JP2021057665A - 通信品質劣化箇所推定装置、通信品質劣化箇所推定方法、及び、通信品質劣化箇所推定プログラム - Google Patents

通信品質劣化箇所推定装置、通信品質劣化箇所推定方法、及び、通信品質劣化箇所推定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】多数の通信制御装置によって多数の通信経路を構成し、通信経路が動的に変化するような通信システムにおいて、通信品質の劣化箇所を効率的かつ高い精度で推定する。【解決手段】通信品質劣化箇所推定装置50は、通信端末装置61及び62の間における、1以上の通信経路に設定された、通信端末装置61及び62との論理的な位置関係の類似性に基づいてグループ70に分類された複数の観測点71における、通信データの通信遅延時間に関する情報510を取得する取得部51と、グループ70ごとに、通信遅延時間に関する情報510に基づいて、複数の通信データに関する通信遅延時間の値が分散する度合いを表す特性値520を算出する算出部52と、特性値520が基準を満たす特定のグループを特定し、通信経路における特定のグループに属する観測点71を含む箇所において、通信品質の劣化が発生していると推定する推定部53と、を備える。【選択図】 図15

Description

本願発明は、通信ネットワークを介して行われる通信について、当該通信ネットワークにおける通信品質の劣化箇所を推定する技術に関する。
例えば音声通信サービスなどの通信サービスを継続して提供し、その品質を改善していくためには、サービスの品質を把握した上で、通信品質の劣化の原因となる箇所を特定する必要がある。例えば音声品質を評価する方法としては、音声サンプルを用いる方法と、音声通信パケット情報から音声品質を測定する方法などがある。
音声サンプルから音声品質を評価する手法として、様々な方法が提案されているが、音声サンプル取得の前提として、音声端末に録音機能が搭載されていること、また、法律上の制約があることから、音声サンプルを音声通信サービスの品質把握に用いることは難しい。
一方で、音声サンプルを用いず、音声通信パケット情報より音声品質を測定することも可能であるので、音声通信パケット情報より音声品質を測定する技術への期待が高まってきている。
このような技術に関連する技術として、特許文献1には、送信端末装置から受信端末装置までの1つの地点をパケット観測点とし、パケットに含まれるシーケンス番号や送信元タイムスタンプ情報に基づいて、通信端末装置間(End−to−End)のパケット損失率、音声パケットの遅延時間、その遅延時間に関するゆらぎ(平均値を基準とする値の分散度合い)等から品質を測定する装置が開示されている。
また、特許文献2には、経路情報及びフロー品質情報に基づき、同一フローの通信品質が劣化しているか否かを分割区間ごとに判定して区間品質情報を作成し、複数のフローのそれぞれに関して得られた区間品質情報を組み合わせることによって、品質劣化箇所を推定する装置が開示されている。
特開2017−192001号公報 国際公開第2010/001795号
例えば特許文献1が示す装置では、通信端末装置間で品質劣化の発生が検出されたとしても、通信端末装置間におけるどの通信制御装置(通信機器)で発生した劣化なのかを特定することはできない。ここで、劣化が発生した機器を特定するために、複数の観測点を設け、各観測点における音声品質を比較することによって、原因箇所を絞り込んでいく方法も考えられる。しかしながら、大規模化および複雑化した昨今のネットワーク構成において、多数の観測点から全てのパケットを採取し、品質の解析や比較を行なうようにした場合、多大なコストが発生する。また、観測点を増やすためには観測装置の増設やネットワーク構成の変更なども必要となるので、やはりコスト等の観点から好ましいとは言えない。
また、特許文献2には、sFlow(登録商標)やパケットキャプチャなどのルータに実装されている品質計測手法を用いて品質情報を取得することが示されている。尚、sFlowは、IETF(Internet Engineering Task Force) RFC(Request for Comments) 3176として公開されている、ネットワークをモニタリングするためのプロトコルである。しかしながら、sFlowを利用する場合、端末装置間(End−to−End)の遅延ジッタ(通信遅延時間のゆらぎ)に関しては、RTCP(Real-time Transport Control Protocol)等を用いて解析可能であるが、端末装置−通信制御装置(通信機器)間(End−to−Point)や通信制御装置間(Point−to−Point)の遅延ジッタを解析することは困難である。
さらに、sFlowやNetFlow(登録商標)等のサンプリングベースのフローデータから品質劣化区間を推定するようにした場合、通常、隣接する一観測点との比較を行うので、通信パケットが通過する経路(通信制御装置、及び通信制御装置間のインタフェース等)が事前に特定されていることが前提となる。しかしながら、冗長化された通信制御装置や多数の通信経路(冗長パス)を備える昨今の一般的な通信システムでは、通信経路が動的に変化するので、上述した前提の下で通信品質の劣化区間を推定することは困難である。
このように、多数の通信制御装置によって多数の通信経路を構成し、通信経路が動的に変化するような通信システムにおいて、通信品質の劣化の原因となる箇所を効率的かつ高い精度で推定することが課題である。特許文献1及び2が示す技術では、このような課題を解決するのに十分であるとはいえない。本願発明の主たる目的は、この課題を解決する通信品質劣化箇所推定装置等を提供することである。
本願発明の一態様に係る通信品質劣化箇所推定装置は、第一及び第二の通信端末装置の間における、1以上の通信経路に設定された、前記第一及び第二の通信端末装置との論理的な位置関係の類似性に基づいてグループに分類された複数の観測点における、通信データの通信遅延時間に関する情報を取得する取得手段と、前記グループごとに、前記通信遅延時間に関する情報に基づいて、複数の前記通信データに関する前記通信遅延時間の値が分散する度合いを表す特性値を算出する算出手段と、前記特性値が基準を満たす特定の前記グループを特定し、前記通信経路における、前記特定のグループに属する前記観測点を含む箇所において、通信品質の劣化が発生していると推定する推定手段と、を備える。
