JP2021047152A - 太陽電池付き時計、太陽電池付き時計の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】文字板の強度を確保すると共に、太陽電池30の遮蔽性を向上する。【解決手段】光を透過する文字板14と、文字板14を透過した光が入射されることにより発電する太陽電池30と、を有し、文字板14は、入射光の一部を反射する半反射板と、該半反射板よりも視認側において、半反射板から離間して設けられており、所定の方向に延びると共に複数並んでいるプリズム構造と、を有する。【選択図】図3
Description
本発明は、太陽電池付き時計、及び太陽電池付き時計の製造方法に関する。
特許文献1に開示されるように、太陽電池付き時計においては、太陽電池に光を入射させるため、光透過性を有する文字板が用いられている。太陽電池は、独特の濃紫色を有しており、また複数のセルを区画する分割線を有している。そのため、文字板から太陽電池が透けて見えると美観を損なう可能性がある。そこで、例えば、特許文献1においては、文字板に、反射型偏光板を設け、当該反射型偏光板において表面反射を生じさせることにより、太陽電池が外部から視認できなくなるよう遮蔽している。
しかしながら、反射型偏光板においては、当該板に直交する方向から入射される光と比較して、傾斜する方向から入射される光に対する反射性能が低いため、ユーザが文字板を斜めから見た際に、太陽電池が視認されてしまう可能性がある。特許文献1においては、反射型偏光板にプリズム(凹凸状の模様)を形成することにより、文字板において金属調を表現すると共に、太陽電池の遮蔽性を向上する構成を採用している。しかしながら、近年、偏光板の薄型化が進んでおり、偏光板にプリズムを形成した場合、曲げや反りに対する耐性が低下してしまうおそれがある。そのため、使用する偏光板の選択に制限がかかってしまう。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、文字板の強度を確保すると共に、太陽電池の遮蔽性を向上することにある。
上記課題を解決すべく本出願において開示される発明は種々の側面を有しており、それら側面の代表的なものの概要は以下の通りである。
(1)光を透過する文字板と、前記文字板を透過した光が入射されることにより発電する太陽電池と、を有し、前記文字板は、入射光の一部を反射する半反射板と、該半反射板よりも視認側において、前記半反射板から離間して、所定の方向に延びると共に複数並んで設けられるプリズム構造と、を有する、太陽電池付き時計。
(2)(1)において、前記半反射板は、特定方向に偏光した光成分のみを透過する偏光板であり、前記文字板は、前記偏光板よりも視認側の反対側に設けられており、透過する光に位相差を与える位相差板をさらに有する、太陽電池付き時計。
(3)(2)において、前記位相差板は、該位相差板に対して直交する方向から入射した光にπ/2の位相差を与える、太陽電池付き時計。
(4)(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記半反射板よりも視認側に設けられており、視認側の面に前記プリズム構造が設けられる厚み調整層を有する、太陽電池付き時計。
(5)(4)において、前記プリズム構造は、前記厚み調整層に一体に形成されている、太陽電池付き時計。
(6)(4)又は(5)において、前記厚み調整層は、光散乱剤を含有する、太陽電池付き時計。
(7)(4)〜(6)のいずれかにおいて、前記厚み調整層は、着色剤を含有する、太陽電池付き時計。
(8)(1)〜(7)のいずれかにおいて、前記所定の方向は、3時側から9時側に延びる方向である、太陽電池付き時計。
(9)(1)〜(8)のいずれかにおいて、複数の前記プリズム構造間の少なくとも一部に、前記所定の方向に沿って着色層が設けられている、太陽電池付き時計。
(10)(1)〜(9)のいずれかにおいて、前記半反射板は、該半反射板に対して直交する方向から入射された光の少なくとも40%以上を反射する、太陽電池付き時計。
(11)厚み調整層を用意する工程と、前記厚み調整層の視認面にプリズム構造を形成する工程と、前記厚み調整層よりも視認側の反対側に半反射板を配置する工程と、前記半反射板よりも視認側の反対側に太陽電池を配置する工程と、を含む太陽電池付き時計の製造方法。
(12)(11)において、前記プリズム構造を形成する工程において、前記厚み調整層の前記視認面にインプリント成型を行うことにより前記プリズム構造を形成する、太陽電池付き時計の製造方法。
上記本発明の(1)〜(12)の側面によれば、文字板の強度を確保すると共に、太陽電池の遮蔽性を向上することができる。
