JP2021047519A - 入札計画決定装置および入札計画決定方法 - Google Patents

入札計画決定装置および入札計画決定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エネルギー市場と調整力市場の両方を考慮した適切な入札計画を策定することができる入札計画決定装置を得ること。【解決手段】エネルギー市場における約定価格を予測する第1予測部11と、調整力市場における約定価格を予測する第2予測部12と、調整力の発動量を予測する第3予測部13と、発電事業者の利益を示す関数であって発電機の出力、エネルギー市場における売買量および調整力市場における販売量の関数である目的関数に、第1予測部11、第2予測部12および第3予測部13による予測結果を反映する定式化部17と、目的関数と、発電機の運転制約条件を含む制約条件とを用いて、目的関数を最大化する、発電機の出力、エネルギー市場における売買量および調整力市場における販売量を計算し、計算結果に基づいて発電計画、エネルギー市場における入札計画および調整力市場における入札計画を決定する計画決定部19と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電力取引市場における入札の計画を策定する入札計画決定装置および入札計画決定方法に関する。
発電設備を有し、発電設備によって発電した電力を供給する発電事業者は、一般に、市場取引とは別に、小売契約、相対契約などの契約により電力を供給している。発電事業者が小売契約、相対契約などの契約により供給する電力量を、以下、需要量と呼ぶこととする。
電力小売全面自由化が始まり、日本卸電力取引所(JEPX:Japan Electric Power Exchange)を通じた電力の取引が行われている。日本卸電力取引所における取引には、スポット市場とも呼ばれる一日前市場と、当日市場とも呼ばれる時間前市場と、の2種類がある。日本卸電力取引所における上記取引は、コンピュータにより行われており、取引に参加する各電力事業者はインターネットなどを介して入札を行う。発電事業者は、電力取引市場における取引に参加する場合、需要量、発電に要するコスト、発電機の最大出力および市場価格などを考慮して、発電計画と入札計画を策定することになる。
上述したスポット市場および時間前市場は、エネルギー市場と呼ばれ、電力量を売買する市場である。電力取引市場として、エネルギー市場に加えて、2021年には、調整力を売買する需給調整市場と呼ばれる調整力市場が開設される予定である。調整力は、計画値からの変動などが生じた場合に電力の同時同量を実現するための調整を行う能力である。この調整は送配電事業者により行われる。送配電事業者は、電力の不足と余剰のどちらが生じても調整できるように、不足が生じたときに調整できる能力である上げ調整力、余剰が生じたときに調整できる下げ調整力との両方を確保する。
今後、発電事業者は、需給調整市場における取引にも参加することが予想される。したがって、需給調整市場における入札を考慮して発電計画および入札計画を作成する技術が望まれる。調整力に類似する予備力の対価を考慮して発電計画を策定する発電設備運用装置が特許文献1に開示されている。予備力は、発電余力と上げ調整力と足した能力である。特許文献1に記載の発電設備運用装置は、発電計画立案後に、予備力を市場へ入札して約定した場合に得られる価値と、予備力を市場へ入札することによる機会損失の価値と、を算出し、前者の価値が後者の価値以上となるときに予備力を市場へ入札する。そして、特許文献1に記載の発電設備運用装置は、前者の価値が後者の価値未満の場合には、予備力の分発電量を増やすように発電計画を変更する。
国際公開第2016/059668号
上述した特許文献1に記載の手順の場合、発電計画を先に策定してから予備力を求めているので、入札する予備力は発電計画の策定時に決められる。したがって、特許文献1に記載の方法を、需給調整市場への入札に適用した場合、入札する調整力は発電計画の策定時に決められる。しかしながら、エネルギー市場と需給調整市場の各市場価格によっては、発電計画における発電量を需要量より低く抑えておくことにより上げ調整力を需給調整市場に入札し、発電量が需要量に比べて不足する分はエネルギー市場で入札により調達した方が、トータルの利益が大きくなる可能性もある。また、発電機の最大出力に対して余裕のある状態の時間帯では、発電事業者は、発電量の計画値を増やし、増やした分の発電量をスポット市場で入札することもできるし、発電量の計画値は増やさずに調整力として需給調整市場に入札することもできる。さらには、発電量の計画値を増やしてスポット市場で入札した場合、需給調整市場で下げ調整力を入札することも可能である。
上記のように、エネルギー市場の入札計画、需給調整市場の入札計画および発電計画は互いに影響しあうため、発電計画を先に策定する特許文献1に記載の手順では、エネルギー市場と需給調整市場の両方を考慮した適切な入札計画が策定できない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、エネルギー市場と調整力市場の両方を考慮した適切な入札計画を策定することができる入札計画決定装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる入札計画決定装置は、1つ以上のエネルギー市場における約定価格を予測する第1予測部と、1つ以上の調整力市場における約定価格を予測する第2予測部と、調整力の発動量を予測する第3予測部と、を備える。また、入札計画決定装置は、発電事業者の利益を示す関数であって発電機の出力、1つ以上のエネルギー市場における売買量および1つ以上の調整力市場における販売量の関数である目的関数に、第1予測部、第2予測部および第3予測部による予測結果を反映する定式化部、を備える。さらに、入札計画決定装置は、目的関数と、発電機の運転制約条件を含む制約条件とを用いて、目的関数を最大化する、発電機の出力、1つ以上のエネルギー市場における売買量および1つ以上の調整力市場における販売量を計算し、計算結果に基づいて発電計画、1つ以上のエネルギー市場における入札計画および1つ以上の調整力市場における入札計画を決定する計画決定部、を備える。
