JP2021056478A - 光接続装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コア間隔が不整合な光部品同士のファンイン/ファンアウトを行うことの可能な、量産性に優れ、小型で実装性の高い光接続装置を提供する。【解決手段】光接続装置は、第1及び第2のGRINレンズキャピラリ3A及び3Bを備える光接続装置であって、第1のGRINレンズキャピラリ3Aに備わるGRINレンズ31A〜33Aと第2のGRINレンズキャピラリ3Bに備わるGRINレンズ31B〜33Bとは接続され、第2のGRINレンズキャピラリ3Bに備わるGRINレンズ31B〜33Bの中心軸Ag31B〜Ag33Bの間隔は、第1のGRINレンズキャピラリ3Aに備わるGRINレンズ31A〜33Aの中心軸Ag31A〜Ag33Aの間隔よりも広い。【選択図】図13

Description

本開示は、光接続装置に関する。
情報量の急激な増大に伴い、通信分野、データ処理分野において光ファイバによる大容量化は緊急の課題であり、一本の光ファイバに対して波長多重、偏波多重、時間分割多重、多値変調等の様々な多重化が実用化されてきたが、さらなる大容量化を図るため、一つのクラッド内に複数のコアを有する空間多重化が求められており、マルチコアファイバ(以下、MCF(Multi Core Fiber)と称す。)の開発が急速に進められている。このMCFの開発課題の一つとして、既存の光ファイバと接続するファンイン/ファンアウトの技術が挙げられる。
MCFと送信デバイスや受信デバイスと接続するには、通常の光ファイバを介する必要がある。また、長距離伝送に必要な導波する信号光を増幅することが必須であるが、現状の技術では直接MCFには信号光を増幅するはないため、一度通常の光ファイバに信号を導波させて、増幅後、MCFに戻す必要がある。
しかしながら、MCFのコア同士の間隔は最小およそ35μmであり、通常の光ファイバのクラッド径が80μm〜125μmである。このため、コア間隔が不整合となり、通常ファイバを直接MCFに接続することはできない。
そこで、MCFのコア間隔と通常の光ファイバのコア間隔を合わせるために様々な接続技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。特許文献1では、通常の光ファイバを延伸して、MCFのコア間隔と同等となるまでクラッド径を細くする。特許文献2では、レンズを用いてMCFのコア間隔を広げ、通常の光ファイバと接続する。これらが代表的な技術である。
特許文献1については、複数本の光ファイバを束ね、約1/4まで全体の外径を小さくする必要があり、歩留まりや量産性の高い技術とは言えない。さらに、通常の光ファイバを延伸してクラッド径を細くするとコア径の減少に伴い、モードフィールド径(以下、MFD(Mode Field Diameter)と称する。)が大きくなり、MCFとの接続損失が大きくなる。そこで、予めコアの屈折率を高めてMFDを小さくした光ファイバを用いる手法が提案されている。しかし、この手法では、通常シングルモードファイバとの接続損失とMCFの接続損失が最小となるようなMFDを設定されているが、ある程度の接続損失は避けられない。
特許文献2については、ファイバ間隔を広げるため複数のレンズを用いるため、レンズ間の焦点距離を調整するにはレンズ間に空間を設ける必要がある。このため、部品自体が大きくなるとともに、振動等の影響を受けやすいという欠点を有していた。
特許5768090号公報 特許5935465号公報
そこで、本開示は、コア間隔が不整合な光部品同士のファンイン/ファンアウトを行うことの可能な、量産性に優れ、小型で実装性の高い光接続装置を供することを目的とする。
本開示の光接続装置は、
2以上の所定数のGRINレンズを備え、所定数のGRINレンズの周方向が同一のキャピラリで覆われているGRINレンズキャピラリと、
所定数のGRINレンズに対応する位置にコアが配置され、各コアがGRINレンズに接続されているマルチコアファイバと、
を備え、
前記GRINレンズのレンズ長が、nを正数とした場合に1/2ピッチ又はn+1/2ピッチであり、
前記GRINレンズキャピラリの中心軸と前記マルチコアファイバの中心軸が同一直線上に配置され、
前記GRINレンズキャピラリに備わるGRINレンズと前記マルチコアファイバに備わるコアとの接続面において、当該GRINレンズの中心軸から前記GRINレンズキャピラリの中心軸までの距離が、当該コアの中心軸から前記GRINレンズキャピラリの中心軸を通る直線までの距離よりも長い。
本開示の光接続装置は、