以下、本発明の実施形態(以下、本実施形態という)について図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る太陽電池付き時計を示す平面図である。図2は、図1のA−A切断線における断面図である。なお、図2においては、後述の竜頭13の図示は省略しており、また、指針の配置を分かりやすくするため、分針16が9時の方向を向いており、時針15及び秒針17が3時の方向を向いている状態を示している。
図1には、太陽電池付き時計1の外装ケース(時計ケース)である胴10、胴10内に配置された文字板14、時刻を示す指針である時針15、分針16、秒針17が示されている。また、文字板14には所定の位置に時字49が設けられている。また、胴10の12時側及び6時側の側面からは、バンドを固定するためのバンド固定部11が伸びている。また、胴10の3時側の側面にはユーザが種々の操作を行うためのボタン12、竜頭13が配置されている。
なお、図1に示した時計のデザインは一例である。ここで示したもの以外にも、例えば、胴10を丸型でなく角型にしてもよいし、ボタン12や竜頭13の有無、数、配置は任意である。また、本実施形態では、指針を時針15、分針16、秒針17の3本としているが、これに限定されず、秒針17を省略してもよいし、あるいは、曜日、タイムゾーンやサマータイムの有無、電波の受信状態や電池の残量、各種の表示を行う指針や、日付表示等を追加したりしてもよい。
なお、本明細書では、太陽電池付き時計1として、GPS(Global Positioning System)衛星などの日付や時刻に関する情報を含む衛星信号を送信する衛星から当該衛星信号を受信し、それに含まれる日付や時刻に関する情報に基づき、時計内部に保持される内部時刻を修正する機能を有している衛星電波腕時計を示す。ただし、これに限られるものではなく、一般的な標準電波を受信して内部時刻を修正する電波時計であってもよいし、こうした時刻修正機能を備えない時計であってもよい。
図2に示すように、太陽電池付き時計1は、文字板14を覆うようにガラス等の透明材料により形成された風防32を有し、風防32は胴10に取り付けられている。また、風防32の反対側においては裏蓋36が胴10に取り付けられている。
本明細書では、以降、図1における紙面手前側(図3における上側)を視認側、図1における紙面奥側(図等における下側)を視認側の反対側と呼ぶ。また、各部材における視認側の面を視認面、視認側の反対側の面を裏面と呼ぶ。
文字板14の視認側の反対側には、太陽電池30が配置されている。太陽電池30は、文字板14を透過して入射される光により発電する。そのため、文字板14はある程度光を透過する材質で形成される。
本実施形態においては、図1の破線で示すように、太陽電池30は概略円形をなし、10時方向から2時方向が扇状に切り欠かれている。そして、文字板14の視認側の反対側において、この切り欠かれた部分(太陽電池30が存在しない領域)に衛星信号を受信するためのパッチアンテナ20が配置されている。このように、パッチアンテナ20を、平面視において太陽電池30と重ならないように配置することにより、太陽電池30に含まれる電極によるパッチアンテナ20の受信感度への影響を抑制することができる。なお、電波を受信する機能を有しない時計においては、パッチアンテナ20等のアンテナは不要である。その場合、太陽電池30は扇状の切り欠きを有している必要はなく、平面形状が円形であるとよい。
図2に示すように、太陽電池付き時計1は、さらに、太陽電池30の視認側の反対側に設けられるムーブメント38を有する。ムーブメント38は、指針を駆動するための輪列とモータ、時刻を計時する水晶振動子を含む時計回路、太陽電池付き時計1全体を制御するコントローラ等を地板と呼ばれる枠に一体に組み付けたものである。ムーブメント38は、ムーブメント38に取り付けられた蓄電池から電力を得て動作する。蓄電池は、ムーブメント38に電力を供給すると同時に、太陽電池30により発電された電力を蓄積するものであり、例えば、ボタン型のリチウム二次電池である。
本実施形態においては、太陽電池30は、ムーブメント38に一体的に設けられている。また、ムーブメント38には指針軸が文字板14の上面から突出するように設けられており、その先端に秒針17、分針16、時針15が取り付けられている。そして、それらを覆うようにして風防32が胴10に固定されている。
次に、図3、図4を参照して、本実施形態の文字板14の構成の詳細について説明する。図3は、本実施形態の文字板及び太陽電池の概要を示す断面図である。また、図3においては、文字板に入射される光を矢印を用いて模式的に示している。図4は、本実施形態の文字板を上面側から見た平面図である。
