JP2021046383A - 光合成阻害型除草剤およびカーバメート系土壌処理型除草剤を含有する除草剤組成物、ならびに該除草剤組成物を用いた除草方法 - Google Patents

光合成阻害型除草剤およびカーバメート系土壌処理型除草剤を含有する除草剤組成物、ならびに該除草剤組成物を用いた除草方法 Download PDF

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【課題】光合成阻害型除草剤およびカーバメート系土壌処理型除草剤を含有することにより、雑草発生前処理では一年生雑草に対する除草効果の補完を行い、雑草生育期処理では広範な一年生雑草に対し高い除草効果を有する、広範な雑草の生育ステージにおいて高い除草効果がある除草剤組成物を提供すること。また、該除草剤組成物を用いた除草方法を提供すること。【解決手段】少なくとも1種の光合成阻害型除草剤の原体を含有し、かつ、少なくとも1種のカーバメート系土壌処理型除草剤の原体を含有する除草剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、光合成阻害型除草剤およびカーバメート系土壌処理型除草剤を含有する除草剤組成物、ならびに該除草剤組成物を用いた除草方法に関する。
光合成阻害型除草剤には、s−トリアジン系除草剤(対称型トリアジン系除草剤)、またはas−トリアジン系除草剤(非対称型トリアジン系除草剤)、ウレア系除草剤がある。これらの除草剤は、土壌処理においては、土壌表層に有効成分が局在する処理層を形成し、出芽した雑草が処理層を通過する際に有効成分を吸収し、除草効果を発現する。また、茎葉処理においては、有効成分が茎葉から吸収され、雑草の光合成を阻害し、除草効果を発現することが知られており、一年生雑草に対し高い除草効果を有している。
トリアジン系除草剤は、アトラジン、シアナジンといった化学的基本構造を持ちながら雑草に対し高い除草効果を有するものの、例えば、シアナジンは、ヒユ類に対する除草効果は十分ではないため、イヌビユなどヒユ類が多発する圃場では除草効果が低下してしまうという問題がある。
一方、例えば、カーバメート系除草剤であるIPCは、土壌処理型除草剤として、一年生雑草を対象に雑草が出芽する前に散布し雑草の出芽を抑制する除草剤として使用され、使用対象の作物であるアズキ、タマネギには安全に使用できるが、茎葉処理にて用いた場合に除草効果が低くなることが知られている。
特願2007−99627
本発明が解決しようとする課題は、光合成阻害型除草剤およびカーバメート系土壌処理型除草剤を含有することにより、雑草発生前処理では一年生雑草に対する除草効果の補完を行い、雑草生育期処理では広範な一年生雑草に対し高い除草効果を有する、広範な雑草の生育ステージにおいて高い除草効果がある除草剤組成物を提供することである。また、該除草剤組成物を用いた除草方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明者らは、前記した課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、光合成阻害型除草剤およびカーバメート系土壌処理型除草剤を含有する本発明の除草剤組成物を用いることにより、広範な雑草の生育ステージにおいて相乗効果を発現し、発生する雑草を完全に防除できることを見出した。
また、本発明の除草剤組成物は、雑草から保護する作物に対しては薬害がないことが確認され、本発明の課題を解決するに至った。即ち、本発明は以下の内容で構成されている。
1.少なくとも1種の光合成阻害型除草剤の原体を含有し、かつ、少なくとも1種のカーバメート系土壌処理型除草剤の原体を含有する除草剤組成物。
2.前記光合成阻害型除草剤の原体を含む組成物(A)および前記カーバメート系土壌処理型除草剤の原体を含む組成物(B)を含有する前記除草剤組成物であり、
組成物(A)を1〜80質量部含有し、
組成物(B)を1〜80質量部含有する除草剤組成物。
3.前記組成物(A)の原体含有率が1〜90%であり、
前記組成物(B)の原体含有率が1〜60%である除草剤組成物。
4.前記光合成阻害型除草剤がトリアジン系除草剤またはウレア系除草剤から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする除草剤組成物。
5.前記トリアジン系除草剤がs−トリアジン系除草剤(対称型トリアジン系除草剤)、またはas−トリアジン系除草剤(非対称型トリアジン系除草剤)から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする除草剤組成物。
6.前記カーバメート系土壌処理型除草剤原体がクロロプロファム(IPC)である除草剤組成物。
7.前記除草剤組成物を土壌または茎葉に散布する際に、前記光合成阻害型除草剤原体の10a当りの投下する量が10〜200g a.i.の範囲内であり、カーバメート系土壌処理型除草剤原体の10a当りの投下する量が10〜300g a.i.の範囲内である、前記除草剤組成物を用いた除草方法。
