JP2021052447A - 移動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】リニアアクチュエータを動力源として移動することができる移動装置を提供する。【解決手段】筐体11は、載置面と接する。リニアアクチュエータ12は、直線的に振動可能な可動体を有し、筐体11に固定されている。制御部は、リニアアクチュエータ12の可動体の振動を制御する。移動装置10は、リニアアクチュエータ12の可動体の振動が停止した状態における自装置の姿勢が重力により特定姿勢を示す。リニアアクチュエータ12の可動体の振動方向12aは、特定姿勢における、移動装置10の重心10aを通る鉛直線10bに対して非直角に交わる方向である。【選択図】図1
Description
本発明は、移動装置に関する。
従来、固定体、可動体及び磁気駆動機構を備えるボイスコイルモータ等のリニアアクチュエータが知られている(例えば特許文献1)。また、このリニアアクチュエータを用いて発生させた振動によりユーザの皮膚を刺激して、ユーザに力覚を提示する触覚デバイスが知られている(例えば特許文献2)。
しかしながら、従来、リニアアクチュエータは、例えば触覚デバイスにおいてユーザに知覚させる刺激の発生源として用いられているものの、物体を移動させるための動力源としてリニアアクチュエータを用いるという着想はなかった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、リニアアクチュエータを動力源として移動することができる移動装置を提供することを目的としている。
本発明の移動装置は、載置面と接する接触部材と、直線的に振動可能な可動体を有し前記接触部材に固定されたリニアアクチュエータと、前記可動体の振動を制御する制御部と、を備え、前記可動体の振動が停止した状態における自装置の姿勢が重力により特定姿勢を示し、前記可動体の振動方向が、前記特定姿勢における、自装置の重心を通る鉛直線に対して非直角に交わる方向であるものである。
本発明によれば、リニアアクチュエータを動力源として移動することができる移動装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(移動装置の構成)
図1は、本発明の移動装置の一実施例である移動装置10を模試的に示す正面断面図である。図2は、移動装置10を模試的に示す平面断面図である。移動装置10は、筐体11と、リニアアクチュエータ12と、錘13と、不図示の制御部と、を備える。移動装置10は平らな載置面1(地面)に置かれている。
図1は、本発明の移動装置の一実施例である移動装置10を模試的に示す正面断面図である。図2は、移動装置10を模試的に示す平面断面図である。移動装置10は、筐体11と、リニアアクチュエータ12と、錘13と、不図示の制御部と、を備える。移動装置10は平らな載置面1(地面)に置かれている。
筐体11は、内部に球状の空間を有する球体である。筐体11は、載置面1と接する接触部材(接地部材)を構成する。また、筐体11のうち載置面1と接する外面は、載置面1との間で、後述の移動装置10の移動過程において互いに滑らない程度の摩擦力を有する。
リニアアクチュエータ12は、図示しない固定体、可動体及び磁気駆動機構を備えるボイスコイルモータである。固定体は、筐体11の内部に固定される。可動体は、磁気駆動機構からの駆動によって、固定体に対して直線的に振動(往復運動)可能に設けられている。振動方向12aは、リニアアクチュエータ12の可動体が振動する方向である。
磁気駆動機構は、入力された電気信号に応じて、可動体を磁気的に駆動する。例えば、磁気駆動機構は、固定体及び可動体の一方に設けられたコイルと、固定体及び可動体の他方に設けられ上記のコイルと近接する磁石と、により構成される。この場合に、コイルへ入力される電気信号に応じて、コイルが発生させる磁界が変化し、それによって固定体に対して可動体が移動する推力が得られる。
不図示の制御部は、リニアアクチュエータ12の磁気駆動機構(コイル)へ入力する電気信号を制御することにより、リニアアクチュエータ12の可動体の振動を制御する。なお、不図示の制御部は、リニアアクチュエータ12や錘13とともに筐体11の内部に設けられてもよいし、筐体11の外部に設けられて有線又は無線で磁気駆動機構と接続されてもよい。磁気駆動機構へ入力する電気信号の電源は、例えば筐体11の内部に設けられた電池であってもよいし、磁気駆動機構と有線で接続された筐体11の外部の電源であってもよい。
