JP2021046949A - ガスタービン燃焼器 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼振動による圧力変動を減衰すると共に、燃焼用空気の低減によるNOx排出量の増加を抑制可能なガスタービン燃焼器を提供する。【解決手段】燃料と空気との混合気を燃焼させる燃焼室5と、前記燃焼室を形成する燃焼器ライナ12と、前記燃焼室の上流側に位置し、火炎を形成するバーナと、前記バーナと前記燃焼器ライナとの嵌合部において前記バーナの外周面と前記燃焼器ライナの内周面との間に配置されたスプリングシール26と、前記スプリングシールの下流位置の前記燃焼器ライナに設置され、音響空間92を形成する環状チャンバー27と、を備え、前記環状チャンバーは、前記スプリングシール側側面に前記スプリングシールを通過したリーク空気105を前記音響空間へ導くパージ空気孔91を有すると共に、前記燃焼室と前記音響空間を連通する複数の圧力波導入孔90を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスタービン燃焼器の構造に関する。
火力発電プラントでは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量を削減する手段として、発電効率の向上や化石燃料以外の水素などの燃料を積極的に利用することが検討されている。発電効率の向上には、ガスタービン発電設備のタービン入口温度の高温化が有効である。
しかし、ガスタービンの高温化に伴い、環境汚染物質である窒素酸化物(NOx)の排出量が増加するため、発電効率の向上と共にNOx排出量の低減が重要な技術課題となっており、高温化や水素含有燃料に対応したガスタービンの低NOx燃焼方式が求められている。
ガスタービン燃焼器の低NOx燃焼方式として、一般に拡散燃焼方式と予混合燃焼方式がある。拡散燃焼方式は、燃料を燃焼室に直接噴射して燃焼室内で燃料と空気を混合する形式であり、燃焼室内で燃料が完全燃焼するのに必要な空気の割合(量論混合比)に混合された領域から火炎が形成される。このため、燃焼室上流への火炎の逆流や燃料供給系統内での自着火の可能性が無く、燃焼安定性を確保できる。
しかし、燃焼室内で燃料と空気が量論混合比に混合された領域を火炎が形成されるため、局所的に高温の火炎が形成される。この局所高温領域ではNOx排出量が多く、窒素や水や蒸気などの不活性媒体を噴射しNOx排出量を削減する必要があるため、不活性媒体を供給する補機の動力が必要となり発電効率が低下する可能性がある。
一方、予混合燃焼方式は、燃料と空気を予め混合して燃焼室に供給する燃焼方式であり、燃料を希薄に燃焼させることができるため低NOx化が可能である。しかし、ガスタービンの高温化に伴い燃焼用空気温度が上昇すると、燃焼室内の温度分布が均一化すると共に燃焼状態が不安定となり易い傾向があり、燃焼振動と呼ばれる燃焼室の圧力変動が発生する場合がある。燃焼振動の発生は、燃焼器構造物が圧力変動を受けて寿命を消費することを意味し、燃焼器の信頼性低下に繋がる。
このため、予混合燃焼方式を採用する場合には、燃焼の安定性に優れた拡散燃焼方式と併用する方法が多く採用されている。
ところで、さらなる低NOx化の要求に対応するため、拡散燃焼と予混合燃焼を併用する際の予混合燃焼の割合を多くしたり、全て予混合燃焼で対応したりする場合があるが、燃焼振動による圧力変動の振幅増加を抑制するため、燃焼室を形成するライナの外周面に燃焼振動による圧力変動を減衰させる音響空間を形成した音響ライナを設置することが有効である。
音響ライナはライナ内壁面に設けた複数の圧力波導入孔により圧力波を音響空間へ導き、音響空間の径方向高さに応じた特定周波数帯の燃焼振動で生じる圧力変動を減衰すると共に、音響空間への火炎の侵入を防止するためのパージ空気を音響空間内部へ導くパージ空気孔で構成されている。
特許文献1には、その一例として燃焼室を形成している円筒部材(燃焼筒)の外周面に音響空間設けた構造が開示されている。
