JP2021048374A - 光センサ装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】気密性が高く、高い信頼性を有する光センサ装置を提供する。【解決手段】光半導体素子4を基部3の凹部3bに固定し、光半導体素子4のパッド部と基部3のリード部6とを電気的に接続する。基部3の外側領域の突出部3aの上面には基部側メタライズ層9、接合層10、基部側メタライズ層の幅よりも狭い幅のリッド側メタライズ層8、そして、リッド部2が設けられている。さらに、接合層の上面の幅をリッド側メタライズ層8の幅を越えないという構成とすることで気密に接合することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、光センサ装置およびその製造方法に関する。
紫外線は太陽光線中に含まれるもの、エキシマランプやLEDなどの紫外線発光源から放出されるものなどがあり、その人体への影響を心配されている。一方で、樹脂硬化や照明用励起光源として用いるなど、産業機器用途を始めとした利用が増加しており、注目する波長帯でもある。太陽光や発光源から放出される紫外線は、比較的安価で信頼性の高い光半導体素子と組立プロセスを用いた紫外線センサ活用することにより、波長や出力などの特性を容易に検出することができる。
従来、光半導体素子を収納した樹脂組成物からなる封止材と、封止材と接着剤を介して接合される透明蓋体からなる光センサ装置(光半導体装置)が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−41143号公報
しかしながら、特許文献1に記載の光センサ装置では、光半導体素子を収納した封止体と透明蓋体をエポキシ系接着剤で接着する構成であるため、長時間の紫外線照射によって接着剤が劣化して封止体と透明蓋体が剥がれ、信頼性が損なわれてしまう。
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、気密性の高い中空パッケージに収納された信頼性の高い光センサ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では以下の手段を用いた。
光半導体素子が載置された基部と、
前記基部と重ねて設けられ前記光半導体素子を中空部に封止するガラスからなるリッド 部と、前記リッド部の前記基部と対向する面に前記中空部を囲んで設けられた第1メタ ライズ層と、
前記基部の前記リッド部と対向する面に前記中空部を囲んで設けられた第2メタライズ層と、
前記第1メタライズ層と第2メタライズ層とを接合する接合層と、を備え、
平面視的に、前記第2メタライズ層が設けられる領域内に前記第1メタライズ層の全体が位置し、
前記接合層の上面の幅が前記第1メタライズ層の幅を越えないことを特徴とする光センサ装置とする。
また、基部と、前記基部と重ねて設けられ光半導体素子を中空部に封止するリッド部とを準備する工程と、
前記リッド部の前記基部と対向する面に、第1メタライズ層を設ける工程と、
前記第1メタライズ層の側面を酸化する工程と、
前記基部の前記リッド部と対向する面に、前記第1メタライズ層の配置領域よりも大きい領域を有する第2メタライズ層を設ける工程と、
前記基部に前記光半導体素子を載置する工程と、
前記第1メタライズ層上に接合材を塗布する工程と、
前記塗布された接合材を仮焼成する工程と、
前記リッド部と前記基部を、前記第1メタライズ層と前記第2メタライズ層と前記仮焼成した接合材とを介して重ね合わせる工程と、
前記仮焼成する工程よりも高温で加重しながら本焼成し、前記リッド部と前記基部を接合する工程と、
を備えることを特徴とする光センサ装置の製造方法を用いる。