本発明によれば、光合成阻害型除草剤およびカーバメート系土壌処理型除草剤を含有する除草剤組成物は、光合成阻害型除草剤の単剤またはカーバメート系土壌処理型除草剤の単剤の除草効果に比べ、相乗効果を発現することで、広範な雑草に対する優れた除草効果を有し、雑草発生前処理から雑草生育期処理までの広範な雑草の生育ステージにおいて高い除草効果を有する、茎葉兼土壌処理が可能な除草剤組成物であり、また、一方で作物に対しては薬害のない除草剤組成物を提供することができる。さらに、該除草剤組成物を用いた除草方法を提供することができる。
以下、実施の形態について詳細に説明する。本発明の除草剤組成物について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〈除草剤組成物〉
本発明の除草剤組成物は、少なくとも1種の光合成阻害型除草剤の原体を含有し、かつ、少なくとも1種のカーバメート系土壌処理型除草剤の原体を含有し、さらに任意選択的に1種以上の他の分類の除草剤の原体を含んでいてもよい。また、少なくとも1種の光合成阻害型除草剤の原体を含む組成物(A)、および少なくとも1種のカーバメート系土壌処理型除草剤の原体を含む組成物(B)を含有し、さらに他の分類の1種以上の除草剤組成物を任意選択的に含んでいてもよい。
〈光合成阻害型除草剤〉
光合成阻害型除草剤とは、電子伝達系の電子の流れを止めて植物の光合成を阻害する作用機序による分類の除草剤のことである。さらに、光合成阻害型除草剤であり、s−トリアジン系除草剤(対称型トリアジン系除草剤)、as−トリアジン系除草剤(非対称型トリアジン系除草剤またはトリアジノン系除草剤)、ウレア(尿素)系除草剤などの化学構造による分類による除草剤がある。
光合成阻害型除草剤でありs−トリアジン系除草剤の原体としては具体的に、アメトリン、アトラジン、シアナジン、デスメトリン、ジメタメトリン、プロメトン、プロメトリン、プロパジン、CAT(シマジン)、シメトリン、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、トリエタジンなどがあげられる。本発明においては、シアナジンを用いることが好ましい。
s−トリアジン系除草剤の原体であるシアナジンは、2−[(4−chloro−6−ethylamino−1,3,5−triazin−2−yl)amino]−2−methylpropionitrileの一般名称である。シアナジンは対象雑草であるメヒシバ、ノビエ、スズメノテッポウ、ノアサガオ、オナモミ、カラスムギ、ハコベ、ホウキギなどを効果的に防除し、一方で使用対象の作物であるトウモロコシ、ワタ、ソルガム、ジャガイモ、サトウキビ、エンドウ、タマネギなどには安全に使用できる。
光合成阻害型除草剤でありas−トリアジン系除草剤の原体としては具体的に、ヘキサジノン、メタミトロン、メトリブジンなどがあげられる。本発明においては、メトリブジンを用いることが好ましい。
as−トリアジン系除草剤の原体であるメトリブジンは、4−amino−6−tert−butyl−3−methylthio−1,2,4−triazin−5(4H)−oneの一般名称である。メトリブジンは対象雑草であるイチビ、ブタクサ、イヌビユ、オナモミ、ノハラガラシ、シロザ、ナズナ、タデ、メヒシバ、エノコログサ、スズメノテッポウなどを効果的に防除し、一方で使用対象の作物であるダイズ、ジャガイモ、トマト、アルファルファ、サトウキビ、パイナップル、アスパラガス、ブドウなどには安全に使用できる。
光合成阻害型除草剤でありウレア系除草剤の原体としては具体的に、クロルブロムロン、クロロトルロン、クロロクスロン、ジメフロン、DCMU(ジウロン)、エチジムロン、フェニュロン、フルオメツロン、イソプロツロン、イソウロン、リニュロン、メタベンズチアズロン、メトブロムロン、メトキスロン、モノリニュロン、ネブロン、シデュロン、テブチウロンなどがあげられる。本発明においては、DCMUを用いることが好ましい。
ウレア系除草剤の原体であるDCMUは、3−(3,4−Dichlorophenyl)−1,1−dimethylureaの略称である。DCMUは対象雑草であるメヒシバ、オヒシバ、エノコログサ、スズメノテッポウ、ハコベ、シロザ、ヤエムグラ、ノミノフスマなどを効果的に防除し、一方で使用対象の作物である陸稲、コムギ、トウモロコシ、ショウガ、ラッキョウ、ダイズ、アズキ、ラッカセイ、コンニャク、ジャガイモ、サトウキビ、アスパラガス、ミカン、リンゴ、ナシ、クワ、チャ、ブドウ、クリ、ビワ、カキなどには安全に使用できる。
〈カーバメート系土壌処理型除草剤〉
カーバメート系除草剤とは、化学構造による分類の除草剤であり、タンパク質合成阻害のものが多い。また、土壌処理型除草剤とは、土壌に適用し根から吸収されて作用する作用機構、或いは雑草の発芽成長を妨げる作用機構による分類である。カーバメート系除草剤であり、土壌処理型除草剤であるカーバメート系土壌処理型除草剤の原体としては具体的に、IPC(クロロプロファム)、プロファム、カルベタミド、エトフメセート、ベンフレセート、オルソベンカーブなどがあげられる。本発明においては、IPCを用いることが好ましい。
