JP2021052660A - 細胞懸濁液を調製するための容器および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造を有し、かつ簡単な操作で、コンタミネーション発生のリスクを下げながら、効率よく細胞懸濁液を調製することができる手段を提供すること。【解決手段】本発明は、細胞懸濁液を調製するための容器であって、可撓性材料により作製され、内部空間が弱シール部により、細胞懸濁液を収容するための第一区画と、第一区画と隣接する希釈液を収容するための第二区画とに区分されている、前記容器に関する。【選択図】 なし
Description
本発明は、細胞懸濁液を調製するための容器および方法に関する。
近年、損傷した組織等の修復のために、種々の細胞を移植する試みが行われている。例えば、狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患により損傷した心筋組織の修復のために、胎児心筋細胞、骨格筋芽細胞、間葉系幹細胞、心臓幹細胞、ES細胞、iPS細胞等の利用が試みられている(非特許文献1)。
このような試みの一環として、スキャフォールドを利用して形成した細胞構造物や、細胞をシート状に形成したシート状細胞培養物が開発されてきた(例えば、特許文献1〜3参照)
再生医療に基づく新たな治療方法の確立とともに、自家細胞を凍結させて保存し、人工組織やシート状細胞培養物などの三次元構造体を形成したり、直接細胞を移植したりする際に、かかる凍結保存細胞を融解して自家細胞を回収し、それを用いて治療を行う機会が近年増加してきている。
この方法でシート状細胞培養物を形成する場合、通常よりも多くの細胞を必要とするため、細胞を凍結および/または融解する際に、細胞に物理化学的ダメージを極力与えない工夫がされている。一般的に、凍結された細胞は凍結用培地と共に懸濁して凍結細胞保存用容器(クライオチューブなど)に収容して凍結させ、病院に移送して温浴に供することで、凍結細胞保存用容器内の凍結保存細胞を融解する作業が必要である。(特許文献4、5)。
そして、凍結保存細胞を融解して生細胞を回収する際、融解した細胞懸濁液中にある細胞毒性成分の影響を低減させるためなどの目的で、融解した細胞懸濁液に希釈液などを加えて希釈する必要がある。この際に、希釈液注入速度を制御することで、急激な浸透圧変化によって死に至る細胞数を減少させ、それにより回収可能な生細胞数を向上させることができるシステムが開示されている(特許文献6)。
Haraguchi et al., Stem Cells Transl Med. 2012;1(2):136-41
上記のようなシステムは、動作部や制御部を実現するための構造が複雑で、製造コストが高く、操作が複雑であった。また、細胞懸濁液を調製して生細胞を確実に回収するためには、コンタミネーション発生のリスクを下げるために、クリーンルームでの作業が必要であった。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、簡単な構造を有し、かつ簡単な操作で、コンタミネーション発生のリスクを下げながら、効率よく細胞懸濁液を調製することができる手段を提供することにある。
すなわち本発明は、以下に関する。
[1]細胞懸濁液を調製するための容器であって、可撓性材料により作製され、内部空間が弱シール部により、細胞懸濁液を収容するための第一区画と、第一区画と隣接する希釈液を収容するための第二区画とに区分されている、前記容器。
[2]第二区画が、弱シール部によりさらに複数の区画に区分されている、[1]に記載の容器。
[3]複数の区画が、異なる容積を有する、[2]に記載の容器。
[4]複数の区画の容積が、第一区画に近接するほど小さくなるように構成されている、[2]または[3]に記載の容器。
[5]弱シール部の剥離強度が、第一区画に近接するほど低くなるように構成されている、[2]〜[4]のいずれかに記載の容器。
[6]底部がテーパー状に構成されている、[1]〜[5]のいずれかに記載の容器。
[7]細胞懸濁液用の注入口、希釈液用の注入口、培地用の注入口、細胞回収のための回収口、および上清排出のための排出口からなる群から選択される1以上をさらに含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の容器。
[1]細胞懸濁液を調製するための容器であって、可撓性材料により作製され、内部空間が弱シール部により、細胞懸濁液を収容するための第一区画と、第一区画と隣接する希釈液を収容するための第二区画とに区分されている、前記容器。
[2]第二区画が、弱シール部によりさらに複数の区画に区分されている、[1]に記載の容器。
[3]複数の区画が、異なる容積を有する、[2]に記載の容器。
[4]複数の区画の容積が、第一区画に近接するほど小さくなるように構成されている、[2]または[3]に記載の容器。
[5]弱シール部の剥離強度が、第一区画に近接するほど低くなるように構成されている、[2]〜[4]のいずれかに記載の容器。