上記目的を達成する他の見地において、本願発明の一態様に係る通信品質劣化箇所推定方法は、情報処理装置によって、第一及び第二の通信端末装置の間における、1以上の通信経路に設定された、前記第一及び第二の通信端末装置との論理的な位置関係の類似性に基づいてグループに分類された複数の観測点における、通信データの通信遅延時間に関する情報を取得し、前記グループごとに、前記通信遅延時間に関する情報に基づいて、複数の前記通信データに関する前記通信遅延時間の値が分散する度合いを表す特性値を算出し、前記特性値が基準を満たす特定の前記グループを特定し、前記通信経路における、前記特定のグループに属する前記観測点を含む箇所において、通信品質の劣化が発生していると推定する。
また、上記目的を達成する更なる見地において、本願発明の一態様に係る通信品質劣化箇所推定プログラムは、第一及び第二の通信端末装置の間における、1以上の通信経路に設定された、前記第一及び第二の通信端末装置との論理的な位置関係の類似性に基づいてグループに分類された複数の観測点における、通信データの通信遅延時間に関する情報を取得する取得処理と、前記グループごとに、前記通信遅延時間に関する情報に基づいて、複数の前記通信データに関する前記通信遅延時間の値が分散する度合いを表す特性値を算出する算出処理と、前記特性値が基準を満たす特定の前記グループを特定し、前記通信経路における、前記特定のグループに属する前記観測点を含む箇所において、通信品質の劣化が発生していると推定する推定処理と、をコンピュータに実行させる。
更に、本願発明は、係る通信品質劣化箇所推定プログラム(コンピュータプログラム)が格納された、コンピュータ読み取り可能な、不揮発性の記録媒体によっても実現可能である。
本願発明は、多数の通信制御装置によって多数の通信経路を構成し、通信経路が動的に変化するような通信システムにおいて、通信品質の劣化の原因となる箇所を効率的かつ高い精度で推定することを可能とする。
本願発明の第1の実施形態に係る通信システム1の構成を示すブロック図である。 本願発明の第1の実施形態に係る通信品質劣化箇所推定装置10の構成を示すブロック図である。 本願発明の第1の実施形態に係るフローデータ管理情報141の内容を例示する図である。 本願発明の第1の実施形態に係るグループ情報143の内容を例示する図である。 本願発明の第1の実施形態に係るグループG1に関する観測結果144a及びゆらぎ算出結果145aの内容を例示する図である。 本願発明の第1の実施形態に係るグループG2に関する観測結果144b及びゆらぎ算出結果145bの内容を例示する図である。 本願発明の第1の実施形態に係るグループG3に関する観測結果144c及びゆらぎ算出結果145cの内容を例示する図である。 本願発明の第1の実施形態に係るグループG4に関する観測結果144d及びゆらぎ算出結果145dの内容を例示する図である。 本願発明の第1の実施形態に係るグループG5に関する観測結果144e及びゆらぎ算出結果145eの内容を例示する図である。 本願発明の第1の実施形態に係るグループG6に関する観測結果144f及びゆらぎ算出結果145fの内容を例示する図である。 本願発明の第1の実施形態に係る算出部12が図5乃至図10に示す例の場合において生成した、シーケンス番号を入力変数Xとして通信遅延時間のゆらぎを求めるための近似式を表す3次多項式の各項の係数を例示する図である。 本願発明の第1の実施形態に係る算出部12が図11に例示する3次多項式を用いてグループG2及びG3におけるシーケンス番号ごとのゆらぎの推定値を算出した結果を例示する図である。 本願発明の第1の実施形態に係る算出部12が隣接する2つのグループの間における通信遅延時間のゆらぎの差の合計と平均遅延時間の差とを算出した結果を例示する図である。 本願発明の第1の実施形態に係る通信品質劣化箇所推定装置10の動作を示すフローチャート(1/2)である。 本願発明の第1の実施形態に係る通信品質劣化箇所推定装置10の動作を示すフローチャート(2/2)である。 本願発明の第2の実施形態に係る通信品質劣化箇所推定装置50の構成を示すブロック図である。 本願発明の各実施形態に係る通信品質劣化箇所推定装置を実行可能な情報処理装置900の構成を示すブロック図である。
以下、本願発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本願発明の第1の実施の形態に係る通信システム1の構成を示すブロック図である。通信システム1は、大別して、通信品質劣化箇所推定装置10と、通信端末装置21乃至23と、通信制御装置(通信機器)31乃至37とを有する。通信システム1が有する通信端末装置及び通信制御装置の個数は、それぞれ3個、7個に限定されず、通信システム1は、図1に例示する以外の個数の通信端末装置及び通信制御装置を有してもよい。通信端末装置21乃至23は、例えば、サーバ装置やパーソナルコンピュータやスマートフォン等の情報処理装置であり、通信制御装置31乃至37を介して、互いに通信を行う。尚、通信端末装置21乃至23のうち、通信を行う(通信データを送受信する)いずれか2つの通信端末装置を、第一及び第二の通信端末装置と称する場合がある。
通信制御装置31乃至37は、例えば、ルータやスイッチ等の装置であり、通信端末装置21乃至23の間で送受信される通信データを構成するパケットデータ(本願では以降、単に「パケット」と称する場合がある)の送受信を制御する。そして通信制御装置31乃至37は、例えばsFlowやNetFlow等のサンプリングベースのフロー監視技術に対応したパケットサンプリング機能を備えることとする。尚、通信端末装置21乃至23と通信制御装置31乃至37とが通信可能に接続される形態(トポロジ)は、図1に例示する形態に限定されない。
通信制御装置31乃至37は、パケットを観測する(パケットのサンプリングを行う)箇所である観測点411乃至463を有する。例えば通信制御装置31は、通信端末装置21との間で送受信するパケットの入出力部に観測点411を備え、通信制御装置33との間で送受信するパケットの入出力部に観測点421を備え、通信制御装置34との間で送受信するパケットの入出力部に観測点422を備える。例えば通信制御装置32は、通信端末装置21との間で送受信するパケットの入出力部に観測点412を備え、通信端末装置23との間で送受信するパケットの入出力部に観測点413を備え、通信制御装置33との間で送受信するパケットの入出力部に観測点423を備え、通信制御装置34との間で送受信するパケットの入出力部に観測点424を備える。通信制御装置33乃至37も同様に、図1に例示する通り、自装置に隣接する通信端末装置あるいは通信制御装置との間で送受信するパケットの入出力部に観測点を備える。
