメダル満杯エラー等がある。
電断復帰エラー(エラーコード:E1)は、スロットマシン10の電源をONしたときに、RWMの内容が正常でない(例えば、電源遮断時のRWMの内容と、電源投入時のRWMの内容とが一致しない(パリティチェックエラー))ときに検出されるエラーである。また、例えば、電源断時にRWMの所定の記憶領域(スタックポインタ一時記憶領域)に記憶するスタックポインタの値が、スタック領域内の値であるか否かを判断することによって、電断復帰エラーか否かを判断してもよい。この場合、スタックポインタの値がスタック領域内に無いときは、電源断時から電源復帰時の間にRWMに異常が発生したこととなる。電源遮断時のRWMの内容と電源投入時のRWMの内容とが一致するか否かを判断する際に、RWMの記憶領域全体(本実形態ではF000〜F3FF)のチェックサムに基づいて判断することも可能であるが、上述したように、異常が無い場合にスタックポインタが取り得る数値範囲(本実施形態では、F1D9〜F200)内にスタックポインタ一時記憶領域に記憶されているデータが含まれるか否かで、より正確にRWMに異常が発生したか否かを判断することができる。換言すると、電源断復帰エラーは、チェックサムに基づく結果、及び/又は、スタックポインタ一時記憶領域の値に基づく結果によって判断することができる。
ここで、「スタック領域」とは、最初に入力されたデータが最後に取り出される(FILO)という特徴を有するデータ領域であり、このスタック領域に蓄積されているデータの最上位のアドレスを「スタックポインタ(SPレジスタとも称す)」で管理されている。すなわち、「スタックポインタ」は、スタック領域内で最後に参照された(蓄積された)位置を指している。例えば、スタックポインタがF200のときにスタック領域に蓄積されるデータはRWMアドレスF1FFとなる。
より具体的には、レジスタに記憶されたデータを退避させる命令(PUSH命令等)を実行するときにスタック領域にレジスタに記憶されているデータを記憶させるとともに、スタックポインタも更新する(ここでは、上位アドレスから下位アドレスに向けてデータをスタックするため、スタックポインタから退避したデータ量(バイト数)を減算する)。例えば、1バイトのデータをスタックしたときは、スタックポインタから1を減算する。また、タイマ割込処理のプログラム(モジュール)を実行する命令(CALL命令)を実行するときにスタック領域に戻り番地を記憶させるとともに、スタックポインタも更新(減算)する。
一方、スタック領域に記憶(退避)しているデータをレジスタに記憶(復帰)させる命令(POP命令)を実行するとき、レジスタにデータを記憶させるとともに、スタックポインタ
も更新(加算)する。スタック領域からデータを取り出してレジスタにセットして、そのデータ量(バイト数)をスタップポインタSPに加算する。例えば、1バイトのデータを取り出したときは、スタックポインタSPに1加算する。また、CALL命令で呼ばれたプログラム(モジュール)を終了し、元のプログラム(戻り番地)に戻るリターン命令(RET命令)を実行するとき、プログラムを戻り番地から再開するとともに、スタックポインタも更新(加算)する。本実施形態では、プログラムの実行に伴ってスタック領域に退避されるデータの最大の使用量が40バイトであることから、RWMアドレスF1D8〜F1FFの範囲がスタック領域になっている。なお、上述したスタックポインタ一時記憶領域として、RWMアドレスF146およびF147が割り当てられている。
停止図柄組合せエラー(エラーコード:E5)は、全リールが停止したときに意図しない図柄組合せ(例えば、作動していない条件装置に対応する図柄組合せなど)が表示されてしまったときに検出されるエラーである。設定値エラー(エラーコード:E6)は、RWMに記憶されている設定値データ(アドレス:F000)が所定範囲外(0〜5以外)の値になっていたときに検出されるエラーである。例えば、設定値エラーは、規定数のメダルが賭けられた後にスタートスイッチ36が操作されたことに基づいて設定値データが所定範囲外か否かを判断する処理を実行し、所定範囲外と判断したことに基づいてエラー処理(遊技の進行を停止する処理)を実行する。なお、設定値データが所定範囲外か否かの判断処理は、スタートスイッチ36が操作されてから、役抽選処理および有利区間抽選処理が行われる前までに、実行されることが好ましい。
乱数エラー(エラーコード:E7)は、主制御手段100内の乱数生成手段に供給される乱数生成用クロック(RCK)の周波数の値が、CPUに供給されるシステムクロック(SCLK)の周波数の半分未満の値になると検出されるエラーである。
メダル詰まりエラー(エラーコード:HP)は、第1払出センサ47a,第2払出センサ47bが所定時間(例えば224ミリ秒)を超えてメダルを検出したときに検出されるエラーである。エンプティエラー(エラーコード:HE)は、ホッパーモータ46を駆動してから所定時間が経過しても第1払出センサ47aがメダルを検出しなかったときに検出されるエラーである。払い出しエラー(エラーコード:H0)は、ホッパーモータ46が駆動しているときに、第1払出センサ47aがメダルを検出していない状態で、第2払出センサ47bが所定時間を超えてメダルを検出した場合、および、ホッパーモータ46が駆動していないときに、第1払出センサ47aがメダルを所定時間(例えば6.72ミリ秒)検出した場合に検出されるエラーである。
なお、本実施形態では、払出しセンサとして第1払出センサ47a,第2払出センサ47bの2つのセンサを有しているが、1つの払出しセンサによって払出しに関するエラー(エンプティエラー(HE)、メダル詰まりエラー(HP)および払い出し(H0)エラー)を検出するように構成されていてもよい。具体的には、払出し処理の実行中(ホッパモータ46の駆動中)に、払出しセンサが2249ミリ秒(1000割込み)以上継続してオフとなったときにエンプティエラーを検出する。また、払い出し処理の実行中(ホッパモータ46の駆動中)に払出しセンサが224ミリ秒(100割込み)以上継続してオンとなったときにメダル詰まりエラー(HP)を検出する。さらに、払出し中処理の実行中以外(ホッパモータ46が駆動していないとき)に、払出しセンサが6.72ミリ秒(3割込み)以上継続してオンとなったときに払出しエラー(H0)を検出する。
ここで、従来は主制御手段がメダル払出装置に対して所定枚数のメダルを払い出す指示を出してから、所定時間を経過してもメダルの払い出しが完了したことを示す信号が戻ってこない場合にメダルの払い出しに関するエラーを検出するスロットマシンがあった(例えば特開2008−246059号公報参照)。しかしながら、この場合、所定時間(少なくとも、所定枚数のメダルが正常に払い出されるのに要する時間)が経過しなければ、エラーが検出されないため、払い出し中にメダルが詰まった場合でも、そのエラーを速やかに検出することは困難であった。また、主制御手段がメダル払出装置に対して払い出しを指示していないときに、不正行為によってメダル払出装置にメダルを払い出させていた場合は、それをエラーとして検出することはできなかった。
このため、本実施形態では上述したように、払出し処理中に第1払出センサ47aおよび第2払出センサ47bが所定時間(例えば224ミリ秒)を超えてメダルを検出したときにメダル詰まりエラーを検出することで、いち早くメダル詰まりを検出できるようにしている。また、払出し処理が行われていないときに第1払出センサ47aがメダルを所定時間(例えば6.72ミリ秒)検出したときに払い出しエラーを検出することで、ホッパーモータ46が駆動していないとき行われる不正行為を検出できるようにしている。
なお、メダル詰まりエラー(HP)と払出しエラー(H0)とを比較した場合、払出しセンサがオンとなっていることを検知することにより検出されるエラーであることは共通するが、メダル詰まりエラーは払出処理の実行中であるのに対して、払出しエラーは払出処理の実行中ではないことで相違する。これは、払出しエラーは、ホッパーモータ46を駆動していない状況下で払い出されたメダルが検知されるという異常であるため、メダル詰まりエラーよりも不正行為である可能性が高い。したがって、払出しエラーの検知条件となる時間(6.672ms)は、メダル詰まりエラーの検知条件となる時間(224ms)よりも短く設定し、不正行為を素早く検出するようにしている。また、メダル詰まりエラーを検出する時間と、払出しエラーを検出する時間とを、同じ時間に設定してしまうと、正常な払い出しが行われいるときに、ごく短時間の間メダルが詰まってしまった場合に、払い出しに支障が無くてもエラーと判断される虞があるため好ましくない。
さらに、静電気等のノイズにより払い出しセンサの検知を取得してしまうことによりエラーと判断してしまうこともあり得るため、上述した払出しエラーの検出条件となる時間は、タイマ割込処理が複数回実行される時間(2.235ミリ秒の2倍以上)に設定している。これにより、少なくとも払出しセンサからの入力を複数回取得したときに払出しエラーと判断することが可能となり、遊技店に設置した後に本来は異常ではないのにもかかわらずエラーと判断されることを防止し、遊技店の店員や遊技者に対するフラストレーションを軽減することができる。ここでは、払出しエラーの検知条件となる時間が6.672ミリ秒に設定されており、3回のタイマ割込処理で連続して払い出しセンサがメダルを検知したときに払い出しエラーと判断している。
投入センサ通過エラー(エラーコード:CE)は、メダルの通過に伴って変化する第1投入センサ48aおよび第2投入センサ48bのオン状態およびオフ状態の時間が、所定時間を超えたときに検出されるエラーである。メダル投入エラー(エラーコード:CP)は、メダルの通過に伴って変化する第1投入センサ48aおよび第2投入センサ48bのオン/オフ状態の遷移が所定のパターン(メダルが正常に通過したときのオン/オフ・パターン)にならなかったときに検出されるエラーである。メダル滞留エラー(エラーコード:CH)は、投入されたメダルが所定時間を超えてメダル通路センサ49によって検出され続けたときに検出されるエラーである。
投入センサエラー(エラーコード:C0)は、ブロッカがオフ状態(セレクタ80内のメダル流路が形成されていない状態)にしてから所定時間(本実施形態では224ミリ秒(100割込み))経過した後に第2投入センサ48bによってメダルが検出された場合に検出されるエラーである。この所定時間(224ミリ秒)は、ブロッカがオフ状態となる直前にメダルが通過し、ブロッカがオフ状態となったときに、そのメダルが第2投入センサ48bによって検知されたことによってエラーと判断されないようにするための猶予時間である。さらにまた、ブロッカがオフの場合であってもメダルが通過するスピードによっては第1投入センサ48aがメダルを検知してしまう虞があるため、投入センサエラー(エラーコード:C0)は、第2投入センサ48bからの出力信号(投入センサ2信号)に基づいて検知している。なお、セレクタの機構上、ブロッカがオフの場合に第1投入センサ48aがメダルを検知することがない場合には、第1投入センサ48aからの出力信号(投入センサ1信号)に基づいて、投入センサエラー(エラーコード:C0)を判断するようにしてもよい。
メダル通過エラー(エラーコード:C1)は、メダル通路センサ49によるメダルの検出回数と、第2投入センサ48bによるメダルの検出回数との差が、所定値(例えば「3」)を超えた場合に検出されるエラーである。メダル満杯エラー(エラーコード:FE)は、図2に示した棒状電極85aと棒状電極85bとが、電気的に導通している状態が、前回の遊技開始時から今回の遊技開始時までの間において、112ミリ秒(50割込み)を超えると検出されるエラーである。なお、メダル満杯エラーを検出するタイミングは、遊技中(例えばリール回転中)の所定タイミング等の適宜定めたタイミングとすることができる。またメダル満杯エラーは、不正行為や故障などによって引き起こされやすい重大なエラーではないため、その報知は、遊技中の所定タイミングで検出した場合であっても、他のエラー(例えば、投入センサエラーやホッパーのメダル詰まりエラー等)とは異なり、遊技中には液晶等で報知せず、遊技が終了した後(全リールが停止した後)に報知するようにしている。
前述したように、エラーが検出されると、検出されたエラーに対応するエラーコードが獲得枚数表示器28に表示される。また、復帰可能エラーが検出された場合は、そのエラーに対応するエラーコードが、後述する制御コマンド送信手段180によって、副制御手段200へ送信される。さらに、リール回転中に復帰可能エラーが検出された場合は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作に応じて全てのリールが停止したときに、スロットマシン10が遊技不可状態にされる。これに対して、リール回転中に乱数エラー(復帰不可能エラー)が検出された場合は、リール回転中であっても遊技不可状態にされる。ここで、遊技不可状態にする方法としては、回転中のリールが停止する、ストップスイッチ、ベットボタンおよび/または精算ボタン等の操作による制御が実行されなくなる、といったことが考えられる。
なお、異常検出手段170が検出するエラーは、上述したものに限らず、例えば、前面扉14が開放され、その状態が所定時間継続したときに、ドア開放エラーが発生した(換言すると、ドア開放エラーを検出した)と判断してもよい。
(制御コマンド送信手段の説明) 制御コマンド送信手段(情報送信手段)180は、主制御手段100の各部で決定された遊技に関する各種情報を副制御手段200へ送信する。主制御手段100と副制御手段200との間でやり取りされる情報は、主制御手段100から副制御手段200への一方向に限られており、副制御手段200から主制御手段100に対して何らかの情報が直接送信されることはない。主制御手段100から副制御手段200へ送信される情報は、シリアル通信によって制御コマンドによって送信される。制御コマンドは、送信する情報の種別を示す第1制御コマンド(1バイト)と、送信する情報の内容を示す第2制御コマンド(1バイト)とで構成されている。なお、シリアル通信に限らず、パラレル通信(例えば16本のハーネス)によって
制御コマンドを送信しても良い。
ここで、図12に主制御手段100から副制御手段200へ送信される制御コマンドの一部を示す。この図に示すように、第1および第2制御コマンドは2桁の16進法の数(16進数)で表されており、その他に、各コマンドの名称、コマンドが送信されるタイミング、コマンドを受信したときに副制御手段200で行われる処理の概要を示している。また、備考欄には主に第2制御コマンドとして送信される情報の内容を示している。なお、第2制御コマンドの値として「##」と表記しているものは、備考欄の記載内容に応じて定まる数値が代入される。ただし、備考欄の記載内容に応じて定まる数値が一桁だった場合は、その上位の桁の値は「0」となる。また、各制御コマンドを表す16進法の4桁の数値には、末尾に付与する「H」の文字を省略する。
図12において、「設定変更装置作動開始」コマンド(8038)は、設定変更モード(設定値の変更が可能な設定変更状態に相当。)へ移行すると送信される制御コマンドである。具体的には、スロットマシン10の前面扉14が開放された状態で、キースイッチ82bがオンにされたまま、スロットマシン10の電源スイッチ82aがオンされると後述する設定変更装置処理(図18参照)が開始される。この設定変更装置処理が実行されることによって設定変更モードへ移行し、「設定変更装置作動開始」コマンドが副制御手段200へ送信される。副制御手段200はこの制御コマンドを受信すると、副制御手段200の初期化処理を開始した後、設定の変更操作が行われていること等を、図1に示した画像表示装置70や音声によって報知する。また、副制御手段200が「設定変更装置作動開始」コマンドを受信したことに基づいて、後述する演出設定モードを実行可能にしてもよい。
なお、設定変更モードへの移行方法は上述したものに限らず、例えばキースイッチ82bをオンにした状態で、電源スイッチ82aをオンにした後、さらに設定/リセットスイッチ82cが操作されたことを条件にしてもよい。この場合、キースイッチ82bが第1の切替手段、設定/リセットスイッチ82cが第2の切替手段に相当することになる。
「設定変更装置作動終了」コマンド(8000〜8005)は、前述した設定変更モードにおいて、遊技場の係員などによってセットされた設定値の値(本実施形態では、「設定値データ」ともいう。)を副制御手段200へ送信する制御コマンドであり、第2制御コマンドの数値は、セットされた設定値に対応する値となる。具体的には、設定値表示器87に表示されている設定値「1」〜「6」に対して第2制御コマンドの値は0〜5が対応する。この制御コマンドは、設定変更モードにおいて、遊技場の係員などが設定/リセットスイッチ82cを操作することで所望する設定値を選択した後に、スタートスイッチ36を操作すると、選択した設定値が確定する。そしてキースイッチ82bをオンからオフにすると設定変更モードが終了し、副制御手段200に送信される。このコマンドを受信した副制御手段200は、遊技待機表示(いわゆるデモ画面の表示)を開始し、前述した演出設定モードを終了する。なお、スタートスイッチ36の操作によって選択した設定値を確定し、キースイッチ82bをオフにすることによって設定変更モードを終了していたが、スタートスイッチ36の操作の後、キースイッチ82bをオフにすることにより設定値の確定および設定変更モードの終了の双方が行われるようにしてもよい。
よって、例えば副制御手段200で演出設定モードが実行されている場合は、「設定変更装置作動終了」コマンドの受信に基づいて、演出設定モードを終了することとなる。なお、遊技の待機状態(遊技が可能となっている状態)になっていることの報知内容として、いわゆる「デモ画面」を画像表示装置に表示することだけではなく、遊技者に遊技が可能であることを示す画像(いわゆるムービーも含む)等を画像表示装置に表示してもよい。さらにまた、設定変更装置作動終了コマンドを受信した後であっても、所定期間の間はランプや音声により設定変更が終了したことを示す報知を継続させてもよい。これは、設定値の変更は、通常の営業中においては起こり得ないことであり、かつ、外部信号として設定値が変更されたことを示す信号を送信する端子を備えていない(外部信号として送信しない)ことであるため、遊技店の店員は、このような重大な行為について出来るだけ気付きやすい遊技機の設計を行うことが望ましいからである。なお、報知を継続させる所定期間は、例えば、演出設定モードによって遊技場のスタッフが複数の期間から選択できるようにしてもよい。
制御コマンド送信手段180は、図8に示した異常検出手段170によって何らかの異常が検出されると、第1制御コマンドの値が81Hであり、第2制御コマンドの値が検出された異常の種類に応じた各種エラー表示開始コマンドを送信する。すなわち、エンプティエラーが検出された場合は「エンプティエラー表示開始」コマンド(8101)を、メダル詰まりエラーが検出された場合は「メダル詰まりエラー表示開始」コマンド(8102)を、払い出しエラーが検出された場合は「払い出しエラー表示開始」コマンド(8103)を、メダル満杯エラーが検出された場合は「メダル満杯エラー表示開始」コマンド(8104)を、それぞれ副制御手段200へ送信する。
また、メダル投入エラーが検出された場合は「メダル投入エラー表示開始」コマンド(8105)を、投入センサエラーが検出された場合は「投入センサエラー表示開始」コマンド(8106)を、メダル通過エラーが検出された場合は「メダル通過エラー表示開始」コマンド(8107)を、メダル滞留エラーが検出された場合は「メダル滞留エラー表示開始」コマンド(8108)を、投入センサ通過エラーが検出された場合は「投入センサ通過エラー表示開始」コマンド(8109)を、それぞれ副制御手段200へ送信する。
副制御手段200は、上述した各種コマンドを受信すると、第2制御コマンドの内容に応じたエラーの報知を行う。また、上述したエラーが検出された後に、エラーの原因を取り除き、設定/リセットスイッチ82cが操作されるか、ドアキー31に差し込んだ台鍵を反時計回りに回されると、制御コマンド送信手段180は、「エラー復帰」コマンド(8100)を、副制御手段200へ送信する。これにより、副制御手段200は実行中のエラー報知を終了する。
「設定値指定」コマンド(8200〜8205)および「作動状態」コマンド(8301/830C)は、遊技が行われるごとに送信される制御コマンドである。「設定値指定」コマンドの第2制御コマンドは、前述した「設定変更装置作動終了」コマンドの第2制御コマンドと同様、セットされている設定値に対応する値であり、具体的には設定値表示器87に表示される「1」〜「6」に対して00H〜05Hが対応する。「作動状態」コマンドの第2制御コマンドは、これから行われる遊技が再遊技、RB遊技またはBB遊技であることを示す情報である。ここで、第2制御コマンドのBIT0(最下位ビット)は再遊技に対応し、BIT2はBB遊技に対応し、BIT3はRB遊技に対応している。これにより、これから開始される遊技が再遊技であるときはBIT0が「1」となり、BB遊技であるときはBIT2およびBIT3が「1」となる。
「設定値表示開始」コマンド(8F5A)は、設定確認モード(現在の設定値を表示可能な設定値確認状態に相当。)へ移行する際に送信される制御コマンドである。具体的には、スロットマシン10がメダルの投入を受付可能な状態になっており、かつ、メダルが1枚も投入されていない状態になると、後述する遊技メダル投入待機時表示処理(図20参照)が実行され、そのときにキースイッチ82bがオフからオンに切り替えられると、設定確認モードへ移行する。副制御手段200は、「設定値表示開始」コマンドを受信すると現在の設定値を確認中である旨のメッセージ(設定確認中画面)などを画像表示装置70に表示する。また、副制御手段200が「設定値表示開始」コマンドを受信したことに基づいて、後述する演出設定モードを実行可能にしてもよい。なお、設定確認モードへの移行方法は上述したものに限らず、例えばメダルがベットされていないときにキースイッチ82bをオンにし、さらに設定/リセットスイッチ82cが操作されたことを条件にしてもよい。
「設定値表示終了」コマンド(8F00)は、上述した設定確認モードにおいて、キースイッチ82bがオンからオフに切り替えられると、副制御手段200へ送信される制御コマンドである。これにより、副制御手段200は、演出設定モードを実行している場合においては、「設定値表示終了」コマンドの受信に基づいて、演出設定モードを終了する。
「清算開始」コマンド(8F02)は清算スイッチ33が操作されると送信される。これにより、副制御手段200は、受信した制御コマンドに応じてメダルの払出音を発生させる。「清算終了」コマンド(8F03)はクレジットされていたメダル、および/または、ベットされていたメダルを全て払い出し終わると送信される。これにより、副制御手段200は、受信した制御コマンドに応じて払出音を終了させたり、遊技の待機状態(遊技が可能となっている状態)を示す演出を表示したりする。
前述した様に、上述した各コマンドは一部に過ぎず、これらコマンドの他にも、役抽選や有利区間抽選に関するコマンド、RT状態や遊技状態に関するコマンド、リールの回転/停止に関するコマンド、スタートスイッチ3やストップスイッチ37L,37C,37Rの操作に関するコマンド、遊技結果に関するコマンドなどを副制御手段200へ送信している。
(外部信号送信手段の説明) 図8に戻り、外部信号送信手段190は、主制御手段100において所定周期(2.235ミリ秒毎)で実行されるタイマ割込処理(後述する)により外部集中端子基板86を介して、前述したメダル投入信号、メダル払出信号、BB信号、および、有利区間信号等を外部へ出力する。本実施形態では、BB役が入賞するとBB信号がオンになり、BB遊技が終了するとBB信号がオフになる(レベル出力)。また、有利区間が開始されると、有利区間信号がオンになり、有利区間が終了するとオフ状態となる(レベル出力)。
<主制御手段100のRWMに記憶される情報の説明>
次に、主制御手段100のRWMに記憶される各種データの内容について、図13〜図15を参照して説明する。本実施形態に用いられているRWMは、各アドレスに1バイトのデータを格納することができ、図13〜図15に示すアドレスの値は全て16進法の数で表記しており、16進法の4桁の数値でアドレスを表す場合は、末尾に付与する「H」の文字を省略する。また、図13〜図15に示したデータの種類は、RWMに記憶されるデータの一部に過ぎず、これらデータの他にも遊技を制御する上で必要となるデータがRWMに記憶されることはいうまでもない。
図13において、RWMのアドレスF000には、設定値表示器87に表示される設定値に対応する値(設定値データ)が記憶されている。すなわち、設定値表示器87に表示される設定値が「1」のときは0、設定値表示器87に表示される設定値が「2」のときは1、設定値表示器87に表示される設定値が「3」のときは2、設定値表示器87に表示される設定値が「4」のときは3、設定値表示器87に表示される設定値が「5」のときは4、設定値表示器87に表示される設定値が「6」のときは5が記憶される。
従来のスロットマシンでは、設定値が「1」〜「6」の範囲を取り得る場合、その設定値データも設定値に対応して「1」〜「6」で管理するものがあった。しかしながら、設定値データの最小値を「1」とした場合、効率の良い制御処理が実行し
にくくなってしまう場合がある。そこで、設定値が「1」〜「6」の範囲を取り得る場合、設定値データの最小値を「0」とし、その数値範囲を「0」〜「5」に設定すると、少なくとも以下のような効果を奏する。
第1に、設定値のエラーチェックが容易となり、少ないプログラム容量でエラーチェックを実施することができる。例えば、設定値エラーチェックの演算処理として、設定値データから6(設定値データの最大値+1)を減算し、その演算結果に桁下がりがなかった(キャリーフラグがオフ)と判断した場合に、エラー(設定値の範囲外)と判断することができる。すなわち、設定値データが0〜5のときは桁下がりが発生するためエラーと判断しないが、それ以外の値(例えば6や100)が記憶されていたときには、桁下がりが発生しないためエラーと判断することができる。このように、キャリーフラグの値をチェックすることで、RWMに記憶されている設定値データが正常な数値範囲内にあるか否かを判断できる。
これに対して、設定値データを「1」〜「6」で記憶していた場合は、上述した減算と同様の処理ではエラーと判断することができない。すなわち、設定値データから7(設定値データの最大値+1)を減算した場合、例えば設定値データが「0」であっても桁下がりが生じるため、正常と判断されてしまう。このため、設定値データに「0」が記憶されてしまった場合にエラーとして判断するための別の処理が必要となり、プログラム容量を圧迫することとなる。
第2に、設定値データを「0」〜「5」で記憶することの効果として、設定値に応じて役抽選における当選確率が異なる当選役(以下、「設定差のある当選役」ともいう。)に関する抽選処理を容易にすることができる。例えば、設定差のある当選役が入賞−Dであるとして、設定値データが「0」のときの置数(以下、「判定値」ともいう。)が3904(当選確率:約1/16.79)、設定値データが「1」のとき3914(当選確率:約1/16.74)、設定値データが「2」のとき3924(当選確率:約1/16.70)、設定値データが「3」のとき3934(当選確率:約1/16.66)、設定データが「4」のとき3944(当選確率:約1/16.62)、設定値データが「5」のとき3954(当選確率:約1/16.57)であったとする。
このとき、入賞−Dに当選したか否かを判断する際に参照される置数データは、以下のようにROMのアドレスXXX0〜アドレスXXXAに記憶させるとよい。 アドレスXXX0 DEFW 3904 ;(設定値データ0) アドレスXXX2 DEFW 3914 ;(設定値データ1) アドレスXXX4 DEFW 3924 ;(設定値データ2) アドレスXXX6 DEFW 3934 ;(設定値データ3) アドレスXXX8 DEFW 3944 ;(設定値データ4) アドレスXXXA DEFW 3954 ;(設定値データ5) ここで、上述した「アドレスXXX0」等は、説明を簡易化するためのものであり実際のアドレスとは異なる。また、DEFWは2バイトデータであることを意味し、続く値が置数データを意味する。上記の置数データは十進法の値で示しているいるが、ROMには十六進法の値で記憶されるものとする。さらにまた「;(設定値0)」等は、どの設定値データに対応する置数データであるかの説明を記載したものであって、実際にROMに記憶されるデータではない。
また、ROMの1つのアドレスに記憶することができるデータが1バイトだった場合、置数データの上位バイトと下位バイトとに分けて2つのROMアドレスに記憶される。例えば、設定値データが「0」のときの置数データ「3904」(=0F40H)をROMに記憶する場合、アドレスXXX0に下位バイトの値40Hを記憶し、アドレスXXX1に上位バイトの値0FHを記憶させる。また、設定値データが「5」のときの置数データ「3954」(=0F72H)をROMに記憶する場合、アドレスXXXAに下位バイトの値72Hを記憶し、アドレスXXXBに上位バイトの値0FHを記憶させる。
上述したように、各置数は設定値が昇順となるように各アドレスに記憶される。例えば、設定値データ「0」のときに、アドレスXXX0およびアドレスXXX1に記憶された2バイトデータ(0F40H)をレジスタ(例えばDEレジスタのペアレジスタ等)に取得し、乱数値と比較演算することにより入賞−Dに当選したか否かを判定する。一方、設定値データ「5」のときには、アドレスXXXAおよびアドレスXXXBに記憶された2バイトデータ(0F72H)をレジスタに取得し、乱数値と比較演算することにより入賞−Dに当選したか否かを判定する。つまり、設定値データに応じて異なるアドレスから置数データを取得することとなる。
このとき、置数データとして2バイトデータが記憶されているときには、基準となるアドレス値をXXX0として、設定値データを2倍したデータをオフセット値としてアドレスを指定することにより、設定値データに対応した置数を取得することができる。例えば、設定値データが「3」だった場合は、アドレスXXX0に対して6を加算してアドレスXXX6およびアドレスXXX7から置数データ0F5EH(「3934」)を取得する。なお、置数データが1バイトデータで表されるときには、設定値データを2倍することなく、設定値データそのものをオフセット値としてアドレスを指定し、対応した置数(例えばAレジスタ)を取得することができる。
これに対して、設定値データが「1」から「6」で記憶されていた場合は、上記のような置数が記憶されていたとすると、設定値データを直接オフセット値として採用することができない。この場合、オフセット値は(設定値データ−1)×2という演算を行わなければならない。このため、設定値データを「0」から「5」にした場合に比べて抽選処理が複雑になる。
このように、設定値表示器87に表示される設定値と、RWMのアドレスF000に記憶されている設定値データとは1ずつ相違していることによって有利な効果が得られるが、これに限定されることなく、設定値表示器87に表示される設定値とアドレスF000に記憶されている設定値データとが、同じ値となるようにしてもよい。例えば、設定値表示器87に表示される設定値が「3」のときは、RWMのアドレスF000に記憶されている設定値データも3としてもよい。さらにまた、本実施形態では、設定値の範囲が「1」〜「6」まで存在しているため、設定値データとして「0」から「5」までの6種類のデータをRWMに保存可能とし、設定値表示器87に「1」から「6」の6種類の表示を可能としているが、例えば、設定値の範囲を「1」〜「4」にして、設定値データとして「0」から「3」までの4種類のデータを保存可能とし、設定値表示器87に「1」から「4」の4種類の表示を可能としてもよい。
アドレスF00Aには、入力ポート0レベルデータが記憶される。具体的には、D0ビットには設定/リセットスイッチ信号、D1ビットには設定キースイッチ信号、D2ビットにはドアスイッチ信号、D5ビットには電源断検知信号、D6ビットには満杯検知信号が記憶される。これらの信号は、図11(a)に示した入力ポート0に入力される信号と同様である。なお、D3ビット、D4ビットおよびD7ビットは未使用である。
