JP2021053558A - エアフィルター用濾材及びエアフィルター - Google Patents

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【課題】本発明の課題は、自動車等、比較的温度変化の大きい環境下に配置されるエアフィルターにおいて、周囲の温度変化に対し、濾材の変形によるフィルターの構造圧損上昇を抑制し、フィルター寿命を長くでき、交換周期の間、性能を維持するエアフィルター用濾材及び該濾材を用いたエアフィルターを提供することである。【解決手段】 支持体と帯電不織布層からなるエアフィルター用濾材であり、該支持体は捲縮繊維を含有してなり、且つJIS L1913:2010に規定される引張強度の縦横比が40:60〜60:40であることを特徴とするエアフィルター用濾材。【選択図】なし

Description

本発明は、自動車等、外気やブロワーモーター等の排熱により温度変化の大きい環境に配置されるエアフィルター及び該エアフィルターを構成するエアフィルター用濾材に関する。
居室内や自動車室内を快適な空間とするために、一般的に空調装置や空気清浄機が設けられている。その際、室内を清浄にする目的で装置内にはエアフィルターが配置されているが、エアフィルターは消耗品であり、定期的に交換する必要がある。そのために、比較的安価で廃棄がし易い不織布が多く用いられている。それ故、使用中にエアフィルターが変形する可能性があり、変形を防止するために、様々な工夫が為されている。例えば、特許文献1ではエアフィルターの両端の折山に補強用シートが設けられたエアフィルターが提案されている。しかしながら、ある程度、使用し、補強用シートに塵埃が付着すると、通過する風を垂直に遮ってしまうため、圧力損失(圧損)が急激に上昇し、交換寿命が短くなったり、送風ファンの負荷が大きくなったりする場合があった。
また、近年、地球温暖化の影響により、夏場の外気温は体温を超える温度まで上昇することは珍しく無い状況である。すると、日中の炎天下での自動車内はかなりの高温となる。一方で、自動車は単に移動手段というだけでは無く、より快適性を求められる空間へと変わって来ている。つまり、真夏の炎天下に人が乗り込んだ際には、なるべく早く適温になるように、エアコンも高風量化している。結果、使用されるエアコン用エアフィルターはかなりの高温状態から急激に冷却される状況となり、エアフィルターは高風量による物理的な力と温度差という大きな負荷を受けることになる。そこで、特許文献2では空調装置に座屈防止のスペーサを設けることが提案されている。しかし、エアフィルター全体の変形を防止することはできるものの、エアフィルターのプリーツ形状を保持することはできず、結果、プリーツが変形した場合にはフィルターの構造圧損が上昇し、フィルター寿命が短くなってしまう場合があった。
特開2017−70900号公報 特許第4992775号公報
本発明の課題は、自動車等、比較的温度変化の大きい環境下に配置されるエアフィルターにおいて、周囲の温度変化に対し、濾材の変形によるフィルターの構造圧損上昇を抑制し、フィルター寿命を長くでき、交換周期の間、性能を維持するエアフィルター用濾材及び該濾材を用いたエアフィルターを提供することである。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記発明を見出した。
(1)支持体と帯電不織布層からなるエアフィルター用濾材であり、該支持体は捲縮繊維を含有してなり、且つJIS L1913:2010に規定される引張強度の縦横比が40:60〜60:40であることを特徴とするエアフィルター用濾材。
(2)上記(1)に記載のエアフィルター用濾材を用いたエアフィルター。
本発明のエアフィルター用濾材は支持体と帯電不織布層からなり、該支持体は捲縮繊維を含有してなり、且つJIS L1913:2010に規定される引張強度の縦横比が40:60〜60:40であるため、周囲の温度変化に対し、濾材が均等に伸縮することにより、濾材内部に機械的ストレスが生じ難く、周囲の温度変化に強いエアフィルター用濾材を得ることができる。また、該濾材を用いたエアフィルターは周囲の温度変化により変形し難く、フィルターの構造圧損が上昇し難いため、フィルター寿命が伸び、交換周期内で高い集塵性能を維持することができるエアフィルターを得ることができる。
