JP2021053895A - 制御装置、コンピュータプログラム、および、方法 - Google Patents

制御装置、コンピュータプログラム、および、方法 Download PDF

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Hirotoshi Maehira
洋利 前平
覚 荒金
Manabu Aragane
覚 荒金
匡雄 三本
Masao Mitsumoto
匡雄 三本
伊藤 毅
Takeshi Ito
毅 伊藤
泰生 大野
Yasuo Ono
泰生 大野
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Abstract

【課題】第1面に印刷される画像の影響で第2面に印刷される画像の見栄えが低下することを抑制する。【解決手段】制御装置は、第1画像データと第2画像データとを用いて印刷実行部を制御して、印刷媒体の第1面に第1画像を印刷させ、印刷媒体の第2面に第2画像を印刷させる。制御装置は、第1画像と第2画像とが印刷媒体に印刷される際に表裏で重なる重複部分を含み、かつ、第1画像の重複部分を複数回の第1部分印刷にて印刷し、かつ、第2画像の重複部分を複数回の第2部分印刷にて印刷する場合に、特定印刷制御を実行する。特定印刷制御は、複数回の第1部分印刷で印刷するための第1部分領域同士が隣り合う境界部分である第1境界部分と、複数回の第2部分印刷で印刷するため第2部分領域同士が隣り合う境界部分である第2境界部分と、の少なくとも一部が重なるように、複数回の第1部分印刷と複数回の第2部分印刷とを実行する制御である。【選択図】 図7

Description

本明細書は、印刷媒体の第1面に第1画像を印刷し、印刷媒体の第2面に第2画像を印刷する技術に関する。
特許文献1には、印刷ヘッドを走査してバンド単位で印刷を行う画像形成装置が開示されている。このような装置では、バンド(部分画像とも呼ぶ)とバンドとの境界部分にてバンディングと呼ばれる色ムラが発生する。かかる色ムラを抑制するための様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、双方向印刷時のバンディングを抑制すべく、往路方向の走査で印刷される各色のドットの露出率と、往路方向の走査で印刷される各色のドットの露出率と、を近づける技術が開示されている。
特開2012−051154号公報
しかしながら、上記技術では、両面印刷については何ら考慮されていない。このために、両面印刷を行う場合に、第1面に印刷される画像の影響で、第2面に印刷される画像の見栄えが低下する可能性があった。
本明細書は、両面印刷において、第1面に印刷される画像の影響で、第2面に印刷される画像の見栄えが低下することを抑制できる技術を開示する。
本明細書に開示された技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]インクを吐出する複数個のノズルを有する印刷ヘッドと、印刷媒体に対して主走査方向に沿って前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する主走査部と、前記印刷ヘッドに対して前記主走査方向と交差する副走査方向に沿って前記印刷媒体を移動させる副走査を実行する副走査部であって、前記印刷媒体の第1面が印刷面である場合には前記印刷媒体の前記第1面を前記印刷ヘッドに向けて前記副走査を実行し、前記印刷媒体の前記第1面とは反対の第2面が印刷面である場合には前記印刷媒体の前記第2面を前記印刷ヘッドに向けて前記副走査を実行する、前記副走査部と、を備え、前記主走査を行いつつ前記印刷ヘッドからインクを吐出して前記印刷媒体に部分画像を印刷する部分印刷と、前記副走査と、繰り返し実行することによって画像を印刷する印刷実行部の制御装置であって、第1画像を示す第1画像データと第2画像を示す第2画像データとを取得する画像取得部と、前記第1画像データと前記第2画像データとを用いて前記印刷実行部を制御して、前記印刷媒体の前記第1面に前記第1画像を印刷させ、前記印刷媒体の前記第2面に前記第2画像を印刷させる印刷制御部と、を備え、前記印刷制御部は、前記第1画像と前記第2画像とが前記印刷媒体に印刷される際に表裏で重なる重複部分を含み、かつ、前記第1画像の前記重複部分を複数回の第1部分印刷にて印刷し、かつ、前記第2画像の前記重複部分を複数回の第2部分印刷にて印刷する場合に、特定印刷制御を実行し、前記特定印刷制御は、前記複数回の第1部分印刷で印刷するための領域である第1部分領域同士が隣り合う境界部分である第1境界部分と、前記複数回の第2部分印刷で印刷するための領域である第2部分領域同士が隣り合う境界部分である第2境界部分と、の少なくとも一部が重なるように、前記複数回の第1部分印刷と前記複数回の第2部分印刷とを実行する制御である、制御装置。
上記構成によれば、第1画像と第2画像とが表裏で重なる重複部分において、第1部分領域同士の第1境界部分と、第2部分領域同士の第2境界部分と、の少なくとも一部が重なる。この結果、第1面に印刷される第1境界部分にバンディングが発生したとしても、該第1境界部分は、第2面に印刷される第2境界部分に重なる。この結果、第1画像の影響で、第2画像の見栄えが低下することを抑制できる。
なお、本明細書に開示された技術は、種々の形態で実現可能であり、例えば、印刷実行部を制御する方法、これらの装置および方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
実施例のプリンタ200の構成を示すブロック図。 印刷機構100の概略構成を示す図。 印刷ヘッド110の構成を示す図。 第1実施例の両面印刷における通常印刷の説明図。 印刷制御処理のフローチャート。 第1実施例の境界調整印刷の第1の説明図。 第1実施例の論理和データによって示される論理和画像LIの一例を示す図。 第1実施例の境界調整印刷の第2の説明図。 第2実施例の境界調整印刷処理のフローチャート。 第2実施例の境界調整印刷処理の説明図。 第2実施例の論理和データによって示される論理和画像LIcの一例を示す図。 第3実施例の通常印刷の説明図。 第3実施例の境界調整処理の説明図。 第3実施例の重複領域の印刷の説明図。
A.第1実施例:
A−1:プリンタ200の構成
次に、実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、実施例のプリンタ200の構成を示すブロック図である。
プリンタ200は、例えば、印刷機構100と、CPU210と、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置220と、RAMなどの揮発性記憶装置230と、ユーザによる操作を取得するためのボタンやタッチパネルなどの操作部260と、液晶ディスプレイなどの表示部270と、通信部280と、を備えている。プリンタ200は、通信部280を介して、外部装置、例えば、ユーザの端末装置(図示省略)と通信可能に接続される。CPU210とメモリ(不揮発性記憶装置220および揮発性記憶装置230)とは、印刷機構100を制御する制御装置として機能する。
揮発性記憶装置230は、CPU210が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域231を提供する。不揮発性記憶装置220には、コンピュータプログラムCPが格納されている。コンピュータプログラムCPは、本実施例では、プリンタ200を制御するための制御プログラムであり、プリンタ200の出荷時に不揮発性記憶装置220に格納されて提供され得る。また、コンピュータプログラムCPは、サーバからダウンロードされる形態で提供される。これに代えて、コンピュータプログラムCPは、DVD−ROMなどに格納される形態で提供されてもよい。CPU210は、コンピュータプログラムCPを実行することにより、例えば、印刷機構100を制御して後述する印刷処理を実行する。
印刷機構100は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各インク(液滴)を吐出して印刷を行う。印刷機構100は、印刷ヘッド110とヘッド駆動部120と主走査部130と搬送部140とを備えている。
図2は、印刷機構100の概略構成を示す図である。印刷機構100は、さらに、複数枚の印刷前のシートSが重ねられて収容される給紙トレイ20と、印刷済みのシートSが排出される排紙トレイ21と、印刷ヘッド110のノズル形成面111と対向して配置されたプラテン50と、を備えている。
搬送部140は、給紙トレイ20から、印刷ヘッド110とプラテン50との間を通って、排紙トレイ21に至る通常経路NRに沿って、印刷媒体としてのシートSを搬送する。通常経路NRの上流側を、単に、上流側と呼び、通常経路NRの下流側を、単に、下流側と呼ぶ。より具体的には、搬送部140は、通常経路NRに沿ってシートSをガイドする外側ガイド部材18a〜18c、内側ガイド部材19a〜19c、および、フラップ部材17と、通常経路NR上に設けられた給紙ローラ141と、上流側搬送ローラ対142と、下流側搬送ローラ対143と、排紙ローラ対144と、を備えている。給紙ローラ141は、軸AX1を中心に回動可能なアーム16の先端に取り付けられ、給紙トレイ20との間でシートSを挟むことで、シートSを保持する。各ローラ対は、通常経路NR上でシートを保持する。このように、給紙ローラ141と、上流側搬送ローラ対142と、のそれぞれは、印刷ヘッド110より上流側で、シートSを保持する上流保持部と言うことができる。また、下流側搬送ローラ対143と、排紙ローラ対144と、のそれぞれは、印刷ヘッド110より下流側で、シートSを保持する下流保持部と言うことができる。搬送部140は、CPU210の制御に従って、図示しない搬送モータによって、これらの保持部を駆動することで、シートSの搬送を行う。
搬送部140は、さらに、排紙ローラ対144を、通常経路NRでの搬送時とは逆回転で駆動することによって、排紙ローラ対144の上流側から、上側ガイド部材13と下側ガイド部材14との間を通り、通常経路NRに合流する反転経路RRに沿って、シートSを搬送することができる。また、搬送部140は、軸AX2を中心に回動可能に構成され、反転経路RRで搬送されるシートSが、通常経路NRを逆行することを防ぐ、回動部材15を備えている。
なお、図2の搬送方向(副走査方向とも呼ぶ)ARは、印刷ヘッド110とプラテン50との間におけるシートの搬送方向(+Y方向)である。