錘13は、筐体11の内部のうち、リニアアクチュエータ12とは異なる位置に設けられている。錘13は、筐体11の内部に設けられた上記の電池であってもよい。重心10aは、移動装置10の重心である。重心10aは、例えば、筐体11内に設けられたリニアアクチュエータ12や錘13の重量や位置等によって決まる。また、筐体11は載置面1上で転がり可能な球体であり、重心10aは筐体11の中心からずれている。したがって、リニアアクチュエータ12の可動体が停止していると、移動装置10の姿勢は、重力によって、図1に示すように重心10aが載置面1に最も近くなる安定姿勢に収束する。すなわち、リニアアクチュエータ12の可動体が停止の振動が停止した状態における自装置の姿勢が重力により安定姿勢を示す。以下、この安定姿勢を特定姿勢と称する。
移動装置10が特定姿勢で静止していると、移動装置10に対する外力がない限り、移動装置10は静止し続ける。また、移動装置10を特定姿勢からわずかに回転させると、移動装置10は、筐体11の外面で転がりながら、特定姿勢に収束するように揺れ動き、特定姿勢で静止する。
鉛直線10bは、移動装置10が特定姿勢であるときの、重心10aを通る鉛直線である。リニアアクチュエータ12の振動方向12aは、この鉛直線10bに対して非直角に(90度と異なる角度で)交わる。筐体11に対して錘13を設ける位置や錘13の重量は、この振動方向12aと鉛直線10bとが非直角に交わるように決定される。
(移動装置の移動過程)
図3〜図7は、移動装置10の移動過程の一例を模式的に示す正面断面図である。図3〜図7において、図1,図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図3〜図7において、方向1aは、図1に示した振動方向12aのうち載置面1から離れる方向(斜め上方向)に含まれる、載置面1と平行な方向成分である。まず、図1に示した例と同様に移動装置10が特定姿勢で静止しているとする。
図3〜図7は、移動装置10の移動過程の一例を模式的に示す正面断面図である。図3〜図7において、図1,図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図3〜図7において、方向1aは、図1に示した振動方向12aのうち載置面1から離れる方向(斜め上方向)に含まれる、載置面1と平行な方向成分である。まず、図1に示した例と同様に移動装置10が特定姿勢で静止しているとする。
この状態で、図3に示すように、リニアアクチュエータ12の可動体が移動方向12bに移動したとする。移動方向12bは、図1に示した振動方向12aのうちの載置面1へ近づく方向(斜め下方向)である。このとき、作用反作用の法則によって、リニアアクチュエータ12の可動体の作用力に対する反作用力12cがリニアアクチュエータ12に発生する。
これにより、図4に示すように、移動装置10は、反作用力12cと同じ飛び上がり方向10c(斜め上方に)に飛び上がる。また、このとき、反作用力12cは筐体11の内面のうちリニアアクチュエータ12が設けられた位置、すなわち筐体11の中心とは異なる位置に働くため、移動装置10は、回転方向10dに回転する。
次に、飛び上がった移動装置10は、図5に示すように、重力により落下方向10eに落下して載置面1に着地する。この時点で、移動装置10は、図3に示した状態から方向1aに移動している。また、上記のように移動装置10は飛び上がっている間に回転方向10dに回転したため、載置面1に着地した移動装置10の姿勢は、上記の特定姿勢ではない。このため、移動装置10は、図6に示すように、重心10aが載置面1に近くように、回転方向10fに回転しながら転がり、方向1aにさらに移動する。
次に、図7に示すように、リニアアクチュエータ12の可動体が、上記の移動方向12bとは反対の移動方向12dに移動したとする。このとき、作用反作用の法則によって、リニアアクチュエータ12の可動体の作用力に対する反作用力12eがリニアアクチュエータ12に発生する。
しかし、この反作用力12eは、移動装置10を載置面1に押し付けながら、移動装置10を方向1aとは反対側に移動させる方向の力である。このため、この反作用力12eは、載置面1と筐体11の外面との間の摩擦力1bによって受け止められ、移動装置10は方向1aとは反対側に移動しない。
そして、次に、図3に示した例と同様にリニアアクチュエータ12の可動体が移動方向12bに再度移動すると、図3〜図7に示した移動装置10の動作が繰り返され、移動装置10が方向1aにさらに移動する。したがって、不図示の制御部によってリニアアクチュエータ12の可動体を振動方向12aに振動させることにより、移動装置10は飛び上がり、着地、及び回転を繰り返しながら方向1aに移動する。
(可動体の振動周期)