2以上の所定数のGRINレンズが中心軸を平行に配置されかつ前記所定数のGRINレンズの周方向が同一のキャピラリで覆われている2つのGRINレンズキャピラリを備える光接続装置であって、
前記2つのGRINレンズキャピラリに備わるGRINレンズのレンズ長が、nを正数とした場合に1/2ピッチ又はn+1/2ピッチであり、
前記2つのGRINレンズキャピラリの中心軸が同一直線上に配置され、
前記2つのGRINレンズキャピラリに備わるGRINレンズは互いに接続され、
前記2つのGRINレンズキャピラリのうちの一方のGRINレンズキャピラリに備わる第1のGRINレンズと前記2つのGRINレンズキャピラリのうちの他方のGRINレンズキャピラリに備わる第2のGRINレンズとの接続面において、当該第1のGRINレンズの中心軸から前記GRINレンズキャピラリの中心軸までの距離が、当該第2のGRINレンズの中心軸から前記GRINレンズキャピラリの中心軸までの距離よりも短い。
本開示によれば、コア間隔が不整合な光部品同士のファンイン/ファンアウトを行うことの可能な、量産性に優れ、小型で実装性の高い光接続装置を供することができる。
第1の実施形態に係る光接続装置の構成例を示す。 GRINレンズキャピラリの入出射位置の一例であり、(A)はMCFに接続される端面を示し、(B)はファイバアレイに接続される端面を示す。 GRINレンズにおける光路の一例を示す。 第1の実施形態に係るGRINレンズキャピラリの第2例を示す。 第1の実施形態に係るGRINレンズキャピラリの第3例を示す。 第1の実施形態に係る光接続装置の他の構成例を示す。 第2の実施形態に係る光接続装置の構成例を示す。 第2の実施形態に係る光接続装置の断面構造の一例を示し、(A)は図7におけるA−A’断面、(B)は図7におけるB−B’断面、(C)は図7におけるC−C’断面を示す。 本開示に係るGRINレンズキャピラリの断面形状の別例を示す。 第3の実施形態に係る光接続装置の構成例を示す。 2つのGRINレンズキャピラリの接続面の一例であり、(A)はMCF側に配置されるGRINレンズの端面を示し、(B)はファイバアレイ側に配置されるGRINレンズの端面を示す。 第3の実施形態に係るGRINレンズキャピラリの第2の構成例を示す。 第4の実施形態に係る光接続装置の構成例を示す。 第4の実施形態に係る光接続装置の断面構造の一例を示し、(A)は図13におけるA−A’断面、(B)は図13におけるB−B’断面を示す。 ファンアウトの原理の説明図である。 シミュレーションに用いた光接続装置の構成例である。 パラメータと計算結果の一例を示す。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本開示は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(第1の実施形態)
図1に、本実施形態に係る光接続装置の構成例を示す。本実施形態に係る光接続装置は、GRINレンズキャピラリ3を備える。GRINレンズキャピラリ3は、端面30IにMCF1が接続され、端面30Oにファイバアレイ2が接続される。MCF1とGRINレンズキャピラリ3の中心軸は同一直線上の中心軸Af10に配置されている。
GRINレンズキャピラリ3は、2以上の所定数のGRINレンズを備える。本実施形態では、一例として、所定数が2であり、GRINレンズ31、32が備わる例を示す。GRINレンズ31、32の周方向は同一のキャピラリ30で覆われている。MCF1は、クラッド10中にコア11、12が配置されている。ファイバアレイ2は、光ファイバ21、22を備える。
端面30Iにおいて、GRINレンズ31とコア11が接続され、GRINレンズ32とコア12が接続される。端面30Oにおいて、GRINレンズ31と光ファイバ21が接続され、GRINレンズ32と光ファイバ22が接続される。
図2は、GRINレンズキャピラリの入出射位置の一例であり、(A)は端面30Iを示し、(B)は端面30Oを示す。コア11が接続される位置Pi31は、GRINレンズ31の中心軸Ag31よりも中心軸Af10側に配置される。
中心軸Ag31と中心軸Af10の間にGRINレンズ31への入射位置である位置Pi31が配置され、当該直線上の中心軸Ag32と中心軸Af10の間にGRINレンズ32への入射位置である位置Pi32が配置されている。本開示では、位置Pi31と中心軸Ag31の距離を入射高さIg31と呼ぶ。他のGRINレンズ32等についても同様である。