主走査部130は、印刷ヘッド110を搭載するキャリッジ133と、キャリッジ133を主走査方向(X軸方向)に沿って往復動可能に保持する摺動軸134と、を備えている。主走査部130は、図示しない主走査モータの動力を用いて、キャリッジ133を摺動軸134に沿って往復動させる。これによって、印刷ヘッド110を主走査方向に往復動させる主走査が実現される。
図3は、−Z側(図2における下側)から見た印刷ヘッド110の構成を示す図である。図3に示すように、印刷ヘッド110のプラテン50と対向するノズル形成面111には、複数のノズルからなる複数のノズル列、すなわち、上述したC、M、Y、Kの各インクを吐出するノズル列NC、NM、NY、NKが形成されている。各ノズル列は、複数個のノズルNZを含んでいる。複数個のノズルNZは、搬送方向の位置が互いに異なり、搬送方向に沿って所定のノズル間隔NTで並ぶ。ノズル間隔NTは、複数のノズルNZの中で搬送方向に隣り合う2個のノズルNZ間の搬送方向の長さである。これらのノズル列を構成するノズルのうち、最も上流側(−Y側)に位置するノズルNZを、最上流ノズルNZuとも呼ぶ。また、これらのノズルのうち、最も下流側(+Y側)に位置するノズルNZを、最下流ノズルNZdと呼ぶ。最上流ノズルNZuから最下流ノズルNZdまでの搬送方向の長さに、さらに、ノズル間隔NTを加えた長さを、ノズル長Dとも呼ぶ。
ヘッド駆動部120は、搬送部140によって搬送されるシートS上において、主走査部130によって往復動する印刷ヘッド110を駆動する。これによって、印刷ヘッド110の複数個のノズルNZからインクがシートS上に吐出されて、シートS上にドットが形成される。
A−2.印刷の概要
本実施例では、シートSの表面F1と、表面F1とは反対側の面である裏面F2と、の両面に印刷を行う両面印刷が実行される。図2には、両面印刷が行われる過程で通常経路NRおよび反転経路RRに沿って搬送される途中の3つの状態のシートSa〜Scが図示されている。シートSa〜Scの経路に沿う方向(搬送方向の長さ)の長さは、図の煩雑を避けるために実際よりも短く図示されている。シートSa〜Scの搬送方向の一端MT1および他端MT2には、図の見やすさのために、それぞれ、丸印および四角印が付されている。
先ず、シートSは、給紙トレイ20から、プラテン50と印刷ヘッド110との間の位置(印刷位置と呼ぶ)まで、通常経路NRに沿って搬送される。シートSは、表面F1を印刷ヘッド110のノズル形成面111に向けた状態で印刷位置に搬送される。そして、シートSの表面F1に画像が印刷される。このときには、シートSは、図2にシートSaとして示すように、一端MT1を搬送方向の下流端として、他端MT2を搬送方向の上流端として搬送される。
表面F1に画像が印刷されたシートSは、図2にシートSbとして示す位置、すなわち、シートSの他端MT2が上側ガイド部材13の+Y側の端と排紙ローラ対144との間に達する位置まで搬送される。この時点で排紙ローラ対144が逆回転で駆動されることによって、図2にシートScとして示すように、シートSは、反転経路RRに沿って搬送される。このときには、シートSは、図2にシートSaとして示すように、他端MT2を搬送方向の下流端として、一端MT1を搬送方向の上流端として搬送される。上述したように反転経路RRは通常経路NRに合流しているので、この後、シートSは、通常経路NRを経て印刷位置まで搬送される。シートSは、裏面F2を印刷ヘッド110のノズル形成面111に向けた状態で印刷位置に搬送される。そして、シートSの裏面F2に画像が印刷される。
両面に画像が印刷されたシートSは、排紙ローラ対144によって排紙トレイ21まで搬送される。
図4は、第1実施例の両面印刷における通常印刷の説明図である。CPU210(図1)は、ヘッド駆動部120と、主走査部130と、搬送部140と、を制御して、部分印刷とシート搬送とを、交互に繰り返し複数回に亘って実行することによって印刷を行う。1回の部分印刷では、シートSをプラテン50上に停止した状態で、1回の主走査を行いつつ、印刷ヘッド110のノズルNZからシートS上にインクを吐出することによって、印刷すべき画像の一部分である部分画像がシートSに印刷される。1回のシート搬送は、所定の搬送量だけシートSを搬送方向ARに移動させる搬送である。
図4(A)には、表面F1の印刷について、シートSとヘッド位置Pとの関係が、部分印刷ごと(すなわち、主走査ごと)に図示されている。ヘッド位置Pは、シートSに対する印刷ヘッド110の搬送方向の相対的な位置である。表面F1に印刷される画像を表画像PI1とする。表画像PI1は、複数回の部分印刷によって印刷される。表画像PI1を印刷するm回目(mは1以上の整数)の部分印刷を行う際のヘッド位置Pをヘッド位置P1mとし、m回目の部分印刷にて印刷される画像を含む帯状の矩形の領域を部分領域A1mとする。図4(A)には、4回の部分印刷に対応するヘッド位置P11〜P14、および、部分領域A11〜A14が図示されている。表画像PI1を印刷する際のシートSの搬送方向ARは、図4(A)に示すように、シートSの一端MT1を下流端とし、他端MT2を上流端とする方向AR1である。
図4(B)には、裏面F2の印刷について、シートSとヘッド位置Pとの関係が、部分印刷ごと(すなわち、主走査ごと)に図示されている。裏面F2に印刷される画像を裏画像PI2とする。裏画像PI2は、複数回の部分印刷によって印刷される。裏画像PI2を印刷するn回目(nは1以上の整数)の部分印刷を行う際のヘッド位置Pをヘッド位置P2nとし、n回目の部分印刷にて印刷される画像を含む帯状の領域を部分領域A2nとする。図4(B)には、4回の部分印刷に対応するヘッド位置P21〜P24、および、部分領域A21〜A24が図示されている。裏画像PI2を印刷する際のシートSの搬送方向ARは、図4(B)に示すように、シートSの他端MT2を下流端とし、一端MT1を上流端とする方向AR2である。
図4(A)、(B)に示すように、本実施例では、表画像PI1の印刷と裏画像PI2の印刷とは、1個の部分領域に含まれる画像の全体が、対応する1回の部分印刷で印刷される、いわゆる1パス印刷である。
表面F1における表画像PI1の配置や、裏面F2における裏画像PI2の配置は、印刷後のシートSの利用の態様を考慮して決定される。表面F1における表画像PI1の配置や、裏面F2における裏画像PI2の配置は、シートSに対する配置位置と、シートSに対して表画像PI1および裏画像PI2が配置される方向と、によって決定付けられる。例えば、シートSの綴じ代を設ける位置(綴じ位置とも呼ぶ)と、綴じられたシートSにおいて表画像PI1および裏画像PI2が向くべき方向と、に基づいて、表画像PI1および裏画像PI2の配置が決定される。例えば、図4の例では、シートSの長手方向に沿う端部(例えば、図4(A)−(C)のシートSの右端)を綴じ位置とし、シートSの他端MT2から一端MT1に向かう方向URと、表画像PI1の下側から上側に向かう方向と、が一致するように、表画像PI1および裏画像PI2が配置される。
ここで、本実施例では、表画像PI1および裏画像PI2とは、ともに、写真を示す画像である。表画像PI1および裏画像PI2は、ノズル長Dよりも長い搬送方向ARの幅を有する連続した画像であるので、複数個の部分領域に跨がる部分を含む、すなわち、複数個の部分領域のうちの隣り合う2個の領域の境界部分を含む。例えば、図4(A)に示すように、表画像PI1は、3個の境界部分B11〜B13を含む。境界部分B11は、2個の部分領域A11、A12の間の境界部分であり、境界部分B12は、2個の部分領域A12、A13の間の境界部分であり、境界部分B13は、2個の部分領域A13、A14の間の境界部分である。図4(B)に示すように、裏画像PI2は、3個の境界部分B21〜B23を含む。本実施例では、隣り合う2個の部分領域は、互いに接している(隣接している)ので、本実施例の境界部分は、隣接する2個の部分領域の外縁によって形成される部分である、と言うことができる。
表画像PI1および裏画像PI2において、境界部分には、バンディングと呼ばれる筋が現れる場合がある。例えば、印刷時のシートSの搬送誤差などに起因して、部分領域A11の外縁のドットと部分領域A12の外縁のドットとが、目標の距離よりも近づいた場合や、重なった場合には、境界部分B11に、いわゆる黒筋が現れ得る。部分領域A11の外縁のドットと部分領域A12の外縁のドットとが、目標の距離よりも離れた場合には、境界部分B11に、いわゆる白筋が現れ得る。
また、往路方向(例えば、図4(A)の右方向)の主走査で行われる部分印刷(往路印刷とも呼ぶ)と、復路方向(例えば、図4(A)の左方向)の主走査で行われる部分印刷(復路印刷とも呼ぶ)と、が実行される場合(いわゆる双方向印刷)がある。この場合には、往路印刷で印刷される部分画像と復路印刷で印刷される画像との間では、互いに同じドットデータを用いて印刷したとしても、印刷される色の相違(往復間色差とよぶ)が生じる場合がある。これは、図3に示すように、印刷ヘッド110において、CMYKのノズル列NC、NM、NY、NKは、主走査方向の位置が互いに異なっているために、用紙M上の同じ位置にCMYKの各ドットを形成する場合に、往路印刷と復路印刷との間で、ドットの形成順序が異なるためである。例えば、図3の例では、往路印刷では、K、C、M、Yの順番でドットが形成され、復路印刷では、逆に、Y、M、C、Kの順番でドットが形成される。この結果、複数色のドットが重なり合う領域では、往路印刷で印刷される部分画像と復路印刷で印刷される画像との間でドットが重なる順序が異なる。部分領域A11の画像が往路印刷で印刷され、部分領域A12の画像が復路方向で印刷される場合には、往復間色差に起因して、境界部分B11に筋が現れ得る。
図4(C)には、図4(A)、(B)に示すヘッド位置にて表画像PI1と裏画像PI2とが印刷された状態のシートS(印刷結果)を表面F1側から見た図が示されている。図4(C)において、表画像PI1および表画像PI1に関する要素A11〜A14、B11〜B13は、実線で示され、裏画像PI2および裏画像PI2に関する要素A21〜A24、B21〜B23は、破線で示されている。
図4(C)に示すように、表画像PI1と裏画像PI2とがシートSの両面にそれぞれ印刷された際に、表画像PI1と裏画像PI2とは、互いに表裏で重なる重複部分OAを含む。表画像PI1の重複部分OAは、複数回の部分印刷で印刷されているので、表画像PI1の重複部分OAには、境界部分B11〜B13が含まれる。同様に、裏画像PI2の重複部分OAは、複数回の部分印刷で印刷されているので、裏画像PI2の重複部分OAには、境界部分B21〜B23が含まれる。