図3〜図7においては、移動装置10が特定姿勢であるときに可動体を移動方向12bに移動させ、移動装置10が飛び上がって着地して特定姿勢に戻ったときに可動体を移動方向12dに移動させるという、移動装置10の飛び上がり、着地、及び回転の周期に同期した周期で可動体の振動させる場合について説明したが、可動体の振動周期はこれに限らない。
図3〜図7においては、移動装置10が特定姿勢であるときに可動体を移動方向12bに移動させ、移動装置10が飛び上がって着地して特定姿勢に戻ったときに可動体を移動方向12dに移動させるという、移動装置10の飛び上がり、着地、及び回転の周期に同期した周期で可動体の振動させる場合について説明したが、可動体の振動周期はこれに限らない。
例えば、可動体の振動周期は、移動装置10が飛び上がっている間にも可動体が振動するような短い周期であってもよい。すなわち、移動装置10は、載置面1に接しているときに、可動体を移動方向12bに移動させると方向1aに移動し、可動体を移動方向12dに移動させると移動しないという非対称性を利用して移動する。このため、可動体の振動周期によらず、移動装置10は方向1aへ移動する。
移動装置10の移動速度は、移動装置10の重量や重心10a、リニアアクチュエータ12の位置、可動体の振動方向12aや重量、及び可動体の振動周期や振幅などの組み合わせによって決まる。例えば、移動装置10の作成後に、可動体の振動周期を変化させながら移動装置10の移動速度を測定することで、移動装置10の移動速度が所望の移動速度になる可動体の振動周期を導出することができる。また、可動体の振動周期の振幅を可変にすることにより、移動装置10の移動速度を可変にしてもよい。
(移動装置の変形例)
図8は、移動装置10の変形例1を模式的に示す正面断面図である。図8において、図1,図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図1においては、リニアアクチュエータ12が鉛直線10bから外れた位置に設けられる構成について説明したが、図8に示すように、リニアアクチュエータ12が鉛直線10b上に設けられる構成としてもよい。この場合においても、振動方向12aと鉛直線10bとが非直角に交わるように、筐体11に対するリニアアクチュエータ12の取付角度を調整する。
図8は、移動装置10の変形例1を模式的に示す正面断面図である。図8において、図1,図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図1においては、リニアアクチュエータ12が鉛直線10bから外れた位置に設けられる構成について説明したが、図8に示すように、リニアアクチュエータ12が鉛直線10b上に設けられる構成としてもよい。この場合においても、振動方向12aと鉛直線10bとが非直角に交わるように、筐体11に対するリニアアクチュエータ12の取付角度を調整する。
これにより、リニアアクチュエータ12の可動体を振動させることにより、図3〜図7に示した例と同様に移動装置10が方向1aへ移動する。ただし、この構成では、例えば図3に示したようにリニアアクチュエータ12の可動体が移動方向12bに移動したときに、筐体11と載置面1との摩擦が大きくなり、図4に示した移動装置10の回転方向10dの回転量が少なくなる。このため、図6に示したような回転方向10fに回転しながらの移動装置10の移動が少なくなり、図1,図2に示した構成と比べると移動装置10の移動効率は低下する。
なお、図8に示す例では、錘13を設けなくても、リニアアクチュエータ12が鉛直線10b上になるように重心10aを調整することが容易である。このため、移動装置10から錘13を省いた構成としている。
図9は、移動装置10の変形例2を模式的に示す正面断面図である。図9において、図1,図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。筐体11が中空の球体である場合について説明したが、筐体11の形状はこれに限らない。例えば、筐体11は、中空の球体を切断して得られる形状であってもよい。図9に示す筐体11は、中空の半球である。
図10は、移動装置10の変形例3を模式的に示す正面断面図である。図10において、図9に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。筐体11の底面が球面である場合について説明したが、筐体11の形状はこれに限らない。
例えば、筐体11は、7以上の面を有する中空の多面体であってもよいし、図10に示すように7以上の面を有する中空の多面体を切断して得られる形状であってもよい。また、図示しないが、筐体11は、中空の卵形、長球形、円柱形などの形状であってもよい。すなわち、筐体11は、載置面1に対して転がり可能な各種の形状とすることができる。