[6]底部がテーパー状に構成されている、[1]〜[5]のいずれかに記載の容器。
[7]細胞懸濁液用の注入口、希釈液用の注入口、培地用の注入口、細胞回収のための回収口、および上清排出のための排出口からなる群から選択される1以上をさらに含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の容器。
[8]細胞懸濁液を調製するための方法であって、可撓性材料により作製され、内部空間が弱シール部により、細胞懸濁液を収容するための第一区画と、第一区画と隣接する希釈液を収容するための第二区画とに区分されている、容器を供するステップ、および容器を押圧して弱シール部を解放し、第一区画に収容されている細胞懸濁液を第二区画に収容されている希釈液と混合するステップを含む、前記方法。
[9]混合するステップの前に、細胞懸濁液を収容するステップ、および/または希釈液を収容するステップをさらに含む、[8]に記載の方法。
[10]混合するステップの前かつ収容するステップの後に、容器を凍結に供するステップをさらに含む、[9]に記載の方法。
[11]凍結に供するステップの後に、容器を融解に供するステップをさらに含む、[10]に記載の方法。
[12]希釈液を収容するステップが、融解に供するステップの後である、[11]に記載の方法。
[13]シート状細胞培養物の適用により改善される疾患を処置する方法であって、[1]〜[7]のいずれかに記載の容器を使用して調製された細胞、または[8]〜[12]のいずれかに記載の方法で調製された細胞を使用して製造されたシート状細胞培養物を、それを必要とする対象に適用することを含む、前記方法。
[9]混合するステップの前に、細胞懸濁液を収容するステップ、および/または希釈液を収容するステップをさらに含む、[8]に記載の方法。
[10]混合するステップの前かつ収容するステップの後に、容器を凍結に供するステップをさらに含む、[9]に記載の方法。
[11]凍結に供するステップの後に、容器を融解に供するステップをさらに含む、[10]に記載の方法。
[12]希釈液を収容するステップが、融解に供するステップの後である、[11]に記載の方法。
[13]シート状細胞培養物の適用により改善される疾患を処置する方法であって、[1]〜[7]のいずれかに記載の容器を使用して調製された細胞、または[8]〜[12]のいずれかに記載の方法で調製された細胞を使用して製造されたシート状細胞培養物を、それを必要とする対象に適用することを含む、前記方法。
本発明によれば、簡単な構造を有するため、製造コストを低く抑えることができ、かつ簡単な操作で、効率よく細胞懸濁液を調製することができるため、作業者の手技に依存することなく、作業レベルを均一化することができる。
本発明によれば、細胞懸濁液の調製を細胞懸濁液を外気に曝すことなく無菌的に行うことができ、コンタミネーション発生のリスクを下げることができる。また、簡単な操作で有害物質を適性に除去でき、作業を均一化できるため、細胞の生存率が向上する。
本発明によれば、細胞懸濁液の調製を細胞懸濁液を外気に曝すことなく無菌的に行うことができ、コンタミネーション発生のリスクを下げることができる。また、簡単な操作で有害物質を適性に除去でき、作業を均一化できるため、細胞の生存率が向上する。
本発明によれば、凍結保存細胞の融解を簡単な機構で効率良く迅速に行うことができ、また、細胞懸濁液の収集を簡単な機構で効率良く無菌的に行うことができ、さらに、収集された細胞懸濁液を周囲を汚染することなく迅速に無菌的に隣接する区画に移送することができる。したがって、細胞懸濁液の希釈などの次のステップに、素早く移行することができ、細胞毒性成分の細胞への影響を最小限に抑えることができるため、細胞の生存率が向上する。
本発明によれば、細胞懸濁液の希釈時の浸透圧負荷を簡単な機構で制御でき、急激な浸透圧変化によって死に至る細胞数を減少させ、それにより回収可能な生細胞数を向上させる。とくに融解後に増殖培養を経ずに使用する場合であっても、十分な生細胞数を確保することが可能となる。
本発明は、1つの側面において、細胞懸濁液を調製するための容器であって、可撓性材料により作製され、内部空間が弱シール部により、細胞懸濁液を収容するための第一区画と、第一区画と隣接する希釈液を収容するための第二区画とに区分されている、前記容器に関する。
本発明の一態様において、細胞懸濁液は、凍結保存細胞を融解(解凍)して得られたものである。
本発明の一態様において、細胞懸濁液は、凍結保存細胞を融解(解凍)して得られたものである。
本発明において、「凍結保存細胞」とは、通常は凍結保存された細胞そのものを意味するが、凍結保存された細胞の1つの凍結保存単位を意味することもある。この場合、凍結保存単位とは、例えば1つのチューブなど、1群として一緒に凍結保存される細胞群を意味する。したがってこの場合、「凍結保存細胞」を融解した場合、凍結されていた「細胞懸濁液」が得られることとなる。
