JP2021044685A - 振動板およびこれを用いたスピーカーユニット、ヘッドホン、並びにイヤホン - Google Patents
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Abstract
【課題】 ヘッドホン並びにイヤホンに用いられる動電型のスピーカーユニットの振動板に関し、ドーム部並びにエッジ部の形状に工夫を施して、音圧周波数特性の平坦化を含めた音響特性の改善を図り、再生音質に優れるスピーカーユニットを提供する。【解決手段】 振動板は、径方向の断面が凸状となるドーム部を、シート状部材またはフィルム状部材を成形して構成する振動板であって、ドーム部に形成する凸状リブまたは凹状リブを回転対称に複数備え、複数の凸状リブまたは凹状リブは、中心点を起点として径方向に延びる螺旋状であって、その形状が2つ前の項と1つ前の項を足し合わせていくことでできる数式1の漸化式を用いる関数により規定される。【選択図】 図2
Description
本発明は、ユーザーの耳に装着されて音声再生するヘッドホン並びにイヤホンに用いられる動電型のスピーカーユニットの振動板に関する。
ヘッドホン並びにイヤホンに用いられる小型の動電型のスピーカーユニットにおいては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEI(ポリエーテルイミド)、等の樹脂を材料とするフィルム状部材を成形して、ドーム部と、このドーム部の外周囲に延設されるエッジ部と、を一体に構成した振動板が用いられる場合がある。この動電型スピーカーでは、一体に構成された振動板の中央のドーム部とエッジ部との結合部に背面側から音声信号電流が供給されるボイスコイルが取り付けられる。振動板のエッジ部の外周端側は、小型軽量な磁気回路と連結するフレームに固定され、ボイスコイルのコイルは、磁気回路の磁気空隙に配置される。
振動板の形状は、動電型のスピーカーユニットが再生する音声の品質並びに音圧周波数特性に影響を与える。特に、ドーム部とエッジ部とが一体成形された振動板では、凸状(ドーム状)のドーム部と、凸状(ロール状)のエッジ部にリブ(突起または溝)をそれぞれ複数設けて、ドーム部に強度を与え、上下に振動して変形するエッジ部の振動特性を調整しようとするものが多くある。また、ドーム部並びにエッジ部の形状並びにリブの配置に工夫を施して、音圧周波数特性の平坦化を含めた音響特性の改善を図ろうとするものがある。
例えば、従来には、内周縁と、外周縁との間にあって、内周縁から非接触で、曲線に沿って等間隔に複数本のリブを形成したスピーカー振動板がある(特許文献1)。特許文献1の図1または図2のような斜め方向の複数のリブを有するエッジ部を、タンジェンシャルエッジと呼ぶ場合がある。
特許文献1の図2または図4に示されるこれらのリブの断面は、基材を直線的に角を設けるように折り曲げるようになっていて、振動板のエッジ部はリブにおいて鋭角に折り曲げられている。振動板が上下に振動する際に、エッジ部の上方向および下方向への動き易さが異なる、つまり、エッジ部の変位対称性が異なって振動板の直線性が悪くなると、振動板のローリングまたは異音の発生といった不具合が生じやすくなる。エッジ部の変位対称性が異なれば、動電型のスピーカーユニットから放射される音波の偶数次歪みが増加する恐れが高くなり、再生音質が劣化するという問題がある。
また、従来には、例えば特許文献2の図13A〜13Fのように、ドーム部とエッジ部の両方に斜め方向の複数のリブを設けるものがある(特許文献2)。または、斜め方向のリブは、ドーム部とエッジ部のいずれか一方に設けるものもある。この特許文献2のように、振動板とリブの部分は別の構造体で構成されている場合には、振動系重量が重くなり、音圧低下を招いてしまうという問題がある。
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ヘッドホン並びにイヤホンに用いられる動電型のスピーカーユニットの振動板に関し、ドーム部並びにエッジ部の形状に工夫を施して、音圧周波数特性の平坦化を含めた音響特性の改善を図り、再生音質に優れるスピーカーユニットを提供することにある。
本発明の振動板は、径方向の断面が凸状となるドーム部を、シート状部材またはフィルム状部材を成形して構成する振動板であって、ドーム部に形成する凸状リブまたは凹状リブを回転対称に複数備え、複数の凸状リブまたは凹状リブは、中心点を起点として径方向に延びる螺旋状であって、その形状が2つ前の項と1つ前の項を足し合わせていくことでできる下記数式1の漸化式を用いる関数により規定される。
(数1)
a1=a2=1
an+2=an+1+an (n:1以上の整数。)
(数1)
a1=a2=1
an+2=an+1+an (n:1以上の整数。)
好ましくは、本発明の振動板は、凸状リブまたは凹状リブの形状は、数式1で定まるフィボナッチ数列の各項の値anを一辺とする正方形を隣り合うように順番に配置してできる正方形の集合について、正方形のそれぞれの一辺の長さを半径として正方形の2つの頂点を結ぶ円弧を、連続的に繋ぐことで規定される。
