JP2021047163A - 網状超音波による流体の挙動測定法 - Google Patents

網状超音波による流体の挙動測定法 Download PDF

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Abstract

【課題】網状超音波により流量補正を不要とした管路内を流れる流体の挙動測定法を提供する。【解決手段】探触子を組み込む基部2a、bを、短管形流量計本体1の管体外周面に物理的に一体化させ、短管形流量計本体を管路10(例えば水道配水本管)に挟持させて装着する網状超音波による流体の挙動測定法、および、探触子を組み込む基部を既設管路(例えば水道配水本管)の管体外周面に物理的に一体化させた網状超音波による流体の挙動測定法。【選択図】図1

Description

本発明は既設または新設の流路管等で流体の流れ方向、流速、流量、水圧等を測定する網状超音波による流体の挙動測定法に関するものである。
従来の外装式超音波流量計では計測箇所の管路の外周を鏡面加工しグリス等を介して密着巻き付けして装着する(クランプ形と言う)が、その場合にグリスの劣化、巻き付け機構の変位ブレ等で初期の計測精度を長年月にわたり持続することは不可能である。
また管路外周に巻き付ける前記外装式超音波流量計は、ゼロ補正時に離脱させることは容易ではないし、もしも離脱させないのであれば断水が必要となり、さらに経時による計測誤差を補正することが不可能であった。
以上の種々の問題があるため、外装式超音波流量計は長期間の用途には不向きである。
また直測式超音波流量計については特願2018−5368でその改良が提案されているが、「管路に挿入するための孔」を空けることによる管路へのダメージを伴うことがあり、またそこから挿入するために必要となる分水栓(補修弁付き)等の付属物が大がかりであるだけでなく、そもそも孔を空けることが不可能な場合には適用できなかった。
短管型電磁流量計では、メインテナンスや更新時に本体を管路から離脱させる必要がある。
このため断水回避には、流量計本体前後に仕切弁、副管路、絞り弁等の付帯機器が必要である。
また挿入型電磁流量計では多くの場合、管路に直角に「棒状の検出部」を管内に挿入する方式であるためスラスト方向における挿入棒の投影面積(流路障害)でのカルマン流、コリオリ現象等による計測外乱と水道配水本管路の場合には管路が地面に平行配管であることから管内流速の横断面方向への偏流、分流、層流、蛇行、曲管部での遠心力による横断面方向への流速分布変動、以上の様々な原因で計測誤差が生じている。また挿入型超音波流量計(直測超音波流量計は特許第5086704号、特開平07−1102346参照)でも非定常流箇所や管路内の偏流、レイノルズ数の変動による流速分布状況の変化等では挿入形電磁流量計と同様に計測誤差が生じる。
発明が解決しようとする課題
現在、日本の水道インフラ(管路)は老朽化が進んでおり、管路網の老朽化状態を面的に(つまり地域的に)調査する必要がある。
このため流量計等の計測器をその目的に応じて、各所に設ける必要が生じている。
短管型電磁流量計の問題点は前述の通りであり、一方従来の外装式超音波流量計では、その取り付けに際して管路の外周要部を鏡面加工しグリス等を塗布して流量計の検出部を密着巻き付けして取り付ける方法(要するに管体外周面との間の摩擦力を用いた固定方法)であるため、グリスの劣化や巻き付け部分の“ずれ”等で長期計測に不安が伴うという問題点があった。
また挿入タイプ(電磁式と超音波式のいずれも)では管体に孔を空ける必要があると同時に、管路内に検出部を兼ねる(内装の)挿入棒を侵入させるので、それ自体による渦流、しなり、ゆらぎに起因する計測誤差を伴うという欠点があった。
さらに挿入タイプの超音波流量計においては挿入棒先端あるいは多段に装備されている検出部(そのスラスト方向投影面積)による圧損(流路障害)が課題であった。