本発明において、「希釈時の浸透圧負荷」とは、希釈液を加えたことによって変化する浸透圧の単位時間当たりの変化率を意味する。浸透圧負荷は、希釈液の添加速度(単位時間当たりの添加量)や、希釈液と希釈対象の液(例えば融解した細胞懸濁液など)との浸透圧の差などの因子により変化する。「最大浸透圧負荷」とは、希釈開始から希釈終了までの間に、希釈液の添加により変化する浸透圧負荷のうち、最大の数値を意味する。
本発明は、凍結保存細胞を融解して得られた細胞懸濁液を希釈し、その希釈時の浸透圧変化を十分緩慢にすることを特徴とするものである。通常凍結保存細胞を融解して生細胞を回収する際、融解した細胞懸濁液中にある細胞毒性成分の影響を低減させるためなどの目的で、融解した細胞懸濁液に培養培地などを加えて希釈する。本発明者らは、かかる希釈の工程において急激に希釈すると、懸濁液の浸透圧の急激な変化により細胞に与えられるダメージにより、細胞の生存率が低下してしまうことを見出した。
希釈時の浸透圧変化が十分緩慢であれば、細胞に与えられるダメージが低減され、生細胞の回収量が増大する。浸透圧変化を緩慢にする方法は、例えば希釈液を添加する速度を遅くする、細胞懸濁液と浸透圧差の少ない希釈液を用いるなど、当該技術分野において知られたあらゆる方法を用いてよいが、例えば細胞毒性を有する希釈液を用いないなど、浸透圧負荷以外のダメージを与えないことが好ましい。
本発明において用い得る希釈液は特に限定されないが、細胞に物理化学的ダメージを与えないものが好ましい。希釈液の例としては、これに限定するものではないが、例えばDMEM培地などの液体培地、ハンクス平衡塩溶液、PBSなどの緩衝液、生理食塩水などの等張液、蒸留水などが挙げられる。また、これらにさらにアルブミンなど他の成分が添加されていてもよい。
本明細書においては、単位Osmは浸透圧の単位として用いており、1Osmは1mol/Lの理想溶液の有する浸透圧と等価な浸透圧を意味するものである。また、希釈時の浸透圧負荷は、室温条件下における1秒あたりの浸透圧の変化(単位:Osm/秒)として表しているが、浸透圧変化の大きさを表現できる単位であればどんな単位を用いてもよく、これに限定するものではないが、例えば希釈液の添加速度、体積または重量の増加速度などが挙げられる。
浸透圧負荷は、浸透圧変化をリアルタイムで計測してもよいし、ある2つの時点での浸透圧を求め、その間の単位時間当たりの平均変化として求めてもよい。ある時間幅において一定の速度で希釈液を添加している場合、同一の希釈液を添加している限りにおいては、一般的に、希釈液添加開始時点での浸透圧負荷がその時間幅における浸透圧負荷の最大値となり、希釈液の添加量が増大するにつれて浸透圧負荷は減少していくと考えられる。したがって、ある態様において、一定の速度で同一の希釈液を添加している場合、希釈液添加開始時の浸透圧およびその単位時間後(例えば本発明の上記例においては1秒後)の浸透圧を求め、両時点での浸透圧の差分をその希釈における最大浸透圧負荷とみなす。
本発明において、細胞懸濁液の「希釈」とは、細胞懸濁液と希釈液とを混合して、細胞懸濁液を希釈液で希釈することをいう。したがって、本発明の希釈は、第一区画内の細胞懸濁液を第二区画に移送し、第二区画内の希釈液と混合すること、第二区画内の希釈液を第一区画に移送し、第一区画内の細胞懸濁液と混合すること、および、弱シール部を解放して接続された第一区画と第二区画とで区分された区画内で、細胞懸濁液と希釈液とを混合することを含む。本発明において、「希釈液の添加」は、
細胞懸濁液と希釈液とが混合されることを含む。一態様において、細胞の回収率を上げるために、細胞懸濁液を移送した後の区画を希釈液でリンスすることもでき、かかるリンス液も本発明の希釈液に含まれる。
細胞懸濁液と希釈液とが混合されることを含む。一態様において、細胞の回収率を上げるために、細胞懸濁液を移送した後の区画を希釈液でリンスすることもでき、かかるリンス液も本発明の希釈液に含まれる。
本方法に用いることができる細胞の例としては、限定されずに、接着細胞(付着性細胞)を含む。接着細胞は、例えば、接着性の体細胞(例えば、心筋細胞、線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞、肝細胞、膵細胞、腎細胞、副腎細胞、歯根膜細胞、歯肉細胞、骨膜細胞、皮膚細胞、滑膜細胞、軟骨細胞など)および幹細胞(例えば、筋芽細胞、心臓幹細胞などの組織幹細胞、胚性幹細胞、iPS(induced pluripotent stem)細胞などの多能性幹細胞、間葉系幹細胞等)などを含む。体細胞は、幹細胞、特にiPS細胞から分化させたものであってもよい。シート状細胞培養物を形成し得る細胞の非限定例としては、例えば、筋芽細胞(例えば、骨格筋芽細胞など)、間葉系幹細胞(例えば、骨髄、脂肪組織、末梢血、皮膚、毛根、筋組織、子宮内膜、胎盤、臍帯血由来のものなど)、心筋細胞、線維芽細胞、心臓幹細胞、胚性幹細胞、iPS細胞、滑膜細胞、軟骨細胞、上皮細胞(例えば、口腔粘膜上皮細胞、網膜色素上皮細胞、鼻粘膜上皮細胞など)、内皮細胞(例えば、血管内皮細胞など)、肝細胞(例えば、肝実質細胞など)、膵細胞(例えば、膵島細胞など)、腎細胞、副腎細胞、歯根膜細胞、歯肉細胞、骨膜細胞、皮膚細胞等が挙げられる。本明細書においては、単層の細胞培養物を形成するもの、例えば、筋芽細胞または心筋細胞などが好ましく、とくに好ましくは骨格筋芽細胞またはiPS細胞由来の心筋細胞である。