本発明のエアフィルター用濾材を用いたエアフィルターの評価として実施した温度サイクル試験の1サイクルの温度変化を表す図である。
本発明のエアフィルター用濾材は支持体と帯電不織布層からなるエアフィルター用濾材であり、該支持体は捲縮繊維を含有してなり、且つJIS L1913:2010に規定される引張強度の縦横比が40:60〜60:40であることを特徴とする。エアフィルターが使用中に変形する一因として、周囲の温度変化が挙げられる。周囲の温度が変化した場合、エアフィルターを構成する濾材は周囲温度に従い、伸縮する。その際、濾材を構成する繊維の配向や密度が不均一であると、微小部分での伸縮は不均一となり、結果、濾材内部に機械的ストレスが生じ、濾材を加工したプリーツが変形することにより、エアフィルターの構造圧損が上昇し、フィルター寿命が短くなる。故に、エアフィルターを構成する濾材の温度変化による伸縮が均等であれば、濾材を加工したプリーツは変形し難くなるため、エアフィルターの構造圧損上昇を抑制することができ、長寿命となる。一方、エアフィルター用濾材のJIS L1913:2010に規定される引張強度の縦横比は繊維の配向度合いを意味している。そのため、縦横比が1:1に近いほど、引張強度や該強度に伴う伸度は均一であり、周囲の温度変化に対し、変形し難くなる。そのため、本発明のエアフィルター用濾材の引張強度の縦横比は40:60〜60:40が好ましく、45:55〜55:45がより好ましく、48:52〜52:48が更に好ましい。引張強度の縦横比が40:60〜60:40の範囲外であると周囲の温度変化による伸縮が不均一となり、本発明の効果が得られない。また、縦方向の割合が低い場合、濾材をプリーツ加工する際に濾材が断紙する場合がある。
本発明のエアフィルター用濾材において、支持体に含有される捲縮繊維は捲縮を予め有している潜在捲縮繊維であっても、加熱により捲縮が顕在化する顕在捲縮繊維であっても良く、潜在捲縮繊維と顕在捲縮繊維とを併用しても良い。本発明における捲縮繊維としては熱収縮率の異なる樹脂を同時に押し出した偏心構造又はサイドバイサイド構造を有する複合繊維(コンジュゲート繊維)や繊維の表側と裏側とで熱処理等の処理の程度を異ならせて立体捲縮を発現させた捲縮繊維等の各種繊維が使用できる。立体捲縮繊維では、コイル形状、スパイラル形状等の三次元的捲縮を形成することが可能である。また、汎用の化学繊維に機械的な捲縮加工を施した機械的捲縮繊維であっても良い。本発明のエアフィルター用濾材においては、繊維化の工程で捲縮度合いが決まるコンジュゲート繊維が好ましい。コンジュゲート繊維の熱収縮率の異なる樹脂の組み合わせとしては、例えば、ポリエステル−低融点ポリエステル、ポリアミド−低融点ポリアミド、ポリエステル−ポリアミド、ポリエステル−ポリプロピレン、ポリプロピレン−低融点ポリプロピレン、ポリプロピレン−ポリエチレン等を例示できる。特に、ポリエステル−低融点ポリエステル又はポリプロピレン−低融点ポリプロピレンの組み合わせからなる潜在捲縮繊維は、化学的な耐性、柔軟性、及び伸縮性の点で優れているため好ましい。本発明のエアフィルター用濾材において、捲縮繊維は周囲の温度変化による濾材の伸縮を均一化するための微調整役を果たす。温度変化による伸縮を均一化するためには、濾材の微小部分における繊維密度を均一にする必要がある。しかしながら、プリーツ加工し易く、且つ、プリーツ形状を維持するためには、濾材の剛性を高くする必要があり、支持体には比較的太い繊維を配合することが好ましく、場合によっては、繊維密度が不均一になる可能性がある。その際に温度変化による微小部分の伸縮を吸収するバネの役割を捲縮繊維が果たす。
本発明における捲縮繊維の捲縮率は10〜30%が好ましく、12〜28%がより好ましく、15〜25%が更に好ましい。捲縮率が10%未満の場合、本発明の効果が得られ難く、30%を超えると、濾材の厚みが不均一になる場合や、プリーツ加工する際、反発が強く、加工し難くなる場合がある。