カーバメート系土壌処理型除草剤の原体であるIPCは、Isopropyl N−(3−chlorophenyl)carbamateの一般名称である。IPCの対象雑草であるスズメノテッポウ、スズメノカタビラなどの一年生イネ科雑草とハコベ、ノミフスマ、タデ類などの一部の広葉雑草を効果的に防除し、一方で使用対象の作物であるコムギ、イチゴ、タマネギ、チューリップ、ニンジン、キャベツ、ソラマメ、ホウレンソウ、ナタネ、インゲン、イグサ、芝草、アズキなどには安全に使用できる。
本発明において、光合成阻害型除草剤の原体を含む組成物(A)、およびカーバメート系土壌処理型除草剤の原体を含む組成物(B)は、少なくとも1種の光合成阻害型除草剤原体、または、少なくとも1種のカーバメート系土壌処理型除草剤原体を、固体担体または液体担体と混合してもよく、必要により界面活性剤、浸透剤、展着剤、増粘剤、凍結防止剤、結合剤、固結防止剤および分解防止剤などを含んでいてもよい。これらを添加して、液剤、乳剤、水和剤、水和剤、顆粒水和剤、顆粒水溶剤、懸濁剤、乳濁剤、サスポエマルジョン、粉剤、粒剤及びゲル剤など、任意の剤型の製剤にて使用でき、さらに水溶性包装体に封入して使用することもできる。また、本発明において、同じ分類の除草剤原体を除草剤組成物として用いた際に、同様の効果を得ることができるといえる。
本発明の除草剤組成物、前記組成物(A)および前記組成物(B)の製剤形態としては、水により希釈し、有効成分である原体が希釈液全体に均一に分散する製剤形態である乳剤、水和剤、水性懸濁製剤、顆粒水和剤などがあげられる。
本発明において、液体担体としては具体的に、水、アルコール類;メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロパノール等、芳香族炭化水素類;トルエン、キシレン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン等、エーテル類;ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ブチルセロソルブ等、ケトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等、エステル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等、酸アミド類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等、ニトリル類;アセトニトリル、イソブチロニトリル等、ハロゲン化炭化水素類;ジクロロエタン等および植物油;大豆油、ナタネ油、綿実油、ヒマシ油等があげられる。本発明の乳剤の溶媒としては、トルエン、キシレンなどの芳香族有機溶媒およびイプゾール、スワゾールなどの石油系極性溶媒を用いることが好ましい。また、これらの液体担体は単品または2種類以上の組み合わせで使用することができる。
本発明において、水和剤、水性懸濁製剤、顆粒水和剤などの製剤化に際しては使用される固体担体としては具体的に、ベントナイト、珪藻土、乾式クレー、湿式クレー、タルク、ゼオライト、珪石、珪砂、炭酸カルシウム、オリビンサンド、バーミキュライト、シラスアタパルジャナイト、蝋石、酸性白土、活性白土、フライアッシュなどがあるが単品又は2種類以上の組合せで使用することができる。
本発明において、乳剤、水和剤、水性懸濁製剤、顆粒水和剤などに混合する界面活性剤としては、具体的に、陰イオン系では一般的にアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩、リン酸エステル型、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物を使用できる。また、非イオン系ではポリオキチエチレンアルキルエテール型、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル型、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型を使用することができる。
本発明において、界面活性剤の添加量は、陰イオン系、非イオン系単品、或いは2種類以上の組合せで0.5〜10質量部の界面活性剤を原体の物理、化学特性にあわせ選択し添加することができる。
本発明の除草剤組成物は、農耕地および非農耕地においても使用することができ、非農耕地としては、運動場、空き地、線路端、公園、駐車場、道路端、河川敷、送電線下、宅地、工場敷地などをあげることができる。
本発明の除草剤組成物は、光合成阻害型除草剤の原体を含む組成物(A)およびカーバメート系土壌処理型除草剤の原体を含む組成物(B)を含有し、前記組成物(A)を1〜80質量部含有し、前記組成物(B)を1〜80質量部を含有することが好ましく、また、前記組成物(A)を1〜50質量部含有し、前記組成物(B)を1〜50質量部を含有することがより好ましい。
本発明において、光合成阻害型除草剤の原体を含む組成物(A)の原体含有率が、1〜90質量%濃度(以下、%)であり、カーバメート系土壌処理型除草剤の原体を含む組成物(B)の原体含有率が、1〜80%であることが好ましく、また、前記組成物(A)が5〜90%の範囲内であり、前記組成物(B)が5〜60%であることがより好ましい。
〈施用量〉