国際公開第2013/077394号
しかしながら、特許文献1に開示された音響ライナにおいて、音響空間への火炎の逆流を防止するためには、圧力波導入孔(貫通孔群16)から特定量のパージ空気が必要であり、燃焼用の空気が減少してNOx排出量が増加する可能性がある。
また、水素含有燃料を用いるガスタービンの場合、水素は天然ガスと比較して量論混合比における断熱火炎温度が高いため、拡散燃焼と併用した場合のNOx排出量は増加する。
そこで、本発明の目的は、燃焼振動による圧力変動を減衰すると共に、燃焼用空気の低減によるNOx排出量の増加を抑制可能なガスタービン燃焼器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、燃料と空気との混合気を燃焼させる燃焼室と、前記燃焼室を形成する燃焼器ライナと、前記燃焼室の上流側に位置し、火炎を形成するバーナと、前記バーナと前記燃焼器ライナとの嵌合部において前記バーナの外周面と前記燃焼器ライナの内周面との間に配置されたスプリングシールと、前記スプリングシールの下流位置の前記燃焼器ライナに設置され、音響空間を形成する環状チャンバーと、を備え、前記環状チャンバーは、前記スプリングシール側面に前記スプリングシールを通過したリーク空気を前記音響空間へ導くパージ空気孔を有すると共に、前記燃焼室と前記音響空間を連通する複数の圧力波導入孔を有することを特徴とする。
本発明によれば、燃焼振動による圧力変動を減衰すると共に、燃焼用空気の低減によるNOx排出量の増加を抑制可能なガスタービン燃焼器を実現することができる。
これにより、ガスタービン燃焼器の信頼性向上および低NOx化の両立が可能となり、火力発電プラントの発電効率の向上とNOx排出量の低減に寄与できる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1に係る燃焼器バーナ部の断面図である。 本発明の実施例1に係るガスタービン燃焼器を備えたガスタービンプラントの概略構成図である。 従来例における燃焼器バーナ部の断面図である。 本発明の実施例2に係る燃焼器バーナ部の断面図である。 本発明の実施例2に係る空気孔プレートの正面図である。 本発明の実施例3に係る燃焼器バーナ部の断面図である。 本発明の実施例3に係る空気孔プレートの正面図である。 本発明の実施例3に係る空気孔プレートおよびライナの正面図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。なお、各図面において同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。
図1から図3を参照して、本発明の実施例1のガスタービン燃焼器について説明する。なお、図3は本発明を分かり易くするために比較例として示す従来のガスタービン燃焼器の燃焼器バーナ部の断面図である。
図2は、本実施例のガスタービン燃焼器3を備えたガスタービンプラント1の概略構成図である。ガスタービンプラント1では、圧縮機2で圧縮された圧縮空気102がディフューザ9を通過後、車室13へ流入する。車室13へ流入した圧縮空気102は、フロースリーブ14を通過し、外筒10とライナ12の間へ流れる。
圧縮空気102の一部はライナ12の冷却空気103として燃焼室5に流入する。外筒10とライナ12の間を通過した圧縮空気102は、拡散バーナ15と予混合バーナ16を通過する燃焼用空気104と、スプリングシール26を通過するリーク空気105(図1の符号105)に分配される。燃焼用空気104は燃焼噴出孔17と燃料ノズル22から噴出する燃料100(図1の符号100)と混合されて燃焼することで、燃焼室5で高温高圧の燃焼ガス110となりタービン4を流体力で駆動し、タービン4の回転動力を電力として取り出す。
本実施例の燃焼器3では、燃焼室5の中心軸上に拡散バーナ15を備え、旋回器18により旋回が付与された燃焼用空気104と燃料噴出孔17から噴出した燃料100とが混合し、拡散バーナ15の下流で拡散火炎を形成する。