本発明における捲縮繊維の捲縮数は5〜25個/インチ(inch)が好ましく、8〜20個/インチがより好ましく、10〜15個/インチが更に好ましい。捲縮数が5個/インチ未満であると、本発明の効果が十分には得られない場合があり、25個/インチを超えると濾材の厚みが不均一になる場合がある。
本発明のエアフィルター用濾材の支持体における捲縮繊維の含有量は支持体の坪量に対し、10〜30質量%が好ましく、12〜28質量%がより好ましく、15〜25質量%が更に好ましい。10質量%未満であると、本発明の効果が十分には得られない場合があり、30質量%を超えると、濾材の厚みが厚くなり過ぎ、必要量の濾材がエアフィルターに入らなくなる場合や、反発が強くなり、プリーツ加工し難くなる場合がある。
本発明におけるエアフィルター用濾材の支持体において、捲縮繊維以外の繊維としては一般的な不織布に用いられる繊維を用いることができる。具体的には、合成繊維としてはポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリアクリル系、ビニロン系、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ベンゾエート、ポリクラール、フェノール系などの繊維が挙げられる。天然繊維としては、皮膜の少ない麻パルプ、コットンリンター、リント、再生繊維としては、リヨセル繊維、レーヨン、キュプラ、半合成繊維としては、アセテート、トリアセテート、プロミックス、無機繊維としては、アルミナ繊維、アルミナ・シリカ繊維、ロックウール、ガラス繊維、マイクロガラス繊維、ジルコニア繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミナウィスカ、ホウ酸アルミウィスカなどの繊維が挙げられる。上記の繊維の他に、植物繊維として、針葉樹パルプ、広葉樹パルプなどの木材パルプや藁パルプ、竹パルプ、ケナフパルプなどの木本類、草本類を使用することもできる。また、上記の繊維は、通気性を阻害しない範囲であれば、フィブリル化されていてもなんら差し支えない。更に、古紙、損紙などから得られるパルプ繊維等も使用することができる。また、断面形状がT型、Y型、三角等の異形断面を有する繊維も含有できる。上記繊維に例えば、液状バインダーを付与し、シート化し、支持体としても良いが、接着性成分を持つバインダー繊維を用いることができる。バインダー繊維としては、芯部よりも低融点である鞘部を持つ芯鞘型バインダー繊維や結晶性が低く、熱圧を加えることにより強い接着性能を示す未延伸バインダー繊維を用いることができる。
本発明における支持体に含まれる捲縮繊維及び捲縮繊維以外の繊維の平均単繊維径は要求仕様により適宜選択すれば良く、特に限定されるものでは無いが、通気性とプリーツ加工適性とのバランスより、2〜35μmが好ましく、5〜25μmがより好ましく、8〜20μmが更に好ましい。平均単繊維径が2μm未満の場合は支持体の強度が弱くなり、プリーツ加工適性が劣る場合や、圧損が高くなり過ぎる場合や、本発明の効果が不十分となる場合がある。一方、平均単繊維径が35μmを超えると、相対的に単位密度当たりの繊維本数が減少し、支持体として十分な強度が得られず、プリーツ加工適性が劣る場合がある。
本発明におけるエアフィルター用濾材の支持体は、抗菌剤、防カビ剤、抗ウィルス剤、抗アレルゲン剤、脱臭剤などを含有させることにより、その機能性を付与することができる。これら機能材は支持体をシート化する際に添加することにより、又は、シート化した後に含浸加工や塗工により、付与することができる。
本発明におけるエアフィルター用濾材の支持体の坪量は、30〜200g/mが好ましく、40〜150g/mがより好ましく、50〜120g/mが更に好ましい。30g/m未満の場合には、濾材の強度が不十分となる場合がある。また、200g/mを超えた場合には、圧力損失が高くなる場合や、エアフィルターを作製する際に、濾材の厚みが増し、必要量の濾材面積が収納できなくなる場合がある。
本発明におけるエアフィルター用濾材の支持体の厚みは、0.2〜1.2mmであることが好ましく、0.3〜1.0mmであることがより好ましく、0.4〜0.8mmであることが更に好ましい。厚みが1.2mmを超えると、エアフィルターを作製する際、収納できる濾材面積が少なくなり、フィルターの寿命が短くなる場合がある。一方、厚みが0.2mm未満の場合には、十分な強度が得られない場合がある。
