JP2021049203A - 内因性リボフラビンに基づく非侵襲的角膜及び強膜強膜の強化装置 - Google Patents

内因性リボフラビンに基づく非侵襲的角膜及び強膜強膜の強化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】リボフラビンを眼に投与しなくても、内因性リボフラビンの存在を利用した非侵襲的角膜及び強膜強膜強化装置を提供する。【解決手段】リボフラビンを眼に投与しなくても角膜内に存在する内因性リボフラビンを利用する非侵襲的角膜及び強膜強膜強化装置であって、前記リボフラビンを眼に投与する装置又は部品を備えず、前記内因性リボフラビンに作用するバイオレットライトを眼に向けて照射する光源を有する。光源は、眼の表面での前記バイオレットライトの放射照度を0.01〜3mW/cm2の範囲で照射でき且つ前記放射照度に応じた照射時間で照射できる制御機構を備えている。【選択図】なし

Description

本発明は、内因性リボフラビンに基づく非侵襲的角膜及び強膜強膜の強化装置に関する。さらに詳しくは、角膜と強膜に内因性リボフラビンが存在することを初めて明らかにしたことにより、リボフラビンを点眼することなく、バイオレットライトを照射するだけで、非侵襲で角膜及び強膜強膜を強化することができるとともに、疾患進行を抑制することも可能な装置に関する。
円錐角膜は、角膜の中央付近の厚みが薄くなり、角膜が円錐状に前方へ突出する進行性の疾患である。従来、そうした円錐角膜や他の角膜疾患(例えば、角膜屈折矯正手術後エクタジア、ペルーシド角膜変性症等)の進行を抑制する治療法として、角膜クロスリンキング(「CXL」と略す。)が提案され、高いエビデンスのもとで実施されている。しかし、このCXLは、リボフラビン点眼液を角膜実質に浸透させるために、通常、角膜上皮を手術で剥離している。手術は、侵襲が大きく、術後に疼痛や角膜感染性の合併症が起こるおそれがある。さらに、通常のCXLでは、患者は医療機関の手術室内に拘束された状態で、専用の装置で光照射処置されるという不自由さがある。さらに、光照射の放射照度も高く、眼合併症も危惧される。
従来のCXLについて、非特許文献1,2では、光増感リボフラビンをヒト等に適用し、眼の正面1cmの距離から、波長370nmの光を3mW/cmの放射照度で30分間照射する処置方法が報告されている。また、非特許文献3では、光増感リボフラビンをウサギに適用し、眼の正面1cmの距離から、波長370nmの光を3mW/cmの放射照度で30分間照射する処置方法が報告されている。また、非特許文献4では、光増感リボフラビンをモルモットに適用し、眼の正面2±3cmの一定距離から、波長370nmの光を57mW/cmの放射照度で合計20分間照射する処置方法が報告されている。
Wollensak G, Spoerl E, Seiler T., Am.J.Ophthalmol., 2003 May;135(5):620-7. Gregor Wollensak, Eberhard Spoerl, Theo Seiler, J.CATARACT.REFRACT. SURG-VOL29,SEPTEMBER 2003. 1780-1785. Gregor Wollensak, Elena Iomdina, Dag-Daniel Dittert, Olga Salamatina and Gisela Stoltenburg,Acta Ophthalmol.Scand. 2005: 83: 477-482. Shuai Liu1, Shengjie Li1, Bingjie Wang1, Xiao Lin1, Yi Wu, Hong Liu1, Xiaomei Qu, Jinhui Dai, Xingtao Zhou, Hao Zhou, PLOS ONE,November 9,2016, 1-16.