アドレスF00Bには、入力ポート1レベルデータが記憶される。具体的には、D0ビットにはストップスイッチセンサ3信号、D1ビットにはストップスイッチセンサ2信号、D2ビットにはストップスイッチセンサ1信号、D3ビットには3枚投入センサ信号、D4ビットには1枚投入スイッチ信号、D5ビットには清算スイッチ信号、D6ビットにはスタートスイッチセンサ信号が記憶される。これらの信号は、図11(b)に示した入力ポート1に入力される信号と同様である。なお、D7ビットは未使用である。
アドレスF00Cには、入力ポート2レベルデータが記憶される。具体的には、D0ビットには回胴センサ(第1回胴)信号、D1ビットには回胴センサ(第2回胴)信号、D2ビットには回胴センサ(第3回胴)信号、D3ビットには払出センサ1信号、D4ビットには払出スイッチ2信号、D5ビットには投入センサ1信号、D6ビットには投入センサ2信号、D7ビットにはメダル通路センサ信号が記憶される。これらの信号は、図11(c)に示した入力ポート2に入力される信号と同様である。
アドレスF00Dには、入力ポート0に入力された設定キースイッチ信号および設定/リセット信号のエッジデータが記憶される。具体的には、D0ビットには設定キースイッチ信号の立ち下がりデータが記憶され、D1ビットには設定/リセット信号の立ち上がりデータが記憶され、D2ビットには設定キースイッチ信号の立ち上がりデータが記憶される。なお、D3〜D7ビットは未使用である。
ここで、立ち下がりデータとは、対応する信号がオン状態からオフに変化したときに1となり、対応する信号がオン状態またはオフ状態を維持しているとき、および、オフ状態からオン状態に変化したときは0となるデータをいう。また、立ち上がりデータとは、対応する信号がオフ状態からオン状態に変化したときに1となり、対応する信号がオン状態またはオフ状態を維持しているとき、および、オン状態からオフに変化したときは0となるデータをいう。
次に図14において、RWMのアドレスF00Eには、入力ポート1に入力された各信号の立ち上がりデータが記憶される。具体的には、D0ビットにはストップスイッチセンサ3信号の立ち上がりデータ、D1ビットにはストップスイッチセンサ2信号の立ち上がりデータ、D2ビットにはストップスイッチセンサ1信号の立ち上がりデータ、D3ビットには3枚投入センサ信号の立ち上がりデータ、D4ビットには1枚投入スイッチ信号の立ち上がりデータ、D5ビットには清算スイッチ信号の立ち上がりデータ、D6ビットにはスタートスイッチセンサ信号の立ち上がりデータが記憶される。なお、D7ビットは未使用である。
アドレスF00Fには、入力ポート2に入力された各信号の立ち上がりデータが記憶される。具体的には、D0ビットには回胴センサ(第1回胴)信号の立ち上がりデータ、D1ビットには回胴センサ(第2回胴)信号の立ち上がりデータ、D2ビットには回胴センサ(第3回胴)信号の立ち上がりデータ、D3ビットには払出センサ1信号の立ち上がりデータ、D4ビットには払出スイッチ2信号の立ち上がりデータ、D5ビットには投入センサ1信号の立ち上がりデータ、D6ビットには投入センサ2信号の立ち上がりデータ、D7ビットにはメダル通路センサ信号の立ち上がりデータが記憶される。これらの信号は、図11(c)に示した入力ポート2に入力される信号と同様である。
なお、アドレスF00D、F00E、F00Fに保存される各種立ち上がりデータおよび立ち下がりデータは、対応する信号のレベルデータの変化(立ち上がりデータにあってはローからハイ、立ち下がりデータにあってはハイからロー)がタイマ割込処理で検出されると1にされ、次のタイマ割込処理で0に戻される。
アドレスF010には、スロットマシン10にクレジットされているメダルの枚数の値が記憶される。このアドレスに記憶され得る値の数値範囲は0〜32H(10進法で0〜50)である。アドレスF011には、獲得枚数表示器28に表示するための数値が記憶される。すなわち、小役が入賞した場合は払出枚数(獲得枚数)として、1H,3H,9Hのいずれかの値が記憶される。また、設定値の変更が行われている(設定変更装置が作動している)場合は、58H(10進法で88)の値が記憶される。さらに、報知遊技状態において押し順を報知する場合は、65H〜6AH(10進法で101〜106)の
いずれかの値が記憶される。より詳細には、順押し(左→中→右)を報知する場合は65H(10進法で101)、ハサミ押し(左→右→中)を報知する場合は66H(10進法で102)、順中押し(中→左→右)を報知する場合は67H(10進法で103)、逆中押し(中→右→左)を報知する場合は68H(10進法で104)、逆ハサミ押し(逆ハサミ押し)を報知する場合は69H(10進法で105)、逆押し(右→中→左)を報知する場合は6AH(10進法で106)が記憶される。
アドレスF012には、LED表示カウンタの値が記憶される。LED表示カウンタは、8ビットからなる1バイトデータであり、そのカウント値は、クレジット数表示器27の上位桁および下位桁、獲得枚数表示器28の上位桁および下位桁、並びに、設定値表示器87の5つの7セグ表示器のうち、表示制御の対象となる7セグ表示器を表している。LED表示カウンタの値は、後述するタイマ割込処理が行われる毎に、10H(00010000B)→08H(00001000B)→04H(00000100B)→02H(00000010B)→01H(00000001B)→00H(00000001B)→10H(00010000B)→……と、循環的に変化する。ここで、01Hから00Hへの変化と、00Hから10Hへの変化とは、1回のタイマ割込処理で行われる。
これにより、LED表示カウンタの値が01Hのときはクレジット数表示器27の上位桁に、02Hのときはクレジット数表示器27の下位桁に、04Hのときは獲得枚数表示器28の上位桁に、08Hのときは獲得枚数表示器28の下位桁に、10Hのときは設定値表示器87に、順次、数字が表示されることになる。すなわち、各7セグ表示器は、周期的に実行されるタイマ割込処理の、5回のうち1回の割合で数字が表示されるため、いわゆるダイナミック点灯制御が行われることになる。
アドレスF013には、LED表示要求フラグの値が記憶されている。LED表示要求フラグは、表示制御を行うことができる7セグ表示器を示すフラグであり、8ビットからなる1バイトデータとして記憶される。このデータの各ビットは上述した5つの7セグ表示器に対応しており、具体的にはD0ビットはクレジット数表示器27の上位桁、D1ビットはクレジット数表示器27の下位桁、D2ビットは獲得枚表示器28上位桁、D3ビットは獲得枚表示器28下位桁、D4ビットは設定値表示器87に対応している。
LED表示要求フラグの値は、通常中(遊技中および遊技待機中)は、設定値表示器87が表示不可となり、その他の7セグ表示器は表示可能となるため、00001111Bとなる。また、設定変更モード中(すなわち設定変更装置の作動中)は、設定値表示器87および獲得枚数表示器28が表示可能となり、その他の7セグ表示器は表示不可となるため、00011100Bとなる。なお、設定変更モード中において、例えばクレジット数表示器27にも「88」を表示したい場合には、なお、RWMアドレスF010に58Hを記憶し、RWMアドレスF013に00011111Bを記憶するように構成されていてもよい。
このように、設定変更モード中においては、獲得枚数表示器28(およびクレジット数表示器27)に通常の遊技中には表示されない特殊態様(本実施形態では「88」)が表示されるため、設定変更モード中であることを前面扉14の正面から視認可能となる。これにより、不正行為によって設定値が変更されていることを遊技場のスタッフが早く察知することができる。また、設定確認モード中(設定値の確認中)においては、獲得枚数表示器28(およびクレジット数表示器27)に上述した特殊態様(本実施形態では「88」)が表示されないため、現在のモードが設定変更モード中か設定確認モード中かを遊技場のスタッフが識別し易いようになっている。
これにより、例えば、設定値を変更しようとしてキースイッチ82bをオンにした後、設定/リセットスイッチ82cを操作しても設定値が更新されなかった場合、獲得枚数表示器28(およびクレジット数表示器27)の表示態様によって、設定変更モードでなく、誤って設定確認モードへ移行してしまった所為であるか否かを確認することができる。また、獲得枚数表示器28(およびクレジット数表示器27)の表示態様によって設定変更モードであることを報知することで、音声のみによって設定変更モードであることを報知する場合に比べ、設定変更モードであるか否かを容易に識別することができる。なお、設定変更モードであることを示す特殊態様を「88」としたが、これ以外の表示態様を特殊態様としてもよいことは言うまでもない。ただし、0〜50までの数値や表示され得るエラー番号(HP,HE,H0,CE,CP,CH,C0,C1,FEなど)とは異なる態様であることが望ましい。
アドレスF014には、前述した異常検出手段170によって検出されたエラーに対応するエラーコードを獲得枚数表示器28に表示するためのデータ(エラー番号)が記憶される。具体的には、メダル詰まりエラー(エラーコード:HP)が検出されたときは「14」、エンプティエラー(エラーコード:HE)が検出されたときは「13」、払い出しエラー(エラーコード:H0)が検出されたときは「15」、投入センサ通過エラー(エラーコード:CE)が検出されたときは「3」、メダル投入エラー(エラーコード:CP)が検出されたときは「4」、メダル滞留エラー(エラーコード:CH)が検出されたときは「1」、投入センサエラー(エラーコード:C0)が検出されたときは「5」、メダル通過エラー(エラーコード:C1)が検出されたときは「6」、メダル満杯エラー(エラーコード:FE)が検出されたときは「23」、上述した9つのエラーのうちいずれも検出されていないときは「0」の値が記憶される。
ここで、アドレスF014に記憶された値は、主制御手段100のROMに記憶されているLEDセグメントテーブルから、獲得枚数表示器28にエラーコードを表示するためのセグメントデータを読み出すために参照される。ここで、LEDセグメントテーブルの内容について図16を参照して説明する。LEDセグメントテーブルは、7セグ表示器に数字、アルファベット、記号を表示する際に、どのセグメントを点灯させるのかを指定するセグメントデータをテーブル化したものである。セグメントデータは、8ビット(D0〜D7)のデータであり、図16の「2進数」の欄に示すように、D0〜D6の各ビットが、7セグ表示器のセグメントa〜gに対応している。そして、D0〜D6の各ビットのうち、1になっているビットに対応するセグメントが点灯するように制御が行われる。
LEDセグメントテーブルには、第1テーブル(TBL_SEG_DATA1)と第2テーブル(TBL_SEG_DATA2)とがある。第1テーブルは図16(a)に示すように、ROMのアドレス1211から順にアドレス1215まで、「C」、「H」、「F」、「E」、「P」を表示するためのセグメントデータが記憶されている。第2テーブルは図16(b)に示すように、ROMのアドレス1216から順にアドレス1220まで、「0」〜「9」および「=」を表示するためのセグメントデータが記憶されている。
第1テーブルおよび第2テーブルから所望するセグメントデータを指定するには、各テーブルの先頭アドレスを基準としたオフセット値によって行われる。ここで、獲得枚数表示器28にエラーコードを表示させるときは、第1テーブルの先頭アドレスが基準となり、獲得枚数(払出枚数)または押し順を表示させるときには、第2テーブルの先頭アドレスが基準となる。したがって、例えば「HP」というエラーコードを表示する場合は、基準となる先頭アドレスが1211となることから、獲得枚数表示器28の上位桁の表示を行うためのセグメントデータを指定するオフセット値は「1」(ROMアドレスの1212に対応)となり、下位桁の表示を行うためのセグメントデータを指定するオフセット値は「4」(ROMアドレスの1215に対応)となる。
ここで、図14のRWMのアドレスF014に記憶されたエラー番号は、エラーコードを表示する際の、獲得枚数表示器28の上位桁に表示するセグメントデータのオフセット値と、下位桁に表示するセグメントデータのオフセット値とを指定し得る値になっている。すなわち、記憶されているエラー番号を「10」で割ったときの商の値が獲得枚数表示器28の上位桁に表示するセグメントデータのオフセット値となり、その余りの値が下位桁に表示するセグメントデータのオフセット値となる。
例えば、エラー番号として「15」(払い出しエラーに対応)が記憶されていた場合、15÷10=1となり、余りが5となるため、獲得枚数表示器28の上位桁に表示するセグメントデータのオフセット値は「1」、下位桁に表示するセグメントデータのオフセット値は「5」となる。したがって、得枚数表示器28の上位桁には、ROMアドレス1212に記憶されたセグメントデータが参照されて「H」が表示され、下位桁には、ROMアドレス1216に記憶されたセグメントデータが参照されて「0」が表示される。
次に、図15に示すアドレスF015には、フロントパネル20に設けられた遊技開始表示LED、投入表示LED、再遊技表示LEDおよび清算表示LEDの点灯/消灯を制御するためのデータ(LED表示データ)が記憶される。具体的には、D0ビットは遊技開始表示LED用のLED表示データ、D2ビットは投入表示LED用のLED表示データ、D3ビットは再遊技表示LED用のLED表示データ、D4ビットは清算表示LED用のLED表示データである。これら各LED表示データの値が「1」のときは対応する表示LEDが点灯し、「0」のときは消灯する。
アドレスF01Cには、セレクタ80内のブロッカおよびメダル払出装置83内のホッパーモータ46の作動状態を示すデータが記憶される。具体的には、D6ビットの値はブロッカ信号のオン/オフ状態を示し、D7ビットの値はホッパーモータ駆動信号のオン/オフ状態を示す。アドレスF02AおよびF02Bには、遊技待機表示を開始するまでの時間を計時するための値が記憶される。具体的には、前回の遊技が終了して、今回の遊技を開始できる状態になったときに、アドレスF02AおよびF02Bの2つのアドレスに十進法で「27101」(=69DDH)の値が保存される。詳細には、アドレスF02AにDDH、アドレスF02Bに69Hが保存される。その後、タイマ割込処理が実行されるごとに「1」ずつ減算される。そして、その値が「0」になるまでにメダルの投入が行われない場合は、遊技待機表示を開始する。
ここでの遊技待機表示は、獲得枚数表示器28に表示されている表示を「00」にすることを示す。例えば、9枚の払出しを伴う小役が入賞した場合には、獲得枚数表示器28には「09」が表示される。その後、遊技者が遊技を終了させたいと思い、清算スイッチ33を操作してクレジット等のメダルを払出したとしたとき、獲得枚数表示器28には「09」の表示が維持されたままとなる。このままの状態では、獲得枚数表示器28に「09」が表示されていることにより、次の遊技者が遊技をしていいか(遊技者がいないスロットマシンであるか否か)不安になる虞がある。このため、所定時間(約1分)の経過後には、獲得枚数表示器28に表示されている表示を「00」にする(または消灯する)ことで、遊技者の回転率(換言するとスロットマシン10の稼働率)を上げることができる。
なお、副制御手段200による遊技待機表示(いわゆるデモ表示)は、副制御手段200が遊技終了後の所定タイミングからタイマ計測して所定時間(約1分)経過したと判断した場合に実行してもよい。また、主制御手段100において遊技待機表示の開始時にそのことを示すコマンドを副制御手段200へ送信
し、当該コマンドを副制御手段200が受信したことを契機に実行してもよい。
≪副制御手段の説明≫<副制御手段およびその周辺のハードウェア構成> 副制御手段200は、CPU、ROM、RWM等を含んで構成され、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて、実行する演出を制御する副制御基板202と、副制御基板202から送信されたサブ制御コマンドに基づいて、画像表示装置70、スピーカ64L,64Rおよび演出用ランプ72などの演出手段を駆動する画像制御基板204とを含んで構成されている。
<副制御基板の機能ブロック> 副制御基板202は、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて演出または報知の内容を決定し、決定した演出または報知を実行するためのサブ制御コマンドを生成する演出制御手段210と、主制御手段100から送信された制御コマンドを受信する制御コマンド受信手段220と、演出制御手段210によって生成されたサブ制御コマンドを画像制御基板204へ送信するサブ制御コマンド送受信手段230とを含んで構成されている。
(演出制御手段の説明) 演出制御手段210は、遊技に応じた演出を制御する手段であって、演出抽選手段212および演出状態制御手段214を含んで構成されている。ここで、遊技に応じた演出とは、設定値、RT状態、遊技状態、フリーズ演出の有無、役抽選や有利区間抽選の結果などに応じた演出をいう。
演出制御手段210は、主制御手段100から受信した制御コマンドと、現在の演出状態とに応じた演出を抽選によって決定する演出抽選手段212と、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて演出状態の移行制御を行う演出状態制御手段214とを有している。ここで、演出状態制御手段214によって制御される演出状態は、主制御手段100における遊技状態と同様の演出状態を設け、遊技状態制御手段144と同様の移行制御を行ってもよい。
(制御コマンド受信手段の説明) 制御コマンド受信手段220は、主制御手段100からシリアル通信で送信された制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドをパラレルデータに変換して、受信した順に副制御手段200が有するコマンドバッファ(例えばRWMの記憶領域の一部)に蓄積していく。これにより、演出制御手段210は、コマンドバッファに蓄積されている制御コマンドのうち、最先に蓄積された制御コマンドに基づく処理を順次行っていく。
(サブ制御コマンド送信受手段の説明) サブ制御コマンド送受信手段230は、演出制御手段210によって生成されたサブ制御コマンドを、所定周期(例えば1ミリ秒)ごとにシリアル通信によって画像制御基板204に送信する。また、サブ制御コマンド送受信手段230は、後述するサブ制御コマンド送受信手段240から送信されたコマンドを受信する。
<画像制御基板の機能ブロック> 画像制御基板204は、サブ制御コマンド送受信手段240と、画像/サウンド出力手段240とを含み、副制御基板202から送信されたサブ制御コマンドに基づいて画像表示装置70、スピーカ64L,64Rおよび各種ランプ(サイドランプ52L,52R、演出用ランプ72、装飾ランプ74L,74R)を駆動制御し、演出制御手段210によって決定された演出を実行する。
(サブ制御コマンド送受信手段の説明) サブ制御コマンド送受信手段240は、サブ制御コマンド送受信手段230からシリアル通信で送信されたサブ制御コマンドを受信し、受信したサブ制御コマンドをパラレルデータに変換して、受信した順に、サブコマンドバッファに蓄積していく。また、サブ制御コマンド送受信手段240は、画像制御基板204が正常に作動しているか否かを示すコマンドや、サブ制御コマンド送受信手段230から送信されたコマンドを正常に受信できたか否かを示すコマンドを、サブ制御コマンド送受信手段230に送信する。これにより、副制御基板202は、画像御基板204で発生した異常を検知することができ、画像御基板204がサブ制御コマンドの受信に失敗した場合は、そのサブ制御コマンドを再送することができる。
(画像/サウンド出力手段の説明) 画像/サウンド出力手段250は、画像制御基板204で生成された演出用の画像信号および音声信号を、画像表示装置70とスピーカ64L,64Rへ出力する。これにより、画像表示装置70には演出画像が表示され、スピーカ64L,64Rから音声が発生する。一方、画像表示装置70やスピーカ64L、64Rからは、正常に作動可能な状態であるか否かを示す正常作動信号が画像制御基板204(または副制御基板202)に対して出力される。正常作動信号が受信できない場合には、画像/音声信号を送ることなく保持してもよいし、遊技の進行に伴い破棄するようにしてもよい。
[制御手段による処理の説明]≪主制御手段における制御処理の説明≫<プログラム開始処理の説明> まず、電源ユニット82の電源スイッチ82aがオフからオンにされたときに主制御手段100が実行するプログラム開始処理について、図17に示すフローチャートを参照しつつ説明する。電源スイッチ82aがオンにされると、まず主制御手段100は、CPUのQレジスタにRWMのアドレスを指定する際に参照される固定値データF0Hをセットする(ステップS10)。本実施形態では、遊技の制御に関するデータの多くは、RWMアドレスのF000〜F0FFに記憶されているため、遊技に関する処理の実行中に指定するRWMアドレスは、F0xxという値(xは0〜FHのいずれか)になることが多くなる。
そこで、電源が投入されたときに予めF0Hの値をQレジスタにセットしておき、以後、RWMアドレスのF000〜F0FFにアクセスする際に、Qレジスタからアクセスするアドレスの上位1バイトの値(F0H)を取得する。これにより、例えば、プログラムにおいて、アクセスすべきRWMアドレスを逐一2バイトで記述する場合や、RWMの上位1バイトの値をROMから読み出す場合に比べて、プログラムのデータ容量やCPUの処理負担を軽減することができる。また、Eレジスタに00Hをセットする。この処理の意義は、後述するステップS32で説明する。
次に主制御手段100は、CPUのHLレジスタにRWMの先頭アドレスの値(F000)をセットする(ステップS12)。具体的には、Qレジスタから読み込んだ値(F0H)をHレジスタにセットし、Lレジスタに00Hをセットする。そして、所定範囲内のRWMアドレス(例えばF000〜F3FF)のチェックサムを算出する。具体的には、HLレジスタの値が示すRWMアドレスに記憶されているデータを、Aレジスタに記憶されているデータに加算した後、次のRWMアドレスを指定するためHLレジスタの値に1を加算する(ステップS14)。そして、上述したRWMアドレスの範囲に関するチェックサムの算出が終了したか否かを判断し(ステップS16)、終了していなかった場合は判断結果がNOとなってステップS14の処理を再び実行する。
ここで、チェックサムの算出が終了したか否かの判断は、Hレジスタの第3ビット(最下位ビットから数えて3つ目のビット)の値が1になったときにチェックサムの算出が終了したと判断する。すなわち、チェックサムを算出する最後のアドレスがF3FFであることから、Hレジスタの値が11110111Bから11111000Bになったとき、すなわち、Hレジスタの第3ビットの値が0から1になったときに、ステップS16の判断結果がYESとなる。このように、Hレジスタの特定ビットの値が1か否かを判断するだけで所定のアドレス範囲におけるチェックサムが終了したか否かを判断することができる。
ステップS16の判断結果がYESになると、主制御手段100は、RWMのチェックサムが正常であるか否かを判断する(ステップS18)。具体的には、Aレジスタの値が0(すなわち、フラグレジスタのゼロフラグが1)であれば、RWMのチェックサムは正常としてステップS18の判断結果がYESになる。これに対して、Aレジスタの値が0にならなければ(すなわち、フラグレジスタのゼロフラグが0)であれば、RWMのチェックサムは異常としてステップS18の判断結果がNOになる。
ステップS18の判断結果がYESになると、主制御手段100は、電源断処理が行われたか否かを判断する(ステップS20)。具体的には、RWMの所定アドレスに記憶されている電源断処理済みフラグの値を読み出してAレジスタにセットし、その値から所定値(例えば55H)を減算した後の値が0(すなわち、フラグレジスタのゼロフラグが1)になると、電源断処理が行われたものとしてステップS20の判断結果がYESとなる。これに対して、減算の結果、Aレジスタの値が0にならなければ(すなわち、フラグレジスタのゼロフラグが0)であれば、電源断処理が行われなかったものとしてステップS20の判断結果がNOになる。
ステップS20の判断結果がYESになると、主制御手段100は、後述するステップS32で電源断復帰が正常か否かを判断するためのデータをCPUのEレジスタにセットする(ステップS22)。具体的には、現在のAレジスタの値(例えば55H)をEレジスタに保存する。換言すると、Eレジスタの値は、ステップS10で記憶した「00H」から「55H」に更新されることとなる。
ステップS18またはS20の判断結果がNOになった場合、または、ステップS22の処理を終えると、主制御手段100は、入力ポート0から各種入力信号(図11(a)参照)の値を読み込んでAレジスタにセットする(ステップS24)。そして、Aレジスタにセットされた信号の値から、ドアスイッチ信号および設定キースイッチ信号を正論理の信号に変換して抽出する(ステップS26)。具体的には、まずAレジスタにセットされている値と、所定値01100001BとのXOR(排他的論理和)演算を行って設定キースイッチ信号(D1ビット)およびドアスイッチ信号(D2ビット)を正論理の信号に変換する。そして、その演算結果で得られた値と、所定値00000110BとのAND(論理積)演算を行ってドアスイッチ信号および設定キースイッチ信号の値を抽出する。
なお、ドアスイッチ信号および設定キースイッチ信号は、後述するステップS28の処理の判断で用いられる。本実施形態のように、入力ポート0に入力される設定キースイッチ信号(D1ビット)がオン状態(右に回転している)のときに「1」、ドアスイッチ信号(D2ビット)がオン状態(前扉が開放状態)のときに「1」と入力されている場合には、これら信号が正論理の信号であるため、正論理の信号に変換する上述した処理を実行しなくてもよい。さらにまた、後述するステップS28の処理を行う際に、他の入力ポートからそれぞれの信号を取得する場合には、効率が悪い(プログラムの容量が多くなる)。例えば、入力ポート0の所定ビットにドアスイッチ信号が割り当てられ、入力ポート1の所定ビットに設定キースイッチ信号が割り当てられている場合、これら2つの入力ポートに個々に信号を取得しなければならないため効率が悪い。このため、本実施形態のように、後述するステップS28の処理に用いる入力データは、同一の入力ポートから取得できるようにすることで、プログラムの容量を低減できる。
次に主制御手段100は、入力ポート0の入力信号のうち、予め指定されている信号がすべてオンになっているか否かを判断する(ステップS28)。ここで、「予め指定されている信号」は、ドアスイッチ信号および設定キースイッチ信号である。具体的には、ステップS26からS28にかけて以下の(1)から(3)の処理を行う。(1)Aレジスタにセットされたデータの所定値00000110Bとの比較演算処理(減算処理)を行う。この演算の結果が「0」であれば、フラグレジスタのゼ
ロフラグが「1」となる。(2)EレジスタにセットされているデータをAレジスタにセットする。このときのEレジスタの値は、先述したステップS22の処理を実行したか否かで異なり、例えば、ステップS22の処理を実行した場合は55Hがセットされ、ステップS22の処理を実行しなかった場合はステップS10の処理によって00Hがセットされている。よって、Aレジスタには55Hまたは00Hがセットされることとなる。なお、(2)の処理は、後述するステップS32のための処理である。(3)先述した(1)での演算処理の結果によるフラグレジスタのゼロフラグが「1」か否かを判断し、ゼロフラグが「1」((1)の演算処理の結果が「0」)であれば、YESと判断し、ゼロフラグが「1」でなければNOと判断する。
ステップS28の判断結果がYESになると、主制御手段100は、電源断からの復帰状態が異常のときに実行するRWMの初期化開始アドレスの値をHLレジスタにセットし、初期化バイト数(初期化範囲)の値をBCレジスタにセットする(ステップS30)。ここで、RWMの初期化を行う範囲は、電源断からの復帰状態が正常か異常かによって異なっており、異常だった場合はアドレスF000〜F3FFの範囲(400Hの範囲)が初期化され、正常だった場合はアドレスF005〜F3FFの範囲(3FBHの範囲)が初期化される。したがって、ステップS30の処理では、HLレジスタにF000Hの値がセットされ、BCレジスタに0200Hの値がセットされる。
次に主制御手段100は、電源断復帰が正常であるか否かを判断する(ステップS32)。具体的には、電源断復帰が正常であれば、Aレジスタの値と所定値55Hとの比較演算処理(Aレジスタから所定値を減算する処理)した結果が0(ゼロフラグが1)となり、判断結果がYESとなる。つまり、Aレジスタの値が00Hである場合には判断結果がNOとなり、Aレジスタの値が55Hである場合には判断結果がYESとなるように、Aレジスタに記憶される値を当該ステップの前に設定している。ステップS32の判断結果がNO(ゼロフラグが0)のときは、後述する設定変更装置処理(図18参照)へ移行する。これに対してステップS32の判断結果がYES(ゼロフラグが1)のときは、電源断からの復帰状態が正常のときに実行するRWMの初期化開始アドレスの値をHLレジスタにセットし、初期化バイト数(初期化範囲)の値をBCレジスタにセットする(ステップS34)。すなわち、HLレジスタにF005Hの値がセットされ、BCレジスタに03FBHの値がセットされる。そして、後述する設定変更装置処理(図18参照)へ移行する。
前述したステップS28の判断結果がNOになった場合、主制御手段100は、電断復帰エラーのエラーコード(E1)を獲得枚数表示器28に表示するためのデータをDレジスタにセットする(ステップS36)。そして、Aレジスタにセットされている電源断復帰データの値が「正常」(すなわち55H)であるか否かを判断し(ステップS38)、正常であれば判断結果がYESとなって電源断復帰処理を実行し、正常でなければ判断結果がNOとなって復帰不可能エラー処理を実行する。
ここで、電源断復帰処理は、主制御手段100のRWMに設定されているスタックポインタ一時記憶領域に保存されているデータをスタックポインタ(SPレジスタ)にセットしてから、後述する図22のタイマ割込処理を開始し、RWMの所定アドレスに保存されている電源断処理済みフラグの値を0にクリアする。そして、スタック領域に戻り番地が保存されているか否かを判断し、スタック領域に戻り番地が保存されているとき(例えば、電源断処理等が正常に行なわれたとき)は、保存されている戻り番地から処理を再開する。これに対して、スタック領域に戻り番地が保存されていないとき(例えば、工場出荷時等の初期状態のとき等)は、後述する図19の遊技進行メイン処理の最初から処理を実行する。また、復帰不可能エラー処理は、主制御手段100から外部の各種デバイスに対して信号を出力するための出力ポートをすべてオフにした後、獲得枚数表示器28に対応するエラーコード(電源断復帰データが異常の場合にはE1)を繰り返し表示し、遊技の進行を停止する処理である。また、復帰不可能エラーは復帰可能エラーとは異なり、設定/リセットスイッチ82cの操作がなされた場合であってもエラーは解除することはできず、後述する設定変更装置処理によって復帰することができる。換言すると、RWMアドレスのF000からF3FFをクリアした後に復帰することができる。
なお、図17のプログラム開始処理では、ステップS28で指定されている信号がすべてオンになっているか否かの判断を行った後に、ステップS32で電源断復帰が正常であるか否かの判断を行っているが、電源断復帰が正常であるか否かの判断を行った後に指定されている信号がすべてオンになっているか否かの判断を行ってもよい。具体的には、ステップS26の処理を行った後に、ステップS30およびS32の処理を行い、ステップS32の判断結果がYESになった場合はステップS34の処理を行った後にステップS28の判断処理を行う。また、ステップS32の判断結果がNOになった場合はステップS34の処理を行わずにステップS28の判断処理を行う。そして、ステップS28の判断結果がYESのときは図18の設定変更装置処理へ移行し、判断結果がNOのときはステップS36およびS38の処理を行う。
<設定変更装置処理の説明> 次に図18に示すフローチャートを参照して、図17のステップS32の判断結果がNOになったときに実行される設定変更装置処理の内容について説明する。まず、主制御手段100は、スタック領域の初期値をSPレジスタ(スタックポインタに相当する)にセットする(ステップS50)。ここでは、SPレジスタにF200Hの値をセットする。次に主制御手段100は、HLレジスタにセットされたRWMアドレスの初期化を行う(ステップS52)。ここでは図17のステップS30でHLレジスタにF000の値がセットされているため、RWMアドレスF000に0を保存する。
