JP2021052345A - 帯域通過フィルタ - Google Patents

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Toshio Arai
敏夫 新井
雄太 中川
Yuta Nakagawa
雄太 中川
星 宏幸
Hiroyuki Hoshi
宏幸 星
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【課題】 電磁界結合に頼らない帯域通過フィルタにおいて、比帯域10%以下を得ることができると共に、パラメータが少ない簡易な回路構成とする。【解決手段】ショートスタブが2段構成とされたBPF2は、Dcc21aとDcc22とDcc21bとの電気長がそれぞれ約λ/4と同じにされると共に、Dcc21aとDcc21bとの特性インピーダンスWoが同じ値にされている。また、Ss23aとSs23bとの電気長が約3λ/4と同じにされ、Ss23aとSs23bとの特性インピーダンスUが同じ値とされて、パラメータが少なくされている。【選択図】 図9

Description

本発明は、狭帯域通過型のマイクロ波帯に好適な帯域通過フィルタに関する。
近年の携帯電話における運用周波数は、データ容量の増加に伴い広い占有帯域幅を必要とするなどの理由から、初期の800MHz帯に加え高域の2〜5GHz帯への割り当てが進んでいる。この周波数帯での帯域通過フィルタ(以下、「BPF」という)としては、従来より半同軸型共振器や誘電体共振器を用いたものが多く実用化されている。ところが、2〜5GHz帯は800MHz帯に比べ電波の到達距離が短くなることや、多元接続に伴う通信回線の輻輳を回避するためにエリアが小ゾーン化される傾向にあり、多くの基地局を新設する必要がある。
このため、基地局に関連する機器には価格低減や小型化が求められ、構成部品のひとつであるBPFも例外ではない。この要求条件を満たすために多くの提案がなされている。その一つである、プリント基板上にパターンを形成してBPFを実現する方法は小型で廉価であるが、このBPFは、一般的に広帯域通過型BPFには適しているものの、狭帯域通過型BPFを実現するのが困難であった。
具体的には、プリント基板上にパターンを形成するBPFでは、通過帯域幅を中心周波数Foで割って定義される比帯域が約20%以上であれば、減衰量が実用的なレベルの急峻な立ち上り特性が得られ易いが、比帯域が約10%以下となるような狭帯域通過型BPFでは、充分な減衰量を得るのが困難である。この対応策として最も一般的なものは、BPFの共振器間を電磁界結合回路を設けて結合量の調整を行う方法である。
従来の半波長側面結合フィルタとされる図33に示す特許文献1記載のBPF200は、入力端子Pi201と出力端子Po207との間に、5本の共振器用線路202,203,204,205,206が配置された構成とされている。5本の共振器用線路202〜206は、通過帯域の中心周波数Foにおける1波長をλとした時に1/2λの長さとされて、両端オープンとされ、前半部と後半部とが互いに向かい合うように配置されて、5本の共振器用線路202〜206を順次に電磁界結合させた構成とされている。
また、従来の帯域通過フィルタとされる図34に示す特許文献2記載のBPF300は、入力端子Pi301と出力端子Po307との間に、線路を折り返した5本の両端オープンのヘアピン状共振器302,303,304,305,306が配置された構成とされている。ヘアピン状共振器302〜306は順次向きが反転して互いに向かい合うように配置され、5本のヘアピン状共振器302〜306を順次に電磁界結合させた構成とされている。
図33,図34に示す従来のBPFでは、5本の共振器用線路202〜206またはヘアピン状共振器302〜306が、隣接する線路間で相互に電気的影響を受けて僅かに短縮されることから、5本の共振器用線路202〜206またはヘアピン状共振器302〜306のそれぞれを正確な共振周波数に合わせるのが困難である。また、5本の共振器用線路202〜206またはヘアピン状共振器302〜306間のギャップは高い寸法精度が求められる上、成形後のギャップ調整は構造的に容易ではない。更に、結合部分での電磁界の不要放射が起因して結合損失が増大するなどの多くの困難な技術を克服する必要がある。
そこで、従来の電磁界結合に頼らないBPFの構造として、ストリップ線路を主体にした設計方法が非特許文献1に開示されている。図35に示すBPF400は、非特許文献1の154頁のTABLE5.12の内容を参考にしたBPF回路であり、入力端子Pi401と出力端子Po402との間に、4本の分布定数線路W101,W102,W103,W104が縦続に接続されている。4本の分布定数線路W101〜W104の互いの接続点とショート点とされるアースとの間に5本のショートスタブU111,U112,U113,U114,U115がそれぞれ接続されている。通過帯域の中心周波数Foにおける波長をλとした時に、4本の分布定数線路W101〜W104と5本のショートスタブU111〜U115の電気長が1/4λとされている。Foを2GHzとし、入力端子Pi401と出力端子Po402とのインピーダンスを50[Ω]とすると、W101,W104の特性インピーダンスは38.655[Ω]、W102,W103の特性インピーダンスは35.881[Ω]、U111,U115の特性インピーダンスは28.409[Ω]、U112,U114の特性インピーダンスは14.415[Ω]、U113の特性インピーダンスは14.654[Ω]となる。
図35に示すBPF400において上記電気定数とした際の周波数特性を解析したグラフを図36に示す。図36では、0〜4GHzの周波数レンジにおけるリターンロスS11の周波数特性を実線で、伝送量S21の周波数特性を破線で示している。図36を参照すると、Fo=2GHzに対して通過帯域幅BWは約1GHzとなっており、比帯域は約50%とかなり広帯域なBPFとなっていることが分かる。また、ショートスタブU111〜U115及び分布定数線路W101〜W104の電気定数は、入力端子Pi401と出力端子Po402間で対称になっているが、その特性インピーダンスは、対同士以外では全て異なった値となっており、複雑なパラメータを必要とする回路構成となっていることが分かる。
特開昭64−74801号公報 特開昭62−193302号公報