また、好ましくは、本発明の振動板は、凸状リブまたは凹状リブの形状は、下記数式2の関数により離散的に定めるx−y座標を連続的に繋ぐことで規定される。
(数2)
x =b・m・cos [2π/φ2・m]
y =b・m・sin [2π/φ2・m]
(b:任意の定数、m:パラメータ(媒介変数:自然数)、
φ: 黄金比 = [1 + sqrt(5) ] /2 ( = 1.618・・・) )
(数2)
x =b・m・cos [2π/φ2・m]
y =b・m・sin [2π/φ2・m]
(b:任意の定数、m:パラメータ(媒介変数:自然数)、
φ: 黄金比 = [1 + sqrt(5) ] /2 ( = 1.618・・・) )
また、好ましくは、本発明の振動板は、シート状部材またはフィルム状部材とは異なる部材で構成された径方向の断面が凸状となる円環状のエッジ部が、ドーム部の外径側に連結されている。
また、好ましくは、本発明の振動板は、径方向の断面が凸状となる円環状のエッジ部を、シート状部材またはフィルム状部材を成形してドーム部の外径側にドーム部と一体に構成する。
また、好ましくは、本発明の振動板は、エッジ部が、凸状面に形成する凸状リブまたは凹状リブを回転対称に複数備え、複数の凸状リブまたは凹状リブは、中心点を起点として径方向に延びる螺旋状であって、その形状が2つ前の項と1つ前の項を足し合わせていくことでできる数式1の漸化式を用いる関数により規定される。
また、好ましくは、本発明の振動板は、エッジ部が、凸状面を凹ませて形成する凹状リブを回転対称に複数備え、複数の凹状リブは、中心点を通過する第1径方向線に対して45°の角度で交叉する第1規定線に沿う第1リブと、第1リブと交わらずに隣り合う位置に配置され、かつ、第2径方向線に対して45°未満の所定の角度で交叉する第2規定線に沿う第2リブと、を少なくとも含む。
また、好ましくは、本発明の振動板は、ドーム部の外周部に規定されるボイスコイル取付部に連結されるボイスコイルをさらに備える。
また、本発明のスピーカーユニットは、上記の振動板と、振動板のエッジ部の外周端部が固定されるフレームと、フレームに固定されてボイスコイルのコイルが接続される端子と、ボイスコイルのコイルが配置される磁気空隙を有してフレームに固定される磁気回路と、フレームの窓部の開孔を覆うように取り付けられる制動部材と、を備える。
また、本発明のヘッドホンまたはイヤホンは、上記のスピーカーユニットを備える。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明の振動板は、ヘッドホンまたはイヤホンに用いる動電型のスピーカーユニットを構成する振動板であって、シート状部材またはフィルム状部材を成形して、径方向の断面が凸状となるドーム部、エッジ部を構成する。本発明の振動板は、ドーム部の外径側に別の材料または同一の材料で形成されるエッジ部と、ドーム部の外周部に規定されるボイスコイル取付部に連結されるボイスコイルをさらに備えるようにしてもよい。本発明のスピーカーユニットは、この振動板と、振動板のエッジ部の外周端部が固定されるフレームと、フレームに固定されてボイスコイルのコイルが接続される端子と、ボイスコイルのコイルが配置される磁気空隙を有してフレームに固定される磁気回路と、フレームの窓部の開孔を覆うように取り付けられる制動部材と、を備え、ヘッドホンまたはイヤホンを構成することができる。
ここで、振動板のドーム部は、凸状面を変形させて形成する凸状リブまたは凹状リブを、中心点を通過するそれぞれの径方向線に対して傾いた方向に延びるように、複数設けて回転対称に配置する。複数の凸状リブまたは凹状リブは、中心点を起点として径方向に延びる螺旋状であって、その形状が2つ前の項と1つ前の項を足し合わせていくことでできる数式1の漸化式を用いる関数により規定される。つまり、振動板の複数の凸状リブまたは凹状リブは、数式1で定まるフィボナッチ数列に基づいて、その螺旋状の形状が定まる。螺旋状の複数の凸状リブまたは凹状リブは、ドーム部だけでなくエッジ部に設けてもよい。
フィボナッチ数列は、自然界の現象に数多く出現し、例えば、ひまわりの種の配置、または、オウムガイの貝の断面形状、サボテンのとげの配置、など螺旋状の形状には、フィボナッチ数列が現れると言われている。フィボナッチ数列に基づく凸状リブまたは凹状リブは、正方形を隣り合うように順番に配置してできる正方形の集合を用いても、数式2の関数により離散的に定めるx−y座標を連続的に繋いでも規定することができ、バイオミメティクス(生物模倣)が可能になる。
したがって、従来の単純で人工的な螺旋状のリブを設ける場合に比較して、自然に近い螺旋状の凸状リブまたは凹状リブを備えるので、振動のドーム部の強度を補強するのに、中高音域での共振分散の効果をもたらすことができる。また、エッジ部では、変位対称性を改善して、ほぼ対称にすることができる。その結果、音圧周波数特性におけるピーク・ディップを抑制し、振動板のローリングまたは異音の発生を抑制し、偶数次歪みを抑制して、再生音質を優れたものにすることができる。