主制御手段100は、次に初期化を行うRWMアドレスをHLレジスタにセット(ステップS54)し、RWMの初期化が終了したか否かを判断する(ステップS56)。具体的には、HLレジスタの値に1を加算してから、BCレジスタの値から1を減算し、BCレジスタの値が0(すなわちゼロフラグが1)であるか否かを判断し、ゼロフラグが0であればステップS56の判断結果がNOとなってステップS52へ移行する。これに対して、ステップS54の処理によってゼロフラグが1になった場合は、ステップS56の判断結果がYESとなり、後述するタイマ割込処理を開始させる(ステップS58)。
次に、主制御手段100は、副制御手段200へ設定変更装置作動開始コマンド(8038H)を送信するために、当該コマンドの出力要求としてDEレジスタに所定値0038Hをセットする(ステップS60)。そして、主制御手段100は、DEレジスタにセットされた値に基づいて設定変更装置作動開始コマンド(8038H)を生成し、予め定められているRWMのリングバッファ領域(リングバッファとして利用している記憶領域であって、例えばRWMアドレスF106〜F145のうち指定されたアドレス)に、生成した設定変更装置作動開始コマンドを保存する(ステップS62)。リングバッファ領域に保存されたコマンドは、後述するタイマ割込処理によって、最も古く保存されたコマンドから順に副制御手段200へ送信される。
次に主制御手段100は、設定変更装置作動開始までの待ち時間を計時するための値(E0H)をBCレジスタにセットし(ステップS64)、2バイト時間待ち処理を行う(ステップS66)。この2バイト時間待ち処理は、ステップS64でセットされたBCレジスタの値が、後述するタイマ割込処理によって0にされるまで待機する処理である。タイマ割込処理は2.235ミリ秒ごとに実行されており、このタイマ割込処理が実行されるごとにBCレジスタにセットされた値から1ずつ減算される。したがって、ステップS64でE0H(十進法で244)の値がBCレジスタにセットされたため、約0.5秒間、待機状態となる。
この待機処理は、主制御手段100が有するRWMの初期化範囲と、副制御手段200が有するRWMの初期化範囲とが異なることに起因する。すなわち、副制御手段200のRWMの初期化範囲が、主制御手段100のRWMの初期化範囲よりも広いため、副制御手段200において未だ初期化が完了していないにも関わらず、主制御手段100側で遊技進行メイン処理が開始されてしまうと、主制御手段100の制御処理と副制御手段200の制御処理とが同期しなくなる虞があり、このような事態を回避するためである。したがって、主制御手段100において上述した待機処理が終了するまでの間に、副制御手段200に対して「設定変更装置作動開始」コマンドを送信し、副制御手段200は、「設定変更装置作動開始」コマンドを受信したことに基づいてRWMの初期化を開始し、出来るだけ設定変更開始後の主制御手段100の制御処理と副制御手段200の制御処理とを同期させることができる。
ステップS66の処理によって所定時間(約0.5秒間)待機すると、次に主制御手段100は、RWMアドレスF011(図14参照)にBCD(二進化十進表現)の値として88を保存する(ステップS68)。この値は、図16(b)に示した第2テーブル(先頭アドレス:1216)のオフセット値として使用され、この結果、獲得枚数表示器28の上位桁および下位桁にそれぞれ「8」が表示されることになる。そして、RWMアドレスF013(図14参照)にLED表示要求フラグの値として00011100Bを保存することで、獲得枚数表示器28の上位桁および下位桁、ならびに設定値表示器87を表示可能な状態にする(ステップS70)。ステップS70の処理では、さらにHLレジスタに設定値データのアドレスの値(F000)をセットする。
次に主制御手段100は、設定/リセットボタン信号立ち上がりデータを取得して(ステップS72)、設定値データを更新する(ステップS74)。具体的には、まず、RWMアドレスF00Dに保存されている設定キーおよび設定/リセットボタン信号エッジデータをAレジスタにセットし、その値を下位桁側に1桁シフトさせることで設定/リセットボタン信号の立ち上がりデータのビット(D1ビット)を最下位ビット(D0ビット)に移す。次に、シフト後のAレジスタの値と、所定値00000001BとのAND演算を行い、設定キースイッチ信号の立ち上がりデータのビット(本来はD2ビットであるが、D1ビットにシフトされている)を無効にして、設定/リセットボタン信号の立ち上がりデータのみを抽出しAレジスタにセットする。そして、ステップS70の処理によってHLレジスタにセットされたRWMアドレス(F000)から設定値データを読み出して、Aレジスタに加算する。
以上の処理は、設定/リセットスイッチ82cが操作された場合、設定/リセットボタン信号の立ち上がりデータの値が1となり、RWMに記憶されていた設定値データに1を加算するための処理である。例えば、設定値データに「2」が記憶されている状況下で、設定/リセットボタン信号の立ち上がりデータの値が1(Aレジスタの値=01H)の場合には、Aレジスタの値は03Hとなり、設定値データに「2」が記憶されている状況下で、設定/リセットボタン信号の立ち上がりデータの値が0(Aレジスタの値=00H)の場合には、Aレジスタの値は02Hとなる。また、設定値データに「5」が記憶されている状況下で、設定/リセットボタン信号の立ち上がりデータの値が1(Aレジスタの値=01H)の場合には、Aレジスタの値は06
Hとなり、設定値データに「5」が記憶されている状況下で、設定/リセットボタン信号の立ち上がりデータの値が0(Aレジスタの値=00H)の場合には、Aレジスタの値は05Hとなる。
次に主制御手段100は、設定値が正常範囲内になっているか否かの判断を行う(ステップS76)。具体的には、Aレジスタの値から6を減算し、キャリーフラグが1になった(すなわち、桁下がりが生じた)場合、設定値が正常範囲内であるとして判断結果がYESとなる。ステップS76の判断結果がNOになった場合、主制御手段100は、Aレジスタの値を0(設定値データの初期値)にする。具体的には、Aレジスタの値に対して、同じAレジスタの値でXOR演算を行うことで、Aレジスタの値を0にする。例えば、ステップS74による処理で、Aレジスタの値が06Hとなった場合には、06Hと06Hの排他的論理和により00Hにすることができる。このように、ステップS74の処理によりAレジスタの値が00Hから05Hの何れかの値となった場合はYESとなり、Aレジスタの値が06Hとなった場合は00Hにすることができる。すなわち、簡単な処理によってAレジスタの値(ここでは設定値データ)を00Hから05Hの範囲内で循環的に更新することができる。
ステップS76の判断結果がYESになった場合、または、ステップS78の処理を終えると、主制御手段100は、Aレジスタにセットされている設定値データの値をHLレジスタの値が示すRWMアドレス(F000)に保存する(ステップS80)。次に主制御手段100は、1割込待機する割込待ち処理を行った後(ステップS82)、RWMアドレスF00Eに記憶されている入力ポート1立ち上がりデータのうち、D6ビットのスタートスイッチセンサ信号立ち上がりデータの値が1になっているか否かを判断する(ステップS84)。そして、スタートスイッチセンサ信号立ち上がりデータの値が0のときは判断結果がNOとなってステップS72の処理に戻る。
ここで、もしもステップS82の割込待ち待機処理を実行しなかったとすると、設定/リセットボタン信号立ち上がりデータが1になっていた場合、次のタイマ割込処理で設定/リセットボタン信号立ち上がりデータが0にされるまでステップS72〜S84の処理が繰り返し実行されてしまい、RWMに保存される設定値が意図しない値になってしまう虞がある。したがって、そのような事態を避けるために、ステップSS82の処理を実行して、タイマ割込処理により設定/リセットボタン信号立ち上がりデータが0にされるのを待ってから、ステップS84の判断処理を行っている。なお、本実施形態ではステップS82の割込待ち待機処理では、タイマ割込処理が1回行われるまで待機しているが、これに限らず、複数回(例えば3回)のタイマ割込処理が行われるまで待機するようにしてもよい。
ステップS84の判断処理で、スタートスイッチセンサ信号立ち上がりデータの値が1のときは、判断結果がYESになって、主制御手段100は、RWMアドレスF00Dに保存されている設定キースイッチおよび設定/リセットボタン信号エッジデータのうち、D0ビットの設定キースイッチ信号立ち下がりデータの値が1になっているか否かを判断する(ステップS86)。設定キースイッチ信号立ち下がりデータの値が0のときは判断結果がNOとなって、再びステップS86の判断処理を行う。これにより、設定キースイッチ信号立ち下がりデータの値が0になっている間はステップS86の判断処理が繰り返し実行され、設定キースイッチ信号立ち下がりデータの値が1になると判断結果がYESになって、RWMアドレスF011に保存されている獲得枚数データの値(ここでは設定変更得装置が作動中であることを示す88H)を、00Hに更新することでクリアする(ステップS88)。
次に主制御手段100は、RWMアドレス013に保存されているLED表示要求フラグの値を00001111Bに更新し、設定値表示器87を表示不可、クレジット数表示器27の上位桁および下位桁、ならびに獲得枚数表示器28の上位桁および下位桁を表示可能な状態にする(ステップS90)。そして、主制御手段100は、Dレジスタに80Hをセットし、Eレジスタに00H(設定値データのRWMアドレスの下位1バイト)をセットして、設定値変更装置作動終了コマンド(図12参照)の出力要求をセットする(ステップS92)。
次に主制御手段100は、ステップS92でEレジスタにセットされた値(00H)に基づいてRWMアドレスF000から設定値データを読み出し、設定値変更装置作動終了コマンドの第2制御コマンドを生成し、第1制御コマンド(80H)と合わせてRWMのリングバッファ領域に保存する(ステップS94)。これにより、リングバッファ領域に保存された設定値変更装置作動終了コマンドは、タイマ割込処理によって副制御手段200へ送信される。そして、ステップS94の処理を終えると、主制御手段100は次に説明する遊技進行メイン処理へ移行する。
<遊技進行メイン処理の説明> 次に図19に示すフローチャート参照して遊技進行メイン処理の内容について説明する。まず、主制御手段100は、遊技開始処理を行う(ステップS100)。この遊技開始処理では、遊技待機表示開始時間の設定(RWMアドレスF02AおよびF02Bに「27101」を保存)や、副制御手段200に対する現在の設定値、遊技状況(再遊技やBB遊技中であるか否か)、現在のRT状態、有利区間中であるか否かなどの情報の送信が行われる。次に主制御手段100は、遊技を行うためのメダルが投入されているか否かを判断する(ステップS102)。投入されたメダルがなかった場合は、判断結果がNOとなって、キースイッチ82bのオン/オフ状態に応じて現在の設定値を確認可能とする遊技メダル投入待機時表示処理を行う(ステップS104)。
ステップS102の判断結果がYESになった(メダルが投入されていた)場合、または、ステップS104の処理を終えると、主制御手段100は、メダルの投入に伴う処理(遊技メダル管理処理)を行う(ステップS106)。この処理としては、例えば、清算スイッチ33が操作された場合の清算処理、メダル投入口32に投入されたメダルの検出処理などが含まれる。次に主制御手段100は、スタートスイッチ36の操作が受付可能状態になり、かつ、スタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する(ステップS108)。ここで、スタートスイッチ36の操作は、規定数(3枚)のメダルが投入された場合または前回の遊技で再遊技役が入賞した場合に受付可能状態になる。そして、スタートスイッチ36が操作されていない場合はステップS108の判断結果がNOとなって、ステップS102の処理に戻る。
ステップS108の判断処理で、スタートスイッチ36が操作された(YES)と判断したときは、セレクタ80のブロッカをオフにして、メダル投入口32からのメダル投入を無効にする(ステップS110)。そして、図10に示した役抽選テーブルに基づいて役抽選処理を行い(ステップS112)、現在の遊技状態と役抽選の結果とに基づいて報知する押し順に対応する指示データ(101〜106のいずれか)の決定や、有利区間抽選等を行う遊技状態処理を行う(ステップS114)。そして、遊技状態処理で決定された指示データに対応する数字を獲得枚数表示器28に表示する指示表示処理を行い(ステップS116)、有利区間(AT)関連情報(例えば、有利区間抽選の結果や有利区間中に行われる短縮抽選(転落抽選)の結果等)を副制御手段200へ送信する(ステップS118)。
次に主制御手段100は、役抽選で決定された入賞・再遊技当選番号に応じて副制御手段200で実行される演出を指示する演出グループ番号を生成するマスク処理を行い(ステップS120)、遊技状態や役抽選の結果に応じた入賞・再遊技当選番号および演出グループ番号を副制御手段200へ送信する(ステップS122)。そして、リール40L,40C,40Rの回転を開始する前に行うリール回転開始準備処理を行った後(ステップS124)、リール停止管理処理を行う(ステップS126)。このリール停止管理処理では、リール40L,40C,40Rの回転を開始し、ストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリールについて停止制御を行う。
ここで、リール停止制御は、入賞・再遊技当選番号および役物当選番号に基づいて生成された作動フラグに基づいて行われる。この作動フラグは、図4〜図7に示した各図柄組合せに対して、引込制御の対象とするか否かを示すフラグ情報を対応付けたものであり、役抽選処理においてRWMの所定記憶領域に保存される。また、ストップスイッチが操作される毎に、操作されたストップスイッチを示す情報や、操作されたストップスイッチに対応するリールの停止したことを副制御手段200へ送信する。
次に、全てのリールが停止すると、主制御手段100は、図4〜図7に示した図柄組合せのいずれかに一致するか否かを判断する表示判定処理を行い(ステップS128)、表示判定処理の結果に基づいて表示された図柄組合せに関する情報を副制御手段200へ送信する(ステップS130)。また、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、入賞役の図柄組合せのいずれかに一致していた場合は、入賞した入賞役に対応するメダル払出枚数をRWMの所定アドレスに記憶するそして、ホッパーモータ46を駆動して、一致した入賞役に対応する枚数のメダルを払い出すための払出処理を行う(ステップS130)。また、メダルの払い出し開始時と、払い出し終了時に、そのことを示す情報を副制御手段200に対して送信する。
次に主制御手段100は、遊技終了チェック処理を行い(ステップS132)、停止表示された図柄組合せなどに基づいて、RT状態や遊技状態の移行制御を行う。また、条件装置「BB01」に対応する図柄組合せ(以下、「BB01の図柄組合せ」ともいう。他の条件装置に対応する図柄組合せについても同様。)が停止表示されたときは、外部集中端子基板86を介してBB信号をオンにする。そして、副制御手段200に対して遊技が終了したことを示す情報を送信する。さらにBB遊技が終了した場合は、BB遊技が終了したことを示す情報も副制御手段200へ送信する。
以上の処理によって1回の遊技が終了すると、主制御手段100は、再びステップS100の遊技開始処理に戻って次の遊技のための処理を行う。
<遊技メダル投入待機時表示処理の説明> 次に、図19(遊技進行メイン処理)のステップS104で実行される遊技メダル投入待機時表示処理の内容について、図20に示すフローチャートを参照して説明する。まず、主制御手段100は、RWMアドレスF00Dに保存されている各種データのうち、D2ビットの設定キースイッチ信号立ち上がりデータの値が1であるか否かを判断する(ステップS140)。設定キースイッチ信号立ち上がりデータの値が1であった場合は、判断結果がYESとなり、セレクタ80のブロッカをオフにする(ステップS142)。具体的には、RWMのアドレスF01CのD7ビットをオフにする処理である。詳細は後述するが、実際にはこのアドレスF01Cのデータに基づいて、タイマ割込処理のポート出力処理(図22のステップS516)によってブロッカのオン/オフ状態が制御されるため、ステップS142の処理はブロッカをオフにするための処理とも言える。
次に主制御手段100は、副制御手段200に対する設定値表示開始コマンドの出力要求を行う(ステップS144)。具体的には、Dレジスタに8FH、Eレジスタに5AHをセットする。これにより主制御手段100は、DレジスタおよびEレジスタにセットされた値に基づいて設定値表示開始コマンド(8F5A)を生成し
てRWMのリングバッファ領域に保存する(ステップS146)。保存された設定値表示開始コマンドは、後述するタイマ割込処理によって設定値表示開始コマンドが副制御手段200へ送信される。次に主制御手段100は、設定値表示器37を表示可能にするために、RWMアドレスF013に保存されているLED表示要求フラグの値のうち、D4ビットの値を1にする(ステップS148)。
次に主制御手段100は、RWMアドレスのF00Dに保存されている各種データのうち、D0ビットの設定キースイッチ信号立ち下がりデータの値が1であるか否かを判断する(ステップS150)。D0ビットの値が0であれば判断結果がNOとなり、ステップS150の処理を再び実行し、D0ビットの値が1であれば判断結果がYESとなり、RWMアドレスF013に保存されているLED表示要求フラグの値のうち、D4ビットの値を0にする(ステップS152)。これにより、キースイッチ82cがオフにされるまでは設定値表示器87に現在の設定値が表示され続ける。
次に主制御手段100は、副制御手段200に対する設定値表示終了コマンドの出力要求を行う(ステップS154)。具体的には、Eレジスタに設定値表示終了コマンドの第2制御コマンドの値である00Hをセットする。これにより、主制御手段100は、ステップS144でセットされたDレジスタの値と、ステップS154でセットされたEレジスタの値とに基づいて設定値表示終了コマンド(8F00)を生成してRWMのリングバッファ領域に保存して(ステップS156)、セレクタ80のブロッカをオンにする(ステップS158)。これにより、後述するタイマ割込処理によって設定値表示終了コマンドが副制御手段200へ送信され、メダル投入の受付可能状態となる。
前述したステップS140の判断結果がNOとなったとき、または、ステップS158の処理を終えると、主制御手段100は、遊技待機表示を開始すべきか否かを判断する(ステップS160)。すなわち、RWMアドレスF02AおよびF02Bに保存されている値が0であるか否かを判断し、0であれば判断結果がYES、0でなければ判断結果がNOとなる。ステップS160の判断結果がYESになったときは、RWMアドレスF011に0を保存して獲得枚数データをクリアし(ステップS162)、図19に示したステップS106の遊技メダル管理処理へ移行する。これに対して、ステップS160の判断結果がNOだった場合はそのまま図19のステップS106へ移行する。
<エラー表示処理の説明> 次に、図19に示した遊技進行メイン処理を実行している過程で、いずれかの復帰可能エラー(メダル詰まりエラー、エンプティエラー、払い出しエラー、投入センサ通過エラー、メダル投入エラー、メダル滞留エラー、投入センサエラー、メダル通過エラーまたはメダル満杯エラー)が検出されたときに実行するエラー表示処理の内容について、図21に示すフローチャートを参照して説明する。なお、主制御手段100は、遊技進行メイン処理の実行中に復帰可能エラーを検出すると、検出した復帰可能エラーに対応するエラー番号(図14参照)をAレジスタにセットした後、図21のエラー表示処理を実行する。
まず、主制御手段100は、Aレジスタにセットされているエラー番号をRWMアドレスF014に保存する(ステップS200)。そして、エラーが発生する前のブロッカ信号およびホッパーモータ駆動信号の状態を退避させるために、HレジスタにF0Hの値をセットし、Lレジスタに1CHをセットする。そしてHLレジスタにセットされた値のRWMアドレス(F01C)に保存されているデータをCレジスタにセットする(ステップS202)。すなわち、RWMに保存されていたブロッカ信号およびホッパーモータ駆動信号データをCレジスタに退避(記憶)させる。次に主制御手段100は、HLレジスタにセットされた値のRWMアドレス(F01C)に保存されているデータのうち、D7ビット(ホッパーモータ駆動信号)の値を0にして、ホッパーモータ駆動信号をオフする(ステップS204)。そして、RWMアドレス(F01C)に保存されているデータのうち、D6ビット(ブロッカ信号)の値を0にして、セレクタ80のブロッカをオフ状態にする(ステップS206)。
なお、ステップS204およびステップS206の処理を、例えばF01Cに記憶されているデータを全てクリアすることによって同一の処理で行うことも可能である。また、ブロッカ信号とホッパーモータ駆動信号をオフにするために、これら2つの信号に関する情報を同じアドレスに記憶することにより、HLレジスタに記憶したアドレスの情報を変更することなく、2つの情報をオフに更新することができる。
次に主制御手段100は、RWMアドレスF015に保存されているLED表示データのうちD0ビット(遊技開始表示LED)の値を0にする(ステップS208)。換言すると、当該ビットを0にすることで、後述するタイマ割込処理のポート出力処理(図22のステップS516)によって、遊技開始表示LEDが消灯する。そして、副制御手段200に対する検出したエラーに対応するエラー表示開始コマンドの出力要求を行う(ステップS210)。具体的には、Dレジスタに90H、Eレジスタに検出されたエラーに対応する第2制御コマンドの値(図12参照)をセットする。これにより主制御手段100は、DレジスタおよびEレジスタにセットされた値に基づいてエラー表示開始コマンドを生成してRWMのリングバッファ領域に保存する(ステップS212)。
次に主制御手段100は、RWMアドレスのF00Dに保存されている各種データのうち、D1ビットの設定/リセットスイッチ信号立ち上がりデータの値が1であるか否かを判断する(ステップS214)。D1ビットの値が0であれば判断結果がNOとなり、ステップS214の処理を再び実行し、D1ビットの値が1であれば判断結果がYESとなり、F00Dに保存されている設定/リセットスイッチ信号立ち上がりデータの値を0にする(ステップS216)。そして、主制御手段100は、満杯検知信号検査データおよび入力ポート0レベルデータのRWMアドレスをDEレジスタにセットする(ステップS218)。具体的には、満杯検知信号検査データとしてDレジスタに01000000B(「1」になっている桁がRWMアドレスF00AのD6ビットに対応)をセットし、入力ポート0レベルデータのRWMアドレスの下位1バイトの値(0AH)をEレジスタにセットする。
次に主制御手段100は、発生した復帰可能エラーがメダル満杯エラーであるか否かを判断する(ステップS220)。具体的には、RWMアドレスF014に保存されているエラー番号をAレジスタにセットし、Aレジスタの値と所定値17H(十進法で23。メダル満杯エラーのエラー番号)との比較演算処理(減算処理)を実行する。なお、この比較演算処理によってAレジスタの値(RWMアドレスF014に保存されていたエラー番号)が更新されることはない。そして、減算結果が0(ゼロフラグが1)になればメダル満杯エラーが発生したとして判断結果がYESとなる。これに対して減算した結果、ゼロフラグが0であれば、メダル満杯エラー以外の復帰可能エラーが発生したとして判断結果がNOとなる。
ステップS220の判断結果がNOになると、主制御手段100は、払出センサ検査データおよび入力ポート2レベルデータのRWMアドレスをDEレジスタにセットする(ステップS222)。具体的には、払出センサ検査データとしてDレジスタに00011000B(「1」になっている桁がRWMアドレスF00CのD4およびD3ビットに対応)をセットし、入力ポート2レベルデータのRWMアドレスの下位1バイトの値(0CH)をEレジスタにセットする。次に主制御手段100は、発生した復帰可能エラーがメダルの払い出しに関するエラー(メダル払出装置83で発生するエラー)であるか否かを判断する(ステップS224)。具体的には、Aレジスタにセットされているエラー番号と、所定値0DH(十進法で13)との比較演算処理(減算処理)を実行し、その結果、桁下がりが生じれば(キャリーフラグが1)、メダルの投入に関するエラー(エラー番号の値が「12」以下のエラー)が発生したとして判断結果がNOとなる。また、減算した結果、キャリーフラグが0であれば判断結果がYESとなる。
このように、RWMアドレスF014に保存されているエラー番号に基づいて、エラーの種別を大別することが可能であるとともに、獲得枚数表示器28にエラー番号を表示するためのオフセット値を算出することが可能となる。よって、RWMに記憶するデータ量を増やすことがないため、RWMの記憶領域の削減や、それぞれのRWMに専用のデータを記憶する処理を省くことができ、プログラムが記憶されるROMの記憶領域を削減することができる。
ステップS224の判断結果がNOになると、主制御手段100は、Dレジスタに投入およびメダル通路センサ検査データをセットする(ステップS226)。具体的には、投入およびメダル通路センサ検査データとして、Dレジスタに所定値1110000B(「1」になっている桁がRWMアドレスF00CのD7〜D5ビットに対応)をセットする。
次に主制御手段100は、各種検査データによる各エラーの入力状態をチェックする(ステップS228)。具体的には、まず、図17のステップS10でセットされたQレジスタの値(F0H)を上位バイト、Eレジスタにセットされている値を下位バイトとするRWMアドレスからデータを取得し、Aレジスタにセットする。ここで、メダル満杯エラーが検出されたときは、ステップS218の処理によりEレジスタに0AHがセットされているので、Aレジスタには入力ポート0レベルデータがセットされる。また、メダル満杯エラー以外のエラーが検出されたときは、ステップS222の処理によりEレジスタに0CHの値がセットされているので、Aレジスタには入力ポート2レベルデータがセットされる。
そして主制御手段100は、エラー原因が除去されたか否かを判断する(ステップS230)。具体的には、ステップS228でAレジスタにセットされた値と、Dレジスタの値とをAND演算して、その結果が0にならなかった場合(ゼロフラグの値が0)はエラー要因が除去されていないとして判断結果がNOとなる。また、AND演算結果が0になった場合(ゼロフラグの値が1)はエラー要因が除去されたとして判断結果がYESとなる。そして、判断結果がNOになった場合は、ステップS214の判断処理に戻る。
ここで、メダル満杯エラーが検出されたときは、ステップS218の処理によりDレジスタにはD6ビットが1になっているデータがセットされているので、満杯検知信号の値が0であるか否かが判断される。また、メダル払出装置83に関するエラーが検出されたときは、ステップS222の処理によりDレジスタにはD4およびD3ビットが1になっているデータがセットされているので、払出センサ1信号および払出センサ2信号の値がともに0であるか否かが判断される。さらに、投入センサおよびメダル通路センサに基づくエラーが検出された場合は、ステップS226の処理によりDレジスタにはD7〜D5ビットが1になっているデータがセットされているので、投入センサ1信号、投入センサ2信号およびメダル通路センサの値がすべて0であるか否かが判断される。
ステップS230の判断結果がYESになった場合、主制御手段100は、RWMアドレスF014に00Hを保存して、エラー番号をクリアする(ステップS232)。そして、副制御手段200に対するエラー復帰コマンド(8100)の出力要求として、Dレジスタに10Hの値をセットし、Eレジスタに00Hの値をセットする(ステップS234)。そして、
DレジスタおよびEレジスタにセットされた値に基づいてエラー復帰コマンドを生成してRWMのリングバッファ領域に保存する(ステップS236)。
次に主制御手段100は、エラー検出前のブロッカ信号およびホッパーモータ駆動信号の状態を示す情報を復帰させる(ステップS238)。具体的には、まず、ステップS202の処理によってCレジスタにセット(退避または記憶)したRWMアドレスF01Cに保存されていたデータ(ブロッカ信号およびホッパーモータ駆動信号データ)をAレジスタにセットする。そして、Aレジスタの値に同じAレジスタの値の値を加算する。
例えば、エラー検出前にホッパーモータ駆動信号がオンになっていた場合は、ステップS202の処理によりCレジスタには10000000Bの値がセットされている。したがって、まずAレジスタにおける加算処理の結果は、10000000B+10000000B→00000000B(キャリーフラグ=1) となる。
これに対して、エラー検出前にブロッカ信号がオンになっていた場合は、ステップS202の処理によりCレジスタには01000000Bの値がセットされている。したがって、まずAレジスタにおける加算処理の結果は、01000000B+01000000B→10000000B(キャリーフラグ=0) となる。
次に主制御手段100は、RWMアドレスF01Cに保存されているホッパーモータ駆動信号データを復帰させる(ステップS240)。具体的には、RWMアドレスF01Cに保存されているデータ(D0〜D7ビットからなる1バイトのデータ)に対して以下のローテーション処理を行う。すなわち、RWMアドレスF01Cに保存されているデータのD7ビット(最上位ビット)からD1ビットまでの値をそれぞれ1桁下位のビットにシフトさせ、キャリーフラグの値をD7ビットに移行し、D0ビット(最下位ビット)の値をキャリーフラグに移行させる。なお、このローテーション処理によってAレジスタの値が変化することない。
これにより、エラー検出前にホッパーモータ駆動信号がオンになっていた場合は、ステップS238の処理によってキャリーフラグの値が1になっていることから、RWMアドレスF01Cに保存されているデータは、 00000000B→10000000B(キャリーフラグ=0) となる。
これに対して、エラー検出前にブロッカ信号がオンになっていた場合は、ステップS238の処理によってキャリーフラグの値が0になっていることから、RWMアドレスF01Cに保存されているデータは、 00000000B→00000000B(キャリーフラグ=0) となる。
以上の処理を行った後、主制御手段100は、エラー検出前のブロッカ信号がオンであったか否かを判断する(ステップS242)。この判断は、Aレジスタの値に同じAレジスタの値を加算し、その結果、キャリーフラグの値が1になった場合はYESとなり、キャリーフラグの値が0になった場合は判断結果がNOとなる。
ここで、エラー検出前にホッパーモータ駆動信号がオンであった場合は、ステップS238の処理によってAレジスタの値が00000000Bとなっていることから、00000000B+00000000B→00000000B(キャリーフラグ=0) となり、ステップS242の判断結果はNOとなる。
これに対して、エラー検出前のブロッカ信号がオンであった場合、ステップS238の処理によってAレジスタの値が10000000Bとなっていることから、10000000B+10000000B→00000000B(キャリーフラグ=1) となり、ステップS242の判断結果はYESとなる。
ステップS242の判断結果がYESになった場合、主制御手段100は、RWMアドレスF01Cに保存されているデータのD6ビットの値を1にして(ステップS244)、図21のエラー表示処理を終了する。また、ステップS242の判断結果がNOになった場合は、ステップS244を行わずに図21のエラー表示処理を終了する。
なお、従来のスロットマシンでは、復帰可能エラーが発生した場合は、所定のエラー解除操作(設定/リセットスイッチ82cの操作や、ドアキー31に挿入した台鍵を左に回す等)が行われるとエラー解除を行っていた。しかしながら、不正行為によってエラー解除操作が行われた場合、直ちにエラーを解除してしまうと、遊技場のスタッフによる不正行為の発見が困難になる虞がある。そこで、復帰可能エラーが発生した場合、エラー解除操作が行われても直ちにエラーを解除しないようにすることが望ましい。