本発明におけるエアフィルター用濾材の支持体の製造方法としては、JIS L1913:2010に規定される引張強度の縦横比が40:60〜60:40になれば良く、一般的な不織布の製造方法を用いることができる。カード法、エアレイド法、エアスルー法、湿式抄造法、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、スパンボンド法などの公知の方法から任意に選択することができる。
本発明のエアフィルター用濾材における帯電不織布層としては、エレクトレット加工されたスパンボンド不織布やメルトブロー不織布等が用いられ、高い集塵性能が得られるメルトブロー不織布が好ましい。帯電不織布層の繊維に使用される樹脂としてはポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレンなどの合成高分子材料などの高い電気抵抗率を有する材料が好ましく、低融点であり、メルトブロー不織布の製造が容易なポリプロピレンがより好ましい。また、帯電不織布層に使用される樹脂に、帯電性、耐候性、熱安定性、機械的特性、着色、表面特性、又はその他の特性を強化し改良するために、各種の添加剤を加えることができる。特に、エレクトレット加工を行うため、帯電性を強化する目的で、エレクトレット添加剤を含むことが好ましい。エレクトレット添加剤としては、ヒンダードアミン系化合物及びトリアジン系化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のエレクトレット添加剤が含まれていることが好ましい。
該ヒンダードアミン系化合物としては、ポリ[(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)](BASF・ジャパン社製、商品名:キマソーブ(登録商標)944LD)、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物(BASF・ジャパン社製、商品名:チヌビン(登録商標)622LD)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(BASF・ジャパン社製、商品名:チヌビン(登録商標)144)などが挙げられる。
また、該トリアジン系化合物としては、前述のポリ[(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)](BASF・ジャパン社製、商品名:キマソーブ(登録商標)944LD)、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−((ヘキシル)オキシ)−フェノール(BASF・ジャパン社製、商品名:チヌビン(登録商標)1577FF)などを挙げることができる。
本発明におけるエアフィルター用濾材の帯電不織布層には、上記の化合物の他に、熱安定剤、耐候剤、重合禁止剤等の一般にエレクトレット加工される不織布に使用されている通常の添加剤を添加することもできる。
本発明におけるエアフィルター用濾材の帯電不織布層に含まれる繊維の平均単繊維径は、0.1〜8.0μmであることが好ましく、0.5〜6.0μmがより好ましく、1.0〜4.0μmが更に好ましい。平均単繊維径が8.0μmを超えると、メルトブロー不織布の繊維間の空隙が大きくなり、捕集効率が低下する場合がある。一方、平均単繊維径が0.1μm未満では、繊維間の空隙が狭くなり、圧力損失が高くなる場合がある。
本発明におけるエアフィルター用濾材の帯電不織布層の坪量は10〜50g/mが好ましく、12〜40g/mがより好ましく、15〜30g/mが更に好ましい。坪量が50g/mを超えると、圧力損失が高くなる場合があり、逆に、坪量が10g/m未満であると、捕集効率が低下する場合がある。