コア11からの光が位置Pi31に入射されると、GRINレンズ31を伝搬した光は、端面30Oの位置Po31から出射される。本開示では、位置Po31と中心軸Ag31の距離を出射高さOg31と呼ぶ。位置Po31は、図2(B)に示すように、中心軸Ag31及び中心軸Af10を通る直線上に配置される。GRINレンズ32についてもGRINレンズ31と同様である。
図3に、GRINレンズ31、32における光路の一例を示す。GRINレンズ31の中心軸Ag31及びGRINレンズ32の中心軸Ag32は、MCF1の中心軸Af10と平行に配置される。GRINレンズ31、32のレンズ長zは、nを正数とした場合に1/2ピッチ又はn+1/2ピッチである。
ここで、GRINレンズの光線軌跡は示す次式で表される。
Figure 2021056478
Figure 2021056478
レンズ中心軸と平行、即ち入射角度が0°で、ピッチが1/2、即ち、式(2)におけるgzがπの場合は、式(1)から、出射位置r1=r0であり、出射角は式(3)で表される。
Figure 2021056478
従って、端面30IからGRINレンズ中心軸Ag31に平行で、かつ、距離Ig31に入射された光は、端面30OからGRINレンズ中心軸Ag31に平行であり、かつ、距離Og31(=Ig31)から出射される。
コア11はMCF1の中心軸Af10から距離Lf11の位置に配置されている。コア12はMCF1の中心軸Af10から距離Lf12の位置に配置されている。GRINレンズ31の中心軸Ag31は、MCF1の中心軸Af10から距離Lc31の位置に配置されている。GRINレンズ32の中心軸Ag32は、MCF1の中心軸Af10から距離Lc32の位置に配置されている。光ファイバ21のコア21Cは、中心軸Af10から距離Lg21の位置に配置されている。光ファイバ22のコア22Cは、MCF1の中心軸Af10から距離Lg22の位置に配置されている。
距離Lc31は、距離Lf11よりも入射高さIg31長く、距離Lg21よりも出射高さOg31短い。距離Lc32は、距離Lf12よりも入射高さIg32長く、距離Lg22よりも出射高さOg32短い。すなわち、GRINレンズ31及び32の中心軸の間隔(Lc31+Lc32)は、マルチコアファイバ1に備わるコア11及び12の間隔(Lf11+Lf12)よりも、(Ig31+Ig32)広い。また、複数のGRINレンズ31及び32の中心軸の間隔(Lc31+Lc32)は、ファイバアレイ2に備わるコア21及び22の間隔(Lg21+Lg22)よりも、(Og31+Og32)狭い。
本実施形態では、Ig31=Og31、Ig32=Og32である。このため、本実施形態は、GRINレンズ31の中心軸Ag31から入射位置Pi31までの距離Ig31を設定することで、MCF1のコア間隔とファイバアレイ2のファイバ間隔を設定することができる。
入射高さIg31及びIg32は任意である。例えば、入射高さIg31及びIg32は等しくてもよいし、異なっていてもよい。入射高さIg31及びIg32を調整することで、距離Lf11と距離Lg21の組合せ、及び距離Lf12と距離Lg22の組合せ、を任意の値に設定することができる。
MCF1の中心軸Af10、位置Pi31及び中心軸Ag31は、図2に示したように、概ね同一の仮想平面Vpに含まれるように配置する。これにより、仮想平面Vp上の位置Po31から出射される。この場合、本開示は、コア21Cの距離Lg21すなわち出射ピッチを最大にすることができる。
以上説明したように、本実施形態は、MCF1のコア11、12から出射した光は、GRINレンズ31、32を導波することで、MCF1の中心軸Af10より外周側にシフトする。このため、本実施形態に係る光接続装置は、MCF1を既存の光ファイバと接続するファンイン/ファンアウトを行うことができる。
ここで、GRINレンズキャピラリ3は、GRINレンズの周りに石英ガラスを有するキャピラリ母材を高温で溶融しながら線引きすることにより作製され、任意のキャピラリ外径、GRINレンズ径、GRINレンズ間距離等を得ることができる。このため、本実施形態は、量産性に優れ、小型で実装性の高いMCF用の光接続装置を供することができる。
図4に、GRINレンズキャピラリの第2例を示す。本実施形態のGRINレンズキャピラリ3は、直列に接続されている2つのGRINレンズキャピラリ3X及び3Yを備える。MCF1側に配置されているGRINレンズキャピラリ3Xは、GRINレンズ31X及び32Xと、これらの周方向を覆う1つのキャピラリ30Xと、を備える。ファイバアレイ2側に配置されているGRINレンズキャピラリ3Yは、GRINレンズ31Y及び32Yと、これらの周方向を覆う1つのキャピラリ30Yと、を備える。