上記手段を用いることで、気密性の高い中空パッケージに収納された信頼性の高い光センサ装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態にかかる光センサ装置の断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる光センサ装置の基部の平面図および断面図である。 光センサ装置の応力とクラックを説明する断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる光センサ装置の断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる光センサ装置の基部の平面図および断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる光センサ装置の基部の平面図である。 本発明の第4実施形態にかかる光センサ装置の断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる光センサ装置の製造工程を示す図である。 図8に続く、本発明の第1実施形態にかかる光センサ装置の製造工程を示す図である。 図9に続く、本発明の第1実施形態にかかる光センサ装置の製造工程を示す図である。 図10に続く、本発明の第1実施形態にかかる光センサ装置の製造工程を示す図である。 図11に続く、本発明の第1実施形態にかかる光センサ装置の製造工程を示す図である。 図12に続く、本発明の第1実施形態にかかる光センサ装置の製造工程を示す図である。 図13に続く、本発明の第1実施形態にかかる光センサ装置の製造工程を示す図である。
本発明における実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本発明は下記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは言うまでもない。
図1は本発明の第1実施形態にかかる光センサ装置の断面図である。図1(a)に示すように、光センサ装置1は以下のように構成されている。光半導体素子4を基部3の凹部3bの底部にダイボンド層15を介して固定し、光半導体素子4の表面のパッド部と基部3の表面に設けられたリード部6とをワイヤ5を介して電気的に接続している。また、基部3の外側領域の全周囲は上方に突き出した形状の突出部3aとなっている。基部3の一部である突出部3aの上面には基部側メタライズ層9、基部側メタライズ層9の上面には接合層10、接合層10の上面にはリッド側メタライズ層8、そして、リッド側メタライズ層8の上面にはリッド部2が設けられている。金属製のリッド側メタライズ層8と基部側メタライズ層9と接合層10とを用いることでリッド部2と基部3とを気密に接合することができる。そして、その内部、すなわち、光半導体素子4が収納されている領域は中空部7となっている。
次に、光センサ装置1の各部の材質について説明する。リッド部2は石英ガラスやホウケイ酸ガラスやサファイアなどの透明の板材からなり、波長が200nm以下の紫外線を高率で透過可能とするものである。基部3はアルミナやチッカアルミなどのセラミックであって、熱伝導率の良好な材質である。リッド側メタライズ層8と基部側メタライズ層9はバリアメタル膜であるNi膜と濡れ性改善膜であるAu膜の積層膜であってリッド部2や基部3の一部である突出部3aとNi膜が接し、Au膜が接合層10と接する構成である。接合層10はハンダまたは金錫などであって、SnAgCu、SnAg、SnCu、SnNi、AuSn等が利用できる。以上のように、リッド部2と基部3とリッド側メタライズ層8と基部側メタライズ層9と接合層10には紫外線によって劣化しない材料を用いている。しかしながら、リッド部2として用いる石英ガラスやホウケイ酸ガラスと、基部3として用いるアルミナやチッカアルミとは、膨張係数の差が大きいため、接合においてリッド側メタライズ層8と基部側メタライズ層9と接合層10に応力が掛かり易く、特に、リッド側メタライズ層8とリッド部2との界面にかかる応力によって、リッド側メタライズ層8の端面に接するリッド部2にクラックが発生しやすい。
そこで、本発明では、図1(b)の部分拡大図に示すような構成とした。図1(b)は図1(a)における突出部3aおよびこの上部を拡大した図である。突出部3aの上面には基部側メタライズ層9、基部側メタライズ層9の上面には接合層10、接合層10の上面にはリッド側メタライズ層8、そして、リッド側メタライズ層8の上面にはリッド部2が設けられている。突出部3aの上面全ては基部側メタライズ層9で覆われ、突出部の幅d4は基部側メタライズ層の幅d2と同じである。基部3と対向するリッド部2の下面に設けられているリッド側メタライズ層8はリッド部2の外端2aから離れて中空部7側へ僅かにずれて形成されている。