本実施形態に係る通信品質劣化箇所推定装置10は、上述した観測点411乃至463において観測されたパケットが示すフローデータに基づいて、通信システム1における通信品質の劣化の原因となる箇所を推定する情報処理装置である。但し、フローデータは、通信ネットワークにおけるフロー制御によって転送される各パケットの転送に関する制御情報を表す。本実施形態では、通信品質劣化箇所推定装置10は、通信制御装置34と通信可能に接続されている。尚、通信品質劣化箇所推定装置10は、通信制御装置34以外の通信制御装置と通信可能に接続されてもよい。
図2は、本実施形態に係る通信品質劣化箇所推定装置10の構成を示すブロック図である。通信品質劣化箇所推定装置10は、取得部11、算出部12、推定部13、及び、記憶部14を備えている。
記憶部14は、例えばHDD(Hard Disk Drive)あるいは電子メモリ等の記憶デバイスであり、後述するフローデータ管理情報141、トポロジ管理情報142、観測結果144、及び、ゆらぎ算出結果145を記憶している。
図3は、本実施形態に係るフローデータ管理情報141の内容を例示する図である。フローデータ管理情報141は、図1に例示する観測点411及び463において観測されたパケットに関するフローを特定する際に用いる情報である。フローデータ管理情報141は、図3に例示する通り、通信制御装置における観測点ごとに、パケットの送信元IP(Internet Protocol)アドレス、パケットの送信先IPアドレス、及び、パケットの宛先ポートを管理する情報である。フローデータ管理情報141は、事前に与えられていることとする。尚、フローデータ管理情報141は、パケットに関する、図3に例示する以外の情報を含んでもよい。
図3に例示するIPアドレス「X.X.X.X」は通信端末装置21のIPアドレスであり、IPアドレス「Y.Y.Y.Y」は通信端末装置22のIPアドレスであり、IPアドレス「Z.Z.Z.Z」は通信端末装置23のIPアドレスである。また、IPアドレス「a.a.a.a」、「b.b.b.b」、「c.c.c.c」は、図1に示されていない他の装置のIPアドレスである。
図3に例示するフローデータ管理情報141において、宛先ポートが5004(RTP(Real-time Transport Protocol))であるフローは音声通信を表すフローである。したがって、通信品質劣化箇所推定装置10は、例えば、音声通信に関して通信品質の劣化箇所を推定する場合、宛先ポートが5004であるフローに関するフローデータを、処理の対象とすればよい。
記憶部14に記憶されたトポロジ管理情報142は、通信システム1の通信ネットワークのトポロジを管理する情報であり、パケットを観測する通信制御装置31乃至37と、通信制御装置31乃至37における観測点411乃至463とに関する情報である。トポロジ管理情報142は、グループ情報143を含んでいる。トポロジ管理情報142は、例えば通信システム1の管理者などによって、事前に与えられていることとする。
図4は、本実施形態に係るグループ情報143の内容を例示する図である。グループ情報143は、通信制御装置31乃至37における観測点411乃至463をグループに分類した結果を管理する情報である。
図1及び図4に例示する通り、本実施形態に係る観測点411乃至463の個々は、グループG1乃至G6のいずれかのグループに分類されている。図1に例示する通り、観測点411乃至463のうち、通信制御装置31あるいは32に含まれ、通信端末装置21あるいは23と接続されている観測点411乃至413は、グループG1に分類されている。観測点411乃至463のうち、通信制御装置31あるいは32に含まれ、通信制御装置33あるいは34と接続されている観測点421乃至424は、グループG2に分類されている。観測点411乃至463のうち、通信制御装置33あるいは34に含まれ、通信制御装置31あるいは32と接続されている観測点431乃至434は、グループG3に分類されている。同様に、観測点441乃至445はグループG4に分類され、観測点451乃至455はグループG5に分類され、観測点461乃至463はグループG6に分類されている。
このように、グループG1に分類された観測点411乃至413は、通信端末装置21あるいは23(第一の通信端末装置)側から見て1段目に位置し、グループG2に分類された観測点421乃至424は、通信端末装置21あるいは23側から見て、グループG1に分類された観測点411乃至413を間に挟んだ2段目に位置している。また、グループG6に分類された観測点461乃至463は、通信端末装置22(第二の通信端末装置)側から見て1段目に位置し、グループG5に分類された観測点451乃至455は、通信端末装置22側から見て、グループG6に分類された観測点461乃至463を間に挟んだ2段目に位置している。即ち本実施形態では、観測点411乃至463は、通信端末装置21乃至23との論理的な位置関係の類似性に基づいて、グループG1乃至G6に分類されている。
図4に例示するグループ情報143は、例えば、グループG1について、隣接するグループがグループG2であり、通信制御装置31に含まれる観測点411と通信制御装置32に含まれる観測点412及び413とを含むことを表している。図4に例示するグループ情報143は、例えば、グループG2について、隣接するグループがグループG1及びG3であり、通信制御装置31に含まれる観測点421及び422と通信制御装置32に含まれる観測点423及び424とを含むことを表している。図4に例示するグループ情報143は、グループG3乃至G6についても同様に、隣接するグループと、グループに含まれる観測点と、その観測点が含まれる通信制御装置とを関連付けて表している。
図2に例示する取得部11は、通信制御装置31乃至37が観測点411乃至463において観測したパケットに関するフローデータを取得する。取得部11は、通信品質劣化箇所推定装置10が通信可能に接続されている通信制御装置34を介して、通信制御装置34以外の通信制御装置によって観測されたパケットに関するフローデータも取得可能である。取得部11は、取得したフローデータが示すパケットの観測結果を、観測結果144として記憶部14に格納する。