上述のとおり、融解により得られた細胞懸濁液は細胞毒性成分(例えばDMSOなど)を含み得るため、希釈することで該細胞毒性成分の影響を低減することができる。本発明は、この希釈の際に浸透圧変化を十分緩慢にする、すなわち浸透圧負荷を十分小さくすることにより、融解細胞の生存率を増大させることに特徴を有するものである。
本発明において、「十分緩慢な浸透圧変化」の閾値は、用いる細胞、融解の条件、温度などにより変化し得る。例えば通常の凍結保存液(例えば10%程度のDMSOを含有するDMEM培地など)および通常の希釈液(例えば市販のDMEM培地など)を用いる場合、ある態様において最大浸透圧負荷は約250mOsm/秒以下であり、約220mOsm/秒であることが好ましい。より好ましくは約100mOsm/秒以下であり、さらに好ましくは約50mOsm/秒以下である。
また、希釈に時間をかけすぎると、例えば細胞懸濁液中の細胞毒性成分の影響で、浸透圧負荷以外の理由によるダメージが細胞に与えられてしまう場合があるため、この観点からは速やかに希釈されることが好ましい。本発明の方法においては、最大浸透圧負荷の下限値は特に設定されなくてもよいが、通常の凍結保存液(例えば10%程度のDMSOを含有するDMEM培地など)および通常の希釈液(例えば市販のDMEM培地など)を用いる場合であれば、約2mOsm/秒以上が好ましく、約20mOsm/秒以上がより好ましく、約40mOsm/秒以上がさらに好ましい。
したがって本発明の方法の好ましい一態様において、最大浸透圧負荷は、2mOsm/秒〜250mOsm/秒であり、より好ましくは2mOsm/秒〜220mOsm/秒であり、さらに好ましくは20mOsm/秒〜100mOsm/秒であり、回収可能な生細胞量の観点から、最も好ましくは40mOsm/秒〜50mOsm/秒である。
上述のとおり、本発明の方法において、融解した細胞懸濁液に最初に添加される希釈液が最大浸透圧負荷に最も影響しやすい。したがって、本発明の一態様において、最大浸透圧負荷は、希釈開始から3倍に希釈されるまでの間の最大浸透圧負荷であり、別の一態様においては、2倍に希釈されるまでの間の最大浸透圧負荷である。
本発明の好ましい一態様において、希釈は浸透圧を計測して最大浸透圧負荷を調節しながら行われる。浸透圧の計測は常時継続的に行われてもよいし、例えば1秒ごと、10秒ごと、30秒ごと、1分ごとなど、特定の時間間隔で行われてもよい。浸透圧の計測方法は、当該技術分野において知られたあらゆる方法を用いることができ、これに限定するものではないが、例えばオスモメーターなどを用いて計測することができる。
本発明において、「容器」とは、細胞懸濁液を調製するための内部空間を有する袋状の容器をいう。容器は、液体を内部に収容して押圧すると変形し、かかる変形により液体の移動が起こるように、可撓性材料により作製されている。
本発明において、「シール部」とは、容器の向かい合う面同士を接着(シール)して形成される部分をいう。「弱シール部」とは、移動した液体により押された際に剥離して解放されるシール部のことをいい、「強シール部」とは、移動した液体により押された際に剥離しないシール部のことをいう。本発明の容器は、例えば、2枚の可撓性フィルムを重ね、縁部を接着して強シール部を形成することで得ることができる。
本発明において、「シール部」とは、容器の向かい合う面同士を接着(シール)して形成される部分をいう。「弱シール部」とは、移動した液体により押された際に剥離して解放されるシール部のことをいい、「強シール部」とは、移動した液体により押された際に剥離しないシール部のことをいう。本発明の容器は、例えば、2枚の可撓性フィルムを重ね、縁部を接着して強シール部を形成することで得ることができる。
本発明において、細胞懸濁液の「調製」は、細胞懸濁液の融解、収集、移送、希釈、リンスなどを含む。細胞懸濁液の「融解」とは、凍結保存細胞を融解して、細胞懸濁液を得ることをいい、細胞懸濁液の融解は、区画内に収容された凍結保存細胞を融解してもよいし、別の容器で凍結保存細胞を融解してもよい。細胞懸濁液の「収集」とは、第一区画内に収容された細胞懸濁液を収集することをいい、複数の区画に区分されている第一区画内に収容された細胞懸濁液を収集することを含む。
本発明において、細胞懸濁液の「移送」とは、細胞懸濁液を1つの区画から別の区画に移動させることをいい、一態様において、移送は、第一区画を押圧して、第一区画に収容されている細胞懸濁液で弱シール部を剥離し、第一区画と第二区画とを接続し、第二区画に細胞懸濁液を移動することで達成される。
本発明の別の側面は、シート状細胞培養物の適用により改善される疾患を処置する方法であって、本発明の容器を使用して調製された細胞、または本発明の方法で調製された細胞を使用して製造されたシート状細胞培養物を、それを必要とする対象に適用することを含む前記方法に関する。