リッド側メタライズ層8と基部側メタライズ層9は接合層10を介して接合されており、接合層10がリッド側メタライズ層8と接する領域における接合層の上面の幅g1はリッド側メタライズ層の幅d1を越えることはなく、ほぼ同一である。これは、リッド側メタライズ層8がバリアメタル膜のNi膜と濡れ性改善膜であるAu膜の積層膜であって、Ni膜が接合層10に対し濡れ性が悪いためである。
接合層の上面の幅g1をリッド側メタライズ層の幅d1に比べ僅かに小さくしたい場合は、以下のような構成とすれば良い。図9(c)に図示するように、リッド側メタライズ層8はバリアメタル膜のNi膜8yと濡れ性改善膜であるAu膜8xの積層膜であって、Ni膜8yの両端の側面には膜厚が10nm〜50nmのNi酸化物8zが設けられている。この構成の場合、接合層10の濡れ性の悪いNi酸化物8zの側面や上面には接合層10は形成されないため、接合層10がリッド側メタライズ層8と接する領域における接合層の上面の幅g1はリッド側メタライズ層の幅d1を越えることはなく、リッド側メタライズ層の幅d1に比べ僅かに小さくなる。当然ながら、接合層10がリッド側メタライズ層8の側面にまわり込んで付着する懸念もない。
図1(b)に戻って、接合層10が基部側メタライズ層9と接する領域における接合層の下面の幅g2は基部側メタライズ層の幅d2を越えることはない。ここで、基部側メタライズ層の幅d2はリッド側メタライズ層8の1.05〜2.0倍であることが望ましい。また、接合層10の層厚は応力緩和の観点から10〜30μm以下であることが望ましい。そして、接合層10の側面は緩やかに凹型に屈曲するメニスカス構造である。この構造であれば、透明なリッド部2の上面から接合層10の有無を視認することができ、接合層10の濡れ広がりが十分であるか否かを容易に確認することができる。
図2は本発明の第1実施形態にかかる光センサ装置の基部の平面図および断面図であって、図1(a)におけるリッド部2を除去した断面図を図2(b)に図示し、平面図を図2(a)に図示している。図2(b)の詳細説明は割愛し、図2(a)のみを以下で説明する。
図2(a)の平面図に示すように、接合層10とリッド側メタライズ層8が基部3の外周領域に枠状に設けられ、それぞれの幅はg2、d1である。の内周縁の差W1はリッド側メタライズ層の内周縁8aと基部側メタライズ層の内周縁9aの距離、外周縁の差W2はリッド側メタライズ層の外周縁8bと基部側メタライズ層の外周縁9bの距離を示している。基部3の外端3cと基部側メタライズ層の外周縁9bと接合層10の下面の外周縁は同一位置にあり、そして、矩形の基部3の四隅においても接合層10の下面および基部側メタライズ層9は基部3の外端3cまで設けられている。さらに、接合層10の下面の内周縁は基部側メタライズ層9の内周縁9aと同一であって、基部側メタライズ層の外周縁9bと基部側メタライズ層の内周縁9aで囲まれた領域に接合層10が形成されている。以上のように、本実施形態では、基部側メタライズ層9の領域内にリッド側メタライズ層8の全体が位置する構成である。
なお、基部側メタライズ層のコーナー部内周縁9cは所定の曲率半径r1を有する曲線である。また、リッド側メタライズ層の外周縁8bは基部の外端3cよりも内側に設けられ、コーナー部外周縁8dは所定の曲率半径r3を有する曲線である。また、リッド側メタライズ層の内周縁8aは基部側メタライズ層の内周縁9aよりも外側に設けられ、コーナー部内周縁8cは所定の曲率半径r2を有する曲線である。各曲率半径はr1<r2<r3の関係にあるが、これらの曲率半径をなるべく大きくしたほうがコーナー部での応力集中を回避できる。