図11は、移動装置10の変形例4を模式的に示す正面断面図である。図11において、図10に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。筐体11が載置面1に対して転がり可能な形状である場合について説明したが、筐体11の形状はこれに限らない。例えば、筐体11は、6以下の面を有する中空の多面体であってもよいし、6以下の面を有する中空の多面体を切断して得られる形状であってもよい。図11に示す筐体11は、中空の正六面体を切断して得られる形状である。
この場合は、例えば図4に示した移動過程において、筐体11の底面全体が載置面1に接していることにより回転方向10dの回転が発生しないため、図6に示したような回転方向10fに回転しながらの移動装置10の移動はない。ただし、この場合も、図4に示した飛び上がり方向10cへの移動装置10の飛び上がり及び図5に示した落下方向10eへの移動装置10の落下はあるため、それにより移動装置10は方向1aへ移動することができる。
図12は、移動装置10の変形例5を模式的に示す正面断面図である。図12において、図1,図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。筐体11に1個のリニアアクチュエータ(リニアアクチュエータ12)を設ける構成について説明したが、筐体11に複数のリニアアクチュエータを設けた構成としてもよい。例えば、図12に示すように、筐体11はリニアアクチュエータ12に加えてリニアアクチュエータ14を備えていてもよい。
リニアアクチュエータ14は、鉛直線10bを中心としてリニアアクチュエータ12と対称に設けられた、リニアアクチュエータ12と同様のリニアアクチュエータである。振動方向14aは、リニアアクチュエータ14の可動体が振動する方向である。不図示の制御部は、リニアアクチュエータ12,14の各可動体を個別に制御可能である。図12に示す例では、リニアアクチュエータ14は、図1に示した錘13としての機能も有しており、錘13は移動装置10から省かれている。
リニアアクチュエータ12の可動体を振動させ、リニアアクチュエータ14の可動体を停止させる制御を行うと、移動装置10は、図3〜図7に示したように方向1aへ移動する。また、リニアアクチュエータ14の可動体を振動させ、リニアアクチュエータ12の可動体を停止させる制御を行うと、移動装置10は、方向1aとは反対の方向(図12の左方向)に移動する。このように、筐体11の異なる位置に複数のリニアアクチュエータを設けることにより、移動装置10を複数の方向に移動させることが可能になる。
図13は、移動装置10の変形例6を模式的に示す平面断面図である。図13において、図1,図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図13に示すように、筐体11はリニアアクチュエータ12,14〜16を備えてもよい。リニアアクチュエータ12,14〜16は、鉛直線10bを中心として対称に設けられている。リニアアクチュエータ15,16は、リニアアクチュエータ12と同様のリニアアクチュエータである。振動方向15a,16aは、それぞれリニアアクチュエータ15,16の可動体が振動する方向である。
不図示の制御部は、リニアアクチュエータ12,14〜16の各可動体を個別に制御可能である。これにより、リニアアクチュエータ12,14〜16の各可動体のうちいずれ振動させるかによって、移動装置10を4方向に移動させることができる。
また、例えばリニアアクチュエータ12,15の可動体を振動させ、リニアアクチュエータ14,16を停止させる制御を行うと、上記の4方向に対して斜めの方向(図13の右上の方向)に移動させることができる。さらに、リニアアクチュエータ12,15の振動の周波数や振幅を個別に制御することで、移動装置10の移動方向をさらに細かく制御することができる。
したがって、図13に示した移動装置10においては、リニアアクチュエータ12,14〜16の各可動体を個別に制御することで、移動装置10を載置面1と平行なすべての方向に移動させることが可能である。
図14は、移動装置10の変形例7を模式的に示す正面断面図である。図15は、移動装置10の変形例7を模式的に示す平面断面図である。図14,図15において、図9に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。移動装置10において載置面と接する接触部材として筐体11を用いる構成について説明したが、移動装置10の接触部材は筐体11に限らない。図14に示す移動装置10は、筐体11に代えて板状部材11aを備える。この場合に、リニアアクチュエータ12及び錘13は板状部材11a上に固定される。