本発明の処置方法は、本発明の方法で調製された細胞を使用して製造されたシート状細胞培養物をそれを必要とする対象に適用するステップを含んでもよい。本発明の処置方法は、シート状細胞培養物を製造するステップの前に、対象からシート状細胞培養物を製造するための細胞または細胞の供給源となる組織を採取するステップをさらに含んでもよい。一態様において、細胞または細胞の給源となる組織を採取する対象は、シート状細胞培養物または組成物等の投与を受ける対象と同一の個体である。別の態様において、細胞または細胞の供給源となる組織を採取する対象は、シート状細胞培養物または組成物等の投与を受ける対象とは同種の別個体である。別の態様において、細胞または細胞の給源となる組織を採取する対象は、シート状細胞培養物または組成物等の投与を受ける対象とは異種の個体である。
本発明において、用語「対象」は、任意の生物個体、好ましくは動物、さらに好ましくは哺乳動物、さらに好ましくはヒトの個体を意味する。本発明において、対象は健常であっても、何らかの疾患に罹患していてもよいものとするが、シート状細胞培養物の適用により改善される疾患(例えば、組織の異常に関連する疾患など)の処置が企図される場合には、典型的には当該疾患に罹患しているか、罹患するリスクを有する対象を意味する。
また、用語「処置」は、疾患の治癒、一時的寛解または予防などを目的とする医学的に許容される全ての種類の予防的および/または治療的介入を包含するものとする。例えば、「処置」の用語は、シート状細胞培養物の適用により改善される疾患(例えば、組織の異常に関連する疾患など)の進行の遅延または停止、病変の退縮または消失、当該疾患発症の予防または再発の防止などを含む、種々の目的の医学的に許容される介入を包含する。
本発明において、有効量とは、例えば、疾患の発症や再発を抑制し、症状を軽減し、または進行を遅延もしくは停止し得る量(例えば、シート状細胞培養物のサイズや重量、枚数など)であり、好ましくは、当該疾患の発症および再発を予防し、または当該疾患を治癒する量である。また、投与による利益を超える悪影響が生じない量が好ましい。かかる量は、例えば、マウス、ラット、イヌまたはブタなどの実験動物や疾患モデル動物における試験などにより適宜決定することができ、このような試験法は当業者によく知られている。また、処置の対象となる組織病変の大きさは、有効量決定のための重要な指標となり得る。
適用方法としては、典型的には組織への直接的な適用が挙げられる。適用頻度は、典型的には1回の処置につき1回であるが、所望の効果が得られない場合などには、複数のシートを適用することも可能である。組織への直接的な適用は、例えば本発明のシート状細胞培養物等を組織の疾患部位に貼付するように適用する方法などが用いられる。
処置の対象となる組織(適用組織)としては、限定されずに、例えば、心臓(心筋)、角膜、網膜、食道、皮膚、関節、軟骨、肝臓、膵臓、歯肉、腎臓、甲状腺、骨格筋、中耳などが挙げられる。また、処置の対象となる疾患としては、限定されずに、例えば、心疾患(例えば、心筋傷害(心筋梗塞、心外傷等)、心筋症(虚血性心筋症、拡張型心筋症、拡張相肥大型心筋症等)など)、角膜疾患(例えば、角膜上皮幹細胞疲弊症、角膜損傷(熱・化学腐食)、角膜潰瘍、角膜混濁、角膜穿孔、角膜瘢痕、スティーブンス・ジョンソン症候群、眼類天疱瘡など)、網膜疾患(例えば、網膜色素変性症、加齢黄斑変性症など)、食道疾患(例えば、食道手術(食道ガン除去)後の食道の炎症・狭窄の予防など)、皮膚疾患(例えば、皮膚損傷(外傷、熱傷)など)、関節疾患(例えば、変形性関節炎など)、軟骨疾患(例えば、軟骨の損傷など)、肝疾患(例えば、慢性肝疾患など)、膵臓疾患(例えば、糖尿病など)、歯科疾患(例えば、歯周病など)、腎臓疾患(例えば、腎不全、腎性貧血、腎性骨異栄養症など)、甲状腺疾患(例えば、甲状腺機能低下症など)、筋疾患(例えば、筋損傷、筋炎など)、中耳疾患(例えば、中耳炎など)が挙げられる。
適用組織が心臓などの臓器である場合など、適用箇所が拍動や蠕動運動などにより頻繁に動く場合、本発明のシート状細胞培養物等を貼付するだけでは適用箇所から脱落してしまう場合がある。したがって本発明の処置方法の好ましい一態様において、本発明のシート状細胞培養物等を疾患部位に適用した後、貫通部位に縫合針などを通して本発明のシート状細胞培養物等を縫合固定することが含まれる。これにより疾患部位に適用された本発明のシート状細胞培養物等が、適用箇所から脱落することを防止できる。