拡散バーナ15の外周には、複数の予混合バーナ16を備えており、燃料ノズル22から噴出した燃料100が燃焼用空気104と混合し、十分に混合した混合気となって保炎器19の下流で予混合火炎を形成する。
予混合火炎は拡散火炎から熱エネルギーを受け取り、燃焼室5で安定に燃焼できるため、低NOx燃焼が可能となる。
燃料噴出孔17と燃料ノズル22へ燃料100を供給する燃料供給系統201および燃料供給系統202は、燃料遮断弁60を備えた燃料供給系統200から分岐されている。また、燃料供給系統201,202はそれぞれ燃料圧力調整弁61a,62aを備えており、供給する燃料100の供給圧力を個別に制御できる。また、その下流には燃料流量調整弁61b,62bをそれぞれ備えている。
本実施例の燃焼器3は複数本の燃料ノズル22を備えており、燃料ノズル22の各々は燃料100を分配する燃料ヘッダー23(図1の符号23)に接続される。燃料ヘッダー23はエンドカバー7内部に設けられており、燃料ヘッダー23には燃料供給系統201,202から燃料100が供給される。なお、本実施例では、燃料100を2系統に分配しているが、それ以上の数の系統に分配してもよい。
このように燃料供給系統を複数に分配すれば、系統数の増加により運転(燃焼制御)の自由度を拡大できる。本実施例の燃焼器3では燃料配分の制御により、液化天然ガス(Liquefied Natural Gas:LNG)をはじめとする多くの混合ガス燃料に適用できる。
図1に本実施例の燃焼器バーナ部の断面図を示す。本実施例の特徴は、スプリングシール26の下流側のライナ12に、断面が矩形の環状チャンバー27を配置すると共に、環状チャンバー27の径方向高さがスプリングシール26を覆い、ライナ12より外周側に突出した形状とすることで音響空間92を形成し、環状チャンバー27のスプリングシール26側側面にパージ空気孔91を設け、燃焼室5側に複数の圧力波導入孔90を設けたことである。
図3に従来例の燃焼器上流側の断面図を示す。本実施例の作用効果を、従来例の燃焼器上流側の断面構造と比較して説明する。従来例の燃焼器上流側の断面構造は、図3に示すように、ライナ12の外周面12bに音響空間92を形成するよう断面が略コ字型の矩形環状蓋29を設置し、音響空間92を形成したライナ12に複数の圧力波導入孔90を設け、矩形環状蓋29の外周側壁に複数のパージ空気孔91を設けている。従来例の燃焼器構造ならびに燃料系統は上記の特徴以外は本実施例と同様である。
本実施例および従来例の何れの燃焼器も燃焼振動の発生による圧力変動の振幅が増加した場合に圧力波導入孔90から燃焼振動で生じた圧力波を音響空間92へ導き、音響空間92の径方向高さLに応じた特定周波数帯の圧力変動を減衰することができる。
図3の従来例では、矩形環状蓋29にパージ空気孔91を設け、音響空間92へ燃焼用空気104の一部をパージ空気106として導き、圧力波導入孔90を通じて燃焼室5へパージ空気106を流すことで音響空間92への火炎の侵入を防止している。
音響空間92への火炎の侵入を防止するためには、パージ空気106は常に一定流速以上で流す必要がある。そのため予混合バーナへ流れる燃焼用空気104が減少し、燃料濃度が相対的に増加するため、局所高温領域を形成しやすく、NOx排出量が増加する可能性がある。
さらに、音響空間92の圧力変動の減衰効果は圧力波導入孔90の孔数が多いほど高まるため、より大きな圧力変動に対処する場合にNOx排出量を低減することが困難になることが考えられる。
一方で図1の本実施例では、スプリングシール26の下流でライナ12に設置した環状チャンバー27で音響空間92を形成し、環状チャンバー27のスプリングシール26側側面にパージ空気孔91を設けることで、スプリングシール26を通過するリーク空気105をパージ空気106として音響空間92へ導き、圧力波導入孔90から燃焼室5へパージ空気106を流すことができるため、音響空間92への火炎の侵入を防止することができる。