本発明の除草剤組成物の10a当り投下する量(g/10a)は、混合する各除草剤の有効薬量の範囲で適宜選択すれば良い。また、本発明において、光合成阻害型除草剤およびカーバメート系土壌処理型除草剤それぞれを2種以上混合することもでき、各々の原体の有効成分量は各除草剤の有効薬量の範囲で適宜選択すれば良い。
種々の剤型に調製された本発明の除草剤組成物を、雑草発生前または雑草生育期に、土壌または茎葉に散布する際に有効に雑草を防除することができる施用量として10〜1000g/10aであることが好ましく、また、10〜600g/10aであることがより好ましい。
〈有効成分量〉
本発明において、土壌または茎葉に散布する際に、除草剤組成物に含有する光合成阻害型除草剤原体の10a当り投下する量(有効成分量)が、10〜200g a.i./10aの範囲内であり、カーバメート系土壌処理型除草剤原体の10a当り投下する量が、10〜300g a.i./10aの範囲内であることが好ましい。また、光合成阻害型除草剤原体の10a当り投下する量が、10〜150g a.i./10aの範囲内であり、カーバメート系土壌処理型除草剤原体の10a当り投下する量が、20〜250g a.i./10aの範囲内であることがより好ましい。
本発明の除草剤組成物を用いて雑草を防除するには、通常、常法に従って担体、界面活性剤などの補助剤を用い、各除草剤原体を別々に製剤化し、種々の製剤形態に製剤化し施用される。1つの製剤として散布してもよく、または、各原体を別々の製剤として、使用時に所定の割合でタンク混合して同時に散布してもよい。施用場面で組成物が形成されるように、同時に或いは順次連続して施用することも可能である。本発明の除草剤組成物の適用場面、適用方法は特に限定されるものではなく、雑草発生前、雑草生育期における土壌処理、茎葉処理の何れにも使用することができる。
〈評価〉
本発明の除草剤組成物を散布処理後(20〜30日後)に、無処理区に対し、散布を行った処理区の雑草の占有率および無処理区の雑草に対する生育量を調査している。また、雑草に現れた症状(発生後の枯死、生育抑制、褐変、黄化、白化など)や作物に現れた薬害の症状(出芽阻害、生育抑制、葉の、奇形、変色など)や程度を観察基準に従い達観調査している。雑草生育期の茎葉処理においては、処理時期の指標として雑草の葉齢を基準としている。
次に実施例、比較例をあげて更に本発明の説明を行うが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以下の例では「部」は「質量部」を表し、下記実施例において、成分濃度を示す「%」は「質量%」を表す。
[製剤実施例1]乳剤の作製(IPC50%乳剤)
IPC原体を60℃恒温槽内で12時間溶解し、IPC原体の液体原体を得た。500mLビーカーにIPCを50部と石油系極性溶媒(スワゾール1500、丸善石油化学(株)製)を40部、Sorpol3882を8部(ポリオキシエチレン、東邦化学(株)製)、Sorpol9002を2部(ポリオキシエチレン、東邦化学(株)製)、を速やかに投入した後、高速攪拌機(コンビミックス、セイシン企業(株)製)を用い、1500rpmで20分間撹拌し、IPC50%乳剤を得た。
[製剤実施例2]水和剤の作製(シアナジン50%水和剤)
予め粉砕し、微粉化したシアナジン原体50部、Sorpol5029−o(アルキルサルフェート、東邦化学工業(株)製)10部、クレー(勝光山クレー、(株)勝光山鉱業所製)10部を、混合機を用い均一に混合し、シアナジン50%水和剤を得た。
[製剤実施例3]水和剤の作製(メトリブジン50%水和剤)
製剤実施例2と同様に、メトリブジン原体を用いてメトリブジン50%水和剤を調製した。
[製剤実施例4]水和剤の作製(DCMU80%水和剤)
製剤実施例2と同様に、DCMU原体(純度98%)80部を用いてDCMU80%水和剤を調製した。
[実施例1]雑草に対する光合成阻害型除草剤およびIPC乳剤を含有する混合剤による除草効果の確認(雑草発生前処理)
茨城県の温室において表面積150cmポットに土篩機にて篩った畑地土壌450mLを充填し、土壌表面を均平にしたところに、イヌビエ、メヒシバ、イヌホオズキ、イヌビユの計4種の雑草を播種し、約1cmの覆土を行い、試験用ポットを作成した。雑草の生育管理は慣行に従った。雑草発生前処理では、播種当日に製剤実施例1のIPC50%乳剤および製剤実施例2のシアナジン50%水和剤の表1に示した有効成分量での混合剤を、散布水量1000mL/mの水に希釈して散布液を調製し、駒込ピペットを用いて土壌表面に均一に散布した。なお、ここで本願明細書において、原体の含有量は、10a当り投下する量(有効成分量:単位g a.i./10a)で示す。
除草効果は、薬剤散布処理から21日後に4種の雑草に対する除草効果程度を、無処理区に対し観察し、混合による相乗性の有無を調査した。ポット試験(雑草発生前処理)の結果を表1に示す。
雑草に対する除草効果は、以下に示す観察基準に従い行った。
0:無処理区同様除草効果は観察されない。
1:無処理区に対し20%程度の除草効果を示す。
2:無処理区に対し40%程度の除草効果を示す。
3:無処理区に対し60%程度の除草効果を示す。
4:無処理区に対し80%程度の除草効果を示す。
5:完全枯死
[比較例1]
