JP2021046739A - トラス構造、及び補強方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に係る補強部材は、上弦及び下弦を有する一対の弦と、前記上弦と前記下弦とを結ぶ斜材とを備えるトラス構造のうち、前記一対の弦のうち一方の弦と、この弦に接合される一対の前記斜材とによって形成される三角形状のトラスユニットに設けられる補強部材であって、一対の前記斜材の中央部同士を結ぶ第1補強ブレースと、一対の前記斜材の各中央部と、前記トラスユニットを形成する前記弦の中央部と、をそれぞれ結ぶ一対の第2補強ブレースと、を備えることを特徴とする。
下弦11の一端には、支承部(支持部)15が取り付けられている。すなわち、立体トラス10の一端は、支承部15によって支持されている。立体トラス10の他端もまた、不図示の支承部によって支持されている。なお、立体トラス10は、他端が自由端となっている片持ちトラスであってもよい。
上弦12は、軸方向に沿って延びる複数の上弦材120を備える。複数の上弦材120は、ボールジョイント14を介して互いに接合されている。
図3に示されるように、下弦材110と上弦材120とは、軸方向に半スパンずらされて配置されている。
第1斜材13Aは、下弦11と、この下弦11を挟む上弦12のうちの一方の上弦12(12A)とを結ぶ。第1斜材13Aの一端は下弦11に設けられるボールジョイント14に接合され、第1斜材13Aの他端は上弦12Aに設けられるボールジョイント14に接合される。複数の第1斜材13Aが、ジグザグ形状となるように設けられている。下弦材110と、この下弦材110の両端にボールジョイント14を介して接合される一対の第1斜材13Aとによって、三角形状の第1トラスユニット100Aが形成される。
なお、図示していないが、複数の横材10Mは下弦11にも設けられており、隣り合う下弦11同士を結んでいる。
トラスユニット100A,100Bに設けられる補強部材20は、下弦材110の軸線を通る鉛直面に関して面対称となるよう設けられることが好ましい。
なお、第1補強ブレース30は、一対の第1斜材13Aの中点の近傍同士を結んでいればよく、一対の第1斜材13Aの中点同士を厳密に結んでいなくてもよい。
図5に示されるように、第1補強ブレース30の両端部は平らに潰されており、後述する接続部材50のガセットプレート60に取り付けるためのボルト穴が形成されている。
なお、第2補強ブレース40は、第1斜材13Aの中点の近傍と下弦材110の中点の近傍とを結んでいればよく、第1斜材13Aの中点と下弦材110の中点とを厳密に結んでいなくてもよい。
図4及び図5に示されるように、第2補強ブレース40の両端部は平らに潰されており、後述する接続部材50のガセットプレート60に取り付けるためのボルト穴が形成されている。
まず、トラスユニット100Aについて、第1接続部材50Aを下弦材110の中央部に取り付ける。具体的には、第1接続部材50Aの一対の枠部材52,52を下弦材110に外側から嵌める。ボルト56及びナット57を用いて一対の固定プレート55,55同士を固定することにより、一対の枠部材52の他端同士を接続し、管状部材51を形成する。
同様に、第2接続部材50Bを一対の第1斜材13Aの中央部にそれぞれ取り付ける。具体的には、第2接続部材50Bの一対の枠部材52,52を第1斜材13Aに外側から嵌める。ボルト56及びナット57を用いて一対の固定プレート55,55同士を固定することにより、一対の枠部材52の他端同士を接続し、管状部材51を形成する。
同様に、第2接続部材50Bに第1補強ブレース30及び第2補強ブレース40を取り付ける。具体的には、第2接続部材50Bのガセットプレート60に、第1補強ブレース30の平らに潰された端部を対向させる。この状態で、第2接続部材50Bのガセットプレート60に形成されたボルト穴、及び第1補強ブレース30の端部に形成されたボルト穴にボルト61を挿通し、ナット62をボルト61に螺合する。これにより、第1補強ブレース30を第2接続部材50Bのガセットプレート60に固定する。また、第2接続部材50Bのガセットプレート60に、第2補強ブレース40の平らに潰された端部を対向させる。この状態で、第2接続部材50Bのガセットプレート60に形成されたボルト穴、及び第2補強ブレース40の端部に形成されたボルト穴にボルト61を挿通し、ナット62をボルト61に螺合する。これにより、第2補強ブレース40を第2接続部材50Bのガセットプレート60に固定する。
トラスユニット100A,100Bの内側に、第1補強ブレース30及び一対の第2補強ブレース40により形成される補強トラスが設けられる。これにより、トラスユニット100A,100Bを形成する下弦材110の座屈長さを短くすることができ、下弦材110の座屈耐力を上げることができる。したがって、立体トラス10を容易に補強することができる。
これにより、立体トラス10のうち、地震等によって圧縮力を受けて座屈しやすい部分である、支承部15が取り付けられる下弦材110を効果的に補強することができる。