ここで、シートSが薄い場合などに、シートSの観察者が表面F1から表画像PI1を見た場合に、裏画像PI2が透けて見える現象(裏移りと呼ぶ)が生じる場合がある。この場合に、さらに、裏画像PI2の重複部分OAの境界部分B21〜B23にバンディングが生じていると、表画像PI1の重複部分OAにバンディングが裏移りする場合がある。特に、図4(C)の例では、表画像PI1の重複部分OA内の境界部分B11〜B13と、裏画像PI2の重複部分OA内の境界部分B21〜B23と、は、搬送方向ARの位置が表裏でずれており、互いに表裏で重なっていない。この場合に、裏画像PI2のバンディングが裏移りすると、シートSの観察者が表面F1から表画像PI1を見た場合に、観察者には、表画像PI1の重複部分OA内の境界部分B11〜B13に生じたバンディングと、裏移りした裏画像PI2の境界部分B21〜B23のバンディングと、の両方が見える。この結果、裏画像PI2の影響で、表画像PI1の画質が低下し得る。本実施例の後述する印刷制御処理では、かかる不都合を抑制するための工夫がなされている。
A−3.印刷制御処理
図5は、印刷制御処理のフローチャートである。この印刷制御処理は、対象画像データを用いて、印刷機構100に、対象画像を印刷させる処理である。この印刷制御処理は、CPU210によって実行される。この印刷制御処理は、例えば、操作部260や図示しない端末装置を介して、ユーザの印刷指示が取得された場合に、開始される。本実施例の印刷指示は、両面印刷の指示であり、印刷すべき表画像PI1に対応する表画像データと裏画像PI2に対応する裏画像データとを含む、複数個の画像データの指定を含む。なお、本実施例では、一枚のシートSに両面印刷を行う場合を例に印刷制御処理について説明する。複数枚のシートSのそれぞれに両面印刷を行う場合には、印刷制御処理は、印刷すべきシートSの分だけ繰り返される。
S105では、CPU210は、表画像データと裏画像データとを取得する。例えば、ユーザによって指定された画像データが、図示しないUSBメモリや不揮発性記憶装置220などの記憶装置から取得される。これに代えて、図示しないユーザの端末から印刷指示とともに送信される画像データが取得されても良い。
本実施例では、表画像データと裏画像データとして、RGB画像データが取得される。RGB画像データは、RGB値によって画素ごとの色を表すビットマップデータである。また、RGB値は、3個の成分値、即ち、R値、G値、B値を含むRGB表色系の色値である。R値、G値、B値は、それぞれ、例えば、0〜255の256階調の階調値である。
S110では、CPU210は、表画像PI1の表面F1への配置と、裏画像PI2の裏面F2への配置と、を決定する。例えば、CPU210は、綴じ位置を示す情報や表画像PI1および裏画像PI2の向きを示す情報を取得し、これらの情報に基づいて、表画像PI1および裏画像PI2の配置を決定する。綴じ位置を示す情報や表画像PI1および裏画像PI2の向きを示す情報は、例えば、ユーザによって印刷開始指示とともに操作部260を介して入力される。
S115では、CPU210は、表画像データと裏画像データとに対して、それぞれ、オブジェクト特定処理を実行して、表画像PI1と裏画像PI2とに示されるオブジェクトの種類をそれぞれ特定する。CPU210は、オブジェクト特定処理によって特定された表画像PI1と裏画像PI2とに示されるオブジェクトの種類を示す情報を、揮発性記憶装置230に記憶しておく。この情報は、後述するS135にて用いられる。例えば、オブジェクトの種類は、写真、文字、線画のいずれかである。例えば、CPU210は、公知のエッジ検出フィルタを処理対象の画像データに適用して、処理対象の画像内のエッジを抽出して、エッジ量が基準より多い領域をオブジェクト領域として特定する。CPU210は、特定されたオブジェクト領域が文字としての特徴を有する場合には、オブジェクトの種類は文字であると特定し、オブジェクト領域が写真としての特徴を有する場合には、オブジェクトの種類は写真であると特定する。CPU210は、オブジェクト領域が文字としての特徴と写真としての特徴とのいずれも有しない場合には、オブジェクトの種類は線画であると特定する。文字としての特徴は、例えば、色数が閾値より少なく、かつ、背景色とは異なる色を有するオブジェクト画素の割合が閾値より小さいことである。写真としての特徴は、例えば、色数が閾値より多く、かつ、背景色とは異なる色を有するオブジェクト画素の割合が閾値より大きいことである。なお、オブジェクト特定処理は、例えば、様々な公知の手法を採用することができ、公知の手法は、例えば、特開2013−030090号公報、特開平5−225378号公報、特開2002−288589号公報に開示されている。
S120では、CPU210は、表画像データと裏画像データとに対して、それぞれ、色変換処理を実行して、各画像データに含まれる複数個の画素の値を、RGB値からCMYK値に変換する。CMYK値は、印刷に用いられる複数色のインク(C、M、Y、Kのインク)に対応する複数個の成分値(C、M、Y、Kの成分値)を含む色値である。色変換処理は、RGB値とCMYK値との対応関係を規定するプロファイル(例えば、ルックアップテーブル)を参照して実行される。
S125では、CPU210は、色変換処理後の表画像データと裏画像データ(CMYK画像データ)に対してハーフトーン処理を実行する。これによって、表画像PI1を示すドットデータと、裏画像PI2を示すドットデータと、がそれぞれ生成される。ドットデータは、印刷に用いられる色材ごと、かつ、画素ごとに、ドットの形成状態を示すデータである。ドットの形成状態は、例えば、ドット有、ドット無の2種類の状態や、大ドット、中ドット、小ドット、ドット無の4種類の状態を取り得る。ハーフトーン処理は、例えば、ディザ法や、誤差拡散法に従って実行される。
S130では、CPU210は、印刷に用いられる印刷媒体であるシートSの種類は、普通紙であるか否かを判断する。例えば、CPU210は、シートSの種類を示す情報を取得し、これらの情報に基づいて、シートSの種類が普通紙であるか否かを判断する。シートSの種類を示す情報は、例えば、ユーザによって印刷開始指示とともに操作部260を介して入力される。本実施例では、シートSの種類は、普通紙、ハガキ、インクジェット紙、光沢紙のいずれかである。本実施例では、普通紙は、他の種類のシートよりも薄いために、裏移りが発生する可能性がある。普通紙とは異なる種類のシートは、十分な厚さを有するので、裏移りは発生しない。
シートSの種類が普通紙でない場合には(S130:NO)、裏移りが発生しないので、CPU210は、通常印刷で両面印刷を行うべく、S140に処理を進める。シートSの種類が普通紙である場合には(S130:YES)、S135にて、CPU210は、両面のオブジェクト、すなわち、表画像PI1と裏画像PI2と両方のオブジェクトが、写真であるか否かを判断する。この判断は、S115のオブジェクト特定処理の結果に基づいて行われる。オブジェクトが写真である場合には、ベタ塗りの面積が大きくなりがちであるのでバンディングが目立ちやすい。オブジェクトが文字や線画である場合には、ベタ塗りの面積が小さくなるのでバンディングが目立ち難い。このために、シートSの種類が普通紙であり、かつ、表画像PI1と裏画像PI2と両方のオブジェクトが、写真である場合には、バンディングの裏移りが問題になる可能性が高い。表画像PI1と裏画像PI2との少なくとも一方のオブジェクトが文字や線画である場合には、表画像PI1と裏画像PI2との少なくとも一方でバンディングが目立ち難いので、シートSの種類が普通紙であっても、バンディングの裏移りが問題になる可能性は低い。
このために、両面のオブジェクトの少なくとも一方が写真でない場合には(S135:NO)、CPU210は、通常印刷で両面印刷を行うべく、S140に処理を進める。両面のオブジェクトの少なくとも一方が写真である場合には(S135:YES)、CPU210は、バンディングの裏移りが目立つことを抑制する制御を行うべく、S150に処理を進める。
S140では、CPU210は、印刷機構100制御して、シートSの表面F1に対して通常印刷を実行させる。これによって、シートSの表面F1に表画像PI1が印刷される。CPU210は、図4(A)に示すように、部分領域A11〜A14を設定して、該部分領域A11〜A14に対応する4回の部分印刷を印刷機構100に実行させる。部分領域A11は、表画像PI1の搬送方向の上流端(以下、単に上流端と呼ぶ)と部分領域A11の上流端とが一致するように設定される。残りの部分領域は、表画像PI1のうち、設定済みの部分領域に含まれる部分を除いた部分の上流端と、次の部分領域の上流端と、が一致するように順次に設定される。
S145では、CPU210は、印刷機構100制御して、シートSの裏面F2に対して通常印刷を実行させる。これによって、シートSの裏面F2に裏画像PI2が印刷される。CPU210は、図4(B)に示すように、部分領域A21〜A24を設定して、該部分領域A21〜A24に対応する4回の部分印刷を印刷機構100に実行させる。部分領域A21は、裏画像PI2の上流端と部分領域A21の上流端とが一致するように設定される。残りの部分領域は、裏画像PI2のうち、設定済みの部分領域に含まれる部分を除いた部分の上流端と、次の部分領域の上流端と、が一致するように順次に設定される。S145にて裏面F2に対する印刷が終了すると印刷制御処理は終了される。
S150では、CPU210は、S125にて生成済みの表画像PI1を示すドットデータと、裏画像PI2を示すドットデータとを用いて、表面F1と裏面F2の通常印刷での部分領域を表画像PI1と裏画像PI2に対してそれぞれ設定する。具体的には、S140およびS145で説明したように、図4(A)に示す通常印刷時の部分領域A11〜A14と、図4(B)に示す通常印刷時の部分領域A21〜A24と、が設定される。
S152では、CPU210は、表面F1と裏面F2の通常パス数、すなわち、通常印刷で表画像PI1を印刷する場合の部分印刷の回数(設定された部分領域A11〜A14の個数)と、通常印刷で裏画像PI2を印刷する場合の部分印刷の回数(設定された部分領域A21〜A24の個数)と、を特定する。図4(A)、(B)の例では、表面F1と裏面F2の通常パス数は、それぞれ、4である。