図5乃至図10は、順に、本実施形態に係るグループG1乃至G6に関する観測結果144、及び、後述するゆらぎ算出結果145の内容を例示する図である。尚、本実施形態の説明では以降、グループG1乃至G6に関する観測結果144を、順に観測結果144a乃至144fと称し、グループG1乃至G6に関するゆらぎ算出結果145を、順にゆらぎ算出結果145a乃至145fと称する場合がある。図5の(a)乃至図10の(a)に示す表は、観測結果144a乃至144f、及び、ゆらぎ算出結果145a乃至145fの内容を含んでいる。図5乃至図10の(a)に示す表において、シーケンス番号と送信タイムスタンプと観測時刻と通信制御装置と観測点とを関連付けた部分が、観測結果144a乃至144fを表す部分である。図5乃至図10の(a)に示す表において、シーケンス番号と通信遅延時間とゆらぎとを関連付けた部分が、ゆらぎ算出結果145a乃至145fを表す部分である。
取得部11は、フローデータが示すパケットのシーケンス番号と、当該パケットが通信端末装置21乃至23のいずれかから送信された時刻を表す送信タイムスタンプと、当該パケットが観測点411乃至463のいずれかにおいて観測された時刻と、当該パケットが観測された観測点と、当該観測点が含まれる通信制御装置とをグループごとに関連付けた観測結果144a乃至144fを、記憶部14に格納する。ただしシーケンス番号は、あるフローにおいてパケットが生成されるたびに、所定の値(例えば1)ずつ増加させながら当該パケットに付与される番号(識別子)である。
取得部11は、図5に例示する通り、グループG1に属する観測点411において観測されたシーケンス番号が0、3、6、10、14、17、19であるパケットに関して、送信タイムスタンプと観測点411における観測時刻とを表す観測結果144aを、記憶部14に格納する。取得部11は、図6に例示する通り、グループG2に属する観測点421において観測されたシーケンス番号が1、4、7、11、14、18、20であるパケットに関して、送信タイムスタンプと観測点412における観測時刻とを表す観測結果144bを、記憶部14に格納する。取得部11は、図7乃至図10に例示する通り、グループG3乃至G6に属する観測点において観測されたパケットのシーケンス番号と、各パケットの送信タイムスタンプと観測点における観測時刻とを関連付けた観測結果144c乃至144fを、記憶部14に格納する。
図2に例示する算出部12は、取得部11によってグループG1乃至G6の個々に関して記憶部14に格納された観測結果144a乃至144fに基づいて、後述する通りグループ毎にゆらぎ算出結果145a乃至145fを生成し、生成したゆらぎ算出結果145a乃至145fを記憶部14に格納する。
算出部12は、図5に例示する通り、グループG1に関する観測結果144aに基づいて、シーケンス番号が示すパケットごとに、観測時刻と送信タイムスタンプとの差分を表す通信遅延時間を算出する。即ち、通信遅延時間は、当該パケットが通信端末装置21乃至23のいずれかから送信されてから観測点において観測されるまでに要した遅延時間を表す。算出部12は、図5に例示する通り、例えばシーケンス番号が0であるパケットに関して、通信遅延時間を20ms(ミリ秒)と算出する。算出部12は同様に、シーケンス番号が3、6、10、14、17、19であるパケットに関して、通信遅延時間を順に、20ms、30ms、20ms、20ms、10ms、20msと算出する。そして、算出部12は、シーケンス番号が0、3、6、10、14、17、19であるパケットに関するグループG1の通信遅延時間の平均値を20msと算出する。
算出部12は、図6乃至図10に例示する通り、グループG2乃至G6に関しても同様に、シーケンス番号が示すパケットごとに、通信遅延時間を算出し、算出した通信遅延時間に基づいて、グループG2乃至G6のそれぞれについて、通信遅延時間の平均値を算出する。図6乃至図10に示す例では、算出部12は、グループG2乃至G6の通信遅延時間の平均値を、順に、220ms、370ms、420ms、470ms、500msと算出する。
算出部12は、次に、シーケンス番号が示すパケットごとの通信遅延時間と、グループの通信遅延時間の平均値との差分を通信遅延時間のゆらぎとして算出する。この複数のパケットに関する通信遅延時間のゆらぎは、複数のパケットに関する通信遅延時間の値が分散する度合いを表している。算出部12は、図5に例示する通り、グループG1におけるシーケンス番号が0、3、6、10、14、17、19であるパケットに関して、通信遅延時間のゆらぎを、順に、0ms、0ms、10ms、0ms、0ms、−10ms、0msと算出する。算出部12は、また、図6乃至図10に例示する通り、グループG2乃至G6に関しても同様に、シーケンス番号が示すパケットごとの通信遅延時間と、グループの通信遅延時間の平均値との差分を通信遅延時間のゆらぎとして算出する。算出部12は、グループG1乃至G6に関して上述の通りに算出した、各パケットの通信遅延時間のゆらぎの値を表すゆらぎ算出結果145a乃至145fを、記憶部14に格納する。
算出部12は、次に、グループG1乃至G6の個々に関して、シーケンス番号を入力変数Xとして通信遅延時間のゆらぎを求めるための近似式を、ゆらぎ算出結果145a乃至145fに基づいて生成する。
図5の(b)は、グループG1に関するシーケンス番号に対するゆらぎの算出結果を表すグラフである。図5の(b)のグラフにおいて、横軸はシーケンス番号を表し、縦軸は通信遅延時間のゆらぎを表す。図5の(b)のグラフにおいて、プロットされた7つの点は、ゆらぎ算出結果145aが示す、シーケンス番号が0、3、6、10、14、17、19であるパケットの通信遅延時間のゆらぎを表す。算出部12は、これら7つの点が表す値に基づいて、既存の数学的手法を用いて上述した近似式を生成する。
図5の(b)に示す曲線は、算出部12によって生成された当該近似式を表す3次多項式「aX+bX+cX+d」を表す。この場合、算出部12は、当該近似式におけるXの係数a、Xの係数b、Xの係数c、及び定数dの値を、図11に例示する通り算出する。
算出部12は、グループG2乃至G6に関しても同様に、図6の(b)乃至図10の(b)に例示する通り、シーケンス番号を入力変数Xとして通信遅延時間のゆらぎを求めるための近似式を、ゆらぎ算出結果145に基づいて生成する。グループG2乃至G6に関して算出部12によって生成された近似式を表す3次多項式「aX+bX+cX+d」における各項の係数の値は、図11に例示する通りである。
