JP2020118660A - 超音波による水の挙動測定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また管路外周に巻き付ける前記外装式超音波流量計はゼロ補正時には断水が必要であり、さらに経時による計測誤差を補正することが不可能であった。
以上の種々の問題があるため、外装式超音波流量計は長期間の用途には不向きである。
また直測式超音波流量計については特願2018−5368でその改良が提案されているが、管体に挿入するための孔を空けることが不可能な場合には適用できなかった。
このため断水回避には、その本体前後に仕切弁、副管路(仕切弁が必要になる)と本体の前後に絞り弁(低流速を計測するため管径を絞って流速を加速させるレデューサー)、これらの付帯機器が必要であるだけでなく、それらのスペース確保と建設コストが必要になる。
例えば1600mmの送水管の場合の箇所コストは流量計室として90坪の鉄筋コンクリート建造物になりその付帯装備を含めると2億円超の事例がある。
他方で挿入型超音波流量計(直測超音波流量計は特許第5086704号、特開平07−1102346参照)でも非定常流箇所や管路内の編流、レイノルズ数の変動による流速分布状況の変化等で計測誤差が生じる場合がある。
更に外装式超音波流量計では、その取り付けに際して管路の外周要部を鏡面加工しグリス等を塗布して流量計の検出部を密着巻き付けして取り付けしているため、グリスの劣化や巻き付け部分の“ずれ”等で長期計測には限界がある。
また従来の外装式超音波流量計による計測は、管内面が錆瘤状態であれば計測誤差を伴う。
また従来の外装式超音波流量計は計測に必須のゼロ校正には断水しなければならないため経時年月による条件変化に対する補正が困難であり、従って定置箇所での長期間連続計測には不適当であった。
前述の通り従来の外装式超音波流量計では、その取り付けに際して管路の外周要部を鏡面加工しグリス等を塗布して流量計の検出部を密着巻き付けして取り付けしているため、グリスの劣化や巻き付け部分の“ずれ”等で長期計測に不安が伴うという大きい技術課題があった。
本発明はダクタイル鋳鉄、ステンレススチール、樹脂等の水道管の各種材質において水道管に介装する短管型流量計(水道管と同一材質の短管を用いる)の流量計本体(流量計基体)または既設の水道管自体に、超音波送信受信素子(以下略して“超音波振動子”ともいう)(以下さらに省略して“振動子”ともいう)を「機械的に一体化させる固定手段で固着する」ことで従来の巻き付け固定方式の技術課題乃至問題点を解決するものである。
本発明の「機械的に一体化させる固定手段で固着する」固定方法は、“振動子”の取り付け部がコンパクトになるため“振動子”を一対ならず多数配備することも可能になる。
円周方向の異なる角度毎の水の流速を、すなわち管路内断面の流速分布変化に起因する測定誤差は複数個所を網状に測定することで縮減できる。
言い換えれば超音波測定を複数個所同時に管内に対して行う測定方法は管内の平均流速を容易に把握し補正演算の必要をなくすという簡易な測定方法(以網状測定方法またはスパイダーネット式という)である。
この網状測定方法を用いるためには超音波送信受信素子を多数配備しなければならないが、従来のものは管路の外周要部を鏡面加工しグリス等を塗布して流量計の検出部を密着巻き付けして取り付けるという、超音波送信受信素子の取り付け構造が複雑でスペースを要するため、結局は超音波送信受信素子を多数配備することが実質的に困難であった。
本発明はダクタイル鋳鉄、ステンレススチール、樹脂等の水道管の各種材質において水道管に介装する短管型流量計(水道管と同一材質の短管を用いる)の流量計本体(流量計基体)または既設の水道管自体に、“振動子”を「機械的に一体化させる固定手段で固着する」ことで、コンパクト化されてスパイダーネット式も実現可能になり、従来の巻き付け固定方式または挿入方式の技術課題乃至問題点を解決するものである。