例えば、メダル詰まりエラー、払い出しエラー、投入センサ通過エラー、メダル投入エラー、メダル滞留エラー、投入センサエラー、メダル通過エラーは、エンプティエラーやメダル満杯エラーよりも、不正行為によって発生する可能性が高い。したがって、これらのエラーが発生したときにエラーの報知等を行ったとしても、エラーを解除するための不正行為が行われ、エラーの報知を停止させられてしまう虞がある。また、直ぐにエラーを解除できないようにすることで、例えば不正行為を行った者に対して「エラーが解除できない!」と焦らせることができるため、不正行為を抑止することができる。このため、エラーを解除するための操作をエラー発生直後から可能にしないようにする。
具体的には、メダル詰まりエラー、払い出しエラー、投入センサ通過エラー、メダル投入エラー、メダル滞留エラー、投入センサエラー、メダル通過エラー等のエラーが発生したときは、所定時間(例えば5秒間)が経過するまでは、設定/リセットスイッチ82cの操作が行なわれてもエラーが解除できないようにすることが挙げられる。一方、エンプティエラーやメダル満杯エラーは、不正行為による損失が軽微であることや発生頻度が高いこと等により、所定時間を待たずにエラーを解除可能に構成することが遊技場のスタッフや遊技者にとって望ましい。このように、復帰可能エラーの内容によっても、エラーが解除できるまでの時間を異ならせることで不正対策を損なうことなく利便性を向上させることができる。
なお、エラーの解除操作を所定時間無効にするエラーの種類は、メダル詰まりエラー、払い出しエラー、投入センサ通過エラー、メダル投入エラー、メダル滞留エラー、投入センサエラー、メダル通過エラー等のエラーの全てでもよいし、一部のエラーでもよいし、これらに限られるものでもない。さらにまた、所定時間が経過し、且つ、前面扉14が開放していることを条件として設定/リセットスイッチ82cの操作が行なわれた場合にエラーを解除可能としてもよいし、前面扉14の開放を条件に含まず、所定時間が経過したことを条件として設定/リセットスイッチ82cの操作が行なわれた場合にエラーを解除可能としてもよい。
<タイマ割込処理の説明> 次に、図22を参照して、主制御手段100において所定の周期ごとに実行されるタイマ割込処理の内容について説明する。このタイマ割込処理は、約2.235ミリ秒の周期で繰り返し実行され、図8に示した操作手段300の各スイッチに対する操作の検出、副制御手段200に対する制御コマンドの送信、外部集中端子基板86に対する外部信号の出力、ステッピングモータ42L,42C,42Rの駆動制御を行うための制御信号の生成および出力、乱数の値やタイマとして用いる各種カウンタ値の更新などの処理を行っている。
主制御手段100は、チップ内に設けられているタイマカウント手段(タイマ回路)から割込要求信号(発生周期:約2.235ミリ秒)が出力されると、図22に示すタイマ割込処理を開始する。ここで、タイマ割込処理が実行されると、主制御手段100のメイン処理(図18の設定変更装置処理、図19の遊技進行メイン処理等の総称)で実行していた処理の戻り番地等がスタック領域に記憶される。これにより、タイマ割込処理が終了した後に、スタック領域に記憶された戻り番地に基づいて、メイン処理で実行していた処理の続きから処理を開始することが可能となる。まず、主制御手段100は、これから実行するタイマ割込処理の初期処理を行う(ステップS500)。例えば、CPUの各レジスタにセットされていたデータをRWMのスタック領域に格納し、これから行うタイマ割込処理中に、新たなタイマ割込処理が開始されないように、割込禁止フラグをオンにする。
次に主制御手段100は、入力ポート0に入力されている電源断検知信号に基づいて電源断(電源電圧が所定値よりも下回ったこと)が検知されたか否かを判断する(ステップS502)。この電源断検知信号は、主制御基板上に設けられた電源監視回路(図示略)から出力されているものとする。主制御手段100によって電源断が検出された場合は、ステップ502の判断結果がYESとなり、電断時に行う電源断処理を行う(ステップS504)。この電源断処理では、SPレジスタをRWMの所定アドレス(例えば前述したスタックポインタ一時記憶領域)に記憶し、電源断処理を行ったことを示す電源断処理済みフラグの値を55Hにセットし、RWMの所定アドレス範囲(F000〜F3FF)のチェックサムを算出して、その結果に基づいた値(2の補数)をRWMの所定の記憶領域に記憶する。また、RWMへのアクセスを禁止し、外部から入力されるリセット信号の待機状態となる。
これに対して、ステップS502の判断処理で電源断が検出されなかった場合は、判断結果がNOとなり、クレジット数表示器27、獲得枚数表示器28および設定値表示器87の表示制御を行うLED表示制御処理を実行する(ステップS506)。次いで、所定時間を計時するために汎用的に利用されるタイマの計数値を更新するタイマ計測処理を行う(ステップS508)。このタイマ計測処理では、例えば、RWMの所定記憶領域に保存された最小遊技時間(4.1秒間)や、各種センサが検出している時間を減算する。ここで、各種センサの検出時間としては、メダル投入口32から投入されたメダルがセレクタ内で滞留(メダル詰まり)したか否かを判断するためのメダル通過時間を計測するためのタイマ値やメダルがホッパー内で滞留したか否かを判断するためのメダル通過時間等がある。
次に主制御手段100は、入力ポート0〜2に入力された外部からの各種信号を読み込んでRWMの所定アドレスに各々保存する入力ポート0〜2読み込み処理を行い(ステップS510)、リール40L,40C,40Rの回転を制御するために、ステッピングモータ42L,42C,42Rの各々について、リール駆動管理処理を行う(ステップS512)。そして、全てのステッピングモータについてリール駆動管理処理を行うと(ステップS514,YES)、主制御手段100は、RWMに記憶されているデータ等に基づいて、各種表示器の表示データや、各ステッピングモータ42L,42C,42Rに対する制御信号、ブロッカ駆動信号、ホッパーモータ駆動信号などを、出力ポートから出力するポート出力処理を実行する(ステップS516)。
次に主制御手段100は、RWM内に設定されているリングバッファ領域に保存されている制御コマンドのうち、最先に保存された制御コマンドを副制御手段200へ送信する(ステップS518)。そして、外部集中端子基板86を介して外部へ出力する各種信号を出力する外部信号出力処理を行った後(ステップS520)、ステップS500の初期処理によってRWMの所定アドレス(スタック領域)に格納していた各種レジスタの値等を元に戻す復帰処理を行って(ステップS522)、図22のタイマ割込処理を終了する。
<LED表示制御処理の説明> 次に図23に示すフローチャートを参照して、図22に示したタイマ割込処理のステップS508で実行されるLED表示制御処理の内容について詳しく説明する。
まず主制御手段100は、表示を行う7セグ表示器(クレジット数表示器27の上位桁および下位桁、獲得枚数表示器27の上位桁および下位桁、設定値表示器87のいずれか)を指定するためのデータと、指定された7セグ表示器のセグメントa〜gの各々について点灯/消灯を指示するデータとを出力する出力ポートをオフにする(ステップS540)。次に主制御手段100は、LED表示カウンタの値を更新する(ステップS542)。具体的には、HLレジスタにLED表示カウンタの値が保存されているRWMアドレスの値(F012)をセットし、RWMアドレスF012に保存されている8ビットの値を、各々下位桁側にシフトさせる。この処理によって、RWMに保存されている値が10Hだった場合は08Hに更新され、08Hだった場合は04Hに更新され、04Hだった場合は02Hに更新され、02Hだった場合は01Hに更新され、01Hだった場合は00Hに更新される。ここで、00Hに更新された場合は、ゼロフラグの値が1になる。
次に主制御手段100は、LED表示カウンタの値が0になったか否かを判断する(ステップS544)。ここでは、ステップS542の処理の結果、ゼロフラグの値が1になったときは判断結果がYESとなり、ゼロフラグの値が1にならなかったときは判断結果がNOとなる。ステップS544の判断結果がYESになったときは、RWMアドレスF012に保存されているLED表示カウンタの値を初期化(すなわち、10Hに更新)する(ステップS546)。これにより、LED表示カウンタの値はタイマ割込処理が行われる毎に10H→08H→04H→02H→01H→10H→……と、循環的に変化する。
次に主制御手段100は、LED表示カウンタの値とLED表示要求フラグの値とを取得する(ステップS548)。具体的には、RWMアドレスF013に保存されているデータをAレジスタにセットし、RWMアドレスF012に保存されているデータをEレジスタにセットする。さらに、HLレジスタにエラー番号が保存されているRWMアドレスの値(F014)をセットする。そして、今回表示する7セグ表示器(デジット)のセグメント表示要求の確認結果をDレジスタにセットする(ステップS550)。具体的にはAレジスタの値とEレジスタの値とをAND演算を行い、その演算結果をDレジスタにセットする。これにより、Aレジスタの値は、表示が可能な状態であり、かつ、LED表示カウンタの値によって指定された7セグ表示器に対応するビットの値が1となる。
次に主制御手段100は、7セグ表示器に対する表示要求があるか否かを判断する(ステップS552)。具体的にはステップS550の処理の結果、Aレジスタの値が0(ゼロフラグ=1)になった場合は判断結果がNOになり、Aレジスタの値が0以外(ゼロフラグ=0)になった場合は判断結果がYESになる。ステップS552の判断結果がYESになった場合は、ステップS548でHLレジスタにセットされた値(F014)のRWMアドレスからエラー番号を読み出してAレジスタにセットし(ステップS554)、さらにAレジスタの値をBレジスタにセットする(ステップS556)。ここで、Bレジスタにセットされたデータは、エラー表示データとして用いられる。
次に主制御手段100は、ROMに記憶されているLEDセグメントテーブルの第2テーブル(図16(b)参照)の先頭アドレス(1216H)をHLレジスタにセットする(ステップS558)。そして、RWMアドレスF000に記憶されている設定値データを読み出してAレジスタにセットし(ステップS560)、Aレジスタの値に1を加算することで設定値表示データを生成する(ステップS562)。ここで、ステップS562の処理によって生成された設定値表示データは、LEDセグメントテーブルの第2テーブルに対するオフセット値として用いられる。なお、ステップS562の処理は、RWMアドレスF000に記憶されている設定値データが0〜5であるのに対し、設定値表示器87に「1」〜「6」を表示させるための処理である。したがって、RWMアドレスF000に記憶されている設定値データが1〜6として記憶されている場合には、当該処理は不要である。
次に主制御手段100は、設定値表示器87に対する表示要求があるか否かを判断する(ステップS564)。具体的には、ステップS550でDレジスタにセットされた値のうち、D4ビットの値が1(設定値表示器87の表示要求があり、かつ、表示を行う7セグ表示器として指定されている)だった場合は判断結果がYESとなり、DレジスタのD4ビットの値が0だった場合は判断結果がNOとなる。ステップS564の判断結果がNOとなったときは、RWMアドレスF010に保存されている貯留枚数データをAレジスタにセットする(ステップS566)。
そして、Aレジスタにセットされた値に基づいてクレジット数表示器27の上位桁に表示するセグメントデータを取得するためのオフセット値を取得する(ステップS568)。具体的には、ステップS566でAレジスタにセットされた値を0AH(十進法で10)で割り算し、商の値をAレジスタにセットし、余りの値をCレジスタにセットする。ここで、前述したように、Aレジスタにセットされた商の値は上位桁に表示されるセグメントデータを取得するためのオフセット値となり、余りの値は下位桁に表示されるセグメントデータを取得するためのオフセット値となる。
次に主制御手段100は、クレジット数表示器27の上位桁に対する表示要求があるか否かを判断する(ステップS570)。具体的には、ステップS550でDレジスタにセットされた値のうち、D0ビットの値が1(クレジット数表示器27の上位桁の表示要求があり、かつ、表示を行う7セグ表示器として指定されている)だった場合は判断結果がYESとなり、DレジスタのD0ビットの値が0だった場合は判断結果がNOとなる。ステップS570の判断結果がNOになった場合は、次にクレジット数表示器27の下位桁に対する表示要求があるか否かを判断する(ステップS572)。具体的には、ステップS550でDレジスタにセットされた値のうち、D1ビットの値が1(クレジット数表示器27の下位桁の表示要求があり、かつ、表示を行う7セグ表示器として指定されている)だった場合は判断結果がYESとなり、DレジスタのD1ビットの値が0だった場合は判断結果がNOとなる。
ステップS572の判断結果がNOになった場合は、RWMアドレスF011に保存されている獲得枚数データをAレジスタにセットして(ステップS574)、エラー表示を行うべきであるか否かを判断する(ステップS576)。具体的には、ステップS556でBレジスタにセットされたエラー番号の値が0であるか否かを判断し、0であった場合はステップS576の判断結果がNOとなり、0でなかった場合はステップS576の判断結果がYESとなる。判断結果がYESになったときは、ROMに記憶されているLEDセグメントテーブルの第1テーブル(図16(a)参照)の先頭アドレス(1211H)をHLレジスタにセットし、Bレジスタの値をAレジスタにセットする(ステップS578)。
ステップS576の判断結果がNOになった場合、または、ステップS578の処理を行うと、次に主制御手段100は、Aレジスタにセットされた値に基づいて獲得枚数表示器28の上位桁に表示するセグメントデータを取得するためのオフセット値を取得する(ステップS580)。ここで、Aレジスタには、エラー表示を行わない場合はステップS574の処理によって獲得枚数データの値がセットされ、エラー表示を行う場合はステップS578の処理によってエラー番号の値がセットされている。そして、Aレジスタにセットされた値を0AH(十進法で10)で割り算し、商の値をAレジスタにセットし、余りの値をCレジスタにセットする。ここで、前述したように、Aレジスタにセットされた商の値は上位桁に表示されるセグメントデータを取得するためのオフセット値となり、余りの値は下位桁に表示されるセグメントデータを取得するためのオフセット値となる。
次に主制御手段100は、獲得枚数表示器28の上位桁に対する表示要求があるか否かを判断する(ステップS582)。具体的には、ステップS550でDレジスタにセットされた値のうち、D2ビットの値が1(獲得枚数表示器28の上位桁の表示要求があり、かつ、表示を行う7セグ表示器として指定されている)だった場合は判断結果がYESとなり、DレジスタのD2ビットの値が0だった場合は判断結果がNOとなる。ステップS582の判断結果がNOになった場合、またはステップS572の判断結果がNOになった場合は、クレジット数表示器27または獲得枚数表示器28の下位桁に表示するセグメントデータを取得するためのオフセット値を取得する(ステップS584)。具体的には、Cレジスタにセットされている値をAレジスタにセットする。
これにより、ステップS572の判断結果がNOになった場合にステップS584の処理を行うと、Aレジスタには貯留枚数データの値を「10」で割ったときの余りの値がセットされる。また、ステップS582の判断結果がNOになった場合にステップS584の処理を行うと、Aレジスタには貯留枚数データまたはエラー番号の値を「10」で割ったときの余りの値がセットされる。
次に主制御手段100は、HLレジスタの値とAレジスタの値との加算値によって示されるROMアドレスに格納されているLEDセグメントテーブルからセグメントデータを読み出して、Dレジスタにセットする(ステップS586)。ここで、ステップS576の判断結果がYESになった場合はLEDセグメントテーブルの第1テーブルの先頭アドレス値がHLレジスタにセットされ、それ以外の場合はステップS558で第2テーブルの先頭アドレス値がHLレジスタにセットされている。このHLレジスタの値に、ステップS586に至る直前でAレジスタにセットされた値を加算して、その加算値によって指定されるROMアドレスからセグメントデータを取得する。
次に主制御手段100は、ステップS548でEレジスタにセットされているLED表示カウンタの値によって指定される7セグ表示器に対して、Dレジスタにセットされているセグメントデータを出力することで、指定された7セグ表示器の表示を行う(ステップS588)。そして、図23のLED表示処理を終了して、図22のステップS508へ移行する。
<入力ポート0〜2読み込み処理の説明> 次に図24に示すフローチャートを参照して、図22に示したタイマ割込処理のステップS510で実行される入力ポート0〜2読み込み処理の内容について詳しく説明する。
まず主制御手段100は、入力ポート0に入力されたデータの入力処理を行う(ステップS600)。具体的には、HLレジスタにF00AHのデータをセットし、HLレジスタの値によって示されるRWMアドレスから入力ポート0レベルデータの値を読み込んでBレジスタにセットする。ここで、RWMから読み込んだ入力ポート0レベルデータの値は、前回のタイマ割込処理によって保存された入力ポート0レベルデータである。また、入力ポート0にアクセスして、その時点で入力ポート0に入力されているデータを読み込んでAレジスタにセットする。
次に主制御手段100は、入力ポート0に負論理で入力される信号を正論理に変換する(ステップS602)。ここで、入力ポート0に負論理で入力される信号は、第0ビット(最下位ビット)、第5ビット、第6ビットの信号であるため(図11(a)参照)、Aレジスタにセットされた値と、所定値01100001BとのXOR演算を行い、その演算結果をAレジスタにセットする。そして、入力ポート0において使用されていないビットの値を無効に
するため、Aレジスタの値と、所定値01100111BとのAND演算を行い、その演算結果をAレジスタにセットする(ステップS604)。
次に主制御手段100は、Aレジスタの値を入力ポート0レベルデータとして、ステップS600でセットされたHLレジスタの値(F00A)のRWMアドレスに保存する(ステップS606)。そして、Aレジスタの値のうちD2ビット(ドアスイッチ信号)の値が1である(前面扉14が開いている)か否かを判断する(ステップS608)。D2ビットの値が0(前面扉14が閉じている)であれば、判断結果がNOとなって、ステップS600でBレジスタにセットされた前回の入力ポート0レベルデータをAレジスタにセットする(ステップS610)。
次に主制御手段100は、設定キースイッチ信号および設定/リセットボタン信号の変化ビットデータの生成を行う(ステップS612)。より詳しくは、入力ポート0に入力された設定キースイッチ信号および設定/リセットボタン信号オン/オフ状態が、前回のタイマ割込処理におけるオン/オフ状態から変化したか否かを示すデータを生成する。具体的には、Aレジスタにセットされている値とBレジスタにセットされている値とをXOR演算を行い、その演算結果と所定値00000011BとでAND演算することでD0ビットとD1ビットの値を抽出し、Aレジスタにセットする。さらに、Aレジスタにセットされた値をDレジスタにもセットする。
これにより、AレジスタおよびDレジスタにセットされたデータにおいて、D0ビットまたはD1ビットの値が1であれば、そのビットに対応する信号(設定キースイッチ信号または設定/リセットボタン信号)の値が前回のタイマ割込処理から変化したことを示す。これに対して0のときは、そのビットに対応する信号の値が前回のタイマ割込処理から変化しなかったことを示す。
ここで、前面扉14が開いていた場合(ステップS608,YES)には、ステップS600によってBレジスタには前回のタイマ割込処理における入力ポート0のレベルデータがセットされている。したがってステップS610の処理によって、Aレジスタの値は、設定キースイッチ信号および設定/リセットボタン信号の値が、前回のタイマ割込処理における値から変化したか否かを示す。
これに対して前面扉14が閉じていた場合(ステップS608,NO)には、ステップS610の処理によってBレジスタにはAレジスタと同じ値がセットされるため、ステップS610の処理が行われると、Aレジスタの値は必ず0となり、強制的に、設定キースイッチ信号および設定/リセットボタン信号の値が、前回のタイマ割込処理における値から変化しなかったことにされる。
ステップS612の処理を行うと、主制御手段100は、設定キースイッチ信号および設定/リセットボタン信号の立ち上がりデータを生成する(ステップS614)。具体的には、Aレジスタにセットされているデータと、ステップS600でHLレジスタにセットされた値によって指定されるRWMアドレスF00Aに保存されているデータとを、AND演算する。ここで、RWMアドレスF00Aに保存されているデータは、ステップS606の処理により、今回のタイマ割込処理で取得した入力ポート0のレベルデータに更新されている。したがって、今回のタイマ割込処理で取得した信号の値が1であり、かつ、変化ビットデータの値が1ということは、その信号の値は0から1に変化した(立ち上がった)ことを意味する。これにより、ステップS614のAND演算により、設定キースイッチ信号および設定/リセットボタン信号の立ち上がりデータを求めることができる。ただし、ステップS608の判断結果がNOになった場合は、ステップS612において変化ビットデータが必ず0になるため、立ち上がりデータが1になることはない。
さらに主制御手段100はAレジスタにセットされている各ビットの値を、上位桁側に1桁シフトさせて、D1ビットにおける設定キースイッチ信号の立ち上りデータをD2ビットにシフトし、D0ビットにおける設定/リセットボタン信号の立ち上がりデータをD1ビットにシフトする。そして、その結果をEレジスタにセットする。
次に主制御手段100は、設定キー立ち下りデータを生成する(ステップS616)。具体的には、ステップS600でBレジスタにセットされたデータ(前回のタイマ割込処理時の入力ポート0レベルデータ)をAレジスタにセットして、ステップS612でDレジスタにセットされた変化ビットデータとAND演算を行い、その結果をAレジスタにセットする。すなわち、前回のタイマ割込処理で取得した信号の値が1であり、かつ、変化ビットデータの値が1ということは、その信号の値は1から0に変化した(立ち下がった)ことを意味する。これにより、ステップS614でAND演算を行うことで、設定キースイッチ信号および設定/リセットボタン信号の立ち下がりデータを求めることができる。ただし、ステップS608の判断結果がNOになった場合は、ステップS612において変化ビットデータが必ず0になるため、立ち下がりデータが1になることはない。
さらに主制御手段100は、Aレジスタにセットされている各ビットの値を、下位桁側に1桁シフトさせて、D1ビットにおける設定キースイッチ信号の立ち下りデータを、D0ビットにシフトする。
次に主制御手段100は、設定キーおよび設定/リセットボタンエッジデータをRWMに保存する(ステップS618)。具体的には、Aレジスタにおける設定キースイッチ信号の立ち下りデータの値と、ステップS614でEレジスタにセットされた値との論理和(OR)演算を行う。この結果、Aレジスタの値は、D2ビットは設定キースイッチ信号の立ち上りデータ、D1ビットは設定/リセットボタン信号の立ち上がりデータ、D0ビットは設定キースイッチ信号の立ち下りデータとなる。そして、ステップS600でHLレジスタにセットされた値(F00A)に3を加算した値によって指定されるRWMアドレス(F00D)にAレジスタの値を保存する。ここで、HLレジスタにセットされている値(F00A)は参照されるだけであって、その値は維持される。
次に主制御手段100は、その時点で入力ポート1に入力されているデータを読み込んでAレジスタにセットする(ステップS620)。そして、入力ポート1負論理ビットデータをDレジスタにセットし、入力ポート1全ビットデータをEレジスタにセットする(ステップS622)。ここで、入力ポート1負論理ビットデータは、入力ポート1に対して負論理で入力される信号のビットを1で表したものであり、その値は01110000Bとなる(図11(b)参照)。また、入力ポート1全ビットデータは、信号が入力されるビットを1で表したものであり、その値は01111111Bとなる。
次に主制御手段100は、入力ポート1または2に入力された各信号のレベルデータと、その立ち上がりデータとをRWMに保存する入力ポートデータセット処理を行う(ステップS624)。この入力ポートデータセット処理については、図25を参照して後に詳しく説明する。
次いで、その時点で入力ポート2に入力されているデータを読み込んでAレジスタにセットする(ステップS626)。そして、入力ポート2負論理ビットデータをDレジスタにセットし、入力ポート2全ビットデータをEレジスタにセットする(ステップS628)。ここで、入力ポート2負論理ビットデータは、入力ポート2に対して負論理で入力される信号のビットを1で表したものであり、その値は11110000Bとなる(図11(c)参照)。また、入力ポート1全ビットデータは、信号が入力されるビットを1で表したものであり、その値は11111111Bとなる。
ステップS628の処理を終えると、図24の入力ポート0〜2読み込み処理を終了し、図25に示す入力ポートデータセット処理へ移行する。
<入力ポートデータセット処理の説明> 次に図25に示すフローチャートを参照して、図24に示した入力ポート0〜2読み込み処理のステップS624および入力ポート0〜2読み込み処理後に行われる入力ポートデータセット処理の内容について詳しく説明する。
まず主制御手段100は、入力ポート1または入力ポート2のレベルデータが保存されているRWMアドレスの値をHLレジスタにセットする(ステップS650)。具体的には、HLレジスタの値に1を加算する。これにより、図24のステップS624において図25の入力ポートデータセット処理を実行する場合は、図24のステップS600の処理によってHLレジスタの値がF00Aにされているので、この値に1を加算するとHLレジスタの値はF00Bとなり、入力ポート1レベルデータのRWMアドレスが指定される。また、図24の入力ポート0〜2読み込み処理を終了してから図25の入力ポートデータセット処理を実行する場合は、上述した処理によりHLレジスタの値がF00Bになっているので、1を加算するとHLレジスタの値がF00Cとなり、入力ポート2レベルデータのRWMアドレスが指定される。
次に主制御手段100は、ステップS650でHLレジスタにセットされた値のRWMアドレスに保存されているレベルデータを読み出して、正論理のデータに変換する(ステップS652)。具体的には、HLレジスタにセットされた値のRWMアドレスに保存されているレベルデータ(前回のタイマ割込処理で保存されたレベルデータ)を読み出してBレジスタにセットし、Bレジスタの値と、Dレジスタにセットされている値(負論理ビットデータ)とのAND演算を行い、その演算結果をAレジスタにセットする。
ここで、図24のステップS624において図25の入力ポートデータセット処理を実行する場合、図24のステップS622の処理により入力ポート1負論理ビットデータがDレジスタにセットされている。また、図24の入力ポート0〜2読み込み処理を終了してから図25の入力ポートデータセット処理を実行する場合は、図24のステップS628の処理により入力ポート2負論理ビットデータがDレジスタにセットされている。
次に主制御手段100は、Aレジスタにセットされている正論理に変換したレベルデータのうち、使用されていないビットを無効にする(ステップS654)。具体的には、Aレジスタの値と、Eレジスタにセットされている値(全ビットデータ)とAND演算を行い、その演算結果をAレジスタにセットする。
ここで、図24のステップS624において図25の入力ポートデータセット処理を実行する場合、図24のステップS622の処理により入力ポート1入力ポート1全ビットデータがEレジスタにセットされている。また、図24の入力ポート0〜2読み込み処理を終了してから図25の入力ポートデータセット処理を実行する場合は、図24のステップS628の処理により入力ポート2全ビットデータがDレジスタにセットされている。
次に主制御手段100は、AレジスタにセットされているレベルデータをHLレジスタの値が示すRWMアドレスに保存する(ステップS656)。この処理を行うことで、RWMに保存されている入力ポート1または入力ポート2のレベルデータが更新される。ここで、前述したように、図24のステップS624において図25の入力ポートデータセット処理を実行する場合は、HLレジスタの値がF00Bになっており、図24の入力ポート0〜2読み込み処理を終了してから図25の入力ポートデータセット処理を実行する場合は、HLレジスタの値がF00Cになっている。
次に主制御手段100は、前回のタイマ割込処理で保存されたレベルデータと、今回のタイマ割込処理で保存されたレベルデータとに基づいて値が変化したビットを示す変化ビットデ
ータを生成する(ステップS658)。具体的には、Bレジスタの値(前回のタイマ割込処理で保存されたレベルデータ)と、Aレジスタの値(今回のタイマ割込処理で保存されたレベルデータ)とのXOR演算を行い、その演算結果をAレジスタにセットする。
次に主制御手段100は、入力ポートから取得した各信号の立ち上がりデータを生成する(ステップS660)。具体的には、Aレジスタにセットされている変化ビットデータと、HLアドレスに設定されている値のRWMアドレスに保存されている更新されたレベルデータとのAND演算を行い、その演算結果をAレジスタにセットする。この処理により、値が1になっているビットに対応する信号は、0から1に変化した(立ち上がった)ことを意味する。そして、Aレジスタの値を、ステップS650でHLレジスタにセットされた値に対して、3を加算した値によって指定されるRWMアドレスに保存する。ここで、ステップS650でHLレジスタにセットされた値は参照されるだけであって、その値は維持される。
ステップS650の処理を終えると、主制御手段100は、図25の入力ポートデータセット処理を行う前に実行していた処理に戻る。すなわち、図24のステップS624において図25の入力ポートデータセット処理を実行した場合は、図24のステップS626の処理に移行する。また、図24の入力ポート0〜2読み込み処理を終了してから図25の入力ポートデータセット処理を実行する場合は、図22のタイマ割込処理におけるステップS512のリール駆動管理処理へ移行する。
以上のように、第1実施形態では、タイマ割込処理においてキースイッチ82bおよび設定/リセットスイッチ82cの立ち上がりデータ、および、キースイッチ82bの立ち下がりデータを生成している(図24のステップS614およびS616参照)。また、前面扉14が閉まっていた場合は、これらスイッチに対応する信号の変化ビットデータが強制的に0(変化無し)とされる(図24のステップS608→S610→S612)される。これにより、キースイッチ82bおよび設定/リセットスイッチ82cが操作されたとしても、前面扉14が閉まっているときは、その立ち上がりデータおよび立ち下がりデータが生成されなくなる。したがって、前面扉14が閉まった状態では、電源投入後における設定値の変更(図18のステップS72およびS74)、設定変更モードの終了(図18のステップS86)、遊技中における設定値の確認(図20のステップS140,NO)、エラー発生中の解除(図21のステップS214)等を行うことができない。
≪副制御手段における制御処理の説明≫ 次に、副制御手段200で実行される各種処理の内容について説明する。まずスロットマシン10の電源が投入されると、副制御手段200は図26に示すサブ電源投入処理を実行する。
<サブ電源投入処理の説明> まず、副制御手段200はサブ電源投入処理の実行中は、副制御手段200によるタイマ割込処理の実行を禁止する処理を行った後(ステップSs10)、RWMのチェックサムを算出し、前回の電源遮断時に算出されて不揮発性メモリに記憶されていたRWMのチェックサムの算出結果と比較し、両者が一致するか否かを判断する(ステップSs12)。双方のチェックサムの値が一致しなかった場合は判断結果がNOとなり、副制御手段200は、副制御手段200が内蔵するRWMの記憶内容をクリアする(ステップSs14)。