以下、本発明を、図面を参照しつつ、好適な実施形態に基づき、詳細に説明する。なお、図中の各部材の大きさは説明のために適宜強調されており、実際の比率、大きさを示すものではない。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る容器について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る容器を概念的に示す正面図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る容器の変形例を概念的に示す正面図である。図1および図2において、容器の変形例を容器B’、容器B’’、容器B’’’、容器B’’’’として説明するが、これらを総称して容器Bという場合がある。また、細胞懸濁液および希釈液を総称して液体という場合がある。
まず、本発明の第1実施形態に係る容器について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る容器を概念的に示す正面図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る容器の変形例を概念的に示す正面図である。図1および図2において、容器の変形例を容器B’、容器B’’、容器B’’’、容器B’’’’として説明するが、これらを総称して容器Bという場合がある。また、細胞懸濁液および希釈液を総称して液体という場合がある。
図1A〜図1Cに示されるように、容器Bは、細胞懸濁液を調製するための内部空間を有する袋状の構造を有しており、液体を内部に収容して押圧すると変形し、かかる変形により液の移動が起こるように、可撓性材料により作製されている。容器Bは、内部空間が弱シール部(点線)により、細胞懸濁液を収容するための第一区画1(波括弧1)と、第一区画1と隣接する希釈液を収容するための第二区画2(波括弧2)とに区分されている。第一区画1と第二区画2とは、弱シール部を挟んで隣接している。
そして、第一区画1に細胞懸濁液を収容し、第二区画2に希釈液を収容した状態で、第一区画1を押圧すると、細胞懸濁液の移動(移送)が起こり、細胞懸濁液により押された弱シール部が剥離して解放され、第一区画1と第二区画2とが接続(連通)される。この際に、第二区画2を押圧することで、第一区画1と第二区画2とを接続することもできる。すなわち、本発明において、弱シール部を挟んで隣接している2つの区画のどちらか(または両方)を押圧すると、弱シール部が解放され、2つの区画が接続された新たな区画が形成される。
上記のように、細胞懸濁液の希釈は、細胞懸濁液と希釈液とを混合することで達成されるが、かかる混合は、弱シール部を解放し、第一区画1と第二区画2とを接続することで達成できる。この際に、押圧部分と押圧力とをコントロールしながら、弱シール部を徐々に解放することで、細胞懸濁液と希釈液との混合をコントロールすることで、希釈時の浸透圧変化を十分緩慢にすることもできる。本発明において、弱シール部を挟んで隣接している2つの区画を接続すると、かかる2つの区画に収容されている2つの液体を周囲を汚染することなく混合することができる。
第一区画1への細胞懸濁液の収容は、クリーンルームなどで行うことができる。そして、第一区画1に収容された細胞懸濁液を容器Bごと凍結させることで、細胞懸濁液(凍結保存細胞)を長期保存することができる。凍結保存細胞の融解は、例えば、容器Bを温浴に供することで達成することができる。融解して得られた細胞懸濁液は、第一区画1を押圧して第二区画2に移送することで、希釈液と混合することができる。すなわち、本発明の容器を使用することで、細胞懸濁液の融解、移送、希釈という一連の作業を無菌的に行う事ができる。希釈液は、予め第二区画2に収容して細胞懸濁液と共に凍結保存しておくか、あるいは融解後に第二区画2に収容することができる。
図1A〜図1Cに示されるように、第二区画2は、さらに複数の区画に区分することもできる。そして、第一区画1と、複数の区画の1つの区画とを接続して新たな区画を形成し、かかる新たな区画と、複数の区画の別の区画とを接続してさらに新たな区画を形成することもできる。すなわち、第一区画1に収容されている細胞懸濁液に対する希釈液の添加量を徐々に増加させていくことで、希釈時の浸透圧変化を十分緩慢にすることもできる。
図1A〜図1Cに示されるように、複数の区画2’、2’’、2’’’は、異なる容積を有するように区分することもできる。区画2’の容積は、区画2’’の容積より小さく、区画2’’の容積は、区画2’’’の容積より小さい。そして、細胞懸濁液と希釈液とを混合する際に、例えば、上記のように第一区画1に対して複数の区画2’の夫々の区画2’を順番に接続していくことで、希釈液の添加量を徐々に増加させていくことができる。区画2’、2’’、2’’’の容積の比率は、例えば、1:4:6とすることができる。
細胞懸濁液に対してある程度の量の希釈液が混合されると、さらに希釈液を混合しても急激な浸透圧変化は起こりにくいと考えられる。したがって、第一区画1と複数の区画2’とが接続された後に、これらを接続して形成された新たな区画と、区画2’’とを接続し、次に区画2’’’を接続することで、希釈液の添加量を増加させることができる。これにより、細胞懸濁液の希釈に係る作業を迅速化することができる。