文字板14は、位相差板141と、位相差板141よりも視認側に配置される偏光板142と、偏光板142よりも視認側に配置される厚み調整層143とを含む。本実施形態においては、偏光板142の裏面142bに位相差板141の視認面142aが貼り付けられており、偏光板142の視認面142aに厚み調整層143が貼り付けられている例について説明する。
厚み調整層143は、光透過性を有する透明フィルムであるとよい。光の透過や反射に関する特定の機能を有する位相差板141や偏光板142は、それら機能を発揮するために予め厚みが決められているところ、厚み調整層143を設けることにより、文字板14全体の厚みを所望の厚みとすることが可能となる。また、近年、位相差板141や偏光板142の薄型化が進んでいるが、薄さのあまり反りや歪みの問題が生じる可能性がある。本実施形態においては、厚み調整層143を設けることにより、文字板14の強度を確保することができる。
位相差板141は、入射光に位相差を与える機能を備える板である。本実施形態においては、位相差板141として、位相差板141に直交する方向から入射された入射光にπ/2(λ/4)の位相差を与える機能を備える板を採用する。
偏光板142は、特定方向に偏光した光だけを透過させる板である。以下の説明においては、偏光板142が、進行方向に対して直交するx軸方向に振動する直線偏光のみを透過させ、進行方向及びx軸方向に直交するy軸方向に振動する直線偏光を吸収する例について説明する。
また、本実施形態においては、偏光板142として、表面反射を生じさせる反射型偏光板を採用した。具体的には、偏光板142は、偏光板142に対して直交する方向から入射された入射光の約50%を反射する。ただし、これに限られるものではなく、偏光板142は、偏光板142に対して直交する方向から入射された入射光の少なくとも40%以上を反射するものであればよい。
ここで、図3を参照して、文字板14へ入射される光L1について説明する。厚み調整層143へ入射された光L1の一部(光L2)は、後述のプリズム構造の表面において反射され、他の一部(光L11)は厚み調整層143を透過する。厚み調整層143を透過した光L11は、偏光板142の視認面142aに入射される。
偏光板142へ入射された光L11の約50%(光L3)は、偏光板142の視認面142aにおいて反射される。偏光板142において反射されなかった光のうちy軸方向に振動する直線偏光は、偏光板142において吸収される。一方、偏光板142において反射されなかった光のうちx軸方向に振動する直線偏光は、偏光板142を透過する。偏光板142を透過したx軸方向に振動する直線偏光は、位相差板141の視認面141aに入射される。
位相差板141へ入射された光L12は、位相差板141を透過すると共に、π/2(λ/4)の位相差が与えられる。これにより、位相差板141を透過した光は、右回り円偏光となる。位相差板141を透過した右回り円偏光は、空気層を通過して、太陽電池30へ入射される。
太陽電池30へ入射された光L13の一部は太陽電池30に吸収されて発電に寄与し、他の一部(光L14)は太陽電池30の表面で反射される。太陽電池30へ入射された右回り円偏光は、太陽電池30の表面で反射されることにより、左回り円偏光となる。
太陽電池30の表面で反射された左回り円偏光は、空気層を通過して、位相差板141の裏面141bに入射される。位相差板141へ入射された光L14は、位相差板141を透過すると共に、π/2(λ/4)の位相差が与えられて、y軸方向に振動する直線偏光となる。
さらに、位相差板141を透過した直線偏光L15は、偏光板142の裏面142bに入射される。偏光板142はy軸方向に振動する直線偏光を吸収するため、位相差板141を透過して偏光板142の裏面142bに入射された直線偏光L15は、偏光板142に吸収される。すなわち、太陽電池30の表面で反射された光は、文字板14の外部へ漏れ出さない。そのため、ユーザが、太陽電池30を視認することがない。
上述のように、文字板14を透過した光は太陽電池30へ入射され、かつ、太陽電池30の表面で反射した光は文字板14の外部へ漏れ出さない。しかしながら、これは、文字板14の面に対して直交する方向から光が入射された場合の例であり、文字板14の面に対して傾斜する方向から入射された光については、この限りではない。これは、位相差板141が、位相差板141に直交する方向から光が入射された場合に、π/2(λ/4)の位相差を与えるように、その厚み(光路長)が設定されているためである。
位相差板141に対して傾斜する方向から入射された光は、直交する方向から入射された光よりも、位相差板141を通過する際の光路長が長くなる。そのため、位相差板141に対して傾斜する方向から入射された光に対しては、π/2(λ/4)よりも大きい位相差を与えることとなる。