算出部12は、上述した通りにグループG1乃至G6に関して生成した近似式を用いて、全てのシーケンス番号のパケットに関するゆらぎの推定値を算出する。
図12は、本実施形態に係る算出部12が図11に例示する3次多項式を用いて、グループG2及びG3におけるシーケンス番号ごとのゆらぎの推定値を算出した結果を例示する図である。
図6に例示する通り、ゆらぎ算出結果145bは、グループG2に関して、取得部11によってフローデータが取得されたシーケンス番号が1、4、7、11、14、18、20のパケットに関するゆらぎの値を含み、シーケンス番号がこれら7つの値以外のパケットに関するゆらぎの値を含んでいない。また、図7に例示する通り、ゆらぎ算出結果145cは、グループG3に関して、取得部11によってフローデータが取得されたシーケンス番号が1、3、6、10、14、16、19のパケットに関するゆらぎの値を含み、シーケンス番号がこれら7つの値以外のパケットに関するゆらぎの値を含んでいない。
算出部12は、生成した近似式を用いることによって、ゆらぎ算出結果145にゆらぎの値が含まれないシーケンス番号のパケットも含めて、全てのシーケンス番号のパケットに関するゆらぎの推定値を算出する。そして算出部12は、各シーケンス番号のパケットに関して、グループG2における近似式から算出されるゆらぎの推定値と、グループG3における近似式から算出されるゆらぎの推定値との差分の絶対値を算出する。そして算出部12は、図12に例示する通り、各シーケンス番号のパケットに関して算出したゆらぎの推定値の差分の絶対値を、全てのシーケンス番号(即ち0乃至20)に関して合計する。
算出部12は、グループG2及びG3以外の隣接する2つのグループ、即ち、グループG1及びG2、グループG3及びG4、グループG4及びG5、グループG5及びG6に関しても、グループG2及びG3に関して行なった上述した処理と同様の処理を行う。算出部12によって上述の通りに算出された、隣接する2つのグループに挟まれた区間に関するゆらぎの推定値の差分の絶対値の合計値は、隣接する2つのグループに挟まれた区間における通信遅延時間の値が分散する度合いに関する特性を表している。
算出部12は、また、図5乃至図10に示す、グループG1乃至G6に関する通信遅延時間の平均値を用いて、隣接する2つのグループに挟まれた区間における平均遅延時間の差もあわせて算出する。
図13は、算出部12が、隣接する2つのグループに挟まれた区間における通信遅延時間のゆらぎの差の合計と平均遅延時間の差とを上述の通りに算出した結果を例示する図である。図13は、フローデータが観測された隣接する2つのグループに含まれる観測点、及び、それら観測点を含む通信制御装置もあわせて例示する。但し、フローデータが観測された隣接する2つのグループに含まれる観測点は、図5乃至図10に例示する観測結果144に基づいている。算出部12は、図13に例示する情報を、例えば、ゆらぎ算出結果145に含めて、記憶部14に格納する。
図2に例示する推定部13は、算出部12によって求められた図13に例示する情報に基づいて、隣接する2つのグループに挟まれた各区間に関して、ゆらぎの差の合計が基準を満たすか否かを判定する。推定部13は、ゆらぎの差の合計が基準を満たす区間を、通信品質の劣化が発生している箇所として特定する。
例えば、図13に示す例において、ゆらぎの差の合計に関する基準が「500ms以上」である場合、推定部13は、グループG2及びG3に挟まれた区間と、グループG3及びG4に挟まれた区間とを、通信品質の劣化が発生している箇所として特定する。あるいは例えば、ゆらぎの差の合計に関する基準が「800ms以上」である場合、推定部13は、グループG2及びG3に挟まれた区間を、通信品質の劣化が発生している箇所として特定する。
推定部13は、また、通信品質の劣化が発生している箇所を特定する際に、隣接する2つのグループに挟まれた各区間に関して、通信遅延時間の平均値の差が基準を満たすか否かを判定してもよい。例えば、ある区間において通信遅延時間の平均値の差が大きいことは、パケットがその区間を通過するのに要する時間が定常的に長いことを意味し、その区間における通信遅延時間のゆらぎの差の合計がたとえ小さくても、通信品質の劣化が発生している場合がある。
例えば、図13に示す例において、通信遅延時間の平均値の差の合計に関する基準が「100ms以上」である場合、推定部13は、グループG1及びG2に挟まれた区間と、グループG2及びG3に挟まれた区間とを、通信品質の劣化が発生している箇所として特定する。あるいは例えば、通信遅延時間の平均値の差の合計に関する基準が「200ms以上」である場合、推定部13は、グループG1及びG2に挟まれた区間を、通信品質の劣化が発生している箇所として特定する。
推定部13は、上述した通信品質の劣化が発生している箇所の特定において、ゆらぎの差の合計に関する基準と、通信遅延時間の平均値の差の合計に関する基準との両方を満たす区間を特定してもよいし、あるいは、これら2つの基準の少なくともいずれかを満たす区間を特定するようにしてもよい。
推定部13は、さらに、通信品質の劣化が発生している箇所として特定した区間において、フローデータが観測された観測点を特定する。例えば、図13に示す例において、推定部13は、グループG2及びG3に挟まれた区間において通信品質の劣化が発生していると推定した場合、フローデータが観測された観測点421及び431を含む箇所において、通信品質の劣化が発生していると推定する。より具体的には、推定部13は、観測点421を含む通信制御装置31、観測点431を含む通信制御装置33、及び、観測点421と観測点431とを接続する通信路において、通信品質の劣化が発生していると推定する。
次に図14A及び14Bのフローチャートを参照して、本実施形態に係る通信品質劣化箇所推定装置10の動作(処理)について詳細に説明する。
取得部11は、通信制御装置31乃至37から、観測点411乃至463において観測されたフローデータを取得し、観測結果144として記憶部14に記憶する(ステップS101)。算出部12は、観測結果144に基づいて、観測点が属するグループごとに、通信遅延時間の平均値と通信遅延時間のゆらぎとを算出する(ステップS102)。算出部12は、隣接する2つのグループに関して、通信遅延時間の平均値の差分を算出する(ステップS103)。