PCT/JP2019/011552(国際公開前の未公開出願)
本発明者は、未公開の上記特許文献1において、角膜上皮の剥離を伴うとともに高い放射照度で紫外線を照射する従来のCXLでの課題を解決した技術を提案した。この技術は、従来のCXLのように医療機関で一定時間拘束された状態で処置を受けなくても、角膜上皮を剥離せずに、日常生活の中での処置を可能にした装置である。詳しくは、角膜及び強膜強膜の組織を強化するために使用される投与剤を投与した眼に向けてバイオレットライトを照射する装置であって、眼の表面でのバイオレットライトの放射照度を低く抑えた上で、バイオレットライトを眼に照射する時間を一日あたり1〜5時間程度にしたものである。
本発明者は、その後も継続して研究を重ねている過程で、角膜と強膜には内因性リボフラビンが存在することを初めて発見した。従来、角膜及び強膜組織にはリボフラビンは存在しないとされていたが、内因性リボフラビンの存在を明らかにしたことにより、リボフラビンを点眼で投与しなくても、その内因性リボフラビンの存在を利用し、バイオレットライトを照射するだけで角膜強度(ヤング率)の増大や疾患進行を抑制する道を初めて開いた。
本発明は、上記知見に基づいて完成したものであって、その目的は、リボフラビンを眼に投与しなくても、内因性リボフラビンの存在を利用した、非侵襲で角膜及び強膜強膜を強化する又は疾患進行を抑制する装置(以下、「非侵襲的角膜及び強膜強膜強化装置」という。)を提供することにある。
本発明に係る装置は、リボフラビンを眼に投与しなくても角膜及び強膜に存在する内因性リボフラビンを利用する非侵襲的角膜及び強膜強膜強化装置であって、前記リボフラビンを眼に投与する装置又は部品を備えず、前記内因性リボフラビンに作用するバイオレットライトを眼に向けて照射する光源を有する、ことを特徴とする。
この発明によれば、内因性リボフラビンの存在が明らかになったので、従来のようにリボフラビンを眼に投与したり、リボフラビンを角膜実質に浸透させるために角膜上皮を手術で剥離したりしなくてもよい。したがって、この装置は、リボフラビンを眼に投与する装置や部品を備えていないので、眼に向けてバイオレットライトを照射する光源を有する携帯可能なシンプルな装置とすることができる。
本発明に係る装置において、前記光源は、眼の表面での前記バイオレットライトの放射照度を0.01〜3mW/cmの範囲で照射でき且つ前記放射照度に応じた照射時間で照射できる制御機構を備えている。この発明によれば、光源が、低い放射照度での照射と、その放射照度に応じた照射時間で照射できる制御機構を備えるので、弱めの光を日常生活の中で1日数時間、数週間から数ヶ月照射することができる携帯型のシンプルな装置への応用が可能になる。
本発明に係る装置において、光源付きメガネ、光源付きコンタクトレンズ、及び光源付き眼球装着リングから選ばれる。この発明によれば、これら装置は顔前又は眼に配置されるので、日常生活の中でバイオレットライトを眼に照射することができる。
本発明に係る装置において、前記光源は、前記放射照度と前記照射時間とを制御する制御部を備え、該制御部は、前記光源と一体又は別体で配置されている。この発明によれば、制御部を備えた一体物とすることもできるし、制御部を備えない小型の別体物とすることもできる。
本発明によれば、リボフラビンを眼に投与しなくても、内因性リボフラビンの存在を利用した非侵襲的角膜及び強膜強膜強化装置を提供できる。特に本発明は、本発明者により内因性リボフラビンの存在が明らかになったので、従来のようにリボフラビンを眼に投与したり、リボフラビンを角膜実質に浸透させるために角膜上皮を手術で剥離したりしなくてもよい。その結果、従来の角膜クロスリンキングのように医療機関で一定時間拘束された状態で処置を受けなくても、弱めの光を日常生活の中で1日数時間、数週間から数ヶ月照射する治療を可能にすることができるという極めて画期的なシンプルな装置といえる。さらに、角膜上皮剥離を不要としており、CXLにともなう疼痛や角膜感染症を回避できる。
家兎の角膜強度の結果である。 光源付き眼球装着リングの例である。 光源付きメガネの例である。 実施前のOCT像(A)と実施後のOCT像(B)である。
本発明に係る非侵襲的角膜及び強膜強膜強化装置について図面を参照しつつ説明する。本発明は、以下の実施形態及び実施例の内容に限定されず、本発明の要旨を包含する範囲で種々の変形例や応用例を含む。
[非侵襲的角膜及び強膜強膜強化装置]