本発明によれば、エネルギー市場と調整力市場の両方を考慮した適切な入札計画を策定することができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる入札計画決定装置の構成例を示す図 実施の形態1の入札計画決定装置を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図 実施の形態1で想定する各市場の開場時間および閉場時間を示す概念図 実施の形態1の発電事業者が取りうる対応の例を示す図 実施の形態1の入札計画決定処理手順の一例を示すフローチャート 実施の形態2にかかる入札計画決定装置の構成例を示す図 実施の形態2の入札計画決定処理手順の一例を示すフローチャート 実施の形態2の入札計画決定装置における再計画の効果を説明するための図
以下に、本発明の実施の形態にかかる入札計画決定装置および入札計画決定方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる入札計画決定装置の構成例を示す図である。本発明の実施の入札計画決定装置1は、発電事業者により管理され、発電事業者が利益を得られるように、発電計画と、電力取引市場における入札計画とを決定する。図1に示すように、入札計画決定装置1は、第1電力取引システム2、第2電力取引システム3および電力管理システム4と通信により接続可能である。
第1電力取引システム2は、例えば、日本卸電力取引所などの、エネルギー市場の取引を管理する電力取引システムである。第1電力取引システム2は、スポット市場とも呼ばれる一日前市場と、当日市場とも呼ばれる時間前市場と、の2種類の取引を管理する。第1電力取引システム2は、取引に参加する各電力事業者の入札端末などから売り入札と買い入札を受け付け、約定する札を決定し、約定結果を対応する電力事業者へ対応する入札端末などへ送信する。売り入札、買い入札には、売買の対象となる時間帯と注文量と入札価格が含まれる。エネルギー市場では、商品は売買の対象となる各時間帯におけるエネルギーである。
第2電力取引システム3は、調整力市場である需給調整市場の取引を管理する電力取引システムである。第2電力取引システム3は、取引に参加する各電力事業者からの入札を受け付け、約定する札を決定し、約定結果を対応する電力事業者へ送信する。需給調整市場は、調整力を取引する市場である。送配電事業者が、電力の不足と余剰のどちらが生じても調整できるように、確保する電力の調整の能力であり、不足が生じたときに調整できる能力である上げ調整力、余剰が生じたときに調整できる下げ調整力との両方がある。送配電事業者は入札端末などを用いて、調整力を購入するため買い入札を入札し、調整力を提供可能な電気事業者は入札端末などを用いて、調整力を売るための売り入札を入札する。第2電力取引システム3は、約定する札を決定し、約定結果を対応する事業者へ送信する。売り入札、買い入札には、売買の対象となる時間帯と注文量と入札価格が含まれる。需給調整市場では、商品は売買の対象となる各時間帯における調整力である。なお、商品の単位となる時間単位は、エネルギー市場と需給調整市場とで異なっていてよいし、同じであってもよい。現状では、スポット市場は、商品は30分単位であり、需給調整市場では4時間単位となることが予定されているため、以下では、これらの時間単位を例に説明するが、時間単位がこれらの数値と異なっている場合にも、本実施の形態の入札計画決定方法を適用可能である。
需給調整市場は、上述したように調整力を商品として扱う市場であり、調整力自体が売買される。したがって、実際に、対応する時間帯で調整力を用いた電力の調整が行われるかどうかにかかわらず、約定した場合には、約定した調整力に対応する金額が送配電事業者から調整力の提供者に支払われることになる。また、実際に、対応する時間帯で調整力が用いられた場合には、調整に使用された電力量に応じた金額が送配電事業者から調整力の提供者に支払われる。以下、調整力が用いられることを、調整力の発動とも呼び、調整力の発動時に、調整に用いられた電力量、すなわち調整力の発動量を、調整力発動量とも呼ぶ。入札者は、調整力自体の価格と、調整力の発動時の精算時に用いる単価と、を入札で指定する。
電力管理システム4は、相対契約、小売契約といった契約により、発電事業者が電力を供給する供給相手の需要量の実績を管理する。電力管理システム4は、需要量を、例えば、過去の需要量、天候、気温などに応じて予測し、予測した結果を需要予測情報として入札計画決定装置1へ送信する。電力管理システム4は、供給相手の調整力発動量の実績も管理している。電力管理システム4は、発電事業者が管理する各発電機に関する運転制約条件を含む情報である発電機情報を管理する。運転制約条件は、各発電機の運転に関する制約条件であり、出力の上下限、出力の変化速度の上下限、最小運転時間、最小停止時間などを含む。なお、相対契約、小売契約といった契約を締結していない発電事業者の場合には需要量は0となる。
なお、図1では、入札計画決定装置1が、第1電力取引システム2、第2電力取引システム3および電力管理システム4と直接通信を行う例を示した。この例に限らず、入札計画決定装置1は、第1電力取引システム2、第2電力取引システム3および電力管理システム4から得らえる各情報を他の装置を介して取得してもよい。例えば、入札を行う入札端末が、第1電力取引システム2からエネルギー市場価格を取得し、入札計画決定装置1が入札端末からエネルギー市場価格を取得してもよい。
次に、入札計画決定装置1の構成を説明する。入札計画決定装置1は、図1に示すように、第1予測部11、第2予測部12、第3予測部13、第1記録部14、第2記録部15、第3記録部16、定式化部17、優先度決定部18、計画決定部19および通信部20を備える。
通信部20は、第1電力取引システム2、第2電力取引システム3および電力管理システム4との間で通信を行う。通信部20は、第1電力取引システム2から、スポット市場価格および時間前市場価格を取得し、第1記録部14へ記録する。スポット市場価格は、スポット市場における約定価格であり、時間前市場価格は時間前市場における約定価格である。また、通信部20は、第2電力取引システム3から、需給調整市場における約定価格である調整力市場価格を取得し、第2記録部15へ記録する。また、通信部20は、電力管理システム4から、調整力発動量、需要予測情報および発電機情報を取得し、第3記録部16へ記録する。