そのため、偏光板142及び位相差板141を透過した光は、右回り円偏光ではなく、右回り楕円偏光となり、太陽電池30で反射した光は、左回り円偏光ではなく、左回り楕円偏光となってしまう。楕円偏光は、円偏光よりも一の方向における光成分が他の方向における光成分よりも大きくなった偏光である。当該一の方向における光成分は、偏光板142において吸収されず、偏光板142を透過して、文字板14の外部へ漏れ出してしまう。
また、反射型偏光板である偏光板142においても、偏光板142に対して直交する方向から入射する光よりも、傾斜する方向から入射する光に対する反射性能が低下する傾向にある。
そのため、文字板14を正面方向からではなく、斜め方向から見たユーザは太陽電池30を視認してしまう可能性がある。太陽電池30は、独特の濃紫色を有しており、また、ソーラセルを区分する分割線を有する。そのような太陽電池30が、外部から視認されると、審美性が低下してしまう。
そこで、本実施形態においては、偏光板142よりも視認側に、複数並んで設けられるプリズム構造を有する厚み調整層143を設けた。複数並んで設けられるプリズム構造は、図3等に示すように、視認側に突出する山条部143aと、視認側の反対側に凹む谷条部143bとを含む構造である。本実施形態においては、プリズム構造は、図4に示すように、3時側から9時側に延びると共に、ストライプ状に複数並んで設けられている。
プリズム構造は、その表面において光を反射する。ユーザは、プリズム構造の表面で反射した反射光を視認することとなるため、太陽電池30の遮蔽効果が向上する。また、上述のように、本実施形態においては、偏光板142として、反射型偏光板を採用した。偏光板142は、視認面142aにおいて入射光の一部を反射する。プリズム構造における反射光と、偏光板142における反射光との相乗効果により、太陽電池30の遮蔽効果がより向上する。そのため、上述のように太陽電池30の表面で反射した光が文字板14の外部へ漏れだした場合であっても、ユーザは太陽電池30を視認し難くなる。
また、プリズム構造の表面における反射光により、文字板14を金属調に視認させることができる。これにより、文字板14において、高級感を演出することができ、審美性が向上する。
なお、本実施形態においては、図4に示すように、山条部143aと谷条部143bが交互にストライプ状に形成されると共に、それらが3時側から9時側に延びるように形成されるプリズム構造を採用した。ユーザが谷条部143bが延びる方向に沿う方向から文字板14を見た場合、ユーザはプリズム構造における反射光を視認し難くなる。すなわち、ユーザは金属調を視認し難くなる。ユーザは、腕に装着した腕時計を見る際、6時側から文字板14を見る傾向にある。すなわち、本実施形態の構成においては、ユーザは谷条部143bに沿う方向に交差する方向から文字板14を見ることとなる。そのため、ユーザが金属調を視認する確度を向上することができる。
ただし、プリズム構造は、図4に示すものに限られるものではない。例えば、山条部143aと谷条部143bは、12時側から6時側に延びるように形成されていてもよい。また、例えば、山条部143aと谷条部143bとは、同心円状や、渦巻き状に形成されていてもよい。また、図3においては、山条部143aの頂部が鋭角に形成される例について示すが、これに限られるものではなく、例えば、山条部143aの頂部は平面であってもよいし、曲面であってもよい。同様に、谷条部143bの底部は平面であってもよいし、曲面であってもよい。
なお、厚み調整層143は、光透過性を有し、かつ高い屈折率を有する熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等からなるとよい。そのような樹脂材料によりプリズム構造を形成することにより、光反射性能を向上することができ、太陽電池30の遮蔽効果を向上することができる。また、プリズム構造と、偏光板142とはある程度離間して設けられているとよい。なお、本実施形態においては、プリズム構造と偏光板142との距離は、厚み調整層143の厚さにより設定される。これらの距離をある程度離した上で、プリズム構造を屈折率が高い樹脂材料で形成することにより、より多方向への光反射を生じさせることができ、太陽電池30の遮蔽性を向上することができる。厚み調整層143の材料としては、例えば、屈折率が1.30〜1.80程度の高分子樹脂を用いるとよい。そのような樹脂材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリメタクリル酸メチル等が挙げられる。