好ましくは、本発明の振動板は、エッジ部の複数の凹状リブが、第2リブを中心点から所定の角度で回転対称により複写して隣り合うように配置する一または複数の第2リブをさらに含み、エッジ部における少なくとも2つの第1リブの間に、隣り合う複数の第2リブから構成される第2リブ群が配置されるのがよい。また、複数の凹状リブが、第1リブを中心点から所定の角度で回転対称により複写して隣り合うように配置する一または複数の第1リブをさらに含み、エッジ部における少なくとも2つの第2リブの間に、隣り合う複数の第1リブから構成される第1リブ群が配置されるようにしてもよい。第1リブは、数式1で定まるフィボナッチ数列に基づく螺旋状に曲がっていてもよい。エッジ部の変位対称性をさらに改善することができる。
本発明のヘッドホン並びにイヤホンに用いられる動電型のスピーカーユニットの振動板は、ドーム部並びにエッジ部に螺旋状の複数の凸状リブまたは凹状リブを配置して、音圧周波数特性の平坦化を含めた音響特性の改善を図り、再生音質に優れるスピーカーユニットを提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態による振動板およびこれを用いたスピーカーユニット、ヘッドホン、並びにイヤホンについて説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるヘッドホン並びにイヤホンに用いられる動電型のスピーカーユニット1について説明する図である。具体的には、図1は、スピーカーユニット1の外観を示す前面側からの斜視図である。また、図2は、このスピーカーユニット1の振動板10の形状を説明する一部を拡大した平面図である。なお、スピーカーユニット1の形態は、本実施例の場合に限定されない。また、本発明の説明に不要なスピーカーユニット1の構成については、図示及び説明を省略する。
本実施例のスピーカーユニット1は、ユーザーの耳に近接させて配置するヘッドホンに用いられる呼び口径が40mmの動電型スピーカーである。本実施例のスピーカーユニット1は、例えば、呼び口径が35〜50mmの場合にはヘッドホンに適し、呼び口径が5〜10mmの場合のように小口径である場合にはイヤホンに適する。なお、スピーカーユニット1は、ヘッドホンのバッフル又はイヤホンのハウジングに取り付けられて、ヘッドホンまたはイヤホンを構成する。ただし、このスピーカーユニット1を用いるヘッドホン又はイヤホンの具体的な形態については、図示及び説明を省略する。
スピーカーユニット1は、樹脂材料で形成されるフレーム2と、フレーム2に固定される(図示しない)磁気回路3と、PEEK積層フィルム部材を成形した振動板10と、振動板10に連結してそのコイルが(図示しない)磁気回路3の(図示しない)磁気空隙に配置される(図示しない)ボイスコイルと、ボイスコイルのコイルの両端が接続される(図示しない)端子と、フレーム2に取り付けられて振動板10から放射された音波が通過する(図示しない)制動部材と、を備える。なお、磁気回路3とボイスコイル、並びに、制動部材フレーム2の後述する開孔を覆う制動部材は、図1では振動板10の背面側に位置して隠れることになるので、外観視されていない。
振動板10は、球面の一部のようなドーム部11と、このドーム部11の外周囲に延設されるエッジ部12と、を一体に構成した振動板である。振動板10には、ドーム部11の外周部であってエッジ部12との結合部に、背面側から音声信号電流が供給されるボイスコイルが取り付けられる。振動板10のエッジ部12の外周端側は、フレーム2の振動板固定部21に固定され、小型軽量な磁気回路3は、フレーム2の(図示しない)磁気回路固定部22に固定される。磁気回路固定部22の内側には、磁気回路3の磁気空隙と連通してボイスコイルが通過する開孔が設けられる。振動板10と連結するボイスコイルのコイルは、磁気回路3の磁気空隙に配置される。
したがって、スピーカーユニット1では、強い直流磁界が発生する磁気回路3の磁気空隙中に配置されるボイスコイルに音声信号電流が供給されると、図示するZ軸方向に駆動力が発生し、ボイスコイルならびに振動板10から構成されるスピーカー振動系がZ軸方向に振動する。つまり、スピーカー振動系は、振動板10のエッジ12のみによって振動可能に支持されており、その結果、振動板10の前後に存在する空気に圧力変化を生じ、音声信号電流を音波(音声)に変換する。
フレーム2は、振動板10のエッジ部12の外周部を固定する略円環形状の振動板固定部21と、磁気回路3を固定する略円環形状の磁気回路固定部22と、振動板固定部21と磁気回路固定部22とを連結して複数の(図示しない)開孔を規定する(図示しない)連結部23と、端子を固定する(図示しない)端子固定部と、を有する。フレーム2は、前面側に振動板10のドーム部11およびエッジ部12が露出するように取り付けて、振動板10の前面側から放射される音波が再生されるように構成されている。