第1記録部14は、スポット市場価格および時間前市場価格を記憶する。第2記録部15は、調整力市場価格を記憶する。第3記録部16は、調整力発動量、需要予測情報および発電機情報を記憶する。
第1予測部11は、第1記録部14に記憶されているスポット市場価格に基づいてスポット市場における約定価格を予測し、第1記録部14に記憶されている時間前市場価格に基づいて時間前市場価格における約定価格を予測する。すなわち、第1予測部11は、1つ以上のエネルギー市場における約定価格を予測する。第2予測部12は、第2記録部15に記憶されている調整力市場価格に基づいて需給調整市場における約定価格を予測する。すなわち、第2予測部12は、1つ以上の調整力市場における約定価格を予測する。
第3予測部13は、第3記録部16に記憶されている調整力発動量を用いて調整力発動量を予測する。定式化部17は、第1予測部11、第2予測部12および第3予測部13によりそれぞれ予測された予測値と、第3記録部16に記憶されている需要予測情報および発電機情報とに基づいて、入札計画と発電計画とを最適化するための目的関数と制約条件とを定式化する。入札計画と発電計画とを最適化するための目的関数と制約条件については後述する。優先度決定部18は、スポット市場価格、時間前市場価格および調整力市場の優先度を決定し、定式化部17により定式化された算出式に優先度を反映する。なお、優先度決定部18による優先度の決定と優先度の反映は行われなくても良い。計画決定部19は、優先度が反映された後の算出式を求解することにより、発電計画および入札計画を決定する。
ここで、入札計画決定装置1のハードウェア構成について説明する。本実施の形態の入札計画決定装置1は、コンピュータシステム上で、入札計画決定装置1における処理が記述されたプログラムである入札計画決定処理プログラムが実行されることにより、コンピュータシステムが入札計画決定装置1として機能する。図2は、本実施の形態の入札計画決定装置1を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図である。図2に示すように、このコンピュータシステムは、制御部101と入力部102と記憶部103と表示部104と通信部105と出力部106とを備え、これらはシステムバス107を介して接続されている。
図2において、制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、本実施の形態の入札計画決定装置1における処理が記述された入札計画決定処理プログラムを実行する。入力部102は、たとえばキーボード、マウスなどで構成され、コンピュータシステムの使用者が、各種情報の入力を行うために使用する。記憶部103は、RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)などの各種メモリおよびハードディスクなどのストレージデバイスを含み、上記制御部101が実行すべきプログラム、処理の過程で得られた必要なデータ、などを記憶する。また、記憶部103は、プログラムの一時的な記憶領域としても使用される。表示部104は、ディスプレイ、LCD(液晶表示パネル)などで構成され、コンピュータシステムの使用者に対して各種画面を表示する。通信部105は、通信処理を実施する受信機および送信機である。出力部106は、プリンタなどである。なお、図2は、一例であり、コンピュータシステムの構成は図2の例に限定されない。
ここで、本実施の形態の入札計画決定処理プログラムが実行可能な状態になるまでのコンピュータシステムの動作例について説明する。上述した構成をとるコンピュータシステムには、たとえば、図示しないCD(Compact Disc)−ROMまたはDVD(Digital Versatile Disc)−ROMドライブにセットされたCD−ROMまたはDVD−ROMから、入札計画決定処理プログラムが記憶部103にインストールされる。そして、入札計画決定処理プログラムの実行時に、記憶部103から読み出された入札計画決定処理プログラムが記憶部103に格納される。この状態で、制御部101は、記憶部103に格納されたプログラムに従って、本実施の形態の入札計画決定装置1としての処理を実行する。
なお、上記の説明においては、CD−ROMまたはDVD−ROMを記録媒体として、入札計画決定装置1における処理を記述したプログラムを提供しているが、これに限らず、コンピュータシステムの構成、提供するプログラムの容量などに応じて、たとえば、通信部105を経由してインターネットなどの伝送媒体により提供されたプログラムを用いることとしてもよい。
図1に示した第1予測部11、第2予測部12、第3予測部13、定式化部17、優先度決定部18および計画決定部19は、図2の制御部101により実現される。また、第1記録部14、第2記録部15および第3記録部16は、記憶部103により実現される。図1に示した通信部20は、図2に示した通信部105により実現される。
次に、エネルギー市場の例であるスポット市場および時間前市場と、調整力市場の例である需給調整市場とについて説明する。図3は、本実施の形態で想定する各市場の開場時間および閉場時間を示す概念図である。図3では、実需給開始の時間が同じ商品に対する各市場の開場時間および閉場時間を模式的に示している。時間tc1は、スポット市場の閉場時間を示し、時間tc2は、需給調整市場の閉場時間を示し、時間tc3は、時間前市場の閉場時間を示す。
現在、スポット市場は、翌日に受け渡す30分単位の48個の取引枠のそれぞれについて入札を受付け、10時までに受け付けた入札に基づいて、翌日の1日分の約定価格および約定量がまとめて決定される。時間前市場では、30分単位の商品の対応する時間帯の1時間前まで入札を受付け、商品ごとにザラ場取引が行われる。調整力市場では、4時間を単位とする商品の入札が、前日の14時まで受け付けられる。したがって、例えば、実需給開始が5月2日の12:00の商品に関しては、時間tc1は5月1日の10:00であり、時間tc2は5月1日の14:00であり、時間tc3は5月2日の11:00である。このように、同一時間帯の商品に関する開場時間および閉場時間が、市場ごとに異なっている。なお、ここで述べた閉場時間は一例であり、閉場時間が上述した値以外の場合にも本実施の形態の入札計画決定方法を適用可能である。