さらに前記固定方法の改良発明とは別に、取り付け位置として今まで全く提案されていない位置である「消火栓金物または空気抜き弁のフランジ」に“振動子”を取り付けることを本発明として提案するものである。
本発明は、固定方法の改良発明と取り付け位置の発明の、両発明であり、いずれも長期安定的に測定可能な、またゼロ補正も容易な、超音波による水の挙動測定方法である。
さらに本出願は、第2の発明として「機械的に一体化させる固定手段で固着する」固定方法のひとつとして、装備時の断水が許容される場合には、短管に超音波流量計を一体化した短管型超音波流量計を用いた超音波による水の挙動測定方法を提案する。
次に第3の発明として「機械的に一体化させる固定手段で固着する」固定方法のひとつとして、装備時の断水が許容されない場合には、既設の送配水管自体に容易な作業でありながら正確であり一体化できる超音波流量計を装備することが可能な既設管用超音波流量計を用いた超音波による水の挙動測定方法を提案するものである。
1.消火栓金物または空気抜き弁のフランジに“振動子”取り付けた超音波による水の挙動測定方法
2.ダクタイル鋳鉄、ステンレススチール、樹脂等の水道管の各種材質において水道管に介装する短管(水道管と同一材質)の流量計基体または水道管自体に、超音波送信受信素子を「機械的に一体化させる固定手段で固着する」超音波による水の挙動測定方法
以上の超音波による水の挙動測定方法を提案するものである。
本発明は鋳鉄の水道管、ステンレススチールの水道管、樹脂の水道管等の水道管の各種材質において水道管に介装する短管(水道管と同一材質)の流量計基体(図1の1)または水道管自体(図4の13)に、超音波送信受信素子《図1の基部(2a、2b)内部、図4の基部(6a、6b)内部》を「機械的に一体化させる固定手段で固着する」ことで従来の巻き付け固定方式の技術課題乃至問題点を解決するものである。
本発明の「機械的に一体化させる固定手段で固着する」固定方法は、超音波送信受信素子《図1の基部(2a、2b)内部、図4の基部(6a、6b)内部》の取り付け構造がコンパクトになるため該超音波送信受信素子を多数配備することが可能になる。
「機械的に一体化させる固定手段で固着する」固定方法は図1乃至図8の実施例に示す通り短管または水道管自体の表面の“座ぐり”(図2b、図5参照)部分に嵌着、ねじ止め、溶接、溶着、金物での固定、一体成型等で固着するのでありとにかく巻き付け等の“一体化しない”方法ではなく”機械的に一体化“させる固着方法である。
本発明は鋳鉄の水道管、ステンレススチールの水道管、樹脂の水道管等の水道管の各種材質において水道管に介装する短管(水道管と同一材質)の流量計基体(図1の1)または水道管自体(図4の13)に、超音波送信受信素子を短管または水道管自体の表面の“座ぐり”(図2b、図5参照)部分に嵌着、ねじ止め、溶接、溶着、金物での固定、一体成型等で固着する。
図1は本発明の超音波による水の挙動測定方法のひとつである短管一体型超音波流量計を用いた実施例を示し、該短管一体型超音波流量計は短管の流量計基体(1)を有する。
該流量計基体(1)には流量計基体(1)の短管軸方向に所定の距離を有して超音波送信受信素子(4a)(4b)《図1の基部(2a、2b)内部》が設けられる。
該超音波送信受信素子(4a)(4b)は一方から発信された超音波が流量計基体(1)の短管の対面内壁面で反射して他方に至る位置(入射角と反射角が等しい原理に従った位置)にされる。
超音波送信受信素子(4a)(4b)は図1aに示す様に基部(2a)に挿入されるスリーブ(21)内に傾斜して収納され、またスリーブ(21)はキャップ(22)で押さえられる。