図1Aおよび図1Bに示されるように、第一区画1を容器B’、B’’の上部に位置付けて、下部に位置付けられた第二区画2と接続していく場合、複数の区画2’、2’’、2’’’の容積が、第一区画1に近接するほど小さくなるように構成することで、上記のように細胞懸濁液の希釈に係る作業を迅速化することができる。容器B’、B’’は、上下を反転させて、第一区画1を容器B’、B’’の下部に位置付け、上部に位置付けられた第二区画2を順に接続していくこともできる。この場合、細胞が下部に沈降しやすくなるため、細胞の回収が容易になる。
また、このように隣接する区画同士を順番に接続させていく場合、接続される区画の容積が増加し、弱シール部を押す力も増加していくと考えられる。したがって、弱シール部の剥離強度は、第一区画1に近接するほど低くなるように構成することが好ましい。弱シール部の形成や、その際の剥離強度の調節が容易になるように、図1Bに示されるように、弱シール部の接着方向を揃えることが好ましい。図1Cに示されるように、第一区画1を容器B’’’の下部に位置付けて、上部に位置付けられた第二区画2の複数の区画2’、2’’、2’’’を順に接続していくこともできる。
第一区画1と、第二区画2の複数の区画2’、2’’、2’’’とが接続され、細胞懸濁液の希釈が終了すると、容器Bを開封して希釈された細胞懸濁液を取り出し、遠沈管などに収容して遠心分離機にかけることで、分離された細胞を回収することができる。細胞の回収は、細胞懸濁液の希釈が終了した容器B自体を遠心分離機にかけ、細胞を容器Bの底部方向に分離させ、容器Bを開封してスポイトなどで沈殿した細胞を回収することで達成することもできる。
図2は、上記で述べた容器B’’の底部がテーパー状に構成されている、容器B’’’’を示す。容器B’および容器B’’’も同様に、底部をテーパー状にすることで形成されるテーパー部Tを有していてもよい。このように、容器Bの底部をテーパー状に構成することで、遠心分離機にかけられた際に、細胞がテーパー部Tに集まるようにすることができる。そして、テーパー部Tの下端部に設けられた、細胞回収のための回収口4から、細胞を回収することもできる。
また、遠心分離後に、上清排出のための排出口5を開放して上清を排出し、希釈液用の注入口3から追加の希釈液を添加し、遠心分離機にかけることを繰り返すことで、細胞をより適切に洗浄することもできる。そして、上清を排出した後に、培地用の注入口6から培地を注入して懸濁し、回収口4を開放することで、細胞を播種することもできる。
注入口3は、第一区画1に細胞懸濁液を注入して収容するための注入口として使用することもできる。第二区画2に希釈液を注入して収容するための注入口を設けることもできる。注入口3は、容器B内に残留している細胞をリンスできるように、容器Bの最上部に設けることが好ましい。回収口4は、集めされた細胞を効率よく回収できるように、容器Bの最下部に設けることが好ましい。
排出口5は、上清を排出する際に、細胞まで排出されることがないように、容器Bの回収口4より上の位置に設けることが好ましい。同様に、注入口6は、培地を注入する際に、細胞が排出されることがないように、容器Bの回収口4より上の位置に設けることが好ましい。例えば、回収口4はテーパー部Tの下端に、排出口5および注入口6は、テーパー部Tの上端の左右に設けることができる。
第二区画2と同様に、第一区画1を、弱シール部によりさらに複数の区画(図示せず)に区分することもできる。これにより、第一区画1に収容された細胞懸濁液を取り囲む容器の表面積を増加させることができ、細胞懸濁液の凍結および融解にかかる時間を短縮できるため、生細胞の回収率が向上する。細胞懸濁液を融解した後は、第二区画2と同様に、第一区画1の複数の区画同士を接続していくことで、接続されて形成された新たな区画(すなわち、第一区画1)に細胞懸濁液を効率よく無菌的に収集することができる。
以上のように、本発明によれば、簡単な構造を有するため、製造コストを低く抑えることができ、かつ簡単な操作で、効率よく細胞懸濁液を調製することができるため、作業者の手技に依存することなく、作業レベルを均一化することができる。
本発明によれば、細胞懸濁液の調製を細胞懸濁液を外気に曝すことなく無菌的に行うことができ、コンタミネーション発生のリスクを下げることができる。また、簡単な操作で有害物質を適性に除去でき、作業を均一化できるため、細胞の生存率が向上する。
本発明によれば、細胞懸濁液の調製を細胞懸濁液を外気に曝すことなく無菌的に行うことができ、コンタミネーション発生のリスクを下げることができる。また、簡単な操作で有害物質を適性に除去でき、作業を均一化できるため、細胞の生存率が向上する。
本発明によれば、凍結保存細胞の融解を簡単な機構で効率良く迅速に行うことができ、また、細胞懸濁液の収集を簡単な機構で効率良く無菌的に行うことができ、さらに、収集された細胞懸濁液を周囲を汚染することなく迅速に無菌的に隣接する区画に移送することができる。したがって、細胞懸濁液の希釈などの次のステップに、素早く移行することができ、細胞毒性成分の細胞への影響を最小限に抑えることができるため、細胞の生存率が向上する。