S155では、CPU210は、通常印刷時の裏面F2の境界部分B21〜B23(図4(B))を調整する。図6は、第1実施例の境界調整印刷の第1の説明図である。図6(B)には、境界位置を調整した後の部分領域A21a〜A25aと、対応するヘッド位置A21a〜A25aと、が示されている。具体的には、表面F1に表画像PI1が印刷され、裏面F2に裏画像PI2が印刷されたシートSにおいて、図4(B)の境界部分B21〜B23が図4(A)の境界部分B11〜B13と表裏で重なるように、図4(B)の部分領域A21〜A24を搬送方向ARに沿って移動させる。これによって、図6(B)に示すような調整済みの部分領域A21a〜A24aが決定される。この場合には、図6(B)に示すように、調整済みの部分領域A21a〜A24aから、裏画像PI2の一部がはみ出す場合がある。この場合には、裏画像PI2のはみ出した部分を含むように、部分領域が追加される。図6(B)の例では、1個の部分領域A25aが追加されている。これによって、調整済みの5個の部分領域A21a〜A25aと、対応するヘッド位置P21a〜P25aが決定される。
図6(C)には、図6(A)、(B)に示すヘッド位置にて表画像PI1と裏画像PI2とが印刷された状態のシートS(印刷結果)を表面F1側から見た図が示されている。図6(C)において、表画像PI1および表画像PI1に関する要素A11〜A14、B11〜B13は、実線で示され、裏画像PI2および裏画像PI2に関する要素A21a〜A25a、B21a〜B23aは、破線で示されている。図6(C)に示すように、裏画像PI2の境界部分B21a〜B23aは、表画像PI1の境界部分B11〜B13と、表裏で重なっていることが解る。
S160では、CPU210は、裏面F2の調整済みパス数を特定する。図6(B)の例では、調整済みの5個の部分領域A21a〜A24aが設定されるので、裏面F2の調整済みパス数は、5である。
S165では、CPU210は、裏面F2の調整済みパス数が、調整前のパス数(すなわち、通常パス数)よりも増加したか否かを判断する。図4、図6の例では、調整前のパス数は4であり、調整済みパス数は5であるので、裏面F2の調整済みパス数が増加したと判断される。
裏面F2の調整済みパス数が、調整前のパス数と同じである場合には(S165:NO)、S170にて、CPU210は、S140と同様に、印刷機構100を制御して、シートSの表面F1に対して通常印刷を実行させる。
S175では、CPU210は、印刷機構100を制御して、シートSの裏面F2に対して境界調整印刷を実行させる。具体的には、S155にて決定されたヘッド位置にて、裏面F2に対して裏画像が印刷される。S175にて裏面F2に対する印刷が終了すると印刷制御処理は終了される。
裏面F2の調整済みパス数が、調整前のパス数よりも増加する場合には(S165:YES)、CPU210は、両面の境界部分を調整すべく、S180、S185の処理を実行する。
S180では、CPU210は、S125にて生成済みの表画像PI1を示すドットデータと、裏画像PI2を示すドットデータと、を用いて、論理和データを生成する。論理和データは、表面F1に表画像PI1が印刷され、裏面F2に裏画像PI2が印刷されたシートSにおいて、表面F1と裏面F2との少なくとも一方にドットが形成される位置を示す画像データである。具体的には、CPU210は、裏画像PI2を示すドットデータに対して、各画素の位置が搬送方向ARの中心を通り、主走査方向に平行な対称軸に対して線対称になるように、各画素の搬送方向ARの位置を反転させる反転処理を実行する。これによって、裏画像PI2を上述の対称軸に対して反転して得られる反転裏画像を示す反転ドットデータが生成される。CPU210は、表画像PI1を示すドットデータの各画素と、反転ドットデータの対応する画素と、の論理和を取ることによって、論理和データを生成する。表画像PI1を示すドットデータの特定の画素がシートSの表面F1における特定のドット形成位置と対応する場合に、該特定の画素に対応する反転ドットデータの画素は、表面F1における特定のドット形成位置と表裏で重なる裏面F2上のドット形成位置に対応している。
図7は、第1実施例の論理和データによって示される論理和画像LIの一例を示す図である。図7の論理和画像LIのハッチングされた領域DAは、印刷済みのシートSにおいて、表面F1と裏面F2との少なくとも一方にドットが形成される領域を示している。例えば、図7の論理和画像LIの領域DAは、図4(C)や図6(C)のシートSにおいて、表画像PI1と裏画像PI2との少なくとも一方が存在している領域(ハッチングされた領域)を示していることが解る。
S185では、CPU210は、論理和データを用いて、表面F1に表画像PI1を印刷するための複数個の部分領域と、裏面F2に裏画像PI2を印刷するための複数個の部分領域と、を決定する。ここで、具体的には、図7に示すように、CPU210は、論理和画像LIの領域DAの全体を通常印刷で印刷すると仮定して、論理和画像LI上に部分領域A1〜A4を決定する。
図8は、第1実施例の境界調整印刷の第2の説明図である。CPU210は、論理和画像LI上に設定された部分領域A1〜A4に対応する表画像PI1上の位置に表画像PI1を印刷するための部分領域A11b〜A14bを決定する(図8(A))。さらに、CPU210は、論理和画像LI上に設定された部分領域A1〜A4に対応する裏画像PI2上の位置に裏画像PI2を印刷するための部分領域A21b〜A24bを決定する(図8(B))。これによって、表画像PI1および裏画像PI2を印刷するための部分領域およびヘッド位置が決定される。
S190では、CPU210は、印刷機構100を制御して、シートSの表面F1に対して境界調整印刷を実行させる。具体的には、S185にて決定されたヘッド位置P11b〜P14b(図8(A))で、表面F1に対して表画像PI1が印刷される。
S195では、CPU210は、印刷機構100を制御して、シートSの裏面F2に対して境界調整印刷を実行させる。具体的には、S185にて決定されたヘッド位置P21b〜P24b(図8(B))で、裏面F2に対して裏画像PI2が印刷される。
図8(C)には、図8(A)、(B)に示すヘッド位置にて表画像PI1と裏画像PI2とが印刷された状態のシートS(印刷結果)を表面F1側から見た図が示されている。図8(C)において、表画像PI1および表画像PI1に関する要素A11b〜A14b、B11b〜B13bは、実線で示され、裏画像PI2および裏画像PI2に関する要素A21b〜A24b、B21b〜B23bは、破線で示されている。図8(C)に示すように、裏画像PI2の境界部分B21b〜B23bは、表画像PI1の境界部分B11b〜B13bと、表裏で重なっていることが解る。また、通常印刷と比較して部分印刷の回数(パス数)が増加していないことが解る。S195にて裏面F2に対する印刷が終了すると印刷制御処理は終了される。
以上説明した本実施例の境界調整印刷(図5のS150〜S175)では、例えば、図8に示すように、表画像PI1と裏画像PI2とがシートSに印刷される際に表裏重なる重複部分OAを含み、かつ、表画像PI1の重複部分OAが複数回の部分印刷(例えば、図8(A)の部分領域A11b〜A14bに対応する4回の部分印刷)にて印刷され、かつ、裏画像PI2の重複部分OAが複数回の部分印刷(例えば、図8(B)の部分領域A21b〜A24bに対応する4回の部分印刷)にて印刷される。このような場合に、CPU210は、表画像PI1の重複部分OAを印刷するための部分領域A11b〜A14bのうちの部分領域同士が隣り合う境界部分B11b〜B13bと、裏画像PI2の重複部分OAを印刷するための部分領域A21b〜A24bのうちの部分領域同士が隣り合う境界部分B21b〜B23bと、が重なるように、表画像PI1と裏画像PI2との重複部分OAを印刷する複数回の部分印刷が実行される(図8(C))。
図4(C)に示す通常印刷によって印刷されるシートSでは、表画像PI1の境界部分B11〜B13と、裏画像PI2の境界部分B21〜B23と、はずれており、表裏で重なっていない。この場合には、裏画像PI2が表面F1側に裏移りすると、表画像PI1を見た際に裏画像PI2の境界部分B21〜B23に発生したバンディングが目立ってしまう。もし、表画像PI1の境界部分B11〜B22にもバンディングが発生していると、裏画像PI2の境界部分B21〜B23に発生したバンディングと表画像PI1の境界部分B11〜B13に発生したバンディングとの両方が表画像PI1に現れてしまう。本実施例の境界調整印刷では、仮に裏画像PI2の境界部分B11a〜B13aに発生したバンディングが裏写りしたとしても、裏移りしたバンディングは、表画像PI1の境界部分B11a〜B23aに発生したバンディングと重なるので、裏移りしたバンディングが目立つことを抑制できる。この結果、裏画像PI2の影響で、表画像PI1の見栄えが低下することを抑制できる。同様に、表画像PI1のバンディングが裏面F2側に裏移りした場合についても同様の理由から裏移りしたバンディングが目立つことを抑制できる。この結果、表画像PI1の影響で、裏画像PI2の見栄えが低下することを抑制できる。
本実施例の印刷は、上述のように、複数個の部分領域A11b〜A14bが表面F1にて互いに重複しないように設定され、複数個の部分領域A21b〜A24bが裏面F2にて互いに重複しないように設定される1パス印刷である。例えば、境界部分B11bは、互いに隣接するように設定される部分領域A11bと部分領域12bとの間に形成される境界部分である。境界部分B11bは、例えば、シートS上において、部分領域A11bに形成されるドットと、部分領域A12に形成されるドットと、の隙間である場合がある。当該隙間は、白筋として目立ち得る。また、境界部分B11bは、例えば、シートS上において、部分領域A11bに形成されるドットと、部分領域A12に形成されるドットと、が、搬送誤差などに起因する位置ずれによって重なり合う部分(重複部)である場合がある。当該重複部は、黒筋として目立ち得る。境界部分B11bは、例えば、シートS上において、部分領域A11bに形成されるドットと、部分領域A12に形成されるドットと、直線上に並ぶことによって形成される直線である場合がある。当該直線は、黒筋として目立ち得る。