GRINレンズ31X,32X,31Y,32Yのレンズ長z及びzは、1/4ピッチ又はn+1/4ピッチである。ここで、nは正の整数である。GRINレンズ31X及び31Yは、中心軸Ag31X及びAg31Yが同一直線上に配置された状態で接続されている。このため、コア11からの光がGRINレンズ31Xに入射されると、図3と同様の光路でGRINレンズ31X及び31Yを透過し、GRINレンズ31Yから出射される。GRINレンズ32X及び32Yも同様である。
GRINレンズキャピラリ30Xに備わる各GRINレンズ31X及び32Xと、GRINレンズキャピラリ30Yに備わる各GRINレンズ31Y及び32Yと、の屈折率分布定数、レンズ長、レンズ径及びNAの組合せは同じであってもよいが、異なってもよい。
例えば、GRINレンズ31Y及び32Yに比して、高NAのGRINレンズ31X及び32Xを用いることにより、MCF1との結合効率を高めることができる。この場合、GRINレンズ31X及び32Xの屈折率分布定数は、GRINレンズ31Y及び32Yの屈折率分布定数よりも高くなり、レンズ長zはレンズ長zよりも長くなる。
GRINレンズ31Y及び32Yの屈折率分布定数が、GRINレンズ31X及び32Xの屈折率分布定数よりも高くてもよい。この場合、GRINレンズ31X,31Y,32X,32Yのレンズ径が同じであっても、GRINレンズ31Y及び32Yのレンズ長zをGRINレンズ31X及び32Xのレンズ長zよりも短くすることができる。このため、本実施形態は、図4に示すGRINレンズキャピラリ3のレンズ長zを、図1に示すGRINレンズキャピラリ3のレンズ長zよりも短くすることができる。
図5に示すように、GRINレンズ31Y及び32Yのレンズ径は、GRINレンズ31X及び32Xのレンズ径よりも大きくてもよい。この場合、GRINレンズ31X,31Y,32X,32Yのレンズ長z,z及び屈折率分布定数が同じであっても、距離Ig31X、Ig32Xに比べて距離Og31Y、Og32Yを長くすることができる。このため、本実施形態は、距離Lf11に対する距離Lg21の比を、図2に示す距離Lf11に対する距離Lg21の比よりも大きくすることができる。
なお、本開示に係る光接続装置は、GRINレンズキャピラリ3にMCF1が接続されている形態、GRINレンズキャピラリ3にファイバアレイ2が接続されている形態、GRINレンズキャピラリ3にMCF1及びファイバアレイ2の両方が接続されている形態を含む。ここで、本実施形態の光接続装置は、ファイバアレイ2に代えて、図6に示すような、光ファイバ21、22を配置可能な貫通孔21H、22Hの形成されているキャピラリ20を含む。以下の実施形態においても同様である。
(第2の実施形態)
図7に、本実施形態に係る光接続装置の一例を示す。本実施形態では、GRINレンズキャピラリ3がGRINレンズ33をさらに備え、MCF1がコア13をさらに備え、ファイバアレイ2が光ファイバ23をさらに備える。
GRINレンズ33の中心軸、コア13及び光ファイバ23は中心軸Af10上に配置されている。端面30Iにおいて、GRINレンズ33とコア13が接続される。端面30Oにおいて、GRINレンズ33と光ファイバ23が接続される。
GRINレンズ33のレンズ長zは、nを正数とした場合に1/2ピッチ又はn+1/2ピッチである。これにより、端面30Iの中心軸Af10上で中心軸Af10と平行に入射された光は、GRINレンズ33の中心軸を直進し、端面30Oの中心軸Af10上から出射される。
図8は、本実施形態に係る光接続装置の断面構造の一例を示し、(A)は図7におけるA−A’断面、(B)は図7におけるB−B’断面、(C)は図7におけるC−C’断面を示す。MCF1は、図8(A)に示すように、中央部にコア13が配置され、コア13を中心対称として6個のコア11〜12、14〜17が等間隔のLfで配置されている、一般的なMCFである。GRINレンズキャピラリ3は、図8(B)に示すように、7個のGRINレンズ31〜37が等間隔のLcで配置されている。GRINレンズ31〜37の中心軸Ag31〜Ag37の配置は、MCF1のコア11〜17と相似の配置である。また、GRINレンズ31〜37の中心軸Ag31〜Ag37の間隔Lcは、MCF1のコアの間隔Lfより広い。
本実施形態では、GRINレンズ31〜32、34〜37の中心軸Ag31〜Ag32、Ag34〜Ag37は、中心軸Af10から等距離に配置されている。またGRINレンズ31〜37は、同一径であり、かつ屈折率分布定数が等しい。この場合、MCF1の中心軸Af10に配置されているコア13を除く周辺部のコア11〜12、14〜17から出射した光は、GRINレンズ31〜32、34〜37を導波することによってそれぞれの中心軸Ag31〜Ag32、Ag33〜Ag37より外側にシフトする。このため、図8(C)に示すように、光ファイバ21〜27のコア間隔に相当する出射ピッチLgは、MCF1のコア間隔に相当する入射ピッチLfよりも広くなる。