実施例1と同様に、製剤実施例1のIPC50%水和剤のみ(IPC単剤)を用いて、表1に示した有効成分量にて散布し、調査した。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1と同様に、製剤実施例2のシアナジン50%水和剤のみ(シアナジン単剤)を用いて、表1に示した有効成分量にて散布し、調査した。結果を表1に示す。
Figure 2021046383
表からわかるように、シアナジンおよびIPCを含有する混合剤を用いることで、IPC単剤およびシアナジン単剤と比較して除草効果が高いことが確認された。特にイヌビユに対して、IPC単剤25〜100g a.i./10aでは除草効果が確認されず、シアナジン単剤は20g a.i./10aで観察基準4点を示したが、これらの混合により、イヌビユは完全枯死に至り、相乗効果が確認された。
[実施例2]雑草に対する光合成阻害型除草剤およびIPC乳剤を含有する混合剤による除草効果の確認(雑草発生前処理)
実施例1と同様に、製剤実施例3のメトリブジン50%水和剤および製剤実施例1のIPC50%乳剤を表2に示した有効成分量にて混合し、散布した。ポット試験(雑草発生前処理)により調査した結果を表2に示す。
[比較例3]
実施例2と同様に、製剤実施例1のIPC50%乳剤のみ(IPC単剤)を用いて、表2に示した有効成分量にて散布し、調査した結果を表2に示す。
[比較例4]
実施例2と同様に、製剤実施例3のメトリブジン50%水和剤のみ(メトリブジン単剤)を用いて、表2に示した有効成分量にて散布し、調査した結果を表2に示す。
Figure 2021046383
表からわかるように、メトリブジンおよびIPCを含有する混合剤を用いることで、IPC単剤およびメトリブジン単剤と比較して除草効果が高いことが確認された。特に、イヌビエ、メヒシバに対して、IPC単剤100g a.i./10aでは除草効果が確認されず、メトリブジン単剤は5g a.i./10aでイヌビエでは観察基準0点、メヒシバでは観察基準3点を示した。これらの混合により、イヌビエに対して観察基準5点を、メヒシバに対して観察基準4点を示し、相乗効果が確認された。
[実施例3]雑草に対する光合成阻害型除草剤およびIPC乳剤を含有する混合剤による除草効果の確認(雑草発生前処理)
実施例1と同様に、製剤実施例1のIPC50%乳剤および製剤実施例4のDCMU80%水和剤を表3に示した有効成分量にて混合し、散布した。ポット試験(雑草発生前処理)により調査した結果を表3に示す。
[比較例5]
実施例3と同様に、製剤実施例1のIPC50%乳剤をのみ(IPC単剤)を用いて、表3に示した有効成分量にて散布し、調査した結果を表3に示す。
[比較例6]
実施例3と同様に、製剤実施例4のDCMU80%水和剤のみ(DCMU単剤)を用いて、表3に示した有効成分量にて散布し、調査した結果を表3に示す。
Figure 2021046383
表からわかるように、DCMUおよびIPCを含有する混合剤を用いることで、IPC単剤およびDCMU単剤と比較して除草効果が高いことが確認された。特に、イヌビユに対して、IPC単剤100g a.i./10aでは除草効果が確認されず、DCMU単剤は20g a.i./10aで観察基準2点を示し、これらの混合により、完全防除に至り、相乗効果が確認された。
[実施例4]雑草に対する光合成阻害型除草剤およびIPC乳剤を含有する混合剤による除草効果の確認(イヌビエ1.5葉期処理)
実施例1と同様に作製した試験用ポットについて、イヌビエ1.5葉期まで生育させて、薬剤散布をIPC50%乳剤およびシアナジン50%水和剤について、散布水量100ml/mの水に表4に示した有効成分量を混合したものを散布液とした。1000cmの試験枠内に試験用ポットを置き、スプレーガンを用いて散布液を均一に散布した。除草効果は、薬剤散布処理から15日後に調査した。ポット試験(イヌビエ1.5葉期散布)の結果を表4に示す。
[比較例7]
実施例4と同様に、製剤実施例1のIPC50%乳剤のみ(IPC単剤)を用いて、表4に示した有効成分量にて散布し、調査した結果を表4に示す。
[比較例8]
実施例4と同様に、シアナジン50%水和剤のみ(シアナジン単剤)を用いて、表4に示した有効成分量にて散布し、調査した結果を表4に示す。
Figure 2021046383
表からわかるように、シアナジンおよびIPCを含有する混合剤を用いることで、IPC単剤およびシアナジン単剤と比較して除草効果が高いことが確認された。イヌビエに対し、IPC単剤100〜200g a.i./10aでは除草効果が確認されず、シアナジン単剤は25g a.i./10aで観察基準3.5点を示した。これらの混合により、完全防除に至り、相乗効果が確認された。
[実施例5]雑草に対する光合成阻害型除草剤およびIPC乳剤を含有する混合剤による除草効果の確認(イヌビエ1.5葉期処理)
実施例4と同様に、イヌビエ1.5葉期に、製剤実施例1のIPC50%乳剤およびメトリブジン50%水和剤を表5に示した有効成分量にて混合し、散布した。ポット試験(イヌビエ1.5葉期散布)により調査した結果を表5に示す。
[比較例9]
実施例5と同様に、製剤実施例1のIPC50%乳剤のみ(IPC単剤)を用いて、表5に示した有効成分量にて散布し、調査した結果を表5に示す。