そのため、図3の従来例のようなパージ空気孔91の設置によって燃焼用空気104を減じることなく、燃焼振動による圧力変動を音響空間92で減衰することができ、NOx排出量を低減することが可能となる。
さらに、圧力波導入孔90から噴出するパージ空気106は、予混合バーナ16(図2の符号16)で形成された予混合火炎の局所的な火炎温度を低下できるため、環状チャンバー27より下流側のライナ12が受ける熱負荷を低下させることができる。
なお、本実施例ではリーク空気105を音響空間92へ導くパージ空気孔91をライナ12の周方向に複数の円孔状に設けることを想定しているが、環状のスリットであっても同様の効果を期待できる。
さらに、本実施例では環状チャンバー27をライナ12の外周側へ突出した形状としているため、音響空間92の径方向高さLの設定範囲を拡大することができ、音響空間92で減衰できる周波数帯をより広く選択することができる。
また、環状チャンバー27は、バーナ8の最外周面と環状チャンバー27の内周面(燃焼室5側の側面)とが略面一になるように設けるのが望ましい。環状チャンバー27の内周面(燃焼室5側の側面)が燃焼室5側へ突出し過ぎると、熱変形や寿命低下に繋がる恐れがある。
以上説明したように、本実施例のガスタービン燃焼器は、燃料100と空気(燃焼用空気104)との混合気を燃焼させる燃焼室5と、燃焼室5を形成する燃焼器ライナ12と、燃焼室5の上流側に位置し、火炎を形成するバーナ8と、バーナ8と燃焼器ライナ12との嵌合部においてバーナ8の外周面と燃焼器ライナ12の内周面との間に配置されたスプリングシール26と、スプリングシール26の下流位置の燃焼器ライナ12に設置され、音響空間92を形成する環状チャンバー27を備えており、環状チャンバー27は、スプリングシール側側面にスプリングシール26を通過したリーク空気105を音響空間92へ導くパージ空気孔91を有すると共に、燃焼室5と音響空間92を連通する複数の圧力波導入孔90を有している。
また、環状チャンバー27は、スプリングシール26の下流位置にスプリングシール26を覆うように配置されている。
また、環状チャンバー27は、燃焼器ライナ12より外周側へ突出するように配置されている。
また、パージ空気孔91は、燃焼器ライナ12の周方向に複数設けられた円孔または燃焼器ライナ12の周方向に設けられた環状のスリットである。
また、環状チャンバー27は、バーナ8の最外周面と環状チャンバー27の内周面(燃焼室5側の側面)とが略面一になるように設けられている。
また、バーナ8は、燃焼室5の中心軸上に配置された拡散バーナ15と、拡散バーナ15の外周に配置された複数の予混合バーナ16で構成されている。
本実施例のように、音響空間92で燃焼振動の発生による圧力変動を減衰できると共に、燃焼用空気104を減じることなく、音響空間92への火炎の侵入を防止できるため、NOx排出量を同時に低減することができる。
なお、NOx排出量の低減効果は低下してしまうが、図3の従来例のように、環状チャンバー27の外周面にパージ空気孔91を設けた実施形態も本発明の範囲内であることは言うまでもない。
図4および図5を参照して、本発明の実施例2のガスタービン燃焼器について説明する。図4は、本実施例の燃焼器バーナ部を示す断面図である。
本実施例の特徴は、燃焼室5の上流側に複数の燃料ノズル22と複数の空気孔21を同軸上に配置し、燃料100と燃焼用空気104を同軸流として燃焼室5に供給する多孔同軸噴流型のバーナ8としたことである。
なお、ライナ12のスプリングシール26の下流位置に環状チャンバー27を設置する点や、本実施例のガスタービン燃焼器を有するガスタービンプラント1の構成および運用方法は、基本的に実施例1と同様である。
この燃焼器では、燃料100と燃焼用空気104を分散して同軸流として供給することで混合が急速に促進され、NOx排出量を低減することが可能となる。