Jia-Sheng Hong and M.J. Lancaster著、「MICROSTRIP FILTERS FOR RF/MICROWAVE APPLICATIONS」 P.154〜155 JOHN WILEY & SONS,INC. Copyright 2001
しかしながら、従来の電磁界結合に頼らない帯域通過フィルタにおいては、比帯域10%以下を実現することが困難になるという問題点、および、複雑なパラメータを必要とする回路構成となってしまうという問題点があった。
そこで、本発明は、電磁界結合に頼らない帯域通過フィルタにおいて、比帯域10%以下を得ることができると共に、パラメータが少ない簡易な回路構成とされる帯域通過フィルタを提供することを目的としている。
本発明の帯域通過フィルタは、入力端子と出力端子との間に接続された複数の分布定数線路と、該複数の分布定数線路間の接続点とショート点の間に接続された少なくとも1本のショートスタブとを備え、使用周波数帯域の中心周波数の波長をλとした時に、前記複数の分布定数線路の電気長がそれぞれ約λ/4とされると共に、前記ショートスタブの電気長が約3λ/4とされ、前記複数の分布定数線路の特性インピーダンスが前記入力端子および前記出力端子のインピーダンス以上とされていると共に、前記ショートスタブの特性インピーダンスが前記入力端子および前記出力端子のインピーダンス以下とされており、前記複数の分布定数線路と前記ショートスタブとの間で電磁界結合を用いて結合されていないことを最も主要な特徴としている。
本発明の帯域通過フィルタにおいて、前記複数の分布定数線路間の接続点が複数あり、該複数の接続点のそれぞれとショート点の間に前記ショートスタブがそれぞれ接続されている時は、全ての前記ショートスタブの特性インピーダンスが同じ値とされていてもよい。
また、本発明の帯域通過フィルタにおいて、前記複数の分布定数線路の初段の開放端に前記入力端子が接続され、前記複数の分布定数線路の最終段の開放端に前記出力端子が接続されていてもよい。
さらに、本発明の帯域通過フィルタにおいて、前記複数の分布定数線路の初段の特性インピーダンスが前記入力端子のインピーダンスと等しい場合は、前記複数の分布定数線路の初段を省略することができ、前記複数の分布定数線路の最終段の特性インピーダンスが前記出力端子のインピーダンスと等しい場合は、前記複数の分布定数線路の最終段を省略することができてもよい。
さらにまた、本発明の帯域通過フィルタにおいて、前記複数の分布定数線路および前記ショートスタブの線路が誘電体基板の一面に形成され、グランドが形成されていない前記誘電体基板の他面が導電性の筐体に接している場合に、前記誘電体基板の一面に形成された前記複数の分布定数線路の直下に対応する前記筐体の部分に空隙部が形成されていてもよい。
さらにまた、本発明の帯域通過フィルタにおいて、前記ショートスタブが複数本並列に接続されて構成されていてもよい。
本発明の帯域通過フィルタは、複数の分布定数線路と、分布定数線路間の接続点とショート点の間に接続されたショートスタブとから構成されることから、簡易な構成とすることができる。また、本発明の帯域通過フィルタは、複数の分布定数線路の電気長がそれぞれ約λ/4とされると共に、ショートスタブの電気長が約3λ/4とされ、ショートスタブが複数本ある場合は、全てのショートスタブの特性インピーダンスが同じ値とされることから、パラメータを少なくすることができる。
本発明の第1実施例の帯域通過フィルタの回路構成を示す図である。 本発明の第1実施例の帯域通過フィルタにおけるパラメータの組合せを示す図表である。 本発明の第1実施例の帯域通過フィルタにおけるリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 本発明の第1実施例の帯域通過フィルタにおける他のリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 本発明の第1実施例の帯域通過フィルタにおけるさらに他のリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 本発明の第1実施例の帯域通過フィルタにおけるさらに他のリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 本発明の第1実施例の帯域通過フィルタにおけるさらに他のリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 本発明の第1実施例の帯域通過フィルタにおけるさらに他のリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 本発明の第2実施例の帯域通過フィルタの回路構成を示す図である。 本発明の第2実施例の帯域通過フィルタにおけるパラメータの組合せを示す図表である。 本発明の第2実施例の帯域通過フィルタにおけるリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 本発明の第2実施例の帯域通過フィルタにおける他のリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 本発明の第2実施例の帯域通過フィルタにおけるさらに他のリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 本発明の第2実施例の帯域通過フィルタにおけるさらに他のリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 本発明の第2実施例の帯域通過フィルタにおけるさらに他のリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 本発明の第2実施例の帯域通過フィルタにおけるさらに他のリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 本発明の第3実施例の帯域通過フィルタの回路構成を示す図である。 本発明の第3実施例の帯域通過フィルタにおけるパラメータの組合せを示す図表である。 