[比較例10]
実施例5と同様に、メトリブジン50%水和剤のみ(メトリブジン単剤)を用いて、表5に示した有効成分量にて散布し、調査した結果を表5に示す。
Figure 2021046383
表からわかるように、メトリブジンおよびIPCを含有する混合剤を用いることで、IPC単剤およびメトリブジン単剤と比較して除草効果が高いことが確認された。メヒシバに対し、IPC単剤50〜200g a.i./10aでは除草効果が確認されず、メトリブジン単剤は5g a.i./10aで観察基準2点を示した。これらの混合により、完全防除に至り、相乗効果が確認された。
[実施例6]雑草に対する光合成阻害型除草剤およびIPC乳剤を含有する混合剤による除草効果の確認(イヌビエ1.5葉期処理)
実施例4と同様に、イヌビエ1.5葉期に、製剤実施例1のIPC50%乳剤および製剤実施例4のDCMU80%水和剤を表6に示した有効成分量にて混合し、散布した。ポット試験(イヌビエ1.5葉期)により調査した結果を表6に示す。
[比較例11]
実施例6と同様に、製剤実施例1のIPC50%乳剤のみ(IPC単剤)を用いて、表6に示した有効成分量にて散布し、調査した結果を表6に示す。
[比較例12]
実施例6と同様に、製剤実施例4のDCMU80%水和剤のみ(DCMU単剤)を用いて、表6に示した有効成分量にて散布し、調査した結果を表6に示す。
Figure 2021046383
表からわかるように、DCMUおよびIPCを含有する混合剤を用いることで、IPC単剤およびDCMU単剤と比較して除草効果が高いことが確認された。イヌビエに対し、IPC単剤50〜200g a.i./10aでは除草効果が確認されず、DCMU単剤は50g a.i./10aで観察基準2点を示した。これらの混合により、完全防除に至り、相乗効果が確認された。
[実施例7]雑草に対する光合成阻害型除草剤およびIPC乳剤を含有する混合剤による除草効果の確認(イヌビエ2.5葉期散布)
実施例1と同様に作製した試験用ポットについて、イヌビエ2.5葉まで生育させて、製剤実施例1のIPC50%乳剤および製剤実施例2のシアナジン50%水和剤を表7に示した有効成分量にて混合し、散布した。除草効果は、薬剤散布から26日後に調査した。ポット試験(イヌビエ2.5葉期)により調査した結果を表7に示す。
[比較例13]
実施例7と同様に、製剤実施例1のIPC50%乳剤のみ(IPC単剤)を用いて、表7に示した有効成分量にて散布し、調査した結果を表7に示す。
[比較例14]
実施例7と同様に、製剤実施例2のシアナジン50%水和剤のみ(シアナジン単剤)を用いて、表7に示した有効成分量にて散布し、調査した結果を表7に示す。
Figure 2021046383
表からわかるように、シアナジンおよびIPCを含有する混合剤を用いることで、IPC単剤およびシアナジン単剤と比較して除草効果が高いことが確認された。イヌビエ、イヌホオズキに対し、IPC単剤100および200g a.i./10aでは除草効果が確認されず、シアナジン単剤20g a.i./10aでも除草効果が確認されなかった。これらの混合により、観察基準2点の除草効果が確認され、相乗効果が確認された。さらに、表1,4,7に示した通り、シアナジンとIPCを含有する混合剤により広範な雑草に対し高い除草効果を有し、イヌビエ出芽前からイヌビエ2.5葉期までの広範な雑草の生育ステージにおいて、単剤と比べて高い除草効果を有することがわかった。
[実施例8]雑草に対する光合成阻害型除草剤およびIPC乳剤を含有する混合剤による除草効果の確認(イヌビエ2.5葉期処理)
実施例7と同様に、イヌビエ2.5葉期に、製剤実施例1のIPC50%乳剤および製剤実施例3のメトリブジン50%水和剤を表8に示した有効成分量にて混合し、散布した。除草効果は、薬剤散布処理から26日後に調査した。ポット試験(イヌビエ2.5葉期)により調査した結果を表8に示す。
[比較例15]
実施例8と同様に、製剤実施例1のIPC50%乳剤のみ(IPC単剤)を用いて、表8に示した有効成分量にて散布し、調査した結果を表8に示す。
[比較例16]
実施例8と同様に、製剤実施例1のメトリブジン50%水和剤のみ(メトリブジン単剤)を用いて、表8に示した有効成分量にて散布し、調査した結果を表8に示す。
Figure 2021046383
表からわかるように、メトリブジンおよびIPCを含有する混合剤を用いることで、IPC単剤およびメトリブジン単剤と比較して効果が高いことが確認された。IPC単剤100g.a.i./10aではイヌホオズキに対して観察基準0点、イヌビユに対して観察基準4点を示した。メトリブジン単剤は20g.a.i./10aで両草種に対して除草効果を示さなかった。これらの混合により、イヌホオズキは完全防除に至り、イヌビユは観察基準4点を示し、いずれも相乗効果が確認された。さらに、表2,5,8に示した通り、メトリブジンおよびIPCを含有する混合剤により広範な雑草に対し高い除草効果を有し、イヌビエ出芽前からイヌビエ2.5葉期までの広範な雑草の生育ステージにおいて、単剤と比べて高い除草効果を有することがわかった。
[実施例9]雑草に対する光合成阻害型除草剤およびIPC乳剤を含有する混合剤による除草効果の確認(イヌビエ2.5葉期散布処理)