さらにキャップ(22)の上部のケーブルグランド(3a)は超音波送信受信素子(4a)(4b)の信号を外部に取り出すものであり、以上のキャップ(22)、スリーブ(21)、基部(2a)は超音波送信受信素子(4a)(4b)のハウジングと呼ばれる。
次に図1bはスリーブ(21)に超音波送信受信素子(4a)(4b)が傾斜して収納されていることが示される。
図1cはスリーブ(21)に傾斜せずに超音波送信受信素子(4a)(4b)が収納された実施例を示し、この実施例においてはプリズム(29)が超音波送信受信素子(4a)(4b)の下方に設けられ、超音波の伝わる方向はプリズム(29)を通過する際に傾斜することになる。
次に流量計基体(1)は図1に示す様に水道管(10)の接続部のフランジ(11)で左右に挟持され、ボルト等の締結手段(12)により水道管(10)に組み込み固定される。
短管軸方向に所定の距離を有して超音波送信受信素子(4a)(4b)の1対をD1とすれば、図3に示す様に他の1対(詳細を図示せず)をD2、さらに他の1対(詳細を図示せず)をD3という様に複数対を流量計基体(1)の円周方向の所定の角度毎に設ける。
これにより管内流速はD1、D2、D3と円周方向の異なる角度毎の流れる水の流速を、すなわち流れの断面的に複数個所を網状に測定する、言い換えれば超音波測定を複数個所同時に管内に対して行うことにより、管内の平均流速を容易に把握するものであり、その結果補正演算の必要をなくした。
次に経年してメインテナンスが必要になった場合には流量計基体(1)は水道管(10)から取り外す必要がない、流量計基体(1)をそのままにして基部(2a)(2b)のみを流量計基体(1)から取り外す。
すなわち基部(2a)(2b)は流量計基体(1)の座ぐり(8)に取り外し可能に固定される(その固定方法としては種々の公知の方法がある)のである。
以上を一般的に表現すれば、装備後の検出端部(超音波送信受信素子(4a)(4b)を含めた検出端部)の脱着及びゼロ校正のいずれも不断水で行うことが可能になっているのである。
例えば図1及び図2aに示した基部(2a)の構造では図1aに示す様に、キャップ(22)を基部(2a)とのねじ結合から外せばスリーブ(21)と共に超音波送受信素子超音波送信受信素子(4a)(4b)は取り外される(これが不断水で行われる)。
また流量計基体(1)をそのままでメインテナンスができるということは、メインテナンス時の断水も不要になり、または断水防止のための付随するコストのかかる工事が全く不要になるのである。
また超音波送信受信素子(4a)(4b)が水中に露出しないので水中の気泡、異物の付着の心配がなく、また水流に物理的外乱を与えない(例えばカルマン流、コリオリ現象等)。
図4、図5及び図6は既設管用超音波流量計を用いた実施例であり、該既設管用超音波流量計は既設の水道管(13)の外周に設けられた図5に示す複数の座ぐり(8)(それは現場工事において外周面の錆び、汚れ等を除去した後で治具等を用いて正確に設けられたものである)を有する。
該座ぐり(8)に基部(6a)(6b)が嵌入され水道管(13)の所定の位置に正確に位置決めされる。
基部(6a)(6b)の各々には超音波送信受信素子(4a)(4b)(図1a、図1b、図1c参照)が収納されている。
現場工事において水道管軸方向に所定の距離(治具等で設定される)を有して超音波送信受信素子(4a)(4b)が固定され、該超音波送信受信素子(4a)(4b)は前者から発信された超音波が水道管(13)の内壁面で反射して後者に至る角度と位置にされるのである(図1及び図3の発明と同様)。
すなわち短管軸方向に所定の距離を有して超音波送信受信素子(4a)(4b)の1対をD1(図4参照)とすれば、図1乃至図4の発明について図4に示した様に他の1対(詳細を図示せず)をD2、さらに他の1対(詳細を図示せず)をD3、さらに他の1対(詳細を図示せず)をD4という様に複数対を水道管(13)の円周方向の所定の角度毎に設ける。