さらに、フレーム2は、振動板10の前面側から放射される音波とは逆相の関係になる振動板10の背面側から放射される音波に関して、連結部23に規定されている複数の(図示しない)開孔を通じてエッジ部12からの音波が背面側に再生されるように構成されている。連結部23には、開孔を覆うように通気性を有する(図示しない)制動部材を取り付けることができる。スピーカーユニット1は、ヘッドホン又はイヤホンに適するように、開孔および制動部材によってフレーム2の内部空間によるコンプライアンス(音響容量)を調整でき、コンプライアンスが調整されることによって周波数特性、特に低音域の周波数特性を調整することができる。
フレーム2は、ポリフェニレンエーテル系樹脂と、ポリスチレン系樹脂と、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1つのポリオレフィン系樹脂と、を含有する樹脂材料から形成されている。ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂の重量比は、90/10〜70/30の範囲であるのが好ましく、また、ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂との合計100重量部に対して、ポリオレフィン系樹脂を、5〜20重量部含有するようにするのが好ましい。ポリフェニレンエーテル系樹脂と、ポリスチレン系樹脂と、はアロイ化されていてもよい。
本実施例のフレーム2は、上記樹脂材料を採用することにより、高い内部損失と優れた機械的特性をバランスよく有し、軽量で、かつ、優れた耐熱性およびS/N比を有することができる。より詳細には、ポリフェニレンエーテル系樹脂と、ポリスチレン系樹脂と、ポリオレフィン系樹脂とが特定の比率で含有されることにより、格段に高い内部損失と優れた機械的特性をバランスよく有し、かつ、これらの樹脂が本来有する優れた耐熱性、耐湿性、成形性、寸法安定性、軽量性を損なわずに振動特性に優れるフレーム2を得ることができる。
振動板10は、厚みが33μmのPEEK積層フィルム(PEEK9μm/TPU15μm/PEEK9μm)部材を成形している。振動板10のドーム部11は、径方向の断面が凸状となるドーム状の振動板部である。また、振動板10のエッジ部12は、径方向の断面が凸状となるロールエッジである。図1または図2に示すように、ドーム部11には、凸状面の一部を凸に形成する凸状の螺旋状リブ6が複数設けられている。なお、螺旋状リブ6は、凸状面の一部を凹に形成する凹状リブであってもよい。
振動板10のドーム部11の螺旋状リブ6は、中心点Oを起点として径方向に延びる螺旋状であって、振動板10では13本のリブを周方向に等間隔で配置している。それぞれの螺旋状リブ6の形状(湾曲の様子)は、2つ前の項と1つ前の項を足し合わせていくことでできる数式1の漸化式:フィボナッチ数列を用いる関数により規定される。
(数1)
a1=a2=1
an+2=an+1+an (n:1以上の整数。)
(数1)
a1=a2=1
an+2=an+1+an (n:1以上の整数。)
フィボナッチ数列は、例えば{1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377,…, … }、と続く数列であって、自然界の現象に数多く出現すると言われている。具体的には、ひまわりの種の配置、または、オウムガイの貝の断面形状、サボテンのとげの配置、など螺旋状の形状には、フィボナッチ数列が現れると言われる。隣り合うフィボナッチ数の比は黄金比φに収束する。
図3は、螺旋状リブの形状を説明する図である。螺旋状リブの形状は、例えば、フィボナッチ数列の各項の値anを一辺とする正方形を隣り合うように順番に配置してできる正方形の集合について、正方形のそれぞれの一辺の長さを半径として正方形の2つの頂点を結ぶ円弧を、連続的に繋ぐことで規定される。図3では、フィボナッチ数列{1, 1, 2, 3, 5, 8, 13}の各項の値の場合を図示している。
フィボナッチ数列に基づく螺旋形状は、数式2の関数により離散的に定めるx−y座標を連続的に繋いでも規定することができる。
(数2)
x =b・m・cos [2π/φ2・m]
y =b・m・sin [2π/φ2・m]
(b:任意の定数、m:パラメータ(媒介変数:自然数)、
φ: 黄金比 = [1 + sqrt(5) ] /2 ( = 1.618・・・) )
(数2)
x =b・m・cos [2π/φ2・m]
y =b・m・sin [2π/φ2・m]
(b:任意の定数、m:パラメータ(媒介変数:自然数)、
φ: 黄金比 = [1 + sqrt(5) ] /2 ( = 1.618・・・) )
振動板10の複数の凸状リブ6の螺旋状の形状は、数式1並びに数式2で定まる。つまり、フィボナッチ数列に基づいて、バイオミメティクスの生物模倣した螺旋状の形状が定まる。なお、振動板10の螺旋状リブ6では、数式2におけるbの値を0.03に設定してその形状を定めた場合である。
螺旋状の複数の凸状リブまたは凹状リブは、ドーム部11だけでなくエッジ部12に設けてもよい。本実施例の振動板10では、ドーム部11に凸状の螺旋状リブ6を配置するだけでなく、エッジ部12にも凹状の螺旋状リブ14(16)を配置している。なお、径方向の断面が凸状となる円環状のエッジ部12は、本実施例では、シート状部材またはフィルム状部材を成形してドーム部11の外径側にドーム部11と一体に構成しているが、異なる部材で構成されたエッジ部12が、ドーム部11の外径側に連結されていてもよい。