このように、本実施形態は、中央部のコア13から出射された光と周辺部のコア11〜12、14〜17から出射された光の間隔とはGRINレンズ31〜37を導波することによって広がる。その結果、本実施形態は、MCF1のコア11〜17の配置を維持したまま、ファイバアレイ2に備わる光ファイバ21〜27のファイバ間隔を広げることができる。
本実施形態では、MCF1の外周に切欠き19が、キャピラリ30の外周に切欠き39が、及びファイバアレイ2の外周に切欠き29が、設けられてる。これにより、各コア11〜17とGRINレンズ31〜37との位置合わせ、GRINレンズ31〜37と光ファイバ21〜27との位置合わせを容易に行うことができる。
なお、第1の実施形態及び第2の実施形態においては、図2及び図8に示すように、GRINレンズキャピラリ3の断面形状が円形である例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、図9に示すように、GRINレンズキャピラリ3の断面形状は矩形であってもよい。この場合、GRINレンズ31、32、34〜37の中心に配置されているGRINレンズ33の中心軸Ag33Aを中心軸Af10として扱えばよい。
(第3の実施形態)
図10に、本実施形態に係る光接続装置の一例を示す。本実施形態では、第1の実施形態で説明したGRINレンズキャピラリ3に代えて、GRINレンズキャピラリ3A及び3Bが直列に接続されている。GRINレンズキャピラリ3Aが第1のGRINレンズキャピラリとして機能し、GRINレンズキャピラリ3Bが第2のGRINレンズキャピラリとして機能する。
GRINレンズキャピラリ3Aは、GRINレンズ31A、32Aを備える。GRINレンズ31A、32Aの構成は、第1の実施形態で説明したGRINレンズ31、32と同様である。GRINレンズキャピラリ3A及び3Bの中心軸は同一直線上の中心軸Af10に配置されている。
GRINレンズキャピラリ3Bは、GRINレンズ31B、32Bを備える。中心軸Af10からGRINレンズ31B、32Bの中心軸Ag31B及びAg32Bまでの距離Lc31B及びLc32Bは、中心軸Af10からGRINレンズ31A、32Aの中心軸Ag31A及びAg32Aまでの距離Lc31A及びLc32Aよりも長い。レンズ長z及びzは、nを正数とした場合に、いずれも1/2ピッチ又はn+1/2ピッチである。
図11は、GRINレンズキャピラリ3Aと3Bの境界に配置されているGRINレンズキャピラリ3Aと3Bの端面の一例であり、(A)はGRINレンズキャピラリ3Aの端面を示し、(B)はGRINレンズキャピラリ3Bの端面を示す。GRINレンズ31A、32Aは、図11(A)に示すように、中心軸Ag31A及びAg32Aよりも外周側の位置Po31A及びPo32Aから光を出射する。GRINレンズ31A、32Aから出射された光は、GRINレンズ31B、32Bの中心軸Ag31B及びAg32Bよりも中心軸Af10側の位置Pi31B及びPi32Bに入射される。GRINレンズ31B、32Bは、第1の実施形態で説明したGRINレンズキャピラリ3と同様に、GRINレンズ31B、32Bの中心軸Ag31B及びAg32Bよりも外周側の位置から光を出射する。
このように、GRINレンズキャピラリ3A及び3Bが直列に接続されていることで、GRINレンズを導波する毎に、中心軸Af10からの距離Lg21及びLg22を広げることができる。その結果、GRINレンズキャピラリ3Bからの出射ピッチLgが、GRINレンズキャピラリ3Bの接続されている段数に応じて広くなる。
好ましくは、GRINレンズ31B、32Bの直径は、GRINレンズ31A、32Aの直径よりも大きいことであるが、同等もしくは以下でも、離Lg21及びLg22をさらに広げることができる。
図12に、本実施形態の別例を示す。本実施形態のGRINレンズキャピラリ3Aは、直列に接続されている2つのGRINレンズキャピラリ30AX及び30AYを備えていてもよい。本実施形態のGRINレンズキャピラリ3Bは、直列に接続されている2つのGRINレンズキャピラリ30BX及び30BYを備えていてもよい。本実施形態においても、第1の実施形態において図4及び図5を参照して説明したように、各GRINレンズの屈折率分布定数、レンズ長及びレンズ径の組合せは同じであってもよいが、異なってもよい。