以上のように、本実施形態にかかる光センサ装置1では、基部側メタライズ層9の領域内にリッド側メタライズ層8の全体が位置する構成としたため、リッド部2を構成する石英ガラスやホウケイ酸ガラスと基部3を構成するアルミナやチッカアルミとの膨張係数の差から生じる引っ張り応力はリッド側メタライズ層8の端部とリッド部2の界面に集中せず、リッド側メタライズ層8の端部に対応するリッド部でのクラック発生及びそれに伴うリッド側メタライズ層8の剥離発生を回避できる。次に、図3の応力とクラックを示す断面図を用いて説明する。図中の矢印は応力のかかる方向を示し、その長さで応力の大きさを表している。図3(a)のように、基部側メタライズ層9の幅(図1(b)の符号d2に相当)がリッド側メタライズ層8の幅(図1(b)の符号d1に相当)よりも小さい場合は、リッド側メタライズ層8の中央部よりも端部にかかる応力が大きく、リッド側メタライズ層8の端部に接するリッド部2でのクラック13やリッド側メタライズ層8の剥離が発生しやすい。本構成を平面視的に見ると、リッド側メタライズ層8の領域内に基部側メタライズ層9の全体が位置する形状であるため、透明なリッド部2の上面から接合層10の有無を視認することができない。これに対し、図3(b)のように、基部側メタライズ層9の幅(図1(b)の符号d2に相当)がリッド側メタライズ層8の幅(図1(b)の符号d1に相当)よりも大きい場合は、リッド側メタライズ層8の端部にかかる応力は分散して緩和され、中央部にかかる応力よりも幾分小さくなる。このため、リッド側メタライズ層8の端部に接するリッド部2でのクラック13が発生しない。本構造を平面視的に見ると、基部側メタライズ層9の領域内にリッド側メタライズ層8の全体が位置する形状であるため、透明なリッド部2の上面から接合層10の有無を視認することができ、接合層10の濡れ広がりが十分であるか否かを容易に確認することができるという利点もある。
以上のように、リッド側メタライズ層8の領域内に基部側メタライズ層9の全体が位置する構成とした本実施形態の場合は、リッド部2でのクラックが発生せず、気密性の高い中空パッケージに収納された信頼性の高い光センサ装置が得られる。
また、中空部7の気密を保とうとすれば、リッド側メタライズ層の幅d1と基部側メタライズ層の幅d2には所定の幅が必要とされるが、本実施形態においては、基部側メタライズ層9が突出部3aの上面全てを覆う構造としたため、従来に比べ突出部の幅d4を細くでき、その結果として、小型の光センサ装置1が実現できる。
図4は本発明の第2実施形態にかかる光センサ装置の断面図である。第1実施形態の光センサ装置と異なるのは、リッド側メタライズ層8の外周縁がリッド部2の外端2aと同一位置にある点である。これにより、基部3の突出部3aの外端3cと基部側メタライズ層9の外周縁9bと接合層の外周縁とリッド側メタライズ層の外周縁8bとリッド部2の外端2aが同一断面に露出する形態となる。このような形態とすることで光センサ装置1のさらなる小型化が可能となる。
図5は本発明の第2実施形態にかかる光センサ装置の基部の平面図および断面図であって、図4(a)におけるリッド部2を除去した断面図を図5(b)に図示し、平面図を図5(a)に図示している。
図5(a)の平面図に示すように、接合層10とリッド側メタライズ層8が基部3の外周領域に枠状に設けられ、それぞれの幅はg2、d3である。内周縁の差W1はリッド側メタライズ層の内周縁8aと基部側メタライズ層の内周縁9aの距離を示している。接合層10の外周縁は基部側メタライズ層の外周縁9bとリッド側メタライズ層の外周縁8bと同一位置であり、矩形の基部3の四隅を除く領域において基部3の外端3cとも同一位置にある。また、接合層10の下面の内周縁は基部側メタライズ層9の内周縁9aと同一であって、基部側メタライズ層の外周縁9bと基部側メタライズ層の内周縁9aで囲まれた領域に接合層10が形成されている。なお、基部側メタライズ層のコーナー部内周縁9cは所定の曲率半径r1を有する曲線であり、基部側メタライズ層のコーナー部外周縁9dは所定の曲率半径r4を有する曲線である。
リッド側メタライズ層の外周縁8bは基部の外端3cよりも内側に設けられ、コーナー部外周縁8dは所定の曲率半径r3を有する曲線である。また、リッド側メタライズ層の内周縁8aは基部側メタライズ層の内周縁9aよりも外側に設けられ、コーナー部内周縁8cは所定の曲率半径r2を有する曲線である。各曲率半径はr1<r2<r3=r4の関係にあるが、これらの曲率半径をなるべく大きくしたほうがコーナー部での応力集中を回避できる。