また、太陽電池付き時計1の製造工程において、プリズム構造は、例えば、インプリント成型により厚み調整層143に形成されるとよい。具体的には、プリズム構造は、微細パターンが形成された金型を、厚み調整層143を形成する樹脂材料にプレスすることにより、厚み調整層143の視認面に直接形成されるものであるとよい。これにより、複数のプリズム構造を一括に形成することができ、他の成型方法と比較して、製造工程におけるコストを抑制することが可能となる。
また、本実施形態においては、上述のように、偏光板142の視認側に厚み調整層143を配置し、厚み調整層143の視認面にプリズム構造を設けた。仮に、厚み調整層143を有しない構成を採用する場合、偏光板142にプリズム構造を形成することが考えられるが、その場合、プリズム構造における谷条部の深さ(山条部の高さ)が、偏光板142の厚さに依存することとなる。
本実施形態のように、厚み調整層143にプリズム構造を形成することにより、偏光板142の厚みに依存することなく、プリズム構造の谷条部の深さ(山条部の高さ)を設定することができる。例えば、谷条部143bの深さを深くすることにより、すなわち、山条部143aの角度をより鋭角にすることにより、プリズム構造における反射性能を向上することができる。その結果、太陽電池30の遮蔽効果をより向上することができる。また、プリズム構造の谷条部143bの深さを調整できることにより、金属調表現の自由度がより向上する。
また、厚み調整層143に、光散乱剤や着色剤を含有させてもよい。光散乱剤を含有させることにより、プリズム構造における反射性能をより向上させることができる。また、着色剤を含有させることにより、着色フィルム等を別途設けることなく、文字板14において色味を表現することができる。
なお、文字板14が有する各基板、各層は、透明に近い淡い色の材料からなることが好ましい。反射性能を向上させて太陽電池30を遮蔽することが望まれる一方で、太陽電池30へ入射される光の光量も確保する必要があるためである。そのため、本実施形態の文字板14は、濃色ではなく淡色を表現したい場合に適しているといえる。
以上説明したように、本実施形態の文字板14は、少なくとも、光を反射する性質を有する偏光板142と、偏光板142よりも視認側に、偏光板142から離間して設けられるプリズム構造を有している。このように、光を反射する部材を二段階で設けることにより、太陽電池30の遮蔽性を向上することができる。その結果、文字板14の審美性を向上することができる。
次に、図5を参照して、本実施形態の第1の変形例について説明する。なお、図3で示した構成と同じ構成については同じ符号を用いて、その説明は省略する。
図3においては、偏光板142として反射型偏光板を用いた例を示したが、第1の変形例においては、文字板14が、ワイヤーグリッドフィルムなどで作製される反射型偏光板の代わりに、染料やヨウ素などを延伸・配向させる光吸収型の偏光板1421と、偏光板1421の視認側に設けられる半反射板1422とを有する例について説明する。具体的には、位相差板141の視認面141aと偏光板1421の裏面1421bとが貼り合わされており、偏光板1421の視認面1421aと半反射板1422の裏面1422bとが貼り合わされており、半反射板1422の視認面1422aと厚み調整層143とが貼り合わされている。
半反射板1422は、半反射板1422に対して直交する方向から入射された入射光の約50%を反射する。ただし、これに限られるものではなく、半反射板1422は、半反射板1422に対して直交する方向から入射された入射光の少なくとも40%以上を反射するものであればよい。
第1の変形例の構成においても、図3で示した構成と同様の効果を得ることができる。すなわち、半反射板1422の視認面1422aにおける反射光と、厚み調整層143のプリズム構造における反射光との相乗効果により、太陽電池30を遮蔽することができる。なお、半反射板1422を設ける分、図3で示した構成よりも厚みが厚くなってしまうが、文字板14全体の厚みについては厚み調整層143の厚さを適宜設定することにより調整するとよい。
次に、図6を参照して、本実施形態の第2の変形例について説明する。なお、図3で示した構成と同じ構成については同じ符号を用いて、その説明は省略する。
第2の変形例においては、図6に示すように、山条部143aの頂部を平面とし、谷条部143bの底部を平面とした。さらに、複数の山条部143a間の少なくとも一部に、着色層150を充填した。すなわち、着色層150は、平面視における、厚み調整層143の少なくとも一部の領域において、山条部143aの延びる方向に沿うように設けられている。
第2の変形例においては、山条部143aの延びる方向を図4で示す方向と同じとするとよい。すなわち、着色層150は、3時側から9時側に延びると共に、ストライプ状に複数設けられているとよい。