(第4の実施形態)
図13に、本実施形態に係る光接続装置の一例を示す。本実施形態では、第2の実施形態で説明したGRINレンズキャピラリ3に代えて、GRINレンズキャピラリ3A及び3Bが直列に接続されている。
図14は、GRINレンズキャピラリ3Aと3Bの境界に配置されているGRINレンズキャピラリ3Aと3Bの端面の一例であり、(A)はGRINレンズキャピラリ3Aの端面を示し、(B)はGRINレンズキャピラリ3Bの端面を示す。GRINレンズ31A〜32A、34A〜37Aは、図14(A)に示すように、中心軸Ag31A〜Ag32A、Ag34A〜Ag37Aよりも外周側の位置Po31A〜Po32A、Po34A〜Po37Aから光を出射する。GRINレンズ31A〜32A、34A〜37Aから出射された光は、GRINレンズ31B〜32B、34B〜37Bの中心軸Ag31B〜Ag32B、Ag34B〜Ag37Bよりも中心軸Af10側の位置Pi31B〜Pi32B、Pi34B〜Pi37Bに入射される。GRINレンズ31B〜32B、34B〜37Bは、第2の実施形態で説明したGRINレンズキャピラリ3と同様に、GRINレンズ31B〜32B、34B〜37Bの中心軸Ag31B〜Ag32B、Ag34B〜Ag37Bよりも外周側の位置から光を出射する。
このように、GRINレンズキャピラリ3A及び3Bが直列に接続されていることで、図8に示すコア11〜17から入射された光の出射間隔はGRINレンズを導波する毎に広がる。その結果、GRINレンズキャピラリ3Bからの出射ピッチLgが、GRINレンズキャピラリ3Bの接続されている段数に応じて広くなる。
図15を参照しながら、開示の光接続部品のファンアウトの原理図を示す。図15における略号の名称は以下のとおりである。
Lf:MCF1のコア間隔。
Lg:GRINレンズキャピラリ3からの出射ピッチ。すなわち、中心軸Af10からGRINレンズキャピラリ3の出射位置までの距離。
Dg:GRINレンズの直径。
DG:GRINレンズキャピラリ3の直径。
Gg:GRINレンズ間のギャップ。
Ig:GRINレンズの入射高さ。すなわち、GRINレンズの中心軸からGRINレンズへの入射位置までの距離。
Og:GRINレンズの出射高さ。すなわち、GRINレンズの中心軸からGRINレンズからの出射位置までの距離。
Cg:GRINレンズキャピラリ3の最外周のキャピラリ30の厚み。すなわちGRINレンズキャピラリ3の外周からGRINレンズまでの距離。
図15を参照しながら、ファンアウトの原理を説明する。
(1)GRINレンズのレンズ長zが1/2ピッチ又はn+1/2ピッチの場合、入射高さIgで端面30Iから水平に入射した光は、反対側の端面30Oの出射高さOgで水平に焦点を結び出射する。ここで、GRINレンズの特性よりIg=Ogである。
(2)従って、1/2ピッチ又はn+1/2ピッチのレンズ長のGRINレンズ31、32を1回導波するごとに、GRINレンズ31、32の入射高さ(レンズ中心軸からの距離)の2倍だけ、GRINレンズ31、32の入射位置よりずれて出射することになる。
(3)装置中心の中心軸Af10から見て、GRINレンズの中心軸Ag31、Ag32が直前のMCF1またはGRINレンズキャピラリの出射位置より外側になるようにGRINレンズ31、32、33をシリアルに接続すると、入射高さの2倍ずつ、出射位置が中心軸Af10より離れる。
(4)例えば、MCF1のコア配置に対応して、GRINレンズ31、32、33を中心軸Af10に対して点対称に配置したGRINレンズキャピラリを複数シリアルに接続すると、それぞれの光路が中心軸Af10から離れるように出射する。一方、装置中心の中心軸Af10の光路は中心軸Af10を直進することとなる。
(5)このようにして、Lfのコア間隔を持ったMCF1の光は、シリアルにn段に接続された各GRINレンズ31、32の入射高さをIg(n)とすると次式で表される出射ピッチLgを有するファンアウト装置となる。
(数4)
Lg=Lf+Ig(1)*2+Ig(2)*2+・・・+Ig(n)*2 (式4)
(6)Lgが通常のSMFファイバが実装できる間隔、たとえば、250μm以上となるようにn段のGRINレンズキャピラリ3をシリアルに接続すればよい。
ここで、導光領域比率R及び拡大率rを以下のように定義する。
(数5)
R=2*Ig/Dg (式5)
ここで、定義より、R<1である。
(数6)
r=Lg/Lf (式6)
ここで、拡大するには、r>1である。
この定義を用いて、各要素は下記のように記述できる。
(数7)
Lg=r*Lf (式7)
(数8)
Ig=R/2*Dg (式8)