本発明はダクタイル鋳鉄、ステンレススチール、樹脂等の各種管路材質において管路(例えば水道配水本管)にフランジを介して挟持させる短管形流量計本体、または既設の管路自体に、超音波送信受信素子(以下略して“探触子”と称する)を組み込む検出基部を溶接、溶着、接着、ねじ止め、樹脂の場合の一体成型、以上の固定方法で管路等(前記管路または前記短管形流量計本体)に「物理的に一体化させる」ことで従来の外装式超音波流量計の計測誤差要因を縮減することで課題を解決するものである。
本発明の探触子を組み込む検出基部(つまり超音波探触子を安定的に収納する部材)を物理的に一体化させる固定方法とは、管路等(既設の水道配水本管等の管路または前記短管形流量計本体)の管体外周面に該検出基部を溶接、溶着、接着、ねじ止め、樹脂の場合の一体成型、以上の固定方法であり、要するに基部と管体外周面の間の摩擦力を用いた固定方法ではない固定方法(本出願ではこの固定方法を“物理的に一体化させる固定方法”と定義することにする)のことである。
以上の「物理的に一体化させる」固定方法を用いることにより基部の取り付け構造がコンパクトになるから探触子を多数配備することも可能になった。
円周方向の異なる角度毎の流体の流速を、すなわち管路内断面の流速分布変化に起因する測定誤差は複数個所を網状(スパイダーネット状)に測定することで縮減できる。
言い換えれば超音波による流速測定を複数個所同時に管内に対して行う測定方法は管内の平均流速を容易に把握し補正演算の必要をなくするという測定方法(以下、網状(スパイダーネット状)測定方法またはスパイダーネット式という)である。
特に水道配水本管の管路では地面に対して平行な敷設管が多いため流速分布の特徴として左右(上下ではない)の偏流を伴うことになり、スパイダーネット式は補正レスで計測精度を高めることが可能になる。
つまり従来の挿入形(電磁式と超音波式の両者)流量計では挿入棒に多段の検出部を装備するタイプもあるが、その場合には左右の偏流は検出不能であった。
本発明はこの左右の偏流による影響を縮減し、補正なしで水の挙動を測定可能にするものである。
この管内流速を網状(スパイダーネット状)に測定する、すなわち一対の“探触子”による時間差による測定あるいはドップラー法による測定を複数個所同時に行うことにより、管内の流体の平均流速を容易(簡易)に把握するものであり、その結果補正演算の必要がなくなる(または縮減できる)という長所がある。
この網状(スパイダーネット状)測定方法を用いるためには探触子を多数配備しなければならないが、従来のものは管路の外周要部を鏡面加工しグリス等を塗布して流量計の検出部を密着巻き付けして取り付けるという、探触子の取り付け構造が複雑でスペースを要するため、結局は探触子を多数配備することが実質的に困難であった。
一方挿入型は管路への取り付け孔を設ける必要があり、付帯物も大きく、多くの場合にはマンホールの中等では、設置スペースが狭いため天面から(上部から)の挿入となり制約を伴う。
同時に管路内に測定部を侵入させるので、下水等の様に流体に混在物、気泡等がある場合には計測困難であった。
また下水等の様に混在物、気泡等がある流体についてもその挙動を計測することを可能とした。
さらに混在物、気泡等のほとんどない清浄な流体でも前述のドップラー法を用いたい場合には、検出部近くに気泡発生装置を付加してもよい。
課題を解決するための手段
本発明は以上の目的達成のために、
探触子を組み込む基部を、短管形流量計本体の管体外周面に物理的に一体化させ、該短管形流量計本体を管路(例えば水道配水本管)に挟持させて装着する網状超音波による流体の挙動測定法
等の網状超音波による流体の挙動測定法を提案するものである。