本発明に係る装置は、リボフラビンを眼に投与しなくても角膜及び強膜に存在する内因性リボフラビンを利用する非侵襲的角膜及び強膜強膜強化装置であって、前記リボフラビンを眼に投与する装置又は部品を備えず、前記内因性リボフラビンに作用するバイオレットライトを眼に向けて照射する光源を有する。光源は、眼の表面での前記バイオレットライトの放射照度を0.01〜3mW/cmの範囲で照射でき且つ前記放射照度に応じた照射時間で照射できる制御機構を備えている。
この装置は、本発明者により内因性リボフラビンの存在が明らかになったので、従来のようにリボフラビンを眼に投与したり、リボフラビンを角膜実質に浸透させるために角膜上皮を手術で剥離したりしなくてもよい。したがって、この装置は、リボフラビンを眼に投与する装置や部品を備えていないので、眼に向けてバイオレットライトを照射する光源を有する携帯可能なシンプルな装置とすることができる。なお、本発明者は、この新技術を「ケラバイオ」(登録商標、「KeraVio」とも言う。)。
<光源>
光源は、バイオレットライトを眼に向けて発するものである。本発明は、後述の表1に示すように眼の角膜及び強膜に内因性リボフラビンが存在することが本発明者により発見されたことにより、従来のようにリボフラビンを眼に投与する必要がない。したがって、リボフラビンを角膜に浸透させるための角膜上皮を手術で剥離する必要もない。この光源は、内因性リボフラビンに作用して角膜や強膜の強度を増すための装置である。
(内因性リボフラビン)
内因性リボフラビンの量は、表1の結果に示すように、ヒトの角膜においては0.29±0.04μg/gであり、ヒトの強膜においては0.22±0.03μg/gであることが確認された。上記した内因性リボフラビンの濃度は、現時点で得られた実験結果の例であり、その濃度範囲は特に限定されないが、いずれにしても、ヒトの角膜と強膜には内因性リボフラビンが存在していることが明らかになった。内因性リボフラビンが角膜及び強膜に含まれていることにより、バイオレットライトを前記内因性リボフラビンに作用させることができる。その結果、バイオレットライトを照射するだけで、非侵襲で角膜及び強膜強膜を強化することができるとともに、疾患進行を抑制することもできる。
(バイオレットライト)
バイオレットライトは、360〜400nmの範囲内の波長の光をいう。バイオレットライトを照射するとは、360〜400nmの波長範囲の全部又は一部の光を照射するという意味である。つまり、上記波長範囲内の全ての波長の光を照射するものであってもよいし、その波長範囲内の一部(特定範囲)の波長の光を照射するものであってもよいし、その波長範囲内にピーク波長を有したスペクトル光を照射するものであってもよい。なお、一部の波長の光を照射する場合は、一部の範囲の光しか照射しない光源を用いいてもよいし、フィルターで遮光して一部の波長の光だけを照射する光源を用いてもよい。また、360〜400nmの範囲内のバイオレットライトが主であれば、360nm付近や400nm付近では、360nm未満の光を少し含んでいても構わないし、400nmを超えた光を少し含んでいても構わない。
バイオレットライトの波長範囲であれば特に限定されないが、上市された光源の入手容易性から、例えば365〜380nmの範囲内にピークを有するバイオレットライトを好ましく用いることができる。なお、バイオレットライト以外の光については、一緒に照射できる光源であってもよいし、バイオレットライトだけを照射する光源であってもよい。通常は、バイオレットライトだけを照射する光源が好ましく採用される。バイオレットライト以外の光としては、例えば、400nmを超える光や、360nm未満の光であってもよい。
バイオレットライトの放射照度は、0.01〜3mW/cmの範囲内であることが好ましい。このような低い放射照度で照射するので、メガネ等の携帯型の装置とすることが可能となり、医療機関で一定時間拘束された状態で処置することなく、日常生活の中で処置することができる。さらに、角膜上皮剥離を不要としており、CXLにともなう疼痛や角膜感染症を回避できる。本発明では、従来の10分の1程度の低い放射照度で行うので、内因性リボフラビンを利用した光架橋反応をゆっくり行うことができ、結果としてコラーゲン組織を強化し、コラーゲン線維の架橋を行うことができている。本発明の装置により、従来の角膜クロスリンキングと同等又はそれ以上の効果(円錐角膜や他の角膜疾患等の進行抑制)を実現することができる。本発明の装置は、角膜と強膜に存在する内因性リボフラビンにより、角膜組織だけではなく強膜組織にも同様の効果を実現でき、しかも低い放射照度で照射するので、眼に対する影響を極めて小さくすることができる。