ステップSs12の判断処理で、双方のチェックサムの値が一致した場合は、判断結果がYESとなり、副制御手段200は、前回の電源断が後述する1コマンド処理中に発生したものであるか否かを判断する(ステップSs16)。ここで、後述する1コマンド処理を行っているときに電源の遮断が発生した場合、副制御手段200は、再び電源が投入されたときに、電源遮断時に行っていた処理から再開させるために、その時点における各種情報(CPUのレジスタや各種フラグの状態を示すデータ)を不揮発性メモリに保存する処理(電源遮断処理)を行う。
また、電源が遮断されると副制御手段200は、上述した電源遮断処理を行ったか否かを示す電断処理フラグを不揮発性メモリに保存する。ここで、電断処理フラグがオンになっているときは、上述した電源遮断処理が行われた(すなわち、1コマンド処理中に電源断が発生した)ことを示し、オフになっているときは、電源遮断処理が行われなかった(すなわち、1コマンド処理中に電源断が発生しなかった)ことを示す。ステップSs16に示す判断処理は、不揮発性メモリに保存されていた電断処理フラグのオン/オフ状態に基づいて判断する。そして、1コマンド処理中に電源断が発生していた場合は判断結果がYESとなり、ステップSs10で副制御手段200におけるタイマ割込処理の実行を許可し(ステップSs18)、電源断時に実行していた処理へ移行する。
前述したステップSs14の処理によって副制御手段200内のRWMの記憶内容をクリアするか、ステップSs16の判断結果がNOになった(前回の電源断は1コマンド処理中に発生しなかった)場合は、ウォッチドッグタイマの値をクリアしてから(ステップSs20)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させる(ステップSs22)。このウォッチドッグタイマは、後述するステップSs24〜S28の処理にかかる時間が100ミリ秒を超えた場合、異常が発生したことを知らせるためのものである。ウォッチドッグタイマにより異常が発生したと判断した場合には、副制御手段200の初期化処理を実行しても良い。
次に副制御手段200は、ステップSs10で禁止したタイマ割込処理の実行を許可し(ステップSs24)、主制御手段100から受信した制御コマンドをコマンドバッファから読み出し、当該制御コマンドに基づく処理(1コマンド処理)を行う(ステップSs26)。そして、ステップSs20〜Ss28の処理の間で16ミリ秒が経過したか否かを判断する(ステップSs28)。そして、16ミリ秒が経過していない(NO)と判断したときは、再びステップSs26へ移行してコマンドバッファに蓄積されている制御コマンドを読み出し、当該制御コマンドに基づく1コマンド処理を行う。そして、16ミリ秒が経過するまでステップSs26の1コマンド処理を繰り返し行い、16ミリ秒が経過すると、ステップSs28の判断結果がYESとなって、ステップSs20の処理に戻る。
このように、副制御手段200は上述したサブ−メインルーチン処理を繰り返し実行することで、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づく演出制御処理を行っている。
<1コマンド処理の説明> 次に図27に示すフローチャートを参照し、図26のステップSs26における1コマンド処理の内容について説明する。なお、図27に示す1コマンド処理は、主制御手段100から設定変更装置作動開始コマンド(8038)、設定変更装置作動終了コマンド(80##:##は設定値データ(0〜5)を示す。)、設定値指定コマンド(82##:##は設定値データ(0〜5)を示す。)、設定値表示開始コマンド(8F5A)および設定値表示終了コマンド(8F00)を受信したときに実行される処理を示したものである。
図26のステップSs26における1コマンド処理を開始すると、副制御手段200は、図27に示すフローチャートにおいて、主制御手段100から受信した制御コマンドの種別を判断する(ステップSs100)。そして、受信した制御コマンドが設定変更装置作動開始コマンドだった場合は、ステップSs100の判断結果がYESとなり、設定値の変更を行っていることを表す画面を画像表示装置70に表示する(ステップSs102)。そして、後述する演出設定モードへ移行した後(ステップSs114)、図27の1コマンド処理を終了する。
ステップSs100の判断処理で、設定変更装置作動開始コマンドを受信していなかったと副制御手段200が判断したときは、判断結果がNOとなり、次に設定変更装置作動終了コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs104)。設定変更装置作動終了コマンドを受信したときは、ステップSs104の判断結果がYESとなり、遊技待機表示を開始する(ステップSs106)。そして、ステップSs114の処理で移行した演出設定モードを終了し(ステップSs118)、図27の1コマンド処理を終了する。遊技待機表示は、いわゆる「デモ画面」の表示であり、スロットマシン10の製造者名や、例えば遊技の演出に使用されたキャラクタが登場する動画などを表示する。
なお、副制御手段200が設定変更装置作動終了コマンドを受信したときは、遊技待機表示(いわゆる「デモ画面」)ではなく、遊技中に表示される通常の演出画像(通常表示画像)を表示してもよい。この通常表示画像は、スタートスイッチ36やストップスイッチ37L,37C,37Rの操作に起因して生じるいわゆるカットイン画像や当選役を示唆したり遊技者の期待感を煽ったりする画像とは異なり、例えば、キャラクタが単に歩いているシーンの画像など、デフォルトの状態で表示される演出画像である。この場合、設定変更装置作動終了コマンドを受信すると、通常表示画像の表示を開始し、遊技者による遊技に関する操作が所定時間(例えば1分)なかった場合には、遊技待機表示を開始するようになる。
ステップSs104の判断処理で、設定変更装置作動終了コマンドを受信していなかったと副制御手段200が判断したときは、判断結果がNOとなり、次に設定値指定コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs108)。設定値指定コマンドを受信したときは、判断結果がYESとなり、受信した設定値指定コマンドの第2制御コマンドの値(すなわち設定値データ)を、RWMの所定記憶領域に保存して(ステップSs110)、図27の1コマンド処理を終了する。
ステップSs108の判断処理で、設定値指定コマンドを受信していなかったと副制御手段200が判断したときは、判断結果がNOとなり、次に設定値表示開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs112)。設定値表示開始コマンドを受信したときは、ステップSs114へ進み後述する演出設定モードへ移行した後、図27の1コマンド処理を終了する。また、ステップSs112の判断処理で、設定値表示開始コマンドを受信していなかったと副制御手段200が判断したときは、判断結果がNOとなり、次に設定値表示終了コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs116)。設定値表示終了コマンドを受信したときは、ステップSs118に進み、画像表示装置70で前述した遊技待機表示を行って、ステップSs114の処理で移行した演出設定モードを終了した後、図27の1コマンド処理を終了する。
ここで、設定値表示終了コマンドを受信したときは、遊技待機表示(いわゆる「デモ画面」)ではなく、前述した通常表示画像を表示してもよい。この場合、設定値表示終了コマンドを受信すると、通常表示画像の表示を開始し、遊技者による遊技に関する操作が所定時間(例えば1分)なかった場合には、遊技待機表示を開始するようになる。また、設定値表示終了コマンドを受信したときは、設定値表示開始コマンドを受信するときに実行されていた演出、または設定値表示開始コマンドを受信するときに実行されていた演出に関連する演出に戻るようにしてもよい。
ステップSs116の判断処理で、設定値指定コマンドを受信していなかったと副制御手段200が判断したときは、判断結果がNOとなり、次に他の制御コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs120)。主制御手段100から何らかの制御コマンドを受信したときは、受信した制御コマンドに基づく処理を行い(ステップSs122)、図27の1コマンド処理を終了する。なお、ステップSs12
0の判断処理で、主制御手段100から制御コマンドを受信していなかった場合は、判断結果がNOとなり、そのまま図27の1コマンド処理を終了する。
なお、上述した1コマンド処理では、設定変更装置作動開始コマンドおよび設定値表示開始コマンドを受信したときに演出設定モードへ移行していたが、設定変更装置作動開始コマンドを受信したときだけ演出設定モードへ移行してもよい。また、設定変更モードはスロットマシン10の電源が投入直後に移行可能であるため、副制御手段200における初期化処理を行う必要があるため、設定変更装置作動開始コマンドを受信しても演出設定モードへ移行しないようにして、設定値表示開始コマンドを受信したときだけ演出設定モードへ移行してもよい。この場合、副制御手段200が設定変更装置作動開始コマンドを受信すると、画像表示装置70に起動中である旨の起動メッセージを表示して初期化処理を開始し、初期化処理が終了したら起動メッセージを消去して画像表示装置70を無表示の状態にしてもよい。
また、例えば画像表示装置70に表示する動画の画像データを一時的に保持する画像データ記憶手段(例えばVRAM)において、遊技中に表示する演出用の画像データを記憶する第1の記憶領域と、演出設定モード中に表示する画像データを記憶する第2の記憶領域とを設けておき、遊技中は第1の記憶領域に保持された画像データを画像表示装置70へ出力し、演出設定モード中は第2の記憶領域に保持された画像データを画像表示装置70へ出力するようにしてもよい。また、演出設定モード中は、前述した通常表示画像のデータを第1の記憶領域に記憶し、画像表示装置70に通常表示画像を表示しないものの、そのための画像データは表示する場合と同様に随時更新しておく。そして、設定値表示終了コマンドを受信すると、画像表示装置70へ出力する画像データを第2の記憶領域から第1の記憶領域に記憶されていた画像データに切り替えて、直ちに通常表示画像に切り替えられるようにしてもよい。
<演出設定モードの説明> 次に図28〜図36を参照して、図27のステップSs114の処理によって移行する演出設定モードの内容について説明する。演出設定モードは、スロットマシン10のユーザ(例えばスロットマシンの管理者など)が、副制御手段200によって実行される演出に関する各種パラメータの設定や、遊技や発生したエラーに関する履歴を表示が可能になるモードである。なお、演出設定モードで設定された内容は、設定値が変更された場合(設定変更装置作動開始コマンドを受信した場合)であっても初期値(例えば工場出荷時の設定値)に戻される(クリアされる)ことはない。
(システムメニュー画面) 図27のステップSs114の処理により、演出設定モードに移行すると、副制御手段200は、図28に示すシステムメニュー画面を画像表示装置70に表示する。システムメニュー画面は、演出設定モードで実行可能な項目が一覧表示される。具体的には、「音量調整」、「遊技待機ランプ色」、「サイドランプテスト」、「遊技データ表示」、「ユーザ音量調整」、「エラー等履歴」、「省電力設定」の7項目がある。
ここで、「音量調整」は、演出中に発生する演出音の大きさを調整するための項目である。「遊技待機ランプ色」は、遊技待機表示中に発光する装飾ランプ74L,74Rの発光色を選択するための項目である。「サイドランプテスト」は、予め定められているサイドランプ52L,52Rの点滅パターンのテストを行うための項目である。「遊技データ表示」は、遊技者に対して遊技に関するデータを表示するか否かを選択するための項目である。「ユーザ音量調整」は、遊技者による演出音の音量調整を許可するか否かを選択するための項目である。「エラー等履歴」は、主制御手段100において検出されたエラーの履歴を画像表示装置70に表示させるための項目である。「省電力設定」は、消費電力を抑えた演出を行うか否かを選択するための項目である。
システムメニュー画面に表示された7つの項目名のうち、選択スイッチ38を操作することで所望する項目名を選択できるようになっている。すなわち、システムメニュー画面の初期状態では、「音量調整」の項目名が白抜きの文字で表示されるようになっており、選択スイッチ38を操作することで、白抜きの文字で表示される項目を移動させることができる。例えば、図28に示すシステムメニュー画面では、「音量調整」が選択された状態になっており、この状態で選択スイッチ38の上スイッチを操作すると、「遊技データ表示」の項目名が白抜きで表示されることになる。また、「音量調整」が選択された状態で選択スイッチ38の下スイッチを操作したときは「遊技待機ランプ色」の項目名が白抜きの文字で表示され、選択スイッチ38の右スイッチまたは左スイッチを操作したときは「ユーザ音量調整」の項目名が白抜きの文字で表示される。
このように、所望する項目名を白抜きの文字で表示させた状態で決定スイッチ39を操作すると、画像表示装置70に表示されているシステムメニュー画面が、白抜きの文字で表示された項目名に対応する画面に切り替わる。以下、システムメニュー画面に表示された7つの項目が各々選択されたときに切り替わる画面の内容について説明する。
(音量調整画面) システムメニュー画面において、「音量調整」の項目名が白抜き文字で表示されているときに決定スイッチ39が操作されると、画像表示装置72の表示は、図29に示す音量調整画面に切り替わる。音量調整画面は、遊技中に発生する演出音の音量を調整するための画面である。図29に示す音量調整画面では、画面中央にレベルメータLVが表示され、選択スイッチ38の右スイッチまたは左スイッチを操作することによって所望する音量を設定する。図29のレベルメータLVでは8段階の音量設定が可能であり、図29ではレベルメータLVの第5段階目に設定されている状態(ハッチング部分参照)が示されている。
そして、音量を調整する場合は、選択スイッチ38の右スイッチを操作するごとにハッチングの領域が右側に増大(黒に塗りつぶされた領域が減少)していき音量が大きくなる。また、選択スイッチ38の左スイッチを操作するごとにハッチングの領域が左側に減少(黒に塗りつぶされた領域が増大)していき音量が小さくなる。なお、選択スイッチ38の右スイッチを押し続けると、レベルメータLVのハッチングの領域が徐々に増大していき、選択スイッチ38の左スイッチを押し続けると、ハッチングの領域が徐々に減少していくように構成してもよい。また、図29において「eco」の文字を伴う逆三角形の省電力音量マークEMおよび「標準」の文字を伴う三角形の標準音量マークSMは、音量調整を行う者に対して参考のために表示されたマークである。標準音量マークSMは、レベルメータLVの第5段階目に表示されており、この音量に設定した場合は、発生する演出音が製造業者によって推奨された標準的な音量となる。また、省電力音量マークEMは、レベルメータLVの第3段階目に表示されており、この音量に設定された場合は、発生する演出音の音量は標準的な音量よりも小さくなるが、消費電力を抑えることができる。
なお、図29の音量調整画面が表示されているときに、決定スイッチ39が操作されると、演出音の音量は、そのときに設定されていた音量に確定し、副制御手段200は、画像表示装置70の表示を図28に示したシステムメニュー画面に切り替える。
(遊技待機ランプ色画面) システムメニュー画面において、「遊技待機ランプ色」の項目名が白抜き文字で表示されているときに決定スイッチ39が操作されると、画像表示装置72の表示は、図30に示す遊技待機ランプ色画面に切り替わる。遊技待機ランプ色画面には、各々装飾ランプ74L,74Rの発光色を指定する「パターン1」〜「パターン8」の、8つのパターン選択表示PBが表示されている。そして、選択スイッチ38を操作していずれかのパターン選択表示PBを選択する。ここで、選択されたパターン選択表示PBは、白抜きの文字で表示され、例えば図30の遊技待機ランプ色画面では、「パターン1」のパターン選択表示PBが選択されていることを示している。
そして、所望するパターン選択表示PBが選択されているときに決定スイッチ39が操作されると、遊技待機表示を行う際の装飾ランプ74L,74Rの発光色が確定し、副制御手段200は、画像表示装置70の表示を図28に示したシステムメニュー画面に切り替える。
このよなう設定項目を設けることにより、例えば以下のような利点が生じる。(1)遊技機としての性能(いわゆるスペック)や演出は同じだが、パネル(例えば下パネル)が異なる遊技機を製造販売する場合があり、そのパネルの色に合わせた装飾ランプにすることができる。例えば、スペックや演出が同じ第1の遊技機および第2の遊技機があり、第1の遊技機ではパネルのデザインが赤色を主体的に採用し、第2の遊技機ではパネルのデザインが青色を主体的に採用しているとする。この場合、第1の遊技機の装飾ランプの色を例えば赤色にし、第2の遊技機の装飾ランプの色を例えば青色にする、というように、各々のパネルの色に合った色にした方が見栄えが良くなる。したがって、パネルの色に応じた色で装飾ランプを発光させるために、各遊技機に応じて異なるプログラムを作成するよりも、装飾ランプを複数の色で発光させることができようにしておき、発光色を選択できるようにしたプログラムを開発した方が、開発費用の負担を軽減することができる。
(2)遊技場に並べて設置されたときに、カラフルな態様にすることができる。例えば、遊技場に同一の遊技機が6台、一列に並んで設置されている場合、遊技場の開店時などは、6台の遊技機すべてにおいて遊技待機表示が行われることになる。このようなときに、遊技機の装飾ランプを交互に異なる発光色(例えば赤色と青色)に設定しておくことで、明るい雰囲気を遊技者に与えることができる。
(サイドランプテスト画面) システムメニュー画面において、「サイドランプテスト」の項目名が白抜き文字で表示されているときに決定スイッチ39が操作されると、画像表示装置72の表示は、図31に示すサイドランプテスト画面に切り替わる。サイドランプテスト画面には、各々異なるサイドランプ52L,52Rの点滅パターン(テストパターン)が対応している「パターン1」〜「パターン8」のパターン選択表示PBが表示されている。そして、選択スイッチ38を操作していずれかのパターン選択表示PBを選択する。ここで、選択されたパターン選択表示PBは、白抜きの文字で表示され、例えば図31のサイドランプテスト画面では、「パターン1」のパターン選択表示PBが選択されていることを示している。
そして、選択スイッチ38を操作することで、パターン選択表示PBを選択すると、その都度、選択したパターン選択表示PBに対応するテストパターンでサイドランプ52L,52Rが点滅して、その後、待機状態となる。また待機状態で決定スイッチ39が操作されると、副制御手段200は、画像表示装置70の表示を図28に示したシステムメニュー画面に切り替える。なお、サイドランプ52L、52Rに加えて装飾ランプ74L,74R等の他のランプについても同時にテストできるようにしてもよい。
(ユーザ音量調整画面) システムメニュー画面において、「ユーザ音量調整」の項目名が白抜き文字で表示されているときに決定スイッチ39が操作されると、画像表示装置72の表示は、図32に示すユーザ音量調整画面に切り替わる。ユーザ音量調整画面には、遊技者に対して演出音の調整を許可する「調整許可」の選択表示SBと、遊技者に対して演出音の調整を許可しない「調整不可」の選択表示SBとが表示されている。そして、選択スイッチ38の上スイッチまたは下スイッチを操作することによって、「調
整許可」および「調整不可」のいずれかの選択表示SBを選択する。なお、選択されている選択表示SBは、白抜きの文字で表示され、図32では「調整許可」の選択表示SBが選択されていることを示している。
そして、所望する選択表示SBが選択されているときに決定スイッチ39が操作されると、遊技者による音量調整を許可するか否かが確定し、副制御手段200は、画像表示装置70の表示を図28に示したシステムメニュー画面に切り替える。なお、遊技者による音量調整が許可されているか否かによって、遊技が行われていないときに画像表示装置70に表示される遊技者向けメニュー画面と、遊技待機表示中に画像表示装置70に表示されるデモ画面とが、異なる内容となる。
ここで、図37に遊技者向けメニュー画面の一例を示す。遊技者向けメニュー画面は、単位遊技(1遊技)が終了した後(より具体的には、単位遊技終了後から2秒後)に、演出スイッチ(より具体的には決定スイッチ39)が操作されることにより表示可能となる。そして、遊技者向けメニュー画面が表示されているとき、遊技者による演出スイッチの操作に基づいて各種設定や選択が可能となる。図37(a)は図32のユーザ音量調整画面において「調整許可」が選択されたときに表示される遊技者向けメニュー画面である。また、図37(b)は図32のユーザ音量調整画面において「調整不可」が選択されたときに表示される遊技者向けメニュー画面である。図37に示す遊技者向けメニュー画面において、初期画面では画面中央にカーソルCが表示されている。そして、カーソルCがこの位置に表示されている状態で、選択スイッチ38の上スイッチまたは下スイッチを操作することによって、「ヒロイン選択」、「物語紹介」、「配当表」、「パスワード入力」、「終了時コード表示」および「カスタムクリア」という6つの項目が上下方向に、かつ循環的にスクロールする。
上述した項目のうち「ヒロイン選択」は、遊技の進行に応じて実行される演出として、どのキャラクタを用いて演出を進めていくかを遊技者が選択できるようにするものである。また「物語紹介」は、遊技機のモチーフとなっている原作を紹介する演出を表示するものであり、そのモチーフを知らない遊技者に対し、演出の内容(趣向)を理解してもらうためのものである。「配当表」は、ボーナス役、小役、再遊技役の図柄組合せ(小役についてはさらにメダルの払出枚数)を表示するものである。また、「配当表」の項目においては、それ以外にもいわゆる「チャンス目」や「リーチ目」等を表示してもよい。これにより初心者である遊技者であっても、容易に停止表示した図柄組合せと「配当表」に表示された「チャンス目」や「リーチ目」と比較することができるものである。
「カスタムクリア」は、入力したパスワードに含まれていた演出内容(携帯端末で選択された演出内容)等を初期演出(基準演出とも称する)に戻す(更新する)ことができるようにするものである。「会員登録」は、新規にパスワードの発行を要求する場合に、ネット上の所定のサーバのURLを含む二次元コード(ただし遊技履歴などの情報は含まない)を表示する。「音量調整」は、遊技機から出力される演出音のボリュームを遊技者が調整可能とするための画像を表示する。
「パスワード入力」は、パスワードを入力する画面を表示するためのものである。入力するパスワードは、携帯端末を介してアクセス可能な所定のサーバから発行され、携帯端末に表示される。このパスワードには、遊技者が実行した総遊技回数や、携帯端末で選択した演出内容(例えば押し順ナビの音声)等が含まれる。「終了時コード表示」は、パスワードを入力して遊技を行った場合、その後に行われた遊技に関する遊技履歴の情報を含んだ二次元コードを表示するものである。
なお、二次元コードを表示してから所定時間が経過すると、遊技待機表示を開始するように構成してもよい。このとき、二次元コードを表示してから遊技待機表示が開始されるまでの時間は、遊技が行われなくなってから遊技待機表示が開始されるまでの時間よりも長くするとよい。このように構成することで、例えば携帯端末等で二次元コードを取得するまでの時間を十分に確保しつつ、二次元コードを表示させたまま遊技者が退席してしまった場合に、次の遊技者が遊技を開始しやすくなる。
また、二次元コードを表示した後に遊技待機表示を開始した場合は、メニュー画面から再度「終了時コード表示」を選択できなくする、または、「終了時コード表示」を選択しても二次元コードが表示されないようにしてもよい。このように構成することで、以下のような効果を奏する。例えば、表示された二次元コードに携帯端末の固有情報(例えば携帯番号など)が含まれているものとする。ここで、二次元コードに含まれている携帯端末の固有情報は、前述したする「会員登録」の項目を選択したときに画像表示装置70に表示された二次元コード基づいて前述した所定のサーバから発行されたパスワードに含まれていたものである。そして、遊技者がパスワードを入力してから遊技を開始すると、「終了時コード表示」の項目を選択したときに表示される二次元コードには、パスワードに含まれていた携帯端末の固有情報が含まれることになる。このため、二次元コードを表示した後に遊技待機表示を開始した場合に、再度メニュー画面から「終了時コード表示」を選択できるようにすると、次の遊技者が、メニュー画面から「終了時コード表示」を選択し、表示された二次元コードを自分の携帯端末で取得した場合、取得した二次元コードに含まれる携帯端末の固有情報と、二次元コードを取得した携帯端末の固有情報とが異なるため、取得した二次元コードに基づいて所定のサーバにアクセスしても適切なパスワードが発行されず、混乱を招く恐れがある。したがって、二次元コードを表示した後に遊技待機表示を開始した場合は、メニュー画面から再度「終了時コード表示」を選択できなくすることで、このような混乱を招く恐れをなくすことができる。
例えば、図37(a)に示す状態で選択スイッチ38の上スイッチが操作されると、上述した6つの項目の表示が上方向にスクロールして、「パスワード入力」という項目がカーソルCの位置に移動する。また、図37(a)に示す状態で選択スイッチ38の下スイッチが操作されると、上述した6つの項目の表示が下方向にスクロールして、「物語紹介」という項目がカーソルCの位置に移動する。このように、所望の項目がカーソルCの位置まで移動するまで、選択スイッチ38の上スイッチまたは下スイッチを操作する。そして、所望の項目がカーソルCの位置に表示されたときに決定スイッチ39が操作されると、その所望する項目に対応する画面が画像表示装置70に表示される。
また、図37(a)に示す状態で選択スイッチ38の右スイッチが操作されると、カーソルCの表示が右方向に移動して、「終了」の項目の位置にカーソルCが表示される。このときに決定スイッチ39が操作されると、画像表示装置70の表示内容が、遊技者向けメニュー画面が表示される前の状態に戻る。また、図37(a)に示す状態で選択スイッチ38の左スイッチが操作されると、カーソルCの表示が左方向に移動して、「会員登録」の項目の位置にカーソルCが表示される。このときに決定スイッチ39が操作されると、画像表示装置70の表示が、会員登録を行うための画面に切り替わる。
ここで、図32のユーザ音量調整画面において「調整許可」が選択された場合は、遊技者向けメニュー画面において、「会員登録」の項目の下に「音量調整」の項目が表示される(図37(a)参照)。そして、カーソルCが「会員登録」の位置に移動しているときに、選択スイッチ38の下スイッチが操作されると、カーソルCが「音量調整」の位置に移動する。この状態で決定スイッチ39が操作されると、図29に示した音量調整画面と同様の画面(ただしカーソルECは表示されなくてもよい)が画像表示装置70に表示され、選択スイッチ38によって左右方向を指示することで演出音の音量調整が可能となる。
これに対して、図32のユーザ音量調整画面において「調整不可」が選択された場合は、遊技者向けメニュー画面に「音量調整」の項目が表示されないため(図37(b)参照)、遊技者は演出音の音量を調整することができない。
なお、「音量調整」の項目は表示されるものの、「音量調整」の項目を選択できないようにすることや、「音量調整」の項目が表示され、且つ、「音量調整」の項目も選択できるが、「音量調整」の画面が表示されたとしても選択ボタンの操作によって演出音の音量調整ができないようにすることもできる。以上のように、本実施形態では、遊技者が「音量調整」できるように設定するか否かをホールが設定することができる。
また、図29の音量調整モードはシステムメニュー画面で表示されるようにしたが、遊技者が選択可能な遊技者向けメニュー画面(図37参照)に表示されてもよい。この場合、遊技者によって演出音のボリュームを調整されたくないときは、遊技場のスタッフがメニュー画面の「音量調整」で所望する音量調整を行った後に、演出設定モードへ移行し、システムメニュー画面の「ユーザ音量調整」で遊技者が音量調整をできないように設定するとよい。
このような設定項目を設けることにより、例えば以下のような利点が生じる。(1)遊技場の事情に応じた適切な音量に設定できる。例えば、遊技場によってはスタッフによるアナウンスや遊技場に流れるBGMを重要視するところもあり、スロットマシンが出力する演出音を小さくしたいという要望もある。そのため、音量調整モードで適切な音量に設定し、且つ、ユーザ音量調整ができないようにすることにより、遊技場が望む音量で演出音を出力できる。
(2)遊技機を遊技場に設置した後に、演出音を増幅するアンプが故障した場合の対処ができる。音量が大き過ぎるとアンプに負荷がかかり、アンプが故障することがある。メーカ側は、アンプが故障しない程度の音量を音量調整モードで選択できるMAX値として設計しているが、メーカの設計値を越える挙動が発生するとも限らない。例えば、遊技場Aに設置した遊技機のアンプの故障原因が、出力している音量に関係していたと判明した場合、遊技場Aの他の遊技機にも同じ事象が発生する可能性がある。その場合、音量を適切に調整するため、音量調整モードを用いてメーカ側が適切な音量を各遊技場に連絡し、遊技場のスタッフがその音量に設定した後、ユーザ音量調整ができないようにすることにより、他の遊技機に故障が発生し辛くすることができる。
次に、図38に遊技待機表示の一例を示す。ここで、図38(a)は図32のユーザ音量調整画面において「調整許可」が選択されたときの遊技待機表示の一例であり、図38(b)は図32のユーザ音量調整画面において「調整不可」が選択されたときの遊技待機表示の一例である。この図に示すように、図32のユーザ音量調整画面において「調整許可」が選択された場合は、遊技待機表示中に、「PUSHボタンでメニュー画面/十字キーの右ボタンで音量設定画面へ」というメッセージMが表示される。このときに遊技待機表示中に決定スイッチ39が操作されると、画像表示装置70には図37(a)に示した遊技者向けメニュー画面が表示される。また、選択スイッチ38の右スイッチが操作されると、図29に示した音量調整画面と同様の画面(ただしカーソルECは表示されない)が画像表示装置70に表示され、選択スイッチ38の左スイッチまたは右スイッチを操作することで演出音の音量調整が可能となる。この場合、決定スイッチ39を操作して遊技者向けメニュー画面に移行して「音量調整」を選択しなくても、選択スイッチ38の操作だけで音量調整の画面が画像表示装置70に表示され、音量調整が可能となるため、簡単な操作で遊技者は音量調整を実行することができる。
これに対
して、図32のユーザ音量調整画面において「調整不可」が選択された場合は、遊技待機表示中にメッセージMが表示されず、選択スイッチ38の右スイッチが操作されても図29に示した音量調整画面と同様の画面が画像表示装置70に表示されることはない。ただし、このときに決定スイッチ39が操作されたことによって図37(b)に示す遊技者向けメニュー画面を表示するようにしてもよい。この場合、遊技待機表示中に「PUSHボタンでメニュー画面へ」というメッセージを画像表示装置に表示するようにしてもよい。
なお、遊技待機表示が表示される前(例えば、遊技終了後から2秒後)に、音量を調整可能であることを報知するメッセージM(図38(a)参照)が表示されるように制御してもよい。さらに、メッセージの内容として「PUSHボタンでメニュー画面」という表示は、ユーザ音量調整画面において「調整不可」が選択されていた場合でも表示してもよい。この場合、遊技待機表示が表示される前(例えば、遊技終了後から2秒後)に表示するメッセージの内容として「十字キーの右ボタンで音量設定画面へ」という文字は表示せず、「PUSHボタンでメニュー画面」とだけ表示するようにしてもよい。また、遊技者によって設定された音量は、遊技待機表示に移行するまで保持するようにし、遊技待機表示に移行した後、遊技が再開したときは図29の音量調整モード画面で設定した音量に戻してもよい。また、遊技者によって設定された音量は、遊技待機表示に移行して所定時間が経過するまで保持するようにし、遊技待機表示に移行して所定時間が経過した後、遊技が再開したときは図29の音量調整モード画面で設定した音量に戻してもよい。このとき、遊技待機表示に移行して所定時間が経過しないうちに遊技が再開された場合は、遊技者が設定した音量で演出が実行される。