板状部材11aは、曲率を有する長方形の板形状である。例えば板状部材11aのように、筐体11のうち図3〜図7において説明した移動過程において載置面1と接する部分を含む形状であれば、図3〜図7に示した例と同様に移動装置10が方向1aへ移動する。
図8から図15に示した各変形例は、組み合わせることも可能である。例えば、図12,図13に示したようにリニアアクチュエータを複数設ける構成において、筐体11の形状を図9〜図11に示したような筐体11の形状としてもよい。
また、図14,図15に示したように接触部材として板状部材11aを用いる構成において、図8に示したようにリニアアクチュエータ12が鉛直線10b上に設けられる構成としてもよい。また、図14,図15に示したように接触部材として板状部材11aを用いる構成において、板状部材11aの底面の形状を図10,図11に示した筐体11の底面のような形状としてもよい。また、図14,図15に示したように接触部材として板状部材11aを用いる構成において、図12,図13に示したようにリニアアクチュエータを複数設ける構成としてもよい。
(本形態の主な効果)
以上のように、本形態の移動装置10によれば、リニアアクチュエータ12の可動体の振動方向12aが、移動装置10の特定姿勢における、重心10aを通る鉛直線10bに対して非直角に交わっている。これにより、特定姿勢においてリニアアクチュエータ12の可動体が振動方向12aのうち一方(移動方向12b)に移動すると移動装置10が斜め上方に飛び上がって着地し、特定姿勢において可動体が振動方向12aのうち他方(移動方向12d)に移動すると筐体11(板状部材11a)と載置面1との間の摩擦により移動装置10が動かない。
以上のように、本形態の移動装置10によれば、リニアアクチュエータ12の可動体の振動方向12aが、移動装置10の特定姿勢における、重心10aを通る鉛直線10bに対して非直角に交わっている。これにより、特定姿勢においてリニアアクチュエータ12の可動体が振動方向12aのうち一方(移動方向12b)に移動すると移動装置10が斜め上方に飛び上がって着地し、特定姿勢において可動体が振動方向12aのうち他方(移動方向12d)に移動すると筐体11(板状部材11a)と載置面1との間の摩擦により移動装置10が動かない。
したがって、リニアアクチュエータ12の可動体の振動を継続させることによって移動装置10が移動することができる。このため、移動装置10は、リニアアクチュエータ12を動力源として移動することができる。リニアアクチュエータ12を動力源として移動することで、例えば、移動装置10を玩具に適用した場合に、リニアアクチュエータ12の振動に応じて細かく飛び跳ねながら移動するという、興趣のある移動が実現できる。
また、筐体11(板状部材11a)は、載置面1上で転がり可能な底面を有し、移動装置10は、特定姿勢においてリニアアクチュエータ12の可動体が振動方向12aのうち一方(移動方向12b)に移動すると、第1回転方向(回転方向10d)に回転しながら斜め上方に飛び上がって着地し、着地した後に第1回転方向とは反対の第2回転方向(回転方向10f)に回転しながら転がってもよい。これにより、飛び上がりによる移動に加えて、転がりによる移動も生じるため、リニアアクチュエータ12の可動体の振動回数に対する移動距離を長くすることができる。すなわち、より効率よく移動することができる。
また、リニアアクチュエータ12は、特定姿勢における鉛直線10bから外れた位置に設けられていてもよい。これにより、移動装置10が飛び上がりとともに第1回転方向に回転しやすくなり、それによって着地後の第2回転方向の回転量が多くなるため、リニアアクチュエータ12の可動体の振動回数に対する移動距離を長くすることができる。すなわち、より効率よく移動することができる。
また、筐体11(板状部材11a)に対して、特定姿勢における鉛直線10bを挟んでリニアアクチュエータ12の反対側に固定された錘13を備えてもよい。これにより、特定姿勢における鉛直線10bから外れた位置にリニアアクチュエータ12を設けることが容易になる。
また、筐体11の底面が曲面であってもよい。これにより、移動装置10の着地後の転がりが円滑になるため、可動体の振動回数に対する移動距離を長くすることができる。リニアアクチュエータ12の可動体の振動回数に対する移動距離を長くすることができる。すなわち、より効率よく移動することができる。
また、移動装置10は、複数のリニアアクチュエータ12,14(リニアアクチュエータ12,14,15,16)を備え、制御部がリニアアクチュエータ12,14(リニアアクチュエータ12,14,15,16)のそれぞれの可動体の振動を個別に制御してもよい。これにより、移動装置10は、複数の方向に移動することができる。