また、エッジ部12には、凸状面を凹ませて形成する凹状リブ13が複数設けられている。これらの複数の凹状リブ13は、タンジェンシャルリブのように配置された螺旋状リブである第1リブ14(16)と、傾斜リブである第2リブ15と、を含み、これらが回転対称にエッジ部12に配置されている。本実施例の振動板10のエッジ部12には、凹状リブ13としての5本の第1リブ14(16)および30本の第2リブ15が配置されている。なお、本実施例の第1リブ14(16)は、螺旋状リブであるが、第1リブ14は直線状のリブであってもよい。
それぞれの凹状の第1リブ14は、中心点Oを通過する第1径方向線R1に対して角度θ=45°で交叉する第1規定線T1に沿うように、エッジ部12の凸状面を凹ませて形成する。第1径方向線R1は、第1リブ14のほぼ中央付近を通過する仮想線である。例えば、図2に示すように、第1リブ14は、第1径方向線R1において、中心点Oから所定の距離だけ離れたエッジ部12の凸状面を角度θ=45°の角度で交叉する第1規定線T1に沿って凹ませた溝として、形成される。
また、第1リブ14を規定する第1規定線T1は、中心点Oを中心とする同心円の接線でもある。つまり、第1規定線T1は、図示する角度θ=45°の径方向線R0に対して角度θ=90°の角度で交叉するような同心円の接線である。したがって、第1規定線T1に沿う第1リブ14は、エッジ部12のタンジェンシャルリブを形成することになる。
また、図2に示すように、もう一つの第1リブ14は、図示する第1径方向線において、中心点Oから所定の距離だけ離れたエッジ部12の凸状面を角度θ=45°の角度で交叉する第1規定線に沿って凹ませた溝として、形成される。この第1リブ14は、X軸と交叉する第1リブ14を中心点Oを中心に72°回転させて複写した凹状リブである。振動板10では、同様にして、X軸またはY軸と交叉するさらに2つの第1リブ14が回転対称で複写するように配置され、その結果、合計5本の第1リブ14が中心点Oから72°の角度で回転対称に配置される。
また、凹状の第2リブ15は、中心点Oを通過する第2径方向線に対して角度φ=15°で交叉する第2規定線に沿うように、エッジ部12の凸状面を凹ませて形成する。第2径方向線は、第2リブ15のほぼ中央付近を通過する仮想線である。例えば、図2に示すように、X軸と交叉する第1リブ14と交わらずに隣り合う位置に配置される第2リブ15aは、中心点Oを通過する第2径方向線Raにおいて、中心点Oから所定の距離だけ離れたエッジ部12の凸状面を角度φ=15°の角度で交叉する第2規定線Taに沿って凹ませた溝として、形成される。
したがって、第2リブ15aを規定する第2規定線Taは、中心点Oを中心とする同心円の接線にはならず、隣り合う第1リブ14を規定する第1規定線T1とは、傾斜して交叉する関係になる。したがって、第2規定線Taに沿う第2リブ15aは、エッジ部12のタンジェンシャルリブではなく、第1リブ14とは交わらない傾斜リブを形成することになる。
次に、図2に示すように、他の第2リブ15bは、傾斜リブである第2リブ15aと隣り合う位置に配置される。具体的には、第2リブ15bは、第2リブ15aを、中心点Oから一定の角度λの間隔で離して回転対称で複写するように配置される。同様に、他の第2リブ15c〜15fは、それぞれ角度λの間隔で離して回転対称で複写するように配置される。その結果、第2リブ15a〜15fは、6本の第2リブによるリブ群を形成する。このリブ群(第2リブ15a〜15f)は、先述のX軸と交叉する位置に配意された第1リブ14と、もうひとつの第1リブ14と、の間に配置されることになる。
本実施例の振動板10では、5組の6本の第2リブ15によるリブ群が、中心点Oから72°の角度で回転対称に複写するように配置される。したがって、エッジ部12を一周すると、1本のタンジェンシャルリブのような螺旋状リブである第1リブ14(16)と、6本の傾斜リブである第2リブ15によるリブ群とが、5組順番に出現するように配置されていることになる。
その結果、本実施例の振動板10のエッジ部12では、上述の通り、凹状リブ13としての5本の第1リブ14(16)および30本の第2リブ15が、面積当たりの凹状リブ13の有無の密度が低い部分と高い部分を含むように配置されていることになる。このようにすることで、エッジ部12の剛性・強度が一様でなくなり、共振周波数が分散する。エッジ部12の凹状リブ13は、振動板10の変位対称性を改善して、振動板10のローリングまたは異音の発生といった不具合が生じるのを防ぎ、再生音質を改善する。本実施例の場合には、それだけでなく、音圧周波数特性におけるピーク・ディップを抑制して、再生音質を優れるものにできる。