ここで本出願は「網状」との用語が発明の名称乃至特許請求の範囲に用いられているが、流れを同時に複数測定することを意味するのであり、誤解があってはならないので当たり前のことであるが“超音波が網状”との意味ではないし、同一位置で複数測定してもいいし、例えば同一位置で複数方向測定、同一位置で複数の探触子で測定等も含み、すなわち複数位置乃至複数個所での測定に限定した意味ではなく同一位置をも含むのであり、また「網状」の一般的な意味にも拘束されない、すなわち複数測定は“網の様になる複数測定”という意味ではない、本出願では単に「複数測定」を「網状」との用語で表現したのである。
以下本発明の網状超音波による流体の挙動測定法の説明の都合として、流体として水を代表例として取り上げ、該水の挙動測定法を図面に示す実施例に従って説明する。
水としての説明であるから、“水道配水本管”として説明する、但し一般的には“管路”である。
本発明は鋳鉄、ステンレススチール、樹脂の水道配水本管の各種材質において短管形流量計本体(水道配水本管と同一あるいはそれ以上の耐久性を有する材質)または水道配水本管自体に、探触子が組み込まれる基部を「物理的に一体化させる」ことで従来の“巻き付け固定方法”(要するに摩擦力を用いた固定方法である)の技術課題乃至問題点を解決するものである。
本発明の「物理的に一体化させる」固定方法は、強靭であるだけでなく探触子が組み込まれる基部(2、2a、2b、6a、6b)の取り付け構造がコンパクトになるため、これらを多数配備することが可能になる。
前述の網状(スパイダーネット状)測定方法を用いるためには探触子《図1の基部(2a、2b)内部、図4の基部(6a、6b)内部、図3cの基部(2)内部に設けられる》を多数配備しなければならない。
本発明の「物理的に一体化させる」固定方法は、図1または図5から視覚的に理解できる通り、コンパクトである。
図1は本発明の超音波による水の挙動測定法のひとつである短管形流量計本体(1)を用いた実施例を示す。
該短管形流量計本体(1)にはその短管軸方向に所定の距離を有して探触子(4a)(4b)《図1の基部(2a、2b)内部》が複数設けられる。
ここで探触子(4)は図1の基部(2a、2b)における様に1個だけの場合と、図3cの基部(2)における様に複数個組み込まれた実施例もある。
図1の場合は探触子(4a)(4b)が送信受信の対となり、図3cの場合は基部(2)に組み込まれた複数の探触子(4)が相互に送信受信の対となる。
該探触子(4a)(4b)は一方から発信された超音波が短管形流量計本体(1)の短管の対面する内壁面で反射して他方に至る位置(入射角と反射角が等しい原理に従った位置)に取り付けられる。
探触子(4a)(4b)は図1aに示す様に基部(2a)に挿入されるスリーブ(21)内に傾斜して収納され、またスリーブ(21)はキャップ(22)で押さえられる。
さらにキャップ(22)の上部のケーブルグランド(3a)は探触子(4a)(4b)の信号を外部に出力するものであり、以上のキャップ(22)、スリーブ(21)、基部(2a)は探触子(4a)(4b)のハウジングと呼ばれる。
次に図1bはスリーブ(21)に探触子(4a)(4b)が傾斜して収納されていることが示される。
図1cはスリーブ(21)に傾斜せずに探触子(4a)(4b)が収納された実施例を示し、この実施例においてはプリズム(29)が探触子(4a)(4b)の下方に設けられ、超音波の伝わる方向はプリズム(29)を通過する際に傾斜することになる。
また短管形流量計本体(1)の外周面に探触子を組み込む基部(2a)(2b)を固定するのであるが、図2bに示す様に、短管形流量計本体(1)の外周面に探触子(4a)(4b)を組み込む基部(2a)(2b)を例えば溶接、溶着、接着等で短管形流量計本体(1)の管体外周面に物理的に一体化させる。
次に短管形流量計本体(1)は図1に示す様に水道配水本管(10)の接続部のフランジ(11)間にボルト等の締結手段(12)により水道配水本管(10)に挟持固定される。
図3に示す様に短管軸方向に所定の距離を有して探触子(4a)(4b)を組み込む基部の1対をD1とすれば、他の1対をD2、さらに他の1対をD3という様に複数対を流量計本体(1)の円周方向の所定の角度毎に設ける。