第1、第2トラスユニット100A,100Bに設けられる2つの補強部材20により、下弦材110が二方向から補強される。したがって、下弦材110の面外への座屈を防ぎ、下弦材110をより効果的に補強することができる。
立体トラス10が建設されている現場において、接続部材50を用いて、第1又は第2補強ブレース30,40と下弦材110又は斜材13とを接続することにより、立体トラス10をより容易に補強することができる。また、仮に地震等により下弦材110や斜材13が破断したとしても、接続部材50により下弦材110や斜材13が支持されているため、下弦材110や斜材13の落下を防ぐことができる。
下弦材110又は斜材13への一対の枠部材52,52の取り付け、及びガセットプレート60への第1又は第2補強ブレース30,40の取り付けを実施することで、下弦材110又は斜材13へ第1又は第2補強ブレース30,40を溶接することなく接続することができる。例えば、立体トラス10の耐震補強等の、構造物が建設されている現場において鋼材の接続が必要となる場合であっても、下弦材110又は斜材13へ第1又は第2補強ブレース30,40を溶接することなく接続できるので、施工性が向上する。さらに、第1又は第2補強ブレース30,40が枠部材52のガセットプレート60に取り付けられるため、第1又は第2補強ブレース30,40の軸力が枠部材52に作用する。したがって、下弦材110又は斜材13への応力集中を防ぐことができる。
蝶番53により一対の枠部材52,52が互いに相対回転可能に接続されているため、下弦材110又は斜材13への一対の枠部材52,52の取り付けが容易となる。
これにより、枠部材52に、下弦材110又は斜材13をしっかりと固定することができる。また、仮に地震等により下弦材110や斜材13が破断したとしても、硬質ゴム58が滑り止めとなり、下弦材110や斜材13の落下をより確実に防ぐことができる。
また、下弦11又は上弦12に支持部が複数設けられていてもよい。この場合、補強部材20は、支持部が設けられる下弦11(下弦材110)又は上弦12(上弦材120)が形成するトラスユニット100A,100Bにそれぞれ設けられることが好ましい。
なお、補強部材20の配置はこれに限定されない。補強部材20は、立体トラス10のうち、地震等によって圧縮力を受けやすい部分に適宜設けられる。
本発明に係るトラス構造は、上弦及び下弦を有する一対の弦と、前記上弦と前記下弦とを結ぶ斜材とを備えるトラス構造であって、前記一対の弦のうち一方の弦と、この弦に接合される一対の前記斜材とによって形成される三角形状のトラスユニットに補強部材が設けられ、前記補強部材は、一対の前記斜材の中央部同士を結ぶ第1補強ブレースと、一対の前記斜材の各中央部と、前記トラスユニットを形成する前記弦の中央部と、をそれぞれ結ぶ一対の第2補強ブレースと、を備え、複数の前記一対の弦が、平面視において前記上弦と前記下弦とが交互に配置されるように設けられており、前記トラスユニットは、前記下弦と、平面視において前記下弦を挟む2つの前記上弦のうちの一方の上弦と前記下弦とを結ぶ一対の前記斜材と、によって形成される第1のトラスユニットと、前記下弦と、平面視において前記下弦を挟む2つの前記上弦のうちの他方の上弦と前記下弦とを結ぶ一対の前記斜材と、によって形成される第2のトラスユニットと、を備え、前記補強部材は、前記第1及び第2のトラスユニットのそれぞれに、互いに対面するよう設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係るトラス構造は、上弦及び下弦を有する一対の弦と、前記上弦と前記下弦とを結ぶ斜材とを備えるトラス構造であって、前記一対の弦のうち一方の弦と、この弦に接合される一対の前記斜材とによって形成される三角形状のトラスユニットに補強部材が設けられ、前記補強部材は、一対の前記斜材の中央部同士を結ぶ第1補強ブレースと、一対の前記斜材の各中央部と、前記トラスユニットを形成する前記弦の中央部と、をそれぞれ結ぶ一対の第2補強ブレースと、を備え、複数の前記一対の弦が、平面視において前記上弦と前記下弦とが交互に配置されるように設けられており、前記トラスユニットは、前記上弦と、平面視において前記上弦を挟む2つの前記下弦のうちの一方の下弦と前記上弦とを結ぶ一対の前記斜材と、によって形成される第1のトラスユニットと、前記上弦と、平面視において前記上弦を挟む2つの前記下弦のうちの他方の下弦と前記上弦とを結ぶ一対の前記斜材と、によって形成される第2のトラスユニットと、を備え、前記補強部材は、前記第1及び第2のトラスユニットのそれぞれに、互いに対面するよう設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る補強方法は、上弦及び下弦を有する一対の弦と、前記上弦と前記下弦とを結ぶ斜材とを備えるトラス構造を補強するトラス構造の補強方法であって、前記一対の弦のうち一方の弦と、この弦に接合される一対の前記斜材とによって形成される三角形状のトラスユニットに補強部材を設ける工程を備え、前記補強部材は、一対の前記斜材の中央部同士を結ぶ第1補強ブレースと、一対の前記斜材の各中央部と、前記トラスユニットを形成する前記弦の中央部と、をそれぞれ結ぶ一対の第2補強ブレースと、を備え、複数の前記一対の弦が、平面視において前記上弦と前記下弦とが交互に配置されるように設けられており、前記トラスユニットは、前記上弦と、平面視において前記上弦を挟む2つの前記下弦のうちの一方の下弦と前記上弦とを結ぶ一対の前記斜材と、によって形成される第1のトラスユニットと、前記上弦と、平面視において前記上弦を挟む2つの前記下弦のうちの他方の下弦と前記上弦とを結ぶ一対の前記斜材と、によって形成される第2のトラスユニットと、を備え、前記工程では、前記補強部材を、前記第1及び第2のトラスユニットのそれぞれに、互いに対面するよう設けることを特徴とする。
Claims (12)
- 上弦及び下弦を有する一対の弦と、前記上弦と前記下弦とを結ぶ斜材とを備えるトラス構造のうち、前記一対の弦のうち一方の弦と、この弦に接合される一対の前記斜材とによって形成される三角形状のトラスユニットに設けられる補強部材であって、
一対の前記斜材の中央部同士を結ぶ第1補強ブレースと、
一対の前記斜材の各中央部と、前記トラスユニットを形成する前記弦の中央部と、をそれぞれ結ぶ一対の第2補強ブレースと、を備えることを特徴とする補強部材。 - 前記トラス構造は、前記一対の弦のうちのいずれかの弦に取り付けられた支持部によって支持されており、
前記補強部材は、前記支持部が取り付けられる前記弦が形成する前記トラスユニットに設けられることを特徴とする請求項1に記載の補強部材。 - 前記支持部が取り付けられる前記弦は、前記下弦であることを特徴とする請求項2に記載の補強部材。
- 複数の前記一対の弦が、平面視において前記上弦と前記下弦とが交互に配置されるように設けられており、
前記トラスユニットは、
前記下弦と、平面視において前記下弦を挟む2つの前記上弦のうちの一方の上弦と前記下弦とを結ぶ一対の前記斜材と、によって形成される第1のトラスユニットと、
前記下弦と、平面視において前記下弦を挟む2つの前記上弦のうちの他方の上弦と前記下弦とを結ぶ一対の前記斜材と、によって形成される第2のトラスユニットと、
を備え、
前記補強部材は、前記第1及び第2のトラスユニットのそれぞれに設けられていることを特徴とする請求項3に記載の補強部材。 - 前記支持部が取り付けられる前記弦は、前記上弦であることを特徴とする請求項2に記載の補強部材。
- 複数の前記一対の弦が、平面視において前記上弦と前記下弦とが交互に配置されるように設けられており、
前記トラスユニットは、
前記上弦と、平面視において前記上弦を挟む2つの前記下弦のうちの一方の下弦と前記上弦とを結ぶ一対の前記斜材と、によって形成される第1のトラスユニットと、
前記上弦と、平面視において前記上弦を挟む2つの前記下弦のうちの他方の下弦と前記上弦とを結ぶ一対の前記斜材と、によって形成される第2のトラスユニットと、
を備え、
前記補強部材は、前記第1のトラスユニット及び前記第2のトラスユニットにそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項5に記載の補強部材。 - 前記補強部材は、前記トラスユニットを形成する前記弦又は前記斜材に取り付けられ、前記第1又は第2補強ブレースと、前記トラスユニットを形成する前記弦又は前記斜材とを接続する接続部材をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の補強部材。
- 前記接続部材は、
管状部材を周方向に分割してなる複数の枠部材と、
前記枠部材同士を接続することにより、前記弦又は前記斜材に外側から嵌められる前記管状部材を形成する嵌合部材と、
前記枠部材の外面に設けられ、前記第1又は第2補強ブレースが取り付けられるガセットプレートと、
を有することを特徴とする請求項7に記載の補強部材。 - 前記接続部材は、前記複数の枠部材の一端同士を接続する蝶番をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の補強部材。
- 前記接続部材は、前記枠部材と前記弦又は前記斜材との間を充填する充填材をさらに備えることを特徴とする請求項8または9に記載の補強部材。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の補強部材により補強される前記トラスユニットを備えることを特徴とするトラス構造。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の補強部材を用いて前記トラス構造を補強するトラス構造の補強方法であって、
前記第1又は第2補強ブレースと、前記トラスユニットを形成する前記弦又は前記斜材とを接続する工程を備えることを特徴とする補強方法。
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