なお、第1リブ14並びに第2リブ15の長さおよび深さは、エッジ部12の形状に応じて適宜定めることができる。つまり、凹状リブ13のエッジ部12の凸状面から深さは、エッジ部12の中央の位置とエッジ部12の内周側端部または外周側端部に近い位置とでは異なるように変化する。凹状リブ13は、凸状のエッジ部12の両端部を除く部分に長くて深い溝状の部分として設けられる。凹状リブ13の内側の端は、ドーム部11の外周部であってエッジ部12との結合部に至らず、また、凹状リブ13の外側の端は、フレーム2の振動板固定部21と固定される平面部にまでは至らない。
図4は、本実施例の振動板10のZ軸方向の変位対称性を示すグラフである。振動板10のボイスコイルが取り付けられる位置に加える駆動力を基準化した値(%)を横軸にとって、駆動力に対する振動板のZ軸方向の変位量(Displacement [mm])の絶対値を縦軸にとって、上方向(Up:実線、前面方向)と下方向(Down:点線、背面方向)とを重ね書きしたグラフである。エッジ部12のZ軸方向の変位対称性に優れる理想的な振動板の場合には、上方向の特性曲線と下方向との特性曲線が離れることなく近づいて、ほぼ一致するようになる。
図4のグラフを参照すると、本実施例の振動板10は、上方向の特性曲線と下方向との特性曲線とがかなり近づいて、エッジ部12のZ軸方向の変位対称性が優れている。したがって、振動板10を用いる動電型のスピーカーユニット1は、ボイスコイルおよび振動板10が構成するスピーカー振動系がローリングするなどして異音を発生することを抑制することができる。振動板10のZ軸方向の変位対称性が優れていれば、振動板10が上方向と下方向とで変位の絶対値が等しい場合に排出する空気量が等しくなる方向に近づくので、偶数次歪みの発生を抑制して再生音質を優れたものにすることができる。
また、図5は、本実施例の振動板10および比較例の振動板100の音圧周波数特性を示すグラフである。横軸が入力音声信号の周波数(10Hz〜100kHz)であり、縦軸が再生される音圧レベルである。本実施例の振動板10の場合には、比較例の振動板100の場合に約3k〜30kHzに出現するピーク・ディップが抑えられている。したがって、この本実施例の振動板10を用いる動電型のスピーカー1ユニットは、これを備えるヘッドホンまたはイヤホンの再生音質を優れるものにできる。
図6は、本実施例の他の振動板10a、10b並びに比較例の振動板100の形状を示す平面図である。振動板10aは、上述の振動板10と同様に、数式2におけるbの値を0.03に設定して13本の螺旋状リブ6aをドーム部11に配置している。また、振動板10bは、上述の振動板10とは異なり、数式2におけるbの値を0.005に設定して4本の螺旋状リブ6bをドーム部11に配置している。一方で、比較例の振動板100のドーム部11には、螺旋状リブ6が設けられていない。
また、振動板10a並びに10bのエッジ部12と、比較例の振動板100のエッジ部12には、それぞれ1本のタンジェンシャルリブである第1リブ14と、9本の傾斜リブである第2リブ15によるリブ群とが、4組順番に出現するように配置されている。つまり、上述の振動板10は、エッジ部12に螺旋状リブ16を備えるのに対し、振動板10a並びに10bと比較例の振動板100はエッジ部12に螺旋状リブを備えない点で相違し、他の設定は共通するものである。
また、図7は、図5のグラフと同様に、本実施例の振動板10aおよび10bと比較例の振動板100の音圧周波数特性を示すグラフである。本実施例の振動板10a、10bの場合には、比較例の振動板100の場合に約3k〜30kHzに出現するピーク・ディップが抑えられている。したがって、この本実施例の振動板10a、10bを用いる動電型のスピーカー1ユニットは、これを備えるヘッドホンまたはイヤホンの再生音質を優れるものにできる。
本実施例の振動板10、10a、10bを用いる動電型のスピーカーユニット1を備える(図示しない)ヘッドホンの場合には、比較例の(図示しない)ヘッドホンとの比較試聴の結果、比較例のヘッドホンに比べて再生音質の方が優れることが確認できる。本実施例の場合には、ドーム部11に自然を模倣した螺旋状の凸状の螺旋状リブを備えるので、振動板10のドーム部12の強度を補強して、中高音域での共振分散の効果をもたらすことができる。また、動電型のスピーカーユニット1の振動板10のローリングに起因する異音などの不要な音波の発生を抑えることができる。もちろん、この振動板10を用いる動電型のスピーカーユニット1は、ユーザーの耳にハウジングを直接支持させる(図示しない)イヤホンに用いてもよい。
図8は、他の実施例の振動板10c、10dおよび10eの形状を示す平面図である。また、図9および図10は、音圧周波数特性を示すグラフである。これらの実施例の振動板10c、10dおよび10eは、ドーム部11に配置する螺旋状リブ6と、エッジ部12に配置する螺旋状リブ16と、の形状並びに配置が本実施例の振動板10に対して相違し、他の設定は共通するものである。
図8(a)に示す振動板10cのドーム部11には、上述の振動板10bと同様に、数式2におけるbの値を0.005に設定して4本の螺旋状リブ6cを配置している。また、そのエッジ部12には、数式2におけるbの値を0.005に設定して5本の凹状の螺旋状リブ16cを回転対称に配置している。