算出部12は、ステップS102において算出した通信遅延時間のゆらぎに基づいて、シーケンス番号を入力変数Xとして通信遅延時間のゆらぎを求めるための近似式を、グループ毎に生成する(ステップS104)。算出部12は、ステップS104において生成した近似式を用いて、グループ毎に、全てのシーケンス番号に関するゆらぎの推定値を算出する(ステップS105)。
算出部12は、隣接する2つのグループに関して、シーケンス番号に関するゆらぎの推定値の差分を求め、求めた値を、全シーケンス番号について合計した値を算出する(ステップS106)。推定部13は、隣接する2つのグループに関して、S103において算出された通信遅延時間の平均値の差分と、ステップS106において算出されたシーケンス番号に関するゆらぎの差分を合計した値とに関して、基準を満たすか否かを判定する(ステップS107)。
値が基準を満たす隣接する2つのグループが存在しない場合(ステップS108でNo)、全体の処理は終了する。値が基準を満たす隣接する2つのグループが存在する場合(ステップS108でYes)、推定部13は、値が基準を満たす隣接する2つのグループに挟まれた区間を、通信品質劣化発生箇所として特定する(ステップS109)。
推定部13は、通信品質劣化発生箇所として特定した区間において、フローデータが観測された観測点を特定する(ステップS110)。推定部13は、特定した観測点を含む箇所において、通信品質の劣化が発生していると推定し(ステップS111)、全体の処理は終了する。
本実施形態に係る通信品質劣化箇所推定装置10は、多数の通信制御装置によって多数の通信経路を構成し、通信経路が動的に変化するような通信システムにおいて、通信品質の劣化の原因となる箇所を効率的かつ高い精度で推定することができる。その理由は、通信品質劣化箇所推定装置10は、論理的な位置関係の類似性に基づいてグループに分類された複数の観測点における通信データの通信遅延時間を取得し、グループごとに、複数の通信データに関する通信遅延時間の値が分散する度合いを表す特性値を算出し、特性値が基準を満たすグループに属する観測点を含む箇所において、通信品質の劣化が発生していると推定するからである。
以下に、本実施形態に係る通信品質劣化箇所推定装置10によって実現される効果について、詳細に説明する。
大規模化および複雑化した昨今のネットワーク構成において、通信端末装置間における通信品質の劣化が発生している通信制御装置を特定するために、多数の観測点から全てのパケットを採取し、品質の解析や比較を行なうようにした場合、観測装置の増設やネットワーク構成の変更なども必要となることから、多大なコストが発生する。またsFlow等のサンプリングベースのフローデータから品質劣化区間を推定するようにした場合、通信パケットが通過する経路が事前に特定されていることが前提となるが、冗長パスを備える昨今の一般的な通信システムでは、通信経路が動的に変化するので、通信品質の劣化区間を推定することは困難である。即ち、多数の通信制御装置によって多数の通信経路を構成し、通信経路が動的に変化するような通信システムにおいて、通信品質の劣化の原因となる箇所を効率的かつ高い精度で推定することが課題である。
このような課題に対して、本実施形態に係る通信品質劣化箇所推定装置10は、取得部11と、算出部12と、推定部13と、を備え、例えば図1乃至13、図14A及び14Bを参照して上述した通り動作する。即ち、取得部11は、通信端末装置21乃至23(第一及び第二の通信端末装置)の間における、1以上の通信経路に設定された、通信端末装置21乃至23との論理的な位置関係の類似性に基づいてグループG1乃至G6に分類された複数の観測点411乃至463における、通信データ(パケット)の通信遅延時間に関する情報を取得する。算出部12は、当該グループごとに、当該通信遅延時間に関する情報に基づいて、複数の通信データに関する通信遅延時間の値が分散する度合いを表す特性値を算出する。そして、推定部13は、当該特性値が基準を満たす特定のグループを特定し、通信経路における、特定のグループに属する観測点を含む箇所において、通信品質の劣化が発生していると推定する。
即ち、本実施形態に係る通信品質劣化箇所推定装置10は、通信経路における個々の観測点を単位とするのではなく、通信端末装置との論理的な位置関係の類似性に基づいて観測点をまとめたグループを単位として通信品質の劣化箇所を特定し、特定したグループに含まれる観測点を含む箇所において、通信品質の劣化が発生していると推定する。例えばある通信データ(パケット)の通信経路が動的に変更された場合、変更後の通信経路は変更前の通信経路と論理的に近接するので、変更前の通信経路における観測点と変更後の通信経路における観測点とは、同一のグループに属することになる。したがって、通信品質の劣化箇所をグループ単位で特定することは、このような通信経路の動的な変更に柔軟に対応可能であることを意味する。これにより、通信品質劣化箇所推定装置10は、多数の通信制御装置によって多数の通信経路を構成し、通信経路が動的に変化するような通信システムにおいて、通信品質の劣化箇所を効率的かつ高い精度で推定することができる。
また、本実施形態に係る通信品質劣化箇所推定装置10は、位置関係において隣接する2つのグループの間における通信遅延時間が分散する度合いの差分を特性値として算出し、当該特性値が基準以上である、隣接する2つのグループを特定し、特定した隣接する2つのグループに属する観測点を含む箇所において、通信品質の劣化が発生していると推定する。即ち、通信品質劣化箇所推定装置10は、通信品質の劣化が発生していると考えられる箇所を挟んだ両端のグループを特定するので、通信品質の劣化箇所を高い精度で推定することができる。
また、本実施形態に係る通信品質劣化箇所推定装置10は、特定したグループに属する観測点のうち、通信遅延時間が取得された通信データが存在する観測点を含む箇所において、通信品質の劣化が発生していると推定する。グループを単位として通信品質の劣化箇所を特定する場合、特定したグループには、通信データが観測されていない(例えば観測対象の通信においてパケットが通過していない)観測点も含まれる場合がある。通信品質劣化箇所推定装置10は、特定したグループにおいて、通信データが実際に観測された観測点を特定することによって、通信品質の劣化箇所を高い精度で推定することができる。