図6は本発明の第3実施形態にかかる光センサ装置の平面図である。第1実施形態の光センサ装置と異なるのは、矩形の基部3の四隅に接合層10および基部側メタライズ層9を配置していない点である。コーナー部において接合層10および基部側メタライズ層のコーナー部外周縁9dは所定の曲率半径r4を有する曲線である。このような形状とすることでコーナー部におけるリッド部2とリッド側メタライズ層8との界面へ及ぼす引っ張り応力を軽減し、リッド部2のクラック発生をさらに防止できる。
図7は本発明の第4実施形態にかかる光センサ装置の断面図である。
単層基板からなる基部3の上にダイボンド層15を介して光半導体素子4を固定し、光半導体素子4の表面のパッド部と基部3の表面に設けられたリード部6とをワイヤ5を介して電気的に接続している。また、基部3の外側領域の上面には基部側メタライズ層9、基部側メタライズ層9の上面には接合層10、接合層10の上面にはリッド側メタライズ層8が枠状に設けられ、そして、リッド側メタライズ層8の上面には凸状のリッド部12が設けられている。また、平面視的にリッド側メタライズ層8の全体が基部側メタライズ層9の領域内に設けられる構成である。接合層10とリッド側メタライズ層8の幅の関係や接合層10と基部側メタライズ層9の幅の関係は第1実施形態の説明で記載したものと同一である。
第1実施形態にかかる光センサ装置においてはリッド部2を構成する部分はウェハのような平板であったが、本実施形態では凸状に成型して内部に中空部7を有するリッド部12とした。これにより、比較的高価な基部3の材料を減らすことによりコストダウンとなる。また、凸状のリッド部12を用いることで光半導体素子4への光の入射角を広くすることができる。その結果、高感度の光センサ装置1とすることができる。
また、本実施形態の光センサ装置1では、リッド部2と基部3との膨張係数の差による接合後のダメージが発生し易いリッド部2とリッド側メタライズ層8との界面に対して引っ張り応力が働きにくくなる為、高い気密性を維持することができ、長期間の使用に耐えられ、繰り返しリフローサイクルやヒートサイクルといった膨張係数の影響を受けやすい熱衝撃を伴う試験であっても気密性が変化することなく、また、リッド部2とリッド側メタライズ層8との界面への剥離やクラックを発生せず高い信頼性を維持することができる。
図8乃至図14は本発明の第1実施形態にかかる光センサ装置の製造工程を示す図である。
まず、図8に示すように、アルミナやチッカアルミなどのセラミック材料からなり、その上部中心付近に凹部3bを有する基部3を用意する。また、脆性材料である石英ガラスやホウケイ酸ガラスやサファイアなどの透明基板からなるリッド部2を用意する。リッド部2は表裏面ともに平滑な平板である。(ステップ1)
次に、リッド部2の一方の主面に、スパッタ法にてバリアメタル膜であるNi膜8yと濡れ性改善膜であるAu膜8xを連続積層した後、所定のレジストパターンを用いてエッチングし、図9(a)および(b)に示すようなNi膜8yとAu膜8xを順に積層したリッド側メタライズ層8を形成する。このときNi膜8yの側面は大気に露出した状態である。リッド側メタライズ層8は内周縁8aと外周縁8bに挟まれ、リッド部2の外側領域を取り囲むように形成される
次に、図9(c)の部分拡大図に示すように、リッド側メタライズ層8を形成したリッド部2をプラズマ酸化してNi膜8yの両端の側面に膜厚が10nm〜50nmのNi酸化物8zを形成する。このとき、Au膜8xもプラズマ酸化雰囲気に曝されるが、Au膜8xには耐酸化性があり、その表面に酸化物を形成されない。後の接合工程において、ここで形成したNi酸化物の上面や側面には接合層10が形成されないためリッド部2にクラックを発生させることがない。
以上では、Ni膜8yの側面にNi酸化物8zを形成する例について説明したが、Ni酸化物8zに代えて膜厚が10nm〜50nmのNi窒化物を形成することでも同様の効果が得られる。なお、Ni窒化物はプラズマ窒化法にて形成できる。
ステップ1において、個片化したリッド部2を用意したのではなく、ウェハ状のリッド部2を用意したのであればリッド側メタライズ層8を形成後、所望のパッケージサイズへカット加工をして個片化する。ちなみに、リッド側メタライズ層8が形成された主面が後に基部3と対向する面となる。(ステップ2)