また、混合距離を短くすることで、燃料100と燃焼用空気104の混合中に燃料が自着火する可能性を低減できる他、混合領域への火炎の逆流を防止することができ、燃焼器構造物の信頼性を向上することができる。特に、水素含有燃料を用いるガスタービンの場合、水素は着火エネルギーが小さく、燃焼速度が速いため、火炎の逆流や自着火を生じる可能性が高いため有効である。
また、水素は天然ガスと比較して量論混合比における断熱火炎温度が高く、拡散燃焼方式でのNOx排出量は増加する傾向であるが、この燃焼器では急速に燃料100と燃焼用空気104が混合されるため、低NOx燃焼が可能である。
そのため、本実施例では燃料100として、コークス炉ガスや製油所オフガス、石炭ガス化ガスなどの水素含有燃料を使用でき、液化天然ガス(LNG)をはじめとする多くのガス燃料にも適用できる。
図5に、図4の燃焼室5の上流側に配置される空気孔プレート20の正面図を示す。複数の空気孔21が、空気孔プレート20の中心軸まわりに同心円状に配置され、図5では1列目空気孔51,2列目空気孔52,3列目空気孔53の3列となっている。空気孔21の中心軸は、各列のピッチ円周方向に傾斜しており、噴出する燃焼用空気104に空気孔プレート20の中心軸周りに旋回がかかるよう旋回角を付与している。
また、図4に示すように空気孔プレート20はライナ12と同軸となっているため、燃焼用空気104に旋回を与えて燃焼室5に導入することで、燃焼室5の中心軸周りに旋回が作用し、循環流(循環渦)を形成でき、火炎を安定化することができる。
以上説明したように、本実施例のガスタービン燃焼器では、バーナ8は、燃焼室5の上流側に位置し、同心円状に複数列配置された空気孔21を複数備えた空気孔プレート20と、空気孔21と同軸に配置された複数の燃料ノズル22を有している。
本実施例のように、多孔同軸噴流バーナを備えた燃焼器のライナ12に環状チャンバー27を設置することで、実施例1と同様の作用効果に加え、以下の作用効果が得られる。
本実施例ではスプリングシール26を通過したリーク空気105を、パージ空気106として圧力波導入孔90から燃焼室5へ噴出するため、ライナ12付近の空気孔21から噴出する燃料100と燃焼用空気104との混合気は、他の空気孔21から噴出する混合気に比べ燃料濃度が低くなり、燃焼室5で燃焼する際に相対的に低い温度領域を形成することができるため、NOx排出量を低減することができる。
図6から図8を参照して、本発明の実施例3のガスタービン燃焼器について説明する。図6は、本実施例の燃焼器バーナ部を示す断面図である。
本実施例のガスタービン燃焼器を有するガスタービンプラント1の構成および運用方法とライナ12のスプリングシール26の下流位置に環状チャンバー27を設置する点は、実施例2と同様である。
但し、より大きな発電出力と多様な運用形態に対応するため、実施例2に示す概略同軸に配置された3列の空気孔21と燃料ノズル22から成る多孔同軸噴流型のバーナ8を中央に1つ配置し、さらにその周囲に6つ配置した構造としている。
また、本実施例に示す燃焼器では、中央に設けたバーナ8の中心部に起動用燃料ノズル24を設置する点と、燃料系統をバーナ8毎に分割することで、ガスタービンの運転状態に応じてバーナ8毎の燃料配分を個別に制御できる点が実施例1と異なる。
図7は、図6の空気孔プレート20を燃焼室5側からみた正面図である。図7に示すように、本実施例では、実施例2(図5)の空気孔プレート20を複数個配置して1つの空気孔プレート20を構成している。すなわち本実施例の燃焼器は、燃焼器3の中心に位置する1個の中央バーナ32と中央バーナ32の外側に位置する6個の外周バーナ33を備える。
各空気孔21の中心軸は各列のピッチ円周方向に傾斜し、空気孔21を通過した燃焼用空気104の流れは空気孔21の下流で螺旋状に旋回し、旋回流が形成される。また、図6に示すように、中央バーナ32および外周バーナ33は、3つの燃料系統203,204,205に接続されており、それぞれ独立に燃料流量を制御できるようになっている。本実施例では外周バーナ33の個数が6個であるが、中央バーナ32に対して同心円状に外周バーナ33が3個以上であることが望ましい。