本発明の第3実施例の帯域通過フィルタにおけるリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 本発明の第3実施例の帯域通過フィルタにおける他のリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 本発明の第3実施例の帯域通過フィルタにおけるさらに他のリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 本発明の第3実施例の帯域通過フィルタにおけるさらに他のリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 本発明の第3実施例の帯域通過フィルタにおけるさらに他のリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 本発明の第3実施例の帯域通過フィルタにおけるさらに他のリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 本発明の第4実施例の帯域通過フィルタの回路構成を示す図である。 本発明の第4実施例の帯域通過フィルタにおけるリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 本発明の第4実施例の帯域通過フィルタの構成の一部を示す断面図である。 本発明の第4実施例の帯域通過フィルタの変形例の回路構成を示す図である。 本発明の第5実施例の帯域通過フィルタの回路構成を示す図である。 本発明の第5実施例の帯域通過フィルタにおけるリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 本発明の第5実施例の変形例の帯域通過フィルタの回路構成を示す図である。 本発明の第6実施例の帯域通過フィルタにおけるリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。 従来の帯域通過フィルタの構成を示す図である。 従来の帯域通過フィルタの他の構成を示す図である。 従来の電磁界結合に頼らない帯域通過フィルタの構成を示す図である。 従来の電磁界結合に頼らない帯域通過フィルタのリターンロスおよび伝送量の周波数特性を示す図である。
[本発明の第1実施例]
本発明にかかる第1実施例の帯域通過フィルタ(以下、「BPF」という)1の回路構成を図1に示す。
図1に示す本発明の第1実施例のBPF1は、入力端子Pi10と出力端子Po13との間に分布定数線路(以下、「Dcc」という)11aとDcc11bとが縦続に接続され、Dcc11aとDcc11bとの接続点とショート点とされるアースとの間にショートスタブ(以下、「Ss」という)12が接続されている。入力端子Pi10と出力端子Po13とのインピーダンスがZoとされ、使用周波数帯域の中心周波数(以下、「Fo」という)におけるSs12の電気長がβ、その特性インピーダンスがUとされている。また、Dcc11aおよびDcc11bのFoにおける電気長がθ、その特性インピーダンスがWoと同じ値とされている。
ここで、Fo=3.5[GHz]、Zo=50[Ω]とすると共に、Foの波長をλとした際に、βがλ/4,3λ/4の2種類とされ、Uが12.5[Ω],25[Ω],50[Ω],100[Ω]の4種類とされ、θがλ/4とされ、Woが40[Ω],50[Ω],70Ω[Ω]の3種類とされて、各組み合わせにおける通過帯域幅(以下、「BW」という)について計算した結果の図表とされる表1を図2に示す。表1において、BWの基準はSパラメータのS11(リターンロス)で規定することとし、代表値としてS11が32dBとなる通過帯域幅を表1に記している。
図3ないし図8に表1の組み合わせにおけるS11とS21(伝送量)の周波数特性を抜粋して示す。図3ないし図8では、2.5GHz〜4.5GHz間のS11とS21との周波数特性のグラフが示されており、S11を実線でS21を破線で示している。Uを25[Ω],Woを50[Ω],βをλ/4とした場合を図3に示し、Uを50[Ω],Woを50[Ω],βをλ/4とした場合を図4に示し、Uを25[Ω],Woを70[Ω],βをλ/4とした場合を図5に示し、Uを25[Ω],Woを50[Ω],βを3λ/4とした場合を図6に示し、Uを50[Ω],Woを50[Ω],βを3λ/4とした場合を図7に示し、Uを25[Ω],Woを70[Ω],βを3λ/4とした場合を図8に示している。図3ないし図8を参照すると、いずれの周波数特性においても、FoでS11が極となる単峰特性となり、Foを通過周波数とするBPF特性となっている。比帯域が10%となるBWはFo(=3.5[GHz])の10%である350MHzとなるから、表1に示すとおり図3ないし図8に示す周波数特性では、比帯域が10%以下となっていることが分かる。
また、表1を参照すると、Ss12の特性インピーダンスUが100[Ω]から12.5[Ω]に向かって低くされるにつれてBWは狭くなり、Ss12の電気長βがλ/4から3λ/4と長くされた時にBWは狭くなり、Dcc11aとDcc11bの特性インピーダンスWoが40[Ω]から70[Ω]に向かって高くされるにつれてBWは狭くなることが分かる。すなわち、Ss12の特性インピーダンスUは低い方が、その電気長βは長い方が、Dcc11aとDcc11bの特性インピーダンスWoは高い方がBPF1は狭帯域通過特性になる。そして、図3ないし図8の破線で示すS21の周波数特性を参照すると、βをλ/4とした場合はWoを高くしても減衰特性の立ち上がり特性が急峻とならず、βを3λ/4と長くした場合はWoを高くすると減衰特性の立ち上がり特性が急峻になることが分かる。すなわち、BPF1においてBWを狭くするにはUを低くし、急峻になる減衰特性の立ち上がり特性を得るには、βを3λ/4と長くしてWoを高くする必要があることになる。
なお、U=50[Ω],Wo=40[Ω],β=λ/4とした場合は、S11の周波数特性において複数の極が現れて修正することができず、U=100[Ω],Wo=40[Ω],β=λ/4とした場合は、S11の周波数特性においてBWを32dB以上とすることができないことから、表1ではBWの欄において「−−−」と表示している。このように、Wo<Zoの条件下ではBPF1の電気定数設定に制約を生じ、S11の単峰特性が崩れて極端な広帯域通過特性になり、S11の目標値とされる32dB以上に設定できないようになる。
[本発明の第2実施例]
本発明にかかる第2実施例のBPF2の回路構成を図9に示す。