また、本実施形態に係る通信品質劣化箇所推定装置10は、通信端末装置21乃至23の間において送受信される複数の通信データのうちの一部について、通信遅延時間を取得(即ちサンプリングベースで収集)する。そして、通信品質劣化箇所推定装置10は、その一部の通信データに関する通信遅延時間に基づいて、通信遅延時間が取得されていない通信データに関する通信遅延時間を、例えば近似式を生成することによって推定する。これにより、通信品質劣化箇所推定装置10は、収集量を少なくした通信遅延時間に関するデータに基づいて、通信品質の劣化の原因となる箇所を効率的かつ高い精度で推定することができる。
<第2の実施形態>
図15は、本願発明の第2の実施形態に係る通信品質劣化箇所推定装置50の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る通信品質劣化箇所推定装置50は、取得部51、算出部52、及び、推定部53を備えている。
取得部51は、第一の通信端末装置61及び第二の通信端末装置62の間における、1以上の通信経路に設定された、第一の通信端末装置61及び第二の通信端末装置62との論理的な位置関係の類似性に基づいてグループ70に分類された複数の観測点71における、通信データの通信遅延時間に関する情報510を取得する。
尚、本実施形態に係る1以上の通信経路は、例えば第一の実施形態に係る通信制御装置31乃至37のような装置を含んでもよい。その場合、観測点71は、例えば第一の実施形態に係る通信制御装置31乃至37に含まれる観測点411乃至463のような観測点であってもよい。またその場合、グループ70は、例えば第一の実施形態に係るグループG1乃至G6のようなグループであってもよい。
また、本実施形態に係る通信遅延時間に関する情報510は、例えば第一の実施形態における送信タイムスタンプや観測点における観測時刻のような情報でもよい。
算出部52は、グループ70ごとに、通信遅延時間に関する情報510に基づいて、複数の通信データに関する通信遅延時間の値が分散する度合いを表す特性値520を算出する。特性値520は、例えば第一の実施形態における通信遅延時間に関するゆらぎに基づく値であってもよい。
推定部53は、特性値520が基準を満たす特定のグループ70を特定し、通信経路における、特定のグループ70に属する観測点71を含む箇所において、通信品質の劣化が発生していると推定する。推定部53は、例えば「所定の閾値以上」を当該基準として用いてもよい。
本実施形態に係る通信品質劣化箇所推定装置50は、多数の通信制御装置によって多数の通信経路を構成し、通信経路が動的に変化するような通信システムにおいて、通信品質の劣化の原因となる箇所を効率的かつ高い精度で推定することができる。その理由は、通信品質劣化箇所推定装置50は、論理的な位置関係の類似性に基づいてグループ70に分類された複数の観測点71における通信データの通信遅延時間に関する情報510を取得し、グループ70ごとに、複数の通信データに関する通信遅延時間の値が分散する度合いを表す特性値520を算出し、特性値520が基準を満たすグループ70に属する観測点71を含む箇所において、通信品質の劣化が発生していると推定するからである。
<ハードウェア構成例>
上述した各実施形態において図2、及び、図15に示した通信品質劣化箇所推定装置における各部は、専用のHW(HardWare)(電子回路)によって実現することができる。また、図2、及び、図15において、少なくとも、下記構成は、ソフトウェアプログラムの機能(処理)単位(ソフトウェアモジュール)と捉えることができる。
・取得部11及び51、
・算出部12及び52、
・推定部13及び53、
・記憶部14における記憶制御機能。
但し、これらの図面に示した各部の区分けは、説明の便宜上の構成であり、実装に際しては、様々な構成が想定され得る。この場合のハードウェア環境の一例を、図16を参照して説明する。
図16は、本願発明の各実施形態に係る通信品質劣化箇所推定装置を実行可能な情報処理装置900(コンピュータ)の構成を例示的に説明する図である。即ち、図16は、図2、及び、図15に示した通信品質劣化箇所推定装置を実現可能なコンピュータ(情報処理装置)の構成であって、上述した実施形態における各機能を実現可能なハードウェア環境を表す。
図16に示した情報処理装置900は、構成要素として下記を備えている。
・CPU(Central_Processing_Unit)901、
・ROM(Read_Only_Memory)902、
・RAM(Random_Access_Memory)903、
・ハードディスク(記憶装置)904、
・通信インタフェース905、
・バス906(通信線)、
・CD−ROM(Compact_Disc_Read_Only_Memory)等の記録媒体907に格納されたデータを読み書き可能なリーダライタ908、
・モニターやスピーカ、キーボード等の入出力インタフェース909。
即ち、上記構成要素を備える情報処理装置900は、これらの構成がバス906を介して接続された一般的なコンピュータである。情報処理装置900は、CPU901を複数備える場合もあれば、マルチコアにより構成されたCPU901を備える場合もある。
そして、上述した実施形態を例に説明した本願発明は、図16に示した情報処理装置900に対して、次の機能を実現可能なコンピュータプログラムを供給する。その機能とは、その実施形態の説明において参照したブロック構成図(図2、及び、図15)における上述した構成、或いはフローチャート(図14A及び14B)の機能である。本願発明は、その後、そのコンピュータプログラムを、当該ハードウェアのCPU901に読み出して解釈し実行することによって達成される。また、当該装置内に供給されたコンピュータプログラムは、読み書き可能な揮発性のメモリ(RAM903)、または、ROM902やハードディスク904等の不揮発性の記憶デバイスに格納すれば良い。
また、前記の場合において、当該ハードウェア内へのコンピュータプログラムの供給方法は、現在では一般的な手順を採用することができる。その手順としては、例えば、CD−ROM等の各種記録媒体907を介して当該装置内にインストールする方法や、インターネット等の通信回線を介して外部よりダウンロードする方法等がある。そして、このような場合において、本願発明は、係るコンピュータプログラムを構成するコード或いは、そのコードが格納された記録媒体907によって構成されると捉えることができる。
以上、上述した実施形態を模範的な例として本願発明を説明した。しかしながら、本願発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本願発明は、本願発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