これにより管内流速はD1、D2、D3と円周方向の異なる角度毎の流れる水の流速を、すなわち流れの断面的に複数個所を網状(スパイダーネット状)に測定する、言い換えれば超音波測定を複数個所同時に管内に対して行うことにより、管内の平均流速を容易に把握するものであり、その結果補正演算の必要をなくした。
この測定方法は水の流れが非定常流(偏流、渦流等を含む流れ)であっても管内流速の補正をすることなく正確に管内の平均流速を把握できるものである。
以上の説明で明らかな通り、図3は水道配水本管等(水道配水本管または短管形流量計本体)の内壁で超音波を反射して計測する超音波による水の挙動測定法であった。
次に図3aは水道配水本管等(水道配水本管または短管形流量計本体)の内壁で超音波を反射するのではなく、水道配水本管等の軸方向に一定距離ずれた対向位置に探触子(D12)を設け発信する素子(D11)と受信する素子(D12)の一対で時間差法で計測する超音波による水の挙動測定法である。
また図3bは水道配水本管等(水道配水本管または短管形流量計本体)の内壁で超音波を反射するのではなく、流体に混在する異物、気泡等(9)で反射される超音波を発信した素子(F11)自体または図3cに示した複数の素子が設けられる場合は複数のもの相互に受信して計測する超音波による水の挙動測定法である。
但し図3cの基部(2)における様に探触子(4)が複数個組み込まれた実施例においては、異物、気泡等(9)で反射される超音波は発信した探触子(4)だけでなくその他の探触子(4)を含む複数の探触子(4)で受信して計測することになる。
次に経年してメインテナンスが必要になった場合には、短管形流量計本体(1)は水道配水本管(10)から取り外す必要がない、短管形流量計本体(1)をそのままにして基部(2a)(2b)(2)から探触子(4)のみを取り外しゼロ校正やメインテナンスをすることになる。
以上を一般的に表現すれば、装備後の基部(2a)(2b)(2)から検出端部(探触子(4a)(4b)(4)を含めた着脱可能な要部)の脱着によりゼロ校正やメインテナンスのいずれも不断水で行うことが可能になっているのである。
例えば図1及び図2aに示した基部(2a)の構造では図1aに示す様に、キャップ(22)を基部(2a)とのねじ結合から外せばスリーブ(21)と共に探触子(4a)(4b)(4)は基部から取り外される(これが不断水で行われる)。
また短管形流量計本体(1)をそのままでメインテナンスができるということは、メインテナンス時の断水も不要になり、または断水防止のための付随するコストのかかる工事が全く不要になるのである。
また探触子(4a)(4b)(4)が管路内の水流に対して障害物とならない、すなわち計測に外乱を与えない(例えば棒状のものを管路内に挿入する場合に生じるカルマン流、コリオリ現象、ゆらぎ、振動、変形等が生じない)。
次に本発明の超音波による水の挙動測定法の他の実施例として、既設の水道配水本管の実施例を説明する。
図4、図5及び図6は既設の水道配水本管に本発明の超音波による計測法を用いた実施例である。
この水道配水本管は流量計測の必要性が多く、優先的に適用されることになる。
該超音波流量計は既設の水道配水本管(13)の外周面に設けられた図5に示す複数の座ぐり(8)(それは現場工事において外周面の錆び、汚れ等を除去した後で治具等を用いて正確に設けられたものである)を有する。
ここで座ぐり(8)自体は本発明の「物理的に一体化させる」固定方法に必須ではないが、設けた場合には、そこに基部(6a)(6b)が嵌入され水道配水本管(13)の所定の位置に強靭に、また正確に、位置決めされることになる。
そしてその状態で、例えばダクタイル鋳鉄の水道配水本管(13)では溶接により、また例えば樹脂の水道配水本管(13)では溶着により基部(6a)(6b)が固定される(これらは物理的に一体化させる固定方法の一例である)。
基部(6a)(6b)の各々には探触子(4a)(4b)(図1a、図1b、図1c参照)が組み込まれることになる。