中央バーナ32に対しては中央バーナ燃料系統203とガスタービン起動用燃料系統206が接続されており、主にガスタービンの起動運転に使用すると共に、負荷運転の際には燃焼器全体の燃焼安定性を確保するための運用をする。なお、本実施例ではガスタービン起動用燃料系統206に供給する燃料は軽油、重油をはじめとする液体燃料である。
一方、外周バーナ33には、外周バーナ内周燃料系統204と外周バーナ外周燃料系統205が接続されている。外周バーナ33の1列目同心円上に配置された同軸噴流群は、火炎の起点を形成するので、特に燃焼安定性に関係する。そこで本実施例のように、外周バーナ33の1列目(内周)に供給する燃料流量を独立に制御することで、火炎の起点を強固にし、より広い負荷範囲に対して安定な燃焼を維持することができる。
図8は、図6の空気孔プレート20およびライナ12を燃焼室5側からみた正面図である。本実施例の特徴は、図8に示すように、1つの中央バーナ32と複数の外周バーナ33を備える空気孔プレート20に対し、環状チャンバー27をライナ12の周方向に複数に分割して設置したことである。
本実施例のガスタービン燃焼器では、バーナは、同心円状に複数列配置された空気孔21と空気孔21と同軸に複数の燃料ノズル22が配置されたバーナが空気孔プレート20の中心軸上に中央バーナ32として1つ配置され、中央バーナ32の周囲に同心円状に複数の外周バーナ33が配置されて1つの燃焼器を構成するマルチクラスタバーナである。
このように環状チャンバー27を周方向に分割することで、実施例1と同様の作用効果に加え、以下の作用効果が得られる。
本実施例では環状チャンバー27をライナ12の周方向に複数に分割した構造とすることで、ライナ12において周方向に隣り合う外周バーナ33の間の領域にのみ環状チャンバー27を設けた構成とすることができる。
隣り合う2つの外周バーナ33の間の領域では、スプリングシール26を通過するリーク空気105が燃焼室5で形成される火炎83に作用することなくライナ12の下流へ流れるが、この領域に環状チャンバー27を設けることで、リーク空気105をパージ空気106として圧力波導入孔90から燃焼室5へ噴出でき、音響空間92への火炎の侵入を防止できると共に、燃焼用空気104の流量低下を抑制できるため、NOx排出量を低減できる。
また、環状チャンバー27を分割して配置することで、音響空間92の径方向高さLを各々の環状チャンバー27で個別に設定できるため、個々の音響空間92で減衰できる圧力変動の周波数帯を変えることができ、広帯域の燃焼振動に対応することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…ガスタービンプラント、2…圧縮機、3…(ガスタービン)燃焼器、4…タービン、5…燃焼室、6…トランジションピース、7…エンドカバー、8…バーナ、9…ディフューザ、10…外筒、12…(燃焼器)ライナ、12b…(ライナの)外周面、13…車室、14…フロースリーブ、15…拡散バーナ、16…予混合バーナ、17…燃料噴出孔、18…旋回器、19…保炎器、20…空気孔プレート、21…空気孔、22…燃料ノズル、23…燃料ヘッダー、24…起動用燃料ノズル、25…プレートリップ、26…スプリングシール、27…環状チャンバー、29…矩形環状蓋、32…中央バーナ、33,112…外周バーナ、51…1列目空気孔、52…2列目空気孔、53…3列目空気孔、60…燃料遮断弁、61a,62a…燃料圧力調整弁、61b,62b…燃料流量調整弁、80…循環流(循環渦)、83…火炎、90…圧力波導入孔、91…パージ空気孔、92…音響空間、100…燃料、102…圧縮空気、103…冷却空気、104…燃焼用空気、105…リーク空気、106…パージ空気、110…燃焼ガス、200,201,202…燃料供給系統、203…中央バーナ燃料系統、204…外周バーナ内周燃料系統、205…外周バーナ外周燃料系統、206…ガスタービン起動用燃料系統。