次に、図10に示すように、基部3の外側領域に設けた突出部3aの表面にNi膜とAu膜を順に積層し、基部側メタライズ層9を形成する。基部側メタライズ層9はその内周縁9aと外周縁9bに挟まれ、内周縁9aは図9で説明した内周縁8aその形成方法としてはメタルマスクを用いて成膜と同時にパターン形成する方法や成膜後にレジストマスクを用いてパターン形成する方法やリフトオフ法などを適宜選択できる。ちなみに、基部側メタライズ層9が形成された突出部3aが後にリッド部2と対向する面となる。(ステップ3)
次に、図11に示すように、基部3の凹部3bの底部に銀ペーストや絶縁ペーストなどのダイボンド層15を介して光半導体素子4を載置し、光半導体素子4の表面に設けられたパッド部と基部3の表面に設けられたリード部6とをワイヤ5を介して電気的に接続する。(ステップ4)
次に、図12に示すように、リッド側メタライズ層8の上にディスペンサ14を用いてハンダまたは金錫などを含有するペースト状の接合材11を打点塗布する。(ステップ5)
次に、図13に示すように、打点塗布された接合材11を窒素雰囲気または真空雰囲気で仮焼成する。この仮焼成は接合材11に含まれる溶剤を蒸発させる工程であり、仮焼成前後で接合材11の平面形状はほぼ変わらず、その高さのみが収縮する。仮焼成を行うことにより、ガラスまたはサファイアに設けられたリッド側メタライズ層8の表面と接合材11とが塗布形状を維持しつつ溶融が進んだ状態で熱接合される。接合材11がリッド側メタライズ層8と接していない面は開放状態である為、溶融を伴って発生するボイドが容易に抜け易い。(ステップ6)なお、ペースト状の接合材11の塗布は、打点塗布に限らず、連続塗布や非連続塗布であっても良い。
次に、図14に示すように、リッド側メタライズ層8および接合材11と基部側メタライズ層9が向き合うように重ね合わせる。(ステップ7)
次に、重ね合わせたリッド部2および基部3を窒素雰囲気または真空雰囲気に置き、リッド部2の上面もしくは基部3の底面から加重をかけながら仮焼成の温度よりも高温で本焼成する。この工程において、接合材11からバインダやフラックスなどが抜け、ハンダや金錫などの金属成分だけが残り、接合層10が形成される。接合層10の形成によってリッド部2と基部3は気密に接合され、その内部には無酸素状態もしくは極低酸素状態の中空部7が形成される。
光センサ装置1はUV−Cなど極めて短波長の光に曝されることもあるが、中空部7内が無酸素もしくは極低酸素状態であるため、紫外線励起によるオゾン発生を極少量に抑える、またはオゾンの無い中空部7が実現でき、収納されている光半導体素子4の劣化を抑えることができる。なお、接合が完了したのち、自然冷却する。(ステップ8)
以上の工程を経て、図1に示す光センサ装置1が完成する。リッド部2に用いるガラスまたはサファイアと、基部3に用いるアルミナまたはチッカアルミと、接合材11に用いるハンダまたは金錫は互いに膨張係数が異なり、接合に伴う応力の影響を受ける為、熱接合には不向きとされるが、接合材11としてペースト状のものを用いて、打点状に分散した塗布を行った後に仮焼成を行い、リッド側メタライズ層8との間の接合を予め行うことで接合面に発生する応力はリッド側メタライズ層8と基部側メタライズ層9との同時接合焼成という方法で発生する応力に比較して少ない。このように、熱膨張係数差のある材料どうしを熱接合する場合、仮焼成を行うことはガラスまたはサファイアなどの脆性材料とメタライズ層との界面での剥離を防ぐのに有効であり、接合面において気密性の高い中空パッケージの光センサ装置1とすることができる。
また、リッド側メタライズ層8の平面積を基部側メタライズ層9の平面積よりも小さくし、さらに、平面視的にリッド側メタライズ層8が形成された領域内に基部側メタライズ層9のすべてが入るように重畳して配置することで、脆性材料とメタライズ層との界面での剥離を抑制することができ、気密性の高い中空パッケージの光センサ装置1を得ることができる。
以上説明したように、本発明の光センサ装置は、紫外線照射による劣化がなく、リッド部と基部との剥離の懸念がない気密性の高い中空パッケージに収納された信頼性の高い光センサ装置である。
本発明の一態様に関わる光センサ装置は、産業機器、ウェアラブル端末、家電製品をはじめとして、車載や屋外用途への応用も可能である。