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
(1)
載置面と接する接触部材と、
直線的に振動可能な可動体を有し前記接触部材に固定されたリニアアクチュエータと、
前記可動体の振動を制御する制御部と、を備え、
前記可動体の振動が停止した状態における自装置の姿勢が重力により特定姿勢を示し、
前記可動体の振動方向が、前記特定姿勢における、自装置の重心を通る鉛直線に対して非直角に交わる方向である移動装置。
載置面と接する接触部材と、
直線的に振動可能な可動体を有し前記接触部材に固定されたリニアアクチュエータと、
前記可動体の振動を制御する制御部と、を備え、
前記可動体の振動が停止した状態における自装置の姿勢が重力により特定姿勢を示し、
前記可動体の振動方向が、前記特定姿勢における、自装置の重心を通る鉛直線に対して非直角に交わる方向である移動装置。
(1)のように構成すると、特定姿勢において可動体が振動方向のうち一方に移動すると、載置面からの反作用力により自装置が斜め上方に飛び上がって着地し、特定姿勢において可動体が振動方向のうち他方に移動すると接触部材と載置面との間の摩擦力により自装置が動かない。このため、可動体の振動を継続させることによって自装置が移動することができる。
(2)
(1)記載の移動装置であって、
前記特定姿勢において前記可動体が前記振動方向のうち一方に移動すると、載置面からの反作用力により自装置が斜め上方に飛び上がって着地し、前記特定姿勢において前記可動体が前記振動方向のうち他方に移動すると、前記接触部材と載置面との間の摩擦力により自装置が動かない移動装置。
(1)記載の移動装置であって、
前記特定姿勢において前記可動体が前記振動方向のうち一方に移動すると、載置面からの反作用力により自装置が斜め上方に飛び上がって着地し、前記特定姿勢において前記可動体が前記振動方向のうち他方に移動すると、前記接触部材と載置面との間の摩擦力により自装置が動かない移動装置。
(2)のように構成すると、可動体の振動を継続させることによって自装置が移動することができる。
(3)
(2)記載の移動装置であって、
前記接触部材は、載置面上で転がり可能な底面を有し、
前記特定姿勢において前記可動体が前記振動方向のうち一方に移動すると、自装置が、第1回転方向に回転しながら斜め上方に飛び上がって着地し、着地した後に前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転しながら転がる移動装置。
(2)記載の移動装置であって、
前記接触部材は、載置面上で転がり可能な底面を有し、
前記特定姿勢において前記可動体が前記振動方向のうち一方に移動すると、自装置が、第1回転方向に回転しながら斜め上方に飛び上がって着地し、着地した後に前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転しながら転がる移動装置。
(3)のように構成すると、飛び上がりによる移動に加えて、転がりによる移動も生じるため、可動体の振動回数に対する移動距離を長くすることができる。
(4)
(3)記載の移動装置であって、
前記リニアアクチュエータは、前記特定姿勢における前記鉛直線から外れた位置に設けられている移動装置。
(3)記載の移動装置であって、
前記リニアアクチュエータは、前記特定姿勢における前記鉛直線から外れた位置に設けられている移動装置。
(4)のように構成すると、自装置が飛び上がりとともに第1回転方向に回転しやすくなり、それによって着地後の第2回転方向の回転量が多くなるため、可動体の振動回数に対する移動距離を長くすることができる。
(5)
(4)記載の移動装置であって、
前記接触部材に対して、前記特定姿勢における前記鉛直線を挟んで前記リニアアクチュエータの反対側に固定された錘を備える移動装置。
(4)記載の移動装置であって、
前記接触部材に対して、前記特定姿勢における前記鉛直線を挟んで前記リニアアクチュエータの反対側に固定された錘を備える移動装置。
(5)のように構成すると、特定姿勢における鉛直線から外れた位置にリニアアクチュエータを設けることが容易になる。
(6)
(3)から(5)のいずれか1つに記載の移動装置であって、
前記底面は曲面である移動装置。
(3)から(5)のいずれか1つに記載の移動装置であって、
前記底面は曲面である移動装置。
(6)のように構成すると、着地後の転がりが円滑になるため、可動体の振動回数に対する移動距離を長くすることができる。
(7)
(1)から(6)のいずれか1つに記載の移動装置であって、