また、図8(b)に示す振動板10dのドーム部11には、数式2におけるbの値を0.005に設定して5本の螺旋状リブ6dを配置している。また、そのエッジ部12には、数式2におけるbの値を0.005に設定して8本の凹状の螺旋状リブ16dを回転対称に配置している。
また、図8(c)に示す振動板10eは、上述の振動板10bとは、ドーム部11に配置された螺旋状リブ6eの構成が異なる。つまり、螺旋状リブ6eは、上述の振動板10bと同様に、数式2におけるbの値を0.005に設定して4本の螺旋状リブ6bを配置して、さらにこれらの4本の螺旋状リブ6bを反転させた4本の螺旋状リブを加えて、合計8本の螺旋状リブを配置している。振動板10eのエッジ部12は、振動板10bのエッジ部12と同じ凹状リブ13が配置されている。
図9および図10のグラフを参照すると、本実施例の振動板10c、10dおよび10eは、先の実施例の振動板10、10bと同様に、比較例の振動板100と比較して、ドーム部11およびエッジ部12の剛性・強度が一様でなくなり、共振周波数が分散する。その結果、音圧周波数特性におけるピーク・ディップを抑制して、再生音質を優れるものにできる。振動板10c、10dおよび10eを用いる動電型のスピーカーユニット1は、ボイスコイルおよび振動板10が構成するスピーカー振動系がローリングするなどして異音を発生することを、比較例の振動板100と比較して抑制することができる。
上記の実施例のように、エッジ部12における凹状リブ13として、タンジェンシャルリブである第1リブ14並びに傾斜リブである第2リブ15の配置は、少なくとも両者が交わることなく隣り合うように配置されていればよい。タンジェンシャルリブである第1リブ14が、中心点を通過する第1径方向線に対して45°の角度で交叉する第1規定線に沿うので、第2リブ15はその第2径方向線に対して45°未満の所定の角度で交叉する第2規定線に沿うようにすればよい。また、第1リブ14並びに第2リブ15がそれぞれ隣り合うように形成されているリブ群が、エッジ部12を一周すると交互に出現するように配置されていればよい。
なお、振動板10を構成する樹脂材料は、上記実施例のPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)の積層フィルム状部材に限定されない。振動板10を形成する材料は、例えば、他のフィルム状のPET(ポリエチレンテレフタレート)、PEI(ポリエーテルイミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PI(ポリイミド)、PAR(ポリアリレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、等の軽量な樹脂材料のフィルム、もしくは、シートを熱プレスして形成したものであってもよく、また、エラストマーのシートをプレス成形したものであってもよい。また、振動板10を形成する材料は、セルロース等の天然繊維や合成繊維から構成された不織布、または、紙材であってもよい。振動板10は、複数の材料を積層させたものであってもよい。例えば、PEEK、PEI、PET、PEN等の樹脂フィルムを積層させる際に、中間層としてエラストマーのシート、あるいは、接着剤層を間に挟んでもよい。
振動板10は、ドーム部11の外周部に規定されるボイスコイル取付部にボイスコイル3を連結して、動電型のスピーカーユニット1を構成するスピーカー振動系の組み立て部品として取り扱うことができる。なお、ボイスコイル3の直径寸法と、振動板10を構成する樹脂材料の厚み寸法とに応じて、ドーム部11並びにエッジ部12の形状寸法は、螺旋状リブ6または凹状リブ13の稜線部を面取りする曲面の寸法を含めて変更可能である。
また、振動板10は、ドーム部11が、エッジ部12とは異なる部材で構成されて、エッジ部12の中央側に連結されていてもよい。つまり、径方向の断面が凸状となるエッジ部12を構成するシート状部材またはフィルム状部材とは異なる部材で構成されたドーム部11を、エッジ部12の中央側に連結してもよい。
本実施例のフレーム2は、上記のようなポリフェニレンエーテル系樹脂と、ポリスチレン系樹脂と、ポリオレフィン系樹脂とを特定の比率で含有する樹脂材料を採用することにより、高い内部損失と優れた機械的特性をバランスよく有し、軽量で、かつ、優れた耐熱性およびS/N比を有することができるようにしているが、比率の異なる他の樹脂材料または金属材料でフレーム2を構成してもよい。
本発明の振動板は、図示するような動電型のスピーカーユニットに限らず、さらにダンパーを備えてスピーカー振動系を構成するスピーカーユニットであってもよい。また、動電型のスピーカーユニットに限らず、圧電型のスピーカーユニットにも適用が可能である。
1 スピーカーユニット
2 フレーム
21 振動板固定部
22 磁気回路固定部
23 連結部
3 磁気回路
10 振動板
6 螺旋(凸)状リブ
11 ドーム部
12 エッジ部
13 凹状リブ
14 第1リブ
15 第2リブ
16 螺旋(凹)状リブ
2 フレーム
21 振動板固定部
22 磁気回路固定部
23 連結部
3 磁気回路
10 振動板
6 螺旋(凸)状リブ
11 ドーム部
12 エッジ部
13 凹状リブ
14 第1リブ
15 第2リブ
16 螺旋(凹)状リブ
Claims (10)
- 径方向の断面が凸状となるドーム部を、シート状部材またはフィルム状部材を成形して構成する振動板であって、
該ドーム部に形成する凸状リブまたは凹状リブを回転対称に複数備え、
複数の該凸状リブまたは該凹状リブは、中心点を起点として該径方向に延びる螺旋状であって、その形状が2つ前の項と1つ前の項を足し合わせていくことでできる下記数式1の漸化式を用いる関数により規定される、
振動板。
(数1)
a1=a2=1
an+2=an+1+an (n:1以上の整数。) - 前記凸状リブまたは前記凹状リブの前記形状は、該数式1で定まる数列の各項の値anを一辺とする正方形を隣り合うように順番に配置してできる該正方形の集合について、該正方形のそれぞれの該一辺の長さを半径として該正方形の2つの頂点を結ぶ円弧を、連続的に繋ぐことで規定される、
請求項1に記載の振動板。 - 前記凸状リブまたは前記凹状リブの前記形状は、下記数式2の関数により離散的に定めるx−y座標を連続的に繋ぐことで規定される、
請求項1に記載の振動板。
(数2)
x =b・m・cos [2π/φ2・m]
y =b・m・sin [2π/φ2・m]
(b:任意の定数、m:パラメータ(媒介変数:自然数)、
φ: 黄金比 = [1 + sqrt(5) ] /2 ( = 1.618・・・) ) - 前記シート状部材または前記フィルム状部材とは異なる部材で構成された径方向の断面が凸状となる円環状のエッジ部が、前記ドーム部の外径側に連結されている、
請求項1から3のいずれかに記載の振動板。 - 径方向の断面が凸状となる円環状のエッジ部を、前記シート状部材または前記フィルム状部材を成形して前記ドーム部の外径側に該ドーム部と一体に構成する、
請求項1から3のいずれかに記載の振動板。 - 前記エッジ部が、該凸状面に形成する凸状リブまたは凹状リブを回転対称に複数備え、複数の該凸状リブまたは該凹状リブは、中心点を起点として該径方向に延びる螺旋状であって、その形状が2つ前の項と1つ前の項を足し合わせていくことでできる前記数式1の漸化式を用いる関数により規定される、
請求項4または5に記載の振動板。 - 前記エッジ部が、前記凸状面を凹ませて形成する凹状リブを回転対称に複数備え、
複数の該凹状リブは、中心点を通過する第1径方向線に対して45°の角度で交叉する第1規定線に沿う第1リブと、該第1リブと交わらずに隣り合う位置に配置され、かつ、第2径方向線に対して45°未満の所定の角度で交叉する第2規定線に沿う第2リブと、を少なくとも含む、
請求項4から6のいずれかに記載の振動板。 - 前記ドーム部の外周部に規定されるボイスコイル取付部に連結されるボイスコイルをさらに備える、
請求項4から7のいずれかに記載の振動板。 - 請求項8に記載の前記振動板と、該振動板の前記エッジ部の外周端部が固定されるフレームと、該フレームに固定されて前記ボイスコイルのコイルが接続される端子と、該ボイスコイルの該コイルが配置される磁気空隙を有して該フレームに固定される磁気回路と、該フレームの窓部の開孔を覆うように取り付けられる制動部材と、を備える、
スピーカーユニット。 - 請求項9に記載のスピーカーユニットを備えるヘッドホンまたはイヤホン。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019165002A JP2021044685A (ja) | 2019-09-11 | 2019-09-11 | 振動板およびこれを用いたスピーカーユニット、ヘッドホン、並びにイヤホン |
CN202010934534.7A CN112492458A (zh) | 2019-09-11 | 2020-09-08 | 膜片、扬声器单元和耳机或耳塞 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024057596A1 (ja) * | 2022-09-13 | 2024-03-21 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 電気音響変換器 |
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2019
- 2019-09-11 JP JP2019165002A patent/JP2021044685A/ja active Pending
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- 2020-09-08 CN CN202010934534.7A patent/CN112492458A/zh active Pending
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