これにより管内流速はD1、D2、D3、D4と円周方向の異なる角度毎の流れる水の流速を、すなわち流れの断面的に複数個所を網状に測定する、言い換えれば超音波測定を複数個所同時に管内に対して行うことにより、管内の平均流速を容易に把握するものであり、その結果補正演算の必要をなくした。
次に経年してメインテナンスが必要になった場合には水道管(13)をそのままにして基部(6a)(6b)のみを水道管(13)から取り外すことが出来る。
以上を一般的に表現すれば、装備後の超音波流量計の脱着及びゼロ校正のいずれも不断水で行うことが可能になっているのである。
また超音波流量計をそのままでメインテナンスができるということは、メインテナンス時の断水が不要になり、または断水防止のための付随するコストのかかる工事が全く不要になり、また水中に露出しないので水中の気泡、異物の付着の心配がなく、また水流に物理的外乱を与えない(例えばカルマン流、コリオリ現象等)し、また流れの断面的に複数個所を網状に測定するので管内の平均流速を容易に把握し補正演算の必要がない。
図4乃至図6の超音波流量計について水道管(13)に座ぐり(8)を設け、孔は設けないと説明した。
しかし他の実施例として図7に示す様に、水道管(13)に孔(図8参照)を設けて基部(14)の孔(15)に挿入されたプローブ(16)(止水弁(18)でプローブ(16)との嵌合部分は止水されている)を水道管(13)内に挿入可能にしてもよい。
プローブ(16)の先端に超音波送信受信素子(17)を収納すれば流量測定でき、また先端にカメラを装備すれば水道管(13)内部を撮影して、水道管(13)の断面積の画像計測(水道管(13)内面に錆び等が付着して断面積が減少している場合がある)の把握が可能になる。
既存の水道管(13)への超音波送受信素子(4a)(4b)の固定方法は基部(6a)(6b)(14)を座ぐり(8)で位置決めした上で、ねじ止め、溶接、溶着、金物での固定等の“機械的に一体化させる”固定方法で固着する。
次に図9及び図10は本発明の他の超音波による水の挙動測定方法であり、該測定方法は開水路(50)に装備されたものである。
すなわち超音波流量計は超音波流量計構成体La、Lbのセットと、超音波流量計構成体Ma、Mbのセットの複数の測定装置を有する。
開水路(50)の場合には水(51)の水位を把握する水位検出器(52)が設けられる。
すなわち水位検出器(52)の検出により開水路(50)を流れる水の断面積が把握されて、超音波流量計構成体La、Lbのセットと、超音波流量計構成体Ma、Mbのセットの検出値から開水路(50)の流量が把握されることになる。
すなわち該測定方法は既存の水道管の所定箇所(消防に必要な個所)にT字管(40)で分岐され、該T字管(40)の上部にボール弁(41)を経て設けられた消火栓金物(42)(消火用取水口である)または空気抜き弁に装備するものである。
消火栓金物(42)または空気抜き弁は所定箇所に存在することから、消防と直接関係ないのであるが、それを利用して流量測定しようとするものである。
すなわち消火栓金物(42)または空気抜き弁はボール弁(41)の上部に設けられるが、該消火栓金物(42)または空気抜き弁とボール弁(41)の間に、中央に孔を有するリング状(つまりフランジ状)の装置本体(43)を固定し、該装置本体(43)の側面から図12aに示す様に超音波送信受信素子支持体(44)が挿入して取り付けられる。
該超音波送信受信素子支持体(44)は装置本体(43)の中央の孔を貫通し、該孔の位置において超音波送信受信素子(45)が取り付けられる。