図4は、本実施の形態の発電事業者が取りうる対応の例を示す図である。調整力の量である調整量は、発電機の出力と発電機の出力上限との関係、および発電機の出力と発電機の出力下限との関係で決定される。図4の(1)は、エネルギー市場での取引は行わずに調整力市場だけの取引を行うケースを示している。図4において、矢印は、相対契約、需要量に相当する発電量を示している。なお、ここでいう需要量は、小売契約といった契約により発電事業者が電力を供給する供給相手の需要量である。また、図4において、斜線でハッチングした部分は発電機の出力を示しており、横線でハッチングした部分はエネルギー市場で販売する電力(図4ではエネルギー販売と略す)を示し、縦線でハッチングした部分はエネルギー市場で購入する電力(図4ではエネルギー購入と略す)を示す。図4に示した各矩形は、左半分が発電計画における電力を示し、右半分がエネルギー市場での購入または販売を考慮した電力の内訳を示す。
図4の(1)では、調整力市場だけの取引を考慮しているので、需要量に対応する分の発電を行っている。図4の(1)に示したとおり、このときの発電機の出力は、発電機の出力下限より高く、発電機の出力上限より低い。このため、上げ調整力と下げ調整力の両方の入札が可能である。
図4の(2)〜(5)は、エネルギー市場の取引と調整力市場の取引の両方を考慮しているケースである。図4の(2)では、発電機の出力上限で発電を行い、需要量分より多く発電した分をエネルギー市場で販売する。図4の(2)では、発電機の出力上限で発電を行っているので、上げ調整力は無いので、需給調整市場では下げ調整力のみを販売可能である。図4の(3)では、発電機の出力下限で発電を行い、需要量に足りない分をエネルギー市場で購入する。図4の(3)では、発電機の出力下限で発電を行っているので、下げ調整力は無いので、需給調整市場では上げ調整力のみを販売可能である。
図4の(4)では、発電機を停止させ、需要量分をエネルギー市場で購入する。図4の(4)では、発電機を停止させるので、上げ調整力も下げ調整力もないので、調整力市場で調整力を販売することはできない。図4の(5)では、需要量分より多く出力上限より少ない出力で発電を行い、需要量分より多く発電した分をエネルギー市場で販売する。図4の(5)では、上げ調整力と下げ調整力の両方を需給調整市場で販売可能である。
このように、発電計画、エネルギー市場での売買および調整力市場での売買は、互いに関連している。発電事業者は、図4に例示したように、様々な選択肢のなかから、対応を決定することになる。エネルギー市場価格、調整力市場価格は、時々刻々と変化する。したがって、発電計画をはじめに決め、次に、エネルギー市場での入札計画を決め、次にエネルギー市場での入札を決めるといったように、順番に各計画を決定する手順では、利益を最大化することは困難である。また、発電機には発電機の種類により様々な運転制約条件があり、かつ発電量とエネルギー市場での購入量または販売量との合計は需給量と一致している必要があり、入札計画を先に決定してから発電計画を決定することも難しい。したがって、本実施の形態では、発電事業者が得る利益を目的関数として定式化し、発電機の運転制約条件などを制約条件として、目的関数を最大化するように、発電計画、エネルギー市場での入札計画および調整力市場での入札計画を同時に決定する。これにより、本実施の形態では、エネルギー市場と需給調整市場の両方を考慮した適切な入札計画を策定することができる。
次に、本実施の形態の動作について説明する。図5は、本実施の形態の入札計画決定処理手順の一例を示すフローチャートである。図5に示すように、入札計画決定装置1の第1予測部11が、入札計画および発電計画の策定の対象となる将来の時間帯における、エネルギー市場価格を予測する(ステップS1)。第1予測部11は、エネルギー市場価格の予測値を定式化部17へ出力する。以下、入札計画および発電計画の策定の対象となる将来の時間帯を、処理対象時間帯とも呼ぶ。第1予測部11が予測する際の予測方法は、例えば、第1記録部14に格納されているスポット市場価格のうち過去の同じ曜日かつ同じ時刻のスポット市場価格の平均値を求め、平均値を予測値とする方法があるが、これに限らずどのような方法でもよい。時間前市場価格の予測方法についても同様である。なお、ここでは、スポット市場と時間前市場の両方を考慮する例を説明するが、考慮するエネルギー市場はスポット市場のみであってもよい。
次に、入札計画決定装置1の第2予測部12が、処理対象時間帯における、調整力市場価格を予測する(ステップS2)。なお、調整力市場は複数あってもよい。第2予測部12は、調整力市場価格の予測値を定式化部17へ出力する。第2予測部12が予測する際の予測方法は、例えば、第2記録部15に格納されている調整力市場価格のうち過去の同じ曜日かつ同じ時刻の調整力市場価格の平均値を求め、平均値を予測値とする方法があるが、これに限らずどのような方法でもよい。
次に、入札計画決定装置1の第3予測部13が、処理対象時間帯における、調整力発動量を予測する(ステップS3)。第3予測部13は、調整力発動量の予測値を定式化部17へ出力する。第3予測部13が予測する際の予測方法は、例えば、第3記録部16に格納されている調整力発動量のうち過去の同じ曜日かつ同じ時刻の調整力発動量の平均値を求め、平均値を予測値とする方法があるが、これに限らずどのような方法でもよい。
次に、定式化部17は、入札および発電計画問題の定式化、すなわち入札計画および発電計画の最適化を行うための定式化を行う(ステップS4)。詳細には、例えば、以下の式(1)に示す目的関数F(p)と、以下の式(2)〜式(8)に示す制約条件における各定数を設定する。なお、pは発電機が起動状態の時の出力である。目的関数F(p)は、発電事業者の利益を示す関数であって、発電機の出力、1つ以上のエネルギー市場における売買量および1つ以上の調整力市場における販売量の関数である。また、以下の式(1)〜式(8)は、発電機が火力発電機であるとした場合の定式化の例である。
Figure 2021047519
Figure 2021047519
tは、処理対象時間帯の開始時刻からの経過時間を示す整数であり、処理対象時間帯の開始時刻をt=0とする。Tは、処理対象時間帯の長さを示す整数である。なお、tは、定められた時間ステップΔを単位とするとき、Δ単位で何番目であるかを示す整数である。すなわち、Δ×tが処理対象時間帯の開始時刻からの経過時間を示す。Tの値はどのように設定してもよいが、例えば一週間程度の長さに相当する値である。