流路の軸方向に所定の距離を有して基部に組み込まれた探触子(4a)(4b)が装着されることになり、該探触子(4a)(4b)は一方から発信された超音波が、水道配水本管(13)の内壁で反射されて、他方で受信されるのである(図1及び図3の発明と同様)。
図4及び図6の超音波流量計も図示しないが、図1及び図3の超音波流量計と同様に次の構成となる。
すなわち流路の軸方向に所定の距離を有して基部(6a)(6b)の1対をD1(図6参照)とすれば、図1乃至図4の発明について図3に示した様に他の1対(詳細を図示せず)をD2、さらに他の1対(詳細を図示せず)をD3、さらに他の1対(詳細を図示せず)をD4という様に複数対を水道配水本管(13)の円周方向の所定の角度毎に設ける。これにより管内流速はD1、D2、D3、D4と円周方向の異なる角度毎の流れる水の流速を、すなわち流れの断面的に複数個所を網状(スパイダーネット状)に測定する、言い換えれば超音波測定を複数個所同時に管内に対して行うことにより、管内の平均流速を容易に把握するものであり、その結果補正演算の必要をなくした。
この測定方法は水の流れが非定常であっても管内流速の計測値の補正をすることなく正確に管内の平均流速を把握できるものである。
次に経年してメインテナンスが必要になった場合には水道配水本管(13)をそのままにして基部(6a)(6b)から探触子のみを取り外すことが出来る。
以上を一般的に表現すれば、装備後の頑強に固定された基部からの探触子の取り換え及びゼロ校正のいずれも不断水で行うことが可能になっているのである。
またそのままでメインテナンスができるということは、メインテナンス時の断水が不要になる。
また流体中に内装しない(何も入れない)ので圧力損失はなく、流れが速い(例えば3m/秒以上の)場合でも流速による影響はない。
図4乃至図6も図1乃至図4と同様、すなわち小管路から大管路まで、小流量から大流量まで全てについて精度よく計測可能になり、しかもゼロ校正やメインテナンスが非常に短時間で安価にできるのである。
他の実施例として図7に示す様に、水道配水本管(13)に孔(図8参照)を設けて基部(14)の孔(15)から管路内に棒(16)を僅かに挿入可能にしてもよい。
棒(16)の先端に探触子(17)を装備すれば流量測定でき、また先端にカメラ(17)を装備すれば水道配水本管(13)内部を撮影して、水道配水本管(13)の断面積の画像計測(水道配水本管(13)内面に錆び等が付着して断面積が減少している場合がある)の把握が可能になる。
またカメラ(17)でなく探触子を有する棒を僅かに挿入する方法を用いれば、流れがより正確に測定できる。
次に超音波による流量測定の原理について説明を補充しておく。
すなわち例えば図1の探触子(4a)から発信された超音波が探触子(4b)(前記探触子(4a)から流れ方向に所定の距離だけ後にある)に到達する時間から、水流の流れの速度が把握される。
何故なら水流の流れがゼロの場合と、ゼロでない特定の速度である場合を比較すれば探触子(4a)から発信された超音波が探触子(4b)に到達する時間が後者においては水流の流れの速度に比例して到達時間に差が生じるのである。
探触子(4b)が流れ方向に所定の距離だけ後にあるから、水流の流れがあれば水流によって超音波の伝搬速度に水流の速度が加算されて、その結果到達する時間が短くなるのである(この方式が時間差法である)。
流体中に異物、気泡等が存在する下水、汚水等に用いる場合には、超音波でのドップラー法を選択する、すなわち基部内に探触子が複数ある場合には、それらを選択してドップラー法で測定する。
ドップラー法は流体中の異物、気泡等からの反射波の伝搬速度と水流の速度から、それらがプラスまたはマイナスされて超音波が反射して戻ってくるから、該反射波の戻るまでの時間によって測定できるのである。
また図1乃至図3に示した短管形流量計は水道配水本管の管径と同一サイズにして圧損、管路の損傷を防止することができる。