さらに、本実施例では、CPU210は、表画像PI1と裏画像PI2の印刷のために実行される部分印刷の回数が最小になるように、境界部分B11b〜B13b、B21b〜B23bの位置を決定する(図7、図8)。この結果、印刷速度の低下を抑制することができる。より具体的には、表画像PI1と裏画像PI2との両方のドットの形成位置を示す論理和データを用いて、境界部分B11b〜B13b、B21b〜B23bの搬送方向ARの位置が決定される。この結果、容易に部分印刷の回数が最小になるように、境界部分B11b〜B13b、B21b〜B23bの位置を決定することができる。
さらに、本実施例では、CPU210は、表画像PI1と裏画像PI2との少なくとも一方の印刷に関するパラメータを取得し、該パラメータが特定条件を満たす場合には、S150〜S195の境界調整印刷を実行し、該パラメータが特定条件を満たさない場合には、S140、S145の通常印刷を実行する。この結果、パラメータが特定条件を満たす場合には、表画像PI1の影響で裏画像PI2の見栄えが低下することを抑制でき、パラメータが特定条件を満たさない場合には、印刷速度の低下を抑制し得る。例えば、裏移りの可能性がないにも拘わらずに、S150〜S195の境界調整印刷を実行すれば、単に印刷速度が低下するだけになる場合があるが、本実施例ではそのような不都合を抑制できる。
より具体的に説明すると、本実施例のパラメータの一つは、シートSの種類を示す情報である(図5のS130)。CPU210は、該情報が第1種のシート(本実施例では普通紙)を示す場合に(図5のS130にてYES)、両面のオブジェクトが写真であることを条件に、境界調整印刷を実行し、該情報が第2種のシート(本実施例ではハガキ、インクジェット紙、光沢紙)を示す場合に(図5のS130にてNO)、通常印刷を実行する。この結果、シートSの種類に応じて、裏画像PI2の見栄えの低下の抑制を優先するか、印刷速度の低下の抑制を優先するかを、適切に、判断できる。この結果、裏画像PI2の見栄えの低下の抑制と、印刷速度の低下の抑制と、を適切に両立できる。
さらに、本実施例のパラメータの一つは、表画像PI1に関するパラメータと、裏画像PI2に関するパラメータと、を含む。具体的には、表画像PI1に関するパラメータは、表画像PI1のオブジェクトの種類を示す情報であり、裏画像PI2の画像に関するパラメータは、裏画像PI2のオブジェクトの種類を示す情報である(図5のS115、S135)。この結果、表画像PI1および裏画像PI2の属性(例えば、オブジェクトの種類)に応じて、裏画像PI2の見栄えの低下の抑制を優先するか、印刷速度の低下の抑制を優先するかを、適切に、判断できる。
さらに、本実施例によれば、搬送部140は、図2を参照して説明したように、表面F1が印刷面である場合にはシートSの一端MT1を搬送方向ARの下流端としてシートSを搬送し、裏面F2が印刷面である場合にはシートSの他端MT2を搬送方向ARの下流端としてシートSを搬送する。このような場合には、例えば、図4に示すように、表画像PI1の印刷時には、表画像PI1の上側(図4(A)の方向URの下流側)から印刷されるのに対して、裏画像PI2の印刷時には、裏画像PI2の下側(図4(A)の方向URの上流側)から印刷される。このために、工夫することなく、通常印刷で印刷すれば、裏画像PI2の境界部分B21〜B23と表画像PI1の境界部分B11〜B13とは表裏でずれてしまう。本実施例では、このようなシートSの搬送が行われる場合でも、裏画像PI2の境界部分B21〜B23と表画像PI1の境界部分B11〜B13とが表裏で重なるように両面印刷を行うことができる。
さらに、本実施例では、印刷機構100と同じ筐体に備えられたCPU210が図5の印刷制御処理を実行するので、パーソナルコンピュータなどの端末装置を用いることなく、プリンタ10単体で、表画像PI1の影響で裏画像PI2の見栄えが低下することを抑制できる。
以上の説明から解るように、表面F1は第1面の例であり、裏面F2は第2面の例であり、表画像PI1は第1画像の例であり、裏画像PI2は第2画像の例である。表画像PI1を印刷するための複数回の部分印刷のそれぞれは、第1部分印刷の例であり、裏画像PI2を印刷するための複数回の部分印刷のそれぞれは、第2部分印刷の例である。図8の部分領域A11b〜A14bのそれぞれは、第1部分領域の例であり、部分領域A21b〜A24bのそれぞれは、第2部分領域の例である。搬送部140は、副走査部の例であり、論理和データは、処理用の画像データの例である。図5のS150〜S195の境界調整印刷処理は、特定印刷制御の例である。
B.第2実施例
図9は、第2実施例の境界調整印刷処理のフローチャートである。図10は、第2実施例の境界調整印刷処理の説明図である。第2実施例では、図5のS150〜S195の境界調整印刷処理に代えて、図9の境界調整印刷処理が実行される。第2実施例のその他の構成は、第1実施例と同一である。
S205では、CPU210は、表画像データと裏画像データとを解析して、表画像と裏画像にて独立部分領域で印刷すべき部分を探索する。図10(A)に示す表画像PI1cと図10(B)に示す裏画像PI2が、処理すべき画像である場合を例に説明する。独立部分領域は、1回の部分印刷で印刷される部分領域であり、他の部分領域と隣接や重複をすることなく、設定される領域である。例えば、表画像PI1cは、2個の分離したオブジェクトOb1、Ob2を含んでいる。例えば、オブジェクトOb1、Ob2は写真である。オブジェクトOb1は、搬送方向ARの長さHが、ノズル長D以下であり、かつ、搬送方向ARの両端側が他のオブジェクトと連続していない。このために、オブジェクトOb1は、独立部分領域にて印刷すべき部分であると判断される。このために、CPU210は、表画像PI1cは、独立部分領域にて印刷すべき部分であるオブジェクトOb1を含むことを特定する。裏画像PI2は、第1実施例の裏画像PI2と同じ画像であり、1個の写真のオブジェクトのみから成る。裏画像PI2(写真のオブジェクト)は、搬送方向ARの長さがノズル長Dより大きい。このために、このために、CPU210は、裏画像PI2は、独立部分領域にて印刷すべき部分を含まないことを特定する。
S210では、S205での解析結果に基づいて、表画像と裏画像との少なくとも一方に独立部分領域で印刷すべき部分があるか否かを判断する。例えば、CPU210は、表画像と裏画像とが、第1実施例の表画像PI1、裏画像PI2(図4等)である場合には、表画像と裏画像とのいずれにも独立部分領域で印刷すべき部分がないと判断する。CPU210は、表画像と裏画像とが、図10の表画像PI1c、裏画像PI2である場合には、表画像PI1cに独立部分領域で印刷すべき部分があると判断する。
表画像と裏画像とのいずれにも独立部分領域で印刷すべき部分がない場合には(S210:NO)、CPU210は、S215、S220、S225、S230の処理を実行して、両面印刷を行う。図9のS215、S220、S225、S230の処理は、図5のS180、S185、S190、S195の処理と同一であるので、その説明を省略する。この場合には、図8を参照して説明した境界調整印刷が行われて、境界調整印刷処理は終了される。
表画像と裏画像との少なくとも一方に独立部分領域で印刷すべき部分がある場合には(S210:YES)、S235にて、CPU210は、図5のS180と同様に、生成済みの表画像を示すドットデータと、裏画像PI2を示すドットデータと、を用いて、論理和データを生成する。
図11は、第2実施例の論理和データによって示される論理和画像LIcの一例を示す図である。図11(A)の論理和画像LIcのハッチングされた領域DAcは、図10(C)のシートSにおいて、表画像PI1cと裏画像PI2との少なくとも一方が存在している領域(ハッチングされた領域)を示していることが解る。
S235では、CPU210は、S205にて特定済みの独立部分領域で印刷すべき部分を印刷するための独立部分領域を、論理和画像LIc上に設定する。図11(A)の例では、図10(A)のオブジェクトOb1を印刷するための独立部分領域IAが設定されている。
S240では、CPU210は、論理和画像LIc上に複数個の部分領域を設定する。例えば、図11(B)に示す論理和画像LIc上に、設定すべき複数個の部分領域の境界部分が設定済みの独立部分領域IAと重ならないように、かつ、領域DAの独立部分領域IAを除く部分の全体が印刷できるように、複数個の部分領域A1c〜A5cを設定する。
例えば、図11(B)に示すように、搬送方向(図11の縦方向)の両端の部分領域を除く部分領域は、搬送方向の長さがノズル長Dになるように、部分領域A1c〜A5cが設定される。例えば、図11(B)の上から2番目の部分領域A2cは、上端が独立部分領域IAの上端と一致し、下端が独立部分領域IAの下端よりも下側に位置するように設定されている。なお、変形例では、2番目の部分領域A2cは、上端および下端がともに独立部分領域IAと一致するように設定されても良い。また、別の変形例では、2番目の部分領域A2cの上端および下端が、どちらも独立部分領域IAの上端および下端と一致しないように設定されても良い。すなわち、2番目の部分領域A2cは、上端が独立部分領域IAの上端より上側に位置し、かつ、下端が独立部分領域IAの下端より下側に位置するように、設定されても良い。
S245では、CPU210は、論理和画像LIc上に設定された部分領域A1c〜A5c、IAに基づいて、両面の部分領域を決定する。例えば、CPU210は、論理和画像LIc上に設定された部分領域IA、A3c、A4cに対応する表画像PI1c上の位置に表画像PI1を印刷するための部分領域A11c〜A13cを決定する(図10(A))。さらに、CPU210は、論理和画像LIc上に設定された部分領域A1c〜A5cに対応する裏画像PI2上の位置に裏画像PI2を印刷するための部分領域A21c〜A25cを決定する(図10(B))。これによって、表画像PI1cおよび裏画像PI2を印刷するための部分領域およびヘッド位置が決定される。
S250では、CPU210は、印刷機構100を制御して、シートSの表面F1に対して境界調整印刷を実行させる。具体的には、S245にて決定されたヘッド位置P11c〜P13c(図10(A))で、表面F1に対して表画像PI1cが印刷される。
S255では、CPU210は、印刷機構100を制御して、シートSの裏面F2に対して境界調整印刷を実行させる。具体的には、S245にて決定されたヘッド位置P21c〜P25c(図10(B))で、裏面F2に対して裏画像PI2が印刷される。