実施例7と同様に、イヌビエ2.5葉期に、製剤実施例1のIPC50%乳剤および製剤実施例4のDCMU80%水和剤を表9に示した有効成分量にて混合し、散布した。ポット試験(イヌビエ2.5葉期)により調査した結果を表9に示す。
[比較例17]
実施例9と同様に、製剤実施例1のIPC50%乳剤のみ(IPC単剤)を用いて、表9に示した有効成分量にて調査した結果を表9に示す。
[比較例18]
実施例9と同様に、製剤実施例1のDCMU80%水和剤のみ(DCMU単剤)を用いて、表9に示した有効成分量にて調査した結果を表9に示す。
Figure 2021046383
表からわかるように、DCMUおよびIPCを含有する混合剤を用いることで、IPC単剤およびDCMU単剤と比較して除草効果が高いことが確認された。特に、イヌビエに対し、IPC単剤100g a.i./10aでは除草効果が確認されず、DCMU単剤も5〜10g a.i./10aで除草効果が確認されなかった。これらの混合により、完全防除に至り、相乗効果が確認された。さらに、表3,6,9に示した通り、DCMUおよびIPCを含有する混合剤により広範な雑草に対し高い除草効果を有し、イヌビエ出芽前からイヌビエ2.5葉期までの広範な雑草の生育ステージにおいて、単剤と比べて高い除草効果を有することがわかった。
[製剤実施例5]混和水和剤の調製(シアナジン10%−IPC15%)
仕込み卓上型双腕ニーダー(PNV−5型:入江商会製)を約25〜51rpm/分で回転させてホワイトカーボン(♯80)50部を攪拌した後、IPC原体をポリプロピレン容器に入れ40℃恒温槽にて加熱し、溶解させたIPC原体50部を投入し、IPC50部のホワイトカーボン担持物を得た。
また、予め粉砕し微粉化したシアナジン原体(純度98%)10部とIPC50部ホワイトカーボン担持物30部の粉末物を十分に混合し、Sorpol5029−o(アルキルサルフェート、東邦化学工業(株)製)10部、クレー(勝光山クレー、(株)勝光山鉱業所製)20部を、均一に混合機を用い混合し、原体含有率がシアナジン10%とIPC15%の混合水和剤を得た。表10に、施用量(g/10a)および含有するシアナジンおよびIPC各々の原体の含有量(有効成分量:単位g a.i./10a)を示す。
[製剤実施例6]混和水和剤の調製(シアナジン10%−IPC30%)
製剤実施例5と同様に、シアナジン原体(純度98%)10部とIPC50部ホワイトカーボン担持物60部から、原体含有率がシアナジン10%とIPC30%の混合水和剤を得た。表10に、施用量および含有するシアナジンおよびIPC各々の有効成分量を示す。
[製剤実施例7]混和水和剤の作製(シアナジン20%−IPC15%)
製剤実施例5と同様に、シアナジン原体(純度98%)20部とIPC50部ホワイトカーボン担持物30部から、原体含有率がシアナジン20%とIPC15%の混合水和剤を得た。表10に、施用量および含有するシアナジンおよびIPC各々の有効成分量を示す。
[製剤実施例8]混和水和剤の作製(シアナジン20%−IPC30%)
製剤実施例5と同様に、シアナジン原体(純度98%)20部とIPC50部ホワイトカーボン担持物60部から、原体含有率がシアナジン20%とIPC30%の混合水和剤を得た。表10に、施用量および含有するシアナジンおよびIPC各々の有効成分量を示す。
[実施例10]雑草に対する除草効果および作物に対する薬害試験
茨城県において2018年11月14日に、1区1m(1m×1m)の試験区内にスズメノテッポウ、スズメノカタビラ、ノボロギク、コハコベ、ナズナ、オオイヌノフグリの種子を播種した。アメリカンレーキを用いて土壌表面を均平にした後、タマネギ苗(草丈15cm〜20cm、品種:OP黄)を試験区に8本移植した。生育管理は慣行に従った。タマネギ移植後スズメノカタビラ3葉期となった同年12月7日に、製剤実施例5で調製したIPCとシアナジンの混合水和剤を100mL/mの水道水に希釈し、電動散布器で均一に散布した。調査は、薬剤散布処理から18日後、42日後、90日後にタマネギに対する薬害程度および雑草に対する除草効果程度を、散布していない無処理区に対して観察し、本剤の相乗効果の有無を調査した。また、調査した圃場試験(タマネギ移植後スズメノカタビラ3葉期散布)の結果を表10に示す。
作物および雑草に対する除草効果は、以下に示す観察基準に従い行った。
0:無処理区同様除草効果は観察されない。
1:無処理区に対し20%程度の除草効果を示す。
2:無処理区に対し40%程度の除草効果を示す。
3:無処理区に対し60%程度の除草効果を示す。
4:無処理区に対し80%程度の除草効果を示す。
5:完全枯死
[実施例11〜13]雑草に対する除草効果および作物に対する薬害試験
実施例10と同様に、製剤実施例5で調製したIPC、シアナジンの混合水和剤の代わりに、製剤実施例6〜8で調製した混合水和剤を用いて、表10に示した施用量、有効成分量にて散布した。調査した結果を表10に示す。
[比較例19]
実施例10と同様に、比較薬剤としてIPC50%乳剤(商品名:プロバイド乳剤)の同一有効成分量を表10に示した施用量、有効成分量にて散布した。調査した結果を表10に示す。
[比較例20]