(数9)
Dg=(r−1)/R*Lf (式9)
(数10)
Gg=Lf−(1−R/2)*Dg (式10)
(数11)
DG=3*Dg+2*Gg+2*Cg (式11)
ここで、式(9)は、以下の式(12)、及び式(7)、式(8)より式(13)が導出されることによって得られる。
(数12)
Lg=Lf+2*Ig (式12)
(数13)
r*Lf=Lf+R*Dg (式13)
図15において、上記関係が成立するためには、Gg>0であることが条件である。
式(10)より式(14)が、式(9)より式(15)が得られる。
(数14)
Lf/Dg>(1−R/2) (式14)
(数15)
Lf/Dg=R/(r−1) (式15)
よって、次式の関係が得られる。
(数16)
R/(r−1)>(1−R/2) (式16)
(数17)
r−1<2R/(2−R) (式17)
したがって、導光領域比率R及び拡大率rの条件は以下のようになる。
(数18)
r<(R+2)/(2−R) (式18)
上記、各要素の関係式、成立条件を基に、実際に数値を入力し、図16に示す光接続装置における光ファイバの間隔に相当する出射ピッチLgを計算した。図16に示す光接続装置は、第2の実施形態に示すGRINレンズキャピラリ3に代えて、GRINレンズキャピラリ3A、3B、3Cが直列に3段接続されている。GRINレンズキャピラリ3Aは、GRINレンズ31A〜37Aを備える。GRINレンズキャピラリ3Bは、GRINレンズ31B〜37Bを備える。GRINレンズキャピラリ3Cは、GRINレンズ31C〜37Cを備える。段数を増やすごとに各コアに対応した出力位置は広がるため、本開示は所望の広がりを得るために有効である。
図17に、パラメータと計算結果の一例を示す。初期条件として、MCF1に備わるコア間隔Lfは標準の40μm、拡大率rは成立条件の最大値、導光領域比率Rは0.5〜0.9とした。この式条件をもとに、拡大率rを一定として、各GRINレンズの要素を計算した。なお、厚みCgは20μmに固定した。
その結果、図17に示すように、導光領域比率R=0.6の場合、GRINレンズキャピラリ3を3枚組み合わせると出射ピッチLgは250μm以上となり、通常の光ファイバとの接続が可能となる。また、ファイバアレイ2に細径クラッドファイバ(Φ160μm)を用いる場合、導光領域比率R=0.7以上であれば、2つのGRINレンズキャピラリ3をシリアル接続することで、MCF1とファイバアレイ2との接続が可能となる。
(その他の実施形態)
本実施形態として、特に図示はしないが、本開示のMCF1は、7個のコアを備える構成に限定されない。本開示は、クラッド中央部又はその周辺部に、7個以上のコアの配置されている任意のMCFに適用可能である。
例えば、中心に配置された7個のコアの外側に11個のコアを有し、各コアが相互に等距離である19個のMCFにも適用できる。この場合、GRINレンズキャピラリ3もMCF1のコアに対応して19個のGRINレンズを有し、レンズ相互間の距離が等しく、かつ、コア間隔より広い。
前述の実施形態で説明したように、MCF1の中心軸Af10とコア、対応するGRINレンズの中心軸が同一平面に含まれるように配置すれば、各コアから導波した光はGRINレンズを導波する毎に中央部すなわち中心軸Af10から外側に広がり、かつ、各出射位置の間隔を同一の比率で広げることができる。このため、本開示は、接続する光ファイバの並びに対応するように、各GRINレンズキャピラリ3に備わるレンズ径や屈折率分布定数を調整することで、ファンアウト機能を有する光接続部品が可能となる。
本開示は情報通信産業に適用することができる。
1:マルチコアファイバ(MCF)
2:ファイバアレイ
3、3A、3B、3C:GRINレンズキャピラリ
10:クラッド
20、30、30A、30B、30C:キャピラリ
31、32、33、34、35、36、37、31A、32A、33A、34A、35A、36A、37A、31B、32B、33B、34B、35B、36B、37B:GRINレンズ
11、12、13、14、15、16、17:コア
21、22、23、24、25、26、27:光ファイバ
21C、22C、23C:光ファイバのコア

Claims (8)

  1. 2以上の所定数のGRINレンズを備え、所定数のGRINレンズの周方向が同一のキャピラリで覆われているGRINレンズキャピラリと、
    所定数のGRINレンズに対応する位置にコアが配置され、各コアがGRINレンズに接続されているマルチコアファイバと、
    を備え、
    前記GRINレンズのレンズ長が、nを正数とした場合に1/2ピッチ又はn+1/2ピッチであり、