図11に示す様に超音波送信受信素子(45)は1対設けられて、一方の超音波送信受信素子(45)から発信された超音波がT字管(40)を通過している水を経て反射し、他方の超音波送信受信素子(45)で受信され、その結果T字管(40)を通過する水の流量が測定されるのである。
すなわち図13に示すものは、水道流路に至る長さ(すなわち装置本体(43)からボール弁(41)及びT字管(40)の突出部を貫通して水道流路に至る長さ)の上下可動中空ロッド(61)が設けられる。
該上下可動中空ロッド(61)の先端に超音波送信受信素子(45)(“振動子”)が固定される。
該超音波送信受信素子(45)(“振動子”)は図11の実施例と比較して送信受信の対になる“振動子”と超音波反射面(図13参照)までの距離が短くなるから(別の表現をすれば反射角度が大きくなるから)、流速が正確に測定されるのである。
上下可動中空ロッド(61)は装置本体(43)に、その上端において、ロッド固定ナット(62)で固定される。
上下可動中空ロッド(61)の取り付け取り外し(“振動子”の取り付け取り外しでもある)は装置本体(43)の上方から挿入乃至引き抜きで行うことになる。
すなわち例えば図1の超音波送信受信素子(4a)から発射された超音波が超音波送信受信素子(4b)(前記超音波送信受信素子(4a)から流れ方向に所定の距離だけ後にある)に到達する時間から、水流の流れの速度が把握される。
何故なら水流の流れがゼロの場合と、ゼロでない特定の速度である場合を比較すれば超音波送信受信素子(4a)から発射された超音波送信受信素子(4b)に到達する時間が後者においては水流の流れの速度に比例して“短い”のである。
例えば図3の超音波送信受信素子(4a)(4b)の1対のセットであるD1、他のセットであるD2、また他のセットであるD3という複数の測定をすることにより「蜘蛛の巣状の測定」となり気泡混入、異物混入等の外乱の影響を減少させることが可能になる。
すなわち図4乃至図8においてポリエチレン管等の樹脂の水道管(13)では、樹脂の基部(6a)(6b)(14)を水道管(13)に溶着固定してもよい。
また鋼管の水道管(13)については溶接してもよく、ダクタイル鋳鉄の水道管(13)では既存の金物を用いて嵌合基部に固定してもよい。
ここで金物を用いる固定方法は、前述の嵌着、ねじ止め、溶接、溶着、一体成型等と同様に、巻き付け等の“一体化しない”方法ではなく“機械的に一体化”させる方法である。
短管一体型の超音波流量計は水道管の管径と同一サイズにして圧損、管路の損傷を防止することが必要である。
例えば流量計前後の直管経路が長い場合等に、流れが定常流になっていると考えられるケースでは超音波送信受信素子(4a)(4b)のセットは1つでもよい。
水道管内部の流速分布がレイノルズ数、管種、曲管、仕切弁等に影響されて多様に変化し、特に地中埋設管では直角に曲がる管路が極めて一般的であるが故に多様な流速分布、渦流、キャビテーション等を伴っている。
従って本発明の「蜘蛛の巣状の測定」方式が流速の補正なく平均流速を把握できる極めて優れた方法である。
また第一の発明の短管一体型超音波流量計は短管の流量計基体(1)を用いるため、ダクタイル鋳鉄管やライニング鋼管、管内錆瘤等の水道管で起こり得る超音波の波動の屈折乱反射等の外乱が存在しないという特徴がある。
1.
本発明の消火栓金物または空気抜き弁のフランジに“振動子”取り付けた超音波による水の挙動測定方法は、消火栓金物または空気抜き弁に超音波流量計を設けるため設置が容易で安価に設けることが可能になる。
2.
本発明の超音波による水の挙動測定方法は、ダクタイル鋳鉄、ステンレススチール、樹脂等の水道管の各種材質において水道管に介装する短管(水道管と同一材質)の流量計基体または水道管自体に、超音波送信受信素子を「機械的に一体化させる固定手段で固着する」ことで従来の巻き付け固定方式の技術課題乃至問題点を解決するものである。
3.