図9に示す本発明の第2実施例のBPF2はショートスタブが2段構成とされており、具体的には、入力端子Pi20と出力端子Po24との間にDcc21aとDcc22とDcc21bとの3本が縦続に接続され、Dcc21aとDcc22との接続点とショート点とされるアースとの間にSs23aが接続され、Dcc22とDcc21bとの接続点とショート点とされるアースとの間にSs23bが接続されている。入力端子Pi20と出力端子Po24とのインピーダンスがZoとされ、FoにおけるSs23aおよびSs23bとの電気長がβ、その特性インピーダンスがUと同じ値とされている。また、Dcc21aおよびDcc21bのFoにおける電気長がθ、その特性インピーダンスがWoと同じ値とされている。また、Dcc22のFoにおける電気長がθとDcc21aおよびDcc21bと同じ値とされ、その特性インピーダンスがW1とされている。
ここで、Fo=3.5[GHz]、Zo=50[Ω]とすると共に、Foの波長をλとした際に、βがλ/4,3λ/4の2種類とされ、Uが12.5[Ω],25[Ω],50[Ω],100[Ω]の4種類とされ、θがλ/4とされ、Woが40[Ω],50[Ω],70Ω[Ω]の3種類とされ、W1が31.21[Ω],48.76[Ω],95.57[Ω]の3種類とされて、各組み合わせにおける通過帯域幅(BW)について計算した結果の図表とされる表2を図10に示す。表2においても、BWの基準はSパラメータのS11(リターンロス)で規定することとし、代表値としてS11が32dBとなる通過帯域幅を表2に記している。なお、上記パラメータとした際には、S11は実用性に優れた波状特性のチェビシェフ特性が得られるようになる。
図11ないし図16に表2の組み合わせにおけるS11とS21(伝送量)の周波数特性を抜粋して示す。図11ないし図16では、2.5GHz〜4.5GHz間のS11とS21との周波数特性のグラフが示されており、S11を実線でS21を破線で示している。Uを25[Ω],Woを50[Ω],W1を48.76[Ω],βをλ/4とした場合を図11に示し、Uを50[Ω],Woを50[Ω],W1を48.76[Ω],βをλ/4とした場合を図12に示し、Uを25[Ω],Woを70[Ω],W1を95.57[Ω],βをλ/4とした場合を図13に示し、Uを25[Ω],Woを50[Ω],W1を48.76[Ω],βを3λ/4とした場合を図14に示し、Uを50[Ω],Woを50[Ω],W1を48.76[Ω],βを3λ/4とした場合を図15に示し、Uを25[Ω],Woを70[Ω],W1を95.57[Ω],βを3λ/4とした場合を図16に示している。図11ないし図16を参照すると、いずれの周波数特性においても、S11がFoの低域側と高域側とに2つの極を持つ、通過域がチェビシェフ特性のBPFとなっている。比帯域が10%となるBWはFo(=3.5[GHz])の10%である350MHzとなるから、図13と図14と図16に示す周波数特性では、表2に示すとおり比帯域が10%以下となっており、図15に示す周波数特性では、比帯域が約10.3%とほぼ10%となっていることが分かる。
また、表2を参照すると、Ss23aおよびSs23bの特性インピーダンスUが100[Ω]から12.5[Ω]に向かって低くされるにつれてBWは狭くなり、Ss23aおよびSs23bの電気長βがλ/4から3λ/4と長くされた時にBWは狭くなり、Dcc21aとDcc21bの特性インピーダンスWoが40[Ω]から70[Ω]に向かって高くされるにつれてBWは狭くなり、Dcc22の特性インピーダンスW1が31.21[Ω]から95.57[Ω]に向かって高くされるにつれてBWは狭くなることが分かる。すなわち、ショートスタブ(Ss23a,Ss23b)の特性インピーダンスUは低い方が、その電気長βは長い方が、分布定数線路(Dcc21a,Dcc21b,Dcc22)の特性インピーダンスWo,W1は高い方がBPF2は狭帯域通過特性になる。そして、図11ないし図16の破線で示すS21の周波数特性を参照すると、βをλ/4とした場合はWo,W1を高くしても減衰特性の立ち上がり特性が急峻とならず、βを3λ/4と長くした場合はWo,W1を高くすると減衰特性の立ち上がり特性が急峻になることが分かる。すなわち、BPF2においてBWを狭くするにはUを低くし、急峻になる減衰特性の立ち上がり特性を得るには、βを3λ/4と長くしてWo,W1を高くする必要があることになる。
なお、U=50[Ω],Wo=40[Ω],W1=31.83[Ω],β=λ/4とした場合は、S11の周波数特性において複数の極が現れて修正することができず、U=100[Ω],Wo=40[Ω],W1=33.96[Ω],β=λ/4とした場合は、S11の周波数特性においてBWを32dB以上とすることができないことから、表2ではBWの欄において「−−−」と表示している。このように、Wo<Zoの条件下ではBPF2の電気定数設定に制約を生じ、S11の周波数特性は極端な広帯域通過特性になり、S11の目標値とされる32dB以上に設定できないようになる。また、上記の2つの場合におけるW1の値は参考までに示している。
表1と表2とにおけるS11が32dBを満足する通過帯域幅(BW)を比較すると、1段構成のBPF1より2段構成のBPF2の方が相対的に広くなっている。また、図3ないし図8に示すBPF1の周波数特性と、図11ないし図16に示すBPF2の周波数特性との2.5GHz及び4.5GHzのS21の減衰量を比較すると、2段構成のBPF2における減衰量の方が相対的に大きいことから、BPFを1段構成から2段構成にすると、通過帯域幅が拡大されると共に、減衰特性の立ち上がり特性が急峻になることが分かる。
[本発明の第3実施例]
次に、ショートスタブの段数を更に増やしてショートスタブを3段構成とした第3実施例のBPF3の回路構成を図17に示す。
図17に示す本発明の第3実施例のBPF3はショートスタブが3段構成とされており、具体的には、入力端子Pi30と出力端子Po34との間にDcc31aとDcc32aとDcc32bとDcc31bとの4本が縦続に接続され、Dcc31aとDcc32aとの接続点とショート点とされるアースとの間にSs33aが接続され、Dcc32aとDcc32bとの接続点とショート点とされるアースとの間にSs33bが接続され、Dcc32bとDcc31bとの接続点とショート点とされるアースとの間にSs33cが接続されている。入力端子Pi30と出力端子Po34とのインピーダンスがZoとされ、FoにおけるSs33a,Ss33bおよびSs33cの電気長がβ、その特性インピーダンスがUと同じ値とされている。また、Dcc31a,Dcc31bおよびDcc32a,Dcc32bのFoにおける電気長がθと4本とも同じ値とされ、Dcc31a,Dcc31bの特性インピーダンスがWoと同じ値とされ、Dcc32a,Dcc32bの特性インピーダンスがW1と同じ値とされている。