なお、遊技者が音量を調整したときは、その音量で演出を行うが、スロットマシン10の電源をオフにした後に再度オンにしたときは、再び図29の音量調整画面で設定された音量で演出が行われるようにしてもよい。また、図28のシステムメニュー画面において「音量調整」の項目が無い(すなわち、演出設定モードにおいて演出音の音量が調整できない)場合は、スロットマシン10の電源をオフにした後に再度オンにしたときに、遊技者が調整した音量を予め定められた初期値の音量に戻すようにしてもよい。さらにまた、システムメニュー画面において、省電力モードと通常モードが選択できる場合、省電力モードが設定されていたときの方が、通常モードが設定されていたときよりも初期値の音量を小さくするように構成してもよい。このようにした場合、設定値の変更はスロットマシン10の電源を投入したときに行われるので、演出音の音量は必然的に遊技場側で設定した音量、または、予め定められた初期値の音量に戻ることなる。このため、単に電源がオフにされただけなのか、それとも設定値の変更が行われたのかを区別することができないため、演出音の音量が初期状態に戻ったとしても、設定値の変更が行われたか否かを判別することができない。
(遊技データ表示設定画面) システムメニュー画面において、「遊技データ表示」の項目名が白抜き文字で表示されているときに決定スイッチ39が操作されると、画像表示装置72の表示は、図33に示す遊技データ表示設定画面に切り替わる。遊技データ表示設定画面には、遊技者に対して遊技データを表示可能にする「遊技データ表示」の選択表示SBと、遊技者に対して遊技データを表示しない「遊技データ非表示」の選択表示SBとが表示されている。そして、選択スイッチ38の上スイッチまたは下スイッチを操作することで、「遊技データ表示」および「遊技データ非表示」のいずれかの選択表示SBを選択する。なお、選択されている選択表示SBは、白抜きの文字で表示され、図33では「遊技データ表示」の選択表示SBが選択されていることを示している。
そして、所望する選択表示SBが選択されているときに決定スイッチ39が操作されると、遊技者に対して遊技データを表示可能にするか否かが確定し、副制御手段200は、画像表示装置70の表示を図28に示したシステムメニュー画面に切り替える。なお、遊技者に対して遊技データを表示可能にするか否かによって、遊技が行われていないときに画像表示装置70に表示される遊技者向けメニュー画面の内容が異なっている。
具体的には、遊技者に対して遊技データを表示可能にした場合、図37(a)に示した遊技者向けメニュー画面において、「音量調整」の項目の位置に「遊技データ表示」という項目が表示される。これに対して、遊技者に対して遊技データを表示しない場合は、遊技者向けメニュー画面が図37(b)に示す内容になる。なお、遊技者による音量調整と、遊技データの表示との、双方を可能にした場合は、図37(a)に示した遊技者向けメニュー画面において、「音量調整」の項目の下に「遊技データ表示」という項目が追加されるようにしてもよい。
遊技者に対して遊技データを表示可能にした場合において、遊技者向けメニュー画面でカーソルCによって「遊技データ表示」の項目が選択されると、副制御手段200は画像表示装置70に図39に示す遊技データ表示画面を表示する。この遊技データ表示画面では、「総ゲーム数」、「通常ゲーム数」、「ATゲーム数」、「特定小役入賞回数」、「BB役入賞回数」および「AT開始回数」に関する遊技データが表示されている。「ATゲーム数」は、総ゲーム数のうち、AT遊技中に行った遊技回数を示す。「通常ゲーム数」は、総ゲーム数のうち、AT遊技中以外の遊技を行った回数(総ゲーム数からATゲーム数を引いたゲーム数)を示す。
「特定小役入賞回数」は、役抽選の対象になっている小役のうち、設定値に応じて当選確率が異なっている小役が入賞した回数と、その入賞確率(特定小役入賞回数/通常ゲーム数)とを示す。さらに、「BB役入賞回数」は、BB役が入賞した回数と、その入賞確率(BB役入賞回数/通常ゲーム数)とを示し、「AT開始回数」は、AT遊技が開始された回数と、開始確率(開始回数/通常ゲーム数)とを示す。
ここで、各種ゲーム数および回数は、遊技者によってパスワードが入力されてから計数された値を示している。このパスワードは、図37のメニュー画面において「終了時コード表示」が選択されると、所定サーバのURLを含む二次元バーコードが画像表示装置70に表示され、その二次元バーコードを携帯端末で取り込んでインターネットにアクセスすることによって上述した所定サーバから送信されるものである。これにより、遊技データ表示画面に表示された遊技データは、パスワードを入力した遊技者に固有の遊技データとなる。なお、各種ゲーム数および回数は、電源投入後から計数してもよいし、設定値の変更後から計数してもよい。
そして、図39に示す遊技データ表示画面が表示されているときに決定スイッチ39が操作されると、図37(a)に類似する遊技者向けメニュー画面(「音量調整」の項目の代わりに「遊技データ表示」の項目が含まれるもの)に戻る。
(エラー等履歴表示画面) システムメニュー画面において、「エラー等履歴」の項目名が白抜き文字で表示されているときに決定スイッチ39が操作されると、画像表示装置72の表示は、図34に示すエラー等履歴表示画面に切り替わる。エラー等履歴表示画面には、「設定変更・確認履歴」、「投入センサエラー情報履歴」、「メダル通過エラー情報履歴」、「払い出しエラー情報履歴」、「演出設定モード移行履歴」、「発生エラー時系列履歴」および「戻る」の6項目に対応する選択表示SBが表示されている。
そして、選択スイッチ38を操作していずれかの選択表示SBを選択する。ここで、選択された選択表示SBは、白抜きの文字で表示され、例えば図34のエラー等履歴表示画面では、「設定変更・確認履歴」の選択表示SBが選択されていることを示している。これにより、「設定変更・確認履歴」、「投入センサエラー情報履歴」、「メダル通過エラー情報履歴」、「払い出しエラー情報履歴」、「演出設定モード移行履歴」のうち、いずれかの選択表示SBが選択されている状態で決定スイッチ39が操作されると、画像表示装置70に選択された履歴画面が表示される。
例えば、「設定変更・確認履歴」の選択表示SBが選択されたときは、設定値が変更された時刻(すなわち、設定変更装置作動開始コマンド(8038)の受信時刻)および設定値の確認が行われた時刻(すなわち、設定値表示開始コマンド(8F5A)の受信時刻)が時系列に一覧表示される。「投入センサエラー情報履歴」の選択表示SBが選択されたときは、投入センサエラー(エラーコード:C0)の発生時刻(すなわち、投入センサエラー表示開始コマンド(8106)の受信時刻)が時系列に一覧表示される。「メダル通過エラー情報履歴」の選択表示SBが選択されたときは、メダル通過エラー(エラーコード:C1)の発生時刻(すなわち、投入センサエラー表示開始コマンド(8107)の受信時刻)が時系列に一覧表示される。「払い出しエラー情報履歴」の選択表示SBが選択されたときは、払い出しエラー(エラーコード:H0)の発生時刻(すなわち、払い出しエラー表示開始コマンド(8103)の受信時刻)が時系列に一覧表示される。さらに、「演出設定モード移行履歴」の選択表示SBが選択されたときは、演出設定モードへ移行した時刻が時系列に一覧表示される。
ここで、本実施形態では、主制御手段100において設定変更モードおよび設定確認モードに移行すると演出設定モードへ移行するため(図27参照)、「演出設定モード移行履歴」を選択したときに表示される履歴と、「設定変更・確認履歴」を選択したときに表示される履歴とは、同じ内容を示すことになる。したがって、「演出設定モード移行履歴」または「設定変更・確認履歴」のいずれか一方の項目を削除してもよい。また、主制御手段100において設定変更モードおよび設定確認モードへ移行した場合に加え、例えば前面扉14が開放された状態で、選択スイッチ38の上スイッチが所定時間以上操作され続けたときにも、演出設定モードへ移行するようにして、「演出設定モード移行履歴」において、各々の方法によって演出設定モードへ移行した履歴を表示するようにしてもよい。この場合、「演出設定モード移行履歴」の内容と、「設定変更・確認履歴」の内容とは、異なるものになることはいうまでもない。なお、この様な構成にした場合においても、「設定変更・確認履歴」の項目を省略してもよい。
上述したように、前面扉14が開放された状態で選択スイッチ38の上スイッチが所定時間以上操作され続けたときに演出設定モードへ移行するようにした場合は、キースイッチ82bの設定キーを持たない(設定値を変更する権限が与えられていない)遊技場のスタッフでも、ドアキー31の台鍵を持っていれば演出設定モードへ移行して、発生したエラーの履歴等を確認することができる。これにより、例えば現在遊技を行っている遊技者がどの程度エラーを起こしているか等を、遊技場のスタッフがその場で把握することができる。
なお、設定変更モードまたは設定確認モードへ移行したことによって演出設定モードへ移行した場合と、台鍵のみを用いて演出設定モードへ移行した場合とで、画像表示装置70に表示されるシステムメニュー画面における設定項目を異ならせてもよい。例えば、台鍵のみを用いて演出設定モードへ移行した場合は、図28のシステムメニュー画面のうち、「エラー等履歴」および「サイドランプテスト」の項目のみを表示してもよい。さらに、台鍵のみを用いて演出設定モードへ移行した場合は、画像表示装置70に図34のエラー履歴選択モードの画面を表示して、各種履歴を選択表示できるようにしてもよい。このように、台鍵のみを持っている遊技場のスタッフには省電力モード等の設定の操作はできないようにし
、設定キーを持っている遊技場のスタッフとの差別化を図っている。なお、設定キーを持っていない遊技場のスタッフは、上述した内容に限らず、例えば前面扉14が開放された状況下においてスロットマシン内部に設けられた所定のスイッチを操作することや、前面扉14が開放された状況下において選択スイッチ38で上スイッチを2回操作した後に下スイッチを2回操作する等の特定の手順で選択スイッチ38を操作したことに基づいて設定変更モードへ移行できるようにしてもよい。
次に、「発生エラー時系列履歴」の選択表示SBが選択されたときは、副制御手段200は、画像表示装置70に図35に示す発生エラー時系列履歴画面を表示する。発生エラー時系列履歴画面は、エラーが発生した順番(No)、発生したエラーの種類(内容)、および発生時刻(発生日時)を表形式で時系列に表示する。ここで、表示するエラーの種類は、上述した投入センサエラー、メダル通過エラーおよび払い出しエラーの他にも、エンプティエラー、メダル詰まりエラー、メダル満杯エラー、メダル投入エラー、メダル通過エラー、メダル滞留エラー、投入センサ通過エラーに関する履歴も表示するようにしてもよい。
ここで、各履歴画面で表示される発生時刻は、スロットマシン10の電源投入後から経過した時間としてもよいし、例えばRTC(リアルタイムクロック:時刻を計時する集積回路)などから取得した年月日および時刻であってもよい。また、履歴が一画面に表示しきれない場合は、選択スイッチ38の上スイッチまたは下スイッチを操作することで履歴をスクロール表示させたり、左スイッチまたは右スイッチを操作することでページ切り替え表示を行ったりしてもよい。
上述した各種履歴画面が表示されているときに決定スイッチ39が操作されたときは、図34のエラー履歴等表示画面に戻る。そして、図34のエラー履歴等表示画面において、「戻る」の選択表示SBが選択された状態で決定スイッチ39が操作されると、図28のシステムメニュー画面に戻る。
なお、エラー履歴選択モードとして複数のエラーに関する履歴を個別に選択するようにしているが、エラー履歴選択モードが選択されたときに複数のエラーに関する履歴を1つの履歴にまとめて表示するようにしてもよいし、複数のエラーのうち一部のエラーについては1つの履歴にまとめて表示し、残りのエラーについては個別に履歴を表示するようにしてもよい。また、表示する履歴に対して、エラー以外の事象(例えば、電源のオン/オフ日時、前面扉14の開閉時刻など)を含めてもよい。
(省電力設定画面) システムメニュー画面において、「省電力設定」の項目名が白抜き文字で表示されているときに決定スイッチ39が操作されると、画像表示装置72の表示は、図36に示す省電力設定画面に切り替わる。省電力設定画面には、「通常モード」および「省電力モード」にそれぞれ対応する選択表示SBが表示されている。そして、選択スイッチ38の上スイッチまたは下スイッチを操作することで、「通常モード」または「省電力モード」のいずれかの選択表示SBを選択することができる。なお、選択されている選択表示SBは、白抜きの文字で表示され、図36では「通常モード」の選択表示SBが選択されていることを示している。そして「通常モード」の選択表示SBが選択されているときに決定スイッチ39が操作されると、通常モードとなり、「省電力モード」の選択表示SBが選択されているときに決定スイッチ39が操作されると、省電力モードとなる。
ここで、「通常モード」と「省電力モード」との違いについて説明する。これらモードは、遊技待機表示中の消費電力を抑制するか否かを選択するためのモードであり、「省電力モード」が選択された場合、遊技待機表示中の消費電力を抑制することができる。具体的には、「省電力モード」が選択されているときの遊技待機表示では、「通常モード」における遊技待機表示よりも、下部パネル50内に設けられた照明を暗くする、画像表示装置70に表示するデモ画面の明るさを暗くする、BGMの音量を下げるまたはBGMを停止させる、といった消費電力を抑えた演出が行われる。
なお、「省電力モード」に設定された場合、通常の遊技中における演出音の音量が、自動的に第1の値(例えば、音量を15段階で調整可能な場合において「5」)に設定され、「通常モード」が設定されたときは、通常の遊技中における演出音の音量が自動的に第2の値(例えば音量を15段階で調整可能な場合において「8」)に設定されるようにしてもよい。このように、「通常モード」と「省電力モード」に、それぞれ固有の音量を対応づけることで、図29の音量調節画面で音量を設定する手間を省略することができる。
また、上述した場合において、「通常モード」に設定してから図29の音量調整画面へ移行すると、カーソルSCが「8」の位置に表示され、「省電力モード」に設定してから音量調整画面に移行すると、カーソルECが「5」の位置に表示されるようにしてもよい。
さらに、例えば「通常モード」が選択されているときの遊技待機表示では、サイドランプ52L,52Rおよびリールのバックライトを所定のパターンで点滅させていたものを、「省電力モード」が選択されているときの遊技待機表示では、サイドランプ52L,52Rを所定のパターンで点滅させるときに一度に点灯させるランプ(またはLED)の数を少なくしつつリールのバックライトは消灯させる、または、サイドランプ52L,52Rおよびリールのバックライトを共に消灯させることも考えられる。
また、「通常モード」が選択されているときの遊技待機表示では、サイドランプ52L,52Rは所定のパターンで点滅させるが、リールのバックライトは消灯させたり、リールのバックライトは所定のパターンで点滅させるが、サイドランプ52L,52Rは消灯させたりしたものを、「省電力モード」が選択されているときの遊技待機表示では、サイドランプ52L,52Rおよびリールのバックライトを共に消灯させることも考えられる。
なお、上述した演出設定モードにおいては、以下の機能を備えるものであってもよい。(1)図28のシステムメニュー画面において、スロットマシン10が備えるRTC(リアルタイムクロック)の年月日および時刻を設定できるようにしてもよい。これによってRTCに設定された年月日および時刻は、上述した各種履歴を記録する際に参照される。
(2)システムメニュー画面に表示された各種項目は、前面扉14の開閉状態に関わらず選択できるようになっている。これは、一般に前面扉14の重量は重く(約10kg)、また、演出用の装置としてモータなどによって動く構造物(「演出用可動物」ともいう)を前面扉14に設けた場合はさらに重量が増す。このため、遊技場のスタッフが前面扉14が開けたままにして演出設定モードの各項目を選択していると、その間、前面扉14と本体部12とを繋ぐヒンジに負担がかかり、ヒンジの故障の原因にもなりかねない。このため、演出設定モードへ移行した後は、前面扉14を閉じた状態でも各種設定を可能にすることで、ヒンジへの負担を軽減することができる。また、仮に前面扉14の開放を条件に各種設定が可能となる仕様にした場合には、片方の手で前面扉14が閉まらないようにおさえながらもう一方の片手だけで各種設定を行うことになるため、設定作業がしづらくなってしまう虞がある。
(3)演出設定モードへの移行方法としては、設定変更モードおよび設定確認モードの各々において、または、いずれか一方のモードにおいて、特定のスイッチを操作することによって演出設定モードへ移行するようにしてもよい。ここで、特定のスイッチは選択スイッチ38や決定スイッチ39であってもよいし、演出設定モードへ移行するための専用のスイッチを設けてもよい。
(4)例えば、モータなどの駆動源によって動く演出用可動物があった場合に、その演出用可動物が正常に作動するか否かをテストするための演出用可動物テストモードを備えていていもよい。例えば、演出用可動物として画像表示装置の画面を覆う可動式の左シャッターおよび右シャッターを備えていた場合、演出用可動物テストモードを選択すると、左シャッターを作動させた後に右シャッターを作動させるように制御する。これにより、演出用可動物が正確に作動するか否かを把握することができる。
(5)図28に示したシステムメニュー画面では7種類の設定項目を設けていたが、設定項目の数はそれに限らない。また、例えばユーザ音量調整、省電力設定、遊技待機ランプ色、遊技データ表示といった設定項目は、遊技の実行に関連する調整機能であることから、これらすべての設定項目または一部の設定項目をまとめて「調整設定」という1つの設定項目にまとめてもよい。この場合、「調整設定」という設定項目が選択されると、1つの画面に、まとめた複数の設定項目について個別に調整できる画面が表示されるようにする。例えば、ユーザ音量調整および省電力設定を1つの設定項目にまとめる場合は、図29に示したレベルメータLVと、図36に示した「通常モード」および「省電力モード」の選択表示SBとを、1つの画面に表示する。そして、選択スイッチ38の上スイッチまたは下スイッチを操作することで選択する項目を指定し、例えばレベルメータLVを選択したときは、選択スイッチ38の左スイッチまたは右スイッチを操作することで演出音の音量を調整可能にする。さらに、システムメニュー画面に示したすべての設定項目について、図29〜図34の表示内容に1画面にまとめた調整画面を表示可能にし、演出設定モードへ移行すると、当該調整画面を表示するようにしてもよい。この場合、エラー履歴を表示する場合は、直近に発生したエラーの種類と発生時刻のみを表示するようにしてもよいし、その直近に発生したエラーを選択して決定スイッチ39を操作すると、電源投入後に生じたすべてのエラーについての履歴を表示する画面に切り替えるようにしてもよい。
(6)設定変更モードへ移行したときに表示される設定変更中表示および出力される警告音は、設定変更モードの終了後、所定時間は維持するようにしてもよい。または、設定変更モードへ移行したときに計時を開始し、所定時間が経過するまでは設定変更中表示および警告音を維持するようにしてもよい。この場合、設定変更モードへ移行してから所定時間が経過する前に設定変更モードを終了させたとしても、所定時間が経過するまでは設定変更中表示および警告音が維持されることになる。また、上述した所定時間を演出設定モードで調整可能にしてもよい。例えば所望する所定時間を5秒、10秒、15秒の中から選択可能にしてもよい。
(7)演出設定モードで設定された内容は、例えば復帰可能エラーの発生した後、設定/リセットスイッチ82cが操作されてリセットされた場合であっても維持されることが望ましい。また、設定変更モードへ移行して設定値が変更された場合も、演出設定モードで設定された内容を維持するが、例えば、遊技者によって調整された音量は消去する(すなわち、遊技場のスタッフが設定した音量に戻る)ようにしてもよい。さらに、例えば図26のステップSs22によって作動したウォッチドッグタイマがタイムアウトした場合(副制御手段200のCPUが熱暴走を起こした場合など)は、演出設定モードで設定された内容をクリアして、例えば、工場出荷時の設定に戻すようにしてもよい。
(8)演出設定モードで設定可能な項目として、パスワードの入力を受け付けるか否かを設定できる項目を設けてもよい。この場合、パスワードの入力を受け付けないと設定されると、図37に示した遊技者向けのメニュー画面から「パスワード入力」の項目が除外される(表示されない)ようになる。このような設定項目を設けることで、以下のような効果を奏することができる。(ア)遊技者用のメニュー画面の中に「パスワード入力」という項
目があると、初めてその項目を見た遊技者は、パスワードを入力した場合とパスワードを入力しなかった場合との得失がわからず、その遊技者に戸惑わせてしまう可能性がある。また、遊技場によっては、遊技に慣れていない遊技者が戸惑うことなく遊技を行えるようにするため、敢えて複雑な機能は無効にしたいと思うことも考えられ、遊技場に選択の自由度を持たせとができる。(イ)パスワードの入力に伴う機能を搭載しない遊技機も製造・販売する場合、パスワード入力ができる遊技機と、パスワード入力ができない遊技機とで、演出設定モードの仕様を変えることは非効率である。したがって、パスワード入力ができない遊技機については、遊技場側でパスワード入力ができないモードに設定してもらうことで、遊技機の製品・開発時のコストを削減することができる。
[第2実施形態] 次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、入力ポート0に入力された信号の立ち上がりデータおよび立ち下がりデータを、タイマ割込処理(より詳細には入力ポート0〜2読み込み処理)で生成しているが、その際に前面扉14が開いていいる(すなわち、ドアスイッチ信号がオン)ときに立ち上がりデータおよび立ち下がりデータを生成し、前面扉14が閉まっているとき(すなわち、ドアスイッチ信号がオフ)は立ち上がりデータおよび立ち下がりデータを生成しないようにしていた(図24のステップS608〜S618参照)。
そして、第1実施形態の遊技メダル投入待機時表示処理(図20参照)では、設定キースイッチ信号の立ち上がりデータが1のときに、設定値の確認が可能となるが(ステップS140,YES→S142〜S148)、上述したように、設定キースイッチ信号の立ち上がりデータが1になるには、設定キースイッチ信号がオフからオンに変化しただけでなく、ドアスイッチ信号もオンになっていなければならない。したがって、設定値を確認するには、前面扉14が開いている状態で、キースイッチ82cをオフからオンにする必要がある。
また、設定値の確認を行っているときに、設定キースイッチ信号の立ち下がりデータが1になると、設定値の確認が終了するが(ステップS150,YES→S152)、この場合も、設定キースイッチ信号の立ち下がりデータが1になるには、設定キースイッチ信号がオンからオフに変化しただけでなく、ドアスイッチ信号もオンになっていなければならない。したがって、設定値の確認を終了させるには、前面扉14が開いている状態で、キースイッチ82cをオンからオフにする必要がある。
これに対して本実施形態は、第1実施形態のように前面扉14の開閉判断をタイマ割込処理の中で行うのではなく、遊技メダル投入待機時表示処理の中で行うようにしている。したがって、本実施形態の入力ポート0〜2読み込み処理では、図24に示すステップS608およびS610の処理は省略され、ステップS606から直接ステップS612へ移行するようになっている。また、第1実施形態では、設定キースイッチ信号の立ち下がりデータ(D0ビット)と、設定/リセットボタン信号および設定キースイッチ信号の立ち上がりデータ(D1,D2ビット)とを合わせてRWMアドレスF00Dに保存していたが、本実施形態では、図24のステップS614で生成した立ち上がりデータをRWMアドレスF020に保存し、ステップS616で生成した立ち下がりデータをRWMアドレスF021に保存して、ステップS618の処理は省略するものとする。なお、RWMアドレスF020およびF021に保存されるデータのD1〜D7ビットの内容は、RWMアドレスF00AのD1〜D7ビットと同様である。
図40に、本実施形態における遊技メダル投入待機時表示処理のフローチャートを示す。この図において、図20に示した遊技メダル投入待機時表示処理と同様の処理を行うステップについては同じステップ番号を付し、その詳しい説明を省略する。
図19に示す遊技進行メイン処理のステップS102の判断結果がYESになると、本実施形態の主制御手段100は、図40の遊技メダル投入待機時表示処理を実行する。まず、RWMアドレスF00Aに保存されている入力ポート0レベルデータのD2ビット(ドアスイッチ信号)の値が1であるか否かを判断する(ステップSa10)。D2ビットの値が0だった場合(前面扉14が閉鎖)はステップSa100の判断結果がNOとなり、ステップS160の判断処理へ移行する。
これに対して、D2ビットの値が1だった場合(前面扉14が開放)はステップa10の判断結果がYESとなり、ステップS140へ進み、RWMアドレスF020に保存されている入力ポート0立ち上がりデータのD1ビット(設定キースイッチ信号の立ち上がりデータ)の値が1であるか否かを判断する。そして、入力ポート0立ち上がりデータのD1ビットの値が1であれば(ステップS140,YES)、セレクタ80のブロッカをオフにして、副制御手段200に設定値表示開始コマンドを送信した後、設定値表示器87に現在の設定値を表示する(ステップS142〜S148)。この状態で、再びRWMアドレスF00Dに保存されているドアスイッチ信号(D2ビット)の値が1であるか否かを判断する(ステップSa12)。そして、D2ビットの値が0のときは判断結果がNOとなって再びステップSa12の判断処理を行い、判断結果がYESになるまでステップSa12の判断処理を繰り返す。
これに対して、D2ビットの値が1になるとステップSa12の判断結果がYESとなり、ステップS150へ進み、RWMアドレスF021に保存されている入力ポート0立ち下がりデータのD1ビット(設定キースイッチ信号の立ち下がりデータ)の値が1であるか否かを判断する。そして、設定キースイッチ信号の立ち下がりデータの値が0であるときは、ステップS150の判断結果がNOとなって再びステップSa12の判断処理を行う。これにより、前面扉14が開放されているときに、キースイッチ82cがオンからオフにされるまでは、ステップSa12およびS150の判断処理を繰り返す。
そして、ドアスイッチ信号の値が1で、かつ、設定キースイッチ信号の立ち下がりデータの値が1なると(ステップS150,YES)、主制御手段100は、設定値表示器87を消灯させてから副制御手段200に対して設定値表示終了コマンドを送信し、セレクタ80のブロッカをオンにする(ステップS152〜S158)。次いで、遊技待機表示を開始する場合はRWMに保存されている獲得枚数データをクリアしてから(ステップS160,YES→S162)、図19のステップS106の遊技メダル管理処理へ移行する。これに対して遊技待機表示を開始しない場合は、そのまま図19のステップS106の遊技メダル管理処理へ移行する。
(第2実施形態の変形例) 図40の遊技メダル投入待機時表示処理では、ステップS140における設定キースイッチ信号の立ち上がりの判断、およびステップS150における設定キースイッチ信号の立ち下がりの判断は、RWMアドレスF00Dに保存されている設定キースイッチ信号の立ち上がりデータ(D2ビット)と、立ち下がりデータ(D0ビット)との値に基づいて行っている。そして、これらのデータは、タイマ割込処理(図22)で実行される入力ポート0〜2読込処理(図24)のステップS612〜S616の処理によって生成されたものである。
しかしながら、各入力ポートに入力された信号の立ち上がり/立ち下がりデータを、遊技進行メイン処理において、必要になったときに生成するようにしてもよい。そこで、図41〜図43のフローチャートを参照して、遊技信号メイン処理で(より詳細には、遊技メダル投入待機時表示処理で)設定キースイッチ信号の立ち上がりおよび立ち下がりデータを生成する場合について説明する。
なお、図41に示す遊技メダル投入待機時表示処理において、図40に示した遊技メダル投入待機時表示処理と同様の処理を行うステップについては同じステップ番号を付し、その詳しい説明を省略する。また、本変形例においては、図41の遊技メダル投入待機時表示処理の中で取得した入力ポート0レベルデータをRWMアドレスF00Aに保存するものとする。
本変形例では、図19に示す遊技進行メイン処理のステップS102の判断結果がYESになると、主制御手段100は図41の遊技メダル投入待機時表示処理を開始する。まず、HLレジスタにF00AHの値をセットし、現在、入力ポート0に入力されている信号を読み込んでAレジスタにセットする(ステップSb10)。このとき、負論理で入力される信号については正論理に変換してもよい。もちろん、負論理のまま後の処理で支障が生じない場合は正論理に変換しなくてもよい。次にステップSa10の処理へ進み、AレジスタのD2ビット(ドアスイッチ信号)の値が1であるか否かを判断する。そして、D2ビットの値が1である(前面扉14が開放)ときは判断結果がYESとなって、次に主制御手段100は、設定キースイッチの検出データとして00000010Bの値をCレジスタにセットする(ステップSb12)。なお、このときのHLレジスタには、ステップSb10の処理によりF00A(入力ポート0レベルデータを保存するアドレス)の値がセットされている。
ここで、設定キースイッチの検出データは、入力ポート0レベルデータのうち設定キースイッチ信号(D1ビット)のみを有効にするためのデータである。そして、設定キースイッチ信号の立ち上がりデータを生成するための立ち上がりチェック処理を行い(ステップSb14)、ステップS140へ移行して、設定キースイッチ信号が立ち上がった(キースイッチ82cがオフからオンにされた)か否かを判断する。ここで、設定キースイッチ信号が立ち上がったか否かの判断はゼロフラグの値に基づいて行われ、ゼロフラグの値が1であればステップS140の判断結果がNOとなり、0であれば判断結果がYESとなる(詳しくは後述する)。設定キースイッチ信号が立ち上がった場合(ステップS140,YES)は、セレクタ80のブロッカをオフにして、副制御手段200に設定値表示開始コマンドを送信した後、設定値表示器87に現在の設定値を表示する(ステップS142〜S148)。
次に主制御手段100は、HLレジスタにF00AHの値をセットし、現在、入力ポート0に入力されている信号を読み込んでAレジスタにセットする(ステップSb16)。なお、ステップSb10でセットされたHLレジスタの値(F00AH)が、図41のステップS140〜S148、Sb16およびSa12の処理を経ても変更されない場合は、ステップSb18において、HLレジスタにF00AHの値をセットする処理を省略することができる。次にステップSa12の処理へ進み、AレジスタのD2ビット(ドアスイッチ信号)の値が1であるか否かを判断し、D2ビットの値が0のときは判断結果がNOとなって再びステップSb16の判断処理を行い、判断結果がYESになるまでステップSb16およびSa12の判断処理を繰り返す。これに対して、D2ビットの値が1になるとステップSa12の判断結果がYESとなり、前出した設定キースイッチの検出データ(00000010B)をCレジスタにセットする(ステップSb18)。なお、このときのHLレジスタには、ステップSb16の処理によりF00A(入力ポート0レベルデータを保存するアドレス)の値がセットされている。
次に主制御手段100は、設定キースイッチ信号の立ち下がりデータを生成する立ち上がりチェック処理を行う(ステップSb20)。次に主制御手段100は、ステップS150へ進み、設定キースイッチ信号が立ち下がったか否かを判断する。ここで、設定キースイッチ信号が立ち下がったか否かの判断はゼロフラグの値に基づいて行われ、ゼロフラグの値が1であればステップ