本発明の超音波による水の挙動測定方法の「機械的に一体化させる固定手段で固着する」固定方法は、超音波送信受信素子の取り付け構造がコンパクトになるため超音波送信受信素子を多数配備することが可能になる。
2a 基部
21 スリーブ
22 キャップ
29 プリズム
3a ケーブルグランド
4a 超音波送信受信素子
2b 基部
3b ケーブルグランド
4b 超音波送信受信素子
6a 基部
6b 基部
8 座ぐり
10 水道管
11 フランジ
12 締結手段
13 水道管
14 基部
15 孔
16 プローブ
17 超音波送信受信素子
18 止水弁
40 T字管
41 ボール弁
42 消火栓金物
43 装置本体
44 超音波送信受信素子支持体
45 超音波送信受信素子
46 ケーブルグランド
47 プラグ
50 開水路
51 水
52 水位検出器
61 上下可動中空ロッド
62 ロッド固定ナット
La 超音波流量計構成体
Ma 超音波流量計構成体
Lb 超音波流量計構成体
Mb 超音波流量計構成体
また管路外周に巻き付ける前記外装式超音波流量計はゼロ補正時には断水が必要であり、さらに経時による計測誤差を補正することが不可能であった。
以上の種々の問題があるため、外装式超音波流量計は長期間の用途には不向きである。
また直測式超音波流量計については特願2018−5368でその改良が提案されているが、管体に挿入するための孔を空けることが不可能な場合には適用できなかった。
このため断水回避には、その本体前後に仕切弁、副管路(仕切弁が必要になる)と本体の前後に絞り弁(低流速を計測するため管径を絞って流速を加速させるレデューサー)、これらの付帯機器が必要であるだけでなく、それらのスペース確保と建設コストが必要になる。
例えば1600mmの送水管の場合の箇所コストは流量計室として90坪の鉄筋コンクリート建造物になりその付帯装備を含めると2億円超の事例がある。
他方で挿入型超音波流量計(直測超音波流量計は特許第5086704号、特開平07−1102346参照)でも非定常流箇所や管路内の編流、レイノルズ数の変動による流速分布状況の変化等で計測誤差が生じる場合がある。
更に外装式超音波流量計では、その取り付けに際して管路の外周要部を鏡面加工しグリス等を塗布して流量計の検出部を密着巻き付けして取り付けしているため、グリスの劣化や巻き付け部分の“ずれ”等で長期計測には限界がある。
また従来の外装式超音波流量計による計測は、管内面が錆瘤状態であれば計測誤差を伴う。
また従来の外装式超音波流量計は計測に必須のゼロ校正には断水しなければならないため経時年月による条件変化に対する補正が困難であり、従って定置箇所での長期間連続計測には不適当であった。
本発明は消火栓金物または空気抜き弁のフランジに取付け取外し容易に“振動子”を装着した測定装置による水の挙動測定方法を提案するものである。
消火栓金物または空気抜き弁のフランジと該フランジが固定されるべき相手のフランジの間に挟み込まれて取り付けられたフランジ状の装置本体と、該装置本体に側面から挿入して取り付けられる超音波送信受信素子支持体と、該超音波送信受信素子支持体から水道流路に至る所定位置に設けられた超音波送信受信素子と、すなわち該超音波送信受信素子は超音波送信受信素子支持体から水道流路に至る所定位置に測定時に位置決めされ、必要な場合には引き抜き取り外し可能に前記超音波送信受信素子支持体に取り付けられ、超音波を送信受信して水道管内の水の挙動を測定するものである、以上の超音波送信受信素子とからなる測定装置による水の挙動測定方法
以上を提案するものである。
図1、図2、図3、図4は本発明の超音波による水の挙動測定方法であり、要するに消火栓金物(42)または空気抜き弁のフランジに超音波送信受信素子(45)(略して“振動子”)を取り付けた超音波による水の挙動測定方法である。
すなわち該測定方法は既存の水道管(図1の下方に図示された管)の所定箇所(消防に必要な個所)のT字管(40)に“測定装置”が適用される。
以下本発明の測定方法を具体化する装置(図1、図2、図3、図4に示す装置)を“測定装置”と呼ぶことにする。
すなわち該測定装置は前記T字管(40)で分岐され、その上部にボール弁(41)を経て設けられた消火栓金物(42)(消火用取水口である)または空気抜き弁に装備される。
消火栓金物(42)または空気抜き弁は所定箇所に存在することから、消防と直接関係ないのであるが、それを利用して流量測定しようとするものである。
次に図2に示す様に装置本体(43)の側面から超音波送信受信素子支持体(44)が挿入して取り付けられる。