ここで、Fo=3.5[GHz]、Zo=50[Ω]とすると共に、Foの波長をλとした際に、βがλ/4,3λ/4の2種類とされ、Uが12.5[Ω],25[Ω],50[Ω],100[Ω]の4種類とされ、θがλ/4とされ、Woが40[Ω],50[Ω],70Ω[Ω]の3種類とされ、W1はS11が32dB以上となる条件を満足するパラメータ値とされて、各組み合わせにおける通過帯域幅(BW)について計算した結果の図表とされる表3を図18に示す。表3においても、BWの基準はSパラメータのS11(リターンロス)で規定することとし、代表値としてS11が32dBとなる通過帯域幅を表3に記している。なお、上記パラメータとした際には、S11は実用性に優れた波状特性のチェビシェフ特性が得られるようになる。
図19ないし図24に表3の組み合わせにおけるS11とS21(伝送量)の周波数特性を抜粋して示す。図19ないし図24では、2.5GHz〜4.5GHz間のS11とS21との周波数特性のグラフが示されており、S11を実線でS21を破線で示している。Uを25[Ω],Woを50[Ω],W1を57.19[Ω],βをλ/4とした場合を図19に示し、Uを50[Ω],Woを50[Ω],W1を53.95[Ω],βをλ/4とした場合を図20に示し、Uを25[Ω],Woを70[Ω],W1を126.47[Ω],βをλ/4とした場合を図21に示し、Uを25[Ω],Woを50[Ω],W1を61.55[Ω],βを3λ/4とした場合を図22に示し、Uを50[Ω],Woを50[Ω],W1を59.07[Ω],βを3λ/4とした場合を図23に示し、Uを25[Ω],Woを70[Ω],W1を127.11[Ω],βを3λ/4とした場合を図24に示している。図19ないし図24を参照すると、いずれの周波数特性においても、S11がFoとFoの低域側と高域側との3つに極を持つ、通過域がチェビシェフ特性のBPFとなっている。比帯域が10%となるBWはFo(=3.5[GHz])の10%である350MHzとなるから、表3に示すとおり図22と図24に示す周波数特性では、比帯域が10%以下となっており、図21に示す周波数特性では、比帯域が約11.6%とほぼ10%となっており、図23に示す周波数特性では、比帯域が約16.2%と10%に近い比帯域となっていることが分かる。
また、表3を参照すると、Ss33a,Ss33bおよびSs33cの特性インピーダンスUが100[Ω]から12.5[Ω]に向かって低くされるにつれてBWは狭くなり、Ss33a,Ss33bおよびSs33cの電気長βがλ/4から3λ/4と長くされた時にBWは狭くなり、Dcc31aとDcc31bの特性インピーダンスWoが40[Ω]から70[Ω]に向かって高くされるにつれてBWは狭くなり、Dcc32aとDcc32bの特性インピーダンスW1が高い方がBWが狭くなる傾向とされることが分かる。すなわち、ショートスタブ(Ss33a,Ss33b,Ss33c)の特性インピーダンスUは低い方が、その電気長βは長い方が、分布定数線路(Dcc31a,Dcc31b,Dcc32a,Dcc32b)の特性インピーダンスWoは高い方がBPF3は狭帯域通過特性になる。そして、図19ないし図24の破線で示すS21の周波数特性を参照すると、βをλ/4とした場合はWo,W1を高くしても減衰特性の立ち上がり特性が急峻とならず、βを3λ/4と長くした場合はWo,W1を高くすると減衰特性の立ち上がり特性が急峻になることが分かる。すなわち、BPF3においてBWを狭くするにはUを低くし、急峻になる減衰特性の立ち上がり特性を得るには、βを3λ/4と長くしてWo,W1を高くする必要があることになる。
なお、U=50[Ω],Wo=40[Ω],W1=31.76[Ω],β=λ/4とした場合は、S11の周波数特性において複数の極が現れて修正することができず、U=100[Ω],Wo=40[Ω],W1=32.59[Ω],β=λ/4とした場合は、S11の周波数特性においてBWを32dB以上とすることができないことから、表3ではBWの欄において「−−−」と表示している。このように、Wo<Zoの条件下ではBPF3の電気定数設定に制約を生じ、S11の周波数特性は極端な広帯域通過特性になり、S11の目標値とされる32dB以上に設定できないようになる。また、上記の2つの場合におけるW1の値は参考までに示している。
表2と表3とにおけるS11が32dBを満足する通過帯域幅(BW)を比較すると、2段構成のBPF2より3段構成のBPF3の方が相対的に広くなっている。また、図11ないし図16に示すBPF2の周波数特性と、図19ないし図24に示すBPF3の周波数特性との2.5GHz及び4.5GHzのS21の減衰量を比較すると、3段構成のBPF3における減衰量の方が相対的に大きいことから、BPFを2段構成から3段構成にすると、通過帯域幅が拡大すると共に、減衰特性の立ち上がり特性が急峻になることが分かる。
また、図3ないし図8に示すBPF1の周波数特性と、図11ないし図16に示すBPF2の周波数特性と、図19ないし図24に示すBPF3の周波数特性とを参照すると、通過帯域の比帯域が10%以下となるような狭帯域通過型のBPFを得るためには、ショートスタブの電気長を3/4λするのが好適であることが分かる。そこで、本発明のBPFにおいては、ショートスタブの電気長を3/4λ(λはFoの波長)とする。
[本発明の第4実施例]
次に、比帯域が10%以下の実践的な3.5GHz帯の第4実施例のBPF4の回路構成を図25に示す。