S150の判断結果がNOとなり、0であればステップS150の判断結果がYESとなる(詳しくは後述する)。
ステップS150の判断結果がYESとなった場合は、設定値表示器87を消灯させてから副制御手段200に対して設定値表示終了コマンドを送信し、セレクタ80のブロッカをオンにする(ステップS152〜S158)。そして、遊技待機表示を開始する場合はRWMに保存されている獲得枚数データをクリアしてから(ステップS160,YES→S162)、図19のステップS106の遊技メダル管理処理へ移行する。これに対して遊技待機表示を開始しない場合は、そのまま図19のステップS106の遊技メダル管理処理へ移行する。
次に図42のフローチャートを参照して、図41のステップSb14の立ち上がりチェック処理について詳しく説明する。まず、主制御手段100は、HLレジスタにセットされている値(F00A)によって指定されるRWMアドレスから入力ポート0のレベルデータを読み込んで、Bレジスタにセットする(ステップSb100)。そして、Aレジスタの値をHLレジスタにセットされている値(F00A)によって指定されるRWMアドレスに保存して、前回取得した入力ポート0レベルデータを今回取得した(図41のステップSb10で取得した)入力ポート0レベルデータに更新する(ステップSb102)。このように、立ち上がりチェック処理を行うたびに入力ポート0のデータを最新のデータに更新するため、次にステップSb14の立ち上がりチェック処理を行ったときに、引き続き(換言すると、連続して)立ち上がりありとの判断がされなくなる。
次に主制御手段100は、Aレジスタにセットされた値と、Bレジスタにセットされた値とをXOR演算し、その演算結果をAレジスタにセットすることで、変化ビットデータを算出する(ステップSb104)。これにより、図41のステップSb10で取得した設定キースイッチ信号の値と、ステップSb100で取得したの設定キースイッチ信号の値とに変化が生じた場合、D1ビットの値が1になる。
そして、設定キースイッチ信号の立ち上がりデータを生成する(ステップSb106)。具体的には、Aレジスタにセットされている変化ビットデータと、HLレジスタにセットされている値(F00A)によって指定されるRWMアドレスに保存されているデータ(ステップSb102で更新された入力ポート0レベルデータ)とを、AND演算してその演算結果をAレジスタにセットする。これにより、Aレジスタの値は、入力ポート0に正論理で入力された信号の立ち上がりデータが生成される。次いで、Aレジスタの値と、Cレジスタにセットされた値(00000010B)とをAND演算することで、D1ビット(設定キースイッチ信号の立ち上がりデータ)のみが有効なデータとなる。
ここで、上述したAレジスタの値と、Cレジスタの値とのAND演算の結果が0(すなわち、ゼロフラグ=1)になった場合は、設定キースイッチ信号が立ち上がらなかったことを意味し、AND演算の結果が1(すなわち、ゼロフラグ=0)になった場合は、設定キースイッチ信号が立ち上がったことを意味する。したがって、ステップS140において、ゼロフラグの値によって設定キースイッチ信号が立ち上がったか否かを判断することができる。ステップSb106の処理を終えると、主制御手段100は、図42の立ち上がりチェック処理を開始する前に行っていた処理の続き(図41のステップS140)へ移行する。
次に図43のフローチャートを参照して、図41のステップSb20の立ち下がりチェック処理について詳しく説明する。まず、主制御手段100は、HLレジスタにセットされている値(F00A)によって指定されるRWMアドレスから入力ポート0のレベルデータを読み込んで、Bレジスタにセットする(ステップSb110)。そして、Aレジスタの値をHLレジスタにセットされている値(F00A)によって指定されるRWMアドレスに保存して、前回取得した入力ポート0レベルデータを更新する(ステップSb112)。
次に主制御手段100は、Aレジスタにセットされた値と、Bレジスタにセットされた値とをXOR演算し、その演算結果をAレジスタにセットすることで、変化ビットデータを算出する(ステップSb114)。これにより、図41のステップSb16で取得した設定キースイッチ信号の値と、ステップSb100で取得したの設定キースイッチ信号の値とに変化が生じた場合、D1ビットの値が1になる。
そして、設定キースイッチ信号の立ち下がりデータを生成する(ステップSb116)。具体的には、Aレジスタにセットされている変化ビットデータと、Bレジスタにセットされているデータ(前回取得された入力ポート0レベルデータ)とを、AND演算してその演算結果をAレジスタにセットする。これにより、Aレジスタの値は、入力ポート0に正論理で入力された信号の立ち下がりデータが生成される。次いで、Aレジスタの値と、Cレジスタにセットされた値(00000010B)とをAND演算することで、D1ビット(設定キースイッチ信号の立ち上がりデータ)のみが有効なデータとなる。
ここで、上述したAレジスタの値と、Cレジスタの値とのAND演算の結果が0(すなわち、ゼロフラグ=1)になった場合は、設定キースイッチ信号が立ち下がらなかったことを意味し、AND演算の結果が1(すなわち、ゼロフラグ=0)になった場合は、設定キースイッチ信号が立ち下がったことを意味する。したがって、ステップS150において、ゼロフラグの値によって設定キースイッチ信号が立ち下がったか否かを判断することができる。ステップSb116の処理を終えると、主制御手段100は、図43の立ち下がりチェック処理を開始する前に行っていた処理の続き(図41のステップS150)へ移行する。
なお、図42に示した立ち上がりチェック処理では、設定/リセットボタン信号、設定キースイッチ信号およびドアスイッチ信号の立ち上がりデータを生成していたが、これに限らず、入力ポート1に入力される各種信号(各ストップスイッチセンサ信号、3枚投入センサ信号、清算スイッチ信号およびスタートスイッチセンサ信号等)についても立ち上がりデータを生成するようにしてもよい。具体的には、立ち上がりチェック処理を実行する前に、対象となるスイッチからの信号が入力される入力ポートのレベルデータが保存されたアドレスの値をHLレジスタにセットし、そのスイッチ信号が割り当てられているビットを「1」その他のビットを「0」にしたデータをCレジスタにセットし、その後、立ち上がりチェック処理を実行することで可能となる。換言すると、この立ち上がりチェック処理のサブルーチン(モジュール)は、立ち上がりデータの有無を判断するときに実行される汎用性を有するプログラムであるため、様々な状況下で流用することができるため、プログラムの容量を削減することができる。
[第3実施形態] 次に、本発明の第3実施形態について説明する。第2実施形態の冒頭で説明したように、第1実施形態においては、タイマ割込処理において入力ポート0に入力された信号の立ち上がりデータおよび立ち下がりデータを生成する際に、前面扉14の開閉状態を条件に含めていた。したがって、図18に示した第1実施形態の設定変更装置処理において、ステップS72およびS74によって設定値データが更新される(すなわち、設定/リセットボタン信号の立ち上がりデータが1になっている)ときは、前面扉14が開いていることになる。
また、図18の設定変更装置処理では、設定キースイッチ信号の立ち下がりデータが1になると、設定変更装置処理が終了するが(ステップS86,YES→S88〜S94)、この場合も、設定キースイッチ信号の立ち下がりデータが1になるには、設定キースイッチ信号がオンからオフに変化しただけでなく、ドアスイッチ信号もオンになっていなければならない。したがって、設定変更装置処理を終了させるには、前面扉14が開いている状態で、キースイッチ82cをオンからオフにする必要がある。
これに対して本実施形態は、第1実施形態のように前面扉14の開閉判断をタイマ割込処理の中で行うのではなく、設定変更装置処理の中で行うようにしている。したがって、本実施形態の入力ポート0〜2読み込み処理では、図24に示すステップS608およびS610の処理は省略され、ステップS606から直接ステップS612へ移行するようになっている。また、第2実施形態と同様に、本実施形態においても、図24のステップS614で生成した立ち上がりデータをRWMアドレスF020に保存し、ステップS616で生成した立ち下がりデータをRWMアドレスF021に保存して、ステップS618の処理は省略するものとする。
図44に、本実施形態における設定変更装置処理のフローチャートを示す。この図において、図18に示した設定変更装置処理と同様の処理を行うステップについては同じステップ番号を付し、その詳しい説明を省略する。
図17に示すプログラム開始処理のステップS32の判断結果がYESになると、本実施形態の主制御手段100は、図44の設定変更装置処理を実行する。まず主制御手段100は、スタック領域のRWMアドレス(F200H)をSPレジスタにセットしてから、RWMアドレスの初期化を行う(ステップS50〜S56)。そして、タイマ割込処理を起動して、副制御手段200に対して設定変更作動開始コマンドを送信してから所定時間待機した後、獲得枚数表示器28に「88」を表示すると共に、設定値表示器87に現在の設定値を表示し、HLレジスタに設定値データのアドレスの値(F000)をセットする(ステップS58〜S70)。
次に主制御手段100は、RWMアドレスF00Aに保存されている入力ポート0レベルデータのD2ビット(ドアスイッチ信号)の値が1であるか否かを判断する(ステップSc10)。D2ビットの値が0だった場合(前面扉14が閉鎖)は判断結果がNOとなり、ステップS80の処理へ移行する。これに対してD2ビットの値が1だった場合(前面扉14が開放)は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、RWMアドレスF020に保存されている入力ポート0立ち上がりデータを読み出して、Aレジスタにセットする(ステップSc12)。そして、Aレジスタの値と所定値00000001BとをAND演算し、その演算結果をAレジスタにセットすることで、設定/リセットボタン信号の押下データを生成する(ステップSc14)。
次に主制御手段100は、ステップS70の処理によってRWMアドレスF000から設定値データを読み出して、Aレジスタに加算することで設定値データを更新する(ステップS74)。更新された設定値が正常の数値範囲(0〜5)であれば、Aレジスタにセットされている値を更新した設定値データとしてRWMアドレスF000に保存して(ステップS80)、タイマ割込処理が行われるのを待ってからスタートスイッチセンサ信号が立ち上がったか否かを判断する(ステップS82,S84)。スタートスイッチセンサ信号が立ち上がらなかった場合は判断結果がNOとなってステップSc10の判断処理に戻る。これに対して、スタートスイッチセンサ信号が立ち上がった場合は判断結果がYESとなって、再びRWMアドレスF00Aに保存されている入力ポート0レベルデータのD2ビット(ドアスイッチ信号)の値が1であるか否かを判断する(ステップSc16)。
そして、D2ビットの値が0のときは判断結果がNOとなって再びステップSc16の判断処理を行い、判断結果がYESになるまでステップSc16の判断処理を繰り返す。これに対して、D2ビットの値が1になるとステップSc16の判断結果がYESとなり、ステップS86へ進み、RWMアドレスF021に保存さ
れているデータのD1ビット(設定キースイッチ信号立ち下がりデータ)の値が1になっているか否かを判断する(ステップS86)。設定キースイッチ信号の立ち下がりデータの値が0であるときは、ステップS86の判断結果がNOとなって再びステップSc16の判断処理を行う。これにより、ドアスイッチ信号のレベルデータの値が1であり(前面扉14が開放)、かつ、設定キースイッチ信号の立ち下がりデータの値が1になる(キースイッチ82cがオンからオフ)までは、ステップSc16およびS86の判断処理を繰り返す。
そして、ステップS86の判断結果がYESになると、主制御手段100は、設定値の変更中であることを示す表示データをクリアにしてからクレジット数表示器27および獲得枚数表示器28を点灯し、設定値変更装置作動終了コマンドを副制御手段200へ送信してから遊技進行メイン処理を開始する(ステップS88〜S94)。
[第4実施形態] 次に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は第3実施形態と同様、設定変更装置処理において、設定値データの更新および設定変更装置処理を終了する際にドアスイッチ信号の値を判断するものであるが、設定値データの更新に関する処理が第3実施形態と異なっている。以下、図45のフローチャートを参照して、本実施形態の設定変更装置処理について説明する。
なお、本実施形態においても、タイマ割込処理における入力ポート0〜2読み込み処理では、図24に示すステップS608およびS610の処理は省略され、ステップS606から直接ステップS612へ移行するようになっている。また、第3実施形態と同様に、図24のステップS614で生成した立ち上がりデータをRWMアドレスF020に保存し、ステップS616で生成した立ち下がりデータをRWMアドレスF021に保存して、ステップS618の処理は省略するものとする。また、図45のフローチャートにおいて、図18に示した設定変更装置処理と同様の処理を行うステップについては同じステップ番号を付し、その詳しい説明を省略する。
図17に示すプログラム開始処理のステップS32の判断結果がYESになると、本実施形態の主制御手段100は、図45の設定変更装置処理を実行する。まず主制御手段100は、スタック領域のRWMアドレス(F200H)をSPレジスタにセットしてから、RWMアドレスの初期化を行う(ステップS50〜S56)。そして、タイマ割込処理を起動して、副制御手段200に対して設定変更作動開始コマンドを送信してから所定時間待機した後、獲得枚数表示器28に「88」を表示すると共に、設定値表示器87に現在の設定値を表示し、HLレジスタに設定値データのアドレスの値(F000)をセットする(ステップS58〜S70)。
次に主制御手段100は、HLアドレスの値によって指定されるRWMアドレス(F000)に保存されている設定値データが正常の数値範囲内であるか否かを判断する(ステップSd10)。具体的には、RWMアドレスF000に保存されている値と6との比較演算処理(減算処理)を実行する。そしてキャリーフラグが1になれば、ステップSd10の判断結果がYES(正常な数値範囲内)となり、キャリーフラグが0になれば、ステップSd10の判断結果がNO(正常な数値範囲外)となる。ステップSd10の判断結果がNOになった場合は、HLレジスタの値によって指定されるRWMアドレス(F000)に00Hを保存(またはRWMアドレスF000のデータをクリア)する(ステップSd12)。
ステップSd10の判断結果がYESになった場合、またはステップSd12の処理を行うと、次に主制御手段100は、HLアドレスの値によって指定されるRWMアドレス(F000)から設定値データを読み出して、Aレジスタにセットする(ステップSd14)。そして、RWMアドレスF00Aに保存されている入力ポート0レベルデータのD2ビット(ドアスイッチ信号)の値が1であるか否かを判断する(ステップSd16)。ドアスイッチ信号の値が1であった場合はステップSd16の判断結果がYESとなり、主制御手段100は、RWMアドレスF020に保存されている入力ポート0立ち上がりデータのうち、D0ビット(設定/リセットボタン信号の立ち上がりデータ)の値が1であるか否かを判断する(ステップSd18)。ここで、D0ビットの値が1であれば判断結果がYESとなり、D0ビットの値が0であれば判断結果がNOとなる。
ステップSd18の判断結果がYESになると、主制御手段100は設定値テータを更新する(ステップSd20)。ここでは、Aレジスタの値に対して1を加算し、加算結果の数値範囲が0から指定最大値(ここでは5を指定するものとする)を越えない(越えた場合は加算結果を0にする)ような加算処理を行う。すなわち、ステップSd14でAレジスタにセットされた設定値データに対して1を加算し、加算した結果が5以下であれば加算結果の値をそのままAレジスタの値とするが、加算した結果が5を越えた場合にはAレジスタの値を0にする。
そして、Aレジスタにセットされている値を更新した設定値データとしてRWMアドレスF000に保存する(ステップS80)。ここで、ステップSd16またはSd18の判断結果がNOになったことによりステップS80へ移行した場合は、ステップSd14でRWMから読み出した設定値データがそのまま保存されることになる。次に主制御手段100は、タイマ割込処理が実行されるのを待ってからスタートスイッチセンサ信号が立ち上がったか否かを判断する(ステップS82,S84)。スタートスイッチセンサ信号が立ち上がらなかった場合は判断結果がNOとなってステップSd14の処理に戻る。これに対して、スタートスイッチセンサ信号が立ち上がった場合は判断結果がYESとなって、再びRWMアドレスF00Aに保存されている入力ポート0レベルデータのD2ビット(ドアスイッチ信号)の値が1であるか否かを判断する(ステップSd22)。そして、D2ビットの値が0のときは判断結果がNOとなって再びステップSd22の判断処理を行い、判断結果がYESになるまでステップSd22の判断処理を繰り返す。
これに対して、D2ビットの値が1になるとステップSd22の判断結果がYESとなり、ステップS86へ進み、RWMアドレスF021に保存されているデータのD1ビット(設定キースイッチ信号立ち下がりデータ)の値が1になっているか否かを判断する(ステップS86)。設定キースイッチ信号の立ち下がりデータの値が0であるときは、ステップS86の判断結果がNOとなって再びステップSd22の判断処理を行う。これにより、ドアスイッチ信号のレベルデータの値が1であり(前面扉14が開放)、かつ、設定キースイッチ信号の立ち下がりデータの値が1になる(キースイッチ82cがオンからオフ)までは、ステップSd22およびS86の判断処理を繰り返す。
そして、ステップS86の判断結果がYESになると、主制御手段100は、設定値の変更中であることを示す表示データをクリアにしてからクレジット数表示器27および獲得枚数表示器28を点灯し、設定値変更装置作動終了コマンドを副制御手段200へ送信してから遊技進行メイン処理を開始する(ステップS88〜S94)。
[第5実施形態] 次に、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態も第3実施形態および第4実施形態と同様、設定変更装置処理において、設定値データの更新および設定変更装置処理を終了する際にドアスイッチ信号の値を判断するものであるが、設定値データの更新に関する処理が第3実施形態および第4実施形態と異なっている。以下、図46のフローチャートを参照して、本実施形態の設定変更装置処理について説明する。
なお、本実施形態においても、タイマ割込処理における入力ポート0〜2読み込み処理では、図24に示すステップS608およびS610の処理は省略され、ステップS606から直接ステップS612へ移行するようになっている。また、第3実施形態と同様に、図24のステップS614で生成した立ち上がりデータをRWMアドレスF020に保存し、ステップS616で生成した立ち下がりデータをRWMアドレスF021に保存して、ステップS618の処理は省略するものとする。また、図46のフローチャートにおいて、図18に示した設定変更装置処理と同様の処理を行うステップについては同じステップ番号を付し、その詳しい説明を省略する。
図17に示すプログラム開始処理のステップS32の判断結果がYESになると、本実施形態の主制御手段100は、図46の設定変更装置処理を実行する。まず主制御手段100は、スタック領域のRWMアドレス(F200H)をSPレジスタにセットしてから、RWMアドレスの初期化を行う(ステップS50〜S56)。そして、タイマ割込処理を起動して、副制御手段200に対して設定変更作動開始コマンドを送信してから所定時間待機した後、獲得枚数表示器28に「88」を表示すると共に、設定値表示器87に現在の設定値を表示し、HLレジスタに設定値データのアドレスの値(F000)をセットする(ステップS58〜S70)。
次に主制御手段100は、HLアドレスの値によって指定されるRWMアドレス(F000)に保存されている設定値データが正常の数値範囲内であるか否かを判断する(ステップSe10)。具体的には、HLレジスタの値によって指定されたRWMアドレスF000に保存されている値と6との比較演算処理(減算処理)を実行する。そしてキャリーフラグが1になれば、ステップSe10の判断結果がYES(正常な数値範囲内)となり、キャリーフラグが0になれば、ステップSe10の判断結果がNO(正常な数値範囲外)となる。ステップSe10の判断結果がNOになった場合は、HLレジスタの値によって指定されるRWMアドレス(F000)に00Hを保存(またはRWMアドレスF000のデータをクリア)する(ステップSe12)。
ステップSe10の判断結果がYESになった場合、またはステップSe12の処理を行うと、次に主制御手段100は、RWMアドレスF00Aに保存されている入力ポート0レベルデータのD2ビット(ドアスイッチ信号)の値が1であるか否かを判断する(ステップSe14)。ドアスイッチ信号の値が1であった場合はステップSe14の判断結果がYESとなり、主制御手段100は、RWMアドレスF020に保存されている入力ポート0立ち上がりデータのうち、D0ビット(設定/リセットボタン信号の立ち上がりデータ)の値が1であるか否かを判断する(ステップSe16)。ここで、D0ビットの値が1であれば判断結果がYESとなり、D0ビットの値が0であれば判断結果がNOとなる。
ステップSe16の判断結果がYESになると、主制御手段100はHLレジスタの値にF000をセットして、設定値テータを更新する(ステップSe18)。ここでは、HLレジスタの値によって指定されるRWMアドレスに保存されている値に対して1を加算し、加算結果の数値範囲が0から指定最大値(ここでは5を指定するものとする)を越えない(越えた場合は加算結果を0にする)ような加算処理を行う。すなわち、RWMアドレスF000に保存されている設定値データに対して1を加算し、加算した結果が5以下であれば加算結果の値をそのままRWMアドレスF000に保存する。これに対して、加算した結果が5を越えた場合にはRWMアドレスF000に0を保存する。なお、ステップSe18の処理を行っている間もAレジスタの値は維持されている。
そして、主制御手段100は、タイマ割込処理が実行されるのを待ってからスタートスイッチセンサ信号が立ち上がったか否かを判断する(ステップS82,S84)。スタートスイッチセンサ信号が立ち上がらなかっ
た場合は判断結果がNOとなってステップSe14の処理に戻る。これに対して、スタートスイッチセンサ信号が立ち上がった場合は判断結果がYESとなって、再びRWMアドレスF00Aに保存されている入力ポート0レベルデータのD2ビット(ドアスイッチ信号)の値が1であるか否かを判断する(ステップSe20)。そして、D2ビットの値が0のときは判断結果がNOとなって再びステップSe20の判断処理を行い、判断結果がYESになるまでステップSe20の判断処理を繰り返す。
これに対して、D2ビットの値が1になるとステップSe20の判断結果がYESとなり、ステップS86へ進み、RWMアドレスF021に保存されているデータのD1ビット(設定キースイッチ信号立ち下がりデータ)の値が1になっているか否かを判断する(ステップS86)。設定キースイッチ信号の立ち下がりデータの値が0であるときは、ステップS86の判断結果がNOとなって再びステップSe20の判断処理を行う。これにより、ドアスイッチ信号のレベルデータの値が1であり(前面扉14が開放)、かつ、設定キースイッチ信号の立ち下がりデータの値が1になる(キースイッチ82cがオンからオフ)までは、ステップSe20およびS86の判断処理を繰り返す。
そして、ステップS86の判断結果がYESになると、主制御手段100は、設定値の変更中であることを示す表示データをクリアにしてからクレジット数表示器27および獲得枚数表示器28を点灯し、設定値変更装置作動終了コマンドを副制御手段200へ送信してから遊技進行メイン処理を開始する(ステップS88〜S94)。
[第6実施形態] 次に、本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態も第3実施形態〜第5実施形態と同様、設定変更装置処理において、設定値データの更新および設定変更装置処理を終了する際にドアスイッチ信号の値を判断するものであるが、設定値データの更新に関する処理が第3実施形態〜第5実施形態と異なっている。以下、図47のフローチャートを参照して、本実施形態の設定変更装置処理について説明する。
なお、本実施形態においても、タイマ割込処理における入力ポート0〜2読み込み処理では、図24に示すステップS608およびS610の処理は省略され、ステップS606から直接ステップS612へ移行するようになっている。また、第3実施形態と同様に、図24のステップS614で生成した立ち上がりデータをRWMアドレスF020に保存し、ステップS616で生成した立ち下がりデータをRWMアドレスF021に保存して、ステップS618の処理は省略するものとする。
さらに本実施形態では、設定値表示用のデータ(以下、「設定値表示データ」という。)を保存するアドレスとしてF022が割り当てられている。ここで、設定値表示データは、設定値を設定値表示器87に表示する際に参照されるデータであり、設定値データと同様、設定値表示データも設定値(1〜6)に対応して0〜5の値となる。第3実施形態〜第5実施形態では、設定/リセットボタン信号の立ち上がりに応じて設定値データを更新していたが、本実施形態では設定値表示データを更新している。
さらに、図47のフローチャートにおいて、図18に示した設定変更装置処理と同様の処理を行うステップについては同じステップ番号を付し、その詳しい説明を省略する。
図17に示すプログラム開始処理のステップS32の判断結果がYESになると、本実施形態の主制御手段100は、図47の設定変更装置処理を実行する。まず主制御手段100は、スタック領域のRWMアドレス(F200H)をSPレジスタにセットしてから、RWMアドレスの初期化を行う(ステップS50〜S56)。そして、タイマ割込処理を起動して、副制御手段200に対して設定変更作動開始コマンドを送信してから所定時間待機する(ステップS58〜S66)。
次に主制御手段100は、HLアドレスの値によって指定されるRWMアドレス(F000)に保存されている設定値データを読み出してAレジスタにセットする(ステップSf10)。そして、Aレジスタにセットされた設定値データが正常な数値範囲内であるか否かを判断する(ステップSf12)。すなわち、Aレジスタにセットされた値から6を減算し、キャリーフラグが1になれば、ステップSf12の判断結果がYES(正常な数値範囲内)となり、キャリーフラグが0になれば、ステップSf12の判断結果がNO(正常な数値範囲外)となる。
ステップSf12の判断結果がNOになった場合は、Aレジスタの値を0にする(ステップSf14)。具体的には、Aレジスタの値に対して同じ値でXOR演算を行い、その演算結果をAレジスタにセットする。そして、HLアドレスにF022Hの値をセットし、Aレジスタの値(ステップSf10でRWMから読み出したデータまたは0)をHLアドレスの値によって指定されるRWMアドレス(F022)に保存する(ステップSf16)。
次いで主制御手段100は、獲得枚数表示器28に「88」を表示すると共に、設定値表示器87に現在の設定値を表示し、HLレジスタに設定値表示データのRWMアドレスの値(F022)をセットする(ステップS68〜S70)。そして、HLアドレスの値によって指定されるRWMアドレス(F022)から設定値表示データを読み出してCレジスタにセットする(ステップSf18)。次に主制御手段100は、RWMアドレスF00Aに保存されている入力ポート0レベルデータのD2ビット(ドアスイッチ信号)の値が1であるか否かを判断する(ステップSf20)。ドアスイッチ信号の値が1であった場合はステップSf20の判断結果がYESとなり、主制御手段100は、RWMアドレスF020に保存されている入力ポート0立ち上がりデータのうち、D0ビット(設定/リセットボタン信号の立ち上がりデータ)の値が1であるか否かを判断する(ステップSf22)。ここで、D0ビットの値が1であれば判断結果がYESとなり、D0ビットの値が0であれば判断結果がNOとなる。
ステップSf22の判断結果がYESになると、主制御手段100は設定値表示データを更新する(ステップSf24)。具体的には、Cレジスタの値をAレジスタにセットし、Aレジスタの値に1を加算し、その加算結果の数値範囲が0から指定最大値(ここでは5を指定するものとする)を越えない(越えた場合は加算結果を0にする)ような加算処理を行う。すなわち、Aレジスタにセットされた設定値表示データの値に対して1を加算し、加算した結果が5以下であればAレジスタの値はそのまま維持されるが、加算した結果が5を越えた場合はAレジスタの値を0にする。その後、Aレジスタの値をCレジスタにセットする。
次に主制御手段100は、タイマ割込処理が実行されるのを待ってからスタートスイッチセンサ信号が立ち上がったか否かを判断する(ステップS82,S84)。スタートスイッチセンサ信号が立ち上がらなかった場合は判断結果がNOとなってステップSf18の処理に戻る。これに対して、スタートスイッチセンサ信号が立ち上がった場合は判断結果がYESとなって、Cレジスタにセットされている値をRWMアドレスF000に保存する(ステップS28)。
そして、主制御手段100は、再びRWMアドレスF00Aに保存されている入力ポート0レベルデータのD2ビット(ドアスイッチ信号)の値が1であるか否かを判断する(ステップSf30)。そして、D2ビットの値が0のときは判断結果がNOとなって再びステップSf30の判断処理を行い、判断結果がYESになるまでステップSf30の判断処理を繰り返す。これに対して、D2ビットの値が1になるとステップSf30の判断結果がYESとなり、ステップS86へ進み、RWMアドレスF021に保存されているデータのD1ビット(設定キースイッチ信号立ち下がりデータ)の値が1になっているか否かを判断する(ステップS86)。
設定キースイッチ信号の立ち下がりデータの値が0であるときは、ステップS86の判断結果がNOとなって再びステップSf30の判断処理を行う。これにより、ドアスイッチ信号のレベルデータの値が1であり(前面扉14が開放)、かつ、設定キースイッチ信号の立ち下がりデータの値が1になる(キースイッチ82cがオンからオフ)までは、ステップSf30およびS86の判断処理を繰り返す。そして、ステップS86の判断結果がYESになると、主制御手段100は、設定値の変更中であることを示す表示データをクリアにしてからクレジット数表示器27および獲得枚数表示器28を点灯し、設定値変更装置作動終了コマンドを副制御手段200へ送信してから遊技進行メイン処理を開始する(ステップS88〜S94)。[第7実施形態] 次に、本発明の第7実施形態について説明する。本実施形態も第3実施形態〜第6実施形態と同様、設定変更装置処理において、設定値データの更新および設定変更装置処理を終了する際にドアスイッチ信号の値を判断するものである。また、本実施形態では、第6実施形態と同様に設定値表示データを更新しているが、その処理内容は第6実施形態と異なっている。以下、図48のフローチャートを参照して、本実施形態の設定変更装置処理について説明する。
なお、本実施形態においても、タイマ割込処理における入力ポート0〜2読み込み処理では、図24に示すステップS608およびS610の処理は省略され、ステップS606から直接ステップS612へ移行するようになっている。また、第3実施形態と同様に、図24のステップS614で生成した立ち上がりデータをRWMアドレスF020に保存し、ステップS616で生成した立ち下がりデータをRWMアドレスF021に保存して、ステップS618の処理は省略するものとする。また、第6実施形態と同様に、RWMアドレスF022に設定値表示データを保存するものとする。
さらに、図48のフローチャートにおいて、図18に示した設定変更装置処理と同様の処理を行うステップについては同じステップ番号を付し、その詳しい説明を省略する。