該超音波送信受信素子支持体(44)から水道流路に至る所定位置(例えば図1の位置、図5の位置)に超音波送信受信素子(45)が設けられ、すなわち該超音波送信受信素子(45)は超音波送信受信素子支持体(44)から水道流路に至る所定位置に測定時に位置決めされ、必要な場合には引き抜き取り外し可能に超音波送信受信素子支持体(44)に取り付けられるのである。
図1に示す様に超音波送信受信素子(45)は1対設けられて、一方の超音波送信受信素子(45)から発信された超音波がT字管(40)を通過している水を経て反射し、他方の超音波送信受信素子(45)で受信され、その結果T字管(40)を通過する水の流量が測定されるのである。
すなわち図5に示すものは、水道流路に至る長さ(すなわち装置本体(43)からボール弁(41)及びT字管(40)の突出部を貫通して水道流路に至る長さ)の上下可動中空ロッド(61)が設けられる。
該上下可動中空ロッド(61)の先端に超音波送信受信素子(45)(“振動子”)が固定される。
すなわち超音波送信受信素子(45)は上下可動中空ロッド(61)により超音波送信受信素子支持体(44)に上下可動に装着されるのである。
図5の超音波送信受信素子(45)は図1の実施例と比較して送信受信の対になる“振動子”と超音波反射面(図5参照)までの距離が短くなるから(別の表現をすれば反射角度が大きくなるから)、流速が正確に測定されるのである。
上下可動中空ロッド(61)は装置本体(43)に、その上端において、ロッド固定ナット(62)で固定される。
より具体的に説明すれば、下可動中空ロッド(61)の取り付け取り外し(“振動子”の取り付け取り外しでもある)は装置本体(43)の上方から挿入乃至引き抜きで行うことになる。
すなわち例えば図1の超音波送信受信素子(4a)から発射された超音波が超音波送信受信素子(4b)(前記超音波送信受信素子(4a)から流れ方向に所定の距離だけ後にある)に到達する時間から、水流の流れの速度が把握される。
何故なら水流の流れがゼロの場合と、ゼロでない特定の速度である場合を比較すれば超音波送信受信素子(4a)から発射された超音波送信受信素子(4b)に到達する時間が後者においては水流の流れの速度に比例して“短い”のである。
超音波送信受信素子(4b)が流れ方向に所定の距離だけ後にあるから、水流の流れがあれば水流によって超音波の伝搬速度に水流の速度が加算されて、その結果到達する時間が短くなるのである。
1.本発明の超音波による水の挙動測定方法は、そのフランジ状の装置本体が消火栓金物または空気抜き弁のフランジと該フランジが固定されるべき相手のフランジの間に挟み込まれて取り付けられるため、取り付けが容易で安価に設けることが可能になる。
2.本発明の超音波による水の挙動測定方法は、その超音波送信受信素子が「フランジ状の装置本体に側面から挿入して取り付けられる超音波送信受信素子支持体」に取り付けられ、この超音波送信受信素子支持体の存在により、必要な場合には超音波送信受信素子は容易に超音波送信受信素子支持体から“引き抜く”だけで引き抜き取り外し可能になっている。
41 ボール弁
42 消火栓金物
43 装置本体
44 超音波送信受信素子支持体
45 超音波送信受信素子
46 ケーブルグランド
47 プラグ
61 上下可動中空ロッド
62 ロッド固定ナット
Claims (5)
- 消火栓金物または空気抜き弁のフランジに“振動子”を取り付けた超音波による水の挙動測定方法
- 円周方向の異なる角度毎の流れる水の流速を測定する、すなわち網状に流速を測定する、超音波送信受信素子が取り付けられた基部を、短管の流量計基体に「機械的に一体化させる固定手段で固着」し、該流量計基体を水道管に装着した超音波による水の挙動測定方法
- 円周方向の異なる角度毎の流れる水の流速を測定する、すなわち網状に流速を測定する、超音波送信受信素子が取り付けられた基部を、水道管の外周面に「機械的に一体化させる固定手段で固着」した超音波による水の挙動測定方法
- 超音波送受信素子の固定方法として、超音波送信受信素子が取り付けられた基部を、座ぐりで位置決めした上で、ねじ止め、溶接、溶着、金物での固定等の機械的に一体化させる固定手段で短管の流量計基体または水道管の外周面に固着した請求項2または3の網状測定式超音波流量計
- 開水路に装備された複数の超音波流量計構成体のセットと水位検出器により開水路の流量を測定する開水路の網状測定式超音波流量計
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