    前記GRINレンズキャピラリの中心軸と前記マルチコアファイバの中心軸が同一直線上に配置され、
    前記GRINレンズキャピラリに備わるGRINレンズと前記マルチコアファイバに備わるコアとの接続面において、当該GRINレンズの中心軸から前記GRINレンズキャピラリの中心軸までの距離が、当該コアの中心軸から前記GRINレンズキャピラリの中心軸を通る直線までの距離よりも長い、
    光接続装置。
  2. 前記所定数のGRINレンズに対応する位置に光ファイバが配置され、各光ファイバが対応するGRINレンズに接続されているファイバアレイをさらに備え、
    前記GRINレンズキャピラリに備わるGRINレンズと前記ファイバアレイに備わる光ファイバとの接続面において、当該GRINレンズの中心軸から前記GRINレンズキャピラリの中心軸までの距離が、当該光ファイバのコアから前記GRINレンズキャピラリの中心軸を通る直線までの距離よりも短い、
    請求項1に記載の光接続装置。
  3. 前記所定数のGRINレンズに対応する位置に貫通孔が配置され、各貫通孔に光ファイバを配置することで当該光ファイバをGRINレンズと接続可能にするキャピラリをさらに備え、
    前記GRINレンズキャピラリに備わるGRINレンズと前記キャピラリの貫通孔に配置された光ファイバとの接続面において、当該GRINレンズの中心軸から前記GRINレンズキャピラリの中心軸までの距離が、当該光ファイバのコアの中心軸から前記GRINレンズキャピラリの中心軸を通る直線までの距離よりも短い、
    請求項1に記載の光接続装置。
  4. 2以上の所定数のGRINレンズが中心軸を平行に配置されかつ前記所定数のGRINレンズの周方向が同一のキャピラリで覆われている2つのGRINレンズキャピラリを備える光接続装置であって、
    前記2つのGRINレンズキャピラリに備わるGRINレンズのレンズ長が、nを正数とした場合に1/2ピッチ又はn+1/2ピッチであり、
    前記2つのGRINレンズキャピラリの中心軸が同一直線上に配置され、
    前記2つのGRINレンズキャピラリに備わるGRINレンズは互いに接続され、
    前記2つのGRINレンズキャピラリのうちの一方のGRINレンズキャピラリに備わる第1のGRINレンズと前記2つのGRINレンズキャピラリのうちの他方のGRINレンズキャピラリに備わる第2のGRINレンズとの接続面において、当該第1のGRINレンズの中心軸から前記GRINレンズキャピラリの中心軸までの距離が、当該第2のGRINレンズの中心軸から前記GRINレンズキャピラリの中心軸までの距離よりも短い、
    光接続装置。
  5. 前記他方のGRINレンズキャピラリに備わるGRINレンズの外径が、前記一方のGRINレンズキャピラリに備わるGRINレンズの外径よりも大きい、
    請求項4に記載の光接続装置。
  6. 前記所定数のGRINレンズに対応する位置にコアが配置され、各コアが前記他方のGRINレンズキャピラリに備わるGRINレンズに接続されているファイバアレイをさらに備え、
    前記他方のGRINレンズキャピラリに備わるGRINレンズと前記ファイバアレイに備わる光ファイバとの接続面において、当該GRINレンズの中心軸から前記他方のGRINレンズキャピラリの中心軸までの距離が、当該光ファイバのコアから前記他方のGRINレンズキャピラリの中心軸を通る直線までの距離よりも短い、
    請求項4又は5に記載の光接続装置。
  7. 前記所定数のGRINレンズに対応する位置に貫通孔が配置され、各貫通孔に光ファイバを配置することで当該光ファイバのコアを前記他方のGRINレンズキャピラリに備わるGRINレンズと接続可能にするキャピラリをさらに備え、
    前記他方のGRINレンズキャピラリに備わるGRINレンズと前記キャピラリの貫通孔に配置された光ファイバとの接続面において、当該GRINレンズの中心軸から前記他方のGRINレンズキャピラリの中心軸までの距離が、当該光ファイバのコアの中心軸から前記他方のGRINレンズキャピラリの中心軸を通る直線までの距離よりも短い、
    請求項4又は5に記載の光接続装置。
  8. 前記GRINレンズキャピラリに備わるGRINレンズの少なくともいずれかは、中心軸が同一直線上に配置されている、屈折率分布定数、レンズ長及び外径の少なくともいずれかが異なる2以上のGRINレンズを備える、
    請求項1から7のいずれかに記載の光接続装置。
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