図25に示す本発明の第4実施例のBPF4はショートスタブの段数が増やされて5段構成とされており、具体的には、入力端子Pi40と出力端子Po45との間にDcc41aとDcc42aとDcc43aとDcc43bとDcc42bとDcc41bとの6本が縦続に接続され、Dcc41aとDcc42aとの接続点とショート点とされるアースとの間にSs44aが接続され、Dcc42aとDcc43aとの接続点とショート点とされるアースとの間にSs44bが接続され、Dcc43aとDcc43bとの接続点とショート点とされるアースとの間にSs44cが接続され、Dcc43bとDcc42bとの接続点とショート点とされるアースとの間にSs44dが接続され、Dcc42bとDcc41bとの接続点とショート点とされるアースとの間にSs44eが接続されている。入力端子Pi40と出力端子Po45とのインピーダンスがZoとされ、FoにおけるSs44a〜Ss44eの電気長がβ、その特性インピーダンスがUと5本とも同じ値とされている。また、Dcc41a,Dcc41bおよびDcc42a,Dcc42bおよびDcc43a,Dcc43bのFoにおける電気長がθと6本とも同じ値とされ、Dcc41a,Dcc41bの特性インピーダンスがWoと同じ値とされ、Dcc42a,Dcc42bの特性インピーダンスがW1と同じ値とされ、Dcc43a,Dcc43bの特性インピーダンスがW2と同じ値とされている。
第4実施例のBPF4の仕様は次の通りである。
「中心周波数Fo = 3.5GHz
通過周波数帯域BW = 0.1GHz(Fo±50MHz)以上
BWの比帯域 = 2.86%
リターンロス(S11) = 32dB
通過周波数帯域の振幅特性 : チェビシェフ特性
減衰量(S21) = Fo±0.35GHzにおいて55dB以上」
なお、仕様においてBWの基準はSパラメータのリターンロス(S11)で規定されたBWとされる。
上記仕様が得られる電気定数であるBPF4のパラメータ値を求めると、Zo=50[Ω]とし、Foの波長をλとした際に、βが3λ/4とされ、Uが12.5[Ω]とされ、θがλ/4とされ、Woが59.5[Ω]とされ、W1が98.3[Ω]とされ、W2が149[Ω]とされる。このパラメータ値とされたBPF4の3GHz〜4GHz間のS11とS21の周波数特性のグラフを図26に示す。図26を参照すると、S11が32dBとなる周波数帯域幅はFo±76.35MHzが得られ、BWは約0.15GHzとなることから、BWの仕様とされる0.1GHz以上を満足している。また、Fo±0.35GHzに該当する3.15GHzと3.85GHzの周波数における減衰量は約60.2dBが得られており、S21の仕様とされる55dB以上を満足していることがわかる。
ところで、BPF4においては、W2の特性インピーダンスは149Ωとされ、高インピーダンスであることからW2の特性インピーダンスとされるDcc43a,Dcc43bの線路を形成する場合は、線路幅が極端に細くなって、実現することが困難になる場合がある。そこで、図27に線路幅が極端に細くならないようにする構成を示す。
図27に示すように、Dcc43a(Dcc43b)は導電性の筐体101の一面に裏面が接するように載置された誘電体の基板102の表面にストリップラインとして形成される。このストリップラインは、基板102の裏面にグランド層が形成されていないサスペンデッド構造とされ、ストリップラインの直下の筐体101に断面が矩形状の溝とされた空隙部103を形成する。ストリップラインの特性インピーダンスは、線路幅が細いほど高くなり、グランド層から離れるほど高くなる。すなわち、サスペンデッド構造とするとストリップラインがグランド層から離れることになるから、同じ値の特性インピーダンスを得ようとした時に、ストリップラインの線路幅を広くすることができ、容易にDcc43a,Dcc43bの線路を形成することができる。
このように、Dcc43a(Dcc43b)を構成するストリップラインをサスペンデッド構造として、ストリップライン直下の筐体101に空隙部103を形成することにより、高インピーダンスのストリップラインの線路幅を容易に形成することが可能な線路幅として、Dcc43a,Dcc43bを容易に形成することができる。
また、BPF4においては、ショートスタブSs44a〜Ss44eの特性インピーダンスUは12.5Ωと低インピーダンスとなるから、特別な比誘電率の材質や厚さの基板を使用しない限りFoの波長に対してショートスタブの線路幅が極端に広くなってしまう。そこで、図28にショートスタブの線路幅が極端に広くならないようにする変形例のBPF4’の回路構成を示す。
図28に示すように、変形例のBPF4’では特性インピーダンスU’のショートスタブを2本並列に接続して構成しており、他の構成はBPF4と同様とされている。具体的には、Ss44aに替えてSs54aとSs55aとを並列に接続して構成し、同様に、Ss44bに替えてSs54bとSs55bとを並列に接続して構成し、Ss44cに替えてSs54cとSs55cとを並列に接続して構成し、Ss44dに替えてSs54dとSs55dとを並列に接続して構成し、Ss44eに替えてSs54eとSs55eとを並列に接続して構成している。Ss54a〜Ss54eおよびSs55a〜Ss55eの特性インピーダンスはすべてU’とされている。2本並列に接続したショートスタブの特性インピーダンスは、1本あたりの特性インピーダンスの半分になることから、θ=3/4λ、U’=25[Ω]のショートスタブを2本並列に接続した際の特性インピーダンスは等価的に12.5[Ω]となる。これにより、BPF4’においてはU’を25[Ω]とできることから、ショートスタブの線路幅が極端に広くならないようにすることができる。
[本発明の第5実施例]
次に、比帯域が10%以下の実践的な3.5GHz帯の第5実施例のBPF5の回路構成を図29に示す。
図29に示す本発明の第5実施例のBPF5はショートスタブが6段構成とさらに増段されており、具体的には、入力端子Pi60と出力端子Po66との間にDcc61aとDcc62aとDcc63aとDcc64とDcc63bとDcc62bとDcc61bとの7本が縦続に接続され、Dcc61aとDcc62aとの接続点とショート点とされるアースとの間にSs65aが接続され、Dcc62aとDcc63aとの接続点とショート点とされるアースとの間にSs65bが接続され、Dcc63aとDcc64との接続点とショート点とされるアースとの間にSs65cが接続され、Dcc64とDcc63bとの接続点とショート点とされるアースとの間にSs65dが接続され、Dcc63bとDcc62bとの接続点とショート点とされるアースとの間にSs65eが接続され、Dcc62bとDcc61bとの接続点とショート点とされるアースとの間にSs65fが接続されている。入力端子Pi60と出力端子Po66とのインピーダンスがZoとされ、FoにおけるSs65a〜Ss65fの電気長がβ、その特性インピーダンスがUと6本とも同じ値とされている。また、Dcc61a,Dcc61bおよびDcc62a,Dcc62bおよびDcc63a,Dcc63bおよびDcc64のFoにおける電気長がθと7本とも同じ値とされ、Dcc61a,Dcc61bの特性インピーダンスがWoと同じ値とされ、Dcc62a,Dcc62bの特性インピーダンスがW1と同じ値とされ、Dcc63a,Dcc63bの特性インピーダンスがW2と同じ値とされ、Dcc64の特性インピーダンスがW3とされている。