式(1)の右辺の[]内の第1項はエネルギー市場により得る利益を示す。Eem,tは、経過時間tに対応する時刻の電力を商品としたときのエネルギー市場における売買量を示す。Eem,tは、正の値のときは買いを示し、負の値のときは売りを示す。EM(Eem,t)は、経過時間tに対応する時刻の電力を商品としたときの、エネルギー市場の取引による利益である。例えば、スポット市場の場合には、EM(Eem,t)は、スポット市場の約定価格の予測値と、Eem,tとに基づいて算出される。なお、スポット市場の約定価格は、1kWhあたりの単価であるとする。emは、エネルギー市場の種類に対応する数値であり、例えば、スポット市場と時間前市場の両方を考慮する場合には、em=0がスポット市場、em=1が時間前市場といったようにそれぞれの市場にemの値を対応させておく。したがって、経過時間tに対応する時刻の電力を商品としたときの、エネルギー市場の各市場における利益を足したものが、第1項となる。
式(1)の右辺の[]内の第2項は需給調整市場により得る利益を示す。なお、第2項目はΣ内で2つの項が加算されており、Σ内の第1項は上げ調整力による利益を示し、Σ内の第1項は下げ調整力による利益を示す。Aup,am,tは、経過時間tに対応する時刻の電力を商品としたときの需給調整市場における上げ調整力の売買量を示す。Adown,am,tは、経過時間tに対応する時刻の電力を商品としたときの需給調整市場における下げ調整力の売買量を示す。AMup(Aup,am,t)は、経過時間tに対応する時刻の電力を商品としたときの、需給調整市場の取引による上げ調整力に関する利益である。
需給調整市場の売買による利益は、調整力自体が約定したことにより得られる調整力の約定量すなわち販売量に応じた利益と、調整力発動時に得られる調整力発動量に応じた利益とがある。これら2つの利益の計算のための単価は、調整力市場の約定価格の予測値として算出される。したがって、例えば、AMup(Aup,am,t)は、需給調整市場の約定価格の予測値と、Aup,am,tと、調整力発動量の予測値とに基づいて算出される。AMdown(Adown,am,t)は、経過時間tに対応する時刻の電力を商品としたときの、需給調整市場の取引による下げ調整力に関する利益である。例えば、AMdown(Adown,am,t)は、需給調整市場の約定価格の予測値と、Adown,am,tと、調整力発動量の予測値とに基づいて算出される。amは、需給調整市場の種類に対応する数値である。需給調整市場の種類が複数存在するときには、各需給調整市場における利益が加算される。
式(1)の右辺の[]内の第3項は、小売契約、相対契約など、上述したエネルギー市場および需給調整市場による取引以外の契約により得る利益を示す。Ds,tは、経過時間tに対応する時刻の、小売契約、相対契約などの契約の相手先に供給する需要電力である。需要電力は、需要量予測情報に基づいて算出される。S(Ds,t)は、小売契約、相対契約など契約の相手先ごとの利益である。小売契約、相対契約などの契約は、約款により電力料金の計算方法は定められているので、S(Ds,t)は、約款にしたがって計算が行われる。sは、各契約に対応する数値である。
式(1)の右辺の[]内の第4項は、発電機の燃料コストを示す。pg,tは、経過時間tに対応する時刻の、発電機の出力である。gは各発電機を示す数値であり、f(pg,t)は、発電機ごとの燃料コストを示す。燃料コストは、あらかじめ定められた燃料の単価と、pg,tに基づいて算出される。なお、燃料の単価はユーザからの入力などにより変更可能である。
式(1)の右辺の[]内の第5項は、発電機の起動停止コストを示す。ug,tは、発電機ごとの、経過時間tに対応する時刻の発電機の状態を示す。発電機が起動しているときはug,tは1であり、発電機が停止しているときはug,tは0である。U(ug,t)は、発電機ごとの起動停止コストを示す。起動停止コストは、ug,tが0から1に変化したときに、すなわち、ug,tが1であり、ug,t−1が0となるときに、それまでの停止時間に応じてあらかじめ定められた関数によって起動費が決定し、それ以外のときには0である。
以上のように、目的関数は、1つ以上のエネルギー市場における売買により得られる利益である第1の利益の総和と、1つ以上の調整力市場における売買により得られる利益である第2の利益の総和と、発電機の燃料コストと、発電機の停止および起動に要するコストと、に基づいて決定される。なお、式(1)では、目的関数に、発電計画、および入札計画に依存しない項である、小売契約、相対契約などの契約による利益も含めて記載しているが、小売契約、相対契約などの契約が無い場合にはこの項を含めなくてもよい。
式(2)は、電力需要と電力供給量を一致させる制約条件を示す。すなわち、発電機による発電量と、エネルギー市場における売買量との合計が、需要量Dに一致するという条件である。
式(3)は、上げ調整力の販売量が、発電機の最大の上げ調整力の総和以下であるという制約条件である。pmax,gは、各発電機の出力上限を示す。各発電機の最大の上げ調整力は、pmax,gから、経過時間tに対応する時刻の発電機の出力であるpg,tを減じたものである。
式(4)は、下げ調整力の販売量が、発電機の最大の下げ調整力の総和以下であるという制約条件である。pmin,gは、各発電機の出力下限を示す。各発電機の最大の下げ調整力は、pg,tからpmin,gを減じたものである。
式(5)は、各発電機の出力が、各発電機の出力の上下限の範囲内にあるという制約条件である。式(6)は、各発電機の出力の変化速度が、各発電機の出力の変化速度の上下限の範囲内にあるという制約条件である。−pchange,g,tは発電機の出力の変化速度の下限を示し、pchange,g,tは発電機の出力の変化速度の上限を示す。
式(7)は、各発電機の連続時間が最小運転時間以上であるという制約条件である。なお、連続運転の期間、すなわちug,tが1になってからug,tが1から0となるまでの期間のそれぞれについて、連続運転時間が最小運転時間以上となるようにする必要があるので、式(7)は、それぞれの連続運転の期間に関して課される制約である。Umin_operation,gは、各発電機の最小運転時間をΔの単位で離散化した整数である。