図10(C)には、図10(A)、(B)に示すヘッド位置にて表画像PI1cと裏画像PI2とが印刷された状態のシートS(印刷結果)を表面F1側から見た図が示されている。図10(C)において、表画像PI1cおよび表画像PI1に関する要素A11c〜A13c、B12cは、実線で示され、裏画像PI2および裏画像PI2に関する要素A21c〜A25c、B21c〜B24cは、破線で示されている。図10(C)に示すように、重複部分OA2において裏画像PI2の境界部分B12cは、表画像PI1の境界部分B21cと、表裏で重なっていることが解る。また、重複部分OA1において、独立部分領域A11cには、裏画像PI2の境界部分B21c〜B24cのいずれも表裏で重なっていないことが解る。S255にて裏面F2に対する印刷が終了すると境界調整処理は終了される。
以上説明した本実施例の図10の例では、表画像PI1cと裏画像PI2とがシートSに印刷される際に重複部分OA1、OA2を含み(図10(C))、かつ、特定の部分領域A11c(図10(A))が、他の部分領域A12c、A13dと隣接も重複もしない独立部分領域である。この場合に、CPU210は、第1実施例と同様の境界調整処理(図9のS215〜S230)とは異なる境界調整処理(図9のS235〜S245)を実行する。図9のS235〜S245の境界調整処理は、表画像PI1cの特定の部分領域A11cと、裏画像PI2の境界部分B21c〜B24cとが表裏で重ならないように、裏画像PI2を印刷する複数回の部分印刷を実行する処理である。この結果、表画像PI1のうち、独立部分領域に含まれる重複部分OA1には、裏画像PI2の境界部分B21c〜B24cが表裏で重ならない。この結果、表画像PI1cに、裏画像PI2の境界部分B21c〜B24cに発生したバンディングが裏移りした場合に、表画像PI1cにおいて該バンディングが目立つことを抑制できる。したがって、裏画像PI2の影響で表画像PI1cの見栄えが低下することをさらに抑制できる。
C.第3実施例
第3実施例では、第1実施例とは異なり、表画像PI1のうち、一部の領域が2回の部分印刷で印刷され、残りの領域が1回の部分印刷で印刷される。同様に、裏画像PI2のうち、一部の領域が2回の部分印刷で印刷され、残りの領域が1回の部分印刷で印刷される。
図12は、第3実施例の両面印刷における通常印刷の説明図である。図12(A)には、表面F1の印刷について、シートSとヘッド位置Pとの関係が、部分印刷ごとに図示されている。図12(A)に示すように、第3実施例の通常印刷では、表画像PI1には、複数個のヘッド位置P11d〜P14dに対応する複数個の部分領域A11d〜A14dが設定される。そして、複数個の部分領域A11d〜A14dのうちの隣り合う2個の領域は、互いに重複する重複する重複領域O11d〜O13dを含む。例えば、重複領域O11dは、部分領域A11dと部分領域A12dとが互いに重複する領域である。重複領域O12dは、部分領域A12dと部分領域A13dとが互いに重複する領域である。重複領域O13dは、部分領域A13dと部分領域A14dとが互いに重複する領域である。表画像PI1のうち、重複領域O11d〜O13dに含まれる部分は2回の部分印刷で印刷され、残りの部分は、1回の部分印刷で印刷される。
図12(B)には、裏面F2の印刷について、シートSとヘッド位置Pとの関係が、部分印刷ごとに図示されている。図12(B)に示すように、第3実施例の通常印刷では、裏画像PI2には、表画像PI1と同様に、複数個のヘッド位置P21d〜P24dに対応する複数個の部分領域A21d〜A24dが設定される。そして、複数個の部分領域A21d〜A24dのうちの隣り合う2個の領域は、互いに重複する重複する重複領域O21d〜O23dを含む。裏画像PI2のうち、重複領域O21d〜O23dに含まれる部分は2回の部分印刷で印刷され、残りの部分は、1回の部分印刷で印刷される。
このように、重複領域を設けることでバンディングを抑制できる。重複領域では、1個のラスタライン上のドットが2回の部分印刷にて形成されるので、1個のラスタライン上の全ドットが、他のラスタライン上の全ドットに対して、同じようにずれることを抑制できるためである。しかしながら、完全にバンディングを抑制できる訳では無く、上述した往復間色差や搬送誤差などに起因して、重複領域と残りの領域との間にバンディングが発生する場合もある。
図12(C)には、図12(A)、(B)に示すヘッド位置にて表画像PI1と裏画像PI2とが印刷された状態のシートS(印刷結果)を表面F1側から見た図が示されている。図12(C)において、表画像PI1および表画像PI1に関する要素A11d〜A14d、O11d〜O13dは、実線で示され、裏画像PI2および裏画像PI2に関する要素A21d〜A24d、O21d〜O23dは、破線で示されている。図12(C)に示すように、通常印刷では、表画像PI1の重複領域O11d〜O13dと、裏画像PI2の重複領域O21d〜O23dと、は、搬送方向ARの位置が表裏でずれており、互いに表裏で重なっていない。このために、裏画像PI2の重複領域O21d〜O23dの部分のバンディングが裏移りすると、シートSの観察者が表面F1から表画像PI1を見た場合に、観察者には、表画像PI1の重複領域O11d〜O13dに生じたバンディングと、裏移りした裏画像PI2の重複領域O21d〜O23dのバンディングと、の両方が見える。この結果、裏画像PI2の影響で表画像PI1の画質が低下し得る。本実施例の後述する印刷制御処理では、かかる不都合を抑制するための工夫がなされている。
具体的には、本実施例の印刷制御処理は、第1実施例の図5の印刷制御処理と同様である。ただし、本実施例では、表画像PI1の重複領域と、裏画像PI2の重複領域とが、互いに重なるように、重複領域の搬送方向ARの位置が調整される。換言すれば、本実施例では、表画像PI1の重複領域は、表画像PI1の部分領域同士が隣り合う境界部分であり、裏画像PI2の重複領域は、裏画像PI2の部分領域同士が隣り合う境界部分である。
図13は、第3実施例の境界調整処理の説明図である。図13(A)には、表画像PI1の調整済みの部分領域A11e〜A14e、および、調整済みの部分領域A11e〜A14eに対応するヘッド位置P11e〜P14eが示されている。調整済みの部分領域A11e〜A14eは、調整済みの重複領域O11e〜O13eを含んでいる。図13(B)には、裏画像PI2の調整済みの部分領域A21e〜A24e、および、調整済みの部分領域A21e〜A24eに対応するヘッド位置P21e〜P24eが示されている。調整済みの部分領域A21e〜A24eは、調整済みの重複領域O21e〜O23eを含んでいる。
これらの調整済みの部分領域A11e〜A14e、A21e〜A24eは、図5のS180、S185にて、論理和データを用いて、表画像PI1の重複領域と、裏画像PI2の重複領域とが、裏表で重なるように、設定されている。
図13(C)には、図13(A)、(B)に示すヘッド位置にて表画像PI1と裏画像PI2とが印刷された状態のシートS(印刷結果)を表面F1側から見た図が示されている。図13(C)において、表画像PI1および表画像PI1に関する要素A11e〜A14e、O11e〜O13eは、実線で示され、裏画像PI2および裏画像PI2に関する要素A21e〜A24e、O21e〜O23eは、破線で示されている。図13(C)に示すように、裏画像PI2の重複領域O21e〜O23eは、表画像PI1の重複領域O11e〜O13eと、表裏で重なっていることが解る。この結果、第3実施例によれば、表画像PI1と裏画像PI2とがそれぞれ少なくとも2回の部分印刷で印刷される重複領域を含む印刷において、表画像PI1の影響で裏画像PI2の見栄えが低下することを抑制できる。
第3実施例の重複領域O11e〜O13e、O21e〜O23eの印刷についてさらに説明する。図14は、重複領域の印刷の説明図である。図14(A)には、表画像PI1の重複領域O11eの近傍の拡大図が示されている。重複領域O11eのうち、三角形の領域PA11内のドットは、ヘッド位置P11eで行われる部分印刷にて形成される。重複領域O11eのうち、台形の領域PA12内のドットは、ヘッド位置P12eで行われる部分印刷にて形成される。
ここで、重複領域O11eは、複数本のラスタライン(例えば、図14(A)のラスタラインRL1)を含んでいる。各ラスタラインは、搬送方向ARと垂直な主走査方向に延びるラインであり、複数個のドットによって構成される。各ラスタライン上に位置する複数個のドットのうち、領域PA11内のドットは、ヘッド位置P11eで行われる部分印刷にて形成され、領域PA12内のドットは、ヘッド位置P12eで行われる部分印刷にて形成される。
図14(B)には、裏画像PI2の重複領域O23eの近傍の拡大図が示されている。重複領域O23eのうち、台形の領域PA23内のドットは、ヘッド位置P23eで行われる部分印刷にて形成される。重複領域O23eのうち、三角形の領域PA24内のドットは、ヘッド位置P24eで行われる部分印刷にて形成される。
ここで、重複領域O23eは、重複領域O11eと同様に、複数本のラスタライン(例えば、図14(B)のラスタラインRL2)を含んでいる。各ラスタライン上に位置する複数個のドットのうち、領域PA23内のドットは、ヘッド位置P23eで行われる部分印刷にて形成され、領域PA24内のドットは、ヘッド位置P24eで行われる部分印刷にて形成される。
図14(C)には、図13(C)に示す印刷済みのシートSのうち、図14(A)の重複領域O11eおよび図14(B)の重複領域O23eの近傍に対応する部分の拡大図である。図13(C)、図14(C)に示すように、印刷済みのシートSにおいて、重複領域O11eと重複領域O23eとは、表裏で重なっている。
図14(C)に示すように、印刷済みのシートSにおいて、重複領域O11eの三角形の領域PA11と、重複領域O23eの三角形の領域PA24と、は互いに表裏で重なるように配置されている。同様に、印刷済みのシートSにおいて、重複領域O11eの台形の領域PA12と、重複領域O23eの台形の領域PA23と、は互いに表裏で重なるように配置されている。具体的には、重複領域O11eの領域PA11と対称軸Lxに対して線対称となる領域が、領域PA24として重複領域O23eに配置される。同様に重複領域O11eの領域PA12と対称軸Lxに対して線対称となる領域が、領域PA23として重複領域O23eに配置される。対称軸Lxは、重複領域11eの搬送方向ARの中心を通り主走査方向と平行な直線である。
なお、図14で示す領域PA23、PA24、PA11、PA12は、図の煩雑を避けるために、三角形、台形などの単純な形状であるが、これらの形状は一例であり、これに限られない。例えば、ドット単位で重複領域O11e、O23e内で分散された領域であっても良い。