第5実施例のBPF5の仕様は次の通りである。
「中心周波数Fo = 3.5GHz
通過周波数帯域BW = 0.2GHz(Fo±100MHz)以上
BWの比帯域 = 5.71%
リターンロス(S11) = 32dB
通過周波数帯域の振幅特性 : チェビシェフ特性
減衰量(S21) = Fo±0.4GHzにおいて50dB以上」
なお、仕様においてBWの基準はSパラメータのリターンロス(S11)で規定されたBWとされる。
上記仕様が得られる電気定数であるBPF5のパラメータ値を求めると、Zo=50[Ω]とし、Foの波長をλとした際に、βが3λ/4とされ、Uが16[Ω]とされ、θがλ/4とされ、Woが50[Ω]とされ、W1が68.53[Ω]とされ、W2が104.97[Ω]とされ、W3が114.5[Ω]とされる。このパラメータ値とされたBPF5の3GHz〜4GHz間のS11とS21の周波数特性のグラフを図30に示す。図30を参照すると、S11が32dBとなる周波数帯域幅はFo±141.35MHzが得られ、BWは約0.28GHzとなることから、BWの仕様とされる0.2GHz以上を満足している。また、Fo±0.4GHzに該当する3.1GHzと3.9GHzの周波数における減衰量は約54.4dBが得られており、S21の仕様とされる50dB以上を満足していることがわかる。
また、BPF5においては、ショートスタブSs65a〜Ss65fの特性インピーダンスUは16Ωと低インピーダンスとなるから、図28に示す手段を採用して線路幅が極端に広くならないようにすることができる。さらに、BPF5においては、Dcc63a,Dcc63bとDcc64の特性インピーダンスが高インピーダンスとされることから、図27に示す手段を採用して線路幅が極端に細くならないようにすることができる。
なお、BPF5において、入力端子Pi60と接続するDcc61aの特性インピーダンスWoが入力端子Pi60の特性インピーダンスZoに等しい場合は、Dcc61aを省略することができる。同様に、出力端子Po66と接続するDcc61bの特性インピーダンスWoが出力端子Po66の特性インピーダンスZoに等しい場合は、Dcc61bを省略することができる。Dcc61a、Dcc61bを省略したBPF5の変形例のBPF5’の回路構成を図31に示す。
図31に示す変形例のBPF5’においては、Pi60とDcc62aとの接続点とショート点とされるアースとの間にSs65aが接続され、Po66とDcc62bとの接続点とショート点とされるアースとの間にSs65fが接続されて、他の構成はBPF5と同様とされている。BPF5’におけるパラメータ値をBPF5と同じ値とした際には、BPF5’のS11とS21の周波数特性は図30に示すようにBPF5と同様となる。
[本発明の第6実施例]
次に、第6実施例のBPF6は比帯域が10%以下の実践的な3.5GHz帯のショートスタブが6段構成のBPFとされている。BPF6の回路構成は図29に示すBPF5と同様とされていることから、回路構成は省略する。なお、第6実施例のBPF6においては、第5実施例のBPF5の仕様におけるリターンロスを32[dB]から21[dB]に変更したBPFとされている。
第6実施例のBPF6の仕様は次の通りである。
「中心周波数Fo = 3.5GHz
通過周波数帯域BW = 0.3GHz(Fo±150MHz)以上
BWの比帯域 = 8.57%
リターンロス(S11) = 21dB
通過周波数帯域の振幅特性 : チェビシェフ特性
減衰量(S21) = Fo±0.4GHzにおいて40dB以上」
なお、仕様においてBWの基準はSパラメータのリターンロス(S11)で規定されたBWとされる。
上記仕様が得られる電気定数であるBPF6のパラメータ値を求めると、Zo=50[Ω]とし、Foの波長をλとした際に、βが3λ/4とされ、Uが15[Ω]とされ、θがλ/4とされ、Woが50[Ω]とされ、W1が59.05[Ω]とされ、W2が80.9[Ω]とされ、W3が85.9[Ω]とされる。このパラメータ値とされたBPF6の3GHz〜4GHz間のS11とS21の周波数特性のグラフを図32に示す。図32を参照すると、S11が21dBとなる周波数帯域幅はFo±193.59MHzが得られ、BWは約0.39GHzとなることから、BWの仕様とされる0.3GHz以上を満足している。また、Fo±0.4GHzに該当する3.1GHzと3.9GHzの周波数における減衰量は約47.4dBが得られており、S21の仕様とされる40dB以上を満足しており、異なるリターンロスの要求にも対応可能なことがわかる。
また、BPF6においては、ショートスタブSs65a〜Ss65fの特性インピーダンスUは15Ωと低インピーダンスとなるから、図28に示す手段を採用して線路幅が極端に広くならないようにすることができる。
以上説明した本発明にかかる実施例のBPFにおいて、本発明の実施例の各BPFにおける電気定数とされるパラメータ値は、上記記載したパラメータ値に限定されるものではなく、各BPFにおいて上記記載した機能および作用と同等の機能および作用を奏することができるパラメータ値とされていれば、上記記載したパラメータ値に限定されるものではない。すなわち、このパラメータ値には、上記記載したパラメータ値の上下に許容範囲があり、この許容範囲は各BPFにおいて上記記載した機能および作用と同等の機能および作用を奏する範囲とされている。