式(8)は、各発電機の連続停止時間が最小停止時間以上であるという制約条件である。なお、連続停止の期間、すなわちug,tが0になってからug,tが0から1となるまでの期間のそれぞれについて、連続停止時間が最小停止時間以上となるようにする必要があるので、式(8)は、それぞれの連続停止の期間に関して課される制約である。Umin_stop,gは、各発電機の最小停止時間をΔの単位で離散化した整数である。
なお、定式化部17における定式化とは、実際に立式することではなく、上記(1)および式(2)に示す計算式のうち、最適化の解として得られる発電機の出力および各市場における売買量以外の値を決定することにより、具体的な計算式を決定することである。すなわち、定式化部17は、取得した各情報から計算に必要な情報を抽出して抽出した情報をプログラム内に設定するなどの動作を行うことである。例えば、定式化部17は、式(1)に示す目的関数に、第1予測部11、第2予測部12および第3予測部13による予測結果を反映する。第3記録部16に記憶されている発電機情報から発電機の出力の上限を抽出して読み出し、読み出した値を上記式(3)の制約条件の計算に反映したり、第1予測部11から取得した予測値を式(1)のエネルギー市場における価格として反映したりする。
図4の説明に戻り、ステップS4の後、計画決定部19は定式化された結果を用いて、入札および発電計画問題の求解を実施する(ステップS5)。すなわち、計画決定部19は、目的関数と、発電機の運転制約条件を含む制約条件とを用いて、目的関数を最大化する、発電機の出力、1つ以上のエネルギー市場における売買量および1つ以上の調整力市場における販売量を計算する。入札および発電計画問題の求解、すなわち上述した目的関数を最大化するように最適化問題を解く方法は、混合整数二次計画問題の解法として知られる任意の方法を用いることができる。
上述した最適化問題を解くことにより、各発電機の出力、エネルギー市場、需給調整市場における売買量が決定される。したがって、計画決定部19は、最適化問題の解に基づいて発電計画、1つ以上のエネルギー市場における入札計画および1つ以上の調整力市場における入札計画を決定する。以上で、入札計画決定処理が終了する。
また、上記の定式化では、優先度を設定しない例を説明したが、優先度決定部18が優先度を設定する場合には、ステップS4で、優先度決定部18が、上述した各式に優先度を設定する。そして、計画決定部19は、優先度が設定された後の計算式にしたがって求解を実施する。優先度決定部18が、上述した各式に優先度を設定した後の目的関数F(p)は以下の式(9)で表される。ωemは、エネルギー市場に対応する重みであり、ωamは需給調整市場に対応する重みである。式(9)に示すように、優先度決定部18は、各市場に対応する優先度を重みの値の違いにより設定する。重みの値が大きいほど優先度が高いことを示す。ωem,ωamは、それぞれか1以上である。なお、エネルギー市場が複数種類存在する場合には、これらの種類ごとに重みの値を変えてもよい。例えば、時間前市場よりスポット市場を優先する場合には、スポット市場に対応する重みを時間前市場に対応する重みより大きな値とする。同様に、需給調整市場が複数種類存在する場合には、これらの種類ごとに重みの値を変えてもよい。すなわち、1つ以上のエネルギー市場に対応する1つ以上の第1の利益と、1つ以上の調整力市場に対応する1つ以上の第2の利益とに、それぞれ優先度に応じた重みが乗算される。
Figure 2021047519
なお、以上の定式化では、発電機が火力発電機であるとして説明したが、発電機に火力発電機以外が含まれる場合もある。一例として発電事業者が管理する発電機に、火力発電機に加えて揚水発電機が含まれる場合の定式化について説明する。以下の式(10)〜式(21)は、発電機に揚水発電機が含まれる場合の目的関数F(p)と制約条件を示す。
Figure 2021047519
Figure 2021047519
上記式(10)は式(1)と同様である。式(11)〜式(21)のうち式(12)〜式(17)は、式(3)〜式(8)と同様であるため説明を省略する。式(11)は、電力需要と電力供給量を一致させる制約条件を示す。発電機として揚水発電機を含む場合、発電機による発電量と、エネルギー市場における売買量との合計が、需要量Dに一致するという条件である。式(11)の右辺の第1項と第2項は、式(2)と同様であり、式(11)では、さらに第3項に揚水発電機による発電出力が加わっている。phydro,tは、経過時間tに対応する時刻の揚水発電機による発電出力を示す。hydroは各揚水発電機を示す数値である。揚水発電機は、揚水するときには、揚水のために電力を消費するのでphydro,tは負の値となり、発電するときにはphydro,tが正の値となる。このように、需要量と供給量を一致させる条件の計算において、供給量に、揚水発電機による発電量を、揚水時には負の値とし発電時には正の値として含める。したがって、揚水発電機が発電するときには、需給一致のための火力発電機による発電が減り、燃料コストが減ってコスト減となり、揚水発電機が揚水するときには、需給一致のための火力発電機による発電が増え、燃料コストが増えてコスト増となる。
式(18)は、揚水発電機の揚水時の出力の上下限の制約を示す。pup_min,hydro,tは揚水時の出力の下限を示し、pup_max,hydro,tは揚水時の出力の上限を示す。式(19)は、揚水発電機の発電時の出力の上下限の制約を示す。pdown_min,hydro,tは発電時の出力の下限を示し、pdown_max,hydro,tは発電時の出力の上限を示す。
式(20)は、池ごとの水位の上下限の制約を示す。揚水発電では、揚水を行うときおよび発電するときに、池の水位が変化するが、水位にも上下限がある。Spond,tは、池の経過時間tに対応する時刻の水位を示す。Slevel_min,pondは、水位の下限を示し、Slevel_max,pondは、水位の上限を示す。式(21)は、池の水位と揚水発電機の発電量との関係を示す。各時刻の水位は、前の時刻の水位と揚水発電量の関数Sで決定し、この中で揚水効率も考慮する。
火力発電機、揚水発電機に限らず、他の発電機を含む場合も、発電機の種類に応じて各式は適宜変更される。