以上の説明から解るように、第3実施例によれば、境界調整印刷にて、表画像PI1の重複領域O11eは、領域PA11内に形成される第1ドットと、領域PA12内に形成される第2ドットと、にて形成される。第1ドットは重複領域O11eを印刷する一方の部分印刷にて形成され、第2ドットは他方の部分印刷にて形成される。同様に、裏画像PI2の重複領域O23eは、領域PA24内に形成される第3ドットと、領域PA23内に形成される第4ドットと、にて形成される。第3ドットは重複領域O23eを印刷する一方の部分印刷にて形成され、第4ドットは他方の部分印刷にて形成される。重複領域O12e、O13e、O21e、O22eについても同様である。このような重複領域を含む印刷が行われる場合であっても、表画像PI1の影響で裏画像PI2の見栄えが低下することを抑制できる。
さらに、印刷済みのシートSにおいて、重複領域O11eの領域PA11内に形成される第1ドットと、重複領域O23eの領域PA24内に形成される第3ドットとは、互いに表裏で重なるように配置される。そして、重複領域O11eの領域PA12内に形成される第2ドットと、重複領域O23eの領域PA23内に形成される第4ドットとは、互いに表裏で重なるように配置される。重複領域O12e、O13e、O21e、O22eについても同様である。この結果、第1ドットと第2ドットとの間でムラが発生した場合であっても、表画像PI1における当該ムラの裏移りが裏画像PI2において目立つことを抑制できる。従って、表画像PI1の影響で裏画像PI2の見栄えが低下することをさらに抑制できる。
D.変形例
(1)表画像PI1と裏画像PI2との印刷は、1パス印刷や2パス印刷に限らず、他の態様の印刷であっても良い。例えば、これらの印刷は、1個の部分領域を3回や4回の部分印刷で印刷するマルチパス印刷であっても良い。この場合であっても、例えば、隣り合う部分領域が接する境界部分が表裏で重なるように、表画像PI1と裏画像PI2の部分領域が設定される。
(2)上記各実施例では、隣り合う部分領域の境界部分が完全に重なるように、表画像PI1と裏画像PI2の部分領域が設定される。これに代えて隣り合う部分領域の境界部分が部分的に重なるように、表画像PI1と裏画像PI2の部分領域が設定されても良い。
(3)上記各実施例では、境界調整印刷を行うか否かを判断するパラメータとして、シートSの種類を示す情報と、オブジェクトの種類を示す情報と、が用いられている。これに限らずに、裏移りのしやすさやバンディングの発生しやすさ等に関連する様々なパラメータが用いられ得る。
例えば、表画像および裏画像の色に関する情報に基づいて、境界調整印刷を行うかが判断されても良い。例えば、濃度が高いほど裏移りがしやすく、バンディングも目立ちやすいので、表画像および裏画像の平均濃度が基準以上である場合に境界調整印刷を行うと判断されても良い。ドットを形成可能な位置の総数に対するドットの形成数(印字率とも呼ぶ)が高いほど裏移りがしやすく、バンディングも目立ちやすいので、表画像および裏画像の印字率が基準以上である場合に境界調整印刷を行うと判断されても良い。また、画像の色相によって裏移りのしやすさやバンディングの目立ちやすさが異なるので、表画像および裏画像に、特定の色相範囲の色相を有する画像が所定面積以上含まれる場合に、境界調整印刷を行うと判断されても良い。また、インクの種類によっても裏移りのしやすさやバンディングの目立ちやすさが異なるので、インクの種類、例えば、顔料インクであるか染料インクであるかによって、境界調整印刷を行うか否かが切り替えられても良い。その他の様々なパラメータ、例えば、印刷解像度、印刷モード(例えば、高速モードと画質重視モード)、印刷媒体の厚さ、印刷媒体の色に応じて、境界調整印刷を行うか否かが切り替えられても良い。
(4)図5の印刷制御処理は一例であり、適宜に変更され得る。例えば、図5のS150〜S175は省略されて、S135にて両面のオブジェクトが写真であると判定される場合には(S135にて:YES)、S180〜S195の処理が行われても良い。また、表画像と裏画像とに応じて部分領域を設定するのではなく、あらかじめ印刷可能範囲の全てを覆うように、かつ、印刷済みのシートSにおいて部分領域の境界部分が表裏で重なるように、あらかじめ表面用と裏面用とにそれぞれ設定された部分領域に従って、両面印刷が行われても良い。また、オブジェクトの種類はシートSの種類に拘わらずに、両面印刷が行われる場合には、常に、境界調整印刷が実行され、通常印刷は行われなくてもよい。あるいは、CPU210は、表画像データと裏画像データを解析して、重複部分OAが存在するか否かを判断し、重複部分OAがあると判断される場合に、少なくとも重複部分OAにおいて、表画像の境界部分と裏画像の境界部分とが裏表で重なるように、表画像と裏画像の部分領域が設定されても良い。少なくとも結果として、シートSの重複部分OAにおいて、表画像の境界部分と裏画像の境界部分とが裏表で重なっていれば良い。
(5)第3実施例では、裏画像と表画像の重複領域が裏表で重なるように部分領域が設定され、かつ、重複領域において、一方の部分印刷に形成されるドットと他方の部分印刷に形成されるドットとの配置領域が裏表で重なるようにドットが形成される。これに代えて、裏画像と表画像の重複領域が裏表で重なるように部分領域が設定され、かつ、重複領域において一方の部分印刷に形成されるドットと他方の部分印刷に形成されるドットとの配置領域は裏表に重なっていなくても良い。
(6)上記実施例の搬送部140の構成は一例であり、これに限られない。例えば、搬送部140は、シートSの反転機構を備えずに、シートSの反転は、ユーザによって行われても良い。例えば、表面F1に対する印刷が終わって排紙トレイに排紙されたシートSを、ユーザが反転させて、給紙トレイに載置いても良い。また、搬送部140は、表面F1に対する印刷時も裏面F2に対する印刷時も常に、一端MT1を搬送方向の下流側とし、他端MT2を搬送方向の上流側とする状態で、シートSを搬送しても良い。
(7)上記実施例の印刷機構100では、搬送部140がシートSを搬送することによって、印刷ヘッド110に対してシートSを搬送方向ARに相対的に移動させている。これに代えて、固定されたシートSに対して、印刷ヘッド110を搬送方向ARと反対側に移動させることによって、印刷ヘッド110に対してシートSを搬送方向ARに相対的に移動させても良い。
(8)上記各実施例では、両面印刷を印刷実行部としての印刷機構100に実行させる制御装置として機能する装置は、CPU210である。これに代えて、制御装置として機能する装置は、他の種類の装置、例えば、図示しないユーザの端末装置であっても良い。この場合には、例えば、端末装置は、ドライバプログラムを実行することによってプリンタドライバとして動作し、該プリンタドライバとして、印刷実行部としてのプリンタを制御しても良い。この場合には、端末装置が、図5の印刷制御処理を実行する。この場合には、例えば、端末装置は、プリンタに送信する印刷ジョブに、各部分印刷を実行させるための部分印刷データと、部分印刷後の用紙の搬送量を示すデータと、を含めることで、印刷実行部としてのプリンタを制御する。
以上の説明から解るように、上記実施例では、印刷機構100が印刷実行部の例であり、端末装置が印刷処理を実行する場合には、印刷を実行するプリンタの全体が印刷実行部の例である。
また、図5の印刷制御処理を実行する制御装置は、例えば、プリンタや端末装置から画像データを取得して該画像データを用いて印刷ジョブを生成するサーバであっても良い。このようなサーバは、ネットワークを介して互いに通信可能な複数個の計算機であっても良い。この場合には、ネットワークを介して互いに通信可能な複数個の計算機の全体が、制御装置の例である。
(9)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図1のプリンタ200のCPU210が実行する処理の一部は、専用のハードウェア回路によって実現されてもよい。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
200…プリンタ,100…印刷機構,110…印刷ヘッド,111…ノズル形成面,11e…重複領域,120…ヘッド駆動部,12b…部分領域,13…上側ガイド部材,130…主走査部,133…キャリッジ,134…摺動軸,14…下側ガイド部材,140…搬送部,141…給紙ローラ,142…上流側搬送ローラ対,143…下流側搬送ローラ対,144…排紙ローラ対,15…回動部材,16…アーム,17…フラップ部材,18a…外側ガイド部材,19a…内側ガイド部材,20…給紙トレイ,21…排紙トレイ,210…CPU,220…不揮発性記憶装置,230…揮発性記憶装置,231…バッファ領域,260…操作部,270…表示部,280…通信部,50…プラテン,CP…コンピュータプログラム,NZ…ノズル,S…シート

Claims (15)

  1. インクを吐出する複数個のノズルを有する印刷ヘッドと、
    印刷媒体に対して主走査方向に沿って前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する主走査部と、
    前記印刷ヘッドに対して前記主走査方向と交差する副走査方向に沿って前記印刷媒体を移動させる副走査を実行する副走査部であって、前記印刷媒体の第1面が印刷面である場合には前記印刷媒体の前記第1面を前記印刷ヘッドに向けて前記副走査を実行し、前記印刷媒体の前記第1面とは反対の第2面が印刷面である場合には前記印刷媒体の前記第2面を前記印刷ヘッドに向けて前記副走査を実行する、前記副走査部と、
    を備え、
    前記主走査を行いつつ前記印刷ヘッドからインクを吐出して前記印刷媒体に部分画像を印刷する部分印刷と、前記副走査と、繰り返し実行することによって画像を印刷する印刷実行部の制御装置であって、
    第1画像を示す第1画像データと第2画像を示す第2画像データとを取得する画像取得部と、
    前記第1画像データと前記第2画像データとを用いて前記印刷実行部を制御して、前記印刷媒体の前記第1面に前記第1画像を印刷させ、前記印刷媒体の前記第2面に前記第2画像を印刷させる印刷制御部と、
    を備え、
    前記印刷制御部は、前記第1画像と前記第2画像とが前記印刷媒体に印刷される際に表裏で重なる重複部分を含み、かつ、前記第1画像の前記重複部分を複数回の第1部分印刷にて印刷し、かつ、前記第2画像の前記重複部分を複数回の第2部分印刷にて印刷する場合に、特定印刷制御を実行し、