Claims (11)

  1. 燃料と空気との混合気を燃焼させる燃焼室と、
    前記燃焼室を形成する燃焼器ライナと、
    前記燃焼室の上流側に位置し、火炎を形成するバーナと、
    前記バーナと前記燃焼器ライナとの嵌合部において前記バーナの外周面と前記燃焼器ライナの内周面との間に配置されたスプリングシールと、
    前記スプリングシールの下流位置の前記燃焼器ライナに設置され、音響空間を形成する環状チャンバーと、を備え、
    前記環状チャンバーは、前記スプリングシール側側面に前記スプリングシールを通過したリーク空気を前記音響空間へ導くパージ空気孔を有すると共に、前記燃焼室と前記音響空間を連通する複数の圧力波導入孔を有するガスタービン燃焼器。
  2. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器であって、
    前記環状チャンバーは、前記スプリングシールの下流位置に前記スプリングシールを覆うように配置されているガスタービン燃焼器。
  3. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器であって、
    前記環状チャンバーは、前記燃焼器ライナより外周側へ突出するように配置されているガスタービン燃焼器。
  4. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器であって、
    前記パージ空気孔は、前記燃焼器ライナの周方向に複数設けられた円孔または前記燃焼器ライナの周方向に設けられた環状のスリットであるガスタービン燃焼器。
  5. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器であって、
    前記バーナの最外周面と前記環状チャンバーの内周面が略面一であるガスタービン燃焼器。
  6. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器であって、
    前記バーナは、前記燃焼室の中心軸上に配置された拡散バーナと、当該拡散バーナの外周に配置された複数の予混合バーナで構成されるガスタービン燃焼器。
  7. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器であって、
    前記バーナは、前記燃焼室の上流側に位置し、同心円状に複数列配置された空気孔を複数備えた空気孔プレートと、前記空気孔と同軸に配置された複数の燃料ノズルを有するガスタービン燃焼器。
  8. 請求項7に記載のガスタービン燃焼器であって、
    前記バーナは、同心円状に複数列配置された空気孔と前記空気孔と同軸に複数の燃料ノズルが配置されたバーナが前記空気孔プレートの中心軸上に中央バーナとして1つ配置され、
    前記中央バーナの周囲に同心円状に複数の外周バーナが配置されて1つの燃焼器を構成するマルチクラスタバーナであるガスタービン燃焼器。
  9. 請求項8に記載のガスタービン燃焼器であって、
    前記環状チャンバーは、前記燃焼器ライナの周方向において、隣り合う外周バーナの間の領域にのみ配置されるよう複数に分割して配置されているガスタービン燃焼器。
  10. 請求項8に記載のガスタービン燃焼器であって、
    前記中央バーナに液体燃料を供給する燃料ノズルを有するガスタービン燃焼器。
  11. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器であって、
    燃料組成に水素を含む燃料を燃焼させるガスタービン燃焼器。
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