本発明のエアフィルター用濾材において、支持体と帯電不織布層を形成する方法としては、支持体と帯電不織布層をそれぞれシート化した後、貼り合わせる方法や、支持体の上に直接、帯電不織布層を形成する方法などが使用される。本発明においては、支持体と帯電不織布層の選択の幅が広い、貼り合わせる方法が好ましい。また、支持体と帯電不織布層を貼り合わせる方法としては、支持体と帯電不織布層の間に粉状の接着剤を撒布して加熱接着するシンター方式、支持体と帯電不織布層の間にスプレーにて熱溶融状態の接着剤を噴霧して接着する方式、支持体と帯電不織布層を重ねて超音波溶着させる超音波方式などが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における部や百分率は断りの無い限り、すべて質量によるものである。
<捲縮繊維1〜9>
ポリエステル(融点:250℃)/低融点ポリエステル(融点:200℃)の組み合わせでサイドバイサイド構造を有する捲縮繊維であって、繊度1.2dtex(平均単繊維径11μm)、繊維長10mm、捲縮率と捲縮数が表1に示す値である捲縮繊維を捲縮繊維1〜9とした。
Figure 2021053558
<バインダー繊維>
芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部がイソフタル酸を共重合成分とするポリエチレンテレフタレートからなる非晶性の共重合ポリエステル(ガラス転移点:72℃)であり、繊度3.3dtex(平均単繊維径18μm)、繊維長10mm、芯部/鞘部の体積比が50/50の芯鞘型ポリエステル複合繊維をバインダー繊維とした。
<レギュラー繊維>
ポリエチレンテレフタレートからなる、繊度1.2dtex(平均単繊維径11μm)、繊維長7mmの延伸ポリエステル繊維をレギュラー繊維とした。
実施例1〜15及び比較例1〜3のエアフィルター用濾材及びエアフィルターを、以下のような工程にて作製した。
(支持体の作製)
2mの分散タンクに水を投入後、表1に示す繊維配合比率(%)で配合し、分散濃度0.2質量%で5分間分散して、坪量60g/mを目標にして、長網抄紙機を用いて、表1に示す引張強度の縦横比を目標値として、水流比を調整し、湿紙ウェブを得た。その後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、実施例1〜15及び比較例1〜3のエアフィルター用濾材の支持体を得た。
(帯電不織布層の作製)
ポリプロピレン(株式会社プライムポリマー製、商品名:S10AL)にヒンダードアミン系添加剤(BASF・ジャパン社製、商品名:キマソーブ(登録商標)944)を10ppm添加し、メルトブロー方式により得られた坪量20g/m、平均単繊維径3μmの不織布に、コロナ放電方式でエレクトレット加工を施すことにより、得られたメルトブロー不織布を、帯電不織布層に使用した。
(支持体と帯電不織布層の貼り合わせ)
該メルトブロー不織布と実施例1〜15及び比較例1〜3のエアフィルター用濾材の支持体との間に熱溶融状態の湿気硬化型ウレタン樹脂をスプレーにて噴霧して接着し、実施例1〜15及び比較例1〜3のエアフィルター用濾材を得た。
(エアフィルターの作製)
実施例1〜15及び比較例1〜3のエアフィルター用濾材について、加工温度120℃に設定したレシプロ式プリーツ加工機にて、毎分60山の速度にて、幅235mmにスリットしながら、山高さ28mmにてプリーツ加工を行った。その後、40山毎にプリーツを切り分け、ホットメルト接着剤を塗布した不織布枠を用いて、幅240mm、長さ200mm、厚さ30mmの実施例1〜15及び比較例1〜3のエアフィルターを作製した。
上記のようにして得られた実施例1〜15及び比較例1〜3のエアフィルター用濾材及びエアフィルターについて、下記のような測定及び評価を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 2021053558
(引張強度の縦横比)
実施例1〜15及び比較例1〜3のエアフィルター用濾材において、JIS L1913:2010に規定される引張強度を測定し、縦横比を求めた。該エアフィルター用濾材について、幅50mm、長さ300mmの試験片を流れ方向(縦方向)及び幅方向(横方向)で各5枚、該濾材の幅方向で間隔が均等になるように採取した。各試験片について、つかみ間隔200mm、引張速度100mm/minの条件にて試験片が破断するまで引っ張り、その際の最大荷重を各試験片の引張強度とし、各試験片5枚の引張強度の平均値を求めた。その後、縦方向及び横方向の引張強度の和を求め、縦方向及び横方法の引張強度の比率を算出し、縦横比とした。