図17に示すプログラム開始処理のステップS32の判断結果がYESになると、本実施形態の主制御手段100は、図48の設定変更装置処理を実行する。まず主制御手段100は、スタック領域のRWMアドレスをSPレジスタにセットしてから、RWMアドレスの初期化を行う(ステップS50〜S56)。そして、タイマ割込処理を起動して、副制御手段200に対して設定変更作動開始コマンドを送信してから所定時間待機する(ステップS58〜S66)。
次に主制御手段100は、HLアドレスにF022Hの値をセットした後、RWMアドレスF000に保存されている設定値データを読み出し、HLアドレスの値によって指定されるRWMアドレス(F022。設定値表示データのRWMアドレス)に保存する(ステップSg10)。そして、HLアドレスの値によって指定されるRWMアドレスに保存されていた設定値表示データが正常な数値範囲内であるか否かを判断する(ステップSg12)。具体的には、RWMアドレスF022に保存されている値から6を減算し、キャリーフラグが1になれば、ステップSg12の判断結果がYES(正常な数値範囲内)となり、キャリーフラグが0になれば、ステップSg12の判断結果がNO(正常な数値範囲外)となる。ステップSg12の判断結果がNOになった場合は、HLアドレスの値によって指定されるRWMアドレスに0を保存する(ステップSg14)。
ここで、ステップSg10〜g14の処理は、RWMに保存されている値に対して行われるものであり、CPUのレジスタを用いることなくRWMのアドレスを直接指定して実行される。
ステップSg12の判断結果がNOになると、またはステップSg14の処理を行うと、
主制御手段100は、獲得枚数表示器28に「88」を表示すると共に、設定値表示器87に現在の設定値を表示する(ステップS68〜S70)。そして、RWMアドレスF00Aに保存されている入力ポート0レベルデータのD2ビット(ドアスイッチ信号)の値が1であるか否かを判断する(ステップSg16)。ドアスイッチ信号の値が1であった場合はステップSg16の判断結果がYESとなって、主制御手段100は、RWMアドレスF020に保存されている入力ポート0立ち上がりデータのうち、D0ビット(設定/リセットボタン信号の立ち上がりデータ)の値が1であるか否かを判断する(ステップSg18)。ここで、D0ビットの値が1であれば判断結果がYESとなり、D0ビットの値が0であれば判断結果がNOとなる。
ステップSg18の判断結果がYESになると、主制御手段100は設定値表示データを更新する(ステップSg20)。具体的には、HLレジスタの値によって指定されるRWMアドレス(F022)に保存されている設定値表示データの値に対して1を加算し、加算結果の数値範囲が0から指定最大値(ここでは5を指定するものとする)を越えない(越えた場合は加算結果を0にする)ような加算処理を行う。すなわち、加算した結果が5以下であれば加算結果の値をそのままRWMアドレスF022に保存する。これに対して、加算した結果が5を越えた場合にはRWMアドレスF022に0を保存する。なお、ステップSe18の処理を行っている間もAレジスタの値は維持されている。
次に主制御手段100は、タイマ割込処理が実行されるのを待ってからスタートスイッチセンサ信号が立ち上がったか否かを判断する(ステップS82,S84)。スタートスイッチセンサ信号が立ち上がらなかった場合は、判断結果がNOとなってステップSg16の処理に戻る。これに対して、スタートスイッチセンサ信号が立ち上がった場合は判断結果がYESとなって、主制御手段100は、HLレジスタにセットされている値によって指定されるRWMアドレス(F022)に保存されている設定値データの値を、RWMアドレスF022に保存する(ステップSg22)。
そして、主制御手段100は、RWMアドレスF00Aに保存されている入力ポート0レベルデータのD2ビット(ドアスイッチ信号)の値が1であるか否かを判断する(ステップSg24)。D2ビットの値が0のときは判断結果がNOとなって再びステップSg24の判断処理を行い、判断結果がYESになるまでステップSg24の判断処理を繰り返す。これに対して、D2ビットの値が1になるとステップSg24の判断結果がYESとなり、ステップS86へ進み、RWMアドレスF021に保存されているデータのD1ビット(設定キースイッチ信号立ち下がりデータ)の値が1になっているか否かを判断する(ステップS86)。
設定キースイッチ信号の立ち下がりデータの値が0であるときは、ステップS86の判断結果がNOとなって再びステップSg24の判断処理を行う。これにより、ドアスイッチ信号のレベルデータの値が1であり(前面扉14が開放)、かつ、設定キースイッチ信号の立ち下がりデータの値が1になる(キースイッチ82cがオンからオフ)までは、ステップSg24およびS86の判断処理を繰り返す。そして、ステップS86の判断結果がYESになると、主制御手段100は、設定値の変更中であることを示す表示データをクリアにしてからクレジット数表示器27および獲得枚数表示器28を点灯し、設定値変更装置作動終了コマンドを副制御手段200へ送信してから遊技進行メイン処理を開始する(ステップS88〜S94)。
上述した第6実施形態および第7実施形態では、RWMに設定値表示データを保存するためのアドレスを設けているが、このアドレスは電源復帰時(図17のプログラム開始処理)で実行されるエラー判定処理に異常がない(ステップS32,YES)と判定された状況下で設定変更モード(例えば、図47の設定変更装置処理)の移行条件を満たしたとき(ステップS28,YES)に実行されるRWMクリア(例えば、図47のS52〜S56)の対象となるアドレス(例えば、F050)になっている。これに対して、設定値データのRWMアドレスは電源復帰時に異常がないと判定された状況下で設定変更モードの移行条件を満たしたときに実行されるRWMクリアの対象とならないアドレス(F000)になっている。このように、設定値表示データを電源復帰時に異常がないと判定された状況下で設定変更モードの移行条件を満たしたときに実行されるRWMクリアの対象となるアドレスに保存し、設定値データのRWMアドレスをすることで、以下のような利点が生じる。
例えば、遊技場のスタッフが設定値を更新している最中に、当該更新作業を行う前の設定値(以下、「当初の設定値」という)を確認したくなった(例えば、遊技場のスタッフが設定しておいた設定値と異なる設定値が今表示されていたかも知れないと不安に思った場合)場合でも、当初の設定値を表示することができる。例えば、設定値表示データのRWMアドレスを設けていなかった場合は、設定/リセットスイッチ82cの操作によって、設定値データのアドレス(F000)に保存されていた値を更新することになる。このとき、一度設定値を更新してしまうと、設定値データのアドレスに保存されている値が既に更新された後の値に上書きされているため、当初の設定値を確認する術がない。
これに対して、設定値表示データのRWMアドレスを設けて、設定値の更新作業中は設定値表示データを更新し、更新作業を終了するとき(換言すると、更新後の設定値を確定するとき)に設定値表示データの値を、設定値データに反映させるようにすれば、設定値を更新している最中は、設定値データの値は当初の設定値を維持している。したがって、設定値の更新作業中に当初の設定値を再度確認したい場合は、更新作業の途中で電源スイッチ82aをオフにし、キースイッチ82bをオンにした状態にして再び電源スイッチ82aをオンにすることで、設定値表示器87に再度、設定値の更新作業を行う前の設定値を表示することができる。一方、遊技場のスタッフが設定値を変更している途中(すなわち、設定変更装置処理を実行中)に、意図しない電源断(誤って電源をオフした場合等)を発生してしまった場合には、電源オフ中にキースイッチ82bをオフにしてから電源スイッチ82aをオンにすることで、電源断が発生したときにスタック領域に保存された戻り番地に基づいて設定変更装置処理の途中から処理を再開することができる。
なお、設定値表示器87に設定値を表示するための設定値表示データのRWMアドレスには、「1」〜「6」(設定値データは、「0」〜「5」)が保存されるようにしてもよい。具体的には、設定値データに基づいて設定値表示データのRWMアドレスにデータを保存する場合には設定値データの値に「1」を加算した値を設定値表示データとして保存し、設定/リセットスイッチ82cの操作に基づいて設定値表示データの値が「1」〜「6」の間で循環するように処理して、設定値表示データのRWMアドレス保存することができる。これにより、図23に示したLED表示処理の簡素化(具体的にはステップS562を省略)が可能となり、図22に示したタイマ割込処理の実行時間を短縮することができる。また、設定値データは、例えば役抽選処理(図19のステップS112参照)等の各種抽選処理や、設定値が正常な数値範囲内に収まっているか否かのエラーチェック処理を行う際に参照される都合上、「0」〜「5」の数値範囲で管理することが望ましい。これに対して、設定値表示データは上述した処理で参照されないため、「1」〜「6」で管理しても設定値データに比べれば影響は大きくない。
上述した第6実施形態および第7実施形態では、更新された設定値表示データを設定値データに反映するタイミングを、スタートスイッチ36の操作を契機としていたが(ステップS84,YES)、これに限らず、例えば、設定キースイッチ信号の立下りデータが1となったとき(ステップS86,YES)に設定値データに反映させるようにしてもよい。
第3実施形態〜第7実施形態の設定変更装置処理では、入力ポート0のレベルデータおよび入力ポート0の立ち上がり/立ち下がりデータは、タイマ割込処理(より具体的には図24の入力ポート0〜2読み込み処理)によって取得、生成されたものを参照しているが、例えば、タイマ割込処理で取得された入力ポート0のレベルデータに基づいて、各実施形態における設定変更装置処理の中で立ち上がりデータを生成してもよい。また、各実施形態における設定変更装置処理の中で入力ポート0のレベルデータを取得して、取得したレベルデータに基づいて立ち上がりデータを生成してもよい。
[第8実施形態] 次に、本発明の第8実施形態について説明する。第2実施形態では、遊技メダル投入待機時表示処理において、設定値の表示を行うとき、および設定値の表示を終了するときに、ドアスイッチ信号の開閉状態を判断していた。また、第3実施形態〜第7実施形態では、設定変更装置処理において、設定値を変更するとき、および、設定値の変更処理を終了するときに、ドアスイッチ信号の開閉状態を判断していた。これ対して、本実施形態では、復帰可能エラーが発生したときに実行される図21のエラー表示処理において、設定/リセットスイッチ82cが操作されたことによってエラー解除を行う際に、ドアスイッチ信号の開閉状態を判断するものである。
ここで、本実施形態の入力ポート0〜2読み込み処理では、図24に示すステップS608およびS610の処理は省略され、ステップS606から直接ステップS612へ移行するようになっている。また、第2実施形態と同様に、本実施形態においても、図24のステップS614で生成した立ち上がりデータをRWMアドレスF020に保存し、ステップS616で生成した立ち下がりデータをRWMアドレスF021に保存して、ステップS618の処理は省略するものとする。
図49に、本実施形態におけるエラー表示処理のフローチャートを示す。この図において、図21に示したエラー表示処理と同様の処理を行うステップについては同じステップ番号を付し、その詳しい説明を省略する。
まず、主制御手段100は、エラー番号をRWMアドレスF014に保存し、エラー発生前のブロッカ信号およびホッパーモータ駆動信号の状態を退避させてからセレクタ80のブロッカをオフ状態にして、遊技開始表示LEDを消灯した後、発生したエラーに対応するエラー表示開始コマンドを副制御手段200へ送信する(ステップS200〜S212)。
次に主制御手段100は、RWMアドレスのF00Aに保存されている入力ポート0レベルデータのうち、D2ビットのドアスイッチ信号の値が1であるか否かを判断する(ステップSh10)。ここで、RWMアドレスF00Aに入力ポート0レベルデータを保存する際には、負論理で入力される信号を、正論理に変換してから保存されていてもよい。D2ビットの値が0のときは判断結果がNOとなって再びステップSh10の判断処理を行い、判断結果がYESになるまでステップSh10の判断処理を繰り返す。これに対して、D2ビットの値が1になるとステップSh10の判断結果がYESとなり、主制御手段100は、RWMアドレスF020に保存されているデータのD0ビット(設定/リセットボタン信号立ち上がりデータ)の値が1になっているか否かを判断する(ステップS214)。
設定/リセットボタン信号の立ち上がりデータの値が0であるときは、ステップS214の判断結果がNOとなって再びステップSh10の判断処理を行う。これにより、ドアスイッチ信号のレベルデータの値が1であり(前面扉14が開放)、かつ、設定/リセットボタン信号の立ち上がりデータの値
が1になる(設定/リセットスイッチ82bがオン)までは、ステップSh10およびS214の判断処理を繰り返す。そして、ステップS214の判断結果がYESになると、主制御手段100は、RWMアドレスF020に保存されているデータのD0ビット(設定/リセットボタン信号立ち上がりデータ)の値を0にする(ステップS216)。
そして、主制御手段100は、発生した復帰可能エラーの入力状態をチェックして(ステップS218〜228)、エラー要因が除去されたか否かを判断する(ステップS230)。エラー要因が除去されないと判断した場合は、ステップSh10の処理に戻り、エラー要因が除去されたと判断した場合は、RWMに保存したエラー番号をクリアしてエラー表示終了コマンドを副制御手段200へ送信する(ステップS232〜236)。そして、ホッパーモータ駆動信号とブロッカ信号とをエラー発生前の状態に戻して(ステップS238〜244)。図49のエラー表示処理を終了する。
(第8実施形態の変形例) 図49のエラー表示処理では、ステップS214における設定キースイッチ信号の立ち上がりの判断は、RWMアドレスF00Dに保存されている設定キースイッチ信号の立ち上がりデータ(D2ビット)の値に基づいて行っている。そして、このデータは、タイマ割込処理(図22)で実行される入力ポート0〜2読込処理(図24)のステップS612〜S616の処理によって生成されたものである。
しかしながら、入力ポート0に入力された信号の立ち上がりデータを、復帰可能エラーが発生したときに生成するようにしてもよい。そこで、図50のフローチャートを参照して、エラー表示処理において設定キースイッチ信号の立ち上がりデータを生成する場合について説明する。
なお、図50に示すエラー表示処理において、図49に示したエラー表示処理と同様の処理を行うステップについては同じステップ番号を付し、その詳しい説明を省略する。また、本変形例においては、図49の遊エラー表示処理の中で取得された入力ポート0レベルデータをRWMアドレスF00Aに保存するものとする。また、RWMアドレスF00Aに保存されるD0〜D7ビットの内容は、RWMアドレスF00Aに保存されるD0〜D7ビットの内容(図13参照)と同じである。
図50に示すエラー表示処理を開始すると、主制御手段100は、エラー番号をRWMアドレスF014に保存し、エラー発生前のブロッカ信号およびホッパーモータ駆動信号の状態を退避させてからセレクタ80のブロッカをオフ状態にして、遊技開始表示LEDを消灯した後、発生したエラーに対応するエラー表示開始コマンドを副制御手段200へ送信する(ステップS200〜S212)。
次に主制御手段100は、HLレジスタにF00AHの値をセットし、現在、入力ポート0に入力されている信号を読み込んでAレジスタにセットし(ステップSi10)、AレジスタのD2ビット(ドアスイッチ信号)の値が1であるか否かを判断する(ステップSi12)。D2ビットの値が0のときは判断結果がNOとなって再びステップSi10の判断処理を行い、判断結果がYESになるまでステップSi10およびSi12の判断処理を繰り返す。これに対して、D2ビットの値が1になるとステップSi12の判断結果がYESとなり、主制御手段100は、設定/リセットスイッチの検出データとして00000001Bの値をCレジスタにセットする(ステップSi14)。ここで、設定/リセットスイッチの検出データは、入力ポート0レベルデータのうち設定/リセットボタン信号(D0ビット)のみを有効にするためのデータである。なお、このときのHLレジスタには、ステップSi10の処理によりF00A(入力ポート0レベルデータを保存するアドレス)の値がセットされている。
次に主制御手段100は、設定/リセットボタン信号の立ち上がりデータを生成するため、図42の立ち上がりチェック処理を行う(ステップSi16)。すなわち、RWMアドレスF00Aから入力ポート0レベルデータを読み込んでBレジスタにセットし、その後、Aレジスタの値(ステップSi10で読み込んだ入力ポート0の入力信号)をRWMアドレスF00Aに保存して入力ポート0レベルデータを更新する(図42、ステップSb100〜Sb102)。
次に主制御手段100は、Aレジスタの値と、Bレジスタの値とをXOR演算して変化ビットデータを算出し、その結果とRWMアドレスF00Aに保存されている入力ポート0レベルデータの値とをAND演算して入力ポート0に入力された信号の立ち上がりデータを生成する。そして、その立ち上がりデータとCレジスタにセットされた設定/リセットスイッチ検出データ(00000001B)とをAND演算することで、設定/リセットボタン信号の立ち上がりデータのみを有効にする。(図42、ステップSb104〜Sb106)
ステップSi16の処理を終えると、次に主制御手段100は、設定/リセットボタン信号が立ち上がったか否かを判断する(ステップS214)。具体的には、ゼロフラグの値が0であるか否かを判断し、ゼロフラグの値が0であれは判断結果をYESとし、ゼロフラグの値が1であれば判断結果をNOとする。そして、ステップS214の判断結果がNOになったときは再びステップSi10の判断処理を行う。これに対して、ステップS214の判断結果がYESになったときは、発生した復帰可能エラーの入力状態をチェックして(ステップS218〜228)、エラー要因が除去されたか否かを判断する(ステップS230)。エラー要因が除去されないと判断した場合は、ステップSi10の処理に戻り、エラー要因が除去されたと判断した場合は、RWMに保存したエラー番号をクリアしてエラー表示終了コマンドを副制御手段200へ送信する(ステップS232〜236)。そして、ホッパーモータ駆動信号とブロッカ信号とをエラー発生前の状態に戻して(ステップS238〜244)。図50のエラー表示処理を終了する。
[入力ポート0〜2読み込み処理の変形例] 図24に示す入力ポート0〜2読み込み処理では、入力ポート0に入力された信号の立ち上がりデータおよび立ち下がりデータを生成するときに、前面扉14の開閉状態をチェックして、前面扉14が閉じていたときは、立ち上がりデータおよび立ち下がりデータを生成しないようにしていた(ステップS608,NO→S610)。しかしながら、必ずしも、入力ポート0に入力された信号の立ち上がりデータおよび立ち下がりデータの生成を行う際に、前面扉14の開閉状態の判断結果を関連づける必要はない。
そこで、本変形例では、入力ポート0〜2読み込み処理において、前面扉14の開閉状態の判断と、入力ポート0に入力された信号の立ち上がりデータおよび立ち下がりデータの生成とを、個別に行う場合について説明する。以下、図51のフローチャートを参照して、本変形例の入力ポート0〜2読み込み処理について説明する。
なお、図51に示すフローチャートにおいて、図24に示した入力ポート0〜2読み込みエラー表示処理と同様の処理を行うステップについては同じステップ番号を付し、その詳しい説明を省略する。また、本変形例では、図51に示すように、スイッチ有効データを保存するためのRWMアドレスF017が定められているものとする。このスイッチ有効データは、入力ポート0に入力された信号の立ち上がりデータおよび立ち下がりデータの値を判断するときに、判断対象とする立ち上がりデータまたは立ち下がりデータを有効とするか否かを定めるためのデータである。ここで、前面扉14が開いているときのスイッチ有効データは11111111Bとなり、前面扉14が閉まっているときのスイッチ有効データは11111000Bとなる。
図51の入力ポート0〜2読み込み処理を開始すると、まず主制御手段100は、入力ポート0に入力されている各信号を取得して、負論理の信号を正論理に変換した後、未使用ビットの値を無効にして、RWMに保存されている入力ポート0レベルデータを更新する(ステップS600〜S606)。次に、入力ポート0レベルデータのうちD2ビット(ドアスイッチ信号)の値が1である(前面扉14が開いている)か否かを判断する(ステップS608)。そして、D2ビットの値が1であれば判断結果がYESとなって、スイッチ有効データとして11111111BをRWMアドレスF017に保存し(ステップSj10)、D2ビットの値が0であれば判断結果がNOとなって、スイッチ有効データとして11111000BをRWMアドレスF017に保存する(ステップSj12)。
そして、ステップSj10またはSj12の処理を行うと、主制御手段100は、入力ポート0に入力されている各信号の立ち上がりデータおよび立ち下がりデータを生成してRWMアドレスF00Dに保存する(ステップS612〜S618)。次いで、入力ポート1および入力ポート2に入力されている各信号の立ち上がりデータを生成して、各々対応するRWMアドレスに保存する(ステップS620〜S628→図25の入力ポートデータセット処理)。
上述した入力ポート0〜2読み込み処理を行う場合、例えば、図40に示した遊技メダル投入待機表示処理において、ステップSa10およびS140の処理を行う場合、まず、RWMアドレスF00Dに保存されている設定キーおよび設定/リセットボタンエッジデータと、RWMアドレスF017に保存されているスイッチ有効データとをAND演算し、その演算結果におけるD2ビットの値に基づいてステップS140の判断を行う。すなわち、D2ビットの値が1であれば、前面扉14が開いている状態でキースイッチ82bがオフからオンになったことを示す。これに対して、D2ビットの値が0であれば、前面扉14が開いている状態でキースイッチ82bがオフからオンにならなかったことを示す。
また、ステップSa12およびS150の処理を行う場合は、RWMアドレスF00Dに保存されている設定キーおよび設定/リセットボタンエッジデータと、RWMアドレスF017に保存されているスイッチ有効データとをAND演算し、その演算結果におけるD0ビットの値に基づいてステップS150の判断を行う。すなわち、D0ビットの値が1であれば、前面扉14が開いている状態でキースイッチ82bがオンからオフになったことを示す。これに対して、D0ビットの値が0であれば、前面扉14が開いている状態でキースイッチ82bがオンからオフにならなかったことを示す。
これと同様に、図44〜図48の設定変更装置処理および図49のエラー表示処理を行う場合も、入力ポート0に入力された信号の立ち上がりまたは立ち下がりを判断する際に、立ち上がりまたは立ち上がりデータと、スイッチ有効データとを、AND演算することにより、前面扉14の開閉状態を条件に含めた各種信号の立ち上がりまたは立ち下がりを判断することができる。
なお、第1実施形態〜第8実施形態において、入力ポートに入力された信号がオフからオンに変化したことを示す立ち上がりデータを生成する処理(例えば図24のステップS612およびS614、図42の立ち上がりチェック処理)は、第1の状態から第2の状態へ変化したか否かを示す状態変化情報を生成する情報生成手段に相当する。また、入力ポートに入力された信号がオンからオフに変化したことを示す立ち下がりデータを生成する処理(例えば図24のステップS612およびS616、図43の立ち下がりチェック処理)は、第2の状態から第1の状態へ変化したか否かを示す状態変化情報を生成する情報生成手段に相当する。
[変形例](1)立ち上がりデータおよび立ち下がりデータの生成について 図24のステップS612〜S616や、図42の立ち上がりチェック処理および図43立ち下がりチェッ
ク処理において、各種信号のレベルデータの状態が前回の状態から変化したときに、直ちに立ち上がりデータまたは立ち下がりデータを生成するのではなく、変化後の状態が複数回継続したときに、立ち上がりデータまたは立ち下がりデータを生成するようにしてもよい。
また、図51に示した入力ポート0〜2読み込み処理において、前面扉14の開閉に応じたスイッチ有効データをRWMに保存する代わりに、前面扉14が閉じていた場合、RWMに保存されている、判断対象となる信号立ち上がりデータまたは立ち下がりデータと、レベルデータとをクリアするようにしてもよい。
(2)台鍵によるエラー解除について 復帰可能エラーが発生したときに、図1に示したドアキー31に挿入した台鍵を反時計回りに回すると、図2に示した設定/リセットスイッチ82cを操作したときと同様のエラー解除(リセット)ができるとしたが、台鍵によってエラーを解除するときは、前面扉14が閉まっている状態であっても、発生した復帰可能エラーを解除可能にしてもよい。またこの場合、前面扉14が閉じたまま解除できるエラーの種類を一部に限定してもよい(たとえばエンプティエラー(HEエラー)は解除できるが、メダル詰まりエラー(HPエラー)、払い出しエラー(H0エラー)、投入センサ通過エラー(CEエラー)、メダル投入エラー(CPエラー)、メダル滞留エラー(CHエラー)、投入センサエラー(C0エラー)、メダル通過エラー(C1エラー)等は、設定/リセットスイッチ82cを操作しなければ解除できない等)。たとえば、エンプティエラーの場合は設定/リセットスイッチ82cを操作することによって解除し、ホッパーモータ46が駆動することにより、メダルをメダル排出口60から排出しようとする。このとき、ホッパー83aにメダルを入れて、且つ、前面扉14が開放している状況において設定/リセットスイッチ82cを操作した場合には、前面扉14が開いているため、メダルが外へ飛び出して遊技場の床にこぼれ落ちる虞がある。このため、エンプティエラーの場合には、前面扉14が閉じている状況で、設定/リセットスイッチ82cが操作できる(またはドアキー31の台鍵を左に回してエラー解除される)ように構成されていることが好ましい。
さらにこの場合において、前面扉14が閉じている場合に限って台鍵を反時計回りに回すことができる機構を設けてもよい。もちろん、エンプティエラーが発生した場合に限るものではなく、前面扉14が閉じている状況下においては台鍵を反時計回りに回すことが可能(リセットスイッチとして機能することが可能)とし、前面扉14が開放している状況下においては台鍵を反時計回りに回すことができないような機構を設けてもよい。また、前面扉14が開いている場合でも台鍵を反時計回りに回すことができても、主制御手段100において、前面扉14が開いているときに台鍵が反時計回りに回わされた場合は、例えば台鍵が反時計回りに回わされたことを無効にするなどして、エラーの解除を実行しないようにしてもよい。
(3)ドアスイッチ信号の取得について 遊技進行メイン処理においてドアスイッチ信号がオンか否かを判断する際に、直接、入力ポート0のデータを取得し、入力ポート0のデータのうちD2ビット(ドアスイッチ信号)のデータに基づいてドアスイッチ信号がオンか否かを判断するようにしてもよい。このような処理は全ての実施形態においても適応可能である。また、ドアスイッチ信号がオンか否かを判断する処理は、例えば、ドアが所定時間(例えば、約0.5秒:250割込み分)以上、開放しているか否かで判断することができる。例えば、ドアが所定時間開放したことを条件に、RWMの所定の記憶領域(アドレス)にドア開放エラーデータを記憶する。そして、そのアドレスにドア開放エラーデータが記憶されている場合には前面扉14が開放していると判断し、ドア開放エラーデータが記憶されていない場合には前面扉14が閉鎖していると判断するようにすることができる。換言すると、本件明細書、及び図面に記載の「ドアスイッチ信号オン」(例えば、図24のステップS608、図40のステップSa10等)の文言を「ドア開放エラーデータあり」や「ドアスイッチ信号が所定時間オン」等の文言に置き換えることが可能である。
上述したように前面扉14が所定時間開放しているか否かを判断することで、例えば以下のようなメリットがある。(ア)例えば、不正行為によって前面扉14が閉まっている状況下であっても遊技機に前面扉14が開放しているように認識させるために、ドアスイッチ信号が入力される基板やハーネス等に導電性の部材(針金等)を接触させ、当該導電性の部材を介して入力ポートに入力される信号として前面扉14が開放していることを示す信号が入力されてしまう虞がある。但し、前面扉14の開放と判断するために所定時間、前面扉14が開放していることを条件としているため、上述した不正行為によって前面扉14の開放とみなすための条件を満たすことが困難となる。(イ)電波や静電気等によるノイズ信号が入力ポートに入力される信号に混入してドアスイッチが開放されていることを示す信号として認識されてしまう虞がある。したがって、前面扉14の開放と判断するために所定時間、前面扉14が開放していることを条件とすることにより、上述したようなノイズ信号によって前面扉14が誤って開放していると判断されてしまう虞が低くなる。(ウ)前面扉14の開閉状態をドアスイッチ44のオン/オフによって検出する場合、前面扉14を開けたときおよび閉じたときにドアスイッチ44でチャタリングが生じて、正確な開閉状態を検出できない虞がある。したがって、所定時間、前面扉14が開放していることを、前面扉14が開放していると判断する条件にすることで、ドアスイッチ44で生じるチャタリングの影響を受けにくくすることができる。
(4)設定変更モードおよび設定確認モードの終了後の処理について 設定変更モードおよび設定確認モードにおいて、キースイッ82bをオフにして各モードを終了すると、画像表示装置70には待機遊技表示または通常演出画像を表示するようにしていたが、キースイッ82bをオフにしたときに前面扉14が開いていることを報知し、前面扉14が閉められてから待機遊技表示または通常演出画像を表示するようにしてもよい。具体的には、主制御手段100から副制御手段200に対して、前面扉14が開けられたときに開けられたことを示すコマンドを送信し、前面扉14が閉められたときは閉められたことを示すコマンドを送信するようにしておく。遊技場のスタッフが設定変更作業または設定確認作業を行うために前面扉14を開けると、そのことを示すコマンドが副制御手段200へ送信され、副制御手段200は前面扉14が開いていることを報知する。そして、所定の手順を経て設定変更モードまたは設定確認モードに移行して、副制御手段200が設定変更装置作動開始コマンドまたは設定値表示開始コマンドを受信すると、演出設定モードへ移行する。設定変更モードまたは設定確認モードが終了して、副制御手段200が設定変更装置作動終了コマンドまたは設定値表示終了コマンドを受信すると、副制御手段200は再び前面扉14が開いていることを報知する。そして、前面扉14が閉められて、そのことを示すコマンドを副制御手段200が受信すると、待機遊技表示または通常演出画像の表示を行う。ここで、副制御手段200が前面扉14が閉められことを示すコマンドを受信したときに、前面扉14が閉められた旨の報知を行うようにしてもよい。
また、前述したドア開放エラーを検出可能にした場合、以下のような処理を行うようにしてもよい。遊技場のスタッフが設定変更作業または設定確認作業を行うために前面扉14を開けてから所定時間が経過すると、主制御手段100はドア開放エラーが発生したと判断して副制御手段200にドア開放エラー表示コマンドを送信する。副制御手段200は、このコマンドを受信するとドア開放エラーが発生したことを報知する。そして、所定の手順を経て設定変更モードまたは設定確認モードに移行して、副制御手段200が設定変更装置作動開始コマンドまたは設定値表示開始コマンドを受信すると、演出設定モードへ移行する。設定変更モードまたは設定確認モードが終了して、副制御手段200が設定変更装置作動終了コマンドまたは設定値表示終了コマンドを受信すると、副制御手段200は再びドア開放エラーが発生したことを報知する。そして、エラー解除操作が行われて主制御手段100からエラー復帰コマンド(8100)が送信されると、副制御手段200は、ドア開放エラーが発生したことを示す報知を終了し、待機遊技表示または通常演出画像の表示を行う。
なお、第1実施形態から第8実施形態を適宜組み合わせることが可能であり、さらに各実施形態またはそれらの組み合わせに対して、各変形例を適宜組み合わせることも可能である。