放射照度が0.01mW/cm未満の弱い光では、内因性リボフラビンを活用した光架橋反応の進行がゆっくりになるので、角膜及び強膜強膜の強化にかなり長期間必要になることがある。一方、放射照度が3mW/cmを超える場合は、従来と同程度の強さも含むことになるので、弱めの光を日常生活の中で1日数時間、数週間から数ヶ月照射するという意図とは異なったものとなってしまう。なお、日常的に適用する放射照度は、実際には、0.1〜1mW/cmの範囲内のバイオレットライトが便利に用いられる。
バイオレットライトの照射時間は、一日あたり数時間(例えば1〜5時間)で、数週間(例えば2〜8週間)から数ヶ月(例えば2〜6ヶ月)であることが好ましい。こうした時間と期間とすることにより、生活環境の中で無理せず、日常的に弱めの光を眼に照射することができる。なお、光は、任意に間欠的(一定間隔又は不定期間隔)としたり、連続的としたりすることができるので、そうした照射形態を考慮して、照射時間や期間を設定することができる。
(制御機構)
制御機構は、光源を制御する機構であって、眼の表面でのバイオレットライトの放射照度を0.01〜3mW/cmの範囲、好ましくは0.1〜1mW/cmの範囲で照射でき且つその放射照度に応じた照射時間で照射できるようにするものである。この制御機構により、弱めの光を日常生活の中で1日数時間、数週間から数ヶ月照射することができる。
制御機構は、光源を制御するものであり、具体的には放射照度や照射方式(連続、一定感間隔等)での制御や、一日あたりの照射時間とその期間の制御を行う制御部を備えていることが好ましい。そうした制御部は、光源と一体のものであってもよいし、光源とは別体のものであってもよい。一体のものとは、例えばLEDと制御回路とが一体となって光源を構成している場合である。別体のものとは、例えばLEDからなる発光部分と、そのLEDの発光を優先又は無線で制御する制御回路とが別部材として構成している場合である。
制御機構には、タイマー装置(時計を含む。)、記憶装置(メモリー)、表示装置(表示パネル)、通信装置等を備えていることが好ましい。これらを備えることで、一日あたりの照射時間を制御したり、繰り返し照射する場合の情報を記憶したり、それらを液晶パネルに表示したり、スマートフォンやパソコンとの間で送受信を行ってアプリケーションソフトでの制御やデータ蓄積を行ったり、することができる。また、病院や医師にデータ送信する送信装置を備えていれば、離れた場所にいても病院や医師による管理が可能になり、病院で拘束された処置でなくても適切な管理や、処理指導を行うことができる。
制御機構の作動タイミングは、予め任意に設定して作動させるものであり、任意に入力可能となるように構成されたものであることが好ましい。入力項目としては、バイオレットライトの放射照度、間欠的(一定間隔又は不定期間隔)か連続的か、照射時間、等を挙げることができる。
(具体的な装置形態)
具体的な装置形態としては、例えば、図2に示す光源付き眼球装着リング、図3に示す光源付きメガネ、図示しない光源付きコンタクトレンズ等を挙げることができる。これら装置は顔前又は眼に配置される装置として、日常的に使用するには便利である。
図2に示す光源付き眼球装着リングは、眼球結膜上に載せるリング部材である。このリング部材は、シリコーンやHEMAからなる素材に微小のLED光源が内蔵された構造であり、眼球結膜上にそのリング部材を載せることで、内蔵したLED光源から発光したバイオレットライトが、強膜内の内因性リボフラビンに反応して強膜のコラーゲン組織を架橋(クロスリンキング)する。強膜は、結膜(白眼)の下の組織であり、その強膜が架橋して強度アップするので、結果として眼軸長の伸展抑制(近視の進行抑制)という効果に繋がるという効果をもたらす。
図3に示す光源付きメガネは、眼球前方に配置するメガネ部材である。このメガネ部材は、図3に示すようにレンズフレームの上縁にLED光源が取り付けられた構造であり、そのLED光源から発光したバイオレットライトが、眼に照射されて角膜内及び強膜内の内因性リボフラビンに反応して角膜及び強膜が架橋(クロスリンキング)し、角膜及び強膜の強度を増したり、円錐角膜の進行を抑制したりすることができる。
光源付きコンタクトレンズ(図示しない)は、眼球に装着するコンタクトレンズ部材である。このコンタクトレンズ部材は、薄膜型のLED光源が内蔵された構造であり、眼球上にそのコンタクトレンズ部材を載せることで、内蔵したLED光源から発光したバイオレットライトが、角膜及び強膜内の内因性リボフラビンに反応して角膜及び強膜のコラーゲン組織を架橋(クロスリンキング)し、角膜及び強膜の強度を増したり、円錐角膜の進行を抑制したりすることができる。