    前記特定印刷制御は、前記複数回の第1部分印刷で印刷するための領域である第1部分領域同士が隣り合う境界部分である第1境界部分と、前記複数回の第2部分印刷で印刷するための領域である第2部分領域同士が隣り合う境界部分である第2境界部分と、の少なくとも一部が重なるように、前記複数回の第1部分印刷と前記複数回の第2部分印刷とを実行する制御である、制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記複数個の第1部分領域は互いに重複しないように設定され、
    前記複数個の第1部分領域のそれぞれに含まれる画像の全体は、1回の前記第1部分印刷で印刷され、
    前記複数個の第2部分領域は互いに重複しないように設定され、
    前記複数個の第2部分領域のそれぞれに含まれる画像の全体は、1回の前記第2部分印刷で印刷され、
    前記第1境界部分は、前記複数個の第1部分領域のうちの隣接するように設定される2個の領域の間の境界部分であり、
    前記第2境界部分は、前記複数個の第1部分領域のうちの隣接するように設定される2個の領域の間の境界部分である、制御装置。
  3. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記複数個の第1部分領域のうちの2個の領域は、互いに重複する第1重複領域を含み、
    前記第1重複領域に含まれる画像は、少なくとも2回の前記第1部分印刷で印刷され、
    前記複数個の第2部分領域のうちの2個の領域は、互いに重複する第2重複領域を含み、
    前記第2重複領域に含まれる画像は、少なくとも2回の前記第2部分印刷で印刷され、
    前記第1境界部分は、前記第1重複領域であり、
    前記第2境界部分は、前記第2重複領域である、制御装置。
  4. 請求項3に記載の制御装置であって、
    前記第1重複領域は、第1ドットと第2ドットとにて形成され、
    前記第1ドットは一方の前記第1部分印刷にて形成され、前記第2ドットは他方の前記第1部分印刷にて形成され、
    前記第2重複領域は、第3ドットと第4ドットとにて形成され、
    前記第3ドットは一方の前記第2部分印刷にて形成され、前記第4ドットは他方の前記第2部分印刷にて形成される、制御装置。
  5. 請求項4に記載の制御装置であって、
    前記第1画像と前記第2画像とが前記印刷媒体に印刷される際に、前記第1重複領域の複数個の前記第1ドットと、前記第2重複領域の複数個の前記第3ドットとは、互いに表裏で重なるように配置され、前記第1重複領域の複数個の前記第2ドットと、前記第2重複領域の複数個の前記第4ドットとは、互いに表裏で重なるように配置される、制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記印刷制御部は、前記第1画像と前記第2画像の印刷のために実行される前記部分印刷の回数が最小になるように、第1境界部分と前記第2境界部分との少なくとも一方の前記副走査方向の位置を決定する、制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の制御装置であって、さらに、
    前記第1画像と前記第2画像との少なくとも一方の印刷に関するパラメータを取得するパラメータ取得部を備え、
    前記印刷制御部は、前記パラメータが特定条件を満たす場合には、前記特定印刷制御を実行し、前記パラメータが前記特定条件を満たさない場合には、前記第1境界部分と前記第2境界部分とが重なるか否かを考慮することなく、前記複数個の第1部分領域と前記複数個の第2部分領域とを設定する、制御装置。
  8. 請求項7に記載の制御装置であって、
    前記パラメータは、前記第1画像と前記第2画像とが印刷される前記印刷媒体の種類を示す媒体情報であり、
    前記印刷制御部は、前記媒体情報が第1種の印刷媒体を示す場合に前記特定条件が満たされると判断し、前記媒体情報が前記第1種の印刷媒体とは異なる第2種の印刷媒体を示す場合に前記特定条件が満たされないと判断する、制御装置。
  9. 請求項7に記載の制御装置であって、
    前記パラメータは、前記第1画像のうち、前記第1境界部分の画像に関する第1パラメータと、前記第2境界部分の画像に関する第2パラメータと、を含み、
    前記印刷制御部は、前記第1パラメータと前記第2パラメータとに基づいて、前記特定条件が満たされるか否かを判断する、制御装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記印刷制御部は、前記第1画像と前記第2画像とが前記印刷媒体に印刷される際に前記重複部分を含み、かつ、特定の前記第1部分領域が、他の前記第1部分領域と隣接も重複もしない場合に、前記特定印刷制御とは異なる印刷制御を実行し、
    前記特定印刷制御とは異なる印刷制御は、前記特定の第1部分領域と前記第2境界部分とが表裏で重ならないように、複数回の第2の部分印刷を実行する制御である、制御装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記印刷制御部は、前記第1画像データと前記第2画像データとを用いて、前記第1画像と前記第2画像との両方のドットの形成位置を示す処理用の画像データを生成し、前記画像データを用いて、前記複数個の第1部分領域と前記複数個の第2部分領域とを決定する、制御装置。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記副走査部は、前記第1面が印刷面である場合には前記印刷媒体の一端を前記副走査方向の下流端として前記副走査を実行し、前記第2面が印刷面である場合には前記印刷媒体の前記一端とは反対の第2端を前記副走査方向の下流端として前記副走査を実行する、制御装置。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の制御装置と、前記印刷実行部と、を備える印刷装置。
  14. インクを吐出する複数個のノズルを有する印刷ヘッドと、
    印刷媒体に対して主走査方向に沿って前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する主走査部と、
    前記印刷ヘッドに対して前記主走査方向と交差する副走査方向に沿って前記印刷媒体を移動させる副走査を実行する副走査部であって、前記印刷媒体の第1面が印刷面である場合には前記印刷媒体の前記第1面を前記印刷ヘッドに向けて前記副走査を実行し、前記印刷媒体の前記第1面とは反対の第2面が印刷面である場合には前記印刷媒体の前記第2面を前記印刷ヘッドに向けて前記副走査を実行する、前記副走査部と、
    を備え、
    前記主走査を行いつつ前記印刷ヘッドからインクを吐出して前記印刷媒体に部分画像を印刷する部分印刷と、前記副走査と、繰り返し実行することによって画像を印刷する印刷実行部を制御するためのコンピュータプログラムであって、
    第1画像を示す第1画像データと第2画像を示す第2画像データとを取得する画像取得機能と、
    前記第1画像データと前記第2画像データとを用いて前記印刷実行部を制御して、前記印刷媒体の前記第1面に前記第1画像を印刷させ、前記印刷媒体の前記第2面に前記第2画像を印刷させる印刷制御機能と、
    をコンピュータに実現させ、
    前記印刷制御機能は、前記第1画像と前記第2画像とが前記印刷媒体に印刷される際に表裏で重なる重複部分を含み、かつ、前記第1画像の前記重複部分を複数回の第1部分印刷にて印刷し、かつ、前記第2画像の前記重複部分を複数回の第2部分印刷にて印刷する場合に、特定印刷制御を実行し、
    前記特定印刷制御は、前記複数回の第1部分印刷で印刷するための領域である第1部分領域同士が隣り合う境界部分である第1境界部分と、前記複数回の第2部分印刷で印刷するための領域である第2部分領域同士が隣り合う境界部分である第2境界部分と、の少なくとも一部が重なるように、前記複数回の第1部分印刷と前記複数回の第2部分印刷とを実行する制御である、コンピュータプログラム。
  15. インクを吐出する複数個のノズルを有する印刷ヘッドと、
    印刷媒体に対して主走査方向に沿って前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する主走査部と、
    前記印刷ヘッドに対して前記主走査方向と交差する副走査方向に沿って前記印刷媒体を移動させる副走査を実行する副走査部であって、前記印刷媒体の第1面が印刷面である場合には前記印刷媒体の前記第1面を前記印刷ヘッドに向けて前記副走査を実行し、前記印刷媒体の前記第1面とは反対の第2面が印刷面である場合には前記印刷媒体の前記第2面を前記印刷ヘッドに向けて前記副走査を実行する、前記副走査部と、
    を備え、
    前記主走査を行いつつ前記印刷ヘッドからインクを吐出して前記印刷媒体に部分画像を印刷する部分印刷と、前記副走査と、繰り返し実行することによって画像を印刷する印刷実行部を制御する方法であって、
    第1画像を示す第1画像データと第2画像を示す第2画像データとを取得する画像取得工程と、
    前記第1画像データと前記第2画像データとを用いて前記印刷実行部を制御して、前記印刷媒体の前記第1面に前記第1画像を印刷させ、前記印刷媒体の前記第2面に前記第2画像を印刷させる印刷制御工程と、
    を備え、
    前記印刷制御工程は、前記第1画像と前記第2画像とが前記印刷媒体に印刷される際に表裏で重なる重複部分を含み、かつ、前記第1画像の前記重複部分を複数回の第1部分印刷にて印刷し、かつ、前記第2画像の前記重複部分を複数回の第2部分印刷にて印刷する場合に、特定印刷制御を実行し、
    前記特定印刷制御は、前記複数回の第1部分印刷で印刷するための領域である第1部分領域同士が隣り合う境界部分である第1境界部分と、前記複数回の第2部分印刷で印刷するための領域である第2部分領域同士が隣り合う境界部分である第2境界部分と、の少なくとも一部が重なるように、前記複数回の第1部分印刷と前記複数回の第2部分印刷とを実行する制御である、方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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