種々の管種が存在するが、管径が変わってもその状況に応じた流速は超音波の伝搬時間差による測定(前述の通り時間差法と称する)あるいは超音波のドップラー効果による測定(ドップラー法と称する)を用いて算出可能である。
例えば流量計前後の直管経路が長い場合等に、流れが定常流になっていると考えられるケースでは探触子(4a)(4b)のセットは1つでもよい。
水道配水本管内部の流速分布がレイノルズ数、錆瘤、曲管、仕切弁等に影響されて多様に変化し、特に地面と平行に埋設された管路では曲がり管も多い。
このため多様な流速分布、渦流、遠心力による偏流、密度流、キャビテーションによる気泡発生等がみられる。
従って本発明の「スパイダーネットの測定」方式が流速の補正なく平均流速を把握できる極めて優れた方法である。
また短管形流量計の場合には短管形流量計本体(1)を水道配水本管に挟持させて装着するため、管内錆瘤等で起こり得る超音波の波動の屈折乱反射等の外乱が存在しないという特徴がある。
流路中に気泡や多様な物質が常在する場合は(例えば下水、農水、汚水、排水等の場合は)時間差法による計測は超音波の伝搬が該物質により妨げられまたは外乱となって不可能になる。
但し農水においては季節、時間帯によっては混濁度が大きく変化するので、ドップラー法と時間差法の両者の機能を計測に用いることが本発明によって可能である。
上水でも管路内に気泡を発生させるとドップラー法による計測が可能になる、ドップラー法を用いず時間差法だけの場合には気泡が超音波にとっての外乱となるから、気泡が消滅するまで計測を中断しなければならなくなる。
いわゆる欠測を伴うことになるから、前述の時間差法による計測が困難乃至不可能な状態になった(その状態が検出された)場合には時間差法からドップラー法に計測装置が自動判断で切り替える(計測装置が時間差法とドップラー法の切り替えを自動判断して計測する)。
さらに自動判断で切り替えるのではなく、時間差法とドップラー法を用途に応じて選択し、いずれかの方法で計測する測定方法も本発明は含むものである。
図3cは本発明の時間差法とドップラー法の“自動切り替え”、“選択”または“両者で同時に計測”を可能にした超音波による水の挙動測定法の実施例であり、一例として図1の短管形流量計本体(1)に適用したものである。
該基部(2)内(キャップ(22)で閉じられる)には探触子(4)が5個(あくまでも一例であるが)組み込まれ、その5個は短管軸方向に所定の距離を有して(両端に)設けられた1対の探触子(4)(4)と、中央部の3個の探触子(4)(4)(4)である。
まず両端に設けられた1対の探触子(4)(4)は、一方から発信(発射)され短管内壁で反射して到達する超音波を他方が受信しその時間から水の挙動を測定する、すなわち時間差法で測定するためのものである。
また中央部の3個の探触子(4)(4)(4)は管内へと超音波を発信し異物、気泡等で反射される超音波を自らまたは複数のものが相互に受信して水の挙動を測定する、すなわちドップラー法で測定するためのものである。
以上の図3cの測定装置の使用方法としては、第1に時間差法とドップラー法の切り替えを自動判断して計測する使用方法、第2に時間差法とドップラー法を用途に応じて選択し、いずれかの方法で計測する使用方法、第3に5個全ての探触子(4)を同時に用いて時間差法とドップラー法の両者で同時に計測する使用方法、以上の3つの使用方法がある。
次に探触子(4)の計測信号はケーブル(23)により外部に出力される。
本発明の効果を次に列挙する:
1.本発明の網状超音波による流体の挙動測定法は、探触子を組み込む基部を、短管形流量計本体の管体外周面に物理的に一体化させ、該短管形流量計本体を管路(例えば水道配水本管)に挟持されて装着する網状超音波による流体の挙動測定法、または探触子が組み込まれた基部を、管路(例えば水道配水本管)の管体外周面に物理的に一体化させる網状超音波による流体の挙動測定法であるため、物理的に一体化しない固定手段を用いた従来の固定方法(要するに管体外周面との間の摩擦力を用いた固定方法)の技術課題乃至問題点を解決するものである。