(温度サイクル試験)
実施例1〜15及び比較例1〜3のエアフィルターについて、温度サイクル試験を行い、試験前後の圧損上昇を測定することにより、周囲の温度変化に対する影響の度合いを評価した。該エアフィルターは、JIS B9908:2011に従い、風量10m/minで通風したときの圧損を測定した。また、温度サイクル試験は可変恒温槽内にエアフィルターとブロワーを設置し、風量10m/minで通風し、恒温槽内の温度を図1のように変化させた。すなわち、70℃で30分→12分以内に20℃に下げる→20℃で30分→12分以内に70℃に上げるという温度変化を行った。そして、この図1の温度変化を1サイクルとして、10サイクル行った。評価は、試験前後の圧損上昇が10Pa以下を「◎」、10Pa超20Pa以下を「○」、20Pa超40Pa以下を「△」、40Paを超えると「×」とした。「△」以上が実使用レベルである。
実施例2及び比較例1の結果より、比較例1は捲縮繊維を含有していないため、周囲の温度変化により、濾材(プリーツ)が変形し、エアフィルターの圧損上昇が大きかった。
実施例1〜3及び比較例2〜3の結果より、比較例2〜3はエアフィルター用濾材の引張強度の縦横比が40:60〜60:40の範囲外であるため、濾材(プリーツ)が変形し、エアフィルターの圧損上昇が大きかった。また、比較例2のエアフィルター用濾材の引張強度は縦方向の割合が小さく、引張強度が弱いため、プリーツ加工時に断紙する場合があった。
実施例2及び4〜7の結果より、捲縮繊維の含有量は支持体の10〜30%が好ましい。実施例4のエアフィルター用濾材は実施例2及び5〜6と比べると、本発明の効果が小さく、実使用上問題無いレベルであるが、濾材(プリーツ)が変形し、エアフィルターの圧損上昇が大きかった。また、実施例7のエアフィルター用濾材は実施例2及び5〜6のエアフィルター用濾材と比べると、プリーツ加工時の反発が大きく、加工し難かった。エアフィルター作製後もプリーツ同士が接触し易く、実使用上問題無いレベルであるが、エアフィルターの圧損上昇が大きかった。
実施例2及び8〜11の結果より、捲縮繊維の捲縮率は10〜30%が好ましい。実施例8のエアフィルター用濾材は捲縮率が5%であるため、実施例2及び9〜10のエアフィルター用濾材と比べると、本発明の効果が小さく、実使用上問題無いレベルであるが、濾材(プリーツ)の変形により、エアフィルターの圧損上昇が大きかった。また、実施例11のエアフィルター用濾材は捲縮率が40%であるため、実施例2及び9〜10のエアフィルター用濾材と比べると、プリーツ加工時の反発が大きく、加工し難かった。エアフィルター作製後もプリーツ同士が接触し易く、実使用上問題無いレベルであるが、エアフィルターの圧損上昇が大きかった。
実施例2及び12〜15の結果より、捲縮繊維の捲縮数は5〜25個/インチが好ましい。実施例12のエアフィルター用濾材の捲縮数は3個/インチであるため、実施例2及び13〜14と比べると、本発明の効果が小さく、実使用上問題無いレベルであるが、濾材(プリーツ)の変形が大きく、エアフィルターの圧損上昇が大きかった。また、実施例15のエアフィルター用濾材は捲縮数が30個/インチであるため、実施例2及び13〜14のエアフィルター用濾材と比べると、濾材の厚みが不均一であり、実使用上問題無いレベルであるが、プリーツ同士が接触し易く、エアフィルターの圧損上昇が大きかった。
本発明のエアフィルター用濾材及び該濾材を用いて作製されたエアフィルターはビル、工場、一般家庭などで使用される空調機や空気清浄機などに使用され、特に周囲の温度変化が大きい自動車エアコン用に効果が顕著であるエアフィルター用濾材及び該濾材を用いたエアフィルターに利用できる。

Claims (2)

  1. 支持体と帯電不織布層からなるエアフィルター用濾材であり、該支持体は捲縮繊維を含有してなり、且つJIS L1913:2010に規定される引張強度の縦横比が40:60〜60:40であることを特徴とするエアフィルター用濾材。
  2. 請求項1記載のエアフィルター用濾材を用いたエアフィルター。
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