なお、角膜と強膜が内因性リボフラビンを含んでいることがわかったことから、通常のCXLのように、患者は医療機関の手術室内に拘束された状態で専用の装置で光照射処置される場合であっても、光増感リボフラビンを眼に点眼することなく処置することができる。
以下、実験例により本発明をさらに詳しく説明する。
[実験1]
表1は、角膜と強膜に内因性リボフラビンが存在する結果(No.1,No.2)と、既に公開された論文に記載の結果(No.3〜No.8)である。リボフラビンの濃度は、ヒトの角膜、ヒトの強膜、家兎の角膜について、それぞれ5例測定した。角膜は直径10mmの大きさで採取し、強膜は直径12mmで採取し、中心直径10mmをパンチで打ち抜いた幅2mmの大きさとした。角膜及び強膜強膜に含まれるリボフラビン濃度の測定は、液体クロマトグラフ質量分析計(LC−MS)で行った。測定結果は、表1中にNo.1,No.2として示した。
Figure 2021049203
表1に示すように、既報では、角膜中にリボフラビンが存在しないとされており、組織内のリボフラビン濃度は、0.1%リボフラビン濃度溶液を点眼した後の濃度が測定されていた。本発明者は、リボフラビン濃度溶液を点眼しない場合でも、内因性リボフラビンが存在することを確認した。
[実験2]
生後8週の白色家兎を5例(右眼5眼)を対象とし、補酵素型ビタミンB2であるフラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム(FAD:flavin adenine dinucleotide)を点眼せず、375nmのバイオレットライトを、放射照度4500μW/cmに制御するとともに、1日あたり4.5時間連続照射し、それを1週間続けた(総エネルギーは454J/cm)。375nmのバイオレットライトは、LED(NITRIDE株式会社製、型名:フラッシュライト)を用いた。左眼5眼は、コントロール群としてバイオレットライト照射を行わなかった。全ての例で上皮剥離は行っていない。
1週間経過した後、家兎の角膜と強膜を採取した。角膜は、幅5mm縦10mmで採取した。これらを引張試験機(TA.XTplus;Stable Micro Systems,U.K.)に固定し、0.029mm/秒の速度で縦方向に牽引して引張強度を測定した。その結果を図1に示した。
図1に示すように、バイオレットライトを照射したグループは、照射しないコントロールグループに比べて2倍以上の強度アップが実現できることがわかった。この結果から、リボフラビンの点眼を行わなくても、角膜が有する内因性リボフラビンを利用したクロスリンキングを行えることがわかった。
[実験3]
図4は、バイオレットライトを照射した後にデマルケーションライン(図中の矢印参照)が認められた症例である。デマルケーションラインは、CXL後に角膜実質コラーゲン組織が架橋されていることを示す所見である。バイオレットライトは、実験2で用いたものを用い、放射照度310μW/cmで、毎日3時間、1ヶ月間照射した。その結果、図4に示すように、角膜実質にデマルケーションラインを生じたことをOCT像にて確認した。


Claims (4)

  1. リボフラビンを眼に投与しなくても角膜及び強膜内に存在する内因性リボフラビンを利用する非侵襲的角膜及び強膜強膜強化装置であって、前記リボフラビンを眼に投与する装置又は部品を備えず、前記内因性リボフラビンに作用するバイオレットライトを眼に向けて照射する光源を有する、ことを特徴とする非侵襲的角膜及び強膜強膜強化装置。
  2. 前記光源は、眼の表面での前記バイオレットライトの放射照度を0.01〜3mW/cmの範囲で照射でき且つ前記放射照度に応じた照射時間で照射できる制御機構を備えている、請求項1に記載の非侵襲的角膜及び強膜強膜強化装置。
  3. 光源付きメガネ、光源付きコンタクトレンズ、及び光源付き眼球装着リングから選ばれる、請求項1又は2に記載の非侵襲的角膜及び強膜強膜強化装置。
  4. 前記光源は、前記放射照度と前記照射時間とを制御する制御部を備え、該制御部は、前記光源と一体又は別体で配置されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非侵襲的角膜及び強膜強膜強化装置。


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