前記接触部材に固定された前記リニアアクチュエータが複数設けられており、
前記制御部は、前記リニアアクチュエータのそれぞれの前記可動体の振動を個別に制御する移動装置。
(1)から(6)のいずれか1つに記載の移動装置であって、
前記接触部材に固定された前記リニアアクチュエータが複数設けられており、
前記制御部は、前記リニアアクチュエータのそれぞれの前記可動体の振動を個別に制御する移動装置。
(7)のように構成すると、複数の方向に移動することができる。
1 載置面
1a 方向
1b 摩擦力
10 移動装置
10a 重心
10b 鉛直線
10c 飛び上がり方向
10d,10f 回転方向
10e 落下方向
11 筐体
11a 板状部材
12,14〜16 リニアアクチュエータ
12a,14a,15a,16a 振動方向
12b,12d 移動方向
12c,12e 反作用力
13 錘
1a 方向
1b 摩擦力
10 移動装置
10a 重心
10b 鉛直線
10c 飛び上がり方向
10d,10f 回転方向
10e 落下方向
11 筐体
11a 板状部材
12,14〜16 リニアアクチュエータ
12a,14a,15a,16a 振動方向
12b,12d 移動方向
12c,12e 反作用力
13 錘
Claims (7)
- 載置面と接する接触部材と、
直線的に振動可能な可動体を有し前記接触部材に固定されたリニアアクチュエータと、
前記可動体の振動を制御する制御部と、を備え、
前記可動体の振動が停止した状態における自装置の姿勢が重力により特定姿勢を示し、
前記可動体の振動方向が、前記特定姿勢における、自装置の重心を通る鉛直線に対して非直角に交わる方向である移動装置。 - 請求項1記載の移動装置であって、
前記特定姿勢において前記可動体が前記振動方向のうち一方に移動すると、載置面からの反作用力により自装置が斜め上方に飛び上がって着地し、前記特定姿勢において前記可動体が前記振動方向のうち他方に移動すると、前記接触部材と載置面との間の摩擦力により自装置が動かない移動装置。 - 請求項2記載の移動装置であって、
前記接触部材は、載置面上で転がり可能な底面を有し、
前記特定姿勢において前記可動体が前記振動方向のうち一方に移動すると、自装置が、第1回転方向に回転しながら斜め上方に飛び上がって着地し、着地した後に前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転しながら転がる移動装置。 - 請求項3記載の移動装置であって、
前記リニアアクチュエータは、前記特定姿勢における前記鉛直線から外れた位置に設けられている移動装置。 - 請求項4記載の移動装置であって、
前記接触部材に対して、前記特定姿勢における前記鉛直線を挟んで前記リニアアクチュエータの反対側に固定された錘を備える移動装置。 - 請求項3から5のいずれか1項記載の移動装置であって、
前記底面は曲面である移動装置。 - 請求項1から6のいずれか1項記載の移動装置であって、
前記接触部材に固定された前記リニアアクチュエータが複数設けられており、
前記制御部は、前記リニアアクチュエータのそれぞれの前記可動体の振動を個別に制御する移動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019172142A JP2021052447A (ja) | 2019-09-20 | 2019-09-20 | 移動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019172142A JP2021052447A (ja) | 2019-09-20 | 2019-09-20 | 移動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021052447A true JP2021052447A (ja) | 2021-04-01 |
Family
ID=75156440
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019172142A Pending JP2021052447A (ja) | 2019-09-20 | 2019-09-20 | 移動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021052447A (ja) |
-
2019
- 2019-09-20 JP JP2019172142A patent/JP2021052447A/ja active Pending
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