なお、以上説明した本発明にかかる実施例のBPFにおいて、入力端子Piと出力端子Poの入出力インピーダンスZoは、Zo=50[Ω]に統一して説明したが、Zoは50[Ω]に限らない。本発明にかかる実施例のBPFにおける特性インピーダンスは、入出力インピーダンスZoを基準とした相対値であり、例えばZo=75[Ω]の場合は、入出力インピーダンスZoを50[Ω]とした場合の1.5倍の特性インピーダンスとすればよい。すなわち、本発明にかかる実施例のBPFにおいて、入出力インピーダンスZoを75[Ω]とした場合は、分布定数線路やショートスタブの特性インピーダンスを1.5倍とすれば同等の機能と作用を奏するBPFとすることができる。
本発明にかかる実施例のBPFにおいては、好適には入出力端子間に少なくとも2本以上のショートスタブがあり、そのショートスタブのショート点と反対側の接続点と入力端子あるいは出力端子間を接続する分布定数線路と、ショートスタブの接続点の相互間を接続する複数の分布定数線路を備えるBPFとされている。
また、本発明にかかる実施例のBPFは、入出力端子とショートスタブ間およびショートスタブ相互間に、電界結合や磁界結合あるいはそれらが混在した電磁界結合回路を用いていない狭帯域通過型のBPFとされている。このため、本発明にかかる実施例のBPFは、一般的に高い寸法精度や微細な構造を必要とする結合回路を持たないことから、設計や製造が容易であり、結合回路で生じる結合損失がない。
さらに、本発明にかかる実施例のBPFにおける分布定数線路の電気長は、BPF全体の伝送特性に関係なく、全て使用中心周波数の1/4波長と明確に定量化されているので、設計や製造が容易となる。
さらにまた、本発明にかかる実施例のBPFにおけるショートスタブの電気長は、BPF全体の伝送特性に関係なく、全て使用中心周波数の3/4波長とされている。従って、BPFを構成する全てのショートスタブが、同一の使用中心周波数の3/4波長と明確に定量化されるので、設計や製造が容易となる。そして、BPFを構成しているショートスタブの特性インピーダンスは、全て同一とされている。従って、異なる特性インピーダンスのショートスタブが組み合わされて構成された従来のBPFに比べて、製造作業が簡素化されて設計や製造を容易とすることができる。
さらにまた、本発明にかかる実施例のBPFでは、分布定数線路およびショートスタブにおいて、電気定数の多くが同一とされ、他の構成素子に影響されず各々が単独に定量化されている特長から、プリント基板上に銅箔等の導電体のパターンを形成する方法で作られるBPF回路に対応し易く、設計時間の短縮・低価格化・小型化等に適したBPFとなっている。
さらにまた、本発明にかかる実施例のBPFにおいては、ショートスタブの特性インピーダンスが入出力端子の入出力インピーダンスより高く、かつ分布定数線路の特性インピーダンスが入出力インピーダンスより低くなる設定は、上記したように電気特性の設定に制約があることから、本発明の技術的範囲の範囲外とされている。
101 筐体、102 基板、103 空隙部、202〜206 共振器用線路、302〜306 ヘアピン状共振器、BPF1,BPF2,BPF3,BPF4,BPF5、BPF6,BPF200,BPF300,BPF400 帯域通過フィルタ、Dcc11a,Dcc11b,Dcc21a,Dcc22,Dcc21b,Dcc31a,Dcc32a,dcc32b,Dcc31b,Dcc41a,Dcc42a,Dcc43a,Dcc43b,Dcc42b,Dcc41b,Dcc61a,Dcc62a,Dcc63a,Dcc64,Dcc63b,Dcc62b,Dcc61b,W101〜W104 分布定数線路、Pi10,Pi20,Pi30,Pi40,Pi60,Pi201,Pi301,Pi401 入力端子、Po13,Po24,Po34,Po45,Po66,Po207,Po307,Po402 出力端子、Ss12,Ss23a,Ss23b,Ss33a〜Ss33c,Ss44a〜Ss44e,Ss54a〜Ss54e,Ss55a〜Ss55e,Ss65a〜Ss65f,U111〜U115 ショートスタブ

Claims (6)

  1. 入力端子と出力端子との間に接続された複数の分布定数線路と、
    該複数の分布定数線路間の接続点とショート点の間に接続された少なくとも1本のショートスタブとを備え、
    使用周波数帯域の中心周波数の波長をλとした時に、前記複数の分布定数線路の電気長がそれぞれ約λ/4とされると共に、前記ショートスタブの電気長が約3λ/4とされ、前記複数の分布定数線路の特性インピーダンスが前記入力端子および前記出力端子のインピーダンス以上とされていると共に、前記ショートスタブの特性インピーダンスが前記入力端子および前記出力端子のインピーダンス以下とされており、前記複数の分布定数線路と前記ショートスタブとの間で電磁界結合を用いて結合されていないことを特徴とする帯域通過フィルタ。
  2. 前記複数の分布定数線路間の接続点が複数あり、該複数の接続点のそれぞれとショート点の間に前記ショートスタブがそれぞれ接続されている時は、全ての前記ショートスタブの特性インピーダンスが同じ値とされていることを特徴とする請求項1に記載の帯域通過フィルタ
  3. 前記複数の分布定数線路の初段の開放端に前記入力端子が接続され、前記複数の分布定数線路の最終段の開放端に前記出力端子が接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の帯域通過フィルタ。
  4. 前記複数の分布定数線路の初段の特性インピーダンスが前記入力端子のインピーダンスと等しい場合は、前記複数の分布定数線路の初段を省略することができ、
    前記複数の分布定数線路の最終段の特性インピーダンスが前記出力端子のインピーダンスと等しい場合は、前記複数の分布定数線路の最終段を省略することができることを特徴とする請求項1または2に記載の帯域通過フィルタ。
  5. 前記複数の分布定数線路および前記ショートスタブの線路が誘電体基板の一面に形成され、グランドが形成されていない前記誘電体基板の他面が導電性の筐体に接している場合に、前記誘電体基板の一面に形成された前記複数の分布定数線路の直下に対応する前記筐体の部分に空隙部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の帯域通過フィルタ。
  6. 前記ショートスタブが複数本並列に接続されて構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の帯域通過フィルタ。
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