実施例10と同様に、比較薬剤として市販のシアナジン50%水和剤(商品名:グラメックス水和剤)の同一有効成分量を表10に示した施用量、有効成分量にて散布し。調査した結果を表10に示す。
Figure 2021046383
表10からわかる通り、シアナジンおよびIPCを含有する混合剤を用いることで、IPC単剤およびシアナジン単剤と比較して、低薬量間の混合でも高い除草効果が確認された。相乗効果は特に、スズメノテッポウに対する除草効果が如実であった。すなわち、実施例13は、比較例19(シアナジン50%)と比較例20(IPC50%)の混合であるが、両単剤ともに供試した薬量では処理18日後にはある程度の除草効果がみられる程度であったが、これらの混合では完全防除に至り、効果完成の速さが認められた。また、混合剤を用いたことによる相乗効果を示し、雑草発生前からスズメノカタビラ3葉期まで、広範な雑草に対し高い除草効果を有することが認められた。一方で、シアナジンの茎葉処理での安全性が確認されているタマネギに対しては薬害がないことがわかった。
すなわち前記実施例より、光合成阻害型除草剤でありs−トリアジン系除草剤であるシアナジンにおいて除草効果の劣る一年生広葉雑草であるイヌビユ、および一年生イネ科雑草に対し、カーバメート系土壌処理型除草剤であるIPCとの混合により、イヌビユおよび一年生イネ科雑草であるイヌビエおよびメヒシバに対し相乗効果を発現し、一年生雑草全般に高い除草効果を有することが確認された。また、雑草発生前処理においても雑草生育期においても高い除草効果を持続できることが確認された。
さらに、前記実施例より、光合成阻害型除草剤であるas−トリアジン系除草剤であるメトリブジン、およびウレア系除草剤であるDCMUにおいても除草効果の劣る一年生イネ科雑草に対し、カーバメート系除草剤であるIPCとの混合により、一年生イネ科雑草であるイヌビエおよびメヒシバに対し、相乗効果を発現し、一年生雑草全般に高い除草効果を有することが確認された。また、雑草発生前処理においても雑草生育期においても高い除草効果を持続できることが確認された。これにより、IPCについては、IPC単剤では効果が低かった雑草生育期の茎葉処理においても使用期間が拡大され、広範な薬剤散布時期とすることができることもわかった。
以上より、光合成阻害型除草剤およびカーバメート系土壌処理型除草剤を含有する本発明の除草剤組成物は、単剤で使用するよりも防除可能な雑草種を拡大させることができることがわかった。さらに、本発明の除草剤組成物は、広範な雑草に対し高い除草効果を有し、土壌処理だけでなく雑草生育初期の茎葉処理までの広範な雑草の生育ステージにおいて高い除草効果を有することがわかった。一方で、作物に対しては薬害のないことも確認され、茎葉兼土壌処理が可能な除草剤組成物を提供することができることがわかった。
本発明によれば、光合成阻害型除草剤およびカーバメート系土壌処理型除草剤を含有する除草剤組成物により、優れた除草効果を有し、かつ広範な雑草の生育ステージにおいて高い除草効果を有する一方、作物に対しては薬害のない茎葉兼土壌処理型の除草剤組成物、ならびに該除草剤組成物を用いた除草方法を提供することができる。

Claims (7)

  1. 少なくとも1種の光合成阻害型除草剤の原体を含有し、かつ、少なくとも1種のカーバメート系土壌処理型除草剤の原体を含有する除草剤組成物。
  2. 前記光合成阻害型除草剤の原体を含む組成物(A)および前記カーバメート系土壌処理型除草剤の原体を含む組成物(B)を含有する前記除草剤組成物であり、
    組成物(A)を1〜80質量部含有し、
    組成物(B)を1〜80質量部含有する、
    請求項1に記載の除草剤組成物。
  3. 前記組成物(A)の原体含有率が1〜90%であり、
    前記組成物(B)の原体含有率が1〜60%である、
    請求項1または請求項2に記載の除草剤組成物。
  4. 前記光合成阻害型除草剤がトリアジン系除草剤またはウレア系除草剤から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の除草剤組成物。
  5. 前記トリアジン系除草剤がs−トリアジン系除草剤(対称型トリアジン系除草剤)、またはas−トリアジン系除草剤(非対称型トリアジン系除草剤)から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする、請求項4に記載の除草剤組成物。
  6. 前記カーバメート系土壌処理型除草剤原体がクロロプロファム(IPC)である、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の除草剤組成物。
  7. 前記除草剤組成物を土壌または茎葉に散布する際に、前記光合成阻害型除草剤原体の10a当りの投下する量が10〜200g a.i.の範囲内であり、カーバメート系土壌処理型除草剤原体の10a当りの投下する量が10〜300g a.i.の範囲内である、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の除草剤組成物を用いた除草方法。
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