本発明によれば、細胞懸濁液の希釈時の浸透圧負荷を簡単な機構で制御できるため作業を均一化でき、急激な浸透圧変化によって死に至る細胞数を減少させ、それにより回収可能な生細胞数を向上させる。とくに融解後に増殖培養を経ずに使用する場合であっても、十分な生細胞数を確保することが可能となる。
本発明においては、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成を付加することもできる。
本発明の容器を使用して、細胞懸濁液を調製する方法は、例えば以下の工程によって順次行うことができる。
(1)細胞懸濁液および/または希釈液を収容した容器を凍結して凍結保存細胞を得るステップ。
(2)容器を融解に供して凍結保存細胞を融解して細胞懸濁液を得るステップ。
(3)第一区画を押圧して細胞懸濁液を第二区画に移送するステップ。
(4)細胞懸濁液と希釈液とを混合して希釈するステップ。
希釈液は、予め第二区画に収容して細胞懸濁液と共に凍結しておくか、あるいは融解後に第二区画に収容することができる。
(1)細胞懸濁液および/または希釈液を収容した容器を凍結して凍結保存細胞を得るステップ。
(2)容器を融解に供して凍結保存細胞を融解して細胞懸濁液を得るステップ。
(3)第一区画を押圧して細胞懸濁液を第二区画に移送するステップ。
(4)細胞懸濁液と希釈液とを混合して希釈するステップ。
希釈液は、予め第二区画に収容して細胞懸濁液と共に凍結しておくか、あるいは融解後に第二区画に収容することができる。
本発明の容器を使用して調製された細胞、または本発明の方法で調製された細胞を使用して製造されたシート状細胞培養物を、それを必要とする対象に適用し、シート状細胞培養物の適用により改善される疾患を処置することもできる。
B 容器
T テーパー部
1 第一区画
2 第二区画
3 注入口
4 回収口
5 排出口
6 注入口
T テーパー部
1 第一区画
2 第二区画
3 注入口
4 回収口
5 排出口
6 注入口
Claims (13)
- 細胞懸濁液を調製するための容器であって、可撓性材料により作製され、内部空間が弱シール部により、細胞懸濁液を収容するための第一区画と、第一区画と隣接する希釈液を収容するための第二区画とに区分されている、前記容器。
- 第二区画が、弱シール部によりさらに複数の区画に区分されている、請求項1に記載の容器。
- 複数の区画が、異なる容積を有する、請求項2に記載の容器。
- 複数の区画の容積が、第一区画に近接するほど小さくなるように構成されている、請求項2または3に記載の容器。
- 弱シール部の剥離強度が、第一区画に近接するほど低くなるように構成されている、請求項2〜4のいずれか一項に記載の容器。
- 底部がテーパー状に構成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の容器。
- 細胞懸濁液用の注入口、希釈液用の注入口、培地用の注入口、細胞回収のための回収口、および上清排出のための排出口からなる群から選択される1以上をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の容器。
- 細胞懸濁液を調製するための方法であって、
可撓性材料により作製され、内部空間が弱シール部により、細胞懸濁液を収容するための第一区画と、第一区画と隣接する希釈液を収容するための第二区画とに区分されている、容器を供するステップ、および
容器を押圧して弱シール部を解放し、第一区画に収容されている細胞懸濁液を第二区画に収容されている希釈液と混合するステップを含む、前記方法。 - 混合するステップの前に、細胞懸濁液を収容するステップ、および/または希釈液を収容するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
- 混合するステップの前かつ収容するステップの後に、容器を凍結に供するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
- 凍結に供するステップの後に、容器を融解に供するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
- 希釈液を収容するステップが、融解に供するステップの後である、請求項11に記載の方法。
- シート状細胞培養物の適用により改善される疾患を処置する方法であって、請求項1〜7のいずれか一項に記載の容器を使用して調製された細胞、または請求項8〜12のいずれか一項に記載の方法で調製された細胞を使用して製造されたシート状細胞培養物を、それを必要とする対象に適用することを含む、前記方法。
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JP2019179007A JP2021052660A (ja) | 2019-09-30 | 2019-09-30 | 細胞懸濁液を調製するための容器および方法 |
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