また、着色層150は、例えば、黒色であるとよい。そのような構成により、ユーザは、着色層150が設けられる領域を黒色の文字板として視認することとなる。一方、ユーザは、着色層150が設けられていない領域を金属調の文字板として視認することとなる。例えば、文字板14の中央領域を黒色とし、その周辺領域を金属調としてもよいし、文字板14の中央領域を金属調とし、その周辺領域を黒色としてもよい。このように、黒色の領域と金属調の領域とを設けることにより、文字板14の審美性を向上することができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、この実施形態に示した具体的な構成は一例として示したものであり、本発明の技術的範囲をこれに限定することは意図されていない。当業者は、これら開示された実施形態を適宜変形してもよく、本明細書にて開示される発明の技術的範囲は、そのようになされた変形をも含むものと理解すべきである。
1 太陽電池付き時計、10 胴、11 バンド固定部、12 ボタン、13 竜頭、
14 文字板、141 位相差板、142 偏光板、143 厚み調整層、143a 山条部、143b 谷条部、1421 偏光板、1422 半反射板、15 時針、16 分針、17 秒針、20 パッチアンテナ、30 太陽電池、32 風防、36 裏蓋、38 ムーブメント、49 時字、150 着色層。
14 文字板、141 位相差板、142 偏光板、143 厚み調整層、143a 山条部、143b 谷条部、1421 偏光板、1422 半反射板、15 時針、16 分針、17 秒針、20 パッチアンテナ、30 太陽電池、32 風防、36 裏蓋、38 ムーブメント、49 時字、150 着色層。
Claims (12)
- 光を透過する文字板と、
前記文字板を透過した光が入射されることにより発電する太陽電池と、
を有し、
前記文字板は、入射光の一部を反射する半反射板と、該半反射板よりも視認側において、前記半反射板から離間して、所定の方向に延びると共に複数並んで設けられるプリズム構造と、を有する、
太陽電池付き時計。 - 前記半反射板は、特定方向に偏光した光成分のみを透過する偏光板であり、
前記文字板は、前記偏光板よりも視認側の反対側に設けられており、透過する光に位相差を与える位相差板をさらに有する、
請求項1に記載の太陽電池付き時計。 - 前記位相差板は、該位相差板に対して直交する方向から入射した光にπ/2の位相差を与える、
請求項2に記載の太陽電池付き時計。 - 前記半反射板よりも視認側に設けられており、視認側の面に前記プリズム構造が設けられる厚み調整層を有する、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池付き時計。 - 前記プリズム構造は、前記厚み調整層に一体に形成されている、
請求項4に記載の太陽電池付き時計。 - 前記厚み調整層は、光散乱剤を含有する、
請求項4又は5に記載の太陽電池付き時計。 - 前記厚み調整層は、着色剤を含有する、
請求項4〜6のいずれか1項に記載の太陽電池付き時計。 - 前記所定の方向は、3時側から9時側に延びる方向である、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池付き時計。 - 複数の前記プリズム構造間の少なくとも一部に、前記所定の方向に沿って着色層が設けられている、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽電池付き時計。 - 前記半反射板は、該半反射板に対して直交する方向から入射された光の少なくとも40%以上を反射する、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の太陽電池付き時計。 - 厚み調整層を用意する工程と、
前記厚み調整層の視認面にプリズム構造を形成する工程と、
前記厚み調整層よりも視認側の反対側に半反射板を配置する工程と、
前記半反射板よりも視認側の反対側に太陽電池を配置する工程と、
を含む太陽電池付き時計の製造方法。 - 前記プリズム構造を形成する工程において、前記厚み調整層の前記視認面にインプリント成型を行うことにより前記プリズム構造を形成する、
請求項11に記載の太陽電池付き時計の製造方法。
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JP2019171497A JP2021047152A (ja) | 2019-09-20 | 2019-09-20 | 太陽電池付き時計、太陽電池付き時計の製造方法 |
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