1 光センサ装置
2,12 リッド部
2a 外端
3 基部
3a 突出部
3b 凹部
3c 外端
4 光半導体素子
5 ワイヤ
6 リード部
7 中空部
8 リッド側メタライズ層
9 基部側メタライズ層
8a,9a 内周縁
8b,9b 外周縁
8c,9c コーナー部内周縁
8d,9d コーナー部外周縁
8x Au膜
8y Ni膜
8z Ni酸化物
10 接合層
11 接合材
13 クラック
14 ディスペンサ
15 ダイボンド層
d1,d3 リッド側メタライズ層の幅
d2 基部側メタライズ層の幅
d4 突出部の幅
g1 接合層の上面の幅
g2 接合層の下面の幅
W1 内周縁の差
W2 外周縁の差

Claims (10)

  1. 光半導体素子が載置された基部と、
    前記基部と重ねて設けられ前記光半導体素子を中空部に封止するガラスからなるリッド 部と、前記リッド部の前記基部と対向する面に前記中空部を囲んで設けられた第1メタ ライズ層と、
    前記基部の前記リッド部と対向する面に前記中空部を囲んで設けられた第2メタライズ層と、
    前記第1メタライズ層と第2メタライズ層とを接合する接合層と、を備え、
    平面視的に、前記第2メタライズ層が設けられる領域内に前記第1メタライズ層の全体が位置し、
    前記接合層の上面の幅が前記第1メタライズ層の幅を越えないことを特徴とする光センサ装置。
  2. 前記第2メタライズ層の外周縁が前記基部の外端と接することを特徴とする請求項1に記載の光センサ装置。
  3. 前記第1メタライズ層の外周縁が前記第2メタライズ層の外周縁よりも前記中空部側に位置し、前記第2メタライズ層の内周縁が前記第1メタライズ層の内周縁よりも前記中空部側に位置することを特徴とする請求項2に記載の光センサ装置。
  4. 前記第1メタライズ層の外周縁が前記第2メタライズ層の外周縁と同一位置であって、前記第2メタライズ層の内周縁が前記第1メタライズ層の内周縁よりも前記中空部側に位置することを特徴とする請求項2に記載の光センサ装置。
  5. 前記リッド部は第1メタライズ層を構成するバリアメタル層に接し、前記バリアメタル層の側面には、前記バリアメタル層の酸化物が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光センサ装置。
  6. 前記リッド部は、脆性材料からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光センサ装置。
  7. 基部と、前記基部と重ねて設けられ光半導体素子を中空部に封止するリッド部とを準備する工程と、
    前記リッド部の前記基部と対向する面に、第1メタライズ層を設ける工程と、
    前記第1メタライズ層の側面を酸化する工程と、
    前記基部の前記リッド部と対向する面に、前記第1メタライズ層の配置領域よりも大きい領域を有する第2メタライズ層を設ける工程と、
    前記基部に前記光半導体素子を載置する工程と、
    前記第1メタライズ層上に接合材を塗布する工程と、
    前記塗布された接合材を仮焼成する工程と、
    前記リッド部と前記基部を、前記第1メタライズ層と前記第2メタライズ層と前記仮焼成した接合材とを介して重ね合わせる工程と、
    前記仮焼成する工程よりも高温で加重しながら本焼成し、前記リッド部と前記基部を接合する工程と、
    を備えることを特徴とする光センサ装置の製造方法。
  8. 前記本焼成する工程が、窒素雰囲気もしくは真空雰囲気で行われることを特徴とする請求項7に記載の光センサ装置の製造方法。
  9. 前記塗布する工程において、隣接する前記接合材を離間して塗布することを特徴とする請求項7または8に記載の光センサ装置の製造方法。
  10. 前記塗布する工程において、前記接合材を前記第1メタライズ層の内周縁と外周縁の間の領域に塗布することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の光センサ装置の製造方法。
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