また、エネルギー市場および需給調整市場以外の電力取引市場における取引が考慮されてもよい。例えば、エネルギー市場および需給調整市場に加えて、慣性力市場における取引を考慮した場合の定式化の例を式(22)〜式(30)に示す。慣性力は、発電機が、瞬時的な電圧の過不足を吸収する能力である。なお、慣性力市場における取引を考慮する場合には、入札計画決定装置1は、慣性力市場の約定価格を予測する第4の予測部を備える。
Figure 2021047519
Figure 2021047519
式(22)に示した目的関数は、式(1)に、[]内の第3項が追加されたものとなる。式(22)の第3項は、慣性力市場により得る利益を示す。なお、第2項はΣ内で2つの項が加算されており、Σ内の第1項は上げ調整力による利益を示し、Σ内の第1項は下げ調整力による利益を示す。Msum,m,tは、経過時間tに対応する時刻の慣性力を商品としたときの慣性力市場における売買量を示す。In(Msum,m,t)は、慣性力市場の約定価格の予測値と、Msum,m,tとに基づいて算出される。mは、慣性力市場が複数種類存在するときの各慣性力市場を示す数値である。慣性力市場の種類が複数存在するときには、各慣性力市場における利益が加算される。
式(23)〜式(29)は、式(2)〜式(8)と同様であるため説明を省略する。式(30)は、慣性力市場へ販売する販売量が慣性力の総和以下であるという制約を示す。ここでは、発電機として火力発電機を想定している。火力発電機は、運転していれば慣性力を有する。したがって、各発電機の有する慣性力Mg,tと、各発電機の状態を示すug,tとを乗算した結果の総和が、慣性力の総和となる。このように、定式化した後に、解を求めることで、慣性力市場を考慮した場合にも同様に、利益を最大化するように、発電機の出力と各市場における売買量とを同時に算出することができる。
以上説明したように、本実施の形態では、エネルギー市場および需給調整市場の各市場における約定価格を予測するとともに調整力発動量を予測し、これらの予測結果と発電機の運転制約条件とを用いて、発電事業者が得る利益を最大化するように、発電機の出力と各市場における売買量とを同時に算出するようにした。このため、エネルギー市場と調整力の両方を考慮した適切な入札計画を策定することができる。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2にかかる入札計画決定装置の構成例を示す図である。本実施の形態の入札計画決定装置1aは、実施の形態1の入札計画決定装置1と同様に、第1電力取引システム2、第2電力取引システム3および電力管理システム4と通信により接続可能である。
入札計画決定装置1aは、実施の形態1の入札計画決定装置1に第4記録部21および約定結果取得部22を追加し、定式化部17および計画決定部19の入出力と動作が、一部異なる以外は、実施の形態1の入札計画決定装置1と同様である。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の符号を付して、重複する説明を省略する。以下実施の形態1と異なる点を中心に説明する。入札計画決定装置1aのハードウェア構成は実施の形態1の入札計画決定装置1と同様であり、例えば、図2に示すコンピュータシステムにより実現される。第4記録部21は図2の記憶部103により実現され、約定結果取得部22は、図2の制御部101により実現される。
図7は、本実施の形態の入札計画決定処理手順の一例を示すフローチャートである。ステップS1〜ステップS5は、実施の形態1と同様である。すなわち、入札計画決定装置1aは、実施の形態1の入札計画決定装置1と同様に、発電計画、および各市場における入札計画を作成する。計画決定部19は発電計画を発電計画情報として第4記録部21に記録する。そして、入札計画決定装置1aは、約定結果を定式化に反映する(ステップS6)。
詳細には、約定結果取得部22が、第1電力取引システム2および第2電力取引システム3から、通信部20を介して、それぞれエネルギー市場および需給調整市場における約定結果を取得し、約定結果を定式化部17へ出力する。定式化部17は、第4記録部21に記憶されている発電計画情報と、約定結果とに基づいて、ステップS4で定式化した計算式のうち確定した部分を確定値で更新する。例えば、スポット市場の約定結果が得られた場合、式(1)の右辺の[]内の第1項のうちスポット市場により得られる利益は確定する。また、上記式(2)右辺の第2項の一部も確定する。例えば、t=0に対応するスポット市場における約定量が10MWであり、t=1に対応するスポット市場における約定量が40MWであるとし、em=0がスポット市場に対応するとした場合、式(2)のうち、t=0,1に対応する式は以下の式(31)、式(32)となる。他の時間についても同様である。
Figure 2021047519
ステップS6の後、入札計画決定装置1aは、再計画を行う(ステップS7)。これにより、本実施の形態の入札計画決定処理が終了する。ステップS7では、詳細には、計画決定部19は、ステップS6で定式化された結果を用いて、入札および発電計画問題の求解を実施する。計画決定部19は、最適化問題の解に基づいて、発電計画、および各市場における入札計画を再計画することができる。なお、入札計画決定装置1aは、スポット市場の約定結果に加えて調整力市場の約定結果が得られた後に、同様に約定結果を反映して、計画を行ってもよい。すなわち、入札計画決定装置1aは、1つ以上のエネルギー市場および1つ以上の調整力市場のうち少なくとも1つの市場における約定結果を反映した目的関数と制約条件とに基づいて、発電機の出力と、約定結果が確定していない市場の売買量とを計算し、計算結果に基づいて発電計画、約定結果が確定していない市場の入札計画を再決定する。
図8は、本実施の形態の入札計画決定装置1aにおける再計画の効果を説明するための図である。図8の1段目に示すように、翌日の発電計画および入札計画を決定するために、翌日に対しての前日に相当する日(以下、当日と呼ぶ)の8:00に、翌日の10:00から16:00を処理対象時間帯として、ステップS1〜ステップS5に示した処理すなわち初回の計画を求めるための処理を開始する。図8の2段目に示すように、当日の9:00に、初回の計画を求めるための処理が終了し、翌日の発電計画、各市場における入札計画が決定される。図8の右側に示した図は発電機の起動と停止を示しており、横軸は時刻を示す。図8に示した例では、2段目に示すように、翌日の10:00に発電機が起動される。なお、発電機は起動されてから、所望の出力となるまでにはある程度の時間を要するため停止と起動の中間状態にある時間帯は、起動の準備に要する時間に相当する。また、同様に、発電機は停止を指示してから完全に停止するまでにはある程度の時間を要する。図8の2段目に示した例では、さらに矢印で示した10:00から16:00までの期間に、スポット市場において電力を販売するとともに調整力市場で下げ調整力を販売する入札計画となっている。