2.本発明の網状超音波による流体の挙動測定法は、「物理的に一体化させる」固定方法を用いるため基部(探触子が組み込まれる)の取り付け自体が簡単になり、またスペースがコンパクトになり、その結果基部を多数配備することが可能になる。
本発明に用いる短管一体型超音波流量計の縦断面図 図1の超音波流量計の分解縦断面図 図1の超音波流量計のスリーブ内の探触子の収納状態の概念図 図1の超音波流量計のスリーブ内の探触子の他の収納状態の概念図 図1の流量計基部部分を断面にした短管の横断面図 図2aの短管に流量計基部を取り付けるための座ぐりを示す短管の横断面図 図1の短管の複数の超音波流量計の配置の一例を示す斜視図 図1の短管の複数の超音波流量計の配置の他の一例を示す横断面図 図1の短管の複数の超音波流量計の配置の他の一例を示す横断面図 本発明の時間差法とドップラー法の選択、自動切り換え、併用の測定方法を可能にした超音波流量計の一例の縦断面図 本発明に用いる超音波流量計のひとつである既設水道配水本管用超音波流量計の縦断面図 図4の既設水道配水本管の座ぐり部分の斜視図 図4の既設水道配水本管の複数の超音波流量計の配置の一例を示す横断面図 本発明に用いる他の既設水道配水本管用超音波流量計を示す縦断面図 図7の既設水道配水本管用超音波流量計のプローブを示す縦断面図
1 短管形流量計本体
2 基部
2a 基部
21 スリーブ
22 キャップ
23 ケーブル
29 プリズム
3a ケーブルグランド
4 探触子
4a 探触子
2b 基部
3b ケーブルグランド
4b 探触子
6a 基部
6b 基部
8 座ぐり
10 水道配水本管
11 フランジ
12 締結手段
13 水道配水本管
14 基部
15 孔
16 棒
17 カメラ
18 止水弁

Claims (10)

  1. 探触子を組み込む基部を、短管形流量計本体の管体外周面に物理的に一体化させ、該短管形流量計本体を管路(例えば水道配水本管)に挟持させて装着する網状超音波による流体の挙動測定法
  2. 探触子を組み込む基部を、既設管路(例えば水道配水本管)の管体外周面に物理的に一体化させる網状超音波による流体の挙動測定法
  3. 管路等(既設管路または短管形流量計本体)の対向する内壁で超音波を角度を持たせて反射させて計測する請求項1または2の網状超音波による流体の挙動測定法
  4. 管路等(管路または短管型流量計本体)の内壁で超音波を角度を持たせて反射させるのではなく前記管路等の軸方向に一定距離おいて対向位置に他の探触子を設け、発信する素子と受信する素子の一対で計測する請求項1または2の網状超音波による流体の挙動測定法
  5. 管路等(管路または短管形流量計本体)の内壁で超音波を反射させるのではなく異物、気泡等で反射される超音波をドップラー法で計測する請求項1または2の網状超音波による流体の挙動測定法
  6. 管路等(管路または短管形流量計本体)の内壁で超音波を反射させるのではなく気泡発生装置により発生させた気泡で反射される超音波をドップラー法で計測する請求項1または2の網状超音波による流体の挙動測定法
  7. 探触子を複数でなくひとつまたは発信受信のための1対設けて計測する請求項1または2の網状でない超音波による流体の挙動測定法
  8. 時間差法とドップラー法の切り替えを計測装置が自動判断して計測する請求項1または2の網状超音波による流体の挙動測定法
  9. 時間差法とドップラー法を用途に応じて選択し、いずれかの方法で計測する請求項1または2の網状超音波による流体の挙動測定法
  10. 時間差法とドップラー法の両者で同時に計測する請求項1または2の網状超音波による流体の挙動測定法
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