1 通信システム
10 通信品質劣化箇所推定装置
11 取得部
12 算出部
13 推定部
14 記憶部
141 フローデータ管理情報
142 トポロジ管理情報
143 グループ情報
144 観測結果
145 ゆらぎ算出結果
21乃至23 通信端末装置
31乃至37 通信制御装置
411乃至463 観測点
50 通信品質劣化箇所推定装置
51 取得部
510 通信遅延時間に関する情報
52 算出部
520 特性値
53 推定部
61 第一の通信端末装置
62 第二の通信端末装置
70 グループ
71 観測点
900 情報処理装置
901 CPU
902 ROM
903 RAM
904 ハードディスク(記憶装置)
905 通信インタフェース
906 バス
907 記録媒体
908 リーダライタ
909 入出力インタフェース
G1乃至G6 グループ

Claims (10)

  1. 第一及び第二の通信端末装置の間における、1以上の通信経路に設定された、前記第一及び第二の通信端末装置との論理的な位置関係の類似性に基づいてグループに分類された複数の観測点における、通信データの通信遅延時間に関する情報を取得する取得手段と、
    前記グループごとに、前記通信遅延時間に関する情報に基づいて、複数の前記通信データに関する前記通信遅延時間の値が分散する度合いを表す特性値を算出する算出手段と、
    前記特性値が基準を満たす特定の前記グループを特定し、前記通信経路における、前記特定のグループに属する前記観測点を含む箇所において、通信品質の劣化が発生していると推定する推定手段と、
    を備える通信品質劣化箇所推定装置。
  2. 前記算出手段は、前記位置関係において隣接する2つの前記グループの間における前記通信遅延時間が分散する度合いの差分を、前記特性値として算出し、
    前記推定手段は、前記特性値が基準以上である、特定の前記隣接する2つのグループを特定し、前記通信経路における、前記特定の隣接する2つのグループに属する前記観測点を含む箇所において、通信品質の劣化が発生していると推定する、
    請求項1に記載の通信品質劣化箇所推定装置。
  3. 前記算出手段は、前記位置関係において隣接する2つの前記グループの間における前記通信遅延時間の平均値の差分を算出し、
    前記推定手段は、前記平均値の差分に基づいて、通信品質の劣化が発生していると推定する、
    請求項2に記載の通信品質劣化箇所推定装置。
  4. 前記推定手段は、前記特定のグループに属する前記観測点のうち、前記取得手段によって前記通信遅延時間が取得された前記通信データが存在する前記観測点を含む箇所において、通信品質の劣化が発生していると推定する、
    請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の通信品質劣化箇所推定装置。
  5. 前記取得手段は、前記第一及び第二の通信端末装置の間において送受信される複数の前記通信データのうちの一部について、前記通信遅延時間を取得し、
    前記算出手段は、前記取得手段によって取得された一部の前記通信データに関する前記通信遅延時間に基づいて、前記取得手段によって前記通信遅延時間が取得されていない前記通信データに関する前記通信遅延時間を推定する、
    請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の通信品質劣化箇所推定装置。
  6. 前記算出手段は、前記取得手段によって取得された一部の前記通信データに関する前記通信遅延時間に基づいて、前記通信データを識別可能な識別子を入力変数として前記通信データに関する前記通信遅延時間を算出可能な近似式を生成する、
    請求項5に記載の通信品質劣化箇所推定装置。
  7. 前記観測点は、前記通信経路を形成する1以上の通信制御装置のいずれかにおける、前記通信データの入力部あるいは出力部であり、同一の前記グループに属する前記観測点は、前記第一の通信端末装置あるいは前記第二の通信端末装置から送信された前記通信データが届くまでに経由する他の前記観測点の数が互いに等しい、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の通信品質劣化箇所推定装置。
  8. 前記通信データはパケットを含み、前記パケットは、前記パケットを識別可能なシーケンス番号と、前記第一及び第二の通信端末装置を識別可能なアドレスと、前記第一あるいは第二の通信端末装置から送信された時刻と、を含む、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の通信品質劣化箇所推定装置。
  9. 情報処理装置によって、
    第一及び第二の通信端末装置の間における、1以上の通信経路に設定された、前記第一及び第二の通信端末装置との論理的な位置関係の類似性に基づいてグループに分類された複数の観測点における、通信データの通信遅延時間に関する情報を取得し、
    前記グループごとに、前記通信遅延時間に関する情報に基づいて、複数の前記通信データに関する前記通信遅延時間の値が分散する度合いを表す特性値を算出し、
    前記特性値が基準を満たす特定の前記グループを特定し、前記通信経路における、前記特定のグループに属する前記観測点を含む箇所において、通信品質の劣化が発生していると推定する、
    通信品質劣化箇所推定方法。
  10. 第一及び第二の通信端末装置の間における、1以上の通信経路に設定された、前記第一及び第二の通信端末装置との論理的な位置関係の類似性に基づいてグループに分類された複数の観測点における、通信データの通信遅延時間に関する情報を取得する取得処理と、
    前記グループごとに、前記通信遅延時間に関する情報に基づいて、複数の前記通信データに関する前記通信遅延時間の値が分散する度合いを表す特性値を算出する算出処理と、
    前記特性値が基準を満たす特定の前記グループを特定し、前記通信経路における、前記特定のグループに属する前記観測点を含む箇所において、通信品質の劣化が発生していると推定する推定処理と、
    をコンピュータに実行させるための通信品質劣化箇所推定プログラム。
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