図8の3段目は、当日の13:00にスポット市場の約定結果が得られた後の状態を示している。図8の3段目に示したとおり、約定結果では、10:00から13:00の期間しか約定できず、13:00から16:00までは約定できていない。このとき、発電事業者は、13:00から16:00までの時間帯に関して、以下の(a),(b),(c)などの対応をとることができる。
(a)発電計画は変更せずに、需給調整市場での下げ調整力の販売と時間前市場で電力の販売との両方を実施する。
(b)発電計画は変更せずに、需給調整市場での上げ調整力の販売と時間前市場で電力の販売との両方を実施する。
(c)13:00以降は発電機を停止させる。
上記の(a),(b),(c)は一例であり、他にも取りうる対応は考えられる。このように、スポット市場の約定結果が得られた後にも、発電事業者が取りうる対応は多様であり、どのような対応を行うと利益が最大化するかを発電事業者がすぐに把握することは難しい。このため、入札計画決定装置1aは、上述したように、約定結果を反映して再計画を実施する。これにより、約定結果を反映した後に、利益が最大化となるよう発電計画と入札計画を再計画することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1,1a 入札計画決定装置、2 第1電力取引システム、3 第2電力取引システム、4 電力管理システム、11 第1予測部、12 第2予測部、13 第3予測部、14 第1記録部、15 第2記録部、16 第3記録部、17 定式化部、18 優先度決定部、19 計画決定部、20 通信部、21 第4記録部、22 約定結果取得部。

Claims (6)

  1. 1つ以上のエネルギー市場における約定価格を予測する第1予測部と、
    1つ以上の調整力市場における約定価格を予測する第2予測部と、
    調整力の発動量を予測する第3予測部と、
    発電事業者の利益を示す関数であって発電機の出力、前記1つ以上のエネルギー市場における売買量および前記1つ以上の調整力市場における販売量の関数である目的関数に、前記第1予測部、前記第2予測部および前記第3予測部による予測結果を反映する定式化部と、
    前記目的関数と、前記発電機の運転制約条件を含む制約条件とを用いて、前記目的関数を最大化する、発電機の出力、前記1つ以上のエネルギー市場における売買量および前記1つ以上の調整力市場における販売量を計算し、計算結果に基づいて発電計画、前記1つ以上のエネルギー市場における入札計画および前記1つ以上の調整力市場における入札計画を決定する計画決定部と、
    を備えることを特徴とする入札計画決定装置。
  2. 前記目的関数は、前記1つ以上のエネルギー市場における売買により得られる利益である第1の利益の総和と、1つ以上の調整力市場における売買により得られる利益である第2の利益の総和と、前記発電機の燃料コストと、前記発電機の停止および起動に要するコストと、に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の入札計画決定装置。
  3. 前記1つ以上のエネルギー市場に対応する1つ以上の前記第1の利益と、前記1つ以上の調整力市場に対応する1つ以上の前記第2の利益とに、それぞれ優先度に応じた重みが乗算され、
    前記目的関数は、前記重みが乗算された前記第1の利益の総和と、前記重みが乗算された前記第2の利益の総和と、前記発電機の燃料コストと、前記発電機の停止および起動に要するコストと、に基づいて決定されることを特徴とする請求項2に記載の入札計画決定装置。
  4. 前記発電機は揚水発電機を含み、前記制約条件は、需要量と供給量を一致させる条件を含み、前記需要量と供給量を一致させる条件の計算において、前記供給量に、前記揚水発電機による発電量を、揚水時には負の値とし発電時には正の値として含める、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の入札計画決定装置。
  5. 前記計画決定部は、前記1つ以上のエネルギー市場および前記1つ以上の調整力市場のうち少なくとも1つの市場における約定結果を反映した前記目的関数と前記制約条件とに基づいて、発電機の出力と、前記1つ以上のエネルギー市場および前記1つ以上の調整力市場のうち約定結果が確定していない市場の売買量とを計算し、計算結果に基づいて発電計画、前記1つ以上のエネルギー市場および前記1つ以上の調整力市場のうち約定結果が確定していない市場の入札計画を再決定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の入札計画決定装置。
  6. 入札計画決定装置が、
    1つ以上のエネルギー市場における約定価格を予測する第1予測ステップと、
    1つ以上の調整力市場における約定価格を予測する第2予測ステップと、
    調整力の発動量を予測する第3予測ステップと、
    発電事業者の利益を示す関数であって発電機の出力、前記1つ以上のエネルギー市場における売買量および前記1つ以上の調整力市場における販売量の関数である目的関数に、前記第1予測ステップ、前記第2予測ステップおよび前記第3予測ステップによる予測結果を反映する定式化ステップと、
    前記目的関数と、前記発電機の運転制約条件を含む制約条件とを用いて、前記目的関数を最大化する、発電機の出力、前記1つ以上のエネルギー市場における売買量および前記1つ以上の調整力市場における販売量を計算し、計算結果に基づいて発電計画、前記1つ以上のエネルギー市場における入札計画および前記1つ以上の調整力市場における入札計画を決定する計画決定ステップと、
    を含むことを特徴とする入札計画決定方法。
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